JP2006154686A - トナー用ポリエステル樹脂、トナー組成物及び樹脂粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paの1種以上のポリエステル樹脂(A1)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
【選択図】 なし
Description
さらに本発明は、樹脂粒子に関する。さらに詳しくは、スラッシュ成型用樹脂、粉体塗料、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナーまたはホットメルト接着剤等の各種用途に有用な、樹脂粒子に関する。
また、トナーの低温定着性を満足し、高温オフセットを生じることないトナーを供する試みとして、トナーの損失弾性率G”=1×104Pa〜1×106Paの範囲で損失正接tanδの値が1.0以上2.0未満であり、損失弾性率G”=1×103Paでの損失正接tanδの値が0.5以上1.0未満であることを特徴とするトナーが紹介されている。(特許文献2参照)
しかしながら、特許文献1に提案されているトナーは、低温定着性に優れるものの、さらなる高速化、省エネ化における低温定着性と粉砕性の両立の点では改善する必要がある。特許文献2に提案されているトナーは低温定着性と高温オフセットは良好であるものの、光沢性を必要とするカラー用途には満足できる画質とはならなかった。
しかし、これらのポリエステル樹脂においては、長鎖脂肪族ジカルボン酸としてセバシン酸等が、長鎖脂肪族側鎖を有するジカルボン酸としてドデセニルコハク酸等が使用されているため、導入される脂肪族炭化水素単位の炭素数が大きくなり、トナーの耐湿性および定着性能は向上するものの、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が低下し、トナーの保存安定性が劣るという問題点を有していた。
しかしながら、ワックスとポリエステル系樹脂は相溶性が悪く、トナー中でのワックスの分散粒径が大きくなってしまう。これにより、感光体上へのワックスの固着やフィルミングに伴う画像不良や、荷電不良に伴う画像不良が発生したりする。これらの課題を解決する試みとして、特許文献4にはワックス成分にスチレン系ポリマー鎖もしくはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体を用いることを提案している。これにより、トナー中のワックス粒径を制御できるようになり、耐ホットオフセット性に優れ、フィルミングや画像不良を誘発しないトナーを提供することができるようになった。
しかしながら、上記公報に提案されているトナーは、耐ホットオフセット性に優れることや、フィルミングや画像不良を誘発しないことでは、効果を奏するものの、低温定着性の観点では不十分であった。
しかしながら、熱定着方式・熱加工方式に用いられる樹脂粒子では、省エネルギーの観点からさらに低温でも定着・溶融加工できることが求められており、特にスラッシュ成型用樹脂、粉体塗料、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナーまたはホットメルト接着剤としては、特許文献5記載の樹脂粒子では必ずしも十分ではなかった。
本発明のもう1つの目的は、さらに光沢性も良好なトナー用樹脂粒子を得ることである。
本発明のさらなる目的は、トナーとしたときの耐湿性および定着性能が良好で、トナーの保存安定性が良好なトナー用樹脂粒子を得ることである。
本発明のさらなる目的は、耐ホットオフセット性に優れ、画像不良を誘発せず、かつ低温定着性に優れるトナーを得るトナー用樹脂組成物を得ることである。
本発明のさらなる目的は、低温定着性が優れ、かつトナー製造時の樹脂の粉砕性が良好で、カラートナーとしての光沢性、透明性に優れた非磁性一成分トナーを得ることである。
本発明のさらなる目的は、定着特性・熱溶融特性が優れ、かつ粒径や形状が均一である懸濁法によって得られた樹脂粒子を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、下記8発明である。
[1] ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paの1種以上のポリエステル樹脂(A1)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
[2] ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、軟化点が120℃〜180℃であり、130℃〜200℃における損失正接が0.9以上である1種以上のポリエステル樹脂(A2)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
[3] ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリカルボン酸成分が、80〜100モル%の、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(a)からなり、ポリオール成分が、20〜100モル%の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの80〜100モル%が1,2−プロピレングリコールである)(b)からなり、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の合計中0.1〜20モル%が3価以上の多価アルコールおよび/または3価以上のポリカルボン酸(c)であり、且つ軟化点が95〜160℃、ガラス転移温度(Tg)が45〜75℃であることを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかのトナー用ポリエステル樹脂と、ワックス(w)の少なくとも一部がビニルモノマー(m)で変性されてなる変性体(w1)からなるトナー用添加剤(B)からなるトナー用ポリエステル樹脂組成物。
[5] 上記[1]〜[3]のいずれかのトナー用ポリエステル樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤からなるトナー組成物。
[6] トナーを潜像担持体に供給して潜像を現像する画像形成方法において使用する非磁性一成分トナーにおいて、該トナーが、請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂(A1)、(A2)、もしくは(A3)、および着色剤からなり、(A1)、(A2)、または(A3)のガラス転移温度(Tg)をx軸の変数とし、軟化点(sp)をy軸の変数としてxy座標にプロットした時、下記式(1)〜(4)で表される直線で囲まれる範囲内の物性を有し、且つ該トナーの粒子の表面に1種以上の微粒子添加剤を含有することを特徴とする非磁性一成分トナー。
式(1) sp=4Tg−110
式(2) sp=4Tg−170
式(3) sp=90
式(4) sp=130
[7] 少なくとも樹脂(K)と有機溶剤とを含有する油性混合液(I)と、水系媒体(II)との水性分散液から溶剤が除去されて得られ、樹脂(K)と必要により添加剤からなる樹脂粒子であって、(K)が、ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなる1種以上のポリエステル樹脂(K1)からなり、(K1)のテトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500であり、ポリオール成分が85〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールもしくは70〜100モル%の1,2−プロピレングリコールからなることを特徴とする樹脂粒子。
[8] 樹脂(p)と必要により添加剤からなる樹脂粒子(P)の表面に、樹脂(q)と必要により添加剤からなる樹脂微粒子(Q)が付着されてなる複合樹脂粒子であり、(p)がポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、該ポリオール成分が85〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールもしくは70〜100モル%の1,2−プロピレングリコールからなり、テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500である1種以上のポリエステル樹脂(p1)からなること、または(p)が(p1)が構成単位として含まれる樹脂(p2)からなることを特徴とする樹脂粒子。
本第3発明のポリエステル樹脂は、高湿度下においても耐ブロッキング性、溶融流動性、低温定着性および帯電特性に優れる。また、スズ化合物を触媒として使用しない場合でも、良好な樹脂性能を有する。
本第4発明のトナー用樹脂組成物を用いることにより、耐ホットオフセット性に優れ、画像不良を誘発せず、かつ低温定着性に優れるトナーとすることができる。
本第6発明のトナーを用いることにより、優れた低温定着性が得られ、高画質化におけるカラートナーとしての光沢性、透明性の発現が可能となる。また、トナー製造時におけるトナーの粉砕性にも優れることから、工業生産時に経済的にトナーを生産することができる。
また、本第7および第8発明の樹脂粒子は、以下の効果を有する。
1.低温溶融性、低温定着特性に優れ、溶融加工時、印刷時の消費エネルギーを小さくできる。
2.粒径が均一であり、粉体流動性、保存安定性にも優れる。
3.水中で分散により得られた樹脂粒子であるため、低コストである。
4.耐熱性や、加熱溶融した塗膜の機械的物性も良好である。
本第1発明のポリエステル樹脂(A1)の構成成分となるポリオールのモル平均凝集エネルギーは、通常7.0×104〜1.4×105Jである。下限は、好ましくは7.05×104Jさらに好ましくは7.1×104Jある。上限は、好ましくは1.25×105J,さらに好ましくは1×105Jである。モル平均凝集エネルギーが7.0×104J以上であると耐熱保存性が良好であり、1.4×105J以下であると粉砕性が良好である。
上記モル平均凝集エネルギーを有するポリオールから構成された樹脂(A1)の150℃における貯蔵弾性率は、通常2.5×103Pa〜5×106Paである。下限は、好ましくは3.0×103Pa、さらに好ましくは3.2×103Paであり、上限は、好ましくは4.5×106Pa、さらに好ましくは4.3×106Paである。
2.5×103Pa以上でホットオフセットが良好となり、5×106Pa以下で低温定着性が良好となる。
ポリオールが2種以上ある場合の各ポリオールの構成モル比率は、用いたポリオールの量と反応時に回収されたポリオールの量から計算により求める。
なお、モル平均凝集エネルギーに関しては、例えば、Fedorsらの、Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2,147〜154頁に記載されている。
モル平均凝集エネルギーの値を調整するには、凝集エネルギーは各ポリオールに固有の値であるので、ポリオールのモル比を調整すればよい。樹脂の貯蔵弾性率を調整するには、例えば、樹脂の分子量や架橋点の数を増減させればよい。
第1発明のポリエステル樹脂(A1)は、後述する第2発明のポリエステル樹脂(A2)、および/または、後述する第3発明のポリエステル樹脂(A3)でもあることが好ましい。
本発明における軟化点の測定は、特に断りのない限り、島津(株)製フローテスターCFT−500を用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とする。
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
樹脂の軟化点や損失正接を調整するには、例えば、樹脂の分子量や架橋点の数を増減させればよい。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :20Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/min
測定により得られた値から、温度−損失正接の関係をプロットし、130℃〜200℃における損失正接を読みとる。
なお、第2発明のポリエステル樹脂(A2)は、第1発明のポリエステル樹脂(A1)、および/または、後述する第3発明のポリエステル樹脂(A3)でもあることが好ましい。
樹脂(A1)または(A2)に用いるポリオール成分は、30〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールからなるのが好ましい。さらに、このジオール中には、少なくとも一部として1,2−プロピレングリコールを含むのが好ましい。ポリオール成分中の炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、より好ましくは85〜100モル%、とくに好ましくは90〜100モル%、最も好ましくは100モル%である。含有量が30モル%以上であると、樹脂強度が強くなり低温定着性が向上する。
ポリオール成分中の30〜100モル%が1,2−プロピレングリコールであり、0〜30モル%が、1,2−プロピレングリコール以外の炭素数2〜6の脂肪族ジオールを含む他のポリオールからなるポリオール成分も好ましい。この場合のポリオール成分中の1,2−プロピレングリコールの含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、より好ましくは85〜100モル%、とくに好ましくは90〜100モル%、最も好ましくは100モル%である。含有量が30モル%以上であると、樹脂強度が強くなり低温定着性が向上する。
多価アルコールのうち2価アルコール(ジオール)としては、炭素数7〜36の脂肪族ジオール(1,7−ヘプタンジオール、およびドデカンジオール等);炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等);上記炭素数2〜6および7〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下AOと略記する)〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびブチレンオキシド等〕付加物(付加モル数2〜30);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中で、好ましくは、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物である。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
なお、本第3発明のトナー用ポリエステル樹脂(A3)は、第1発明のポリエステル樹脂(A1)、および/または、第2発明のポリエステル樹脂(A2)でもあることが好ましい。
低級アルキルエステルの具体例としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル、テレフタル酸プロピレングリコールジエステル、イソフタル酸プロピレングリコールジエステル等が挙げられる。これら(a)の中では、反応速度およびコストの点で、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸プロピレングリコールジエステル、イソフタル酸プロピレングリコールジエステルが好ましい。
(a)は、得られるポリエステル樹脂のガラス転移温度(以下Tgと記載する)を上げて、トナーの耐ブロッキング性を向上させる効果があるため、全ポリカルボン酸成分に対し、通常80〜100モル%、好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%の範囲で含有される。
これらの中でも、トナーの定着性能と環境依存性のバランスの観点から、用いる脂肪族ジオールの80モル%以上は1,2−プロピレングリコールとするのが好ましい。1,2−プロピレングリコール以外に用いる他の脂肪族ジオールとしてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。これら(b)は、ポリエステル樹脂の溶融粘度を下げる効果があるため、トナーの定着性能を向上させる。その含有量は、全ポリオール成分に対し、好ましくは20〜100モル%、さらに好ましくは45〜100モル%、とくに好ましくは60〜100モル%、最も好ましくは70〜100モル%の範囲である。(b)の含有量を20モル%以上とすることによりトナーの定着性能を良好とさせることができ、及び耐湿性の低下を抑えることができる。
ポリエステル樹脂を構成するポリオール成分中の(b)以外のジオールとしては、前記ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(平均付加モル数2〜30)、および炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)であり、さらに好ましくは、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO(とくにEOおよび/またはPO)付加物(平均付加モル数2〜30)である。これらは、単独でまたは二種以上を併用して用いることができる。これら(c)は、ポリエステル樹脂を架橋あるいは分岐化させてトナーの非オフセット性を高める効果がある。
(c)の含有量は、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の合計に対し、好ましくは0.1〜20モル%、さらに好ましくは0.5〜18モル%の範囲である。0.1モル%以上とすることにより、適正な粘度とTgの範囲のポリエステル樹脂を得ることができ、トナーの非オフセット性と保存安定性の両立を可能とすることができる。20モル%以下とすることによって、適正な粘度範囲以下でポリエステル樹脂が架橋してしまうことを防ぎ、非オフセット領域を広げることができる。
Tgを45℃以上とすることによりトナーの耐ブロッキング性を良好とし、75℃以下とすることによりトナーの定着性能を良好にすることができる。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
触媒の添加量は、反応速度が最大になるように適宜決定することが望ましい。添加量としては、全原料に対し、好ましくは10ppm〜1.9%、さらに好ましくは100ppm〜1.7%である。添加量を10ppm以上とすることで反応速度が大きくなる点で好ましい。なお、上記および以下において、%は特に断りのない限り、重量%を意味する。
また、(A)の、THF可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは1200〜50000、さらに好ましくは1500〜40000である。
装置 : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム : TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量: 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 標準ポリスチレン
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。分子量500以下の成分の量は、分子量分布リストの0から500までの積分値から求める。測定にあたっては、樹脂粒子中の任意の粒子1粒を取り出し、これをTHFに溶解したものを試料溶液とする。この試料溶液の測定を10粒子について行う。
上記および以下において、THF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
線形ポリエステル樹脂(Aa)は、通常、前記ジオールとジカルボン酸を重縮合させて得られる。また分子末端を前記ポリカルボン酸(3価以上のものを含む)の無水物で変性したものであってもよい。
非線形ポリエステル樹脂(Ab)は、通常前記のジカルボン酸およびジオールと共に、前記の3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上の多価アルコールを反応させて得られる。
3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上の多価アルコールとしては、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(平均付加モル数2〜30)、および炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)が好ましく、さらに好ましくは、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸である。
(Ab)を得る場合の3価以上のポリカルボン酸と3価以上の多価アルコールの比率は、これらのモル数の和が、全ポリオール成分とポリカルボン酸成分のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは3〜20モル%である。
