JP5001048B2 - 電子写真用トナーバインダー及びトナー - Google Patents
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Description
トナーの生産性の面からは、トナーバインダーの粉砕性が要求される。ポリエステルトナーバインダーを用いたトナーの更なる耐ホットオフセット性の向上のためには、ポリエステルの高分子量化、ポリエステルの架橋構造、ゲル成分の導入が知られているが、いずれも著しく粉砕性を損ない、生産性を低下させるものである。
粉砕率:6.0〜7.0gのトナーバインダーの樹脂片3個をミルミキサー(象印社製、品番BM−FS08)で5秒間連続して2回粉砕した後、14メッシュのふるいにかけ、通過した樹脂の重量(Z)を精秤し、次式より粉砕された樹脂の質量比率を求め、この操作を3回行い平均して求めた値。
粉砕率(%)=〔(Z)(g) / 粉砕前の樹脂総重量(g)〕×100
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、1種類以上のポリオール成分(x)と、1種類以上のポリカルボン酸成分(y)を重縮合して得られ、ポリオール成分(x)としては、ジオール(x1)および/または3〜8価若しくはそれ以上のポリオール(x2)が挙げられる。ポリカルボン酸成分(y)としては、ジカルボン酸(y1)および/または3〜6価若しくはそれ以上のポリカルボン酸(y2)が挙げられる。
これらのうち好ましいものはトリメリット酸およびピロメリット酸並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することもできる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒(例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒、および特開2007−11307号公報に記載の触媒)、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
非線形ポリエステル樹脂(A2)は、通常前記のジカルボン酸(y1)およびジオール(x1)と共に、前記の3〜6価若しくはそれ以上のポリカルボン酸(y2)および/または3価〜8価若しくはそれ以上のポリオール(x2)を反応させて得られる。(A2)を得る場合の(y2)と(x2)の比率は、これらのモル数の和が、全ポリオール成分とポリカルボン酸成分のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは3〜20モル%である。
資料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間攪拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
ポリオレフィン樹脂(a)としては、オレフィン類の重合体(a−1)、オレフィン類の重合体の酸化物(a−2)、オレフィン類の重合体の変性物(a−3)オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物(a−4)などが挙げられる。
(a−1)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体などが挙げられる。また、本発明においては、ポリマー構造がポリオレフィンの構造を有していれば良く、モノマーが必ずしもオレフィン構造を有している必要はない。例えば、ポリメチレン(サゾールワックス等)等も使用することができる。
(a−2)としては、上記(a−1)の酸化物等が挙げられる。
(a−3)としては、上記(a−1)のマレイン酸誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル等)付加物などが挙げられる。
(a−4)としては、不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等]、不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(C1〜C18)エステル、マレイン酸アルキル(C1〜C18)エステル等]等の単量体とオレフィン類との共重合体等が挙げられる。
これらポリオレフィン樹脂(a)のうち、好ましいものは、(a−1)、(a−2)、および(a−3)であり、さらに好ましくは、ポリエチレン、ポリメチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレンであり、特に好ましいものは、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。
なお、本発明におけるSP値の計算方法は、Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2 P.147〜154による。
(m2)としては、不飽和カルボン酸類およびその無水物[(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびその無水物など]、不飽和ジカルボン酸モノエステル[マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチルなど]などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、(メタ)アクリル酸、不飽和ジカルボン酸モノエステルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸およびマレイン酸モノメチルである。
これのうち好ましいものはスチレン系モノマー、不飽和カルボン酸アルキルエステルおよびその併用であり、特に好ましいのは、スチレンおよびスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルの併用である。
・(1):酸化型ポリプロピレン(2):スチレン/アクリロニトリル共重合体
・(1):ポリエチレン/ポリプロピレン混合物(2):スチレン/アクリロニトリル共重合体
・(1):エチレン/プロピレン共重合体(2):スチレン/アクリル酸/アクリル酸ブチル共重合体
・(1):ポリプロピレン(2):スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸ブチル/マレイン酸モノブチル共重合体
・(1):マレイン酸変性ポリプロピレン(2):スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸/アクリル酸ブチル共重合体
・(1):マレイン酸変性ポリプロピレン(2):スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体
・(1):ポリエチレン/マレイン酸変性ポリプロピレン混合物(2):アクリロニトリル/アクリル酸ブチル/スチレン/マレイン酸モノブチル共重合体
樹脂(B)の添加量、すなわち(C)中の(B)の含有量は、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは25〜70重量%、とくに好ましくは30〜60重量%である。添加量が20重量%以上では粉砕性が良好となり、90重量%以下である場合は定着性が良好となる。
また、トナーバインダー(C)中にポリエステル以外の他のバインダー樹脂を含有させさせさせることもできる。他のバインダー樹脂としては、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/(メタ)アクリロニトリル共重合体、エポキシ樹脂、ポリウレタン等公知のトナーバインダー樹脂が挙げられる。 (C)中の他のバインダー樹脂の含有量は、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
