JP6666936B2 - トナーバインダー及びトナー - Google Patents
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Description
電子写真用には従来、電子写真感光体等の潜像坦持体に画像情報に基づく潜像を形成し、該潜像を対応する色のトナーにより現像し、次いで該トナー像を転写材上に転写するといった画像形成工程を繰り返した後、転写材上のトナー像を加熱定着して画像を得る方法や装置が知られている。
また、最近では用いられる転写材として、表面凹凸の大きい再生紙や、表面が平滑なコート紙など多くの種類の紙が用いられる。これらの転写材の表面性に対応するために、ソフトローラーやベルトローラーなどのニップ幅の広い定着器が好ましく用いられている。しかし、ニップ幅を広くすると、トナーと定着ローラーとの接触面積が増え、定着ローラーに溶融トナーが付着する、いわゆる高温オフセット現象が発生するため、耐オフセット性が要求されるのが前提である。
しかしながら、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリビニル樹脂は、相溶性が悪いため、十分な低温定着性が得られず、不十分なものであった。更に、非晶性ポリビニル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有する場合、極性及び化学構造が大きく異なると大きい結晶ドメインが形成される傾向がある。定着後の画像内において、大きい結晶ドメインが形成されると、画像表面に凹凸が生じてしまい、結果として、画像の光沢均一性が低下するという問題もある。
すなわち本発明は、結晶性樹脂(A)、非晶性ポリビニル樹脂(B)及び非晶性ポリエステル樹脂(C)を含有するトナーバインダーであって、前記結晶性樹脂(A)が結晶性ポリビニル樹脂(A5)であり、(A5)を構成する単量体中の炭素数18〜36の直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの重量割合が(A5)を構成する単量体の合計重量を基準として60重量%以上であり、(B)を構成する単量体中の芳香族ビニルモノマー(b1)の重量割合が(B)を構成する単量体の合計重量を基準として50〜95重量%であるトナーバインダー;前記トナーバインダーを含有するトナーである。
その結果、トナーとしての溶融粘度も低くなるため、定着時に、より低温での定着が可能となるので好ましい。
そのため、トナーバインダー中の(A)と(B)とは、加熱溶融時なら相溶する樹脂の組み合わせであっても、加熱溶融前では相溶せずに相分離した状態で存在することが好ましい。
上記のような(A)と(B)が相溶しやすい樹脂の組み合わせ、かつ加熱溶融前では相溶せずに相分離した状態となっていても、熱定着時に加熱により定着媒体上で溶融した(A)が、冷却により(B)中で相分離して結晶化するまでには時間を要するため、画像表面の硬度が速やかに回復できない。
しかし、(C)を含有していると、上記の特性を維持した状態で、ローラー跡による光沢変化や傷の発生が解消することがわかり本発明に至った。理由は明確ではないが、定着時に加熱溶融されたトナーバインダー中の(C)が画像表面に相分離された結果、ローラー通過中の画像表面の粘度や貯蔵弾性率が上がりローラー圧力に対する強度が上がっていると推定している。
より好ましくは関係式(2)を満たすものであり、さらに好ましくは関係式(3)を満たすものであり、最も好ましくは関係式(4)を満たすものである。
Q2/Q1≦0.30 (2)
Q2/Q1≦0.10 (3)
Q2/Q1=0 (4)
Q2/Q1を小さくしたい場合は結晶性樹脂(A)又は非晶性ポリビニル樹脂(B)の重量平均分子量を小さくしたり、非晶性ポリビニル樹脂(B)の溶解度パラメータ(SP値)であるSPBと結晶性樹脂(A)の溶解度パラメータであるSPAとの差を小さくすることで制御できる。
また結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークが結晶性樹脂(A)由来ではない吸熱ピークと重なる場合は、結晶性樹脂(A)由来ではない吸熱ピーク分を差し引いて求める。なお、トナーバインダーに更に配合する原料のうち、ワックスなどの結晶性の原料は吸熱ピークを発現する場合がある。このような場合は、吸熱ピーク面積を合算した値から、結晶性樹脂(A)由来ではない結晶性物質単体の融解熱量(Qw0)と、トナー中の結晶性樹脂(A)由来ではない結晶性物質単体の含有量(qw)から以下の式より算出される値(Qw)を結晶性樹脂(A)由来ではない結晶性物質単体の融解熱量として、吸熱ピーク面積を合算した値から差し引くことで算出できる。
結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークトップ温度Ta(℃)としての範囲は好ましくは50〜100℃、更に好ましくは53〜90℃、特に好ましくは55〜85℃である。トナーバインダーの耐熱保存性、耐湿熱保存性、トナー耐久性及び帯電性の観点からTaは50以上が好ましく、低温定着性及び光沢性の観点から100以下が好ましい。
なお、ピークトップ温度とは、DSCチャートの吸熱ピークの凹部の最も深い箇所の温度のことを指す。
そして、結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークが2つ以上ある場合は、少なくとも1つがこの範囲にあればよい。
(A)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明における「酸(塩)」の表記は、「酸及び/又は酸塩」を意味する。
酸塩を構成する塩としては、アンモニウム塩、アミン塩(メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、プロピルアミン塩、ジプロピルアミン塩、トリプロピルアミン塩、ブチルアミン塩、ジブチルアミン塩、トリブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、N−メチルエタノールアミン塩、N−エチルエタノールアミン塩、N,N−ジメチルエタノールアミン塩、N,N−ジエチルエタノールアミン塩、ヒドロキシルアミン塩、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン塩及びモルホリン塩等)、4級アンモニウム塩[テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩及びトリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム塩等]及びアルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)が挙げられる。
また、アルカンジカルボン酸及び/又はアルケンジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸及びこれらの低級アルキルエステル類等)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、結晶性、低温定着性及び耐熱保存性の観点から、20モル%以下が好ましい。
鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、直鎖状脂肪族ジイソシアネート(エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、及びドデカメチレンジイソシアネート等)、分岐状脂肪族ジイソシアネート(2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等)及びこれらの混合物等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ジアミンとしては、鎖状脂肪族ジアミン及び環状脂肪族ジアミン等が挙げられる。
これらの重合性二重結合とエステル基とを有する単量体のうち結晶性、低温定着性及び耐熱保存性の観点から炭素数1〜50の直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数18〜36の直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートがさらに好ましく、ステアリル(メタ)アクリレート及びベヘニル(メタ)アクリレートが最も好ましい。
重合性二重結合とエステル基とを有する単量体の重量割合は、(A5)を構成する単量体の合計重量を基準として、結晶性の観点から30重量%以上が好ましく、さらに好ましくは60重量%以上であり、最も好ましくは90重量%以上である。
結晶性エポキシ樹脂(A6)としては、例えば、ポリエポキシドの開環重合物、ポリエポキシドと活性水素含有化合物[水、前記ジオール(x)、ジカルボン酸(y)及びジアミン(z)等]との重付加物等が挙げられる。
結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法としては特に限定されず、公知のいずれの方法でもよい。
アイソタクティシティが50%以上であるポリオキシアルキレングリコールは、その末端を例えば、カルボキシル基になるように変性したものであってもよい。なお、アイソタクティシティが50%以上であると、一般的にポリオキシアルキレンポリオールは結晶性を有する。
上記グリコールとしては、前記ジオール成分(x)等が挙げられ、カルボキシ変性するのに用いるカルボン酸としては、前記ジカルボン酸成分(y)等が挙げられる。
低温定着性の観点から50,000以下が好ましく、耐熱保存性の観点から3,000以上が好ましい。
装置(一例) :「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSK GEL GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をグラスフィルターでろ別したもの)
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
(A)中の分子量が1,500以下の成分の含有率は、上記のGPCの条件で(A)の分子量分布曲線を得た後、(A)の分子量分布曲線の全面積に対する、分子量分布曲線中の分子量が1,500以下の部分の面積の比率から算出することができる。ただし、システムピークは除外して算出する。
本発明において、酸価はJIS K0070に規定の方法で測定することができる。
これはトナーを懸濁重合法で作成する場合、芳香族ビニルモノマー(b1)中に結晶性樹脂(A)を均一に溶解し易くなり、トナーの均一性が増し帯電性や耐熱保存性が良好になるためである。
サンプル作製としては、結晶性樹脂(A)1.00gを吸熱ピークトップ温度Ta(℃)以上の温度でキシレン100gに溶解又は分散し、25℃まで冷却したものを遠心分離機により、遠心分離を行い、上澄み液を除去した後、減圧乾燥(170℃、2時間)し、キシレン不溶分を得て、キシレン不溶分の重量を小数点以下第4位まで測定し、下記式により(A)のキシレン不溶分を算出する。
結晶性樹脂(A)のキシレン不溶分(重量%)=(キシレン不溶分の重量(g)/1.00)×100
尚、遠心分離の条件は以下の通りである。
<遠心分離条件>
遠心分離機:H−19F(株式会社コクサン製)
回転速度 :4000rpm
回転時間 :20分
これらのうちエステル基濃度の制御、SP値の制御及び低温定着性の観点から好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びこれらの2種以上の混合物である。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリル」の表記は、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
不飽和モノカルボン酸(b31)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等が挙げられる。
また、不飽和ジカルボン酸(b32)としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びメサコン酸等が挙げられる。
更に、不飽和ジカルボン酸の酸無水物(例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の酸無水物)やモノアルキル(炭素数1〜10)エステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)も使用できる。
低温定着性の観点から0.1mgKOH/g以上が好ましく、耐熱保存性の観点から40mgKOH/g以下が好ましい。
X=0.61×AV−0.64×(|SPB−SPA|−0.5)−0.35×(|EB−EA|+20)−0.50×Mw/10,000+18.0
20≦X≦45 (6)
20≦X≦35 (7)
20≦X≦30 (8)
また、EBは非晶性ポリビニル樹脂(B)のエステル基濃度(重量%)、EAは結晶性樹脂(A)のエステル基濃度(重量%)、Mwは非晶性ポリビニル樹脂(B)の重量平均分子量を表す。
エステル基濃度(単位:重量%)=[(N×44)/数平均分子量]×100 (9)ここで、Nは(A)又は(B)の1分子当りのエステル基数の平均であり、44はエステル基[−C(=O)O−]の式量である。
実際のエステル基濃度を算出するにあたり、核磁気共鳴スペクトル(NMR)等で(A)を構成するモノマー組成とエステル基数を求めて算出する方法や、(A)の製造に供した原料の量比からエステル基数を求めて算出する方法がある。本発明では(A)及び(B)の製造に供した原料の量比からエステル基数を求めて算出する。
Xを調整するには、例えばXを小さくする場合、非晶性ポリビニル樹脂(B)の酸価を下げる、非晶性ポリビニル樹脂(B)の溶解度パラメータと結晶性樹脂(A)の溶解度パラメータの差を大きくする、非晶性ポリビニル樹脂(B)のエステル基濃度と結晶性樹脂(A)のエステル基濃度の差を大きくする、分子量を上げる等で達成できる。
10≦Tg1−Tg2≦30 (10)
また、Tg2はトナーバインダーの第1回目の昇温過程でTg1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで毎分10℃で再び昇温したときに検出される第2回目の昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。
Tg1−Tg2の値が10℃以上であると、トナーの低温定着性が良好であり、また30℃以下であると、トナー化時に相分離状態を維持できる。