(Ab)のTHF不溶解分は、好ましくは1〜70%である。下限は、さらに好ましくは2%、とくに好ましくは5%であり、上限は、さらに好ましくは60%、とくに好ましくは50%である。上記範囲のTHF不溶解分を含有させることは、耐ホットオフセット性が向上する点で好ましい。
ポリエステル樹脂中の(A)の含有量は、通常20〜100%、好ましくは25〜100%。さらに好ましくは30〜90%である。20%以上であると、本発明のの特性が十分発揮される。
(B)の原料として用いるワックス(w)としては、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
キャリアー等へのフィルミング及び離型性の観点から、ポリオレフィンワックスのMnは好ましくは400〜40000、さらに好ましくは1000〜30000、特に1500〜2000である。
尚、軟化点はJIS K 2207−1996に規定の方法により測定される。
トナーの現像性の観点から、(w)の針入度は通常5.0以下、好ましくは3.5以下、特に1.0以下である。
尚、針入度は、JIS K 2207−1996に規定の方法により測定される。
(a)カルボキシル基含有ビニル系モノマー:
(a−1)炭素数3〜20の不飽和モノカルボン酸:(メタ)アクリル酸、クロトン酸及び桂皮酸等;
(a−2)炭素数4〜30の不飽和ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体[酸無水物及びモノ若しくはジアルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル]:マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの無水物並びにこれらのモノ若しくはジアルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)等;
(a−5)不飽和アルコール[ビニル、イソプロペニル等]と炭素数1〜12のモノ若しくはポリカルボン酸とのエステル:酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、メチル−4−ビニルベンゾエート、ビニルメトキシアセテート及びビニルベンゾエート等。
(b−1)炭素数5〜16のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;
(b−2)炭素数2〜12のアルケノール、例えば(メタ)アリルアルコール、1−ブテン−3−オール及び2−ブテン−1−オール;
(b−3)炭素数4〜12のアルケンジオール、例えば2−ブテン−1,4−ジオール;
(b−4)炭素数3〜30のアルケニルエーテル、例えば2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び蔗糖アリルエーテル等。
(c−1)スチレンをはじめとする芳香族ビニル系炭化水素(炭素数8〜20):スチレンのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン;並びにビニルナフタレン。
(c−2)脂肪族ビニル系炭化水素:炭素数2〜20のアルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及び前記以外のα−オレフィン等;炭素数4〜20のアルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン;
(c−3)脂環式ビニル系炭化水素:モノ及びジシクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン;テルペン類、例えばピネン、リモネン及びインデン。
(e)ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル等。
(f)アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン等。
(w1)を製造する際の(w)と(m)の重量比は、トナーの流動性の観点から、好ましくは(1〜30):(70〜99)、特に(2〜27):(83〜98)である。
(w1)のMnは、好ましくは2000〜10000、特に2500〜9000である。Mnが2000〜10000の範囲では、トナーの耐久性及び粉砕性が良好である。
パーオキサイド系開始剤の量は(w)と(m)の合計重量に基づいて通常0.2〜10%、好ましくは0.5〜5%である。
なお、本発明のトナー用ポリエステル樹脂組成物中には、(A)と(B)以外に、必要により、他の樹脂や後述の離型剤等を含有してもよい。本発明においてトナー用添加剤(B)は、ポリエステル樹脂と離型剤の相溶性を向上させる相溶化剤としての機能を有する。
具体例としては前述のワックス(w)におけるものと同様のものが挙げられる。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
また、本発明のトナー組成物を用いることにより、未定着画像を定着機で定着させる際のホットオフセット発生温度と最低定着温度の差が95℃以上(特に100℃以上)となる広い温度領域で定着可能とすることが容易である。
本第6発明に用いるポリエステル樹脂(A)においては、さらにその軟化点(sp)およびガラス転移温度(Tg)が、下記の式(1)〜(4)で表される直線で囲まれる範囲〔図1の平行四辺形の内部〕にあるものが使用される。好ましくは、下記式(1)、(2)、(3’)、および(4’)で表される範囲にあるものであり、さらに好ましくは、下記式(1’)、(2’)、(3’’)、および(4’)で表される範囲にあるものである。
式(1) sp=4Tg−110
式(2) sp=4Tg−170
式(3) sp=90
式(4) sp=130
式(1’) sp=4Tg−114
式(2’) sp=4Tg−166
式(3’) sp=93
式(3’’) sp=95
式(4’) sp=127
この場合、spが前記範囲より低い場合は定着時のオフセット現象が発生する場合があり、前記範囲より高い場合は定着エネルギーが増大し、カラートナーでは光沢性や透明性が低下する傾向にある。また、Tgが前記範囲より低い場合はトナーの凝集塊や固着を生じる場合があり、前記範囲より高い場合は熱定着時の定着強度が低下する傾向にあるので、spおよびTgが上記範囲内であるのが好ましい。spは主として樹脂の分子量で調節でき、Mnを、好ましくは2000〜20000、より好ましくは3000〜12000とするのがよい。また、Tgは主として樹脂を構成するモノマー成分を選択することによって調節でき、具体的にはポリカルボン酸成分として芳香族ポリカルボン酸を主成分とすることにより、Tgを高めることができる。
(Aa)と(Ab)の重量比は、好ましくは10/90〜80/20、さらに好ましくは20/80〜75/25、とくに好ましくは25/75〜70/30である。
(A)と共に他の樹脂を併用する場合も、本発明のトナー用ポリエステル樹脂全体として、前述の(A)の好ましい物性(分子量、Tg、THF不溶解分等)の範囲内であるのが好ましい。
本発明の非磁性トナーは、その粒子の表面に少なくとも1種の微粒子添加剤(流動化剤)を含有する。これらは、トナー粒子の粘着性、凝集性、流動性などを改良するとともに、トナーとしての摩擦帯電性や耐久性などの改善を主たる目的とするものである。具体的には、平均の一次粒子径が0.001〜5μm、特に好ましくは0.002〜3μmの表面を処理されてもよい有機および無機微粒子が挙げられ、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレートやシリコーン樹脂などを主成分とする樹脂ビーズ類、タルク、ハイドロタルサイトなどの鉱物類、酸化珪素(コロイダルシリカ等)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物などが挙げられる。
本発明の非磁性トナーは、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールとしては、前述のものが挙げられ、2種以上を併用してもよい。好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、およびネオペンチルグリコールであり、さらに好ましくはエチレングリコール、および1,2−プロピレングリコールであり、とくに好ましくは1,2−プロピレングリコールである。
多価アルコールのうち2価アルコール(ジオール)としては、前記の、炭素数7〜36の脂肪族ジオール、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数2〜6および7〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、炭素数6〜36の脂環式ジオール、脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中で、好ましくは、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物である。
ポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、および炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、さらに好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらの併用であり、とくに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、およびこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、(K1)の、THF可溶分のMpは、樹脂強度と、低温定着性のバランスの観点から、好ましくは1200〜250000である。下限はさらに好ましくは1500であり、上限はさらに好ましくは23000である。
樹脂(K1)中のTHF不溶解分は、低温定着性の点から、70%以下が好ましい。下限は、さらに好ましくは1%、とくに好ましくは3%であり、上限は、さらに好ましくは40%、とくに好ましくは30%である。
(K1a)と(K1b)の重量比は、好ましくは10/90〜80/20、さらに好ましくは20/80〜75/25、とくに好ましくは25/75〜70/30である。
また、同様の理由で、(K1b)のTHF可溶分のMnが(K1a)のMnよりも200以上大きいことが好ましく、300以上大きいことがさらに好ましい。
非線形ポリエステル樹脂(K1b)は、通常前記のジカルボン酸およびジオールと共に、前記の3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上の多価アルコールを反応させて得られる。3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上の多価アルコールとしては、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(平均付加モル数2〜30)、および炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)が好ましく、さらに好ましくは、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸である。
(K1b)を得る場合の3価以上のポリカルボン酸と3価以上の多価アルコールの比率は、これらのモル数の和が、全アルコール成分とポリカルボン酸成分のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは3〜20モル%である。
(K1b)のTHF不溶解分は、好ましくは1〜70%である。下限は、さらに好ましくは2%、とくに好ましくは5%であり、上限は、さらに好ましくは60%、とくに好ましくは50%である。上記範囲のTHF不溶解分を含有させることは、耐ホットオフセット性が向上する点で好ましい。
(K2)のMnは好ましくは500〜200万であり、さらに好ましくは1000〜100万である。(K)中の(K2)の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは0.1〜8%である。
(K)中に他の樹脂(K2)を含有する場合も、樹脂(K)全体として、前述の(K1)の好ましい物性(分子量、Tg、THF不溶解分等)の範囲内であるのが好ましい。
離型剤、荷電制御剤、および流動化剤としては、前述のものが挙げられる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、2〜20μmが好ましい。下限は、さらに好ましくは3μm、とくに好ましくは4μmであり、上限は、さらに好ましくは15μm、とくに好ましくは12μmである。
なお、体積平均粒径(D50)は、レーザー式粒度分布測定装置[例えば、商品名:LA−920(堀場製作所製)や商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用い測定できる。
アニオン界面活性剤(S−1)としては、カルボン酸またはその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤(S−2)としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤およびアミン塩型界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤(S−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤(S−4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤および多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
これら界面活性剤(S)の具体例としては、国際公開WO03/106541号公報に記載のものが挙げられる。
水系媒体(II)中の界面活性剤(S)の含有量としては、好ましくは0.01〜30%であり、さらに好ましくは0.1〜20%である。
(M)の体積平均粒径は、好ましくは20〜500nm、さらに好ましくは25〜300nmである。
また、水系媒体(II)中の微粒子(M)の含有量は、好ましくは0.01〜30%であり、さらに好ましくは0.1〜20%である。
これらの水溶性ポリマー(T)の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜10,000,000である。
水系媒体(II)中の水溶性ポリマー(T)の含有量は、好ましくは0.01〜20%であり、さらに好ましくは0.1〜10%である。
水系媒体(II)中の溶剤(U)の含有量としては、好ましくは0.01〜50%であり、さらに好ましくは0.1〜30%である。
(V1)炭素数8〜60のフタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];
(V2)炭素数6〜60の脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(V3)炭素数10〜70のトリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(V4)炭素数8〜60のリン酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(V5)炭素数8〜50の脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];
(V6)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
水系媒体(II)中の可塑剤(V)の含有量としては、好ましくは0.01〜10%であり、さらに好ましくは0.1〜8%である。
〔1〕水性分散体を減圧下または常圧下で乾燥する方法。
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルターおよび/またはフィルタープレスなどにより固液分離し、得られた固体を乾燥する方法。
〔3〕水性分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
上記〔1〕および〔2〕の方法において、乾燥機としては、流動層式乾燥機、減圧乾燥機および循風乾燥機等公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器またはふるい等を用いて分級し、所望の粒度分布とすることもできる。
樹脂(p)は、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られる特定のポリエステル樹脂(p1)、および/または該ポリエステル樹脂(p1)を構成単位として含む樹脂(p2)を含有する。(p1)と(p2)は、それぞれ2種以上を用いてもよい。
(p1)としては前述のポリエステル樹脂(K1)と同様のものが挙げられる。
なお、ポリエステル樹脂(p1)は、本第1発明のポリエステル樹脂(A1)、および/または、本第2発明のポリエステル樹脂(A2)でもあることが好ましい。
(p2)としては、(p1)と後述するポリイソシアネート(15)からなるポリウレタン樹脂、(p1)と後述するポリエポキシド(18)からなるエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂(p1)と後述するポリアミン(16)からなるポリアミド樹脂などがあげられる。
これらのうち、好ましいものはポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂であり、さらに好ましいものは、ポリウレタン樹脂である。
また、(p1)と(p2)の中では、低温溶融性や低温定着特性がより良好になることから、(p2)が好ましい。
組合せ〔1〕活性水素含有基と反応可能な官能基を有する反応性基含有プレポリマー(α1)と、活性水素含有化合物(β1)とからなる組合せ。
組合せ〔2〕活性水素含有基を有する反応性基含有プレポリマー(α2)と、活性水素含有基と反応可能な官能基を有する硬化剤(β2)という組合せ。
なお、ブロック化イソシアネート基は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。
これらのうち、オキシムが好ましく、さらに好ましくはメチルエチルケトオキシムである。
また、他のプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで好ましい比率は同様である。
反応性基含有プレポリマー(α)のMwは、1,500〜50,000が好ましく、さらに好ましくは2,000〜40,000、特に好ましくは4,000〜20,000である。
この範囲であると、溶剤の使用量が少量であっても、粒度分布のシャープな紡錘状の複合樹脂粒子を得やすい傾向がある。
これらのうち、アミノ基、水酸基及びこれらの基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基が好ましく、さらに好ましくは水酸基である。
これらのうち、ポリイソシアネート及びポリエポキシドが好ましく、さらに好ましくはポリイソシアネートである。
酸ハライドからなる基を2個以上有する化合物としては、ジカルボン酸(13)又はポリカルボン酸(14)の酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイド及び酸アイオダイド等)等が挙げられる。
樹脂粒子(P)を製造する際に(複合樹脂粒子を製造する際に)、必要により、活性水素含有基と反応可能な官能基を有する硬化剤(β2)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤を(β2)と一定の比率で併用することにより、樹脂粒子(P)を構成する樹脂(p)の分子量の調整が行いやすい。
なお、硬化剤(β)が水である場合、水は2価の活性水素含有基を有する化合物として取り扱う。
また、これらの反応温度は、0〜150℃が好ましく、さらに好ましくは50〜120℃である。
また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的には、例えばイソシアネートと活性水素化合物の反応の場合には、ジブチルチンラウレート及びジオクチルチンラウレート等が挙げられる。
(p3)としては、例えば、(p1)および(p2)以外の、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。このうち好ましいのはビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およびポリエステル樹脂の具体例としては、国際公開WO03/106541号公報に記載のものが挙げられる。
(p3)のMnは好ましくは500〜200万であり、さらに好ましくは1000〜100万である。(p)中の(p3)の含有量は、好ましくは80%以下、さらに好ましくは60%以下、とくに好ましくは5〜40%である。
