JP2010266904A - トナー用樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速化、省エネ化されたトナーの用途においても、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立するトナー用樹脂を開発する。
【解決手段】 THF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、次の式(1)および(2)を満たすポリエステル樹脂(A)を含有することを特徴とするトナー用樹脂。
酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80mgKOH/g、水酸基価>3.0mgKOH/g) ・・・式(1)
THF不溶解分を重量%単位で表した数値/軟化点を℃単位で表した数値≦0.2
・・・式(2)
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナー用樹脂に関する。
熱定着方式に用いられる静電荷像現像用トナーは、高い定着温度でもトナーがヒートロールに融着せず(耐ホットオフセット性)、定着温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)等が求められている。一般にトナーの耐ホットオフセット性と低温定着性は相反する性能となりやすい。耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスに優れたトナーとして、ガラス転移温度の異なる2種類のポリエステルをトナー用樹脂として含有するトナーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−221986号公報
しかしながら、上記特許文献に提案されているトナーは、耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスにある程度優れているものの、さらなる高速化、省エネ化における耐ホットオフセット性と低温定着性の両立の点では改善する必要がある。
本発明者らはこれらの問題点を解決するべく鋭意検討した末、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
THF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、次の式(1)および(2)を満たすポリエステル樹脂(A)を含有することを特徴とするトナー用樹脂。
酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80mgKOH/g、水酸基価>3.0mgKOH/g) ・・・式(1)
THF不溶解分を重量%単位で表した数値/軟化点を℃単位で表した数値≦0.2
・・・式(2)
本発明のトナー用樹脂を用いることにより、耐ホットオフセット性と低温定着性に優れるトナーとすることができ、トナーの耐ブロッキング性および光沢発現性も良好である。
以下、本発明を詳述する。
本発明のトナー用樹脂中のポリエステル樹脂(A)としては特に限定されず、例えば、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分とが1工程または2工程以上で重縮合されて得られたものが挙げられる。
(A)としては、ポリエステル樹脂の末端にさらにカルボン酸が反応されて得られたものが好ましく、以下に述べる、特定酸価および特定水酸基価を有するポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、これらカルボン酸の酸無水物およびこれらカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)とが反応されて得られたものがさらに好ましい。
上記(a)としては、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分とが重縮合されて得られたものが好ましい。
ポリエステル樹脂(a)の原料のポリオール成分のうち、2価アルコール(ジオール)としては、炭素数2〜36の脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,7−ヘプタンジオール、およびドデカンジオール等のアルカンジオールなど);炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等);上記炭素数2〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下AOと略記する)〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびブチレンオキシド等〕付加物(付加モル数2〜30);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分のうち3〜8価またはそれ以上のポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビトール等);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等:平均重合度3〜60)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのポリオール成分の中で、好ましくは、炭素数2〜6のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数6〜36の脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくは、ビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよび/またはPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよび/またはPO)付加物である。
ポリエステル樹脂(a)の原料のポリカルボン酸成分のうち脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸、およびセバシン酸等)、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、およびグルタコン酸等)、などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸としては、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10000](α−オレフィン/マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、および炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、さらに好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらの併用であり、とくに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、およびこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、ポリカルボン酸成分としては、芳香族ポリカルボン酸および必要により脂肪族ポリカルボン酸からなり、芳香族ポリカルボン酸を60モル%以上含有するものが好ましい。芳香族ポリカルボン酸の含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、とくに好ましくは80〜100モル%である。芳香族ポリカルボン酸が60モル%以上含有されていることで、樹脂強度が上がり、低温定着性がさらに向上する。
