JP4504937B2 - トナーバインダー - Google Patents
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Description
従来、トナーバインダーとしては、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂などが用いられているが、低温定着性に優れることから、架橋ポリエステルが多用されつつある。ポリエステルの低温定着性と耐ホットオフセット性の向上を狙ったものとして、分子量分布の異なる2種のポリエステルを混合する方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。
すなわち本発明は、分子内に1個以上の右巻きらせん高分子ユニット(a)を有する樹脂(A)、および/または、分子内に1個以上の左巻きらせん高分子ユニット(b)を有する樹脂(B)からなる樹脂粒子(Pi)の集合体(P)からなるトナーバインダーであって、トナーバインダー中に(A)と(B)とを含有し、(A)単独からなる粒子と(B)単独からなる粒子とを粉体混合することにより得られるトナーバインダー、または別個に調整した(A)の水性分散液と(B)の水性分散液とを混合後に有機溶媒を除去して得られる(A)と(B)の複合樹脂粒子を作成後、トナーの成分として定着に用いられるまでの間に、90℃以上の加熱(加湿)工程を有さないトナーバインダーであって、トナーとして用いられたときの溶融時に溶融前後でトナーバインダー中の(a)と(b)とのステレオコンプレックス存在比率が増加することを特徴とするトナーバインダーである。
1.熱溶融特性に優れ、電子写真、静電記録、静電印刷用トナーとして用いたときの低温定着性に優れる。
2.溶融時の熱源からの離型性に優れ、電子写真、静電記録、静電印刷用トナーとして用いたときの耐ホットオフセット性が向上し、トナーの紙への定着可能な温度範囲を広げることができる。
(A)中の(a)の数、および(B)中の(b)の数は、それぞれ好ましくは1〜10個、さらに好ましくは2〜6個である。
トナーバインダー中の(A)と(B)の重量比率は、好ましくは(A):(B)=(20:80)〜(80:20)、さらに好ましくは(A):(B)=(30:70)〜(70:30)、とくに好ましくは(A):(B)=(40:60)〜(60:40)である。
(a)と(b)は、例えば、それぞれ異なる符号の比旋光度を示す(m)を単独重合することで作り分けることが可能であり、ステレオコンプレックスを形成するためには、それぞれのモノマーが鏡像異性体の関係にあることが好ましい。(a)および(b)は、1種類の光学活性モノマー(m)の単独重合体であっても、2種以上の(m)、あるいは1種以上の(m)と他のモノマーとの共重合体であってもよいが、共重合体の場合は、らせん高分子ユニットが容易に形成できることから、1種類の(m)の単独重合体部分を含有するブロック共重合体であることが好ましい。単独重合体、およびブロック共重合体における(m)の単独重合部分の重合度は、ステレオコンプレックスの形成しやすさから、10〜100000が好ましく、50〜8000がさらに好ましい。
一般に、光学純度100%の光学活性モノマーを単独重合することでらせん高分子を形成することが知られており、らせん高分子ユニットの構造確認は、X線結晶構造解析装置〔(株)リガク製、AFC7Rなど〕を用いて行い、左巻きと右巻きを区別できる。
α−アルキル−α−ヒドロキシカルボン酸における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等が挙げられ、具体例としては、L−乳酸、D−乳酸が挙げられる。α−ハイドロカルビル−α−アミノ酸における炭素数1〜12のハイドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基のいずれでもよく、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基、α−メチルベンジル等が挙げられ、具体例としては、γ−ベンジルグルタミン酸、およびγ−メチルグルタミン酸が挙げられる。α−ハイドロカルビルメタクリレートにおけるハイドロカルビル基としては前記のもの等が挙げられ、具体例としては、α−メチルベンジルメタクリレート、およびメチルメタクリレートが挙げられる。不斉炭素を有する環状エステルの具体例としては、L−ラクチド、D−ラクチド、α−メチル−α−エチル−β−プロピオラクトン、およびβ−(1,1−ジクロロプロピル)−β−プロピオラクトンが挙げられる。α−アルキルエチレンオキサイドにおけるアルキル基としては前記のもの等が挙げられ、具体例としては、t−ブチルエチレンオキサイドが挙げられる。α−アルキルエチレンスルフィドにおけるアルキル基としては前記のもの等が挙げられ、具体例としては、t−ブチルエチレンスルフィドが挙げられる。
これらのうち、らせん高分子ユニットの導入が容易という観点から、好ましくは、L−乳酸、D−乳酸、L−ラクチド、D−ラクチド、t−ブチルエチレンオキサイド、t−ブチルエチレンスルフィド、α−メチル−α−エチル−β−プロピオラクトン、β−(1,1−ジクロロプロピル)−β−プロピオラクトン、およびこれらの併用であり、さらに好ましくはL−乳酸およびD−乳酸、並びに/または、L−ラクチドおよびD−ラクチドであり、とくに好ましくはL−ラクチドおよびD−ラクチドである。
