JP2004093829A - 電子写真用トナー - Google Patents

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JP2004093829A JP2002253880A JP2002253880A JP2004093829A JP 2004093829 A JP2004093829 A JP 2004093829A JP 2002253880 A JP2002253880 A JP 2002253880A JP 2002253880 A JP2002253880 A JP 2002253880A JP 2004093829 A JP2004093829 A JP 2004093829A
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Yoshihito Suwa
諏訪 義仁
Yasumasa Horibe
堀部 泰正
Hisatsugu Okuyama
奥山 久嗣
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】高耐久化を実現し、長期の間欠印刷においても経時変化がなく、長期間十分な画像濃度などを維持でき、現像部材への融着、感光体へのBS、オフセットの問題を発生せず、低温定着性に優れ、フルカラー画像としての十分な光沢性、透明性を発現し、環境保全や安全性に優れた電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】少なくともトナー母体粒子と外添剤とから構成され、トナー母体粒子の結着樹脂として、樹脂中の全乳酸単位に対してL−乳酸単位またはD−乳酸単位のいずれかの構成モル濃度が85〜100モル%の範囲であるポリ乳酸系生分解性樹脂と、テルペンフェノール共重合体とを含有し、外添剤として添加される疎水性無機微粒子をトナー母体粒子100質量に対して1.0〜3.0質量部含有し、疎水性無機微粒子の平衡吸着水分量が5.0×10−5g/m 以下である電子写真用トナー。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用トナーに関し、詳しくは、環境保全や安全性に対する配慮がなされ、低温定着性であり、高画質を得ることが可能であり、廃棄が簡便であり、複写紙のリサイクルが容易であり、かつ多数枚印刷が可能な高耐久性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた複写機およびプリンターにおいては、トナーの定着システムの進歩が目覚ましい。例えば、モノクロ複写機およびプリンターにおいては、消費電力の低減、印刷の高速化などを目的として、低温定着システムが登場している。
また、写真調の高光沢のフルカラー画像に対するニーズも高く、これを達成するために、定着後のトナー面が平滑であり、かつトナーの透明性が高いフルカラー印刷用のトナーも要求されている。
【0003】
一方、複写機およびプリンターから回収された使用済みトナーは、焼却または埋め立てによって廃棄されているのが現状である。また、従来のトナーが定着された複写紙は、脱墨が困難であり、再生紙の原料として利用しにくいという問題もある。近年の環境問題への関心の高まりから、廃棄による環境汚染がなく、複写紙の脱墨の容易なトナーへの要望が高まっている。
【0004】
また、従来のトナーは、結着樹脂としてスチレン−アクリル酸エステル系樹脂やポリエステル樹脂を用いたものが主流であり、熱定着時に揮発性ガスが若干発生することが知られている。当然、揮発性ガスを含めて安全性や環境保全に関しては規制値を満足するものが製造・販売されているが、近年、安全性のより高いトナーが求められてきており、原料物質として安全性のより高いものを使用することが必要となりつつある。また、多くの原料物質は化石資源を原料としているので資源の涸渇という点でも好ましくない。
【0005】
上述したような、廃棄物の環境への影響、複写紙のリサイクル性、トナーの安全性、資源の保全などの観点から、栽培植物から得られ、涸渇の心配がなく、生分解性であるポリ乳酸系生分解性樹脂が近年、注目されてきている。そして、ポリ乳酸系生分解性樹脂およびテルペンフェノール共重合体をメインバインダに使用し、低温での高定着強度を有し、揮発ガスの発生が少ない電子写真用トナーが、特開2001−166537号公報に開示されている。
【0006】
特開2001−166537号公報に記載のトナーは、各環境で1万枚までの耐刷試験に耐えるとされている。しかしながら、環境保全の点では、廃棄トナーをより減らすことが望ましく、さらなる高寿命(高耐久性)を持った電子写真用トナーの出現が必要となってきた。また、より実用に近い、長期にわたる間欠印字においては、トナーに経時変化が起きることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の目的は、さらなる高耐久化を実現し、長期にわたる間欠印刷においても経時変化がなく、長期間十分な画像濃度などを維持することができ、現像部材への融着、感光体へのBS(ブラックスポット)、オフセットの問題を発生せず、低温定着性に優れ、フルカラー画像としての十分な光沢性、透明性を発現し、かつ環境保全や安全性に優れた電子写真用トナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の電子写真用トナーは、少なくともトナー母体粒子と外添剤とから構成され、トナー母体粒子の結着樹脂として、樹脂中の全乳酸単位に対してL−乳酸単位またはD−乳酸単位のいずれかの構成モル濃度が85モル%〜100モル%の範囲であるポリ乳酸系生分解性樹脂と、テルペンフェノール共重合体とを含有し、外添剤として添加される疎水性無機微粒子を、トナー母体粒子100質量部に対して1.0〜3.0質量部含有し、かつ該疎水性無機微粒子の平衡吸着水分量が、5.0×10−5g/m 以下であることを特徴とするものである。
【0009】
また、前記テルペンフェノール共重合体は、(a)環状テルペンとフェノール類とを共重合させた環状テルペンフェノール共重合体、(b)環状テルペン化合物1分子に対してフェノール類を2分子の割合で付加させた環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体、(c)前記(b)環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体と、アルデヒド類またはケトン類との縮合反応で得られるポリ環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体、(d)環状テルペン1分子にフェノール類を1分子の割合で付加させた環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体と、アルデヒド類またはケトン類との縮合反応で得られるポリ環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体、から選ばれる少なくとも1つからなる組成物あることが望ましい。
【0010】
また、前記ポリ乳酸系生分解性樹脂とテルペンフェノール共重合体の含有比率は、80:20〜20:80(質量比)であることが望ましい。
また、前記疎水性無機微粒子は、BET比表面積50m /g以下のものと、BET比表面積150m /g以上のものとを含むものであることが望ましい。
また、トナー母体粒子に対する疎水性無機微粒子の被覆率は、100〜300%であることが望ましい。
また、前記疎水性無機微粒子は、疎水性シリカであることが望ましい。
