JP2010191043A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも樹脂と着色剤を含むトナーにおいて、前記着色剤はカーボンブラックからなり、前記トナーはコアとシェルとから形成されたコアシェル構造を有し、前記コアの形成には、酸価が15〜40mgKOH/gのポリエステル樹脂が用いられ、前記シェルの形成には、酸価が40〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂が用いられている。
【選択図】なし
Description
そのため、今後もケミカルトナーの生産量、シェアの拡大が見込まれる。
ポリエステル樹脂はメタクリル酸等の解離性基を導入したスチレンアクリル樹脂と比べて、樹脂粒子の分散安定性が低い。スチレンアクリル樹脂と酸価が同じでも凝集の再現性が低い傾向がある。そのため、ポリエステル樹脂の粒子径の制御は難しく、コアシェル構造が完全とならずに、コアが一部露出して耐熱保存性を低下させるという問題があった。
少なくとも樹脂と着色剤を含むトナーにおいて、
前記着色剤はカーボンブラックからなり、
前記トナーはコアとシェルとから形成されたコアシェル構造を有し、
前記コアの形成には、酸価が15〜40mgKOH/gのポリエステル樹脂が用いられ、
前記シェルの形成には、酸価が40〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂が用いられているトナーが提供される。
体積基準のメディアン径が60〜520nmであり、酸価が15〜40mgKOH/gであるポリエステル樹脂粒子と、カーボンブラック粒子とを会合し、コアを形成する工程と、
体積基準のメディアン径が60〜520nmであり、酸価が40〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂粒子により前記コアを被覆し、シェルを形成する工程と、
を含むトナーの製造方法が提供される。
さらに、シェルの形成に、酸価が40〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂を用いることにより、シェルがコア粒子を薄く均一に完全被覆するため、耐熱保存性が向上し、帯電量分布もシャープとなる。
《トナー》
本発明のトナーは、少なくとも樹脂と着色剤を含み、前記着色剤はカーボンブラックからなり、前記トナーはコアとシェルとから形成されたコアシェル構造を有し、前記コアの形成には、酸価が15〜40mgKOH/gのポリエステル樹脂が用いられ、前記シェルの形成には、酸価が40〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂が用いられている。
コア又はシェルに用いるポリエステル樹脂のモノマーとしては、公知の2価以上のアルコール成分と、公知の2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸成分とが用いられる。コア又はシェルに用いるポリエステル樹脂は、例えば非結晶性ポリエステル樹脂を用いることができる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ポリエステル樹脂は、例えばアルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて120〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。縮重合の際、必要に応じて公知のエステル化触媒を用いてもよい。
コアにスルホン酸基を持つモノマーを用いてもよい。その場合、スルホン酸基を持つモノマーを、全酸成分及びアルコール成分のモノマー中、0.1〜2.0質量%含むことが好ましく、0.16〜0.27質量%含むことがさらに好ましい。
また、シェルに3価以上の多価カルボン酸モノマーを用いてもよい。3価以上の多価カルボン酸モノマーとして、例えばトリメリット酸を用いる場合、全カルボン酸モノマー中、48〜80質量%含むことが好ましい。コア、シェルとも、多価カルボン酸モノマー、スルホン酸基を持つモノマーを併用してもよい。
着色剤はカーボンブラックからなる。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用可能である。中でも、製造安定性に優れるDBP(ジブチルフタレート)給油量が50〜300ml/g、数平均一次粒子径が100nm以下のカーボンブラックが好ましい。上記範囲の給油量、数平均一次粒子径とすることにより、カーボンブラック粒子をトナー粒子のコア中に良好に分散させることができる。
カーボンブラックの体積基準のメディアン径を制御する方法としては、例えば上述の機械的エネルギーの大きさを調整する方法が挙げられる。
本発明で使用される離型剤は特に限定されるものではなく、公知の離型剤を使用することができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、クエン酸トリベヘネート等の合成エステルワックス、が挙げられる。また、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックスの他、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックスが挙げられる。これらの変性物であってもよい。
本発明に係るトナーは、必要に応じて荷電制御剤、外添剤を用いてもよい。
荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩又はその金属錯体等が挙げられる。含有される金属としては、Al、B、Ti、Fe、Co、Ni等である。荷電制御剤として好ましいのはベンジル酸誘導体の金属錯体化合物である。
本発明に係るトナーの製造方法は、体積基準のメディアン径が60〜520nmであり、酸価が15〜40mgKOH/gであるポリエステル樹脂粒子と、カーボンブラック粒子とを会合し、コアを形成する工程と、体積基準のメディアン径が60〜520nmであり、酸価が40〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂粒子により前記コアを被覆し、シェルを形成する工程と、を含む。
(1)単核コアシェル構造を有するトナーの製造方法
コアシェル構造とは、樹脂や着色剤等からなるコアをシェル用の樹脂によって被覆した(これをシェル化という)構造をいうが、単核コアシェル構造は1つのトナー粒子に1つのシェル化されたコアが含まれる構造をいう。
