JP2006154686A - トナー用ポリエステル樹脂、トナー組成物及び樹脂粒子 - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂、トナー組成物及び樹脂粒子 Download PDF

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康弘 小野
Showa Iwata
将和 岩田
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貴司 芥川
Tsuyoshi Izumi
剛志 泉
Tadao Takigawa
唯雄 滝川
Shuhei Yahiro
周平 八尋
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Abstract

【課題】 熱定着方式用の静電荷像現像トナーにおいて、低温定着性と粉砕性のバランスに優れ、定着後の光沢性に優れるトナーおよびトナー用樹脂を提供する。
【解決手段】 ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paの1種以上のポリエステル樹脂(A1)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナー用樹脂およびトナー組成物に関する。
さらに本発明は、樹脂粒子に関する。さらに詳しくは、スラッシュ成型用樹脂、粉体塗料、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナーまたはホットメルト接着剤等の各種用途に有用な、樹脂粒子に関する。
熱定着方式に用いられる静電荷像現像用トナーは、高い定着温度でもトナーがヒートロールに融着せず(耐ホットオフセット性)、定着温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)、さらにトナー製造時の樹脂の粉砕性が良好であること等が求められている。一般に低温定着性とトナー製造時の樹脂の粉砕性は相反する性能となりやすい。低温定着性が優れ、かつトナー製造時の樹脂の粉砕性が良好なトナーとして、モノマー成分として炭素数10〜24の1価の脂肪族化合物を特定量含有するトナー用樹脂からなるトナーが開示されている(特許文献1参照)。
また、トナーの低温定着性を満足し、高温オフセットを生じることないトナーを供する試みとして、トナーの損失弾性率G”=1×104Pa〜1×106Paの範囲で損失正接tanδの値が1.0以上2.0未満であり、損失弾性率G”=1×103Paでの損失正接tanδの値が0.5以上1.0未満であることを特徴とするトナーが紹介されている。(特許文献2参照)
しかしながら、特許文献1に提案されているトナーは、低温定着性に優れるものの、さらなる高速化、省エネ化における低温定着性と粉砕性の両立の点では改善する必要がある。特許文献2に提案されているトナーは低温定着性と高温オフセットは良好であるものの、光沢性を必要とするカラー用途には満足できる画質とはならなかった。
ポリエステルトナーの耐湿性および定着性能を向上させる目的で、3価以上の多価アルコールと共に長鎖脂肪族ジカルボン酸または長鎖脂肪族側鎖を有するジカルボン酸を共縮合して、主鎖または側鎖に長鎖脂肪族炭化水素単位をポリエステル樹脂に導入することが知られている(特許文献3参照)。
しかし、これらのポリエステル樹脂においては、長鎖脂肪族ジカルボン酸としてセバシン酸等が、長鎖脂肪族側鎖を有するジカルボン酸としてドデセニルコハク酸等が使用されているため、導入される脂肪族炭化水素単位の炭素数が大きくなり、トナーの耐湿性および定着性能は向上するものの、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が低下し、トナーの保存安定性が劣るという問題点を有していた。
熱定着方式に用いられる静電荷像現像用トナーは、高い定着温度でもトナーがヒートロールに融着せず(耐ホットオフセット性)、定着温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)等が求められている。ホットオフセットの防止のためには、ワックスを使用することが有効であり、低温定着性の向上のためには、ポリエステル系樹脂をトナー用バインダとすることが有効である。
しかしながら、ワックスとポリエステル系樹脂は相溶性が悪く、トナー中でのワックスの分散粒径が大きくなってしまう。これにより、感光体上へのワックスの固着やフィルミングに伴う画像不良や、荷電不良に伴う画像不良が発生したりする。これらの課題を解決する試みとして、特許文献4にはワックス成分にスチレン系ポリマー鎖もしくはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体を用いることを提案している。これにより、トナー中のワックス粒径を制御できるようになり、耐ホットオフセット性に優れ、フィルミングや画像不良を誘発しないトナーを提供することができるようになった。
しかしながら、上記公報に提案されているトナーは、耐ホットオフセット性に優れることや、フィルミングや画像不良を誘発しないことでは、効果を奏するものの、低温定着性の観点では不十分であった。
粒径および形状が均一で、かつ、電気的特性、熱的特性、化学的安定性等に優れた粒子として、樹脂と有機溶剤を含有する混合液と、水系媒体との懸濁液から有機溶剤を除去する懸濁法によって得られる樹脂粒子が知られている(特許文献5参照)。
しかしながら、熱定着方式・熱加工方式に用いられる樹脂粒子では、省エネルギーの観点からさらに低温でも定着・溶融加工できることが求められており、特にスラッシュ成型用樹脂、粉体塗料、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナーまたはホットメルト接着剤としては、特許文献5記載の樹脂粒子では必ずしも十分ではなかった。
特開2003−337443号公報 特開2003−280241号公報 特開昭62−78568号公報 特開2001−134009号公報 特開2001−166538号公報
本発明の目的の1つは、低温定着性が優れ、かつトナー製造時の樹脂の粉砕性が良好なトナー用樹脂粒子を得ることである。
本発明のもう1つの目的は、さらに光沢性も良好なトナー用樹脂粒子を得ることである。
本発明のさらなる目的は、トナーとしたときの耐湿性および定着性能が良好で、トナーの保存安定性が良好なトナー用樹脂粒子を得ることである。
本発明のさらなる目的は、耐ホットオフセット性に優れ、画像不良を誘発せず、かつ低温定着性に優れるトナーを得るトナー用樹脂組成物を得ることである。
本発明のさらなる目的は、低温定着性が優れ、かつトナー製造時の樹脂の粉砕性が良好で、カラートナーとしての光沢性、透明性に優れた非磁性一成分トナーを得ることである。
本発明のさらなる目的は、定着特性・熱溶融特性が優れ、かつ粒径や形状が均一である懸濁法によって得られた樹脂粒子を提供することを目的とする。
本発明者はこれらの問題点を解決するべく鋭意検討した末、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記8発明である。
[1] ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paの1種以上のポリエステル樹脂(A1)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
[2] ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、軟化点が120℃〜180℃であり、130℃〜200℃における損失正接が0.9以上である1種以上のポリエステル樹脂(A2)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
[3] ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリカルボン酸成分が、80〜100モル%の、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(a)からなり、ポリオール成分が、20〜100モル%の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの80〜100モル%が1,2−プロピレングリコールである)(b)からなり、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の合計中0.1〜20モル%が3価以上の多価アルコールおよび/または3価以上のポリカルボン酸(c)であり、且つ軟化点が95〜160℃、ガラス転移温度(Tg)が45〜75℃であることを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかのトナー用ポリエステル樹脂と、ワックス(w)の少なくとも一部がビニルモノマー(m)で変性されてなる変性体(w1)からなるトナー用添加剤(B)からなるトナー用ポリエステル樹脂組成物。
[5] 上記[1]〜[3]のいずれかのトナー用ポリエステル樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤からなるトナー組成物。
[6] トナーを潜像担持体に供給して潜像を現像する画像形成方法において使用する非磁性一成分トナーにおいて、該トナーが、請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂(A1)、(A2)、もしくは(A3)、および着色剤からなり、(A1)、(A2)、または(A3)のガラス転移温度(Tg)をx軸の変数とし、軟化点(sp)をy軸の変数としてxy座標にプロットした時、下記式(1)〜(4)で表される直線で囲まれる範囲内の物性を有し、且つ該トナーの粒子の表面に1種以上の微粒子添加剤を含有することを特徴とする非磁性一成分トナー。
式(1) sp=4Tg−110
式(2) sp=4Tg−170
式(3) sp=90
式(4) sp=130
[7] 少なくとも樹脂(K)と有機溶剤とを含有する油性混合液(I)と、水系媒体(II)との水性分散液から溶剤が除去されて得られ、樹脂(K)と必要により添加剤からなる樹脂粒子であって、(K)が、ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなる1種以上のポリエステル樹脂(K1)からなり、(K1)のテトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500であり、ポリオール成分が85〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールもしくは70〜100モル%の1,2−プロピレングリコールからなることを特徴とする樹脂粒子。
[8] 樹脂(p)と必要により添加剤からなる樹脂粒子(P)の表面に、樹脂(q)と必要により添加剤からなる樹脂微粒子(Q)が付着されてなる複合樹脂粒子であり、(p)がポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、該ポリオール成分が85〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールもしくは70〜100モル%の1,2−プロピレングリコールからなり、テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500である1種以上のポリエステル樹脂(p1)からなること、または(p)が(p1)が構成単位として含まれる樹脂(p2)からなることを特徴とする樹脂粒子。
本第1、第2、または第5発明の、トナー用ポリエステル樹脂、トナー組成物を用いることにより低温定着性に優れるトナーとすることができる。また、トナー製造時の樹脂の粉砕性にも優れることから、工業生産時に経済的にトナーを生産することができる。さらに、130℃〜200℃の温度領域において、高温オフセットが発生しないことから、定着後のトナー表面の平滑性が保たれ、光沢を有する画像を供することができる。
本第3発明のポリエステル樹脂は、高湿度下においても耐ブロッキング性、溶融流動性、低温定着性および帯電特性に優れる。また、スズ化合物を触媒として使用しない場合でも、良好な樹脂性能を有する。
本第4発明のトナー用樹脂組成物を用いることにより、耐ホットオフセット性に優れ、画像不良を誘発せず、かつ低温定着性に優れるトナーとすることができる。
本第6発明のトナーを用いることにより、優れた低温定着性が得られ、高画質化におけるカラートナーとしての光沢性、透明性の発現が可能となる。また、トナー製造時におけるトナーの粉砕性にも優れることから、工業生産時に経済的にトナーを生産することができる。
また、本第7および第8発明の樹脂粒子は、以下の効果を有する。
1.低温溶融性、低温定着特性に優れ、溶融加工時、印刷時の消費エネルギーを小さくできる。
2.粒径が均一であり、粉体流動性、保存安定性にも優れる。
3.水中で分散により得られた樹脂粒子であるため、低コストである。
4.耐熱性や、加熱溶融した塗膜の機械的物性も良好である。
以下、本発明を詳述する。
本第1発明のポリエステル樹脂(A1)の構成成分となるポリオールのモル平均凝集エネルギーは、通常7.0×104〜1.4×105Jである。下限は、好ましくは7.05×104Jさらに好ましくは7.1×104Jある。上限は、好ましくは1.25×105J,さらに好ましくは1×105Jである。モル平均凝集エネルギーが7.0×104J以上であると耐熱保存性が良好であり、1.4×105J以下であると粉砕性が良好である。
上記モル平均凝集エネルギーを有するポリオールから構成された樹脂(A1)の150℃における貯蔵弾性率は、通常2.5×103Pa〜5×106Paである。下限は、好ましくは3.0×103Pa、さらに好ましくは3.2×103Paであり、上限は、好ましくは4.5×106Pa、さらに好ましくは4.3×106Paである。
2.5×103Pa以上でホットオフセットが良好となり、5×106Pa以下で低温定着性が良好となる。
ポリオールが2種以上ある場合の各ポリオールの構成モル比率は、用いたポリオールの量と反応時に回収されたポリオールの量から計算により求める。
なお、モル平均凝集エネルギーに関しては、例えば、Fedorsらの、Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2,147〜154頁に記載されている。
モル平均凝集エネルギーの値を調整するには、凝集エネルギーは各ポリオールに固有の値であるので、ポリオールのモル比を調整すればよい。樹脂の貯蔵弾性率を調整するには、例えば、樹脂の分子量や架橋点の数を増減させればよい。
第1発明のポリエステル樹脂(A1)は、後述する第2発明のポリエステル樹脂(A2)、および/または、後述する第3発明のポリエステル樹脂(A3)でもあることが好ましい。
本第2発明のポリエステル樹脂(A2)の軟化点は、通常120℃〜180℃である。下限は、好ましくは125℃、さらに好ましくは130℃であり、上限は、好ましくは175℃である。軟化点が120℃以上であると耐ホットオフセット性が向上し、180℃以下であると低温定着性が向上する。
本発明における軟化点の測定は、特に断りのない限り、島津(株)製フローテスターCFT−500を用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とする。
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
(A2)の130℃〜200℃における損失正接は、通常0.9以上、好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.02以上、とくに好ましくは1.05〜30、最も好ましくは1.1〜20である。損失正接が0.9以上で光沢性が向上する。
樹脂の軟化点や損失正接を調整するには、例えば、樹脂の分子量や架橋点の数を増減させればよい。
本発明において、ポリエステル樹脂の貯蔵弾性率および損失正接は、下記粘弾性測定装置を用いて測定される。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :20Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/min
測定により得られた値から、温度−損失正接の関係をプロットし、130℃〜200℃における損失正接を読みとる。
なお、第2発明のポリエステル樹脂(A2)は、第1発明のポリエステル樹脂(A1)、および/または、後述する第3発明のポリエステル樹脂(A3)でもあることが好ましい。
本第1および第2発明に用いるポリエステル樹脂(A1)または(A2)は、通常1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られる。
樹脂(A1)または(A2)に用いるポリオール成分は、30〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールからなるのが好ましい。さらに、このジオール中には、少なくとも一部として1,2−プロピレングリコールを含むのが好ましい。ポリオール成分中の炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、より好ましくは85〜100モル%、とくに好ましくは90〜100モル%、最も好ましくは100モル%である。含有量が30モル%以上であると、樹脂強度が強くなり低温定着性が向上する。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のアルカンジオールなどが挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、およびネオペンチルグリコールであり、さらに好ましくはエチレングリコール、および1,2−プロピレングリコールであり、とくに好ましくは1,2−プロピレングリコールである。
ポリオール成分中の30〜100モル%が1,2−プロピレングリコールであり、0〜30モル%が、1,2−プロピレングリコール以外の炭素数2〜6の脂肪族ジオールを含む他のポリオールからなるポリオール成分も好ましい。この場合のポリオール成分中の1,2−プロピレングリコールの含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、より好ましくは85〜100モル%、とくに好ましくは90〜100モル%、最も好ましくは100モル%である。含有量が30モル%以上であると、樹脂強度が強くなり低温定着性が向上する。
ポリオール成分中には、炭素数2〜6の脂肪族ジオール以外の多価アルコールを含有してもよい。
多価アルコールのうち2価アルコール(ジオール)としては、炭素数7〜36の脂肪族ジオール(1,7−ヘプタンジオール、およびドデカンジオール等);炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等);上記炭素数2〜6および7〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下AOと略記する)〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびブチレンオキシド等〕付加物(付加モル数2〜30);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
多価アルコールのうち3〜8価またはそれ以上のアルコールとしては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、および1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等:平均重合度3〜60)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中で、好ましくは、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物である。
ポリカルボン酸成分のうち脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸、およびセバシン酸等)、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、およびグルタコン酸等)、などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸としては、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10000](α−オレフィン/マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、および炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、さらに好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらの併用であり、とくに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、およびこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、ポリカルボン酸成分としては、芳香族ポリカルボン酸と脂肪族ポリカルボン酸とからなり、芳香族ポリカルボン酸を60モル%以上含有するものが好ましい。芳香族ポリカルボン酸の含有量の下限は、さらに好ましくは70モル%、とくに好ましくは80モル%であり、上限は、さらに好ましくは99モル%、とくに好ましくは98モル%である。芳香族ポリカルボン酸が60モル%以上含有されていることで、樹脂強度が上がり、低温定着性がさらに向上する。
本第3発明のトナー用ポリエステル樹脂(A3)は、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分が重縮合されて得られ、ポリカルボン酸成分が、80〜100モル%の、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの炭素数1〜4の低級アルキルエステル(a)からなり、ポリオール成分が、20〜100モル%の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの80〜100モル%が1,2−プロピレングリコールである)(b)からなり、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の合計中0.1〜20モル%が3価以上の多価アルコールおよび/または3価以上のポリカルボン酸(c)である。
なお、本第3発明のトナー用ポリエステル樹脂(A3)は、第1発明のポリエステル樹脂(A1)、および/または、第2発明のポリエステル樹脂(A2)でもあることが好ましい。
(a)は、テレフタル酸、イソフタル酸、およびそれらの、アルキル基の炭素数が1〜4の低級アルキルエステルから選ばれる1種以上であり、炭素数1〜4の低級アルキルエステルは、ヒドロキシアルキルエステルを含む意味で用いる。
低級アルキルエステルの具体例としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル、テレフタル酸プロピレングリコールジエステル、イソフタル酸プロピレングリコールジエステル等が挙げられる。これら(a)の中では、反応速度およびコストの点で、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸プロピレングリコールジエステル、イソフタル酸プロピレングリコールジエステルが好ましい。
(a)は、得られるポリエステル樹脂のガラス転移温度(以下Tgと記載する)を上げて、トナーの耐ブロッキング性を向上させる効果があるため、全ポリカルボン酸成分に対し、通常80〜100モル%、好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%の範囲で含有される。
ポリエステル樹脂を構成するポリカルボン酸成分中の(a)以外のジカルボン酸としては、前記炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、前記炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、(a)以外の炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(ナフタレンジカルボン酸等);これらの無水物または低級アルキル(炭素数1〜4)エステル〔(無水)フタル酸等〕などが挙げられる。これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
本第3発明において、脂肪族ジオール(b)としては、前記炭素数2〜6の脂肪族ジオール、前記炭素数7〜36の脂肪族ジオール、前記炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、前記炭素数2〜6および7〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、前記炭素数6〜36の脂環式ジオール、前記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物等が挙げられ、これらを単独でまたは二種以上を併用して使用することができる。
これらの中でも、トナーの定着性能と環境依存性のバランスの観点から、用いる脂肪族ジオールの80モル%以上は1,2−プロピレングリコールとするのが好ましい。1,2−プロピレングリコール以外に用いる他の脂肪族ジオールとしてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。これら(b)は、ポリエステル樹脂の溶融粘度を下げる効果があるため、トナーの定着性能を向上させる。その含有量は、全ポリオール成分に対し、好ましくは20〜100モル%、さらに好ましくは45〜100モル%、とくに好ましくは60〜100モル%、最も好ましくは70〜100モル%の範囲である。(b)の含有量を20モル%以上とすることによりトナーの定着性能を良好とさせることができ、及び耐湿性の低下を抑えることができる。
ポリエステル樹脂を構成するポリオール成分中の(b)以外のジオールとしては、前記ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物等が挙げられる。
本第3発明において用いられる3価以上(3〜8価またはそれ以上)の多価アルコールおよび/または3価以上(3〜8価またはそれ以上)のポリカルボン酸(c)としては、前記炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール;前記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のAO付加物、前記トリスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、前記ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物、前記炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸、前記不飽和カルボン酸のビニル重合体、前記炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸、前記不飽和カルボン酸のビニル重合体等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(平均付加モル数2〜30)、および炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)であり、さらに好ましくは、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO(とくにEOおよび/またはPO)付加物(平均付加モル数2〜30)である。これらは、単独でまたは二種以上を併用して用いることができる。これら(c)は、ポリエステル樹脂を架橋あるいは分岐化させてトナーの非オフセット性を高める効果がある。
(c)の含有量は、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の合計に対し、好ましくは0.1〜20モル%、さらに好ましくは0.5〜18モル%の範囲である。0.1モル%以上とすることにより、適正な粘度とTgの範囲のポリエステル樹脂を得ることができ、トナーの非オフセット性と保存安定性の両立を可能とすることができる。20モル%以下とすることによって、適正な粘度範囲以下でポリエステル樹脂が架橋してしまうことを防ぎ、非オフセット領域を広げることができる。
また、本第3発明においては、ポリエステル樹脂の特性を損なわない限り、ポリオール成分およびポリカルボン酸成分の合計に対して、10モル%以下の範囲で、上記以外の他のモノマー、例えば、安息香酸、p−置換安息香酸、o−置換安息香酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等及びこれらのメチル、エチルエステル等及びこれらの酸無水物等のモノカルボン酸類;ベンジルアルコール、p−置換ベンジルアルコール、o−置換ベンジルアルコール、ラウリルアルコール、ミスチルアルコール、ステアリルアルコール等のモノオール類、ε−カプロラクトン、メチルバレロラクトン等及びその開環重合物等のヒドロキシカルボン酸誘導体類等を使用することもできる。
以上の構成成分が重縮合されてなる本第3発明のポリエステル樹脂は、軟化点が、通常95〜160℃、好ましくは下限は100℃、上限は150℃、さらに好ましくは上限は120℃未満であり、Tgが、通常45〜75℃、好ましくは下限は50℃、上限は70℃である。
軟化点を95℃以上とすることによりポリエステル樹脂の強靭性が良好となり、一方、160℃以下とすることによりトナーの溶融流動性および低温定着性を良好にすることができる。
Tgを45℃以上とすることによりトナーの耐ブロッキング性を良好とし、75℃以下とすることによりトナーの定着性能を良好にすることができる。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