また、前記ポリ乳酸系生分解性樹脂は、下記式(I)で示される構造を持つものであることが望ましい。
【0011】
【化2】
Figure 2004093829
【0012】
(式中、Rはアルキル基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、nは10以上の整数を示す。)
また、前記ポリ乳酸系生分解性樹脂に含まれる環状乳酸二量体(以下、ラクチドという)は、ポリ乳酸系生分解性樹脂に対して500ppm以下の濃度であることが望ましい。
また、本発明の電子写真用トナーは、ワックスを一種類以上含有し、ワックスの総量がトナー母体粒子質量に対して7.0〜20質量%であり、かつ添加されるワックスの少なくとも1種類の融点が、テルペンフェノール共重合体の軟化温度よりも低いことが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真用トナー(以下、単にトナーとも記す)は、少なくともトナー母体粒子と外添剤とから構成されるものであり、トナー母体粒子の結着樹脂は、少なくともポリ乳酸系生分解性樹脂およびテルペンフェノール共重合体であり、外添剤は、疎水性無機微粒子である。
【0014】
[ポリ乳酸系生分解性樹脂]
本発明におけるポリ乳酸系生分解性樹脂は、ポリ乳酸ホモポリマーの他、乳酸コポリマー、およびこれらのブレンドポリマーをも含むものである。ポリ乳酸系生分解性樹脂の重量平均分子量は、通常、5〜50万である。
【0015】
また、結着樹脂としては、通常、ポリ乳酸系生分解性樹脂におけるL−乳酸単位、D−乳酸単位の構成モル比L/Dが100/0〜0/100の範囲のものを使用できるが、本発明においては、より高い定着強度を有し、かつより低い温度域での流動性を得るために、ポリ乳酸系生分解性樹脂はL−乳酸単位あるいはD−乳酸単位いずれかの単位を、全乳酸単位に対して85モル%〜100モル%含むことが必要である。かかる構成範囲を下まわる場合、ポリ乳酸系生分解性樹脂はアモルファス状態に近づき、得られるトナーの定着強度が低下する傾向にある。
【0016】
また、ポリ乳酸系生分解樹脂は、下記式(I)に示されるように、アルキル基、アルカリ金属、アルカリ土類金属のいずれかにより末端が封止されているものであることが好ましい。ポリ乳酸系生分解樹脂の末端がこれらによって封止されていることにより、ポリ乳酸系生分解性樹脂の酸価が低くなって加水分解し難くなり、高温高湿環境下で使用される際の安定性(耐加水分解性)に優れたトナーが得られる。(式中、Rはアルキル基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、nは10以上の整数を示し、好ましくはnは10〜20,000の整数である。)
【0017】
【化3】
Figure 2004093829
【0018】
また、ポリ乳酸系生分解性樹脂は、それに残存する環状乳酸二量体(ラクチド)の濃度が500ppm以下のものであることが好ましい。ラクチドは、水分により開環し、乳酸二量体となる。乳酸二量体は、親水性が高く、ポリ乳酸系生分解性樹脂の分解促進剤として機能する。そのため、ラクチドの濃度が500ppmを超えると、高温高湿環境下で使用される際のトナーの安定性(耐加水分解性)が低下する傾向にある。ここで、残存ラクチドの測定は、ガスクロマトグラフィー法による。
【0019】
乳酸コポリマーは、乳酸モノマーまたはラクチドと、これらに共重合可能な他の成分とが共重合したものである。このような他の成分としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等、およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等が挙げられる。
【0020】
ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、ビスフェノールにエチレンオキサイドを付加反応させたものなどの芳香族多価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエーテルグリコール等が挙げられる。
【0021】
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、その他、特開平6−184417号公報に記載されているもの等が挙げられる。
ラクトンとしては、例えば、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
【0022】
ポリ乳酸系生分解性樹脂は、従来からの公知の方法で合成されるものである。すなわち、特開平7−33861号公報、特開昭59−96123号公報、高分子討論会予稿集44巻3198−3199頁に記載のような乳酸モノマーからの直接脱水縮合、または環状乳酸二量体(ラクチド)の開環重合によって合成することができる。
直接脱水縮合を行う場合、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、またはこれらの混合物のいずれの乳酸を用いてもよい。また、開環重合を行う場合においても、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、またはこれらの混合物のいずれのラクチドを用いてもよい。
ラクチドの合成、精製および重合操作は、例えば米国特許4057537号明細書、公開欧州特許出願第261572号明細書、Polymer Bulletin, 14, 491−495(1985)、およびMakromol Chem., 187, 1611−1628(1986)等の文献に様々に記載されている。
【0023】
この重合反応に用いる触媒としては、特に限定されるものではないが、公知の乳酸重合用触媒を用いることができる。例えば、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカプリル酸スズ、ジラウリル酸スズ、ジパルミチン酸スズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸スズ、α−ナフトエ酸スズ、β−ナフトエ酸スズ、オクチル酸スズ等のスズ系化合物;粉末スズ、酸化スズ;亜鉛末、ハロゲン化亜鉛、酸化亜鉛、有機亜鉛系化合物;テトラプロピルチタネート等のチタン系化合物;ジルコニウムイソプロポキシド等のジルコニウム系化合物;三酸化アンチモン等のアンチモン系化合物;酸化ビスマス(III)等のビスマス系化合物;酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウム系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、スズまたはスズ系化合物からなる触媒が、活性の点から特に好ましい。これらの触媒の使用量は、例えば開環重合を行う場合、ラクチドに対して0.001〜5質量%程度である。また、末端封止ポリ乳酸系生分解性樹脂は、重合開始時にアルコール類、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を添加し、反応開始剤として用いることにより得ることができるが、この方法によって得られたものに特に限定されるものではない。
重合反応は、上記触媒の存在下、触媒種によって異なるが、通常100〜220℃の温度で行うことができる。また、特開平7−247345号公報に記載のような2段階重合を行うことも好ましい。
【0024】
[テルペンフェノール共重合体]