Tg1−Tg2を調整するには、例えばTg1−Tg2を小さくする場合、結晶性樹脂(A)の重量比を下げる、結晶性樹脂(A)と非晶性ポリビニル樹脂(B)を分離しやすくするため、非晶性ポリビニル樹脂(B)の溶解度パラメータと結晶性樹脂(A)の溶解度パラメータの差を大きくする、非晶性ポリビニル樹脂(B)のエステル基濃度と結晶性樹脂(A)のエステル基濃度の差を大きくする、非晶性ポリビニル樹脂(B)の重量平均分子量を上げる等で達成できる。
低温定着性の観点から5重量%以上が好ましく、耐熱保存性の観点から50重量%以下が好ましい。
耐熱保存性の観点から10重量%以上が好ましく、低温定着性の観点から85重量%以下が好ましい。
これらの重合方法のうち、分子量制御の観点から好ましいのは、溶液重合、懸濁重合、塊状重合及びこれらの組み合わせである。
これらのうち好ましいのは、ジ−t−ブチルパーオキサイド、及び2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
これらのうち、操作性の観点から好ましいのは芳香族炭化水素系溶剤、更に好ましくは、キシレン、トルエン及びエチルベンゼンである。
(C)は理想的には(A)とも(B)とも相溶しないことが好ましく、例えば(A)や(B)よりも(C)の極性を高くしたり、(C)に架橋構造を持たせたりすることで非相溶状態を得やすいため好ましい方法である。
これらモノオールのうち好ましいものは炭素数8〜24の直鎖アルキルアルコールであり、更に好ましくはドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールである。
これらは、1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
これらのジオール(X22)うち、低温定着性及び耐熱保存性の観点から、芳香族ジオール(X225)が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物がさらに好ましい。
アルキレンオキサイドにおいて、アルキレン基の炭素数は好ましくは2〜4(エチレンオキサイド、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−、1,3−又はiso−ブチレンオキサイド及びテトラヒドロフラン等)である。
[式中、Pは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO2−、−O−、−S−、又は直接結合を表し;Arは、水酸基及びPが結合する部分以外の水素原子がハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物のうち、トナーの定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO及び/又はPO付加物(平均付加モル数2〜4が好ましく、さらに好ましくは2〜3)である。
特に好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、3価の脂肪族多価アルコール及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(AO単位の数として好ましくは2〜5)であり、最も好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(AO単位の数として好ましくは2〜3)である。
またアルコール成分中にビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物を10モル%以上含有することが好ましく、30モル%以上含有することが更に好ましく、50モル%以上含有することが最も好ましい。
更に好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの組み合わせである。また、これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも同様に好ましい。
脂肪族カルボン酸(Y22)としては、例えば、炭素数2〜50の脂肪族モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等)、炭素数2〜50の脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)等が挙げられる。
耐熱保存性、帯電性の観点から更に好ましくは、アジピン酸、アルキルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの組み合わせであり、特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びこれらの組み合わせである。また、これらの酸の無水物や低級アルキルエステルであってもよい。
これは芳香族ビニルモノマー(b1)中に非晶性ポリエステル樹脂(C)を均一に溶解し易くなり、トナーの均一性が増し帯電性や耐熱保存性が良好になるためである。またトナーを懸濁重合法で作成する場合に特に有効である。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、更に好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに好ましくは2〜40時間である。
エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒{チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等}、及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
非晶性ポリエステル樹脂(C)の酸価は、(C)と(A)や(B)との相溶性を極性((C)と(A)や(B)との極性を離す)により制御したい場合や帯電性安定性の観点から、好ましくは1〜80mgKOH/gであり、より好ましくは2〜70mgKOH/gであり、更に好ましくは5〜60mgKOH/gであり、特に好ましくは、10〜50mgKOH/gである。
非晶性ポリエステル樹脂(C)の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定することができる。
具体的には、ポリエステル樹脂(C0)が炭素−炭素二重結合を有するポリエステル樹脂であり、(C0)由来の炭素−炭素二重結合同士で架橋反応を行い、少なくとも一部を架橋させて炭素−炭素結合を生成する方法が挙げられ、好ましい方法である。
更に、炭素−炭素二重結合を有するポリエステル樹脂(C0)は、不飽和カルボン酸成分(Y1)及び不飽和アルコール成分(X1)以外に、飽和アルコール成分(X2)や、飽和カルボン酸成分(Y2)を構成原料として含んでいてもよい。また、これら成分は、1種単独で重縮合していてもよく、複数種類が重縮合していてもよい。
なお、本明細書において、不飽和カルボン酸成分(Y1)であるか、飽和カルボン酸成分(Y2)であるかの判断に、芳香環の結合は考慮しない。すなわち、芳香環部分以外が不飽和カルボン酸である化合物は、不飽和カルボン酸成分(Y1)と判断し、芳香環部分以外が飽和カルボン酸である化合物は、飽和カルボン酸成分(Y2)と判断する。
同様に、不飽和アルコール成分(X1)であるか、飽和アルコール成分(X1)であるかの判断に芳香環の結合は考慮しない。すなわち、芳香環部分以外が不飽和アルコールである化合物は、不飽和アルコール成分(X1)と判断し、芳香環部分以外が飽和アルコールである化合物は、飽和アルコール成分(X2)と判断する。