本発明においてポリエステル樹脂(A1)〜(A3)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することもできる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド、ジオクチルスズオキシド、ジオクチルスズジラウレート)、アンチモン含有触媒(例えば三酸化アンチモン)、チタン含有触媒(例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、およびテレフタル酸チタン)、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、ニッケル含有触媒(例えばニッケルアセチルアセトナート)、アルミニウム含有触媒(例えば水酸化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド)、および酢酸亜鉛、酢酸マンガン等が挙げられる。これらの中では、反応性と環境衛生の点から、チタン、アンチモン、ジルコニウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれる1種以上の金属を含有する触媒が好ましい。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
触媒の添加量は、反応速度が最大になるように適宜決定することが望ましい。添加量としては、全原料に対し、好ましくは10ppm〜1.9%、さらに好ましくは100ppm〜1.7%である。添加量を10ppm以上とすることで反応速度が大きくなる点で好ましい。なお、上記および以下において、%は特に断りのない限り、重量%を意味する。
本第1〜第3発明のポリウレタン樹脂(A1)〜(A3)〔以下、(A1)〜(A3)の総称として(A)と記載する。〕の製造時における、ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
樹脂(A)の、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のMnは、1000〜9500が好ましい。さらに好ましくは1200〜9300、とくに好ましくは1400〜9100である。Mnが1000以上であると樹脂強度が向上し、9500以下であると低温定着性、および樹脂の粉砕性が向上する。
また、(A)の、THF可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは1200〜50000、さらに好ましくは1500〜40000である。
(A)のTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムにおける分子量500以下の成分の量は、好ましくは3%以下、さらに好ましくは2.5%以下である。分子量500以下の成分の量が3%以下であると、トナーとして用いた場合、その流動性がより向上し、連続印刷時の画像安定性が向上する。(A)として2種以上の樹脂を用いる場合は、分子量500以下の成分の量が多い樹脂が含まれていても、(A)全体として上記範囲内であれば好ましい。
なお、上記および以下において、ポリエステル樹脂のTHF可溶分のMn、Mp、分子量500以下の成分の量は、GPCを用いて以下の条件で測定される。
装置 : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム : TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量: 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 標準ポリスチレン
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。分子量500以下の成分の量は、分子量分布リストの0から500までの積分値から求める。測定にあたっては、樹脂粒子中の任意の粒子1粒を取り出し、これをTHFに溶解したものを試料溶液とする。この試料溶液の測定を10粒子について行う。
本第1および第2発明のポリエステル樹脂(A1)および(A2)のTgは、耐熱保存性、低温定着性の点から、好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは45〜85℃、特に好ましくは50〜80℃である。
樹脂(A)中のTHF不溶解分は、低温定着性の点から、70%以下が好ましい。下限は、さらに好ましくは1%、とくに好ましくは2%、最も好ましくは3%であり、上限は、さらに好ましくは40%、とくに好ましくは30%である。
上記および以下において、THF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
(A)の水酸基価(mgKOH/g)は、好ましくは70以下、さらに好ましくは5〜40、とくに好ましくは10〜30である。水酸基価が70以下であると、環境安定性や帯電量が向上する。(A)の酸価(mgKOH/g)は、好ましくは40以下、さらに好ましくは1〜30、とくに好ましくは2〜25、最も好ましくは5〜20である。酸価が40以下であると環境安定性が向上する。また、適度の酸価を有している方が帯電の立ち上がりが向上する点で好ましい。
本発明のポリエステル樹脂(A)は2種以上を併用してもよく、低温定着性と耐ホットオフセット性および粉砕性の両立の点で、線形ポリエステル樹脂(Aa)と非線形ポリエステル樹脂(Ab)とを各々1種以上併用してもよい。
線形ポリエステル樹脂(Aa)は、通常、前記ジオールとジカルボン酸を重縮合させて得られる。また分子末端を前記ポリカルボン酸(3価以上のものを含む)の無水物で変性したものであってもよい。
非線形ポリエステル樹脂(Ab)は、通常前記のジカルボン酸およびジオールと共に、前記の3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上の多価アルコールを反応させて得られる。
3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上の多価アルコールとしては、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(平均付加モル数2〜30)、および炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)が好ましく、さらに好ましくは、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸である。
(Ab)を得る場合の3価以上のポリカルボン酸と3価以上の多価アルコールの比率は、これらのモル数の和が、全ポリオール成分とポリカルボン酸成分のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは3〜20モル%である。
(Aa)のTHF不溶解分は、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下、とくに好ましくは0%である。(Aa)のTHF不溶解分が少ない方が低温定着性向上の点で好ましい。
(Ab)のTHF不溶解分は、好ましくは1〜70%である。下限は、さらに好ましくは2%、とくに好ましくは5%であり、上限は、さらに好ましくは60%、とくに好ましくは50%である。上記範囲のTHF不溶解分を含有させることは、耐ホットオフセット性が向上する点で好ましい。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂(A)の特性を損なわない範囲で、他のポリエステル樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、Mnが1000〜100万、とくに1000〜9500の、(A1)〜(A3)のいずれか以外のポリエステル樹脂が挙げられる。(A)が非線形ポリエステル樹脂(Ab)であるとき、併用する他の樹脂としては、(Aa)以外の線形ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂中の(A)の含有量は、通常20〜100%、好ましくは25〜100%。さらに好ましくは30〜90%である。20%以上であると、本発明のの特性が十分発揮される。
本第4発明のトナー用ポリエステル樹脂組成物は、上記トナー用ポリエステル樹脂(A)と、ワックス(w)の少なくとも一部がビニルモノマー(m)で変性されてなる変性体(w1)からなるトナー用添加剤(B)からなる。
(B)の原料として用いるワックス(w)としては、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
キャリアー等へのフィルミング及び離型性の観点から、ポリオレフィンワックスのMnは好ましくは400〜40000、さらに好ましくは1000〜30000、特に1500〜2000である。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリオレフィンワックス、天然ワックス及びこれらの混合物であり、更に好ましくは熱減成型ポリオレフィン、特に好ましくは熱減成型ポリエチレン及び熱減成型ポリプロピレンである。
ワックス(w)の軟化点は、好ましくは50〜170℃である。下限は、より好ましくは80℃、さらに好ましくは90℃、特に100℃であり、上限は、さらに好ましくは160℃、特に155℃である。軟化点が50℃以上ではトナーの流動性が良好であり、170℃以下であると充分な離型効果が得られる。
尚、軟化点はJIS K 2207−1996に規定の方法により測定される。
トナーの定着性の観点から、(w)の溶融粘度は160℃において通常2〜10000mPa・s、好ましくは3〜7000mPa・s、特に5〜4500mPa・sである。
トナーの現像性の観点から、(w)の針入度は通常5.0以下、好ましくは3.5以下、特に1.0以下である。
尚、針入度は、JIS K 2207−1996に規定の方法により測定される。
ビニルモノマー(m)としては、以下の(a)〜(f)のモノマー及びこれらの併用が挙げられる。
(a)カルボキシル基含有ビニル系モノマー:
(a−1)炭素数3〜20の不飽和モノカルボン酸:(メタ)アクリル酸、クロトン酸及び桂皮酸等;
(a−2)炭素数4〜30の不飽和ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体[酸無水物及びモノ若しくはジアルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル]:マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの無水物並びにこれらのモノ若しくはジアルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)等;
(a−3)炭素数3〜30の不飽和カルボン酸アルキル(炭素数1〜24)エステル:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート及びエチル−α−エトキシ(メタ)アクリレート等;
(a−4)炭素数3〜30の不飽和カルボン酸多価(2〜3)アルコールエステル:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等;
(a−5)不飽和アルコール[ビニル、イソプロペニル等]と炭素数1〜12のモノ若しくはポリカルボン酸とのエステル:酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、メチル−4−ビニルベンゾエート、ビニルメトキシアセテート及びビニルベンゾエート等。
(b)ヒドロキシル基含有ビニル系モノマー:
(b−1)炭素数5〜16のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;
(b−2)炭素数2〜12のアルケノール、例えば(メタ)アリルアルコール、1−ブテン−3−オール及び2−ブテン−1−オール;
(b−3)炭素数4〜12のアルケンジオール、例えば2−ブテン−1,4−ジオール;
(b−4)炭素数3〜30のアルケニルエーテル、例えば2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び蔗糖アリルエーテル等。
(c)ビニル系炭化水素:
(c−1)スチレンをはじめとする芳香族ビニル系炭化水素(炭素数8〜20):スチレンのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン;並びにビニルナフタレン。
(c−2)脂肪族ビニル系炭化水素:炭素数2〜20のアルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及び前記以外のα−オレフィン等;炭素数4〜20のアルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン;
(c−3)脂環式ビニル系炭化水素:モノ及びジシクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン;テルペン類、例えばピネン、リモネン及びインデン。
(d)エポキシ基含有ビニル系モノマー:グリシジル(メタ)アクリレート等。
(e)ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル等。
(f)アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン等。
これらのうち好ましいものは、スチレン、およびスチレンと他のモノマー〔好ましくは(a)および(b)、とくに(a−3)および(b−1)〕との併用である。
変性体(w1)は、ワックス(w)をビニルモノマー(m)で変性して得られるが、本発明で用いるトナー用添加剤(B)中には、(m)でグラフトされた変性ワックス(w1)に加えて、未反応の(w)および/または(m)の(共)重合体を含んでいてもよい。
(w1)を製造する際の(w)と(m)の重量比は、トナーの流動性の観点から、好ましくは(1〜30):(70〜99)、特に(2〜27):(83〜98)である。
(w1)のTgは、好ましくは40〜90℃、更に好ましくは50〜80℃、特に55〜75℃である。Tgが40℃〜90℃の範囲では耐熱保存安定性と低温定着性が良好である。
(w1)のMnは、好ましくは2000〜10000、特に2500〜9000である。Mnが2000〜10000の範囲では、トナーの耐久性及び粉砕性が良好である。
(w1)からなるトナー用添加剤(B)は、例えばワックス(w)を溶剤(例えばトルエン又はキシレン)に溶解又は分散させ、100℃〜200℃に加熱した後、(m)をパーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキサイドベンゾエート等)とともに滴下して重合後、溶剤を留去することにより得られる。
パーオキサイド系開始剤の量は(w)と(m)の合計重量に基づいて通常0.2〜10%、好ましくは0.5〜5%である。
本第4発明のトナー用樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)とトナー用添加剤(B)とからなる。(A)と(B)の重量比は、トナー中のワックス粒径をコントロールするために、好ましくは(25〜99.9):(0.1〜75)、さらに好ましくは(50〜99):(1〜50)、特に好ましくは(75〜98:2〜25)である。
なお、本発明のトナー用ポリエステル樹脂組成物中には、(A)と(B)以外に、必要により、他の樹脂や後述の離型剤等を含有してもよい。本発明においてトナー用添加剤(B)は、ポリエステル樹脂と離型剤の相溶性を向上させる相溶化剤としての機能を有する。
本第4発明のトナー用ポリエステル樹脂組成物を得るためには、トナー用添加剤(B)とポリエステル樹脂(A)を粉体混合してもよいし、二軸押出機や、加熱攪拌のできる配合釜等で溶融混合してもよく、ポリエステル樹脂(A)の存在下でトナー用添加剤(B)を製造してもよい。
本第5発明のトナー組成物は、バインダー樹脂となる本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A)と、着色剤、および必要により、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等の1種以上の添加剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。着色剤の含有量は、本発明のポリエステル樹脂100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
具体例としては前述のワックス(w)におけるものと同様のものが挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本第5発明のトナー組成物の組成比は、トナー重量に基づき、本発明のポリエステル樹脂が、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物は、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、通常1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
また、本発明のトナー組成物を用いることにより、未定着画像を定着機で定着させる際のホットオフセット発生温度と最低定着温度の差が95℃以上(特に100℃以上)となる広い温度領域で定着可能とすることが容易である。
本第6発明の非磁性一成分トナーは、少なくとも、ポリエステル樹脂(A)〔本第1〜第3発明のポリウレタン樹脂(A1)、(A2)、または(A3)〕と着色剤を含有する。
本第6発明に用いるポリエステル樹脂(A)においては、さらにその軟化点(sp)およびガラス転移温度(Tg)が、下記の式(1)〜(4)で表される直線で囲まれる範囲〔図1の平行四辺形の内部〕にあるものが使用される。好ましくは、下記式(1)、(2)、(3’)、および(4’)で表される範囲にあるものであり、さらに好ましくは、下記式(1’)、(2’)、(3’’)、および(4’)で表される範囲にあるものである。
式(1) sp=4Tg−110
式(2) sp=4Tg−170
式(3) sp=90
式(4) sp=130
式(1’) sp=4Tg−114
式(2’) sp=4Tg−166
式(3’) sp=93
式(3’’) sp=95
式(4’) sp=127
すなわち、ポリエステル樹脂(A)のspは90〜130℃である。下限は、好ましくは93℃、さらに好ましくは95℃であり、上限は好ましくは127℃である。また、Tgの範囲は、例えばspが90℃の時50〜65℃、好ましくは51〜64℃であり、spが130℃の時60〜75℃、好ましくは61〜74℃である。
この場合、spが前記範囲より低い場合は定着時のオフセット現象が発生する場合があり、前記範囲より高い場合は定着エネルギーが増大し、カラートナーでは光沢性や透明性が低下する傾向にある。また、Tgが前記範囲より低い場合はトナーの凝集塊や固着を生じる場合があり、前記範囲より高い場合は熱定着時の定着強度が低下する傾向にあるので、spおよびTgが上記範囲内であるのが好ましい。spは主として樹脂の分子量で調節でき、Mnを、好ましくは2000〜20000、より好ましくは3000〜12000とするのがよい。また、Tgは主として樹脂を構成するモノマー成分を選択することによって調節でき、具体的にはポリカルボン酸成分として芳香族ポリカルボン酸を主成分とすることにより、Tgを高めることができる。
ポリエステル樹脂(A)のspは、前記本第2発明における軟化点と異なり、JIS K7210およびK6719に記載されるフローテスターを用いて測定する。具体的には、フローテスター(CFT−500、島津製作所製)を用いて約1gの試料を昇温速度3℃/min.で加熱しながら、面積1cm2のプランジャーにより30kg/cm2の荷重を与え、孔径1mm、長さ10mmのダイから押し出す。これによりプランジャーストローク−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度を軟化点とするものである。
ポリエステル樹脂(A)は2種以上を併用してもよく、低温定着性と耐ホットオフセット性および粉砕性の両立の点で、前記線形ポリエステル樹脂(Aa)と非線形ポリエステル樹脂(Ab)からなることが好ましい。(Aa)と(Ab)はそれぞれを2種以上を併用してもよい。
(Aa)と(Ab)の重量比は、好ましくは10/90〜80/20、さらに好ましくは20/80〜75/25、とくに好ましくは25/75〜70/30である。
本第6発明に用いるポリエステル樹脂は、樹脂(A)のみからなることが好ましいが、ポリエステル樹脂の特性を損なわない範囲で、他のポリエステル樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、Mnが1000〜100万の(A)以外のポリエステル樹脂が挙げられる。他の樹脂の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
(A)と共に他の樹脂を併用する場合も、本発明のトナー用ポリエステル樹脂全体として、前述の(A)の好ましい物性(分子量、Tg、THF不溶解分等)の範囲内であるのが好ましい。
本発明の非磁性トナーに用いる着色剤としては、前述のものが挙げられる。
本発明の非磁性トナーは、その粒子の表面に少なくとも1種の微粒子添加剤(流動化剤)を含有する。これらは、トナー粒子の粘着性、凝集性、流動性などを改良するとともに、トナーとしての摩擦帯電性や耐久性などの改善を主たる目的とするものである。具体的には、平均の一次粒子径が0.001〜5μm、特に好ましくは0.002〜3μmの表面を処理されてもよい有機および無機微粒子が挙げられ、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレートやシリコーン樹脂などを主成分とする樹脂ビーズ類、タルク、ハイドロタルサイトなどの鉱物類、酸化珪素(コロイダルシリカ等)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物などが挙げられる。
本第6発明の非磁性トナー中には、必要により、前述の離型剤、荷電制御剤等の、トナーに通常用いられる1種以上の添加剤を含有してもよい。
本発明の非磁性トナーの組成比は、トナー重量に基づき、ポリエステル樹脂(A)が、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;添加剤のうち、微粒子添加剤が、好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.05〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%;離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%である。;また、添加剤(微粒子添加剤を含む)の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明の非磁性トナーは、前述の混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。
本発明の非磁性トナーは、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
次に、本第7発明の樹脂粒子における樹脂(K)は、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られるポリエステル樹脂(K1)からなる。(K1)は、ポリオール成分中に、炭素数2〜6の脂肪族ジオールを必須成分として含有する。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールとしては、前述のものが挙げられ、2種以上を併用してもよい。好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、およびネオペンチルグリコールであり、さらに好ましくはエチレングリコール、および1,2−プロピレングリコールであり、とくに好ましくは1,2−プロピレングリコールである。
(K1)において、ポリオール成分中の炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量は、通常85〜100モル%、好ましくは90〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%、とくに好ましくは100モル%である。炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量が85モル%以上であると、樹脂自体の強度が強くなり低温定着性が向上する。ただし、炭素数2〜6の脂肪族ジオールのうち、1,2−プロピレングリコールを用いる場合は、通常70〜100モル%、好ましくは75〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%、とくに好ましくは95〜100モル%、最も好ましくは100モル%である。1,2−プロピレングリコールの含有量が70モル%以上であると、樹脂自体の強度が強くなり低温定着性が向上する。
ポリオール成分中に、炭素数2〜6の脂肪族ジオール以外の多価アルコールを、15モル%以下(1,2−プロピレングリコールを用いる場合は30モル%以下)含有してもよい。
多価アルコールのうち2価アルコール(ジオール)としては、前記の、炭素数7〜36の脂肪族ジオール、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数2〜6および7〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、炭素数6〜36の脂環式ジオール、脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物等が挙げられる。
多価アルコールのうち3〜8価またはそれ以上のアルコールとしては、前記のものが挙げられる。
これらの多価アルコールの中で、好ましくは、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物である。
(K1)を構成するポリカルボン酸成分としては前記のものが挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、および炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、さらに好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらの併用であり、とくに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、およびこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、ポリカルボン酸成分としては、芳香族ポリカルボン酸(2〜6価またはそれ以上)と脂肪族ポリカルボン酸(2〜6価またはそれ以上)とからなり、芳香族ポリカルボン酸を60モル%以上含有するものが好ましい。芳香族ポリカルボン酸の含有量の下限は、さらに好ましくは70モル%、とくに好ましくは80モル%であり、上限は、さらに好ましくは99モル%、とくに好ましくは98モル%である。芳香族ポリカルボン酸が60モル%以上含有されていることで、樹脂強度が上がり、低温定着性がさらに向上する。
本発明において(K1)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、前述の方法が挙げられる。
(K1)の、THF可溶分のMnは、1000〜9500である。下限は、好ましくは1200、さらに好ましくは1400であり、上限は、好ましくは9300、さらに好ましくは9100である。Mnが1000以上であると樹脂強度が良好であり、9500以下であると低温定着性が良好である。
また、(K1)の、THF可溶分のMpは、樹脂強度と、低温定着性のバランスの観点から、好ましくは1200〜250000である。下限はさらに好ましくは1500であり、上限はさらに好ましくは23000である。
(K1)のTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムにおける分子量500以下の成分の量は、好ましくは3%以下、さらに好ましくは2.5%以下である。分子量500以下の成分の量が3%以下であると、トナーとして用いた場合、その流動性がより向上し、連続印刷時の画像安定性が向上する。(K1)として2種以上の樹脂を用いる場合は、分子量500以下の成分の量が多い樹脂が含まれていても、(K1)全体として上記範囲内であれば好ましい。
樹脂(K1)のTgは、耐熱保存性、低温定着性の点から、好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは45〜85℃、特に好ましくは50〜80℃である。
樹脂(K1)中のTHF不溶解分は、低温定着性の点から、70%以下が好ましい。下限は、さらに好ましくは1%、とくに好ましくは3%であり、上限は、さらに好ましくは40%、とくに好ましくは30%である。
(K1)の水酸基価(mgKOH/g)は、好ましくは70以下、さらに好ましくは5〜40、とくに好ましくは10〜30である。水酸基価が70以下であると、環境安定性やトナーとした場合の帯電量が向上する。(K1)の酸価(mgKOH/g)は、好ましくは40以下、さらに好ましくは1〜30、とくに好ましくは2〜25、最も好ましくは5〜20である。酸価が40以下であると環境安定性が向上する。また、適度の酸価を有している方が帯電の立ち上がりが向上する点で好ましい。
(K1)は2種以上を併用してもよく、トナー用として用いた場合の低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の点で、線形ポリエステル樹脂(K1a)と非線形ポリエステル樹脂(K1b)からなることが好ましい。(K1a)と(K1b)はそれぞれを2種以上を併用してもよい。
(K1a)と(K1b)の重量比は、好ましくは10/90〜80/20、さらに好ましくは20/80〜75/25、とくに好ましくは25/75〜70/30である。
また、同様の理由で、(K1b)のTHF可溶分のMnが(K1a)のMnよりも200以上大きいことが好ましく、300以上大きいことがさらに好ましい。
線形ポリエステル樹脂(K1a)は、通常、前記ジオールとジカルボン酸を重縮合させて得られる。また分子末端を前記カルボン酸(3価以上のものでもよい)の無水物で変性したものであってもよい。
非線形ポリエステル樹脂(K1b)は、通常前記のジカルボン酸およびジオールと共に、前記の3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上の多価アルコールを反応させて得られる。3価以上のポリカルボン酸および/または3価以上の多価アルコールとしては、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(平均付加モル数2〜30)、および炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)が好ましく、さらに好ましくは、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸である。
