JP6328712B2 - トナーバインダーおよびトナー - Google Patents
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Description
しかしながら、この方法でも同様に高温でのオフセット現象はある程度防止できても、同時に定着下限温度も上昇するため低温定着が困難となり、また、イソシアネートから誘導されるウレア基やウレタン基の高凝集性により、樹脂の粉砕性が著しく悪くなる。更に樹脂の均一性が損なわれ耐熱保存性も悪化し、未だ高速化、省エネルギー化の要求には十分に答えられていない。
しかしながら、この方法でも同様に高温でのオフセット現象はある程度防止できても、同時に定着下限温度も上昇するため低温定着が困難となり、未だ高速化、省エネルギー化の要求には十分に答えられていない。
しかしながら、この方法でも同様に高温でのオフセット現象はある程度防止できても、同時に定着下限温度も上昇するため低温定着が困難となり、未だ高速化、省エネルギー化の要求には十分に答えられていない。
また、トナーの光沢性、流動性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性およびドキュメントオフセット性のすべてを満足するという点では十分とはいえなかった。
すなわち、本発明は、非線形ポリエステル変性樹脂(A)を含有するトナーバインダーであって、非線形ポリエステル変性樹脂(A)が、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)と、イソシアネート化合物(b1)、オキサゾリン化合物(b2)、カルボジイミド化合物(b3)およびアジリジン化合物(b5)からなる群から選ばれる1種以上の化合物(b)とを構成原料とするポリエステル変性樹脂であって、非線形ポリエステル変性樹脂(A)が下記一般式(1)で表される化学構造を有することを特徴とするトナーバインダー;およびこのトナーバインダーと着色剤を含有するトナーである。
以下に、本発明のトナーバインダーを順次、説明する。
(1)1種類以上のアルコール成分(y)と、1種類以上の不飽和カルボン酸成分(z)とを重縮合させてエステル基で結合し、この不飽和カルボン酸成分(z)に起因する炭素−炭素二重結合を分子内に有した樹脂に、更にラジカル付加反応によって分子間で炭素−炭素結合を生成させることと、
(2)イソシアネート化合物(b1)、オキサゾリン化合物(b2)、カルボジイミド化合物(b3)、エポキシ化合物(b4)およびアジリジン化合物(b5)からなる群より選ばれる化合物(b)と、アルコール成分(y)または不飽和カルボン酸成分(z)とを重付加反応して、ウレタン基(イソシアネート化合物とアルコール成分)、アミドエステル基(オキサゾリン化合物とカルボン酸成分)、アシルウレア基(カルボジイミド化合物とカルボン酸成分)、エーテル基(エポキシ化合物とカルボン酸成分)、アミノエステル基(アジリジン化合物とカルボン酸成分)で結合することで、得られた架橋樹脂である。
一般式(1)で表される化学構造とは、非線形ポリエステル変性樹脂(A)の構成成分であるマレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸成分(z)に起因する炭素−炭素二重結合の少なくとも一部がラジカル付加反応によって分子間で炭素−炭素結合を生成した構造のことである。
更に、(A)は、(y)と(z)以外に、1種類以上の飽和カルボン酸成分(x)を構成原料として併用して重縮合してもよい。
これらモノオールのうち好ましいものは炭素数8〜24のアルカノールであり、更に好ましくはドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの併用である。
炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);
炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);
上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン〔アルキレン基の炭素数2〜4(オキシエチレン及びオキシプロピレン等)以下のポリオキシアルキレン基も同じ〕エーテル〔オキシアルキレン単位(以下、AO単位と略記)の数1〜30〕;
2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);等が挙げられる。
これらのうち、低温定着性と耐熱保存性の観点から、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルが好ましい。
[式中、Xは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO2−、−O−、−S−、または直接結合を表し;Arは、ハロゲン原子または炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
これらの中で好ましくはEO及び/又はPOである。AOの付加モル数は、好ましくは2〜30モル、更に好ましくは2〜10モルである。
ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルのうち、トナーの定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO及び/又はPO付加物(平均付加モル数2〜4、特に2〜3)である。
炭素数3〜36の3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール(y31)(アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物;
例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン及びジペンタエリスリトールなど
例えばショ糖及びメチルグルコシドなど
上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30)(y33);
トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)(y34);
ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)(y35)等が挙げられる。
特に好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)であり、最も好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜3)である。
更に好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、及びこれらの併用である。また、これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
