JP6435224B2 - 樹脂水性分散体、樹脂粒子、着色樹脂粒子及びトナー - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂粒子、着色樹脂粒子、および電子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の現像に用いられるトナーと、それらを製造するのに用いる、コア/シェル型樹脂粒子と水性媒体を含有することを特徴とする樹脂水性分散体、樹脂粒子、および着色樹脂粒子に関する。
近年、電子写真装置の小型化、高速化、高画質化の促進とともに、定着工程における消費エネルギーを低減するという省エネルギーの観点から、トナーの低温定着性の向上が強く求められている。
トナーの定着温度を低くする手段として、結着樹脂のガラス転移点を低くする技術が一般的に使用されている。
しかしながら、ガラス転移点を低くし過ぎると、耐ホットオフセット性が低下し、また粉体の凝集(ブロッキング)が起り易くなることからトナーの保存性が低下するため、ガラス転移点の下限は実用上50℃である。このガラス転移点は、結着樹脂の設計ポイントであり、ガラス転移点を下げる方法では、更に低温定着可能なトナーを得ることはできない。
その他の方法として結着樹脂に非結晶性樹脂と結晶性樹脂を併用することで、結晶性樹脂の溶融特性から、トナーの低温定着性や光沢性が向上することが知られている。
しかしながら、結晶性樹脂の含有量を増やすと樹脂強度が低下する場合があり、また結晶性樹脂と結着樹脂の相溶化により結晶性樹脂が非晶化し、その結果、トナーのガラス転移点が低下することで前述と同様の課題が生じる。
これに対し、溶融混練工程後に加熱処理を行い結晶性樹脂の結晶性を再現させる方法や(特許文献1)、使用するモノマー成分を変える方法(特許文献2、3)などが提案されている。かかる方法ではトナーの低温定着性および光沢性は確保できるが、耐ホットオフセット性やトナーの流動性、高温保存時の安定性である耐熱保存性が不十分であり、また帯電安定性や粉砕する際の粉砕性が低下する問題もある。溶融懸濁法や乳化凝集法を用いて得られたシェル層で被覆する方法なども提案されているが(特許文献4〜6)、結晶性樹脂がコアの結着樹脂と相溶化することから定着後の画像強度および耐折り曲げ性が未だ不十分である。
特開2005−308995号公報 特開2012−8371号公報 特開2007−292816号公報 特開2011−197193号公報 特開2011−197192号公報 特開2011−186053号公報
本発明は、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立しつつ、トナーの耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性およびドキュメントオフセット性に優れたトナー、および該トナーを製造するのに用いる、コア/シェル型樹脂粒子と水性媒体を含有することを特徴とする樹脂水性分散体、コア/シェル型樹脂粒子を含有することを特徴とする樹脂粒子および着色樹脂粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、コア(R)が結晶性樹脂(A)を含有し、シェル(S)が重量平均分子量が5,000〜200,000の非結晶性樹脂(B)を含有するコア/シェル型樹脂粒子(P)と水性媒体(X)を含有する樹脂水性分散体(Q)であって、結晶性樹脂(A)が、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、下記関係式(1)を満たすセグメント(a1)と、下記関係式(2)を満たすセグメント(a2)を有する2種以上のセグメントが化学結合された樹脂である樹脂水性分散体(Q);該樹脂水性分散体(Q)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)凝集物を熱融着させてなる樹脂粒子(M);該樹脂水性分散体(Q)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)および着色剤凝集物を熱融着させてなる着色樹脂粒子(N);該樹脂粒子(M)または該着色樹脂粒子(N)を含有してなるトナー(Z);該樹脂水性分散体(Q)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去して得られる樹脂粒子(M)の製造方法;該樹脂水性分散体(Q)と着色剤の水性分散液とを混合して分散液(W)を得た後、分散液(W)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)および着色剤を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去して得られる着色樹脂粒子(N)の製造方法;該製造方法により得られる樹脂粒子(M)又は該製造方法により得られる着色樹脂粒子(N)を含有するトナーの製造方法である。
|SP a1 −SP B |<1.0 (1)
|SP a2 −SP B |≧1.0 (2)
但し、SP a1 はセグメント(a1)のSP値、SP a2 はセグメント(a2)のSP値、SP B は(B)のSP値である。
本発明により、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立しつつ、トナーの耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性およびドキュメントオフセット性に優れたトナーを提供することが可能になった。
以下、本発明を詳述する。
本発明の樹脂水性分散体(Q)は、コア/シェル型樹脂粒子(P)と水性媒体(X)を含有し、コア(R)は結晶性樹脂(A)を含有し、一方、シェル(S)は、重量平均分子量(以下、重量平均分子量をMwと略称することがある。)5,000〜200,000の非結晶性樹脂(B)を含有する。
本発明に使用する結晶性樹脂(A)は、結晶性を示すものであれば特に限定されず、例えば、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性エポキシ樹脂、結晶性ビニル樹脂などが挙げられる。
なお、本発明における「結晶性」とは後述のDSC測定の第1回目の昇温過程において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを意味する。
結晶性樹脂(A)は、低温定着性の観点からエステル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基、エポキシ基、およびビニル基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有することが好ましく、エステル基、ウレタン基およびウレア基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有することがより好ましく、エステル基を有することが更に好ましい。
結晶性樹脂(A)は、少なくとも2種以上のセグメントが化学結合された樹脂であって、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、下記関係式(1)を満たすセグメント(a1)と、下記関係式(2)を満たすセグメント(a2)を有する2種以上のセグメントが化学結合された樹脂であるものが好ましい。
|SPa1−SP|<1.0 (1)
|SPa2−SP|≧1.0 (2)
但し、SPa1はセグメント(a1)のSP値、SPa2はセグメント(a2)のSP値、SPは(B)のSP値である。
なお、本発明におけるSP値は、Fedorsによる方法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]により計算することができる。
セグメント(a1)としては、結晶性を示し、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、関係式(1)を満たすものであれば特にその化学構造は限定しないが、例えば以下の結晶性ポリエステル(a11)、結晶性ポリウレタン(a12)、結晶性ポリウレア(a13)、結晶性ポリアミド(a14)、結晶性ポリビニル(a15)などの化合物が挙げられる。
結晶性ポリエステル(a11)
結晶性セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリエステル(a11)としては、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、関係式(1)を満たすものであれば特にその化学構造は限定されない。
ジオール成分(x)とジカルボン酸成分(y)を原料として反応して得られるポリエステル樹脂であり、必要に応じて3価以上のアルコール成分や3価以上のポリカルボン酸成分を併用してもよい。
ジオール成分(x)のジオールとしては、脂肪族ジオール、炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数4〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」をAOと略記する)〔エチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」をEOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」をPOと略記する)、ブチレンオキサイド(以下、「ブチレンオキサイド」をBOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30);ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど);ポリブタジエンジオールなど挙げられる。これらの2種以上を併用してもよい。
これらのジオールの中で、結晶性の観点から脂肪族ジオールが好ましい。炭素数は2〜36個の範囲であり、2〜20個の範囲が好ましい。更に、同様の観点から直鎖型脂肪族ジオールが分岐型脂肪族ジオールより好ましい。
直鎖型脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール1,12−ドデカンジオールが好ましい。
結晶性の観点から直鎖型脂肪族ジオールの含有率が使用するジオール成分の60モル%以上であることが好ましく、更に好ましくは75モル%以上である。
必要によりジオール成分(x)と併用される3〜8価またはそれ以上のポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、およびポリグリセリン;糖類およびその誘導体、例えばショ糖、およびメチルグルコシド);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーの共重合物など];などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコールおよびノボラック樹脂のAO付加物であり、更に好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物である。
結晶性ポリエステル(a11)には、前記ジオール(x)に加え、カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、スルファミン酸(塩)基及びリン酸(塩)基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有するジオール(x’)を構成単位としてもよい。
これらの官能基を有するジオール(x’)を構成単位とすることにより、トナーの帯電性、耐熱保存安定性が向上する。
なお、本発明における「酸(塩)」は、酸又は酸塩を意味する。
カルボン酸(塩)基を有するジオール(x’)としては、酒石酸(塩)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸(塩)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(塩)及び3−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロパン酸(塩)等が挙げられる。