粉砕率(%)=〔(Z)(g) / 粉砕前の樹脂総重量(g)〕×100
着色剤としては公知の染料、顔料および磁性粉を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、バラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、プリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOP、マグネタイト、鉄黒などが挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は、染料または顔料を使用する場合は、好ましくは2〜15重量%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは20〜70重量%である。
荷電制御剤としては、公知のものすなわち、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマーなどが挙げられる。トナー中の荷電制御剤の含有量は通常0〜5重量%である。さらに、流動化剤を使用することもできる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末など公知のものを用いることができる。
1.ガラス転移点(Tg)
ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)。
装置:セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC/580
2.テトラヒドロフラン(THF)不溶解分
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別し、80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
3.軟化点の測定
フローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とした。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500D
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
4.粉砕率
前記の方法による。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)639部(24.5モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物180部(1.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル653部(9.8モル)、アジピン酸10部(0.2モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、軟化点が90℃になった時点で180℃まで冷却した。回収されたプロピレングリコールは263部(10.1モル)であった。冷却後無水トリメリット酸125部(1.9モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A1−1)とする。線形ポリエステル(A1−1)のTgは53℃、THF不溶解分は0重量%であった。なお( )内のモル数は相対的なモル比を意味する。(以下同様)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール614部(23.8モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物156部(1.4モル)、テレフタル酸ジメチルエステル627部(9.5モル)、アジピン酸25部(0.5モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは288部(11.2モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸98部(1.5モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル(A2−1)とする。ポリエステル(A2−1)のTgは65℃、軟化点は180℃、THF不溶解分は30重量%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物404部(7.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物380部(7.0モル)、テレフタル酸276部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でテトラブトキシチタネート1.5部を追加し、常圧反応工程終了後にさらに1.5部を追加した。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74部(2.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A1−2)とする。線形ポリエステル(A1−2)のTgは55℃、THF不溶分は0重量%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物679部(10.8モル)、フェノールノボラックのEO付加物47部(0.37モル)、テレフタル酸260部(10.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら7時間反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でテトラブトキシチタネート1.5部を追加し、常圧反応工程終了後にさらに1.5部を追加した。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸87部(2.9モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル(A2−2)とする。ポリエステル(A2−2)のTgは68℃、軟化点は178℃、THF不溶解分は42重量%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール720部(22.7モル)、テレフタル酸ジメチルエステル735部(9.1モル)、アジピン酸55部(0.9モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、軟化点が90℃になった時点で180℃まで冷却した。回収されたプロピレングリコールは254部(8.0モル)であった。冷却後無水トリメリット酸50部(0.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A1−3)とする。線形ポリエステル(A1−3)のTgは57℃、THF不溶解分は0重量%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール583部(26.7モル)、テレフタル酸ジメチルエステル522部(9.4モル)、アジピン酸26部(0.6モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは317部(14.5モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸55部(1.0モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が165℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル(A2−3)とする。