JP2019012260A - トナーバインダー及びトナー - Google Patents
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Abstract
Description
一般に、電子写真方式では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像し、トナー画像を形成する。そのトナー画像を紙等の記録媒体上に転写した後、加熱等の方法で定着する。
トナーの定着温度を低くする手段として、トナーバインダーのガラス転移点を低くする技術が一般的に使用されている。しかしながら、ガラス転移点を低くし過ぎると、粉体の凝集(ブロッキング)が起こり易くなりトナーの耐熱保存性が低下する。このガラス転移点は、トナーバインダーの設計ポイントであり、ガラス転移点を下げる方法では、更に低温定着可能なトナーを得ることはできない。
また、別の手段として、分子量を小さくすることが行われている。しかしながら、トナー画像を熱ロール定着方式により定着する場合には定着時に熱ロールと溶融状態のトナーとが直接接触するが、分子量を小さくしすぎると、このとき熱ロール上に移行したトナーが次に送られてくる転写紙等を汚す、いわゆるオフセット現象が生じ易いという欠点がある。
しかしながら、この方法は高温でのオフセット現象はある程度防止できても、同時に定着下限温度も上昇するため低温定着が困難となり、また、イソシアネートから誘導されるウレア基やウレタン基の高凝集性により、樹脂の粉砕性が著しく悪くなる。更に樹脂の均一性が損なわれ耐熱保存性も悪化し、未だ高速化、省エネルギー化の要求には十分に答えられていない。
しかしながら、この方法では樹脂の粉砕性が改良されるが、開始剤分解物に由来する有機溶剤が残存すると、揮発ガス成分による臭気が問題となる。
すなわち本発明は、非線形ポリエステル樹脂(A)と有機溶剤とを含有するトナーバインダーであって、前記(A)がポリエステル(A0)を架橋した構造を有する樹脂であり、架橋した構造を形成する少なくとも1つの結合が、ポリエステル(A0)に含まれる炭素原子のうち少なくとも1つの炭素原子と、ポリエステル(A0)に含まれる炭素原子との直接結合であり、トナーバインダー中の有機溶剤の含有量が50ppm以上2000ppm以下であるトナーバインダー;及びこのトナーバインダーを含有するトナーである。
以下に、本発明のトナーバインダーを順次、説明する。
非線形ポリエステル樹脂(A)は前記(A1)の炭素−炭素二重結合を反応させる他、加熱等による水素引き抜き反応によってポリエステル樹脂に含まれる炭素原子に結合した水素原子を引き抜いて架橋する方法(水素原子引き抜き反応とも言う)等によっても得ることができる。
また、本発明のトナーバインダーに含有される非線形ポリエステル樹脂(A)は1種類でもよいし、(A)を含む2種類以上のポリエステル樹脂の混合物でもよい。さらに、本発明のトナーバインダーは、たとえば本発明で規定された非線形ポリエステル樹脂(A)と、後述する(A)以外の樹脂である非晶性ポリエステル樹脂(B)及び/又は結晶性樹脂(C)を含有してもよい。
非線形ポリエステル樹脂とは、主鎖中に分岐(架橋点)を有するポリエステル樹脂である。一方、線形ポリエステル樹脂とは、主鎖中に分岐(架橋点)を有していないポリエステル樹脂である。
トナーバインダー中の非線形ポリエステル樹脂(A)の含有量は、低温定着性、耐熱保存性、耐ホットオフセット性の観点からトナーバインダーの重量を基準として好ましくは1〜95重量%であり、さらに好ましくは3〜80重量%であり、最も好ましくは5〜50重量%である。
更に、(A1)は、(y)と(z)以外に、1種類以上の飽和アルコール成分(x)と1種類以上の飽和カルボン酸成分(w)を構成単量体として併用して重縮合してもよい。
これらモノオールのうち好ましいものは炭素数8〜24の直鎖アルキルアルコールであり、更に好ましくはドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びこれらの併用である。
これらのジオール(x2)のうち、低温定着性及び耐熱保存性の観点から、芳香族ジオール(x25)が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物がさらに好ましい。アルキレンオキサイドにおいて、アルキレン基の炭素数は好ましくは2〜4(エチレンオキサイド、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−、1,3−又はiso−ブチレンオキサイド及びテトラヒドロフラン等)である。
[式中、Pは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO2−、−O−、−S−、又は直接結合を表し;Arは、水酸基及びPが結合する部分以外の水素原子がハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物のうち、トナーの低温定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO及び/又はPO付加物(平均付加モル数2〜4が好ましく、さらに好ましくは2〜3)である。
特に好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、3価の脂肪族多価アルコール及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(AO単位の数として好ましくは2〜5)でありであり、最も好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(AO単位の数として好ましくは2〜3)である。
