JP2008203370A - トナーの製造方法およびトナー - Google Patents

トナーの製造方法およびトナー Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、製造時における粗大粒子の発生の少ないトナーの製造方法および、トナー粒子の粒度分布が狭く、帯電性および転写性が優れたトナーを提供すること。
【解決手段】本発明のトナーの製造方法は、樹脂材料と、着色剤と、有機溶剤とを含む樹脂液を調製する樹脂液調製工程と、樹脂材料と、着色剤と、有機溶剤とを含む分散質が、水性分散媒中に分散した分散液を調製する分散液調製工程と、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を形成する合一工程と、合一粒子から有機溶剤を除去する脱溶剤工程とを有し、25℃での、回転粘度計による樹脂液の60rpmでの粘度をη60[mPa・s]、6rpmでの粘度をη[mPa・s]としたとき、500≦η60≦7000、かつ1.0≦η/η60≦3.0の関係を満足することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナーの製造方法およびトナーに関するものである。
電子写真法としては、多数の方法が知られているが、一般には、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成する工程(露光工程)と、該潜像をトナーを用いて現像する現像工程と、紙等の転写材(記録媒体)にトナー画像を転写する転写工程と、定着ローラを用いた加熱等により、前記トナー画像を定着する定着工程とを有している。
また、トナーとしては、粉砕法により製造されるトナーや、液相において粒成長を行うことにより得られるいわゆるケミカルトナー(例えば、分散液中において複数の分散質を合一させる乳化凝集法により得られるトナー等)がある。
粉砕法は、主成分である樹脂(以下、単に「樹脂」ともいう。)と、着色剤とを含む原料を混練して混練物を得、その後、前記混練物を冷却、粉砕する方法である。このような粉砕法は、比較的容易にトナーを製造することができる点で優れている。しかしながら、粉砕法で得られるトナーは、粉砕可能な樹脂に限られる。また、その各粒子間での形状のばらつきが大きく、その粒径分布も広くなり易いという欠点を有している。その結果、各トナー粒子間での特性が大きく異なる結果となり、トナー全体としての転写効率が低下したり、帯電特性が低下する等の問題があった。また、近年、より解像度の高い画像を得るために、トナー粒子の小粒径化が求められているが、粉砕法では、この要求に十分に応えるのが困難である。すなわち、粉砕法では、一般に、粉砕物の粒径が比較的小さくなると、急激に粉砕の効率が低下し、また、粉砕とともに微粉の凝集が進行する。このため、粉砕法では、比較的粒径の小さいトナー粒子(例えば、平均粒径6μm以下のトナー粒子)を製造する場合、粉砕に要するエネルギーが非常に大きなものとなり、省エネルギーの観点等からも好ましくない。また、粉砕のために大きなエネルギーを与えると、混練物の構成材料が熱等により変性し易くなる。このため、目的とする特性のトナーを得るのが困難となり、トナーの信頼性が低下する。
一方、ケミカルトナーの製造は、一般に、液相中で粒成長を行うため、トナー粒子の形状を、比較的真球度の高いものにしたり、トナー粒子間での形状のばらつきを抑制することができるという点等で優れている(例えば、特許文献1参照)。また、比較的低温でトナーの製造を行うことから、省エネルギーでトナーを製造できる。しかしながら、上記のようなケミカルトナーは、樹脂等の材料を有機溶剤に溶解、分散させて、粒成長を行う。このため、粒成長時において不本意な凝集、粗大粒子が発生しやすく、十分に粒度分布の狭いトナー粒子を製造することが難しい問題があった。このため、得られたトナーは、帯電特等に劣り、また、印刷時において、転写性劣ることから、カブリやトナー飛散等の問題が発生しやすい問題があった。
特開2003−122051号公報
本発明の目的は、製造時における粗大粒子の発生が少なく、トナー粒子の粒度分布の狭いトナーの製造方法および、トナー粒子の粒度分布が狭く、帯電性および転写性が優れたトナーを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のトナーの製造方法は、樹脂材料と、着色剤と、有機溶剤とを含む樹脂液を調製する樹脂液調製工程と、
前記樹脂材料と、前記着色剤と、前記有機溶剤とを含む分散質が、水性分散媒中に分散した分散液を調製する分散液調製工程と、
複数個の前記分散質を合一させ、合一粒子を形成する合一工程と、
前記合一粒子から前記有機溶剤を除去する脱溶剤工程とを有し、
25℃での、回転粘度計による前記樹脂液の60rpmでの粘度をη60[mPa・s]、6rpmでの粘度をη[mPa・s]としたとき、500≦η60≦7000、かつ1.0≦η/η60≦3.0の関係を満足することを特徴とする。
これにより、製造時における粗大粒子の発生が少なく、トナー粒子の粒度分布の狭いトナーの製造方法を提供できる。
本発明のトナーの製造方法では、前記樹脂液は、前記着色剤として、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料から選択される1種以上を含み、前記樹脂液の固形分中における前記着色剤の含有量は、3〜15wt%であることが好ましい。
これにより、着色樹脂液の粘度特性を容易かつ確実に好適なものとすることができる。このため、製造時における粗大粒子の発生が特に少ないものとなる。
本発明のトナーの製造方法では、前記樹脂液は、前記着色剤として、ブラック顔料を含み、前記樹脂液の固形分中における前記着色剤の含有量は、3〜20wt%であることが好ましい。
これにより、着色樹脂液の粘度特性を容易かつ確実に好適なものとすることができる。このため、製造時における粗大粒子の発生が特に少ないトナーの製造方法を提供できる。
本発明のトナーの製造方法では、前記分散液調製工程では、前記樹脂液を撹拌しつつ、前記樹脂液に水を含む水性液体を添加することで、前記水性分散媒中に前記分散質が分散した前記分散液を得るものであることが好ましい。
これにより、分散質を均一かつ微細なものとして容易かつ確実に調製することができ、粗大粒子の発生が特に少ないトナーの製造方法を提供できる。
本発明のトナーの製造方法では、前記樹脂液への前記水性液体の添加時には、翼先端速度が10〜20m/秒となるように撹拌を行うものであることが好ましい。
これにより、特に均一な分散質を効率よく調製することができ、製造時における粗大粒子の発生が特に少ないトナーの製造方法を提供できる。
本発明のトナーの製造方法では、前記分散質は、50%体積粒径をDv(50)[μm]、50%個数粒径をDn(50)[μm]としたとき、1.10≦Dv(50)/Dn(50)≦2.50、かつ0.08≦Dv(50)≦0.20の関係を満足するものであることが好ましい。
比較的大きな分散質同士が合一して粗大粒子が発生することを確実に防止しつつ、合一粒子を好適に粒成長させることができる。
本発明のトナーは、樹脂材料と、着色剤と、有機溶剤とを含む樹脂液を調製する樹脂液調製工程と、
前記樹脂材料と、前記着色剤と、前記有機溶剤とを含む分散質が、水性分散媒中に分散した分散液を調製する分散液調製工程と、
複数個の前記分散質を合一させ、合一粒子を形成する合一工程と、
前記合一粒子から前記有機溶剤を除去する脱溶剤工程とを有し、
25℃での、回転粘度計による前記樹脂液の60rpmでの粘度をη60[mPa・s]、6rpmでの粘度をη[mPa・s]としたとき、500≦η60≦7000、かつ1.0≦η/η60≦3.0の関係を満足するトナーの製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、トナー粒子の粒度分布が狭く、帯電性および転写性が優れたトナーを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<トナーの製造方法>
まず、本発明のトナーの製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態のトナーの製造方法は、樹脂材料(樹脂成分)と、顔料と、有機溶剤とを含む樹脂液を調製する工程(樹脂液調製工程)と、樹脂材料、顔料、有機溶剤を含む材料で構成された分散質が、水性分散媒中に分散(乳化および/または懸濁)した分散液(乳化懸濁液)を調製する工程(分散液調製工程)と、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を形成する工程(合一工程)と、合一粒子から有機溶剤を除去する工程(脱溶剤工程)とを有する。
[着色樹脂液調整工程(樹脂液調整工程)]
まず、着色樹脂液調整工程について説明する。
本工程で得られる着色樹脂液(樹脂液)中において、樹脂材料(樹脂成分)、着色剤は、有機溶剤に溶解または分散している。このような着色樹脂液を後述するような水性媒体と混合することで、樹脂材料と顔料と有機溶剤とを含む材料で構成された分散質が、水性媒体中に分散した乳化懸濁液を得ることができる。
ところで、後述する乳化懸濁液に含まれる分散質は、有機溶剤中に顔料、樹脂材料が溶解、分散したものである。このため、乳化懸濁液調製時において、分散質が、凝集、微細化、変形しやすいものとなっている。また、分散質が安定して分散できない場合、一旦均一な分散質が形成された場合であっても、時間の経過とともに分散質の変形、凝集等が発生する。このように、乳化懸濁液に過度に微細化、変形、凝集した分散質が多いと、合一工程において、円形度が高く、粒度分布の狭い合一粒子を好適に得ることが難しかった。この結果、得られるトナーにおいて、粗大、異形なトナー粒子が大量に発生する問題があった。
また、乳化懸濁液中の分散質の分散安定性、粒径、粒度分布等は、分散質の粘度特性に大きく依存している。さらに、着色樹脂液の粘度特性は、乳化懸濁液中における分散質の粘度特性と密接に関連していると考えられる。このため、着色樹脂液の粘度特性を下記のようなものとすることで、乳化懸濁液中の分散質を所望の粒径で、均一、かつ円形度の高いものとできると考えられる。また、分散質の粘度特性を、後述する合一工程で合一粒子を形成するのに適したものとすることができると考えられる。
このため、本発明者らは、これらに着目し、鋭意検討した結果、粘度特性が所定の条件を満足するような着色樹脂液を用いることで、乳化懸濁液中の分散質を均一、かつ円形度の高いものとして安定して分散させることを見出した。さらに、このような乳化懸濁液を用いて、分散質を合一させトナーの製造を行うことにより、得られるトナー粒子の円形度を高くし、粒度分布を狭いものとすることができ、トナーは帯電性および転写性に優れたものとなることを見出した。
すなわち、着色樹脂液は、25℃での、回転粘度計による60rpmでの粘度をη60[mPa・s]、6rpmでの粘度をη[mPa・s]としたとき、500≦η60≦7000、かつ1.0≦η/η60≦3.0の関係を満足するものである。以下、詳細に説明する。