ポリエステル樹脂(a)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜240℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することもできる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒〔例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタニルカリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、およびチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)とその分子内重縮合物〕、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは1.4/1〜1/1、さらに好ましくは1.35/1〜1.1/1、とくに好ましくは1.35/1〜1.2/1である。なお、上記反応比率は、反応中に系外へ除去される成分があるときは、その分を除外した比率である。
ポリエステル樹脂(a)は、酸価が6.0(mgKOH/g、以下の酸価も同様)以下かつ水酸基価が10〜70(mgKOH/g、以下の水酸基価も同様)である。酸価は、好ましくは5.0以下、さらに好ましくは4.0以下であり、水酸基価は、好ましくは15〜65、さらに好ましくは20〜60である。酸価が6.0以下の場合、あるいは水酸基価が70以下の場合は、ポリエステル樹脂(a)の重縮合が十分で、低分子量成分が少なく、それを用いて得られるトナー用樹脂の保存安定性が良好となる。また水酸基価が10以上の場合は、カルボン酸(b)との反応効率が良好である。
ポリエステル樹脂(a)の酸価、水酸基価をこれらの範囲とするには、ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率で調整するのが有効である。
上記および以下においてポリエステル樹脂の酸価および水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
ポリエステル樹脂(a)の分子量は、ピークトップ分子量(以下Mpと記載)が2000〜10000であることが好ましく、Mpが3000〜8000であることがさらに好ましい。また、Mnは500〜8000であることが好ましく、1000〜7000であることがさらに好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂の分子量〔Mp、Mn、および重量平均分子量(以下Mwと記載)〕は、GPCを用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点 (分子量 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000 4480000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とした。
ポリエステル樹脂(A)は、ポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、これらカルボン酸の酸無水物およびこれらカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)とを、反応時の混合比が、(a)に由来する水酸基の当量をOHa、(b)に由来するカルボキシル基の当量をCOOHbとするとき、OHa/COOHb=0.1〜1.0の当量比で反応させて得られるものが好ましい。OHa/COOHbは、さらに好ましくは0.2〜0.9であり、とくに好ましくは0.3〜0.8である。OHa/COOHbが0.1以上であると分子量が十分大きくなり、トナー化時の耐ホットオフセット性が向上する。1.0以下であると樹脂の流動性が良好となり、トナー化時の低温定着性、光沢発現性が向上する。
カルボン酸(b)としては、モノカルボン酸、ポリカルボン酸のいずれも使用可能であるが、モノカルボン酸とポリカルボン酸の比率は、反応に使用するカルボン酸の全カルボキシル基の当量を100とするとき、モノカルボン酸由来のカルボキシル基とポリカルボン酸由来のカルボキシル基の当量比が、(0〜50)/(50〜100)が好ましく、(0〜20)/(80〜100)がさらに好ましい。モノカルボン酸由来のカルボキシルの比率が50以下であると架橋が不足せず、樹脂の強度が十分に得られる。また、反応生成物の酸価を所定範囲に調整しやすい。
また、(b)として、酸無水物および、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
カルボン酸(b)として用いるモノカルボン酸のうち、脂肪族(脂環式を含む)モノカルボン酸としては、炭素数1〜50のアルカンモノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸等)、炭素数3〜50のアルケンモノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸等)などが挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、メチル安息香酸、フェニルプロピオン酸、およびナフトエ酸等)などが挙げられる。
(b)として用いるポリカルボン酸のうち、脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、3〜6価またはそれ以上の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸、および3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、前記ポリエステル樹脂(a)に用いるものと同様のものが挙げられる。
これらの中で、2価以上の芳香族カルボン酸が好ましく、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸がさらに好ましく、トリメリット酸、および無水トリメリット酸がとくに好ましい。
ポリエステル樹脂(A)を構成するカルボン酸成分中の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸の含有量は、好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは2〜20モル%である。30モル%以下であると、樹脂の流動性が良好で、トナー化時の低温定着性が向上する。
ポリエステル樹脂(A)は、下記の範囲の酸価、水酸基価、および酸価/水酸基価を有するように調整する以外は、ポリエステル樹脂(a)と同様の製造法で得ることができる。
