JP2010038937A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー Download PDF

Info

Publication number
JP2010038937A
JP2010038937A JP2008198017A JP2008198017A JP2010038937A JP 2010038937 A JP2010038937 A JP 2010038937A JP 2008198017 A JP2008198017 A JP 2008198017A JP 2008198017 A JP2008198017 A JP 2008198017A JP 2010038937 A JP2010038937 A JP 2010038937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
resin
toner
polyester resin
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008198017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5185005B2 (ja
Inventor
Masanori Koike
政法 小池
Hideaki Saito
英朗 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2008198017A priority Critical patent/JP5185005B2/ja
Publication of JP2010038937A publication Critical patent/JP2010038937A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5185005B2 publication Critical patent/JP5185005B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 粒径が均一で、低温定着性と耐ブロッキング性に優れた静電荷像現像用トナーの提供。
【解決手段】 トナー用樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子は、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を水中に分散させる工程と前記樹脂粒子を凝集させる工程とを含む工程から形成される体積平均粒径が3〜10μmの粒子であり、トナー用樹脂中にポリエステル樹脂(A)を含有し、(A)が、酸価が6mgKOH/g以下かつ水酸基価が10〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂(a)と、特定組成ののカルボン酸(b)とが反応されてなるポリエステル樹脂であり、(A)のTHF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のGPCのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、かつ(A)が特定の関係式を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられる静電荷像現像用トナー、および静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
粒径が均一であり、画質に優れる静電荷像現像用トナーを製造する方法として、粒径、形状を意図的に制御する乳化凝集法が提案されている(特許文献1)。また、静電荷像現像用トナーの低温定着性能を向上させる目的で、バインダーとしてポリエステル樹脂を用いることが従来より知られており、さらなる定着性改良の目的で、高酸価なポリエステル樹脂を含有させる方法が提案されている(特許文献2等)。
特開昭63−282752号公報 特開2004−294735号公報
近年、環境負荷低減の要求から、さらなる低温での定着に対する要求が高まり、耐ブロッキング性と低温定着性を両立した静電荷像現像用トナーが要望されている。しかしながら、特許文献2のポリエステル樹脂を含有する、乳化凝集法で得られた静電荷像用トナーであっても、十分満足できる品質には至ってない。
本発明の目的は、粒径が均一で、低温定着性と耐ブロッキング性にさらに優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明者らはこれらの問題点を解決するべく鋭意検討した末、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、トナー用樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子は、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を水中に分散させる工程と前記樹脂粒子を凝集させる工程とを含む工程から形成される体積平均粒径が3〜10μmの粒子であり、トナー用樹脂中にポリエステル樹脂(A)を含有し、(A)が、酸価が6mgKOH/g以下かつ水酸基価が10〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ならびにそれらの酸無水物および低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)とが反応されてなるポリエステル樹脂であり、(A)のTHF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、かつ(A)が次の式(1)および(2)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー;並びにトナー用樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を水中に分散させる工程、前記樹脂粒子を凝集させる工程、および凝集した樹脂粒子を融合して体積平均粒径が3〜10μmのトナー粒子を得る工程を含み、該トナー用樹脂中にポリエステル樹脂(A)を含有し、(A)が、酸価が6mgKOH/g以下かつ水酸基価が10〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ならびにそれらの酸無水物および低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)が反応されてなるポリエステル樹脂であり、(A)のTHF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、かつ(A)が次の式(1)および(2)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法;である。
酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80mgKOH/g) ・・・式(1)
THF不溶解分(重量%)/軟化点(℃)≦0.2 ・・・式(2)
本発明の製造方法で得られる本発明の静電荷像現像用トナーを用いることにより、粒径が均一で、低温定着性と耐ブロッキング性に優れるトナーとすることができ、耐ホットオフセット性も良好である。
以下、本発明を詳述する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、特定酸価および特定水酸基価を有するポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、並びにそれらの酸無水物および低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)とを反応させることで得られるポリエステル樹脂(A)、着色剤、および必要により、THF不溶解分を含まないポリエステル樹脂(B)を含有する樹脂粒子を形成するのに用いる樹脂を水中に1μm以下で分散し、該水中分散樹脂を凝集させることにより凝集粒子の粒径を調整し、該凝集粒子を溶融させ融合して、粒子化することによって得られる。
なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などで測定できる。もし、各測定装置間で粒径の測定値に差を生じた場合は、ELS−800での測定値を採用する。
本発明の静電荷像現像用トナー中のトナー用樹脂は、特定酸価および特定水酸基価を有するポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、並びにそれらの酸無水物および低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)を反応させることで得られるポリエステル樹脂(A)を含有する。
ポリエステル樹脂(a)としては、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られるものが好ましい。
ポリエステル樹脂(a)の原料のポリオール成分のうち、2価アルコール(ジオール)としては、炭素数2〜36の脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,7−ヘプタンジオール、およびドデカンジオール等のアルカンジオールなど);炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等);上記炭素数2〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下AOと略記する)〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびブチレンオキシド等〕付加物(付加モル数2〜30);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分のうち3〜8価またはそれ以上のポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビトール等);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等:平均重合度3〜60)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのポリオール成分の中で、好ましくは、炭素数2〜6のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数6〜36の脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくは、ビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよび/またはPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよび/またはPO)付加物である。
ポリエステル樹脂(a)の原料のポリカルボン酸成分のうち脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸、およびセバシン酸等)、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、およびグルタコン酸等)、などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸としては、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10000](α−オレフィン/マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、おゲルよびピロメリット酸