本発明において、25℃での、回転粘度計による着色樹脂液の60rpmでの粘度をη60[mPa・s]としたとき、着色樹脂液は、500≦η60≦7000の関係を満足する。着色樹脂液の粘度が前記範囲内であると、後述する乳化懸濁液調製工程において、形成する分散質の大きさを容易に調節することができる。また、形成する分散質の粒度分布を十分に狭いものとすることができる。これは、以下のように考えられる。後述する乳化懸濁液調製工程において、水性媒体と樹脂液とを混合した際に、着色樹脂液の粘度が適切な範囲内にあると、撹拌等の外力によって、好適に着色樹脂液が分断され、分散質を形成する。一方で、形成した分散質は、適度な粘度を有しつつ、小さくなることで、外力によって容易には分断されにくくなり、一定の大きさとなる。また、このような粘度を有する着色樹脂液を用いることにより、合一工程で、後述するような理由により、円形度が高く、粒度分布の狭い合一粒子を好適に得ることができる。
これに対し、着色樹脂液の粘度η60[mPa・s]が前記下限値未満の場合、乳化懸濁液の調製時において、分散質が微細化しすぎてしまう。また、微細化しすぎた分散質の一部が、後述する合一工程において急激に合一し、粗大粒子が発生する結果、得られる合一粒子の粒度分布、粒径を好適に制御できない。このため、得られるトナーは、粒度分布が狭いものとならず、また、微細な粒子、粗大粒子を大量に含むものとなる。一方、着色樹脂液の粘度η60[mPa・s]が前記上限値を超えると、乳化懸濁液調整時において、着色樹脂液が撹拌等による剪断力によって分断されにくいため、分散質の粒径を十分に小さいものとできない。また、均一に分散質が形成されず、粗大な分散質が大量に発生する。このため、得られるトナーは、粗大粒子を大量に含み、粒度分布が狭いものとならない。着色樹脂液の粘度η60[mPa・s]は、上記の関係を満たすものであればよいが、1000≦η60≦6000の関係を満足することが好ましく、1500≦η60≦5000の関係を満足することがより好ましい。これにより、上述の効果をより顕著に得ることができる。
さらに、本発明では、25℃での、回転粘度計による着色樹脂液の6rpmでの粘度をη[mPa・s]としたとき、1.0≦η/η60≦3.0の関係を満足する。η/η60は、一般にチキソ性の指標として用いることができるものであり、本発明においては、乳化懸濁液中における分散質の分散安定性の指標として用いることができる。すなわち、着色樹脂液のη/η60が前記範囲内であると、着色樹脂液は、適度なチキソ性を有することができる。このため、乳化懸濁液中に一旦形成した分散質は、弱い力で接触した分散質をはじくことができ、他の分散質と凝集することを好適に防ぐことができる。また、形成された分散質は速やかに球状となり、形状が保持される。また、このような粘度特性を有する着色樹脂液を用いることにより、後述する合一工程で、合一粒子の粒成長速度を好適なものとすることができる。また、後述するような理由により、円形度が高く、粒度分布の狭い合一粒子を好適に得ることができる。
これに対し、着色樹脂液のη/η60が前記下限値未満の場合、乳化懸濁液調整時に形成した分散質が、異形化した状態で分散安定化してしまう。また、合一工程において、合一が進みにくくなり、生産性に劣る。一方、着色樹脂液のη/η60が前記上限値を超えると、乳化懸濁液調整時に形成した分散質同士が、容易に凝集してしまう。また、分散質が比較的弱い力が加わった場合であっても、変形しやすく、異形化しやすい。また、合一工程において、合一の速度が速くなりすぎ、合一粒子の粒成長を好適には制御できない。着色樹脂液のη/η60は、上記の関係を満たすものであればよいが、1.2≦η/η60≦2.8の関係を満足することが好ましく、1.3≦η/η60≦2.7の関係を満足することがより好ましい。これにより、上述の効果をより顕著に得ることができる。
着色樹脂液中における固形分の含有率は、特に限定されないが、50〜60wt%であるのが好ましく、52〜58wt%であるのがより好ましい。固形分の含有率が前記範囲内の値であると、着色樹脂液の粘度特性を特に好適なものとすることができる。このため、後述する乳化懸濁液を構成する分散質を、所望の粒径で、より円形度の高いもの(真球に近い形状もの)とすることができる。また、得られるトナー粒子は、円形度が特に高く、粒度分布が特に狭いものとなる。
また、着色樹脂液は、乳化剤(分散剤)を含むものであってもよい。これにより、後に詳述する乳化懸濁液中における分散質の分散性を、容易に、特に優れたものとすることができる。
着色樹脂液は、いかなる方法で調整してもよいが、例えば、樹脂成分と着色剤と有機溶剤とを含む材料を、高速攪拌機等の攪拌機により混合することにより得ることができる。また、着色樹脂液は、例えば、樹脂成分と着色剤とワックスとを含む組成物を予め混練しておき、混練により得られた混練物と、有機溶剤とを混合することにより、調製してもよい。着色樹脂液の調製に用いることのできる攪拌機としては、例えば、DESPA(浅田鉄工社製)、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼(プライミクス社製)等が挙げられる。
攪拌機を用いた混合時における翼先端速度は、例えば、4〜30m/秒であるのが好ましく、10〜25m/秒であるのがより好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、樹脂成分およびワックスの有機溶剤への溶解、分散を効率良く行うことができるとともに、着色剤の着色樹脂液中における着色剤の分散状態をより均一なものとすることができる。これに対し、翼先端速度が前記下限値未満であると、樹脂成分、着色剤、有機溶剤の組成等によっては、着色樹脂液中における着色剤の微分散が不十分になる可能性がある。一方、翼先端速度が前記上限値を超えると、有機溶剤の組成等によっては、剪断による発熱が大きくなり、有機溶剤の揮発等と相まって均一な攪拌が困難になる可能性がある。
また、攪拌時における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。
また、着色樹脂液の調製においては、調製すべき着色樹脂液の構成成分をすべて同時に混合してもよいし、予め、調製すべき着色樹脂液の構成成分のうち一部を混合して混合物(マスター)を得、その後、当該混合物(マスター)を、他の成分と混合してもよい。
例えば、ワックスと、樹脂成分と、有機溶剤とを含む材料を混合し、ワックスマスターを得、このワックスマスターを、着色剤マスター、追加樹脂としての樹脂成分および有機溶剤と混合することにより、着色樹脂液を調製ししてもよい。また、ワックスマスターの調製においては、ワックスの粒子が水性分散媒中に分散したワックス分散液(いわゆる、ワックスエマルジョン)を用いてもよい。このように、ワックスマスターの調整に、ワックス分散液を用いることにより、微粒のワックス粒子を着色樹脂液中に特に好適に分散させることができる。
また、例えば、着色剤と樹脂成分とを混練し、混練物としての着色剤マスターを得た後、着色剤マスターと、追加樹脂としての樹脂成分と、有機溶剤とを、混合することにより、着色樹脂液を調製してもよい。これにより、各成分が均一に混ざり合った着色樹脂液を、より確実に得ることができる。
また、樹脂成分が重量平均分子量の異なる少なくとも3種の樹脂成分を含む場合、すなわち、樹脂成分が、第1の樹脂成分と、前記第1の樹脂成分よりも重量平均分子量の大きい第2の樹脂成分と、前記第1の樹脂成分よりも重量平均分子量の小さい第3の樹脂成分とを含むものである場合、前記第1の樹脂成分を着色剤マスターの調製に用い、当該着色剤マスターを、前記第2の樹脂成分、前記第3の樹脂成分、および有機溶剤と混合することにより、着色樹脂溶液を調製してもよい。これにより、乳化懸濁液中において、樹脂成分を含む材料で構成された分散質中に着色剤をより確実に内包させることができる。その結果、所望の着色濃度のトナー粒子を容易かつ確実に製造することができる。
次に、分散液(乳化懸濁液)を構成する各成分について説明する。
(樹脂成分)
本発明に用いることのできる樹脂成分(バインダー樹脂)としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、ポリエステル樹脂は、低温領域での定着性のし易さ(低温定着性)の向上に有利であり、また、透明性が高くかつ高グロスの画像を形成する上でも有利である。また、トナー粒子がポリエステル樹脂で構成されたものであると、容易かつ確実に所望の特性を有するトナーを製造することができる。
また、樹脂成分としてポリエステル樹脂を用いる場合、ポリエステル樹脂は構成成分として、炭素数が100〜1000の炭化水素基を備えた高分子量成分を含むもの(特に高分子量成分がポリエステル樹脂の側鎖を構成するもの)であってもよい。これにより、得られるトナーは、定着良好域が特が広く、低温定着性、長期保存性、耐熱保存性が特に優れたものとなる。
樹脂成分がポリエステル樹脂を含む材料で構成されるものである場合、当該ポリエステル樹脂の酸価は、5〜13KOHmg/gであるのが好ましく、7〜11KOHmg/gであるのがより好ましい。ポリエステル樹脂の酸価が前記範囲内の値であると、後述する合一工程において、粗大粒子が発生するのをより効果的に防止しつつ、合一粒子の成長速度を特に容易に制御できる。このため、特に粒度分布の狭い所望の大きさの合一粒子を容易かつ確実に得ることができる。また、トナーの製造における生産性を特に優れたものとできる。このため、得られるトナー粒子の帯電特性、保存性(耐熱保存性、長期保存性等)を特に優れたものとすることができる。
樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、30〜85℃であるのが好ましく、35〜75℃であるのがより好ましい。樹脂成分のガラス転移温度が前記範囲内の温度であると、得られるトナーは、トナーとしての低温定着性を特に優れたものとしつつ、トナーを用いて記録媒体上に形成される画像(定着画像)の定着強度等を十分に優れたものとすることができる。なお、樹脂成分として、複数種の樹脂を含むものである場合、上記ガラス転移温度としては、これらの各樹脂についてのガラス転移温度の加重平均値を、樹脂成分のガラス転移温度(Tg)として採用することができる。
また、樹脂成分の軟化温度T1/2は、特に限定されないが、60〜215℃であるのが好ましく、80〜190℃であるのがより好ましい。樹脂成分の軟化温度T1/2が前記範囲内の温度であると、得られるトナーは、トナーとしての低温定着性を特に優れたものとしつつ、トナーを用いて記録媒体上に形成される画像(定着画像)の定着強度等を十分に優れたものとすることができる。なお、本明細書で、軟化温度T1/2とは、特に断りのない限り、定荷重押出し形細管式レオメータであるフローテスター(島津製作所製、CFT−500)を用いて、以下のようにして求められる値のことを指す。すなわち、図1(a)に示すようにノズル径Dが1.0mmでノズル長さ(深さ)Lが1.0mmのノズル6を有するシリンダ7に、試料8(重量1.5g)を充填し、ノズル6と反対の側から単位面積(cm)当たり10kgの荷重をかけ、その状態で毎分6℃の昇温速度で加熱したときの、荷重面9のストロークS(荷重面9の沈み値)を測定することにより、昇温した温度とストロークSとの関係を図1(b)に示すようにして求め、ノズル6からの試料8の流出が始まって急激にストロークSが大きくなり、カーブが立ち上がったときの温度をTfb[℃]とし、また、ノズル6からの試料8の流出がほぼ終了してカーブがねたときの温度をTend[℃]としたとき、TfbでのストロークSfbとTendでのストロークSendとの中間値となるS1/2での温度を、本明細書では軟化温度T1/2として採用している。