例えば、本発明の複合樹脂粒子をスラッシュ成形用樹脂、粉体塗料として用いる場合、(p)のMnは、通常1,000〜50万、好ましくは1,500〜20万、さらに好ましくは2,000〜10万、特に好ましくは2,500〜1万である。(p)の融点(DSCにて測定、以下融点はDSCでの測定値)は、通常0℃〜200℃、好ましくは、35℃〜150℃、さらに好ましくは40〜120℃、特に好ましくは45〜100℃である。(p)のTgは、通常−60℃〜100℃、好ましくは−50〜90℃、さらに好ましくは−40〜80℃、特に好ましくは、−30℃〜60℃である。(p)のSP値は、通常7〜18、好ましくは8〜16、特に好ましくは9〜14である。
電子写真、静電記録、静電印刷などに使用されるトナーとして用いる場合、(p)のMnは、通常1,000〜500万、好ましくは1,500〜50万、さらに好ましくは2,000〜10万、特に好ましくは2、500〜5万である。(p)の融点は、通常20℃〜300℃、好ましくは40〜250℃、さらに好ましくは60〜220℃、特に好ましくは、80℃〜200℃である。(p)のTgは、通常20℃〜200℃、好ましくは、30〜180℃、さらに好ましくは35℃〜160℃、特に好ましくは40〜100℃である。(p)のSP値は、通常7〜16、好ましくは8〜15、特に好ましくは9〜14である。
可塑剤としては、前記可塑剤(V)等が用いられる。
離形剤としては、ワックス及び25℃の動粘度が30〜100000cStのシリコーンオイル等が使用できる。
ワックスとしては、公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
荷電制御剤としては、公知のものが全て使用でき、例えば、例えば、前記のもの、および国際公開WO03/106541号公報に記載のものが挙げられる。
粉体塗料、スラッシュ成型用樹脂およびホットメルト接着剤として用いられる場合は、通常10〜300μm、好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは50〜200μm、特に好ましくは80〜180μmであり、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナーとして用いられる場合は、通常0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜8μmである。
なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)、電気泳動式粒度分布測定装置ELS−8000(大塚電子製)、またはマルチサイザーIII(コールター社製)で測定できる。
樹脂(q)としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えばビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート及びこれらの混合物等が使用できる。これらのうち、均一微細球状の樹脂微粒子が得られやすいという観点等から、ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル及びこれらの混合物が好ましく、さらに好ましくはビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル及びこれらの混合物である。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーである。
重合には、公知の重合触媒等が使用できる。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:炭素数2〜12のアルケン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及び炭素数3〜24のα−オレフィン等);炭素数4〜12のアルカジエン(例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン等)。
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸(例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等);炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸又はその無水物(例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等);及び炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜24)エステル(例えば、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノオクタデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、イタコン酸グリコールモ等)等。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等);スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸);アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えば、プロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸);ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えば、ポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル等];ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル(例えば、一般式(1−1)又は(1−2)で表される硫酸エステル;一般式(1−3)で表されるスルホン酸;及びこれらの塩等が挙げられる。)。
尚、塩としては、「(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩」で示した対イオン等が用いられる。
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CH2=CHCH2−OCH2CHCH2O−Ar−R (1−1)
CH=CH−CH3
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R−Ar−O−(AO)nSO3H (1−2)
CH2COOR’
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HO3SCHCOOCH2CH(OH)CH2OCH2CH=CH2 (1−3)
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等)、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、これらの塩等。
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等。
(6−4)4級アンモニウムカチオンからなる基を含有するビニルモノマー:
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの。例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチルアリルアンモニウムクロライド等)。
(6−5)炭素数8〜12のニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)炭素数2〜16のハロゲン含有ビニルモノマー:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9−1)炭素数4〜16のビニルエステル:
酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、フェノキシスチレン等。
炭素数2〜16のビニルスルホン(例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等)等。
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
これらのビニルモノマーのうち、ビニル炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、ヒドロキシル基含有ビニルモノマー、含窒素ビニルモノマーが好ましく、更に好ましくは、ビニル炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、特に好ましくは芳香族ビニル系炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びそれらの塩である。
重縮合反応には、公知の重縮合触媒等が使用できる。
ポリオールとしては、ジオール(11)及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)が用いられる。
ポリカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(13)、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、これらの酸無水物及びこれらの低級アルキルエステルが用いられる。
これらのうち、脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、更に好ましくはノボラック樹脂のAO付加物である。
これらのうち、アルケンジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、更に好ましくは芳香族ジカルボン酸である。
なお、ジカルボン酸(13)又は3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物としては、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物などが挙げられる。これらの低級アルキルエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステルなどが挙げられる。
また、ポリエステル中のエステル基当量(エステル基1当量あたりの分子量)は、50〜2000が好ましく、更に好ましくは60〜1000、特に好ましくは70〜500である。
重付加反応には、公知の重付加反応触媒等が使用できる。
ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及び/又はオキサゾリドン基を含有する変性物などが用いられ、例えば、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDI及びこれらの混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との混合物]等が挙げられる。
これらのうち、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートが好ましく、更に好ましくはTDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
炭素数2〜18の脂肪族ポリアミンとしては、〔1〕脂肪族ポリアミン、〔2〕これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体、〔3〕脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミン及び〔4〕芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)等が用いられる。
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)としては、キシリレンジアミン及びテトラクロル−p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
ジチオールとしては、例えば、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
ポリチオールとしては、例えば、カプキュア3800(ジャパンエポキシレジン社製)、ポリビニルチオール等が挙げられる。
開環重合反応、重付加反応及び硬化反応には、公知の触媒等が使用できる。
ポリエポキシド(18)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、65〜1000が好ましく、さらに好ましくは70〜500、特に好ましくは90〜300である。すなわち、エポキシ当量の上限は、1000が好ましく、さらに好ましくは500、特に好ましくは300であり、同様に下限は65が好ましく、さらに好ましくは70,特に好ましくは90である。エポキシ当量が1000を超えると、架橋構造がルーズになりやすく硬化物の耐水性、耐薬品性及び機械的強度等の物性が悪くなりやすい傾向あり、一方、エポキシ当量が65未満のものは入手(合成を含む)しにくい傾向がある。
芳香族ポリエポキドとしては、多価フェノールグリシジルエーテル、多価フェノールグリシジルエステル、グリシジル芳香族ポリアミン及びアミノフェノールのグリシジル化物等が用いられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。
さらに、エポキシドとして、p−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、およびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド2〜20モル)付加物のジグリシジルエーテル体(例えば、ビスフェノールA・EO4モル付加物のジグリシジルエーテル体等)も使用できる。
脂環族ポリエポキシドとしては、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、ダイマー酸ジグリシジルエステル及び芳香族ポリエポキシドの核水添化物(例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテルの水添加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテの水添加物等が挙げられる。
脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルおよびポリグリセロールンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ポリエポキシドには、ジグリシジルエーテル及びグリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含まれる。
これらのうち、好ましいのは、脂肪族系ポリエポキシ化合物および芳香族系ポリエポキシ化合物である。本発明のポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
なお、本第8発明における、Mn及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される(THF溶媒、基準物質ポリスチレン)。以下、重量平均分子量をMwと略記する。
なお、SP値は、Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2,147〜154頁に記載の方法により算出される。
なお、融点は、DSCにより測定されるものである(昇温速度20℃/分)。
架橋構造を導入する方法は、通常の方法が適用できる。
なお、複合樹脂粒子を塗料用及びコーティング剤用添加剤、粉体塗料、スラッシュ成形用樹脂又はホットメルト接着剤として用いる場合、(q)の酸価は、基材への接着性及びレベリング性等の観点等から、0〜400であるのが好ましく、さらに好ましくは1〜300、特に好ましくは1〜200、最も好ましくは1〜100である。
また、電子写真、静電記録及び静電印刷等に用いられるトナーとして用いる場合、(q)の酸価は、帯電特性及び紙等への定着特性の観点等から、0〜400が好ましく、さらに好ましくは1〜300、特に好ましくは1〜200である。
なお、本第8発明におけるTgは、DSC(示差走査熱量測定、昇温速度20℃/分)から求められる。
添加剤(T)の含有量は、各種用途に応じて適宜添加することができるが、例えば、樹脂微粒子(Q)の重量に基づいて、0.01〜150%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜100%、特に好ましくは0.5〜80%である。
〔2〕ポリエステル、ポリウレタン及びエポキシ樹脂等の重付加樹脂あるいは縮合樹脂の場合において、樹脂(p)の前駆体(p0)[例えば、先述のジオール(11)、ポリオール(13)、ジカルボン酸(14)、ポリイソシアネート(15)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)、ポリエポキシド(18)等のモノマー、並びに該モノマーの2分子以上の反応物(同種のモノマーの反応物であっても、2種またはそれ以上の種類のモノマーの反応物であってもよい)であってMnが1000以下であるオリゴマー)が挙げられる]又は前駆体(p0)の溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤(前駆体と反応し得る官能基を分子中に少なくとも2個有する化合物)を加えたりして硬化させて樹脂微粒子(Q)の水性分散体を製造する方法。
〔4〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等のいずれの重合反応様式であってもよい。)により作成した樹脂(q)を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子(Q)を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔6〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び、縮合重合等のいずれの重合反応様式であってもよい)により作成した樹脂(q)の溶液に貧溶剤[樹脂(q)を25℃で1%以上溶解しない溶剤]を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂(q)の溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子(Q)を得た後、この樹脂微粒子(Q)を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔8〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等のいずれの重合反応様式であってもよい)により作成した樹脂(q)の溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化し、これを加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法。
上記〔1〕〜〔8〕のうち、〔1〕〜〔3〕、〔7〕及び〔8〕が好ましく、さらに好ましくは〔1〕〜〔3〕及び〔7〕、特に好ましくは〔2〕、〔3〕及び〔7〕である。
界面活性剤(S)を使用する場合、その使用量は、(p)及び(p0)の重量に基づいて、0.1〜20%が好ましく、さらに好ましくは1〜15%、特に好ましくは2〜10%である。
水溶性ポリマー(T)を使用する場合、その使用量は、(p)及び(p0)の重量に基づいて、 0.01〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15%、特に好ましくは0.2〜10%である。
溶剤(U)を使用する場合、その使用量は、(p)及び(p0)の重量に基づいて、0.1〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15%、特に好ましくは1〜10%である。
可塑剤(V)を使用する場合、その使用量は、(p)及び(p0)の重量に基づいて、0.01〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜8%、特に好ましくは1.0〜5%である。
溶剤(U)及び/又は可塑剤(V)は、乳化分散の際に必要に応じて水中に加えても、樹脂(p)中に加えてもよい。
水溶性ポリマー(T)のうち、セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及びアクリル酸(塩)含有ポリマーが好ましい。
溶剤(U)のうち、脱溶剤する際の除去容易性の観点等から、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン溶剤、エステル又はエステルエーテル溶剤、ケトン溶剤、アルコール溶剤が好ましく、さらに好ましくはエステル又はエステルエーテル溶剤、ケトン溶剤及びアルコール溶剤である。