スルホン酸(塩)基を有するジオール(x’)としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)エタンスルホン酸(塩)、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタンスルホン酸(塩)及び5−スルホ−イソフタル酸−1,3‐ビス(2‐ヒドロキシエチル)エステル(塩)等が挙げられる。
スルファミン酸(塩)基を有するジオール(x’)としては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸(塩)、N,N−ビス(3−ヒドロキシプロピル)スルファミン酸(塩)、N,N−ビス(4−ヒドロキシブチル)スルファミン酸(塩)及びN,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)スルファミン酸(塩)等が挙げられる。
リン酸(塩)基を有するジオール(x’)としては、ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェート(塩)等が挙げられる。
酸塩を構成する塩としては、アンモニウム塩、アミン塩(メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、プロピルアミン塩、ジプロピルアミン塩、トリプロピルアミン塩、ブチルアミン塩、ジブチルアミン塩、トリブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、N−メチルエタノールアミン塩、N−エチルエタノールアミン塩、N,N−ジメチルエタノールアミン塩、N,N−ジエチルエタノールアミン塩、ヒドロキシルアミン塩、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン塩及びモルホリン塩等)、4級アンモニウム塩[テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩及びトリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム塩等]、アルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)が挙げられる。
官能基を有するジオール(x’)のうち、トナーの帯電性及び耐熱保存安定性の観点から好ましいのは、カルボン酸(塩)基を有するジオール(x’)及びスルホン酸(塩)基を有するジオール(x’)である。
結晶性ポリエステル(a11)を構成するジカルボン酸成分(y)のジカルボン酸としては、炭素数(カルボニル基の炭素を含める)2〜50のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸など);炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸など);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸など)などが挙げられる。これらの2種以上を併用してもよい。
これらジカルボン酸の中では、アルカンジカルボン酸とアルケンジカルボン酸の脂肪族ジカルボン酸を用いるのが結晶性の観点から好ましく、直鎖型のジカルボン酸がより好ましい。
また、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、およびこれらの低級アルキルエステル類)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては25モル%以下が好ましい。
なお、ジカルボン酸または3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物、または炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
結晶性ポリウレタン(a12)
結晶性セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリウレタン(a12)としては、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、関係式(1)を満たすものであれば特にその化学構造は限定されない。
結晶性ポリウレタン(a12)としては、前記の結晶性ポリエステル(a11)とジイソシアネート(v)を構成単位とするもの、および前記の結晶性ポリエステル(a11)と前記ジオール成分(x)とジイソシアネート(v)を構成単位とするもの等が挙げられる。
また、前記ジオール(x)に加え、前記の官能基を有するジオール(x’)を構成単位とすることにより、トナーの帯電性、耐熱保存安定性が向上する。
ジイソシアネート(v)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く。以下同様。)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI{粗製ジアミノフェニルメタン[ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、鎖状脂肪族ジイソシアネート及び環状脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
環状脂肪族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
ジイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及び/又はオキサゾリドン基を含有する変性物等が用いられ、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI及びこれらの混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との混合物]等が挙げられる。
これらのジイソシアネート(v)のうちで好ましいのは、炭素数6〜15の芳香族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂肪族ジイソシアネートであり、更に好ましいのはTDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
結晶性ポリウレア(a13)
結晶性セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリウレア(a13)としては、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、関係式(1)を満たすものであれば特にその化学構造は限定されない。
結晶性ポリウレア(a13)としては、前記結晶性ポリエステル(a11)とジアミン(z)とジイソシアネート(v)を構成単位とするもの等が挙げられる。
ジアミン(z)としては、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン及び炭素数6〜20の芳香族ジアミン等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ジアミンとしては、鎖状脂肪族ジアミン及び環状脂肪族ジアミン等が挙げられる。
鎖状脂肪族ジアミンとしては、炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)及びポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン[ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等]等が挙げられる。
環状脂肪族ポリアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ジアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4〜15の複素環式ジアミン[ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、及び1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等]等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジアミンとしては、非置換芳香族ジアミン、アルキル基(メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ジアミン等が挙げられる。
非置換芳香族ジアミンとしては、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、ナフチレンジアミン及びこれらの混合物等が挙げられる。
アルキル基(メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ジアミンとしては、2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトライソプロピルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジイソプロピル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及びこれらの混合物等が挙げられる。
ジイソシアネート(v)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く。以下同様。)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI{粗製ジアミノフェニルメタン[ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、鎖状脂肪族ジイソシアネート及び環状脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
環状脂肪族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
ジイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及び/又はオキサゾリドン基を含有する変性物等が用いられ、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI及びこれらの混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との混合物]等が挙げられる。
これらのジイソシアネート(v)のうちで好ましいのは、炭素数6〜15の芳香族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂肪族ジイソシアネートであり、更に好ましいのはTDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
結晶性ポリアミド(a14)
結晶性セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリアミド(a14)としては、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、関係式(1)を満たすものであれば特にその化学構造は限定されない。
結晶性ポリアミド(a14)としては、前記結晶性ポリエステル(a11)と、前記ジアミン(z)と、ジカルボン酸(y)を構成単位とするもの等が挙げられる。
結晶性ポリビニル(a15)
結晶性セグメント(a1)として使用できる結晶性ポリビニル(a15)としては、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、関係式(1)を満たすものであれば特にその化学構造は限定されない。
