JP2009115854A - トナーバインダーおよびトナー - Google Patents
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Abstract
【課題】低温定着性、耐ホットオフセット性、およびトナー流動性の何れにも優れたトナーバインダーの提供。
【解決手段】ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とするポリエステル樹脂であって、(x)の60〜100モル%が炭素数2〜6の脂肪族ジオールであり、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に存在する吸熱ピークの吸熱量(Q)とガラス転移温度(Tg)から下式(1)により求められるLの値が1〜30であるポリエステル樹脂(A)を25〜100重量%含有することを特徴とするトナーバインダー。 L=(Q×100)/(100−Tg) (1) [但し、Qの単位はmJ/mg、Tgの単位は℃]
【選択図】なし
【解決手段】ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とするポリエステル樹脂であって、(x)の60〜100モル%が炭素数2〜6の脂肪族ジオールであり、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に存在する吸熱ピークの吸熱量(Q)とガラス転移温度(Tg)から下式(1)により求められるLの値が1〜30であるポリエステル樹脂(A)を25〜100重量%含有することを特徴とするトナーバインダー。 L=(Q×100)/(100−Tg) (1) [但し、Qの単位はmJ/mg、Tgの単位は℃]
【選択図】なし
Description
本発明は電子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の現像に用いられる乾式トナー用として有用な、ポリエステル樹脂からなるトナーバインダーおよびそれをバインダーとして用いたトナーに関する。
低温定着性と耐ホットオフセット性に優れ、かつトナー流動性に優れるトナーバインダーとして、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線が、特定の要件を満たすポリエステル樹脂からなるトナーバインダーが知られている(特許文献1参照)。
特開2007−199738号公報
しかしながら、上記トナーバインダーでは、具体例に記載された、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含むポリオール成分を原料として用いた場合、省エネルギー化の流れに伴う低温定着性のさらなる向上という要望に対しては、必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明は、低温定着性、耐ホットオフセット性、およびトナー流動性、とくに低温定着性に優れたトナーバインダーおよびトナーを提供することを目的とする。
そこで、本発明は、低温定着性、耐ホットオフセット性、およびトナー流動性、とくに低温定着性に優れたトナーバインダーおよびトナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とするポリエステル樹脂であって、(x)の60〜100モル%が炭素数2〜6の脂肪族ジオールであり、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に存在する吸熱ピークの吸熱量(Q)とガラス転移温度(Tg)から下式(1)により求められるLの値が1〜30であるポリエステル樹脂(A)を25重量%以上含有することを特徴とするトナーバインダー;並びに、このトナーバインダーと、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー;である。
L=(Q×100)/(100−Tg) (1)
[但し、Qの単位はmJ/mg、Tgの単位は℃]
すなわち本発明は、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とするポリエステル樹脂であって、(x)の60〜100モル%が炭素数2〜6の脂肪族ジオールであり、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に存在する吸熱ピークの吸熱量(Q)とガラス転移温度(Tg)から下式(1)により求められるLの値が1〜30であるポリエステル樹脂(A)を25重量%以上含有することを特徴とするトナーバインダー;並びに、このトナーバインダーと、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー;である。
L=(Q×100)/(100−Tg) (1)
[但し、Qの単位はmJ/mg、Tgの単位は℃]
本発明のトナーバインダー、およびそれを用いた本発明のトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性、およびトナー流動性の何れにも優れ、とくに低温定着性に優れる。
ポリエステル樹脂(A)の示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に見られる吸熱ピークの吸熱量(Q)は、図1において斜線部で示す通り、階段状変化の高温側のベースラインを低温側に延長した直線とDSC曲線とで囲まれた部分の熱量で表される。(A)のQとTgから式(1)により求められるLは、(A)の分子の配列状態に関連する物性値であり、低温定着性、耐ホットオフセット性及びトナーの流動性の観点から、Lは通常1〜30、好ましくは3〜25、更に好ましくは5〜20、特に7〜16である。
尚、(A)は、その少なくとも一部が後述のポリエポキシド(e)で変性されていてもよい。
示差走査熱量計による第1回目の昇温時のDSC曲線は、JIS K7121−1987に規定の方法に準拠して測定される。具体的には、サンプル5.0mgを用いて、30℃から−20℃まで冷却速度毎分90℃で冷却し10分間保った後、120℃まで加熱速度毎分20℃で昇温し、第1回目の昇温時のDSC曲線を得る。
また、ガラス転移温度(Tg)はJIS K7121−1987に規定の補外ガラス転移開始温度(℃)であり、上記第1回目の昇温に引き続き、120℃で10分間保った後、−20℃まで冷却速度毎分90℃で冷却し13分間保った後、120℃まで加熱速度毎分20℃で昇温し、この第2回目の昇温時に測定されるDSC曲線を用いてガラス転移温度を求める。
測定装置としては、セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC/580等が使用できる。
尚、(A)は、その少なくとも一部が後述のポリエポキシド(e)で変性されていてもよい。
示差走査熱量計による第1回目の昇温時のDSC曲線は、JIS K7121−1987に規定の方法に準拠して測定される。具体的には、サンプル5.0mgを用いて、30℃から−20℃まで冷却速度毎分90℃で冷却し10分間保った後、120℃まで加熱速度毎分20℃で昇温し、第1回目の昇温時のDSC曲線を得る。
また、ガラス転移温度(Tg)はJIS K7121−1987に規定の補外ガラス転移開始温度(℃)であり、上記第1回目の昇温に引き続き、120℃で10分間保った後、−20℃まで冷却速度毎分90℃で冷却し13分間保った後、120℃まで加熱速度毎分20℃で昇温し、この第2回目の昇温時に測定されるDSC曲線を用いてガラス転移温度を求める。
測定装置としては、セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC/580等が使用できる。
本発明のトナーバインダー中に含有されるポリエステル樹脂(A)は、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とし、通常、1種以上のポリオール成分(x)と1種以上のポリカルボン酸成分(y)とが、必要により触媒の存在下、重縮合されて得られたものである。
ポリオール成分(x)は、60〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールを含有する。(x)中の炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、とくに好ましくは85〜100モル%、最も好ましくは90〜100モル%である。炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量が60モル%未満であると、樹脂強度が低下し、低温定着性が不足する。