(Q)の体積平均粒径は、一般的には、0.0005〜30μmが好ましい。上限は、さらに好ましくは20μm、特に好ましくは10μmであり、下限は、さらに好ましくは0.01μm、特に好ましくは0.02μm、最も好ましくは0.04μmである。ただし、例えば、体積平均粒径1μmの複合樹脂粒子を得たい場合には、好ましくは0.0005〜0.3μm、特に好ましくは0.001〜0.2μmの範囲、10μmの(C)を得た場合には、好ましくは0.005〜3μm、特に好ましくは0.05〜2μm、100μmの複合樹脂粒子を得たい場合には、好ましくは0.05〜30μm、特に好ましくは0.1〜20μmである。なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)、電気泳動式粒度分布測定装置ELS−8000(大塚電子製)、およびコールターカウンター〔例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)〕で測定できる。
あるいは、樹脂(q)からなる樹脂微粒子(Q)の水性分散液中に、樹脂(p)の前駆体(p0)またはその有機溶剤溶液を分散させて、さらに、(p0)を反応させて、樹脂微粒子(Q)の水性分散液中で、樹脂(p)からなる樹脂粒子(P)を形成させることにより、(P)の表面に(Q)が付着してなる構造の樹脂粒子の水性樹脂分散体を得る。また、これら2つの方法を併用〔例えば、(p)と(p0)の溶剤溶液を用いる〕してもよい。
これらのうち、粒径の均一化の観点で、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーが好ましく、さらに好ましくは、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサー、特に好ましくはTKオートホモミキサー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーである。
従って、樹脂(q)、樹脂(p)及び前駆体(p0)の重量比は、上記範囲となるように使用することが好ましい。
溶剤としては、例えば、上記の溶剤(U)のうち、エステル又はエステルエーテル溶剤、エーテル溶剤、ケトン溶剤、アルコール溶剤、アミド溶剤、スルホキシド溶剤、複素環式化合物溶剤及びこれらの2種以上の混合溶剤等が挙げられる。
溶剤を含有する場合、溶剤の含有量は、水性媒体の重量に基づいて、1〜80%が好ましく、さらに好ましくは2〜70%、特に好ましくは5〜30%である。
界面活性剤(S)を使用する場合、その含有量は、水性媒体の重量に基づいて、0.1〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10%、特に好ましくは1.0〜8%である。
水溶性ポリマー(T)を使用する場合、その含有量は、水性媒体の重量に基づいて、0.01〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜7%、特に好ましくは0.1〜5%である。
樹脂(p)、(p)の前駆体(p0)及びこれらの溶液の粘度は、粒径均一性の観点から、10〜5万mPa・sが好ましく、さらに好ましくは100〜3万mPa・s、特に好ましくは200〜2万mPa・sである。すなわち、粘度の上限は5万mPa・sが好ましく、さらに好ましくは3万mPa・s、特に好ましくは2万mPa・sであり、同様に下限は10mPa・sが好ましく、さらに好ましくは100mPa・s、特に好ましくは200mPa・sである。
なお、粘度は、ローター式粘度計(例えば、BL型粘度計、BM型粘度計、BH型粘度計、東京計器社製)で、25℃、30回転で測定するものである。
樹脂(p)の溶液及び前駆体(p0)の溶液に用いる溶剤は、樹脂(p)を常温若しくは加熱下で溶解しうる溶剤であれば特に限定されず、例えば、溶剤(U)と同様のもの等が使用できる。これらのうち、樹脂(p)及び前駆体(p0)の種類等によって異なるが、(p)又は(p0)とのSP値の差が3以下である溶剤が好ましく、さらに好ましくは、複合樹脂粒子の粒径均一性の観点から、樹脂(p)を溶解させるが、樹脂(Q)からなる樹脂微粒子(Q)を溶解・膨潤させにくい溶剤である。
〔1〕水性分散体を減圧下又は常圧下で乾燥する方法。
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレスなどにより固液分離し、得られた固体を乾燥する方法。
〔3〕水性分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
また、必要に応じ、風力分級器又はふるい等を用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
〔1〕樹脂微粒子(Q)と樹脂粒子(P)とが正負逆の電荷を持つようにすると樹脂粒子(P)の埋没する深さが大きくなる。この場合、樹脂微粒子(Q)、樹脂粒子(P)各々の電荷を大きくする程、その傾向が大きくなる。
〔2〕樹脂微粒子(Q)と樹脂粒子(P)とが同極性(どちらも正、またはどちらも負)の電荷を持つようにすると、樹脂微粒子(Q)(TQ/TR)は小さくなり、深さが小さくなる傾向にある。この場合、一般に界面活性剤(S)及び/又は水溶性ポリマー(T)[特に樹脂微粒子(Q)及び樹脂粒子(P)と逆電荷を有するもの]を使用すると(TQ/TR)が大きくなる。また、水溶性ポリマー(T)を使用する場合には、水溶性ポリマー(T)の分子量が大きいほど深さが小さくなる。
〔4〕樹脂(p)が1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩からなる基等の塩基性官能基を有する樹脂(一般に塩基性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが高いほど(TQ/TR)、深さが大きくなる。逆に、pHを低くするほど(TQ/TR)、深さが小さくなる。
〔5〕:樹脂(p)と樹脂(q)のSP値差を小さくするほど、(TQ/TR)、深さが大きくなる。
なお、BET比表面積は、比表面積計(例えば、商品名:QUANTASORB、ユアサアイオニクス社製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)することができる。
なお、(Ra)は、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値を意味し、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(例えば、東陽テクニカ製)で測定することができる。
1.水酸基価
JIS K1557(1970年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL30R150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
2.酸価
JIS K0070(1992年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、水酸基価と同様の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
3.軟化点(以下Tmとも記載する。)
前述の本第2発明の軟化点測定法による。
[実施例1〜4、比較例1〜4]
実施例1
[線形ポリエステルの合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)639部(24.5モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物180部(1.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル653部(9.8モル)、アジピン酸10部(0.2モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が90℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは263部(10.1モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−1)とする。
線形ポリエステル(Aa−1)のMnは1500、Mpは2500、分子量500以下の成分の量は3.0%、THF不溶解分は0%、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギー(以下Enと記載する)は82kJ、150℃における貯蔵弾性率(以下G’と記載する)は300、Tmは90℃、130℃〜200℃における損失正接(以下tanδと記載する)は5〜11であった(ただし、150℃を越える温度領域は、低弾性すぎて測定不能であったため、130〜150℃の範囲の値を記載する。以下の各線形ポリエステルについても特に記載の無いものは同様。)。
なお、( )内のモル数は、各原料の相対的なモル比を示すために記載したものである〔以下の各例も同様〕。
[非線形ポリエステルの合成]
上記と同様の反応槽中に、プロピレングリコール614部(23.8モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物156部(1.4モル)、テレフタル酸ジメチルエステル627部(9.5モル)、アジピン酸25部(0.5モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは288部(11.2モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸98部(1.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−1)とする。
非線形ポリエステル(Ab−1)のMnは4000、Mpは8000、分子量500以下の成分の量は1.3%、THF不溶解分は30%、Enは82kJ、G’は3.6×105、Tmは180℃、tanδは1.2〜2.0であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−1)600部と非線形ポリエステル(Ab−1)400部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(1)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(1)のTgは64℃、Mnは2200、Mpは3200、分子量500以下の成分の量は2.3%、THF不溶解分は13%であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール720部(23.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル735部(9.5モル)、アジピン酸29部(0.5モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)と同様にして反応させ、軟化点が94℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは235部(7.8モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−2)とする。
線形ポリエステル(Aa−2)のMnは2700、Mpは5800、分子量500以下の成分の量は2.0%、THF不溶解分は0%、Enは73kJ、G’は300、Tmは90℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール663部(22.5モル)、テレフタル酸ジメチルエステル677部(9.0モル)、アジピン酸57部(1.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、実施例1の非線形ポリエステル(Ab−1)と同様に反応させた。回収されたプロピレングリコールは251部(8.5モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸112部(1.5モル)を加え、(Ab−1)と同様に反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−2)とする。
非線形ポリエステル(Ab−2)のMnは3900、Mpは8000、分子量500以下の成分の量は1.3%、THF不溶解分は29%、Enは73kJ、G’は3.6×105、Tmは180℃、tanδは1.2〜2.1であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−2)600部と非線形ポリエステル(Ab−2)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(2)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(2)のTgは64℃、Mnは3200、Mpは6700、分子量500以下の成分の量は1.6%、THF不溶解分は13%であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール701部(18.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル716部(7.5モル)、アジピン酸180部(2.5モル)、およびしてテトラブトキシチタネート3部を入れ、実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)と同様にして反応させ、軟化点が150℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは316部(8.5モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−3)とする。
線形ポリエステル(Aa−3)のMnは8000、Mpは20000、分子量500以下の成分の量は1.6%、THF不溶解分は0%、Enは73kJ、G’は1.6×106、Tmは150℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール557部(17.5モル)、テレフタル酸ジメチルエステル569部(7.0モル)、アジピン酸184部(3.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、実施例1の非線形ポリエステル(Ab−1)と同様に反応させた。回収されたプロピレングリコールは175部(5.5モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸121部(1.5モル)を加え、(Ab−1)と同様に反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−3)とする。
非線形ポリエステル(Ab−3)のMnは8500、Mpは23000、分子量500以下の成分の量は0.9%、THF不溶解分は30%、Enは73kJ、G’は3.6×105、Tmは180℃、tanδは1.2〜1.9であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Ab−3)600部と非線形ポリエステル(Ab−3)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(3)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(3)のTgは62℃、Mnは8100、Mpは22000、分子量500以下の成分の量は1.3%、THF不溶解分は13%であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール540部(25.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物372部(4.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル551部(10.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が94℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは281部(13.0モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−4)とする。
線形ポリエステル(Aa−4)のMnは2700、Mpは5800、分子量500以下の成分の量は2.5%、THF不溶解分は0%、Enは96kJ、G’は300、Tmは94℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール531部(24.3モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物330部(3.5モル)、テレフタル酸ジメチルエステル542部(9.7モル)、アジピン酸13部(0.3モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは301部(13.8モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸83部(1.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−4)とする。
非線形ポリエステル(Ab−4)のMnは4000、Mpは8000、分子量500以下の成分の量は1.3%、THF不溶解分は31%、Enは96kJ、G’は3.6×105、Tmは180℃、tanδは1.1〜1.4であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−4)600部と非線形ポリエステル(Ab−4)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(4)を得た。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂(4)のTgは63℃、Mnは3200、Mpは6700、分子量500以下の成分の量は1.9%、THF不溶解分は14%であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物466部(9.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物341部(7.0モル)、テレフタル酸247部(10.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74部(2.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−5)とする。
線形ポリエステル(Aa’−5)のMnは1500、Mpは2500、分子量500以下の成分の量は4.2%、THF不溶解分は0%、Enは166kJ、G’は300、Tmは90℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物679部(10.8モル)、フェノールノボラックのEO付加物47部(0.37モル)、テレフタル酸260部(10.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸87部(2.9モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−5)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−5)のMnは4200、Mpは7400、分子量500以下の成分の量は3.2%、THF不溶解分は42%、Enは184kJ、G’は5.0×105、Tmは94℃、tanδは0.3〜0.7であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−5)600部と非線形ポリエステル(Ab’−5)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(1)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(1)のTgは64℃、Mnは2600、Mpは4500、分子量500以下の成分の量は3.8%、THF不溶解分は16%であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物404部(7.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物380部(7.0モル)、テレフタル酸276部(10.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74部(2.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−6)とする。