結晶性ポリビニル(a15)としては、ラジカル重合性単量体を、ラジカル重合開始剤を用いて単独重合又は共重合した重合体が挙げられる。ラジカル重合性単量体としては、以下の単量体(w1)〜(w9)等が挙げられる。
重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合等の公知の方法で行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル、およびアゾビスシアノ吉草酸)、および有機過酸化物系重合開始剤〔例えばベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン〕等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ジ−t−ブチルパーオキサイド、および2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマーの全量に基づいて、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜8重量%、特に好ましくは0.1〜6重量%である。
(w1)重合性二重結合を有する炭化水素:
例えば、以下の(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素と(w12)重合性二重結合を有する芳香族炭化水素が挙げられる。
(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素:
例えば、以下の(w111)と(w111)が挙げられる。
(w111)重合性二重結合を有する鎖状炭化水素:炭素数2〜30のアルケン(例えばエチソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
(w112)重合性二重結合を有する環状炭化水素:炭素数6〜30のモノ又はジシクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)及び炭素数5〜30のモノ又はジシクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン等]等。
(w12)重合性二重結合を有する芳香族炭化水素:スチレン;スチレンのハイドロカルビル(炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体(例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等);及びビニルナフタレン等。
(w2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体及びそれらの塩:
炭素数3〜15の不飽和モノカルボン酸{例えば(メタ)アクリル酸[「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。]、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等};炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)[例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及び炭素数3〜10の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜10)エステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)等。
カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体の塩を構成する塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩及びマグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、例えば1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩及びオクチルアミン塩等)、2級アミン(ジエチルアミン塩及びジブチルアミン塩等)、3級アミン(トリエチルアミン塩及びトリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩及びトリブチルラウリルアンモニウム塩等が挙げられる。
カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体の塩としては、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、マレイン酸モノナトリウム、マレイン酸ジナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、マレイン酸モノカリウム、アクリル酸リチウム、アクリル酸セシウム、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸カルシウム及びアクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
(w3)スルホ基と重合性二重結合を有する単量体及びそれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等);スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(例えばスルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えばプロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸等);ポリ[n(重合度。以下同様。)=2〜30]オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン等。オキシアルキレンは単独又は併用でもよく、併用する場合、付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよい。)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えばポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル及びポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等];及びこれらの塩等が挙げられる。
なお、塩としては、(w2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体の塩を構成する塩として例示したものが挙げられる。
(w4)ホスホノ基と重合性二重結合を有する単量体及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等)、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
なお、塩としては、(w2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体を構成する塩として例示したもの挙げられる。
(w5)ヒドロキシル基と重合性二重結合を有する単量体:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び庶糖アリルエーテル等。
(w6)重合性二重結合を有する含窒素単量体:
例えば、(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体、(w62)アミド基と重合性二重結合を有する単量体、(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体、(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8〜12の単量体などが挙げられる。
(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール及びこれらの塩等。
(w62)アミド基と重合性二重結合を有する単量体:
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド及びN−ビニルピロリドン等。
(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体:
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等。
(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8〜12の単量体:
ニトロスチレン等。
(w7)エポキシ基と重合性二重結合を有する炭素数6〜18の単量体:
グリシジル(メタ)アクリレート及びp−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(w8)ハロゲン元素と重合性二重結合を有する炭素数2〜16の単量体:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロロスチレン、ブロムスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン及びクロロプレン等。
(w9)重合性二重結合を有するエステル、重合性二重結合を有するエーテル、重合性二重結合を有するケトン及び重合性二重結合を有する含硫黄化合物:
例えば、(w91)重合性二重結合を有する炭素数2〜24のエステル、(w92)重合性二重結合を有する炭素数3〜16のエーテル、(w93)重合性二重結合を有する炭素数4〜12のケトン、(w94)重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物などが挙げられる。
(w91)重合性二重結合を有する炭素数2〜24のエステル:
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖と重合性二重結合を有する単量体[ポリエチレングリコール[Mn=300]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
(w92)重合性二重結合を有する炭素数3〜16のエーテル:
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、アセトキシスチレン及びフェノキシスチレン等が挙げられる。
(w93)重合性二重結合を有する炭素数4〜12のケトン:
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等が挙げられる。
(w94)重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物:
ジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等が挙げられる。
非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、関係式(1)を満たす結晶性セグメント(a1)の中で低温定着性の観点から好ましいのは結晶性ポリエステル(a11)、結晶性ポリウレタン(a12)、結晶性ポリウレア(a13)であり、更に好ましいのは(a11)および(a12)である。
非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、関係式(1)を満たす結晶性セグメント(a1)と共に結晶性樹脂(A)に含まれるセグメント(a2)としては、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、関係式(2)を満たす化合物であれば特に限定しない。