最も好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの併用である。また、これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも同様に好ましい。
脂肪族カルボン酸(w2)としては、例えば、炭素数2〜50の脂肪族モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等)、炭素数2〜50の脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)等が挙げられる。
耐熱保存性及び帯電性の観点から更に好ましくは、アジピン酸、アルキルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの併用である。
特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルであってもよい。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、更に好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに好ましくは2〜40時間である。
エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒〔例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等〕、及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えばセイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
試料5mgをDSC装置の容器に入れ,ガラス転移終了時より約30℃高い温度まで毎分20℃で加熱し、ガラス転移温度より約50℃低い温度まで毎分60℃で冷却した後、ガラス転移終了時より約30℃高い温度まで毎分20℃で加熱する。
上記測定から吸発熱量と温度とのグラフを描き、そのグラフの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
ピークトップ分子量が2,000〜30,000であると、光沢性、低温定着性及び、ホットオフセット性が好ましくなる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
分子量の測定は、0.25重量%になるようにポリエステル樹脂等をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
ラジカル反応開始剤(c)を用いることで、架橋構造を特定することは難しいが架橋反応を短時間で均一にできるので粉砕性及び低温定着性が良好になると推測する。
ラジカル反応開始剤(c)の使用量が、0.4重量%以上の場合に架橋反応が進行し易くなる傾向にあり、5.0重量%以下の場合に、臭気が良好となる傾向にある。この使用量の上限は、4重量%以下であることがより好ましく、3重量%以下であることが更に好ましく、2重量%以下であることが特に好ましい。
特に本発明においては、ポリエステル(A1)をラジカル反応開始剤(c)を用いて架橋反応させ、(c)の分解物が発生する反応を用いた場合でも、発生した分解物である有機溶剤含有量を上記範囲にすることにより、臭気、耐ホットオフセット性、粉砕性、画像強度及びトナーの流動性に優れたトナーを得ることができるものである。
一方、二軸押出機にて原料を反応させながら、同時にベント口から減圧を行うこともできる。また、反応容器中に原料を仕込んで反応させた場合、反応後にそのまま減圧操作にて脱溶剤する方法でも脱溶剤を行うことができる。このとき、上記と同様の項目を調整することで、トナーバインダー中の有機溶剤量を制御できる。
あるいは、トナーバインダーを粉砕したものを温度及び圧力(常圧ないし減圧)の調整された乾燥機に入れることで、トナーバインダー中の有機溶剤量を制御できる。
また、トナーバインダーが、非晶性ポリエステル樹脂(B)及び/又は結晶性樹脂(C)を含有する場合は、短時間で脱溶剤する方法が、ポリエステル樹脂(A)と非晶性ポリエステル樹脂(B)及び/又は結晶性樹脂(C)とのエステル交換反応が起こりにくく、耐ホットオフセット性と低温定着性が良好なため好ましい。
なお、有機溶剤の含有量(ppm)は、例えばガスクロマトグラフ分析やガスクロマトグラフ質量分析で下記条件で測定することができる。
本発明の実施例と比較例のトナーバインダー中の有機溶剤の含有量は、以下の条件で測定した。
ガスクロマトグラフ :Agilent 6890N
質量分析装置 :Agilent 5973 inert
カラム :ZB−WAX(液相:(14%−シアノプロピル−フェニル)メチルポリシロキサン) 0.25mm×30m df=1.0μm
カラム温度 :70℃→300℃(10℃/分)
インジェクション温度:200℃
スプリット比 :50:1
注入量 :1μl
ヘリウム流量 :1ml/分
検出器 :MSD
これらのうち、耐熱保存性及び臭気の観点から、好ましくは炭素数が2〜10である化合物であり、更に好ましくは炭素数が3〜8であり、特に好ましくはアセトン、イソプロピルアルコール及びt−ブタノールである。
トナーバインダーが含有する有機溶剤は、耐熱保存性及び臭気の観点から、沸点が30℃より高く300℃以下であり、更に好ましくは沸点が40℃より高く200℃以下であり、特に好ましくは沸点が50℃より高く150℃以下である。
