JP2016190916A - 樹脂水性分散体、樹脂粒子、着色樹脂粒子及びトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コア(R)が結晶性樹脂(A)を含有し、シェル(S)がスチレン−アクリル系樹脂(B)を含有する体積基準の平均メジアン径が20nm〜2μmであるコア/シェル型樹脂粒子(P)、および水性媒体(X)を含有することを特徴とする樹脂水性分散体(Q)を用いる。
【選択図】 なし
Description
しかし、この方法では低温定着性と耐熱保存性については良好な結果が得られるものの、耐湿熱保存性が不十分であり、また、トナーの耐久性が低くなり、複写機・プリンターの設計に制限がある。さらにトナーとしてのコストが高いという問題があった。
これらの問題を解決すべく、ポリエステルよりも比較的安価なスチレン−アクリル系樹脂に結晶性ポリエステル樹脂を含有させる技術が提案されている(特許文献2)。スチレン−アクリル系樹脂を用いることで、トナーの耐久性が向上し、耐湿熱保存性も良好な結果が得られる。しかしながら、結晶性ポリエステルとスチレン―アクリル樹脂は、相溶性が悪いため、十分な低温定着性が得られず、印刷画像の光沢、帯電安定性についても不十分なものであった。
すなわち本発明は、コア(R)が結晶性樹脂(A)を含有し、シェル(S)がスチレン−アクリル系樹脂(B)を含有する体積基準の平均メジアン径が20nm〜2μmであるコア/シェル型樹脂粒子(P)を含有してなる樹脂水性分散体(Q)であって、スチレン−アクリル系樹脂(B)が、スチレン系モノマー(b1)、アクリル系モノマー(b2)、並びにカルボキシル基を含有するモノマー(b3)および/又はスルホン酸基を含有するモノマー(b4)とを構成単位として有し、かつ(A)と(B)が下記の関係式(1)を満たす樹脂水性分散体;
15≦X≦55 (1)
X=0.61×AV−0.64×(|SPB−SPA−0.5|)−0.35×(|EB−EA+20|)−0.50×Mw/10,000+18.0 (2)
[但し、関係式(2)中、AVは(B)の酸価(mgKOH/g)、SPBは(B)の溶解度パラメータ(SP値)、SPAは(A)の溶解度パラメータ、EBは(B)のエステル基濃度(重量%)、EAは(A)のエステル基濃度(重量%)、Mwは(B)の重量平均分子量を表す。]
該樹脂水性分散体を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去して得られる樹脂粒子;該樹脂水性分散体および着色剤の水性分散液とを混合した分散液を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去して得られる着色樹脂粒子;および該着色樹脂粒子を含有してなるトナーである。
本発明の樹脂水性分散体(Q)は、体積基準の平均メジアン径が20nm〜2μmのコア/シェル型樹脂粒子(P)と水性媒体(X)を含有し、コア(R)は結晶性樹脂(A)を含有し、一方、シェル(S)は、重合性二重結合を有する芳香族炭化水素(b1)と、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(b2)と、カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体(b3)および/又はスルホ基と重合性二重結合を有する単量体(b4)とを構成単位として有するスチレン−アクリル系樹脂(B)を含有する。
さらに、結晶性樹脂(A)とスチレン−アクリル系樹脂(B)は後述する溶解度パラメータ(SP値)と(A)エステル基濃度と(B)の重量平均分子量を含む関係式(1)を満足する必要がある。
なお、本発明における「結晶性」とは後述のDSC測定の第1回目の昇温過程において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを意味する。
これらのジオールの中で、結晶性の観点から脂肪族ジオールが好ましい。炭素数は2〜36個の範囲であり、2〜20個の範囲が好ましい。さらに、同様の観点から直鎖型脂肪族ジオールが分岐型脂肪族ジオールより好ましい。
なお、本発明における「酸(塩)」の表記は、「酸又は酸塩」を意味する。
酸塩を構成する塩としては、アンモニウム塩、アミン塩(メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、プロピルアミン塩、ジプロピルアミン塩、トリプロピルアミン塩、ブチルアミン塩、ジブチルアミン塩、トリブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、N−メチルエタノールアミン塩、N−エチルエタノールアミン塩、N,N−ジメチルエタノールアミン塩、N,N−ジエチルエタノールアミン塩、ヒドロキシルアミン塩、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン塩及びモルホリン塩等)、4級アンモニウム塩[テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩及びトリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム塩等]、アルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)が挙げられる。
また、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、およびこれらの低級アルキルエステル類)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては20モル%以下が好ましい。
鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ジアミンとしては、鎖状脂肪族ジアミン及び環状脂肪族ジアミン等が挙げられる。
環状脂肪族ポリアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ジアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4〜15の複素環式ジアミン[ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、及び1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等]等が挙げられる。