本発明におけるテルペンフェノール共重合体としては、(a)環状テルペンとフェノール類とを共重合させた環状テルペンフェノール共重合体、(b)環状テルペン化合物1分子にフェノール類を2分子の割合で付加させた環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体、(c)この環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体と、アルデヒド類やケトン類との縮合反応で得られたポリ環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体、(d)環状テルペン1分子にフェノール類を1分子の割合で付加させた環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体と、アルデヒド類やケトン類との縮合反応で得られたポリ環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体が、ポリ乳酸系生分解性樹脂との相溶性の点で好適に用いられるが、これらの化合物に限定されない。低分子化合物あるいは、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。また、融点を有する結晶性の化合物であっても融点の無い非晶性の化合物であってもよい。
【0025】
(a)環状テルペンフェノール共重合体は、環状テルペン化合物とフェノール類とをフリーデルクラフツ型触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。
また、(b)環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体は、環状テルペン化合物とフェノール類とを酸性触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。
また、(c)ポリ環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体は、上記環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体と、アルデヒド類やケトン類とを縮合反応させることにより製造することができる。
さらに、(d)ポリ環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体は、環状テルペンとフェノール類とを酸性触媒存在下で反応させ環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体とし、得られた1モル/1モル付加体とアルデヒド類やケトン類とを縮合反応させることにより製造することができる。
これらのテルペンフェノール共重合体は、単独で使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。
【0026】
テルペンフェノール共重合体を製造するための原料であるテルペン化合物は、単環のテルペン化合物であってもよいし、双環のテルペン化合物であってもよい。その具体的な例としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、ターピネオール、カンフェン、トリシクレン、パラメンテン−1、パラメンテン−2、パラメンテン−3、パラメンタジエン類、カレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
また、テルペンフェノール共重合体を製造するための他方の原料であるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6ーキシレノール、3,4ーキシレノール、3,6ーキシレノール、p−フェニルフェノール、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ナフトール等の化合物を挙げることができる。これらの化合物は単独もしくは2種以上混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
(a)環状テルペンフェノール共重合体を製造するための環状テルペンとフェノール類の共重合反応は、環状テルペン1モルに対してフェノール類を0.1〜12モル、好ましくは0.2〜6モル使用し、フリーデルクラフツ型触媒の存在下で0〜120℃の温度で1〜10時間行わせる。そのフリーデルクラフツ型触媒としては、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素もしくはその錯体等が挙げられる。その際、芳香族系炭化水素等の溶媒が一般的に用いられる。
市販品としては、ヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターT−130、YSポリスターS−145、マイティエースG−150、マイティエースK−125等が挙げられる。
【0029】
(b)環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体を製造するための環状テルペン化合物1分子とフェノール類2分子との付加反応は、環状テルペン化合物1モルに対してフェノール類を1〜12モル、好ましくは2〜8モル使用し、酸触媒の存在下で20〜150℃の温度で1〜10時間行わせる。その酸性触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、三フッ化硼素もしくはその錯体、陽イオン交換樹脂、活性白土等が挙げられる。溶媒は使用しなくてもよいが、芳香族系炭化水素類、アルコール類、エーテル類等の溶媒を使用することもできる。
このようにして製造される環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体の市販品としては、ヤスハラケミカル(株)製のYP−90等が挙げられる。
【0030】
(c)ポリ環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体を製造するための縮合剤として使用するアルデヒド類やケトン類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フルフラール、アセトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
その縮合反応に際しては、環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体に、他のフェノール類を併用して反応させることができるが、その場合環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体の使用割合は、他のフェノール類との合計量に対して少なくとも20質量%、好ましくは40質量%以上である。環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体の割合が少ないと、満足できるポリ環状テルペン/フェノール1モル/2モル付加体が得られない。
【0031】
その縮合反応における環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体や他のフェノール類とアルデヒド類やケトン類との反応割合は、ポリ環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体や他のフェノール類1モルに対して、アルデヒド類やケトン類が0.1〜2.0モル、好ましくは0.2〜1.2モルであり、酸性触媒の存在下に、40〜200℃の温度で1〜12時間反応させる。アルデヒド類やケトン類が多すぎるとポリ環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体が高分子量化する。
