JP2019104825A - ポリエステル樹脂、トナー用結着樹脂、分散液又は乳化液及び静電荷現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真用トナーの原料として使用した際に折り曲げ耐性に優れる定着画像を作製できるポリエステル樹脂を提供すること。【解決手段】多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を含む原料の重縮合物であるポリエステル樹脂であって、多価アルコール成分が炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を含む、ポリエステル樹脂。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエステル樹脂、トナー用結着樹脂、分散液又は乳化液及び静電荷現像用トナーに関する。
近年、電子写真プロセスの技術の発展により、高画質化及び高速化に対応した電子写真用トナー(静電荷像現像用トナー)の開発が要求されている。要求されるトナー特性には、高画質化への対応においてトナーの小粒径化が進むため、トナーの保管時のブロッキングが生じにくい耐熱保管性があり、高速化への対応においてホットオフセット発生温度が高い(耐ホットオフセット性に優れている)ことと定着温度が低い(低温定着性に優れている)こととの両立がある。
上記の特性が得られやすいことからポリエステル樹脂がトナーの結着樹脂として用いられている(例えば、下記特許文献1〜3)。また、下記特許文献2には、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性の改善を目的として、炭素数16〜34の直鎖脂肪族ジカルボン酸類、ダイマー酸及び炭素数21の二塩基酸を原料とする非線状ポリエステル樹脂を、電子写真用トナー組成物にバインダー樹脂として用いることが提案されている。
しかしながら、特許文献1等に記載される従来のポリエステル樹脂は屈曲性に劣るため、このような樹脂を原料として含む電子写真用トナーには、かかる電子写真用トナーを使用して作製した印刷物を折り曲げた際に折り曲げた箇所の定着画像が剥離しやすい(つまり、折り曲げ耐性が低い)という問題がある。また、特許文献3では、電子写真用トナーの原料として結晶性樹脂を用いているが、結晶性樹脂と他の樹脂との間の界面における剥離が起き、印刷物を折り曲げた際に割れが生じやすい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電子写真用トナーの原料として使用した際に折り曲げ耐性に優れる定着画像を作製できるポリエステル樹脂を提供することを目的とする。また、本発明は、当該ポリエステル樹脂を含むトナー用結着樹脂、分散液又は乳化液及び静電荷現像用トナーを提供する。
本発明のポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を含む原料の重縮合物であるポリエステル樹脂であり、当該多価アルコール成分が炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を含む。本発明のポリエステル樹脂を原料として使用した電子写真用トナーは、定着画像の折り曲げ耐性に優れる。
上記アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイド単位の付加数は、前記ダイマージオール1モルあたり、2〜15モルであると好ましい。アルキレンオキサイド単位の付加数が2〜15モルであると、十分な折り曲げ耐性と耐オフセット性及び耐熱保管性とを両立することができる。
上記アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイド単位は、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド単位から選択される少なくとも一種であると好ましい。
上記原料における上記アルキレンオキサイド付加物の含有量が0.2〜10モル%であると好ましい。この場合、トナーの低温定着性及び耐熱保管性を向上させることが容易となる。
上記原料がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートの解重合物、及びポリブチレンテレフタレートの解重合物からなる群より選択される1種以上の化合物を更に含むと好ましい。この場合、トナーの低温定着性を向上させることが容易となる。
本発明のポリエステル樹脂は、炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位を含有するものであってよい。本発明のポリエステル樹脂を原料として使用した電子写真用トナーは、定着画像の折り曲げ耐性に優れる。
上記ポリエステル樹脂における上記アルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位の含有量が0.2〜10モル%であると好ましい。この場合、トナーの低温定着性及び耐熱保管性を向上させることが容易となる。
本発明のトナー用結着樹脂は、上記ポリエステル樹脂を含有する。本発明のトナー用結着樹脂によれば、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保管性の全てに優れる静電荷像現像用トナーを実現しやすい。
上記ポリエステル樹脂が水系媒体中で分散又は乳化されていると好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記トナー用結着樹脂を含む。本発明の静電荷像現像用トナーは、本発明係るポリエステル樹脂がトナー用結着樹脂として含まれることにより、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保管性に優れたトナーになり得る。
本発明によれば、電子写真用トナーの原料として使用した際に折り曲げ耐性に優れる定着画像を作製できるポリエステル樹脂を提供することができる。また、本発明によれば、当該ポリエステル樹脂を含むトナー用結着樹脂、分散液又は乳化液及び静電荷現像用トナーを提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[ポリエステル樹脂]
本実施形態のポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を含む原料の重縮合物であり、当該多価アルコール成分が炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を含む。また、本実施形態のポリエステル樹脂は、炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物に由来する単位を含有する。
本実施形態のポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を含む原料の重縮合物であり、当該多価アルコール成分が炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を含む。また、本実施形態のポリエステル樹脂は、炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物に由来する単位を含有する。
本明細書において、炭素数20〜48のダイマージオールアルキレンオキサイド付加物とは、炭素数20〜48のダイマージオール(以下、単にダイマージオールとも呼ぶ)の末端のヒドロキシル基にアルキレンオキサイドを付加重合して得られた構造を有する多価アルコールを言う。つまり、上記アルキレンオキサイド付加物は、ダイマージオールの末端に、1つ以上のアルキレンオキサイド単位を含むアルキレンオキサイド鎖を有する。アルキレンオキサイド鎖のダイマージオールと結合している側と反対側の末端はヒドロキシル基を有している。なお、本明細書において、アルキレンオキサイド単位とは、−[CnH2nO]−で表される単位のことを言う。アルキレンオキサイド単位には、アルキレンオキサイド鎖のダイマージオールと結合している側とは反対側の末端に位置する−CnH2nOH部分も含める。以下、炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を単にアルキレンオキサイド付加物とも呼ぶ。
上記ダイマージオールは、炭素数10〜24の不飽和脂肪酸を二量化して得られた炭素数20〜48のダイマー酸(未反応の不飽和二重結合を水添により飽和化した水添ダイマー酸であってもよい)のカルボキシル基を還元することによって得ることができる。例えば、炭素数22のエルカ酸を用いてエルカ酸ダイマーを得る場合、エルカ酸としては、エルカ酸そのものであってもよいし、エルカ酸を含む植物油(ホホバ油、ナタネ油)を用いてもよい。炭素数18の不飽和脂肪酸を用いてダイマー酸を得る場合、該不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、エライジン酸、それらの混合物であるトール油脂肪酸、リノール酸、乾性油や半乾性油等から得られる精製植物性脂肪酸を用いてもよい。ダイマー酸のカルボキシル基を還元する方法としては、特に制限はないが、ダイマー酸に触媒存在下で水素添加して還元する方法が挙げられる。
上記ダイマージオールの炭素数としては、折り曲げ耐性と、低温定着性、耐オフセット性及び耐熱保管性とを両立できる観点から36〜44が好ましい。
上記アルキレンオキサイド単位としては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド単位が好ましい。炭素数2〜4のアルキレンオキサイド単位としては、エチレンオキサイド(EO)単位、プロピレンオキサイド(PO)単位、ブチレンオキサイド(BO)単位が挙げられる。これらは、上記ダイマージオールに、一種のみを付加させてもよく、2種以上を併用して付加させてもよい。2種以上を併用する場合、ランダム付加及びブロック付加のいずれであってもよい。これらのアルキレンオキサイド単位を導入するための原料としては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが挙げられる。より具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びアルキレン(炭素数2〜4)グリコールが2分子以上エーテル結合により連結されたジオールを挙げることができる。
上記ダイマージオールにアルキレンオキサイドを付加させる方法としては特に制限はなく、公知のアルキレンオキサイドとアルコールとの反応を用いることができる。そのような反応としては、例えば、水酸化カリウム等の塩基の存在下でアルキレンオキサイドと上記ダイマージオールとの混合物を加熱し、アルキレンオキサイドのエポキシ環を開環して付加させる方法が挙げられる。
アルキレンオキサイド単位としてEO単位を用いると、ポリエステル樹脂の結晶性が向上する傾向にあり、アルキレンオキサイド単位としてPO単位又はBO単位を用いるとポリエステル樹脂の柔軟性が向上する傾向にあるため、要求される樹脂特性に応じて、アルキレンオキサイドの種類や各々の割合を調整すればよい。
また、上記アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイド単位の付加数は、特に制限はないが、耐オフセット性及び耐熱保管性が向上する観点から、ダイマージオール1モルあたり、2〜15モルであることが好ましく、2〜10モルであることがより好ましい。なお、付加数は、使用するアルキレンオキサイド付加物全体におけるダイマージオール1モルあたりの平均値であってよく、有理数であってよい。
本実施形態のポリエステル樹脂は、疎水性を有する上記ダイマージオール部分を含有すると共に、ダイマージオールの末端にアルキレンオキサイド鎖を有する。ポリエステル樹脂がダイマージオール部分を有することにより分子間の自由体積が大きくなり、樹脂そのものの凝集エネルギーが小さくなる。そのため、本実施形態のポリエステル樹脂は、加熱によって溶融しやすく、溶融の際に大きな粘度低下が得られることから、低温でも十分に定着する性能を発現するものと考えられる。
また、単に多価アルコール成分としてアルキレングリコールを使用した場合、ポリエステル樹脂中で、アルキレングリコールに多価カルボン酸が結合することになる。それにより、ポリエステル樹脂中のエステル結合の数が増加してしまい、十分な柔軟性が得られない傾向にある。
一方、本実施形態のポリエステル樹脂は、ダイマージオール部分に隣接してアルキレンオキサイド鎖を持つ。そのため、従来のポリエステル樹脂よりも樹脂そのものの柔軟性が向上することから、定着画像の折り曲げ耐性が向上するものと考えられる。
