JP5011926B2 - トナー - Google Patents
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Description
前記定着工程において、トナー画像と定着ローラの離型性を向上させ、定着ローラの汚染を防ぐために、離型剤としてワックスがトナー中に含まれている。
この中でも、近年の省エネルギー化のために低温定着が可能なプリンタや複写機が開発されており、トナーの低温定着性の向上を図る役割が大きくなっている。トナーの低温定着性の向上を図る目的として、融点の低いワックスを用いたり、ワックスの含有量を増加させる試みがなされている。
特に、融点の低いワックスを用いた場合、保存時においてトナー粒子表面にワックスが染み出し(ブリーディング)、トナー同士が凝集する問題が顕著に表れる。また、ワックスの含有量を増加させた場合においても、ワックスをトナーの樹脂中に分散させることがより難しくなり、トナー表面にワックスが露出し、上記の欠点が顕著に現れていた。
本発明のトナーは、樹脂成分と着色剤とを含むコア領域および前記コア領域を被覆するシェル領域を有し、
前記コア領域に、二価カルボン酸と脂肪族ジオールとを構成成分として有する直鎖型ポリエステル樹脂、およびポリグリセリン脂肪酸エステルワックスを含み、
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスは、ポリグリセリンと脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを主として含み、かつ、酸価が3KOHmg/g以下、水酸基価が5KOHmg/g以下、示差熱曲線における吸熱極大温度が65〜75℃であり、
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、分子量が3000〜5000、ポリグリセリン骨格の重合度が4〜10であり、
前記直鎖型ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が38〜48℃、重量平均分子量が3800〜5500であることを特徴とする。
これにより、低温定着性に優れ、なおかつ保存性に優れたトナーを提供することができる。
これにより、低温定着性に特に優れ、なおかつ保存性に特に優れたトナーを提供することができる。
本発明のトナーでは、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスは、前記示差熱曲線において吸熱ピークの半値幅が5℃以下であることが好ましい。
これにより、低温定着性に特に優れ、なおかつ保存性に特に優れたトナーを提供することができる。
これにより、保存時等におけるトナー粒子の形状の安定性(耐久性)を特に優れたものにしつつ、トナーの低温定着性を特に優れたものにできる。
本発明のトナーでは、前記シェル領域中に、前記架橋型ポリエステル樹脂を60wt%以上含むことが好ましい。
これにより、トナー粒子の強度を特に優れたものとすることができる。
本発明のトナーでは、前記コア領域中に、架橋型ポリエステル樹脂を10〜30wt%含むことが好ましい。
これにより、保存性に特に優れたトナーを提供できる。
これにより、低温定着性に特に優れ、なおかつ保存性に特に優れたトナーを提供することができる。
本発明のトナーでは、トナー粒子中に、架橋型ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。
これにより、トナーの保存性を特に優れたものとすることができる。
これにより、トナーの保存性を特に優れたものとすることができる。
本発明のトナーでは、前記コア領域および前記シェル領域にそれぞれ異なる組成の架橋型ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。
これにより、低温定着性に特に優れ、なおかつ保存性に特に優れたトナーを容易に製造することができる。
<トナー>
まず、本発明のトナーについて説明する。
トナーは、多数個のトナー粒子で構成されている。
本発明のトナー粒子は樹脂成分(バインダー樹脂)として二価カルボン酸と脂肪族ジオールとがエステル結合した直鎖型ポリエステル樹脂、およびワックスとしてポリグリセリン脂肪酸エステルワックスをトナー粒子に含む。
まず、直鎖型ポリエステル樹脂について説明する。
なお、直鎖型ポリエステル樹脂は、構成成分として、モノカルボン酸および/またはモノアルコールを含むものであってもよい。これにより、例えば、直鎖型ポリエステル樹脂の酸価を好適に調整されたものとすることができる。モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等が挙げられる。また、モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノール等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、トナー中に組成の違う直鎖型ポリエステル樹脂が、2種類以上含まれていてもよい。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリン骨格の一部の水酸基がエステル結合していないものであってもよい。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスの酸価は、3KOHmg/g以下である。ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスの酸価が十分に小さいと、直鎖型ポリエステルとの親和性が高くなり、樹脂成分中にポリグリセリン脂肪酸エステルワックスが安定して内包され、トナーの保存性を優れたものとすることができる。一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスの酸価が大きすぎると、ポリグリセリン脂肪酸エステルワックス中に脂肪酸等の遊離酸が多量に存在することで、ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスの親水性が過剰に高くなる。このため、ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスと樹脂成分との親和性が悪くなり、ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスをトナー粒子内に安定して内包できない。また、トナー粒子中に内包されたポリグリセリン脂肪酸エステルワックスも、ブリーディング等によってトナー粒子表面に染み出る結果、トナーの保存性を優れたものとすることができない。また、遊離酸によって、トナー粒子の帯電性が不安定になる場合があり、トナーの帯電量を安定して制御することが難しくなる。前記酸価は2KOHmg/g以下であるのが好ましく、1KOHmg/g以下であるのがより好ましい。これにより、上記の効果をより顕著に得ることができる。
また、トナー粒子は、樹脂成分として架橋型ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。架橋型ポリエステル樹脂は、直鎖型ポリエステル樹脂と比較して軟化点が高いため、直鎖型ポリエステル樹脂に架橋型ポリエステル樹脂を含むことで、トナー粒子全体としての軟化点を容易に調節することができ、トナーとして、高温オフセット防止に役立つ。
