JP2010256892A - トナー用樹脂およびトナー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電安定性に優れるとともに、定着温度幅が広く、保存安定性にも優れたトナー用樹脂、およびトナーを提供すること。
【解決手段】 芳香族モノカルボン酸(X1)およびポリカルボン酸(X2)から構成されるカルボン酸成分(X)と、ポリオール成分(Y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(A)を含有し、ポリエステル樹脂(A)の酸価と水酸基価の和が3〜40mgKOH/gであることを特徴とするトナー用樹脂と、このトナー用樹脂を含有するトナー組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナー用樹脂およびトナー組成物に関する。
複写機、プリンター等における画像の定着方式として一般的に採用されている熱定着方式用の電子写真用トナーバインダーは、高い定着温度でもトナーが熱ロールに融着せず(耐ホットオフセット性)、定着温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)や、高温・多湿という過酷な条件下においても吸湿しにくく、帯電安定性に優れることや、微粒子としての保存安定性などが求められる。
この基本的な要求性能を満たすために、ビスフェノール類から誘導されるアルコール性化合物またはプロピレングリコールを構成単位としたポリエステル樹脂を用いることが知られている(特許文献1、2参照)。また、帯電安定性の向上には、ポリエステルの酸価を低下させる方法や粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤の使用等が知られている(特許文献3、4参照)が、生産性の観点からこれらの方法で解決することは困難である。さらに、低温定着性を向上させるためにトナーバインダーの低分子量化が知られているが、単純に低分子量化を行うと、それに伴いガラス転移点も低下して、保存安定性が悪化し、耐ホットオフセット性も低下するという問題も発生し、上記特性をいずれも満足するようなものは得られていない。
特開平10−339969号公報 特開2006−323180号公報 特開平11−174733号公報 特開2006−023724号公報
本発明の目的は、帯電安定性に優れるとともに、定着温度幅が広く、保存安定性にも優れたトナー用樹脂を提供することにある。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、芳香族モノカルボン酸(X1)およびポリカルボン酸(X2)から構成されるカルボン酸成分(X)と、ポリオール成分(Y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(A)を含有し、ポリエステル樹脂(A)の酸価と水酸基価の和が3〜40mgKOH/gであることを特徴とするトナー用樹脂;並びに上記のトナー用樹脂、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、磁性粉、および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤を含有するトナー組成物;である。
本発明により、帯電安定性、定着温度幅、保存安定性のいずれにも優れたトナー用樹脂(トナーバインダー)を提供することが可能となった。
以下、本発明を詳述する。
本発明のトナー用樹脂に用いるポリエステル樹脂(A)は、芳香族モノカルボン酸(X1)およびポリカルボン酸(X2)から構成されるカルボン酸成分(X)と、ポリオール成分(Y)とを重縮合させて得られる。
芳香族モノカルボン酸(X1)としては、炭素数7〜14の安息香酸およびその誘導体(誘導体とは、安息香酸の芳香環の1個以上の水素が、炭素数1〜7の有機基に置換された構造を有するものを意味する。例えば、安息香酸、4−フェニル安息香酸、パラ−tert−ブチル安息香酸、トルイル酸、オルト−ベンゾイル安息香酸、およびナフトエ酸。)、並びに炭素数8〜14の芳香族置換基を有する酢酸の誘導体(誘導体とは、酢酸のカルボキシル基に含まれる以外の1個以上の水素が、炭素数6〜12の芳香族基に置換された構造を有するものを意味する。例えば、ジフェニル酢酸、フェノキシ酢酸、およびα−フェノキシプロピオン酸。)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましくは、炭素数7〜14の安息香酸およびその誘導体であり、さらに好ましくは安息香酸である。
芳香族モノカルボン酸(X1)は、保存安定性の観点から、全体のカルボン酸成分(X)に対し、好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは2〜20モル%である。
ポリカルボン酸(X2)としては、ジカルボン酸(X21)および/または3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(X22)が挙げられる。一方でポリオール成分(Y)としては、ジオール(Y1)および/または3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(Y2)が挙げられる。
ジカルボン酸(X21)としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(例えばコハク、アジピン、およびセバシン酸);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔例えばダイマー酸(2量化リノール酸)〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(例えば、ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン、フマル、シトラコン、およびメサコン酸);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル、イソフタル、テレフタル、およびナフタレンジカルボン酸等);およびこれらのエステル形成性誘導体〔低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜4:メチル、エチル、n−プロピル等)エステル、および酸無水物〕;等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体であり、さらに好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(X211)である。
3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(X22)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット、およびピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族ポリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、トリメリット酸およびピロメリット酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