(K1b)を得る場合の3価以上のポリカルボン酸と3価以上の多価アルコールの比率は、これらのモル数の和が、全アルコール成分とポリカルボン酸成分のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは3〜20モル%である。
なお、ポリエステル樹脂(K1)は、本第1発明のポリエステル樹脂(A1)、および/または、本第2発明のポリエステル樹脂(A2)でもあることが好ましい。
(K1a)のTHF不溶解分は、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下、とくに好ましくは0%である。(K1a)のTHF不溶解分が少ない方が低温定着性向上の点で好ましい。
(K1b)のTHF不溶解分は、好ましくは1〜70%である。下限は、さらに好ましくは2%、とくに好ましくは5%であり、上限は、さらに好ましくは60%、とくに好ましくは50%である。上記範囲のTHF不溶解分を含有させることは、耐ホットオフセット性が向上する点で好ましい。
本発明の樹脂粒子における樹脂(K)は、ポリエステル樹脂(K1)の特性を損なわない範囲で、1種以上の他の樹脂(K2)を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、(K1)以外のポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられ、このうち好ましいのはビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およびポリエステル樹脂の具体例としては、国際公開WO03/106541号公報に記載のものが挙げられる。
(K2)のMnは好ましくは500〜200万であり、さらに好ましくは1000〜100万である。(K)中の(K2)の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは0.1〜8%である。
(K)中に他の樹脂(K2)を含有する場合も、樹脂(K)全体として、前述の(K1)の好ましい物性(分子量、Tg、THF不溶解分等)の範囲内であるのが好ましい。
本発明の樹脂粒子は樹脂(K)の他に、必要により、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等の1種以上の添加剤を含有してもよい。樹脂粒子を、粉体塗料、電子写真トナー、静電記録トナー、または静電印刷トナーとして用いる場合は、着色剤を必ず含有する。
着色剤としては、トナー用などの着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、前述のもの等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。着色剤の含有量は、本発明の樹脂粒子における樹脂(K)100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。
離型剤、荷電制御剤、および流動化剤としては、前述のものが挙げられる。
本発明の樹脂粒子の組成比は、組成物の重量に基づき、樹脂(K)が、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;添加剤のうち、着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは5〜60%、とくに好ましくは8〜55%である。組成比が上記の範囲であることで、帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明の樹脂粒子は、樹脂(K)を含む構成する成分を有機溶剤に溶解または分散した油性混合液(I)を調製し、水系媒体(II)との水性分散液とした後に、水性分散液から有機溶剤や水等の溶剤を除去することによって得られる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、2〜20μmが好ましい。下限は、さらに好ましくは3μm、とくに好ましくは4μmであり、上限は、さらに好ましくは15μm、とくに好ましくは12μmである。
なお、体積平均粒径(D50)は、レーザー式粒度分布測定装置[例えば、商品名:LA−920(堀場製作所製)や商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用い測定できる。
水系媒体(II)は、水性分散液中で油性混合液(I)の油滴形成を容易にする、および形成された油滴を安定に保つために、乳化剤、分散剤を含有していてもよい。乳化剤、分散剤としては公知の界面活性剤(S)、微粒子(M)、水溶性ポリマー(T)等を用いることができる。また乳化または分散の助剤として溶剤(U)、可塑剤(V)等を併用することができる。
界面活性剤(S)としては、公知のものを広く用いることができ、アニオン界面活性剤(S−1)、カチオン界面活性剤(S−2)、両性界面活性剤(S−3)、非イオン界面活性剤(S−4)などが挙げられる。(S)は2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤(S−1)としては、カルボン酸またはその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤(S−2)としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤およびアミン塩型界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤(S−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤(S−4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤および多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
これら界面活性剤(S)の具体例としては、国際公開WO03/106541号公報に記載のものが挙げられる。
水系媒体(II)中の界面活性剤(S)の含有量としては、好ましくは0.01〜30%であり、さらに好ましくは0.1〜20%である。
微粒子(M)としては、水系分散体を形成しうる樹脂微粒子であれば、特に限定されず、熱可塑性樹脂の微粒子であっても熱硬化性樹脂の微粒子であってもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等の微粒子が挙げられ、上記樹脂の2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水系分散体が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらを併用した樹脂微粒子である。これらの樹脂の具体例としては、国際公開WO03/106541号公報に記載のものが挙げられる。
(M)の体積平均粒径は、好ましくは20〜500nm、さらに好ましくは25〜300nmである。
また、水系媒体(II)中の微粒子(M)の含有量は、好ましくは0.01〜30%であり、さらに好ましくは0.1〜20%である。
水溶性ポリマー(T)としては、セルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
これらの水溶性ポリマー(T)の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜10,000,000である。
水系媒体(II)中の水溶性ポリマー(T)の含有量は、好ましくは0.01〜20%であり、さらに好ましくは0.1〜10%である。
本発明に用いる溶剤(U)としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
水系媒体(II)中の溶剤(U)の含有量としては、好ましくは0.01〜50%であり、さらに好ましくは0.1〜30%である。
可塑剤(V)としては、何ら限定されず、以下のものが例示される。
(V1)炭素数8〜60のフタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];
(V2)炭素数6〜60の脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(V3)炭素数10〜70のトリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(V4)炭素数8〜60のリン酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(V5)炭素数8〜50の脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];
(V6)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
水系媒体(II)中の可塑剤(V)の含有量としては、好ましくは0.01〜10%であり、さらに好ましくは0.1〜8%である。
本発明において、油性混合液(I)と水系媒体(II)とからの水性分散液を得る際の、混合割合としては、油性混合液(I)100部に対し、水系媒体(II)が、好ましくは50〜500部であり、さらに好ましくは80〜300部である。混合順序としては特に限定されず、(I)に(II)を投入しても、逆に(II)に(I)を投入しても、同時投入であってもよい。混合は撹拌または分散下に実施してもよく、また混合後に撹拌または分散開始してもよい。
本発明において、油性混合液(I)と水系媒体(II)とからの水性分散液を得る際には、分散装置を用いてもよい。分散装置としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
上記製造方法によって得られる樹脂(K)を含有する水性分散液から、必要により有機溶剤を除去して樹脂粒子を含有する水性分散液を得た後、固液分離(必要に応じて水等を加え固液分離を繰り返す)した後乾燥して、有機溶剤や水等の溶剤を除去することによって、本発明の樹脂粒子を得ることができる。
溶剤を除去する方法としては、以下の〔1〕〜〔3〕、およびこれらの組合せの方法等が適用できる。
〔1〕水性分散体を減圧下または常圧下で乾燥する方法。
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルターおよび/またはフィルタープレスなどにより固液分離し、得られた固体を乾燥する方法。
〔3〕水性分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
上記〔1〕および〔2〕の方法において、乾燥機としては、流動層式乾燥機、減圧乾燥機および循風乾燥機等公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器またはふるい等を用いて分級し、所望の粒度分布とすることもできる。
溶剤除去後の本発明の樹脂粒子中の残存溶剤量は、有機溶剤は200ppm以下が好ましく、水は0.5%以下が好ましい。
本第7発明の樹脂粒子をトナー用途に使用する場合には、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、通常1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本第7発明の樹脂粒子をトナー用途に使用する場合には、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
本第8発明における複合樹脂粒子は、核となる樹脂粒子(P)の表面に樹脂微粒子(Q)が付着してなるものであり、樹脂粒子(P)は、樹脂(p)を含有してなる。
樹脂(p)は、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られる特定のポリエステル樹脂(p1)、および/または該ポリエステル樹脂(p1)を構成単位として含む樹脂(p2)を含有する。(p1)と(p2)は、それぞれ2種以上を用いてもよい。
(p1)としては前述のポリエステル樹脂(K1)と同様のものが挙げられる。
ただし、樹脂(p1)のTgは、耐熱保存性、低音溶融性、低温定着性の点から、好ましくは30〜120℃、さらに好ましくは35〜100℃、特に好ましくは40〜90℃である。また、(p1)の水酸基価(mgKOH/g)は、好ましくは70以下、さらに好ましくは5〜50、とくに好ましくは10〜40である。水酸基価が70以下であると、環境安定性やトナーとした場合の帯電量が向上する。(p1)の酸価(mgKOH/g)は、好ましくは45以下、さらに好ましくは1〜40、とくに好ましくは2〜35、最も好ましくは5〜30である。酸価が45以下であると環境安定性が向上する。また、適度の酸価を有している方が帯電の立ち上がりが向上する点で好ましい。
なお、ポリエステル樹脂(p1)は、本第1発明のポリエステル樹脂(A1)、および/または、本第2発明のポリエステル樹脂(A2)でもあることが好ましい。
本発明において、樹脂粒子(P)に含まれる樹脂(p)としては、上記ポリエステル樹脂(p1)が高分子骨格の構成単位として含まれる樹脂(p2)であってもよく、(p1)と(p2)を併用することもできる。
(p2)としては、(p1)と後述するポリイソシアネート(15)からなるポリウレタン樹脂、(p1)と後述するポリエポキシド(18)からなるエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂(p1)と後述するポリアミン(16)からなるポリアミド樹脂などがあげられる。
これらのうち、好ましいものはポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂であり、さらに好ましいものは、ポリウレタン樹脂である。
また、(p1)と(p2)の中では、低温溶融性や低温定着特性がより良好になることから、(p2)が好ましい。
また、樹脂(p2)は、例えば、分子中にポリエステル樹脂(p1)を構成単位として含む前駆体(p0)と硬化剤との反応で形成されたものでもよく、(p1)の構成単位を含有する反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)との組み合わせで合成することができる。
反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基と、硬化剤(β)の組み合わせとしては、下記組合せ〔1〕及び組合せ〔2〕等が挙げられる。
組合せ〔1〕活性水素含有基と反応可能な官能基を有する反応性基含有プレポリマー(α1)と、活性水素含有化合物(β1)とからなる組合せ。
組合せ〔2〕活性水素含有基を有する反応性基含有プレポリマー(α2)と、活性水素含有基と反応可能な官能基を有する硬化剤(β2)という組合せ。
活性水素含有基と反応可能な官能基としては、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、エポキシ基、酸無水物からなる基、及び酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイド等)からなる基等が挙げられる。
これらのうち、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基及びエポキシ基が好ましく、さらに好ましくはイソシアネート基及びブロック化イソシアネート基である。
なお、ブロック化イソシアネート基は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。
ブロック化剤としては、公知のブロック化剤が使用でき、例えば、オキシム[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム及びメチルエチルケトオキシム等];ラクタム[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム及びγ−バレロラクタム等];炭素数1〜20の脂肪族アルコール[エタノール、メタノール及びオクタノール等];フェノール[フェノール、m−クレゾール、キシレノール及びノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル及びアセト酢酸エチル等];塩基性窒素含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド及び2−メルカプトピリジン等];及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
これらのうち、オキシムが好ましく、さらに好ましくはメチルエチルケトオキシムである。
ポリエステル樹脂(p1)に反応性基を含有させる方法としては、特に制限はなく、例えば、ポリエステル樹脂(p1)に残存した官能基と反応可能な官能基(反応性基)を含有する化合物を反応させる方法が適用できる。
この方法では、ポリエステル樹脂(p1)に、ポリイソシアネートを反応させることでイソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ブロック化ポリイソシアネートを反応させることでブロック化イソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ポリエポキサイドを反応させることでエポキシ基含有プレポリマーが得られ、酸無水物からなる基を2個以上有する化合物を反応させることで酸無水物からなる基を含有するプレポリマーが得られる。
この方法におけるポリエステル樹脂(p1)とポリイソシアネートとの比率を例にあげると、イソシアネート基[NCO]と水酸基[OH]のモル比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、さらに好ましくは4/1〜1.2/1、特に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。すなわち、この場合モル比[NCO]/[OH]の上限は5/1が好ましく、さらに好ましくは4/1、特に好ましくは2.5/1であり、同様に下限は1/1が好ましく、さらに好ましくは1.2/1、特に好ましくは1.5/1である。
また、他のプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで好ましい比率は同様である。
反応性基含有プレポリマー(α)中に含有する反応性基の1分子当たり平均数は、1〜3が好ましく、さらに好ましくは1.5〜3、特に好ましくは1.8〜2.5個である。この範囲であると、硬化剤(β)と反応させて得られる樹脂(q)の機械的強度が高くなりやすい。
反応性基含有プレポリマー(α)のMnは、1,000〜30,000が好ましく、さらに好ましくは1,500〜20,000、特に好ましくは2,000〜10,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)のMwは、1,500〜50,000が好ましく、さらに好ましくは2,000〜40,000、特に好ましくは4,000〜20,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)の粘度は、100℃において、50〜50,000MPa・Sが好ましく、さらに好ましくは100〜5,000MPa・S、特に好ましくは150〜3,000MPa・Sである。
この範囲であると、溶剤の使用量が少量であっても、粒度分布のシャープな紡錘状の複合樹脂粒子を得やすい傾向がある。
活性水素基含有化合物(β1)としては、後述する、水、ジオール(11)、3〜6価又はそれ以上のポリオール(12)、ジカルボン酸(13)、3〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)及びポリチオール(17)等の他に、脱離可能な化合物でブロック化されていてもよいポリアミン、及び脱離可能な化合物でブロック化されていてもよいポリオール等が挙げられる。
脱離可能な化合物でブロック化されたポリアミンとしては、ポリアミン(16)と炭素数3〜8のケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)との脱水反応により得られるケチミン化合物、ポリアミンと炭素数2〜8のアルデヒド化合物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)との脱水反応により得られるアルジミン化合物、並びにポリアミンと炭素数3〜8のケトン又は炭素数2〜8のアルデヒドとからなるエナミン化合物及びオキサゾリジン化合物等が挙げられる。
これらのうち、ブロック化されていてもよいポリアミン、ブロック化されていてもよいポリオール、及び水が好ましく、さらに好ましくはブロック化されていてもよいポリアミン及び水、特に好ましくはポリアミン、ケチミン化合物及び水、最も好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びこれらとケトンから得られるケチミン化合物、並びに水である。
樹脂粒子(P)を製造するする際に(複合樹脂粒子を製造する際に)、必要により活性水素基含有化合物(β1)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤を(β1)と一定の比率で併用することにより、樹脂微粒子(Q)を構成する樹脂(q)の分子量の調整が行いやすい。
反応停止剤(βs)としては、炭素数1〜40のモノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等);炭素数3〜40のモノアミンをブロックしたもの(ケチミン化合物等);炭素数1〜40のモノオール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びフェノール等);炭素数2〜40のモノメルカプタン(ブチルメルカプタン及びラウリルメルカプタン等);炭素数5〜40のモノイソシアネート(ブチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート及びフェニルイソシアネート等);炭素数2〜40のモノエポキサイド(ブチルグリシジルエーテル等)等が挙げられる。
上記の組合せ〔2〕(活性水素含有基を有する反応性基含有プレポリマー(α2)と、活性水素含有基と反応可能な官能基を有する硬化剤(β2)という組合せ。)において、反応性基含有プレポリマー(α)が有する活性水素含有基としては、アミノ基、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、メルカプト基、カルボキシル基及びこれらが脱離可能な化合物(ケトン及びアルデヒド等)でブロック化された有機基(ケチミン含有基、アルジミン含有基、オキサゾリジン含有基、エナミン含有基、アセタール含有基、ケタール含有基、チオアセタール含有基及びチオケタール含有基等)等が挙げられる。
これらのうち、アミノ基、水酸基及びこれらの基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基が好ましく、さらに好ましくは水酸基である。
活性水素含有基と反応可能な官能基を有する硬化剤(β2)としては、ポリイソシアネート(15)、ポリエポキシド(18)、ジカルボン酸(13)、ポリカルボン酸(14)、酸無水物からなる基を2個以上有する化合物及び酸ハライドからなる基を2個以上有する化合物等が挙げられる。
これらのうち、ポリイソシアネート及びポリエポキシドが好ましく、さらに好ましくはポリイソシアネートである。
酸無水物からなる基を2個以上有する化合物としては、ピロメリット酸無水物及びポリ無水マレイン酸(共)重合体等が挙げられる。
酸ハライドからなる基を2個以上有する化合物としては、ジカルボン酸(13)又はポリカルボン酸(14)の酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイド及び酸アイオダイド等)等が挙げられる。
樹脂粒子(P)を製造する際に(複合樹脂粒子を製造する際に)、必要により、活性水素含有基と反応可能な官能基を有する硬化剤(β2)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤を(β2)と一定の比率で併用することにより、樹脂粒子(P)を構成する樹脂(p)の分子量の調整が行いやすい。
硬化剤(β)の使用量は、反応性基含有プレポリマー(α)中の反応性基の当量[α]と、硬化剤(β)中の活性水素含有基の当量との比[α]/[β]として、1/2〜2/1が好ましく、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.5、特にに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。すなわち、比[α]/[β]の上限は2/1が好ましく、さらに好ましくは1.5/1、特に好ましくは1.2/1であり、同様に下限は1/2が好ましく、さらに好ましくは1/1.5、特に好ましくは1/1.2である。
なお、硬化剤(β)が水である場合、水は2価の活性水素含有基を有する化合物として取り扱う。
反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させた樹脂(p)のMwは、3,000以上が好ましく、さらに好ましくは3,000〜1000万、特にに好ましくは5,000〜100万である。すなわち、(p)Mwの上限は1000万が好ましく、特に好ましくは100万であり、同様に下限は3,000が好ましく、特に好ましくは5,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)との反応時間は、プレポリマー(α)の有する反応性基の種類と硬化剤(β)との組み合わせによる反応性等により選択されるが、10分〜40時間が好ましく、さらに好ましくは30分〜24時間、特に好ましくは30分〜8時間である。
また、これらの反応温度は、0〜150℃が好ましく、さらに好ましくは50〜120℃である。
また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的には、例えばイソシアネートと活性水素化合物の反応の場合には、ジブチルチンラウレート及びジオクチルチンラウレート等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子における樹脂(p)は、(p1)および/または(p2)以外に、(p1)や(p2)の特性を損なわない範囲で、1種以上の他の樹脂(p3)を含有してもよい。
(p3)としては、例えば、(p1)および(p2)以外の、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。このうち好ましいのはビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およびポリエステル樹脂の具体例としては、国際公開WO03/106541号公報に記載のものが挙げられる。
(p3)のMnは好ましくは500〜200万であり、さらに好ましくは1000〜100万である。(p)中の(p3)の含有量は、好ましくは80%以下、さらに好ましくは60%以下、とくに好ましくは5〜40%である。
樹脂(p)のMn、融点、Tg、SP値は、用途によって好ましい範囲に適宜調整すればよい。
例えば、本発明の複合樹脂粒子をスラッシュ成形用樹脂、粉体塗料として用いる場合、(p)のMnは、通常1,000〜50万、好ましくは1,500〜20万、さらに好ましくは2,000〜10万、特に好ましくは2,500〜1万である。(p)の融点(DSCにて測定、以下融点はDSCでの測定値)は、通常0℃〜200℃、好ましくは、35℃〜150℃、さらに好ましくは40〜120℃、特に好ましくは45〜100℃である。(p)のTgは、通常−60℃〜100℃、好ましくは−50〜90℃、さらに好ましくは−40〜80℃、特に好ましくは、−30℃〜60℃である。(p)のSP値は、通常7〜18、好ましくは8〜16、特に好ましくは9〜14である。
電子写真、静電記録、静電印刷などに使用されるトナーとして用いる場合、(p)のMnは、通常1,000〜500万、好ましくは1,500〜50万、さらに好ましくは2,000〜10万、特に好ましくは2、500〜5万である。(p)の融点は、通常20℃〜300℃、好ましくは40〜250℃、さらに好ましくは60〜220℃、特に好ましくは、80℃〜200℃である。(p)のTgは、通常20℃〜200℃、好ましくは、30〜180℃、さらに好ましくは35℃〜160℃、特に好ましくは40〜100℃である。(p)のSP値は、通常7〜16、好ましくは8〜15、特に好ましくは9〜14である。
本発明の樹脂粒子(P)は樹脂(p)の他に、必要により1種以上の添加剤(T)(例えば、充填剤、着色剤、可塑剤、離型剤、帯荷電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防腐剤等の各種添加剤等)を含有していてもよい。
充填剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素等が挙げられる。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、前記のもの、および国際公開WO03/106541号公報に記載のものが挙げられる。
可塑剤としては、前記可塑剤(V)等が用いられる。
離形剤としては、ワックス及び25℃の動粘度が30〜100000cStのシリコーンオイル等が使用できる。
ワックスとしては、公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
荷電制御剤としては、公知のものが全て使用でき、例えば、例えば、前記のもの、および国際公開WO03/106541号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の樹脂粒子(P)の組成比は、組成物の重量に基づき、樹脂(p)が、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;添加剤のうち、着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは5〜60%、とくに好ましくは8〜55%である。組成比が上記の範囲であることで、帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明における樹脂粒子(P)の体積平均粒径は、本発明における複合樹脂粒子が用いられる各用途に応じて適宜設計することができる。