重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合等の公知の方法で行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル、およびアゾビスシアノ吉草酸)、および有機過酸化物系重合開始剤〔例えばベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン〕等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ジ−t−ブチルパーオキサイド、および2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマーの全量に基づいて、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜8重量%、特に好ましくは0.1〜6重量%である。
例えば、以下の(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素と(w12)重合性二重結合を有する芳香族炭化水素が挙げられる。
(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素:
例えば、以下の(w111)と(w111)が挙げられる。
(w111)重合性二重結合を有する鎖状炭化水素:炭素数2〜30のアルケン(例えばエチソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
(w112)重合性二重結合を有する環状炭化水素:炭素数6〜30のモノ又はジシクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)及び炭素数5〜30のモノ又はジシクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン等]等。
炭素数3〜15の不飽和モノカルボン酸{例えば(メタ)アクリル酸[「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。]、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等};炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)[例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及び炭素数3〜10の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜10)エステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)等。
アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、例えば1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩及びオクチルアミン塩等)、2級アミン(ジエチルアミン塩及びジブチルアミン塩等)、3級アミン(トリエチルアミン塩及びトリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩及びトリブチルラウリルアンモニウム塩等が挙げられる。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等);スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(例えばスルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えばプロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸等);ポリ[n(重合度。以下同様。)=2〜30]オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン等。オキシアルキレンは単独又は併用でもよく、併用する場合、付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよい。)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えばポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル及びポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等];及びこれらの塩等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等)、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
なお、塩としては、(w2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体を構成する塩として例示したもの挙げられる。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び庶糖アリルエーテル等。
例えば、(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体、(w62)アミド基と重合性二重結合を有する単量体、(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体、(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8〜12の単量体などが挙げられる。
(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール及びこれらの塩等。
