JP6668940B2 - 電子写真画像形成装置及び電子写真画像形成方法 - Google Patents
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Description
そこで、同色又は同系色の高光沢用トナーと低光沢用トナーを用いて、記録材の種類によらず、高品質な画像を形成できる画像形成装置が求められている。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
前記トナー像形成部のうち少なくとも1色のトナー像形成部が、同色又は同系色の高光沢用トナーと低光沢用トナーのトナー像形成部を有し、
前記高光沢用トナー及び前記低光沢用トナーが、トナー中に、非晶性ポリエステル樹脂を50質量%以上含有し、かつ非晶性ビニル樹脂を含有し、
下記条件[1]及び[2]を満たすことを特徴とする電子写真画像形成装置。
[1]:前記高光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(a)、前記低光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(b)としたとき、下記式(1)を満たす。
式(1):5質量%≦V(b)−V(a)≦20質量%
[2]:蛍光X線分析によるNET強度により求めた、前記高光沢用トナー中のアルミニウム量をA(a)、前記低光沢用トナー中のアルミニウム量をA(b)としたとき、下記式(2)を満たす。
式(2):A(a)<A(b)
式(3):6℃≦Tm(b)−Tm(a)≦20℃
前記トナーのうち少なくとも1色のトナーは、同色又は同系色の高光沢用トナーと低光沢用トナーとを有し、
前記高光沢用トナー及び前記低光沢用トナーが、トナー中に、非晶性ポリエステル樹脂を50質量%以上含有し、かつ非晶性ビニル樹脂を含有し、
下記条件[1]及び[2]を満たすことを特徴とする電子写真画像形成方法。
[1]:前記高光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(a)、前記低光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(b)としたとき、下記式(1)を満たす。
式(1):5質量%≦V(b)−V(a)≦20質量%
[2]:蛍光X線分析によるNET強度により求めた、前記高光沢用トナー中のアルミニウム量をA(a)、前記低光沢用トナー中のアルミニウム量をA(b)としたとき、下記式(2)を満たす。
式(2):A(a)<A(b)
また、トナー中に主要な結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂を含有させ、さらに非晶性ビニル樹脂を含有させると、トナー中に非晶性ポリエステル樹脂に対して相溶性の低い弾性成分(非晶性ビニル樹脂)が含まれることとなる。そのため、樹脂全体としての弾性を抑えつつ、弾性成分を付与することができる。したがって、定着性を低下させることなく、低光沢用のトナーを製造することができる。
これに対し、本発明に係る低光沢用のトナーは、高光沢用トナーに比べて、アルミニウムの含有量が多く、かつ非晶性ビニル樹脂の含有量が5〜20質量%多くなっている。このような所定の含有量差の高光沢用トナーと低光沢用のトナーとの組み合わせでは、優れた定着性と大きな光沢度差を確保しつつ、それぞれのトナー中の樹脂成分全体としての弾性を同程度とすることができたため、中間転写体を介して記録材上にトナー像を転写する転写工程で、画像に大きな圧力が加わった際のトナーの変形の仕方が同程度であり、記録材の種類によってもトナー像の転写特性に大きな差異が生じず、転写ムラに起因する画像濃度ムラ等の発生を抑制できたと考えられる。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
本発明の電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置は、少なくとも1色のトナーを使用して画像を形成する電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置であって、前記トナーのうち少なくとも1色のトナーは、同色又は同系色の高光沢用トナーと低光沢用トナーとを有し、前記高光沢用トナー及び前記低光沢用トナーが、トナー中に、非晶性ポリエステル樹脂を50質量%以上含有し、かつ非晶性ビニル樹脂を含有し、下記条件[1]及び[2]を満たすことを特徴とする。
[1]:前記高光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(a)、前記低光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(b)としたとき、下記式(1)を満たす。
式(1):5質量%≦V(b)−V(a)≦20質量%
[2]:蛍光X線分析によるNet強度により求めた、前記高光沢用トナー中のアルミニウム量をA(a)、前記低光沢用トナー中のアルミニウム量をA(b)としたとき、下記式(2)を満たす。
式(2):A(a)<A(b)
本発明に係る画像形成装置100は、内部に備えられたトナー像形成部のうち少なくとも1色のトナー像形成部が、同色又は同系色の高光沢用トナーと低光沢用トナーのトナー像形成部を有している。図1には、その一例として、ブラックトナーのトナー像形成部が、高光沢用ブラックトナー像形成部20HBkと低光沢用ブラックトナー像形成部20LBkとを有する構成を示している。以下、本構成の画像形成装置100について説明する。
また、画像形成装置100は、各トナー像形成部20Y,20M,20C,20HBk,20LBkにおいて形成されたトナー像を画像支持体P上に転写する中間転写部10と、画像支持体Pに対して加熱しながら加圧してトナー像を定着させる定着装置50と、各構成部の駆動を制御する制御部90と、を備える。
中間転写体16は、複数の支持ローラ16a〜16dにより張架され、回動可能に支持された無端ベルト状のものである。
一方、給紙カセット41内に収容された画像支持体Pが、給紙搬送手段42により給紙され、複数の給紙ローラ44a,44b,44c,44d及びレジストローラ46によって搬送され、二次転写ローラ13Aにおいて当該画像支持体P上に中間転写体16上の各色のトナー像が一括して転写される。その後、画像支持体P上に転写された各色のトナー像が定着装置50において加圧及び加熱により一括して定着されて、画像支持体P上に画像が形成される。
本発明に係る画像形成装置100においてブラックトナーを用いて画像形成する際には、制御部90の指示によって、高光沢用ブラックトナー像形成部20HBk及び低光沢用ブラックトナー像形成部20LBkのどちらか一方、又は両方が用いられる。
なお、制御部90による制御方法は適宜変更可能であり、画像支持体P上に、低光沢用ブラックトナー像の上に高光沢用ブラックトナー像を重ねるようにして、画像形成を行ってもよい。
本発明の電子写真画像形成方法において使用する画像支持体Pは、様々な紙種を用いることができる。そして、本発明に係る画像形成装置100を用いれば、紙種によらず、十分な定着強度を有し、画像濃度ムラの発生を抑制し、かつ同色又は同系色トナーによる光沢度差の大きな画像部を形成することができる。
紙種としては、例えば、平滑性の高い塗工紙や平滑性の低いエンボス紙等を用いることができる。平滑性の高い塗工紙としては、例えば、PODグロスコート(128g/m2)(王子製紙社製)、OKトップコート+(127.9g/m2)(王子製紙社製)等が挙げられる。また、平滑性の低いエンボス紙としては、例えば、レザック66(203g/m2)(特種東海製紙社製)等が挙げられる。
さらに、これらの画像支持体Pに限られず、例えば薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙などの各種の印刷用紙などの各種も用いることができる。
また、以上で説明した本発明の画像形成装置100は、全ての点で例示であって制限的なものではない。
例えば、イエロートナー形成部20Y、マゼンタトナー像形成部20M、及びシアントナー像形成部20Cも、それぞれ高光沢用と低光沢用のトナー像形成部を有する構成としても良い。
また、高光沢用トナーと低光沢用トナーが同色である場合に限られず、同系色としてもよい。また、画像形成装置100のトナー像形成部は、高光沢用ブラックトナー像形成部20HBkと低光沢用ブラックトナー像形成部20LBkのみとして、ブラック1色の画像を形成するように構成されたものでもよい。
次に、本発明の画像形成に使用される静電荷像現像用トナーについて詳細に説明する。
本発明の画像形成に使用される静電荷像現像用トナーのうち少なくとも1色が、同色又は同系色の高光沢用トナーと低光沢用トナーとを有している。