架橋型ポリエステル樹脂を構成する多塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式カルボン酸類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、架橋型ポリエステル樹脂は、構成成分として、1分子中に3個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸またはその無水物、および/または、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコールを含むものであってもよい。
また、トナー粒子は、他の樹脂成分を含んでもよい。例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられる。また、前述した直鎖型、架橋型以外のポリエステル樹脂を含んでいてもよい。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、トナー粒子に、上記以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
また、コア領域の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
本発明において、トナー粒子は、上述したような直鎖型ポリエステル樹脂およびポリグリセリン脂肪酸エステルワックスをふくむものであれば、いかなる構造を有するものであってもよいが、以下、トナー粒子の構造の一例について説明する。
図1は、本発明のトナーを構成するトナー粒子の好適な実施形態を示す模式的な断面図である。
トナー粒子1は、コア領域(芯部、核)11と、コア領域11を被覆するシェル領域(外殻)12とを有するものである。
コア領域11は、樹脂成分と上述したような着色剤とを含む材料で構成されたものである。
コア領域11は、樹脂成分(バインダー樹脂)として、上述した直鎖型ポリエステル樹脂を含み、ワックスとしてポリグリセリン脂肪酸エステルワックスを含む。これにより、トナーの低温定着性および、保存性を特に優れたものにできる。
また、コア領域11には、上記以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、上述したような樹脂成分(バインダー樹脂)、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
また、コア領域11の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
また、トナー粒子1中においてコア領域11の占める割合は、40〜99.5vol%であるのが好ましく、60〜95vol%であるのがより好ましい。コア領域11の占める割合が前記範囲内の値であると、トナー粒子1の保存性、耐久性等を十分に優れたものとしつつ、コア領域11の構成材料の特性をより効果的に発揮させることができる。
シェル領域12は、コア領域11を被覆するように設けられたものである。
シェル領域12は、常温(25℃)において、コア領域11よりも強度の高いものであるのが好ましい。これにより、トナー粒子1全体としての強度を高いものとしつつ、シェル領域12を構成する材料の特性を効果的に発揮させることができる。
また、シェル領域を有することで、コア領域11に内包されたワックスのトナー粒子表面への露出を防ぎ、トナーの保存性を特に優れたものにすることができる。
また、シェル領域12にポリエステル樹脂が含まれる場合、シェル領域12に含まれるポリエステル樹脂は構成成分として、炭素数が100〜1000の炭化水素基を備えた高分子量成分を含むもの(特に高分子量成分がポリエステル樹脂の側鎖を構成するもの)であってもよい。これにより、定着良好域が特が広く、低温定着性、長期保存性、耐熱保存性が特に優れたトナーが得られる。
なお、シェル領域12は、ポリエステル系樹脂以外の樹脂成分で構成されたものであってもよい。
また、シェル領域12は、直鎖型ポリエステル樹脂よりも、重量平均分子量Mwが大きい樹脂成分で構成されたものであるのが好ましい。これにより、トナーの耐久性、保存性等を優れたものとすることができ、保存時等におけるトナー粒子の凝集等を効果的に防止することができる。
また、シェル領域12は、直鎖型ポリエステル樹脂よりも、ガラス転移温度Tgの高い樹脂成分で構成されたものであるのが好ましい。これにより、トナーの耐久性、保存性等を優れたものとすることができ、保存時等におけるトナー粒子の凝集等を効果的に防止することができる。
100/T=w1/T1+w2/T2+・・・
Tg=T−273
ただし、上記式中、シェル領域12を構成する各樹脂成分(第1の成分、第2の成分、・・・)のガラス転移温度を、それぞれ、絶対温度表示でT1[K]、T2[K]、・・・とし、シェル領域12を構成する樹脂成分全体に占める各成分(第1の成分、第2の成分、・・・)の含有率を、それぞれ、w1[wt%]、w2[wt%]、・・・とする。
また、コア領域11の構成樹脂とシェル領域12の構成樹脂とを比較した場合、コア領域11の構成樹脂よりも、シェル領域12の構成樹脂の方が酸価が高いのが好ましい。界面が水性媒体であると、より界面に移行しやすくなり、シェルとしてのバリアー性が強化されるため好ましい。
シェル領域12を構成する樹脂成分の軟化温度T1/2(S)は、115〜215℃であるのが好ましく、135〜190℃であるのがより好ましい。
また、シェル領域12の厚さは、特に限定されないが、0.1〜1.5μmであるのが好ましく、0.3〜1.0μmであるのがより好ましい。シェル領域12の厚さが前記範囲内の値であると、トナーの定着良好域を十分に広いものとしつつ、トナーの耐久性、保存性等を優れたものとすることができる。
上記のようなトナー粒子1の平均粒径は、特に限定されないが、3〜10μmであるのが好ましく、4〜6μmであるのがより好ましい。トナー粒子1の平均粒径が前記範囲内の値であると、高解像度の画像形成に好適に適用することができるとともに、低温定着性の向上に有利であり、また、コア領域11の構成材料の特性およびシェル領域12の構成材料の特性を、より確実に発揮させることができる。なお、本明細書で、平均粒径とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒径のことを指す。
具体的には、下記式(I)で表されるトナー粒子についての平均円形度Rは、0.95〜0.99であるのが好ましい。平均円形度Rが前記範囲内の値であると、トナーの転写効率を特に優れたものとしつつ、画像形成装置内におけるクリーニング性を十分に優れたものとすることができる。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
また、トナー粒子の粒径の標準偏差(σ(DT))をトナー粒子の平均粒径(DT)で除した数値(σ(DT)/DT)×100として表されるトナー粒子の粒径についての変動係数は、24.0以下であるのが好ましく、22.0以下であるのがより好ましい。これにより、トナー粒子の粒度分布は特にシャープなものとなり、トナーを用いて形成される画像を、より良好なものとすることができる。また、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等のばらつきを特に小さいものとすることができ、トナー全体としての信頼性を特に優れたものとすることができる。また、例えば、トナーの製造時においては、トナーの乾燥を容易かつ確実に行うことができ、トナー中の含水量を抑制することができる。