ポリカルボン酸(X2)中のテレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(X211)の含有量は、保存安定性の観点から、好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
また、(X211)中のテレフタル酸および/またはその低級アルキルエステルと、イソフタル酸および/またはその低級アルキルエステルのモル比は、樹脂の機械的強度の観点から、好ましくは20:80〜100:0、さらに好ましくは25:75〜80:20である。
ジオール(Y1)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、および1,6−ヘキサンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4、以下のポリオキシアルキレン基も同じ)エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数1〜30〕;および2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、およびビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール(Y11)、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)およびこれらの併用であり。さらに好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール(特にエチレングリコール)(Y11)である。
3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(Y2)としては、炭素数3〜36の3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、およびジペンタエリスリトール;糖類およびその誘導体、例えばショ糖およびメチルグルコシド);上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
ポリオール成分(Y)〔本項では、重縮合反応中に系外に除かれるものを除いた、ポリエステル樹脂(A)の構成単位となるポリオール成分を意味する。〕中の炭素数2〜12のアルキレングリコール(Y11)の割合は、機械的強度の観点から、好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
特に、(Y)中のエチレングリコールの含有量は、機械的強度の観点から、好ましくは90〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%、とくに好ましくは100モル%である。
また、カルボン酸成分(X)とポリオール成分(Y)との合計中の、3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(Y2)および3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(X22)の合計の割合は0.1〜15モル%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜12モル%である。0.1モル%以上ではトナーの保存性が良好となり、15モル%以下ではトナーの帯電特性が良好となる。
芳香族モノカルボン酸(X1)およびポリカルボン酸(X2)から構成されるカルボン酸成分(X)と、ポリオール成分(Y)とを重縮合させてポリエステル樹脂(A)を製造する方法としては、特に限定されず、(X1)と(X2)の混合物と(Y)とを一括して重縮合させることもできるが、先に(X2)の少なくとも一部と(Y)とを、(Y)の水酸基が過剰となるような当量比で重縮合させた後、得られた重縮合物(A0)の水酸基と(X1)のカルボキシル基を反応させて、さらに重縮合させるのが好ましい。必要により、(A0)と(X1)との重縮合後に、3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(X22)を投入して、さらに重縮合させてもよい。
本発明において、カルボン酸成分(X)とポリオール成分(Y)との重縮合は、公知のエステル化反応を利用して行うことができる。一般的な方法として、例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、重合触媒の存在下、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは180〜270℃、とくに好ましくは200〜260℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
第一段階の、ポリオール成分(Y)とポリカルボン酸(X2)の少なくとも一部との反応における反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、さらに好ましくは1.5/1〜1.01/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
また、ポリエステル樹脂(A)の製造に用いる全てのポリオール成分(Y)と全てのポリカルボン酸成分(X)の比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
ポリエステル樹脂(A)を得る際の重合触媒としては、反応性と環境保護の点から、チタン、アンチモン、ジルコニウム、ニッケル、およびアルミニウムから選ばれる一種以上の金属を含有する重合触媒を用いるのが好ましく、チタン含有触媒を用いるのがさらに好ましい。
チタン含有触媒としては、チタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等が挙げられる。
アンチモン含有触媒としては、三酸化アンチモン等が挙げられる。
ジルコニウム含有触媒としては、酢酸ジルコニル等が挙げられる。
ニッケル含有触媒としては、ニッケルアセチルアセトナート等が挙げられる。
アルミニウム含有触媒としては、水酸化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド等が挙げられる。
触媒の添加量は、反応速度が最大になるように適宜決定することが望ましい。添加量としては、全原料に対し、好ましくは10ppm〜1.9%、さらに好ましくは100ppm〜1.7%である。添加量を10ppm以上とすることで反応速度が大きくなる点で好ましい。
上記および以下において、%は、特に断りの無い場合は重量%を意味する。
ポリエステル樹脂(A)の酸価と水酸基価の和は、通常3〜40(mgKOH/g、以下の酸価および水酸基価も同様)、好ましくは10〜40、さらに好ましくは20〜39である。酸価と水酸基価の和が3未満では保存安定性が低下し、40を越えると帯電安定性が低下する。
また、ポリエステル樹脂(A)の酸価は、好ましくは3〜40、さらに好ましくは10〜38であり、水酸基価は、好ましくは0〜30、さらに好ましくは0〜10である。