界面活性剤とは分子内に疎水部分と親水部分の両方を有する化合物で、水相中で粒子を造粒する乳化凝集法、懸濁重合法、乳化重合等により得られるケミカルトナーを製造するときに一般的に使用する界面活性剤のことである。水相中で樹脂、モノマー、重合開始剤、着色剤及び離型剤等から安定な油滴を形成させるために必要となる。
しかし、本発明のトナーは、界面活性剤の使用が必要なケミカルトナーではなく、界面活性剤を使用しない製造方法、例えば粉砕法でトナーを製造することが好ましく、粉砕法でトナーを製造する場合は界面活性剤を実質的に添加しないため、仮に含んでいたとしても含有量が1000ppm以下である。トナーの界面活性剤の含有量は、好ましくは500ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下である。
(1)<サンプル調製>トナーまたはトナーバインダー200mgをスクリュー管に秤量し、メタノール25mlを入れ30分超音波を当て界面活性剤を抽出する。その後、遠心分離をかけ、上澄みをサンプリングし、ろ過して測定用サンプルを調製する。
分析装置:LCMS−8030((株)島津製作所製)
カラム:InertSustainSwift(GLサイエンス(株)製)粒子径1.9μm、内径2.1mm、長さ50mm
移動相:A(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=80/20〔体積比〕)
Bメタノール A/B=40/60〔体積比〕
流速:0.3mL/分
注入量:0.2μl
イオン源:ESI(±)
なお、今回の上記の定量分析方法では、界面活性剤量5ppm以下が検出限界のため、実施例中の表3及び4において、界面活性剤量5ppm以下の場合検出されずとした。
実際の計算方法としては、例えばポリエステル樹脂の原料としてフマル酸(0.1g)及びビスフェノールA・PO2モル付加物(0.9g)を使用した場合は、原料の合計1gに対して炭素−炭素二重結合を1つ含有し分子量が116のフマル酸を0.1g有しているため、
0.1/116×1000=0.86ミリモル/gとなる。
例えばポリエステル樹脂の原料としてフマル酸(0.3g)及びビスフェノールA・PO2モル付加物(0.7g)を使用した場合は、原料の合計1gに対して炭素−炭素二重結合を1つ含有し分子量が116のフマル酸を0.3g有しているため、
0.3/116×1000=2.59ミリモル/gとなる。
ポリエステル(A1)の酸価、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定することができる。
なお、ガラス転移温度(TgT)は、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で示差走査熱量測定され、DSCによるチャートでガラス転移温度(Tg)を示す変曲点を確認することができる。例えばセイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて測定できる。
この目的で併用する非晶性ポリエステル樹脂(B)としては、飽和アルコール成分(x)と飽和カルボン酸成分(w)を構成単量体とし、不飽和カルボン酸成分(y)と不飽和アルコール成分(z)を構成単量体として含まない樹脂であり、架橋した構造を有していたとしても、架橋した構造を形成する結合に、ポリエステル(A0)に含まれる炭素原子と炭素原子の直接結合により架橋した構造を含まない樹脂である。
また、非晶性ポリエステル樹脂(B)としては、THF不溶解分を実質的に含まないものが好ましく、好ましい(B)としては、例えばTHF不溶解分の含有量が1.0重量%以下のものである。
非晶性樹脂とするために、直鎖型ジオールの含有率は使用するジオール成分の70モル%以下が好ましく、更に好ましくは60モル%以下である。また、非晶性ポリエステル樹脂(B)を構成する飽和アルコール成分(x)において、ジオール(x2)が90〜100モル%であることが好ましい。
具体的には、飽和アルコール成分(x)と、飽和カルボン酸成分(w)とを組み合わせて縮合したポリエステル樹脂である。
また、非晶性ポリエステル樹脂(B)はポリエステル(A0)に含まれる炭素原子と炭素原子の直接結合により架橋した構造を含まない微量の架橋点を有していても構わないし、分子末端をポリカルボン酸(3価以上のものでもよい)の無水物の無水トリメリット酸、無水フタル酸等で変性したものであってもよい。
例えば結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリビニル樹脂などの樹脂が挙げられる。この中でも相溶性の観点から結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
ジオール成分(X)のジオールとしては、結晶性の観点から鎖状脂肪族ジオールが好ましい。炭素数は好ましくは2〜36個であり、2〜20個がさらに好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール及び1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、炭素数2〜12(エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール及び1,12−ドデカンジオール)が好ましい。
