JP6242741B2 - トナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕 ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分と、固有粘度が0.4〜1.2dl/gのフラン環を有するポリエステル樹脂とを重縮合する、トナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂の製造方法、
〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法により得られたトナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載のトナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂を含有する、静電荷像現像用トナー
に関する。
フラン環構造を有する樹脂は、電気抵抗が低く、速やかに帯電するうえに、ブロック状に配列されているため、その効果が向上していると考えられる。さらに疎水性の高いビスフェノール構造により、発生した電荷の水分によるリークを抑制するために、得られるトナーの帯電立ち上がり性が大幅に向上するものと考えられる。
さらに、フラン環構造とビスフェノール構造を有する樹脂は、リジッドな骨格であり、低温で定着する軟化点にした場合でも、ガラス転移温度の著しい低下を抑制することができるためか、低温定着性と保存性とも両立することができる。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の式(I)においてROがプロピレンオキサイドであるビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の式(I)においてROがエチレンオキサイドであるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
<3> フラン環を有するポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールとフランジカルボン酸化合物の重縮合物である、前記<1>又は<2>記載の製造方法。
<4> フラン環を有するポリエステル樹脂の量が、重縮合に供する原料中、5〜60質量%である、前記<1>〜<3>いずれか記載の製造方法。
<5> 脂肪族ジオールとフランジカルボン酸化合物の重縮合物のフランジカルボン酸化合物部分とカルボン酸成分中のフランジカルボン酸化合物の総量が、カルボン酸成分と、脂肪族ジオールとフランジカルボン酸化合物の重縮合物のフランジカルボン酸化合物部分の合計量中、10〜100モル%である、前記<3>又は<4>記載の製造方法。
<6> 非晶質ポリエステル系結着樹脂の数平均分子量が、1000〜7000である、前記<1>〜<5>いずれか記載の製造方法。
<7> ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が、式(I)で表される化合物である、前記<1>〜<6>いずれか記載の製造方法。
<8> ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物とビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物から選ばれる1種以上である、前記<1>〜<7>いずれか記載の製造方法。
<9> ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のモル比(エチレンオキサイド付加物/プロピレンオキサイド付加物)が0/100〜40/60である、前記<8>記載の製造方法。
<10> ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の量が、重縮合に供するアルコール成分とフラン環を有するポリエステル樹脂中のアルコール成分由来の部分の総和中、20〜80モル%である、前記<1>〜<9>いずれか記載の製造方法。
<11> フラン環を有するポリエステル樹脂に用いられる脂肪族ジオールが、炭素数2〜6のα,ω−脂肪族ジオールである、前記<1>〜<10>いずれか記載の製造方法。
<12> 炭素数2〜6のα,ω−脂肪族ジオールが、エチレングリコールである、前記<11>記載の製造方法。
<13> 脂肪族ジオールとフランジカルボン酸化合物の重縮合物のフランジカルボン酸化合物部分の量が、カルボン酸成分と、脂肪族ジオールとフランジカルボン酸化合物の重縮合物のフランジカルボン酸化合物部分の合計量中、10モル%以上100モル%未満である、前記<3>〜<12>いずれか記載の製造方法。
<14> カルボン酸成分がテレフタル酸化合物、イソフタル酸化合物及びフランジカルボン酸化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸化合物を含有する、前記<2>〜<13>いずれか記載の製造方法。
<15> 重縮合反応時の温度が200〜250℃である、前記<1>〜<14>いずれか記載の製造方法。
<16> 重縮合反応を、錫触媒及び/又はチタン触媒の存在下で行う、前記<1>〜<15>いずれか記載の製造方法。
<17> 錫触媒が、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物である、前記<16>記載の製造方法。
<18> 得られる樹脂の酸価が5〜20mgKOH/gである、前記<1>〜<17>いずれか記載の製造方法。
<19> 得られる樹脂の水酸基価が10〜45mgKOH/gである、前記<1>〜<18>いずれか記載の製造方法。
<20> 前記<1>〜<19>いずれか記載の製造方法により得られたトナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂。
<21> 前記<20>記載のトナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂を含有する、静電荷像現像用トナー。
<22> トナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂が、軟化点の異なる2種の樹脂からなる、前記<21>記載の静電荷像現像用トナー。
<23> 軟化点の異なる2種類の樹脂が、軟化点が80〜110℃の樹脂と軟化点が120〜170℃の樹脂である、前記<22>記載の静電荷像現像用トナー。
<24> フラン環を有するポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールとフランジカルボン酸化合物の重縮合反応によって得られるものである、前記<21>〜<23>いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