線形ポリエステル(Aa’−6)のMnは1900、Mpは4200、分子量500以下の成分の量は4.0%,THF不溶解分は0%、Enは90kJ、G’は300、Tmは90℃、tanδは5〜11であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−6)600部と非線形ポリエステル(Ab’−5)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(2)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(2)のTgは64℃、Mnは2800、Mpは5500、分子量500以下の成分の量は3.7%、THF不溶解分は17%であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール692部(25.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル707部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させ取り出した。回収されたプロピレングリコールは166部(6.0モル)であった。その後室温まで冷却したが樹脂化せず、ペースト状であった。これを線形ポリエステル(Aa’−7)とする。
線形ポリエステル(Aa’−7)のMnは800、Mpは1200、THF不溶解分は0%であった。(Aa’−7)は樹脂化しなかったため、トナー作成に供さなかった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物722部(10.3モル)、テレフタル酸356部(10.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸25部(0.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−8)とする。
線形ポリエステル(Aa’−8)のMnは7000、Mpは19000、分子量500以下の成分の量は3.3%、THF不溶解分は0%、Enは164kJ、G’は1.0×105、Tmは140℃、130〜200℃におけるtanδは0.8〜4であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物693部(10.8モル)、フェノールノボラックのEO付加物48部(0.37モル)、テレフタル酸239部(9.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸89部(2.9モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−8)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−8)のMnは8800、Mpは22000、分子量500以下の成分の量は3.3%、THF不溶解分は42%、Enは184kJ、G’は5.0×105、Tmは180℃、tanδは0.3〜0.7であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−8)600部と非線形ポリエステル(Ab’−8)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(4)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(4)のTgは63℃、Mnは8000、Mpは21000、分子量500以下の成分の量は3.3%、THF不溶解分は16%であった。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂(1)〜(4)および比較のトナー用ポリエステル樹脂(1)〜(2)、(4)それぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(1)〜(4)、および比較トナー(1)〜(2)、(4)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕光沢発現温度(Gross)
上記MFTと同様にして、現像した未定着画像を、市販カラープリンター(LBP2160;キヤノン製)の定着装置を用いて定着評価した。定着画像の60゜光沢が10%以上となる定着ロール温度をもって光沢発現温度とした。
〔4〕トナー流動性
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーの静かさ密度を測定し、トナー流動性を下記基準で判定した。△以上が実用範囲である。
静かさ密度(g/100ml)36以上 : トナー流動性 ○
33〜36未満 : ○△
30〜33未満 : △
27〜30未満 : △×
27未満 : ×
〔5〕粉砕性
二軸混練機で混練、冷却したトナー粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
粉砕時間:10分
これを分級せずに、体積平均粒径をコールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定し、粉砕性のテストとした。本測定法では、体積平均粒径が12μm以下であると、粉砕性が良好であると言える。
実施例11
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール817部(22.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル831部(9.0モル)、アジピン酸70部(1.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。軟化点が85℃になった時点で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸37部(0.4モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が160℃になった時点で取り出した。これにより回収されたプロピレングリコールは450部(12モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−1)とする。
非線形ポリエステル(Ab−11)のTgは60℃、Mnは5800、ピークトップ分子量は10000、THF不溶解分は3%、Enは73kJ、G’は1.6×105、Tmは160℃、tanδは1.2〜2.5であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、1,2−プロピレングリコール782部(22.7モル)、テレフタル酸ジメチルエステル834部(9.5モル)、アジピン酸33部(0.5モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が95℃になった時点で冷却した。これにより回収されたプロピレングリコールは380部(11モル)であった。180℃になった時点で、無水トリメリット酸17部を仕込み、180℃で1.5時間保持した後取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−11)とする。
線形ポリエステル(Aa−11)のTgは60℃、Mnは2800、ピークトップ分子量は5800、Enは73kJ、G’は140、Tmは100℃、tanδは4〜20であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の合成]
非線形ポリエステル(Ab−11)400部と線形ポリエステル(Aa−11)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(11)を得た。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール391部(22.3モル)、テレフタル酸ジメチルエステル358部(8.0モル)、アジピン酸67部(2.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させた。次いで、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物561部(7モル)、フェノールノボラック樹脂(核体数5.6)エチレンオキシド付加物56部(0.3モル)を仕込み、230℃、常圧で4時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が90℃になった時点で冷却した。180℃になった時点で、無水トリメリット酸20部(0.45モル)を仕込み、180℃で1.5時間保持した後、220℃に昇温した。適宜、5〜20mmHgで減圧して反応を行い、軟化点が135℃になった時点で取り出した。これにより回収されたプロピレングリコールは314部(17.5モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−12)とする。
非線形ポリエステル(Ab−12)のTgは60℃、Mnは4200、ピークトップ分子量は7800、THF不溶解分は3%、Enは97kJ、G’は1.36×104、Tmは135℃、tanδは1.2〜1.9であった。
[トナー用ポリエステル樹脂]
この合成により得られた非線形ポリエステル(Ab−12)をトナー用ポリエステル樹脂(12)とした。
[非線形ポリエステルの合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物552部(2.5モル)、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物184部(8モル)、テレフタル酸287部(8.2モル)、ジブチルスズオキサイド3部を入れ、窒素気流下230℃で脱水エステル化を行った。留出水が出なくなった時点で減圧とし、酸価が1.0となるまでエステル化を進めた。その後、温度を220℃とし、無水トリメリット酸49部(1.2モル)を入れ、1時間保持した。その後、適宜5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が115℃となった時点で反応槽から取り出し、非線形ポリエステル(Ab’−13)を得た。ポリエステル(Ab’−13)のTgは60℃、Mnは3200、ピークトップ分子量は5800、THF不溶解分は0%、Enは165kJ、G’は5.8×103、Tmは115℃、tanδは1.1〜5.2であった。
[トナー用ポリエステル樹脂]
この合成により得られた非線形ポリエステル(Ab’−13)を比較のトナー用ポリエステル樹脂(11)とした。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中にビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物138部(2.2モル)、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物616部(8.5モル)、テレフタル酸224部(7.5モル)、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が1になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸87部(2.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧、適宜5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が185℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−14)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−14)のMnは6000、Mpは10000、Enは183kJ、G’は5.0×105、Tmは185℃、tanδは0.1〜0.4であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物552部(10.0モル)、ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物208部(4.0モル)、テレフタル酸263部(10.0モル)、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで、酸価が1.5になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸34部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−14)とする。
線形ポリエステル(Aa’−14)のMnは2800、Mpは5200、Enは166kJ、G’は1.4×102、Tmは100℃、tanδは3〜15であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
非線形ポリエステル(Ab’−14)400部と線形ポリエステル(Aa’−14)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(12)を得た。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中にビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物137部(2.2モル)、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物612部(8.5モル)、テレフタル酸267部(9.0モル)、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が1になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸52部(1.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧、適宜5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が160℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−15)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−15)のMnは11000、Mpは240000、Enは183kJ、G’は2.4×105、Tmは160℃、tanδは0.5〜0.9であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
非線形ポリエステル(Ab’−15)400部と線形ポリエステル(Aa’−14)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(13)を得た。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂(11)〜(12)および比較のトナー用ポリエステル樹脂(11)〜(13)それぞれ100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(11)〜(12)、および比較トナー(11)〜(13)を得た。
前記評価方法で評価した評価結果を表2に示す。
実施例21
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール127部、テレフタル酸ジメチルエステル454部、アジピン酸38部、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物452部、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO付加体2.3部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却した。180℃に到達した時点で無水トリメリット酸17部を加え、1時間撹拌し反応させた後、取り出した。取り出したポリエステル樹脂〔21〕のMnは3600、Mpは8000、Tgは60℃、Enは114kJ、G’は140、Tmは102℃、tanδは6〜11であった。
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール347部、テレフタル酸ジメチルエステル317部、アジピン酸60部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いでビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物596部、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO付加体2.3部を加え、230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは295部であった。180℃に到達した時点で無水トリメリット酸17部を加え、1時間撹拌し反応後、取り出した。取り出したポリエステル樹脂〔22〕のMnは3700、Mpは7900、Tgは60℃、Enは140kJ、G’は150、Tmは102℃、tanδは5〜11であった。
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール380部、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO付加体46部、テレフタル酸ジメチルエステル351部、アジピン酸28部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が141℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは190部であった。取り出したポリエステル樹脂〔23〕のMnは3700、Mpは11000、Tgは65℃、Enは73kJ、G’は8.7×103、Tmは142℃、tanδは1.6〜1.8であった。
実施例1と同様の反応槽中に、テレフタル酸エチレングリコールジエステル453部、アジピン酸36部、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物596部、無水トリメリト酸0.9部を加え、230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、エチレングリコール、水を留去しながら7時間反応させ、さらに1〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却した。回収されたエチレングリコールは239部であった。180℃に到達した時点で無水トリメリット酸17部を加え、1時間撹拌し反応後、取り出した。取り出した比較のポリエステル樹脂〔21’〕のMnは4200、Mpは8100、Tgは58℃、Enは167kJ、G’は140、Tmは101℃、tanδは4〜11であった。
本発明のポリエステル樹脂〔21〕〜〔23〕および比較のポリエステル樹脂〔21’〕それぞれ100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(21)〜(23)および比較のトナー(21)を得た。
[製造例31〜33、比較製造例31〜32]
製造例31(ポリエステル樹脂)
[線形ポリエステルの合成]
実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)を合成し、線形ポリエステル(Aa−31)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1の非線形ポリエステル(Ab−1)を合成し、非線形ポリエステル(Ab−31)とする。
[線形ポリエステルの合成]
実施例2の線形ポリエステル(Aa−2)を合成し、線形ポリエステル(Aa−32)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例2の非線形ポリエステル(Ab−2)を合成し、非線形ポリエステル(Ab−32)とする。
温度計および撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン600部、熱減成型低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製 ビスコール440P:軟化点 153℃)480部、熱減成型低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックスLEL−400:軟化点128℃)120部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン1992部、アクリロニトリル168部、マレイン酸モノブチル240部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78部およびキシレン455部の混合溶液を175℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、ワックス変成体からなるトナー用添加剤(B−1)を得た。
(B−1)のMnは2950、重量平均分子量は10900であり、また酸価は20.9mgKOH/gであった。