なお、Dv(50)、Dn(50)、変動係数の値は、例えば、コールター社製マルチサイザーII型(アパーチャーチューブ径:100μm)や日機装社製マイクロトラックMT3000を用いた測定により求めることができる。
上記のようなトナー粒子は、後述するような方法により、容易かつ確実に得ることができる。
本発明のトナーは、一成分系現像剤として用いられるものであってもよいし、二成分型現像剤として用いられるものであってもよい。また、本発明のトナーは、乾式トナーとして用いられるものであってもよいし、液体現像剤に用いられるものであってもよい。
次に、上述したようなトナーの製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態の製造方法は、樹脂成分と着色剤とを含む材料で構成された分散質(着色樹脂微粒子)が分散(乳化および/または懸濁)した分散液(乳化懸濁液)を調製する工程(乳化懸濁液工程)と、複数個の分散質(着色樹脂微粒子)を合一させ、合一粒子を得る工程(合一工程)と、合一粒子の表面を、合一粒子を構成する樹脂成分とは異なる組成の樹脂成分で構成された被膜で被覆する工程(被覆工程)とを有する。
本実施形態の製造方法では、比較的低温にてトナー粒子の製造が行われるため、樹脂成分が一旦内包したワックスの分散質を、製造時とほぼ同じ略球形状のワックス微粒子としてトナー粒子内に保持できる。このため、樹脂成分中にワックス微粒子が略球形状で微分散されたトナー粒子を容易に得ることができる。
まず、乳化懸濁液調製工程について説明する。
本工程で調製する乳化懸濁液は、トナー粒子1のコア領域11を形成に用いるものである。
乳化懸濁液は、いかなる方法で調製してもよいが、例えば、樹脂成分(直鎖型ポリエステル樹脂および架橋型ポリエステル樹脂)とワックス(ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスを含む)、着色剤と有機溶剤(有機溶媒)とを含む液体である着色樹脂液を、水性媒体と混合することにより調製することができる。
また、着色樹脂液を構成するワックスとしては、ポリグリセリン脂肪酸エステルワックス以外にも、前述したコア領域11の構成材料としてのワックスを用いることができる。
また、有機溶剤の沸点(常圧(1気圧)での沸点。以下、同様。)は、水の沸点よりも低いのが好ましい。これにより、有機溶剤の回収を効率良く行うことができる。
上記のような条件を満足する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒等が挙げられる。中でも、メチルエチルケトン、酢酸エチルは、樹脂成分(特に、ポリエステル系樹脂)の溶解性、分散性が高いため、好ましい。
また、攪拌時における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。
着色樹脂液中におおける固形分の含有率は、特に限定されないが、40〜75wt%であるのが好ましく、50〜73wt%であるのがより好ましく、50〜70wt%であるのがさらに好ましい。固形分の含有率が前記範囲内の値であると、後述する乳化懸濁液を構成する分散質(着色樹脂微粒子)を、より球形度の高いもの(真球に近い形状もの)とすることができ、最終的に得られるトナー粒子1の形状を、より確実に好適なものとすることができる。
乳化剤としては、一般に、分散剤、分散安定剤、界面活性剤として用いられているものを適用することができる。本発明において、乳化剤として適用することのできる具体的な材料としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルや、各種プルロニック系等のノニオン系乳化剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系乳化剤、第4級アンモニウム塩等のカチオン系乳化剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。これにより、乳化懸濁液中における分散質(着色樹脂微粒子)の分散性を特に優れたものとしつつ、最終的なトナー中に乳化剤が残存した場合であっても、トナー粒子の帯電特性に対して悪影響を及ぼすのを効果的に防止することができるとともに、VOC(揮発性有機化合物)量が増大するのを効果的に防止することができる。アルキルベンゼンスルホン酸塩が有するアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノナニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられるが、ドデシル基が好ましい。すなわち、アルキルベンゼンスルホン酸塩は、ドデシルベンゼンスルホン酸塩であるのが好ましい。これにより、これにより、乳化懸濁液中における分散質(着色樹脂微粒子)の分散性をさらに優れたものとしつつ、最終的なトナー中に乳化剤が残存した場合であっても、トナー粒子の帯電特性に対して悪影響を及ぼすのをより効果的に防止することができるとともに、VOC(揮発性有機化合物)量が増大するのをより効果的に防止することができる。
なお、着色樹脂液中には、樹脂成分、着色剤、ワックス、有機溶剤以外の成分として、前述したような帯電制御剤、磁性粉末等を含むものであってもよい。
水性媒体としては、主として水で構成されたものを用いることができる。
水性媒体中には、例えば、水との相溶性に優れる溶媒(例えば、25℃での100重量部の水に対する溶解度が、50重量部以上である溶媒)を含むものであってもよい。
また、水性媒体は、乳化剤(分散剤)を含むものであってもよい。
また、中和剤は、乳化懸濁液の調製において、複数回に分けて添加されるものであってもよい。例えば、前述したように調製された着色樹脂液に対して中和剤を添加した後に、当該着色樹脂液(中和剤が添加された着色樹脂液)と水性媒体とを混合し、さらにその後、混合液中に中和剤を添加してもよい。これにより、着色樹脂液と水性媒体との混合時における液体の粘度上昇を効果的に抑制しつつ、分散質(着色樹脂微粒子)が均一かつ微細に分散した乳化懸濁液を容易に得ることができる。
攪拌機を用いた混合時における翼先端速度は、例えば、4〜30m/秒であるのが好ましく、10〜25m/秒であるのがより好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、乳化懸濁液を効率良く得ることができるとともに、乳化懸濁液中における分散質(着色樹脂微粒子)の形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができ、分散質(着色樹脂微粒子)の均一分散性を特に優れたものとすることができる。これに対し、翼先端速度が前記下限値未満であると、乳化懸濁液中における分散質(着色樹脂微粒子)の微分散を十分に達成することが困難になる可能性がある。一方、翼先端速度が前記上限値を超えると、攪拌時に、着色樹脂液と水性媒体との混合液の飛散が激しくなり、不溶解物が混在する可能性がある。