等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、および炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、さらに好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらの併用であり、とくに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、およびこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、ポリカルボン酸成分としては、芳香族ポリカルボン酸および必要により脂肪族ポリカルボン酸からなり、芳香族ポリカルボン酸を60モル%以上含有するものが好ましい。芳香族ポリカルボン酸の含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、とくに好ましくは80〜100モル%である。芳香族ポリカルボン酸が60モル%以上含有されていることで、樹脂強度が上がり、低温定着性がさらに向上する。
本発明においてポリエステル樹脂(a)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜240℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することもできる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒〔例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタニルカリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、およびチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)とその分子内重縮合物〕、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは1.4/1〜1/1、さらに好ましくは1.35/1〜1.1/1、とくに好ましくは1.35/1〜1.2/1である。なお、上記反応比率は、反応中に系外へ除去される成分があるときは、その分を除外した比率である。
ポリエステル樹脂(a)は、酸価が6(mgKOH/g、以下の酸価も同様)以下かつ水酸基価が10〜70(mgKOH/g、以下の水酸基価も同様)である。酸価は、好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下であり、水酸基価は、好ましくは15〜65、さらに好ましくは20〜60である。酸価が6より多い場合、あるいは水酸基価が70より多い場合は、ポリエステル樹脂(a)の重縮合が不十分で、低分子量成分が多いこと示しており、それを用いて得られるトナー用樹脂の保存安定性が悪化する。また水酸基価が10より小さい場合は、カルボン酸(b)との反応効率が悪くなる。
ポリエステル樹脂(a)の酸価、水酸基価をこれらの範囲とするには、ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率で調整するのが有効である。
上記および以下においてポリエステル樹脂の酸価および水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
ポリエステル樹脂(a)の分子量は、ピークトップ分子量(以下Mpと記載)が2000〜10000であることが好ましく、Mpが3000〜8000であることがさらに好ましい。また、Mnは500〜8000であることが好ましく、1000〜7000であることがさらに好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂の分子量〔Mp、Mn、および重量平均分子量(以下Mwと記載)〕は、GPCを用いて以下の条件で測定される。
上記および以下において、ポリエステル樹脂の分子量(Mp、Mn、およびMw)は、GPCを用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点 (分子量 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000 4480000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、トナー用樹脂の分子量の測定は、トナー用ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とした。
ポリエステル樹脂(A)は、ポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ならびにそれらの酸無水物および低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)とを、反応時の混合比が、(a)に由来する水酸基の当量をOHa、(b)に由来するカルボキシル基の当量をCOOHbとするとき、OHa/COOHb=0.1〜1.0の当量比で反応させて得られるものが好ましい。OHa/COOHbは、さらに好ましくは0.2〜0.9であり、とくに好ましくは0.3〜0.8である。OHa/COOHbが0.1以上であると分子量が十分大きくなり、トナー化時の耐ホットオフセット性が向上する。1.0以下であると樹脂の流動性が良好となり、トナー化時の低温定着性が向上する。
カルボン酸(b)としては、モノカルボン酸、ポリカルボン酸のいずれも使用可能であるが、モノカルボン酸とポリカルボン酸の比率は、反応に使用するカルボン酸の全カルボキシル基の当量を100とするとき、モノカルボン酸由来のカルボキシル基とポリカルボン酸由来のカルボキシル基の当量比が、(0〜50)/(50〜100)が好ましく、(0〜20)/(80〜100)がさらに好ましい。モノカルボン酸由来のカルボキシルの比率が50以下であると架橋が不足せず、樹脂の強度が十分に得られる。また、反応生成物の酸価を所定範囲に調整しやすい。
また、(b)として、酸無水物および、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
カルボン酸(b)として用いるモノカルボン酸のうち、脂肪族(脂環式を含む)モノカルボン酸としては、炭素数1〜50のアルカンモノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸等)、炭素数3〜50のアルケンモノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸等)などが挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、メチル安息香酸、フェニルプロピオン酸、およびナフトエ酸等)などが挙げられる。
(b)として用いるポリカルボン酸のうち、脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、3〜6価またはそれ以上の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸、および3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、前記ポリエステル樹脂(a)に用いるものと同様のものが挙げられる。
これらの中で、2価以上の芳香族カルボン酸が好ましく、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸がさらに好ましく、トリメリット酸、および無水トリメリット酸がとくに好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成するカルボン酸成分中の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸の含有量は、好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは1〜20モル%である。30モル%以下であると、樹脂の流動性が良好で、トナー化時の低温定着性が向上する。
ポリエステル樹脂(A)は、下記の範囲の酸価および酸価/水酸基価を有するように調整する以外は、ポリエステル樹脂(a)と同様の製造法で得ることができる。
(A)の酸価は、15〜80であり、好ましくは18〜60である。また(A)の水酸基価は、下記式(1)を満たせばよいが、好ましくは1〜40、さらに好ましくは3〜30、とくに好ましくは9〜25である。
酸価が15を下回ると、水中に1μm以下に分散するのが容易ではなく、かつ得られるトナーの定着の強度が弱まる。また酸価が80を越えると、水中分散樹脂の凝集が容易ではなく、かつ得られるトナーが環境条件の影響を受けやすくなり、安定性が悪化する。
本発明において、(A)の酸価と水酸基価は、次式(1)の関係を満たす。
酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80) ・・・式(1)
酸価/水酸基価が1未満であると、光沢度発現温度や定着温度域における光沢度が低下する。酸価/水酸基価は、好ましくは2〜10である。尚、式(1)を満たすポリエステル樹脂(A)を製造するためには、例えば、ポリエステル樹脂(a)とカルボン酸(b)との反応比率を調整することにより達成できる。
ポリエステル樹脂の酸価は、通常カルボキシル基に由来するが、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法において、水中への1μm以下の樹脂粒子の分散を容易にするために、ポリエステル樹脂(A)および後述するポリエステル樹脂(B)のカルボキシル基は、その少なくとも一部が塩基で中和されていてもよい。カルボキシル基の中和率は、20〜100当量%が好ましい。
上記の中和塩を形成する塩基としては、アンモニア、炭素数1〜30のモノアミン(エチルアミン、n−ブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ラウリルジメチルアミン等)、4級アンモニウム(ラウリルトリメチルアンモニウム等)、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、およびアルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)などが挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)のTHF不溶解分は、1〜36重量%であり、好ましくは2〜33重量%、さらに好ましくは3〜28重量%、とくに好ましくは4〜25重量%である。THF不溶解分が1重量%未満であると耐ホットオフセット性が低下し、36重量%を越えると低温定着性が低下する。
上記および以下においてポリエステル樹脂のTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。還流温度から20℃まで冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)の軟化点は、耐ホットオフセット性と低温定着性の観点から、120〜180℃であり、好ましくは122〜170℃、さらに好ましくは123〜155℃である。
なお、本発明においては、フローテスターを用いて下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とした。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
本発明において、(A)のTHF不溶解分と軟化点は、次式(2)の関係を満たす。
THF不溶解分(重量%)/軟化点(℃)≦0.2 ・・・式(2)
THF不溶解分/軟化点が0.2を越えると、低温定着性および耐ホットオフセット性の両立が困難であり、また光沢度発現温度や定着温度域における光沢度が低下する。THF不溶解分/軟化点は、好ましくは0.01〜0.19である。
尚、式(2)を満たすポリエステル樹脂(A)を製造するためには、例えば、ポリエステル樹脂(a)を製造した後に、(a)とカルボン酸(b)とを反応させる方法でポリエステル樹脂(A)を製造し、その際、(a)の水酸基価を10〜70mgKOH/gとし、かつ(a)と(b)の反応率を調整することで達成できる。具体的には、(a)と(b)の反応率を低くする〔すなわち、未反応の(a)の水酸基と(b)のカルボキシル基の量を多くする〕と、THF不溶解分/軟化点が下がり、逆に(a)と(b)の反応率を高くする〔すなわち、未反応の(a)の水酸基と(b)のカルボキシル基の量を少なくする〕とTHF不溶解分/軟化点が上がる。