[線形ポリエステルの合成]
比較例2の線形ポリエステル(Aa’−6)を合成し、比較の線形ポリエステル(Aa’−31)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
比較例1の非線形ポリエステル(Ab’−5)を合成し、比較の非線形ポリエステル(Ab’−31)とする。
温度計および撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン1200部を入れ窒素置換後、スチレン1992部、アクリロニトリル168部、マレイン酸モノブチル240部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78部およびキシレン455部の混合溶液を175℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、比較のトナー用添加剤(B’−1)を得た。
(B’−1)のMnは2900、重量平均分子量は9800であり、また酸価は25.8であった。
実施例31
[トナー用ポリエステル樹脂組成物の作成]
線形ポリエステル(Aa−31)580部と非線形ポリエステル(Ab−31)400部とトナー用添加剤(B−1)20部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂組成物(31)を得た。
トナー用樹脂組成物(31)のTgは64℃、Mnは2200、Mpは3200、THF不溶解分は13%であった。
[トナー用ポリエステル樹脂組成物の作成]
線形ポリエステル(Aa−32)580部と非線形ポリエステル(Ab−32)400部とトナー用添加剤(B−1)20部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂組成物(32)を得た。
トナー用樹脂組成物(32)のTgは64℃、Mnは3200、Mpは6700、THF不溶解分は13%であった。
[トナー用ポリエステル樹脂組成物の作成]
線形ポリエステル(Aa’−31)580部と非線形ポリエステル(Ab’−31)400部とトナー用添加剤(B−1)20部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用樹脂組成物(31)を得た。
比較のトナー用樹脂組成物(31)のTgは64℃、Mnは3200、Mpは6700、THF不溶解分は13%であった。
[トナー用ポリエステル樹脂組成物の作成]
線形ポリエステル(Aa−32)580部と非線形ポリエステル(Ab−32)400部と比較のトナー用添加剤(B’−1)20部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用樹脂組成物(32)を得た。
比較のトナー用樹脂組成物(32)のTgは64℃、Mnは3200、Mpは6700、THF不溶解分は13%であった。
本発明のトナー用樹脂組成物(31)〜(32)および比較のトナー用樹脂組成部(31)〜(32)それぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(31)〜(32)、および比較トナー(31)〜(32)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表4に示す。
〔1〕最低定着温度(MFT)
前記方法による。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
前記方法による。
〔3〕トナー流動性
前記方法による。
〔4〕画像安定性
市販のプリンタ(LP−1300)を用いて、作成したトナーを充填し、ベタ画像を連続印刷した。5000枚目の画像を目視にて下記基準で判定した。
ムラがなく白スジもない : ○
やや白スジはあるがムラがない : △
白スジがある、ムラがある : ×
[製造例41〜43、比較製造例41〜44]
製造例41
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール792部(22.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル868部(9.8モル)、アジピン酸13部(0.2モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が80℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは410部(11.8モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−41)とする。
線形ポリエステル(Aa−41)のTgは56℃、Mnは2200、Mpは4000、THF不溶解分は0%、Enは73kJ、G’は2.0×102、Tmは82℃、tanδは4〜12であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール810部(22.4モル)、テレフタル酸ジメチルエステル774部(8.4モル)、アジピン酸111部(1.6モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは427部(11.8モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸18部(0.2モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が125℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−41)とする。
非線形ポリエステル(Ab−41)のTgは55℃、Mnは7000、Mpは16000、THF不溶解分は3%、Enは73kJ、G’は6.8×102、Tmは125℃、tanδは2.8〜4であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−41)600部と非線形ポリエステル(Ab−41)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A−41)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A−41)のTgは55℃、Spは98℃、Mnは4500、Mpは5000、THF不溶解分は2%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール803部(22.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル816部(9.0モル)、アジピン酸68部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が93℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは427部(12.0モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−42)とする。
線形ポリエステル(Aa−42)のTgは55℃、Mnは3000、Mpは5800、THF不溶解分は0%、Enは73kJ、G’は2.2×102、Tmは95℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール780部(22.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル793部(9.0モル)、アジピン酸66部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは397部(11.5モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸44部(0.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が145℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−42)とする。
非線形ポリエステル(Ab−42)のTgは66℃、Mnは6800、Mpは10500、THF不溶解分は2%、Enは73kJ、G’は2.0×103、Tmは145℃、tanδは1.5〜1.9であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−42)600部と非線形ポリエステル(Ab−42)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A−42)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A−42)のTgは60℃、Spは110℃、Mnは5000、Mpは6500、THF不溶解分は1%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール634部(22.7モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物256部(2.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル658部(9.2モル)、アジピン酸43部(0.8モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が93℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.4モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは390部(13.9モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−43)とする。
線形ポリエステル(Aa−43)のTgは65℃、Mnは3300、Mpは6200、THF不溶解分は0%、Enは90kJ、G’は2.2×102、Tmは95℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール582部(22.7モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物326部(2.4モル)、テレフタル酸ジメチルエステル603部(9.2モル)、アジピン酸39部(0.8モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは360部(14.0モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸23部(0.4モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が160℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−43)とする。
非線形ポリエステル(Ab−43)のTgは65℃、Mnは7000、Mpは13200、THF不溶解分は3%、Enは97kJ、G’は9.5×103、Tmは160℃、tanδは1.2〜2.2であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−43)600部と非線形ポリエステル(Ab−43)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A−43)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A−43)のTgは65℃、Spは125℃、Mnは5100、Mpは6500、THF不溶解分は2%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物642部(11.9モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物131部(2.1モル)、テレフタル酸257部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.9モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−41)とする。
線形ポリエステル(Aa’−41)のTgは55℃、Mnは2000、Mpは4000、THF不溶解分は0%、Enは170kJ、G’は2.0×102、Tmは82℃、tanδは4〜12であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物777部(12.5モル)、テレフタル酸171部(6.7モル)、無水トリメリット酸59部(2.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、フマル酸60部(3.3モル)を加え、常圧で4時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が115℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−41)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−41)のTgは56℃、Mnは6500、Mpは9500、THF不溶解分は5%、Enは184kJ、G’は6.8×102、Tmは125℃、tanδは0.7〜1.1であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−41)600部と非線形ポリエステル(Ab’−41)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−41)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−41)のTgは56℃、Spは96℃、Mnは4000、Mpは5000、THF不溶解分は3%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物490部(8.4モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物266部(4.0モル)、テレフタル酸278部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.8モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−42)とする。
線形ポリエステル(Aa’−42)のTgは65℃、Mnは3000、Mpは5900、THF不溶解分は0%、Enは172kJ、G’は2.3×102、Tmは95℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物210部(4.2モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物567部(9.8モル)、テレフタル酸159部(6.7モル)、フマル酸56部(3.3モル))および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74部(2.7モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が160℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−42)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−42)のTgは67℃、Mnは4000、Mpは7500、THF不溶解分は45%、Enは179kJ、G’は1.2×104、Tmは160℃、tanδは0.5〜0.8であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−42)600部と非線形ポリエステル(Ab’−42)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−42)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−42)のTgは66℃、Spは125℃、Mnは3500、Mpは6000、THF不溶解分は23%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール385部(22.6モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物156部(2.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物451部(5.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル391部(9.0モル)、アジピン酸33部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が93℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは304部(17.9モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−43)とする。
線形ポリエステル(Aa’−43)のTgは52℃、Mnは2900、Mpは5800、THF不溶解分は0%、Enは136kJ、G’は2.3×102、Tmは95℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール132部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物653部(7.5モル)、テレフタル酸ジメチルエステル140部(3.3モル)、無水トリメリット酸83部(2.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは61部(3.7モル)であった。次いで180℃まで冷却し、フマル酸167部(6.7モル)を加え、常圧で4時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が130℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−43)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−43)のTgは52℃、Mnは6500、Mpは10000、THF不溶解分は5%、Enは143kJ、G’は1.8×103、Tmは130℃、tanδは0.7〜1.1であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−43)600部と非線形ポリエステル(Ab’−43)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A’−43)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A’−43)のTgは52℃、Spは108℃、Mnは4500、Mpは6500、THF不溶解分は3%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲外であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール329部(22.9モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物395部(6.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物304部(4.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル363部(9.9モル)、アジピン酸3部(0.1モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が95℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.7モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは299部(20.8モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−44)とする。