このような飽和カルボン酸成分(x)としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、等が挙げられる。
特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
イソシアヌレート3量体とは、ジイソシアネートモノマー3分子からなり、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートであり、例えば、下記の化学式(10)で表される化合物などが挙げられる。
更に3〜8価のポリイソシアネート化合物(b12)のうち、イソシアヌレート、およびビウレットの化学構造を含む化合物が更に好ましい。
カルボジイミド化合物(b3)としては、カルボジイミド基を有するものであれば特に制限されないが、カルボジイミド基を1個含有する化合物(b31)、カルボジイミド基を2個以上有する化合物(b32)が挙げられる。
カルボジイミド基を1個含有する化合物(b31)、としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、N−イソプロピル−N’−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]カルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド樹脂は、原材料であるイソシアネート化合物を、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレンオキシド、1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシドなどのカルボジイミド化触媒の存在下、120〜150℃の反応温度で、加圧下で行うか、脂肪族アセテート系、ハロゲン系、脂環式エーテルなどの溶媒中で行うことによる脱炭酸縮合反応で得られる。
ポリカルボジイミド樹脂を製造するための原材料のイソシアネート化合物としては、本発明で使用できる前記のイソシアネート化合物(b1)を挙げることができる。
本発明で使用するエポキシ化合物(b4)としては、ポリグリシジルエーテル(エチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル化物など)が挙げられる。
本発明で使用するアジリジン化合物(b5)としては、分子内にアジリジン基を有し、結着樹脂のカルボキシル基との反応によって、アミノエステル結合を形成するものであれば、特に限定されるものではない。
例えば、アジリジン基を2個含有する化合物(b51)としては4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン)[ケミタイト(日本触媒製)DZ22E]、アジリジン基を3個以上含有する化合物(b52)としては2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート][ケミタイト(日本触媒製)DZ33]などが挙げられる。
(1)アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)と化合物(b)を反応容器に投入して、重縮合と重付加とラジカル付加反応を同時に行い、非線形ポリエステル変性樹脂(A)を製造する方法
(2)前もって、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)と化合物(b)から重合してポリエステル変性樹脂(A0)を得た後に、ラジカル付加反応を行って非線形ポリエステル変性樹脂(A)を製造する方法
(3)前もって、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)から重合してポリエステル樹脂(A1)を得た後に、化合物(b)を反応容器に投入し、重付加、ラジカル付加反応を行って非線形ポリエステル変性樹脂(A)を製造する方法
(3)の方法について更に詳細に説明する。
ポリエステル樹脂(A1)はアルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)から重合して得られる。更に、(A1)は、(y)と(z)以外に、1種類以上の飽和カルボン酸成分(x)を構成原料として併用して重縮合してもよい。
また、本発明におけるポリエステル樹脂(A1)の製造法は特に限定はしないが、前述のようにアルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)を構成原料とする。更にポリエステル樹脂(A1)が非線形である場合は、例えば不飽和カルボン酸成分(z)に加えて、構成原料であるアルコール成分(y)として3価以上のポリオールを用いる場合や、飽和カルボン酸成分(x)として3価以上のカルボン酸またはこの酸無水物もしくは低級アルキルエステルを用いる場合などが挙げられる。非線形であることにより、耐熱保存性と耐ホットオフセット性が向上する。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、更に好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに好ましくは2〜40時間である。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えばセイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
上記測定から吸発熱量と温度とのグラフを描き、そのグラフの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
ピークトップ分子量が2,000〜12,000であると、低温定着性とホットオフセット性が好ましくなる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
分子量の測定は、0.25重量%になるようにポリエステル樹脂等をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
更に、架橋反応が効率よく進行し、使用量が少なくて済むことから、水素引抜き能の高い反応開始剤が特に好ましく、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド等の水素引抜き能の高いラジカル反応開始剤が、特に好ましい。
ラジカル反応開始剤の使用量が、0.1重量部以上の場合に架橋反応が進行し易くなる傾向にあり、50重量部以下の場合に、臭気が良好となる傾向にある。この使用量は、30重量部以下であることがより好ましく、20重量部以下であることが更に好ましく、10重量部以下であることが特に好ましい。
