JP5674078B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
本発明の目的は、粒径が均一で、低温定着性、耐ホットオフセット性、およびトナー流動性、とくに低温定着性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。
すなわち本発明は、トナーバインダーと着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子は、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を水中に分散させる工程と前記樹脂粒子を凝集させる工程とを含む工程から形成される体積平均粒径が3〜10μmの粒子であり、前記トナーバインダーが、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とするポリエステル樹脂であって、(x)の60〜100モル%が炭素数2〜6の脂肪族ジオールであり、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に存在する吸熱ピークの吸熱量(Q)とガラス転移温度(Tg)から下式(1)により求められるLの値が1〜30であるポリエステル樹脂(A)を25重量%以上含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー;並びに、トナーバインダーと着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を水中に分散させる工程、前記樹脂粒子を凝集させる行程、および凝集した樹脂粒子を融合して体積平均粒径が3〜10μmのトナー粒子を得る工程を含み、前記トナーバインダーが、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とするポリエステル樹脂であって、(x)の60〜100モル%が炭素数2〜6の脂肪族ジオールであり、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に存在する吸熱ピークの吸熱量(Q)とガラス転移温度(Tg)から下式(1)により求められるLの値が1〜30であるポリエステル樹脂(A)を25重量%以上含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法;である。
L=(Q×100)/(100−Tg) (1)
[但し、Qの単位はmJ/mg、Tgの単位は℃]
本発明の静電荷像現像用トナー中のトナーバインダーとして用いるポリエステル樹脂(A)の、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に見られる吸熱ピークの吸熱量(Q)は、図1において斜線部で示す通り、階段状変化の高温側のベースラインを低温側に延長した直線とDSC曲線とで囲まれた部分の熱量で表される。(A)のQとTgから式(1)により求められるLは、(A)の分子の配列状態に関連する物性値であり、低温定着性、耐ホットオフセット性及びトナーの流動性の観点から、Lは通常1〜30、好ましくは3〜25、更に好ましくは5〜20、特に7〜16である。
尚、(A)は、その少なくとも一部が後述のポリエポキシド(e)で変性されていてもよい。
示差走査熱量計による第1回目の昇温時のDSC曲線は、JIS K7121−1987に規定の方法に準拠して測定される。具体的には、サンプル5.0mgを用いて、30℃から−20℃まで冷却速度毎分90℃で冷却し10分間保った後、120℃まで加熱速度毎分20℃で昇温し、第1回目の昇温時のDSC曲線を得る。
また、ガラス転移温度(Tg)はJIS K7121−1987に規定の補外ガラス転移開始温度(℃)であり、上記第1回目の昇温に引き続き、120℃で10分間保った後、−20℃まで冷却速度毎分90℃で冷却し13分間保った後、120℃まで加熱速度毎分20℃で昇温し、この第2回目の昇温時に測定されるDSC曲線を用いてガラス転移温度を求める。
測定装置としては、セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC/580等が使用できる。
なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などで測定できる。もし、各測定装置間で粒径の測定値に差を生じた場合は、ELS−800での測定値を採用する。
ポリオール成分(x)は、60〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールを含有する。(x)中の炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、とくに好ましくは85〜100モル%、最も好ましくは90〜100モル%である。炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量が60モル%未満であると、樹脂強度が低下し、低温定着性が不足する。
多価アルコールのうち2価アルコール(ジオール)としては、炭素数7〜36の脂肪族ジオール(1,7−ヘプタンジオール、およびドデカンジオール等);炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等);上記炭素数2〜6および7〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下AOと略記する)〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびブチレンオキシド等〕付加物(付加モル数2〜30);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中で、好ましくは、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物である。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
また、脂肪族ジオール成分の一部を系外に留出除去させながら重縮合を行ってもよい。
さらに反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
なお、ポリエポキシド(e)変性ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば得られたポリエステル樹脂に(e)を加え、160℃〜260℃でポリエステルの分子伸長反応を行う方法が挙げられる。
触媒の添加量は、反応速度が最大になるように適宜決定することが望ましい。添加量としては、全原料に対し、好ましくは10ppm〜1.9%、さらに好ましくは100ppm〜1.7%である。添加量を10ppm以上とすることで反応速度が大きくなる点で好ましい。なお、上記および以下において、%は特に断りのない限り、重量%を意味する。
反応温度からTgまでの冷却時間は好ましくは30分以上、更に好ましくは1時間以上、特に3時間以上である。冷却時間の上限は特に制限はないが、生産性の観点から15時間以下が好ましい。
尚、反応温度からTgまで急冷した後、更に加熱してTgよりも10℃以上高い温度で30分以上保ち、Tgまで30分以上かけて冷却する方法でも、Lの値を1〜30とすることができるが、前記の方法の方が製造に関わるエネルギーを低減できる点でより好ましい。
