JP2010085630A - トナー用ポリエステル樹脂およびその製造方法 - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 顔料、帯電制御剤等の材料分散性が良好で、低温定着性を有し、耐高温オフセット性に優れたトナー用ポリエステル樹脂。
【解決手段】
THF不溶分を含み、該THF不溶分が下記(1)式を満足するトナー用ポリエステル樹脂。
Mlong>17%・・・(1)
(Mlong:T2long(120℃でパルスNMR(25MHz)により得られる自由誘導減衰曲線を3つの緩和曲線の和で近似した時の緩和が最も遅い緩和曲線由来のスピンスピン緩和時間)をもつプロトンの割合。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、トナー用ポリエステル樹脂およびその製造方法に関するものである。
電子写真印刷法及び静電荷現像法により画像を得る方法においては、感光体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現像したのち、定着を行う。定着方式については、現像によって得られたトナー像を加圧及び加熱されたローラーを用いて定着するヒートローラー方式と、電気オーブン或いはフラッシュビーム光を用いて定着する非接触定着方式とがある。
これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーは、まず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が良好であることが必要とされる。また、装置は定着部に加熱体を有するため、装置内で温度が上昇することから、トナーは、装置内でブロッキングしないことが要求される。
最近では、省エネ化が特に要求されるようになってきており、その結果、ヒートローラー方式において、定着部の低温化が進んできた。そのため、トナーにはより低い温度で紙に定着する性能、つまり低温定着性が強く求められるようになってきている。また、ヒートローラー方式においては、いわゆるオフセット現象が発生するため、耐高温オフセット性が要求されるのが前提である。従って、耐高温オフセット性を維持しつつ、例えば定着温度120℃以下の条件でも紙への定着を示すといった低温定着性を発現させる必要があり、より広いワーキングレンジ、例えば定着温度幅が90℃以上を有するトナーが要求さ
れるようになってきている。
トナー用結着樹脂は、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等が知られているが、最近では、透明性と定着性のバランスを取りやすいことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。
そこで、ポリエステル樹脂の低温定着性を改良する手段として、特許文献1では、不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂をバインダー樹脂として架橋剤、顔料、帯電制御剤等と混合しトナー化した後、定着ローラーで架橋させる検討が行われている。
特開平3−135578号公報
しかしこの方法では、架橋反応が局所的に進行するため、樹脂の均一性が損なわれ、顔料、帯電制御剤等の材料分散性が悪い箇所が存在する。
本発明の目的は、トナー化したときの顔料、帯電制御剤等の材料分散性が良好で、低温定着性を有し、耐高温オフセット性に優れたポリエステル樹脂にある。
本発明の要旨は、THF不溶分を含み、該THF不溶分が下記(1)式を満足するトナー用ポリエステル樹脂にある。
Mlong>17%・・・(1)
(Mlong:T2long(120℃でパルスNMR(25MHz)により得られる自由誘導減衰曲線を3つの緩和曲線の和で近似した時の緩和が最も遅い緩和曲線由来のスピンスピン緩和時間)をもつプロトンの割合。)
本発明によれば、トナー化したときの材料分散性が良好で、低温定着性を有し、耐高温オフセット性に優れたポリエステル樹脂を得ることが可能となる。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、THF(テトラヒドロフラン)に溶解しない架橋密度の高い架橋成分である「THF不溶分」を有している。
該THF不溶分は、不飽和二重結合を有し軟化温度が異なる2種以上のポリエステル樹脂を架橋反応させて得られる。
該THF不溶部の分子鎖は3つの不均一な運動成分を有すると推定され、分子運動の遅い方より次の3つに分類される。
(I)架橋点や分子鎖の絡み合いにより分子鎖の運動が拘束された分子鎖部。(架橋が密な部分)
(II)架橋点間もしくは絡み合い点間の分子鎖部。(架橋が疎な部分)
(III)分子鎖末端や枝分かれ先の分子鎖部。(ゲル分子末端部)
該THF不溶分を120℃でパルスNMRを測定すると、自由誘導減衰曲線を非線形最小二乗法で解析することで、上記3成分に由来する3つの緩和曲線の和で近似することができ、本発明では該THF不溶分が下記(1)式を満足することが必要である。