その縮合反応用酸性触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸等の有機酸を使用することができる。酸性触媒の使用量は環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体や他のフェノール類100質量部に対して0.1〜5質量部である。その縮合反応においては、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類等の不活性溶剤を用いることができる。
【0032】
(d)ポリ環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体の前駆体である環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体を製造するための環状テルペン1分子とフェノール類1分子の付加反応は、環状テルペン1モルに対してフェノール類を0.5〜6モル、好ましくは1〜4モル使用し、酸性触媒の存在下で20〜150℃の温度で1〜10時間行う。その酸性触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、三フッ化ホウ素もしくはその錯体、陽イオン交換樹脂、活性白土等が挙げられる。溶媒は使用しなくてもよいが、芳香族系炭化水素類、アルコール類、エーテル類等の溶媒を使用する事もできる。
このようにして製造される環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体の市販品としては、ヤスハラケミカル(株)製のYP−90LL等が挙げられる。
【0033】
ポリ環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体を製造するための前記で得られた環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体とアルデヒド類やケトン類との縮合反応は、前記(c)ポリ環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体と同様に行う。
ポリ環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体の市販品としては、ヤスハラケミカル(株)製のDLN−120、DLN−140等が挙げられる。
【0034】
[トナー母体粒子]
本発明の電子写真用トナーは、トナー母体粒子の結着樹脂として、ポリ乳酸系生分解性樹脂とテルペンフェノール共重合体とのブレンド品を含有して構成されているものである。ポリ乳酸系生分解性樹脂とテルペンフェノール共重合体の含有比率(ブレンド比率)は、質量比で80:20から20:80の間で変更が可能である。ポリ乳酸系生分解性樹脂の含有量がこの範囲より増えると、混練物が強靭になり過ぎるため、粉砕分級が困難になるおそれがある。さらに、ポリ乳酸系生分解性樹脂の結晶が残存するため、その融点までの流動性が低減し、低温定着性が不十分となるおそれがある。一方、テルペンフェノール共重合体の含有量が上記範囲より増えると、製品トナーが脆くなり過ぎるため、耐久性を含めた現像特性に問題を生じるおそれがあり、また、トナーの生分解性が低下する。生産性と製品品質を両立させるために、より望ましいブレンド比率は、ポリ乳酸系生分解性樹脂:テルペンフェノール共重合体が質量比で50:50から30:70までの間である。
【0035】
ポリ乳酸系生分解性樹脂にテルペンフェノール共重合体を配合する方法は、特に制限されるものではなく、これらの配合は従来公知の方法によって行うことができる。例えば、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、単軸あるいは二軸押出機等を用いて混練すればよい。この混合混練は、通常120〜220℃程度の温度で行われる。
このとき、上記以外の従来からトナー用として使われてきた樹脂を、本発明の電子写真用トナーの特徴を損なわない範囲で必要に応じて配合してもよい。
【0036】
本発明の電子写真用トナーにおいては、1種以上のワックスを、少なくとも総量でトナー母体粒子質量に対して7.0〜20.0質量%含有することが好ましい。低温定着を目的としたシャープメルトタイプの結着樹脂を用いたトナーにおいては、ワックスの総量が7.0質量%未満では離型作用が不足して実用域の非オフセット幅の確保が難しくなり、20.0質量%を超えると、ワックスによるフィルミングが発生し易くなる。
【0037】
離型剤としてのワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィン系ワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス、パラフィンワックス、マイクロワックスなどの石油系ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、硬化ひまし油などが挙げられる。また、樹脂中でのワックスの微分散を制御する目的で変性ワックスを使用することもできる。
【0038】
添加されるワックスは、単独であっても複数種であってもかまわないが、少なくとも1種類は、その成分中にラクチドを含むものであることが好ましい。ワックスによるフィルミング等の悪影響を防止するためには、ワックスが結着樹脂樹脂中に微分散していることが望ましい。この点でラクチドを成分中に含有するワックスは、ポリ乳酸系生分解性樹脂中への分散に好適である。ラクチドを成分中に含有するワックスとしてはカルナウバワックス等が挙げられる。
【0039】
また、ワックスの少なくとも1種は、融点(Mp、DSC測定による吸熱ピーク)が、テルペンフェノール共重合体樹脂の軟化温度(Tm)以下であることが好ましい。すべてのワックスの融点がテルペンフェノール共重合体樹脂の軟化温度を超えると、低温オフセット防止効果が低下し、低温定着性が悪化するおそれがある。
また、ワックスの少なくとも一種は、融点70〜100℃、針入度1以下であることが好ましい。融点が70℃未満では、トナーの保存性が劣り、100℃を超えると低温定着性が十分に発揮されない。また、2種以上のワックスを組み合わせることが好ましく、低温定着性と非オフセット幅拡大の両立を容易にさせる効果とワックス成分の分散性をコントロールする効果を発揮することができる。
【0040】
本発明の電子写真用トナーには、通常、着色剤が含有される。また、必要に応じて、帯電制御剤が含有される。
着色剤としては、以下のものが挙げられる。
ブラック用顔料としては、例えば、カーボンブラック、活性炭、低磁力磁性体が挙げられる。
マゼンタ用顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50,51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレット1、2,10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
【0041】
シアン用顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45等が挙げられる。
イエロー用顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、94、97、155、180が挙げられる。
これら着色剤は、単独もしくは2種以上を混合して用いられる。着色剤は、十分な濃度の可視像が形成されるに十分な割合の含有量が必要であり、例えば、結着樹脂100質量部に対して1〜15質量部程度の割合で含有される。