結晶性樹脂(A)中のセグメント(a1)とセグメント(a2)は、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基およびエポキシ基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基で結合されていることが好ましく、エステル基およびウレタン基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基で結合されていることがより好ましい。
結晶性樹脂(A)のMwは、低温定着性および光沢性の観点から、8,000〜150,000が好ましく、更に好ましくは10,000〜110,000、特に好ましくは12,000〜100,000である。
なお、Mwと数平均分子量(以下Mnと記載する)は結晶性樹脂(A)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、それを試料溶液として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000
2890000)
本発明に使用する非結晶性樹脂(B)は、非結晶性であり、Mwが5,000〜200,000であれば、その樹脂の組成は特に限定されない。
なお、本発明における「非結晶性」とは後述のDSC測定の第1回目の昇温過程において、階段状の吸熱量変化を示し、明確な吸熱ピークを有さないものを意味する。
例えば非結晶性ポリエステル樹脂(B1)、非結晶性ビニル樹脂(B2)、非結晶性エポキシ樹脂等(B3)が挙げられる。このうち、好ましくは非結晶性ポリエステル樹脂(B1)および非結晶性ビニル樹脂(B2)であり、更に好ましくは非結晶性ビニル樹脂(B2)である。
非結晶性ポリエステル樹脂(B1)は、ポリオール成分とカルボン酸成分を原料として反応して得られるポリエステル樹脂である。
非結晶性のポリエステル樹脂(B1)を構成するポリオール成分としては結晶性ポリエステル(a11)で使用するジオール成分(x)と同様のものを使用できる。
そのうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)、3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール、及びノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)が好ましい。
更に好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)、ノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、特に好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)であり、最も好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜3)である。
非結晶性とするために、直鎖型ジオールの含有率は使用するジオール成分の70モル%以下が好ましく、更に好ましくは60モル%以下である。
非結晶性ポリエステル樹脂(B1)を構成するカルボン酸成分としては結晶性ポリエステル(a11)で使用するジカルボン酸成分(y)と同様のものを使用できる。
また、3価以上の多価カルボン酸やモノカルボン酸も使用できる。
3価以上の多価カルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10,000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、及びスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
モノカルボン酸としては炭素数1〜30の脂肪族(脂環式を含む)モノカルボン酸、および炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸が挙げられる。
これらのカルボン酸成分のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、安息香酸、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)が好ましい。
更に好ましくは、安息香酸、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びこれらの併用であり、特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びこれらの併用である。
また、これらのカルボン酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
非結晶性ビニル樹脂(B2)は、ラジカル重合性単量体を単独重合又は共重合した非結晶性の重合体が挙げられる。ラジカル重合性単量体としては、結晶性ポリビニル(a15)で使用する前述の(w1)〜(w9)と同様のものを使用できる。
非結晶性樹脂(B)としては、ラジカル重合性単量体を重合してなる非結晶性ビニル樹脂(B2)が好ましい。これらのラジカル重合性単量体のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、重合性二重結合を有する芳香族炭化水素および炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含有することが好ましい。
非結晶性エポキシ樹脂(B3)としては、ポリエポキシドの開環重合物、ポリエポキシドと活性水素含有化合物{水、ポリオール[ジオール及び3以上のポリオール]、ジカルボン酸、3価以上のポリカルボン酸、ポリアミン等}との重付加物等が挙げられる。
非結晶性樹脂(B)の水酸基価は、低温定着性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性、およびドキュメントオフセット性の観点から、20mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは15mgKOH/g以下であり、更に好ましくは10mgKOH/g以下である。
非結晶性樹脂(B)の酸価は、低温定着性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性、およびドキュメントオフセット性の観点から、50mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは40mgKOH/g以下であり、更に好ましくは30mgKOH/g以下である。
非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、低温定着性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性、およびドキュメントオフセット性の観点から、40〜80℃が好ましく、より好ましくは45〜78℃、更に好ましくは50〜75℃である。
なお、Tgは、DSCを用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
非結晶性樹脂(B)のMwは、低温定着性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性、およびドキュメントオフセット性の観点から、5,000〜200,000であり、好ましくは、5,500〜185,000、更に好ましくは6,000〜170,000である。
非結晶性樹脂(B)のフローテスターで測定した軟化点(Tm)は、60〜170℃が好ましく、より好ましくは65〜165℃、更に好ましくは70〜160℃である。
非結晶性樹脂(B)はTmの異なるものを2種類以上併用することもできる。
軟化点(Tm)は以下の方法で測定される。
高化式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点〔Tm〕とする。
コア/シェル型樹脂粒子(P)は、コア(R)とシェル(S)を含有してなり、コア(R)は結晶性樹脂(A)を含有し、シェル(S)は、Mwが5,000〜200,000の非結晶性樹脂(B)を含有する。
コア/シェル型樹脂粒子(P)の具体的な製造方法としては、例えば以下の[1]、[2]の方法が挙げられる。
[1]非結晶性樹脂(B)の有機溶剤(f)溶液に、結晶性樹脂(A)および必要により界面活性剤(K)を含有する水性分散体(A0)を、撹拌下徐々に加えて、転相乳化する。次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤(f)を留去して、コア/シェル型樹脂粒子(P)および水性媒体(X)を含有する樹脂水性分散体(Q)を得る。
[2]結晶性樹脂(A)、非結晶性樹脂(B)および有機溶剤(f)を相溶化させた後、水を加えて撹拌混合して乳化分散液とする。ここにおいて、界面活性剤(K)は、有機溶剤(f)に加えても、水に加えても、(f)と水の両方に加えてもよい。好ましいのは(K)を水に加える方法である。
次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤(f)を留去して、コア/シェル型樹脂粒子(P)および水性媒体(X)を含有する樹脂水性分散体(Q)を得る。
なお、[1]および[2]のいずれの方法においても、本発明の効果を阻害しない範囲で有機溶剤(f)は残存してもよい。なお、必要に応じて、さらに水性媒体(X)を留去してコア/シェル型樹脂粒子(P)を得ることもできる。
上記[1]および[2]のうち、樹脂水性分散体の安定性の観点から、好ましいのは[1]の方法であり、本発明のコア/シェル型樹脂粒子(P)は、(B)の有機溶剤溶液と(A)の水性分散体(A0)とを転相乳化して得られるものが好ましい。
本発明におけるコア/シェル型樹脂粒子(P)中の、(B)の重量に基づく(A)の含有量は、低音定着性の観点から、好ましくは0.1〜99%、更に好ましくは0.5〜90%、とくに好ましくは1〜85%である。
本発明におけるコア/シェル型樹脂粒子(P)の、コアの被覆率(%)は、以下の方法[1]で評価できる。コアの被覆率は、樹脂水性分散体の安定性、トナーの耐熱保存性の観点から、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
方法[1]TEMによるコアの被覆率(%)評価
作製したコア/シェル型樹脂粒子(P)において、コアがシェルに被覆されている割合は、以下に示す方法で試料を調整し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行う。ランダムに計50個のコア/シェル型樹脂粒子(P)を観察し、コアが露出している粒子とコアが全く露出していない粒子に分けて、コアが全く露出していない粒子数の割合(%)を算出する。
コア/シェル型樹脂粒子(P)を四酸化ルテニウムにて染色し、オートファインコーターを用いて白金蒸着した後、TEM観察を行う。使用するTEMは例えば、「サーマルFE−SEM JSM7000F」JEOL製や「コールドFE−TEM」日立製が挙げられる。
有機溶剤(f)は、結晶性樹脂(A)の水性分散体(A0)を作製する際に、(A)を溶解する目的で使用され、また、コア/シェル型樹脂粒子(P)を作製する際に、シェル成分である非結晶性樹脂(B)を溶解する目的でも使用される。
有機溶剤(f)は、水と相溶しない有機溶剤であれば使用することができる。ここで水と相溶しない有機溶剤とは、水/オクタノール分配係数(logPow)の値が0〜4であるものをいう。logPowは、JIS Z7260−107(2000)に記載のフラスコ振とう法により求めることができる。該係数は、対象とする物質が、オクタノール相と水相の接した系中で平衡状態にある場合を対象として、各相の濃度の常用対数で示され、該対象物質の疎水性の指標となるものである。該係数が大であるほど疎水性が大であることを示す。
更に、コア/シェル型樹脂粒子(P)および水性媒体(X)を含有する樹脂水性分散体(Q)を作製する際に行う脱溶剤のしやすさの観点から、有機溶剤は、水よりも低い沸点であることが好ましい。