また、モノエチレングリコール(MEG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリプロピレングリコール(TPG)等の低分子量のアルキレングリコールは、比較的沸点が低いものが多いため、脱水縮合過程で反応せずに水と共に系外へ留出してしまいやすいが、本実施形態のポリエステル樹脂では、アルキレンオキサイド鎖が上記ダイマージオールに付加しているため、アルキレンオキサイド単位を安定してポリエステル樹脂に導入し易く、所望の構造の樹脂を安定して得やすい傾向がある。
また、単に多価アルコール成分としてアルキレングリコールを使用した場合、ポリエステル樹脂中で、アルキレングリコールに多価カルボン酸が結合することになる。それにより、ポリエステル樹脂中のエステル結合の数が増加してしまい、十分な柔軟性が得られない傾向にある。
一方、本実施形態のポリエステル樹脂は、ダイマージオール部分に隣接してアルキレンオキサイド鎖を持つ。そのため、従来のポリエステル樹脂よりも樹脂そのものの柔軟性が向上することから、定着画像の折り曲げ耐性が向上するものと考えられる。
また、モノエチレングリコール(MEG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリプロピレングリコール(TPG)等の低分子量のアルキレングリコールは、比較的沸点が低いものが多いため、脱水縮合過程で反応せずに水と共に系外へ留出してしまいやすいが、本実施形態のポリエステル樹脂では、アルキレンオキサイド鎖が上記ダイマージオールに付加しているため、アルキレンオキサイド単位を安定してポリエステル樹脂に導入し易く、所望の構造の樹脂を安定して得やすい傾向がある。
折り曲げ耐性に加えて低温定着性及び耐熱保管性をより向上できる観点から、原料における上記アルキレンオキサイド付加物の含有量が0.2〜10モル%であると好ましく、0.2〜6モル%であるとより好ましい。
多価アルコール酸成分として炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を用いることにより、ポリエステル樹脂に当該アルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位を含有させることができる。
また、上記の割合で上記アルキレンオキサイド付加物を用いることにより、ポリエステル樹脂における上記アルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位の含有量を、0.2〜10モル%、0.2〜8モル%、又は0.2〜6モル%とすることができる。
[非結晶性ポリエステル樹脂]
本実施形態のポリエステル樹脂は非結晶性であってよい。非結晶性ポリエステル樹脂は、ガラス転移点以上の温度域において明確な融点を示さないゴム状領域を有することから、樹脂の流動開始直前まで貯蔵弾性率を保持しやすい性質を有することができる。
本実施形態のポリエステル樹脂は非結晶性であってよい。非結晶性ポリエステル樹脂は、ガラス転移点以上の温度域において明確な融点を示さないゴム状領域を有することから、樹脂の流動開始直前まで貯蔵弾性率を保持しやすい性質を有することができる。
なお、本明細書において「非結晶性」のポリエステル樹脂とは、明確な結晶融解吸熱ピークを示さず、DSC(示差走査熱量測定)曲線における融解吸熱ピーク面積から求められた融解エントロピーが5mJ/mg以下であるポリエステル樹脂を指す。これに対し、「結晶性」のポリエステル樹脂とは、明確な結晶融解吸熱ピークを示し、その融解エントロピーが5mJ/mgより大きいポリエステル樹脂を指す。なお、上記融解エントロピーの値は、インジウムを標準物質として求められた値である。
(多価カルボン酸成分)
多価カルボン酸成分としては、多価カルボン酸、その酸無水物、その酸ハライド、及び、その低級(炭素数1〜4)アルキルエステルを挙げることができる。多価カルボン酸成分は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
多価カルボン酸成分としては、多価カルボン酸、その酸無水物、その酸ハライド、及び、その低級(炭素数1〜4)アルキルエステルを挙げることができる。多価カルボン酸成分は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(1,4−、1,5−、2,6−)、アントラセンジカルボン酸、フェニルジカルボン酸等の、置換基を有していてもよい芳香族ジカルボン酸;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等のシクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、炭素数20〜48のダイマー酸(未反応の不飽和二重結合を水添により飽和化した水添ダイマー酸であってもよい)等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等の3価以上の芳香族カルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等のシクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸等のシクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸等の3価以上の脂環式カルボン酸が挙げられる。
トナーの帯電性及び耐熱保管性の観点から、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸成分が2価の多価カルボン酸成分を含む場合、多価カルボン酸成分における2価の多価カルボン酸成分の含有量は、多価カルボン酸成分全量基準で70〜99.5モル%が好ましく、85〜99モル%がより好ましい。
多価カルボン酸成分が3価以上の多価カルボン酸成分を含む場合、多価カルボン酸成分における3価以上の多価カルボン酸成分の含有量は、多価カルボン酸成分全量基準で0.3〜20モル%が好ましく、3〜10モル%がより好ましい。
多価カルボン酸成分は、本発明の効果を損なわない程度に、脂肪族多価カルボン酸、その酸無水物、その酸ハライド、及び、その低級(炭素数1〜4)アルキルエステルを含むことができる。
脂肪族多価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−エチルヘキシルコハク酸、オレイルコハク酸、2−ドデセニルコハク酸、及びテトラプロペニルコハク酸等の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族多価カルボン酸が挙げられる。
多価カルボン酸成分が脂肪族多価カルボン酸成分を含む場合、多価カルボン酸成分における脂肪族多価カルボン酸成分の含有量は、多価カルボン酸成分全量基準で、40モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。
上記原料における多価カルボン酸成分の含有量は、10〜60モル%であることが好ましく、15〜60モル%であることがより好ましく、15〜50モル%であることが更に好ましい。なお、上記含有量は、ポリエステル樹脂の構成成分の全仕込み量を100モル%として計算される値である。
(上記ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物以外の多価アルコール成分)
上記ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物以外の多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、炭素数20〜48のダイマージオール(未反応の不飽和二重結合を水添により飽和化したダイマージオールであってもよい)などの脂環式ジオール;ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド付加物の芳香族ジオール類が挙げられる。また、良好な定着性を確保するために、架橋構造又は分岐構造を形成するように、多価アルコールとして、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリオキシアルキレントリス(ヒドロキシフェニル)エタンEO付加物等の3価以上の多価アルコールを用いることができる。
上記ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物以外の多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、炭素数20〜48のダイマージオール(未反応の不飽和二重結合を水添により飽和化したダイマージオールであってもよい)などの脂環式ジオール;ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド付加物の芳香族ジオール類が挙げられる。また、良好な定着性を確保するために、架橋構造又は分岐構造を形成するように、多価アルコールとして、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリオキシアルキレントリス(ヒドロキシフェニル)エタンEO付加物等の3価以上の多価アルコールを用いることができる。
上記ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物以外の多価アルコール成分は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物以外の多価アルコールのうち、低温定着性が良好となる観点から、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、トナーの帯電性の観点から、芳香族ジオールが更に好ましい。
上記原料における多価アルコール成分の含有量は、30〜55モル%であることが好ましく、35〜50モル%であることがより好ましく、40〜50モル%であることが更に好ましい。なお、上記含有量は、ポリエステル樹脂の構成成分の全仕込み量を100モル%として計算される値である。
(その他の成分)
本実施形態のポリエステル樹脂は、上記多価カルボン酸成分と上記ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分とを重縮合することによって得られるが、重縮合する原料が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレートの解重合物、及びポリブチレンテレフタレートの解重合物からなる群より選択される1種以上の化合物を更に含むことができる。この場合、非結晶性ポリエステル樹脂が得られやすい。
本実施形態のポリエステル樹脂は、上記多価カルボン酸成分と上記ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分とを重縮合することによって得られるが、重縮合する原料が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレートの解重合物、及びポリブチレンテレフタレートの解重合物からなる群より選択される1種以上の化合物を更に含むことができる。この場合、非結晶性ポリエステル樹脂が得られやすい。
用いられるPET及びPBTの分子量分布、組成、製造方法、使用する際の形態等に制限はない。また、PET及びPBTは、廃物より回収されたリサイクルPETやリサイクルPBTであってもよい。
リサイクルPETやリサイクルPBTは、通常、フレーク状又はペレット状に加工されており、重量平均分子量が30000〜90000程度のものである。
上記原料におけるPET、PBT及びこれらの解重合物の総含有量は、耐熱保管性の観点から、25モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましく、35モル%以上であることが更に好ましい。また、上記原料におけるPET、PBT及びこれらの解重合物の総含有量は、重縮合性や低温定着性の観点から、70モル%以下であることが好ましく、65モル%以下であることがより好ましく、60モル%以下であることが更に好ましい。なお、PET、PBT及びこれらの解重合物は、テレフタル酸とエチレングリコール又はブチレングリコールとに由来する構造単位を1単位として、その単位のモル数を用いて原料全体における含有量(モル%)として計算する。