また、Tgを45℃以上とすることによりトナーの耐ブロッキング性を良好とし、75℃以下とすることによりトナーの定着性能を良好にすることができる。
また、(A)の、THF可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは1200〜50000、さらに好ましくは1500〜40000である。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。
上記および以下において、THF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
上記の中和塩を形成する塩基としては、アンモニア、炭素数1〜30のモノアミン(エチルアミン、n−ブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ラウリルジメチルアミン等)、4級アンモニウム(ラウリルトリメチルアンモニウム等)、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、およびアルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)などが挙げられる。
これらの中で、好ましくは、アルカリ金属、4級アンモニウム、およびモノアミンであり、さらに好ましくは、ナトリウム、および炭素数1〜20のモノアミンであり、とくに好ましくは、炭素数3〜20の3級モノアミンである。
線形ポリエステル樹脂(Aa)は、通常、前記ジオールとジカルボン酸を重縮合させて得られる。また分子末端を前記ポリカルボン酸(3価以上のものを含む)の無水物で変性したものであってもよい。
非線形ポリエステル樹脂(Ab)は、通常前記のジカルボン酸およびジオールと共に、前記の3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸および/または3〜8価またはそれ以上の多価アルコールを反応させて得られる。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸および/または3〜8価またはそれ以上の多価アルコールとしては、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(平均付加モル数2〜30)、および炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)が好ましく、さらに好ましくは、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸である。
(Ab)を得る場合の、3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸と3〜8価またはそれ以上の多価アルコールの比率は、これらのモル数の和が、全ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは3〜20モル%である。
非線形ポリエステル樹脂(Ab)のTHF不溶解分は、好ましくは1〜70%である。下限は、さらに好ましくは2%、とくに好ましくは5%であり、上限は、さらに好ましくは60%、とくに好ましくは50%である。上記範囲のTHF不溶解分を含有させることは、耐ホットオフセット性が向上する点で好ましい。
本発明に用いるトナーバインダー中には、その特性を損なわない範囲で、トナーバインダーとして通常用いられる他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、Mnが1000〜100万の(A)以外のポリエステル樹脂(B)〔(A)とポリオール成分(x)の組成が異なるもの、組成が同じでL値が異なるもの等〕、スチレン系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリオレフィン樹脂にビニル樹脂がグラフトした構造を有する樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。他の樹脂は、(A)とブレンドしてもよいし、一部反応させてもよい。
他の樹脂としては、(A)以外のポリエステル樹脂(B)が好ましい。トナーバインダー中の(B)の含有量は、通常75%以下、好ましくは5〜60%である。
(B)以外の他の樹脂の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
〔1〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその有機溶剤溶液を必要であれば適当な分散剤存在下で水中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて、樹脂粒子の水性分散液を製造する方法。
〔2〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその有機溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化し、硬化剤を加えたりして硬化させて、樹脂粒子の水性分散液を製造する方法。
〔3〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級するすることによって樹脂粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔4〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔5〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、またはあらかじめ有機溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子を析出させ、次いで、有機溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔6〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水中に分散させ、これを加熱または減圧等によって有機溶剤を除去する方法。
〔7〕ポリエステル樹脂(A)を含有する樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
本発明で使用する分散装置は、一般に乳化機、分散機として市販されているものであればとくに限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
その塩としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)などの塩があげられる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
硫酸化油としては、例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、牛脂および羊脂などの硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ブチルおよびリシノレイン酸ブチル等の硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化オレフィンとしては、例えば、商品名:ティーポール(シェル社製)等が挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