粉体塗料、スラッシュ成型用樹脂およびホットメルト接着剤として用いられる場合は、通常10〜300μm、好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは50〜200μm、特に好ましくは80〜180μmであり、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナーとして用いられる場合は、通常0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜8μmである。
なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)、電気泳動式粒度分布測定装置ELS−8000(大塚電子製)、またはマルチサイザーIII(コールター社製)で測定できる。
本発明における樹脂微粒子(Q)中には、樹脂(q)が含有される。
樹脂(q)としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えばビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート及びこれらの混合物等が使用できる。これらのうち、均一微細球状の樹脂微粒子が得られやすいという観点等から、ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル及びこれらの混合物が好ましく、さらに好ましくはビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル及びこれらの混合物である。
樹脂(q)のうち、好ましい樹脂、すなわち、ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂及びポリエステルについて説明するが、他の樹脂についても同様にして使用できる。なお、(q)の具体例としては、以下に記載のものの他、国際公開WO03/106541号公報に記載のものも用いられる。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーである。
重合には、公知の重合触媒等が使用できる。
ビニルモノマーとしては、下記(1)〜(10)等が使用できる。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:炭素数2〜12のアルケン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及び炭素数3〜24のα−オレフィン等);炭素数4〜12のアルカジエン(例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン等)。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:炭素数6〜15のモノ−又はジ−シクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)、炭素数5〜12のモノ−又はジ−シクロアルカジエン(例えば、(ジ)シクロペンタジエン等);及びテルペン(例えばピネン、リモネン及びインデン等)等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレン;スチレンのハイドロカルビル(炭素数1〜24の、アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体(例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン等);及びビニルナフタレン等。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸(例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等);炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸又はその無水物(例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等);及び炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜24)エステル(例えば、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノオクタデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、イタコン酸グリコールモ等)等。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩もしくは4級アンモニウム塩が挙げられる。アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、例えば、1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩、オクチルアミン塩等)、2級アミン(ジエチルアミン塩、ジブチルアミン塩等)、3級アミン(トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩等)が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの塩の具体例としては、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、マレイン酸モノナトリウム、マレイン酸ジナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、マレイン酸モノカリウム、アクリル酸リチウム、アクリル酸セシウム、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸カルシウム及びアクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
(3)スルホ基含有ビニルモノマー及びそれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等);スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸);アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えば、プロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸);ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えば、ポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル等];ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル(例えば、一般式(1−1)又は(1−2)で表される硫酸エステル;一般式(1−3)で表されるスルホン酸;及びこれらの塩等が挙げられる。)。
尚、塩としては、「(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩」で示した対イオン等が用いられる。
O−(AO)nSO3

CH2=CHCH2−OCH2CHCH2O−Ar−R (1−1)

CH=CH−CH3

R−Ar−O−(AO)nSO3H (1−2)

CH2COOR’

HO3SCHCOOCH2CH(OH)CH2OCH2CH=CH2 (1−3)
(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基を表す。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダム、ブロック及び/又はこれらの混合である。Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。)
(4)ホスホノ基含有ビニルモノマー及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等)、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、これらの塩等。
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等。
(6−3)炭素数3〜10のニトリル基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等。
(6−4)4級アンモニウムカチオンからなる基を含有するビニルモノマー:
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの。例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチルアリルアンモニウムクロライド等)。
(6−5)炭素数8〜12のニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
(7)炭素数6〜18のエポキシ基含有ビニルモノマー:
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)炭素数2〜16のハロゲン含有ビニルモノマー:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン:
(9−1)炭素数4〜16のビニルエステル:
酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
(9−2)炭素数3〜16のビニル(チオ)エーテル:
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、フェノキシスチレン等。
(9−3)炭素数4〜12のビニルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等):
炭素数2〜16のビニルスルホン(例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等)等。
(10)その他のビニルモノマー:
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
これらのビニルモノマーのうち、ビニル炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、ヒドロキシル基含有ビニルモノマー、含窒素ビニルモノマーが好ましく、更に好ましくは、ビニル炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、特に好ましくは芳香族ビニル系炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びそれらの塩である。
ビニル樹脂のうち、ビニルモノマーを共重合したポリマー(ビニルモノマーの共重合体)としては、上記(1)〜(10)の任意のモノマー同士を、2元又はそれ以上の個数で、任意の割合で共重合したポリマーが用いられ、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体及びスチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
複合樹脂粒子は、後述する製造方法、すなわち、樹脂微粒子(Q)を含有する水性分散体に、樹脂(p)、(p)の前駆体(p0)又はこれらの溶液を分散させる工程を含む製造方法によって得ることが好ましいので、樹脂微粒子(Q)は、水性分散体中に分散することが好ましい。従って、樹脂(Q)も少なくとも水性分散体を形成する条件下で水に完全に溶解していないことが好ましい。このため、ビニル樹脂が共重合体である場合には、ビニル樹脂を構成する疎水性モノマーと親水性モノマーの比率は、選ばれるモノマーの種類によるが、一般に疎水性モノマーが全モノマーの重量に基づいて10%以上であることが好ましく、さらに好ましくは30%以上である。疎水性モノマーの比率が、10%以下になるとビニル樹脂が水溶性になりやすく、複合樹脂粒子の粒径均一性が損なわれやすい傾向がある。
ここで、親水性モノマーとは水に任意の割合で溶解するモノマーをいい、疎水性モノマーとは、それ以外のモノマー(25℃の水100gにモノマー100g以上溶解しないモノマー)をいう(以下の樹脂についても同じである。)。
ポリエステルとしては、ポリオールと、ポリカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エステルとの重縮合物などが使用できる。
重縮合反応には、公知の重縮合触媒等が使用できる。
ポリオールとしては、ジオール(11)及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)が用いられる。
ポリカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(13)、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、これらの酸無水物及びこれらの低級アルキルエステルが用いられる。
ジオール(11)、および3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)としては、前記ポリオール成分を構成する多価アルコールとして例示したものが挙げられる。
これらのうち、脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、更に好ましくはノボラック樹脂のAO付加物である。
ジカルボン酸(13)としては、前記、脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
これらのうち、アルケンジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、更に好ましくは芳香族ジカルボン酸である。
3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)としては、前記、脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸、および芳香族ポリカルボン酸等が挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)又は3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物としては、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物などが挙げられる。これらの低級アルキルエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステルなどが挙げられる。
ポリエステルとしては、ジオール、3〜8価又はそれ以上のポリオール、ジカルボン酸、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸、及びこれらの混合物を任意の割合で使用できる。水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、2/1〜1/1が好ましく、更に好ましくは1.5/1〜1/1、特に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
また、ポリエステル中のエステル基当量(エステル基1当量あたりの分子量)は、50〜2000が好ましく、更に好ましくは60〜1000、特に好ましくは70〜500である。
ポリウレタンとしては、ポリイソシアネート(15)と活性水素含有化合物(β1){例えば、水、ジオール(11)、3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)、ジカルボン酸(13)、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)及びポリチオール(17)等}との重付加物などが使用できる。
重付加反応には、公知の重付加反応触媒等が使用できる。
ポリイソシアネート(15)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)及びこれらの2種以上の混合物等が用いられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びこれらの混合物などが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)及びこれらの混合物などが挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及び/又はオキサゾリドン基を含有する変性物などが用いられ、例えば、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDI及びこれらの混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との混合物]等が挙げられる。
これらのうち、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートが好ましく、更に好ましくはTDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
ポリアミン(16)としては、炭素数2〜18の脂肪族ポリアミン及び芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)等が使用できる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリアミンとしては、〔1〕脂肪族ポリアミン、〔2〕これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体、〔3〕脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミン及び〔4〕芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)等が用いられる。
〔1〕脂肪族ポリアミンとしては、炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)及びポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、及びペンタエチレンヘキサミン等〕等が挙げられる。
〔2〕これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体としては、ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等が挙げられる。
〔3〕脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ポリアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4〜15の複素環式ポリアミン{ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等}等が挙げられる。
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)としては、キシリレンジアミン及びテトラクロル−p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)としては、〔1〕非置換芳香族ポリアミン、〔2〕核置換アルキル基〔メチル、エチル、n−又はi−プロピル及びブチル等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミン、〔3〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I及びF等のハロゲン;メトキシ及びエトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミン及び〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン等が使用できる。
〔1〕非置換芳香族ポリアミンとしては、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリアミン、ナフチレンジアミン及びこれらの混合物等が挙げられる。
〔2〕核置換アルキル基(メチル、エチル、n−又はi−プロピル及びブチル等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミンとしては、例えば、2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン及びこれらの混合物等が挙げられる。
〔3〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I及びF等のハロゲン;メトキシ及びエトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミンとしては、例えば、メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン等が挙げられる。
〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミンとしては、上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ポリアミンの−NH2の一部又は全部が−NH−R’(R’はアルキル基、例えば、メチル及びエチル等の炭素数1〜4の低級アルキル基)で置き換ったもの〔例えば、4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物等が挙げられる。
ポリチオール(17)としては、炭素数2〜24のジチオール及び3〜6価又はそれ以上、炭素数5〜30のポリチオール等が使用できる。
ジチオールとしては、例えば、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
ポリチオールとしては、例えば、カプキュア3800(ジャパンエポキシレジン社製)、ポリビニルチオール等が挙げられる。
活性水素含有化合物(β1)のうち、水、ジオール(11)、ポリオール(12)、ジカルボン酸(13)及びポリアミン(16)が好ましく、さらに好ましくは水、ジオール(11)、ポリオール(12)及びポリアミン(16)、特に好ましくはジオール(11)、ポリオール(12)及びポリアミン(16)である。
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシド(18)の開環重合物、ポリエポキシド(18)と活性水素含有化合物(β1)との重付加物及びポリエポキシド(18)とジカルボン酸(13)または3〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物との硬化物などが使用できる。
開環重合反応、重付加反応及び硬化反応には、公知の触媒等が使用できる。
ポリエポキシド(18)としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されないが、硬化物の機械的性質の観点等から、分子中にエポキシ基を2〜6個有するものが好ましい。
ポリエポキシド(18)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、65〜1000が好ましく、さらに好ましくは70〜500、特に好ましくは90〜300である。すなわち、エポキシ当量の上限は、1000が好ましく、さらに好ましくは500、特に好ましくは300であり、同様に下限は65が好ましく、さらに好ましくは70,特に好ましくは90である。エポキシ当量が1000を超えると、架橋構造がルーズになりやすく硬化物の耐水性、耐薬品性及び機械的強度等の物性が悪くなりやすい傾向あり、一方、エポキシ当量が65未満のものは入手(合成を含む)しにくい傾向がある。
ポリエポキシド(18)としては、芳香族ポリエポキド、複素環含有ポリエポキド、脂環族ポリエポキド及び脂肪族ポリエポキド等が用いられる。
芳香族ポリエポキドとしては、多価フェノールグリシジルエーテル、多価フェノールグリシジルエステル、グリシジル芳香族ポリアミン及びアミノフェノールのグリシジル化物等が用いられる。
多価フェノールグリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、フェノールまたはクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価フェノールグリシジルエステルとしては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル及びテレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。
さらに、エポキシドとして、p−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、およびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド2〜20モル)付加物のジグリシジルエーテル体(例えば、ビスフェノールA・EO4モル付加物のジグリシジルエーテル体等)も使用できる。
複素環ポリエポキドとしては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。
脂環族ポリエポキシドとしては、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、ダイマー酸ジグリシジルエステル及び芳香族ポリエポキシドの核水添化物(例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテルの水添加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテの水添加物等が挙げられる。
脂肪族ポリエポキシとしては、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル、およびグリシジル脂肪族アミン等が用いられる。
脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルおよびポリグリセロールンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価脂肪酸のポリグリシジルエステルとしては、例えば、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルアジペート等が挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ポリエポキシドには、ジグリシジルエーテル及びグリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含まれる。
これらのうち、好ましいのは、脂肪族系ポリエポキシ化合物および芳香族系ポリエポキシ化合物である。本発明のポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
樹脂(q)のMnは、200〜500万が好ましく、さらに好ましくは2,000〜100万、特に好ましくは3,000〜50万である。
なお、本第8発明における、Mn及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される(THF溶媒、基準物質ポリスチレン)。以下、重量平均分子量をMwと略記する。
樹脂(q)のSP値は、7〜18が好ましく、さらに好ましくは8〜16、特に好ましくは8.5〜14である。
なお、SP値は、Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2,147〜154頁に記載の方法により算出される。
樹脂(q)が結晶性ポリマーである場合(q)の融点は、35℃以上が好ましく、さらに好ましくは40〜250℃、特に好ましくは50〜200℃である。
なお、融点は、DSCにより測定されるものである(昇温速度20℃/分)。
また、複合樹脂粒子の、耐熱性、耐水性、耐薬品性及び粒径の均一性等を向上させる目的で、樹脂(q)に架橋構造を導入させてもよい。かかる架橋構造は、共有結合性、配位結合性、イオン結合性、水素結合性等、いずれの架橋形態であってもよい。
架橋構造を導入する方法は、通常の方法が適用できる。
樹脂(q)の酸価は、0〜400が好ましく、さらに好ましくは1〜300、特に好ましくは1〜200、最も好ましくは5〜50である。
なお、複合樹脂粒子を塗料用及びコーティング剤用添加剤、粉体塗料、スラッシュ成形用樹脂又はホットメルト接着剤として用いる場合、(q)の酸価は、基材への接着性及びレベリング性等の観点等から、0〜400であるのが好ましく、さらに好ましくは1〜300、特に好ましくは1〜200、最も好ましくは1〜100である。
また、電子写真、静電記録及び静電印刷等に用いられるトナーとして用いる場合、(q)の酸価は、帯電特性及び紙等への定着特性の観点等から、0〜400が好ましく、さらに好ましくは1〜300、特に好ましくは1〜200である。
樹脂微粒子(Q)は、樹脂(p)、(p)の前駆体(p0)及び/又はこれらの溶液を分散する際に、剪断により破壊されない程度の強度を有することが必要であり、水に溶解しにくいこと、水に膨潤しにくいこと、樹脂(p)、(p)の前駆体(p0)又はこれらの溶液に溶解及び膨潤しにくいことが好ましい。
樹脂微粒子(Q)が水や、分散時に用いる溶剤に対して、溶解及び膨潤するのを低減する観点等から、樹脂(p)の分子量(Mn、Mw)、SP値、結晶性及び架橋構造等を適宜調整するのが好ましい。
樹脂(Q)のTgは、複合樹脂粒子の形状、粒径均一性、粉体流動性、耐熱性(保存時)及び耐ストレス性の観点等から、0〜300℃が好ましく、さらに好ましくは20〜250℃、特に好ましくは45〜200℃、最も好ましくは50〜200℃である。
なお、本第8発明におけるTgは、DSC(示差走査熱量測定、昇温速度20℃/分)から求められる。
樹脂微粒子(Q)は、樹脂(q)以外に、前述の添加剤(T)(例えば、充填剤、着色剤、可塑剤、離型剤、帯荷電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防腐剤等の各種添加剤等)を含有していてもよい。
添加剤(T)の含有量は、各種用途に応じて適宜添加することができるが、例えば、樹脂微粒子(Q)の重量に基づいて、0.01〜150%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜100%、特に好ましくは0.5〜80%である。