ポリオール成分(x)は、60〜100モル%の炭素数2〜6の脂肪族ジオールを含有する。(x)中の炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、とくに好ましくは85〜100モル%、最も好ましくは90〜100モル%である。炭素数2〜6の脂肪族ジオールの含有量が60モル%未満であると、樹脂強度が低下し、低温定着性が不足する。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のアルカンジオールなどが挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、およびネオペンチルグリコールであり、さらに好ましくは1,2−プロピレングリコール、および1,2−プロピレングリコールとネオペンチルグリコールの併用である(併用する場合、合計に対しネオペンチルグリコールが0.01〜10モル%であるのが好ましい。)。
ポリオール成分中には、炭素数2〜6の脂肪族ジオール以外の多価アルコールを含有してもよい。
多価アルコールのうち2価アルコール(ジオール)としては、炭素数7〜36の脂肪族ジオール(1,7−ヘプタンジオール、およびドデカンジオール等);炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等);上記炭素数2〜6および7〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下AOと略記する)〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびブチレンオキシド等〕付加物(付加モル数2〜30);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
多価アルコールのうち2価アルコール(ジオール)としては、炭素数7〜36の脂肪族ジオール(1,7−ヘプタンジオール、およびドデカンジオール等);炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等);上記炭素数2〜6および7〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下AOと略記する)〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびブチレンオキシド等〕付加物(付加モル数2〜30);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
多価アルコールのうち3〜8価またはそれ以上のアルコールとしては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、および1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等:平均重合度3〜60)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中で、好ましくは、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物である。
これらの多価アルコールの中で、好ましくは、炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよびPO)付加物である。
ポリカルボン酸成分のうち脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸、およびセバシン酸等)、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、およびグルタコン酸等)、などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸としては、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10000](α−オレフィン/マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、および炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、さらに好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらの併用であり、とくに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、およびこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、ポリカルボン酸成分としては、芳香族ポリカルボン酸と脂肪族ポリカルボン酸とからなり、芳香族ポリカルボン酸を60モル%以上含有するものが好ましい。芳香族ポリカルボン酸の含有量の下限は、さらに好ましくは70モル%、とくに好ましくは80モル%であり、上限は、さらに好ましくは99モル%、とくに好ましくは98モル%である。芳香族ポリカルボン酸が60モル%以上含有されていることで、樹脂強度が上がり、低温定着性がさらに向上する。
また、本発明においては、ポリエステル樹脂(A)の特性を損なわない限り、ポリオール成分(x)およびポリカルボン酸成分(y)の合計に対して、10モル%以下の範囲で、上記以外の他のモノマー、例えば、安息香酸、p−置換安息香酸、o−置換安息香酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等及びこれらのメチル、エチルエステル等及びこれらの酸無水物等のモノカルボン酸;ベンジルアルコール、p−置換ベンジルアルコール、o−置換ベンジルアルコール、ラウリルアルコール、ミスチルアルコール、ステアリルアルコール等のモノオール、ε−カプロラクトン、メチルバレロラクトンおよびその開環重合物、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸等のヒドロキシカルボン酸誘導体等を使用することもできる。
必要により変性に用いるポリエポキシド(e)としては、ポリグリシジルエーテル(エチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエール、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル及びフェノールノボラックグリシジルエーテル化物等)及びジエンオキシド(ペンタジエンジオキシド及びヘキサジエンジオキシド等)等が挙げられる。
本発明においてポリエステル樹脂(A)は、反応終了までは、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜260℃、とくに好ましくは170〜240℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
また、脂肪族ジオール成分の一部を系外に留出除去させながら重縮合を行ってもよい。
さらに反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
なお、ポリエポキシド(e)変性ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば得られたポリエステル樹脂に(e)を加え、160℃〜260℃でポリエステルの分子伸長反応を行う方法が挙げられる。
また、脂肪族ジオール成分の一部を系外に留出除去させながら重縮合を行ってもよい。
さらに反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
なお、ポリエポキシド(e)変性ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば得られたポリエステル樹脂に(e)を加え、160℃〜260℃でポリエステルの分子伸長反応を行う方法が挙げられる。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくは、添加剤の均一混合性の観点からチタン含有触媒である。
触媒の添加量は、反応速度が最大になるように適宜決定することが望ましい。添加量としては、全原料に対し、好ましくは10ppm〜1.9%、さらに好ましくは100ppm〜1.7%である。添加量を10ppm以上とすることで反応速度が大きくなる点で好ましい。なお、上記および以下において、%は特に断りのない限り、重量%を意味する。