本発明における(A)の酸価は、15〜80であり、好ましくは18〜60である。また水酸基価は、3.0より大きく、好ましくは8.0より大きく、さらに好ましくは8.2〜40であり、特に好ましくは8.4〜25である。
酸価が15を下回る、あるいは水酸基価が3.0以下であると定着の強度が弱まる。また酸価が80を越えると、環境条件の影響を受けやすくなり、安定性が悪化する。
本発明において、(A)の酸価と水酸基価は、さらに次式(1)の関係を満たす。
酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80、水酸基価>3.0) ・・・式(1)
酸価/水酸基価が1未満であると、光沢度発現温度や定着温度域における光沢度が低下する。酸価/水酸基価は、好ましくは2〜10である。尚、式(1)を満たすポリエステル樹脂(A)を製造するためには、例えば、ポリエステル樹脂(a)とカルボン酸(b)との反応比率を調整することにより達成できる。
ポリエステル樹脂(A)のTHF不溶解分は、1〜36重量%であり、好ましくは2〜33重量%、さらに好ましくは3〜28重量%、とくに好ましくは4〜25重量%である。THF不溶解分が1重量%未満であると耐ホットオフセット性が低下し、36重量%を越えると低温定着性が低下する。
上記および以下においてポリエステル樹脂のTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。還流温度から20℃まで冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)の軟化点は、耐ホットオフセット性と低温定着性の観点から、120〜180℃であり、好ましくは122〜170℃、さらに好ましくは123〜155℃である。
なお、本発明においては、フローテスターを用いて下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とした。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
本発明において、(A)のTHF不溶解分と軟化点は、次式(2)の関係を満たす。
THF不溶解分を重量%単位で表した数値/軟化点を℃単位で表した数値≦0.2
・・・式(2)
THF不溶解分/軟化点が0.2を越えると、低温定着性および耐ホットオフセット性の両立が困難であり、また光沢度発現温度や定着温度域における光沢度が低下する。THF不溶解分/軟化点は、好ましくは0.01〜0.19である。
尚、式(2)を満たすポリエステル樹脂(A)を製造するためには、例えば、ポリエステル樹脂(a)を製造した後に、(a)とカルボン酸(b)とを反応させる方法でポリエステル樹脂(A)を製造し、その際、(a)の水酸基価を10〜70mgKOH/gとし、かつ(a)と(b)の反応率を調整することで達成できる。具体的には、(a)と(b)の反応率を低くする〔すなわち、未反応の(a)の水酸基と(b)のカルボキシル基の量を多くする〕と、THF不溶解分/軟化点が下がり、逆に(a)と(b)の反応率を高くする〔すなわち、未反応の(a)の水酸基と(b)のカルボキシル基の量を少なくする〕とTHF不溶解分/軟化点が上がる。
ポリエステル樹脂(A)の分子量は、Mpが、4500〜20000であり、好ましくは5000〜20000、さらに好ましくは5500〜15000である。Mwは30000〜300000であることが好ましく、40000〜250000であることがさらに好ましい。また、分子量分布を示すMwとMnの比(以下Mw/Mnと記載)は15〜100であることが好ましく、20〜90であることがさらに好ましい。
Mp、Mw、およびMw/Mnが上記範囲内であると、耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスが良好である。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)は、200℃で加熱溶融した前後における軟化点の差が10℃以下であることが好ましく、5℃以下であることがさらに好ましい。尚、200℃で加熱溶融後の軟化点は110〜190℃が好ましく、120〜180℃がさらに好ましい。
尚、200℃で加熱溶融した前後における軟化点の差は、次のようにして測定される。
(A)を3g入れた試験管を、200℃に温調したブロックバスに入れ、10分程度加熱溶解した後に、溶解した(A)を試験管ごと氷水中に投入し冷却する。加熱溶融した(A)および加熱溶融前の(A)について、前記の方法で軟化点を測定し、その差を求める。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)は、200℃で加熱溶融した前後におけるTHFに可溶な成分のMpの変化率が10%以下であることが好ましく、9%以下であることがさらに好ましい。尚、200℃で加熱溶融後のMpは4050〜22000が好ましく、4500〜20000がさらに好ましい。
尚、200℃での加熱溶融処理の方法は前項の方法と同じであり、またMpは前記したポリエステル樹脂のMp測定方法と同じである。
200℃で加熱溶融した前後における軟化点の差、および200℃で加熱溶融した前後におけるTHFに可溶な成分のMpの差を小さくする方法としては、例えば、(a)と(b)の反応終了後のポリエステル樹脂(A)の冷却を、ベルトクーラーなどの装置を用いて、より短時間で行う方法が挙げられる。
本発明のトナー用樹脂中には、ポリエステル樹脂(A)と共に、THF不溶解分を含まないポリエステル樹脂(B)を含有してもよい。本発明のトナー用樹脂は、ポリエステル樹脂(A)単独でも優れた定着性を示すが、ポリエステル樹脂(A)と共にポリエステル樹脂(B)を含有することでさらに優れた定着性が得られる。
ポリエステル樹脂(B)は、通常、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られ、組成はとくに限定されない。
(B)の原料となるポリオール成分のうち、ジオールとしては、炭素数2〜36の脂肪族ジオール、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数2〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)、炭素数6〜36の脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)、およびビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらの具体例としては、前述のポリエステル樹脂(a)に用いるものと同様のものが挙げられる。
ポリオール成分のうち、3〜8価またはそれ以上のアルコールとしては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール、脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)、トリスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらの具体例としては、前述のポリエステル樹脂(a)に用いるものと同様のものが挙げられる。