ポリエステル樹脂(A)の分子量は、Mpが、4500〜20000であり、好ましくは5000〜20000、さらに好ましくは5500〜15000である。Mwは、30000〜300000であることが好ましく、40000〜250000であることがさらに好ましい。また、分子量分布を示すMwとMnの比(以下Mw/Mnと記載)は、15〜100であることが好ましく、20〜90であることがさらに好ましい。
Mp、Mw、およびMw/Mnが上記範囲内であると、耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスが良好である。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)は、200℃で加熱溶融した前後における軟化点の差が10℃以下であることが好ましく、5℃以下であることがさらに好ましい。尚、200℃で加熱溶融後の軟化点は110〜190℃が好ましく、120〜180℃がさらに好ましい。
尚、200℃で加熱溶融した前後における軟化点の差は、次のようにして測定される。
(A)を3g入れた試験管を、200℃に温調したブロックバスに入れ、10分程度加熱溶解した後に、溶解した(A)を試験管ごと氷水中に投入し冷却する。加熱溶融した(A)および加熱溶融前の(A)について、前記の方法で軟化点を測定し、その差を求める。
本発明においてポリエステル樹脂(A)は、200℃で加熱溶融した前後におけるTHFに可溶な成分のMpの変化率が10%以下であることが好ましく、9%以下であることがさらに好ましい。尚、200℃で加熱溶融後のMpは4050〜22000が好ましく、4500〜20000がさらに好ましい。
尚、200℃での加熱溶融処理の方法は前項の方法と同じであり、またMpは前記したポリエステル樹脂のMp測定方法と同じである。
200℃で加熱溶融した前後における軟化点の差、および200℃で加熱溶融した前後におけるTHFに可溶な成分のMpの差を小さくする方法としては、例えば、(a)と(b)の反応終了後のポリエステル樹脂(A)の冷却を、ベルトクーラーなどの装置を用いてより短時間で行う方法が挙げられる。
本発明の静電荷像現像用トナーに用いるトナー用樹脂中に、ポリエステル樹脂(A)と共に、THF不溶解分を含まないポリエステル樹脂(B)を含有してもよい。本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー用樹脂としてポリエステル樹脂(A)のみを用いても優れた定着性を示すが、ポリエステル樹脂(A)と共にポリエステル樹脂(B)を使用することでさらに優れた定着性が得られる。
ポリエステル樹脂(B)は、通常、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られ、組成はとくに限定されない。
(B)の原料となるポリオール成分のうち、ジオールとしては、炭素数2〜36の脂肪族ジオール、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数2〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)、炭素数6〜36の脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)、およびビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらの具体例としては、前述のポリエステル樹脂(a)に用いるものと同様のものが挙げられる。
ポリオール成分のうち、3〜8価またはそれ以上のアルコールとしては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール、脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)、トリスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらの具体例としては、前述のポリエステル樹脂(a)に用いるものと同様のものが挙げられる。
これらポリオール成分中好ましいものは、炭素数2〜6の脂肪族ジオール、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数6〜36の脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくは、炭素数2〜6の脂肪族ジオール、ビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物である。
ポリカルボン酸成分のうち、脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、3〜6価またはそれ以上の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸、および3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、前記ポリエステル樹脂(a)に用いるものと同様のものが挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルを用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、前記ポリエステル樹脂(a)に用いるポリカルボン酸と同様である。
ポリエステル樹脂(B)の酸価は、5〜80が好ましく、8〜50がさらに好ましく、10〜30がとくに好ましい。
また水酸基価は、60以下が好ましく、50以下がさらに好ましく、5〜45がとくに好ましい。
ポリエステル樹脂(B)の分子量は、Mpが3000〜10000であることが好ましく、Mpが3500〜9000であることがさらに好ましい。
本発明においてポリエステル樹脂(B)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、前述のポリエステル樹脂(a)の製造法と同様の方法が挙げられる。
ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
本発明の静電荷像現像用トナーに用いるトナー用樹脂における、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の重量比は、(A)と(B)の合計を100としたとき、(5〜100)/(95〜0)が好ましく、(8〜95)/(92〜5)がさらに好ましく、(10〜80)/(90〜20)がとくに好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーに用いるトナー用樹脂中には、ポリエステル樹脂(A)のみ、またはポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)のみを含有することが好ましいが、本発明のトナーの特性を損なわない範囲で、これら以外の通常用いられる他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、(A)、(B)以外のポリエステル樹脂、ビニル系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル開環重合物等)、ウレタン樹脂(ジオールおよび/または3価以上のポリオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。ポリエステル樹脂を2種以上併用する場合、および少なくとも1種のポリエステル樹脂と他の樹脂を使用する場合、粉体混合または溶融混合してもよいし、一部反応させてもよい。また、トナー化時に別々に水中に分散させてもよい。
他の樹脂のMnは、1000〜10万が好ましい。他の樹脂の含有量は、トナー用樹脂の合計量〔(A)、(B)、および他の樹脂の合計量〕に対して、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下である。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法において、水(水と少量の水溶性有機溶剤との混合溶剤を含む)中にポリエステル樹脂(A)および必要によりポリエステル樹脂(B)を含有する体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を分散させる方法は、特には限定されないが、以下の〔1〕〜〔7〕が挙げられる。
〔1〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその有機溶剤溶液を必要であれば適当な分散剤存在下で水中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて、樹脂粒子の水性分散液を製造する方法。
〔2〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその有機溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化し、硬化剤を加えたりして硬化させて、樹脂粒子の水性分散液を製造する方法。
〔3〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級するすることによって樹脂粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔4〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔5〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、またはあらかじめ有機溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子を析出させ、次いで、有機溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔6〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水中に分散させ、これを加熱または減圧等によって有機溶剤を除去する方法。
〔7〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
ポリエステル樹脂(B)についても、上記と同様の方法で、水中に(B)を含有する体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を分散させることができる。また、(A)と(B)を共に含有する樹脂粒子を分散させることもできる。
上記〔1〕〜〔7〕の方法において、併用する乳化剤または分散剤としては、公知の界面活性剤(s)、水溶性ポリマー(t)等を用いることができる。また、乳化または分散の助剤として有機溶剤(u)、可塑剤(v)等を併用することができる。
また乳化または分散には、分散装置を用いることができる。容易に体積平均粒径を1μm以下とするためには、分散装置を用いて剪断力をかけて分散するのが好ましい。
本発明で使用する分散装置は、一般に乳化機、分散機として市販されているものであればとくに限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
上記界面活性剤(s)としては、アニオン界面活性剤(s−1)、カチオン界面活性剤(s−2)、両性界面活性剤(s−3)、非イオン界面活性剤(s−4)などが挙げられる。界面活性剤(s)は2種以上の界面活性剤を併用したものであってもよい。(s)の具体例としては、以下に述べるものの他特開2002−284881号公報に記載のものが挙げられる。
アニオン界面活性剤(s−1)としては、カルボン酸またはその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩等が用いられる。