また、攪拌時における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、20〜50℃であるのがより好ましい。
次に、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を得る(合一工程)。得られる合一粒子(着色樹脂微粒子)は、製造すべきトナー粒子1のコア領域11に対応するものである。分散質の合一は、通常、有機溶剤を含む分散質が衝突することにより、これらが融着して進行する。
複数個の分散質を合一させる方法は、特に限定されないが、分散液(被膜で被覆された分散質が分散した分散液)中に、電解質を添加する方法が好ましい。これにより、容易かつ確実に合一粒子を得ることができる。また、電解質の添加量を調節することにより、容易かつ確実に、合一粒子(着色樹脂微粒子)の粒径を制御することができる。
本工程で添加される電解質の量は、特に限定されないが、電解質が添加される分散液(被膜が形成された分散質が分散した分散液)の固形分100重量部に対し、0.1〜10重量部であるのが好ましく、0.2〜5.0重量部であるのがより好ましい。
また、電解質は、水溶液の状態で添加されるのが好ましい。これにより、速やかに分散液全体に、電解質を拡散させることができるとともに、電解質の添加量を容易かつ確実に制御することができる。
本工程は、分散液を攪拌した状態で行うのが好ましい。これにより、粒子間での形状、大きさのばらつきが特に小さい合一粒子を得ることができる。
合一を停止させる方法としては、例えば、攪拌速度を挙げる方法、分散液(合一粒子が分散した分散液)の温度を低下させる方法、分散液中に水を添加する方法や、これらのうち2つ以上を組み合わせた方法等が挙げられる。中でも、合一を停止させる方法としては、分散液中に水を添加する方法を用いるのが好ましい。これにより、不本意な合一粒子の更なる合一や崩壊等を確実に防止しつつ、速やかに分散質の合一を停止させることができる。その結果、所望の粒径を有し、粒度分布がシャープなトナーを確実に得ることができる。なお、分散液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、添加した水により分散質中に含まれる有機溶剤が抽出され、分散質粒子が硬くなる。その結果、合一が停止するとともに、合一粒子の崩壊が確実に防止されるものと考えられる。
また、分散液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、水の添加後(合一の停止後)に、固形分の含有率が18〜25wt%となるように、水を加えるのが好ましい。これにより、トナー製造時における有機溶剤、水の使用量を十分に抑制しつつ、大きさ、形状のばらつきの小さい好適なトナーを製造することができる。
次に、上記のような合一粒子(着色樹脂微粒子)の表面に、当該分散質を構成する樹脂成分とは異なる樹脂成分で構成された被膜を形成する(被覆工程)。
本工程で形成する被膜は、形成すべきトナー粒子1のシェル領域12に対応するものである。
被膜を構成する樹脂成分としては、前述したシェル領域12の構成材料としての樹脂成分またはその前駆体(例えば、プレポリマー、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー等)を用いることができる。
被膜形成用液を構成する有機溶剤としては、例えば、前述した着色樹脂液の構成材料として例示したものを用いることができる。
また、被膜形成用液は、例えば、樹脂成分を含む材料で構成された分散質が、水系の分散媒(水系媒体)中に微分散した分散液であってもよい。これにより、被膜の形成を容易かつ確実に行うことができるとともに、形成される被膜の厚さの均一性を高めることができる。
中和剤の種類、添加量、添加方法等の各種条件は、例えば、前述した乳化懸濁液調製工程で説明したのと同様とすることができる。これにより、上述したのと同様の効果が得られる。
合一粒子が分散した分散液と被膜形成用液との混合においては、例えば、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼、半月翼等の攪拌翼を用いることができるが、中でも、マックスブレンド翼、フルゾーン翼が好ましい。これにより、膜厚のばらつきの小さい被膜を、効率良く形成することができる。
また、攪拌時における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、20〜50℃であるのがより好ましく、20〜35℃であることがさらに好ましい。
電解質としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸ナトリウム等の塩や、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等の酸性物質等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、1価のカチオンの硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム)、炭酸塩が好ましい。
また、電解質は、水溶液の状態で添加されるのが好ましい。これにより、速やかに混合液(合一粒子が分散した分散液と被膜形成用液との混合液)全体に、電解質を拡散させることができるとともに、電解質の添加量を容易かつ確実に制御することができる。
その後、分散液中に含まれる有機溶剤を除去する(脱溶剤工程)。これにより、トナー粒子1が得られる。
有機溶剤の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、例えば、減圧により行うことができる。これにより、樹脂成分等の構成材料の変性等を十分に防止しつつ、効率良く有機溶剤を除去することができる。
また、本工程は、分散液に、消泡剤を添加した状態で行ってもよい。これにより、効率良く有機溶剤を除去することができる。
消泡剤の使用量は、特に限定されないが、分散液中に含まれる固形分に対して、重量比で、20〜300ppmであるのが好ましく、30〜100ppmであるのがより好ましい。
また、本工程においては、有機溶剤とともに、分散液中に含まれる未反応原料(モノマー等)を除去することができる。その結果、最終的に得られるトナーにおける、揮発性有機化合物(TVOC)量を特に少ないものとすることができる。
なお、本工程においては、必ずしも全ての有機溶剤(分散液中に含まれる有機溶剤の全量)が除去されなくてもよい。このような場合であっても、後述する洗浄工程、乾燥工程において残存する有機溶剤を十分に除去することができる。
次に、トナー粒子1の洗浄を行う(洗浄工程)。
本工程は、例えば、固液分離(水性媒体からの分離)によりトナー粒子を分離し、さらにその後、固形分(トナー)の水中への再分散および固液分離(水性媒体からのトナー粒子の分離)をすることにより行うことにより、行うことができる。固形分(トナー)の水中への再分散および固液分離は、複数回、繰り返し行ってもよい。
その後、乾燥処理を施すことにより、最終的なトナーを得ることができる(乾燥工程)。
乾燥工程は、例えば、真空乾燥機(例えば、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウター(ホソカワミクロン社製)等)、流動層乾燥機(大河原製作所社製)等を用いて行うことができる。