【0042】
帯電制御剤は、極性を付与するために添加され、正帯電トナー用と負帯電トナー用とがある。
正帯電トナー用としては、例えば、ニグロシン染料、第4級アンモニウム塩、樹脂変性タイプ帯電制御剤、ピリジニウム塩およびアジン等が用いられる。
負帯電トナー用としては、例えば、アゾ系含金属錯体やサリチル酸系金属錯体、ホウ素系錯体、樹脂変性タイプ帯電制御剤が用いられる。
帯電制御剤の好ましい添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部である。カラートナー用としては、亜鉛錯体、クロム錯体、ホウ素錯体、第4級アンモニウム塩、樹脂変性タイプ帯電制御剤等の白色あるいは淡色のものが好適である。なお、これらを単独または混合して使用される。
【0043】
その他必要に応じて含有させる添加剤としては、磁性粉等が挙げられる。
磁性粉としては、フェライト粉、マグネタイト粉、鉄粉等の微粒子が挙げられる。フェライト粉としてはMeO−Feの混合焼結体が使用される。この場合のMeとはMn、Zn、Ni、Ba、Co、Cu、Li、Mg、Cr、Ca、V等であり、そのいずれか1種または2種以上が用いられる。また、マグネタイト粉としては、FeO−Feの混合焼結体が使用される。磁性粉は、0.05〜3μmのものが好ましく、トナー母体粒子に対する割合は70質量%以下が好ましい。
【0044】
さらに、本発明の電子写真用トナーには、必要に応じて、従来公知の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、帯電防止剤、香料、滑剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌・抗カビ剤、他の核形成剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
【0045】
本発明の電子写真用トナーを構成するトナー母体粒子は、上記材料を所定の配合で混合し、その混合物を溶融混練、粉砕、分級することによって製造される。また、結着樹脂を合成する際に、樹脂の原料に、結着樹脂以外の材料をあらかじめ添加しておき、樹脂の合成と同時にトナーの原料となる混合物を得てもよいし、結着樹脂以外の材料が添加されたモノマーを重合して直接トナー母体粒子を得てもよい。
【0046】
[疎水性無機微粒子]
本発明の電子写真用トナーは、トナー母体粒子の表面に疎水性無機微粒子を付着させたものである。
疎水性無機微粒子としては、疎水化処理されたシリカ、酸化チタン、アルミナなどが挙げられ、本発明においては、トナーへの流動性付与、トナー表面の被覆性の面から疎水性シリカが好適である。疎水性シリカは高温加水分解法(乾式法)、湿式法いずれかによって生産されたシリカを後述の方法で疎水化処理したものある。
無機微粒子の疎水化処理剤としては、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、オクチルシランなどのシランカップリング剤や、ジメチルシリコーンオイルに代表されるシリコーンオイルが好適に用いられるが、これに限定されるものではない。疎水化処理は、具体的には以下のように行われる。
無機微粒子をカップリング剤で処理する方法としては、乾式法、湿式法のいずれの方法も採用でき、広範囲の処理方法が用いられる。例えば、ヘンシェルミキサーやボールミルのごとき混合機中に無機微粒子および所定量のシランカップリング剤を投入し、乾式混合する。あるいは、シランカップリング剤を適当な溶剤に溶解させた後、無機微粒子を投入して混合し、溶剤を除去する湿式法でもよい。
無機微粒子をシリコーンオイルで処理する方法は、無機微粒子にシリコーンオイルをスプレーで噴霧する方法でもよいし、無機微粒子にシリコーンオイルを滴下し、ミキサーで攪拌処理する方法でもよい。
【0047】
添加される疎水性無機微粒子は1種類であっても、2種類以上であってもかまわないが、BET法により測定されるBET比表面積が50m /g以下のものおよびBET比表面積が150m /g以上のものの2種類を含むことが、得られるトナーの耐久性の点で好ましい。高耐久性トナーを設計する上で、BET比表面積50m /g以下の大粒径無機微粒子は、無機微粒子のトナー母体粒子への埋没を抑制する効果が期待でき、BET比表面積150m /g以上の小粒径無機微粒子は、流動性を維持する効果が期待できることから、両方を併用することが望ましい。
【0048】
また、本発明における疎水性無機微粒子は、ポリ乳酸系生分解性樹脂の生分解が加水分解から始まることを考慮すると、平衡吸着水分量が5×10−5g/m 以下である必要があり、好ましくは3×10−5g/m 以下である。平衡吸着水分量が5×10−5g/m を上回ると、水分がトナー表面に接触しやすくなり、ポリ乳酸系生分解性樹脂の加水分解が発生しやすくなり、トナー性能の安定性、耐久性の面で好ましくない。
【0049】
さらに、平衡吸着水分量は、疎水性無機微粒子表面を覆う疎水化処理剤の被覆率が高いほど小さくなる傾向にあるので、本発明の電子写真用トナーにおいては、トナー母体粒子に対する疎水性無機微粒子の被覆率が100〜300%であることが好ましい。被覆率が100%未満では、耐久性が低下し、300%を超えると、感光体表面にBSやフィルミング発生しやすくなる。
【0050】
疎水性無機微粒子の平衡吸着水分量は以下の方法によって測定される。
まず、疎水性無機微粒子の比表面積A(m /g)をBET法によって測定する。ついで、疎水性無機微粒子を25℃/80%RHの条件で45日間放置し、放置後の平衡吸着水分量B(質量%)をカールフィッシャー法で測定する。そして、次式から単位表面積あたりの平衡吸着水分量C(g/m )を求める。
C=B/(A×100)
【0051】
また、トナー母体粒子に対する疎水性無機微粒子の被覆率は下記式により求められる。
【0052】
【数1】
Figure 2004093829
【0053】
外添剤としての疎水性無機微粒子は、少なくとも総量でトナー母体粒子100質量部に対して1.0〜3.0質量部含有されることが必要である。高耐久性を狙った電子写真用トナーにおいて、トナー母体粒子100質量部に対する無機微粒子の総量が1.0質量部未満では、現像スリーブや層規制部材への融着および感光体上に黒点(ブラックスポット、BS)等が発生し、マージンが不足し、安定した画像の確保が難しくなり、トナー母体粒子100質量部に対する無機微粒子の総量が3.0質量部を超えると、定着性や耐環境性の悪化が発生し易くなる。
【0054】
本発明においては、疎水性無機微粒子の他に、トナーの流動性、帯電性、クリーニング性および保存性等の制御のため、磁性粉、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、各種樹脂微粒子等、疎水性無機微粒子以外の外添剤が、トナー母体粒子に付着されていてもよい。
トナー母体粒子に疎水性無機微粒子を付着させる方法としては、タービン型攪拌機、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の一般的な攪拌機によりトナー母体粒子と疎水性無機微粒子とを混合して攪拌する等の方法が挙げられる。
本発明の電子写真用トナーは、二成分現像方法、磁性一成分現像方法、および非磁性一成分現像方法など全ての現像方法に適用可能である。
【0055】