樹脂微粒子(Q)を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、以下の〔1〕〜〔8〕の方法等が挙げられる。なお、〔1〕〜〔8〕には、(Q)の水性分散液を得る方法について示すが、(Q)の水性分散液を本発明の複合樹脂粒子の製造にそのまま使用することができ、水性分散液から(Q)のみを分離することもでき、また、水性分散液とする途中で(Q)を分離することもできる。分離方法としては、濾過法、デカンテーション法及び遠心分離法等が適用できる。
〔1〕ビニル樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、重合触媒存在下で懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法又は分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子(Q)の水性分散液を製造する方法。
〔2〕ポリエステル、ポリウレタン及びエポキシ樹脂等の重付加樹脂あるいは縮合樹脂の場合において、樹脂(p)の前駆体(p0)[例えば、先述のジオール(11)、ポリオール(13)、ジカルボン酸(14)、ポリイソシアネート(15)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)、ポリエポキシド(18)等のモノマー、並びに該モノマーの2分子以上の反応物(同種のモノマーの反応物であっても、2種またはそれ以上の種類のモノマーの反応物であってもよい)であってMnが1000以下であるオリゴマー)が挙げられる]又は前駆体(p0)の溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤(前駆体と反応し得る官能基を分子中に少なくとも2個有する化合物)を加えたりして硬化させて樹脂微粒子(Q)の水性分散体を製造する方法。
〔3〕ポリエステル、ポリウレタン及びエポキシ樹脂等の重付加樹脂あるいは縮合樹脂の場合において、前駆体(p0)(モノマー、オリゴマー等)又は(p0)の溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
〔4〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等のいずれの重合反応様式であってもよい。)により作成した樹脂(q)を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子(Q)を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔5〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等のいずれの重合反応様式であってもよい)により作成した樹脂(q)の溶液を霧状に噴霧して、樹脂(q)の溶液から溶剤を除去することにより樹脂微粒子(Q)を得た後、該樹脂微粒子(Q)を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔6〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び、縮合重合等のいずれの重合反応様式であってもよい)により作成した樹脂(q)の溶液に貧溶剤[樹脂(q)を25℃で1%以上溶解しない溶剤]を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂(q)の溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子(Q)を得た後、この樹脂微粒子(Q)を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
〔7〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等のいずれの重合反応様式であってもよい)により作成した樹脂(q)の溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法。
〔8〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等のいずれの重合反応様式であってもよい)により作成した樹脂(q)の溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化し、これを加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法。
上記〔1〕〜〔8〕のうち、〔1〕〜〔3〕、〔7〕及び〔8〕が好ましく、さらに好ましくは〔1〕〜〔3〕及び〔7〕、特に好ましくは〔2〕、〔3〕及び〔7〕である。
上記〔1〕〜〔8〕の方法において使用できる乳化剤及び分散剤としては、公知の界面活性剤(S)及び水溶性ポリマー(T)等を使用することができる。
界面活性剤(S)を使用する場合、その使用量は、(p)及び(p0)の重量に基づいて、0.1〜20%が好ましく、さらに好ましくは1〜15%、特に好ましくは2〜10%である。
水溶性ポリマー(T)を使用する場合、その使用量は、(p)及び(p0)の重量に基づいて、 0.01〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15%、特に好ましくは0.2〜10%である。
さらに、乳化又は分散の助剤として、溶剤(U)及び/又は可塑剤(V)等を併用することができる。
溶剤(U)を使用する場合、その使用量は、(p)及び(p0)の重量に基づいて、0.1〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15%、特に好ましくは1〜10%である。
可塑剤(V)を使用する場合、その使用量は、(p)及び(p0)の重量に基づいて、0.01〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜8%、特に好ましくは1.0〜5%である。
溶剤(U)及び/又は可塑剤(V)は、乳化分散の際に必要に応じて水中に加えても、樹脂(p)中に加えてもよい。
界面活性剤(S)、水溶性ポリマー(T)、溶剤(U)、および可塑剤(V)としては、前述のものが挙げられる。
水溶性ポリマー(T)のうち、セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及びアクリル酸(塩)含有ポリマーが好ましい。
溶剤(U)のうち、脱溶剤する際の除去容易性の観点等から、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン溶剤、エステル又はエステルエーテル溶剤、ケトン溶剤、アルコール溶剤が好ましく、さらに好ましくはエステル又はエステルエーテル溶剤、ケトン溶剤及びアルコール溶剤である。
樹脂微粒子(Q)の粒径は、通常、樹脂粒子(P)の粒径よりも小さくなり、粒径均一性の観点から、粒径比[(Q)の体積平均粒径/(P)の体積平均粒径]の値が0.001〜0.3の範囲であるのが好ましい。粒径比の下限はさらに好ましくは0.003であり、上限はさらに好ましくは0.25である。かかる粒径比が、0.3より大きいと(Q)が(P)の表面に効率よく吸着しないため、得られる複合樹脂粒子の粒度分布が広くなる傾向がある。
樹脂微粒子(Q)の体積平均粒径は、所望の粒径の複合樹脂粒子を得るのに適した粒径になるように、上記粒径比の範囲で適宜調整することができる。
(Q)の体積平均粒径は、一般的には、0.0005〜30μmが好ましい。上限は、さらに好ましくは20μm、特に好ましくは10μmであり、下限は、さらに好ましくは0.01μm、特に好ましくは0.02μm、最も好ましくは0.04μmである。ただし、例えば、体積平均粒径1μmの複合樹脂粒子を得たい場合には、好ましくは0.0005〜0.3μm、特に好ましくは0.001〜0.2μmの範囲、10μmの(C)を得た場合には、好ましくは0.005〜3μm、特に好ましくは0.05〜2μm、100μmの複合樹脂粒子を得たい場合には、好ましくは0.05〜30μm、特に好ましくは0.1〜20μmである。なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)、電気泳動式粒度分布測定装置ELS−8000(大塚電子製)、およびコールターカウンター〔例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)〕で測定できる。
本発明の複合樹脂粒子は、製造方法は特に限定されないが、例えば、必要に応じ添加剤と樹脂(q)からなる樹脂微粒子(Q)の水性分散液(W)中に、必要に応じ添加剤および樹脂(p)またはその有機溶剤溶液を分散させて、樹脂微粒子(Q)の水性分散液中で、樹脂(p)からなる樹脂粒子(P)を形成させることにより、(P)の表面に(Q)が付着してなる構造の複合樹脂粒子の水性樹脂分散体を得る。
あるいは、樹脂(q)からなる樹脂微粒子(Q)の水性分散液中に、樹脂(p)の前駆体(p0)またはその有機溶剤溶液を分散させて、さらに、(p0)を反応させて、樹脂微粒子(Q)の水性分散液中で、樹脂(p)からなる樹脂粒子(P)を形成させることにより、(P)の表面に(Q)が付着してなる構造の樹脂粒子の水性樹脂分散体を得る。また、これら2つの方法を併用〔例えば、(p)と(p0)の溶剤溶液を用いる〕してもよい。
上記製造方法によって得られる複合樹脂粒子の水性分散液は、固液分離(必要に応じて水等を加え固液分離を繰り返す)した後、乾燥して水性媒体を除去することによって、本発明の複合樹脂粒子を得ることができる。
上記製造方法において使用する分散装置及び/又は剪断力を付与する装置としては、一般に乳化機及び/又は分散機として市販されているものであれば特に限定されず使用でき、市販の商品名の例としては、前述のもの等が挙げられる。
これらのうち、粒径の均一化の観点で、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーが好ましく、さらに好ましくは、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサー、特に好ましくはTKオートホモミキサー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーである。
上記製造方法において、樹脂微粒子(Q)と樹脂粒子(P)との重量比(Q/P)は、粒径均一性を高くする観点及び複合樹脂粒子の保存安定性の観点等から、0.01〜60/40〜99.99が好ましく、さらに好ましくは0.05〜55/45〜99.95、特に好ましくは0.1〜50/50〜99.9である。すなわち、重量比(P/B)の上限は60/40が好ましく、さらに好ましくは55/45、特に好ましくは50/50であり、同様に下限は0.01/99.99が好ましく、さらに好ましくは0.05/99.95、特に好ましくは0.1/99.9である。
従って、樹脂(q)、樹脂(p)及び前駆体(p0)の重量比は、上記範囲となるように使用することが好ましい。
また、樹脂(p)及び/又は前駆体(p0)100部に対する水性媒体の使用量は、50〜2,000部が好ましく、さらに好ましくは100〜1,000部、特に好ましくは100〜500部である。すなわち、水性媒体の使用量の上限は2,000部が好ましく、さらに好ましくは1,000部、特に好ましくは500部であり、同様に下限は50部が好ましく、さらに好ましくは100部である。50部未満では(q)の分散状態が悪くなる傾向があり、2,000部を超えると経済的に好ましくない傾向がある。
また、樹脂(p)100部に対する水性媒体の使用量は、50〜2,000部が好ましく、さらに好ましくは100〜1,000部、特に好ましくは100〜500部である。50部未満では(q)の分散状態が悪くなる傾向があり、2,000部を超えると経済的に好ましくない傾向がある。
なお、水性媒体としては、水を必須構成成分とする液体であれば制限なく使用でき、水、溶剤の水溶液、界面活性剤(S)の水溶液、水溶性ポリマー(T)の水溶液及びこれらの混合物等が用いることができる。
溶剤としては、例えば、上記の溶剤(U)のうち、エステル又はエステルエーテル溶剤、エーテル溶剤、ケトン溶剤、アルコール溶剤、アミド溶剤、スルホキシド溶剤、複素環式化合物溶剤及びこれらの2種以上の混合溶剤等が挙げられる。
溶剤を含有する場合、溶剤の含有量は、水性媒体の重量に基づいて、1〜80%が好ましく、さらに好ましくは2〜70%、特に好ましくは5〜30%である。
界面活性剤(S)を使用する場合、その含有量は、水性媒体の重量に基づいて、0.1〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10%、特に好ましくは1.0〜8%である。
水溶性ポリマー(T)を使用する場合、その含有量は、水性媒体の重量に基づいて、0.01〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜7%、特に好ましくは0.1〜5%である。
複合樹脂粒子の体積平均粒径(DV)は、樹脂微粒子(Q)の体積平均粒径(DVQ)を適宜調整すること等により、調整できる。例えば、(DV)1μmの複合樹脂粒子を得たい場合、(DVQ)は0.0005〜0.4μmが好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.3μmであり、(DV)10μm以上の複合樹脂粒子を得た場合、(DVQ)は0.005〜4μmが好ましく、さらに好ましくは0.05〜3μmである。
樹脂(p)及び/又は前駆体(p0)を樹脂微粒子(Q)の水性媒体に分散させる際、(p)及び(p0)は液体であることが好ましい。樹脂(p)及び(p0)が常温で固体である場合には、融点以上の高温下で液体の状態で分散させたり、(p)及び(p0)の溶液を用いてもよい。
樹脂(p)、(p)の前駆体(p0)及びこれらの溶液の粘度は、粒径均一性の観点から、10〜5万mPa・sが好ましく、さらに好ましくは100〜3万mPa・s、特に好ましくは200〜2万mPa・sである。すなわち、粘度の上限は5万mPa・sが好ましく、さらに好ましくは3万mPa・s、特に好ましくは2万mPa・sであり、同様に下限は10mPa・sが好ましく、さらに好ましくは100mPa・s、特に好ましくは200mPa・sである。
なお、粘度は、ローター式粘度計(例えば、BL型粘度計、BM型粘度計、BH型粘度計、東京計器社製)で、25℃、30回転で測定するものである。
分散時の温度としては、0〜150℃が好ましく、さらに好ましくは5〜98℃、特に好ましくは10〜60℃である。なお、100℃を越える場合は加圧下での温度を示す。分散体の粘度が高い場合は、高温にして粘度を上記好ましい範囲まで低下させて、乳化・分散を行うのが好ましい。
樹脂(p)の溶液及び前駆体(p0)の溶液に用いる溶剤は、樹脂(p)を常温若しくは加熱下で溶解しうる溶剤であれば特に限定されず、例えば、溶剤(U)と同様のもの等が使用できる。これらのうち、樹脂(p)及び前駆体(p0)の種類等によって異なるが、(p)又は(p0)とのSP値の差が3以下である溶剤が好ましく、さらに好ましくは、複合樹脂粒子の粒径均一性の観点から、樹脂(p)を溶解させるが、樹脂(Q)からなる樹脂微粒子(Q)を溶解・膨潤させにくい溶剤である。
上記方法において、乳化剤及び分散剤等を使用することができ、乳化剤及び分散剤としては、前述の界面活性剤(S)及び水溶性ポリマー(T)等を使用することができる。また、乳化または分散の助剤として前述の溶剤(U)、可塑剤(V)等も併用することができる。
複合樹脂粒子中の、樹脂微粒子(Q)と樹脂粒子(P)の付着力を強めたいとき、水性媒体中に分散した際に、樹脂微粒子(Q)と樹脂粒子(P)が正負逆の電荷を持つようにすること、樹脂微粒子(Q)と樹脂粒子(P)が同一の電荷持つ場合、界面活性剤(S)又は水溶性ポリマー(T)のうち樹脂微粒子(Q)及び樹脂粒子(P)と逆電荷を持つものを使用すること、樹脂(p)と樹脂(q)のSP値差を2以下にすること等が有効である。該付着力が強いときは、一般に(TQ/TR)の値が大きくなるので好ましい。ここで(TQ/TR)は、複合樹脂粒子の投影面積(TR)と樹脂微粒子(Q)の投影面積(TQ)との比を意味し、投影面積は、試料表面の電子顕微鏡写真(倍率3万倍)を10回撮り、各表面像の画像情報をインターフェースを介して画像解析装置に導入し、求められる。
水性媒体を除去する方法としては、以下の〔1〕〜〔3〕及びこれらの組合せの方法等が適用できる。
〔1〕水性分散体を減圧下又は常圧下で乾燥する方法。
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレスなどにより固液分離し、得られた固体を乾燥する方法。
〔3〕水性分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
上記〔1〕及び〔2〕の方法において、乾燥機としては、流動層式乾燥機、減圧乾燥機及び循風乾燥機等公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器又はふるい等を用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
本発明の樹脂粒子は、樹脂微粒子(Q)と樹脂粒子(P)との粒径比(DVQ/DVP)及び樹脂微粒子(Q)が樹脂粒子(P)側に埋め込まれている深さ等を変えることで粒子表面を平滑にしたり、粒子表面に所望の凹凸を付与したりすることができる。
樹脂微粒子(Q)が樹脂粒子(P)側に埋め込まれている深さは、以下のような方法で制御することができる。
〔1〕樹脂微粒子(Q)と樹脂粒子(P)とが正負逆の電荷を持つようにすると樹脂粒子(P)の埋没する深さが大きくなる。この場合、樹脂微粒子(Q)、樹脂粒子(P)各々の電荷を大きくする程、その傾向が大きくなる。
〔2〕樹脂微粒子(Q)と樹脂粒子(P)とが同極性(どちらも正、またはどちらも負)の電荷を持つようにすると、樹脂微粒子(Q)(TQ/TR)は小さくなり、深さが小さくなる傾向にある。この場合、一般に界面活性剤(S)及び/又は水溶性ポリマー(T)[特に樹脂微粒子(Q)及び樹脂粒子(P)と逆電荷を有するもの]を使用すると(TQ/TR)が大きくなる。また、水溶性ポリマー(T)を使用する場合には、水溶性ポリマー(T)の分子量が大きいほど深さが小さくなる。
〔3〕樹脂(p)がカルボキシル基、ホスホノ基、スルホ基等の酸性官能基を有する樹脂(一般に酸性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが低いほど(TQ/TR)、深さが大きくなる。逆に、pHを高くするほど(TQ/TR)、深さが小さくなる。
〔4〕樹脂(p)が1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩からなる基等の塩基性官能基を有する樹脂(一般に塩基性官能基1個当たりの分子量が1,000以下であるのが好ましい)である場合に、水性媒体のpHが高いほど(TQ/TR)、深さが大きくなる。逆に、pHを低くするほど(TQ/TR)、深さが小さくなる。
〔5〕:樹脂(p)と樹脂(q)のSP値差を小さくするほど、(TQ/TR)、深さが大きくなる。
樹脂粒子の粉体流動性を向上させたい場合には、樹脂粒子のBET値比表面積が0.5〜5.0m2/gであるのが好ましい。
なお、BET比表面積は、比表面積計(例えば、商品名:QUANTASORB、ユアサアイオニクス社製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)することができる。
同様に粉体流動性の観点から、樹脂粒子(P)の表面平均中心線粗さ(Ra)が0.01〜0.8μmであるのが好ましい。
なお、(Ra)は、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値を意味し、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(例えば、東陽テクニカ製)で測定することができる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本願各発明の実施例および比較例で得られたポリエステル樹脂の性質の測定法を次に示す。
1.水酸基価
JIS K1557(1970年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL30R150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
2.酸価
JIS K0070(1992年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、水酸基価と同様の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
3.軟化点(以下Tmとも記載する。)
前述の本第2発明の軟化点測定法による。
<<第1〜第3発明に係わる実施例>>
[実施例1〜4、比較例1〜4]
実施例1
[線形ポリエステルの合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)639部(24.5モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物180部(1.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル653部(9.8モル)、アジピン酸10部(0.2モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が90℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは263部(10.1モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−1)とする。
線形ポリエステル(Aa−1)のMnは1500、Mpは2500、分子量500以下の成分の量は3.0%、THF不溶解分は0%、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギー(以下Enと記載する)は82kJ、150℃における貯蔵弾性率(以下G’と記載する)は300、Tmは90℃、130℃〜200℃における損失正接(以下tanδと記載する)は5〜11であった(ただし、150℃を越える温度領域は、低弾性すぎて測定不能であったため、130〜150℃の範囲の値を記載する。以下の各線形ポリエステルについても特に記載の無いものは同様。)。
なお、( )内のモル数は、各原料の相対的なモル比を示すために記載したものである〔以下の各例も同様〕。
[非線形ポリエステルの合成]
上記と同様の反応槽中に、プロピレングリコール614部(23.8モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物156部(1.4モル)、テレフタル酸ジメチルエステル627部(9.5モル)、アジピン酸25部(0.5モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは288部(11.2モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸98部(1.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−1)とする。
非線形ポリエステル(Ab−1)のMnは4000、Mpは8000、分子量500以下の成分の量は1.3%、THF不溶解分は30%、Enは82kJ、G’は3.6×105、Tmは180℃、tanδは1.2〜2.0であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−1)600部と非線形ポリエステル(Ab−1)400部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(1)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(1)のTgは64℃、Mnは2200、Mpは3200、分子量500以下の成分の量は2.3%、THF不溶解分は13%であった。
実施例2
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール720部(23.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル735部(9.5モル)、アジピン酸29部(0.5モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)と同様にして反応させ、軟化点が94℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは235部(7.8モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−2)とする。
線形ポリエステル(Aa−2)のMnは2700、Mpは5800、分子量500以下の成分の量は2.0%、THF不溶解分は0%、Enは73kJ、G’は300、Tmは90℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール663部(22.5モル)、テレフタル酸ジメチルエステル677部(9.0モル)、アジピン酸57部(1.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、実施例1の非線形ポリエステル(Ab−1)と同様に反応させた。回収されたプロピレングリコールは251部(8.5モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸112部(1.5モル)を加え、(Ab−1)と同様に反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−2)とする。
非線形ポリエステル(Ab−2)のMnは3900、Mpは8000、分子量500以下の成分の量は1.3%、THF不溶解分は29%、Enは73kJ、G’は3.6×105、Tmは180℃、tanδは1.2〜2.1であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−2)600部と非線形ポリエステル(Ab−2)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(2)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(2)のTgは64℃、Mnは3200、Mpは6700、分子量500以下の成分の量は1.6%、THF不溶解分は13%であった。
実施例3
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール701部(18.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル716部(7.5モル)、アジピン酸180部(2.5モル)、およびしてテトラブトキシチタネート3部を入れ、実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)と同様にして反応させ、軟化点が150℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは316部(8.5モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−3)とする。
線形ポリエステル(Aa−3)のMnは8000、Mpは20000、分子量500以下の成分の量は1.6%、THF不溶解分は0%、Enは73kJ、G’は1.6×106、Tmは150℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール557部(17.5モル)、テレフタル酸ジメチルエステル569部(7.0モル)、アジピン酸184部(3.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、実施例1の非線形ポリエステル(Ab−1)と同様に反応させた。回収されたプロピレングリコールは175部(5.5モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸121部(1.5モル)を加え、(Ab−1)と同様に反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−3)とする。
非線形ポリエステル(Ab−3)のMnは8500、Mpは23000、分子量500以下の成分の量は0.9%、THF不溶解分は30%、Enは73kJ、G’は3.6×105、Tmは180℃、tanδは1.2〜1.9であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Ab−3)600部と非線形ポリエステル(Ab−3)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(3)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(3)のTgは62℃、Mnは8100、Mpは22000、分子量500以下の成分の量は1.3%、THF不溶解分は13%であった。
実施例4
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール540部(25.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物372部(4.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル551部(10.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が94℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは281部(13.0モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−4)とする。