フェノール及びテトラクロロエタンを60/40の質量比(フェノール/テトラクロロエタン)にて混合した混合溶媒に、試料を0.1質量%、0.5質量%、0.8質量%の濃度で溶解し、30℃にてウベローデ型粘度計により溶液粘度を測定し、濃度0に外挿し、固有粘度を求める。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しそのまま1分間静止させる。その後、昇温速度10℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最大ピークの頂点の温度を融点とする。
以下の方法により、組成を求める。
(1) NMR測定
製造例1において、分留塔及び冷却管を通して得られた留出分(水及びアルコール成分)の量を測定し、そのうち30mgを1gの特定濃度のテトラメチルシランを標準として含有する重クロロホルムと混合し、混合液をNMR測定用チューブ(東京化成工業製)に入れ、下記測定装置を用い、測定モードプロトン、積算回数8回、平衡待ち時間10秒にて測定を行い、エチレングリコール、1,4-ブタンジオールのプロトンに帰属されるピークの面積を求め、テトラメチルシランの強度より、それぞれの濃度を求める。
(2) 組成の算出
NMR測定によって求められたアルコール成分の濃度と留出分(水及びアルコール成分)の量から留出したアルコール成分の量を求め、仕込みに用いたアルコール成分の量から留出したアルコール成分の量を減じて、フラン構造を有するポリエステル樹脂中のアルコール成分の量を算出する。カルボン酸成分の量を100としたときの各アルコール成分のモル比を表1に示す。
フローテスター「CFT-500D」(島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しそのまま1分間静止させた。その後、昇温速度10℃/分で測定した。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料をクロロホルムに、40℃で溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「DISMIC-25JP」(ADVANTEC社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルムを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
一次粒子の体積平均粒径を、平均粒子径として下記式より求める。
平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρは外添剤の真比重であり、例えば、シリカの真比重は2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。なお、上記式は、粒径Rの球と仮定して、
比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×真比重
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
製造例1〔樹脂PEF−A、PEF−B、PEF−C〕
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、分留塔、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、185℃まで昇温し、5時間エステル化反応を行った後、250℃まで5℃/時間の速度で段階的に昇温を行った。その後0.1kPaにてアルコール成分を留去しながら表1に示す固有粘度まで重縮合反応を行い、樹脂PEF−A、PEF−B及びPEF−Cを得た。
製造例2〔樹脂1〜3、5〜9及び11、12〕
表2、3に示すアルコール成分、カルボン酸成分、フラン構造を有するポリエステル樹脂又はポリエチレンテレフタレート〔PET(ユニペットRT-543C(日本ユニペット社製)、固有粘度:0.75dl/g、融点:255℃)〕及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、分留塔、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで昇温し、235℃にて反応率が90%以上に到達したのを確認し、5.3kPaにて表2、3に示す軟化点まで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。後述の製造例も同様である。
表2に示すアルコール成分、カルボン酸成分、フラン構造を有するポリエステル樹脂及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、分留塔、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで昇温し、235℃にて10時間反応させた後、5.3kPaにて表2に示す軟化点まで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。
表3に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、フラン構造を有するポリエステル樹脂及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、分留塔、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで昇温し、235℃にて反応率が90%以上に到達したのを確認し、8kPaにて1時間反応を行い、210℃まで冷却し、無水トリメリット酸を投入し、1h常圧にて反応を行った後、8kPaにて表3に示す軟化点まで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。
表3に示すアルコール成分、カルボン酸成分及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、分留塔、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、185℃まで昇温し、5時間反応を行った後、235℃まで10℃/時の速度で昇温し、反応率が95%以上に到達したのを確認し、13.3kPaにて表3に示す軟化点まで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。
表3に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、分留塔、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、185℃まで昇温し、5時間反応を行った後、235℃まで10℃/時の速度で昇温し、反応率が95%以上に到達したのを確認し、210℃に冷却後、無水トリメリット酸を投入し、1時間大気圧(101kPa)にて反応を行った後、8kPaにて表3に示す軟化点まで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。