これらポリオール成分中好ましいものは、炭素数2〜6の脂肪族ジオール、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数6〜36の脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくは、炭素数2〜6の脂肪族ジオール、ビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物である。
ポリカルボン酸成分のうち、脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、3〜6価またはそれ以上の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸、および3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、前記ポリエステル樹脂(a)に用いるものと同様のものが挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルを用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、前記ポリエステル樹脂(a)に用いるポリカルボン酸と同様である。
ポリエステル樹脂(B)の酸価は、5〜80が好ましく、8〜50がさらに好ましく、10〜30がとくに好ましい。
また水酸基価は、60以下が好ましく、50以下がさらに好ましく、5〜45がとくに好ましい。
ポリエステル樹脂(B)の分子量は、Mpが3000〜10000であることが好ましく、3500〜9000であることがさらに好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂(B)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、前述のポリエステル樹脂(a)の製造法と同様の方法が挙げられる。
ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
本発明のトナー用樹脂における、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の重量比は、(A)と(B)の合計を100としたとき、(20〜100)/(80〜0)が好ましく、(30〜99)/(70〜1)がさらに好ましく、(40〜90)/(60〜10)がとくに好ましい。ポリエステル樹脂(A)の重量比が20以上であると樹脂強度が上昇し、高温域での定着性が良好である。
本発明のトナー用樹脂は、ポリエステル樹脂(A)のみ、またはポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)のみを含有することが好ましいが、本発明のトナー用樹脂の特性を損なわない範囲で、これら以外の他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、(A)、(B)以外のポリエステル樹脂、ビニル系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル開環重合物等)、ウレタン樹脂(ジオールおよび/または3価以上のポリオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
他の樹脂のMnは、300〜10万が好ましい。他の樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下である。
ポリエステル樹脂を2種以上併用する場合、および少なくとも1種のポリエステル樹脂と他の樹脂を混合する場合、予め粉体混合または溶融混合してもよいし、トナー化時に混合してもよい。
溶融混合する場合の温度は、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜170℃、とくに好ましくは120〜160℃である。
混合温度が低すぎると充分に混合できず、不均一となることがある。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合温度が高すぎると、エステル交換反応による平均化などが起こるため、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できなくなる場合がある。
溶融混合する場合の混合時間は、好ましくは10秒〜30分、さらに好ましくは20秒〜10分、とくに好ましくは30秒〜5分である。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合時間が長すぎると、エステル交換反応による平均化などが起こるため、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できなくなる場合がある。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽などのバッチ式混合装置、および連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続式混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロールなどが挙げられる。これらのうちエクストルーダーおよびコンティニアスニーダーが好ましい。
粉体混合する場合は、通常の混合条件および混合装置で混合することができる。
粉体混合する場合の混合条件としては、混合温度は、好ましくは0〜80℃、さらに好ましくは10〜60℃である。混合時間は、好ましくは3分以上、さらに好ましくは5〜60分である。混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
本発明のトナー用樹脂を用いたトナー組成物(以下、本発明のトナー組成物と言う。)は、バインダー樹脂となる本発明のトナー用樹脂と、着色剤、および必要により、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等の1種以上の添加剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。着色剤の含有量は、本発明のトナー用樹脂100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本発明のトナー組成物の重量比は、トナー重量に基づき、本発明のトナー用樹脂が、好ましくは30〜97重量%、さらに好ましくは40〜95重量%、とくに好ましくは45〜92重量%;着色剤が、好ましくは0.05〜60重量%、さらに好ましくは0.1〜55重量%、とくに好ましくは0.5〜50重量%;添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%、とくに好ましくは1〜10重量%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%、とくに好ましくは0.5〜7.5重量%;流動化剤が、好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%、とくに好ましくは0.1〜4重量%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70重量%、さらに好ましくは4〜58重量%、とくに好ましくは5〜50重量%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物は、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、通常1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物41部(0.13モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物457部(1.14モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物9部(0.01モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a1)とする。