ポリエステル樹脂(C1)のガラス転移温度は、更に好ましくは−30〜50℃であり、特に好ましくは−20〜40℃であり、最も好ましくは−10〜35℃である。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えばセイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
ポリエステル樹脂(C2)のガラス転移温度は、更に好ましくは57〜77℃であり、特に好ましくは60〜75℃であり、最も好ましくは63〜73℃である。
まず、カルボン酸成分及びアルコール成分(不飽和カルボン酸成分(Y1)及び/又は不飽和アルコール成分(X1)を構成原料として含む)とを構成原料として縮合反応させて分子内に炭素−炭素二重結合を有するポリエステル樹脂(C0)を得る。次に、ポリエステル樹脂(C0)にラジカル反応開始剤(c)を作用させて、ラジカル反応開始剤(c)から発生するラジカルを利用して、ポリエステル樹脂(C0)中の不飽和カルボン酸成分(Y1)及び/又は不飽和アルコール成分(X1)に起因する炭素−炭素二重結合同士を架橋反応により結合させる。これにより非晶性ポリエステル樹脂(C)を製造することができる。この方法は、架橋反応を短時間で均一にできる点で好ましい方法である。
更に、架橋反応が効率よく進行し、使用量が少なくて済むことから、水素引抜き能の高い反応開始剤が特に好ましく、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド、t−ブチルパーオキシラウレート等の水素引抜き能の高いラジカル反応開始剤が、特に好ましい。
ラジカル反応開始剤(c)の使用量が、0.1重量部以上の場合に架橋反応が進行し易くなる傾向にあり、50重量部以下の場合に、臭気が良好となる傾向にある。この使用量は、30重量部以下であることがより好ましく、20重量部以下であることが更に好ましく、10重量部以下であることが特に好ましい。
具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21、77及び114等)、ピグメントイエロー(12、14、17及び83等)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17、49、128、5、13、22及び48・2等)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25、94、60及び15・3等)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末、マグネタイト、ヘマタイト並びにフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
離型剤としては、天然ワックス(蜜ろう、カルナバワックス及びモンタンワックス等)、石油ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びペトロラタム等)、合成ワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス及び酸化ポリプロピレンワックス等)、及び合成エステルワックス(炭素数10〜30の脂肪酸と炭素数10〜30のアルコールから合成される脂肪酸エステル等)等が挙げられ、これらの離型剤からなる群より選ばれる1種類以上を含有することが好ましい。
なお、トナーの体積平均粒径は、コールターカウンター「マルチサイザーIV」(ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
その際に、結晶性樹脂(A)と、非晶性ポリビニル樹脂(B)及び/又は非晶性ポリビニル樹脂(B)を構成するモノマー(b)と非晶性ポリエステル樹脂(C)が混合される工程を含み、この混合工程以後の製造工程の温度を結晶性樹脂(A)の吸熱ピークの最大温度(Ta)以下に維持することが好ましい。この混合工程以降に上記温度となるように温度管理を行うことで、トナー中に(A)と(B)を相分離したままの状態で存在させることができ、耐熱保存性の観点から好ましい。
たとえば、重合法のように、非晶性ポリビニル樹脂(B)を構成するモノマー(b1)〜(b4)に(A)及び(C)又は(C0)を融解又は溶解させた状態でモノマーの重合反応を実施する方法においても、重合反応温度を(A)の吸熱ピークの最大温度(Ta)以下に維持することで、重合の進行と共に(A)及び(C)が析出し、更に重合以降の工程についても同様の温度条件で温度管理を行なうことで、相分離状態のトナーを製造することができ、耐熱保存性の観点から好ましい。
トナー粒子等の試料約2.00gをはかりとり、120℃で1時間の条件で乾燥する。乾燥後の試料を取り出し重量を小数点第2位まで測定し、(乾燥後の試料の重量/乾燥前の試料の重量)×100から固形分濃度を算出し、{(乾燥前の試料の重量−乾燥後の試料の重量)/乾燥前の試料の重量}×100から揮発分を算出する。
い。
なお、以下において実施例1〜6、及び9〜15は参考例1〜13を意味する。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、1,6−ヘキサンジオール426重量部、セバシン酸697重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、180℃に昇温し、同温度で窒素気流下に生成する水を留去しながら4時間反応させ、次いで220℃まで昇温した後、窒素気流下に生成する水を留去しながら4時間反応した。更に同温度で0.007〜0.026MPaの減圧下で水を留去しながら、酸価が0.5以下になるまで反応させ、結晶性樹脂(A−1)を得た。
オートクレーブにキシレン150重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でベヘニルアクリレート1000重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド2.3重量部及びキシレン1000重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持して、結晶性樹脂(A−2)のキシレン溶液を得た。次いで、得られたキシレン溶液を、1kPa以下でキシレンを除去しながら170℃に降温した。ガスクロマトグラフィーにより樹脂中のキシレンが1,000ppmであることを確認して、結晶性樹脂(A−2)を得た。
オートクレーブにキシレン150重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でベヘニルアクリレート600重量部、スチレン400重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド2.3重量部及びキシレン1000重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持して、結晶性樹脂(A−3)のキシレン溶液を得た。次いで、得られたキシレン溶液を、1kPa以下でキシレンを除去しながら170℃に降温した。ガスクロマトグラフィーにより樹脂中のキシレンが1,000ppmであることを確認して、結晶性樹脂(A−3)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、1,6−ヘキサンジオール412重量部、セバシン酸687重量部、ベヘニルアルコール22重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、200℃に昇温し、同温度で窒素気流下に生成する水を留去しながら4時間反応させ、次いで220℃まで昇温した後、0.007〜0.026MPaの減圧下で水を留去しながら、酸価が9.2になるまで反応させ、結晶性樹脂(A−4)を得た。