触媒の添加量は、反応速度が最大になるように適宜決定することが望ましい。添加量としては、全原料に対し、好ましくは10ppm〜1.9%、さらに好ましくは100ppm〜1.7%である。添加量を10ppm以上とすることで反応速度が大きくなる点で好ましい。なお、上記および以下において、%は特に断りのない限り、重量%を意味する。
ポリエステル樹脂(A)を得る際のポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
Lの値が1〜30のポリエステル樹脂(A)を得る方法としては、例えば上述のポリエステル樹脂の反応終了後、冷却する際にそのTgまで、時間をかけて冷却する方法が挙げられる。
反応温度からTgまでの冷却時間は好ましくは30分以上、更に好ましくは1時間以上、特に3時間以上である。冷却時間の上限は特に制限はないが、生産性の観点から15時間以下が好ましい。
尚、反応温度からTgまで急冷した後、更に加熱してTgよりも10℃以上高い温度で30分以上保ち、Tgまで30分以上かけて冷却する方法でも、Lの値を1〜30とすることができるが、前記の方法の方が製造に関わるエネルギーを低減できる点でより好ましい。
反応温度からTgまでの冷却時間は好ましくは30分以上、更に好ましくは1時間以上、特に3時間以上である。冷却時間の上限は特に制限はないが、生産性の観点から15時間以下が好ましい。
尚、反応温度からTgまで急冷した後、更に加熱してTgよりも10℃以上高い温度で30分以上保ち、Tgまで30分以上かけて冷却する方法でも、Lの値を1〜30とすることができるが、前記の方法の方が製造に関わるエネルギーを低減できる点でより好ましい。
以上の構成成分が重縮合されてなるポリエステル樹脂(A)は、軟化点が、好ましくは90〜170℃、さらに好ましくは93〜165℃である。また、Tgが、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは50〜70℃である。
軟化点を95℃以上とすることによりポリエステル樹脂の強靭性が良好となり、一方、160℃以下とすることによりトナーの溶融流動性および低温定着性を良好にすることができる。
また、Tgを45℃以上とすることによりトナーの耐ブロッキング性を良好とし、75℃以下とすることによりトナーの定着性能を良好にすることができる。
また、Tgを45℃以上とすることによりトナーの耐ブロッキング性を良好とし、75℃以下とすることによりトナーの定着性能を良好にすることができる。
ポリエステル樹脂(A)の、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のMnは、1000〜9500が好ましい。さらに好ましくは1200〜9300、とくに好ましくは1400〜9000である。Mnが1000以上であると樹脂強度が向上し、9500以下であると低温定着性、および樹脂の粉砕性が向上する。
また、(A)の、THF可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは1200〜50000、さらに好ましくは1500〜40000である。
また、(A)の、THF可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは1200〜50000、さらに好ましくは1500〜40000である。
なお、上記および以下において、ポリエステル樹脂のTHF可溶分のMn、Mpは、GPCを用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。
ポリエステル樹脂(A)中のTHF不溶解分は、低温定着性の点から、70%以下が好ましい。下限は、さらに好ましくは1%、とくに好ましくは2%、最も好ましくは3%であり、上限は、さらに好ましくは40%、とくに好ましくは30%である。
上記および以下において、THF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
上記および以下において、THF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
(A)の水酸基価(mgKOH/g)は、好ましくは70以下、さらに好ましくは50以下、とくに好ましくは1〜40である。水酸基価が70以下であると、環境安定性や帯電量が向上する。(A)の酸価(mgKOH/g)は、好ましくは60以下、さらに好ましくは1〜55、とくに好ましくは2〜50、最も好ましくは5〜48である。酸価が60以下であると環境安定性が向上する。また、適度の酸価を有している方が帯電の立ち上がりが向上する点で好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)は2種以上を併用してもよく、低温定着性と耐ホットオフセット性および粉砕性の両立の点で、線形ポリエステル樹脂(Aa)と非線形ポリエステル樹脂(Ab)とを各々1種以上併用してもよい。
線形ポリエステル樹脂(Aa)は、通常、前記ジオールとジカルボン酸を重縮合させて得られる。また分子末端を前記ポリカルボン酸(3価以上のものを含む)の無水物で変性したものであってもよい。
非線形ポリエステル樹脂(Ab)は、通常前記のジカルボン酸およびジオールと共に、前記の3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸および/または3〜8価またはそれ以上の多価アルコールを反応させて得られる。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸および/または3〜8価またはそれ以上の多価アルコールとしては、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(平均付加モル数2〜30)、および炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)が好ましく、さらに好ましくは、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸である。
(Ab)を得る場合の、3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸と3〜8価またはそれ以上の多価アルコールの比率は、これらのモル数の和が、全ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは3〜20モル%である。
線形ポリエステル樹脂(Aa)は、通常、前記ジオールとジカルボン酸を重縮合させて得られる。また分子末端を前記ポリカルボン酸(3価以上のものを含む)の無水物で変性したものであってもよい。
非線形ポリエステル樹脂(Ab)は、通常前記のジカルボン酸およびジオールと共に、前記の3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸および/または3〜8価またはそれ以上の多価アルコールを反応させて得られる。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸および/または3〜8価またはそれ以上の多価アルコールとしては、ノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物(平均付加モル数2〜30)、および炭素数9〜20の3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)が好ましく、さらに好ましくは、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸である。
(Ab)を得る場合の、3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸と3〜8価またはそれ以上の多価アルコールの比率は、これらのモル数の和が、全ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは3〜20モル%である。
線形ポリエステル樹脂(Aa)のTHF不溶解分は、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下、とくに好ましくは2%以下である。(Aa)のTHF不溶解分が少ない方が低温定着性向上の点で好ましい。
非線形ポリエステル樹脂(Ab)のTHF不溶解分は、好ましくは1〜70%である。下限は、さらに好ましくは2%、とくに好ましくは5%であり、上限は、さらに好ましくは60%、とくに好ましくは50%である。上記範囲のTHF不溶解分を含有させることは、耐ホットオフセット性が向上する点で好ましい。