本発明の電子写真用トナーにあっては、ポリ乳酸系生分解性樹脂を結着樹脂として使用しているので、埋め立てによって廃棄しても環境を汚染することがないし、複写紙の脱墨が容易であり、再生紙の原料として利用しやすい。また、本発明の電子写真用トナーは、ポリ乳酸系生分解性樹脂の強靭さを利用することにより、樹脂強度は低いが低温定着性に関しては有効であるテルペンフェノール共重合体を導入することが可能になり、耐久性を損なうことなく、良好な低温定着性が達成される。また、ポリ乳酸系生分解性樹脂およびテルペンフェノール共重合体は、熱定着時に揮発性ガスを生じさせることもない。
【0056】
また、ポリ乳酸系生分解性樹脂およびテルペンフェノール共重合体は、通常のポリエステルよりも透明性が高く、高い透過性を要求されるフルカラー印刷用のトナーへの適応性も十分にある。
また、ポリ乳酸系生分解性樹脂は、L−乳酸単位またはD−乳酸単位のいずれかを、全乳酸単位に対して85モル%〜100モル%含むものであるので、得られるトナーの定着強度が高い。また、このようなポリ乳酸系生分解性樹脂は、低い温度域での流動性がよく、この樹脂を用いたトナーから得られる画像は、平滑となり、高光沢である。
【0057】
また、外添剤としての疎水性無機微粒子が、トナー母体粒子100質量部に対して1.0〜3.0質量部含有されるので、感光体へのBSや現像部材への融着を抑え、安定した画像の確保ができ、しかも定着性や耐環境性に優れる。また、疎水性無機微粒子の平衡吸着水分量が5×10−5g/m 以下であるので、ポリ乳酸系生分解性樹脂の加水分解が発生しにくくなり、トナー性能の安定性、耐久性が向上する。
このように、疎水性無機微粒子の添加量および平衡吸着水分量を特定することにより、本発明の電子写真用トナーは、高耐久化を実現し、長期にわたる間欠印刷においても経時変化がなく、長期間十分な画像濃度などを維持することができる。
【0058】
また、本発明の電子写真用トナーにあっては、結着樹脂としてポリ乳酸系生分解性樹脂およびテルペンフェノール共重合体樹脂を使用しているので、トナーにワックスを多量に添加してもフィルミングが発生しにくい。これにより、トナーに対して7.0質量%以上のワックスを添加することが可能となり、実用域の非オフセット幅を確保し、感光体へのBSや現像部材への融着を抑えることが可能となっている。また、ワックスの少なくとも1種が、その融点がテルペンフェノール共重合体樹脂の軟化温度以下であれば、低温オフセット防止効果に優れる。
また、本発明の電子写真用トナーは、その組成上、ワックスの分散が良好であるため、フィルミングが発生しにくく、帯電性も安定することから、多数枚の連続プリントにおいても、あらゆる環境下で長期間十分な画像濃度などを維持することができる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明を説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、下記のようなトナーA〜Lを作製した。
【0060】
[実施例1]〈トナーAの作製〉
・ポリ乳酸系生分解性樹脂A …35.4質量%
分子量:Mw=125,000、Mn=57,000、残存ラクチド濃度:480ppm、Tg:53.2℃、Ti/Tm:153℃/170℃、L/D構成モル比:L(モル%)/D(モル%)=91.8(モル%)/8.2(モル%)(合成法)予め、公知の方法により作製した原料ラクチド(LL−ラクチド95mol%、meso−ラクチド5mol%)に、触媒としてオクチル酸錫を0.10質量%、反応開始剤としてドデシルアルコールを0.15質量%添加した後、100℃から200℃まで徐々に昇温しながら重合を行った。次に、作製した重合体を100℃、5Torrの減圧下にて48時間静置して残存するラクチドを脱揮してポリ乳酸系生分解性樹脂Aを得た。
・テルペンフェノール共重合体A …51.6質量%
(環状テルペンフェノール共重合体、ヤスハラケミカル(株)製、商品名:マイティエースK−125)
分子量:Mw=600、Tg:69.5℃、Ti/Tm:92℃/111℃
(ポリ乳酸系生分解性樹脂A:テルペンフェノール共重合体A=40:60)
【0061】
・カーボンブラック …7.0質量%
(三菱化学社製、商品名:MA−100)
・ワックス1 …2.0質量%
(三洋化成社製、商品名:ビスコール660P)
融点:135℃、針入度:1.0以下
・ワックス2 …2.0質量%
(日本ワックス社製、商品名:カルナウバ粉末2号)
融点:82℃、針入度:1以下
・鉄系含金属染料 …2.0質量%
(保土谷化学社製、商品名:T−77)
【0062】
ここで、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量、Tgはガラス転移温度、Ti/Tmは流動開始温度/軟化温度、MpはDSC測定による吸熱ピークを表す。軟化温度は、島津製作所社製の商品名:高化式フローテスターCFT−500を用い、プランジャー:1cm 、ダイの直径:1mm、ダイの長さ:1mm、荷重:20kgf、余熱温度:50〜80℃、余熱時間:300sec、昇温速度:6℃/分の測定条件において、プランジャーの降下開始から終了までの移動距離の1/2の位置の温度を測定した値である。軟化温度は、フロー軟化点ともいう。
【0063】
上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合し、二軸のエクストルーダーにて熱溶融混練後、ジェットミルにて粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して体積平均粒径が9μmのトナー母体粒子を得た。
そして、該トナー母体粒子100質量部に対して、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された体積平均粒子径約0.050μm、BET比表面積50m /gの疎水性シリカAを1.0質量部、およびジメチルジクロロシランで表面処理された体積平均粒子径約0.007μm、BET比表面積220m /gの疎水性シリカBを1.0質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速40m/sec、4分間混合し、トナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率177%のトナーAを得た。トナーAの真比重は1.27、疎水性シリカAの真比重は2.65、疎水性シリカBの真比重は2.65であった。また、疎水性シリカAの平衡吸着水分量は3.2×10−5g/m 、疎水性シリカBの平衡吸着水分量は2.9×10−5g/m であった。
【0064】
[実施例2]〈トナーBの作製〉
トナー母体粒子に外添する疎水性シリカを、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された体積平均粒子径0.05μm、BET比表面積50m /gの疎水性シリカC、およびジメチルシリコーンオイルで表面処理された体積平均粒子径0.01μm、BET比表面積150m /gの疎水性シリカDに変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率130%のトナーBを得た。トナーBの真比重は1.27、疎水性シリカCの真比重は2.65、疎水性シリカDの真比重は2.65であった。また、疎水性シリカCの平衡吸着水分量は2.2×10−5g/m 、疎水性シリカDの平衡吸着水分量は1.9×10−5g/m であった。
【0065】
[実施例3]〈トナーCの作製〉