また、樹脂成分の重量平均分子量Mwは、特に限定されないが、3000〜300000であるのが好ましく、20000〜150000であるのがより好ましい。これにより、着色樹脂液の粘度特性を特に好適なものとすることができる。また、得られるトナーにおいて、高温領域でのオフセットの発生をより効果的に防止するとともに、揮発性有機化合物量を特に少ないものとすることができる。
また、樹脂成分として、前述したような第1の樹脂成分、第2の樹脂成分、および、第3の樹脂成分を含むものを用いる場合、それぞれの樹脂の混合体全体として前述の重量平均分子量の範囲に入ることが好ましく、各樹脂成分の重量平均分子量は、以下のような条件を満足するものであるのがより好ましい。すなわち、第1の樹脂成分の重量平均分子量は、5500〜100000であるのが好ましく、7000〜80000であるのがより好ましい。また、第2の樹脂成分の重量平均分子量は、100000〜300000であるのが好ましく、120000〜280000であるのがより好ましい。また、第3の樹脂成分の重量平均分子量は、1000〜5500であるのが好ましく、1500〜5000であるのがより好ましい。これらの条件を満足することにより、乳化懸濁液中において、樹脂成分を含む材料で構成された分散質中に着色剤をより確実に内包させることができ、定着性に特に優れ、所望の着色濃度のトナー粒子をより確実に製造することができる。
(着色剤)
着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー162、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントブラック7、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。上述した中でも、着色剤としてイエロー顔料を用いる場合、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185から選択される1種または2種以上を用いることが好ましく、マゼンダ顔料を用いる場合、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド269から選択される1種または2種以上を用いることが好ましく、シアン顔料を用いる場合、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4から選択される1種または2種以上を用いることが好ましく、ブラック顔料を用いる場合、C.I.ピグメントブラック7を用いることが好ましい。これにより、得られるトナーの色再現性を優れたものとしつつ、着色樹脂液の粘度特性を容易かつ確実に好適なものとすることができる。このため、製造時における粗大粒子の発生が特に少ないものとなる。
また、着色剤として、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料から選択される1種以上を含む場合、着色樹脂液の固形分中における着色剤の含有量は、3〜15wt%であることが好ましく、5〜13wt%であることがより好ましい。これにより、得られるトナーの色再現性を優れたものとしつつ、着色樹脂液の粘度特性を容易かつ確実に好適なものとすることができる。このため、製造時における粗大粒子の発生が特に少ないものとなる。また、得られるトナーは、粒度分布が特に狭く、転写性、帯電性に特に優れたものとなる。
また、着色剤として、ブラック顔料を含む場合、着色樹脂液の固形分中における着色剤の含有量は、3〜20wt%であることが好ましく、8〜15wt%であることがより好ましい。これにより、得られるトナーの色再現性を優れたものとしつつ、着色樹脂液の粘度特性を容易かつ確実に好適なものとすることができる。このため、製造時における粗大粒子の発生が特に少ないものとなる。また、得られるトナーは、粒度分布が特に狭く、転写性、帯電性に特に優れたものとなる。
(有機溶剤)
有機溶剤(有機溶媒)としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系溶媒、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、2−メトキシエタノール等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、四塩化炭素等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
有機溶剤としては、25℃での100重量部の水に対する溶解度が、40重量部以下であるのが好ましく、30重量部以下であるのがより好ましい。
また、有機溶剤の沸点(常圧(1気圧)での沸点。以下、同様。)は、水の沸点よりも低いのが好ましい。これにより、有機溶剤の回収を効率良く行うことができる。
上記のような条件を満足する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒等が挙げられる。中でも、メチルエチルケトンは、樹脂成分の溶解性、分散性が高いため、好ましい。
また、着色樹脂液中における有機溶剤の含有量は、40〜50wt%であることが好ましく、42〜47wt%であることがより好ましい。これにより、樹脂成分、着色剤の溶解、分散が特に容易になるとともに、着色樹脂液の粘度特性を容易かつ確実に好適なものとすることができる。
(その他の成分)
また、分散液(特に、分散液の調製に用いられる着色樹脂液)には、上記以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、乳化剤、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
(ワックス)
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ワックスとしては、ワックスの粒子が水性分散媒中に分散したワックス分散液を用いることが好ましい。これにより、微粒のワックス粒子を確実かつ容易に着色樹脂液中に分散させることができる。また、着色樹脂液の粘度特性を特に好適なものとすることができ、トナー製造時における粗大粒子の発生を確実に防止することができる。
乳化剤としては、一般に、分散剤、分散安定剤、界面活性剤として用いられているものを適用することができる。本発明において、乳化剤として適用することのできる具体的な材料としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルや、各種プルロニック系等のノニオン系乳化剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系乳化剤、第4級アンモニウム塩等のカチオン系乳化剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。これにより、乳化懸濁液中における分散質の分散性を特に優れたものとしつつ、最終的なトナー中に乳化剤が残存した場合であっても、トナー粒子の帯電特性に対して悪影響を及ぼすのを効果的に防止することができるとともに、VOC(揮発性有機化合物)量が増大するのを効果的に防止することができる。アルキルベンゼンスルホン酸塩が有するアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノナニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられるが、ドデシル基が好ましい。すなわち、アルキルベンゼンスルホン酸塩は、ドデシルベンゼンスルホン酸塩であるのが好ましい。これにより、乳化懸濁液中における分散質の分散性をさらに優れたものとしつつ、最終的なトナー中に乳化剤が残存した場合であっても、トナー粒子の帯電特性に対して悪影響を及ぼすのをより効果的に防止することができるとともに、VOC(揮発性有機化合物)量が増大するのをより効果的に防止することができる。
使用する乳化剤の量は、固形分含有量に対し0.1〜3.0wt%であるのが好ましく、0.3〜2.0wt%であるのがより好ましく、0.3〜1.5wt%であるのがさらに好ましい。使用する乳化剤の量が前記下限値未満であると、粗大粒子発生に対する防止効果が十分に得られない可能性がある。一方、使用する乳化剤の量が前記上限値を超えると、後述する合一工程において、分散質の合一が十分に進行せず、所定粒径より小さい微粒子が残存し、合一粒子の収率が低下する可能性がある。
帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、ベンジル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、含金属ビスアゾ染料、カッリクスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、トリメチルエタン系化合物、カテコールの金属塩、ニグロシン化合物、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、オニウム化合物、トニフェニルメタン系化合物、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、分散液の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
また、分散液の構成材料(成分)としては、上述した樹脂成分の前駆体(例えば、プレポリマー、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー等)を含んでいてもよい。
[乳化懸濁液調製工程(分散液調製工程)]
まず、乳化懸濁液調製工程について説明する。
乳化懸濁液は、樹脂材料と着色剤と有機溶剤とを含む液体である着色樹脂液を、水性媒体と混合することにより調製することができる。本発明においては、上述したような粘度特性を有する着色樹脂液を用いることにより、得られる乳化懸濁液は、均一かつ真球度の高い分散質が水性媒体中に安定して分散したものとなる。
水性媒体としては、主として水で構成されたものを用いることができる。
水性媒体中には、例えば、水との相溶性に優れる溶媒(例えば、25℃での100重量部の水に対する溶解度が、50重量部以上である溶媒)を含むものであってもよい。
また、水性媒体は、乳化剤(分散剤)を含むものであってもよい。
また、乳化懸濁液の調製に際して、例えば、中和剤を用いてもよい。これにより、例えば、樹脂成分が有する官能基(カルボキシル基)を中和することができ、調製される乳化懸濁液中における分散質の形状、大きさの均一性、分散質の分散性を特に優れたものとすることができる。また、中和剤を用いることにより、乳化剤の使用量を抑制したり、乳化剤等を用いなくても、分散質の分散性を十分に優れたものとすることができるため、乳化剤等を用いることによる不都合の発生を防止することができる。例えば、比較的多量の乳化剤等を用いた場合、乳化懸濁液の調製時において、比較的高い剪断力が必要となり、これにより、粗大粒子(粗大な分散質)の発生、分散質の粒度分布が広がる等の問題が発生し易いが、中和剤による中和を行うことにより、このような問題の発生を防止することができる。
中和剤は、例えば、着色樹脂液に添加されるものであってもよいし、水性媒体に添加されるものであってもよい。