不飽和二重結合の含有量が0.02〜2.0ミリモル/gである場合に、トナーの耐ホットオフセット性が良好になる傾向にあり、また、架橋反応が有効に起こる傾向にある。
反応率P(%)は以下の計算式に従って算出される。
P(%)=[1−{(ポリエステル樹脂(A1)中の(z)由来の二重結合量×トナーバインダー中のポリエステル樹脂(A1)重量比−トナーバインダー中の(z)由来の二重結合量)/ポリエステル樹脂(A1)中の(z)由来の二重量×トナーバインダー中のポリエステル樹脂(A1)重量比}]×100
C(mmol/g)=P(%)/100×(A1)の二重結合の含有量(mmol/g)×トナーバインダー中のポリエステル樹脂(A1)重量比
(2)トナーバインダー中のマレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸成分(z)由来の二重結合をJIS K2605に規定の臭素価試験方法で測定し、定量を行い反応率P(%)を算出した後、以下の計算式に従って算出され得る方法。
C(mmol/g)=P(%)/100×(A1)の二重結合の含有量(mmol/g)×トナーバインダー中のポリエステル樹脂(A1)重量比
(3)トナーバインダー中の一般式(6)で表される化学構造の含有量を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置で測定し、定量を行う方法。
(1)<サンプル調整>
NMRチューブにサンプルを10mgはかりとり、重水素化溶媒(例えばDMSO−d6)を0.45ml加え樹脂を溶解させる。
(2)測定条件は以下のとおり
装置:ブルカーバイオスピン社製「AVANCE300」 積算回数:64回
(3)解析および計算
NMRスペクトル中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の二重結合のプロトンのピーク(6.2〜6.9ppm)の面積比と内部標準物質のプロトンのピーク面積比を(A1)とトナーバインダーそれぞれ求めることで反応率Pを算出し、反応率P、(A1)の二重結合の含有量(mmol/g)、トナーバインダー中のポリエステル樹脂(A1)重量比から一般式(6)で表される化学構造の含有量C(mmol/g)を求める。
なお、ガラス転移温度(TgT)は、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で示差走査熱量測定され、DSCによるチャートでガラス転移温度(Tg)を示す変曲点を確認することができる。例えばセイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて測定できる。
トナーバインダー0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。室温まで冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を、10kPa以下の減圧下で、80℃で3時間、THFを除去して乾燥する。乾燥して得られた樹脂をトナーバインダー中のTHFに対する不溶解分とした。
次に、上記グラスフィルターにてろ別した溶解液を、10kPa以下の減圧下で、80℃で3時間減圧し、THFを完全に除去する。ここで得られた樹脂分をトナーバインダー中のTHFに対する溶解分とした。
G’x150≧10,000 (1)
G’x150が10,000以上であると 、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないと考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となる。
好ましくはG’x150/G’x180が9以下であり、更に好ましくは0.1〜8である。
G’x150、G’x180が10以下であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないと考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となる。
好ましくは左辺のG’ x150/G’ y150が1,000以上であり、更に好ましくは2,000以上である。
G’x150、G’ y150が500以上であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないで、更に低温領域では低粘度化しやすくなると考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となり、低温定着性も良好となる。
G’’x150/G’x150≧ 0.1 (4)
G’’x150/G’x150が0.1以上であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないで、更に低温領域では低粘度化しやすくなると考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となり、低温定着性や光沢性も良好となる。
G’’y120/G’y120≦ 15 (5)
G’’x120/G’x120が0.1以上であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないで、更に低温領域では低粘度化しやすくなると考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となり、低温定着性や光沢性も良好となる。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/分
昇温開始:100℃
昇温終了:200℃
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :8mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/分
昇温開始:40℃
昇温終了:130℃
より好ましくはTmxが150以上245以下であり、更に好ましくはが160以上240以下であり、とくに好ましくは165以上238以下であり、最も好ましくは170以上235以下である。
Tmxが140以上250以下であると、高温領域でも実用範囲において粘度が高く維持され、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となる。
より好ましくは左辺のTmx−Tmyが70以上であり、更に好ましくは80以上であり、特に好ましくは90以上であり、最も好ましくは100以上である。
Tmx−Tmyが55以上であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないで、更に低温領域では低粘度化しやすくなると考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となり、低温定着性も良好となる。