スルホコハク酸ジエステル塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩などが挙げられる。
芳香環含有化合物のスルホン酸塩としては、アルキル化ジフェニルエーテルのモノまたはジスルホン酸塩およびスチレン化フェノールスルホン酸塩などが挙げられる。
高級アルコールリン酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩およびラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等が挙げられる。
高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩としては、例えば、オレイルアルコールEO5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、炭素数3〜40の3級アミンと4級化剤(例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、ベンジルクロライドおよびジメチル硫酸などのアルキル化剤並びにEOなど)との反応等で得られ、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライドおよびステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
第1級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数8〜40の脂肪族高級アミン(例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよび、ロジンアミンなどの高級アミン)の無機酸塩または有機酸塩および低級アミン(炭素数2〜6)の高級脂肪酸(炭素数8〜40、ステアリン酸、オレイン酸など)塩などが挙げられる。
また、第3級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数4〜40の脂肪族アミン(例えば、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど)、脂肪族アミン(炭素数2〜40)のEO(2モル以上)付加物、炭素数6〜40の脂環式アミン(例えば、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリンおよび1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなど)、炭素数5〜30の含窒素ヘテロ環芳香族アミン(例えば、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールおよび4,4’−ジピリジルなど)の無機酸塩または有機酸塩およびトリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなどの3級アミンの無機酸塩または有機酸塩などが挙げられる。
[式中、Rは1価の炭化水素基;nは1または2;mは1または2;Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオンなどである。]
AO付加型非イオン界面活性剤は、炭素数8〜40の高級アルコール、炭素数8〜40の高級脂肪酸または炭素数8〜40のアルキルアミン等に直接AO(炭素数2〜20)を付加させるか、グリコールにAOを付加させて得られるポリアルキレングリコールに高級脂肪酸などを反応させるか、あるいは多価アルコールに高級脂肪酸を反応して得られたエステル化物にAOを付加させるか、高級脂肪酸アミドにAOを付加させることにより得られる。
これらのうち好ましいものは、EOおよびEOとPOのランダムまたはブロック付加物である。
AOの付加モル数としては10〜50モルが好ましく、該AOのうち50〜100%がEOであるものが好ましい。
有機溶剤(u)の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系有機溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素系有機溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系有機溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系有機溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系有機溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系有機溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系有機溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系有機溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
(v1)フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];
(v2)脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(v3)トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(v4)燐酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(v5)脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];
(v6)およびこれらの2種以上の混合物。
上記凝集行程において、樹脂粒子分散液の一部からの凝集粒子を作成した後、残りの樹脂粒子分散液を追加混合してもよい。この方法によれば、追加混合した分散液中の樹脂粒子を凝集粒子の最表面に存在させることができる。
凝集剤としては一価又は二価以上の電荷を有する化合物が好ましく、一価又は二価以上の電荷を有する化合物の具体例としては、前述のイオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。さらに好ましくは塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸等の無機、有機の金属塩であり、もっとも好ましくは硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の多価の無機金属塩が、凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去等の点で好適に用いることができる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、一価の場合は3%以下程度、二価の場合は1%以下程度、三価の場合は0.5%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、価数の多い化合物が好ましい。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
なお、流動化剤は、トナー粒子の形成後に添加するのが好ましい。