また、中和剤は、乳化懸濁液の調製において、複数回に分けて添加されるものであってもよい。例えば、前述したように調製された着色樹脂液に対して中和剤を添加した後に、当該着色樹脂液(中和剤が添加された着色樹脂液)と水性媒体とを混合し、さらにその後、混合液中に中和剤を添加してもよい。これにより、着色樹脂液と水性媒体との混合時における液体の粘度上昇を効果的に抑制しつつ、分散質が均一かつ微細に分散した乳化懸濁液を容易に得ることができる。
中和剤としては、塩基性化合物を用いることができ、より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン等の有機塩基等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、中和剤は、上記のような化合物を含む水溶液であってもよい。
また、塩基性化合物の使用量は、樹脂成分が有する全カルボキシル基を中和するために必要な量の1〜3倍に相当する量(1〜3当量)が好ましく、1〜2倍に相当する量(1〜2当量)がより好ましい。これにより、異形の分散質が形成されるのを効果的に防止することができ、また、後に詳述する合一工程において得られる粒子の粒度分布を、よりシャープなものとすることができる。
本工程で得られた乳化懸濁液において、有機溶剤に対する、水を滴下した後の水(乳化のために使用した水、ワックスマスターの調製に用いたワックス分散液からの水、中和塩基等を加えた水の全量)は、重量比で、1.0〜1.6であるのが好ましく、1.1〜1.5であるのがより好ましい。これにより、調製される乳化懸濁液中における分散質の形状、大きさの均一性、分散質の分散性を特に優れたものとすることができる。このため、後述する合一工程において、粗大粒子の発生を確実に防止しつつ、大きさ、形状のばらつきの少ない合一粒子を容易かつ確実に得ることができる。
着色樹脂液と水性媒体との混合は、いかなる方法で行うものであってもよいが、着色樹脂液を撹拌しつつ、着色樹脂液に水を含む水性液体を添加することが好ましい。すなわち、攪拌機等により着色樹脂液に剪断を加えつつ、着色樹脂液中に水性媒体を徐々に添加(滴下)することにより行い、最終的に、水性媒体中に、着色樹脂液由来の分散質が分散した分散液を得るのが好ましい。これにより、分散質を均一かつ微細なものとして容易かつ確実に調製することができ、製造時における粗大粒子の発生が特に少ないものとなる。
乳化懸濁液の調製に用いることのできる攪拌機としては、例えば、DESPA(浅田鉄工社製)、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼(プライミクス社製)、スラッシャ(三井鉱山社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)等の高速攪拌機、あるいは高速分散機等が挙げられる。
また、着色樹脂液への水性液体の添加時には、翼先端速度が10〜20m/秒となるように撹拌を行うことが好ましく、12〜18m/秒となるように撹拌を行うことがより好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、乳化懸濁液を効率良く得ることができるとともに、乳化懸濁液中における分散質の形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができ、過剰に微細な分散質、粗大粒子の発生を防止しつつ、分散質の均一分散性を特に優れたものとすることができる。これに対し、翼先端速度が前記下限値未満であると、着色樹脂液の粘度特性によっては、乳化懸濁液中における分散質の微分散を十分に達成することが困難になる可能性がある。一方、翼先端速度が前記上限値を超えると、着色樹脂液の粘度特性によっては、攪拌時に、過剰に微細な分散質が大量に発生する可能性があり、また、着色樹脂液と水性媒体との混合液の飛散が激しくなり、不溶解物が混在する可能性がある。
また、乳化懸濁液中の分散質の平均粒径は、特に限定されないが、50%体積粒径をDv(50)[μm]としたとき、0.08≦Dv(50)≦0.20の関係を満足することが好ましく、0.08≦Dv(50)≦0.16の関係を満足することがより好ましい。分散質の平均粒径が前記範囲内であると、粗大な分散質を特に少なくすることができる。また、合一工程において、急激な合一、凝集による粗大粒子の発生を確実に防止しつつ、合一粒子を好適に粒成長させることができる。このため、得られるトナー粒子は、粗大粒子が特に少なく、粒度分布が特に少ないものとなる。また、トナーは、転写性および帯電性に特に優れたものとなる。また、比較的小さな粒径(例えば4μm以下)のトナー粒子を製造する場合であっても、分散質の平均粒径を上記のようなものとすることにより、粒度分布の狭いトナー粒子を容易に製造することができる。なお、本明細書で、平均粒径とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒径のことを指す。
また、乳化懸濁液中の分散質の粒度分布は、50%個数粒径をDn(50)[μm]としたとき、1.10≦Dv(50)/Dn(50)≦2.50の関係を満足することが好ましく、1.10≦Dv(50)/Dn(50)≦2.00の関係を満足することがより好ましい。分散質の粒度分布が前記範囲内であると、後述する合一工程において、例えば、比較的大きな分散質同士が合一して粗大粒子が発生することを確実に防止することができる。このため、得られる合一粒子は、粒度分布が特に狭いものとなり、粗大粒子が特に少ないものとなる。
なお、Dv(50)、Dn(50)の値は、例えば、コールター社製マルチサイザーII型(アパーチャーチューブ径:100μm)を用いた測定により求めることができる。
また、攪拌時における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、20〜50℃であるのがより好ましい。
[合一工程]
次に、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を得る(合一工程)。分散質の合一は、通常、有機溶剤を含む分散質が衝突することにより、これらが一体化して進行する。本発明では、上述したような粘度特性を有する着色樹脂液を用いることにより、粗大粒子が少なく、粒度分布が狭い合一粒子を得ることができる。また、得られる合一粒子は、円形度が高いものとなる。これは、以下のように考えられる。上述したような着色樹脂液を用いた場合、乳化懸濁液の分散質は粒度分布が狭く、粗大粒子が少ないものである。また、分散質および複数の分散質が合一して形成した合一粒子も分散液中において適度な粘度特性(粘度、チキソ性)を有している。このため、分散質、合一粒子は、衝突、摩擦等によって過度に合一、凝集して粗大粒子を形成することがない。また、比較的均一な分散質同士が合一でき、不均一な複数の分散質の合一が起きて粗大粒子が発生することを好適に防止することができる。さらに、合一粒子は、適度なチキソ性を有するため、合一直後に、略球状になることができ、本工程中において、形状を維持することができる。
また、上述したような合一粒子を得ることができるため、最終的に得られるトナー粒子は、円形度が高く、粒度分布が狭いものとなる。また、得られるトナーは、帯電性および転写性に優れたものとなる。
複数個の分散質の合一は、分散液を撹拌しながら、分散液に電解質を添加することにより行う。これにより、容易かつ確実に合一粒子を得ることができる。また、電解質の添加量を調節することにより、容易かつ確実に、合一粒子(着色樹脂微粒子)の粒径を制御することができる。
このような、電解質として、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム等が挙げられる。特に、硫酸ナトリウムを用いた場合、上述したような効果を顕著に得ることができる。
本工程で添加される電解質の量は、電解質が添加される分散液に含まれる、トナーにした時の固形分:100重量部に対し、0.5〜3重量部であるのが好ましく、1〜2重量部であるのがより好ましい。これにより、特に容易かつ確実に合一粒子の粒径を制御できるとともに、粗大粒子の発生を確実に防止することができる。
また、電解質は、水溶液の状態で添加されるのが好ましい。これにより、速やかに分散液全体に、電解質を拡散させることができるとともに、電解質の添加量を容易かつ確実に制御することができる。
また、電解質を水溶液の状態で添加する場合、水溶液中における電解質の濃度は、2〜10wt%であることが好ましく、2.5〜6wt%であることがより好ましい。これにより、特に速やかに分散液全体に、電解質を拡散させることができ、電解質の添加量を容易かつ確実に制御することができる。また、このような水溶液を加えることにより、電解質を加え終えた際における分散液中の水の含有量が、好適なものとなる。このため、電解質添加後における合一粒子の成長速度を、生産性が落ちない程度に、適度に遅いものとすることができる。結果として、最終的な合一粒子の粒径をより確実に制御できるとともに、不本意な合一粒子の合一を確実に防止することができる。ただし、電解質の種類によっては、電解質の水に対する溶解度が低く、水100gに対する溶解度が10wt%以下の場合はその限界値の濃度であってもよい。
また、電解質を水溶液で添加する場合、電解質水溶液の添加の速度は、電解質水溶液が添加される分散液に含まれる固形分:100重量部に対し、0.5〜10重量部/分であるのが好ましく、1.5〜5重量部/分であるのがより好ましい。これにより、分散液中で、電解質の濃度のむらが発生することを防止することができ、粗大粒子が発生することを確実に防ぐことができる。また、合一粒子の粒度分布は特に狭いものとなる。さらに、このような速度で電解質を添加することで、合一の速度を特に容易に制御でき、合一粒子の平均粒径を制御することが特に容易になるとともに、トナーの生産性を特に優れたものとすることができる。
電解質としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸ナトリウム等の塩等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した中でも、電解質は、1価のカチオンの塩であることが好ましい。これにより、特に容易に合一粒子の成長速度を制御できるため、特に容易かつ確実に合一粒子の粒径を制御でき、得られる合一粒子の粒度分布を狭いものとできる。また、1価のカチオンの塩を用いることで、本工程において、粗大粒子が発生することを確実に防止することができる。このため、得られるトナー粒子の平均粒径を特に容易に所望の大きさとし、粒度分布を特に狭いものとすることができる。
また、上述した中でも、電解質は、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム)または炭酸塩であることが好ましく、硫酸塩であることが特に好ましい。これにより、特に容易に合一粒子の粒径を制御できる。
電解質の添加は、複数回に分けて行ってもよい。これにより、容易かつ確実に、所望の大きさの着色樹脂微粒子(合一粒子)を得ることができるとともに、得られる着色樹脂微粒子(合一粒子)の円形度を確実に、十分に大きいものとすることができる。
また、本工程は、分散液を攪拌した状態で行うことが好ましい。これにより、粒子間での形状、大きさのばらつきが特に小さい合一粒子を得ることができる。