カルボン酸またはその塩としては、炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸またはその塩が使用でき、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸およびリシノール酸並びにヤシ油、パーム核油、米ぬか油および牛脂などをケン化して得られる高級脂肪酸の混合物等が挙げられる。
その塩としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)などの塩があげられる。
硫酸エステル塩としては、高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEOまたはPO1〜10モル付加物の硫酸エステル塩)、硫酸化油(炭素数12〜50の天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸(炭素数6〜40)の低級アルコール(炭素数1〜8)エステルを硫酸化して中和したもの)および硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)等が使用できる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
高級アルコール硫酸エステル塩としては、例えば、オクチルアルコール硫酸エステル塩、デシルアルコール硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル塩、チーグラー触媒を用いて合成されたアルコール(例えば、商品名:ALFOL 1214:CONDEA社製)の硫酸エステル塩およびオキソ法で合成されたアルコール(例えば、商品名:ドバノール23、25、45、ダイヤドール115−L、115H、135:三菱化学製:、商品名:トリデカノール:協和発酵製、商品名:オキソコール1213、1215、1415:日産化学製)の硫酸エステル塩等が挙げられる。
高級アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールEO2モル付加物硫酸エステル塩およびオクチルアルコールEO3モル付加物硫酸エステル塩等が挙げられる。
硫酸化油としては、例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、牛脂および羊脂などの硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ブチルおよびリシノレイン酸ブチル等の硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化オレフィンとしては、例えば、商品名:ティーポール(シェル社製)等が挙げられる。
カルボキシメチル化物の塩としては、炭素数8〜16の脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩および炭素数8〜16の脂肪族アルコールのEOまたはPO1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩等が使用できる。
脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23のカルボキシメチル化ナトリウム塩、トリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩等が挙げられる。
脂肪族アルコールのEO1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールEO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールEO4モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、およびトリデカノールEO5モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩などが挙げられる。
スルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、イゲポンT型およびその他芳香環含有化合物のスルホン酸塩等が使用できる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
スルホコハク酸ジエステル塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩などが挙げられる。
芳香環含有化合物のスルホン酸塩としては、アルキル化ジフェニルエーテルのモノまたはジスルホン酸塩およびスチレン化フェノールスルホン酸塩などが挙げられる。
リン酸エステル塩としては、高級アルコールリン酸エステル塩および高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩等が使用できる。
高級アルコールリン酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩およびラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等が挙げられる。
高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩としては、例えば、オレイルアルコールEO5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤(s−2)としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤およびアミン塩型界面活性剤等が使用できる。
第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、炭素数3〜40の3級アミンと4級化剤(例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、ベンジルクロライドおよびジメチル硫酸などのアルキル化剤並びにEOなど)との反応等で得られ、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライドおよびステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
アミン塩型界面活性剤としては、1〜3級アミンを無機酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸、リン酸および過塩素酸など)または有機酸(酢酸、ギ酸、蓚酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、炭素数2〜24のアルキルリン酸、リンゴ酸およびクエン酸など)で中和すること等により得られる。
第1級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数8〜40の脂肪族高級アミン(例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよび、ロジンアミンなどの高級アミン)の無機酸塩または有機酸塩および低級アミン(炭素数2〜6)の高級脂肪酸(炭素数8〜40、ステアリン酸、オレイン酸など)塩などが挙げられる。
第2級アミン塩型界面活性剤としては、例えば炭素数4〜40の脂肪族アミンのEO付加物などの無機酸塩または有機酸塩が挙げられる。
また、第3級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数4〜40の脂肪族アミン(例えば、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど)、脂肪族アミン(炭素数2〜40)のEO(2モル以上)付加物、炭素数6〜40の脂環式アミン(例えば、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリンおよび1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなど)、炭素数5〜30の含窒素ヘテロ環芳香族アミン(例えば、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールおよび4,4’−ジピリジルなど)の無機酸塩または有機酸塩およびトリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなどの3級アミンの無機酸塩または有機酸塩などが挙げられる。
両性界面活性剤(s−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤などが使用できる。
カルボン酸塩型両性界面活性剤は、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤およびイミダゾリン型両性界面活性剤などが用いられる。アミノ酸型両性界面活性剤は、分子内にアミノ基とカルボキシル基を持っている両性界面活性剤であり、例えば、一般式(1)で示される化合物等が挙げられる。
[R−NH−(CH2)n−COO]mM (1)
[式中、Rは1価の炭化水素基;nは1または2;mは1または2;Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオンなどである。]
一般式(1)で表される両面活性剤としては、例えば、アルキル(炭素数6〜40)アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど);アルキル(炭素数4〜24)アミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤は、分子内に第4級アンモニウム塩型のカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤であり、例えば、アルキル(炭素数6〜40)ジメチルベタイン(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなど)、炭素数6〜40のアミドベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなど)、アルキル(炭素数6〜40)ジヒドロキシアルキル(炭素数6〜40)ベタイン(ラウリルジヒドロキシエチルベタインなど)などが挙げられる。
イミダゾリン型両性界面活性剤としては、イミダゾリン環を有するカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤であり、例えば、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
その他の両性界面活性剤として、例えば、ナトリウムラウロイルグリシン、ナトリウムラウリルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシン塩酸塩、ジオクチルジアミノエチルグリシン塩酸塩などのグリシン型両性界面活性剤;ペンタデシルスルホタウリンなどのスルホベタイン型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤などが挙げられる。
非イオン界面活性剤(s−4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤および多価アルコール型非イオン界面活性剤などが使用できる。
AO付加型非イオン界面活性剤は、炭素数8〜40の高級アルコール、炭素数8〜40の高級脂肪酸または炭素数8〜40のアルキルアミン等に直接AO(炭素数2〜20)を付加させるか、グリコールにAOを付加させて得られるポリアルキレングリコールに高級脂肪酸などを反応させるか、あるいは多価アルコールに高級脂肪酸を反応して得られたエステル化物にAOを付加させるか、高級脂肪酸アミドにAOを付加させることにより得られる。
AOとしては、たとえばEO、POおよびブチレンオキサイドが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、EOおよびEOとPOのランダムまたはブロック付加物である。