結晶性、低温定着性及び耐熱保存性の観点から、ジオール成分の直鎖型脂肪族ジオールの含有率が、結晶性ポリエステル樹脂を構成する単量体として使用するジオール成分(X)の合計モル数を基準として、80モル%以上である結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分(Y)のジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸が結晶性、低温定着性及び耐熱保存性の観点から好ましく、直鎖型の脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸及びオクタデカンジカルボン酸等)が特に好ましい。
トナーバインダーは非線形ポリエステル樹脂(A)を含有していれば特に限定されず、たとえば2種類以上のポリエステル樹脂や添加剤を混合する場合、混合方法は公知の方法でよく、粉体混合、溶融混合、溶剤混合のいずれでもよい。また、トナー化時に混合してもよい。この方法の中では、均一に混合し、溶剤除去の必要のない溶融混合が好ましい。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、及び連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
また、溶融混合する方法がこれら具体的に例示された方法に限られるわけではなく、例えば反応容器中に原料を仕込み、溶液状態となる温度に加熱し、混合するような方法など適宜の方法で行うことができることはもちろんである。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、更に好ましくは3〜10重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、更に好ましくは40〜120重量部である。
荷電制御剤はトナー重量に基づき、0〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜7.5重量%である。
流動化剤はトナー重量に基づき、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%である。
また、添加剤の合計量はトナー重量に基づき、3〜70重量%、好ましくは4〜58重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、更に分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。
なお、体積平均粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
トナー中の有機溶剤の含有量は耐熱保存性、臭気、耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは25〜2000ppmであり、さらに好ましくは40〜1700ppmであり、最も好ましくは50〜400ppmである。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物739部(96.0モル%)、トリメチロールプロパン13部(4.0モル%)、テレフタル酸137部(42.0モル%)、アジピン酸147部(51.2モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、230℃で0.5〜2.5kPaの減圧下に5時間反応させた後、175℃まで降温した。重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、さらにフマル酸を40部(6.8モル%)入れ、窒素気流化に、生成する水を留去しながらで2時間反応させた。次に、0.5〜2.5kPaの減圧下に8時間反応させた後取り出し、ポリエステル(A1−1)を得た。 ポリエステル(A1−1)のTgA1は37℃、ピークトップ分子量は10,600、二重結合量は0.32ミリモル/gだった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル(A1−2)〜(A1−3)を得た。表1に得られたポリエステル(A1−2)〜(A1−3)の二重結合量、ガラス転移温度、ピークトップ分子量を記載した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール559部(96.8モル%)、トリメチロールプロパン18部(3.2モル%)、テレフタル酸578部(86.6モル%)、アジピン酸45部(7.7モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、220℃で窒素気流化に、生成する水を留去しながら2時間反応させた。次に、0.5〜2.5kPaの減圧下に5時間反応させた後、175℃まで降温した。重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、さらにフマル酸を27部(5.7モル%)入れ、窒素気流化に、生成する水を留去しながらで2時間反応させた。次に、0.5〜2.5kPaの減圧下に8時間反応させた後取り出し、ポリエステル(A1−4)を得た。回収された3−メチル−1,5ペンタンジオールは86部であった。表1に得られたポリエステル(A1−4)の二重結合量、ガラス転移温度、ピークトップ分子量を記載した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル(A1’−1)を得た。