オートクレーブにキシレン80重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でスチレン90.0重量部、n−ブチルアクリレート8.0重量部、アクリル酸2.0重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.23重量部及びキシレン35重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持して、非晶性ポリビニル樹脂(B−1)のキシレン溶液を得た。次いで、得られたキシレン溶液を、1kPa以下でキシレンを除去しながら170℃に降温した。ガスクロマトグラフィーにより樹脂中のキシレンが1,000ppm、モノマーが1,000ppm以下であることを確認して、非晶性ポリビニル樹脂(B−1)を得た。
オートクレーブにキシレン80重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でスチレン65.0重量部、n−ブチルアクリレート31.2重量部、アクリル酸3.8重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.23重量部及びキシレン35重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持して、非晶性ポリビニル樹脂(B−2)のキシレン溶液を得た。次いで、得られたキシレン溶液を、1kPa以下でキシレンを除去しながら170℃に降温した。ガスクロマトグラフィーにより樹脂中のキシレンが1,000ppm、モノマーが1,000ppm以下であることを確認して、非晶性ポリビニル樹脂(B−2)を得た。
オートクレーブにキシレン80重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でスチレン95.0重量部、n−ブチルアクリレート4.4重量部、アクリル酸0.5重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.23重量部及びキシレン35重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持して、非晶性ポリビニル樹脂(B−3)のキシレン溶液を得た。次いで、得られたキシレン溶液を、1kPa以下でキシレンを除去しながら170℃に降温した。ガスクロマトグラフィーにより樹脂中のキシレンが1,000ppm、モノマーが1,000ppm以下であることを確認して、非晶性ポリビニル樹脂(B−3)を得た。
オートクレーブにキシレン80重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でスチレン100.0重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.23重量部及びキシレン35重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持して、非晶性ポリビニル樹脂(B’−1)のキシレン溶液を得た。次いで、得られたキシレン溶液を、1kPa以下でキシレンを除去しながら170℃に降温した。ガスクロマトグラフィーにより樹脂中のキシレンが1,000ppm、モノマーが1,000ppm以下であることを確認して、非晶性ポリビニル樹脂(B’−1)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物562重量部、ビスフェノールA・PO3モル付加物162重量部、テレフタル酸158重量部、フマル酸1重量部、縮合触媒としてシュウ酸チタン酸カリウム2重量部を入れ、235℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。次に180℃に冷却した後、イソフタル酸158重量部を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。次いで無水トリメリット酸22部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、非晶性ポリエステル樹脂(C−1)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物751重量部、テレフタル酸132重量部、アジピン酸142重量部、フマル酸46重量部、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6重量部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール5重量部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた後取り出し、非晶性ポリエステル樹脂(C−2)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物751重量部、テレフタル酸132重量部、アジピン酸142重量部、フマル酸46重量部、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6重量部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール5重量部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた後取り出し、ポリエステル樹脂(C0−1)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物148重量部、ビスフェノールA・PO2モル付加物630重量部、テレフタル酸279重量部、フマル酸1重量部、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、235℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(C0−2)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、製造例1で製造した結晶性樹脂(A−1)15重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌下65℃に昇温し、同温度で30分間撹拌し結晶性樹脂を溶解させた後、1時間かけて10℃まで冷却して結晶性樹脂を微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、結晶性樹脂分散液(AD−1)を得た。(AD−1)中の(A−1)の体積平均粒径は0.5μm、固形分濃度は50重量%であった。
撹拌装置を備えた反応容器に、非晶性ポリビニル樹脂(B−1)を50重量部、酢酸エチル50重量部を投入し、撹拌して樹脂を均一に溶解させ、非晶性ポリビニル樹脂溶液(BS−1)を得た。
撹拌装置を備えた反応容器に、非晶性ポリビニル樹脂(B’−1)を50重量部、酢酸エチル50重量部を投入し、撹拌して樹脂を均一に溶解させ、非晶性ポリビニル樹脂溶液(BS’−1)を得た。
