JP2009009118A - トナー用樹脂およびトナー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 THF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、次の式(1)および(2)を満たすポリエステル樹脂(A)を含有することを特徴とするトナー用樹脂。
酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80mgKOH/g、水酸基価>3.0mgKOH/g) ・・・式(1)
THF不溶解分を重量%単位で表した数値/軟化点を℃単位で表した数値≦0.2
・・・式(2)
【選択図】 なし
Description
すなわち、本発明は、下記〔1〕および〔2〕である。
〔1〕THF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、次の式(1)および(2)を満たすポリエステル樹脂(A)を含有することを特徴とするトナー用樹脂。
酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80mgKOH/g、水酸基価>3.0mgKOH/g) ・・・式(1)
THF不溶解分を重量%単位で表した数値/軟化点を℃単位で表した数値≦0.2
・・・式(2)
〔2〕このトナー用樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
本発明のトナー用樹脂中のポリエステル樹脂(A)としては特に限定されず、例えば、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分とが1工程または2工程以上で重縮合されて得られたものが挙げられる。
(A)としては、ポリエステル樹脂の末端にさらにカルボン酸が反応されて得られたものが好ましく、以下に述べる、特定酸価および特定水酸基価を有するポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、これらカルボン酸の酸無水物およびこれらカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)とが反応されて得られたものがさらに好ましい。
上記(a)としては、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分とが重縮合されて得られたものが好ましい。
これらのポリオール成分の中で、好ましくは、炭素数2〜6のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数6〜36の脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくは、ビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよび/またはPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよび/またはPO)付加物である。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することもできる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒〔例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタニルカリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、およびチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)とその分子内重縮合物〕、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは1.4/1〜1/1、さらに好ましくは1.35/1〜1.1/1、とくに好ましくは1.35/1〜1.2/1である。なお、上記反応比率は、反応中に系外へ除去される成分があるときは、その分を除外した比率である。
ポリエステル樹脂(a)の酸価、水酸基価をこれらの範囲とするには、ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率で調整するのが有効である。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点 (分子量 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000 4480000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とした。
また、(b)として、酸無水物および、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
芳香族モノカルボン酸としては、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、メチル安息香酸、フェニルプロピオン酸、およびナフトエ酸等)などが挙げられる。
これらの中で、2価以上の芳香族カルボン酸が好ましく、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸がさらに好ましく、トリメリット酸、および無水トリメリット酸がとくに好ましい。
本発明における(A)の酸価は、15〜80であり、好ましくは18〜60である。また水酸基価は、3.0より大きく、好ましくは8.0より大きく、さらに好ましくは8.2〜40であり、特に好ましくは8.4〜25である。
酸価が15を下回る、あるいは水酸基価が3.0以下であると定着の強度が弱まる。また酸価が80を越えると、環境条件の影響を受けやすくなり、安定性が悪化する。
本発明において、(A)の酸価と水酸基価は、さらに次式(1)の関係を満たす。
酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80、水酸基価>3.0) ・・・式(1)
酸価/水酸基価が1未満であると、光沢度発現温度や定着温度域における光沢度が低下する。酸価/水酸基価は、好ましくは2〜10である。尚、式(1)を満たすポリエステル樹脂(A)を製造するためには、例えば、ポリエステル樹脂(a)とカルボン酸(b)との反応比率を調整することにより達成できる。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。還流温度から20℃まで冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
なお、本発明においては、フローテスターを用いて下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とした。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
THF不溶解分を重量%単位で表した数値/軟化点を℃単位で表した数値≦0.2
・・・式(2)
THF不溶解分/軟化点が0.2を越えると、低温定着性および耐ホットオフセット性の両立が困難であり、また光沢度発現温度や定着温度域における光沢度が低下する。THF不溶解分/軟化点は、好ましくは0.01〜0.19である。
尚、式(2)を満たすポリエステル樹脂(A)を製造するためには、例えば、ポリエステル樹脂(a)を製造した後に、(a)とカルボン酸(b)とを反応させる方法でポリエステル樹脂(A)を製造し、その際、(a)の水酸基価を10〜70mgKOH/gとし、かつ(a)と(b)の反応率を調整することで達成できる。具体的には、(a)と(b)の反応率を低くする〔すなわち、未反応の(a)の水酸基と(b)のカルボキシル基の量を多くする〕と、THF不溶解分/軟化点が下がり、逆に(a)と(b)の反応率を高くする〔すなわち、未反応の(a)の水酸基と(b)のカルボキシル基の量を少なくする〕とTHF不溶解分/軟化点が上がる。
Mp、Mw、およびMw/Mnが上記範囲内であると、耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスが良好である。
尚、200℃で加熱溶融した前後における軟化点の差は、次のようにして測定される。
(A)を3g入れた試験管を、200℃に温調したブロックバスに入れ、10分程度加熱溶解した後に、溶解した(A)を試験管ごと氷水中に投入し冷却する。加熱溶融した(A)および加熱溶融前の(A)について、前記の方法で軟化点を測定し、その差を求める。