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド及びN−ビニルピロリドン等。
(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体:
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等。
(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8〜12の単量体:
ニトロスチレン等。
グリシジル(メタ)アクリレート及びp−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロロスチレン、ブロムスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン及びクロロプレン等。
例えば、(w91)重合性二重結合を有する炭素数2〜24のエステル、(w92)重合性二重結合を有する炭素数3〜16のエーテル、(w93)重合性二重結合を有する炭素数4〜12のケトン、(w94)重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物などが挙げられる。
(w91)重合性二重結合を有する炭素数2〜24のエステル:
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖と重合性二重結合を有する単量体[ポリエチレングリコール[Mn=300]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
(w92)重合性二重結合を有する炭素数3〜16のエーテル:
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、アセトキシスチレン及びフェノキシスチレン等が挙げられる。
(w93)重合性二重結合を有する炭素数4〜12のケトン:
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等が挙げられる。
(w94)重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物:
ジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等が挙げられる。
結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法としては特に限定されず、公知のいずれの方法でもよい。
剤として、グリコール又は水を用いると、末端にヒドロキシル基を有するアイソタクティシティが50%以上であるポリオキシアルキレングリコールが得られる。
アイソタクティシティが50%以上であるポリオキシアルキレングリコールは、その末端を例えば、カルボキシル基になるように変性したものであってもよい。なお、アイソタクティシティが50%以上であると、通常ポリオキシアルキレンポリオールは結晶性を有する。
上記グリコールとしては、前記ジオール(x1)等が挙げられ、カルボキシ変性するのに用いるカルボン酸としては、前記ジカルボン酸(y2)等が挙げられる
装置(一例) :「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSK GEL GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をグラスフィルターでろ別したもの)
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(b2)としては、前述の(w91)の中に挙げたものと同様のものが挙げられる。
カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体(b3)としては、前述の(w2)の中に挙げたものと同様のものが挙げられる。
スルホ基と重合性二重結合を有する単量体(b4)としては、前述の(w3)の中に挙げたものと同様のものが挙げられる。
重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合等の公知の方法で行うことができる。
X=0.61×AV−0.64×(|SPB−SPA−0.5|)−0.35×(|EB−EA+20|)−0.50×Mw/10,000+18.0 (2)
[但し、関係式(2)中、AVは(B)の酸価(mgKOH/g)、SPBは(B)の溶解度パラメータ(SP値)、SPAは(A)の溶解度パラメータ、EBは(B)のエステル基濃度(重量%)、EAは(A)のエステル基濃度(重量%)、Mwは(B)の重量平均分子量を表す。]
エステル基濃度(単位:%)=[(N×44)/数平均分子量]×100
ここで、Nは(A)または(B)の1分子当りのエステル基数の平均であり、44はエステル基[−C(=O)O−]の式量である。
実際のエステル基濃度を算出するにあたり、核磁気共鳴スペクトル(NMR)等で(A)を構成するモノマー組成とエステル基数を求めて算出する方法や、(A)の製造に供した原料の量比からエステル基数を求めて算出する方法もある。
[1]スチレン−アクリル系樹脂(B)の有機溶剤(f)溶液に、結晶性樹脂(A)および必要により界面活性剤(K)を含有する水性分散体(A0)を、撹拌下徐々に加えて、転相乳化する。次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤(f)を留去して、コア/シェル型樹脂粒子(P)および水性媒体(X)を含有する樹脂水性分散体(Q)を得る。
[2]結晶性樹脂(A)、スチレン−アクリル系樹脂(B)および有機溶剤(f)を相溶化させた後、水を加えて撹拌混合して乳化分散液とする。ここにおいて、界面活性剤(K)は、有機溶剤(f)に加えても、水に加えても、(f)と水の両方に加えてもよい。好ましいのは(K)を水に加える方法である。
次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤(f)を留去して、コア/シェル型樹脂粒子(P)および水性媒体(X)を含有する樹脂水性分散体(Q)を得る。
なお、[1]および[2]のいずれの方法においても、本発明の効果を阻害しない範囲で有機溶剤(f)は残存してもよい。なお、必要に応じて、さらに水性媒体(X)を留去してコア/シェル型樹脂粒子(P)を得ることもできる。