有機溶剤(f)としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステルまたはエステルエーテル溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン溶剤;n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
使用する有機溶剤(f)は非結晶性樹脂(B)の組成により異なるが、例えば(B)として、非結晶性ポリエステル樹脂(B1)、非結晶性ビニル樹脂(B2)を使用する場合、(f)としては酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、クロロホルム等が好ましい。
非結晶性樹脂(B)に対する有機溶剤(f)の配合量は、溶液中の(B)の濃度として好ましくは1〜70重量%、更に好ましくは2〜65重量%、特に好ましくは3〜60重量%である。
本発明において水性媒体(X)は、水、および水と水溶性の有機溶剤(s)との混合物を意味する。水溶性の有機溶剤(s)としては、ケトン系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等、エステル系溶剤;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等、エーテル系溶剤;THF等、アミド系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等、アルコール系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、及び芳香族炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
(s)を使用した場合には、樹脂水性分散体の製造途中又は製造後に必要によりこれを留去してもよい。
結晶性樹脂(A)および必要により界面活性剤(K)を含有する水性分散体(A0)の具体的な製造方法としては、例えば以下の[1]、[2]の方法が挙げられる。
[1]結晶性樹脂(A)の有機溶剤(f)溶液に、必要により界面活性剤(K)を含有する水性媒体(X)を、撹拌下徐々に加えて、転相乳化する。次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤(f)を留去して、(A0)を得る。
[2]必要により界面活性剤(K)を含有する結晶性樹脂(A)の有機溶剤(f)溶液に、水性媒体(X)を、撹拌下徐々に加えて、転相乳化する。次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤(f)を留去して、(A0)を得る。
界面活性剤(K)としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤等が挙げられる。なお、界面活性剤は2種以上を併用してもよい。
アニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜24のアルキル基を有するエーテルカルボン酸(塩)[(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]、炭素数8〜24のアルキル基を有するエーテル硫酸エステル塩[(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム等]、炭素数8〜24のアルキル基を有するスルホコハク酸エステル塩[モノ又はジアルキルスルホコハク酸エステルジ又はモノナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)モノ又はジアルキルスルホコハク酸エステルジ又はモノナトリウム等]、(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、炭素数8〜24のアルキル基を有するスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、炭素数8〜24のアルキル基を有するリン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩(ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等)、アシル化アミノ酸塩(ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等)等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、4級アンモニウム塩型及びアミン塩型のカチオン界面活性剤等が挙げられる。4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、3級アミン類と4級化剤[ハロゲン化アルキル(メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド及びベンジルクロライド等)、ジメチル硫酸、ジメチルカーボネート及びエチレンオキサイド等]との反応で得られる化合物等が使用でき、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド及びステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。アミン塩型カチオン界面活性剤としては、1〜3級アミン類を無機酸(塩酸、硝酸、硫酸及びヨウ化水素酸等)又は有機酸(酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸及びアルキルリン酸等)で中和することにより得られる化合物が使用でき、1級アミン塩型のものとしては、脂肪族高級アミン(ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン及びロジンアミン等の高級アミン)の無機酸塩又は有機酸塩、低級アミン類の高級脂肪酸(ステアリン酸及びオレイン酸等)塩等が挙げられる。2級アミン塩型のものとしては、脂肪族アミンのエチレンオキサイド付加物等の無機酸塩又は有機酸塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型両性界面活性剤[炭素数10〜18の脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等)、アルキル(炭素数10〜18)ジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)、イミダゾリニウム型カルボキシベタイン(2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等)]、スルホベタイン型両性界面活性剤[炭素数10〜18の脂肪酸アミドプロピルヒドロキシエチルスルホベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルヒドロキシエチルスルホベタイン等)、ジメチルアルキル(炭素数10〜18)ジメチルヒドロキシエチルスルホベタイン(ラウリルヒドロキシスルホベタイン等)]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤及び多価アルコール型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤としては、高級アルコール(炭素数8〜18)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)、アルキル(炭素数1〜12)フェノールエチレンオキサイド付加物(付加モル数1〜30)、高級アミン(炭素数8〜22)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜40)、脂肪酸(炭素数8〜18)エチレンオキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜60)、ポリプロピレングリコール(数平均分子量200〜4,000)エチレンオキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜50)、ポリオキシエチレン(繰り返し単位数3〜30)アルキル(炭素数6〜20)アリルエーテル並びにソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜30)及びソルビタンモノオレートエチレンオキサイド付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜30)等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステルエチレンオキシド付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜30)、ポリオキシエチレン(繰り返し単位数3〜30)の脂肪酸(炭素数1〜24)エステル等が挙げられる。
多価アルコール型非イオン性界面活性剤としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレート等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数1〜24)エステル並びにラウリン酸モノエタノールアミド及びラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸(炭素数10〜18)アルカノールアミド等が挙げられる。
また、結晶性樹脂(A)および/または非結晶性樹脂(B)がカルボン酸を含有する場合、樹脂水性分散体を小粒径化および安定化する目的で、カルボン酸中和剤を添加することもできる。
カルボン酸中和剤としては、アンモニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びジメチルエチルアミン等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、アンモニア、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、およびトリエチルアミンである。
(Q)中の(P)の体積基準のメジアン径は、(P)の安定性、および後述する凝集を制御する観点から、好ましくは20nm〜2μm、より好ましくは30nm〜1μm、更に好ましくは40nm〜700nmである。なお、体積基準のメジアン径は、光散乱理論を応用したレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[商品名「LA−700」、(株)堀場製作所製]を用いて測定することができる。
本発明における樹脂粒子(M)は、樹脂水性分散体(Q)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去することにより得られる。
(P)を凝集させる方法としては、樹脂水性分散体(Q)に、凝集剤を添加する方法が挙げられる。
凝集剤としては、酸(塩酸、硫酸、硝酸、酢酸及びシュウ酸等)、無機酸の金属塩(塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅及び炭酸ナトリウム等)、脂肪酸の金属塩(酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム及びサリチル酸カリウム等)、芳香族脂肪酸の金属塩(安息香酸ナトリウム等)、フェノール類の金属塩(ナトリウムフェノレート等)、アミン塩(アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩及びアニリン塩酸塩等)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、無機酸の金属塩及び脂肪酸の金属塩であり、更に好ましいのは無機酸の金属塩である。