具体的には、活性水素含有化合物に対してモノマーを開環重合させる方法として、後述のポリオール(11)および(12)、ポリカルボン酸(13)および(14)、ポリアミン(16)並びにポリチオール(17)等の活性水素含有化合物に対する開環重合反応が挙げられる。また、樹脂にグラフト重合する方法として、樹脂中の活性水素を持つ官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基など)への重縮合反応、および開環重合反応、樹脂中のビニル重合性基とのビニル重合が挙げられる。また、樹脂にらせん高分子ユニットを結合させる方法として、らせん高分子ユニット中の活性水素を持つ官能基(ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基など)と、樹脂中に含まれる活性水素と反応する官能基(イソシアネート基、チオイソシアネート基、エポキシ基など)との反応、および樹脂中の活性水素を持つ官能基とらせん高分子ユニット中の活性水素を持つ官能基とを、活性水素と反応する官能基(イソシアネート基、エポキシ基など)を2つ以上有する物質を用いて結合する方法が挙げられる。
樹脂(A)または(B)中に含まれるらせん高分子ユニット(a)または(b)の含有量は、ステレオコンプレックスの形成しやすさから、10〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは30〜97重量%、特に好ましくは50〜95重量%である。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合または共重合したポリマーである。ビニルモノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
炭素数3〜20の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸およびその無水物、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー。
(1−1)脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル系炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
(1−3)芳香族ビニル系炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;およびビニルナフタレン。
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CH2=CHCH2−OCH2CHCH2O−Ar−R (3−1)
CH=CH−CH3
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R−Ar−O−(AO)nSO3H (3−2)
CH2COOR’
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HO3SCHCOOCH2CH(OH)CH2OCH2CH=CH2 (3−3)
(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブロックでもよい。Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。)
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等
(6−1)アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等
(6−2)アミド基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等
(6−3)ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)
(6−5)ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチレン等
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等
(9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(以下EOと略記する)10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン;
ビニルスルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、ヒドロキシル基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/5、さらに好ましくは1.5/1〜1/4、とくに好ましくは1/1.3〜1/3である。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジアルキロールアルカン酸[C6〜24のもの、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2 ,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸など]が挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基のC1〜6)またはそのAO付加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物など];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては、例えば前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミンなど)および/またはアルカリ金属(ナトリウム塩など)が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、およびこれらの併用である。