洗浄及び濾過後、乾燥処理を行う。乾燥処理に用いられる乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機を挙げることができる。
多核コアシェル構造とは、1つのトナー粒子に複数のコアが含まれる構造をいう。多核コアシェル構造は、トナーの粒子径(体積基準のメディアン径)よりも小さいコアをシェル化したサブユニットが凝集して形成される。
本発明のトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が考えられ、何れも好適に使用することができる。
本発明のトナーにおいては、キャリアと混合する二成分現像剤として使用する場合は、キャリアに対するトナーフィルミング(キャリア汚染)の発生を抑制することができ、一成分現像剤として使用する場合は、現像装置の摩擦帯電部材に対するトナーフィルミングの発生を抑制することができる。
キャリアとしては、その体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜60μmのものがより好ましい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
以上のトナーは、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法に好適に用いることができる。画像形成方法としては、具体的には、以上のようなトナーを使用して、例えば像担持体上に静電的に形成された静電潜像を、現像装置において現像剤を摩擦帯電部材によって帯電、顕在化させてトナー画像を得る。トナー画像を用紙に転写し、その後、用紙上に転写されたトナー画像を接触加熱方式の定着処理によって用紙に定着させることにより、可視画像が得られる。
本発明のトナーを使用する好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式のものを挙げることができる。接触加熱方式としては、特に熱圧定着方式、さらには熱ロール定着方式及び固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
熱ロール定着方式の定着方法においては、通常、表面にフッ素樹脂等が被覆された鉄やアルミニウム等よりなる金属シリンダー内部に熱源が備えられた上ローラと、シリコーンゴム等で形成された下ローラとから構成された定着装置が用いられる。
(1)非結晶性ポリエステル樹脂A1の分散液の調製
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、下記多価カルボン酸モノマー及び下記多価アルコールモノマーを合計3質量部仕込む。1時間かけて反応系を190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、多価カルボン酸モノマーの全量に対し0.003質量%の触媒Ti(OBu)4を投入した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 12.50質量部
フマル酸: 13.90質量部
イソフタル酸: 0.55質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.27質量部
トリメリット酸: 5.20質量部
(多価アルコールモノマー)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンプロピレンオキサイド2モル付加物:76質量部
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド2モル付加物
:24質量部
(i)測定条件
Transparency(透明度):Yes
Refractive Index(屈折率):1.59
Particle Dencity(粒子比重):1.05gm/cm3
Spherical Particles(球形粒子):Yes
(ii)溶媒条件
Refractive Index(屈折率):Yes
Viscosity(粘度):High(temp)0.797x10-3Pa・S
Low(temp)1.002x10-3Pa・S
上記非結晶性ポリエステル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、非結晶性ポリエステル樹脂A2の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 12.17質量部
フマル酸: 13.49質量部
イソフタル酸: 0.53質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.26質量部
トリメリット酸: 6.45質量部
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A2の酸価は18.1mgKOH/gであった。また、分散液中の非結晶性ポリエステル樹脂A2粒子の体積基準のメディアン径は252nmであった。
上記非結晶性ポリエステテル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、非結晶性ポリエステル樹脂A3の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 11.88質量部
フマル酸: 13.17質量部
イソフタル酸: 0.52質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.26質量部
トリメリット酸: 7.41質量部
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A3の酸価は20.1mgKOH/gであった。また、分散液中の非結晶性ポリエステル樹脂A3粒子の体積基準のメディアン径は248nmであった。
上記非結晶性ポリエステテル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、非結晶性ポリエステル樹脂A4の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 11.59質量部
フマル酸: 12.85質量部
イソフタル酸: 0.50質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.25質量部