AOの付加モル数としては10〜50モルが好ましく、該AOのうち50〜100重量%がEOであるものが好ましい。
AO付加型非イオン界面活性剤としては、例えば、オキシアルキレンアルキルエーテル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)(例えば、オクチルアルコールEO20モル付加物、ラウリルアルコールEO20モル付加物、ステアリルアルコールEO10モル付加物、オレイルアルコールEO5モル付加物、ラウリルアルコールEO10モルPO20モルブロック付加物など);ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル(アルキレンの炭素数2〜24、高級脂肪酸の炭素数8〜40)(例えば、ステアリル酸EO10モル付加物、ラウリル酸EO10モル付加物など);ポリオキシアルキレン多価アルコール高級脂肪酸エステル(アルキレンの炭素数2〜24、多価アルコールの炭素数3〜40、高級脂肪酸の炭素数8〜40)(例えば、ポリエチレングリコール(重合度20)のラウリン酸ジエステル、ポリエチレングリコール(重合度20)のオレイン酸ジエステルなど);ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)(例えば、ノニルフェノールEO4モル付加物、ノニルフェノールEO8モルPO20モルブロック付加物、オクチルフェノールEO10モル付加物、ビスフェノールA・EO10モル付加物、スチレン化フェノールEO20モル付加物など);ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)および(例えば、ラウリルアミンEO10モル付加物、ステアリルアミンEO10モル付加物など);ポリオキシアルキレンアルカノールアミド(アルキレンの炭素数2〜24、アミド(アシル部分)の炭素数8〜24)(例えば、ヒドロキシエチルラウリン酸アミドのEO10モル付加物、ヒドロキシプロピルオレイン酸アミドのEO20モル付加物など)が挙げられる。
多価アルコール型非イオン界面活性剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルAO付加物、多価アルコールアルキルエーテルおよび多価アルコールアルキルエーテルAO付加物等が使用できる。多価アルコールの炭素数としては3〜24、脂肪酸の炭素数としては8〜40、AOの炭素数としては2〜24である。
多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジオレートおよびショ糖モノステアレートなどが挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルAO付加物としては、例えば、エチレングリコールモノオレートEO10モル付加物、エチレングリコールモノステアレートEO20モル付加物、トリメチロールプロパンモノステアレートEO20モルPO10モルランダム付加物、ソルビタンモノラウレートEO10モル付加物、ソルビタンジステアレートEO20モル付加物およびソルビタンジラウレートEO12モルPO24モルランダム付加物などが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルとしては、例えば、ペンタエリスリトールモノブチルエーテル、ペンタエリスリトールモノラウリルエーテル、ソルビタンモノメチルエーテル、ソルビタンモノステアリルエーテル、メチルグリコシドおよびラウリルグリコシドなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルAO付加物としては、例えば、ソルビタンモノステアリルエーテルEO10モル付加物、メチルグリコシドEO20モルPO10モルランダム付加物、ラウリルグリコシドEO10モル付加物およびステアリルグリコシドEO20モルPO20モルランダム付加物などが挙げられる。
水溶性ポリマー(t)としては、セルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
本発明に用いる有機溶剤(u)は、乳化分散の際に必要に応じて水中に加えても、被乳化分散体中〔ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂またはポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂の前駆体を含む油相中〕に加えてもよい。
有機溶剤(u)の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系有機溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素系有機溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系有機溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系有機溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系有機溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系有機溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系有機溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系有機溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
可塑剤(v)としては、何ら限定されず、以下のものが例示される。
(v1)フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];
(v2)脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(v3)トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(v4)燐酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(v5)脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];
(v6)およびこれらの2種以上の混合物。
本発明の静電荷像現像用トナーは、前記の方法で得られた、体積平均粒径が1μm以下のポリエステル樹脂(A)および必要によりポリエステル樹脂(B)を含有する樹脂粒子が水中に分散された1種または2種以上の樹脂粒子分散液を必要により混合し、樹脂粒子分散液中の樹脂粒子を凝集させて(凝集工程)、さらに樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し、凝集粒子を融合することで得られる。
上記凝集行程において、樹脂粒子分散液の一部からの凝集粒子を作成した後、残りの樹脂粒子分散液を追加混合してもよい。この方法によれば、追加混合した分散液中の樹脂粒子を凝集粒子の最表面に存在させることができる。
静電荷像現像用トナー中に、後述する着色剤や、必要により用いる離型剤および荷電制御剤等の添加剤を含有させる方法としては、前記体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子中にあらかじめ着色剤および離型剤を分散させておいてもよいし、凝集工程で着色剤を分散した着色剤分散液、離型剤を分散した離型剤分散液、および荷電制御剤を分散した荷電制御剤分散液等を混合してもよい。
前記凝集粒子はヘテロ凝集等により形成され、前記凝集粒子の安定化、粒度/粒度分布制御を目的に、凝集剤として、前記凝集粒子とは極性が異なるイオン性界面活性剤や、金属塩等の一価または二価以上の電荷を有する化合物を添加することにより形成される。また、pH変化により凝集粒子の粒径を調整することができる。
凝集剤としては一価又は二価以上の電荷を有する化合物が好ましく、一価又は二価以上の電荷を有する化合物の具体例としては、前述のイオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。さらに好ましくは塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸等の無機、有機の金属塩であり、もっとも好ましくは硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の多価の無機金属塩が、凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去等の点で好適に用いることができる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、一価の場合は3重量以下程度、二価の場合は1重量%以下程度、三価の場合は0.5重量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、価数の多い化合物が好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、バインダー樹脂となるポリエステル樹脂(A)と必要によりポリエステル樹脂(B)を含有するトナー用樹脂と、着色剤、および必要により、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等から選ばれる1種以上のトナー用添加剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
なお、流動化剤は、トナー粒子の形成後に添加するのが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナー中の組成比は、トナー重量に基づき〔本項における%は重量%である。〕、ポリエステル樹脂(A)と必要によりポリエステル樹脂(B)を含有するトナー用樹脂が、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;トナー用添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、トナー用添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明の静電荷像現像用トナーの体積平均粒径は、画像解像性の点から、通常3〜10μm、好ましくは4〜8μmである。
また、体積平均粒径/個数平均粒径は、粒径均一性の点から、好ましくは1.0〜1.2であり、さらに好ましくは1.0〜1.15である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、通常1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
製造例1<ポリエステル(A)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物41部(0.13モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物457部(1.14モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物9部(0.01モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a1)とする。
ポリエステル樹脂(a1)の酸価は1.8、水酸基価は46、Mnは2500、Mpは5500であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a1)622部、無水トリメリット酸41部(0.21モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が135℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.77であった。これをポリエステル樹脂(A1)とする。