また、高光沢用トナーと低光沢用トナーとを有するトナー以外は、本発明に係る特徴はなく、従来公知の各種トナーを使用することができる。ただし、これらのトナーについても、トナー中の樹脂成分を、高光沢用トナー又は低光沢用トナーとほぼ共通の構成成分として製造したものを用いることが好ましい。これにより、画像形成に使用されるトナーの全てについて、トナー中の樹脂成分全体としての弾性を同程度にすることができるため、中間転写体を介して記録材上にトナー像を転写する転写工程で、画像に大きな圧力が加わった際のトナーの変形の仕方が同程度であり、画像形成に使用するトナーの全てにおいて転写ムラを発生しにくくすることができる。
本発明に係る両トナーは、結着樹脂として、少なくとも非晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ビニル樹脂を含有する。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、さらに結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)単量体と、2価以上のアルコール(多価アルコール)単量体との重合反応によって得られるポリエステル樹脂のうち、非晶性を示す樹脂をいう。非晶性を示すとは、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)により得られる吸熱曲線において、ガラス転移点(Tg)を有するが、融点すなわち昇温時の明確な吸熱ピークがないことをいう。明確な吸熱ピークとは、10℃/minの昇温速度で昇温したときの吸熱曲線において半値幅が15℃以内の吸熱ピークをいう。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価カルボン酸単量体としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸、イソフタル酸ジメチル、フマル酸、ドデセニルコハク酸、1,10−ドデカンジカルボン酸等を挙げることができる。これらのなかでは、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価アルコール単量体としては、例えば、2価又は3価のアルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(BPA−EO)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(BPA−PO)、グリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。これらのなかではビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が好ましい。
本発明に係る両トナーは、高光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(a)、低光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(b)としたとき、下記式(1)を満たしている。
式(1):5質量%≦V(b)−V(a)≦20質量%
ここで、両トナーにおける非晶性ビニル樹脂の含有量を、式(1)を満たすような差とすることによって、両トナーは、優れた定着性と大きな光沢度差を確保しつつ、トナー中の樹脂成分全体としての弾性を同程度とすることができる。これにより、紙の種類によっても転写特性に大きな差異が生じず、転写ムラに起因する画像濃度ムラの発生を抑制することができたと考えられる。
使用できる非晶性ビニル樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、なかでも、スチレン−アクリル樹脂が好ましい。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン及びこれらの誘導体等のスチレン構造を有する単量体
(2)(メタ)アクリル酸エステル系単量体
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの誘導体等の(メタ)アクリル基を有する単量体
(3)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(4)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(5)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(6)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(7)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸又はメタクリル酸誘導体等
カルボキシ基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。
スルホン酸基を有する単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
リン酸基を有する単量体としては、アシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
多官能性ビニル類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
酸基を有する単量体とは、上述したカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等のイオン性解離基を有する単量体をいう。非晶性ポリエステル樹脂との親和性を高める観点からは、カルボキシ基を有する単量体が好ましく、カルボキシ基を有する単量体としては、特にアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
上記酸基を有する単量体に由来の構造を有する部分は、非晶性ポリエステル樹脂と同程度の高い極性を有することから、当該部分を上記範囲内で含有することにより、非晶性ビニル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の親和性を適度に調整することができ、非晶性ポリエステル樹脂中における非晶性ビニル樹脂の分散状態が良化する。また、結晶性ポリエステル樹脂との過剰な相溶を抑えることができ、優れた耐熱性を得ることができる。
両トナーは、本発明の効果をより効果的に得る観点から、トナー中に、非晶性ビニル樹脂を3〜30質量%の範囲内で含有することが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)単量体と、2価以上のアルコール(多価アルコール)単量体との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂のうち、結晶性を示すポリエステル樹脂である。結晶性を示すとは、DSCにより得られる吸熱曲線において、融点すなわち昇温時に明確な吸熱ピークを有することをいう。明確な吸熱ピークとは、10℃/minの昇温速度で昇温したときの吸熱曲線において半値幅が15℃以内のピークをいう。
結晶性ポリエステル樹脂は、上記したとおりであれば特に限定されない。例えば、結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸単量体と多価アルコール単量体との重縮合反応によって合成される単重合体であってもよいし、多価カルボン酸単量体と多価アルコール単量体との重縮合反応によって合成される結晶性ポリエステル樹脂ユニットと、ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットとが共重合したハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂としてもよい。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂ユニットからなる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価カルボン酸単量体としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、1,10−ドデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸;これらカルボン酸化合物の無水物、炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非晶性ポリエステル樹脂と非晶性ビニル樹脂に、上記含有量の結晶性ポリエステル樹脂を使用することにより、優れた低温定着性と耐熱保管性を両立することができる。