凝集剤の添加量は、(P)の重量に基づいて好ましくは0.1〜20重量%であり、更に好ましくは0.2〜15重量%である。
凝集させたものを熱融着する工程における加熱の温度は、好ましくは30〜100℃、更に好ましくは40〜100℃である。
加熱の時間は、好ましくは1〜12時間、更に好ましくは2〜10時間である。
本発明における着色樹脂粒子(N)は、樹脂水性分散体(Q)と着色剤の水性分散液とを混合して分散液(W)を得た後、分散液(W)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)および着色剤を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去することにより得られる。
分散液(W)を得る方法は特に限定されないが、分散機を使用することもできる。
分散機としては、一般に乳化機や分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えばバッチ式乳化機{「ホモジナイザー」(IKA社製)、「ポリトロン」(キネマティカ社製)及び「TKオートホモミキサー」[プライミクス(株)製]等}、連続式乳化機{「エバラマイルダー」[(株)荏原製作所製]、「TKフィルミックス」、「TKパイプラインホモミキサー」[プライミクス(株)製]、「コロイドミル」[神鋼パンテック(株)製]、「スラッシャー」、「トリゴナル湿式微粉砕機」[サンテック(株)製]、「キャピトロン」(ユーロテック社製)及び「ファインフローミル」[太平洋機工(株)製]等}、高圧乳化機{「マイクロフルイダイザー」[みずほ工業(株)製]、「ナノマイザー」[エス・ジーエンジニアリング(株)製]及び「APVガウリン」(ガウリン社製)等}、膜乳化機{「膜乳化機」[冷化工業(株)製]等}、振動式乳化機{「バイブロミキサー」[冷化工業(株)製]等}、超音波乳化機{「超音波ホモジナイザー」(ブランソン社製)等}等が挙げられる。
本発明における着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。
具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、結晶性樹脂(A)と非結晶性樹脂(B)の合計を100重量部とした際に、好ましくは1〜40重量部、更に好ましくは3〜10重量部である。
なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、更に好ましくは40〜120重量部である。
着色剤の水性分散液の製造において、分散液の安定性の観点から、界面活性剤、無機分散剤、水溶性ポリマー等を用いることができる。また、分散の助剤として有機溶剤、可塑剤等を併用することができる。
界面活性剤および有機溶剤としては、前述のものが使用できる。
無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、ヒドロキシアパタイト等のリン酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物が挙げられる。
水溶性ポリマーとしては、セルロース化合物(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びこれらのケン化物等)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)重合体(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物及びアクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物及び水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール及びポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)等が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル及びフタル酸ジイソデシル等);脂肪族2塩基酸エステル(アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル及びセバシン酸−2−エチルヘキシル等);トリメリット酸エステル(トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル及びトリメリット酸トリオクチル等);リン酸エステル(リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル及びリン酸トリクレジール等);脂肪酸エステル(オレイン酸ブチル等);及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
着色樹脂粒子(N)の製造における凝集および熱融着の方法は、前述の樹脂粒子(M)の場合と同様である。
本発明のトナー(Z)は、着色樹脂粒子(N)を含有してなる。トナー(Z)は、着色樹脂粒子(N)中に、離型剤及び/又は荷電制御剤を含有させることができる。それらは、分散液(W)を得る際に、予め含有させておくことで、(Z)に含有させることができる。
離型剤としては、天然ワックス(蜜ロウ、カルナバワックス及びモンタンワックス等)、石油ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びペトロラタム等)、合成ワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス及び酸化ポリプロピレンワックス等)、合成エステルワックス(炭素数10〜30の脂肪酸と炭素数10〜30のアルコールから合成される脂肪酸エステル等)等が挙げられる。
離型剤のTaは、低温定着性の観点から好ましくは40〜90℃であり、更に好ましくは45〜85℃、特に好ましくは50〜80℃である。
離型剤の100℃における動粘度は、低温定着性の観点から好ましくは3〜20[mm/s]であり、更に好ましくは4〜19[mm/s]、特に好ましくは5〜18[mm/s]である。
荷電制御剤としては、ニグロシン化合物、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ化合物、銅フタロシアニン化合物、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
荷電制御剤は、トナー(Z)の内部に分散していてもよく、(Z)表面を被覆していてもよく、(Z)内部に分散しかつ(Z)表面を被覆していてもよい。
また、本発明のトナー(Z)には、流動性の観点から外添剤を添加することができる。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられる。
樹脂粒子(M)、着色樹脂粒子(N)、トナー(Z)の体積平均粒径は、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜18μm、更に好ましくは3〜15μmである。
体積平均粒径は、コールターカウンター「マルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
本発明のトナー(Z)は、一定の条件で昇温、冷却、昇温と繰り返した際に、示差走査熱量計(DSC)により測定すると2つ以上の吸熱ピークが示される。
そこで、第1回目の昇温過程の吸熱ピーク面積をS、第2回目の昇温過程の吸熱ピーク面積をSとすると、まず、結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークトップを示す温度(Tp)が40〜100℃の範囲にあって、昇温時の吸熱ピーク面積SとSが下記の関係式(3)を満たすことが好ましい。
/S×100≧35 (3)
DSCにより測定する際の昇温・冷却条件としては、30℃から10℃/分の条件で180℃まで昇温する(第1回目の昇温過程)。次いで、180℃で10分間放置後、10℃/分の条件で0℃まで冷却する(第1回目の冷却過程)。次いで、0℃で10分間放置した後、10℃/分の条件で180℃まで昇温する(第2回目の昇温過程)。
結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークが2つ以上ある場合は、S、S共にそれらを合算した面積で計算する。
また結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークが結晶性樹脂(A)由来ではない吸熱ピークと重なる場合は、各々のピークに分解して求める。なお、離型剤などの結晶性の物質を加える場合、吸熱ピークを発現する場合があるが、ピークの谷の箇所にてベースラインに対して垂直に線を引いて分割し、その分割線によって分けられた面積を用いて計算すればよい。
本発明のトナー(Z)において、第1回目の昇温過程は熱定着工程に相当し、第2回目の昇温過程は得られた定着画像の熱安定性に相当するといえる。
すなわち関係式(3)を満足する場合、第1の昇温過程に相当する定着工程では結晶性樹脂(A)の一部が非結晶性樹脂(B)に相溶し、トナーが可塑化されることにより、低温定着が可能になるが、冷却後は結晶性樹脂(A)が再度結晶化することで低Tg化および低粘度化を解消し、画像強度およびドキュメントオフセット性を向上することができる。
関係式(3)の左辺の値は、トナーの耐熱保存性、画像強度、耐折り曲げ性、ドキュメントオフセット性の観点から35以上が好ましく、より好ましくは37以上、更に好ましくは40以上である。
結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークトップを示す温度(Tp)(℃)としての範囲は、トナーの耐熱保存性、画像強度、耐折り曲げ性、ドキュメントオフセット性の観点から40〜100が好ましく、より好ましくは42〜97、更に好ましくは45〜95である。
なお、吸熱ピークトップを示す温度とは、吸熱ピークの凹部の最も深い箇所の温度のことを指す。結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークが2つ以上ある場合は、少なくとも1つがこの範囲にあればよい。
本発明のトナー(Z)中の各成分の含有率は、以下の通りである。
結晶性樹脂(A)の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは2〜50重量%であり、より好ましくは3〜47重量%、更に好ましくは5〜45重量%である。
非結晶性樹脂(B)の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは30〜95重量%であり、より好ましくは32〜93重量%、更に好ましくは35〜90重量%である。
着色剤の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0.1〜60重量%であり、より好ましくは0.2〜55重量%、更に好ましくは0.5〜50重量%である。
離型剤の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0〜30重量%であり、より好ましくは0.5〜25重量%、更に好ましくは1〜20重量%である。
荷電制御剤の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0〜20重量%であり、より好ましくは0.1〜15重量%、更に好ましくは0.2〜10重量%である。
外添剤の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0〜10重量%であり、より好ましくは0.2〜7重量%、更に好ましくは0.3〜5重量%である。
また、トナー(Z)中の着色樹脂粒子(N)の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0.1〜100重量%であり、より好ましくは0.2〜97重量%、更に好ましくは0.5〜95重量%である。