撹拌装置を備えた反応容器に、非晶性ポリエステル樹脂(C−1)を50重量部、酢酸エチル50重量部を投入し、撹拌して樹脂を均一に溶解させ、非晶性ポリエステル樹脂溶液(CS−1)を得た。
撹拌装置を備えた反応容器に、非晶性ポリエステル樹脂(C−2)を50重量部、酢酸エチル50重量部を投入し、撹拌して樹脂を均一に溶解させ、非晶性ポリエステル樹脂溶液(CS−2)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」[Tr:73℃、100℃における動粘度:7mm2/s、日本精鑞(株)製]10重量部、酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、離型剤分散液を得た。得られた離型剤分散液の体積平均粒径は0.25μm、固形分濃度は50重量%であった。
結晶性樹脂(A−1)10重量部、非晶性ポリビニル樹脂(B−1)72重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C−1)5重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−1)を得た。
結晶性樹脂(A−1)10重量部、非晶性ポリビニル樹脂(B−1)72重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C−2)5重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−2)を得た。
反応容器中のイオン交換水1000重量部に、リン酸ナトリウム14重量部ならびに10重量%塩酸を4.5重量部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10重量部に7.8重量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
・スチレン 65重量部
・n−ブチルアクリレート 6重量部
・アクリル酸 1重量部
・結晶性樹脂(A−1) 10重量部
・非晶性ポリエステル樹脂(C−1) 5重量部
・着色剤 カーボンブラックMA−100 6重量部
・離型剤 パラフィンワックス「HNP−9」 6重量部
を加え、上記材料を66℃に保温し、TK式ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシラウレート(日油(株)製、商品名「パーブチルL」、分子量:272、10時間半減期温度:98.3℃、活性酸素量:5.24%)3.0重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−3)を得た。
反応容器中のイオン交換水1000重量部に、リン酸ナトリウム14重量部ならびに10重量%塩酸を4.5重量部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10重量部に7.8重量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
・スチレン 65重量部
・n−ブチルアクリレート 6重量部
・アクリル酸 1重量部
・結晶性樹脂(A−1) 10重量部
・非晶性ポリエステル樹脂(C−2) 5重量部
・着色剤 カーボンブラックMA−100 6重量部
・離型剤 パラフィンワックス「HNP−9」 6重量部
(ここで(C−2)は炭素−炭素二重結合を有するポリエステル樹脂(C0)として用いた。)
を加え、上記材料を66℃に保温し、TK式ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシラウレート(日本油脂社製、商品名「パーブチルL」、分子量:272、10時間半減期温度:98.3℃、活性酸素量:5.24%)3.0重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、ポリエステル樹脂(C0)が炭素−炭素結合により架橋されたポリエステル樹脂(C)を含有する本発明のトナー(T−4)を得た。
製造例13〜18で得られた分散液(AD−1)、溶液(BS−1)、(CS−1)、(CS−2)、離型剤分散液を用いて、結晶性樹脂(A−1)、非晶性ポリビニル樹脂(B−1)、非晶性ポリエステル樹脂(C−1)、(C−2)、離型剤分散液の固形分量が、それぞれ表4に記載の重量部数となるよう秤量し、以下の方法でトナーを作製した。
結晶性樹脂(A−2)10重量部、非晶性ポリビニル樹脂(B−1)72重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C−1)5重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−7)を得た。
反応容器中のイオン交換水1000重量部に、リン酸ナトリウム14重量部ならびに10%塩酸を4.5重量部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10重量部に7.8重量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
・スチレン 65重量部
・n−ブチルアクリレート 6重量部
・アクリル酸 1重量部
・結晶性樹脂(A−3) 10重量部
・非晶性ポリエステル樹脂(C−1) 5重量部
・着色剤 カーボンブラックMA−100 6重量部
・離型剤 パラフィンワックス「HNP−9」 6重量部
を加え、上記材料を66℃に保温し、TK式ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシラウレート(日油(株)製、商品名「パーブチルL」、分子量:272、10時間半減期温度:98.3℃、活性酸素量:5.24%)3.0重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−8)を得た。
結晶性樹脂(A−4)10重量部、非晶性ポリビニル樹脂(B−1)72重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C−2)5重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−9)を得た。
結晶性樹脂(A−4)10重量部、非晶性ポリビニル樹脂(B−2)72重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C−2)5重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−10)を得た。
結晶性樹脂(A−4)10重量部、非晶性ポリビニル樹脂(B−3)72重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C−2)5重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−11)を得た。
非晶性ポリビニル樹脂(B−1)72重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C0−1)5重量部を二軸混練器(栗本鉄工所製, S5KRCニーダー)に52kg/時で供給し、同時にラジカル反応開始剤としてt−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート2.0部を1kg/時で供給して160℃で6分間混練押出して架橋反応を行った。次いで、架橋反応により得た樹脂と結晶性樹脂(A−4)10重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−12)を得た。