Mlong>17%・・・(1)
Mlongは、上記(III)のゲル分子末端部に該当し、T2longをもつプロトンの割合を表す。
T2longは、120℃でパルスNMR(25MHz)により得られる自由誘導減衰曲線(FID)を3つの緩和曲線の和で近似した時の緩和が最も遅い緩和曲線由来のスピンスピン緩和時間であり、得られる3つのスピンスピン緩和時間の中で最も長い緩和時間である。T2は分子運動の速さと相関があり、T2が長いと分子運動が速いことを示し、Mlongは分子運動の速い部分の割合を示す。
Mlongが17%より大きいと、分子運動の速い部分の割合が十分に存在しゲル分子集合体間の分子間に顔料等が入りやすくなり、分散性が向上し色抜けを改善することが可能となる。
さらに、T2longが1000μsより大きいと、ゲル分子末端鎖の運動性が良いために、ゲル分子集合体の分子間に顔料等が入りやすくなる。
なお、T2は、公知のパルスNMRにより測定可能であり、T2の測定は粘弾性体を測定するにはソリッドエコー法が望ましい。
測定温度は120℃で行い、自由誘導減衰曲線(FID)を非線形最小二乗法で解析することで、上記三成分に由来する三つの緩和曲線の和でに近似することができ、三成分由来のT2とそのT2をもつプロトンの割合Mがそれぞれ得られ、最も長いT2をT2long、そのT2をもつプロトンの割合をMlongとする。
Mlongが(1)式を満足するためには、軟化温度が異なる2種以上の、不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂を溶融混合後、架橋反応することにより可能となるが、軟化温度80〜120℃の不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂Aと軟化温度140〜200℃の不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂Bと架橋反応させることでMlongがより大きくなり、低温定着性と高温オフセット性の優れたトナー用ポリエステル樹脂となる点で好ましい。
ポリエステル樹脂Aの軟化温度が80℃未満では保存性から好ましくない。120℃を超えると低温定着性が悪化する。好ましい範囲は90〜110℃である。
また、ポリエステル樹脂Bの軟化温度が140℃未満では高温オフセット性が悪くなり、200℃を超えると低温定着性が悪くなる。好ましい範囲は140〜180℃である。
また、ポリエステル樹脂Aは不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂全体に対し、65〜98質量部であることが好ましい。
次に本発明のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法の一例を示す。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、軟化温度が異なる2種以上の、不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂を溶融混合後、架橋反応することにより得られる。
なお不飽和二重結合とは炭素間二重結合であり、これをポリエステル樹脂の主鎖および/または側鎖に有するものである。不飽和二重結合をポリエステル樹脂の主鎖および/または側鎖に有するためには、不飽和二重結合を有するカルボン酸化合物および/または不飽和二重結合を有するアルコール化合物を用いて重縮合反応をさせ、これらの化合物をポリエステル樹脂の構成成分として取り込めばよい。
不飽和二重結合を有するカルボン酸化合物の例としては、特に制限されないが、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸およびこれらのエステル誘導体、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸およびこれらのエステル誘導体等が挙げられる。また、不飽和二重結合を有するアルコール化合物としては、特に制限されないが、例えば、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン等が挙げられる。
これらの中では、反応性の観点から、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
ポリエステル樹脂の溶融混合は充分になされることが好ましく、混合の方法としては押出し機を使用して、充分にせん断をかけて溶融混合することが望ましい。押出し機はせん断力の大きい二軸押出し機が望ましい。
また、架橋反応はラジカル反応により行うことが好ましい。