トナー母体粒子に外添する疎水性シリカを、オクチルシランで表面処理された体積平均粒子径0.05μm、BET比表面積50m /gの疎水性シリカE、およびヘキサメチルジシラザンで表面処理された体積平均粒子径0.01μm、BET比表面積150m /gの疎水性シリカFに変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率130%のトナーCを得た。トナーCの真比重は1.27、疎水性シリカEの真比重は2.65、疎水性シリカFの真比重は2.65であった。また、疎水性シリカEの平衡吸着水分量は4.5×10−5g/m 、疎水性シリカFの平衡吸着水分量は4.7×10−5g/m であった。
【0066】
[実施例4]〈トナーDの作製〉
トナー母体粒子100質量部に対する疎水性シリカAの添加量を0.5質量部、疎水性シリカBの添加量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率88%のトナーDを得た。トナーDの真比重は1.27であった。
【0067】
[実施例5]〈トナーEの作製〉
トナー母体粒子100質量部に対する疎水性シリカAの添加量を1.5質量部、疎水性シリカBの添加量を1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率265%のトナーEを得た。トナーEの真比重は1.27であった。
【0068】
[実施例6]〈トナーFの作製〉
ポリ乳酸系生分解性樹脂Aとテルペンフェノール共重合体Aの含有比率を質量比で30:70(ポリ乳酸系生分解性樹脂A=26.1質量%、テルペンフェノール共重合体A=60.9質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率177%のトナーFを得た。トナーFの真比重は1.27であった。
【0069】
[実施例7]〈トナーGの作製〉
ポリ乳酸系生分解樹脂Aの代わりにポリ乳酸系生分解樹脂Bを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてトナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率177%のトナーGを得た。トナーGの真比重は1.27であった。
・ポリ乳酸系生分解性樹脂B
分子量:Mw=120,000、Mn=44,000、残存ラクチド濃度:190ppm、Tg:60.0℃、Ti/Tm:155℃/175℃、L/D構成モル比:L(モル%)/D(モル%)=99.25(モル%)/0.75(モル%)
(合成法)予め、公知の方法により作製した原料ラクチド(LL−ラクチド99mol%、meso−ラクチド1mol%)に、触媒としてオクチル酸錫を0.05質量%、反応開始剤としてドデシルアルコールを0.15質量%添加した後、100℃から200℃まで徐々に昇温しながら重合を行った。次に、作製した重合体を100℃、3Torrの減圧下にて72時間静置して残存するラクチドを脱揮してポリ乳酸系生分解性樹脂Bを得た。
【0070】
[実施例8]〈トナーHの作製〉
・ポリ乳酸系生分解性樹脂A …35.4質量%
・テルペンフェノール共重合体A(環状テルペンフェノール共重合体) …40.6質量%
(ポリ乳酸系生分解性樹脂A:テルペンフェノール共重合体A=47:53)・カーボンブラック …7.0質量%
(三菱化学社製、商品名:MA−100)
・ワックス1 …5.0質量%
(三洋化成社製、商品名:ビスコール550P)
融点:145℃、針入度:1以下
・ワックス2 …10.0質量%
(日本ワックス社製、商品名:カルナウバ粉末2号)
融点(Mp):82℃、針入度:1以下
・鉄系含金属染料 …2.0質量%
(保土谷化学社製、商品名:T−77)
配合処方を上記のように変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率177%のトナーHを得た。トナーHの真比重は1.27であった。
【0071】
[比較例1]〈トナーIの作製〉
トナー母体粒子に外添する疎水性シリカを、オクチルシランで表面処理された体積平均粒子径0.05μm、BET比表面積50m /gの疎水性シリカG、およびジメチルジクロロシランで表面処理された体積平均粒子径0.01μm、BET比表面積150m /gの疎水性シリカHに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率130%のトナーIを得た。トナーIの真比重は1.27、疎水性シリカGの真比重は2.65、疎水性シリカHの真比重は2.65であった。また、疎水性シリカGの平衡吸着水分量は5.7×10−5g/m 、疎水性シリカHの平衡吸着水分量は9.2×10−5g/m であった。
【0072】
[比較例2]〈トナーJの作製〉
トナー母体粒子100質量部に対する疎水性シリカAの添加量を0.4質量部、疎水性シリカBの添加量を0.4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率71%のトナーJを得た。
【0073】
[比較例3]〈トナーKの作製〉
トナー母体粒子100質量部に対する疎水性シリカAの添加量を2.0質量部、疎水性シリカBの添加量を2.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率354%のトナーKを得た。
【0074】
[比較例4]〈トナーLの作製〉
トナー母体粒子に外添する疎水性シリカを、オクチルシランで表面処理された体積平均粒子径0.05μm、BET比表面積50m /gの疎水性シリカG、およびジメチルジクロロシランで表面処理された体積平均粒子径0.01μm、BET比表面積150m /gの疎水性シリカHに変更し、トナー母体粒子100質量部に対する疎水性シリカGの添加量を0.4質量部、疎水性シリカHの添加量を0.4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー母体粒子に対する疎水性シリカの被覆率52%のトナーLを得た。トナーLの真比重は1.27であった。
【0075】
[トナーの評価]
得られたトナーを、沖電気社のフルカラープリンタMICROLINE3020Cの現像機(ブラック)に投入し、画像比率が5%のA4原稿をA4の複写紙に25000枚まで間欠印字し、実施例1〜8及び比較例1〜4のトナー(A〜L)それぞれについて評価した。評価は、常温常湿(N/N:20℃、58%RH)、低温低湿(L/L:10℃、20%RH)、高温高湿(H/H:30℃、80%RH)環境下で実施した。間欠印字の条件は、1000枚/日を上限とし、4週間かけて25000枚のランニングを実施し、画像濃度、カブリ、融着および/またはBS、トナー中のポリ乳酸系生分解性樹脂の分子量、およびオフセットを評価し、N/N環境の結果を表1および表2に、L/L環境の結果を表3および表4に、H/H環境の結果を表5および表6に示した。
【0076】
評価方法は下記のとおりである。
1.画像濃度(ID)は、ベタ画像部をマクベス反射濃度計RD−914で測定した。
2.カブリ(BG)は、日本電色工業社製のカラーメーターZE2000で非画像部の白色度を測定し、複写前後の白色度の差で示した。
3.融着および/またはBS(ブラックスポット)は、目視により、現像ロール・層規制ブレード、現像ロールおよび感光体を観察し、以下の基準で評価した。
○:BSおよび融着とも発生していないもの。
△:現像ロール上に軽微な筋が確認されたもの。
△×:現像ロール上にはっきりとした筋が確認されたもの、もしくは感光体上に軽微なBSが確認されたもの。
×:複写紙の画像上に融着もしくはBSによる画像欠陥が確認されたもの。
4.分子量の測定は、GPC法にて実施し、乳酸系生分解性樹脂のピーク部分のみを対象とした。ここで、分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