試料を濃度1mg/mLとなるようにテトラヒドロフラン(THF)中に添加し、40℃において超音波分散機を用いて15分間分散処理した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して、試料液を調製する。GPC装置HLC−8220(東ソー社製)及びカラムTSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ-M3連(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを流速0.2mL/minで流す。キャリア溶媒とともに、調製した試料液10μLをGPC装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて試料を検出し、単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて、試料の分子量分布を算出する。検量線は、分子量がそれぞれ6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106である10点のポリスチレン標準粒子(Pressure Chemical社製)を測定することにより、作成する。
結晶性ポリエステル樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが共重合したハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂である場合、結晶性ポリエステル樹脂セグメントとは、結晶性ポリエステル樹脂に由来の構造を有する樹脂部分をいい、非晶性樹脂セグメントとは、非晶性樹脂に由来する構造を有する樹脂部分をいう。
ハイブリッド樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂セグメント等の各セグメントの構成成分及び含有量は、例えばNMR分析、メチル化反応P−GC/MS分析等により測定することができる。
ハイブリッド樹脂中の非晶性樹脂セグメントの含有量は、5〜20質量%の範囲内とすることができる。
(1)あらかじめ用意した結晶性ポリエステル樹脂に両反応性の単量体を反応させた後、非晶性樹脂の原料である単量体を反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントに非晶性樹脂セグメントを化学結合させる方法
(2)あらかじめ用意した非晶性樹脂に両反応性の単量体を反応させた後、結晶性ポリエステル樹脂の原料である多価カルボン酸単量体と多価アルコール単量体を反応させて、非晶性樹脂セグメントに結晶性ポリエステル樹脂セグメントを化学結合させる方法
(3)あらかじめ用意した結晶性ポリエステル樹脂セグメント及び非晶性樹脂セグメントに両反応性の単量体を反応させて、それぞれのセグメントを化学結合させる方法
両反応性の単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等を使用できる。
質量比がこの範囲内にあれば、非晶性ビニル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の分散状態を制御して、非晶性ポリエステル樹脂をメインバインダーとするトナー粒子中に均一に微分散させることができる。これにより、高温下においても結晶性ポリエステル樹脂のドメインの凝集による結晶成長を抑えることができ、結晶化による低温定着性及び光沢度の変動をより効果的に抑えることができる。
酸価が上記範囲内にあると、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の親和性を適度に調整することができ、非晶性ポリエステル樹脂をメインバインダーとするトナー粒子中に分散する結晶性ポリエステル樹脂のドメインのサイズが小さくなるため、高温下に保管したときの凝集による結晶成長を抑えることができる。これにより、高温下においても安定した低温定着性及び光沢度を得ることができる。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶解し、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を調製する。JIS特級水酸化カリウム7gをイオン交換水5mLに溶解し、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとする。炭酸ガスに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、濾過して、水酸化カリウム溶液を調製する。標定はJIS K0070−1966の記載に従う。
粉砕した試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として調製したフェノールフタレイン溶液を数滴加えて、調製した水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は指示薬の薄い紅色が約30秒間続いた時とする。
(空試験)
試料を用いない(すなわち、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記本試験と同様の操作を行う。
式(A) A=〔(B−C)×f×5.6〕/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:空試験時の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
C:本試験時の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
f:0.1mol/リットルの水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
具体的には、試料をアルミニウム製パンKITNO.B0143013に封入し、熱分析装置Diamond DSC(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットして、加熱、冷却、加熱の順に温度を変動させる。1回目の加熱時には室温(25℃)から、2回目の加熱時には0℃から、10℃/minの昇温速度でそれぞれ150℃まで昇温して150℃を5分間保持し、冷却時には、10℃/minの降温速度で150℃から0℃まで降温して0℃の温度を5分間保持する。2回目の加熱時に得られる吸熱曲線における吸熱ピークのピークトップの温度を融点として測定する。
両トナーにおいて、蛍光X線分析によるNET強度によって求めた高光沢用トナー中のアルミニウム量をA(a)、低光沢用トナー中のアルミニウム量をA(b)としたとき、下記式(2)を満たす。
式(2):A(a)<A(b)
トナー粒子0.5gを加圧して円柱状にペレット化する。得られたペレットに対して、蛍光X線解析装置(島津製作所社製、XRF−1700)を用いて、管電圧40kV、管電流70mAの条件で分析し、得られたAlKαの強度(Alに由来するピークの強度)から、アルミニウム量(NET強度)を求める。
離型剤としては、特に限定されるものではなく公知の種々のワックスを用いることができる。使用できる離型剤としては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトン等のジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等のエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等のアミド系ワックス等が挙げられる。
トナー中の離型剤の含有量は、3〜15質量%の範囲内にあることが好ましい。
また、本発明に係る画像形成に使用されるトナーのうち少なくとも1色のトナーが、同色又は同系色の高光沢用トナーと低光沢用トナーとを有している。例えば、そのトナーとしては、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーから選ばれるトナーが挙げられる。
なお、上述した色のトナーに限られず、例えば、ライトイエロー、ライトマゼンタ、ライトシアン、ホワイト、オレンジ、グリーン等の色のトナーも使用することができる。
着色剤としては、一般に知られている染料及び顔料を用いることができる。以下、ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー用の着色剤についてそれぞれ説明する。
ブラックトナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなどを使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどを使用することができる。また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどを使用することができる。
イエロートナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162など、また、顔料としてC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
マゼンタトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122など、顔料としてC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
シアントナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー60、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントブルー93、C.I.ソルベントブルー95など、顔料としてC.I.ピグメントブルー1、7、15、60、62、66、76などを使用することができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合が過少である場合は、得られる有色トナーが着色力の不足したものとなるおそれがあり、一方、着色剤の含有割合が過多である場合は、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩等の公知の化合物を用いることができる。荷電制御剤により、帯電特性に優れたトナーを得ることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、通常0.1〜5.0質量部の範囲内とすることができる。
トナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性等を改良するため、流動化剤、クリーニング助剤等の外添剤で処理されていてもよい。
これら無機粒子は、耐熱保管性及び環境安定性の向上の観点から、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等によって、光沢処理が行われていることが好ましい。
本発明に係る両トナーにおいて、高光沢用トナーの軟化点(℃)をTm(a)、低光沢用トナーの軟化点(℃)をTm(b)としたとき、下記式(3)を満たすことが好ましい。これにより、高光沢用トナーと低光沢用トナーとの光沢度差が大きく、かつ高光沢用トナーが適度な光沢度を有する画像を形成することができる。
式(3):6℃≦Tm(b)−Tm(a)≦20℃
20℃、50%RHの環境下において、測定試料1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置する。その後、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって3820kg/cm2の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製する。この成型サンプルを、20℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出す。そして、昇温法の溶融温度測定方法で、オフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを軟化点(℃)として測定することができる。
トナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、当該トナー粒子をコア粒子として当該コア粒子とその表面を被覆するシェル層とを備えるコア・シェル構造のような多層構造のトナー粒子であってもよい。シェル層は、コア粒子の全表面を被覆していなくてもよく、部分的にコア粒子が露出していてもよい。コア・シェル構造の断面は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)等の公知の観察手段によって、確認することができる。
トナー粒子の平均粒径としては、体積基準のメジアン径(d50)が3〜10μmの範囲内にあることが好ましく、5〜8μmの範囲内にあることがより好ましい。
上記範囲内にあれば、1200dpiレベルの非常に微小なドット画像であっても高い再現性が得られる。
なお、トナー粒子の平均粒径は、製造時に使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、結着樹脂の組成等によって制御することができる。
具体的には、測定試料(トナー)を、界面活性剤溶液(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を行い、トナー粒子分散液を調製する。このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャー径を100μmとし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径(d50)として得る。
トナー粒子は、帯電特性の安定性及び低温定着性を高める観点から、平均円形度が0.930〜1.000の範囲内にあることが好ましく、0.950〜0.995の範囲内にあることがより好ましい。
平均円形度が上記範囲内にあれば、個々のトナー粒子が破砕しにくくなる。これにより、摩擦帯電付与部材の汚染を抑制してトナーの帯電性を安定させることができるとともに、形成される画像の画質を高めることができる。
具体的には、測定試料(トナー)を界面活性剤入り水溶液にて馴染ませ、超音波分散処理を1分間行って分散させる。その後、FPIA−2100(Sysmex社製)によって、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で撮影を行う。HPF検出数が上記の範囲内であれば、再現性のある測定値を得ることができる。撮影した粒子像から、個々のトナー粒子の円形度を下記式(I)に従って算出し、各トナー粒子の円形度を加算して全トナー粒子数で除することにより、平均円形度を得る。
式(I):トナー粒子の円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
キャリアの体積基準のメジアン径(d50)としては、20〜100μmの範囲内であることが好ましく、25〜80μmの範囲内であることがより好ましい。
キャリアの体積基準のメジアン径(d50)は、例えば湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置ヘロス(HELOS)(SYMPATEC社製)により測定することができる。
本発明に係る高光沢用トナー及び低光沢用トナーの製造方法としては、例えば懸濁重合法、乳化凝集法、その他の公知の方法等を挙げることができるが、なかでも乳化凝集法を用いることが好ましい。乳化凝集法によれば、製造コスト及び製造安定性の観点から、トナー粒子の小粒径化を容易に図ることができる。
水系媒体中の水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。なかでも、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が好ましい。
また、本発明の電子写真画像形成方法に利用する高光沢用トナーと低光沢用トナーとを有しているトナー以外は、従来公知の製造方法によって製造された各種トナーを使用することができる。ただし、これらのトナーについても、トナー中の樹脂成分を、高光沢用トナー又は低光沢用トナーとほぼ共通の構成成分として製造したものを用いることが好ましい。これにより、画像形成に使用されるトナーの全てについて、トナー中の樹脂成分全体としての弾性を同程度にすることができるため、画像形成に使用するトナーの全てにおいて転写ムラを発生しにくくすることができる。
工程(0)では、非晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液を調製する。
具体的には、非晶性ポリエステル樹脂を合成し、有機溶媒中に溶解又は分散させて油相液を調製し、この油相液を転相乳化して水系媒体中に非晶性ポリエステル樹脂粒子を分散させる。油滴の粒径を所望の粒径に制御した後、有機溶媒を除去することにより、非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液を得ることができる。
有機溶媒の使用量は、非晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して、通常1〜300質量部の範囲内である。
