JP2010256892A - トナー用樹脂およびトナー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 芳香族モノカルボン酸(X1)およびポリカルボン酸(X2)から構成されるカルボン酸成分(X)と、ポリオール成分(Y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(A)を含有し、ポリエステル樹脂(A)の酸価と水酸基価の和が3〜40mgKOH/gであることを特徴とするトナー用樹脂と、このトナー用樹脂を含有するトナー組成物。
【選択図】 なし
Description
この基本的な要求性能を満たすために、ビスフェノール類から誘導されるアルコール性化合物またはプロピレングリコールを構成単位としたポリエステル樹脂を用いることが知られている(特許文献1、2参照)。また、帯電安定性の向上には、ポリエステルの酸価を低下させる方法や粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤の使用等が知られている(特許文献3、4参照)が、生産性の観点からこれらの方法で解決することは困難である。さらに、低温定着性を向上させるためにトナーバインダーの低分子量化が知られているが、単純に低分子量化を行うと、それに伴いガラス転移点も低下して、保存安定性が悪化し、耐ホットオフセット性も低下するという問題も発生し、上記特性をいずれも満足するようなものは得られていない。
すなわち本発明は、芳香族モノカルボン酸(X1)およびポリカルボン酸(X2)から構成されるカルボン酸成分(X)と、ポリオール成分(Y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(A)を含有し、ポリエステル樹脂(A)の酸価と水酸基価の和が3〜40mgKOH/gであることを特徴とするトナー用樹脂;並びに上記のトナー用樹脂、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、磁性粉、および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤を含有するトナー組成物;である。
本発明のトナー用樹脂に用いるポリエステル樹脂(A)は、芳香族モノカルボン酸(X1)およびポリカルボン酸(X2)から構成されるカルボン酸成分(X)と、ポリオール成分(Y)とを重縮合させて得られる。
これらのうち好ましいものは、トリメリット酸およびピロメリット酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
また、(X211)中のテレフタル酸および/またはその低級アルキルエステルと、イソフタル酸および/またはその低級アルキルエステルのモル比は、樹脂の機械的強度の観点から、好ましくは20:80〜100:0、さらに好ましくは25:75〜80:20である。
特に、(Y)中のエチレングリコールの含有量は、機械的強度の観点から、好ましくは90〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%、とくに好ましくは100モル%である。
反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
第一段階の、ポリオール成分(Y)とポリカルボン酸(X2)の少なくとも一部との反応における反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、さらに好ましくは1.5/1〜1.01/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
また、ポリエステル樹脂(A)の製造に用いる全てのポリオール成分(Y)と全てのポリカルボン酸成分(X)の比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
チタン含有触媒としては、チタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等が挙げられる。
アンチモン含有触媒としては、三酸化アンチモン等が挙げられる。
ジルコニウム含有触媒としては、酢酸ジルコニル等が挙げられる。
ニッケル含有触媒としては、ニッケルアセチルアセトナート等が挙げられる。
アルミニウム含有触媒としては、水酸化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド等が挙げられる。
上記および以下において、%は、特に断りの無い場合は重量%を意味する。
また、ポリエステル樹脂(A)の酸価は、好ましくは3〜40、さらに好ましくは10〜38であり、水酸基価は、好ましくは0〜30、さらに好ましくは0〜10である。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
装置(一例) :東ソー製 HLC−8120
カラム(一例):TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 :40℃
測定溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :TSK標準ポリスチレン(東ソー製)
分子量=4480000、2890000、1090000、355
000、190000、96400、37900、1810
0、9100、2800、1050、500の計12点
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、トナー用ポリエステル樹脂の分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHF溶媒に溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とした。
なお、軟化点は、次のように測定される値である。
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とする。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
これらの中で好ましくは、(A)以外のポリエステル樹脂であり、さらに好ましくはビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルをポリオール成分(Y)の主成分(好ましくは60モル%以上)とするポリエステル樹脂である。他の樹脂のMnは、300〜10万が好ましい。
本発明のトナー用樹脂中のポリエステル樹脂(A)の含有量は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは15〜100%、最も好ましくは20〜100%である。
また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナー用樹脂100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル2000部とテレフタル酸1000部を入れ、窒素にて液中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チタンテトライソプロポキシド600部を滴下しながら60℃で4時間反応させスラリー状物である反応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別し40℃/20kPaで乾燥させることで、チタントリイソプロポキシテレフタレートと未反応のテレフタル酸の混合物(t)(チタントリイソプロポキシテレフタレートの濃度65%)を得た。
[ポリエステル樹脂(A1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸435部、イソフタル酸290部、エチレングリコール545部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸20部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸115部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは225部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A1)とする。
(A1)のMpは5000、Tgは65℃、軟化点は147℃、酸価は18、水酸基価は2であった。
[ポリエステル樹脂(A2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸388部、イソフタル酸388部、アジピン酸21部、エチレングリコール600部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸17部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸57部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは280部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A2)とする。
(A2)のMpは8000、Tgは60℃、軟化点は145℃、酸価は26、水酸基価は1であった。
[ポリエステル樹脂(A3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸610部、アジピン酸95部、1,2−プロピレングリコール655部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸10部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸100部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収された1,2−プロピレングリコールは290部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A3)とする。
(A3)のMpは8800、Tgは61℃、軟化点は145℃、酸価は36、水酸基価は0であった。
[ポリエステル樹脂(A4)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸260部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下POと記載)付加物635部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下EOと記載)2モル付加物57部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート4部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させた。次いで、安息香酸25部を加え、常圧下で4時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸63部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A4)とする。