本発明のトナー(Z)は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、および樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリア粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリア粒子との重量比は、通常1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー(Z)は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例、比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部、%は重量%を示す。
なお、以下における実施例1〜3、8〜11及び16は参考例である。
製造例1
〔セグメント(a1−1)の合成〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール600部、アジピン酸63部、フマル酸525部および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステルであるセグメント(a1−1)を得た。(a1−1)のSPa1は10.6である。
製造例2
〔セグメント(a1−2)の合成〕
製造例1において、使用する原料をエチレングリコール280部、セバシン酸859部、テレフタル酸16部とする以外は製造例1と同様に反応を行い、結晶性ポリエステルであるセグメント(a1−2)を得た。(a1−2)のSPa1は10.5である。
製造例3
〔セグメント(a1−3)の合成〕
製造例1において、使用する原料を1,4−ブタンジオール360部、セバシン酸774部とする以外は製造例1と同様に反応を行い、結晶性ポリエステルであるセグメント(a1−3)を得た。(a1−3)のSPa1は10.1である。
製造例4
〔セグメント(a1−4)の合成〕
製造例1において、使用する原料を1,6−ヘキサンジオール424部、セバシン酸696部とする以外は製造例1と同様に反応を行い、結晶性ポリエステルであるセグメント(a1−4)を得た。(a1−4)のSPa1は9.9である。
製造例5
〔セグメント(a1−5)の合成〕
製造例1において、使用する原料を1,6−ヘキサンジオール390部、ドデカン二酸723部とする以外は製造例1と同様に反応を行い、結晶性ポリエステルであるセグメント(a1−5)を得た。(a1−5)のSPa1は9.8である。
製造例6
〔セグメント(a2−1)の合成〕
製造例1において、使用する原料を1,12−ドデカンジオール524部、ドデカン二酸561部とする以外は製造例1と同様に反応を行い、結晶性ポリエステルであるセグメント(a2−1)を得た。(a2−1)のSPa2は9.5である。
製造例7
〔セグメント(a2−2)〕
ベヘニルアルコールをセグメント(a2−2)として用いた。(a2−2)のSPa2は9.3である。
製造例8
〔セグメント(a2−3)〕
水酸基末端ポリブタジエン「Poly bd R−45HT」[出光興産(株)製]をセグメント(a2−3)として用いた。(a2−3)のSPa2は8.9である。
製造例9
〔結晶性樹脂(A−1)〕
セグメント(a1−1)を結晶性樹脂(A−1)として用いた。(A−1)のTpは95℃、Mwは16,000であった。
製造例10
〔結晶性樹脂(A−2)の合成〕
撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、セグメント(a1−2)830部を仕込み、100℃で均一に溶解した。さらにヘキサメチレンジイソシアネート12部を仕込み、100℃で3時間反応させ、結晶性樹脂(A−2)を得た。(A−2)のTpは75℃、Mwは27,000であった。
製造例11
〔結晶性樹脂(A−3)の合成〕
製造例10において、使用する原料をセグメント(a1−3)450部、セグメント(a2−1)504部、イソホロンジイソシアネート17部とする以外は製造例10と同様の反応を行い、結晶性樹脂(A−3)を得た。(A−3)のTpは62℃、Mwは30,000であった。
製造例12
〔結晶性樹脂(A−4)の合成〕
製造例10において、使用する原料をセグメント(a1−4)800部、セグメント(a2−2)82部、ヘキサメチレンジイソシアネート42部とする以外は製造例10と同様の反応を行い、結晶性樹脂(A−4)を得た。(A−4)のTpは67℃、Mwは18,000であった。
製造例13
〔結晶性樹脂(A−5)の合成〕
撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、セグメント(a1−5)700部、セグメント(a2−3)141部を仕込み、100℃で均一に溶解した。さらにヘキサメチレンジイソシアネート19部を仕込み、100℃で3時間反応させた後、反応容器にメチルエチルケトン850重量部を投入し、100℃で1時間撹拌し溶液を得た。次いでこの溶液に、無水トリメリット酸22重量部を投入し、150℃に昇温し4時間反応させた後、メチルエチルケトンを留去して、結晶性樹脂(A−5)を得た。(A−5)のTpは65℃、Mwは35,000であった。
比較製造例1
〔比較のセグメント(a’1−1)の合成〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物688部、テレフタル酸275部、アジピン酸20部、安息香酸72部、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、加圧下、220℃で反応させ、生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで徐々に圧抜きをしながら常圧にもどし、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で反応を進めた。Tmが95℃になったところで常圧にもどし、180℃に冷却した。無水トリメリット酸17部加え、1時間反応させた。冷却して取り出し、非結晶性ポリエステルである比較のセグメント(a’1−1)を得た。(a’1−1)のSPa1は11.1である。
比較製造例2
〔比較の樹脂(A’−1)の合成〕
比較のセグメント(a’1−1)を比較の樹脂(A’−1)として用いた。(A’−1)のMwは8,000であった。
製造例14
〔非結晶性樹脂(B−1)の合成〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物658部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド3モル付加物303部、テレフタル酸295部、安息香酸37部、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、加圧下、220℃で反応させ、生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで徐々に圧抜きをしながら常圧にもどし、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で反応を進めた。Tmが100℃になったところで常圧にもどし、180℃に冷却した。無水トリメリット酸19部加え、1時間反応させた。冷却して取り出し、非晶性樹脂(B−1)を得た。(B−1)のMwは7,000、水酸基価は15、SPBは11.1であった。
製造例15
〔非結晶性樹脂(B−2)の合成〕
オートクレーブにキシレン800重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でスチレン700重量部、n−ブチルメタアクリレート140重量部、メチルメタアクリレート130重量部、アクリル酸30重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド2.3重量部およびキシレン350重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持した後、キシレンを留去して、非結晶性樹脂(B−2)を得た。(B−2)のMwは12,000、水酸基価は0、SPBは10.5であった。
製造例16
〔非結晶性樹脂(B−3)の合成〕
製造例15において、スチレン750重量部、n−ブチルメタアクリレート100重量部、メチルメタアクリレート100重量部、アクリル酸50重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.8重量部に置き換えた以外は製造例15と同様にして、非結晶性樹脂(B−3)を得た。(B−3)のMwは25,000、水酸基価は0、SPBは10.6であった。
製造例17
〔非結晶性樹脂(B−4)の合成〕
製造例15において、スチレン600重量部、n−ブチルメタアクリレート150重量部、メチルメタアクリレート230重量部、アクリル酸20重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量部に置き換えた以外は製造例15と同様にして、非結晶性樹脂(B−4)を得た。(B−4)のMwは120,000、水酸基価は0、SPBは10.4であった。
比較製造例3
〔比較の樹脂(B’−1)の合成〕
オートクレーブにキシレン800重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でスチレン880重量部、n−ブチルメタアクリレート80重量部、メチルメタアクリレート20重量部、アクリル酸20重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド10.2重量部、ドデシルメルカプタン20重量部およびキシレン350重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持した後、キシレンを留去して、比較の樹脂(B’−1)を得た。(B’−1)のMwは3,000、水酸基価は0、SPBは10.5であった。
製造例18
〔(A−1)の水性分散体(A0−1)の製造〕
容器に(A−1)10重量部とメチルエチルケトン90重量部を仕込み、これに界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル「イオネット DS−300」[三洋化成工業(株)製]0.5重量部を添加し、40℃で1時間撹拌した。その後、40℃で水190重量を2時間かけて滴下して転相乳化させたものを、50℃において30kPaの減圧下でメチルエチルケトンを留去して、固形分濃度を調整する目的で水を加え、固形分濃度が5重量%である(A−1)の水性分散体(A0−1)を得た。
製造例19〜22、および比較製造例4
〔水性分散体(A0)および(A’0)の製造〕
製造例18において、(A−1)を(A−2)〜(A−5)および(A’−1)に置き換えた以外は製造例18と同様にして、(A−2)の水性分散体(A0−2)、(A−3)の水性分散体(A0−3)、(A−4)の水性分散体(A0−4)、(A−5)の水性分散体(A0−5)、および比較の(A’−1)の水性分散体(A’0−1)をそれぞれ得た。
実施例1
〔コア/シェル型樹脂粒子(P−1)の水性分散体(Q−1)の製造〕
容器に(B−1)75重量部とメチルエチルケトン75重量部を仕込み、40℃で1時間撹拌した。その後、40℃で(A0−1)200重量部を2時間かけて滴下して転相乳化させたものを、50℃において30kPaの減圧下でメチルエチルケトンを留去して、固形分濃度を調整する目的で水を加え、固形分濃度が30重量%であるコア/シェル型樹脂粒子(P−1)の水性分散体(Q−1)を得た。(P−1)の体積基準のメジアン径は100nmであった。
実施例2〜8
〔コア/シェル型樹脂粒子(P)の水性分散体(Q)の製造〕
実施例1において、表1の重量部に従って(B)と(A0)を仕込んだ以外は実施例1と同様にして、コア/シェル型樹脂粒子(P−2)〜(P−8)の水性分散体(Q−2)〜(Q−8)をそれぞれ得た。(P−2)〜(P−8)の体積基準のメジアン径を表1に示す。