また、本工程での処理温度は、シェル領域を構成する樹脂成分のガラス転移点(Tg)よりも低い温度であるのが好ましい。
また、必要に応じて、外添剤を付与する外添工程を有していてもよい。
次に、上述した本発明のトナーが適用される画像形成装置について説明する。
図2は、本発明のトナーが適用される画像形成装置の好適な実施形態を示す全体構成図、図3は、図2の画像形成装置が有する現像装置の断面図、図4は、図2の画像形成装置に用いられる定着装置の詳細構造を示し、一部破断面を示す斜視図、図5は、図4の定着装置の要部断面図である。
図3に示すように現像装置60Yでは、その内部にトナーTを収容するハウジング601に供給ローラ603および現像ローラ604が軸着されており、当該現像装置60Yが上記した現像位置に位置決めされると、「トナー担持体」として機能する現像ローラ604が像担持体(感光体)30と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向位置決めされるとともに、これらのローラ603、604が本体側に設けられた回転駆動部(図示省略)と係合されて所定の方向に回転するように構成されている。この現像ローラ604は、現像バイアスを印加されるべく銅、ステンレス、アルミニウム等の金属または合金により円筒状に形成されている。
装置本体20の底部には給紙カセット150が配設され、給紙カセット150内の記録媒体は、ピックアップローラ160、記録媒体搬送路170、二次転写ローラ140、定着装置190を経て排紙トレイ200に搬送されるように構成されている。なお、230は両面印刷用搬送路である。
なお、両面印刷の場合には、定着装置190を出た記録媒体は、その後端が先端となるようにスイッチバックされ、両面印刷用搬送路230を経て、二次転写ローラ140に供給され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写され、再び定着装置190により加熱加圧され定着される。
図2において、本発明に係わる定着装置190は、熱源を有する定着ローラ210とこれに圧接される加圧ローラ220とから構成され、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸を結び線は水平線からθの角度を有するように配置されている。なお、0°≦θ≦30°である。
図4において、ハウジング240内には定着ローラ210が回動自在に装着されている。そして、定着ローラ210に対向して加圧ローラ220が回動自在に装着されている。加圧ローラ220の軸方向長さは定着ローラ210のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受250が設けられて、加圧ローラ220の両端は軸受250により支持されている。軸受250には加圧レバー260が回動可能に設けられ、加圧レバー260の一端とハウジング240間には加圧スプリング270が配設され、これにより加圧ローラ220と定着ローラ210が加圧されるように構成されている。
例えば、前述した実施形態では、トナー粒子を構成するコア領域が、複数個の微粒子が合一した合一粒子で構成されるものとして説明したが、コア領域は、合一粒子で構成されたものでなくてもよい。
また、前述した実施形態では、トナー粒子が、コア領域とシェル領域とを有するものとして説明したが、本発明において、トナー粒子は、このような構成を有していないものであってもよい。
トナーの製造に先立ち、架橋型ポリエステル樹脂(H1〜H3)、直鎖型ポリエステル樹脂(L1〜L4)、ワックス(Wax−1〜11)の合成を行い、さらに、合成された樹脂を用いて、ワックスマスター(W−1〜17)、着色剤マスター(P−1C〜P−4C)、ミルベース(MB−1〜MB−25)、無着色樹脂分散液(無着色樹脂分散液S−1)の調製を行った。
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が160℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 3.90重量部
エチレングリコール 2.54重量部
ネオペンチルグリコール 4.26重量部
テトラブチルチタネート 0.1 重量部
エピクロン830 0.3 重量部
カージュラE 0.1 重量部
(但し、「エピクロン830」は、大日本インキ化学工業社製のビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、このエポキシ当量は170g/eqである(以下、同様)。また、「カージュラE」は、シェルジャパン社製アルキルグリシジルエステルであり、このエポキシ当量は250g/eqである。)
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が160℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 9.07重量部
アジピン酸 1.71重量部
エチレングリコール 2.54重量部
ネオペンチルグリコール 4.26重量部
テトラブチルチタネート 0.1 重量部
エピクロン830 0.3 重量部
カージュラE 0.1 重量部
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価9.8KOHmg/g、ガラス転移温度(Tg)40℃、軟化点(T1/2)は178℃であった。また、重量平均分子量は176000であった。
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が160℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 9.06重量部
エチレングリコール 2.54重量部
ネオペンチルグリコール 4.26重量部
テトラブチルチタネート 0.1 重量部
エピクロン830 0.3 重量部
カージュラE 0.1 重量部
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価11.0KOHmg/g、ガラス転移温度(Tg)60℃、軟化点(T1/2)が178℃であった。また、重量平均分子量は260000であった。
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて210℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が82℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 7.97重量部
エチレングリコール 2.6 重量部
ネオペンチルグリコール 4.37重量部
テトラブチルチタネート 0.1 重量部
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価8.0KOHmg/g、ガラス転移温度(Tg)40℃、軟化点(T1/2)が90℃であった。また、重量平均分子量は4000であった。
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて210℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が87℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 7.97重量部