ポリエステル(A1’−1)は不飽和カルボン酸成分(y)を含有しないため、本発明のポリエステル(A1)には該当しない。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表2に記載したビスフェノールA・PO2モル付加物389部(50.0モル%)、ビスフェノールA・EO2モル付加物365部(50.0モル%)、テレフタル酸266部(84.1モル%)、アジピン酸7部(6.9モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸29部(9.0モル%)を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、非晶性ポリエステル樹脂(B−1)を得た。この(B−1)は不飽和カルボン酸成分(y)を含まない。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ドデカン二酸716部と1,6−ヘキサンジオール394部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、更に0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出し、結晶性樹脂(C−1)を得た。結晶性樹脂(C−1)の軟化温度は78℃、融点は72℃であった。軟化温度/融点が1.08であることから熱により急峻に軟化する性状であり、結晶性樹脂である。
ポリエステル(A1−1)15部と非晶性ポリエステル樹脂(B−1)85部を二軸混練器((株)栗本鉄工所製, S5KRCニーダー)に52kg/時で供給し、同時にラジカル反応開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)2.0部を1kg/時で供給して160℃で6分間混練押出して架橋反応を行った。得られたものを冷却し、3mm以下の粒径まで粉砕した粉末を二軸混練器に供給し、52kg/時で供給して160℃で6分間、軸回転数90rpm、減圧度90kPaの条件でベント口から脱溶剤を行い、本発明のトナーバインダー(D−1)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル(A1−1)と非晶性ポリエステル樹脂(B−1)と結晶性樹脂(C−1)及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応、脱溶剤を行い、本発明のトナーバインダー(D−2)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル(A1−1)と非晶性ポリエステル樹脂(B−1)及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、脱溶剤時間を20分に変更し、本発明のトナーバインダー(D−3)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル(A1−1)と非晶性ポリエステル樹脂(B−1)及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、脱溶剤減圧度を35kPaに変更し、本発明のトナーバインダー(D−4)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル(A1−1)と非晶性ポリエステル樹脂(B−1)及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、脱溶剤を反応釜中で40℃1440分撹拌回転数180rpm、減圧度90kPaで行い、本発明のトナーバインダー(D−5)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル(A1−1)、非晶性ポリエステル樹脂(B−1)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)、過酸化水素(c−2)、アスコルビン酸(d−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応、脱溶剤を行い、本発明のトナーバインダー(D−6)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル(A1−1)、非晶性ポリエステル樹脂(B−1)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)、硫酸第二鉄(d−2)、ピロリン酸(d−3)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応、脱溶剤を行い、本発明のトナーバインダー(D−7)を得た。
表3に示した重量部数のポリエステル(A1−1)、非晶性ポリエステル樹脂(B−1)、ジ−t−ブチルパーオキシド(c−3)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応、脱溶剤を行い、本発明のトナーバインダー(D−8)を得た。
表4に示した重量部数のポリエステル(A1−1)〜(A1−4)、非晶性ポリエステル樹脂(B−1)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応、脱溶剤を行い、本発明のトナーバインダー(D−9)〜(D−13)を得た。
表4に示した重量部数のポリエステル(A1)、結晶性樹脂(C−1)及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応、脱溶剤を行い、本発明のトナーバインダー(D−14)を得た。