非線形ポリエステル樹脂(Ab)のTHF不溶解分は、好ましくは1〜70%である。下限は、さらに好ましくは2%、とくに好ましくは5%であり、上限は、さらに好ましくは60%、とくに好ましくは50%である。上記範囲のTHF不溶解分を含有させることは、耐ホットオフセット性が向上する点で好ましい。
本発明のトナーバインダー中のポリエステル樹脂(A)の含有量は、耐オフセット性、低温定着性及びトナーの流動性の観点から、通常25%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは60%以上、とくに好ましくは80%以上である。
本発明のトナーバインダー中には、その特性を損なわない範囲で、トナー用樹脂として通常用いられる他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、Mnが1000〜100万の(A)以外のポリエステル樹脂(B)〔(A)とポリオール成分(x)の組成が異なるもの、組成が同じでL値が異なるもの等〕、スチレン系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリオレフィン樹脂にビニル樹脂がグラフトした構造を有する樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。他の樹脂は、(A)とブレンドしても良いし、一部反応させてもよい。
他の樹脂としては、(A)以外のポリエステル樹脂(B)が好ましい。(B)の含有量は、通常75%以下、好ましくは5〜60%である。
(B)以外の他の樹脂の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
本発明のトナーバインダー中には、その特性を損なわない範囲で、トナー用樹脂として通常用いられる他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、Mnが1000〜100万の(A)以外のポリエステル樹脂(B)〔(A)とポリオール成分(x)の組成が異なるもの、組成が同じでL値が異なるもの等〕、スチレン系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリオレフィン樹脂にビニル樹脂がグラフトした構造を有する樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。他の樹脂は、(A)とブレンドしても良いし、一部反応させてもよい。
他の樹脂としては、(A)以外のポリエステル樹脂(B)が好ましい。(B)の含有量は、通常75%以下、好ましくは5〜60%である。
(B)以外の他の樹脂の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
ポリエステル樹脂(A)を2種以上併用する場合、および少なくとも1種のポリエステル樹脂(A)と他の樹脂を混合する場合、予め粉体混合又は溶融混合してもよいし、トナー化時に混合してもよい。
溶融混合する場合の温度は、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜170℃、とくに好ましくは120〜160℃である。
80℃以上では充分に混合され、不均一となりにくく好ましい。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、180℃以下であると、エステル交換反応による平均化等が起こりにくく、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できる。
溶融混合する場合の温度は、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜170℃、とくに好ましくは120〜160℃である。
80℃以上では充分に混合され、不均一となりにくく好ましい。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、180℃以下であると、エステル交換反応による平均化等が起こりにくく、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できる。
溶融混合する場合の混合時間は、好ましくは10秒〜30分、さらに好ましくは20秒〜10分、とくに好ましくは30秒〜5分である。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合時間が30分以下であると、エステル交換反応による平均化等が起こりにくく、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できる。
溶融混合する場合、混合後の冷却の際に、混合温度から混合樹脂のうち最もTgの高い樹脂のTgまで30分以上かけて冷却することが好ましい。
混合温度からTgまでの冷却時間は好ましくは30分以上、更に好ましくは1時間以上、特に3時間以上である。冷却時間の上限は特に制限はないが、生産性の観点から15時間以下が好ましく、10時間以下がさらに好ましい。
溶融混合する場合、混合後の冷却の際に、混合温度から混合樹脂のうち最もTgの高い樹脂のTgまで30分以上かけて冷却することが好ましい。
混合温度からTgまでの冷却時間は好ましくは30分以上、更に好ましくは1時間以上、特に3時間以上である。冷却時間の上限は特に制限はないが、生産性の観点から15時間以下が好ましく、10時間以下がさらに好ましい。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、及び連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。これらのうちエクストルーダー及びコンティニアスニーダーが好ましい。
粉体混合する場合は、通常の混合条件及び混合装置で混合することができる。
粉体混合する場合は、通常の混合条件及び混合装置で混合することができる。
本発明のトナーは、バインダー樹脂となる本発明のトナーバインダーを主成分として含有し、着色剤、および必要に応じて、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等の1種以上の添加剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21,77,114など)、ピグメントイエロー(12,14,17,83など)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、バラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17,49,128,5,13,22,48・2など)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25,94,60,15・3など)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100部に対して、好ましくは0.1〜40部、さらに好ましくは0.5〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス(例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスなど)、炭素数30〜50の脂肪族アルコール(例えばトリアコンタノールなど)、炭素数30〜50の脂肪酸(例えばトリアコンタンカルボン酸など)およびこれらの混合物等が挙げられる。ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびポリメチレン(例えばサゾールワックス等のフィシャートロプシュワックスなど)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸カルシウムなど)、脂肪酸エステル(ベヘニン酸ベヘニルなど)が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム等が挙げられる。
本発明のトナーの組成比は、トナー重量に基づき、本発明のトナーバインダーが、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナーは、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、通常1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナーは、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本願各発明の実施例および比較例で得られたポリエステル樹脂の性質の測定法を次に示す。