エチレングリコール 2.6 重量部
ネオペンチルグリコール 4.37重量部
テトラブチルチタネート 0.1 重量部
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価10.0KOHmg/g、ガラス転移温度(Tg)46℃、軟化点(T1/2)が95℃であった。また、重量平均分子量は5200であった。
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて210℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が104℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 5.31重量部
エチレングリコール 2.6 重量部
ネオペンチルグリコール 4.37重量部
テトラブチルチタネート 0.1 重量部
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価10.0KOHmg/g、ガラス転移温度(Tg)56℃、軟化点(T1/2)が106℃であった。また、重量平均分子量は8000であった。
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて210℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が78℃に達した時点で反応を終了した。
イソフタル酸 7.97重量部
エチレングリコール 2.6 重量部
ネオペンチルグリコール 4.37重量部
テトラブチルチタネート 0.1 重量部
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価11.0KOHmg/g、ガラス転移温度(Tg)35℃、軟化点(T1/2)が82℃であった。また、重量平均分子量は3600であった。
ポリグリセリン#500(阪本薬品工業(株)社製)を100部とベヘニン酸618部とを反応容器に入れ、窒素気流下で温度を230℃まで昇温して、16時間常圧で脱水縮合反応を行った。得られた縮合物は、アルカリ洗浄、溶剤抽出等により遊離カルボン酸を除去し、所定のワックスとした。以下Wax−1と略記する。Wax−1の酸価はJOCS2.3.1−96に拠して測定した。また、水酸基価はJOCS2.3.6.2−96に準拠して測定した。
表1に、得られたワックスの原料、仕込み組成、酸価、水酸基価、示差熱曲線の極大温度、主として含まれる脂肪酸エステルの分子量、含有量、重合度について記載した。なお、ジグリセリンS、ポリグリセリン#750はいずれも阪本薬品工業社製であり、ポリグリセリンPGLXはダイセル工業株式会社製である。
高速乳化機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモデスパー2.5型翼)付属の3L円筒容器に、水1300部と乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:25.7部を添加して、温度を80〜90℃に調整し、翼先端速度:16.7m/秒の攪拌下に、予め100℃まで加熱して融解しておいたWax−1:700部を添加して、ワックスの乳化物を得た。冷却後、固形分の含有量が35wt%となるように、水を加え、第1のワックス分散液を得た。得られた第1のワックス分散液中のワックス分散質について、マイクロトラックMT3000(日機装(株))を用いて粒径を測定した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)にて、倍率10000倍で粒子を撮影し、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ(株))にてSF−1を求めた。SEM写真を観察したところ球形の形状となっていた。
ワックスマスターW−2、W−3、W−4、W−5、W−6、W−7、W−8、W−9、W−10、W−11はWax−1の代わりにそれぞれワックスWax−2、Wax−3、Wax−4、Wax−5、Wax−6、Wax−7、Wax−8、Wax−9、Wax−10、Wax−11を用いた以外は上記ワックスマスターW−1と同様の方法にて調製した。
ワックスマスターW−12はWax−1の代わりにカルナバワックス(カルナバワックス1号粉、加藤洋行輸入品)を用いた以外は上記ワックスマスターW−1と同様の方法にて調製した。
<ワックスマスターW−13の調製>
ワックスマスターW−13は樹脂L2の代わりに樹脂L1を用いた以外は上記ワックスマスターW−1と同様の方法にて調整した。
ワックスマスターW−14は樹脂L2の代わりに樹脂L3を用いた以外は上記ワックスマスターW−1と同様の方法にて調整した。
<ワックスマスターW−15の調製>
ワックスマスターW−15は樹脂L2の代わりに樹脂L4を用いた以外は上記ワックスマスターW−1と同様の方法にて調整した。
ワックスマスターW−16はWax−1の代わりにポリアルキレンワックスFNP92(融点91.6℃、日本精蝋社製)を用いた以外は上記ワックスマスターW−1と同様の方法にて調製した。
<ワックスマスターW−17の調製>
ワックスマスターW−17はWax−1の代わりにパラフィンワックスHNP−9(融点75℃、日本精蝋社製)を用いた以外は上記ワックスマスターW−1と同様の方法にて調製した。
シアン顔料(大日本インキ化学工業社製、KET BLUE 111):2000重量部と、樹脂L1:2000重量部とを、ST/A0羽根をセットした20Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)へ投入し、翼先端速度:10m/秒で2分間攪拌し、混合物を得た。該混合物をオープンロール連続押し出し混練機(三井鉱山社製、ニーデックス MOS140−800)を用いて溶融混練し、着色剤マスターP−1Cを得た。着色マスターP−1Cの組成は、重量比で、着色剤:樹脂=50:50であった。また、得られた着色剤マスターP−1Cを樹脂L1およびメチルエチルケトンを用いて希釈し、400倍の光学顕微鏡で着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子は認められず、均一に微分散している様子が認められた。
樹脂として、樹脂L1の代わりに樹脂L2:2000重量部を用いた以外は、前記着色剤マスターP−1Cと同様にして、混合、混練を行い、着色剤マスターP−2Cを得た。着色マスターP−2Cの組成は、重量比で、着色剤:樹脂=50:50であった。また、得られた着色剤マスターP−2Cを樹脂L2およびメチルエチルケトンを用いて希釈し、400倍の光学顕微鏡で着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子は認められず、均一に微分散している様子が認められた。
樹脂として、樹脂L1の代わりに樹脂L3:2000重量部を用いた以外は、前記着色剤マスターP−1Cと同様にして、混合、混練を行い、着色剤マスターP−3Cを得た。着色マスターP−3Cの組成は、重量比で、着色剤:樹脂=50:50であった。また、得られた着色剤マスターP−3Cを樹脂L3およびメチルエチルケトンを用いて希釈し、400倍の光学顕微鏡で着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子は認められず、均一に微分散している様子が認められた。