PET及びPBTを原料として用いる際には、予め、多価アルコール成分の一部とPET及び/又はPBTとを仕込み、PET及び/又はPBTの解重合反応を行った後に、残余の多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分を添加し、重縮合反応を行ってもよい。
また、PET及び/又はPBT、多価アルコール成分、並びに多価カルボン酸成分を一括で仕込み、解重合反応と重縮合反応とを同時に行ってもよい。なお、本明細書において解重合とは、加水分解反応やエステル交換反応等の種々の重縮合の逆反応を表す。
上記原料におけるPET、PBT及びこれらの解重合物の総含有量は、[テレフタル酸:エチレン(又はブチレン)グリコール]単位を1モルとして、PET及び/又はPBTの仕込み質量から算出することができる。
[結晶性ポリエステル樹脂]
本実施形態のポリエステル樹脂は結晶性であってよい。結晶性ポリエステル樹脂は、分子鎖が規則的に配列することによって、明確なガラス転移温度を示さない。そのため、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶融点まで軟化しにくい特性を有する。そのため、保管性と低温定着性とを両立できる。
本実施形態のポリエステル樹脂は結晶性であってよい。結晶性ポリエステル樹脂は、分子鎖が規則的に配列することによって、明確なガラス転移温度を示さない。そのため、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶融点まで軟化しにくい特性を有する。そのため、保管性と低温定着性とを両立できる。
本実施形態に係る結晶性ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボン酸成分は、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸を含むことが好ましく、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸を含むことがより好ましい。上記炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸は直鎖型脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。上記炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸が直鎖型脂肪族ジカルボン酸である場合、ポリエステル樹脂の結晶性が向上し、融点(Tm)が上昇する傾向がある。そのため、耐ホットオフセット性、保管性が向上する傾向がある。なお、上記炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸として、分岐型脂肪族ジカルボン酸を使用してもよい。脂肪族カルボン酸の炭素数が4以上である場合、結晶性ポリエステル樹脂中に含まれるエステル基の数が少なく、充分な帯電量を確保できる傾向がある。炭素数が12以下である場合、融点(Tm)が低くなる傾向がある。そのため、低温定着性、画像光沢性が向上する傾向がある。
上記炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸(1,8−オクタン二酸)、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカン二酸、これらの酸無水物及びこれらの低級アルキル(好ましくは炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。上記炭素数4〜12の脂肪族カルボン酸の含有量(含有割合)は帯電性、耐ホットオフセット性、保管性及び低温定着性の観点から、多価カルボン酸成分に由来するCOOH基数のうち、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸に由来するCOOH基数が90モル%以上であり、95モル%以上であることが好ましい。上記炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸は、2種以上を併用してもよい。結晶性ポリエステルの結晶性を高める観点から、上記炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸は、1種類を単独で用いることがより好ましい。
多価カルボン酸成分に含まれるその他の多価カルボン酸化合物としては、例えば、上述の非結晶性ポリエステル樹脂の原料として挙げた芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物、脂環式ジカルボン酸、及び3価以上の脂環式カルボン酸、並びに炭素数4〜12以外の脂肪族ジカルボン酸、これらの酸無水物及びこれらの低級アルキル(好ましくは炭素数1〜3)エステル等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
炭素数4〜12以外の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸等;ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等のコハク酸誘導体;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステルが挙げられる。
上記多価カルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記アルキレンオキサイド付加物以外に、本実施形態に係る結晶性ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコール成分は、炭素数4〜12の脂肪族ジオールを含むと好ましく、炭素数8〜10の脂肪族ジオールを含むことがより好ましい。上記炭素数4〜12の脂肪族ジオールは直鎖型脂肪族ジオールであることがより好ましい。上記炭素数4〜12の脂肪族ジオールが直鎖型脂肪族ジオールであると、ポリエステル樹脂の結晶性が向上し、融点(Tm)が上昇する傾向がある。そのため、耐ホットオフセット性、保管性が向上する傾向がある。なお、上記炭素数4〜12の脂肪族ジオールとして、分岐型脂肪族ジオールを使用してもよい。炭素数が4以上である場合、結晶性ポリエステル樹脂中に含まれるエステル基の数が少なく、充分な帯電量を確保することできる傾向がある。炭素数が12以下である場合、融点(Tm)が低くなる傾向がある。そのため低温定着性、画像光沢性が向上する傾向がある。
上記炭素数4〜12の脂肪族ジオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。融点(Tm)、帯電性の点で、1,9−ノナンジオールがより好ましい。
上記炭素数4〜12の脂肪族ジオールの含有量(含有割合)は、帯電性、保管性、耐ホットオフセット性及び低温定着性の観点から、多価アルコール成分に由来するOH基数のうち、炭素数4〜12の脂肪族ジオールに由来するOH基数が90モル%以上であり、95モル%以上であることが好ましい。上記炭素数4〜12の脂肪族ジオールは、2種以上を併用してもよい。結晶性ポリエステルの結晶性を高める観点から、上記炭素数4〜12の脂肪族ジオールは、1種類を単独で用いることがより好ましい。
多価アルコール成分に含まれるその他の多価アルコール化合物としては、例えば、上述の非結晶性ポリエステル樹脂の原料として挙げた芳香族ジオール類、3価以上の芳香族多価アルコール化合物、及び脂環式ジオール、並びに炭素数4〜12以外の脂肪族ジオール化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。炭素数4〜12以外の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール等が挙げられる。
[ポリエステル樹脂の製造]
本実施形態のポリエステル樹脂は、上記の多価カルボン酸成分を、直接エステル化反応又はエステル交換反応を介して、多価アルコールと重縮合反応させることによって製造することができる。
本実施形態のポリエステル樹脂は、上記の多価カルボン酸成分を、直接エステル化反応又はエステル交換反応を介して、多価アルコールと重縮合反応させることによって製造することができる。
本実施形態において、重縮合反応を行う際の温度は、反応時間の短縮、及び樹脂の分解抑制の観点から、150〜300℃とすることができ、好ましくは180℃〜270℃であり、より好ましくは200℃〜250℃である。
重縮合反応は、必要に応じて、三酸化アンチモン、ジブチル錫オキサイド等の有機スズ系重合触媒、ゲルマニウム系触媒、無機チタン系触媒、n−テトラブトキシチタンやテトライソプロポキシチタン等の有機チタン系触媒、有機コバルト系触媒、酢酸亜鉛や酢酸マンガン等のエステル交換触媒等の、従来公知の触媒を使用することができる。これらのうち、ゲルマニウム系触媒、無機チタン系触媒、有機チタン系触媒などが好ましい。
本実施形態のポリエステル樹脂には、その製造過程の任意の段階で、又は製造の後に、着色や熱分解を防ぐ目的で酸化防止剤を加えてもよい。このような酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、含イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
本実施形態のポリエステル樹脂は、従来公知の方法により、ウレタン変性、ウレア変性、エポキシ変性等の変性、又は、スチレンアクリレート共重合樹脂とのハイブリッド化を更に行うこともできる。
[ポリエステル樹脂の物性]
本実施形態のポリエステル樹脂の酸価は、1〜25mgKOH/gであることが好ましく、4〜15mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が1mgKOH/g以上であると、トナー表面の電荷による粒子間のイオン反発力を確保しやすくなり、保管時など高温状態に長期間曝された場合にトナー同士の合着や凝集といった問題を抑制しやすくなり、酸価が1mgKOH/g未満である場合と比較して耐ブロッキング性が向上する傾向がある。一方、酸価が25mgKOH/g以下であると、イオン性官能基に起因する吸湿性が増大することを抑制でき、酸価が25mgKOH/gを超える場合と比較して耐ブロッキング性の確保が容易となり、また、トナーの帯電特性が低下して画像形成不良による画質の低下も抑制できる。更に、酸価が4〜25mgKOH/gの範囲にあると、樹脂を乳化・再凝集させて作製されるケミカルトナーにおいて、粒径のコントロールが容易となる。なお、製造されたポリエステル樹脂の酸価が上記範囲から外れていた場合は、多価カルボン酸を適宜反応させて上記範囲内に調整することもできる。
本実施形態のポリエステル樹脂の酸価は、1〜25mgKOH/gであることが好ましく、4〜15mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が1mgKOH/g以上であると、トナー表面の電荷による粒子間のイオン反発力を確保しやすくなり、保管時など高温状態に長期間曝された場合にトナー同士の合着や凝集といった問題を抑制しやすくなり、酸価が1mgKOH/g未満である場合と比較して耐ブロッキング性が向上する傾向がある。一方、酸価が25mgKOH/g以下であると、イオン性官能基に起因する吸湿性が増大することを抑制でき、酸価が25mgKOH/gを超える場合と比較して耐ブロッキング性の確保が容易となり、また、トナーの帯電特性が低下して画像形成不良による画質の低下も抑制できる。更に、酸価が4〜25mgKOH/gの範囲にあると、樹脂を乳化・再凝集させて作製されるケミカルトナーにおいて、粒径のコントロールが容易となる。なお、製造されたポリエステル樹脂の酸価が上記範囲から外れていた場合は、多価カルボン酸を適宜反応させて上記範囲内に調整することもできる。
本実施形態のポリエステル樹脂のガラス転移温度は、耐熱保管性の観点から、45℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。また、本実施形態のポリエステル樹脂のガラス転移温度は、低温定着性の観点から、65℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましい。
本実施形態のポリエステル樹脂は、低温定着性の観点から、溶融粘度が10000Pa・sとなるときの温度が、70〜110℃であることが好ましく、80〜100℃であることがより好ましい。また、耐ホットオフセット性の観点から、溶融粘度が1000Pa・sとなるときの温度が、100〜150℃であることが好ましく、110〜140℃であることがより好ましい。