1.水酸基価
JIS K1557(1970年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL30R150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
2.酸価
JIS K0070(1992年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、水酸基価と同様の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
3.軟化点(以下Tmとも記載する。)
島津(株)製フローテスターCFT−500を用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とする。
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
1.水酸基価
JIS K1557(1970年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL30R150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
2.酸価
JIS K0070(1992年版)に規定の方法。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、水酸基価と同様の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
3.軟化点(以下Tmとも記載する。)
島津(株)製フローテスターCFT−500を用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とする。
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
製造例1
[チタン含有触媒(t)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル2000部とテレフタル酸1000部を入れ、窒素にて液中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チタンテトライソプロポキシド600部を滴下しながら60℃で4時間反応させスラリー状物である反応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別し40℃/20kPaで乾燥させることで、チタントリイソプロポキシテレフタレートと未反応のテレフタル酸の混合物(t−1)(チタントリイソプロポキシテレフタレートの濃度65%)を得た。
[チタン含有触媒(t)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル2000部とテレフタル酸1000部を入れ、窒素にて液中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チタンテトライソプロポキシド600部を滴下しながら60℃で4時間反応させスラリー状物である反応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別し40℃/20kPaで乾燥させることで、チタントリイソプロポキシテレフタレートと未反応のテレフタル酸の混合物(t−1)(チタントリイソプロポキシテレフタレートの濃度65%)を得た。
製造例2
[チタン含有触媒(t)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)1617部とイオン交換水126部を入れ、窒素にて液中バブリング下、90℃まで徐々に昇温し、90℃で4時間反応(加水分解)させることで、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を得た。さらに、100℃にて、2時間減圧下で反応(脱水縮合)させることで、その分子内重縮合物(t−2)を得た。
[チタン含有触媒(t)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)1617部とイオン交換水126部を入れ、窒素にて液中バブリング下、90℃まで徐々に昇温し、90℃で4時間反応(加水分解)させることで、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を得た。さらに、100℃にて、2時間減圧下で反応(脱水縮合)させることで、その分子内重縮合物(t−2)を得た。
実施例1[ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)1042部(99.3モル部)、ネオペンチルグリコール11部(0.8モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体0.2部(0.002モル部)、テレフタル酸650部(28.4モル部)、イソフタル酸32.6部(1.4モル部)、アジピン酸66.7部(3.3モル部)、およびチタン含有触媒(t−1)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が96℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは675部であった。次いで200℃まで冷却し、無水トリメリット酸58部(2.2モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A−1)のMnは5200、Tgは68℃、Tmは162℃、酸価は25、水酸基価は5、THF不溶解分は11%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は2.8mJ/mg、Lの値は8.8であり、これをトナーバインダー(TB1)として使用した。
なお、( )内のモル部は相対的なモル比を意味する(以下同様)。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)1042部(99.3モル部)、ネオペンチルグリコール11部(0.8モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体0.2部(0.002モル部)、テレフタル酸650部(28.4モル部)、イソフタル酸32.6部(1.4モル部)、アジピン酸66.7部(3.3モル部)、およびチタン含有触媒(t−1)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が96℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは675部であった。次いで200℃まで冷却し、無水トリメリット酸58部(2.2モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A−1)のMnは5200、Tgは68℃、Tmは162℃、酸価は25、水酸基価は5、THF不溶解分は11%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は2.8mJ/mg、Lの値は8.8であり、これをトナーバインダー(TB1)として使用した。
なお、( )内のモル部は相対的なモル比を意味する(以下同様)。
実施例2[ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール1026部(99.3モル部)、ネオペンチルグリコール10部(0.7モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体2.0部(0.02モル部)、テレフタル酸652部(29モル部)、イソフタル酸20部(0.9モル部)、アジピン酸66部(3.3モル部)、およびチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)5.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が96℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは868部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸56部(2.1モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