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコールおよびノボラック樹脂のAO付加物であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物である。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)または3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(14)としては、上述のものの酸無水物または炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
また、らせん高分子ユニット(a)または(b)を有するポリエステル樹脂として、前記活性水素含有化合物に、(m)のうち不斉炭素を有する環状エステル(総炭素数3〜6)を開環重合させたものを用いてもよく、このようにして得られたポリエステル樹脂も好ましい。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
また、らせん高分子ユニット(a)または(b)を有するポリエーテル樹脂として、前記活性水素含有化合物に、(m)のうちα−アルキルエチレンオキサイド(総炭素数6〜9)を開環重合させたものを用いることもできる。
例えば、Mn(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定)は、好ましくは1,000〜500万、さらに好ましくは2,000〜50万である。(A)および(B)の融点(DSCにて測定、以下融点はDSCでの測定値)は、好ましくは80〜130℃、さらに好ましくは85〜120℃、とくに好ましくは、90〜110℃である。80℃以上が耐熱保存性の観点から好ましく、130℃以下が低温定着性の観点から好ましい。(A)および(B)の溶融開始温度(フローテスターにて測定、以下溶融開始温度はフローテスターでの測定値)は、好ましくは80〜130℃、さらに好ましくは85〜120℃、とくに好ましくは、90〜110℃である。80℃以上が耐熱保存性の観点から好ましく、130℃以下が低温定着性の観点から好ましい。(A)および(B)のTgは好ましくは30〜80℃であり、さらに好ましくは45〜75℃、とくに好ましくは、50〜70℃である。Tgが30℃以上である方が耐熱保存性の観点から好ましく、80℃以下である方が低温定着性の観点から好ましい。(A)および(B)のSP値は、好ましくは8〜16、さらに好ましくは9〜14である。(A)および(B)の水酸基価は、好ましくは70mgKOH/g以下、さらに好ましくは5〜50mgKOH/g、とくに好ましくは10〜45mgKOH/gである。水酸基価が70mgKOH/g以下であると環境安定性および帯電量が向上する点で好ましい。(A)および(B)の酸価は、好ましくは0〜40mgKOH/g、さらに好ましくは1〜30mgKOH/g、とくに好ましくは10〜30mgKOH/g、最も好ましくは15〜25mgKOH/gである。酸価が小さい方が環境安定性が向上するが、適度の酸価を有している方が帯電の立ち上がりが向上する点で好ましい。
本発明のトナーバインダーは、(A)単独からなる粒子と(B)単独からなる粒子とを粉体混合することで得られ、通常の混合条件および混合装置で混合することができる。粉体混合する場合の混合条件は特に限定されないが、混合温度は、好ましくは0〜80℃、さらに好ましくは10〜60℃である。混合時間としては、特に限定されないが、好ましくは3分以上、さらに好ましくは5〜60分である。混合装置としては特に限定されないが、例えば、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。粉体混合で得られる樹脂粒子(Pi)の集合体(P)では、溶融混合した場合と異なり、(a)と(b)のステレオコンプレックスは形成されていない。
さらに、複合樹脂粒子作成後、トナーの成分として定着に用いられるまでの間に、90℃以上の加熱(加湿)工程を有さないことが好ましく、80℃以上の加熱(加湿)工程を有さないことがさらに好ましい。これにより、使用前のステレオコンプレックスの形成を最小限に抑えることができ、低温定着性が良好となる。
(C1)としては特に限定されないが、例えば、天然カルナウバワックス、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスなどが挙げられる。
(C2)としては特に限定されないが、例えば、石油系フィッシャートロプシュワックス(シューマン・サゾール社製パラフリントH1、パラフリントH1N4及びパラフリントC105など)、天然ガス系フィッシャートロプシュワックス(シェルMDS社製FT100など)及びこれらフィッシャートロプシュワックスを分別結晶化などの方法で精製したもの[日本精蝋(株)製MDP−7000、MDP−7010など]などが挙げられる。
(C3)としては特に限定されないが、例えば、石油ワックス系のパラフィンワックス[日本精蝋(株)製パラフィンワックスHNP−5、HNP−9、HNP−11など]などが挙げられる。
(C4)としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンワックス[三洋化成工業(株)製サンワックス171P、サンワックスLEL400Pなど]、ポリプロピレンワックス[三洋化成工業(株)製ビスコール550P、ビスコール660Pなど]などが挙げられる。