表4に示した重量部数のポリエステル(A1’−1)、非晶性ポリエステル樹脂(B−1)及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)をそれぞれ仕込み、実施例1と同様に反応、脱溶剤を行い、トナーバインダー(D’−1)を得た。トナーバインダー(D’−1)中の(A1’−1)は炭素−炭素結合により架橋されてないため、本発明のトナーバインダーには該当しない。
表4に示した重量部数のポリエステル(A1−1)、非晶性ポリエステル樹脂(B−1)及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)をそれぞれ仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、脱溶剤工程を行わず、トナーバインダー(D’−2)を得た。トナーバインダー(D’−2)は有機溶含量が5000ppmであり、本発明のトナーバインダーに該当しない。
表4に示した重量部数のポリエステル(A1−1)、非晶性ポリエステル樹脂(B−1)及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)をそれぞれ仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、脱溶剤時間を180分、脱溶剤減圧度を35kPa、脱溶剤温度を180℃に変更し、トナーバインダー(D’−3)を得た。トナーバインダー(D’−3)は有機溶含量が48ppmであり、本発明のトナーバインダーには該当しない。
トナーバインダー(D−1)85部に対して、顔料のカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6部、離型剤のカルナバワックス4部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]4部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に流動化剤としてコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル製]1部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−1)を得た。トナー(T−1)の評価結果を表5に記載した。
表5に記載した原料の配合部数で、実施例15と同様にトナーを製造し、本発明のトナー(T−2)〜(T−14)を得た。トナー(T−2)〜(T−14)の評価結果を表5に記載した。
表5に記載した原料の配合で、実施例15と同様にトナーを製造し、トナー(T’−1)〜(T’−3)を得た。トナー(T’−1)〜(T’−3)の評価結果を表5に記載した。
以下に、得られたトナーの低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性、帯電安定性、粉砕性、画像強度、臭気、流動性、耐折り曲げ性、ドキュメントオフセット性の測定方法と評価方法を、判定基準を含めて説明する。
トナーを紙面上に1.00mg/cm2となるよう均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。
この紙をソフトローラーに定着速度(加熱ローラの周速)213mm/秒の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
この評価条件では、一般には125℃以下が必要とされる。
低温定着性と同様に定着評価を行う。
画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を、コールドオフセットの発生温度(MFT)以上の温度からホットオフセットが発生した温度まで、5℃ごとに測定し、その範囲において最も高い光沢度(%)をトナーの光沢性の指標とした。
例えば、120℃では10%、125℃では15%、130℃では20%、135℃では18%であれば、130℃の20%が最も高い値なので20%を採用する。
光沢度が高いほど、光沢性に優れることを意味する。この評価条件では、20%以上が好ましい。
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。この評価条件では、好ましい範囲は180℃以上である。
トナー1gを密閉容器に入れ、温度50℃、湿度50%の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが全く発生していない。
△:一部にブロッキングが発生している。
×:全体にブロッキングが発生している。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック(株)製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿する。(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分後の帯電量/摩擦時間10分後の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
○:0.7以上
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
二軸混練機で混練、冷却した粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記の条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
粉砕時間:10分
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