ポリエステル樹脂(A−2)のMnは5100、Tgは62℃、Tmは159℃、酸価は25、水酸基価は2、THF不溶解分は13%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は2.4mJ/mg、Lの値は6.4であり、これをトナーバインダー(TB2)として使用した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール1026部(99.3モル部)、ネオペンチルグリコール10部(0.7モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体2.0部(0.02モル部)、テレフタル酸652部(29モル部)、イソフタル酸20部(0.9モル部)、アジピン酸66部(3.3モル部)、およびチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)5.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が96℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは868部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸56部(2.1モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
ポリエステル樹脂(A−2)のMnは5100、Tgは62℃、Tmは159℃、酸価は25、水酸基価は2、THF不溶解分は13%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は2.4mJ/mg、Lの値は6.4であり、これをトナーバインダー(TB2)として使用した。
実施例3[ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール1026部(100.0モル部)、ネオペンチルグリコール0.5部(0.03モル部)、テレフタル酸627部(28.0モル部)、イソフタル酸0.2部(0.01モル部)、アジピン酸113部(5.7モル部)、およびチタン含有触媒(t−2)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が92℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは642部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸92部(3.5モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−3)を得た。
ポリエステル樹脂(A−3)のMnは4000、Tgは60℃、Tmは151℃、酸価は25、水酸基価は1、THF不溶解分は10%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は3.0mJ/mg、Lの値は7.5であり、これをトナーバインダー(TB3)として使用した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール1026部(100.0モル部)、ネオペンチルグリコール0.5部(0.03モル部)、テレフタル酸627部(28.0モル部)、イソフタル酸0.2部(0.01モル部)、アジピン酸113部(5.7モル部)、およびチタン含有触媒(t−2)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が92℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは642部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸92部(3.5モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−3)を得た。
ポリエステル樹脂(A−3)のMnは4000、Tgは60℃、Tmは151℃、酸価は25、水酸基価は1、THF不溶解分は10%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は3.0mJ/mg、Lの値は7.5であり、これをトナーバインダー(TB3)として使用した。
実施例4[ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール1058部(100モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体1.2部(0.01モル部)、テレフタル酸981部(42.5モル部)、イソフタル酸0.1部(0.004モル部)、アジピン酸152部(7.5モル部)、およびチタン含有触媒(t−2)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が95℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは484部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸119部(3.5モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−4)を得た。ポリエステル樹脂(A−5)のMnは3600、Tgは61℃、Tmは164℃、酸価は25、水酸基価は1、THF不溶解分は19%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は3.1mJ/mg、Lの値は10.7であり、これをトナーバインダー(TB4)として使用した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール1058部(100モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体1.2部(0.01モル部)、テレフタル酸981部(42.5モル部)、イソフタル酸0.1部(0.004モル部)、アジピン酸152部(7.5モル部)、およびチタン含有触媒(t−2)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が95℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは484部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸119部(3.5モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25になった時点で取り出し、100℃まで3時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、ポリエステル樹脂(A−4)を得た。ポリエステル樹脂(A−5)のMnは3600、Tgは61℃、Tmは164℃、酸価は25、水酸基価は1、THF不溶解分は19%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は3.1mJ/mg、Lの値は10.7であり、これをトナーバインダー(TB4)として使用した。
実施例5
[線形ポリエステルの樹脂の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール1034部(100モル部)、テレフタル酸845部(37.4モル部)、およびチタン含有触媒(t−1)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が95℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは585部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸184部(7.0モル部)を加え、密閉下2時間反応後、取り出し、100℃まで2時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化し、線形ポリエステル樹脂(Aa−5)を得た。