表3に示すアルコール成分、カルボン酸成分、フラン構造を有するポリエステル樹脂及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、分留塔、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、185℃まで昇温し、5時間反応を行った後、220℃まで5℃/時間の速度で段階的に昇温を行った。その後220℃にて反応率が90%以上に到達したのを確認し、5.3kPaにて表3に示す軟化点まで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。
表3に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、フラン構造を有するポリエステル樹脂及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、分留塔、脱水管、冷却管、及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、185℃まで昇温し、5時間反応を行った後、220℃まで5℃/時間の速度で段階的に昇温を行った。その後220℃にて反応率が90%以上に到達したのを確認し、無水トリメリット酸を添加し、8kPaにて表3に示す軟化点まで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。
実施例1〜15及び比較例1〜4(実施例15は参考例である)
表4に示す非晶質ポリエステルを合計で100質量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-81」(オリエント化学工業社製)1質量部、着色剤「Regal 330R」(キャボット社製、カーボンブラック)5質量部、及び離型剤「三井ハイワックスNP055」(三井化学社製、ポリプロピレンワックス、融点:125℃)2質量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、同方向回転二軸押出し機を用い、ロール回転速度200r/min、ロール内の加熱温度80℃で溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにて粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
温度25℃、相対湿度30%において、トナー0.6gとシリコーンフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径90μm)19.4gとを50ml容のポリビンに入れ、ボールミルを用いて250r/minで混合し、帯電量をQ/Mメーター(EPPING社製)を用いて測定した。60秒間あるいは600秒間混合後、Q/Mメーター付属のセルに規定量の現像剤を投入し、目開き32μmのふるい(ステンレス製、綾織、線径:0.0035mm)を通してトナーのみを90秒間吸引した。そのとき発生するキャリア上の電圧変化をモニターし、〔90秒後の総電気量(μC)/吸引されたトナー量(g)〕の値を帯電量(μC/g)とした。混合時間60秒後における帯電量と混合時間600秒後における帯電量の比率(混合時間60秒後における帯電量/混合時間600秒後の帯電量)を計算し、帯電立ち上がり性を評価した。結果を表4に示す。前記帯電量の比率の値が大きいほど、帯電立ち上がり性が良好である。
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、シャープ(株)製の紙[CopyBond SF-70NA(75g/m2)]上に、未定着の画像を得た。これに総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)を用い、定着ローラーの温度を100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で画像の定着試験を行った。定着した画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前×100)が最初に90%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とした。結果を表4に示す。最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れる。
20mL容の容器(直径約3cm)にトナー4gを入れ、温度55℃、湿度60%の環境下で60時間放置した。12時間毎に60時間までトナー凝集の発生程度を目視にて観察した。凝集の発生が認められた時点の時間の値が大きいほど保存性が良好である。結果を表4に示す。なお、表中の「>60」は60時間後も凝集は認められないことを示す。
Claims (10)
- ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分と、固有粘度が0.4〜1.2dl/gのフラン環を有するポリエステル樹脂とを重縮合する、トナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂の製造方法であって、前記フラン環を有するポリエステル樹脂が、エチレングリコールとフランジカルボン酸化合物の重縮合物である、トナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂の製造方法。
- アルコール成分及びフラン環を有するポリエステル樹脂と、さらにカルボン酸成分を重縮合する、請求項1記載の製造方法。
- フラン環を有するポリエステル樹脂の量が、重縮合に供する原料中、5〜60質量%である、請求項1又は2記載の製造方法。
- 非晶質ポリエステル系結着樹脂の数平均分子量が、1000〜7000である、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
- ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物とビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物から選ばれる1種以上である、請求項1〜5いずれか記載の製造方法。
- ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の量が、重縮合に供するアルコール成分とフラン環を有するポリエステル樹脂中のアルコール成分由来の部分の総和中、20〜80モル%である、請求項1〜6いずれか記載の製造方法。
- 請求項1〜7いずれか記載の製造方法により得られたトナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂。
- 請求項8記載のトナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂を含有する、静電荷像現像用トナー。
- トナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂が、軟化点の異なる2種の樹脂からなる、請求項9記載の静電荷像現像用トナー。
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