本実施形態のポリエステル樹脂の重量平均分子量は、特に制限はないが、トナーとしたときの性能面から、5,000〜50,000であることが好ましい。下限値以上とすることで、耐ホットオフセット性を確保しやすくなり、上限値以下とすることで、低温定着性及び画像光沢性を確保しやすくなる。
本実施形態のポリエステル樹脂は、重量平均分子量が異なる2種以上のポリエステル樹脂を混合して用いることができる。この場合、重量平均分子量が5,000以上20,000未満のポリエステル樹脂と、重量平均分子量が20,000以上50,000以下のポリエステル樹脂とを、重量比で95:5〜5:95の割合で混合することが好ましく、90:10〜40:60の割合で混合することがより好ましく、80:20〜50:50の割合で混合することが更に好ましい。上記割合が95:5〜5:95の範囲であると、更に優れた低温定着性及び画像光沢性(グロス性)を有するとともに良好な耐ホットオフセット性及び耐熱保管性を有するトナーを得ることができる。
[トナー用結着樹脂]
本実施形態のポリエステル樹脂は、そのままで、又はポリスチレンやスチレンブタジエン系ポリマー、スチレンアクリル系ポリマー、ポリエステルなどの従来公知の非結晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂等と併用して、トナー用結着樹脂として用いることができ、特には静電荷像現像用トナーの結着樹脂として用いることができる。また、本実施形態の非結晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂とを併用してもよい。
本実施形態のポリエステル樹脂は、そのままで、又はポリスチレンやスチレンブタジエン系ポリマー、スチレンアクリル系ポリマー、ポリエステルなどの従来公知の非結晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂等と併用して、トナー用結着樹脂として用いることができ、特には静電荷像現像用トナーの結着樹脂として用いることができる。また、本実施形態の非結晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂とを併用してもよい。
本実施形態の非結晶性ポリエステル樹脂と併用することができる結晶性ポリエステル樹脂としては、炭素数4〜12(好ましくは炭素数8〜12)の脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸と、炭素数2〜12(好ましくは炭素数8〜12)の脂肪族ジオールから選ばれる少なくとも1種のジオールとの組み合わせにより製造された樹脂が挙げられる。また、このような結晶性ポリエステル樹脂としては、DSCによる融点が65〜75℃であるものが好ましい。
本実施形態の結晶性ポリエステル樹脂と併用することができる非結晶性ポリエステル樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂のポリエステル樹脂であることが好ましい。
アルコール成分としては、例えば、二価のアルコールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(平均付加モル数2〜5)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。
三価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール及びトリメチロールプロパンが挙げられる。
非結晶性樹脂のアルコール成分は、上述した原料モノマーの中でも、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が保管安定性を向上するため好ましい。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の合計含有量は、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは60モル%以上である。ビスフェノールAの付加形態は1種のアルキレンオキサイドの単独付加であってもよいし、2種以上のアルキレンオキサイドを組み合わせた付加であってもよい。非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点を調整するという観点から、特に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とプロピレンオキサイド付加物とを併用することが好ましい。その際の使用割合は、(エチレンオキサイド付加物):(プロピレンオキサイド付加物)(モル比)が10:90〜50:50であることが好ましい。
カルボン酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸及びメサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−エチルヘキシルコハク酸、オレイルコハク酸、2−ドデセニルコハク酸及びテトラプロペニルコハク酸等の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族多価カルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−エチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−プロピル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−ブチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及び3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等のシクロヘキセンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、オレイン酸及びトール油脂肪酸等の不飽和結合を有する脂肪酸を二量化したダイマー酸、これらの酸無水物、並びに、これらの低級アルキル(好ましくは炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸化合物としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非結晶性樹脂のカルボン酸成分は、上述した原料モノマーの中でも、トナーの加圧保存安定性を高める観点から、芳香族ジカルボン酸化合物を含有することが好ましく、テレフタル酸化合物を含有することがより好ましい。テレフタル酸化合物をカルボン酸成分として用いて得られた非結晶性樹脂と、テレフタル酸化合物を用いずに得られた非結晶性樹脂とをそれぞれ準備し、組み合わせて用いてもよい。芳香族ジカルボン酸化合物としては、上述の結晶性ポリエステルに記載されたものが挙げられる。芳香族ジカルボン酸化合物を含有する場合、その含有量は、カルボン酸成分中、60モル%以上含むことが好ましい。3価以上の多価カルボン酸化合物を含有する場合、その含有量は、カルボン酸成分中、2〜30モル%であることが好ましい。
上記非結晶性樹脂において、軟化点が90〜160℃であることが特に好ましい。ガラス転移点が50〜80℃であることが特に好ましい。数平均分子量が2000〜10000であることが特に好ましい。重量平均分子量が10000〜150000であることが特に好ましい。酸価が4〜30mgKOH/gであることが特に好ましい。水酸基価が5〜30mgKOH/gであることが特に好ましい。
本実施形態のトナー用結着樹脂は、本実施形態のポリエステル樹脂が水系媒体へ分散又は乳化された分散液又は乳化液の形態であることが好ましい。例えば、本実施形態のポリエステル樹脂を水系媒体へ分散又は乳化することによりトナー用結着樹脂分散物を得ることができる。上記水系媒体としては、水、及び、水と混和性のある溶媒(例えば、炭素数1〜4の低級アルコール若しくはグリコール、又は、メチルエチルケトン及びアセトン等のケトン)と水との混合溶媒等が挙げられる。分散又は乳化の方法としては、例えば、メディア型分散機(ビーズミル)又は高圧型分散機(ホモジナイザー、アルティマイザー)を用いる方法や、本実施形態のポリエステル樹脂を有機溶剤中に溶解させた溶液中に水を添加して、油相から水相へ転相させる転相乳化法等が挙げられる。
本実施形態のトナー用結着樹脂は、結着樹脂以外の成分を含有することができる。その成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料等の着色剤、無機微粒子、有機微粒子、帯電制御剤、及び離型剤等の従来公知の成分が挙げられる。
本実施形態のポリエステル樹脂は、ワックス類を良好に微分散させることができ、ワックス分散性に優れている。これにより、トナーにおいてワックス類の含有量を高める場合であっても、ワックス類のブリードアウトを抑制することができるだけでなく、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保管性のうちの一つ以上の特性を向上させる効果を相乗的に得ることもできる。このような観点から、本実施形態のトナー用結着樹脂は、ワックス類を含有することが好ましい。
ワックス類としては、例えば、ポリエチレン、プロピレン等の低分子量ポリオレフィン類、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油ワックス;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価又は多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類などが挙げられる。ワックス類は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
トナー用結着樹脂におけるワックス類の含有量は、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、トナー用結着樹脂全量(固形分)を基準として、1〜10質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
[トナー]
本実施形態のトナーは、本実施形態のポリエステル樹脂が含まれる上記本実施形態のトナー用結着樹脂、顔料、及びワックス類等のその他の成分を含有することができる。本実施形態のトナーは静電荷像現像用トナーとして好適である。
本実施形態のトナーは、本実施形態のポリエステル樹脂が含まれる上記本実施形態のトナー用結着樹脂、顔料、及びワックス類等のその他の成分を含有することができる。本実施形態のトナーは静電荷像現像用トナーとして好適である。
本実施形態のトナーは、本実施形態のポリエステル樹脂を結着樹脂として使用し、トナーを製造する際は、従来公知の混練粉砕法、スプレイドライ法、及び乳化凝集法等によるケミカルトナー等を採用すればよく、また、トナー製造のための成分も従来公知のものを使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
なお、実施例おいては下記の方法に従って各評価を行った。
[ポリエステル樹脂の物性評価]
(1)酸価
非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K 0070(1992)の3.1の中和滴定法に準じ、測定溶媒としてテトラヒドロフラン:水=10:1(体積比)の混合溶媒を用い、この混合溶媒60mLに試料1gを溶解させて測定した。
(1)酸価
非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K 0070(1992)の3.1の中和滴定法に準じ、測定溶媒としてテトラヒドロフラン:水=10:1(体積比)の混合溶媒を用い、この混合溶媒60mLに試料1gを溶解させて測定した。
(2)ガラス転移点
非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点を、JIS K7121(1987)の9.3(3)に従いDSCにより測定した。測定装置として示差走査熱量計DSC−6220(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を使用した。
<測定条件>
昇温及び降温速度:10℃/分
昇温プログラム:室温から150℃まで昇温した後、150℃で1分間保持した。次いで、0℃まで降温して0℃で1分間保持し、さらに150℃まで昇温しながら測定した。