トナーバインダー中のTHF溶解分のフローテスターによる軟化点Tmyを調整するには、例えば、Tmx−Tmyを大きくする場合(Tmyをを小さくする場合)、分子量を小さくする、またはTgを低くする、等で達成できる。
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点〔Tm〕とする。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量をTHF不溶解分の重量とし、試料の重量からTHF不溶解分の重量を引いた重量をTHF溶解分の重量とし、THF不溶解分とTHF溶解分の重量比を算出する。
この目的で併用するポリエステル樹脂(B)は、アルコール成分(y)と飽和カルボン酸成分(x)とを構成原料として含む樹脂である。
また、ポリエステル樹脂(B)としては、THF不溶解分を実質的に含まないものあれば、どのようなポリエステル樹脂でもよい。THF不溶解分を含まなければ微量の架橋点を有していても構わないし、分子末端を飽和ポリカルボン酸(3価以上のものでもよい)の無水物で変性したものであってもよい。
トナーバインダーは非線形ポリエステル変性樹脂(A)を含有していれば特に限定されず、たとえば2種類のポリエステル樹脂や添加剤を混合する場合、混合方法は通常行われる公知の方法でよく、粉体混合、溶融混合、溶剤混合のいずれでもよい。また、トナー化時に混合してもよい。この方法の中では、均一に混合し、溶剤除去の必要のない溶融混合が好ましい。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、及び連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
また、溶融混合する方法がこれら具体的に例示された方法に限られるわけではなく、例えば反応容器中に原料を仕込み、溶液状態となる温度に加熱し、混合するような方法など適宜の方法で行うことができることはもちろんである。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、更に好ましくは3〜10重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、更に好ましくは40〜120重量部である。
荷電制御剤はトナー重量に基づき、0〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜7.5重量%である。
流動化剤はトナー重量に基づき、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%である。
また、添加剤の合計量はトナー重量に基づき、3〜70重量%、好ましくは4〜58重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、更に分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。
なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
なお、以下において実施例4及び11は参考例1〜2を意味する。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物755部(95.7モル%)、トリメチロールプロパン14部(4.3モル%)、テレフタル酸112部(32.0モル%)、アジピン酸106部(34.7モル%)、フマル酸81部(33.3モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた後取り出し、ポリエステル樹脂(A1−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A1−1)のTgは35℃、ピークトップ分子量は8,500、二重結合の含有量0.70ミリモル/gだった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1−2)を得た。
表1にTg、ピークトップ分子量、二重結合の含有量を記載した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1−3)を得た。
表1にTg、ピークトップ分子量、二重結合の含有量を記載した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1−4)を得た。
表1にTg、ピークトップ分子量、二重結合の含有量を記載した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1−5)を得た。
表1にTg、ピークトップ分子量、二重結合の含有量を記載した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1−6)を得た。
表1にTg、ピークトップ分子量、二重結合の含有量を記載した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1’−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A1’−1)は不飽和カルボン酸成分(z)を含有しないため、本発明のポリエステル樹脂(A1)には該当しない。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物678部(100モル%)、テレフタル酸280部(72.8モル%)、安息香酸77部(27.2モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸34部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(B−1)を得た。この(B−1)は不飽和カルボン酸成分(z)を含まず、Tgは57℃、THF不溶分が0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール710部(100モル%)、テレフタル酸775部(100モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、220℃で窒素気流下に、生成する水と過剰のプロピレングリコールを留去しながら4時間反応させた。更に、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(B−2)を得た。なお回収されたプロピレングリコールは325部であった。この(B−2)は不飽和カルボン酸成分(z)を含まず、Tgは70℃、THF不溶分が0%であった。