ポリエステル樹脂(a1)の酸価は1.8、水酸基価は46、Mnは2500、Mpは5500であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a1)622部、無水トリメリット酸41部(0.21モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が135℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.77であった。これをポリエステル樹脂(A1)とする。
ポリエステル樹脂(A1)の酸価は20、水酸基価は10、Mwは120000、Mpは11000、軟化点135℃、THF不溶解分は6重量%、すなわち、式(1)の左辺は2.0、式(2)の左辺は0.04であった。また、(A1)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は133℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−2℃)、Mpは、11500(加熱溶融前後のMpの変化率:+5%)であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物379部(1.2モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物447部(1.3モル)、テレフタル酸332部(2.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸40部(0.21モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B1)とする。
ポリエステル樹脂(B1)の酸価は21、水酸基価は37、Mnは2000、Mpは4200、THF不溶解分は0重量%であった。
ポリエステル樹脂(A1)700部とポリエステル樹脂(B1)300部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂(1)を得た。
実施例2
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物37部(0.11モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物407部(1.01モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a2)とする。
ポリエステル樹脂(a2)の酸価は2.1、水酸基価は38、Mnは3000、Mpは5800であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a2)596部、無水トリメリット酸31部(0.1モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が130℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.51であった。これをポリエステル樹脂(A2)とする。
ポリエステル樹脂(A2)の酸価は30、水酸基価は12、Mwは70000、Mpは7600、軟化点130℃、THF不溶解分は20重量%、すなわち、式(1)の左辺は2.5、式(2)の左辺は0.15であった。また、(A2)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は132℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+2℃)、Mpは、7300(加熱溶融前後のMpの変化率:−4%)であった。
ポリエステル樹脂(A2)700部とポリエステル樹脂(B1)300部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂(2)を得た。
実施例3
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物3部(0.01モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物486部(1.21モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物23部(0.03モル)、テレフタル酸159部(0.96モル)、アジピン酸6部(0.04モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a3)とする。
ポリエステル樹脂(a3)の酸価は1.6、水酸基価は53、Mnは2000、Mpは4800であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a3)650部、無水トリメリット酸56部(0.29モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が135℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.31であった。これをポリエステル樹脂(A3)とする。
ポリエステル樹脂(A3)の酸価は40、水酸基価は8.4、Mwは60000、Mpは6800、軟化点135℃、THF不溶解分は25重量%、すなわち、式(1)の左辺は4.8、式(2)の左辺は0.19であった。また、(A3)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は140℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+5℃)、Mpは、7300(加熱溶融前後のMpの変化率:+7%)であった。
ポリエステル樹脂(A3)700部とポリエステル樹脂(B1)300部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂(3)を得た。
実施例4