ラジカル反応開始剤としては、特に制限されず、アゾ化合物や有機過酸化物が用いられる。中でも開始剤効率が高く、シアン化合物副生成物を生成しないことから、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、特に制限されないが、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシへキシン−3、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、オクタニノルパーオキシド、デカノリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、m−トルイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンソエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
溶融混合後の架橋は混合物を粉砕し、押出し機に再投入し架橋剤を供給し架橋してもよく、同軸の押出し機で溶融混合ゾーンと架橋ゾーンを分けて溶融混合と架橋を1つの押出し機で行うこともできる。1つの押出し機で行うことが生産性の上で好ましい。
架橋反応開始剤の押出機への供給方法は、特に制限されず、ポリエステル樹脂に混合して供給してもよいし、架橋反応開始剤単体を供給してもよいし、架橋反応開始剤を希釈剤で希釈して供給してもよい。
架橋反応開始剤の供給温度は特に制限されないが、架橋反応開始剤の分解による無駄な消費を抑制する点から、10時間半減期温度より低いことが好ましい。
また、架橋反応開始剤を希釈剤で希釈することは、局所的に架橋反応を防止する点から好ましいが、希釈剤は、トナー用ポリエステル樹脂中に残存することになる。そこで、トナー用ポリエステル樹脂中に残存しても、トナー製造に悪影響を及ぼさない点から、希釈剤で希釈する場合はトナーの添加剤として使用される離型剤を希釈剤として用いることが好ましい。
架橋反応開始剤の希釈剤として離型剤を用いる場合には、不飽和二重結合の架橋反応を阻害しないものを用いることが好ましい。不飽和二重結合の架橋反応を阻害しないもとのしては、炭化水素系の離型剤が好ましく、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;またはこれらのブロック化合物などが挙げられる。
これらの中では、架橋反応開始剤との混合が容易であり、トナーの低温定着性をさらに高めることができる傾向にあることから、離型剤の融点は120℃以下であることが好ましい。融点が120℃以下の離型剤としては、パラフィンワックスが最も好ましく、日本精鑞社製HNPシリーズ:例えばHNP−3(融点64℃)、HNP−5(融点62℃)、HNP−9、10(融点75℃)、HNP−11(融点68℃)、HNP−12(融点67℃)、HNP−51(融点77℃)、SPシリーズ:例えば、SP−0165(融点74℃)、SP−0160(融点71℃)、SP−0145(融点62℃)、HNP−3(融点64℃)、FTシリーズ:FT−0070(融点72℃)、FT−0165(融点73℃)等が挙げられる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の実施の態様はこれに限定されるものではない。また、評価方法は以下の通りである。
(Mlong、T2long)
サンプルとなるゲルは以下の方法により架橋ポリエステル樹脂より分離した。
容量300mlのビーカーに、架橋ポリエステル樹脂15g、THFを200mL加え、スターリングバーで3時間よくかき混ぜた。その後、上澄み液を取り除き、さらにTHFを200mL加え、さらに3時間よくかき混ぜた。そして、ひだ折ろ紙に、混合液を展開してろ過を行った。ろ過をおこなっているところに約100mlのTHFを添加し、可溶分を洗い流すことを3回繰り返した。
ろ紙にたまったTHF不溶分をシャーレに移し、真空乾燥機に入れて、60℃で3時間乾燥させてゲル分を得た。
パルスNMRの測定条件
パルスNMR装置は、水素核測定周波数25MHzのJNM−MU25(日本電子(株)製)を用いた。測定にはsolId−echo法を用いた。90゜パルス幅は2μs、90゜パルス間隔は8μs、繰り返し時間は1s、積算回数は64回である。FIDのポイント数は2000点であり、FID取り込み時間は3msである。
サンプルは粉砕し10mmのサンプル管に400mg入れて測定に供した。測定温度は120℃である。サンプル管を投入後、温度が均一になるように20分以上おいた後測定を行った。FIDを最小二乗法でフィッティングさせT2long、Mlongを得た。フィッティングにおいて、最も短いT2を求める際にはワイブルパラメータに2を使用し、それ以外のT2を求めるには、ワイブルパラメータ1を使用した。サンプル管を90゜回転させ4回測定し、4回測定の平均値を測定値とした。
(トナー評価方法)
・耐高温オフセット性