上記[1]および[2]のうち、樹脂水性分散体の安定性の観点から、好ましいのは[1]の方法であり、本発明のコア/シェル型樹脂粒子(P)は、(B)の有機溶剤溶液と(A)の水性分散体(A0)とを転相乳化して得られるものが好ましい。
方法[1]TEMによるコアの被覆率(%)評価
作製したコア/シェル型樹脂粒子(P)において、コアがシェルに被覆されている割合は、以下に示す方法で試料を調整し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行う。ランダムに計50個のコア/シェル型樹脂粒子(P)を観察し、コアが露出している粒子とコアが全く露出していない粒子に分けて、コアが全く露出していない粒子数の割合(%)を算出する。
コア/シェル型樹脂粒子(P)を四酸化ルテニウムにて染色し、オートファインコーターを用いて白金蒸着した後、TEM観察を行う。使用するTEMは例えば、「サーマルFE−SEM JSM7000F」JEOL製や「コールドFE−TEM」日立製が挙げられる。
これらのうち、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、クロロホルムが好ましい。
(s)を使用した場合には、樹脂水性分散体の製造途中又は製造後に必要によりこれを留去してもよい。
[1]結晶性樹脂(A)の有機溶剤(f)溶液に、必要により界面活性剤(K)を含有する水性媒体(X)を、撹拌下徐々に加えて、転相乳化する。次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤(f)を留去して、(A0)を得る。
[2]必要により界面活性剤(K)を含有する結晶性樹脂(A)の有機溶剤(f)溶液に、水性媒体(X)を、撹拌下徐々に加えて、転相乳化する。次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤(f)を留去して、(A0)を得る。
アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤としては、高級アルコール(炭素数8〜18)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)、アルキル(炭素数1〜12)フェノールエチレンオキサイド付加物(付加モル数1〜30)、高級アミン(炭素数8〜22)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜40)、脂肪酸(炭素数8〜18)エチレンオキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜60)、ポリプロピレングリコール(数平均分子量200〜4,000)エチレンオキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜50)、ポリオキシエチレン(繰り返し単位数3〜30)アルキル(炭素数6〜20)アリルエーテル並びにソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜30)及びソルビタンモノオレートエチレンオキサイド付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜30)等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステルエチレンオキシド付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜30)、ポリオキシエチレン(繰り返し単位数3〜30)の脂肪酸(炭素数1〜24)エステル等が挙げられる。
多価アルコール型非イオン性界面活性剤としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレート等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数1〜24)エステル並びにラウリン酸モノエタノールアミド及びラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸(炭素数10〜18)アルカノールアミド等が挙げられる。
酸中和剤としては、アンモニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びジメチルエチルアミン等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、アンモニア、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、およびトリエチルアミンである。
なお、体積基準の平均メジアン径は、光散乱理論を応用したレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[商品名「LA−700」、(株)堀場製作所製]を用いて測定することができる。
凝集剤としては、酸(塩酸、硫酸、硝酸、酢酸及びシュウ酸等)、無機酸の金属塩(塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅及び炭酸ナトリウム等)、脂肪酸の金属塩(酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム及びサリチル酸カリウム等)、芳香族脂肪酸の金属塩(安息香酸ナトリウム等)、フェノール類の金属塩(ナトリウムフェノレート等)、アミン塩(アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩及びアニリン塩酸塩等)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、無機酸の金属塩及び脂肪酸の金属塩であり、より好ましいのは無機酸の金属塩である。
加熱の時間は、好ましくは1〜12時間、より好ましくは2〜10時間である。