線形ポリエステル(Aa’−44)のTgは77℃、Mnは3000、Mpは6000、THF不溶解分は0%、Enは156kJ、G’は2.4×102、Tmは97℃、tanδは2〜8であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール330部(22.6モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物656部(9.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル373部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは297部(20.3モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸74部(2.0モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、230℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が132℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−44)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−44)のTgは77℃、Mnは6600、Mpは9800、THF不溶解分は5%、Enは149kJ、G’は1.9×103、Tmは132℃、tanδは0.7〜1.1であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−44)600部と非線形ポリエステル(Ab’−44)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A’−44)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A’−44)のTgは77℃、Spは110℃、Mnは4200、Mpは6600、THF不溶解分は3%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲外であった。
トナー用ポリエステル樹脂(A−41)〜(A−43)および比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−41)〜(A’−44)100部に対して、イエロー顔料[クラリアント(株)製 toner yellow HG VP2155]4部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(41)〜(43)、および比較トナー(41)〜(44)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表5に示す。
〔1〕最低定着温度(MFT)
前記方法による。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
前記方法による。
〔3〕色調
上記MFTと同様にして、定着ロール温度170℃でOHPフィルム上に定着し、オーバーヘッドプロジェクターにて定着画像を透写し、その色調を目視判定した。
判定基準 ○:鮮やかな淡黄色
△:鮮やかな黄色
×:わずかにくすんだ黄色
〔4〕粉砕性
前記方法による。
[製造例51〜53]
製造例51(水系媒体の調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水753部、アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸ブチル77部、過硫酸アンモニウム1部、界面活性剤(モノオレイン酸ポリオキシソルビタン)9部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩の共重合体)の水系分散体を得た。
さらに上記水系分散体15部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して水系媒体を得た。本水系媒体のLA−920で測定した体積平均粒径は、0.05μmであった。
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;アビシア株式会社製)4部、および酢酸エチル76部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液]を得た。[着色剤分散液]のLA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
ビーカー内にパラフィンワックス20部と酢酸エチル80部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによってパラフィンワックスを微分散して、[離型剤分散液]を得た。[離型剤分散液]をLA−920で測定した体積平均粒径は0.5μmであった。
実施例51
[線形ポリエステルの合成]
実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)を合成し、線形ポリエステル(K1a−51)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1の非線形ポリエステル(Ab−1)を合成し、非線形ポリエステル(K1b−51)とする。
[油性混合液の作成]
線形ポリエステル(K1a−51)24部、非線形ポリエステル(K1b−51)16部、製造例52で調製した[着色剤分散液]10部、製造例53で調製した[離型剤分散液]25部、酢酸エチル25部を混合し、撹拌均一化して油性混合液(I−1)を得た。
[樹脂粒子の作成]
製造例51で調製した[水系媒体]60部に油性混合液(I−1)40部を加え、TK式ホモミキサーを用い、12000rpmで3分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌羽根と温度計付きのコルベンに移し、40℃の温浴で加温しながら、減圧下で酢酸エチルを留去して、樹脂粒子の水性分散液を得た。次いで濾別し、40℃の循風乾燥機で18時間乾燥して樹脂粒子(51)を得た。
[線形ポリエステルの合成]
実施例2の線形ポリエステル(Aa−2)を合成し、線形ポリエステル(K1a−52)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例2の非線形ポリエステル(Ab−2)を合成し、非線形ポリエステル(K1b−52)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a−52)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b−52)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−2)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−2)を用いる以外は、実施例51と同様にして樹脂粒子(52)を得た。
[線形ポリエステルの合成]
実施例3の線形ポリエステル(Aa−3)を合成し、線形ポリエステル(K1a−53)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例3の非線形ポリエステル(Ab−3)を合成し、非線形ポリエステル(K1b−53)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a−53)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b−53)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−3)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−3)を用いる以外は、実施例51と同様にして樹脂粒子(53)を得た。
[線形ポリエステルの合成]
実施例4の線形ポリエステル(Aa−4)を合成し、線形ポリエステル(K1a−54)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例4の非線形ポリエステル(Ab−4)を合成し、非線形ポリエステル(K1b−54)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a−54)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b−54)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−4)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−4)を用いる以外は、実施例51と同様にして樹脂粒子(54)を得た。
[スチレン−アクリル樹脂の合成]
1Lのオートクレーブにキシレン150部を窒素で置換した後、投入して、撹拌下密閉状態で150℃まで昇温した。スチレン425部、n−ブチルアクリレート75部とジ−t−ブチルパーオキサイド5部とキシレン95部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を150℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し、重合させた。その後、同温度で1時間保ち、重合を完結させた。得られた重合体溶液を180℃で減圧乾燥させた後、室温まで冷却し、粉砕して重合体(G1)を得た。スチレン−アクリル樹脂(G1)のMnは7500、Mpは14000であった。
[油性混合液の作成]
線形ポリエステル(K1a−51)20部、非線形ポリエステル(K1b−51)17部、スチレン−アクリル樹脂(G1)3部、製造例52で調製した[着色剤分散液]10部、製造例53で調製した[離型剤分散液]25部、酢酸エチル25部を混合し、撹拌均一化して油性混合液(I−5)を得た。
[樹脂粒子の作成]
製造例51で調製した[水系媒体]60部に油性混合液(I−5)40部を加え、TK式ホモミキサーを用い、12000rpmで3分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌羽根と温度計付きのコルベンに移し、40℃の温浴で加温しながら、減圧下で酢酸エチルを留去して、樹脂粒子の水系分散液を得た。次いで濾別し、40℃の循風乾燥機で18時間乾燥して樹脂粒子(55)を得た。
[線形ポリエステルの合成]
比較例1の線形ポリエステル(Aa’−5)を合成し、比較の線形ポリエステル(K1a’−55)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
比較例1の非線形ポリエステル(Ab’−5)を合成し、比較の非線形ポリエステル(K1b’−55)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a’−55)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b’−55)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−6)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−6)を用いる以外は、実施例51と同様にして比較樹脂粒子(51)を得た。
[線形ポリエステルの合成]
比較例2の線形ポリエステル(Aa’−6)を合成し、比較の線形ポリエステル(K1a’−56)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a’−56)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b’−55)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−7)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−7)を用いる以外は、実施例51と同様にして比較樹脂粒子(52)を得た。
[線形ポリエステルの合成]
比較例3の線形ポリエステル(Aa’−7)を合成し、比較の線形ポリエステル(K1a’−57)とする。(K1a’−57)は樹脂化しなかったため、樹脂粒子作成に供さなかった。
[線形ポリエステルの合成]
比較例4の線形ポリエステル(Aa’−8)を合成し、比較の線形ポリエステル(K1a’−58)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
比較例4の非線形ポリエステル(Ab’−8)を合成し、比較の非線形ポリエステル(K1b’−58)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a’−58)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b’−58)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−8)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−8)を用いる以外は、実施例51と同様にして比較樹脂粒子(54)を得た。
〔1〕最低定着温度(MFT)
前記方法による。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
前記方法による。
〔3〕トナー流動性
前記方法による。
〔4〕体積平均粒径
樹脂粒子の体積平均粒径を、コールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定した。
製造例61(樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、スチレン化フェノールポリエチレンオキサイド付加物(エレミノールHB−12、三洋化成工業社製)48部とビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピコート828、油化シェル社製)232部を投入し均一に溶解させた。攪拌下で反応容器に水を滴下した。水を31部投入したところで、系が乳白色に乳化した。更に水を224部滴下し、乳濁液を得た。加熱して、系内温度70℃まで昇温した後、エチレンジアミンを20部を水446部に溶解した液を70℃を維持したまま2時間かけて滴下した。滴下後、70℃で5時間、90℃で5時間反応・熟成してアミン硬化エポキシ樹脂(Q−1)の水性分散液を得た。
さらに上記水系分散体18部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散体を得た。
(Q−1)のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、0.81μmであった。また、樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散体の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTg(DSCで測定、以下Tgについて同様)は120℃であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、スチレン化フェノールポリエチレンオキサイド付加物(エレミノールHB−12、三洋化成工業社製)38部とビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピコート828、油化シェル社製)232部、フタル酸ジオクチル10部を投入し均一に溶解させた。攪拌下で反応容器に水を滴下した。水を31部投入したところで、系が乳白色に乳化した。更に水を224部滴下し、乳濁液(1)を得た。加熱して、系内温度70℃まで昇温した後、エチレンジアミンを20部を水446部に溶解した液を70℃を維持したまま2時間かけて滴下した。滴下後、70℃で5時間、90℃で5時間反応・熟成してアミン硬化エポキシ樹脂(Q−2)の水性分散液を得た。
さらに上記水系分散体18部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して樹脂微粒子(Q−2)を含む水性分散体を得た。
(Q−2)のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、0.75μmであった。また、樹脂微粒子(Q−2)を含む水性分散体の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTg(DSCで測定、以下Tgについて同様)は114℃であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水753部、アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸ブチル77部、過硫酸アンモニウム1部、界面活性剤(モノオレイン酸ポリオキシソルビタン)9部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)(Q−3)の水系分散体を得た。
さらに上記水系分散体15部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して水性分散体(Q−3)を含む水系分散体を得た。
本水性分散体の電気泳動式粒度分布測定装置ELS−8000(大塚電子製)で測定した体積平均粒径は、0.05μmであった。また、樹脂微粒子(Q−3)を含む水性分散体の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは75℃であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水753部、アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸ブチル72部、E−84(サリチル酸系金属錯体:オリエント科学工業(株)製)5部、過硫酸アンモニウム1部、界面活性剤(モノオレイン酸ポリオキシソルビタン)9部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(サリチル酸系金属錯体を含有するスチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)(Q−4)の水系分散体を得た。
さらに上記水性分散体15部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して(Q−4)を含む水性分散体を得た。本水性分散体の電気泳動式粒度分布測定装置ELS−8000で測定した体積平均粒径は、0.05μmであった。また、樹脂微粒子(Q−4)を含む水性分散体の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは80℃であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、エチレンジアミン50部とMIBK50部を仕込み、50℃で5時間反応を行った。得られたケチミン化合物を硬化剤(β−1)とする。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジイソシアネート45部とMEK55部を仕込み、50℃で5時間反応を行った。得られたケチミン化合物を硬化剤(β−2)とする。
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;アビシア株式会社製)4部、および酢酸エチル76部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液]を得た。[着色剤分散液]のLA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
(離型剤分散液の製造)
ビーカー内にパラフィンワックス20部と酢酸エチル80部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによってパラフィンワックスを微分散して、[離型剤分散液]を得た。[離型剤分散液]をLA−920で測定した体積平均粒径は0.5μmであった。
実施例61
[ポリエステル(61)の合成]
実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)を合成し、ポリエステル(61)とする。なお、水酸基価は75、酸価は1であった。
[ポリウレタン樹脂(61)の合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ポリエステル(61)68部、イソホロンジイソシアネート10部、酢酸エチル78部を入れ、75℃で窒素気流下に18時間反応させポリウレタン樹脂(61)の酢酸エチル溶液を得た。ポリウレタン樹脂(61)のMnは3300、ポリウレタン樹脂(61)の酢酸エチル溶液の固形分は50%、粘度は2,400mPa・sであった。
[ポリエステル(62)の合成]
実施例2の線形ポリエステル(Aa−2)を合成し、ポリエステル(62)とする。なお、水酸基価は42、酸価は1であった。
[樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の作成]
ポリエステル(62)14部、ポリウレタン樹脂(61)の酢酸エチル溶液52部、製造例62で調製した[着色剤分散液]10部、製造例63で調製した[離型剤分散液]25部、酢酸エチル25部を混合し、撹拌均一化して樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)を得た。
[樹脂粒子の作成]