分散液の撹拌には、例えば、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼、半月翼等の攪拌翼を用いることができるが、中でも、マックスブレンド翼、フルゾーン翼が好ましい。これにより、添加した電解質をすばやく均一に分散、溶解させて、電解質の濃度むらが発生することを確実に防止することができる。また、分散質を効率良く合一させつつ、一旦形成された合一粒子(着色樹脂微粒子)が崩壊するのをより確実に防止することができる。その結果、粒子間での形状、粒径のばらつきの小さい合一粒子を効率良く得ることができる。
攪拌翼の翼先端速度は、0.1〜10m/秒であるのが好ましく、0.2〜8m/秒であるのがより好ましく、0.2〜6m/秒であるのがさらに好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、添加した電解質を均一に分散、溶解させて、電解質の濃度むらが発生することを確実に防止することができる。また、分散質をより効率良く合一させつつ、一旦形成された合一粒子が崩壊するのをさらに確実に防止することができる。その結果、粒子間での形状、粒径のばらつきが特に小さい合一粒子を効率良く得ることができる。これに対し、翼先端速度が前記下限値未満であると、攪拌が不均一となり、必要以上に粗大化した粗大粒子が発生し易くなる。一方、翼先端速度が前記上限値を超えると、合一粒子の形成に寄与しない微粒子が残存し易くなる傾向がある。
本工程における処理温度は、特に限定されないが、10〜50℃であるのが好ましく、15〜40℃であるのがより好ましく、20〜35℃であるのがさらに好ましい。処理温度が前記下限値未満であると、合一の進行が遅くなり、トナーの生産性が低下する場合がある。一方、処理温度が前記上限値を超えると、不本意な凝集物や粗大粒子が発生し易くなる。
合一粒子が所望の粒径に達したら、合一を停止させる。これにより、所望の粒径の合一粒子を確実に得ることができる。
合一を停止させる方法としては、例えば、攪拌速度を上げる方法、分散液(合一粒子が分散した分散液)の温度を低下させる方法、分散液中に水を添加する方法や、これらのうち2つ以上を組み合わせた方法等が挙げられる。中でも、合一を停止させる方法として、分散液中に水を添加する方法を用いる場合、不本意な合一粒子の更なる合一や崩壊等を確実に防止しつつ、速やかに分散質の合一を停止させることができる。その結果、所望の粒径を有し、粒度分布がシャープなトナーを確実に得ることができる。なお、分散液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、添加した水により分散質中に含まれる有機溶剤が抽出され、分散質粒子が硬くなる。その結果、合一が停止するとともに、合一粒子の崩壊が確実に防止されるものと考えられる。
分散液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、添加する水は、分散液中に含まれる有機溶剤100重量部に対して、分散液中に含まれる水の総量が、400重量部以上となるように加えるのが好ましく、500重量部以上となるように加えるのがより好ましい。
また、分散液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、水の添加後(合一の停止後)に、固形分の含有率が18〜25wt%となるように、水を加えるのが好ましい。これにより、トナー製造時における有機溶剤、水の使用量を十分に抑制しつつ、大きさ、形状のばらつきの小さい好適なトナーを製造することができる。
[脱溶剤(脱溶媒)工程]
その後、分散液中に含まれる有機溶剤を除去する(脱溶剤工程)。これにより、トナー粒子が得られる。
有機溶剤の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、例えば、減圧により行うことができる。これにより、樹脂成分等の構成材料の変性等を十分に防止しつつ、効率良く有機溶剤を除去することができる。
また、本工程での処理温度は、合一粒子を構成する樹脂成分のガラス転移点(Tg)よりも低い温度であるのが好ましい。
また、本工程は、分散液に、消泡剤を添加した状態で行ってもよい。これにより、効率良く有機溶剤を除去することができる。
消泡剤としては、例えば、鉱物油系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、シリコーン系消泡剤のほか、低級アルコール類、高級アルコール類、油脂類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、リン酸エステル類等を用いることができる。
消泡剤の使用量は、特に限定されないが、分散液中に含まれる固形分に対して、重量比で、20〜300ppmであるのが好ましく、30〜100ppmであるのがより好ましい。
また、本工程においては、有機溶剤とともに、少なくとも一部の水性媒体が除去されてもよい。
また、本工程においては、有機溶剤とともに、分散液中に含まれる未反応原料(モノマー等)を除去することができる。その結果、最終的に得られるトナーにおける、揮発性有機化合物(VOC)量を特に少ないものとすることができる。
なお、本工程においては、必ずしも全ての有機溶剤(分散液中に含まれる有機溶剤の全量)が除去されなくてもよい。このような場合であっても、後述する洗浄工程、乾燥工程において残存する有機溶剤を十分に除去することができる。
[洗浄工程]
次に、トナー粒子の洗浄を行う(洗浄工程)。
本工程を行うことにより、不純物として、有機溶剤、未反応原料(モノマー等)等が含まれる場合であっても、これらを効率良く除去することができる。その結果、最終的に得られるトナーにおける、揮発性有機化合物(VOC)量を特に少ないものとすることができる。
本工程は、例えば、固液分離(水性媒体からの分離)によりトナー粒子を分離し、さらにその後、固形分(トナー)の水中への再分散および固液分離(水性媒体からのトナー粒子の分離)をすることにより行うことにより、行うことができる。固形分(トナー)の水中への再分散および固液分離は、複数回、繰り返し行ってもよい。
[乾燥工程]
その後、乾燥処理を施すことにより、トナー粒子を得ることができる(乾燥工程)。
乾燥工程は、例えば、真空乾燥機(例えば、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウター(ホソカワミクロン社製)等)、流動層乾燥機(大川原製作所社製)等を用いて行うことができる。
また、本工程での処理温度は、トナー粒子の樹脂成分のガラス転移点(Tg)よりも低い温度であるのが好ましい。
また、本発明のトナーの製造方法においては、必要に応じて、外添剤を付与する外添工程を有していてもよい。
<トナー>
次に、上記のような方法により製造される本発明のトナーについて説明する。
トナーは、多数個のトナー粒子(トナー母粒子)で構成されている。
《トナー粒子の構造》
トナーを構成するトナー粒子は、均一な形状を有し、粒度分布のシャープな(幅の小さい)ものであるのが好ましい。
また、トナー粒子の粒径の標準偏差(σ(D))をトナー粒子の平均粒径(D)で除した数値(σ(D)/D)×100として表されるトナー粒子の粒径についての変動係数は、24.0以下であるのが好ましく、20.0以下であるのがより好ましい。これにより、トナー粒子の粒度分布は特にシャープなものとなり、トナーを用いて形成される画像を、より良好なものとすることができる。また、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等のばらつきを特に小さいものとすることができ、トナー全体としての信頼性を特に優れたものとすることができる。また、例えば、トナーの製造時においては、トナーの乾燥を容易かつ確実に行うことができ、トナー中の含水量を抑制することができる。
また、トナー粒子の50%体積粒径Dv(50)[μm]は、特に限定されないが、1.0〜6.0μmであるのが好ましく、1.5〜5.0μmであるのがより好ましい。トナー粒子の50%体積粒径が前記範囲内の値であると、高解像度の画像形成に好適に適用することができるとともに、低温定着性の向上に有利である。上述したような製造方法において、トナー粒子を特に効率よく得ることができる。
また、トナー粒子についての50%体積粒径をDv(50)[μm]、50%個数粒径をDn(50)[μm]としたとき、Dv(50)/Dn(50)の値は、1.00〜1.15であるのが好ましく1.00〜1.10であるのがより好ましい。これにより、トナー粒子同士の接触、衝突を少なくすることができ、摩擦等における帯電量の低下、トナー粒子同士の凝集を確実に防止することができる。このため、得られるトナーの保存性を特に優れたものとすることができる。また、トナーを用いて形成される画像を、より良好なものとすることができる。
本発明のトナーにおいて、下記式(I)で表されるトナー粒子についての円形度Rの平均値(平均円形度)は、0.97以上であるのが好ましく、0.98〜0.99であるのがより好ましい。
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
このように、トナー粒子の円形度が十分に大きいものであることにより、転写工程におけるトナーの転写効率を十分に優れたものとすることができる。また、トナー粒子の円形度が十分に大きいものであることにより、例えば、画像形成装置(特に、現像装置)内において、トナー粒子に長期間にわたって応力が加わった場合においても、トナー粒子の不可逆的な変形、凝集を防止することができる。これにより、トナーを、長期間にわたって安定した特性を発揮することができるものとすることができる。
また、トナー粒子についての円形度の標準偏差は、0.04以下であるのが好ましい。このように、円形度の標準偏差が十分に小さいと、帯電特性、保存性、定着特性等のばらつきが特に小さくなり、トナー全体としての、信頼性がさらに向上する。
本発明のトナーは、一成分系現像剤として用いられるものであってもよいし、二成分型現像剤として用いられるものであってもよい。また、本発明のトナーは、乾式トナーとして用いられるものであってもよいし、液体現像剤に用いられるものであってもよい。
次に、上述した本発明のトナーが適用される画像形成装置について説明する。
図2は、本発明のトナーが適用される画像形成装置の好適な実施形態を示す全体構成図、図3は、図2の画像形成装置が有する現像装置の断面図、図4は、図2の画像形成装置に用いられる定着装置の詳細構造を示し、一部破断面を示す斜視図、図5は、図4の定着装置の要部断面図である。
画像形成装置10の装置本体20内には、感光体ドラムからなる像担持体30が配設され、図示しない駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。この像担持体30の周囲には、その回転方向に沿って、像担持体(感光体)30を一様に帯電するための帯電装置40、像担持体30上に静電潜像を形成するための露光装置50、静電潜像を現像するためのロータリー現像装置60、像担持体30上に形成された単色のトナー像を一次転写するための中間転写装置70が配設されている。