雰囲気:窒素気流中(50mL/分)
セル:密閉アルミニウム
試料量:5mg
非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点を、JIS K7121(1987)の9.3(3)に従いDSCにより測定した。測定装置として示差走査熱量計DSC−6220(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を使用した。
<測定条件>
昇温及び降温速度:10℃/分
昇温プログラム:室温から150℃まで昇温した後、150℃で1分間保持した。次いで、0℃まで降温して0℃で1分間保持し、さらに150℃まで昇温しながら測定した。
雰囲気:窒素気流中(50mL/分)
セル:密閉アルミニウム
試料量:5mg
(3)融点
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、示差走査熱量計DSC−6220(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)により得られる温度に対する熱量のグラフにおける、融解吸熱ピーク頂点の温度を融点とした。測定条件は(2)ガラス転移点の場合と同様とした。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、示差走査熱量計DSC−6220(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)により得られる温度に対する熱量のグラフにおける、融解吸熱ピーク頂点の温度を融点とした。測定条件は(2)ガラス転移点の場合と同様とした。
(4)重量平均分子量
非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量を以下の方法にしたがって測定した。即ち、ポリエステル樹脂2mgをテトラヒドロフラン5mLに加えて溶解させ、重量平均分子量を、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)により、ポリスチレン換算にて求めた。また、重量平均分子量が500以下である成分の割合を検出ピークの面積比より算出した。
<測定条件>
検出装置:RI検出器
移動相:テトラヒドロフラン
カラム:Tsk−gel Super HZ 2000を2本とTsk−gel Super HZ 4000を1本とを直列に接続した。
サンプルインジェクターとカラムの温度:40℃
RI検出器の温度:35℃
サンプル注入量:5μL
流速:0.25mL/分
測定時間:40分
非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量を以下の方法にしたがって測定した。即ち、ポリエステル樹脂2mgをテトラヒドロフラン5mLに加えて溶解させ、重量平均分子量を、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)により、ポリスチレン換算にて求めた。また、重量平均分子量が500以下である成分の割合を検出ピークの面積比より算出した。
<測定条件>
検出装置:RI検出器
移動相:テトラヒドロフラン
カラム:Tsk−gel Super HZ 2000を2本とTsk−gel Super HZ 4000を1本とを直列に接続した。
サンプルインジェクターとカラムの温度:40℃
RI検出器の温度:35℃
サンプル注入量:5μL
流速:0.25mL/分
測定時間:40分
(5)溶融特性
高架式フローテスターCFT−500(株式会社島津製作所製)を用い、ダイ(長さ1.0mm、直径φ0.5mm)を取り付けたシリンダー内に、非結晶性ポリエステル樹脂を1.0g入れ、85℃で5分間保持した後、3℃/分で昇温しながら、プランジャーにより25kgの荷重を加えて溶融粘度を測定し、溶融粘度が10000Pa・sとなる温度、及び1000Pa・sとなる温度を測定した。
高架式フローテスターCFT−500(株式会社島津製作所製)を用い、ダイ(長さ1.0mm、直径φ0.5mm)を取り付けたシリンダー内に、非結晶性ポリエステル樹脂を1.0g入れ、85℃で5分間保持した後、3℃/分で昇温しながら、プランジャーにより25kgの荷重を加えて溶融粘度を測定し、溶融粘度が10000Pa・sとなる温度、及び1000Pa・sとなる温度を測定した。
[ポリエステル樹脂の分散液の評価]
(6)粒度分布
非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の分散液中の、ポリエステル樹脂の粒度分布を、レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)を用いて測定した。測定方法としては、分散液を適当な濃度になるまでセルに投入し、約2分間待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定した。
(6)粒度分布
非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の分散液中の、ポリエステル樹脂の粒度分布を、レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)を用いて測定した。測定方法としては、分散液を適当な濃度になるまでセルに投入し、約2分間待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定した。
得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、小径側から累積分布を描き、累積16%になる粒径を体積平均粒径D16vと定義し、累積50%になる粒径を、体積平均粒径D50vと定義した。同様に、累積84%になる粒径を、体積平均粒径D84vと定義した。
この平均粒径から、体積粒度分布指標(GSDv)を次式によって算出した。
GSDv=(D84v/D16v)0.5
この平均粒径から、体積粒度分布指標(GSDv)を次式によって算出した。
GSDv=(D84v/D16v)0.5
[トナーの物性評価]
(7)平均円形度評価
トナーの形状をシスメックス(SYSMEX)社のFPIA−3000装備を利用して測定し、トナーの円形度を下記式に基づいて計算した。なお、円形度値は、0〜1の値であり、円形度値が1に近いほど球形に近づくが、トナーの性能面から0.96〜0.98程度であることが好ましい。
円形度(circularity)=2×(π×面積)0.5/周囲長
(7)平均円形度評価
トナーの形状をシスメックス(SYSMEX)社のFPIA−3000装備を利用して測定し、トナーの円形度を下記式に基づいて計算した。なお、円形度値は、0〜1の値であり、円形度値が1に近いほど球形に近づくが、トナーの性能面から0.96〜0.98程度であることが好ましい。
円形度(circularity)=2×(π×面積)0.5/周囲長
式中、周囲長は、CCDカメラで撮影した粒子の周囲の長さを指す。平均円形度は、トナー粒子3,000個の円形度値を平均して算出した。
(8)粒度分布評価
コールターカウンター(Coulter counter)であるマルチサイザIII(ベックマン−コールター社製)測定機を使用し、次の測定条件で、トナー粒子の粒度分布の指標である体積平均粒度D50vを測定した。
電解液:ISOTON II
Aperture Tube:100μm
測定粒子数:30,000
コールターカウンター(Coulter counter)であるマルチサイザIII(ベックマン−コールター社製)測定機を使用し、次の測定条件で、トナー粒子の粒度分布の指標である体積平均粒度D50vを測定した。
電解液:ISOTON II
Aperture Tube:100μm
測定粒子数:30,000
[トナーの性能評価]
実施例及び比較例で調製したトナーに対し、定着特性(低温定着性及び耐ホットオフセット性)、耐熱保管性及び折り曲げ耐性を下記基準に基づいて評価した。
実施例及び比較例で調製したトナーに対し、定着特性(低温定着性及び耐ホットオフセット性)、耐熱保管性及び折り曲げ耐性を下記基準に基づいて評価した。
(9)定着特性
温度25℃、55%RHの相対湿度の条件下での部屋で、実施例及び比較例のトナーを、プロセス速度と温度調節ができるように改造したDocuPrint C3350(富士ゼロックス社製)のトナーカートリッジにセットし、単色ベタ画像の現像トナー量が0.70ミリグラム/cm2となるように調整した後、未定着画像(2.5cm×4cm)を紙に印刷した。印刷画像は、カラー画像ではなく、同じシアントナーで二層を積層した画像で評価を行った。
温度25℃、55%RHの相対湿度の条件下での部屋で、実施例及び比較例のトナーを、プロセス速度と温度調節ができるように改造したDocuPrint C3350(富士ゼロックス社製)のトナーカートリッジにセットし、単色ベタ画像の現像トナー量が0.70ミリグラム/cm2となるように調整した後、未定着画像(2.5cm×4cm)を紙に印刷した。印刷画像は、カラー画像ではなく、同じシアントナーで二層を積層した画像で評価を行った。
上記の条件の下で、XEROX EXCLUSIVE 90グラム紙A4用紙に、100℃から190℃まで定着温度を変化させて、未定着画像を定着させた。定着時の処理速度は約160mm/秒で行った。
3Mテープ(スコッチメンディングテープ810−3−15)を定着画像の表面に付着し、500gの錘を用いて5回往復し、テープ剥離前後の画像濃度をマクベス型反射濃度計にて測定し、下記式にて定着率(%)を算出した。本明細書では、定着率(%)が90%以上である定着温度領域をトナーの定着領域とみなす。
定着性(%)=(テープ剥離後の光学密度/テープ剥離前の光学密度)×100
定着性(%)=(テープ剥離後の光学密度/テープ剥離前の光学密度)×100
(9−1)低温定着性
各温度での画像濃度を測定し、定着性が90%以上となる最低温度を最低定着温度とし、下記評価基準で評価した。最低定着温度が低いほど低温定着性が優れていることを意味する。
各温度での画像濃度を測定し、定着性が90%以上となる最低温度を最低定着温度とし、下記評価基準で評価した。最低定着温度が低いほど低温定着性が優れていることを意味する。
低温定着性の評価基準
5 :最低定着温度≦110℃
4 :110℃<最低定着温度≦120℃
3 :120℃<最低定着温度≦130℃
2 :130℃<最低定着温度≦140℃
1 :140℃<最低定着温度
低温定着性は、評価基準点が3以上であれば、合格であるとみなす。
5 :最低定着温度≦110℃
4 :110℃<最低定着温度≦120℃
3 :120℃<最低定着温度≦130℃
2 :130℃<最低定着温度≦140℃
1 :140℃<最低定着温度
低温定着性は、評価基準点が3以上であれば、合格であるとみなす。
(9−2)耐ホットオフセット性
また、高温オフセット(ホットオフセット)が発生する最低温度をホットオフセット温度とし、下記評価基準で評価した。なお、ホットオフセットは、未定着画像を定着させた後、白色紙を同様の条件で定着装置に供給し、トナー汚れが白色紙に発生したかどうかを肉眼で観察して評価した。
また、高温オフセット(ホットオフセット)が発生する最低温度をホットオフセット温度とし、下記評価基準で評価した。なお、ホットオフセットは、未定着画像を定着させた後、白色紙を同様の条件で定着装置に供給し、トナー汚れが白色紙に発生したかどうかを肉眼で観察して評価した。
耐オフセット性の評価基準
5 :190℃≦ホットオフセット発生温度
4 :180℃≦ホットオフセット発生温度<190℃
3 :170℃≦ホットオフセット発生温度<180℃
2 :160℃≦ホットオフセット発生温度<170℃
1 :ホットオフセット発生温度<160℃
耐オフセット性は、評価基準点が4以上であれば、合格であるとみなす。
5 :190℃≦ホットオフセット発生温度
4 :180℃≦ホットオフセット発生温度<190℃
3 :170℃≦ホットオフセット発生温度<180℃
2 :160℃≦ホットオフセット発生温度<170℃
1 :ホットオフセット発生温度<160℃
耐オフセット性は、評価基準点が4以上であれば、合格であるとみなす。
(9−3)折り曲げ耐性
プロセス速度と温度調節ができるように改造したDocuPrint C3350(富士ゼロックス社製)のトナーカートリッジにセットし、単色ベタ画像の現像トナー量が0.70ミリグラム/cm2となるように調整した後、未定着画像(2.5cm×4cm)を紙に印刷した。印刷画像は、カラー画像ではなく、同じシアントナーで二層を積層した画像で評価を行った。