複写機「PAGEPREST N4−612 II」(カシオ電子工業社製)を用い定着ローラーの温度を変え、未定着画像を画出し、定着温度領域のテストを行った。ここで用いた定着ローラーは、シリコーンオイルが塗布されていない定着ローラーであり、ニップ幅3mm、線速30mm/秒に設定したものである。
熱ローラー設定温度を5℃ずつ上昇させ、A4普通紙(大昭和製紙製:BM64T)の上部に印刷した1%の印字比率のベタ画像がローラーに付着し、紙の下余白部分を汚すかどうかを目視にて確認し、汚れの生じない最高の設定温度を最高定着温度とし、以下の基準で判定した。
◎(非常に良好) :最高定着温度が220℃以上
○+(良好) :最高定着温度が210℃以上220℃未満
○(使用可能) :最高定着温度が200℃以上210℃未満
×(劣る) :最高定着温度が200℃未満
・最低定着温度
上記の測定に準じて、複写・定着処理を前記熱ローラーの設定温度を5℃ずつ低下させながら100℃まで繰り返し、この定着画像について擦り試験を行い、定着率が90%を超える温度を最低定着温度とした。
定着率は、上記定着温度幅評価に使用した印刷用紙を用い、印刷部分を折り曲げて加重5kg/cm2をかけた後、セロハンテープ(日東電工包装システム社製、品番:N.29)を貼って剥がし、この操作の前後における印刷部分の光量をマクベス光量計にて測定し、その測定値から定着率を算出した。
定着率(%)=(セロハンテープ剥離試験後の光量)/(試験前の光量)×100(%)
◎+(極めて良好):最低定着温度が100℃以下
◎(非常に良好):最低定着温度が100℃を超えて110℃以下
○+(良好) :最低定着温度が110℃を超えて120℃以下
○(使用可能) :最低定着温度が120℃を超えて130℃以下
×(劣る) :最低定着温度が130℃を超える
・定着温度幅
最高定着温度と最低定着温度の差を定着温度幅とし、以下の基準で判定した。
◎(非常に良好):定着温度幅が100℃以上
◎+(良好) :定着温度幅が90℃以上100℃未満
○(使用可能) :定着温度幅が80℃以上90℃未満
×(劣る) :定着温度幅が80℃未満
・材料分散性
トナー溶融混練物をミクロトーム(ミクローム社製HM 330)を用いて切断し、1〜3μm程度の観察用薄片を作製した。この観察用薄片を、金属顕微鏡((株)ニコン製エクリプスME600L)を用いて観察した。観察視野中の未着色部分の大きさを材料分散性の判定基準とした。この未着色部分は、結着樹脂由来の過度に高密度化されたTHF不溶分である。このような未着色部分には着色剤が存在しておらず、未着色部分が多い、またはその部分のサイズが大きいということは材料分散性が悪いということを示す。
◎(非常に良好) :未着色部分が全く存在しない
○+(良好) :5μm以下の大きさの未着色部分が存在する
○(使用可能) :5〜10μm程度の大きさの未着色部分が存在する
×(劣る) :10μm以上の大きさの未着色部分が存在する
(軟化温度)
フローテスターCFT−500D(島津製作所(株)製)を用い、1mmφ×10mmのノズルにより、荷重294N(30Kgf)、予熱時間5分、昇温速度3℃/分で測定した時、サンプル1.0g中の1/2が流出した温度を軟化温度とした。
(ピーク分子量)
GPC法により、標準ポリスチレン換算により求めた。
装置:東洋ソーダ工業(株)製、HLC8020
カラム:東洋ソーダ工業(株)製、TSKgelGMHXL(カラムサイズ:7.8mm(ID)×30.0cm(L))を3本直列に連結に連結
オーブン温度:40℃
溶離液:THF
試料濃度:2mg/10mL
濾過条件:0.45μmテフロン(登録商標)メンブレンフィルターで試料溶液を濾過
流速:1mL/分
注入量:0.1mL
検出器:RI
検量線作成用標準ポリスチレン試料:東洋ソーダ工業(株)製TSK stAndArd、A−500(分子量5.0×102)、A−2500(分子量2.74×103)、F−2(分子量1.96×104)、F−20(分子量1.9×105)、F−40(分子量3.55×105)、F−80(分子量7.06×105)、F−128(分子量1.09×106)、F−288(分子量2.89×106)、F−700(分子量6.77×106)、F−2000(分子量2.0×107)。
(THF不溶分)
内径3.5cmの円筒状のガラスろ過器1GP100(柴田化学社製)に、セライト545(キシダ化学社製)を約2g入れ、セライト545の層の高さが変化しなくなるまで、ガラスろ過器をコルク台に軽くたたきつけた。この操作を4回繰り返して、セライト545の層の高さがフィルター面から2cmとなるように、ガラスろ過器へセライト545を充填した。このセライト545が充填されたガラスろ過器を105℃で3時間以上乾燥させて、その重さを秤量した(Yg)。次いで、サンプル約0.5gを三角フラスコ内に入れて精秤し(Xg)、次いでTHF50mlを加え、70℃のウォーターバスにて3時間加熱して、THF還流下でサンプルを溶解させた。