線形ポリエステル(Aa−4)のMnは2700、Mpは5800、分子量500以下の成分の量は2.5%、THF不溶解分は0%、Enは96kJ、G’は300、Tmは94℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール531部(24.3モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物330部(3.5モル)、テレフタル酸ジメチルエステル542部(9.7モル)、アジピン酸13部(0.3モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは301部(13.8モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸83部(1.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−4)とする。
非線形ポリエステル(Ab−4)のMnは4000、Mpは8000、分子量500以下の成分の量は1.3%、THF不溶解分は31%、Enは96kJ、G’は3.6×105、Tmは180℃、tanδは1.1〜1.4であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−4)600部と非線形ポリエステル(Ab−4)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(4)を得た。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂(4)のTgは63℃、Mnは3200、Mpは6700、分子量500以下の成分の量は1.9%、THF不溶解分は14%であった。
比較例1
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物466部(9.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物341部(7.0モル)、テレフタル酸247部(10.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74部(2.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−5)とする。
線形ポリエステル(Aa’−5)のMnは1500、Mpは2500、分子量500以下の成分の量は4.2%、THF不溶解分は0%、Enは166kJ、G’は300、Tmは90℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物679部(10.8モル)、フェノールノボラックのEO付加物47部(0.37モル)、テレフタル酸260部(10.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸87部(2.9モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−5)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−5)のMnは4200、Mpは7400、分子量500以下の成分の量は3.2%、THF不溶解分は42%、Enは184kJ、G’は5.0×105、Tmは94℃、tanδは0.3〜0.7であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−5)600部と非線形ポリエステル(Ab’−5)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(1)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(1)のTgは64℃、Mnは2600、Mpは4500、分子量500以下の成分の量は3.8%、THF不溶解分は16%であった。
比較例2
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物404部(7.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物380部(7.0モル)、テレフタル酸276部(10.0モル)、およびテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74部(2.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−6)とする。
線形ポリエステル(Aa’−6)のMnは1900、Mpは4200、分子量500以下の成分の量は4.0%,THF不溶解分は0%、Enは90kJ、G’は300、Tmは90℃、tanδは5〜11であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−6)600部と非線形ポリエステル(Ab’−5)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(2)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(2)のTgは64℃、Mnは2800、Mpは5500、分子量500以下の成分の量は3.7%、THF不溶解分は17%であった。
比較例3
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール692部(25.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル707部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させ取り出した。回収されたプロピレングリコールは166部(6.0モル)であった。その後室温まで冷却したが樹脂化せず、ペースト状であった。これを線形ポリエステル(Aa’−7)とする。
線形ポリエステル(Aa’−7)のMnは800、Mpは1200、THF不溶解分は0%であった。(Aa’−7)は樹脂化しなかったため、トナー作成に供さなかった。
比較例4
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物722部(10.3モル)、テレフタル酸356部(10.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸25部(0.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−8)とする。
線形ポリエステル(Aa’−8)のMnは7000、Mpは19000、分子量500以下の成分の量は3.3%、THF不溶解分は0%、Enは164kJ、G’は1.0×105、Tmは140℃、130〜200℃におけるtanδは0.8〜4であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物693部(10.8モル)、フェノールノボラックのEO付加物48部(0.37モル)、テレフタル酸239部(9.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸89部(2.9モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−8)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−8)のMnは8800、Mpは22000、分子量500以下の成分の量は3.3%、THF不溶解分は42%、Enは184kJ、G’は5.0×105、Tmは180℃、tanδは0.3〜0.7であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−8)600部と非線形ポリエステル(Ab’−8)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(4)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(4)のTgは63℃、Mnは8000、Mpは21000、分子量500以下の成分の量は3.3%、THF不溶解分は16%であった。
実施例(1)〜(4)、および比較例(1)〜(2)、(4)
本発明のトナー用ポリエステル樹脂(1)〜(4)および比較のトナー用ポリエステル樹脂(1)〜(2)、(4)それぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(1)〜(4)、および比較トナー(1)〜(2)、(4)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕光沢発現温度(Gross)
上記MFTと同様にして、現像した未定着画像を、市販カラープリンター(LBP2160;キヤノン製)の定着装置を用いて定着評価した。定着画像の60゜光沢が10%以上となる定着ロール温度をもって光沢発現温度とした。
〔4〕トナー流動性
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーの静かさ密度を測定し、トナー流動性を下記基準で判定した。△以上が実用範囲である。
静かさ密度(g/100ml)36以上 : トナー流動性 ○
33〜36未満 : ○△
30〜33未満 : △
27〜30未満 : △×
27未満 : ×
〔5〕粉砕性
二軸混練機で混練、冷却したトナー粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
粉砕時間:10分
これを分級せずに、体積平均粒径をコールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定し、粉砕性のテストとした。本測定法では、体積平均粒径が12μm以下であると、粉砕性が良好であると言える。
[実施例11〜12、比較例11〜13]
実施例11
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール817部(22.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル831部(9.0モル)、アジピン酸70部(1.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。軟化点が85℃になった時点で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸37部(0.4モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が160℃になった時点で取り出した。これにより回収されたプロピレングリコールは450部(12モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−1)とする。
非線形ポリエステル(Ab−11)のTgは60℃、Mnは5800、ピークトップ分子量は10000、THF不溶解分は3%、Enは73kJ、G’は1.6×105、Tmは160℃、tanδは1.2〜2.5であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、1,2−プロピレングリコール782部(22.7モル)、テレフタル酸ジメチルエステル834部(9.5モル)、アジピン酸33部(0.5モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が95℃になった時点で冷却した。これにより回収されたプロピレングリコールは380部(11モル)であった。180℃になった時点で、無水トリメリット酸17部を仕込み、180℃で1.5時間保持した後取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−11)とする。
線形ポリエステル(Aa−11)のTgは60℃、Mnは2800、ピークトップ分子量は5800、Enは73kJ、G’は140、Tmは100℃、tanδは4〜20であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の合成]
非線形ポリエステル(Ab−11)400部と線形ポリエステル(Aa−11)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(11)を得た。
実施例12
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール391部(22.3モル)、テレフタル酸ジメチルエステル358部(8.0モル)、アジピン酸67部(2.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させた。次いで、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物561部(7モル)、フェノールノボラック樹脂(核体数5.6)エチレンオキシド付加物56部(0.3モル)を仕込み、230℃、常圧で4時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が90℃になった時点で冷却した。180℃になった時点で、無水トリメリット酸20部(0.45モル)を仕込み、180℃で1.5時間保持した後、220℃に昇温した。適宜、5〜20mmHgで減圧して反応を行い、軟化点が135℃になった時点で取り出した。これにより回収されたプロピレングリコールは314部(17.5モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−12)とする。
非線形ポリエステル(Ab−12)のTgは60℃、Mnは4200、ピークトップ分子量は7800、THF不溶解分は3%、Enは97kJ、G’は1.36×104、Tmは135℃、tanδは1.2〜1.9であった。
[トナー用ポリエステル樹脂]
この合成により得られた非線形ポリエステル(Ab−12)をトナー用ポリエステル樹脂(12)とした。
比較例11
[非線形ポリエステルの合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物552部(2.5モル)、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物184部(8モル)、テレフタル酸287部(8.2モル)、ジブチルスズオキサイド3部を入れ、窒素気流下230℃で脱水エステル化を行った。留出水が出なくなった時点で減圧とし、酸価が1.0となるまでエステル化を進めた。その後、温度を220℃とし、無水トリメリット酸49部(1.2モル)を入れ、1時間保持した。その後、適宜5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が115℃となった時点で反応槽から取り出し、非線形ポリエステル(Ab’−13)を得た。ポリエステル(Ab’−13)のTgは60℃、Mnは3200、ピークトップ分子量は5800、THF不溶解分は0%、Enは165kJ、G’は5.8×103、Tmは115℃、tanδは1.1〜5.2であった。
[トナー用ポリエステル樹脂]
この合成により得られた非線形ポリエステル(Ab’−13)を比較のトナー用ポリエステル樹脂(11)とした。
比較例12
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中にビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物138部(2.2モル)、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物616部(8.5モル)、テレフタル酸224部(7.5モル)、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が1になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸87部(2.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧、適宜5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が185℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−14)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−14)のMnは6000、Mpは10000、Enは183kJ、G’は5.0×105、Tmは185℃、tanδは0.1〜0.4であった。
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物552部(10.0モル)、ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物208部(4.0モル)、テレフタル酸263部(10.0モル)、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで、酸価が1.5になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸34部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−14)とする。
線形ポリエステル(Aa’−14)のMnは2800、Mpは5200、Enは166kJ、G’は1.4×102、Tmは100℃、tanδは3〜15であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
非線形ポリエステル(Ab’−14)400部と線形ポリエステル(Aa’−14)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(12)を得た。
比較例13
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中にビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物137部(2.2モル)、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物612部(8.5モル)、テレフタル酸267部(9.0モル)、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が1になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸52部(1.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧、適宜5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が160℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−15)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−15)のMnは11000、Mpは240000、Enは183kJ、G’は2.4×105、Tmは160℃、tanδは0.5〜0.9であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
非線形ポリエステル(Ab’−15)400部と線形ポリエステル(Aa’−14)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(13)を得た。
実施例(11)〜(12)、および比較例(11)〜(13)
本発明のトナー用ポリエステル樹脂(11)〜(12)および比較のトナー用ポリエステル樹脂(11)〜(13)それぞれ100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(11)〜(12)、および比較トナー(11)〜(13)を得た。
前記評価方法で評価した評価結果を表2に示す。
[実施例21〜24、比較例21〜22]
実施例21
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール127部、テレフタル酸ジメチルエステル454部、アジピン酸38部、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物452部、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO付加体2.3部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却した。180℃に到達した時点で無水トリメリット酸17部を加え、1時間撹拌し反応させた後、取り出した。取り出したポリエステル樹脂〔21〕のMnは3600、Mpは8000、Tgは60℃、Enは114kJ、G’は140、Tmは102℃、tanδは6〜11であった。
実施例22
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール347部、テレフタル酸ジメチルエステル317部、アジピン酸60部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いでビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物596部、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO付加体2.3部を加え、230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは295部であった。180℃に到達した時点で無水トリメリット酸17部を加え、1時間撹拌し反応後、取り出した。取り出したポリエステル樹脂〔22〕のMnは3700、Mpは7900、Tgは60℃、Enは140kJ、G’は150、Tmは102℃、tanδは5〜11であった。
実施例23
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール380部、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO付加体46部、テレフタル酸ジメチルエステル351部、アジピン酸28部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が141℃になった時点で取り出した。回収されたプロピレングリコールは190部であった。取り出したポリエステル樹脂〔23〕のMnは3700、Mpは11000、Tgは65℃、Enは73kJ、G’は8.7×103、Tmは142℃、tanδは1.6〜1.8であった。
比較例21
実施例1と同様の反応槽中に、テレフタル酸エチレングリコールジエステル453部、アジピン酸36部、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物596部、無水トリメリト酸0.9部を加え、230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、エチレングリコール、水を留去しながら7時間反応させ、さらに1〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却した。回収されたエチレングリコールは239部であった。180℃に到達した時点で無水トリメリット酸17部を加え、1時間撹拌し反応後、取り出した。取り出した比較のポリエステル樹脂〔21’〕のMnは4200、Mpは8100、Tgは58℃、Enは167kJ、G’は140、Tmは101℃、tanδは4〜11であった。
実施例24、比較例22
本発明のポリエステル樹脂〔21〕〜〔23〕および比較のポリエステル樹脂〔21’〕それぞれ100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(21)〜(23)および比較のトナー(21)を得た。
前記評価方法で評価した評価結果を表3に示す。ただし、画像濃度は、前記MFTと同様に定着評価し、画像濃度をマクベス濃度計を用いて測定した。
<<第5発明に係わる実施例>>
[製造例31〜33、比較製造例31〜32]
製造例31(ポリエステル樹脂)
[線形ポリエステルの合成]
実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)を合成し、線形ポリエステル(Aa−31)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1の非線形ポリエステル(Ab−1)を合成し、非線形ポリエステル(Ab−31)とする。
製造例32(ポリエステル樹脂)
[線形ポリエステルの合成]
実施例2の線形ポリエステル(Aa−2)を合成し、線形ポリエステル(Aa−32)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例2の非線形ポリエステル(Ab−2)を合成し、非線形ポリエステル(Ab−32)とする。
製造例33(トナー用添加剤)
温度計および撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン600部、熱減成型低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製 ビスコール440P:軟化点 153℃)480部、熱減成型低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックスLEL−400:軟化点128℃)120部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン1992部、アクリロニトリル168部、マレイン酸モノブチル240部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78部およびキシレン455部の混合溶液を175℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、ワックス変成体からなるトナー用添加剤(B−1)を得た。
(B−1)のMnは2950、重量平均分子量は10900であり、また酸価は20.9mgKOH/gであった。
比較製造例31(ポリエステル樹脂)
[線形ポリエステルの合成]
比較例2の線形ポリエステル(Aa’−6)を合成し、比較の線形ポリエステル(Aa’−31)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
比較例1の非線形ポリエステル(Ab’−5)を合成し、比較の非線形ポリエステル(Ab’−31)とする。
比較製造例32
温度計および撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン1200部を入れ窒素置換後、スチレン1992部、アクリロニトリル168部、マレイン酸モノブチル240部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78部およびキシレン455部の混合溶液を175℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、比較のトナー用添加剤(B’−1)を得た。
(B’−1)のMnは2900、重量平均分子量は9800であり、また酸価は25.8であった。
[実施例31〜32、比較例31〜32]
実施例31
[トナー用ポリエステル樹脂組成物の作成]
線形ポリエステル(Aa−31)580部と非線形ポリエステル(Ab−31)400部とトナー用添加剤(B−1)20部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂組成物(31)を得た。
トナー用樹脂組成物(31)のTgは64℃、Mnは2200、Mpは3200、THF不溶解分は13%であった。
実施例32
[トナー用ポリエステル樹脂組成物の作成]
線形ポリエステル(Aa−32)580部と非線形ポリエステル(Ab−32)400部とトナー用添加剤(B−1)20部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂組成物(32)を得た。
トナー用樹脂組成物(32)のTgは64℃、Mnは3200、Mpは6700、THF不溶解分は13%であった。
比較例31
[トナー用ポリエステル樹脂組成物の作成]
線形ポリエステル(Aa’−31)580部と非線形ポリエステル(Ab’−31)400部とトナー用添加剤(B−1)20部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用樹脂組成物(31)を得た。
比較のトナー用樹脂組成物(31)のTgは64℃、Mnは3200、Mpは6700、THF不溶解分は13%であった。
比較例32
[トナー用ポリエステル樹脂組成物の作成]
線形ポリエステル(Aa−32)580部と非線形ポリエステル(Ab−32)400部と比較のトナー用添加剤(B’−1)20部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用樹脂組成物(32)を得た。
比較のトナー用樹脂組成物(32)のTgは64℃、Mnは3200、Mpは6700、THF不溶解分は13%であった。
評価例(31)〜(32)、および比較評価例(31)〜(32)
本発明のトナー用樹脂組成物(31)〜(32)および比較のトナー用樹脂組成部(31)〜(32)それぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(31)〜(32)、および比較トナー(31)〜(32)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表4に示す。
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
前記方法による。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
前記方法による。
〔3〕トナー流動性
前記方法による。
〔4〕画像安定性
市販のプリンタ(LP−1300)を用いて、作成したトナーを充填し、ベタ画像を連続印刷した。5000枚目の画像を目視にて下記基準で判定した。
ムラがなく白スジもない : ○
やや白スジはあるがムラがない : △
白スジがある、ムラがある : ×
<<第6発明に係わる実施例>>
[製造例41〜43、比較製造例41〜44]
製造例41
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール792部(22.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル868部(9.8モル)、アジピン酸13部(0.2モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が80℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは410部(11.8モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−41)とする。