ロータリー現像装置60は、イエロー用現像装置60Y、マゼンタ用現像装置60M、シアン用現像装置60Cおよびブラック用現像装置60Kが支持フレーム600に装着され、支持フレーム600は図示しない駆動にモータより回転駆動される構成になっている。これらの複数の現像装置60Y、60C、60M、60Kは、像担持体30の1回転毎に選択的に一つの現像装置の現像ローラ604が像担持体30に対向するように回転移動するようにされている。なお、各現像装置60Y、60C、60M、60Kには、各色のトナーが収納されたトナー収納部が形成されている。
現像装置60Y、60C、60M、60Kは、いずれも同一の構造を有している。したがって、ここでは現像装置60Yの構造について説明するが、現像装置60C、60M、60Kについても、構造、機能は同様である。
図3に示すように現像装置60Yでは、その内部にトナーTを収容するハウジング601に供給ローラ603および現像ローラ604が軸着されており、当該現像装置60Yが上記した現像位置に位置決めされると、「トナー担持体」として機能する現像ローラ604が像担持体(感光体)30と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向位置決めされるとともに、これらのローラ603、604が本体側に設けられた回転駆動部(図示省略)と係合されて所定の方向に回転するように構成されている。この現像ローラ604は、現像バイアスを印加されるべく銅、ステンレス、アルミニウム等の金属または合金により円筒状に形成されている。
また、現像装置60Yでは現像ローラ604の表面に形成されるトナー層の厚みを所定厚みに規制するための規制ブレード605が配置されている。この規制ブレード605は、ステンレスやリン青銅などの板状部材605aと、板状部材605aの先端部に取り付けられたゴムや樹脂部材などの弾性部材605bとで構成されている。この板状部材605aの後端部はハウジング601に固着されており、現像ローラ604の回転方向D3において、板状部材605aの先端部に取り付けられた弾性部材605bが板状部材605aの後端部よりも上流側に位置するように配設されている。
中間転写装置70は、駆動ローラ90および従動ローラ100と、両ローラにより図示矢印方向に駆動される中間転写ベルト110と、ベルト110の裏面で像担持体30に対向して配設された一次転写ローラ120と、ベルト110上の残留トナーを除去する転写ベルトクリーナ130と、駆動ローラ90に対向して配設され、中間転写ベルト110に形成された4色フルカラー像を記録媒体(紙等)上に転写するための二次転写ローラ140とからなっている。
装置本体20の底部には給紙カセット150が配設され、給紙カセット150内の記録媒体は、ピックアップローラ160、記録媒体搬送路170、二次転写ローラ140、定着装置190を経て排紙トレイ200に搬送されるように構成されている。なお、230は両面印刷用搬送路である。
上記構成からなる画像形成装置の作用について説明する。図示しないコンピュータからの画像形成信号が入力されると、像担持体30、現像装置60の現像ローラ604および中間転写ベルト110が回転駆動し、先ず、像担持体30の外周面が帯電装置40によって一様に帯電され、一様に帯電された像担持体30の外周面に、露光装置50によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光がなされ、イエローの静電潜像が形成される。
一方、現像装置60Yでは、2つのローラ603、604が接触しながら回転することで、イエロートナーが現像ローラ604の表面に擦り付けられて所定の厚みのトナー層が現像ローラ604の表面に形成される。そして、規制ブレード605の弾性部材605bが現像ローラ604の表面に弾性的に当接して、現像ローラ604の表面上のトナー層を、所定の厚みに規制する。
像担持体30上に形成された潜像位置には、イエロー用現像装置60Yが回動してその現像ローラ604が当接し、これによってイエローの静電潜像のトナー像が像担持体30上に形成され、次に、像担持体30上に形成されたトナー像は一次転写ローラ120により中間転写ベルト110上に転写される。このとき、二次転写ローラ140は中間転写ベルト110から離間されている。
上記の処理が画像形成信号の第2色目、第3色目、第4色目に対して、像担持体30と中間転写ベルト110の1回転による潜像形成、現像、転写が繰り返され、画像形成信号の内容に応じた4色のトナー像が中間転写ベルト110上において重ねられて転写される。そして、このフルカラー画像が二次転写ローラ140に達するタイミングで、記録媒体が搬送路170から二次転写ローラ140に供給され、このとき、二次転写ローラ140が中間転写ベルト110に押圧されるとともに二次転写電圧が印加され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写される。そして、この記録媒体上に転写されたトナー像は定着装置190により加熱加圧され定着される。中間転写ベルト110上に残留しているトナーは転写ベルトクリーナ130によって除去される。
なお、両面印刷の場合には、定着装置190を出た記録媒体は、その後端が先端となるようにスイッチバックされ、両面印刷用搬送路230を経て、二次転写ローラ140に供給され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写され、再び定着装置190により加熱加圧され定着される。
図2において、本発明に係わる定着装置190は、熱源を有する定着ローラ210とこれに圧接される加圧ローラ220とから構成され、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸を結び線は水平線からθの角度を有するように配置されている。なお、0°≦θ≦30°である。
次に定着装置190について、詳細に説明する。
図4において、ハウジング240内には定着ローラ210が回動自在に装着されている。そして、定着ローラ210に対向して加圧ローラ220が回動自在に装着されている。加圧ローラ220の軸方向長さは定着ローラ210のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受250が設けられて、加圧ローラ220の両端は軸受250により支持されている。軸受250には加圧レバー260が回動可能に設けられ、加圧レバー260の一端とハウジング240間には加圧スプリング270が配設され、これにより加圧ローラ220と定着ローラ210が加圧されるように構成されている。
図5において、定着ローラ210は、内部にハロゲンランプ等の熱源210aを有する金属製の筒体210b、筒体210bの外周に設けられたシリコンゴム等からなる弾性層210cと、弾性層210cの表面に被覆されたフッ素ゴム、フッ素樹脂(例えばパーテトラフロロエチレン(PTFE))よりなる表層(図示せず)と、筒体210bに固定された回転軸210dとから構成されている。
加圧ローラ220は、金属製の筒体220bと、筒体220bに固定された回転軸220dと、回転軸220dを軸支持する軸受250と、定着ローラ210と同様に、筒体220bの外周に設けられた弾性層220cと、弾性層220cの表面に被覆されたフッ素ゴム、フッ素樹脂よりなる表層(図示せず)とから構成されている。定着ローラ210の弾性層210cの厚みは、加圧ローラ220の弾性層220cの厚みより極端に小さくし、これにより加圧ローラ220側が凹状にへこむような定着ニップ部が形成されている。
図4および図5に示すように、ハウジング240の両側面には、支持軸290、300が設けられており、この支持軸290、300にそれぞれ定着ローラ210側の剥離部材310と加圧ローラ220側の剥離部材320が回動自在に装着されている。これにより、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸方向で定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側に剥離部材310、320が配設されることになる。
本実施形態では、図4および図5に示すように、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸方向でニップ部の記録媒体搬送方向下流側に剥離部材310、320を配設している。定着ローラ210側の剥離部材310の先端は、ニップ部の出口に向けて傾斜するように配置され、定着ローラ210に非接触でかつ近接されている。加圧ローラ220側の剥離部材320の先端は、定着ローラ210側の剥離部材310の先端よりも記録媒体搬送方向下流側に配置されている。
両面印刷の場合、片面に印刷された記録媒体は定着ローラ210側の剥離部材310により剥離された後、記録媒体の後端が先端となるようにスイッチバックされ、両面印刷用搬送路230を経て二次転写ローラ140に供給され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写され、再び定着ローラ210により加熱加圧され定着され、このとき、加圧ローラ220に付着し巻き付いてしまう記録媒体は、加圧ローラ220側の剥離部材320により剥離されることになる。
上記のように、本実施形態の定着装置では、定着ローラおよび加圧ローラの軸方向かつ定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側に、定着ローラおよび加圧ローラに近接して配設される剥離部材を備え、前記定着ローラ側の剥離部材の位置決めは定着ローラ表面で行い、前記加圧ローラ側の剥離部材の位置決めは加圧ローラの軸受表面で行うので、定着ローラおよび加圧ローラからの記録媒体の剥離性を向上させることができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、合一工程後に、合一粒子の周囲に被膜を形成する工程を有していてもよい。このような工程を経て得られるトナー粒子は、合一粒子からなる芯粒子(コア領域)と、芯粒子とは異なる材料で構成され、芯粒子を被覆する層(シェル領域)とを有する「カプセル型」の構造とすることができる。これにより、芯粒子と被覆する層とでの機能分離を図ることができる。例えば、芯粒子の構成材料としてガラス転移温度が比較的低い材料を用いるとともに、被覆する層の構成材料として芯粒子よりもガラス転移温度の高い材料を用いることにより、低温領域での定着性(低温定着性)の向上を図るとともに、保存時におけるトナー粒子の凝集等を防止し、トナーの保存性を向上させることできる。この場合、被膜を形成する樹脂を使用する際に、本発明と同様の粘度特性を有した樹脂液を用いたものであってもよい。
[1]トナーの製造
トナーの製造に先立ち、樹脂の合成を行い、さらに、合成された樹脂を用いて、ワックスマスター、着色剤マスター、ミルベースの調製を行った。
<樹脂L1(直鎖型ポリエステル系樹脂)の合成>
精留塔、攪拌装置、窒素ガス導入口、温度計を備え付けた50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて210℃で11時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が87℃に達した時点で反応を終了した。
テレフタル酸 53.1重量部
イソフタル酸 79.7重量部
エチレングリコール 26.0重量部
ネオペンチルグリコール 43.7重量部
テトラブチルチタネート 1.0重量部