本発明におけるポリエステル樹脂の酸価および水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
ポリエステル樹脂(A)の分子量は、ピークトップ分子量(以下Mpと記載)が、2000〜12000であることが好ましく、3000〜10000であることがさらに好ましい。また、数平均分子量(以下Mnと記載)は、500〜8000であることが好ましく、1000〜7000であることがさらに好ましい。
上記および以下においてポリエステル樹脂の分子量(Mn、Mp)は、GPCを用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) :東ソー製 HLC−8120
カラム(一例):TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 :40℃
測定溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :TSK標準ポリスチレン(東ソー製)
分子量=4480000、2890000、1090000、355
000、190000、96400、37900、1810
0、9100、2800、1050、500の計12点
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、トナー用ポリエステル樹脂の分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHF溶媒に溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とした。
また、ポリエステル樹脂(A)の軟化点は90〜170℃が好ましく、さらに好ましくは120〜160℃である。この範囲では耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスが良好となる。
なお、軟化点は、次のように測定される値である。
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とする。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、保存安定性の観点から45℃以上であることが好ましい。また、低温定着性の観点から、75℃以下、とくに65℃以下であることが好ましい。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
本発明のトナー用樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)以外の他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、(A)以外のポリエステル樹脂[前記ポリカルボン酸(X2)と前記ポリオール成分(Y)とが重縮合されてなる、芳香族モノカルボン酸(X1)を構成単位として有しないポリエステル樹脂等]、ビニル系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル開環重合物等)、ウレタン樹脂(前記ポリオール成分とジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
これらの中で好ましくは、(A)以外のポリエステル樹脂であり、さらに好ましくはビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルをポリオール成分(Y)の主成分(好ましくは60モル%以上)とするポリエステル樹脂である。他の樹脂のMnは、300〜10万が好ましい。
本発明のトナー用樹脂中のポリエステル樹脂(A)の含有量は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは15〜100%、最も好ましくは20〜100%である。
本発明のトナー組成物は、本発明のトナー用樹脂と着色剤、および必要により、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動化剤等の1種以上の添加剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナー用樹脂100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本発明のトナー組成物の組成比は、トナー重量に基づき、本発明のトナー用樹脂が、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物は、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、平均粒径(D50)(粉体の体積粒径分布において,ある粒子径より大きい個数が,全粉体の個数の50%をしめるときの粒子径をD50とする。)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて、電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、好ましくは1/99〜100/0である。また、キャリアー粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステル フィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例、比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[チタン含有触媒の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル2000部とテレフタル酸1000部を入れ、窒素にて液中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チタンテトライソプロポキシド600部を滴下しながら60℃で4時間反応させスラリー状物である反応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別し40℃/20kPaで乾燥させることで、チタントリイソプロポキシテレフタレートと未反応のテレフタル酸の混合物(t)(チタントリイソプロポキシテレフタレートの濃度65%)を得た。
製造例1
[ポリエステル樹脂(A1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸435部、イソフタル酸290部、エチレングリコール545部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸20部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸115部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは225部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A1)とする。