上記の条件の下でXEROX EXCLUSIVE 90グラム紙A4用紙を定着温度130℃に設定し、常温常湿下、未定着画像を定着させた。定着時の処理速度は約160mm/秒で行った。
得られた画像定着物を二つに折り曲げた(長方形の定着画像のうち、長辺を中央で折り曲げる)。具体的には、折り曲げ部を1kgの平らな錘で荷重をかけつつ、5往復移動させることにより、折り曲げた。その後、折り曲げた画像部を元の状態に戻し、画像欠損の幅の最大値を印刷物の折り曲げ耐性の指標とした。画像欠損の幅が小さいほうが好ましく、許容できる最大幅は0.8mmである(つまり、以下の評価基準点4以上が合格である)。
5:最大幅≦0.5mm
4:0.5mm<最大幅≦0.8mm
3:0.8mm<最大幅≦1.0mm
2:1.0mm<最大幅≦2.0mm
1:2.0mm≦最大幅
プロセス速度と温度調節ができるように改造したDocuPrint C3350(富士ゼロックス社製)のトナーカートリッジにセットし、単色ベタ画像の現像トナー量が0.70ミリグラム/cm2となるように調整した後、未定着画像(2.5cm×4cm)を紙に印刷した。印刷画像は、カラー画像ではなく、同じシアントナーで二層を積層した画像で評価を行った。
上記の条件の下でXEROX EXCLUSIVE 90グラム紙A4用紙を定着温度130℃に設定し、常温常湿下、未定着画像を定着させた。定着時の処理速度は約160mm/秒で行った。
得られた画像定着物を二つに折り曲げた(長方形の定着画像のうち、長辺を中央で折り曲げる)。具体的には、折り曲げ部を1kgの平らな錘で荷重をかけつつ、5往復移動させることにより、折り曲げた。その後、折り曲げた画像部を元の状態に戻し、画像欠損の幅の最大値を印刷物の折り曲げ耐性の指標とした。画像欠損の幅が小さいほうが好ましく、許容できる最大幅は0.8mmである(つまり、以下の評価基準点4以上が合格である)。
5:最大幅≦0.5mm
4:0.5mm<最大幅≦0.8mm
3:0.8mm<最大幅≦1.0mm
2:1.0mm<最大幅≦2.0mm
1:2.0mm≦最大幅
(10)耐熱保管性
トナーを、50℃、15時間、相対湿度80%に維持した後、パウダーテスター(モデル名:PT−S、ホソカワミクロンPOWDER SYSTEMS)を使用して、以下のトナー流動性の評価に基づき、トナーの耐熱保存性を評価した。
トナーを、50℃、15時間、相対湿度80%に維持した後、パウダーテスター(モデル名:PT−S、ホソカワミクロンPOWDER SYSTEMS)を使用して、以下のトナー流動性の評価に基づき、トナーの耐熱保存性を評価した。
3種類のメッシュ(目開き:53ミクロン、45ミクロン、38ミクロン)を上、中、下に配置する。トナー2.0gを上部メッシュの上に載せ、1mm振動振幅で40秒間振動させ、各メッシュ上に残ったトナー量を測定し、以下の式によってトナーの凝集度を算出した。
凝集度={(a×1.0+b×0.6+c×0.2)÷2}×100
a=53ミクロンメッシュ上に残ったトナー量(g)
b=45ミクロンメッシュ上に残ったトナー量(g)
c=38ミクロンメッシュ上に残ったトナー量(g)
凝集度={(a×1.0+b×0.6+c×0.2)÷2}×100
a=53ミクロンメッシュ上に残ったトナー量(g)
b=45ミクロンメッシュ上に残ったトナー量(g)
c=38ミクロンメッシュ上に残ったトナー量(g)
凝集度から、トナー流動性を次のような基準で評価した。
トナー流動性の評価基準
5 :凝集度10未満であり、非常に流動性が良好な状態
4 :凝集度10以上20未満、流動性が良好な状態
3 :凝集度20以上40未満、流動性が若干良好でない状態
2 :凝集度40以上60未満、流動性が良好でない状態
1 :凝集度60以上、流動性がなく、一部ブロッキングした状態
耐熱保管性は、評価基準点が4以上であれば、合格であるとみなす。
トナー流動性の評価基準
5 :凝集度10未満であり、非常に流動性が良好な状態
4 :凝集度10以上20未満、流動性が良好な状態
3 :凝集度20以上40未満、流動性が若干良好でない状態
2 :凝集度40以上60未満、流動性が良好でない状態
1 :凝集度60以上、流動性がなく、一部ブロッキングした状態
耐熱保管性は、評価基準点が4以上であれば、合格であるとみなす。
<非結晶性ポリエステル樹脂の製造>
(実施例1)
予め十分乾燥させた反応容器に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.3モル付加物553g(48モル%)、エルカ酸ダイマージオール(C44ダイマージオール)のエチレンオキサイド4.0モル付加物34g(1.5モル%)、イソフタル酸272g(50.5モル%)、窒素通気中で攪拌しながら180℃になるまで加熱した。ここで、触媒として、n−テトラブトキシチタン3.8gを仕込み、250℃まで昇温し、最終的に反応容器内の圧力が2kPa以下になるまで減圧し、250℃で所定の重量平均分子量になるまで重縮合反応を行い、非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
(実施例1)
予め十分乾燥させた反応容器に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.3モル付加物553g(48モル%)、エルカ酸ダイマージオール(C44ダイマージオール)のエチレンオキサイド4.0モル付加物34g(1.5モル%)、イソフタル酸272g(50.5モル%)、窒素通気中で攪拌しながら180℃になるまで加熱した。ここで、触媒として、n−テトラブトキシチタン3.8gを仕込み、250℃まで昇温し、最終的に反応容器内の圧力が2kPa以下になるまで減圧し、250℃で所定の重量平均分子量になるまで重縮合反応を行い、非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
(実施例2〜7)
表1に示すように原料及び組成(仕込み量)を変えた以外は実施例1と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(A−2)〜(A−7)をそれぞれ得た。
表1に示すように原料及び組成(仕込み量)を変えた以外は実施例1と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(A−2)〜(A−7)をそれぞれ得た。
(比較例1〜4)
表2に示すように原料および組成(仕込み量)を変えた以外は、実施例1と同様にして非結晶性ポリエステル樹脂(R−1)〜(R−4)をそれぞれ得た。
表2に示すように原料および組成(仕込み量)を変えた以外は、実施例1と同様にして非結晶性ポリエステル樹脂(R−1)〜(R−4)をそれぞれ得た。
上記で得られた非結晶性ポリエステル樹脂の物性を表1及び2にまとめる。
なお、表中の原料の詳細は下記のとおりである。
回収PET:重量平均分子量65,000
また、表1及び2における各ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物は、以下の調製例1〜5により製造されたものである。
回収PET:重量平均分子量65,000
また、表1及び2における各ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物は、以下の調製例1〜5により製造されたものである。
調製例1
C44ダイマージオール−2EO:C44ダイマージオール(エルカ酸ダイマージオール)のエチレンオキサイド2.0モル付加物。
まず、エルカ酸ダイマー(クローダ社製、商品名:「プリポール 1004」)300gに市販の銅−クロム酸化物触媒(日揮触媒化成株式会社製、商品名:「N202D」)を5.63g、10質量%水酸化カリウムメタノール溶液を、水酸化カリウムがエルカ酸ダイマーに対し60ppmとなるように加え、1000mLオートクレーブ中で、水素圧25MPa、反応温度275℃、水素を5L/minで流し、反応を10時間行った。反応は液相懸濁床方式で行った。反応終了後、反応器を冷却し、オートクレーブを開放して反応液を抜き出し、加圧濾過により触媒を回収し、エルカ酸ダイマージオールを得た。
次に、上記で得られたエルカ酸ダイマージオール200g(0.31モル)、及び48質量%水酸化カリウム水溶液を0.47g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド26.9g(2.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.42g、非晶質の合成ケイ酸マグネシウム(協和化学工業株式会社、商品名:「キョーワード600」)2.3g及び水2.3gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、エルカ酸ダイマージオールのエチレンオキサイド2.0モル付加物を得た。
C44ダイマージオール−2EO:C44ダイマージオール(エルカ酸ダイマージオール)のエチレンオキサイド2.0モル付加物。
まず、エルカ酸ダイマー(クローダ社製、商品名:「プリポール 1004」)300gに市販の銅−クロム酸化物触媒(日揮触媒化成株式会社製、商品名:「N202D」)を5.63g、10質量%水酸化カリウムメタノール溶液を、水酸化カリウムがエルカ酸ダイマーに対し60ppmとなるように加え、1000mLオートクレーブ中で、水素圧25MPa、反応温度275℃、水素を5L/minで流し、反応を10時間行った。反応は液相懸濁床方式で行った。反応終了後、反応器を冷却し、オートクレーブを開放して反応液を抜き出し、加圧濾過により触媒を回収し、エルカ酸ダイマージオールを得た。
次に、上記で得られたエルカ酸ダイマージオール200g(0.31モル)、及び48質量%水酸化カリウム水溶液を0.47g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド26.9g(2.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.42g、非晶質の合成ケイ酸マグネシウム(協和化学工業株式会社、商品名:「キョーワード600」)2.3g及び水2.3gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、エルカ酸ダイマージオールのエチレンオキサイド2.0モル付加物を得た。
調製例2
C44ダイマージオール−4EO:C44ダイマージオールのエチレンオキサイド4.0モル付加物。
調製例1と同様にして得たエルカ酸ダイマージオール200g(0.31モル)、及び48質量%水酸化カリウム水溶液を0.53g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド53.8g(4.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.47g、上記「キョーワード600」2.5g及び水2.5gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、エルカ酸ダイマージオールのエチレンオキサイド4.0モル付加物を得た。
C44ダイマージオール−4EO:C44ダイマージオールのエチレンオキサイド4.0モル付加物。
調製例1と同様にして得たエルカ酸ダイマージオール200g(0.31モル)、及び48質量%水酸化カリウム水溶液を0.53g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド53.8g(4.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.47g、上記「キョーワード600」2.5g及び水2.5gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、エルカ酸ダイマージオールのエチレンオキサイド4.0モル付加物を得た。
調製例3
C44ダイマージオール−10EO:C44ダイマージオールのエチレンオキサイド10.0モル付加物。
調製例1と同様にして得たエルカ酸ダイマージオール200g(0.31モル)、及び48質量%水酸化カリウム水溶液を0.70g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド134.6g(10.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.62g、上記「キョーワード600」3.4g及び水3.4gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、エルカ酸ダイマージオールのエチレンオキサイド10.0モル付加物を得た。