尚、200℃での加熱溶融処理の方法は前項の方法と同じであり、またMpは前記したポリエステル樹脂のMp測定方法と同じである。
200℃で加熱溶融した前後における軟化点の差、および200℃で加熱溶融した前後におけるTHFに可溶な成分のMpの差を小さくする方法としては、例えば、(a)と(b)の反応終了後のポリエステル樹脂(A)の冷却を、ベルトクーラーなどの装置を用いて、より短時間で行う方法が挙げられる。
ポリエステル樹脂(B)は、通常、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られ、組成はとくに限定されない。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルを用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、前記ポリエステル樹脂(a)に用いるポリカルボン酸と同様である。
また水酸基価は、60以下が好ましく、50以下がさらに好ましく、5〜45がとくに好ましい。
ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
他の樹脂のMnは、300〜10万が好ましい。他の樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下である。
溶融混合する場合の温度は、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜170℃、とくに好ましくは120〜160℃である。
混合温度が低すぎると充分に混合できず、不均一となることがある。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合温度が高すぎると、エステル交換反応による平均化などが起こるため、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できなくなる場合がある。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽などのバッチ式混合装置、および連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続式混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロールなどが挙げられる。これらのうちエクストルーダーおよびコンティニアスニーダーが好ましい。
粉体混合する場合は、通常の混合条件および混合装置で混合することができる。
粉体混合する場合の混合条件としては、混合温度は、好ましくは0〜80℃、さらに好ましくは10〜60℃である。混合時間は、好ましくは3分以上、さらに好ましくは5〜60分である。混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物41部(0.13モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物457部(1.14モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物9部(0.01モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a1)とする。
ポリエステル樹脂(a1)の酸価は1.8、水酸基価は46、Mnは2500、Mpは5500であった。
ポリエステル樹脂(A1)の酸価は20、水酸基価は10、Mwは120000、Mpは11000、軟化点135℃、THF不溶解分は6重量%、すなわち、式(1)の左辺は2.0、式(2)の左辺は0.04であった。また、(A1)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は133℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−2℃)、Mpは、11500(加熱溶融前後のMpの変化率:+5%)であった。
ポリエステル樹脂(B1)の酸価は21、水酸基価は37、Mnは2000、Mpは4200、THF不溶解分は0重量%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物37部(0.11モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物407部(1.01モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a2)とする。
ポリエステル樹脂(a2)の酸価は2.1、水酸基価は38、Mnは3000、Mpは5800であった。
ポリエステル樹脂(A2)の酸価は30、水酸基価は12、Mwは70000、Mpは7600、軟化点130℃、THF不溶解分は20重量%、すなわち、式(1)の左辺は2.5、式(2)の左辺は0.15であった。また、(A2)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は132℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+2℃)、Mpは、7300(加熱溶融前後のMpの変化率:−4%)であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物3部(0.01モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物486部(1.21モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物23部(0.03モル)、テレフタル酸159部(0.96モル)、アジピン酸6部(0.04モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a3)とする。
ポリエステル樹脂(a3)の酸価は1.6、水酸基価は53、Mnは2000、Mpは4800であった。
ポリエステル樹脂(A3)の酸価は40、水酸基価は8.4、Mwは60000、Mpは6800、軟化点135℃、THF不溶解分は25重量%、すなわち、式(1)の左辺は4.8、式(2)の左辺は0.19であった。また、(A3)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は140℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+5℃)、Mpは、7300(加熱溶融前後のMpの変化率:+7%)であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下プロピレングリコールと記載)228部(3.0モル)、テレフタル酸141部(0.85モル)、アジピン酸22部(0.15モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が100℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a4)とする。ポリエステル樹脂(a4)の酸価は0.8、水酸基価は21、Mnは5500、Mpは9000であった。
ポリエステル樹脂(A4)の酸価は16、水酸基価は3.3、Mwは195000、Mpは14000、軟化点154℃、THF不溶解分は5重量%、すなわち、式(1)の左辺は4.9、式(2)の左辺は0.03であった。また、(A4)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は152℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−2℃)、Mpは、13600(加熱溶融前後のMpの変化率:−3%)であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物3部(0.01モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物98部(0.28モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物339部(0.84モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸141部(0.85モル)、フマル酸9部(0.08モル)、無水トリメリット酸9部(0.05モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a5)とする。