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下プロピレングリコールと記載)228部(3.0モル)、テレフタル酸141部(0.85モル)、アジピン酸22部(0.15モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が100℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a4)とする。ポリエステル樹脂(a4)の酸価は0.8、水酸基価は21、Mnは5500、Mpは9000であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a4)206部、無水トリメリット酸8部(0.04モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート0.3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が154℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.43であった。これをポリエステル樹脂(A4)とする。
ポリエステル樹脂(A4)の酸価は16、水酸基価は3.3、Mwは195000、Mpは14000、軟化点154℃、THF不溶解分は5重量%、すなわち、式(1)の左辺は4.9、式(2)の左辺は0.03であった。また、(A4)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は152℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−2℃)、Mpは、13600(加熱溶融前後のMpの変化率:−3%)であった。
ポリエステル樹脂(A4)700部とポリエステル樹脂(B1)300部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂(4)を得た。
実施例5
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物3部(0.01モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物98部(0.28モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物339部(0.84モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸141部(0.85モル)、フマル酸9部(0.08モル)、無水トリメリット酸9部(0.05モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a5)とする。
ポリエステル樹脂(a5)の酸価は1.3、水酸基価は39、Mnは1600、Mpは3300であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a5)583部、無水トリメリット酸28部(0.15モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート1部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、200℃で、減圧下(10〜50mmHg)および常圧下(760mmHg)に反応させ、軟化点が142℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.94であった。これをポリエステル樹脂(A5)とする。
ポリエステル樹脂(A5)の酸価は24、水酸基価は23、Mwは53000、Mpは5000、軟化点142℃、THF不溶解分は28重量%、すなわち、式(1)の左辺は1.0、式(2)の左辺は0.20であった。また、(A5)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は150℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+8℃)、Mpは、4800(加熱溶融前後のMpの変化率:−4%)であった。
ポリエステル樹脂(A5)450部とポリエステル樹脂(B1)550部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂(5)を得た。
実施例6
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物3部(0.01モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物572部(01.42モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.00モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が10以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a6)とする。
ポリエステル樹脂(a5)の酸価は7.6、水酸基価は84、Mnは900、Mpは2100であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a6)724部、無水トリメリット酸132部(0.69モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート1部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、200℃で、減圧下(50〜100mmHg)に反応させ、軟化点が123℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.36であった。これをポリエステル樹脂(A6)とする。
ポリエステル樹脂(A6)の酸価は55、水酸基価は4.1、Mwは111000、Mpは5500、軟化点123℃、THF不溶解分は9重量%、すなわち、式(1)の左辺は13.4、式(2)の左辺は0.07であった。また、(A6)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は120℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−3℃)、Mpは、5800(加熱溶融前後のMpの変化率:+5%)であった。
ポリエステル樹脂(A6)800部とポリエステル樹脂(B1)200部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂(6)を得た。
実施例7
前記ポリエステル樹脂(A1)を本発明のトナー用樹脂(7)とした。
実施例8
ポリエステル樹脂(A2)600部とポリエステル樹脂(B1)400部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂(8)を得た。
比較例1
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物572部(1.4モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(c1)とする。
ポリエステル樹脂(c1)の酸価は1.9、水酸基価は76、Mnは1000、Mpは2500であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(c1)724部、無水トリメリット酸83部(0.43モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、10〜50mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が125℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=0.79であった。これをポリエステル樹脂(C1)とする。