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価10.0、ガラス転移温度(Tg)46℃、軟化点(T1/2)が95℃であった。また、重量平均分子量をGPC測定装置(東ソー製HLC−8120GPC)によって、分離カラムとして東ソー製TSK−GEL G5000HXL・G4000HXL・G3000HXL・G2000HXLを組み合わせて使用し、カラム温度:40℃・溶媒:テトラヒドロフラン・溶媒濃度0.5質量%、フィルター:0.2μm・流量:1ml/minにて測定し標準ポリスチレンを用いて換算し分子量を求めた。結果として、重量平均分子量は5200であった。
<樹脂L2、L3(直鎖型ポリエステル系樹脂)の合成>
各原材料の使用量(使用比率)、常圧での加熱温度、常圧での加熱時間を表1に示すようにするとともに、反応終了時点の基準とする軟化点(ASTM E28−517に基づく軟化点)を表1に示すようにした以外は、前記樹脂L1の合成と同様にして反応を行い、2種の樹脂L2、L3を得た。
<樹脂H1(架橋型ポリエステル系樹脂)の合成>
精留塔、攪拌装置、窒素ガス導入口、温度計を備え付けた50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が159℃に達した時点で反応を終了した。
テレフタル酸 19.4重量部
イソフタル酸 90.7重量部
アジピン酸 17.1重量部
エチレングリコール 25.4重量部
ネオペンチルグリコール 42.6重量部
テトラブチルチタネート 1.0重量部
エピクロン830 3.0重量部
(大日本インキ化学工業製ビスフェノールF型エポキシ樹脂エポキシ当量170(g/eq)
カージュラE 1.0重量部
(シェルジャパン製アルキルグリシジルエステル)エポキシ当量250(g/eq)
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価9.8KOHmg/g、ガラス転移温度(Tg)40℃、軟化点(T1/2)が176℃であった。また、樹脂H1の分子量の測定に用いたGPC測定装置を用いて同様にして測定したところ、重量平均分子量は176000であった。
<樹脂H2、H3(架橋型ポリエステル系樹脂)の合成>
使用する原材料の種類、各原材料の使用量(使用比率)、常圧での加熱温度、常圧での加熱時間を表1に示すようにするとともに、反応終了時点の基準とする軟化点(ASTM E28−517に基づく軟化点)を表1に示すようにした以外は、前記樹脂H1の合成と同様にして反応を行い、樹脂H2、H3を得た。
上記のようにして合成した各樹脂についての合成条件、物性等を表1にまとめて示す。
Figure 2008203370
<ワックスマスターW−1の調製>
高速乳化機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)付属の3L円筒容器に、水:1300重量部、アニオン性乳化剤「ネオゲンSC−F」(第一工業製薬社製、固形分含有量:68wt%):25.7重量部を添加して、温度を95℃に調整し、翼先端速度:16.7m/秒の攪拌下に、さらに、予め融解しておいたカルナバワックス:700重量部を添加して、ワックスの乳化物を得た。冷却後、固形分の含有率が35wt%となるように、水を加え、ワックス分散液を得た。
次に、高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)付属の3L円筒容器に、メチルエチルケトン:856重量部を仕込み、攪拌下に、樹脂L1:700重量部を徐々に添加して、樹脂L1が均一に溶解したことを確認した後、上記ワックス分散液:878.6重量部を添加して、予備混合液の調製を行った。次いで、該予備混合液をスターミル(アシザワファインテック社製、LMZ−10)で混合を行い、固形分含有量45.0wt%のワックスマスターW−1を得た。得られたワックスマスターW−1の組成は、重量比で、樹脂L1:ワックス:乳化剤:メチルエチルケトン:水=31.3:13.4:0.3:29.5:25.5であった。
<ワックスマスターW−2の調製>
樹脂L1の代わりに樹脂L2を用いた以外はワックスマスターW−1と同様にワックスマスターW−2を調製した。
<ワックスマスターW−3の調製>
樹脂L1の代わりに樹脂L3を用いた以外はワックスマスターW−1と同様にワックスマスターW−3を調製した。
<ワックスマスターW−4の調製>
カルナバワックス:40.2重量部と、樹脂L1:94重量部とを加圧ニーダーで混練し、混練物を得た。得られた混練物とメチルエチルケトン:88.5重量部と、アニオン性乳化剤「ネオゲンSC−F」(第一工業製薬社製、固形分含有量:68wt%):0.9重量部と水:76.5重量部とをボールミルに入れ、6時間撹拌し、ワックスマスターW−4を得た。得られたワックスマスターW−1の組成は、重量比で、樹脂L1:ワックス:乳化剤:メチルエチルケトン:水=31.3:13.4:0.3:29.5:25.5であった。
<着色剤マスターP−1Yの調製>
イエロー顔料(ピグメント・イエロー180):2000重量部と、樹脂L1:2000重量部とを、ST/A0羽根をセットした20Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)へ投入し、翼先端速度:10m/秒で2分間攪拌し、混合物を得た。該混合物をオープンロール連続押し出し混練機(三井鉱山社製、ニーデックス MOS140−800)を用いて溶融混練し、着色剤マスターP−1Yを得た。着色マスターP−1Yの組成は、重量比で、着色剤:樹脂=50:50であった。また、得られた着色剤マスターP−1Yを樹脂L1およびメチルエチルケトンを用いて希釈し、400倍の光学顕微鏡で着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子は認められず、均一に微分散している様子が認められた。
<着色剤マスターP−3Yの調製>
樹脂L1の代わりに樹脂L3を用いた以外はP−1Yと同様にして、着色剤マスターP−3Yを調製した。
<着色剤マスターP−1Rの調製>
イエロー顔料の代わりにマゼンダ顔料(ピグメント・レッド184)を用いた以外はP−1Yと同様にして、着色剤マスターP−1Rを調製した。
<着色剤マスターP−1Cの調製>
イエロー顔料の代わりにシアン顔料(ピグメント・ブルー15:3)を用いた以外はP−1Yと同様にして、着色剤マスターP−1Cを調製した。
<着色剤マスターP−1Bkの調製>
イエロー顔料の代わりにブラック顔料(ピグメント・ブラック7)を用いた以外はP−1Yと同様にして、着色剤マスターP−1Bkを調製した。
<着色剤マスターP−2Bkの調製>
樹脂L1の代わりに樹脂L2を用い、イエロー顔料の代わりにブラック顔料(ピグメント・ブラック7)を用いた以外はP−1Yと同様にして、着色剤マスターP−2Bkを調製した。
<ミルベース(着色樹脂液)MB−1の調製>
高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)付属の2L円筒容器(ディスパー翼の翼径40mm)に、メチルエチルケトン(希釈メチルエチルケトン):179.4重量部を仕込み、さらに、樹脂H1(希釈樹脂):49.8重量部を加えた。この状態で、翼先端速度:7.5m/秒で攪拌した。攪拌した状態で、着色剤マスターP−1Y:42重量部、樹脂L1(希釈樹脂):108.2重量部、ワックスマスターW−1:223.9重量部、および、乳化剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC−F):1.09重量部を、この順序で、前記円筒容器内に投入することにより、各成分の溶解・分散を行った。さらに、その後、固形分含有量が55wt%となるように、メチルエチルケトンを追加投入し、ミルベースMB−1を得た。なお、攪拌時における材料温度は、30〜40℃に保持されるようにした。得られたミルベースMB−1の固形分の組成は、重量比で、樹脂H1:樹脂L1:顔料:ワックス=34:51:12:3であった。
<ミルベース(着色樹脂液)MB−2〜MB−18の調製>
樹脂、顔料、ワックスの種類、含有量が表2、表3に示すようになるように、樹脂、着色剤マスター、ワックスマスターの種類、含有量を変更した以外は、ミルベースMB−1と同様にして、ミルベースMB−2〜MB−18を調製した。
表2、表3に、各ミルベースに含まれる材料の種類、含有量およびミルベース(着色樹脂液)の粘度を示す。なお、PY、PR、PB、PBkは、それぞれピグメント・イエロー、ピグメント・レッド、ピグメント・ブルー、ピグメント・ブラックのことを示す。また、ミルベースMB−12では、ワックスマスターW−1の代わりにW−4を用いた。なお、η60は、回転粘度計によるミルベース(着色樹脂液)の60rpmでの粘度[mPa・s]、ηは、6rpmでの粘度[mPa・s]である。また、回転粘度計としては、B型粘度計(DVL−BII、東機産業社製)を用い、測定条件としては、材料温度を25℃とし、ローターNo.4を用いて測定を行った。
Figure 2008203370
Figure 2008203370
(実施例1)
以下のようにして、トナーを製造した。なお、温度条件が記載されていない工程(処理)については、室温(25℃)で行った。
《乳化懸濁液調製工程》
ミルベースMB−1を調製した同一容器に引き続き、1Nアンモニア水:50重量部を加え、翼先端速度:7.5m/秒にて攪拌した後、温度が30℃以下となるように調整した。
その後、翼先端速度:14.7m/秒に変更し、この状態で、350重量部の水(脱イオン水)を20重量部/分の速度で滴下し、分散液を調製した。脱イオン水を添加するにつれ、系の粘度は上昇していったが、水は滴下と同時に系内に取り込まれ、攪拌混合は均一であった。脱イオン水を210重量部添加した段階で粘度の低下が観察された(転相点)。さらに残りの脱イオン水を所定量滴下した後(350重量部の脱イオン水を滴下した後)、希釈水として143.5重量部の水を一括で添加した。この段階での分散液中におけるメチルエチルケトン(有機溶剤)の含有率は、29.0wt%であった。また、この分散液中において、分散性の悪い粗大粒子の存在は認められなかった。
《合一工程》
次に、マックスブレンド翼(翼径:65mm)およびコンデンサー付属の2L円筒容器に、上記分散液を移送した後、翼先端速度:1.09m/秒に保持した状態で、温度を25℃に調整した。
その後、マックスブレンド翼の翼先端速度を1.53m/秒に調整し、3.5wt%の硫酸ナトリウム水溶液:120重量部を10重量部/分で滴下した。滴下終了後、翼先端速度を15分間かけて、1.53m/秒から0.54m/秒まで減速し、さらに、0.54m/秒で20分間攪拌を行った。
その後、マックスブレンド翼の翼先端速度を1.53m/秒に調整し、5.0wt%の硫酸ナトリウム水溶液を10重量部滴下し、その後、翼先端速度を1.53m/秒から0.54m/秒まで減速し、さらに0.54m/秒で10分間攪拌を行い、このときの分散質(着色樹脂微粒子)の粒径の測定を行った。その結果、50%体積粒径をDv(50)[μm]としたときの、Dv(50)が3.4μmを超えるまで、同様の操作を繰り返した。すなわち、マックスブレンド翼の翼先端速度を1.53m/秒に調整し、5.0wt%の硫酸ナトリウム水溶液:10重量部を滴下し、翼先端速度:0.54m/秒で10分間攪拌を行う操作を繰り返した。Dv(50)が3.4μmを超えたところで、マックスブレンド翼の翼先端速度を1.02m/秒に調整した状態で、30分間攪拌を行い(熟成処理)、分散液に、水:400重量部を添加し、合一を停止させた。これにより、目的とする合一粒子が分散した分散液を得た。なお、粒径、粒度分布の測定は、マイクロトラックMT3000(日機装社製)により行った。また、平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(東亜医用電子社製、FPIP−1000)を用いた測定により求めた。また、以下に説明する他の粒子についても同様にして、粒径、粒度分布、平均円形度を求めた。