線形ポリエステル樹脂(Aa−5)のMnは2500、Tgは60℃、Tmは93℃、酸価は48、水酸基価は40、THF不溶解分は1%、DSC測定で求めたで(Q)は1.2mJ/mg、Lの値は10.7であった。
[非線形ポリエステル樹脂の合成]
上記と同様の反応槽中に、プロピレングリコール1064部(99.5モル部)、ネオペンチルグリコール3部(0.2モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体36部(0.3モル部)、テレフタル酸340部(14.6モル部)、イソフタル酸260部(11.1モル部)、アジピン酸58部(2.8モル部)、およびチタン含有触媒(t−1)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ軟化点が98℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは735部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸77部(2.9モル部)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が30になった時点で取り出し、100℃まで2時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、非線形ポリエステル樹脂(Ab−5)を得た。
非線形ポリエステル樹脂(Ab−5)のMnは4000、Tgは64℃、Tmは161℃、酸価は30、水酸基価は10、THF不溶解分は26%、DSC測定で求めたで(Q)は3.2mJ/mg、Lの値は8.9であった。
[トナーバインンダーの作成]
線形ポリエステル樹脂(Aa−5)600部と非線形ポリエステル樹脂(Ab−5)400部を粉体混合して、トナーバインダー(TB5)を得た。
[線形ポリエステルの樹脂の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール1034部(100モル部)、テレフタル酸845部(37.4モル部)、およびチタン含有触媒(t−1)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が95℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは585部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸184部(7.0モル部)を加え、密閉下2時間反応後、取り出し、100℃まで2時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化し、線形ポリエステル樹脂(Aa−5)を得た。
線形ポリエステル樹脂(Aa−5)のMnは2500、Tgは60℃、Tmは93℃、酸価は48、水酸基価は40、THF不溶解分は1%、DSC測定で求めたで(Q)は1.2mJ/mg、Lの値は10.7であった。
[非線形ポリエステル樹脂の合成]
上記と同様の反応槽中に、プロピレングリコール1064部(99.5モル部)、ネオペンチルグリコール3部(0.2モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6)のEO5.6モル付加体36部(0.3モル部)、テレフタル酸340部(14.6モル部)、イソフタル酸260部(11.1モル部)、アジピン酸58部(2.8モル部)、およびチタン含有触媒(t−1)2.0部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ軟化点が98℃になった時点で冷却した。回収されたプロピレングリコールは735部であった。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸77部(2.9モル部)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が30になった時点で取り出し、100℃まで2時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、非線形ポリエステル樹脂(Ab−5)を得た。
非線形ポリエステル樹脂(Ab−5)のMnは4000、Tgは64℃、Tmは161℃、酸価は30、水酸基価は10、THF不溶解分は26%、DSC測定で求めたで(Q)は3.2mJ/mg、Lの値は8.9であった。
[トナーバインンダーの作成]
線形ポリエステル樹脂(Aa−5)600部と非線形ポリエステル樹脂(Ab−5)400部を粉体混合して、トナーバインダー(TB5)を得た。
実施例6
[線形ポリエステル樹脂の合成]
実施例5と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・EO2.2モル付加物427部(43.9モル部)、ビスフェノールA・PO2モル付加物577部(56.1モル部)、テレフタル酸374部(75.3モル部)、およびチタン含有触媒(t−2)2.0部を入れ、実施例5の線形ポリエステル樹脂(Aa−5)と同様にして反応させ、酸価が2以下になった時点で冷却した。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸157部(27.3モル部)を加え、密閉下2時間反応後、取り出した。取り出した樹脂を、100℃まで2時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、線形ポリエステル樹脂(Ba−6)を得た。
線形ポリエステル樹脂(Ba−6)のMnは4000、Tgは66℃、Tmは98℃、酸価は40、水酸基価は40、THF不溶解分は2%、DSC測定で求めたで(Q)は3.9mJ/mg、Lの値は11.5であった。
線形ポリエステル樹脂(Ba−6)300部と非線形ポリエステル樹脂(A−2)700部を粉体混合して、トナーバインダー(TB6)を得た。
[線形ポリエステル樹脂の合成]
実施例5と同様の反応槽中に、ビスフェノールA・EO2.2モル付加物427部(43.9モル部)、ビスフェノールA・PO2モル付加物577部(56.1モル部)、テレフタル酸374部(75.3モル部)、およびチタン含有触媒(t−2)2.0部を入れ、実施例5の線形ポリエステル樹脂(Aa−5)と同様にして反応させ、酸価が2以下になった時点で冷却した。180℃まで冷却後、無水トリメリット酸157部(27.3モル部)を加え、密閉下2時間反応後、取り出した。取り出した樹脂を、100℃まで2時間、さらに65℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、線形ポリエステル樹脂(Ba−6)を得た。
線形ポリエステル樹脂(Ba−6)のMnは4000、Tgは66℃、Tmは98℃、酸価は40、水酸基価は40、THF不溶解分は2%、DSC測定で求めたで(Q)は3.9mJ/mg、Lの値は11.5であった。
線形ポリエステル樹脂(Ba−6)300部と非線形ポリエステル樹脂(A−2)700部を粉体混合して、トナーバインダー(TB6)を得た。
比較例1
[比較のポリエステル樹脂の合成]
実施例1と同様に反応させて、酸価が25℃になった時点でベルト成型機で取り出しを行い3分間で30℃まで急冷し、粉砕し粒子化して、比較のポリエステル樹脂(A’−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A’−1)のMnは5000、Tgは63℃、Tmは155℃、酸価は25、水酸基価は4、THF不溶解分は10%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は0.2mJ/mg、Lの値は0.5であり、これを比較のトナーバインダー(TB’1)として使用した。
[比較のポリエステル樹脂の合成]
実施例1と同様に反応させて、酸価が25℃になった時点でベルト成型機で取り出しを行い3分間で30℃まで急冷し、粉砕し粒子化して、比較のポリエステル樹脂(A’−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A’−1)のMnは5000、Tgは63℃、Tmは155℃、酸価は25、水酸基価は4、THF不溶解分は10%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は0.2mJ/mg、Lの値は0.5であり、これを比較のトナーバインダー(TB’1)として使用した。
比較例2