水系媒体中には、油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤等が添加されていてもよい。
界面活性剤としては、例えばドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等のカチオン性界面活性剤、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリキオシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等のアニオン性界面活性剤、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等のノニオン性界面活性剤等の公知の界面活性剤を使用できる。
また、非晶性ポリエステル樹脂の乳化分散は、機械的エネルギーを利用して行うこともできる。乳化分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波ホモジナイザーなどの超音波分散機、高圧衝撃式分散機アルティマイザーなどが挙げられる。
工程(1)では、非晶性ビニル樹脂粒子の水系分散液を調製する。
非晶性ビニル樹脂粒子の水系分散液の調製には、乳化重合法、シード重合法、ミニエマルション重合法等を用いることができる。
例えば、ビニル樹脂粒子の製造に乳化重合法を適用する場合、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤を溶解させた水中に、スチレン類、及び(メタ)アクリル酸類等の単量体を加え、さらに必要に応じてドデシル硫酸ナトリウム、ジフェニルオキサイドジスルホン酸塩類等の界面活性剤を添加し、撹拌を行いながら加熱することにより重合を行い、非晶性ビニル樹脂粒子を得られる。
重合開始剤としては、従来公知の種々のものを用いることができる。重合開始剤としては、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)を好ましく使用できるが、4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等のアゾ系化合物、パーオキシド化合物、アゾビスイソブチロニトリル等を用いてもよい。
非晶性ビニル樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を水系媒体中に添加することができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタンや、スチレンダイマー等を挙げることができる。
非晶性ビニル樹脂粒子の体積基準のメジアン径(d50)は、マイクロトラックUPA−150(日機装社製)を用いて測定することができる。
工程(2)では、結晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液を調製する。
結晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液は、上記非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液と同様にして調製することができる。
結晶性ポリエステル樹脂粒子の体積基準のメジアン径(d50)は、マイクロトラックUPA−150(日機装社製)を用いて測定することができる。
工程(3)では、着色剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて、着色剤粒子の水系分散液を調製する。
着色剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、使用する分散機としては、特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
着色剤粒子の体積基準のメジアン径(d50)は、マイクロトラックUPA−150(日機装社製)を用いて測定することができる。
工程(4)では、非晶性ポリエステル樹脂粒子、非晶性ビニル樹脂粒子、着色剤粒子及び結晶性ポリエステル樹脂粒子、その他のトナー構成成分の粒子を凝集させて、トナー粒子を形成する。
具体的には、水系媒体と各粒子の水系分散液を混合した系に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え、非晶性ビニル樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上の温度にすることによって、凝集させる。
凝集剤としては、特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の金属塩から選択されるものが好適に使用される。金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等の1価の金属塩、カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅等の2価の金属塩、鉄、アルミニウム等の3価の金属塩等が挙げられる。具体的な金属塩としては、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(2):A(a)<A(b)
そのため、製造後の最終的な両トナーが、式(2)の関係を満たすように、上述した凝集剤の中でも、塩化アルミニウム等のアルミニウムを含む凝集剤を、適宜の量を用いて凝集することが好ましい。
工程(5)では、工程(4)により形成したトナー粒子の熟成処理を行い、所望の形状に制御する。工程(5)は、必要に応じて行うことができる。
具体的には、工程(4)において得られたトナー粒子の分散液を加熱撹拌し、トナー粒子が所望の円形度になるように、加熱温度、撹拌速度、加熱時間等を調整する。
工程(4B)では、工程(4)又は(5)で得られたトナー粒子をコア粒子として、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシェル層を形成する。工程(4B)は、コア・シェル構造のトナー粒子を形成する場合に行えばよい。
コア粒子にシェル層の樹脂粒子をより強固に凝集、融着させるため、シェル化工程に続いて加熱処理を行うことができる。加熱処理は、目的の円形度のトナー粒子が得られるまで行えばよい。
工程(6)では、トナー粒子の分散液を冷却処理する。冷却処理の条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却することが好ましい。冷却処理の具体的な方法としては、特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法等を例示することができる。
工程(7)では、冷却したトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離し、固液分離によって得られたトナーケーキ(ケーキ状に成形されたウェット状態にあるトナー粒子)から界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去して洗浄する。
固液分離は、特に限定されず、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法等を用いることができる。また、洗浄においては、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄することが好ましい。
工程(8)では、洗浄後のトナーケーキを乾燥する。
トナーケーキの乾燥には、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機等を挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等を使用することが好ましい。
乾燥後のトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
なお、乾燥後のトナー粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、その凝集体を解砕処理してもよい。解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
工程(9)では、トナー粒子に対して外添剤を添加する。工程(9)は、必要に応じて行うことができる。
外添剤の添加には、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
(非晶性ポリエステル樹脂C1の作製)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物 126.4質量部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物 206.4質量部