(A1)のMpは5000、Tgは65℃、軟化点は147℃、酸価は18、水酸基価は2であった。
製造例2
[ポリエステル樹脂(A2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸388部、イソフタル酸388部、アジピン酸21部、エチレングリコール600部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸17部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸57部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは280部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A2)とする。
(A2)のMpは8000、Tgは60℃、軟化点は145℃、酸価は26、水酸基価は1であった。
製造例3
[ポリエステル樹脂(A3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸610部、アジピン酸95部、1,2−プロピレングリコール655部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸10部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸100部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収された1,2−プロピレングリコールは290部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A3)とする。
(A3)のMpは8800、Tgは61℃、軟化点は145℃、酸価は36、水酸基価は0であった。
製造例4
[ポリエステル樹脂(A4)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸260部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下POと記載)付加物635部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下EOと記載)2モル付加物57部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート4部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させた。次いで、安息香酸25部を加え、常圧下で4時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸63部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A4)とする。
(A4)のMpは8500、Tgは59℃、軟化点は140℃、酸価は28、水酸基価は0であった。
製造例5
[ポリエステル樹脂(A5)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸525部、イソフタル酸130部、エチレングリコール580部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、tert−ブチル安息香酸115部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸85部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは275部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A5)とする。
(A5)のMpは4800、Tgは61℃、軟化点は150℃、酸価は18、水酸基価は0であった。
製造例6
[ポリエステル樹脂(A6)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸200部、イソフタル酸470部、エチレングリコール590部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、フェノキシ酢酸100部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸88部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは280部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A6)とする。
(A6)のMpは4900、Tgは60℃、軟化点は147℃、酸価は18、水酸基価は0であった。
比較製造例1
[ポリエステル樹脂(RA1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸440部、イソフタル酸295部、アジピン酸32部、エチレングリコール550部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸120部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは220部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA1)とする。
(RA1)のMpは6000、Tgは61℃、軟化点は143℃、酸価は35、水酸基価は25であった。
比較製造例2
[ポリエステル樹脂(RA2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸428部、イソフタル酸285部、エチレングリコール535部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸38部を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸115部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは230部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA2)とする。
(RA2)のMpは6800、Tgは63℃、軟化点は145℃、酸価は40、水酸基価は5であった。
比較製造例3
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸493部、イソフタル酸328部、エチレングリコール615部、重合触媒として(t)0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸40部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは290部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA3)とする。
(RA3)のMpは10500、Tgは63℃、軟化点は134℃、酸価は11、水酸基価は15であった。
製造例7