この溶液を上記セライト545が充填されたガラスろ過器へ投入し、吸引ろ過した。THF不溶分を捕捉したガラスろ過器を80℃で3時間以上乾燥させて、その重さを秤量し(Zg)、以下の式に従って、THF不溶分を算出した。
THF不溶分=(Z−Y)/X ×100 (質量%)
(軟化温度の低いポリエステル樹脂)
酸成分としてテレフタル酸90モル部およびフマル酸10モル部、アルコール成分としてエチレングリコール45モル部およびネオペンチルグリコールを60モル部と、全酸成分に対して1000ppmのジブチル錫オキサイドとを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱し、この温度を保持し、反応系からの水の留出がなくなるまで反応を継続した。
次いで、反応系内の温度を220℃に保ち、反応容器内を減圧し、反応を継続した。反応の進行とともに、サンプリングして軟化温度を測定するという作業を繰り返しながら、軟化温度103℃に到達した時点で反応物を取り出し、冷却して軟化温度の低いポリエステル樹脂(樹脂A)を得た。樹脂Aの特性値を表1に示す。
(軟化温度の高いポリエステル樹脂)
酸性分としてテレフタル酸80モル部およびフマル酸20モル部、アルコール成分として1,4−シクロヘキシルジメタノール40モル部およびエチレングリコール80モル部、また全酸成分に対して1500ppmの三酸化アンチモンを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで昇温を開始し、反応系内の温度が260℃になるように加熱し、この温度を保持し、反応系からの水の留出がなくなるまでエステル化反応を継続した。次いで、反応系内の温度を270℃とし、反応容器内を減圧し、反応系からジオール成分を留出させながら縮合反応を実施した。反応とともに反応系の粘度が上昇し、攪拌翼のトルクが所望の軟化温度となる値を示すまで反応を行った。そして、所定のトルクを示した時点で反応物を取り出し冷却して、軟化温度の高いポリエステル樹脂(樹脂a)を得た。樹脂aの仕込み組成、軟化温度、特性値を表1に示す。
(架橋反応開始剤I)
パラフィンワックス(商品名SP−160:日本精鑞社製):1.35質量部を70℃に加熱して溶融させ、パーヘキサ25B(日本油脂(株)製:2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン90%含有物)0.15質量部を添加し、得られた混合物(パラフィンワックス/2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン=90/10)を冷却、粉砕して、架橋反応開始剤Iを調整した。
(架橋反応)
樹脂A:0.85kg、樹脂a:0.15kgを2軸押出機PCM−30(池貝工業(株)社製)に供給して溶融混合を行った。溶融混合は、外温設定180℃、押出機回転数100rpm、吐出量2.4kg/時、約1分の平均滞留時間の条件を用いて、2軸押出機中で行った。
得られた溶融混合体に、架橋反応開始剤Iを0.01kg混合した後、2軸押出機PCM−30(池貝工業(株)社製)に供給して架橋反応を行った。架橋反応は、外温設定180℃、押出機回転数50rpm、吐出量1.2kg/時、約3分の平均滞留時間の条件を用いて、2軸押出機中で行った。得られた架橋ポリエステル樹脂のTHF不溶分は9%であった。
(トナー化)
得られた架橋ポリエステル樹脂93質量部、キナクリドン顔料(クラリアント社製E02)3質量部、カルナバワックス(東洋ペトロライド社製)3質量部、および負帯電性の荷電制御剤(日本カーリット社製LR−147)1質量部を予備混合し、2軸押出機を用いて160℃で溶融混練し、粗粉砕後、ジェットミル微粉砕機で微粉砕し、分級機でトナーの粒径を整え、平均粒径を5μmの微粉末を得た。得られた微粉末に対して、0.2質量%となるようにシリカ(日本アエロジル社製R−972)を加え、ヘンシェルミキサーで混合し付着させ、トナーを得た。このトナーを非磁性1成分乾式複写機に実装し、その性能を評価した。トナーの評価結果を表2に示す。
架橋反応で架橋反応開始剤Iを0.015kgとした以外は実施例1と同等の方法で架橋ポリエステル樹脂を得た。得られた架橋ポリエステル樹脂のTHF不溶分は19%であった。
得られた架橋ポリエステル樹脂を用いること以外は、実施例1と同様の方法でトナー化を行い、トナーを得た。トナーの評価結果を表2に示す。
架橋反応で架橋反応開始剤Iを0.02kgとした以外は実施例1と同等の方法で架橋ポリエステル樹脂を得た。得られた架橋ポリエステル樹脂のTHF不溶分は28%であった。
得られた架橋ポリエステル樹脂を用いること以外は、実施例1と同様の方法でトナー化を行い、トナー3を得た。トナー3の評価結果を表2に示す。
樹脂A:0.7kg、樹脂a:0.3kgを2軸押出機PCM−30(池貝工業(株)社製)に供給して溶融混合を行ったことと、架橋反応で架橋反応開始剤Iを0.005kgとした以外は実施例1と同等の方法で架橋ポリエステル樹脂を得た。得られた架橋ポリエステル樹脂のTHF不溶分は11%であった。