・テレフタル酸 78.0質量部
・フマル酸 46.4質量部
・ドデセニルコハク酸 39.9質量部
・トリメリット酸 6.3質量部
得られたポリエステル樹脂(C1)は、DSCによるガラス転移温度Tgが58℃、GPCによる重量平均分子量(Mw)が25000、酸価は19.8mgKOH/gであった。
上記非晶性ポリエステル樹脂(C1)100質量部をランデルミルRM型(徳寿工作所社製)で粉砕し、あらかじめ調製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合した。混合液を撹拌するとともに、超音波ホモジナイザーUS−150T(日本精機製作所社製)を用いて、V−LEVEL、300μAで60分間超音波分散することにより、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(c1)を調製した。分散液(c1)中の非晶性ポリエステル樹脂(C1)粒子の体積基準のメジアン径(d50)を、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)にて測定したところ、160nmであった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ラウリル硫酸ナトリウム5.0質量部と、イオン交換水2500質量部とを仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
次いで、過硫酸カリウム(KPS)15.0質量部をイオン交換水287質量部に溶解させた溶液を添加し、液温を80℃とした。さらに、スチレン(St)900.0質量部、n−ブチルアクリレート(BA)270.0質量部及びアクリル酸(AA)30.0質量部からなる単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃において2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合させ、体積基準のメジアン径(d50)が110nmである非晶性ビニル樹脂(D1)粒子の分散液(d1)を調製した。
非晶性ビニル樹脂(D1)のガラス転移温度(Tg)は50.0℃、重量平均分子量(Mw)は200000であった。
非晶性ビニル樹脂粒子の分散液(d1)の調製方法において、n−オクチルメルカプタン9.8gを単量体混合液に添加した以外は同様にして、非晶性ビニル樹脂(D2)粒子の分散液(d2)を調製した。非晶性ビニル樹脂(D2)のガラス転移温度(Tg)は48.1℃、重量平均分子量(Mw)は30000であった。
非晶性ビニル樹脂粒子の分散液(d1)の調製方法において、過硫酸カリウム(KPS)を15.0質量部から4.5質量部に変更した以外は同様にして、非晶性ビニル樹脂(D3)粒子の分散液(d3)を調製した。非晶性ビニル樹脂(D3)のガラス転移温度(Tg)は51.0℃、重量平均分子量(Mw)は330000であった。
非晶性ビニル樹脂粒子の分散液(d2)の調製方法において、n−オクチルメルカプタンを9.8gから16.3gに変更した以外は同様にして、非晶性ビニル樹脂(D4)粒子の分散液(d4)を調製した。非晶性ビニル樹脂(D4)のガラス転移温度(Tg)は49.2℃、重量平均分子量(Mw)は25000であった。
非晶性ビニル樹脂粒子の分散液(d1)の調製方法において、過硫酸カリウム(KPS)を15.0質量部から6.0質量部に変更した以外は同様にして、非晶性ビニル樹脂(D5)粒子の分散液(d5)を調製した。非晶性ビニル樹脂(D5)のガラス転移温度(Tg)は50.8℃、重量平均分子量(Mw)は300000であった。
(結晶性ポリエステル樹脂(E)の作製)
・ドデカン二酸 368.5質量部
・1,9−ノナンジオール 250.5質量部
上記結晶性ポリエステル樹脂(E)72質量部をメチルエチルケトン72質量部に、70℃で30分撹拌し溶解させた。この溶液を撹拌しながら、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液1.9質量部を添加した。さらに、イオン交換水250質量部にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを濃度が1質量%になるよう溶解させた水溶液を70分にわたり滴下した。
分散液(e)中の結晶性ポリエステル樹脂(E)粒子の体積基準のメジアン径(d50)を、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)にて測定したところ、232nmであった。
離型剤としての炭化水素系ワックス(日本精蝋社製、商品名:FNP0090、融点90.2℃)450質量部、ラウリル硫酸ナトリウム50質量部及びイオン交換水3500質量部を80℃に加熱して、IKA社製のウルトラタラックスT50にて十分に分散した。その後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子の分散液(W)を調製した。この分散液中の離型剤粒子の体積基準のメジアン径をレーザー回折式粒度分布測定器LA−750(HORIBA製)にて測定したところ、220nmであった。
イオン交換水250質量部にn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8質量部を混合溶解させ、ピグメントイエロー74を50質量部入れてホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA社製)により10分間分散させた後、超音波分散機で20分間分散処理することにより、イエロー着色剤粒子の水系分散液を得た。得られた分散液に、さらにイオン交換水を添加して、固形分を20質量%に調整することにより、イエロー着色剤粒子の水系分散液(F1)を調製した。得られたイエロー分散液(F1)中のイエロー着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)を用いて測定したところ、117nmであった。
イオン交換水250質量部にn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8質量部を混合溶解させ、ピグメントレッド122を25質量部、ピグメントレッド238を25質量部入れてホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA社製)により10分間分散させた後、超音波分散機で20分間分散処理することにより、マゼンタ着色剤粒子の水系分散液を得た。得られた分散液にさらに、イオン交換水を添加して、固形分を20質量%に調整することにより、マゼンタ着色剤粒子の水系分散液(F2)を調製した。得られたマゼンタ着色剤粒子の水系分散液(F2)中のマゼンタ着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)を用いて測定したところ、115nmであった。
イオン交換水250質量部にn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8質量部を混合溶解させ、銅フタロシアニン(C.I.ピグメントブルー15:3)50質量部を入れてホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA社製)により10分間分散させた後、超音波分散機で20分間分散処理することにより、シアン着色剤粒子の水系分散液を得た。得られた分散液にさらに、イオン交換水を添加して、固形分を20質量%に調整することにより、シアン着色剤粒子の水系分散液(F3)を調製した。得られたシアン着色剤粒子の水系分散液(F3)中のシアン着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)を用いて測定したところ、121nmであった。
ラウリル硫酸ナトリウム14質量部をイオン交換水250質量部に添加した溶液を撹拌しながら、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)50質量部を徐々に添加した。さらに、撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて分散処理し、ブラック着色剤粒子の水系分散液を得た。得られた分散液にさらに、イオン交換水を添加して、固形分を20質量%に調整することによりブラック着色剤粒子の水系分散液(F4)を調製した。
得られたブラック着色剤粒子の水系分散液(F4)中の着色剤粒子の体積基準のメジアン径(d50)を、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
