JP6328719B2 - トナー及びその製造方法 - Google Patents
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一般に、電子写真方式では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像し、トナー画像を形成する。そのトナー画像を紙等の記録媒体上に転写した後、加熱等の方法で定着する。
また、装置は定着部に加熱体を有するため、装置内で温度が上昇することから、トナーは、装置内でブロッキングしないことが要求される。
しかし、この方法では未だ耐ホットオフセット性、低温定着性共に不十分である。
しかし、この方法では、低温定着性に優れ、得られる画像の光沢性にも優れたトナーを得ることができるものの、トナーの耐熱保存性、帯電安定性については不十分である。
すなわち本発明は、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)、非結晶性樹脂(Q)及び着色剤(C)を含むトナーの製造方法であって、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)が、ウレタンプレポリマー(A)及びジアミン(e)を反応させたポリウレタンウレア結晶性樹脂であり、ウレタンプレポリマー(A)がポリマージオール(a)、カルボキシル基含有ジオール(b)及びジイソシアネート(c)を構成原料として含むウレタンプレポリマーであり、ポリマージオール(a)の数平均分子量が500〜20,000であり、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)、非結晶性樹脂(Q)及び着色剤(C)を水性媒体(X)に分散させた分散体(W)の状態で、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)、非結晶性樹脂(Q)及び着色剤(C)を凝集させて熱融着させた後に、水性媒体(X)を除去する工程を含むトナーの製造方法である。
なお、本発明における「結晶性」とは後述のDSC測定の昇温過程において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを意味する。また、数平均分子量をMnと記載する場合もある。
ここで、ポリエステルジオールとは両末端が水酸基であるポリエステルを意味する。
これらのジオールの中で、ポリウレタンウレア樹脂の結晶性の観点から直鎖型脂肪族ジオールであるエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールがより好ましい。
これらのジカルボン酸の中で、ポリウレタンウレア樹脂(P)の結晶性の観点から直鎖型脂肪族ジカルボン酸であるコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸が好ましく、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸がより好ましい。
これらの中で、ポリウレタンウレア樹脂の結晶性の観点からポリエチレングリコール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。
ポリマージオール(a)のMnは、低温定着性の観点から、好ましくは750〜15,000であり、更に好ましくは1,000〜10,000である。
ウレタンプレポリマー合成時の反応性及び最終的に得られるトナーの帯電安定性の観点から、これらのうち、好ましくはα,α−ジメチロールアルカン酸であり、更に好ましくは2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸及び2,2−ジメチロールオクタン酸、及びこれらの2種以上の併用である。
鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
ウレタンプレポリマー(A)はイソシアネート基を含有するため、(a)、(b)と(c)の当量比(NCO/OH比)は、好ましくは1.01〜2.00、より好ましくは1.05〜1.75である。
この有機溶剤としては、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチリデン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、ギ酸エチル、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、及びこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。安全面及び後の有機溶剤除去の観点から、これらのうち、THF、アセトン、酢酸エチル、及びMEKが好ましい。
炭素数2〜18の脂肪族ジアミンとしては、鎖状脂肪族ジアミン、これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体及び環状脂肪族ジアミン等が挙げられる。
封止剤としては、モノアミン、モノオール等が挙げられる。
モノアミンとしては、炭素数1〜20のアルキルアミン(エチルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等)等が挙げられる。
モノオールとしては、炭素数1〜20のアルカノール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、及びステアリルアルコール等)、炭素数3〜20のアルケノール(アリルアルコール、プロペニルアルコール、及びオレイルアルコール等)、炭素数7〜36の芳香族アルコール(ベンジルアルコール等)、及びこれらのAO付加物、1価フェノールのAO付加物等が挙げられる。
これらのうち、モノアミンが好ましく、炭素数2〜12のアルキルアミンがより好ましい。
ウレタンプレポリマー(A)をジアミン(e)で鎖伸長させてポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)を得る方法は、特に限定されないが、以下の〔1〕〜〔6〕が挙げられる。
〔1〕ウレタン化反応を無溶剤下で行った場合、加熱等により溶融状態としたウレタンプレポリマー(A)とジアミン(e)(必要により封止剤)とを混合し、イソシアネート基が実質的に無くなるまで反応させ鎖伸長し、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)を得る方法。
これらのうち、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)のMnの観点から、〔3〕〜〔6〕が好ましく、〔5〕及び〔6〕がより好ましく、〔6〕が最も好ましい。
この目的で使用する塩基(B)としては、アンモニア、炭素数1〜30のモノアミン、4級アンモニウム、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、及びアルカリ土類金属(カルシウム塩、マグネシウム塩等)等が挙げられる。
これらの中で、好ましくは、アルカリ金属、4級アンモニウム、及びモノアミンであり、より好ましくは、ナトリウム、及び炭素数1〜20のモノアミンであり、特に好ましくは、炭素数3〜20の3級モノアミンである。
水溶性の有機溶剤を使用した場合には、樹脂の水性分散体の製造途中又は製造後に必要によりこれを留去してもよい。
スルホン酸(塩)基を有するジオールとしては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)エタンスルホン酸(塩)、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタンスルホン酸(塩)及び5−スルホ−イソフタル酸−1,3‐ビス(2‐ヒドロキシエチル)エステル(塩)等が挙げられる。
リン酸(塩)基を有するジオールとしては、ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェート(塩)等が挙げられる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000
2890000)
(P)をDSCにより降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、吸熱量の最大ピークに対応する温度を融点とする。
非結晶性のポリエステル樹脂のポリオール成分としては、ジオール及び3価以上のポリオールが挙げられる。
ジオールとしては、炭素数2〜10のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、及び1,10−デカンジオール等);炭素数4〜10のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等);炭素数11〜36のアルキレングリコール(1,12−ドデカンジオール等);炭素数11〜36のアルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、及び水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4(オキシエチレン、オキシプロピレン等)。以下のポリオキシアルキレン基も同じ)エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数1〜30〕;及び2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、及びビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);等が挙げられる。