ポリエステル樹脂(a5)の酸価は1.3、水酸基価は39、Mnは1600、Mpは3300であった。
ポリエステル樹脂(A5)の酸価は24、水酸基価は23、Mwは53000、Mpは5000、軟化点142℃、THF不溶解分は28重量%、すなわち、式(1)の左辺は1.0、式(2)の左辺は0.20であった。また、(A5)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は150℃(加熱溶融前後の軟化点の差:+8℃)、Mpは、4800(加熱溶融前後のMpの変化率:−4%)であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物3部(0.01モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物572部(01.42モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.00モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が10以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a6)とする。
ポリエステル樹脂(a5)の酸価は7.6、水酸基価は84、Mnは900、Mpは2100であった。
ポリエステル樹脂(A6)の酸価は55、水酸基価は4.1、Mwは111000、Mpは5500、軟化点123℃、THF不溶解分は9重量%、すなわち、式(1)の左辺は13.4、式(2)の左辺は0.07であった。また、(A6)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は120℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−3℃)、Mpは、5800(加熱溶融前後のMpの変化率:+5%)であった。
前記ポリエステル樹脂(A1)を本発明のトナー用樹脂(7)とした。
ポリエステル樹脂(A2)600部とポリエステル樹脂(B1)400部を、コンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂(8)を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物572部(1.4モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(c1)とする。
ポリエステル樹脂(c1)の酸価は1.9、水酸基価は76、Mnは1000、Mpは2500であった。
ポリエステル樹脂(C1)の酸価は25、水酸基価は23、Mwは15000、Mpは5000、軟化点は135℃、THF不溶解分は35重量%、すなわち、式(1)の左辺は1.1、式(2)の左辺は0.26であった。
また、(C1)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は123℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−12℃)、Mpは、4000(加熱溶融前後のMpの変化率:−20%)であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物572部(1.4モル)、フェノールノボラック(平均官能基数5.6)のPO6モル付加物22部(0.03モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(c2)とする。
ポリエステル樹脂(c2)の酸価は1.8、水酸基価は46、Mnは2500、Mpは5500であった。
ポリエステル樹脂(C2)の酸価は18、水酸基価は36、Mwは25000、Mpは5500、軟化点は140℃、THF不溶解分は18重量%、すなわち、式(1)の左辺は0.5、式(2)の左辺は0.13であった。
また、(C2)を200℃で加熱溶融後、氷水で冷却したときの軟化点は130℃(加熱溶融前後の軟化点の差:−10℃)、Mpは、4000(加熱溶融前後のMpの変化率:−27%)であった。
本発明のトナー用樹脂(1)〜(8)および比較のトナー用樹脂(9)、(10)それぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T1)〜(T8)、および比較用のトナー組成物(T9)、(T10)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕トナーの耐ブロッキング性試験
上記トナー組成物を、50℃・85%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。同環境下において該現像剤のブロッキング状態を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シャープ製)でコピーした時の画質を観察した。
判定基準
◎:トナーのブロッキングがなく、3000枚複写後の画質も良好。
○:トナーのブロッキングはないが、3000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察さ
れる。
△:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚複写後の画質に乱れが観察される
。
×:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚までに画像が出なくなる
〔4〕光沢発現温度(GLOSS)
トナー30部とフェライトキャリア(F−150;パウダーテック社製)800部を均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。該現像剤を用い市販複写機(AR5030;シャープ製)で現像した未定着画像を、市販プリンター(LBP2160;キヤノン製)の定着ユニットを改造し熱ローラー温度を可変にした定着機でプロセススピード120mm/secで定着した。市販光沢計(MURAKAMI COLOR RESEARCH LABORATORY製 gmx−202−60型)を用い、定着画像の60゜光沢が10%以上となる定着ロール温度をもって光沢発現温度とした。
Claims (8)
- THF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が4500〜20000、軟化点が120〜180℃であり、次の式(1)および(2)を満たすポリエステル樹脂(A)を含有することを特徴とするトナー用樹脂。
酸価/水酸基価≧1(但し、酸価=15〜80mgKOH/g、水酸基価>3.0mgKOH/g) ・・・式(1)
THF不溶解分を重量%単位で表した数値/軟化点を℃単位で表した数値≦0.2
・・・式(2) - (A)が、酸価が6.0mgKOH/g以下かつ水酸基価が10〜70mgKOH/gのポリエステル樹脂(a)と、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、これらカルボン酸の酸無水物およびこれらカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルからなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸(b)とが反応されてなるポリエステル樹脂である請求項1記載のトナー用樹脂。
- (A)の重量平均分子量が30000〜300000である請求項1または2記載のトナー用樹脂。
- (A)を200℃で加熱溶融した前後の軟化点の差が10℃以下である請求項1〜3のいずれか記載のトナー用樹脂。
- (A)を200℃で加熱溶融した前後のTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量の変化率が10%以下である請求項1〜4のいずれか記載のトナー用樹脂。
- ポリエステル樹脂(A)とともに、さらに、THF不溶解分を含まないポリエステル樹脂(B)を含有する請求項1〜5のいずれか記載のトナー用樹脂。
- (A)と(B)の重量比〔(A)/(B)〕が、(A)と(B)の合計を100としたとき、(20〜100)/(80〜0)である請求項6記載のトナー用樹脂。
- 請求項1〜7のいずれか記載のトナー用樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
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