線形ポリエステル(Aa−41)のTgは56℃、Mnは2200、Mpは4000、THF不溶解分は0%、Enは73kJ、G’は2.0×102、Tmは82℃、tanδは4〜12であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール810部(22.4モル)、テレフタル酸ジメチルエステル774部(8.4モル)、アジピン酸111部(1.6モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは427部(11.8モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸18部(0.2モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が125℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−41)とする。
非線形ポリエステル(Ab−41)のTgは55℃、Mnは7000、Mpは16000、THF不溶解分は3%、Enは73kJ、G’は6.8×102、Tmは125℃、tanδは2.8〜4であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−41)600部と非線形ポリエステル(Ab−41)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A−41)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A−41)のTgは55℃、Spは98℃、Mnは4500、Mpは5000、THF不溶解分は2%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
製造例42
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール803部(22.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル816部(9.0モル)、アジピン酸68部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が93℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは427部(12.0モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−42)とする。
線形ポリエステル(Aa−42)のTgは55℃、Mnは3000、Mpは5800、THF不溶解分は0%、Enは73kJ、G’は2.2×102、Tmは95℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール780部(22.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル793部(9.0モル)、アジピン酸66部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは397部(11.5モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸44部(0.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が145℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−42)とする。
非線形ポリエステル(Ab−42)のTgは66℃、Mnは6800、Mpは10500、THF不溶解分は2%、Enは73kJ、G’は2.0×103、Tmは145℃、tanδは1.5〜1.9であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−42)600部と非線形ポリエステル(Ab−42)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A−42)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A−42)のTgは60℃、Spは110℃、Mnは5000、Mpは6500、THF不溶解分は1%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
製造例43
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール634部(22.7モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物256部(2.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル658部(9.2モル)、アジピン酸43部(0.8モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が93℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.4モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは390部(13.9モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa−43)とする。
線形ポリエステル(Aa−43)のTgは65℃、Mnは3300、Mpは6200、THF不溶解分は0%、Enは90kJ、G’は2.2×102、Tmは95℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール582部(22.7モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物326部(2.4モル)、テレフタル酸ジメチルエステル603部(9.2モル)、アジピン酸39部(0.8モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは360部(14.0モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸23部(0.4モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が160℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab−43)とする。
非線形ポリエステル(Ab−43)のTgは65℃、Mnは7000、Mpは13200、THF不溶解分は3%、Enは97kJ、G’は9.5×103、Tmは160℃、tanδは1.2〜2.2であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa−43)600部と非線形ポリエステル(Ab−43)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A−43)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A−43)のTgは65℃、Spは125℃、Mnは5100、Mpは6500、THF不溶解分は2%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
比較製造例41
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物642部(11.9モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物131部(2.1モル)、テレフタル酸257部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.9モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−41)とする。
線形ポリエステル(Aa’−41)のTgは55℃、Mnは2000、Mpは4000、THF不溶解分は0%、Enは170kJ、G’は2.0×102、Tmは82℃、tanδは4〜12であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物777部(12.5モル)、テレフタル酸171部(6.7モル)、無水トリメリット酸59部(2.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、フマル酸60部(3.3モル)を加え、常圧で4時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が115℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−41)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−41)のTgは56℃、Mnは6500、Mpは9500、THF不溶解分は5%、Enは184kJ、G’は6.8×102、Tmは125℃、tanδは0.7〜1.1であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−41)600部と非線形ポリエステル(Ab’−41)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−41)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−41)のTgは56℃、Spは96℃、Mnは4000、Mpは5000、THF不溶解分は3%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
比較製造例42
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物490部(8.4モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物266部(4.0モル)、テレフタル酸278部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.8モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−42)とする。
線形ポリエステル(Aa’−42)のTgは65℃、Mnは3000、Mpは5900、THF不溶解分は0%、Enは172kJ、G’は2.3×102、Tmは95℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物210部(4.2モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物567部(9.8モル)、テレフタル酸159部(6.7モル)、フマル酸56部(3.3モル))および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74部(2.7モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が160℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−42)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−42)のTgは67℃、Mnは4000、Mpは7500、THF不溶解分は45%、Enは179kJ、G’は1.2×104、Tmは160℃、tanδは0.5〜0.8であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−42)600部と非線形ポリエステル(Ab’−42)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−42)を得た。
比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−42)のTgは66℃、Spは125℃、Mnは3500、Mpは6000、THF不溶解分は23%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲内であった。
比較製造例43
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール385部(22.6モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物156部(2.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物451部(5.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル391部(9.0モル)、アジピン酸33部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が93℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは304部(17.9モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−43)とする。
線形ポリエステル(Aa’−43)のTgは52℃、Mnは2900、Mpは5800、THF不溶解分は0%、Enは136kJ、G’は2.3×102、Tmは95℃、tanδは5〜11であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール132部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物653部(7.5モル)、テレフタル酸ジメチルエステル140部(3.3モル)、無水トリメリット酸83部(2.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは61部(3.7モル)であった。次いで180℃まで冷却し、フマル酸167部(6.7モル)を加え、常圧で4時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が130℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−43)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−43)のTgは52℃、Mnは6500、Mpは10000、THF不溶解分は5%、Enは143kJ、G’は1.8×103、Tmは130℃、tanδは0.7〜1.1であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−43)600部と非線形ポリエステル(Ab’−43)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A’−43)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A’−43)のTgは52℃、Spは108℃、Mnは4500、Mpは6500、THF不溶解分は3%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲外であった。
比較製造例44
[線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール329部(22.9モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物395部(6.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物304部(4.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル363部(9.9モル)、アジピン酸3部(0.1モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が95℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.7モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。回収されたプロピレングリコールは299部(20.8モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(Aa’−44)とする。
線形ポリエステル(Aa’−44)のTgは77℃、Mnは3000、Mpは6000、THF不溶解分は0%、Enは156kJ、G’は2.4×102、Tmは97℃、tanδは2〜8であった。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1と同様の反応槽中に、プロピレングリコール330部(22.6モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物656部(9.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル373部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは297部(20.3モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸74部(2.0モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、230℃、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が132℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(Ab’−44)とする。
非線形ポリエステル(Ab’−44)のTgは77℃、Mnは6600、Mpは9800、THF不溶解分は5%、Enは149kJ、G’は1.9×103、Tmは132℃、tanδは0.7〜1.1であった。
[トナー用ポリエステル樹脂の作成]
線形ポリエステル(Aa’−44)600部と非線形ポリエステル(Ab’−44)400部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用ポリエステル樹脂(A’−44)を得た。
トナー用ポリエステル樹脂(A’−44)のTgは77℃、Spは110℃、Mnは4200、Mpは6600、THF不溶解分は3%であった。図1に示すように、TgとSpは、式(1)〜(4)で囲まれる範囲外であった。
[実施例41〜43、比較例41〜44]
トナー用ポリエステル樹脂(A−41)〜(A−43)および比較のトナー用ポリエステル樹脂(A’−41)〜(A’−44)100部に対して、イエロー顔料[クラリアント(株)製 toner yellow HG VP2155]4部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(41)〜(43)、および比較トナー(41)〜(44)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表5に示す。
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
前記方法による。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
前記方法による。
〔3〕色調
上記MFTと同様にして、定着ロール温度170℃でOHPフィルム上に定着し、オーバーヘッドプロジェクターにて定着画像を透写し、その色調を目視判定した。
判定基準 ○:鮮やかな淡黄色
△:鮮やかな黄色
×:わずかにくすんだ黄色
〔4〕粉砕性
前記方法による。
<<第7〜第8発明に係わる実施例>>
[製造例51〜53]
製造例51(水系媒体の調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水753部、アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸ブチル77部、過硫酸アンモニウム1部、界面活性剤(モノオレイン酸ポリオキシソルビタン)9部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩の共重合体)の水系分散体を得た。
さらに上記水系分散体15部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して水系媒体を得た。本水系媒体のLA−920で測定した体積平均粒径は、0.05μmであった。
製造例52(着色剤分散液の製造)
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;アビシア株式会社製)4部、および酢酸エチル76部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液]を得た。[着色剤分散液]のLA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
製造例53(離型剤分散液の製造)
ビーカー内にパラフィンワックス20部と酢酸エチル80部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによってパラフィンワックスを微分散して、[離型剤分散液]を得た。[離型剤分散液]をLA−920で測定した体積平均粒径は0.5μmであった。
[実施例51〜55、比較例51〜54]
実施例51
[線形ポリエステルの合成]
実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)を合成し、線形ポリエステル(K1a−51)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例1の非線形ポリエステル(Ab−1)を合成し、非線形ポリエステル(K1b−51)とする。
[油性混合液の作成]
線形ポリエステル(K1a−51)24部、非線形ポリエステル(K1b−51)16部、製造例52で調製した[着色剤分散液]10部、製造例53で調製した[離型剤分散液]25部、酢酸エチル25部を混合し、撹拌均一化して油性混合液(I−1)を得た。
[樹脂粒子の作成]
製造例51で調製した[水系媒体]60部に油性混合液(I−1)40部を加え、TK式ホモミキサーを用い、12000rpmで3分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌羽根と温度計付きのコルベンに移し、40℃の温浴で加温しながら、減圧下で酢酸エチルを留去して、樹脂粒子の水性分散液を得た。次いで濾別し、40℃の循風乾燥機で18時間乾燥して樹脂粒子(51)を得た。
実施例52
[線形ポリエステルの合成]
実施例2の線形ポリエステル(Aa−2)を合成し、線形ポリエステル(K1a−52)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例2の非線形ポリエステル(Ab−2)を合成し、非線形ポリエステル(K1b−52)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a−52)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b−52)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−2)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−2)を用いる以外は、実施例51と同様にして樹脂粒子(52)を得た。
実施例53
[線形ポリエステルの合成]
実施例3の線形ポリエステル(Aa−3)を合成し、線形ポリエステル(K1a−53)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例3の非線形ポリエステル(Ab−3)を合成し、非線形ポリエステル(K1b−53)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a−53)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b−53)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−3)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−3)を用いる以外は、実施例51と同様にして樹脂粒子(53)を得た。
実施例54
[線形ポリエステルの合成]
実施例4の線形ポリエステル(Aa−4)を合成し、線形ポリエステル(K1a−54)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
実施例4の非線形ポリエステル(Ab−4)を合成し、非線形ポリエステル(K1b−54)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a−54)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b−54)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−4)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−4)を用いる以外は、実施例51と同様にして樹脂粒子(54)を得た。
実施例55
[スチレン−アクリル樹脂の合成]
1Lのオートクレーブにキシレン150部を窒素で置換した後、投入して、撹拌下密閉状態で150℃まで昇温した。スチレン425部、n−ブチルアクリレート75部とジ−t−ブチルパーオキサイド5部とキシレン95部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を150℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し、重合させた。その後、同温度で1時間保ち、重合を完結させた。得られた重合体溶液を180℃で減圧乾燥させた後、室温まで冷却し、粉砕して重合体(G1)を得た。スチレン−アクリル樹脂(G1)のMnは7500、Mpは14000であった。
[油性混合液の作成]
線形ポリエステル(K1a−51)20部、非線形ポリエステル(K1b−51)17部、スチレン−アクリル樹脂(G1)3部、製造例52で調製した[着色剤分散液]10部、製造例53で調製した[離型剤分散液]25部、酢酸エチル25部を混合し、撹拌均一化して油性混合液(I−5)を得た。
[樹脂粒子の作成]
製造例51で調製した[水系媒体]60部に油性混合液(I−5)40部を加え、TK式ホモミキサーを用い、12000rpmで3分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌羽根と温度計付きのコルベンに移し、40℃の温浴で加温しながら、減圧下で酢酸エチルを留去して、樹脂粒子の水系分散液を得た。次いで濾別し、40℃の循風乾燥機で18時間乾燥して樹脂粒子(55)を得た。
比較例51
[線形ポリエステルの合成]
比較例1の線形ポリエステル(Aa’−5)を合成し、比較の線形ポリエステル(K1a’−55)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
比較例1の非線形ポリエステル(Ab’−5)を合成し、比較の非線形ポリエステル(K1b’−55)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a’−55)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b’−55)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−6)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−6)を用いる以外は、実施例51と同様にして比較樹脂粒子(51)を得た。
比較例52
[線形ポリエステルの合成]
比較例2の線形ポリエステル(Aa’−6)を合成し、比較の線形ポリエステル(K1a’−56)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a’−56)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b’−55)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−7)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−7)を用いる以外は、実施例51と同様にして比較樹脂粒子(52)を得た。
比較例53
[線形ポリエステルの合成]
比較例3の線形ポリエステル(Aa’−7)を合成し、比較の線形ポリエステル(K1a’−57)とする。(K1a’−57)は樹脂化しなかったため、樹脂粒子作成に供さなかった。
比較例54
[線形ポリエステルの合成]
比較例4の線形ポリエステル(Aa’−8)を合成し、比較の線形ポリエステル(K1a’−58)とする。
[非線形ポリエステルの合成]
比較例4の非線形ポリエステル(Ab’−8)を合成し、比較の非線形ポリエステル(K1b’−58)とする。
[油性混合液の作成]
実施例51の線形ポリエステル(K1a−51)の代わりに線形ポリエステル(K1a’−58)、非線形ポリエステル(K1b−51)の代わりに非線形ポリエステル(K1b’−58)を用いる以外は、実施例51と同様にして油性混合液(I−8)を得た。
[樹脂粒子の作成]
実施例51の油性混合液(I−1)の代わりに油性混合液(I−8)を用いる以外は、実施例51と同様にして比較樹脂粒子(54)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表6に示す。
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
前記方法による。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
前記方法による。
〔3〕トナー流動性
前記方法による。
〔4〕体積平均粒径
樹脂粒子の体積平均粒径を、コールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定した。