(A4)のMpは8500、Tgは59℃、軟化点は140℃、酸価は28、水酸基価は0であった。
[ポリエステル樹脂(A5)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸525部、イソフタル酸130部、エチレングリコール580部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、tert−ブチル安息香酸115部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸85部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは275部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A5)とする。
(A5)のMpは4800、Tgは61℃、軟化点は150℃、酸価は18、水酸基価は0であった。
[ポリエステル樹脂(A6)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸200部、イソフタル酸470部、エチレングリコール590部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、フェノキシ酢酸100部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸88部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは280部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A6)とする。
(A6)のMpは4900、Tgは60℃、軟化点は147℃、酸価は18、水酸基価は0であった。
[ポリエステル樹脂(RA1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸440部、イソフタル酸295部、アジピン酸32部、エチレングリコール550部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸120部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは220部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA1)とする。
(RA1)のMpは6000、Tgは61℃、軟化点は143℃、酸価は35、水酸基価は25であった。
[ポリエステル樹脂(RA2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸428部、イソフタル酸285部、エチレングリコール535部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸38部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸115部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは230部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA2)とする。
(RA2)のMpは6800、Tgは63℃、軟化点は145℃、酸価は40、水酸基価は5であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸493部、イソフタル酸328部、エチレングリコール615部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸40部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは290部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA3)とする。
(RA3)のMpは10500、Tgは63℃、軟化点は134℃、酸価は11、水酸基価は15であった。
[ポリエステル樹脂(B1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸275部、ビスフェノールAのPO付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:PO2モル付加物)740部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート4部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで、無水トリメリット酸42部を加え、常圧下で1時間反応させた後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B1)とする。
(B1)のMpは5300、Tgは64℃、軟化点は100℃、酸価は20、水酸基価は40であった。
[ポリエステル樹脂(B2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸285部、ビスフェノールAのPO付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:PO2モル付加物)775部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート4部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が1以下になるまで反応させた後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B2)とする。
(B2)のMpは4500、Tgは60℃、軟化点は97℃、酸価は1、水酸基価は50であった。
製造例1〜8、比較製造例1〜3で得られた、ポリエステル樹脂(A1)〜(A6)、および比較のポリエステル樹脂(RA1)〜(RA3)と、ポリエステル樹脂(B1)〜(B2)を、表1の割合でプラストミルに入れ、140℃で5分間撹拌して溶融混合し、本発明のトナー用樹脂(TB2)〜(TB9)、および比較のトナー用樹脂(RTB1)〜(RTB3)を得た。これらの樹脂とポリエステル樹脂(A1)のみからなる本発明のトナー用樹脂(TB1)の各トナー用樹脂100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え。下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T1)〜(T9)、および比較のトナー組成物(RT1)〜(RT3)を得た。
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
なお、最低定着温度(MFT)とホットオフセット発生温度(HOT)に関しては、定着温度幅(HOTとMFTの差)が広いことが重要である
〔3〕保存安定性
トナー組成物をそれぞれポリエチレン製の瓶に入れ、45℃の恒温水槽に8時間保持した後、42メッシュのふるいに移し、ホソカワミクロン(株)製パウダーテスターを用いて、振動強度5で10秒間振とうし、ふるいの上に残ったトナーの重量%を測定し、下記基準で判定し、保存安定性を評価した。
残存トナー重量%
◎ : 0%以上15%未満
○ : 15%以上25%未満
△ : 25%以上30%未満
× : 30%以上
〔飽和帯電量、帯電立ち上がり性、帯電安定性〕
トナー組成物0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、50%R.H.で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×1,3,5,10,20及び60分間摩擦撹拌し、それぞれの時間毎に帯電量を測定した。測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。摩擦時間10分の帯電量をもって飽和帯電量とした。また、摩擦時間1分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量を計算し、帯電の立ち上がり性とした。さらに、摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量を計算し、帯電安定性とした。
〔4〕飽和帯電量の評価基準
◎ : 飽和帯電量の絶対値が25μC/g以上
○ : 飽和帯電量の絶対値が20μC/g以上、25μC/g未満
△ : 飽和帯電量の絶対値が15μC/g以上、20μC/g未満
× : 飽和帯電量の絶対値が15μC/g未満
〔5〕帯電の立ち上がり性の評価基準
◎ : 0.7以上
○ : 0.6以上、0.7未満
△ : 0.5以上、0.6未満
× : 0.5未満
〔6〕帯電安定性の評価基準
◎ : 0.8以上
○ : 0.7以上、0.8未満
△ : 0.6以上、0.7未満
× : 0.6未満
Claims (7)
- 芳香族モノカルボン酸(X1)およびポリカルボン酸(X2)から構成されるカルボン酸成分(X)と、ポリオール成分(Y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(A)を含有し、ポリエステル樹脂(A)の酸価と水酸基価の和が3〜40mgKOH/gであることを特徴とするトナー用樹脂。
- カルボン酸成分(X)中の芳香族モノカルボン酸(X1)の量が1〜30モル%である請求項1記載のトナー用樹脂。
- 芳香族モノカルボン酸(X1)が、炭素数7〜14の安息香酸およびその誘導体、並びに炭素数8〜14の芳香族置換基を有する酢酸の誘導体のうち少なくとも1種を含む、請求項1または2記載のトナー用樹脂。
- ポリカルボン酸(X2)の85〜100モル%がテレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(X211)であり、ポリオール成分(Y)の85〜100モル%が炭素数2〜12のアルキレングリコール(Y11)である、請求項1〜3のいずれか記載のトナー用樹脂。
- ポリエステル樹脂(A)の軟化点が90〜170℃である、請求項1〜4のいずれか記載のトナー用樹脂。
- ポリエステル樹脂(A)の含有量が10〜100重量%である、請求項1〜5のいずれか記載のトナー用樹脂。
- 請求項1〜6のいずれか記載のトナー用樹脂、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、磁性粉、および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
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