C44ダイマージオール−10EO:C44ダイマージオールのエチレンオキサイド10.0モル付加物。
調製例1と同様にして得たエルカ酸ダイマージオール200g(0.31モル)、及び48質量%水酸化カリウム水溶液を0.70g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド134.6g(10.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.62g、上記「キョーワード600」3.4g及び水3.4gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、エルカ酸ダイマージオールのエチレンオキサイド10.0モル付加物を得た。
調製例4
C36ダイマージオール−4EO:C36ダイマージオールのエチレンオキサイド4.0モル付加物
調製例1において、エルカ酸ダマージオールの代わりにC36ダイマージオール(クローダ社製、商品名:「プリポール 2033」)200g(0.37モル)を用い、48質量%水酸化カリウム水溶液を0.55g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド64.9g(4.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.49g、上記「キョーワード600」2.7g及び水2.7gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、C36ダイマージオールのエチレンオキサイド4.0モル付加物を得た。
C36ダイマージオール−4EO:C36ダイマージオールのエチレンオキサイド4.0モル付加物
調製例1において、エルカ酸ダマージオールの代わりにC36ダイマージオール(クローダ社製、商品名:「プリポール 2033」)200g(0.37モル)を用い、48質量%水酸化カリウム水溶液を0.55g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド64.9g(4.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.49g、上記「キョーワード600」2.7g及び水2.7gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、C36ダイマージオールのエチレンオキサイド4.0モル付加物を得た。
調製例5
C36ダイマージオール−10EO:C36ダイマージオールのエチレンオキサイド10.0モル付加物
調製例1において、エルカ酸ダマージオールの代わりにC36ダイマージオール(商品名「プリポール 2033」、クローダ社製)200g(0.37モル)を用い、48質量%水酸化カリウム水溶液を0.75g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド162.4g(10.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.67g、上記「キョーワード600」3.7g及び3.7gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、C36ダイマージオールのエチレンオキサイド10.0モル付加物を得た。
C36ダイマージオール−10EO:C36ダイマージオールのエチレンオキサイド10.0モル付加物
調製例1において、エルカ酸ダマージオールの代わりにC36ダイマージオール(商品名「プリポール 2033」、クローダ社製)200g(0.37モル)を用い、48質量%水酸化カリウム水溶液を0.75g仕込み、窒素置換した。これを120℃まで加熱した後、30分間減圧脱水を行い、さらに160℃まで昇温し、エチレンオキサイド162.4g(10.0モル)を2時間かけて添加し、添加後に30分間熟成した。この反応物を80℃になるまで冷却した後、85質量%リン酸水溶液を0.67g、上記「キョーワード600」3.7g及び3.7gを加え、90℃で60分間攪拌した。その後、反応物をろ過して「キョーワード600」を除去し、C36ダイマージオールのエチレンオキサイド10.0モル付加物を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂の製造>
(製造例1)
予め十分乾燥させた反応容器に、1,9−ノナンジオール438g、1,10−デカンジカルボン酸562gを仕込み、窒素通気中で攪拌しながら150℃になるまで加熱した。ここで、触媒として、n−テトラブトキシチタンを、1,10−デカンジカルボン酸のモル数を100としたときに0.05モルとなる量で仕込み、210℃まで昇温し、最終的に反応容器内の圧力が2kPa以下になるまで減圧し、210℃で1.5時間重縮合反応を行い、結晶性ポリエステル樹脂(C)を得た。
(製造例1)
予め十分乾燥させた反応容器に、1,9−ノナンジオール438g、1,10−デカンジカルボン酸562gを仕込み、窒素通気中で攪拌しながら150℃になるまで加熱した。ここで、触媒として、n−テトラブトキシチタンを、1,10−デカンジカルボン酸のモル数を100としたときに0.05モルとなる量で仕込み、210℃まで昇温し、最終的に反応容器内の圧力が2kPa以下になるまで減圧し、210℃で1.5時間重縮合反応を行い、結晶性ポリエステル樹脂(C)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂(C)について物性を評価したところ、GPCにおける重量平均分子量は6,100であり、酸価は14.3mgKOH/gであり、融点は68℃であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製>
(調製例LA−1)
4口フラスコに、非晶性ポリエステル樹脂(A−1)を60質量部、メチルエチルケトン48質量部及び2−プロピルアルコール12質量部を入れ、スリーワンモーターで攪拌させながら、樹脂を溶解させた後、5質量%アンモニア水溶液を26質量部加えた。さらに、イオン交換水94質量部を徐々に加えて、転相乳化を行った後、脱溶媒を行った。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を30質量%に調整し、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)を得た。分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径(D50v)は145nm、体積粒度分布指標(GSDv)は1.1であった。
(調製例LA−1)
4口フラスコに、非晶性ポリエステル樹脂(A−1)を60質量部、メチルエチルケトン48質量部及び2−プロピルアルコール12質量部を入れ、スリーワンモーターで攪拌させながら、樹脂を溶解させた後、5質量%アンモニア水溶液を26質量部加えた。さらに、イオン交換水94質量部を徐々に加えて、転相乳化を行った後、脱溶媒を行った。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を30質量%に調整し、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)を得た。分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径(D50v)は145nm、体積粒度分布指標(GSDv)は1.1であった。
(調製例LA−2〜LA−8、LR−1〜LR−4)
非結晶性ポリエステル樹脂A−2〜A−7、R−1〜R−4を用いた以外は非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂分散液LA−2〜LA−8、LR−1〜LR−4それぞれを得た。
非結晶性ポリエステル樹脂A−2〜A−7、R−1〜R−4を用いた以外は非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂分散液LA−2〜LA−8、LR−1〜LR−4それぞれを得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製>
(調製例LC)
4口フラスコに、結晶性ポリエステル樹脂(C)60質量部、メチルエチルケトン32質量部及び2−プロピルアルコール8質量部を入れ、スリーワンモーターで攪拌させながら、樹脂を溶解させた後、5%質量アンモニア水溶液を8質量部加えた。さらに、イオン交換水180質量部を徐々に加えて、転相乳化を行った後、脱溶媒を行った。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を30質量%に調整し、結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC)を得た。分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径(D50v)は165nm、体積粒度分布指標(GSDv)は1.23であった。
(調製例LC)
4口フラスコに、結晶性ポリエステル樹脂(C)60質量部、メチルエチルケトン32質量部及び2−プロピルアルコール8質量部を入れ、スリーワンモーターで攪拌させながら、樹脂を溶解させた後、5%質量アンモニア水溶液を8質量部加えた。さらに、イオン交換水180質量部を徐々に加えて、転相乳化を行った後、脱溶媒を行った。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を30質量%に調整し、結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC)を得た。分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径(D50v)は165nm、体積粒度分布指標(GSDv)は1.23であった。
<着色剤分散液の調製>
SUS製容器に、シアン顔料(PB 15:4)60質量部及びアニオン界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製)10質量部と、イオン交換水と、直径1mmのガラスビーズとを投入し、常温を保ちながら10時間振とうした後、ナイロンメッシュでガラスビーズを分離し、シアン顔料分散液を得た。
SUS製容器に、シアン顔料(PB 15:4)60質量部及びアニオン界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製)10質量部と、イオン交換水と、直径1mmのガラスビーズとを投入し、常温を保ちながら10時間振とうした後、ナイロンメッシュでガラスビーズを分離し、シアン顔料分散液を得た。
<離型剤分散液の調製>
パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞社製)100質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業社製)5質量部をイオン交換水に110℃で加熱溶融させた後、ホモジナイザー装置(ゴーリーン社製、商品名:ホモジナイザー、30MPa)で分散処理を行い、離型剤分散液を得た。
パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞社製)100質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業社製)5質量部をイオン交換水に110℃で加熱溶融させた後、ホモジナイザー装置(ゴーリーン社製、商品名:ホモジナイザー、30MPa)で分散処理を行い、離型剤分散液を得た。
<トナーの調製>
(実施例1TN)
3L反応器に、脱イオン水764g、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)702g、及び結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC)112gを入れ、350rpmで撹拌した。反応器に、シアン顔料分散液77g及び離型剤分散液80gを入れた後、0.3N濃度の硝酸水溶液30g(0.3mol)及び凝集剤としてポリ塩化アルミニウム25g(濃度10質量%)をさらに入れ、ホモジナイザーを利用して撹拌し、1℃/分の速度で50℃まで加熱した。その後、0.03℃/分の速度で、凝集反応液の温度を上昇させ、凝集反応を続け、4〜5μmの体積平均粒径を有する一次凝集トナーを形成した。
(実施例1TN)