製造例61で調製した樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液60部に樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)40部を加え、TK式ホモミキサーを用い、12000rpmで3分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌羽根と温度計付きのコルベンに移し、40℃の温浴で加温しながら、減圧下で酢酸エチルを留去して、樹脂粒子の水系分散液を得た。次いで濾別し、40℃の循風乾燥機で18時間乾燥して樹脂粒子(61)を得た。樹脂粒子(61)のTgは、65℃であった。樹脂粒子(61)のTgは65℃、粒径は95μm、樹脂微粒子(Q−1)との体積平均粒径の比は0.0085であった。
さらに、樹脂粒子(61)100部にMEKオキシムブロックドHDI20部を添加し、ヘンシェルミキサーで30分攪拌して塗料組成物(1)を得た。
[イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ポリエステル(p−1)31部、イソホロンジイソシアネート19部、酢酸エチル50部を入れ、75℃で窒素気流下に18時間反応させイソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液を得た。イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液の固形分は50%、イソシアネート含量は2.1%であった。
[樹脂(p)の溶剤溶液(p−2)の作成]
ポリウレタン樹脂(1)の酢酸エチル溶液52部の代わりにイソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液52部、製造例65で製造した硬化剤(β−1)5.3部を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂(p)の溶剤溶液(p−2)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−2)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の代わりに(p−2)を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂粒子(62)および塗料組成物(62)を得た。樹脂粒子(62)のTgは70℃、粒径は120μm、樹脂微粒子(Q−2)との体積平均粒径の比は0.0063であった。
[スチレン−アクリル共重合体の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に酢酸エチル160部を仕込み、75℃に昇温した後、スチレン40部、メタクリル酸ブチル120部、アクリル酸60部、酢酸エチル60部及びアゾビスイソブチロニトリル0.3部の混合液を4時間かけて滴下し、アゾビスイソブチロニトリル0.5部を追加した後、75℃で8時間熟成を行ってMn4,200、水酸基価0,酸価210のスチレン−アクリル共重合体を含む固形分50%の樹脂溶液を得た。
[樹脂(p−3)の溶剤溶液の作成]
ポリエステル(62)14部の代わりにスチレン−アクリル共重合体を含む固形分50%の樹脂溶液28部、ポリウレタン樹脂(61)の酢酸エチル溶液52部の代わりにイソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液52部、製造例65で製造した硬化剤(β−1)5.3部を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂(p)の溶剤溶液(p−3)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−2)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の代わりに(p−3)を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂粒子(63)および塗料組成物(63)を得た。樹脂粒子(63)のTgは81℃、粒径は142μm、樹脂微粒子(Q−1)との体積平均粒径の比は0.0057であった。
[ポリエステル(63)の合成]
実施例4の線形ポリエステル(Aa−4)を合成し、ポリエステル(63)とする。
[樹脂(p−4)の溶剤溶液の作成]
ポリエステル(63)70部、イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液30部、製造例66で製造した硬化剤(β−2)1.8部、製造例67で調製した[着色剤分散液]25部、製造例68で調製した[離型剤分散液]50部、酢酸エチル25部を混合し、撹拌均一化して樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−3)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の代わりに(p−4)を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂粒子(64)を得た。樹脂粒子(64)のTgは48℃、粒径は4.8μm、樹脂微粒子(Q−3)との体積平均粒径の比は0.010であった。
さらに、樹脂粒子(64)100部にコロイダルシリカ(エアロジルR972:日本エアロジル(株)製)0.5部をサンプルミルで混合して、トナー組成物(64)を得た。
[ポリエステル(64)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物570部、テレフタル酸217部を常圧下、230℃で6時間、減圧下、230℃で6時間重縮合し、Mn2,600、水酸基価48、酸価2のポリエステルを得た後、無水トリメリット酸26部を常圧下、180℃で2時間開環付加させ、Mn2,700、水酸基価35、酸価26の末端カルボキシル基含有ポリエステル(64)を得た。
このポリエステル(64)のTgは、48℃であった。
[樹脂(p−5)の溶剤溶液の作成]
ポリエステル(63)の代わりにポリエステル(64)を用いる以外は実施例64と同様にして樹脂(p)の溶剤溶液(p−5)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−4)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)の代わりに(p−5)を用いる以外は、実施例64と同様にして樹脂粒子(65)およびトナー組成物(65)を得た。樹脂粒子(65)のTgは48℃、粒径は5.2μm、樹脂微粒子(Q−4)との体積平均粒径の比は0.01であった。
[樹脂(p−6)の溶剤溶液の作成]
イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液30部、製造例66で製造した硬化剤(β−2)1.8部の代わりに実施例61で製造したポリウレタン樹脂(1)の酢酸エチル溶液30部を用いる以外は実施例64と同様にして樹脂(p)の溶剤溶液(p−6)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−4)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)の代わりに(p−6)を用いる以外は、実施例64と同様にして樹脂粒子(66)およびトナー組成物(66)を得た。樹脂粒子(66)のTgは53℃、粒径は5.0μm、樹脂微粒子(Q−4)との体積平均粒径の比は0.010であった。
[ポリエステル(65)の合成]
比較例1の線形ポリエステル(Aa’−5)を合成し、比較のポリエステル(65)とする。
[ポリエステル(66)の合成]
比較例1の非線形ポリエステル(Ab’−5)を合成し、比較のポリエステル(66)とする。
[樹脂の溶剤溶液の作成]
ポリエステル(62)の代わりにポリエステル(65)、ポリウレタン樹脂(1)の酢酸エチル溶液52部の代わりにポリエステル(66)26部と酢酸エチル26部を用いる以外は実施例61と同様にして、比較の樹脂の溶剤溶液(X−1)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の代わりに比較の樹脂の溶剤溶液(X−1)を用いる以外は実施例61と同様にして、比較の樹脂粒子(X1)および塗料組成物(X1)を得た。樹脂粒子(X1)のTgは61℃、粒径は88μm、樹脂微粒子(Q−1)との体積平均粒径の比は0.009であった。
[ポリエステル(67)の合成]
比較例2の線形ポリエステル(Aa’−6)を合成し、比較の線形ポリエステル(67)とする。
[油性混合液の作成]
実施例64のポリエステル(63)の代わりにポリエステル(67)、イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液30部、製造例66で製造した硬化剤(β−2)1.8部の代わりにポリエステル(66)15部と酢酸エチル15部を用いる以外は実施例64と同様にして、比較の樹脂の溶剤溶液(X−2)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)の代わりに比較の樹脂の溶剤溶液(X−2)を用いる以外は実施例64と同様にして、比較の樹脂粒子(X2)およびトナー組成物(X2)を得た。樹脂粒子(X2)のTgは47℃、粒径は5.5μm、樹脂微粒子(Q−3)との体積平均粒径の比は0.011であった。
[ポリエステル(P67)の合成]
比較例3の線形ポリエステル(Aa’−7)を合成し、比較の線形ポリエステル(P67)とする。(P67)は樹脂化しなかったため、樹脂粒子作成に供さなかった。
[ポリエステル(68)の合成]
比較例4の線形ポリエステル(Aa’−8)を合成し、比較のポリエステル(68)とする。
[ポリエステル(69)の合成]
比較例4の非線形ポリエステル(Ab’−8)を合成し、比較のポリエステル(69)とする。
[油性混合液の作成]
実施例64のポリエステル(63)の代わりに線形ポリエステル(68)、イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液30部、製造例66で製造した硬化剤(β−2)1.8部の代わりに、ポリエステル(69)を用いる以外は、実施例64と同様にして、比較の樹脂の溶剤溶液(X−3)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)の代わりに比較の樹脂の溶剤溶液(X−3)を用いる以外は実施例64と同様にして、比較の樹脂粒子(X3)およびトナー組成物(X3)を得た。樹脂粒子(X3)のTgは51℃、粒径は5.3μm、樹脂微粒子(Q−3)との体積平均粒径の比は0.009であった。
[評価方法]
[1]体積平均粒径
実施例61〜63及び比較例61で得た樹脂粒子(61)〜(63)、比較の樹脂粒子(X1)を水に分散して体積平均粒径をコールターカウンター(ベックマンコールター社:マルチサイザーIII)で測定した。
[2]レベリング性
実施例61〜63及び比較例61で得た塗料組成物(61)〜(63)、比較の塗料組成物(X1)を日本テストパネル社製リン酸亜鉛処理鋼板標準板に市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜圧が40〜60μmになるように静電塗装し、180℃で20分間焼き付けた後、表面平滑性を目視で確認し、下記の基準で判定した。
◎:表面が平滑で、光沢有り
○:表面に微細な凹凸がある。光沢有り。
△:表面に凸凹が発生。光沢なし。
×:表面に凸凹、気泡跡等が発生。光沢なし
各塗料組成物を40℃の雰囲気で7日間保管し融着の有無を確認した。確認法は、保管した各塗料組成物50gを見開き150μmの標準ふるいで15分振倒し、ふるい上に残った樹脂粒子の量を計測し、その割合をもとに下記の基準で判定した。
◎:凝集物0.2%未満
○:凝集物1.0%未満
△:凝集物2.0%未満
×:凝集物2.0%以上
各塗料組成物を日本テストパネル社製リン酸亜鉛処理鋼板標準板に市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜圧が40〜60μmになるように静電塗装し、180℃で20分間焼き付けた後、JIS K6830に規定する方法に従い剪断接着試験を行った。接着性(密着性)の評価基準は、以下の通りである。
○:完全な凝集破壊
△:部分的に界面破壊が生じる痕跡破壊
×:完全な界面破壊
[5]耐水接着性
上記と同様に、各実施例および比較例の組成物を塗布し、焼き付けた後、40℃の温水に10日間浸漬した。次いで、JIS K6830に規定する方法に従い剪断接着試験を行った。評価基準は、上記接着性(密着性)の場合と同様とした。
[6]最低定着温度(MFT)
前記方法による。
[7]ホットオフセット発生温度(HOT)
前記方法による。
[8]トナー流動性
前記方法による。
[9]体積平均粒径
上記[1]による。
本第6発明のトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性、粉砕性のバランスに優れるため、静電荷像現像用トナーとして有用であり、特に光沢性、透明性の点でカラー用トナーとして有用である。
本第7および第8発明の複合樹脂粒子は、粉体塗料、スラッシュ成形用樹脂、電子写真、静電記録及び静電印刷等に用いられるトナー、ホットメルト接着剤、並びにその他成形材料等として最適である。
Claims (20)
- ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paの1種以上のポリエステル樹脂(A1)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
- ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、軟化点が120℃〜180℃であり、130℃〜200℃における損失正接が0.9以上である1種以上のポリエステル樹脂(A2)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
- ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリカルボン酸成分が、80〜100モル%の、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(a)からなり、ポリオール成分が、20〜100モル%の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの80〜100モル%が1,2−プロピレングリコールである)(b)からなり、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の合計中0.1〜20モル%が3価以上の多価アルコールおよび/または3価以上のポリカルボン酸(c)であり、且つ軟化点が95〜160℃、ガラス転移温度(Tg)が45〜75℃であることを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂(A3)。
- (A1)または(A2)が、ポリオール成分が30〜100モル%の、炭素数2〜6の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの少なくとも一部が1,2−プロピレングリコールである)からなり、テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500のポリエステル樹脂である請求項1または2記載のトナー用ポリエステル樹脂。
- (A1)、(A2)、または(A3)が、線形ポリエステル樹脂と非線形ポリエステル樹脂からなる請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂
- (A1)、(A2)、または(A3)が、チタン、アンチモン、ジルコニウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれる1種以上の金属を含有する重合触媒の存在下、重縮合されてなる樹脂である請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂。
- 請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂と、ワックス(w)の少なくとも一部がビニルモノマー(m)で変性されてなる変性体(w1)からなるトナー用添加剤(B)からなるトナー用ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤からなるトナー組成物。
- トナー組成物を用い未定着画像を定着機で定着させる際のホットオフセット発生温度と最低定着温度の差が95℃以上である請求項8記載のトナー組成物。
- トナーを潜像担持体に供給して潜像を現像する画像形成方法において使用する非磁性一成分トナーにおいて、該トナーが、請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂(A1)、(A2)、もしくは(A3)、および着色剤からなり、(A1)、(A2)、または(A3)のガラス転移温度(Tg)をx軸の変数とし、軟化点(sp)をy軸の変数としてxy座標にプロットした時、下記式(1)〜(4)で表される直線で囲まれる範囲内の物性を有し、且つ該トナーの粒子の表面に1種以上の微粒子添加剤を含有することを特徴とする非磁性一成分トナー。
式(1) sp=4Tg−110
式(2) sp=4Tg−170
式(3) sp=90
式(4) sp=130 - 少なくとも樹脂(K)と有機溶剤とを含有する油性混合液(I)と、水系媒体(II)との水性分散液から溶剤が除去されて得られ、樹脂(K)と必要により添加剤からなる樹脂粒子であって、(K)が、ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなる1種以上のポリエステル樹脂(K1)からなり、(K1)のテトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500であり、ポリオール成分が85〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールもしくは70〜100モル%の1,2−プロピレングリコールからなることを特徴とする樹脂粒子。
- (K1)が、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paのポリエステル樹脂である請求項11記載の樹脂粒子。
- (K1)が、軟化点が120℃〜180℃であり、130℃〜200℃における損失正接が0.9以上のポリエステル樹脂である請求項11載の樹脂粒子。
- 樹脂(p)と必要により添加剤からなる樹脂粒子(P)の表面に、樹脂(q)と必要により添加剤からなる樹脂微粒子(Q)が付着されてなる複合樹脂粒子であり、(p)がポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、該ポリオール成分が85〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールもしくは70〜100モル%の1,2−プロピレングリコールからなり、テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500である1種以上のポリエステル樹脂(p1)からなること、または(p)が(p1)が構成単位として含まれる樹脂(p2)からなることを特徴とする樹脂粒子。
- (p1)または(p2)が、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paの1種以上のポリエステル樹脂である請求項14記載の樹脂粒子。
- (p1)または(p2)が、軟化点が120℃〜180℃であり、130℃〜200℃における損失正接が0.9以上のポリエステル樹脂である請求項14記載の樹脂粒子。
- 樹脂(q)と必要により添加剤からなる樹脂微粒子(Q)の水性分散液中に、樹脂(p)と必要により添加剤、もしくはそれらの溶剤溶液、または、樹脂(p)の前駆体(p0)と必要により添加剤、もしくはそれらの溶剤溶液が分散され、(p0)またはその溶剤溶液が用いられる場合には、さらに、(p0)が反応されて、(Q)の水性分散液中で樹脂粒子(P)が形成されることにより得られた樹脂粒子である請求項14記載の樹脂粒子。
- (p0)が(p1)の構成単位を有し、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)からなる請求項17記載の樹脂粒子。
- 添加剤が着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上からなる請求項11または14記載の樹脂粒子。
- スラッシュ成型用樹脂、粉体塗料、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナーまたはホットメルト接着剤用である請求項11または14記載の樹脂粒子。
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