分散機としては、一般に乳化機や分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えばバッチ式乳化機{「ホモジナイザー」(IKA社製)、「ポリトロン」(キネマティカ社製)及び「TKオートホモミキサー」[プライミクス(株)製]等}、連続式乳化機{「エバラマイルダー」[(株)荏原製作所製]、「TKフィルミックス」、「TKパイプラインホモミキサー」[プライミクス(株)製]、「コロイドミル」[神鋼パンテック(株)製]、「スラッシャー」、「トリゴナル湿式微粉砕機」[サンテック(株)製]、「キャピトロン」(ユーロテック社製)及び「ファインフローミル」[太平洋機工(株)製]等}、高圧乳化機{「マイクロフルイダイザー」[みずほ工業(株)製]、「ナノマイザー」[エス・ジーエンジニアリング(株)製]及び「APVガウリン」(ガウリン社製)等}、膜乳化機{「膜乳化機」[冷化工業(株)製]等}、振動式乳化機{「バイブロミキサー」[冷化工業(株)製]等}、超音波乳化機{「超音波ホモジナイザー」(ブランソン社製)等}等が挙げられる。
具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、より好ましくは40〜120重量部である。
界面活性剤および有機溶剤としては、前述のものが使用できる。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられる。
体積平均粒径は、コールターカウンター「マルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
そのため、トナー中の(A)と(B)は、加熱定着時なら相溶する樹脂の組み合わせであっても、加熱定着前では相溶せずに相分離した状態で存在することが好ましい。
Q2/Q1≦0.50 (4)
Q1は、トナー(Z)を0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに検出される第1回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)に由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。
qはトナーに対する結晶性樹脂(A)の含有量(重量%)を表す。
そこで、第1回目の昇温過程の吸熱ピークに基づく吸熱量Q1、第2回目の昇温過程の吸熱ピークに基づく吸熱量Q2とする。
また結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークが結晶性樹脂(A)由来ではない吸熱ピークと重なる場合は、結晶性樹脂(A)由来ではない吸熱ピーク分を差し引いて求める。なお、トナーにさらに配合する原料のうち、離型剤などの結晶性の原料は吸熱ピークを発現する場合がある。このような場合は、吸熱ピーク面積を合算した値から、結晶性樹脂(A)由来ではない結晶性物質単体の融解熱量(Qw0)と、トナー中の結晶性樹脂(A)由来ではない物質の含有量(qw)から以下の式より算出される値(Qw)を結晶性樹脂(A)由来ではない物質の融解熱量を差し引くことで算出できる。
10≦Tg1−Tg2≦30 (5)
また、Tg2はトナー(Z)の第1回目の昇温過程でTg1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで毎分10℃で再び昇温したときに検出される第2回目の昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。
ここで、第1回目および第2回目の昇温過程において、ガラス転移温度が2つ以上検出される場合、検出されるガラス転移温度のうち最も低いものをそれぞれTg1およびTg2とする。
結晶性樹脂(A)の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは2〜50重量%であり、より好ましくは3〜47重量%、更に好ましくは5〜45重量%である。
非結晶性樹脂(B)の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは30〜95重量%であり、より好ましくは32〜93重量%、更に好ましくは35〜90重量%である。
着色剤の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0.1〜60重量%であり、より好ましくは0.2〜55重量%、更に好ましくは0.5〜50重量%である。
離型剤の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0〜30重量%であり、より好ましくは0.5〜25重量%、更に好ましくは1〜20重量%である。
荷電制御剤の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0〜20重量%であり、より好ましくは0.1〜15重量%、更に好ましくは0.2〜10重量%である。
外添剤の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0〜10重量%であり、より好ましくは0.2〜7重量%、更に好ましくは0.3〜5重量%である。
また、トナー(Z)中の着色樹脂粒子(N)の含有率は、(Z)の重量に基づき、好ましくは0.1〜100重量%であり、より好ましくは0.2〜97重量%、更に好ましくは0.5〜95重量%である。
〔結晶性樹脂(A−1)の合成〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、エチレングリコール284重量部、アジピン酸650重量部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5以下になった時点で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸24重量部を反応槽に入れ、180℃で1時間反応させた後取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性樹脂(A−1)を得た。
(A−1)のSP値は11.0、エステル基濃度は50.6重量%、Mwは16,000である。