3L反応器に、脱イオン水764g、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)702g、及び結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC)112gを入れ、350rpmで撹拌した。反応器に、シアン顔料分散液77g及び離型剤分散液80gを入れた後、0.3N濃度の硝酸水溶液30g(0.3mol)及び凝集剤としてポリ塩化アルミニウム25g(濃度10質量%)をさらに入れ、ホモジナイザーを利用して撹拌し、1℃/分の速度で50℃まで加熱した。その後、0.03℃/分の速度で、凝集反応液の温度を上昇させ、凝集反応を続け、4〜5μmの体積平均粒径を有する一次凝集トナーを形成した。
次に、反応器に、シェル層用として非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)300gを添加し、0.5時間凝集させた後、1N NaOH水溶液を添加し、系のpHを8.3に調整し、20分後に、系の温度を83℃に昇温し、4時間融合し、6.3μmの体積平均粒径を有する二次凝集トナー粒子を得た。この凝集反応液を、28℃以下に冷やした後、濾過工程を経て、トナー粒子を分離して乾燥した。
ヘンシェルミキサーに、乾燥したトナー粒子100g、RY50(日本アエロジル(株))1.0g、SW−100(チタン工業(株))0.8gを添加し、8,000rpmで120秒間撹拌することによって、トナー粒子に外添剤を添加した。これにより、体積平均粒径が6.4μmであるトナー(TN−1)を得た。トナー粒子(TN−1)の平均円形度は0.970であった。
(実施例2TN〜8TN、比較例1TN〜4TN)
非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)の代わりに、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−2)〜(LA−8)又は非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LR−1)〜(LR−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナー(TN−2)〜(TN−12)をそれぞれ得た。
非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)の代わりに、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−2)〜(LA−8)又は非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LR−1)〜(LR−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナー(TN−2)〜(TN−12)をそれぞれ得た。
上記で得られたトナーの性能評価の結果を表3及び4に示す。また、トナーにおけるパラフィンワックスの含有量(質量%)(トナー全質量基準)も表3及び4に示す。
<結晶性ポリエステル樹脂の製造>
(実施例9)
予め十分乾燥させた反応容器に、1,9−ノナンジオール96.0g(47.5モル%)、エルカ酸ダイマージオール(C44ダイマージオール)のエチレンオキサイド4.0モル付加物4.0g(2.0モル%)、ドデカン二酸102.0g(50.5モル%)、窒素通気中で攪拌しながら180℃になるまで加熱した。ここで、触媒として、n−テトラブトキシチタン0.1gを仕込み、250℃まで昇温し、最終的に反応容器内の圧力が2kPa以下になるまで減圧し、250℃で所定の重量平均分子量になるまで重縮合反応を行い、結晶性ポリエステル樹脂(C−1)を得た。
(実施例9)
予め十分乾燥させた反応容器に、1,9−ノナンジオール96.0g(47.5モル%)、エルカ酸ダイマージオール(C44ダイマージオール)のエチレンオキサイド4.0モル付加物4.0g(2.0モル%)、ドデカン二酸102.0g(50.5モル%)、窒素通気中で攪拌しながら180℃になるまで加熱した。ここで、触媒として、n−テトラブトキシチタン0.1gを仕込み、250℃まで昇温し、最終的に反応容器内の圧力が2kPa以下になるまで減圧し、250℃で所定の重量平均分子量になるまで重縮合反応を行い、結晶性ポリエステル樹脂(C−1)を得た。
上記で得られた結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の物性を表5にまとめる。
[非結晶性ポリエステル樹脂(A)の調製]
(製造例2)
予め十分乾燥させた反応容器に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物677g、イソフタル酸323gを仕込み、窒素通気中で攪拌しながら180℃になるまで加熱した。ここで、触媒として、n−テトラブトキシチタン3.76gを仕込み、250℃まで昇温し、最終的に反応容器内の圧力が2kPa以下になるまで減圧し、250℃で所定の重量平均分子量になるまで重縮合反応を行い、非結晶性ポリエステル樹脂(A)を得た。GPCにおける重量平均分子量は11,400、酸価は11.1mgKOH/gであった。ガラス転移温度は68.7℃であった。
(製造例2)
予め十分乾燥させた反応容器に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物677g、イソフタル酸323gを仕込み、窒素通気中で攪拌しながら180℃になるまで加熱した。ここで、触媒として、n−テトラブトキシチタン3.76gを仕込み、250℃まで昇温し、最終的に反応容器内の圧力が2kPa以下になるまで減圧し、250℃で所定の重量平均分子量になるまで重縮合反応を行い、非結晶性ポリエステル樹脂(A)を得た。GPCにおける重量平均分子量は11,400、酸価は11.1mgKOH/gであった。ガラス転移温度は68.7℃であった。
<トナーの調製>
(実施例9TN)
結晶性ポリエステル樹脂として上記結晶性ポリエステル樹脂(C−1)を用いたこと以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC)と同様に結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC−1)を作製した。また、非結晶性ポリエステル樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂(A)を用いたこと以外は、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)と同様に非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA)を作製した。結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC)及び非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA)を使用したこと以外は実施例1TNと同様にしてトナー(TN−13)を作製した。得られたトナーの性能評価を表6に示す。
(実施例9TN)
結晶性ポリエステル樹脂として上記結晶性ポリエステル樹脂(C−1)を用いたこと以外は、結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC)と同様に結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC−1)を作製した。また、非結晶性ポリエステル樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂(A)を用いたこと以外は、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA−1)と同様に非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA)を作製した。結晶性ポリエステル樹脂分散液(LC)及び非結晶性ポリエステル樹脂分散液(LA)を使用したこと以外は実施例1TNと同様にしてトナー(TN−13)を作製した。得られたトナーの性能評価を表6に示す。
炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を必須原料として合成されたポリエステル樹脂を用いて得られた実施例1TN〜9TNのトナーは、いずれも低温での定着性、折り曲げ耐性に優れている。
一方、比較例1TN〜4TNのトナーは定着性が不良となりやすく、折り曲げ耐性も十分でない。
一方、比較例1TN〜4TNのトナーは定着性が不良となりやすく、折り曲げ耐性も十分でない。
Claims (12)
- 多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を含む原料の重縮合物であるポリエステル樹脂であって、前記多価アルコール成分が炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物を含む、ポリエステル樹脂。
- 前記アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイド単位の付加数は、前記ダイマージオール1モルあたり、2〜15モルである、請求項1に記載のポリエステル樹脂。
- 前記アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイド単位は、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド単位から選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂。
- 前記原料における前記アルキレンオキサイド付加物の含有量が0.2〜10モル%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂。
- 前記原料がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートの解重合物、及びポリブチレンテレフタレートの解重合物からなる群より選択される1種以上の化合物を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂。
- 炭素数20〜48のダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位を含有する、ポリエステル樹脂。
- 前記アルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイド単位の付加数は、前記ダイマージオール1モルあたり、2〜15モルである、請求項6に記載のポリエステル樹脂。
- 前記ポリエステル樹脂における前記アルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位の含有量が0.2〜10モル%である、請求項6又は7に記載のポリエステル樹脂。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂を含有する、トナー用結着樹脂。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂が水系媒体中で分散又は乳化されている、分散液又は乳化液。
- 請求項10に記載のトナー用結着樹脂を含む、静電荷像現像用トナー。
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JP2017237994A JP2019104825A (ja) | 2017-12-12 | 2017-12-12 | ポリエステル樹脂、トナー用結着樹脂、分散液又は乳化液及び静電荷現像用トナー |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022009793A1 (ja) * | 2020-07-07 | 2022-01-13 | 三菱ケミカル株式会社 | ポリエステル樹脂及びその製造方法、並びにトナー |
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2017
- 2017-12-12 JP JP2017237994A patent/JP2019104825A/ja active Pending
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