得られた架橋ポリエステル樹脂を用いること以外は、実施例1と同様の方法でトナー化を行い、トナー4を得た。トナー4の評価結果を表2に示す。
酸性分としてテレフタル酸90モル部およびフマル酸10モル部、アルコール成分として1,4−シクロヘキシルジメタノール40モル部およびエチレングリコール80モル部として、仕込み組成比を変更した以外は実施例1の合成例2と同様にして、軟化温度の高いポリエステル樹脂(樹脂b)を得た。樹脂bの仕込み組成、軟化温度、特性値を表1に示す。
そして、樹脂A:0.9kg、樹脂b:0.1kgとし、架橋反応開始剤を0.0175kgとした以外は実施例1の架橋反応と同様にして、架橋ポリエステル樹脂を得た。得られた架橋ポリエステル樹脂のTHF不溶分は12%であった。
そして、得られた架橋ポリエステル樹脂を用いること以外は、実施例1と同様の方法でトナー化を行い、トナーを得た。トナーの評価結果を表2に示す。
(比較例1)
樹脂A:粉砕品0.85kg、樹脂a:粉砕品0.15kg、架橋反応開始剤Iを0.015kgを溶融せずに混合した後、2軸押出機PCM−30(池貝工業(株)社製)に供給して架橋反応を行った。架橋反応は、外温設定180℃、押出機回転数50rpm、吐出量1.2kg/時、約3分の平均滞留時間の条件を用いて、2軸押出機中で行ない、架橋ポリエステル樹脂を得た。得られた架橋ポリエステル樹脂のTHF不溶分は22%であった。
得られた架橋ポリエステル樹脂を用いること以外は、実施例1と同様の方法でトナー化を行い、トナーを得た。トナーの評価結果を表2に示す。
(比較例2)
ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂aをそれぞれ200℃に加熱して溶融状態とし、ギヤポンプを用い、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂aを配合比がA/a=85/15(質量比)となるように溶融混合用スタティックミキサー(商品名スルザーミキサーSMX-15A:6エレメント:緑機械工業(株)製)へ供給して、ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂aを溶融混合した。続いて、得られた混合ポリエステル樹脂に対し、フィーダーを用いて実施例1で得られた架橋反応開始剤Iを、樹脂100質量部に対し、1.5質量部となるよう投入し、反応用スタティックミキサー(商品名スルザーミキサーSMX-15A:12エレメント:緑機械工業(株)製)で、上記混合ポリエステル樹脂と架橋反応開始剤を混合させながら架橋反応を行い、架橋ポリエステル樹脂を得た。得られた架橋ポリエステル樹脂のTHF不溶分は20%であった。
得られた架橋ポリエステル樹脂を用いること以外は、実施例1と同様の方法でトナー化を行い、トナーを得た。トナーの評価結果を表2に示す。

(比較例3)
酸成分としてテレフタル酸80モル部およびイソフタル酸20モル部とした以外は、合成例1の方法と同様に合成を行い樹脂Cを得た。樹脂Cの特性値を表1に示す。
樹脂C:0.7kg、樹脂a:0.3kg、架橋反応開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを0.004kg混合した後、2軸押出機PCM−30(池貝工業(株)社製)に供給して架橋反応を行った。架橋反応は、外温設定180℃、押出機回転数50rpm、吐出量1.2kg/時、約3分の平均滞留時間の条件を用いて、2軸押出機中で行ない、架橋ポリエステル樹脂を得た。
THF不溶分は20質量%であった。
得られた架橋ポリエステル樹脂を用いること以外は、実施例1と同様の方法でトナー化を行い、トナーを得た。トナーの評価結果を表2に示す。
Figure 2010085630
Figure 2010085630

Claims (2)

  1. THF不溶分を含み、該THF不溶分が下記(1)式を満足するトナー用ポリエステル樹脂。
    Mlong>17%・・・(1)
    (Mlong:T2long(120℃でパルスNMR(25MHz)により得られる自由誘導減衰曲線を3つの緩和曲線の和で近似した時の緩和が最も遅い緩和曲線由来のスピンスピン緩和時間)をもつプロトンの割合。)
  2. 軟化温度 80〜120℃の不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂Aと軟化温度140〜200℃の不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂Bを含むポリエステル樹脂を、溶融混合後、架橋反応させる請求項1のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
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