《脱溶剤工程》
その後、シリコーン系消泡剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY22−517):0.068重量部を添加し、減圧により、固形分含有量が23wt%以上となるまで、メチルエチルケトンおよび水の一部を留去し、スラリー(着色樹脂微粒子スラリー)を得た。
《洗浄工程》
上記のようにして得られたスラリーに対し、固液分離を行い、さらに、水中への再分散、固液分離を繰り返し行うことによる洗浄処理を施した。その後、吸引ろ過法により、着色樹脂微粒子のウェットケーキ(着色樹脂微粒子ケーキ)を得た。なお、ウェットケーキの含水率は35wt%であった。
《乾燥工程》
その後、真空乾燥機を用いて、ウェットケーキを乾燥することにより、トナー母粒子を得た。また、トナー母粒子についての50%体積粒径をDv(50)[μm]、50%個数粒径をDn(50)[μm]としたときの、Dv(50)は、3.1μm、Dv(50)/Dn(50)は、1.08であった。また、トナー母粒子の平均円形度Rは0.984であった。また、粒径が8μm以上の粗大粒子は、確認できなかった。
《外添工程》
トナー母粒子:100重量部に対して、外添剤として大粒径のシリカ(日本アエロジル(株)製RX50):1.0重量部、小粒径のシリカ(日本アエロジル(株)製RX200):1.0重量部、酸化チタン(チタン工業(株)製STT30S):0.5重量部を添加した。このトナー母粒子を10Lヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)に投入して羽先端周速30m/sで2分間混合し、トナーを得た。
(実施例2〜16)
用いるミルベース、および乳化懸濁液調製工程での条件を表4のように変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例1〜8)
用いるミルベース、および乳化懸濁液調製工程での条件を表5のように変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
表4、表5には、各実施例、比較例で用いたミルベース、および乳化懸濁液調製工程での条件を示した。
Figure 2008203370
Figure 2008203370
[2]評価
[2.1]トナー帯電量
前記各実施例、および書く比較例のトナー0.5gについて、帯電量Q[μC]を測定した。この帯電量Q[μC]と用いたトナーの量:0.5[g]から、単位重量当たりの帯電量(初期帯電量)Q/m[μC/g]を算出した。このようにして、算出した帯電量(単位重量あたりの帯電量)について、下記の4段階の基準に従い、評価した。
◎:帯電量が、−60μC以下。
○:帯電量が、−60μCより大きく、−50μC以下。
△:帯電量が、−50μCより大きく、−40μC以下。
×:帯電量が、−40μCより大きい。
[2.2]転写性
前記各実施例、および各比較例のトナーを、図2〜図5に示すような画像形成装置の現像装置(図3参照)に充填し、画像形成装置にセットした。上記画像形成装置において、記録媒体(セイコーエプソン社製、A4上質普通紙)に所定のパターンの印字(5%印字)を連続で50000枚行った後、カブリおよびトナー飛散について、それぞれ以下の4段階の基準に従い評価した。
カブリは、上記と同様に記録媒体に所定のパターンの印字を連続で10枚行い、転写された記録媒体の印字されていない部分への、トナー粒子付着度合いを目視にて確認し、評価した。
◎:記録媒体上の印字されていない部分に、トナー粒子が確認できない。
○:記録媒体上の印字されていない部分に、トナー粒子が僅かに付着している。
△:記録媒体上の印字されていない部分に、トナー粒子が多少付着している。
×:記録媒体上の印字されていない部分に、トナー粒子が多量に付着している。
トナー飛散は、上記の印字を行った後の画像形成装置について、画像形成装置内部の部材へのトナー粒子の付着度合いを目視にて確認し、評価した。
◎:画像形成装置内部の部材に、トナー粒子が確認できない。
○:画像形成装置内部の部材に、トナー粒子が僅かに付着している。
△:画像形成装置内部の部材に、トナー粒子が多少付着している。
×:画像形成装置内部の部材に、トナー粒子が多量に付着している。
これらの結果とともに、各実施例および各比較例のトナー母粒子の粒径、粒度分布、粗大粒子の体積%、平均円形度を表6に示した。
Figure 2008203370
表6から明らかなように、本発明のトナーの製造方法によって得られたトナーは、十分に小さな粒径であり、かつ粒度分布の狭いものとなった。また、トナー中の粗大粒子は、極めて少なかった。また、得られたトナーは、帯電性、および転写性(カブリ、トナー飛散)に優れたものであった。また、得られたトナーを用いて形成したトナー画像は、優れた解像度であり、色再現性にも優れていた。
これに対し、比較例のトナーの製造方法では、満足な結果が得られなかった。すなわち、比較例1〜3、8は、ミルベースの粘度(η60)および粘度比(η660)が高いため、得られたトナーは、粒度分布が広く、粗大粒子の多いものとなった。また、トナー母粒子の平均円形度も低いものとなった。乳化懸濁液を調整する際に、分散液中の分散質を好適な粒径、粒度分布にすることができなかったためだと考えられる。また、分散質がかたくなってしまい、平均円形度を高いものとすることができなかったことが考えられる。また、比較例4〜7は、ミルベースの粘度(η60)および粘度比(η660)が低いため、得られたトナーは、粗大粒子が特に多いものとなった。合一工程において、分散液中の分散質の合一が激しく起こり、粗大粒子が大量に発生したものだと考えられる。また、各比較例で得られたトナーは、帯電性と転写性が劣るものとなった。
また、比較例8は、実施例1とミルベースの組成が同様にも関わらず、ミルベースの粘度(η60)および粘度比(η660)が高いものとなった。これは、ワックスマスター、ミルベースの調製方法が異なることで、大きく粘度に差が出たものと考えられる。
軟化点の求め方を説明するための図であり、(a)は、測定に用いる装置を模式的に示す速断面図、(b)は、測定結果から軟化点(T1/2)を求める方法を説明するためのグラフである。 本発明のトナーが適用される画像形成装置の好適な実施形態を示す全体構成図である。 図2の画像形成装置が有する現像装置の断面図である。 図2の画像形成装置に用いられる定着装置の詳細構造を示し、一部破断面を示す斜視図である。 図4の定着装置の要部断面図である。
符号の説明
6…ノズル 7…シリンダ 8…試料 9…荷重面 10…画像形成装置 20…装置本体 30…像担持体 40…帯電装置 50…露光装置 60…ロータリー現像装置 600…支持フレーム 601…ハウジング 603…供給ローラ 604…現像ローラ 605…規制ブレード 605a…板状部材 605b…弾性部材 60Y…イエロー用現像装置 60M…マゼンタ用現像装置 60C…シアン用現像装置 60K…ブラック用現像装置 70…中間転写装置 90…駆動ローラ 100…従動ローラ 110…中間転写ベルト 120…一次転写ローラ 130…転写ベルトクリーナ 140…二次転写ローラ 150…給紙カセット 160…ピックアップローラ 170…記録媒体搬送路 190…定着装置 200…排紙トレイ 210…定着ローラ(加熱定着部材) 210a…熱源 210b…筒体 210c…弾性層 210d…回転軸 220…加圧ローラ(加圧部材) 220b…筒体 220c…弾性層 220d…回転軸 230…両面印刷用搬送路 240…ハウジング 250…軸受 260…加圧レバー 270…加圧スプリング 290…支持軸 300…支持軸 310…剥離部材 320…剥離部材 T…トナー

Claims (7)

  1. 樹脂材料と、着色剤と、有機溶剤とを含む樹脂液を調製する樹脂液調製工程と、
    前記樹脂材料と、前記着色剤と、前記有機溶剤とを含む分散質が、水性分散媒中に分散した分散液を調製する分散液調製工程と、
    複数個の前記分散質を合一させ、合一粒子を形成する合一工程と、
    前記合一粒子から前記有機溶剤を除去する脱溶剤工程とを有し、
    25℃での、回転粘度計による前記樹脂液の60rpmでの粘度をη60[mPa・s]、6rpmでの粘度をη[mPa・s]としたとき、500≦η60≦7000、かつ1.0≦η/η60≦3.0の関係を満足することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記樹脂液は、前記着色剤として、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料から選択される1種以上を含み、前記樹脂液の固形分中における前記着色剤の含有量は、3〜15wt%である請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記樹脂液は、前記着色剤として、ブラック顔料を含み、前記樹脂液の固形分中における前記着色剤の含有量は、3〜20wt%である請求項1に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記分散液調製工程では、前記樹脂液を撹拌しつつ、前記樹脂液に水を含む水性液体を添加することで、前記水性分散媒中に前記分散質が分散した前記分散液を得るものである請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 前記樹脂液への前記水性液体の添加時には、翼先端速度が10〜20m/秒となるように撹拌を行うものである請求項4に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記分散質は、50%体積粒径をDv(50)[μm]、50%個数粒径をDn(50)[μm]としたとき、1.10≦Dv(50)/Dn(50)≦2.50、かつ0.08≦Dv(50)≦0.20の関係を満足するものである請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  7. 樹脂材料と、着色剤と、有機溶剤とを含む樹脂液を調製する樹脂液調製工程と、
    前記樹脂材料と、前記着色剤と、前記有機溶剤とを含む分散質が、水性分散媒中に分散した分散液を調製する分散液調製工程と、
    複数個の前記分散質を合一させ、合一粒子を形成する合一工程と、
    前記合一粒子から前記有機溶剤を除去する脱溶剤工程とを有し、
    25℃での、回転粘度計による前記樹脂液の60rpmでの粘度をη60[mPa・s]、6rpmでの粘度をη[mPa・s]としたとき、500≦η60≦7000、かつ1.0≦η/η60≦3.0の関係を満足するトナーの製造方法を用いて製造されたことを特徴とするトナー。
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