5.オフセットは、耐刷画像を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:オフセットの発生がないもの。
×:オフセットの発生しているもの。
【0077】
【表1】
Figure 2004093829
【0078】
【表2】
Figure 2004093829
【0079】
【表3】
Figure 2004093829
【0080】
【表4】
Figure 2004093829
【0081】
【表5】
Figure 2004093829
【0082】
【表6】
Figure 2004093829
【0083】
表1〜表6から明らかなように、実施例1〜8の本発明のトナーでは、初期と25000枚後の画像濃度は1.44以上であり、カブリは0.57以下で実用上問題ない範囲で複写でき、かつ現像部材への融着、感光体へのBSがなく帯電性および耐久性に問題のない画像が得られることが確認された。
これに対し比較例1〜4の比較用トナーでは、画像濃度、カブリ、現像部材への融着、感光体へのBSの発生、オフセットの発生など、帯電性および耐久性などの種々の問題が確認された。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子写真用トナーは、少なくともトナー母体粒子と外添剤とから構成され、トナー母体粒子の結着樹脂として、樹脂中の全乳酸単位に対してL−乳酸単位またはD−乳酸単位のいずれかの構成モル濃度が85モル%〜100モル%の範囲であるポリ乳酸系生分解性樹脂と、テルペンフェノール共重合体とを含有し、外添剤として添加される疎水性無機微粒子をトナー母体粒子100質量に対して1.0〜3.0質量部含有し、かつ該疎水性無機微粒子の平衡吸着水分量が、5.0×10−5g/m 以下であるものであるので、高耐久化を実現し、長期にわたる間欠印刷においても経時変化がなく、長期間十分な画像濃度などを維持することができ、現像部材への融着、感光体へのBS(ブラックスポット)、オフセットの問題を発生せず、低温定着性に優れ、フルカラー画像としての十分な光沢性、透明性を発現し、かつ環境保全や安全性に優れるという画期的効果を奏する。
【0085】
また、前記ポリ乳酸系生分解性樹脂とテルペンフェノール共重合体の含有比率が、80:20〜20:80(質量比)であれば、トナーの生産性および生分解性に問題を生じさせることなく、低温定着性および耐久性を両立させることができる。
また、前記疎水性無機微粒子が、BET比表面積50m /g以下のものと、BET比表面積150m /g以上のものとを含むものであれば、無機微粒子のトナー母体粒子への埋没が抑制され、電子写真用トナーの耐久性を高めることができ、かつ電子写真用トナーの流動性を維持できる。
また、トナー母体粒子に対する疎水性無機微粒子の被覆率が、100〜300%であれば、耐久性に優れ、感光体表面にBSやフィルミングを発生させない。
【0086】
また、前記ポリ乳酸系生分解性樹脂が、上述の式(I)で示される構造を持つものであれば、高温高湿環境下で使用される際の安定性(耐加水分解性)に優れた電子写真用トナーが得られる。
また、前記ポリ乳酸系生分解性樹脂に含まれる環状乳酸二量体が、ポリ乳酸系生分解性樹脂に対して500ppm以下の濃度であれば、高温高湿環境下で使用される際の安定性(耐加水分解性)に優れた電子写真用トナーが得られる。
また、本発明の電子写真用トナーが、ワックスを一種類以上含有し、ワックスの総量がトナー母体粒子質量に対して7.0〜20質量%であり、かつ添加されるワックスの少なくとも1種類の融点が、テルペンフェノール共重合体の軟化温度よりも低いものであれば、ワックスによるフィルミングを抑えつつ、実用域の非オフセット幅を確保でき、しかも低温定着性に優れる。

Claims (9)

  1. 少なくともトナー母体粒子と外添剤とから構成され、
    トナー母体粒子の結着樹脂として、樹脂中の全乳酸単位に対してL−乳酸単位またはD−乳酸単位のいずれかの構成モル濃度が85モル%〜100モル%の範囲であるポリ乳酸系生分解性樹脂と、テルペンフェノール共重合体とを含有し、
    外添剤として添加される疎水性無機微粒子を、トナー母体粒子100質量部に対して1.0〜3.0質量部含有し、
    かつ該疎水性無機微粒子の平衡吸着水分量が、5.0×10−5g/m 以下であることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記テルペンフェノール共重合体が、(a)環状テルペンとフェノール類とを共重合させた環状テルペンフェノール共重合体、(b)環状テルペン化合物1分子に対してフェノール類を2分子の割合で付加させた環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体、(c)前記(b)環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体と、アルデヒド類またはケトン類との縮合反応で得られるポリ環状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体、(d)環状テルペン1分子にフェノール類を1分子の割合で付加させた環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体と、アルデヒド類またはケトン類との縮合反応で得られるポリ環状テルペン/フェノール類1モル/1モル付加体、から選ばれる少なくとも1つからなる組成物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 前記ポリ乳酸系生分解性樹脂とテルペンフェノール共重合体の含有比率が、80:20〜20:80(質量比)であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子写真用トナー。
  4. 前記疎水性無機微粒子が、BET比表面積50m /g以下のものと、BET比表面積150m /g以上のものとを含むものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  5. トナー母体粒子に対する疎水性無機微粒子の被覆率が、100〜300%であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  6. 前記疎水性無機微粒子が、疎水性シリカであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  7. 前記ポリ乳酸系生分解性樹脂が、下記式(I)で示される構造を持つことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
    Figure 2004093829
    (式中、Rはアルキル基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、nは10以上の整数を示す。)
  8. 前記ポリ乳酸系生分解性樹脂に含まれる環状乳酸二量体が、ポリ乳酸系生分解性樹脂に対して500ppm以下の濃度であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  9. ワックスを一種類以上含有し、ワックスの総量がトナー母体粒子質量に対して7.0〜20質量%であり、かつ添加されるワックスの少なくとも1種類の融点が、テルペンフェノール共重合体の軟化温度よりも低いことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
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