また、体積平均粒径/個数平均粒径は、粒径均一性の点から、好ましくは1.0〜1.2であり、さらに好ましくは1.0〜1.15である。
1.水酸基価
JIS K1557(1970年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL30R150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
2.酸価
JIS K0070(1992年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、水酸基価と同様の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
3.軟化点(以下Tmとも記載する。)
島津(株)製フローテスターCFT−500を用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とする。
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
[チタン含有触媒(t)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル2000部とテレフタル酸1000部を入れ、窒素にて液中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チタンテトライソプロポキシド600部を滴下しながら60℃で4時間反応させスラリー状物である反応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別し40℃/20kPaで乾燥させることで、チタントリイソプロポキシテレフタレートと未反応のテレフタル酸の混合物(t−1)(チタントリイソプロポキシテレフタレートの濃度65%)を得た。
[チタン含有触媒(t)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)1617部とイオン交換水126部を入れ、窒素にて液中バブリング下、90℃まで徐々に昇温し、90℃で4時間反応(加水分解)させることで、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を得た。さらに、100℃にて、2時間減圧下で反応(脱水縮合)させることで、その分子内重縮合物(t−2)を得た。
[ポリエステル樹脂の合成および樹脂粒子分散液の調製]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)1042部(99.3モル部)、ネオペンチルグリコール11部(0.8モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体0.2部(0.002モル部)、テレフタル酸650部(28.4モル部)、イソフタル酸32.6部(1.4モル部)、アジピン酸66.7部(3.3モル部)、およびチタン含有触媒(t−1)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が96℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは675部であった。次いで200℃まで冷却し、無水トリメリット酸58部(2.2モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A−1)のMnは5200、Tgは68℃、Tmは162℃、酸価は25、水酸基価は5、THF不溶解分は11%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は2.8mJ/mg、Lの値は8.8であった。
なお、( )内のモル部は相対的なモル比を意味する(以下同様)。
[ポリエステル樹脂の合成および樹脂粒子分散液の調製]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール1026部(99.3モル部)、ネオペンチルグリコール10部(0.7モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体2.0部(0.02モル部)、テレフタル酸652部(29モル部)、イソフタル酸20部(0.9モル部)、アジピン酸66部(3.3モル部)、およびチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)5.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が96℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは668部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸56部(2.1モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
ポリエステル樹脂(A−2)のMnは5100、Tgは62℃、Tmは159℃、酸価は25、水酸基価は2、THF不溶解分は13%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は2.4mJ/mg、Lの値は6.4であった。
[ポリエステル樹脂の合成および樹脂粒子分散液の調製]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール1026部(100.0モル部)、ネオペンチルグリコール0.5部(0.03モル部)、テレフタル酸627部(28.0モル部)、イソフタル酸0.2部(0.01モル部)、アジピン酸113部(5.7モル部)、およびチタン含有触媒(t−2)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が92℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは642部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸92部(3.5モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−3)を得た。
ポリエステル樹脂(A−3)のMnは4000、Tgは60℃、Tmは151℃、酸価は25、水酸基価は1、THF不溶解分は10%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は3.0mJ/mg、Lの値は7.5であった。
[ポリエステル樹脂の合成および樹脂粒子分散液の調製]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール1058部(100モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体1.2部(0.01モル部)、テレフタル酸981部(42.5モル部)、イソフタル酸0.1部(0.004モル部)、アジピン酸152部(7.5モル部)、およびチタン含有触媒(t−2)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が95℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは484部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸119部(3.5モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−4)を得た。ポリエステル樹脂(A−4)のMnは3600、Tgは61℃、Tmは164℃、酸価は25、水酸基価は1、THF不溶解分は19%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は3.1mJ/mg、Lの値は10.7であった。