〔結晶性樹脂(A−2)の合成〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール284部、セバシン酸459部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性樹脂(A−2)を得た。
(A−2)のSP値は9.8、エステル基濃度は30.4重量%、Mwは24,000である。
〔結晶性樹脂(A−3)の合成〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,12−ドデカンジオール410重量部、ドデカン二酸432重量部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5以下になった時点で100℃に冷却した。反応槽に、ヘキサメチレンジイソシアネート8部を仕込み、100℃で3時間反応させた後取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性樹脂(A−3)を得た。
(A−3)のSP値は9.6、エステル基濃度は20.9重量%、Mwは30,000である。
〔結晶性樹脂(A−4)の合成〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,4−ブタンジオール281部、ドデカン二酸541部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5以下になった時点で135℃に冷却した。反応槽に、イソホロンジイソシアネート27部を仕込み、135℃で3時間反応させた後、さらに、無水フタル酸25重量部を反応槽に入れ、135℃で3時間反応させた後取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性樹脂(A−4)を得た。
(A−4)のSP値は9.9、エステル基濃度は30.2重量%、Mwは13,000である。
〔比較の樹脂(A’−1)の合成〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物688部、テレフタル酸275部、アジピン酸20部、安息香酸72部、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、加圧下、220℃で反応させ、生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで徐々に圧抜きをしながら常圧にもどし、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で反応を進めた。Tmが95℃になったところで常圧にもどし、180℃に冷却した。無水トリメリット酸17部加え、1時間反応させた。冷却して取り出し、非結晶性ポリエステルである比較の樹脂(A’−1)を得た。
(A’−1)のSP値は11.1、エステル基濃度は17.5重量%、Mwは8,000である。
〔スチレン−アクリル系樹脂(B−1)の合成〕
オートクレーブにキシレン800重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でスチレン700重量部、n−ブチルメタアクリレート150重量部、メチルメタアクリレート130重量部、アクリル酸20重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.5重量部およびキシレン350重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持した後、キシレンを留去して、スチレン−アクリル系樹脂(B−1)を得た。
(B−1)のAVは16、SP値は10.4、エステル基濃度は10.9重量%、Mwは59,000、G’(120)は8.9×105である。
〔スチレン−アクリル系樹脂(B−2)の合成〕
製造例5において、スチレン700重量部、n−ブチルメタアクリレート150重量部、メチルメタアクリレート149重量部、アクリル酸1重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド2.3重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−2)を得た。
(B−2)のAVは5、SP値は10.2、エステル基濃度は11.7重量%、Mwは11,000、G’(120)は6.1×105である。
〔スチレン−アクリル系樹脂(B−3)の合成〕
製造例5において、スチレン700重量部、n−ブチルメタアクリレート150重量部、メチルメタアクリレート100重量部、アクリル酸45重量部、ビニルスルホン酸5重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド2.3重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−3)を得た。
(B−3)のAVは38、SP値は10.6、エステル基濃度は9.6重量%、Mwは13,000、G’(120)は7.4×105である。
〔比較のスチレン−アクリル系樹脂(B’−1)の合成〕
製造例5において、スチレン700重量部、n−ブチルメタアクリレート150重量部、メチルメタアクリレート150重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド2.3重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、比較のスチレン−アクリル系樹脂(B’−1)を得た。
(B’−1)のAVは0、SP値は10.3、エステル基濃度は11.8重量%、Mwは15,000、G’(120)は1.1×105である。
〔(A−1)の水性分散体(A0−1)の製造〕
容器に(A−1)10重量部とメチルエチルケトン90重量部を仕込み、これに界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル「イオネット DS−300」[三洋化成工業(株)製]0.5重量部を添加し、40℃で1時間撹拌した。その後、40℃で水190重量を2時間かけて滴下して転相乳化させたものを、50℃において30kPaの減圧下でメチルエチルケトンを留去して、固形分濃度を調整する目的で水を加え、固形分濃度が5重量%である(A−1)の水性分散体(A0−1)を得た。