<トナーY−A1の作製>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(c1)80.0質量部(固形分換算)、非晶性ビニル樹脂粒子分散液(d1)3.0質量部(固形分換算)、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(e)6.0質量部(固形分換算)、離型剤微粒子分散液(W)6.0質量部(固形分換算)、イエロー着色剤粒子の水系分散液(F1)5.0質量部(固形分換算)、及びイオン交換水300質量部を、温度計、pH計、撹拌器を具備した反応容器に投入した。
次に、温度25℃にて1.0質量%硝酸を加えてpHを3.0とした後、ホモジナイザー(IKA製のウルトラタラックスT50)で30分間混合分散した。撹拌によるせん断力を加えながら、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム水溶液(AlCl3換算で1%水溶液)70質量部を20分間かけて滴下し、滴下終了後に10分間撹拌し、凝集剤と原料を十分に混合した。
得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)1.6質量部及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)0.6質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)により回転翼周速35mm/secで20分間混合し、体積基準のメジアン径が6.0μmであるトナーY−A1を得た。
上記トナーY−A1の作製において、イエロー着色剤粒子の水系分散液(F1)をマゼンタ着色剤粒子の水系分散液(F2)に変更した以外は同様にして、トナーM−A1を得た。
上記トナーY−A1の作製において、イエロー着色剤粒子の水系分散液(F1)をシアン着色剤粒子の水系分散液(F3)に変更した以外は同様にして、トナーC−A1を得た。
上記トナーY−A1の作製において、イエロー着色剤粒子の水系分散液(F1)をブラック着色剤粒子の水系分散液(F4)に変更した以外は同様にして、トナーK−A1を得た。
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(c1)70.0質量部(固形分換算)、非晶性ビニル樹脂粒子分散液(d1)13.0質量部(固形分換算)、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(e)3.0質量部(固形分換算)、離型剤微粒子分散液(W)6.0質量部(固形分換算)、ブラック着色剤粒子の水系分散液(F4)5.0質量部(固形分換算)、及びイオン交換水300質量部を、温度計、pH計、撹拌器を具備した反応容器に投入した。
次に、温度25℃にて1.0質量%硝酸を加えてpHを3.0とした後、ホモジナイザー(IKA製のウルトラタラックスT50)で30分間混合分散した。撹拌によるせん断力を加えながら、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム水溶液(AlCl3換算で1%水溶液)180質量部を20分間かけて滴下し、滴下終了後に10分間撹拌し、凝集剤と原料を十分に混合した。
得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)1.6質量部及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)0.6質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)により回転翼周速35mm/secで20分間混合し、体積基準のメジアン径が6.0μmであるトナーK−B1を得た。
次に他の実施例と比較例に係るトナーの作製について説明する。なお、他の実施例と同一のトナーを用いる場合で、既に説明がされているものについては、説明を省略する。
<トナーY−A2、M−A2、C−A2、K−A2、K−B2の作製>
実施例1に用いるトナーY−A1、M−A1、C−A1、K−A1、K−B1の作製において、表1に記載のとおり、結晶性ポリエステル樹脂は用いずに、非晶性ポリエステル樹脂の質量部、及び非晶性ビニル樹脂の種類と質量部を変更した以外は同様にして、トナーY−A2、M−A2、C−A2、K−A2、K−B2を作製した。
<トナーY−A3、M−A3、C−A3、K−A3、K−B3の作製>
実施例1に用いるトナーY−A1、M−A1、C−A1、K−A1、K−B1の作製において、表1に記載のとおり、非晶性ポリエステル樹脂の質量部、及び非晶性ビニル樹脂の種類と質量部を変更した以外は同様にして、トナーY−A3、M−A3、C−A3、K−A3、K−B3を作製した。
<トナーY−A4、M−A4、C−A4、K−A4>
実施例1に用いるトナーY−A1、M−A1、C−A1、K−A1の作製において、表1に記載のとおり、非晶性ビニル樹脂の種類を変更した以外は同様にして、トナーY−A4、M−A4、C−A4、K−A4を作製した。
実施例4に用いるトナーY−A1、M−A1、C−A1、K−A1の作製において、表1に記載のとおり、非晶性ポリエステル樹脂の質量部、及び非晶性ビニル樹脂の種類と質量部を変更した以外は同様にして、トナーY−B1、M−B1、C−B1、K−B4を作製した。
<トナーY−A5、M−A5、C−A5、K−A5の作製>
実施例1に用いるトナーY−A1、M−A1、C−A1、K−A1の作製において、表2に記載のとおり、非晶性ビニル樹脂は用いずに、非晶性ポリエステル樹脂の質量部を変更し、それ以外は同様にしてトナーY−A5、M−A5、C−A5、K−A5を作製した。
実施例1に用いるトナーK−B1の作製において、表2に記載のとおり、非晶性ビニル樹脂は用いずに、非晶性ポリエステル樹脂の質量部を変更し、さらにポリ塩化アルミニウム水溶液(AlCl3換算で1%水溶液)を250質量部に変更し、それ以外は同様にしてトナーK−B5を作製した。
<トナーK−B6の作製>
実施例1に用いるトナーK−A1の作製において、表2に記載のとおり、非晶性ポリエステル樹脂の質量部及び非晶性ビニル樹脂の質量部を変更した以外は同様にしてトナーK−B6を作製した。
<トナーY−A6、M−A6、C−A6、K−A6の作製>
実施例1に用いるトナーY−A1、M−A1、C−A1、K−A1の作製において、表2に記載のとおり、非晶性ポリエステル樹脂の質量部及び非晶性ビニル樹脂の質量部を変更した以外は同様にしてトナーY−A6、M−A6、C−A6、K−A6を作製した。
実施例1に用いるトナーK−B1の作製において、表2に記載のとおり、非晶性ポリエステル樹脂の質量部及び非晶性ビニル樹脂の質量部を変更した以外は同様にしてトナーK−B7を作製した。
<トナーY−A7、M−A7、C−A7、K−A7の作製>
実施例1に用いるトナーY−A1、M−A1、C−A1、K−A1の作製において、表2に記載のとおり、非晶性ポリエステル樹脂の質量部及び非晶性ビニル樹脂の質量部を変更した以外は同様にしてトナーY−A7、M−A7、C−A7、K−A7を作製した。
実施例1に用いるトナーK−B1の作製において、表2に記載のとおり、非晶性ポリエステル樹脂の質量部及び非晶性ビニル樹脂の質量部を変更した以外は同様にしてトナーK−B8を作製した。
各トナー0.5gを加圧して円柱状にペレット化した。得られたペレットに対して、蛍光X線解析装置(島津製作所社製、XRF−1700)を用いて、管電圧40kV、管電流70mAの条件で分析し、得られたAlKαの強度(Alに由来するピークの強度)から、アルミニウム量(NET強度)を求めた。測定結果は表1及び表2に示した。
なお、表1及び表2の非晶性ビニル樹脂の「※2」には、高光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(a)、低光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(b)としたとき、「V(b)−V(a)」に相当する含有量差を示した。
20℃、50%RHの環境下において、各トナー1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した。その後、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって3820kg/cm2の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製した。この成型サンプルを、20℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出した。そして、昇温法の溶融温度測定方法で、オフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを軟化点(℃)として測定した。測定結果は表1及び表2に示した。