[比較のポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物223部(19.7モル部)、ビスフェノールAのPO3モル付加物515部(38.9モル部)、ビスフェノールAのEO2モル付加物427部(39.8モル部)、フェノールノボラック(平均重合度約5)のPO5モル付加物44部(1.6モル部)、テレフタル酸426部(77.8モル部)、及び重縮合触媒としてジオクチルスズオキシド2.0部を入れ、230℃で窒素気流下で生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸200部を加え、常圧下で1時間反応させた後20〜40mmHgの減圧下で反応させ酸価が30になった時点で取り出し、100℃まで2時間、さらに60℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、比較のポリエステル樹脂(A’−2)を得た。
ポリエステル樹脂(A’−2)のMnは3300、Tgは55℃、Tmは150℃、酸価は30、水酸基価は36、THF不溶解分は34%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は3.7mJ/mg、Lの値は8.2であり、これを比較のトナーバインダー(TB’2)として使用した。
[比較のポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物223部(19.7モル部)、ビスフェノールAのPO3モル付加物515部(38.9モル部)、ビスフェノールAのEO2モル付加物427部(39.8モル部)、フェノールノボラック(平均重合度約5)のPO5モル付加物44部(1.6モル部)、テレフタル酸426部(77.8モル部)、及び重縮合触媒としてジオクチルスズオキシド2.0部を入れ、230℃で窒素気流下で生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸200部を加え、常圧下で1時間反応させた後20〜40mmHgの減圧下で反応させ酸価が30になった時点で取り出し、100℃まで2時間、さらに60℃まで2時間かけて冷却した後、室温まで放冷し、粉砕し粒子化して、比較のポリエステル樹脂(A’−2)を得た。
ポリエステル樹脂(A’−2)のMnは3300、Tgは55℃、Tmは150℃、酸価は30、水酸基価は36、THF不溶解分は34%、DSC測定で求めた吸熱量(Q)は3.7mJ/mg、Lの値は8.2であり、これを比較のトナーバインダー(TB’2)として使用した。
実施例〔1〕〜〔6〕、および比較例〔1〕〜〔2〕
トナーバインダー(TB1)〜(TB6)、および比較のトナーバインダー(TB’1)〜(TB’2)のそれぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100を10部、カルナバワックス2.5部、荷電制御剤T−77(保土谷化学製)1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が5μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T1)〜(T6)、および比較のトナー(RT1)〜(RT2)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
トナーバインダー(TB1)〜(TB6)、および比較のトナーバインダー(TB’1)〜(TB’2)のそれぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100を10部、カルナバワックス2.5部、荷電制御剤T−77(保土谷化学製)1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が5μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T1)〜(T6)、および比較のトナー(RT1)〜(RT2)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
トナー30部とフェライトキャリア(F−150:パウダーテック社製)800部を均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。該現像剤を用い、市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(SF8400A;シャープ製)の定着ユニットを改造し、熱ローラー温度を可変にした定着機を用いてプロセススピード250mm/secで評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視で評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕トナー流動性
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーの静かさ密度を測定し、トナー流動性を下記基準で判定した。△以上が実用範囲である。
静かさ密度 36g/100ml以上 :トナー流動性 ◎
33〜36 : ○
30〜33 : △
27〜30 : △×
27未満 : ×
〔1〕最低定着温度(MFT)
トナー30部とフェライトキャリア(F−150:パウダーテック社製)800部を均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。該現像剤を用い、市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(SF8400A;シャープ製)の定着ユニットを改造し、熱ローラー温度を可変にした定着機を用いてプロセススピード250mm/secで評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視で評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕トナー流動性
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーの静かさ密度を測定し、トナー流動性を下記基準で判定した。△以上が実用範囲である。
静かさ密度 36g/100ml以上 :トナー流動性 ◎
33〜36 : ○
30〜33 : △
27〜30 : △×
27未満 : ×
本発明のトナーバインダーは、高温高湿度下においても耐ブロッキング性、低温定着性に優れ、中速〜高速の複写機およびプリンター用、特にカラープリンター用トナーバインダーおよびトナーとして有用である。
1 吸熱ピーク
2 高温側のベースラインを低温側に延長した直線
3 吸熱量(Q)
2 高温側のベースラインを低温側に延長した直線
3 吸熱量(Q)
Claims (5)
- ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を構成成分とするポリエステル樹脂であって、(x)の60〜100モル%が炭素数2〜6の脂肪族ジオールであり、示差走査熱量計により測定される第1回目の昇温時のDSC曲線におけるガラス転移による階段状変化の高温側に存在する吸熱ピークの吸熱量(Q)とガラス転移温度(Tg)から下式(1)により求められるLの値が1〜30であるポリエステル樹脂(A)を25重量%以上含有することを特徴とするトナーバインダー。
L=(Q×100)/(100−Tg) (1)
[但し、Qの単位はmJ/mg、Tgの単位は℃] - ポリエステル樹脂(A)が、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)を反応させた後、反応終了時の温度からTgまで30分以上の時間をかけて冷却して得られるポリエステル樹脂である請求項1記載のトナーバインダー。
- 炭素数2〜6の脂肪族ジオールが、1,2−プロピレングリコール、または、1,2−プロピレングリコールとネオペンチルグリコールである請求項1または2記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A)が、チタン含有触媒(t)の存在下、ポリオール成分とポリカルボン酸成分を反応させて得られたものである請求項1〜3のいずれか記載のトナーバインダー。
- 請求項1〜4のいずれか記載のトナーバインダーと、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー。
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