樹脂として、樹脂L1の代わりに樹脂L4:2000重量部を用いた以外は、前記着色剤マスターP−1Cと同様にして、混合、混練を行い、着色剤マスターP−4Cを得た。着色マスターP−4Cの組成は、重量比で、着色剤:樹脂=50:50であった。また、得られた着色剤マスターP−4Cを樹脂L4およびメチルエチルケトンを用いて希釈し、400倍の光学顕微鏡で着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子は認められず、均一に微分散している様子が認められた。
高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモデスパー2.5型翼)付属の2L円筒容器(ディスパー翼の翼径40mm)に、メチルエチルケトン(希釈メチルエチルケトン):179.4重量部を仕込み、さらに、樹脂H2(希釈樹脂):49.8重量部を加えた。この状態で、翼先端速度:7.5m/秒で攪拌した。攪拌した状態で、着色剤マスターP−2C:42重量部、樹脂L2(希釈樹脂):108.2重量部、ワックスマスターW−1:223.9重量部、および、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1.09重量部を、この順序で、前記円筒容器内に投入することにより、各成分の溶解・分散を行った。さらに、その後、固形分含有量が55wt%となるように、メチルエチルケトンを追加投入し、ミルベースMB−1を得た。なお、攪拌時における材料温度は、30〜40℃に保持されるようにした。
作製したミルベースの配合順序と配合量を表3に示す。また、表中のMEKはメチルエチルケトンの略である。
以下、表3に記載された配合材料の配合順序、配合量に従い、MB−1と同様にして各ミルベースMB−2〜MB−25を調製した。なお、各ミルベースの固形分における各原材料の配合比率は重量比にて架橋型ポリエステル樹脂:直鎖型ポリエステル樹脂:顔料:ワックス=16.6:66.4:7:10である。
高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモデスパー2.5型翼)付属の2L円筒容器(ディスパー翼の翼径40mm)に、メチルエチルケトン(希釈メチルエチルケトン):367重量部を仕込み、攪拌下に、樹脂H2:300重量部を徐々に添加した。その後、翼先端速度:7.6m/秒、材料温度:30〜50℃に設定し、この条件で攪拌を行うことにより、樹脂成分の溶解・分散を行った。その後、材料温度を40℃にし、1Nのアンモニア水:80重量部を添加し、翼先端速度を16。5m/秒まで上昇させ、この攪拌条件下、水:701重量部を、20重量部/分の速度で滴下することにより、無着色樹脂分散液(乳化液)S−1を得た。得られた無着色樹脂分散液S−1の固形分含有量は20.72wt%、メチルエチルケトン含有量は31.95wt%であった。乳化後、光学顕微鏡の600倍で観察したところ、均一に乳化されていることが確認された。
以下のようにして、トナーを製造した。なお、温度条件が記載されていない工程(処理)については、室温(25℃)で行った。
《乳化懸濁液調製工程》
MB−1のミルベースを調製した同一容器に、引き続き、1Nアンモニア水:50重量部を加え、翼先端速度:7.5m/秒にて攪拌した後、温度が30℃以下となるように調整した。
その後、翼先端速度:16.5m/秒に変更し、この状態で、350重量部の水(脱イオン水)を20重量部/分の速度で滴下し、分散液を調製した。脱イオン水を添加するにつれ、系の粘度は上昇していったが、水は滴下と同時に系内に取り込まれ、攪拌混合は均一であった。脱イオン水を200重量部添加した段階で粘度の低下が観察された(転相点)。さらに残りの脱イオン水を所定量滴下した後(総量で350重量部の脱イオン水を滴下した後)、希釈水として143.5重量部の水を一括で添加した。この段階での分散液中におけるメチルエチルケトン(有機溶剤)の含有率は、29.0wt%であった。またこの分散液を光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。この分散液中において、分散性の悪い粗大粒子の存在は認められなかった。
次に、マックスブレンド翼(翼径65mm)およびコンデンサー付属の2L円筒容器に、上記分散液を移送した後、翼先端速度:1.09m/秒に保持した状態で、温度を25℃に調整した。
その後、マックスブレンド翼の翼先端速度を1.53m/秒に調整し、3.5wt%の硫酸ナトリウム水溶液:120重量部を10g/分で滴下した。滴下終了後、翼先端速度を15分間かけて、1.53m/秒から0.54m/秒まで減速し、さらに同条件下で20分間攪拌を行った。
上記合一工程を行った2L円筒容器内において、マックスブレンド翼の翼先端速度を1.53m/秒に調整した状態で、無着色樹脂分散液(乳化液)S−1:347重量部(コア粒子100重量部に対して20wt%)を5g/分の速度で滴下した。滴下終了後に、マックスブレンド翼の翼先端速度を1.53m/秒から0.85m/秒に減速し、翼先端速度を保持した状態で、さらに、20分間攪拌を行った。その後、翼先端速度を1.53m/秒に調整し、5.0wt%の硫酸ナトリウム水溶液:20重量部を滴下した。
その後、シリコーン系消泡剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY22−517):0.068重量部を添加し、減圧により、固形分含有量が23wt%以上となるまで、メチルエチルケトンおよび水の一部を留去し、スラリー(着色樹脂微粒子スラリー)を得た。
上記のようにして得られたスラリーに対し、固液分離を行い、さらに、水中への再分散、固液分離を繰り返し行うことによる洗浄処理を施した。その後、吸引ろ過法により、着色樹脂微粒子のウェットケーキ(着色樹脂微粒子ケーキ)を得た。該ウエットケーキの含水率は35wt%であった。
その後、真空乾燥機を用いて、ウェットケーキを乾燥することにより、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子は、樹脂成分と着色剤とを含むコア領域と、着色剤を含まないシェル領域とを有するものであることが確認された。また、トナー粒子についての50%体積粒径をDv(50)[μm]、50%個数粒径をDn(50)[μm]としたときの、Dv(50)は、5.20μm、Dv(50)/Dn(50)は、1.11であった。また、トナー粒子の平均円形度Rは0.982であった。また、トナー粒子の断面を切り出して、四酸化オスミウムにより染色し、透過型顕微鏡にてトナー粒子の断面の観察を行ったところ、トナー粒子を構成するコア領域の平均粒径は4.88μm、シェル領域の平均厚さは0.16μmであった。また、トナー粒子中において、コア領域の占める割合は、80vol%であった。
ミルベースMB−1の代わりに表4に示す各実施例に対応するミルベースを用いた以外は実施例1と同様にトナー粒子を調製した。
(実施例9)
ミルベースMB−1の代わりにミルベースMB−22を用い、乳化懸濁液調製工程にて最初に滴下する水の量:350重量部を378.5重量部とした以外は実施例1と同様にトナー粒子を調製した。