トリメリット酸: 8.38質量部
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A4の酸価は22.0mgKOH/gであった。また、分散液中の非結晶性ポリエステル樹脂A4粒子の体積基準のメディアン径は245nmであった。
上記非結晶性ポリエステテル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、非結晶性ポリエステル樹脂A5の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 10.71質量部
フマル酸: 11.88質量部
イソフタル酸: 0.47質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.23質量部
トリメリット酸: 11.31質量部
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A5の酸価は28.0mgKOH/gであった。また、分散液中の非結晶性ポリエステル樹脂A5粒子の体積基準のメディアン径は240nmであった。
上記非結晶性ポリエステテル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、非結晶性ポリエステル樹脂A6の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 9.22質量部
フマル酸: 10.22質量部
イソフタル酸: 0.40質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.20質量部
トリメリット酸: 16.31質量部
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A6の酸価は38.0mgKOH/gであった。また、分散液中の非結晶性ポリエステル樹脂A6粒子の体積基準のメディアン径は232nmであった。
上記非結晶性ポリエステル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、非結晶性ポリエステル樹脂B1の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 8.76質量部
フマル酸: 9.72質量部
イソフタル酸: 0.38質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.19質量部
トリメリット酸: 17.84質量部
上記非結晶性ポリエステテル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、非結晶性ポリエステル樹脂B2の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 6.58質量部
フマル酸: 7.30質量部
イソフタル酸: 0.29質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.14質量部
トリメリット酸: 25.13質量部
上記非結晶性ポリエステテル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、非結晶性ポリエステル樹脂B3の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 4.65質量部
フマル酸: 5.15質量部
イソフタル酸: 0.20質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.10質量部
トリメリット酸: 25.13質量部
上記非結晶性ポリエステテル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、比較用非結晶性ポリエステル樹脂b1の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 3.22質量部
フマル酸: 3.68質量部
イソフタル酸: 0.14質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.07質量部
トリメリット酸: 36.07質量部
上記非結晶性ポリエステテル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、比較用非結晶性ポリエステル樹脂a1の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 13.30質量部
フマル酸: 14.75質量部
イソフタル酸: 0.58質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.29質量部
トリメリット酸: 2.65質量部
上記非結晶性ポリエステテル樹脂A1の分散液の調製において、多価カルボン酸モノマーを下記モノマーに変更した以外は同様の手順により、比較用非結晶性ポリエステル樹脂a2の分散液を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸: 12.64質量部
フマル酸: 14.01質量部
イソフタル酸: 0.55質量部
5−スルホイソフタル酸: 0.27質量部
トリメリット酸: 4.87質量部
カーボンブラック(リーガル330R;キャボット社製)を固形分濃度12.5質量%となるようにイオン交換水中に分散させ、水系分散液を得た。これを着色剤分散液とした。
下記成分を混合した溶液を95℃に加熱して、ウルトラタラックスT50(IKA社製)により十分に分散させた。その後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーにより分散処理し、体積平均径240nm、固形分量20質量%の離型剤分散液を得た。
クエン酸トリベヘネートワックス(融点83.2℃): 60質量部
イオン性界面活性剤(ネオゲンRK;第一工業製薬社製):5質量部
イオン交換水: 240質量部
(1)実施例に係るトナー1の作製
非結晶性ポリエステル樹脂A1:1700質量部(固形分換算)
イオン交換水: 2100質量部
着色剤分散液: 250質量部
離型剤分散液:500質量部