[線形ポリエステルの樹脂の合成および樹脂粒子分散液の調製]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール1034部(100モル部)、テレフタル酸845部(37.4モル部)、およびチタン含有触媒(t−1)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が95℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは585部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸184部(7.0モル部)を加え、密閉下2時間反応後、取り出し、100℃まで2時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化し、線形ポリエステル樹脂(Aa−5)を得た。
線形ポリエステル樹脂(Aa−5)のMnは2500、Tgは60℃、Tmは93℃、酸価は48、水酸基価は40、THF不溶解分は1%、DSC測定で求めたで(Q)は1.2mJ/mg、Lの値は10.7であった。
[非線形ポリエステル樹脂の合成および樹脂粒子分散液の調製]
上記と同様の反応槽中に、プロピレングリコール1064部(99.5モル部)、ネオペンチルグリコール3部(0.2モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体36部(0.3モル部)、テレフタル酸340部(14.6モル部)、イソフタル酸260部(11.1モル部)、アジピン酸58部(2.8モル部)、およびチタン含有触媒(t−1)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ軟化点が98℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは735部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸77部(2.9モル部)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が30になった時点で取り出し、100℃まで2時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、非線形ポリエステル樹脂(Ab−5)を得た。
非線形ポリエステル樹脂(Ab−5)のMnは4000、Tgは64℃、Tmは161℃、酸価は30、水酸基価は10、THF不溶解分は26%、DSC測定で求めたで(Q)は3.2mJ/mg、Lの値は8.9であった。
[線形ポリエステル樹脂の合成および樹脂粒子分散液の調製]
製造例7と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・EO2.2モル付加物427部(43.9モル部)、ビスフェノールA・PO2モル付加物577部(56.1モル部)、テレフタル酸374部(75.3モル部)、およびチタン含有触媒(t−2)2.0部を入れ、製造例7の線形ポリエステル樹脂(Aa−5)と同様にして反応させ、酸価が2以下になった時点で冷却した。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸157部(27.3モル部)を加え、密閉下2時間反応後、取り出した。取り出した樹脂を、100℃まで2時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、線形ポリエステル樹脂(Ba−6)を得た。
線形ポリエステル樹脂(Ba−6)のMnは4000、Tgは66℃、Tmは98℃、酸価は40、水酸基価は40、THF不溶解分は2%、DSC測定で求めたで(Q)は3.9mJ/mg、Lの値は11.5であった。
[比較のポリエステル樹脂の合成および樹脂粒子分散液の調製]
製造例3と同様に反応させて、酸価が25℃になった時点でベルト成型機で取り出しを行い3分間で30℃まで急冷し、粉砕し粒子化して、比較のポリエステル樹脂(A’−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A’−1)のMnは5000、Tgは63℃、Tmは155℃、酸価は25、水酸基価は4、THF不溶解分は10%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は0.2mJ/mg、Lの値は0.5であった。
[比較のポリエステル樹脂の合成および樹脂粒子分散液の調製]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物223部(19.7モル部)、ビスフェノールAのPO3モル付加物515部(38.9モル部)、ビスフェノールAのEO2モル付加物427部(39.8モル部)、フェノールノボラック(平均重合度約5)のPO5モル付加物44部(1.6モル部)、テレフタル酸426部(77.8モル部)、及び重縮合触媒としてジオクチルスズオキシド2.0部を入れ、230℃で窒素気流下で生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸200部を加え、常圧下で1時間反応させた後20〜40mmHgの減圧下で反応させ酸価が30になった時点で取り出し、100℃まで2時間、さらに60℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、比較のポリエステル樹脂(A’−2)を得た。
ポリエステル樹脂(A’−2)のMnは3300、Tgは55℃、Tmは150℃、酸価は30、水酸基価は36、THF不溶解分は34%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は3.7mJ/mg、Lの値は8.2であった。
フタロシアニン顔料(山陽色素製:シアニンブルーKRO)100部、アニオン界面活性剤(三洋化成工業製:エレミノールMON−7)2部、イオン交換水250部を混合し、TK式ホモミキサーで分散し、[着色剤分散液1]を得た。
パラフィンワックス(融点73℃)80部、アニオン界面活性剤(三洋化成工業製:エレミノールMON−7)1部、イオン交換水120部を混合し、95℃で溶解させた後、TK式ホモミキサーで分散し、[離型剤分散液1]を得た。
ステンレス製ビーカーに[樹脂粒子分散液WA−1]200部、[着色剤分散液1]15部、[離型剤分散液1]15部、イオン交換水600部、硫酸マグネシウム1部を加え、TK式ホモミキサーを用いて分散させた後、pH7.0に調製してから60℃まで撹拌しながら昇温した。凝集粒子の体積平均粒径が5.0μm付近になるまで、塩酸(0.1mol/L)を添加したところで、pHを一定に保ちながら60℃で1時間撹拌後、さらに80℃で加熱撹拌を2時間行った。その後、濾別し、500部のイオン交換水で4回洗浄し、40℃×18時間乾燥を行い、トナー粒子(D−1)を得た。