これらのワックスの内、カルナウバワックス、フィッシャートロプシュワックスが好ましく、カルナウバワックス、石油系フィッシャートロプシュワックスが更に好ましい。これらのワックスを離型剤として使用することでトナーとした場合の低温定着性がより優れることになる。
離型剤(C)を含有させる場合の(C)の含有量は、樹脂(A)および(B)と(C)との合計重量を基準として、好ましくは0.01〜20%、更に好ましくは0.1%〜15%、特に0.5〜10%である。離型剤の含有量が0.01〜20%の範囲ではトナーとした場合の耐ホットオフセット性がより良好となる。
(D)としては特に限定されないが、例えば、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー及びハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
本発明のトナーバインダーに荷電制御剤(D)を含有させる場合の(D)の含有量としては特に限定されないが、樹脂(A)および(B)と(D)との合計重量を基準として、好ましくは0.01〜5%、更に好ましくは0.02〜4%である。
他の樹脂は、(A)および/または(B)と同一の樹脂粒子(Pi)中に含有されていても、別の樹脂粒子として存在していてもよい。
他の樹脂の、Mn、融点、溶融開始温度、Tg、SP値、水酸基価および酸価は、(A)および(B)と同様の範囲が好ましい。
トナーバインダー中の他の樹脂の含有量としては、(A)と(B)の合計重量を基準として、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下である。
本発明のトナーバインダーに、(C)、(D)、および/または他の樹脂を含有させる場合、(A)および(B)とこれらの成分の混合方法としては、混合中に(a)と(b)のステレオコンプレックスが形成されない方法であれば特に限定されないが、予め前記と同様の方法で粉体混合してもよいし、トナー化時に混合してもよい。また、他の樹脂を(A)および/または(B)と同一の樹脂粒子(Pi)中に含有させる方法としては、前記の(A)と(B)を同時に含有した樹脂粒子(Pi)の作成方法と同様の方法が挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量として特に限定されないが、例えば、染料又は顔料を使用する場合は、好ましくは2〜15%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは15〜70%、さらに好ましくは30〜60%である。
トナー中の(C)の量としては特に限定されないが、好ましくは0〜10%であり、さらに好ましくは1〜7%である。
トナー中の(D)の含有量としては特に限定されないが、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0.01〜4%である。
トナー中の流動化剤の含有量は好ましくは0〜5%である。
また、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶媒に溶解あるいは分散させて樹脂溶液を製造する工程、乳化剤および/または分散安定剤の存在下で、前記樹脂溶液と水性媒体を混合することにより前記樹脂溶液の粒子が前記水性媒体中に分散した水性分散液を製造する工程、前記粒子中の有機溶媒を除去することにより樹脂粒子を生成させる工程、前記樹脂粒子を前記水性媒体から分離し、乾燥する工程を順次行った後、流動化剤を混合してトナーを得る方法が挙げられる(詳細は、例えば特開2005−49858号公報参照)。なお、この方法で、(A)からなる水性分散液と(B)からなる水性分散液をそれぞれ別個に調整し、混合後に有機溶媒を除去することにより、(A)と(B)を同時に含有したトナー粒子を得ることができる。
尚、粒径(D50)は、コールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、キャリア粒子のかわりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
<実施例1>
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、ポリオキシエチレングリセリルエーテル(三洋化成工業製ニューポールPE−600)100部、L−ラクチド1000部およびオクチル酸スズ1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂1]を得た。L−ラクチドをD−ラクチドに変えた以外は同様にして、[樹脂2]を得た。X線結晶構造解析〔(株)リガク製、AFC7Rを使用、以下同様〕の結果、[樹脂1]は左巻きらせん構造を、[樹脂2]は右巻きらせん構造を含有していることがわかった。[樹脂1]100部、着色剤[カーボンブラックMA−100、三菱化学(株)製]2部、及び離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]2部を、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で溶融混合した。混練物を冷却後、粗粉砕し、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径(D50)が約9μmの[樹脂粒子1]を得た。[樹脂1]を[樹脂2」に変える以外同様の操作を行い、粒径(D50)が約9μmの[樹脂粒子2]を得た。[樹脂粒子1]100部と[樹脂粒子2]100部をヘンシェルミキサーを用いて粉体混合(30℃、60分)して、本発明のトナーバインダーからなるトナー(T1)を得た。