非晶性ポリビニル樹脂(B−1)72重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C0−2)5重量部を二軸混練器(栗本鉄工所製, S5KRCニーダー)に52kg/時で供給し、同時にラジカル反応開始剤としてt−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート2.0部を1kg/時で供給して160℃で6分間混練押出して架橋反応を行った。次いで、架橋反応により得た樹脂と結晶性樹脂(A−4)10重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−13)を得た。
反応容器中のイオン交換水1000重量部に、リン酸ナトリウム14重量部ならびに10重量%塩酸を4.5重量部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10重量部に7.8重量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
・スチレン 65重量部
・n−ブチルアクリレート 6重量部
・アクリル酸 1重量部
・結晶性樹脂(A−4) 10重量部
・非晶性ポリエステル樹脂(C0−2) 5重量部
・着色剤 カーボンブラックMA−100 6重量部
・離型剤 パラフィンワックス「HNP−9」 6重量部
を加え、上記材料を66℃に保温し、TK式ホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシラウレート(日本油脂社製、商品名「パーブチルL」、分子量:272、10時間半減期温度:98.3℃、活性酸素量:5.24%)3.0重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、ポリエステル樹脂(C0)が炭素−炭素結合により架橋されたポリエステル樹脂(C)を含有する本発明のトナー(T−14)を得た。
非晶性ポリビニル樹脂(B−1)57重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C0−2)10重量部を二軸混練器(栗本鉄工所製, S5KRCニーダー)に52kg/時で供給し、同時にラジカル反応開始剤としてt−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート2.0部を1kg/時で供給して160℃で6分間混練押出して架橋反応を行った。次いで、架橋反応により得た樹脂と結晶性樹脂(A−4)20重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−15)を得た。
製造例13〜18で得られた分散液(AD−1)、溶液(BS−1)、離型剤分散液を用いて、結晶性樹脂(A−1)、非晶性ポリビニル樹脂(B−1)、離型剤分散液の固形分量が、それぞれ表4に記載の重量部数となるよう秤量し、以下の方法でトナーを作製した。
製造例13〜18で得られた分散液(AD−1)、溶液(BS’−1)、離型剤分散液を用いて、結晶性樹脂(A−1)、非晶性ポリビニル樹脂(B’−1)、離型剤分散液の固形分量が、それぞれ表4に記載の重量部数となるよう秤量し、比較例1と同様の方法でトナーを作製し、体積平均粒径(D50)が5μmの比較のトナー(T’−2)を得た。
結晶性樹脂(A−1)10重量部、非晶性ポリビニル樹脂(B’−1)72重量部、非晶性ポリエステル樹脂(C−1)5重量部、着色剤としてカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6重量部、離型剤としてパラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」6重量部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子99重量部に流動化剤としてコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1重量部をサンプルミルにて混合して、比較のトナー(T’−3)を得た。
紙面上に0.6mg/cm2となるようトナーを均一に載せる(このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい)。この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)1MPaの条件で通した時のコールドオフセットの発生温度を測定した。コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
低温定着性と同様の装置と方法で定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。
加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。
140℃で定着した画像を光沢度計(VG−1D)(日本電色社製)を用い、投光角度、受光角度をそれぞれ60°にあわせ、S、S/10の切り替えSWはSにあわせ、0調整及び標準板を用い、標準設定の後試料台に前記画像を置き、光沢を測定した。
光沢の数値が高いほど、光沢に優れることを意味する。
50℃の雰囲気で1日間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記の基準で耐熱保存性を評価した。
[評価基準]
◎:ブロッキングが発生しない
○:ブロッキングが発生するが、少しの力で容易に分散する
△:ブロッキングが発生するが、力を加えると分散する
×:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlの共栓付ガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿する。
(2)ターブラーシェーカーミキサー(ウイリー・ア・バショッフェン社製)にて50rpm×20分間と60分間摩擦攪拌し、攪拌後の混合粉体0.2gを目開き20μmステンレス金網がセットされたブローオフ粉体帯電量測定装置(京セラケミカル株式会社製TB−203)に装填し、ブロー圧10KPa、吸引圧5KPaの条件で、残存フェライトキャリアの帯電量を測定し、定法によりトナーの帯電量(μC/g)を算出する。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電性の指標とした。
◎:0.9以上
○:0.7以上0.9未満
△:0.5以上0.7未満
×:0.5未満
二成分現像剤として、市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて紙全面ベタ画像を作成し、排紙ローラーによって生じた画像搬送傷の程度をランク見本と比較して、以下の基準で画像搬送性を評価した。
ランク見本は、画像搬送傷が多いものから少ないものまでを、ランク1〜5まで並べたもので、点数が高いほど、画像搬送傷が少ないことを示す。
[評価基準]
◎:ランク5(画像搬送傷がない)
○:ランク3〜4(10〜30倍に拡大すると画像搬送傷が確認できる)