[樹脂粒子分散液WA−1]200部を[樹脂粒子分散液WA−2]200部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−2)を得た。
[樹脂粒子分散液WA−1]200部を[樹脂粒子分散液WA−3]200部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−3)を得た。
[樹脂粒子分散液WA−1]200部を[樹脂粒子分散液WA−4]200部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−4)を得た。
[樹脂粒子分散液WA−1]200部を[樹脂粒子分散液WAa−5]120部および[樹脂粒子分散液WAb−5]80部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−5)を得た。
[樹脂粒子分散液WA−1]200部を[樹脂粒子分散液WBa−6]60部および[樹脂粒子分散液WA−2]140部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D−6)を得た。
[樹脂粒子分散液WA−1]200部を[樹脂粒子分散液WA’−1]200部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D’−1)を得た。
[樹脂粒子分散液WA−1]200部を[樹脂粒子分散液WA’−2]200部に変更する以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(D’−2)を得た。
本発明の製造方法で得られたトナー粒子(D−1)〜(D−6)、および比較のトナー粒子(D’−1)〜(D’−2)のそれぞれ100部に対して、コロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明の静電荷像現像用トナー(T−1)〜(T−6)、および比較の静電荷像現像用トナー(T’−1)〜(T’−2)を得た。
〔1〕最低定着温度(MFT)
上記の本発明のトナーおよび比較のトナーそれぞれ30部とフェライトキャリア(F−150:パウダーテック社製)800部を均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。該現像剤を用い、市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(SF8400A;シャープ製)の定着ユニットを改造し、熱ローラー温度を可変にした定着機を用いてプロセススピード250mm/secで評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視で評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕トナー流動性
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーの静かさ密度を測定し、トナー流動性を下記基準で判定した。△以上が実用範囲である。
静かさ密度 36g/100ml以上 :トナー流動性 ◎
33〜36 : ○
30〜33 : △
27〜30 : △×
27未満 : ×
〔4〕粒径
体積平均粒径および個数平均粒径を、マルチサイザーIII(コールター社製)で測定した。
2 高温側のベースラインを低温側に延長した直線
3 吸熱量(Q)
Claims (6)
- トナーバインダーと着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子は、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を水中に分散させる工程と前記樹脂粒子を凝集させる工程とを含む工程から形成される体積平均粒径が3〜10μmの粒子であり、前記トナーバインダーが、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とするポリエステル樹脂(但し、精製ロジンを構成成分としない)であって、(x)の60〜100モル%が炭素数2〜6の脂肪族ジオールであり、(y)が炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸と芳香族ポリカルボン酸とからなって、(y)の60モル%以上が芳香族ポリカルボン酸であり、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に存在する吸熱ピークの吸熱量(Q)とガラス転移温度(Tg)から下式(1)により求められるLの値が1〜30であり、カルボキシル基由来の酸価(mgKOH/g)が25〜50であるポリエステル樹脂(A)を25重量%以上含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
L=(Q×100)/(100−Tg) (1)
[但し、Qの単位はmJ/mg、Tgの単位は℃] - ポリエステル樹脂(A)が、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を反応させた後、反応終了時の温度からTgまで30分以上の時間をかけて冷却して得られるポリエステル樹脂である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 炭素数2〜6の脂肪族ジオールが、1,2−プロピレングリコール、または、1,2−プロピレングリコールとネオペンチルグリコールである請求項1または2記載の静電荷像現像用トナー。
- ポリエステル樹脂(A)が、チタン含有触媒(t)の存在下、ポリオール成分とポリカルボン酸成分を反応させて得られたものである請求項1〜3のいずれか記載の静電荷像現像用トナー。
- さらに離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有する請求項1〜4のいずれか記載の静電荷像現像用トナー。
- トナーバインダーと着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂粒子を水中に分散させる工程、前記樹脂粒子を凝集させる行程、および凝集した樹脂粒子を融合して体積平均粒径が3〜10μmのトナー粒子を得る工程を含み、前記トナーバインダーが、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とするポリエステル樹脂(但し、精製ロジンを構成成分としない)であって、(x)の60〜100モル%が炭素数2〜6の脂肪族ジオールであり、(y)が炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸と芳香族ポリカルボン酸とからなって、(y)の60モル%以上が芳香族ポリカルボン酸であり、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に存在する吸熱ピークの吸熱量(Q)とガラス転移温度(Tg)から下式(1)により求められるLの値が1〜30であり、カルボキシル基由来の酸価(mgKOH/g)が25〜50であるポリエステル樹脂(A)を25重量%以上含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
L=(Q×100)/(100−Tg) (1)
[但し、Qの単位はmJ/mg、Tgの単位は℃]
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