ビーカー内に[樹脂1]100部および酢酸エチル40部を混合しておき、水500部およびドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間混合し、水性分散体1を得た。[樹脂1]を[樹脂2]に変えた以外は同様にして、[水性分散体2]を得た。[水性分散体1]100部、[水性分散体2]100部、および、着色剤[カーボンブラックMA−100、三菱化学(株)製]4部、及び離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]4部、水50部からなる[水性分散体3]を混合し、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間攪拌して、[水性分散体4]を得た。[水性分散体4]を50℃で3時間攪拌した後、遠心分離して、水100部を添加し固液分離する工程を3回繰り返し、粒径(D50)が約5μmの本発明のトナーバインダーからなるトナー(T2)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、グリセリン1部、L−ラクチド1000部およびオクチル酸スズ1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂3]を得た。L−ラクチドをD−ラクチドに変えた以外は同様にして、[樹脂4]を得た。X線結晶構造解析〔(株)リガク製、AFC7Rを使用、以下同様〕の結果、[樹脂3]は左巻きらせん構造を、[樹脂4]は右巻きらせん構造を含有していることがわかった。[樹脂3]100部、着色剤[カーボンブラックMA−100、三菱化学(株)製]2部、及び離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]2部を、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で溶融混合した。混練物を冷却後、粗粉砕し、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径(D50)が約9μmの[樹脂粒子3]を得た。[樹脂3]を[樹脂4」に変える以外同様の操作を行い、粒径(D50)が約9μmの[樹脂粒子4]を得た。[樹脂粒子3]100部と[樹脂粒子4]100部をヘンシェルミキサーを用いて粉体混合(30℃、60分)して、本発明のトナーバインダーからなるトナー(T3)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、ポリオキシエチレングリセリルエーテル(三洋化成工業製ニューポールPE−600)100部、ラセミ−ラクチド1000部およびオクチル酸スズ1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂5]を得た。X線結晶構造解析の結果、[樹脂5]はランダム構造をしており、らせん構造を含有していないことがわかった。[樹脂5]100部、着色剤[カーボンブラックMA−100、三菱化学(株)製]4部、及び、離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]4部を、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で溶融混合した。混練物を冷却後、粗粉砕し、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径(D50)が約9μmの比較のトナーバインダーからなるトナー(CT1)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、ポリオキシエチレングリセリルエーテル(三洋化成工業製ニューポールPE−600)100部、ラセミ−ラクチド333部およびオクチル酸スズ1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂6]を得た。ラセミ−ラクチド333部をラセミ−ラクチド1666部とした以外は同様にして[樹脂7]を得た。X線結晶構造解析の結果、[樹脂6]および[樹脂7]はランダム構造をしており、らせん構造を含有していないことがわかった。[樹脂6]50部、[樹脂7]50部、着色剤[カーボンブラックMA−100、三菱化学(株)製]4部、及び離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]を、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で溶融混合した。混練物を冷却後、粗粉砕し、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径(D50)が約9μmの比較のトナーバインダーからなるトナー(CT2)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、グリセリン1部、ラセミ−ラクチド1000部およびオクチル酸スズ1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂8]を得た。X線結晶構造解析の結果、[樹脂8]はランダム構造をしており、らせん構造を含有していないことがわかった。[樹脂8]100部、着色剤[カーボンブラックMA−100、三菱化学(株)製]4部、及び、離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]4部を、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で溶融混合した。混練物を冷却後、粗粉砕し、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径(D50)が約9μmの比較のトナーバインダーからなるトナー(CT3)を得た。