[製造例61〜68]
製造例61(樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、スチレン化フェノールポリエチレンオキサイド付加物(エレミノールHB−12、三洋化成工業社製)48部とビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピコート828、油化シェル社製)232部を投入し均一に溶解させた。攪拌下で反応容器に水を滴下した。水を31部投入したところで、系が乳白色に乳化した。更に水を224部滴下し、乳濁液を得た。加熱して、系内温度70℃まで昇温した後、エチレンジアミンを20部を水446部に溶解した液を70℃を維持したまま2時間かけて滴下した。滴下後、70℃で5時間、90℃で5時間反応・熟成してアミン硬化エポキシ樹脂(Q−1)の水性分散液を得た。
さらに上記水系分散体18部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散体を得た。
(Q−1)のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、0.81μmであった。また、樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散体の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTg(DSCで測定、以下Tgについて同様)は120℃であった。
製造例62(樹脂微粒子(Q−2)の水性分散液の調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、スチレン化フェノールポリエチレンオキサイド付加物(エレミノールHB−12、三洋化成工業社製)38部とビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピコート828、油化シェル社製)232部、フタル酸ジオクチル10部を投入し均一に溶解させた。攪拌下で反応容器に水を滴下した。水を31部投入したところで、系が乳白色に乳化した。更に水を224部滴下し、乳濁液(1)を得た。加熱して、系内温度70℃まで昇温した後、エチレンジアミンを20部を水446部に溶解した液を70℃を維持したまま2時間かけて滴下した。滴下後、70℃で5時間、90℃で5時間反応・熟成してアミン硬化エポキシ樹脂(Q−2)の水性分散液を得た。
さらに上記水系分散体18部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して樹脂微粒子(Q−2)を含む水性分散体を得た。
(Q−2)のレーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、0.75μmであった。また、樹脂微粒子(Q−2)を含む水性分散体の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTg(DSCで測定、以下Tgについて同様)は114℃であった。
製造例63(樹脂微粒子(Q−3)の水性分散液の調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水753部、アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸ブチル77部、過硫酸アンモニウム1部、界面活性剤(モノオレイン酸ポリオキシソルビタン)9部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)(Q−3)の水系分散体を得た。
さらに上記水系分散体15部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して水性分散体(Q−3)を含む水系分散体を得た。
本水性分散体の電気泳動式粒度分布測定装置ELS−8000(大塚電子製)で測定した体積平均粒径は、0.05μmであった。また、樹脂微粒子(Q−3)を含む水性分散体の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは75℃であった。
製造例64(樹脂微粒子(Q−4)の水性分散液の調製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水753部、アルキルアリルスルホコハク酸のナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸ブチル72部、E−84(サリチル酸系金属錯体:オリエント科学工業(株)製)5部、過硫酸アンモニウム1部、界面活性剤(モノオレイン酸ポリオキシソルビタン)9部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(サリチル酸系金属錯体を含有するスチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)(Q−4)の水系分散体を得た。
さらに上記水性分散体15部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製「エレミノールMON−7」)40部、イオン交換水443部を加えて、撹拌均一化して(Q−4)を含む水性分散体を得た。本水性分散体の電気泳動式粒度分布測定装置ELS−8000で測定した体積平均粒径は、0.05μmであった。また、樹脂微粒子(Q−4)を含む水性分散体の一部を遠心分離し、更に水を加えて遠心分離する工程を2回繰り返した後、乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは80℃であった。
製造例65(硬化剤(β−1)の製造)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、エチレンジアミン50部とMIBK50部を仕込み、50℃で5時間反応を行った。得られたケチミン化合物を硬化剤(β−1)とする。
製造例66(硬化剤(β−2)の製造)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジイソシアネート45部とMEK55部を仕込み、50℃で5時間反応を行った。得られたケチミン化合物を硬化剤(β−2)とする。
製造例67(着色剤分散液の製造)
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;アビシア株式会社製)4部、および酢酸エチル76部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液]を得た。[着色剤分散液]のLA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
製造例68
(離型剤分散液の製造)
ビーカー内にパラフィンワックス20部と酢酸エチル80部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによってパラフィンワックスを微分散して、[離型剤分散液]を得た。[離型剤分散液]をLA−920で測定した体積平均粒径は0.5μmであった。
[実施例61〜66、比較例61〜64]
実施例61
[ポリエステル(61)の合成]
実施例1の線形ポリエステル(Aa−1)を合成し、ポリエステル(61)とする。なお、水酸基価は75、酸価は1であった。
[ポリウレタン樹脂(61)の合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ポリエステル(61)68部、イソホロンジイソシアネート10部、酢酸エチル78部を入れ、75℃で窒素気流下に18時間反応させポリウレタン樹脂(61)の酢酸エチル溶液を得た。ポリウレタン樹脂(61)のMnは3300、ポリウレタン樹脂(61)の酢酸エチル溶液の固形分は50%、粘度は2,400mPa・sであった。
[ポリエステル(62)の合成]
実施例2の線形ポリエステル(Aa−2)を合成し、ポリエステル(62)とする。なお、水酸基価は42、酸価は1であった。
[樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の作成]
ポリエステル(62)14部、ポリウレタン樹脂(61)の酢酸エチル溶液52部、製造例62で調製した[着色剤分散液]10部、製造例63で調製した[離型剤分散液]25部、酢酸エチル25部を混合し、撹拌均一化して樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)を得た。
[樹脂粒子の作成]
製造例61で調製した樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液60部に樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)40部を加え、TK式ホモミキサーを用い、12000rpmで3分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌羽根と温度計付きのコルベンに移し、40℃の温浴で加温しながら、減圧下で酢酸エチルを留去して、樹脂粒子の水系分散液を得た。次いで濾別し、40℃の循風乾燥機で18時間乾燥して樹脂粒子(61)を得た。樹脂粒子(61)のTgは、65℃であった。樹脂粒子(61)のTgは65℃、粒径は95μm、樹脂微粒子(Q−1)との体積平均粒径の比は0.0085であった。
さらに、樹脂粒子(61)100部にMEKオキシムブロックドHDI20部を添加し、ヘンシェルミキサーで30分攪拌して塗料組成物(1)を得た。
実施例62
[イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の合成]
実施例1と同様の反応槽中に、ポリエステル(p−1)31部、イソホロンジイソシアネート19部、酢酸エチル50部を入れ、75℃で窒素気流下に18時間反応させイソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液を得た。イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液の固形分は50%、イソシアネート含量は2.1%であった。
[樹脂(p)の溶剤溶液(p−2)の作成]
ポリウレタン樹脂(1)の酢酸エチル溶液52部の代わりにイソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液52部、製造例65で製造した硬化剤(β−1)5.3部を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂(p)の溶剤溶液(p−2)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−2)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の代わりに(p−2)を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂粒子(62)および塗料組成物(62)を得た。樹脂粒子(62)のTgは70℃、粒径は120μm、樹脂微粒子(Q−2)との体積平均粒径の比は0.0063であった。
実施例63
[スチレン−アクリル共重合体の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に酢酸エチル160部を仕込み、75℃に昇温した後、スチレン40部、メタクリル酸ブチル120部、アクリル酸60部、酢酸エチル60部及びアゾビスイソブチロニトリル0.3部の混合液を4時間かけて滴下し、アゾビスイソブチロニトリル0.5部を追加した後、75℃で8時間熟成を行ってMn4,200、水酸基価0,酸価210のスチレン−アクリル共重合体を含む固形分50%の樹脂溶液を得た。
[樹脂(p−3)の溶剤溶液の作成]
ポリエステル(62)14部の代わりにスチレン−アクリル共重合体を含む固形分50%の樹脂溶液28部、ポリウレタン樹脂(61)の酢酸エチル溶液52部の代わりにイソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液52部、製造例65で製造した硬化剤(β−1)5.3部を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂(p)の溶剤溶液(p−3)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−2)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の代わりに(p−3)を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂粒子(63)および塗料組成物(63)を得た。樹脂粒子(63)のTgは81℃、粒径は142μm、樹脂微粒子(Q−1)との体積平均粒径の比は0.0057であった。
実施例64
[ポリエステル(63)の合成]
実施例4の線形ポリエステル(Aa−4)を合成し、ポリエステル(63)とする。
[樹脂(p−4)の溶剤溶液の作成]
ポリエステル(63)70部、イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液30部、製造例66で製造した硬化剤(β−2)1.8部、製造例67で調製した[着色剤分散液]25部、製造例68で調製した[離型剤分散液]50部、酢酸エチル25部を混合し、撹拌均一化して樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−3)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の代わりに(p−4)を用いる以外は、実施例61と同様にして樹脂粒子(64)を得た。樹脂粒子(64)のTgは48℃、粒径は4.8μm、樹脂微粒子(Q−3)との体積平均粒径の比は0.010であった。
さらに、樹脂粒子(64)100部にコロイダルシリカ(エアロジルR972:日本エアロジル(株)製)0.5部をサンプルミルで混合して、トナー組成物(64)を得た。
実施例65
[ポリエステル(64)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物570部、テレフタル酸217部を常圧下、230℃で6時間、減圧下、230℃で6時間重縮合し、Mn2,600、水酸基価48、酸価2のポリエステルを得た後、無水トリメリット酸26部を常圧下、180℃で2時間開環付加させ、Mn2,700、水酸基価35、酸価26の末端カルボキシル基含有ポリエステル(64)を得た。
このポリエステル(64)のTgは、48℃であった。
[樹脂(p−5)の溶剤溶液の作成]
ポリエステル(63)の代わりにポリエステル(64)を用いる以外は実施例64と同様にして樹脂(p)の溶剤溶液(p−5)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−4)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)の代わりに(p−5)を用いる以外は、実施例64と同様にして樹脂粒子(65)およびトナー組成物(65)を得た。樹脂粒子(65)のTgは48℃、粒径は5.2μm、樹脂微粒子(Q−4)との体積平均粒径の比は0.01であった。
実施例66
[樹脂(p−6)の溶剤溶液の作成]
イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液30部、製造例66で製造した硬化剤(β−2)1.8部の代わりに実施例61で製造したポリウレタン樹脂(1)の酢酸エチル溶液30部を用いる以外は実施例64と同様にして樹脂(p)の溶剤溶液(p−6)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂微粒子(Q−1)を含む水性分散液の代わりに樹脂微粒子(Q−4)を含む水性分散液、樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)の代わりに(p−6)を用いる以外は、実施例64と同様にして樹脂粒子(66)およびトナー組成物(66)を得た。樹脂粒子(66)のTgは53℃、粒径は5.0μm、樹脂微粒子(Q−4)との体積平均粒径の比は0.010であった。
比較例61
[ポリエステル(65)の合成]
比較例1の線形ポリエステル(Aa’−5)を合成し、比較のポリエステル(65)とする。
[ポリエステル(66)の合成]
比較例1の非線形ポリエステル(Ab’−5)を合成し、比較のポリエステル(66)とする。
[樹脂の溶剤溶液の作成]
ポリエステル(62)の代わりにポリエステル(65)、ポリウレタン樹脂(1)の酢酸エチル溶液52部の代わりにポリエステル(66)26部と酢酸エチル26部を用いる以外は実施例61と同様にして、比較の樹脂の溶剤溶液(X−1)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂(p)の溶剤溶液(p−1)の代わりに比較の樹脂の溶剤溶液(X−1)を用いる以外は実施例61と同様にして、比較の樹脂粒子(X1)および塗料組成物(X1)を得た。樹脂粒子(X1)のTgは61℃、粒径は88μm、樹脂微粒子(Q−1)との体積平均粒径の比は0.009であった。
比較例62
[ポリエステル(67)の合成]
比較例2の線形ポリエステル(Aa’−6)を合成し、比較の線形ポリエステル(67)とする。
[油性混合液の作成]
実施例64のポリエステル(63)の代わりにポリエステル(67)、イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液30部、製造例66で製造した硬化剤(β−2)1.8部の代わりにポリエステル(66)15部と酢酸エチル15部を用いる以外は実施例64と同様にして、比較の樹脂の溶剤溶液(X−2)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)の代わりに比較の樹脂の溶剤溶液(X−2)を用いる以外は実施例64と同様にして、比較の樹脂粒子(X2)およびトナー組成物(X2)を得た。樹脂粒子(X2)のTgは47℃、粒径は5.5μm、樹脂微粒子(Q−3)との体積平均粒径の比は0.011であった。
比較例63
[ポリエステル(P67)の合成]
比較例3の線形ポリエステル(Aa’−7)を合成し、比較の線形ポリエステル(P67)とする。(P67)は樹脂化しなかったため、樹脂粒子作成に供さなかった。
比較例64
[ポリエステル(68)の合成]
比較例4の線形ポリエステル(Aa’−8)を合成し、比較のポリエステル(68)とする。
[ポリエステル(69)の合成]
比較例4の非線形ポリエステル(Ab’−8)を合成し、比較のポリエステル(69)とする。
[油性混合液の作成]
実施例64のポリエステル(63)の代わりに線形ポリエステル(68)、イソシアネート基含有プレポリマー(α−1)の酢酸エチル溶液30部、製造例66で製造した硬化剤(β−2)1.8部の代わりに、ポリエステル(69)を用いる以外は、実施例64と同様にして、比較の樹脂の溶剤溶液(X−3)を得た。
[樹脂粒子の作成]
樹脂(p)の溶剤溶液(p−4)の代わりに比較の樹脂の溶剤溶液(X−3)を用いる以外は実施例64と同様にして、比較の樹脂粒子(X3)およびトナー組成物(X3)を得た。樹脂粒子(X3)のTgは51℃、粒径は5.3μm、樹脂微粒子(Q−3)との体積平均粒径の比は0.009であった。
下記評価方法で評価した評価結果を表7に示す。
[評価方法]
[1]体積平均粒径
実施例61〜63及び比較例61で得た樹脂粒子(61)〜(63)、比較の樹脂粒子(X1)を水に分散して体積平均粒径をコールターカウンター(ベックマンコールター社:マルチサイザーIII)で測定した。
[2]レベリング性
実施例61〜63及び比較例61で得た塗料組成物(61)〜(63)、比較の塗料組成物(X1)を日本テストパネル社製リン酸亜鉛処理鋼板標準板に市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜圧が40〜60μmになるように静電塗装し、180℃で20分間焼き付けた後、表面平滑性を目視で確認し、下記の基準で判定した。
◎:表面が平滑で、光沢有り
○:表面に微細な凹凸がある。光沢有り。
△:表面に凸凹が発生。光沢なし。
×:表面に凸凹、気泡跡等が発生。光沢なし
[3]耐熱保存性
各塗料組成物を40℃の雰囲気で7日間保管し融着の有無を確認した。確認法は、保管した各塗料組成物50gを見開き150μmの標準ふるいで15分振倒し、ふるい上に残った樹脂粒子の量を計測し、その割合をもとに下記の基準で判定した。
◎:凝集物0.2%未満
○:凝集物1.0%未満
△:凝集物2.0%未満
×:凝集物2.0%以上
[4]接着性(密着性)
各塗料組成物を日本テストパネル社製リン酸亜鉛処理鋼板標準板に市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜圧が40〜60μmになるように静電塗装し、180℃で20分間焼き付けた後、JIS K6830に規定する方法に従い剪断接着試験を行った。接着性(密着性)の評価基準は、以下の通りである。
○:完全な凝集破壊
△:部分的に界面破壊が生じる痕跡破壊
×:完全な界面破壊
[5]耐水接着性
上記と同様に、各実施例および比較例の組成物を塗布し、焼き付けた後、40℃の温水に10日間浸漬した。次いで、JIS K6830に規定する方法に従い剪断接着試験を行った。評価基準は、上記接着性(密着性)の場合と同様とした。
下記評価方法で評価した評価結果を表8に示す。
[6]最低定着温度(MFT)
前記方法による。
[7]ホットオフセット発生温度(HOT)
前記方法による。
[8]トナー流動性
前記方法による。
[9]体積平均粒径
上記[1]による。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂を用いた本発明のトナー組成物は、低温定着性、耐ホットオフセット性、粉砕性のバランスに優れ、静電荷像現像用トナー、とくにカラー用トナーとして有用である。
本第6発明のトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性、粉砕性のバランスに優れるため、静電荷像現像用トナーとして有用であり、特に光沢性、透明性の点でカラー用トナーとして有用である。
本第7および第8発明の複合樹脂粒子は、粉体塗料、スラッシュ成形用樹脂、電子写真、静電記録及び静電印刷等に用いられるトナー、ホットメルト接着剤、並びにその他成形材料等として最適である。
本発明に係わるポリエステル樹脂の、ガラス転移温度(Tg)と軟化点(Sp)の関係を表すグラフである。

Claims (20)

  1. ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paの1種以上のポリエステル樹脂(A1)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
  2. ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、軟化点が120℃〜180℃であり、130℃〜200℃における損失正接が0.9以上である1種以上のポリエステル樹脂(A2)を20〜100重量%含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
  3. ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなるトナー用ポリエステル樹脂において、ポリカルボン酸成分が、80〜100モル%の、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(a)からなり、ポリオール成分が、20〜100モル%の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの80〜100モル%が1,2−プロピレングリコールである)(b)からなり、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の合計中0.1〜20モル%が3価以上の多価アルコールおよび/または3価以上のポリカルボン酸(c)であり、且つ軟化点が95〜160℃、ガラス転移温度(Tg)が45〜75℃であることを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂(A3)。
  4. (A1)または(A2)が、ポリオール成分が30〜100モル%の、炭素数2〜6の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの少なくとも一部が1,2−プロピレングリコールである)からなり、テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500のポリエステル樹脂である請求項1または2記載のトナー用ポリエステル樹脂。
  5. (A1)、(A2)、または(A3)が、線形ポリエステル樹脂と非線形ポリエステル樹脂からなる請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂
  6. (A1)、(A2)、または(A3)が、チタン、アンチモン、ジルコニウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれる1種以上の金属を含有する重合触媒の存在下、重縮合されてなる樹脂である請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂。
  7. 請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂と、ワックス(w)の少なくとも一部がビニルモノマー(m)で変性されてなる変性体(w1)からなるトナー用添加剤(B)からなるトナー用ポリエステル樹脂組成物。
  8. 請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤からなるトナー組成物。
  9. トナー組成物を用い未定着画像を定着機で定着させる際のホットオフセット発生温度と最低定着温度の差が95℃以上である請求項8記載のトナー組成物。
  10. トナーを潜像担持体に供給して潜像を現像する画像形成方法において使用する非磁性一成分トナーにおいて、該トナーが、請求項1〜3のいずれか記載のトナー用ポリエステル樹脂(A1)、(A2)、もしくは(A3)、および着色剤からなり、(A1)、(A2)、または(A3)のガラス転移温度(Tg)をx軸の変数とし、軟化点(sp)をy軸の変数としてxy座標にプロットした時、下記式(1)〜(4)で表される直線で囲まれる範囲内の物性を有し、且つ該トナーの粒子の表面に1種以上の微粒子添加剤を含有することを特徴とする非磁性一成分トナー。
    式(1) sp=4Tg−110
    式(2) sp=4Tg−170
    式(3) sp=90
    式(4) sp=130
  11. 少なくとも樹脂(K)と有機溶剤とを含有する油性混合液(I)と、水系媒体(II)との水性分散液から溶剤が除去されて得られ、樹脂(K)と必要により添加剤からなる樹脂粒子であって、(K)が、ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなる1種以上のポリエステル樹脂(K1)からなり、(K1)のテトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500であり、ポリオール成分が85〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールもしくは70〜100モル%の1,2−プロピレングリコールからなることを特徴とする樹脂粒子。
  12. (K1)が、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paのポリエステル樹脂である請求項11記載の樹脂粒子。
  13. (K1)が、軟化点が120℃〜180℃であり、130℃〜200℃における損失正接が0.9以上のポリエステル樹脂である請求項11載の樹脂粒子。
  14. 樹脂(p)と必要により添加剤からなる樹脂粒子(P)の表面に、樹脂(q)と必要により添加剤からなる樹脂微粒子(Q)が付着されてなる複合樹脂粒子であり、(p)がポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、該ポリオール成分が85〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールもしくは70〜100モル%の1,2−プロピレングリコールからなり、テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500である1種以上のポリエステル樹脂(p1)からなること、または(p)が(p1)が構成単位として含まれる樹脂(p2)からなることを特徴とする樹脂粒子。
  15. (p1)または(p2)が、ポリオール成分のモル平均凝集エネルギーが7.0×104〜1.4×105Jであって、150℃における貯蔵弾性率が2.5×103Pa〜5×106Paの1種以上のポリエステル樹脂である請求項14記載の樹脂粒子。
  16. (p1)または(p2)が、軟化点が120℃〜180℃であり、130℃〜200℃における損失正接が0.9以上のポリエステル樹脂である請求項14記載の樹脂粒子。
  17. 樹脂(q)と必要により添加剤からなる樹脂微粒子(Q)の水性分散液中に、樹脂(p)と必要により添加剤、もしくはそれらの溶剤溶液、または、樹脂(p)の前駆体(p0)と必要により添加剤、もしくはそれらの溶剤溶液が分散され、(p0)またはその溶剤溶液が用いられる場合には、さらに、(p0)が反応されて、(Q)の水性分散液中で樹脂粒子(P)が形成されることにより得られた樹脂粒子である請求項14記載の樹脂粒子。
  18. (p0)が(p1)の構成単位を有し、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)からなる請求項17記載の樹脂粒子。
  19. 添加剤が着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上からなる請求項11または14記載の樹脂粒子。
  20. スラッシュ成型用樹脂、粉体塗料、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナーまたはホットメルト接着剤用である請求項11または14記載の樹脂粒子。
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