Figure 0006435224
比較例1〜3
〔比較の樹脂粒子(P’)の水性分散体(Q’)の製造〕
実施例1において、表1の重量部に従って、(B)、(B’)、(A0)、(A’0)を仕込んだ以外は実施例1と同様にして、比較の樹脂粒子(P’−1)〜(P’−3)の水性分散体(Q’−1)〜(Q’−3)をそれぞれ得た。(P’−1)は、コア/シェル型ではなく(A−1)のみからなる樹脂粒子であり、(P’−2)および(P’−3)は、コア/シェル型樹脂粒子である。(P’−1)〜(P’−3)の体積基準のメジアン径を表1に示す。
製造例23〔着色剤分散液の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、カーボンブラック「MA100」[三菱化学(株)製]10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、イオン交換水40重量部を投入し、撹拌下30℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、更にウルトラビスコミルで湿式粉砕し、着色剤分散液を得た。得られた着色剤分散液の固形分濃度は20重量%であった。
製造例24〔離型剤分散液の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス「HNP−9」[融解熱最大ピーク温度:73℃、日本精鑞(株)製]10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、イオン交換水15重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、離型剤分散液を得た。得られた離型剤分散液の固形分濃度は50重量%であった。
実施例9〜16、比較例4〜6
〔トナー(Z)、樹脂粒子(M)および比較のトナー(Z’)の作製〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、コア/シェル型樹脂粒子(P)の水性分散体(Q)、着色剤分散液、および離型剤分散液を固形分で表1となるように仕込み、イオン交換水300重量部を仕込み、液温を30℃に調整した後、撹拌しながら濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、系の温度を45℃に調整し、コア/シェル型樹脂粒子(P)、着色剤、および離型剤の凝集を行うため、撹拌しながら濃度10重量%の塩化マグネシウム水溶液を加えていき、適宜にサンプリングを行い、粒度分布測定装置(コールターマルチサイザー3 ベックマンコールター社製)を用いて粒径5μmであることを確認した後、系の温度を60℃に調整し、撹拌しながら3時間保持することにより融着を行った。
その後、30℃まで冷却して着色樹脂粒子の水性分散液を得た。次いで洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。得られた着色樹脂粒子99重量部と外添剤「アエロジルR972」[日本アエロジル製]1重量部とを均一混合して、本発明のトナー(Z−1)〜(Z−7)、比較のトナー(Z’−1)〜(Z’−3)を得た。
着色剤分散液および離型剤分散液を仕込まない、および得られた樹脂粒子を外添剤と混合しないこと以外は同様にして、本発明の樹脂粒子(M−8)を得た。
本発明のトナー(Z−1)〜(Z−7)、および比較のトナー(Z’−1)〜(Z’−3)について、下記の方法により、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性、ドキュメントオフセット性の評価を行った。本発明の樹脂粒子(M−8)については、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性のみ評価を行った。これらの性能結果および物性値を表1に示す。
[評価方法]
以下に低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性、ドキュメントオフセット性の評価方法、判定基準を説明する。
<低温定着性>
トナーを紙面上に0.6mg/cmとなるよう均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cmの条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
<耐ホットオフセット性(ホットオフセット発生温度)>
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。
加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。
<耐熱保存性>
トナーを50℃の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが発生していない。
×:ブロッキングが発生している。
<帯電安定性>
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿する。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
[判定基準]
◎:0.8以上
○:0.7以上0.8未満
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
<画像強度>
低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。
鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。
<耐折り曲げ性>
低温定着性の評価で定着した画像を画像面が内側になるように紙を折り曲げ、30gの加重で5往復擦る。
紙を広げて、画像上の折り曲げたあとの白すじの有無を目視で判定した。
[判定基準]
○:白すじなし
△:わずかに白すじあり
×:白すじあり
<ドキュメントオフセット性>
低温定着性の評価で得られた画像が定着されたA4の紙2枚を、定着面同士で重ね合わせ、420gの加重(0.68g/cm)をかけ、65℃で10分間静置する。
重ね合わせた紙同士を引き離したときの状態について、下記の判定基準でドキュメントオフセット性を評価した。
[判定基準]
○:抵抗なし
△:パリパリと音がするが、紙面から画像は剥がれない
×:紙面から画像が剥がれる
表1の評価結果から明らかなように、本発明のトナーはいずれもすべての性能評価が優れた結果が得られた。
一方、コア(R)が結晶性樹脂(A)を含有し、シェル(S)が、Mw5,000〜200,000の非結晶性樹脂(B)を含有するコア/シェル型樹脂粒子(P)を含有しない比較のトナーは、いくつかの性能項目が不良であった。
本発明のトナーは、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立しつつ、トナーの耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性およびドキュメントオフセット性に優れる、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いる静電荷像現像用トナーとして有用である。

Claims (15)

  1. コア(R)が結晶性樹脂(A)を含有し、シェル(S)が、重量平均分子量(Mw)5,000〜200,000の非結晶性樹脂(B)を含有するコア/シェル型樹脂粒子(P)、および水性媒体(X)を含有する樹脂水性分散体(Q)であって、結晶性樹脂(A)が、非結晶性樹脂(B)のSP値に対して、下記関係式(1)を満たすセグメント(a1)と、下記関係式(2)を満たすセグメント(a2)を有する2種以上のセグメントが化学結合された樹脂である樹脂水性分散体(Q)。
    |SP a1 −SP B |<1.0 (1)
    |SP a2 −SP B |≧1.0 (2)
    但し、SP a1 はセグメント(a1)のSP値、SP a2 はセグメント(a2)のSP値、SP B は(B)のSP値である。
  2. 結晶性樹脂(A)が、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基、エポキシ基、およびビニル基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有する請求項記載の樹脂水性分散体(Q)。
  3. 結晶性樹脂(A)中のセグメント(a1)とセグメント(a2)が、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基およびエポキシ基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基で結合されている請求項1または2記載の樹脂水性分散体(Q)。
  4. 非結晶性樹脂(B)の水酸基価が20mgKOH/g以下である請求項1〜3のいずれか記載の樹脂水性分散体(Q)。
  5. 非結晶性樹脂(B)が、重合性二重結合を有する芳香族炭化水素および炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含有するラジカル重合性単量体を重合してなる非結晶性ビニル樹脂である請求項1〜4のいずれか記載の樹脂水性分散体(Q)。
  6. コア/シェル型樹脂粒子(P)の体積基準のメジアン径が20nm〜2μmである請求項1〜5のいずれか記載の樹脂水性分散体(Q)。
  7. コア/シェル型樹脂粒子(P)が、(B)の有機溶剤溶液と(A)の水性分散体(A0)とを転相乳化して得られる請求項1〜6のいずれか記載の樹脂水性分散体(Q)。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の樹脂水性分散体(Q)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)の凝集物を熱融着させてなる樹脂粒子(M)。
  9. 請求項1〜7のいずれか記載の樹脂水性分散体(Q)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)および着色剤の凝集物を熱融着させてなる着色樹脂粒子(N)。
  10. 請求項に記載の樹脂粒子(M)または請求項に記載の着色樹脂粒子(N)を含有してなるトナー(Z)。
  11. 示差走査熱量計(DSC)により測定された結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークトップを示す温度(Tp)が40〜100℃の範囲にあって、昇温時の吸熱ピーク面積S1とS2が下記の関係式(3)を満たすことを特徴とする請求項10に記載のトナー(Z)。
    2/S1×100≧35 (3)
    但し、トナーを昇温、冷却、昇温した際の第1回目の昇温過程の吸熱ピーク面積をS1、第2回目の昇温過程の吸熱ピーク面積をS2とする。
  12. トナー中の結晶性樹脂(A)の含有率が、2〜50重量%である請求項10または11記載のトナー(Z)。
  13. 請求項1〜7のいずれか記載の樹脂水性分散体(Q)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去して得られる樹脂粒子(M)の製造方法。
  14. 請求項1〜7のいずれか記載の樹脂水性分散体(Q)と着色剤の水性分散液とを混合して分散液(W)を得た後、分散液(W)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)および着色剤を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去して得られる着色樹脂粒子(N)の製造方法。
  15. 請求項13に記載の製造方法により得られる樹脂粒子(M)又は請求項14に記載の製造方法により得られる着色樹脂粒子(N)を含有するトナーの製造方法。
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