△:ランク2(画像搬送傷が部分的に確認できる)
×:ランク1(画像搬送傷が全体に確認できる)
一方、非晶性ポリエステル(C)を含有していない比較例1のトナーは画像搬送性が不良
であった。また、非晶性ポリエステル(C)を含有せず、芳香族ビニルモノマー(b1)の割合が範囲外である非晶性ポリビニル樹脂(B)を使用した比較例2のトナーは低温定着性、耐熱保存性、帯電性、光沢性及び画像搬送性が不良であり、非晶性ポリエステル(C)は含有しているが、芳香族ビニルモノマー(b1)の割合が範囲外である非晶性ポリビニル樹脂(B)を使用した比較例3のトナーは低温定着性、帯電性及び画像搬送性が不良であった。
Claims (16)
- 結晶性樹脂(A)、非晶性ポリビニル樹脂(B)及び非晶性ポリエステル樹脂(C)を含有するトナーバインダーであって、前記結晶性樹脂(A)が結晶性ポリビニル樹脂(A5)であり、(A5)を構成する単量体中の炭素数18〜36の直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの重量割合が(A5)を構成する単量体の合計重量を基準として60重量%以上であり、(B)を構成する単量体中の芳香族ビニルモノマー(b1)の重量割合が(B)を構成する単量体の合計重量を基準として50〜95重量%であるトナーバインダー。
- 下記の関係式(1)を満たす請求項1に記載のトナーバインダー。
Q2/Q1≦0.50 (1)
[式中、Q1は、0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに示差走査熱量計(DSC)により測定されたトナーバインダーの第1回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]、Q2は、示差走査熱量計(DSC)によりトナーバインダーの第1回目の昇温過程でQ1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで再び毎分10℃で昇温する第2回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)に由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。] - 示差走査熱量計(DSC)により測定されたトナーバインダーの第1回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークに基づく吸熱量Q1が、1〜30J/gである請求項2に記載のトナーバインダー。
- 非晶性ポリビニル樹脂(B)が、更にエステル基を有する非晶性ポリビニル樹脂であり、芳香族ビニルモノマー(b1)を除くカルボキシル基及びスルホン酸基を有しないモノマー(b2)とカルボキシル基を有するモノマー(b3)及び/又はスルホン酸基を有するモノマー(b4)とを構成単量体とする樹脂であり、結晶性樹脂(A)と非晶性ポリビニル樹脂(B)とが下記の関係式(5)を満たす請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
20≦X≦55 (5)
[但し、式(5)中、X=0.61×AV−0.64×(|SPB−SPA|−0.5)−0.35×(|EB−EA|+20)−0.50×Mw/10,000+18.0である。AVは非晶性ポリビニル樹脂(B)の酸価(mgKOH/g)、SPBは非晶性ポリビニル樹脂(B)の溶解度パラメータ(SP値)、SPAは結晶性樹脂(A)の溶解度パラメータ、EBは非晶性ポリビニル樹脂(B)のエステル基濃度(重量%)、EAは結晶性樹脂(A)のエステル基濃度(重量%)、Mwは非晶性ポリビニル樹脂(B)の重量平均分子量を表す。] - 下記の関係式(10)を満たす請求項1〜4のいずれかに記載のトナーバインダー。
10≦Tg1−Tg2≦30 (10)
[式(10)中、Tg1はトナーバインダーを0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに示差走査熱量測定で検出される第1回目の昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。また、Tg2はトナーバインダーの第1回目の昇温過程でTg1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで毎分10℃で再び昇温したときに検出される第2回目の昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。] - 結晶性樹脂(A)の酸価が0.01〜10mgKOH/gである請求項1〜5のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 結晶性樹脂(A)の重量平均分子量が3,000〜50,000である請求項1〜6のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 結晶性樹脂(A)中の分子量が1,500以下の成分の含有率が、(A)の重量に対して12重量%以下である請求項1〜7のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 結晶性樹脂(A)のキシレン不溶分が0.1〜5重量%である請求項1〜8のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 非晶性ポリエステル樹脂(C)が、アルコール成分(X)とカルボン酸成分(Y)とを含有する成分を重縮合して得られるポリエステル樹脂であって、アルコール成分(X)が芳香族ジオールを80モル%以上含有し、カルボン酸成分(Y)が芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含有する請求項1〜9のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 非晶性ポリエステル樹脂(C)の酸価が1〜80mgKOH/gである請求項1〜10のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 非晶性ポリエステル樹脂(C)が、ポリエステル樹脂(C0)が炭素−炭素結合により架橋されたポリエステル樹脂である請求項1〜11のいずれかに記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(C0)が、炭素−炭素二重結合を有するポリエステル樹脂である請求項12に記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(C0)が、不飽和カルボン酸成分(Y1)及び/又は不飽和アルコール成分(X1)を含有する成分を重縮合して得られるポリエステル樹脂である請求項12又は13に記載のトナーバインダー。
- 前記ポリエステル樹脂(C0)が、ガラス転移温度−40℃以上55℃未満のポリエステル樹脂(C1)及び/又はガラス転移温度55℃以上80℃以下のポリエステル樹脂(C2)を含むポリエステル樹脂である請求項12〜14のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 請求項1〜15のいずれかに記載のトナーバインダーを含有するトナー。
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