〔水性分散体(A0)および(A’0)の製造〕
製造例8において、(A−1)を(A−2)〜(A−4)および(A’−1)に置き換えた以外は製造例8と同様にして、(A−2)の水性分散体(A0−2)、(A−3)の水性分散体(A0−3)、(A−4)の水性分散体(A0−4)、および比較の(A’−1)の水性分散体(A’0−1)をそれぞれ得た。
〔コア/シェル型樹脂粒子(P−1)の水性分散体(Q−1)の製造〕
容器に(B−1)75重量部とメチルエチルケトン75重量部を仕込み、40℃で1時間撹拌した。その後、40℃で(A0−1)200重量部を2時間かけて滴下して転相乳化させたものを、50℃において30kPaの減圧下でメチルエチルケトンを留去して、固形分濃度を調整する目的で水を加え、固形分濃度が30重量%であるコア/シェル型樹脂粒子(P−1)の水性分散体(Q−1)を得た。
(P−1)の体積基準のメジアン径は90nmであった。
〔コア/シェル型樹脂粒子(P)の水性分散体(Q)の製造〕
実施例1において、表1の重量部に従って(B)と(A0)を仕込んだ以外は実施例1と同様にして、コア/シェル型樹脂粒子(P−2)〜(P−7)の水性分散体(Q−2)〜(Q−7)をそれぞれ得た。(P−2)〜(P−7)の体積基準のメジアン径を表1に示す。
〔比較の樹脂粒子(P’)の水性分散体(Q’)の製造〕
実施例1において、表1の重量部に従って、(B)、(B’)、(A0)、(A’0)を仕込んだ以外は実施例1と同様にして、比較の樹脂粒子(P’−1)〜(P’−4)の水性分散体(Q’−1)〜(Q’−4)をそれぞれ得た。(P’−1)および(P’−2)は、コア/シェル型ではなく、(P’−1)は(A−1)のみ、(P’−2)は(B−1)のみからなる樹脂粒子であり、(P’−3)および(P’−4)は、コア/シェル型樹脂粒子である。
(P’−1)〜(P’−4)の体積基準のメジアン径を表1に示す。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、カーボンブラック「MA100」[三菱化学(株)製]10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、イオン交換水40重量部を投入し、撹拌下30℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、更にウルトラビスコミルで湿式粉砕し、着色剤分散液を得た。得られた着色剤分散液の固形分濃度は20重量%であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス「HNP−9」[融解熱最大ピーク温度:73℃、日本精鑞(株)製]10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、イオン交換水15重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、離型剤分散液を得た。得られた離型剤分散液の固形分濃度は50重量%であった。
〔トナー(Z)、樹脂粒子(M)および比較のトナー(Z’)の作製〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、コア/シェル型樹脂粒子(P)の水性分散体(Q)、着色剤分散液、および離型剤分散液を固形分で表1となるように仕込み、イオン交換水300重量部を仕込み、液温を30℃に調整した後、撹拌しながら濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、系の温度を45℃に調整し、コア/シェル型樹脂粒子(P)、着色剤、および離型剤の凝集を行うため、撹拌しながら濃度10重量%の塩化マグネシウム水溶液を加えていき、適宜にサンプリングを行い、粒度分布測定装置(コールターマルチサイザー3 ベックマンコールター社製)を用いて粒径5μmであることを確認した後、系の温度を60℃に調整し、撹拌しながら3時間保持することにより融着を行った。
その後、30℃まで冷却して着色樹脂粒子の水性分散液を得た。次いで洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。得られた着色樹脂粒子99重量部と外添剤「アエロジルR972」[日本アエロジル製]1重量部とを均一混合して、本発明のトナー(Z−1)〜(Z−6)、比較のトナー(Z’−1)〜(Z’−4)を得た。
着色剤分散液および離型剤分散液を仕込まない、および得られた樹脂粒子を外添剤と混合しないこと以外は同様にして、本発明の樹脂粒子(M−7)を得た。
以下に低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性、ドキュメントオフセット性の評価方法、判定基準を説明する。
トナーを紙面上に0.6mg/cm2となるよう均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。
加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。
トナーを50℃の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが発生していない。
×:ブロッキングが発生している。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿する。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
[判定基準]
◎:0.8以上
○:0.7以上0.8未満
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。
鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。
低温定着性の評価で定着した画像を画像面が内側になるように紙を折り曲げ、30gの加重で5往復擦る。
紙を広げて、画像上の折り曲げたあとの白すじの有無を目視で判定した。
[判定基準]
○:白すじなし
△:わずかに白すじあり
×:白すじあり
低温定着性の評価で得られた画像が定着されたA4の紙2枚を、定着面同士で重ね合わせ、420gの加重(0.68g/cm2)をかけ、65℃で10分間静置する。