ポリエステル樹脂(A1−1)30部とジフェニルメタンジイソシアネート(b−1)4部とポリエステル樹脂(B−1)70部を二軸混練器(栗本鉄工所製、S5KRCニーダー)に10kg/時で供給し、同時にラジカル反応開始剤としてパーブチルZ(c−1)1.0部を0.10kg/時で供給して150℃で15分間混練押出して架橋反応を行った。得られたものを冷却し、本発明のトナーバインダー(D−1)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−2)と1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン(b−2)とポリエステル樹脂(B−2)と、パーブチルZ(c−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、本発明のトナーバインダー(D−2)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−3)とカルボジライトV−02B(b−3)とポリエステル樹脂(B−1)と、パーブチルI(c−2)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、本発明のトナーバインダー(D−3)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−4)とエチレングリコールジグリシジルエーテル(b−4)とポリエステル樹脂(B−1)と、パーブチルI(c−2)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、本発明のトナーバインダー(D−4)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−5)とケミタイトDZ22E(b−5)とポリエステル樹脂(B−1)と、パーブチルI(c−2)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、本発明のトナーバインダー(D−5)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−6)とジフェニルメタンジイソシアネート(b−1)とポリエステル樹脂(B−1)と、パーブチルZ(c−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、本発明のトナーバインダー(D−6)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−1)とジフェニルメタンジイソシアネート(b−1)とポリエステル樹脂(B−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、本発明のトナーバインダー(D−7)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1’−1)、ジフェニルメタンジイソシアネート(b−1)、ポリエステル樹脂(B−1)、パーブチルZ(c−1)をそれぞれ仕込み、実施例1と同様に反応を行いトナーバインダー(D’−1)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−1)、ポリエステル樹脂(B−1)、パーブチルZ(c−1)をそれぞれ仕込み、実施例1と同様に反応を行いトナーバインダー(D’−2)を得た。
トナーバインダー(D−1)85部に対して、顔料のカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6部、離型剤のカルナバワックス4部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]4部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に流動化剤としてコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル製]1部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−1)を得た。
表4に記載した原料の配合部数で、実施例8と同様にトナーを製造し、本発明のトナー(T−2)〜(T−7)を得た。
表4に記載した原料の配合で、実施例3と同様にトナーを製造し、トナー(T’−1)、(T’−2)を得た。
以下に、得られたトナーの低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、流動性、耐熱保存性、帯電安定性、粉砕性、画像強度の測定方法と評価方法を判定基準を含めて説明する。
トナーを紙面上に0.85mg/cm2となるよう均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/秒、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
この評価条件では、一般には125℃以下が必要とされる。
低温定着性と同様に定着評価を行う。画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を測定した。
光沢度が高いほど、光沢性に優れることを意味する。この評価条件では、通常好ましい範囲は10以上である。
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。この評価条件では、通常好ましい範囲は180℃以上である。
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーのかさ密度(g/100ml)を測定し、流動性を下記の判定基準で判定した。
○:33以上
△:25以上33未満
×:25未満
トナーを50℃の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが発生していない。
△:一部にブロッキングが発生している。
×:全体にブロッキングが発生している。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿する。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×20分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
○:0.7以上
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
二軸混練機で混練、冷却した粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記の条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
粉砕時間:10分
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