これを分級せずに、体積平均粒径(μm)をコールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定し、下記の判定基準で粉砕性を評価した。
○:10μm未満
△:10μm以上12μm未満
×:12μm以上
低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。一般にはHB以上が必要とされる。
○:HB以上
△:B
×:2B以下
トナーを蓋付ガラス製試験管(φ15mm×150mm)に1.0g入れ、密閉し、210℃にて5分間加熱した。その後、蓋を取り、10人のモニターが臭気を確認し、以下の判定基準で評価した。
[判定基準]
○:1人も臭わないか1人だけ臭うと回答
△:2〜6人が臭うと回答
×:7人以上が臭うと回答
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーの静かさ密度を測定し、トナー流動性を下記基準で判定した。△以上が実用範囲である。
[判定基準]
○:36g/100ml以上
△:30g/100ml以上36g/100ml未満
×:30g/100ml未満
低温定着性の評価で定着した画像を画像面が内側になるように紙を折り曲げ、30gの加重で3往復擦り、紙を広げて、画像上の折り曲げたあとの白すじの有無を目視で判定した。
[判定基準]
○:白すじなし
△:わずかに白すじあり
×:白すじあり
低温定着性の評価で得られた画像が定着されたA4の紙2枚を、定着面同士で重ね合わせ、420gの加重(0.68g/cm2)をかけ、50℃で30分間静置する。重ね合わせた紙同士を引き離したときの状態について、下記の判定基準でドキュメントオフセット性を評価した。
○:抵抗なし
△:パリパリと音がするが、紙面から画像は剥がれない
×:紙面から画像が剥がれる
一方、比較例のトナーは少なくとも1つの性能評価において劣る結果となった。
更に、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。
Claims (14)
- 非線形ポリエステル樹脂(A)と有機溶剤とを含有するトナーバインダーであって、前記(A)がポリエステル(A0)を架橋した構造を有する樹脂であり、架橋した構造を形成する少なくとも1つの結合が、ポリエステル(A0)に含まれる炭素原子のうち少なくとも1つの炭素原子と、ポリエステル(A0)に含まれる炭素原子との直接結合であり、トナーバインダー中の有機溶剤の含有量が50ppm以上2000ppm以下であるトナーバインダー。
- 前記有機溶剤が、炭素数が2〜10である化合物であり、融点が30℃未満であり、かつ沸点が30℃より高く300℃以下である請求項1に記載のトナーバインダー。
- 前記有機溶剤が、アセトン、イソプロピルアルコール及びt−ブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のトナーバインダー。
- 前記ポリエステル(A0)が、炭素−炭素二重結合を有するポリエステル(A1)を含有するポリエステルである請求項1〜3いずれかに記載のトナーバインダー。
- 非線形ポリエステル樹脂(A)が、炭素−炭素二重結合を有するポリエステル(A1)由来の炭素−炭素二重結合同士で少なくとも一部が架橋してなる樹脂である請求項4に記載のトナーバインダー。
- 炭素−炭素二重結合を有するポリエステル(A1)中の炭素−炭素二重結合量が(A1)の重量に基づいて0.02〜2.00ミリモル/gである請求項4又は5に記載のトナーバインダー。
- 炭素−炭素二重結合を有するポリエステル(A1)のガラス転移温度TgA1が−35〜45℃である請求項4〜6いずれかに記載のトナーバインダー。
- 非線形ポリエステル樹脂(A)を除く非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有し、(B)が飽和カルボン酸成分及び飽和アルコール成分を構成単量体とする非晶性ポリエステル樹脂である請求項1〜7いずれかに記載のトナーバインダー。
- 非線形ポリエステル樹脂(A)を除く非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有し、(B)が飽和カルボン酸成分及び飽和アルコール成分を構成単量体とする非晶性ポリエステル樹脂であり、非線形ポリエステル樹脂(A)の原料に使用した炭素−炭素二重結合を有するポリエステル(A1)の相当量と非晶性ポリエステル樹脂(B)の重量との比〔重量比(A1)/(B)〕が5/95〜50/50である請求項4〜7いずれかに記載のトナーバインダー。
- 更に非線形ポリエステル樹脂(A)を除く結晶性樹脂(C)を含有する請求項1〜9いずれかに記載のトナーバインダー。
- トナーバインダーのガラス転移温度TgTが−35〜80℃である請求項1〜10いずれかに記載のトナーバインダー。
- 請求項1〜11いずれかに記載のトナーバインダーを含有するトナー。
- 非線形ポリエステル樹脂(A)が、ラジカル反応開始剤(c)を用いてポリエステル(A0)に含まれる炭素原子のうち少なくとも1つの炭素原子と、ポリエステル(A0)に含まれる炭素原子とを直接結合させて架橋されたものである請求項1〜11いずれかに記載のトナーバインダーの製造方法。
- 非線形ポリエステル樹脂(A)が、還元剤(d)を用いてポリエステル(A0)に含まれる炭素原子のうち少なくとも1つの炭素原子と、ポリエステル(A0)に含まれる炭素原子とを直接結合させて架橋されたものである請求項13に記載のトナーバインダーの製造方法。
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