重ね合わせた紙同士を引き離したときの状態について、下記の判定基準でドキュメントオフセット性を評価した。
○:抵抗なし
△:パリパリと音がするが、紙面から画像は剥がれない
×:紙面から画像が剥がれる
Claims (14)
- コア(R)が結晶性樹脂(A)を含有し、シェル(S)がスチレン−アクリル系樹脂(B)を含有する体積基準の平均メジアン径が20nm〜2μmであるコア/シェル型樹脂粒子(P)、および水性媒体(X)を含有する樹脂水性分散体(Q)であって、スチレン−アクリル系樹脂(B)が、重合性二重結合を有する芳香族炭化水素(b1)と、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(b2)と、カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体(b3)および/又はスルホ基と重合性二重結合を有する単量体(b4)とを構成単位として有し、かつ(A)と(B)が下記の関係式(1)を満たす樹脂水性分散体(Q)。
15≦X≦55 (1)
X=0.61×AV−0.64×(|SPB−SPA−0.5|)−0.35×(|EB−EA+20|)−0.50×Mw/10,000+18.0 (2)
[但し、関係式(2) 中、AVは(B)の酸価(mgKOH/g)、SPBは(B)の溶解度パラメータ(SP値)、SPAは(A)の溶解度パラメータ、EBは(B)のエステル基濃度(重量%)、EAは(A)のエステル基濃度(重量%)、Mwは(B)の重量平均分子量を表す。] - スチレン−アクリル系樹脂(B)が構成単量体として重合性二重結合を有する芳香族炭化水素(b1)を50〜95重量%含有する請求項1に記載の樹脂水性分散体(Q)。
- スチレン−アクリル系樹脂(B)の酸価が5〜40mgKOH/gである請求項1または2のいずれかに記載の樹脂水性分散体(Q)。
- スチレン−アクリル系樹脂(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られる分子量分布において、3,000〜60,000の領域に少なくとも1つのピークを有する請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂水性分散体(Q)。
- スチレン−アクリル系樹脂(B)の120℃における貯蔵弾性率G’(120)が1×103〜1×106(Pa)である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂水性分散体(Q)。
- 結晶性樹脂(A)が、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基、エポキシ基、及び、ビニル基からなる群から選ばれる1種類以上を有する請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂水性分散体(Q)。
- 結晶性樹脂(A)の重量平均分子量が3,000〜50,000である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂水性分散体(Q)。
- スチレン−アクリル系樹脂(B)の有機溶剤溶液と結晶性樹脂(A)の水性分散体(A0)とを転相乳化して得られる請求項1〜7いずれか記載の樹脂水性分散体(Q)。
- 請求項1〜8いずれか記載の樹脂水性分散体(Q)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去して得られる樹脂粒子(M)。
- 請求項1〜8いずれか記載の樹脂水性分散体(Q)と着色剤の水性分散液とを混合して分散液(W)を得た後、分散液(W)中のコア/シェル型樹脂粒子(P)および着色剤を凝集させ熱融着させた後、水性媒体(X)を除去して得られる着色樹脂粒子(N)
- 請求項10に記載の着色樹脂粒子(N)を含有してなるトナー(Z)。
- 下記の関係式(3)および(4)を満たす請求項11に記載のトナー(Z)。
Q1/(Q0×q/100)≧0.8 (3)
[関係式中、Q0は(A)を0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに示差走査熱量測定で検出される第1回目の昇温過程における(A)の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。Q1は、トナーを0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに検出される第1回目の昇温過程における(A)に由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。qはトナーに対する(A)の含有量(重量%)を表す。]
Q2/Q1≦0.50 (4)
[式中、Q2は、トナーの第1回目の昇温過程でQ1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで再び毎分10℃で昇温する第2回目の昇温過程における(A)に由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。] - 下記の関係式(5)を満たす請求項11または12に記載のトナー(Z)。
10≦Tg1−Tg2≦30 (5)
[関係式(5)中、Tg1はトナーを0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに示差走査熱量測定で検出される第1回目の昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。また、Tg2はトナーの第1回目の昇温過程でTg1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで毎分10℃で再び昇温したときに検出される第2回目の昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。] - トナー中の結晶性樹脂(A)の含有率が、2〜50重量%である請求項11〜13のいずれかに記載のトナー(Z)。
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