ポリエステル樹脂(C1)の酸価は25、水酸基価は23、Mwは15000、Mpは5000、軟化点は135℃、THF不溶解分は35重量%、すなわち、式(1)の左辺は1.1、式(2)の左辺は0.26であった。
また、(C1)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は123℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−12℃)、Mpは、4000(加熱溶融前後のMpの変化率:−20%)であった。
ポリエステル樹脂(C1)700部とポリエステル樹脂(B1)300部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用樹脂(9)を得た。
比較例2
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物572部(1.4モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(c2)とする。
ポリエステル樹脂(c2)の酸価は1.8、水酸基価は46、Mnは2500、Mpは5500であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(c1)716部、無水トリメリット酸50部(0.26モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が130℃になった時点で取り出し、室温まで冷却して粉砕し粒子化した。反応時のOHa/COOHb=3.37であった。これをポリエステル樹脂(C2)とする。
ポリエステル樹脂(C2)の酸価は18、水酸基価は36、Mwは25000、Mpは5500、軟化点は140℃、THF不溶解分は18重量%、すなわち、式(1)の左辺は0.5、式(2)の左辺は0.13であった。
また、(C2)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は130℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−10℃)、Mpは、4000(加熱溶融前後のMpの変化率:−27%)であった。
ポリエステル樹脂(C2)700部とポリエステル樹脂(B1)300部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用樹脂(10)を得た。
実施例〔9〜16〕・比較例〔3、4〕
本発明のトナー用樹脂(1)〜(8)および比較のトナー用樹脂(9)、(10)それぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T1)〜(T8)、および比較用のトナー組成物(T9)、(T10)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
Figure 2010266904
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕トナーの耐ブロッキング性試験
上記トナー組成物を、50℃・85%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。同環境下において該現像剤のブロッキング状態を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シャープ製)でコピーした時の画質を観察した。
判定基準
◎:トナーのブロッキングがなく、3000枚複写後の画質も良好。
○:トナーのブロッキングはないが、3000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察さ
れる。
△:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚複写後の画質に乱れが観察される

×:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚までに画像が出なくなる
〔4〕光沢発現温度(GLOSS)
トナー30部とフェライトキャリア(F−150;パウダーテック社製)800部を均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。該現像剤を用い市販複写機(AR5030;シャープ製)で現像した未定着画像を、市販プリンター(LBP2160;キヤノン製)の定着ユニットを改造し熱ローラー温度を可変にした定着機でプロセススピード120mm/secで定着した。市販光沢計(MURAKAMI COLOR RESEARCH LABORATORY製 gmx−202−60型)を用い、定着画像の60゜光沢が10%以上となる定着ロール温度をもって光沢発現温度とした。
本発明のトナー組成物およびトナー用樹脂は、低温定着性、耐ホットオフセット性、現像性に優れる静電荷像現像用トナーおよびトナー用樹脂として有用である。

Claims (7)

  1. THF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、次の式(1)および(2)を満たすポリエステル樹脂(A)を含有することを特徴とするトナー用樹脂。
    酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80mgKOH/g、水酸基価>3.0mgKOH/g) ・・・式(1)
    THF不溶解分を重量%単位で表した数値/軟化点を℃単位で表した数値≦0.2
    ・・・式(2)
  2. (A)が、酸価が6.0mgKOH/g以下かつ水酸基価が10〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、これらカルボン酸の酸無水物およびこれらカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)とが反応されてなるポリエステル樹脂である請求項1記載のトナー用樹脂。
  3. (A)の重量平均分子量が30000〜300000である請求項1または2記載のトナー用樹脂。
  4. (A)を200℃で加熱溶融した前後の軟化点の差が10℃以下である請求項1〜3のいずれか記載のトナー用樹脂。
  5. (A)を200℃で加熱溶融した前後のTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量の変化率が10%以下である請求項1〜4のいずれか記載のトナー用樹脂。
  6. ポリエステル樹脂(A)とともに、さらに、THF不溶解分を含まないポリエステル樹脂(B)を含有する請求項1〜5のいずれか記載のトナー用樹脂。
  7. (A)と(B)の重量比〔(A)/(B)〕が、(A)と(B)の合計を100としたとき、(20〜100)/(80〜0)である請求項6記載のトナー用樹脂。
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