ポリエステル樹脂(A1)の酸価は20、水酸基価は10、Mwは120000、Mpは11000、軟化点は135℃、THF不溶解分は6重量%、すなわち、式(1)の左辺は2.0、式(2)の左辺は0.04であった。また、(A1)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は133℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−2℃)、Mpは、11500(加熱溶融前後のMpの変化率:+5%)であった。
ポリエステル樹脂(A1)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WA1]を得た。[樹脂粒子分散液WA1]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
製造例2<ポリエステル(B)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物379部(1.2モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物447部(1.3モル)、テレフタル酸332部(2.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸40部(0.21モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B1)とする。
ポリエステル樹脂(B1)の酸価は21、水酸基価は37、Mnは2000、Mpは4200、THF不溶解分は0重量%であった。
ポリエステル樹脂(B1)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加え、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WB1]を得た。[樹脂粒子分散液WB1]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
製造例3<ポリエステル(A)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物37部(0.11モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物407部(1.01モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a2)とする。
ポリエステル樹脂(a2)の酸価は2.1、水酸基価は38、Mnは3000、Mpは5800であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a2)596部、無水トリメリット酸31部(0.1モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が130℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.51であった。これをポリエステル樹脂(A2)とする。
ポリエステル樹脂(A2)の酸価は30、水酸基価は12、Mwは70000、Mpは7600、軟化点は130℃、THF不溶解分は20重量%、すなわち、式(1)の左辺は2.5、式(2)の左辺は0.15であった。また、(A2)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は132℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+2℃)、Mpは7300(加熱溶融前後のMpの変化率:−4%)であった。
ポリエステル樹脂(A2)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加え、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WA2]を得た。[樹脂粒子分散液WA2]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
製造例4<ポリエステル(A)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物3部(0.01モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物486部(1.21モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物23部23部(0.03モル)、テレフタル酸159部(0.96モル)、アジピン酸6部(0.04モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a3)とする。
ポリエステル樹脂(a3)の酸価は1.6、水酸基価は53、Mnは2000、Mpは4800であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a3)650部、無水トリメリット酸56部(0.29モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が135℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.31であった。これをポリエステル樹脂(A3)とする。
ポリエステル樹脂(A3)の酸価は40、水酸基価は9、Mwは60000、Mpは6800、軟化点は135℃、THF不溶解分は25重量%、すなわち、式(1)の左辺は4.8、式(2)の左辺は0.19であった。また、(A3)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は140℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+5℃)、Mpは7300(加熱溶融前後のMpの変化率:+7%)であった。
ポリエステル樹脂(A3)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加え、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WA3]を得た。[樹脂粒子分散液WA3]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
製造例5<ポリエステル(A)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下プロピレングリコールと記載)228部(3.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル171部(0.88モル)、アジピン酸18部(0.12モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が100℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a4)とする。ポリエステル樹脂(a4)の酸価は2、水酸基価は29、Mnは2000、Mpは3500であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a4)207部、無水トリメリット酸9部(0.05モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が160℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.41であった。これをポリエステル樹脂(A4)とする。
ポリエステル樹脂(A4)の酸価は22、水酸基価は1、Mwは200000、Mpは9400、軟化点は160℃、THF不溶解分は5重量%、すなわち、式(1)の左辺は4.9、式(2)の左辺は0.03であった。
であった。また、(A4)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は163℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+3℃)、Mpは10200(加熱溶融前後のMpの変化率:+9%)であった。
ポリエステル樹脂(A4)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加え、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WA4]を得た。[樹脂粒子分散液WA4]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
製造例6<ポリエステル(A)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物3部(0.01モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物98部(0.28モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物339部(0.84モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸141部(0.85モル)、フマル酸9部(0.08モル)、無水トリメリット酸9部(0.05モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a5)とする。
ポリエステル樹脂(a5)の酸価は1.3、水酸基価は39、Mnは1600、Mpは3300であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a5)583部、無水トリメリット酸28部(0.15モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート1部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、200℃で、減圧下(10〜50mmHg)および常圧下(760mmHg)に反応させ、軟化点が142℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.94であった。これをポリエステル樹脂(A5)とする。
ポリエステル樹脂(A5)の酸価は24、水酸基価は23、Mwは53000、Mpは5000、軟化点は142℃、THF不溶解分は28重量%、すなわち、式(1)の左辺は1.0、式(2)の左辺は0.20であった。また、(A5)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は150℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+8℃)、Mpは4800(加熱溶融前後のMpの変化率:−4%)であった。
ポリエステル樹脂(A5)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加え、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WA5]を得た。[樹脂粒子分散液WA5]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
製造例7<ポリエステル(A)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物3部(0.01モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物572部(1.42モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.00モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が10以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a6)とする。