温度計、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置が設けられたセパラブルフラスコに、上記成分を投入した。非結晶性ポリエステル樹脂A1はコア用ポリエステル樹脂として用いた。系内の温度を30℃に保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加してpHを10に調整した。
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
具体的には、界面活性剤を含有する水溶液にトナーを添加し、超音波分散を1分行った後、FPIA−2100(Sysmex社製)等の測定装置を用いてHPF(高倍率撮像)モードによってHPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある同一測定値が得られる。
次いで、生成したトナー粒子の分散液を、バスケット型遠心分離器MARK III型(型式番号60×40;松本機械製作社製)により固液分離して、トナーのウェットケーキを形成した。以後、ろ液の電気伝導度の値が15μS/cm以下になるまでトナーの洗浄と固液分離を繰り返した。
上記トナー1の作製において、コア用ポリエステル樹脂、シェル用ポリエステル樹脂を、表1に示すように変更した以外は同様の手順により、実施例に係るトナー2〜14、比較例に係る比較用トナー1〜9を作製した。
フェライト粒子(体積基準のメディアン径50μm;パウダーテック社製)100質量部と、メタクリレート樹脂(一次粒子の体積基準のメディアン径85nm)2質量部とを、水平攪拌羽根式高速攪拌装置に入れ、攪拌羽根の周速が8m/sとなる条件で、水冷により混合槽内を35℃に制御し15分間混合した。その後、110℃まで昇温し、攪拌を2時間継続した。攪拌後、冷却し、105μmの篩を用いて分粒し、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。このフェライトキャリアを、作製した実施例に係るトナー1〜14、比較例に係る比較用トナー1〜9のそれぞれと混合し、各トナーについてトナー濃度が7質量%である二成分系の静電荷像現像剤を調製した。
市販のデジタル複写機bizhub 920(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に評価対象の各トナーの現像剤を搭載して印刷テストを行い、下記の評価項目について評価した。なお、上記デジタル複写機bizhub 920は、現像剤のカートリッジを交換して使用できるトナーリサイクル方式の機種である。
常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下で、シームレスベルトの表面温度を80〜150℃まで5℃刻みで変更し、トナー画像の定着処理を行った。転写紙は秤量350g紙を用いた。定着処理されたトナー画像の定着強度を、下記メンディングテープ剥離法により測定し、定着強度が90%以上得られたときのシームレスベルトの表面温度を定着可能温度として求めた。そして、定着可能温度が110℃未満の場合を合格と評価した。
i)トナー画像(画像濃度1.0)の絶対反射濃度D0を測定する。
ii)メンディングテープ(No.810-3-12;住友3M社製)を、トナー画像に軽く貼り付ける。
iii)貼り付けたメンディングテープの上を1kPaの圧力で擦りつける。これを3.5往復行う。
iv)180℃の角度で、200gの力によりメンディングテープを剥がす。
v)メンディングテープを剥離した後のトナー画像の絶対反射濃度D1を測定する。
vi)下記式により定着強度を算出する。
定着強度(%)=D1/D0×100
なお、絶対反射濃度の測定には、反射濃度計RD−918(マクベス社製)を用いた。
トナー0.5gを内径21mmの10mlガラス瓶に取り、蓋を閉めた。このガラス瓶をタップデンサーKYT−2000(セイシン企業社製)により室温にて600回振とうした後、蓋を取って55℃、35%RHの環境下に置き、2時間放置した。次いで、トナーの凝集物が解砕しないように注意しながら、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に載せてパウダーテスター(ホソカワミクロン社製)にセットした。パウダーテスターの押さエバー、ノブナットで篩を固定し、送り幅1mmの振動強度に調整して、10秒間振動を加えた。その後、篩上に残存しているトナー量の比率(%)を、トナーの凝集率として求めた。トナーの凝集率は下記式で示される。
トナー凝集率(%)=篩上の残存トナー質量(g)/0.5(g)×100
トナーの耐熱保管性が極めて良好 :トナー凝集率が15質量%未満
トナーの耐熱保管性が良好 :トナー凝集率が20質量%以下
トナーの耐熱保管性が悪く、使用不可:トナー凝集率が20%を超える。
各トナーの現像剤を用いて、画素率6%の単色の画像を、A4サイズで2000枚分印刷した。このとき消費されたトナー量から1枚あたりの印刷によって消費されるトナー量を算出した。1枚あたりのトナー消費量が16mg/枚未満となる場合を合格レベルと評価した。
クリーニング部からトナーがすり抜け始めたか、若しくは白地部分を汚染し始めた枚数、又はトナーが感光体にフィルミングして中間調の画像部分にムラを形成し始めた枚数を求めた。求めた枚数が50万枚以上となる場合を合格レベルと評価した。
Claims (2)
- 少なくとも樹脂と着色剤を含むトナーにおいて、
前記着色剤はカーボンブラックからなり、
前記トナーはコアとシェルとから形成されたコアシェル構造を有し、
前記コアの形成には、酸価が15〜40mgKOH/gのポリエステル樹脂が用いられ、
前記シェルの形成には、酸価が40〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂が用いられているトナー。 - 体積基準のメディアン径が60〜520nmであり、酸価が15〜40mgKOH/gであるポリエステル樹脂粒子と、カーボンブラック粒子とを会合し、コアを形成する工程と、
体積基準のメディアン径が60〜520nmであり、酸価が40〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂粒子により前記コアを被覆し、シェルを形成する工程と、
を含むトナーの製造方法。
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JP5439845B2 (ja) | 2014-03-12 |
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