ミルベースMB−1の代わりにミルベースMB−23を用い、乳化懸濁液調製工程にて最初に滴下する水の量:350重量部を364.3重量部とした以外は実施例1と同様にトナー粒子を調製した。
(実施例11)
ミルベースMB−1の代わりにミルベースMB−24を用い、乳化懸濁液調製工程にて最初に滴下する水の量:350重量部を307.2重量部とした以外は実施例1と同様にトナー粒子を調製した。
ミルベースMB−1の代わりにミルベースMB−25を用い、乳化懸濁液調製工程にて最初に滴下する水の量:350重量部を292.9重量部とした以外は実施例1と同様にトナー粒子を調製した。
表4に各実施例に用いたミルベースの種類、および調製したトナー粒子の組成等を示した。
ミルベースMB−1の代わりに表5に示す各比較例に対応するミルベースを用いた以外は実施例1と同様にトナー粒子を調製した。
表5に各比較例に用いたミルベースの種類、および調製したトナー粒子の組成等を示した。
[2.1]トナー粒子の表面観察
トナー粒子を水中に懸濁させ、トナー粒子の表面を光学顕微鏡で観察した。トナー粒子の表面にワックスが露出していないかを、無作為に200個のトナー粒子について観察を行い、下記の3段階の基準にて評価を行った。
○:ワックスがトナー粒子に内包されていた。
△:ワックスがトナー粒子の表面にわずかに露出していた。
×:ワックスがトナー粒子の表面に明らかに露出していた。
各実施例、比較例にて調製したトナー粒子:100重量部に対して、外添剤として大粒径のシリカ(日本アエロジル(株)製RX50):1.0重量部、小粒径のシリカ(日本アエロジル(株)製RX200):1.0重量部、酸化チタン(チタン工業(株)製STT30S):0.5重量部を添加した。このトナー粒子を10Lヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)に投入して羽先端周速30m/sで2分間混合しシアントナーを得た。
前記各実施例および前記各比較例で得られたトナーを、温度:20〜28℃の環境下に、6ヵ月間静置した。その後、トナーの様子を目視にて確認し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:トナー粒子の凝集がまったく認められない。
○:トナー粒子の凝集がほとんど認められない。
△:トナー粒子の凝集がわずかに認められる。
×:トナー粒子の凝集がはっきりと認められる。
前記各実施例および前記各比較例で得られたトナー:10gをガラスビンに投入し、恒温槽で50℃、12時間、保管し、トナー粒子の凝集を目視にて観察し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:トナー粒子の凝集がまったく認められない。
○:トナー粒子の凝集がほとんど認められない。
△:トナー粒子の凝集がわずかに認められる。
×:トナー粒子の凝集がはっきりと認められる。
前記各実施例および前記各比較例で得られたトナーについて、以下のようにして現像耐久性の評価を行った。
図2〜図5に示すような画像形成装置の現像装置(図3参照)にトナーを30gセットした後、無補給でエージングを行い、現像ローラへのフィルミングが発生するまでの時間を測定し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:エージング開始後、180分以上経過しても、フィルミングの発生は認められなかった。
○:エージング開始後、120分以上180分未満でフィルミングが発生。
△:エージング開始後、60分以上120分未満でフィルミングが発生。
×:エージング開始後、60分未満でフィルミングが発生。
前記各実施例および前記各比較例で得られたトナーについて、以下のようにして定着強度の評価を行った。
まず、図2〜図5に示すような構成を有する画像形成装置(カラープリンタ)を用意した。この画像形成装置を用いて、記録媒体(セイコーエプソン社製、上質普通紙)上に、記録媒体に形成されたトナー画像のトナー重量が0.75mg/cm2となるように、所定のパターンのトナー像を転写、定着し、定着トナー画像を得た。
画像形成を行った2枚の記録媒体を、定着トナー画像同士が密着するように合わせ、55℃の温度下にて、記録媒体上に重りを置いて1kg/cm2の荷重を加えながら、記録媒体上の定着トナー画像同士を24時間密着させた。その後、記録媒体上から重りを取り除き、記録媒体が室温(25℃)になるまで放冷した。
◎:定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがまったく認められない。
○:定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがほとんど認められない。
△:定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがわずかに認められる。
×:定着トナー画像上に、付着粉、光沢むら、濃度むらがはっきりと認められる。
各実施例、比較例の評価結果を表6に示した。
また、着色顔料をシアン顔料の代わりにイエロー顔料(クラリアントジャパン社製、Toner Yellow HG)、マゼンタ顔料(クラリアントジャパン社製、Permanent Rubine F6B)を用いた以外は、上記と同様にトナーの製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
Claims (6)
- 樹脂成分と着色剤とを含むコア領域および前記コア領域を被覆するシェル領域を有し、
前記コア領域に、二価カルボン酸と脂肪族ジオールとを構成成分として有する直鎖型ポリエステル樹脂、およびポリグリセリン脂肪酸エステルワックスを含み、
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスは、ポリグリセリンと脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを主として含み、かつ、酸価が3KOHmg/g以下、水酸基価が5KOHmg/g以下、示差熱曲線における吸熱極大温度が65〜75℃であり、
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、分子量が3000〜5000、ポリグリセリン骨格の重合度が4〜10であり、
前記直鎖型ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が38〜48℃、重量平均分子量が3800〜5500であることを特徴とするトナー。 - トナー粒子中に、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスを5〜15wt%含む請求項1に記載のトナー。
- 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルワックスは、前記示差熱曲線において吸熱ピークの半値幅が5℃以下である請求項1または2に記載のトナー。
- 前記シェル領域に架橋型ポリエステル樹脂を含む請求項1ないし3のいずれかに記載のトナー。
- 前記シェル領域中に、前記架橋型ポリエステル樹脂を60wt%以上含む請求項4に記載のトナー。
- 前記コア領域中に、架橋型ポリエステル樹脂を10〜30wt%含む請求項1ないし5のいずれかに記載のトナー。
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