ポリエステル(A2−3)のTgは62℃、軟化点は165℃、THF不溶解分は39重量%であった。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン600部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製 ビスコール440P:軟化点153℃)480部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックスLEL−400:軟化点128℃)120部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン〔単独重合体のSP値10.55〕1992部、アクリロニトリル〔単独重合体のSP値14.39〕168部、マレイン酸モノブチル〔単独重合体のSP値11.67〕240部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78部およびキシレン455部の混合溶液を175℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、樹脂(B−1)を得た。(B−1)のグラフト鎖のSP値は10.94、Tgは58℃、Mnは2950、Mwは10900であった。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン650部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製 ビスコール440P:軟化点153℃)500部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックスLEL−400:軟化点128℃)200部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン〔単独重合体のSP値10.55〕960部、アクリロニトリル〔単独重合体のSP値14.39〕240部、アクリル酸ブチル〔単独重合体のSP値9.77〕180部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート52部およびキシレン180部の混合溶液を175℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、樹脂(B−2)を得た。(B−2)のグラフト鎖のSP値は11.14、Tgは60℃、Mnは4100、Mwは15600であった。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン650部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製 ビスコール440P:軟化点153℃)470部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックスLEL−400:軟化点128℃)180部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン〔単独重合体のSP値10.55〕315部、アクリロニトリル〔単独重合体のSP値14.39〕390部、アクリル酸ブチル〔単独重合体のSP値9.77〕150部、アクリル酸270部〔単独重合体のSP値14.04〕、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート52部およびキシレン180部の混合溶液を175℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、樹脂(B−3)を得た。(B−3)のグラフト鎖のSP値は12.56、Tgは61℃、Mnは2900、Mwは11200であった。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン400部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製、ビスコール440P:軟化点153℃)50部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン782部〔単独重合体のSP値10.55〕、アクリル酸ブチル〔単独重合体のSP値9.77〕218部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート8.5部の混合溶液を160℃で2時間で滴下し、さらに1時間保持した。次いで脱溶剤を行い、樹脂(B−4)を得た。(B−4)のグラフト鎖のSP値は10.41、Tgは57℃、Mnは8310、Mwは22900であった。
ポリエステル樹脂(A1−1)、(A2−1)、(A2−3)、(A1−2)、(A2−2)、(A2−3)、樹脂(B−1)、(B−2)、(B−3)、および(B−4)を、表1に示す比率にてヘンシェルミキサーを用いて予備混合したのち、ロール内温度120℃の二軸混練機にて溶融混練した後室温まで冷却し、トナーバインダー(C−1)〜(C−7)と比較のトナーバインダー(C−8)〜(C−13)を得た。トナーバインダー(C)のTg、軟化点、THF不溶解分、粉砕率を表1に示す。
トナーバインダー(C−1)〜(C−7)および比較のトナーバインダー(C−8)〜(C−13)それぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(D−1)〜(D−7)、および比較用のトナー(D−8)〜(D−13)を得た。
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
トナー(D−1)〜(D−13)の定着評価の結果、並びにトナー化に使用したバインダーの粉砕率を表2に示す。樹脂(B)の添加量を増やした際も、トナーの定着幅は、添加量小の場合と同等の性能を示した。
Claims (5)
- ポリカルボン酸成分とポリオール成分とを構成成分とし、線形ポリエステル樹脂(A1)と非線形ポリエステル樹脂(A2)からなるポリエステル樹脂(A)と、ポリオレフィン樹脂(a)にSP値が10.6〜12.6(cal/cm3)1/2のビニル樹脂(b)がグラフトした構造を有する樹脂(B)からなり、下記粉砕率が60%以上であることを特徴とするトナーバインダー(C)。
粉砕率:6.0〜7.0gのトナーバインダーの樹脂片3個をミルミキサー(象印社製、品番BM−FS08)で5秒間連続して2回粉砕した後、14メッシュのふるいにかけ、通過した樹脂の重量(Z)を精秤し、次式より粉砕された樹脂の質量比率を求め、この操作を3回行い平均して求めた値。
粉砕率(%)=〔(Z)(g) / 粉砕前の樹脂総重量(g)〕×100 - トナーバインダー(C)中の樹脂(B)の含有量が20〜90重量%である請求項1記載のトナーバインダー。
- ビニル樹脂(b)が、単独重合体のSP値が11.0〜18.0(cal/cm3)1/2であるビニルモノマー(m)と単独重合体のSP値が8.0〜11.0未満(cal/cm3)1/2であるビニルモノマー(n)との共重合体である請求項1または2記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A)のポリオール成分として、炭素数2〜12のアルキレングリコール、および/またはビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(オキシアルキレン単位の数2〜30)を含有する請求項1〜3のいずれか記載のトナーバインダー。
- 請求項1〜4のいずれか記載のトナーバインダーと、着色剤、並びに必要により離型剤、荷電制御剤、および流動剤から選ばれる1種以上の添加剤からなるトナー。
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