上述したトナーにおいて、光沢の異なる同色又は同系色の2種類のトナーを用いる実施例又は比較例については、それらの同色のトナーうち、相対的に軟化点が低い方のトナーを「高光沢用トナー」、もう一方の相対的に軟化点が高い方のトナーを「低光沢用トナー」である。以下、表1及び表2のトナーの種類の欄には、「高光沢用トナー」を「高光沢」、「低光沢用トナー」を「低光沢」として示した。
各トナーに対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径40μmのフェライトキャリアを、トナー粒子濃度が6質量%となるように添加して混合することにより、現像剤をそれぞれ作製した。
上述した実施例及び比較例に係るトナーの組み合わせによって、平滑性の高い紙及び平滑性の低い紙にそれぞれ画像形成を行い、定着性、濃度ムラ及び光沢度差についての評価を行った。評価結果は、表3に示す。
複写機bizhub PRO(登録商標)C6501(コニカミノルタ株式会社製)を、画像形成部を追加して八つの画像形成部が並べられた改造機とし、定着装置を、定着用ヒートローラーの表面温度を100〜200℃の範囲内で変更することができるように改造し、上記各トナーから製造した現像剤をそれぞれ装填した。
そして、各トナーから製造した現像剤それぞれについて、常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下にて、平滑性の高い塗工紙「PODグロスコート(128g/m2)」(王子製紙社製)、及び、平滑性の低いエンボス紙「レザック66(203g/m2)」(特種東海製紙社製)のそれぞれに対し、トナー付着量が8g/m2のベタ画像を出力する定着実験を、設定する定着温度を100℃から200℃まで5℃ずつ上げる変更を行いながら繰り返し行った。
5:全く折れ目なし
4:一部折れ目に従った剥離あり
3:折れ目に従った細かい線状の剥離あり
2:折れ目に従った太い線状の剥離あり
1:折れ目に従った大きな剥離あり
4:定着下限温度が140℃以下
3:定着下限温度が140℃を超え145℃以下
2:定着下限温度が145℃を超え150℃以下
1:定着下限温度が150℃を超える
複写機bizhub PRO C6501(コニカミノルタ株式会社製)を、画像形成部を追加して八つの画像形成部が並べられた改造機とし、定着装置を、定着用ヒートローラーの表面温度を100〜200℃の範囲内で変更することができるように改造し、上記各トナーから製造した現像剤をそれぞれ装填した。
3:反射濃度差が0.03未満
2:反射濃度差が0.03以上0.10未満
1:反射濃度差が0.10以上
複写機bizhub PRO C6501(コニカミノルタ株式会社製)を、画像形成部を追加して八つの画像形成部が並べられた改造機とし、定着装置を、定着用ヒートローラーの表面温度を100〜200℃の範囲内で変更することができるように改造し、上記各トナーから製造した現像剤をそれぞれ装填した。
3:トナーAとトナーBの光沢度差が30以上
2:トナーAとトナーBの光沢度差が20以上30未満
1:トナーAとトナーBの光沢度差が20未満
11Y,11M,11C,11HBk,11LBk 感光体
12 クリーニング手段
13Y,13M,13C,13HBk,13LBk 一次転写ローラ
13A 二次転写ローラ
16 中間転写体
16a〜16d 支持ローラ
20Y,20M,20C,20HBk,20LBk トナー像形成部
21Y,21M,21C,21HBk,21LBk 現像手段
22Y,22M,22C,22HBk,22LBk 露光手段
23Y,23M,23C,23HBk,23LBk 帯電手段
25Y,25M,25C,25HBk,25LBk クリーニング手段
50 定着装置
51,52 加熱加圧ローラ
41 給紙カセット
42 給紙搬送手段
44a,44b,44c,44d 給紙ローラ
46 レジストローラ
90 制御部
91 記憶部
92 CPU
100 画像形成装置(電子写真画像形成装置)
N ニップ部
Claims (12)
- 少なくとも1色のトナー像形成部を備えた電子写真画像形成装置であって、
前記トナー像形成部のうち少なくとも1色のトナー像形成部が、同色又は同系色の高光沢用トナーと低光沢用トナーのトナー像形成部を有し、
前記高光沢用トナー及び前記低光沢用トナーが、トナー中に、非晶性ポリエステル樹脂を50質量%以上含有し、かつ非晶性ビニル樹脂を含有し、
下記条件[1]及び[2]を満たすことを特徴とする電子写真画像形成装置。
[1]:前記高光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(a)、前記低光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(b)としたとき、下記式(1)を満たす。
式(1):5質量%≦V(b)−V(a)≦20質量%
[2]:蛍光X線分析によるNET強度により求めた、前記高光沢用トナー中のアルミニウム量をA(a)、前記低光沢用トナー中のアルミニウム量をA(b)としたとき、下記式(2)を満たす。
式(2):A(a)<A(b) - 前記非晶性ビニル樹脂の重量平均分子量(Mw)が、30000〜300000の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記高光沢用トナー及び前記低光沢用トナーのいずれもが、結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記高光沢用トナー及び前記低光沢用トナーが、トナー中に、前記結晶性ポリエステル樹脂を1〜30質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項3に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記高光沢用トナーの軟化点をTm(a)、前記低光沢用トナーの軟化点をTm(b)としたとき、下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
式(3):6℃≦Tm(b)−Tm(a)≦20℃ - 前記トナー像形成部のうち少なくとも1色のトナー像形成部が、イエロートナー像形成部、マゼンタトナー像形成部、シアントナー像形成部及びブラックトナー像形成部から選ばれるトナー像形成部であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記トナー像形成部のうち少なくとも1色のトナー像形成部が、ブラックトナー像形成部を含むことを特徴とする請求項6に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記トナー像形成部のすべてが、同色又は同系色の前記高光沢用トナーと前記低光沢用トナーのトナー像形成部を有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記高光沢用トナー及び前記低光沢用トナーが、トナー中に、非晶性ポリエステル樹脂を60〜85質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記高光沢用トナー及び前記低光沢用トナーが、トナー中に、前記非晶性ビニル樹脂を3〜30質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
- 蛍光X線分析によるNET強度により求めた、前記高光沢用トナー中のアルミニウム量A(a)が0.05以下であり、前記低光沢用トナー中のアルミニウム量A(b)が0.05〜0.40の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
- 少なくとも1色のトナーを使用して画像を形成する電子写真画像形成方法であって、
前記トナーのうち少なくとも1色のトナーは、同色又は同系色の高光沢用トナーと低光沢用トナーとを有し、
前記高光沢用トナー及び前記低光沢用トナーが、トナー中に、非晶性ポリエステル樹脂を50質量%以上含有し、かつ非晶性ビニル樹脂を含有し、
下記条件[1]及び[2]を満たすことを特徴とする電子写真画像形成方法。
[1]:前記高光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(a)、前記低光沢用トナー中の非晶性ビニル樹脂の含有量をV(b)としたとき、下記式(1)を満たす。
式(1):5質量%≦V(b)−V(a)≦20質量%
[2]:蛍光X線分析によるNET強度により求めた、前記高光沢用トナー中のアルミニウム量をA(a)、前記低光沢用トナー中のアルミニウム量をA(b)としたとき、下記式(2)を満たす。
式(2):A(a)<A(b)
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