(1)数平均分子量測定
樹脂のみのTHF可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定。
GPCによる分子量測定の条件は以下の通りである。
装置 : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム : TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 25℃
試料溶液 : 0.25重量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液
溶液注入量: 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
なお、分子量校正曲線はTSK標準ポリスチレン〔東ソー(株)製〕を用いて作成した。
島津製作所製「DSC−60」を用いて、溶融前の樹脂と、樹脂のみを溶融させた後、徐冷して得られたサンプルのそれぞれ約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料をホルダーユニットに載せ、窒素雰囲気下にて、20℃から昇温速度10℃/minにて250℃まで加熱し、ステレオコンプレックスが形成された際に現れる吸熱ピークの面積をそれぞれC前、C後とした。
溶融前にステレオコンプレックスが形成されてなく、溶融により形成された場合は、C前はゼロとなる。溶融前の樹脂より約50℃上側にピークが新たに現れ、溶融前に若干ある場合は、溶融後にそのピーク面積が増えることで、ステレオコンプレックスの形成を確認することができる。
トナーの溶融開始温度をフローテスターにより測定した(測定装置:定過重押出し型細管式レオメータ フローテスターCFT−500D(島津製作所製)、測定条件:プランジャー1cm2、ダイ直径1mm、荷重20KgF、予熱温度50〜80℃、予熱時間300sec、昇温時間6℃/min)。プランジャーの降下開始温度を溶融開始温度とした。
上記トナーを用いて市販複写機[AR5030、シャープ(株)製]で現像した未定着画像を、市販フルカラー複写機[LBP−2160、キヤノン(株)製]の定着ユニットを改造し熱ローラー温度を可変にした定着機を用いてプロセススピード80mm/秒で定着する。定着画像を布パッドで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる熱ローラー温度を最低定着温度(MFT)とする。また目視判定でホットオフセットが発生し始める温度をホットオフセット発生温度(HOT)とする。
Claims (8)
- 分子内に1個以上の右巻きらせん高分子ユニット(a)を有する樹脂(A)、および/または、分子内に1個以上の左巻きらせん高分子ユニット(b)を有する樹脂(B)からなる樹脂粒子(Pi)の集合体(P)からなるトナーバインダーであって、トナーバインダー中に(A)と(B)とを含有し、(A)単独からなる粒子と(B)単独からなる粒子とを粉体混合することにより得られるトナーバインダー、または別個に調整した(A)の水性分散液と(B)の水性分散液とを混合後に有機溶媒を除去して得られる(A)と(B)の複合樹脂粒子を作成後、トナーの成分として定着に用いられるまでの間に、90℃以上の加熱(加湿)工程を有さないトナーバインダーであって、トナーとして用いられたときの溶融時に溶融前後でトナーバインダー中の(a)と(b)とのステレオコンプレックス存在比率が増加することを特徴とするトナーバインダー。
- (A)および(B)が、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂およびエポキシ樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂である請求項1記載のトナーバインダー。
- (a)および(b)を構成するモノマーが光学活性モノマー(m)からなる請求項1または2記載のトナーバインダー。
- (m)が、α−アルキル(炭素数1〜4)−α−ヒドロキシカルボン酸、α−ハイドロカルビル(炭素数1〜12)−α−アミノ酸、α−ハイドロカルビル(炭素数1〜8)メタクリレート、不斉炭素を有する環状エステル(炭素数3〜6)、α−アルキルエチレンオキサイド(炭素数6〜9)およびα−アルキルエチレンスルフィド(炭素数6〜9)からなる群より選ばれる1種以上である請求項3記載のトナーバインダー。
- (m)が、L−乳酸およびD−乳酸、並びに/または、L−ラクチドおよびD−ラクチドである請求項3または4の記載のトナーバインダー。
- (A)と(B)が同一粒子中に含有された樹脂粒子(Pi)の集合体(P)からなる請求項1〜5のいずれか記載のトナーバインダー。
- さらに、カルナウバワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスおよびポリオレフィンワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種の離型剤を含有する請求項1〜6のいずれか記載のトナーバインダー。
- さらに、荷電制御剤を含有する請求項1〜7のいずれか記載のトナーバインダー。
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