ポリエステル樹脂(a6)の酸価は7.6、水酸基価は84、Mnは900、Mpは2100であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a6)724部、無水トリメリット酸132部(0.69モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート1部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、200℃で、減圧下(50〜100mmHg)に反応させ、軟化点が123℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.36であった。これをポリエステル樹脂(A6)とする。
ポリエステル樹脂(A6)の酸価は55、水酸基価は4.1、Mwは111000、Mpは5500、軟化点は123℃、THF不溶解分は9重量%、すなわち、式(1)の左辺は13.4、式(2)の左辺は0.07であった。また、(A6)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は120℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−3℃)、Mpは5800(加熱溶融前後のMpの変化率:+5%)であった。
ポリエステル樹脂(A6)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加え、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WA6]を得た。[樹脂粒子分散液WA6]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
製造例8<ポリエステル(A)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物40部(0.13モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物444部(1.14モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物9部(0.01モル)、テレフタル酸161部(0.97モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で減圧を中止し、180℃まで冷却した。この時点のポリエステル樹脂の酸価は2、水酸基価は46、Mnは2600、Mpは5600であった。
その後、無水トリメリット酸132部(0.69モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート1部をさらに投入し、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、200℃で、減圧下(50〜100mmHg)に反応させ、軟化点が123℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.36であった。これをポリエステル樹脂(A7)とする。
ポリエステル樹脂(A7)の酸価は20、水酸基価は10、Mwは123000、Mpは11100、軟化点は135℃、THF不溶解分は6重量%、すなわち、式(1)の左辺は2.0、式(2)の左辺は0.04であった。また、(A7)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は133℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−2℃)、Mpは11600(加熱溶融前後のMpの変化率:+5%)であった。
ポリエステル樹脂(A7)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加え、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WA7]を得た。[樹脂粒子分散液WA7]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
比較製造例1<ポリエステル(A’)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物572部(1.4モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a’1)とする。
ポリエステル樹脂(a’1)の酸価は1.9、水酸基価は76、Mnは1000、Mpは2500であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a’1)724部、無水トリメリット酸83部(0.43モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、10〜50mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が125℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.79であった。これをポリエステル樹脂(A’1)とする。
ポリエステル樹脂(A’1)の酸価は25、水酸基価は23、Mwは15000、Mpは5000、軟化点は135℃、THF不溶解分は35重量%、すなわち、式(1)の左辺は1.1、式(2)の左辺は0.26であった。
また、(A’1)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は123℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−12℃)、Mpは4000(加熱溶融前後のMpの変化率:−20%)であった。
ポリエステル樹脂(A’1)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加え、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WA’1]を得た。[樹脂粒子分散液WA’1]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
比較製造例2<ポリエステル(A’)の合成および樹脂粒子分散液の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物480部(1.2モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a’2)とする。
ポリエステル樹脂(a’2)の酸価は2.0、水酸基価は46、Mnは2600、Mpは5600であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a’2)716部、無水トリメリット酸50部(0.26モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が130℃になった時点で取り出し、室温まで冷却して粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=3.37であった。これをポリエステル樹脂(A’2)とする。
ポリエステル樹脂(A’2)の酸価は17、水酸基価は37、Mwは25500、Mpは5700、軟化点は142℃、THF不溶解分は19重量%、すなわち、式(1)の左辺は0.5、式(2)の左辺は0.13であった。
また、(A’2)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は131℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−11℃)、Mpは4200(加熱溶融前後のMpの変化率:−26%)であった。
ポリエステル樹脂(A’2)100部に対してアセトン100部を加え溶解させ、さらにトリエチルアミン2.5部を加えた。ホモジナイザーで撹拌下(10000rpm)、ポリエステルのアセトン溶液に水300部を加え、40℃、100mmHgの減圧下でアセトンを留去することで[樹脂粒子分散液WA’2]を得た。[樹脂粒子分散液WA’2]のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。
製造例9<着色剤分散液の調製>
フタロシアニン顔料(山陽色素製:シアニンブルーKRO)100部、アニオン界面活性剤(三洋化成工業製:エレミノールMON−7)2部、イオン交換水250部を混合し、TK式ホモミキサーで分散し、[着色剤分散液1]を得た。
製造例10<離型剤分散液の調製>
パラフィンワックス(融点73℃)80部、アニオン界面活性剤(三洋化成工業製:エレミノールMON−7)1部、イオン交換水120部を混合し、95℃で溶解させた後、TK式ホモミキサーで分散し、[離型剤分散液1]を得た。
実施例1<静電荷像現像用トナー粒子の作製>
ステンレス製ビーカーに[樹脂粒子分散液WA1]30部、[樹脂粒子分散液WB1]140部、[着色剤分散液1]15部、[離型剤分散液1]15部、イオン交換水600部、硫酸マグネシウム1部を加え、TK式ホモミキサーを用いて分散させた後、pH7.0に調製してから60℃まで撹拌しながら昇温した。凝集粒子の体積平均粒径が5.0μm付近になるまで、塩酸(0.1mol/L)を添加したところで、pHを一定に保ちながら[樹脂粒子分散液WA1]30部を加え、60℃で1時間撹拌後、さらに80℃で加熱撹拌を2時間行った。その後、濾別し、500部のイオン交換水で4回洗浄し、40℃×18時間乾燥を行い、トナー粒子(D−1)を得た。
実施例2<静電荷像現像用トナー粒子の作製>
[樹脂粒子分散液WA1]30部(2回)をいずれも[樹脂粒子分散液WA2]20部(合計40部)に、[樹脂粒子分散液WB1]140部を160部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−2)を得た。
実施例3<静電荷像現像用トナー粒子の作製>
[樹脂粒子分散液WA1]30部(2回)をいずれも[樹脂粒子分散液WA3]10部(合計20部)に、[樹脂粒子分散液WB1]140部を180部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−3)を得た。
実施例4<静電荷像現像用トナー粒子の作製>
[樹脂粒子分散液WA1]30部(2回)をいずれも[樹脂粒子分散液WA4]30部(合計60部)に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−4)を得た。
実施例5<静電荷像現像用トナー粒子の作製>
[樹脂粒子分散液WA1]30部(2回)をいずれも[樹脂粒子分散液WA5]20部(合計40部)に、[樹脂粒子分散液WB1]140部を160部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−5)を得た。
実施例6<静電荷像現像用トナー粒子の作製>
[樹脂粒子分散液WA1]30部(2回)をいずれも[樹脂粒子分散液WA6]50部(合計100部)に、[樹脂粒子分散液WB1]140部を100部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−6)を得た。
実施例7<静電荷像現像用トナー粒子の作製>
[樹脂粒子分散液WA1]30部(2回)をいずれも[樹脂粒子分散液WA7]20部(合計40部)に、[樹脂粒子分散液WB1]140部を160部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−7)を得た。
比較例1<静電荷像現像用トナー粒子の作製>
[樹脂粒子分散液WA1]30部(2回)をいずれも[樹脂粒子分散液WA’1]20部(合計40部)に、[樹脂粒子分散液WB1]140部を160部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D’−1)を得た。
比較例2<静電荷像現像用トナー粒子の作製>
[樹脂粒子分散液WA1]30部(2回)をいずれも[樹脂粒子分散液WA’2]20部(合計40部)に、[樹脂粒子分散液WB1]140部を160部に変更する以外は実施例1と同様にして、比較のトナー粒子(D’−2)を得た
実施例8〜14、および比較例3〜4