[ポリエステル樹脂(B1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸275部、ビスフェノールAのPO付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:PO2モル付加物)740部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート4部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで、無水トリメリット酸42部を加え、常圧下で1時間反応させた後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B1)とする。
(B1)のMpは5300、Tgは64℃、軟化点は100℃、酸価は20、水酸基価は40であった。
製造例8
[ポリエステル樹脂(B2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸285部、ビスフェノールAのPO付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:PO2モル付加物)775部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート4部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が1以下になるまで反応させた後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B2)とする。
(B2)のMpは4500、Tgは60℃、軟化点は97℃、酸価は1、水酸基価は50であった。
実施例1〜9、比較例1〜3
製造例1〜8、比較製造例1〜3で得られた、ポリエステル樹脂(A1)〜(A6)、および比較のポリエステル樹脂(RA1)〜(RA3)と、ポリエステル樹脂(B1)〜(B2)を、表1の割合でプラストミルに入れ、140℃で5分間撹拌して溶融混合し、本発明のトナー用樹脂(TB2)〜(TB9)、および比較のトナー用樹脂(RTB1)〜(RTB3)を得た。これらの樹脂とポリエステル樹脂(A1)のみからなる本発明のトナー用樹脂(TB1)の各トナー用樹脂100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え。下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T1)〜(T9)、および比較のトナー組成物(RT1)〜(RT3)を得た。
Figure 2010256892
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
なお、最低定着温度(MFT)とホットオフセット発生温度(HOT)に関しては、定着温度幅(HOTとMFTの差)が広いことが重要である
〔3〕保存安定性
トナー組成物をそれぞれポリエチレン製の瓶に入れ、45℃の恒温水槽に8時間保持した後、42メッシュのふるいに移し、ホソカワミクロン(株)製パウダーテスターを用いて、振動強度5で10秒間振とうし、ふるいの上に残ったトナーの重量%を測定し、下記基準で判定し、保存安定性を評価した。
残存トナー重量%
◎ : 0%以上15%未満
○ : 15%以上25%未満
△ : 25%以上30%未満
× : 30%以上
〔飽和帯電量、帯電立ち上がり性、帯電安定性〕
トナー組成物0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、50%R.H.で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×1,3,5,10,20及び60分間摩擦撹拌し、それぞれの時間毎に帯電量を測定した。測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。摩擦時間10分の帯電量をもって飽和帯電量とした。また、摩擦時間1分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量を計算し、帯電の立ち上がり性とした。さらに、摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量を計算し、帯電安定性とした。
〔4〕飽和帯電量の評価基準
◎ : 飽和帯電量の絶対値が25μC/g以上
○ : 飽和帯電量の絶対値が20μC/g以上、25μC/g未満
△ : 飽和帯電量の絶対値が15μC/g以上、20μC/g未満
× : 飽和帯電量の絶対値が15μC/g未満
〔5〕帯電の立ち上がり性の評価基準
◎ : 0.7以上
○ : 0.6以上、0.7未満
△ : 0.5以上、0.6未満
× : 0.5未満
〔6〕帯電安定性の評価基準
◎ : 0.8以上
○ : 0.7以上、0.8未満
△ : 0.6以上、0.7未満
× : 0.6未満
上記の結果から、実施例のトナーは比較例のトナーに比べて、全ての評価項目で同等以上の効果が得られることがわかる。
本発明のトナー用樹脂を用いた本発明のトナー組成物は、帯電安定性、定着温度幅、保存安定性等に優れるので、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナーとして有用である。

Claims (7)

  1. 芳香族モノカルボン酸(X1)およびポリカルボン酸(X2)から構成されるカルボン酸成分(X)と、ポリオール成分(Y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(A)を含有し、ポリエステル樹脂(A)の酸価と水酸基価の和が3〜40mgKOH/gであることを特徴とするトナー用樹脂。
  2. カルボン酸成分(X)中の芳香族モノカルボン酸(X1)の量が1〜30モル%である請求項1記載のトナー用樹脂。
  3. 芳香族モノカルボン酸(X1)が、炭素数7〜14の安息香酸およびその誘導体、並びに炭素数8〜14の芳香族置換基を有する酢酸の誘導体のうち少なくとも1種を含む、請求項1または2記載のトナー用樹脂。
  4. ポリカルボン酸(X2)の85〜100モル%がテレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(X211)であり、ポリオール成分(Y)の85〜100モル%が炭素数2〜12のアルキレングリコール(Y11)である、請求項1〜3のいずれか記載のトナー用樹脂。
  5. ポリエステル樹脂(A)の軟化点が90〜170℃である、請求項1〜4のいずれか記載のトナー用樹脂。
  6. ポリエステル樹脂(A)の含有量が10〜100重量%である、請求項1〜5のいずれか記載のトナー用樹脂。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載のトナー用樹脂、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、磁性粉、および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
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