これを分級せずに、体積平均粒径(μm)をコールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定し、下記の判定基準で粉砕性を評価した。
○: 10μm未満
△: 10μm以上12μm未満
×: 12μm以上
低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。一般にはHB以上が好ましい。
一方、不飽和カルボン酸成分(z)を含有しないポリエステル樹脂(A’1−1)を用いた比較例3のトナー、化合物(b)を含有しない非線形ポリエステル変性樹脂を用いた比較例4のトナーは、いくつかの性能項目が不良であった。
更に、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。
Claims (15)
- 非線形ポリエステル変性樹脂(A)を含有するトナーバインダーであって、非線形ポリエステル変性樹脂(A)が、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)と、イソシアネート化合物(b1)、オキサゾリン化合物(b2)、カルボジイミド化合物(b3)およびアジリジン化合物(b5)からなる群から選ばれる1種以上の化合物(b)とを構成原料とするポリエステル変性樹脂であって、非線形ポリエステル変性樹脂(A)が下記一般式(1)で表される化学構造を有することを特徴とするトナーバインダー。
- アルコール成分(y)が炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(オキシアルキレン単位の数2〜30)、3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール、及びノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(オキシアルキレン単位の数2〜30)からなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載のトナーバインダー。
- 非線形ポリエステル変性樹脂(A)が、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分
(z)とを構成原料とするポリエステル樹脂(A1)と、イソシアネート化合物(b1)、オキサゾリン化合物(b2)、カルボジイミド化合物(b3)およびアジリジン化合物(b5)からなる群から選ばれる1種以上の化合物(b)とを構成原料とするポリエステル変性樹脂であって、非線形ポリエステル変性樹脂(A)がポリエステル変性樹脂の(z)由来の二重結合の少なくとも一部が(z)由来の二重結合同士で結合した変性樹脂である請求項1または2に記載のトナーバインダー。 - ポリエステル樹脂(A1)のピークトップ分子量Mpが2,000〜12,000である請求項3に記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A1)のガラス転移温度TgA1が−35〜45℃である請求項3または4に記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の二重結合の含有量が(A1)の重量に基づいて0.02〜2.00ミリモル/gである請求項3〜5いずれかに記載のトナーバインダー。
- トナーバインダー中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の二重結合の含有量がトナーバインダーの重量に基づいて0.50ミリモル/g以下である請求項1〜6いずれかに記載のトナーバインダー。
- 下記一般式(6)で表される化学構造の含有量がトナーバインダーの重量に基づいて0.01〜1ミリモル/gである請求項1〜7いずれかに記載のトナーバインダー。
- 下記の関係式(1)〜(3)を満足する請求項1〜8いずれかに記載のトナーバインダー。
G’x150≧ 10,000 (1)
G’x150/G’x180≦ 10 (2)
G’ x150/G’ y150≧ 500 (3)
[但し、関係式中、G’x150は、トナーバインダー中のテトラヒドロフラン(THF)に対する不溶解分の150℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を、G’x180はTHFに対する不溶解分の180℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を、G’y150は、トナーバインダー中のTHFに対する溶解分の150℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を表す。] - 下記の関係式(4)と関係式(5)を満足する請求項1〜9いずれかに記載のトナーバインダー。
G’’x150/G’x150≧ 0.1 (4)
G’’y120/G’y120≦ 15 (5)
[但し、関係式中、G’’ x150は、トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の150℃における損失弾性率(単位Pa)を表し、G’’y120は、トナーバインダー中のTHFに対する溶解分の120℃における損失弾性率(単位Pa)を表し、G’x150は、トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の150℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を表し、G’y120は、トナーバインダー中のTHFに対する溶解分の120℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を表す。] - 下記の関係式(6)と関係式(7)を満足する請求項1〜10いずれかに記載のトナーバインダー。
140 ≦Tmx≦ 250 (6)
Tmx−Tmy≧ 55 (7)
[但し、関係式中、Tmxは、トナーバインダーのTHF不溶解分のフローテスターによる軟化点(℃)を、TmyはトナーバインダーのTHF溶解分のフローテスターによる軟化点(℃)を表す。] - トナーバインダー中のTHF不溶解分とTHF溶解分との重量比が5/95〜50/50である請求項1〜11いずれかに記載のトナーバインダー。
- 更に、アルコール成分(y)と飽和カルボン酸成分(x)とを構成原料として含むポリエステル樹脂(B)を含有する請求項1〜12いずれかに記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(B)との重量比(A1)/(B)が5/95〜50/50である請求項13に記載のトナーバインダー。
- 請求項1〜14いずれかに記載のトナーバインダーと着色剤を含有するトナー。
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