本発明の製造方法で得られたトナー粒子(D−1)〜(D−7)、および比較のトナー粒子(D’−1)〜(D’−2)のそれぞれ100部に対して、コロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明の静電荷像現像用トナー(T−1)〜(T−7)、および比較の静電荷像現像用トナー(T’−1)〜(T’−2)を得た。
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕耐ブロッキング性
試料10.0gを200mlポリカップに入れ、40℃の循風乾燥機で静置した。5日後、乾燥機から取り出し、試料の流動性を確認した。
(判定)
◎:カップを傾けると流れる。
○:カップを傾け、スパチュラでつつくと流れる。
△:カップを傾け、スパチュラで強くつつくと流れる。
×:カップを傾け、スパチュラで強くつついても流れない。
判定が○以上のものが耐ブロッキング性良好と判断される。
〔4〕粒径
体積平均粒径および個数平均粒径を、マルチサイザーIII(コールター社製)で測定した。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
Figure 2010038937
本発明の静電荷像現像用トナーは、粒径が均一で、低温定着性、耐ホットオフセット性、および耐ブロッキング性に優れ、特にカラー用トナーとして有用である。

Claims (8)

  1. トナー用樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子は、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を水中に分散させる工程と前記樹脂粒子を凝集させる工程とを含む工程から形成される体積平均粒径が3〜10μmの粒子であり、トナー用樹脂中にポリエステル樹脂(A)を含有し、(A)が、酸価が6mgKOH/g以下かつ水酸基価が10〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ならびにそれらの酸無水物および低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)とが反応されてなるポリエステル樹脂であり、(A)のTHF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、かつ(A)が次の式(1)および(2)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80mgKOH/g) ・・・式(1)
    THF不溶解分(重量%)/軟化点(℃)≦0.2 ・・・式(2)
  2. (A)の重量平均分子量が30000〜300000である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. (A)を200℃で加熱溶融した前後の軟化点の差が10℃以下である請求項1または2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. (A)を200℃で加熱溶融した前後のTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量の変化率が10%以下である請求項1〜3のいずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  5. トナー用樹脂中に、ポリエステル樹脂(A)とともに、さらに、THF不溶解分を含まないポリエステル樹脂(B)を含有する請求項1〜4のいずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  6. (A)と(B)の重量比〔(A)/(B)〕が、(A)と(B)の合計を100としたとき、(5〜100)/(95〜0)である請求項5記載の静電荷像現像用トナー。
  7. さらに離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有する請求項1〜6のいずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  8. トナー用樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を水中に分散させる工程、前記樹脂粒子を凝集させる工程、および凝集した樹脂粒子を融合して体積平均粒径が3〜10μmのトナー粒子を得る工程を含み、該トナー用樹脂中にポリエステル樹脂(A)を含有し、(A)が、酸価が6mgKOH/g以下かつ水酸基価が10〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ならびにそれらの酸無水物および低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)が反応されてなるポリエステル樹脂であり、(A)のTHF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、かつ(A)が次の式(1)および(2)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
    酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80mgKOH/g) ・・・式(1)
    THF不溶解分(重量%)/軟化点(℃)≦0.2 ・・・式(2)
JP2008198017A 2008-07-31 2008-07-31 静電荷像現像用トナー Active JP5185005B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008198017A JP5185005B2 (ja) 2008-07-31 2008-07-31 静電荷像現像用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008198017A JP5185005B2 (ja) 2008-07-31 2008-07-31 静電荷像現像用トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010038937A true JP2010038937A (ja) 2010-02-18
JP5185005B2 JP5185005B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=42011608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008198017A Active JP5185005B2 (ja) 2008-07-31 2008-07-31 静電荷像現像用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5185005B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013019015A2 (ko) * 2011-08-04 2013-02-07 삼성정밀화학(주) 토너의 제조방법
JP2015129866A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 株式会社リコー トナー及びその製造方法
JP2015135487A (ja) * 2013-12-20 2015-07-27 キヤノン株式会社 トナーおよび二成分系現像剤

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007004149A (ja) * 2005-05-27 2007-01-11 Sanyo Chem Ind Ltd トナー用樹脂およびトナー組成物
JP2007279652A (ja) * 2006-03-14 2007-10-25 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007004149A (ja) * 2005-05-27 2007-01-11 Sanyo Chem Ind Ltd トナー用樹脂およびトナー組成物
JP2007279652A (ja) * 2006-03-14 2007-10-25 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013019015A2 (ko) * 2011-08-04 2013-02-07 삼성정밀화학(주) 토너의 제조방법
WO2013019015A3 (ko) * 2011-08-04 2013-04-04 삼성정밀화학(주) 토너의 제조방법
JP2015135487A (ja) * 2013-12-20 2015-07-27 キヤノン株式会社 トナーおよび二成分系現像剤
JP2015129866A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 株式会社リコー トナー及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5185005B2 (ja) 2013-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5185006B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5237902B2 (ja) 結晶性樹脂粒子
WO2005005522A1 (ja) 樹脂粒子及びその製造法
JP2014077979A (ja) 静電画像形成用トナー、現像剤、画像形成装置
JP2010090355A (ja) 樹脂粒子
JP2010128212A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2013156475A (ja) 静電画像形成用トナーおよび現像剤
JP4598807B2 (ja) 樹脂粒子及び樹脂分散体
JP5497516B2 (ja) 樹脂粒子及びその製造方法
JP6063901B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5185005B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
US8389188B2 (en) Toner using resin having active hydrogen-containing group and method of preparing the same
JP4759022B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2010072476A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5091012B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2010096928A (ja) トナー用樹脂およびトナー組成物
JP2010048954A (ja) 電子写真用トナー
JP2007004149A (ja) トナー用樹脂およびトナー組成物
JP5674078B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5622040B2 (ja) トナー並びに現像剤、及びこれを用いた画像形成方法、トナー用熱可塑性樹脂
JP5020529B2 (ja) 着色樹脂粒子
JP4909313B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2007262393A (ja) 樹脂粒子
JP6818162B2 (ja) 樹脂粒子及びトナーの製造方法
JP6764846B2 (ja) 樹脂粒子、複合樹脂粒子及びトナーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5185005

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3