これらのうち、最終的に得られるトナーの低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、及びビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)が好ましい。
これらのうち好ましいのは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール、及びノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸等);炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸、及びセバシン酸);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔例えばダイマー酸(2量化リノール酸)〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(例えば、ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、及びメサコン酸);及びこれらのエステル形成性誘導体;等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びこれらのエステル形成性誘導体である。
重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合等の公知の方法で行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル、及びアゾビスシアノ吉草酸)、及び有機過酸化物系重合開始剤〔例えばベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン〕等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ジ−t−ブチルパーオキサイド、及び2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体の全量に基づいて、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜8重量%、特に好ましくは0.1〜6重量%である。
例えば、以下の(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素と(w12)重合性二重結合を有する芳香族炭化水素が挙げられる。
(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素:
例えば、以下の(w111)と(w111)が挙げられる。
(w111)重合性二重結合を有する鎖状炭化水素:炭素数2〜30のアルケン(例えばエチソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
(w112)重合性二重結合を有する環状炭化水素:炭素数6〜30のモノ又はジシクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)及び炭素数5〜30のモノ又はジシクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン等]等。
炭素数3〜15の不飽和モノカルボン酸{例えば(メタ)アクリル酸[「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。]、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等};炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)[例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及び炭素数3〜10の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜10)エステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)等。
アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、例えば1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩及びオクチルアミン塩等)、2級アミン(ジエチルアミン塩及びジブチルアミン塩等)、3級アミン(トリエチルアミン塩及びトリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩及びトリブチルラウリルアンモニウム塩等が挙げられる。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等);スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(例えばスルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えばプロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸等);ポリ[n(重合度。以下同様。)=2〜30]オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン等。オキシアルキレンは単独又は併用でもよく、併用する場合、付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよい。)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えばポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル及びポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等];及びこれらの塩等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等)、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
なお、塩としては、(w2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体を構成する塩として例示したもの挙げられる。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び庶糖アリルエーテル等。
例えば、(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体、(w62)アミド基と重合性二重結合を有する単量体、(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体、(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8〜12の単量体などが挙げられる。
(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール及びこれらの塩等。
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド及びN−ビニルピロリドン等。
(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体:
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等。
(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8〜12の単量体:
ニトロスチレン等。
グリシジル(メタ)アクリレート及びp−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロロスチレン、ブロムスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン及びクロロプレン等。
例えば、(w91)重合性二重結合を有する炭素数2〜24のエステル、(w92)重合性二重結合を有する炭素数3〜16のエーテル、(w93)重合性二重結合を有する炭素数4〜12のケトン、(w94)重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物などが挙げられる。
(w91)重合性二重結合を有する炭素数2〜24のエステル:
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖と重合性二重結合を有する単量体[ポリエチレングリコール[Mn=300]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
(w92)重合性二重結合を有する炭素数3〜16のエーテル:
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、アセトキシスチレン及びフェノキシスチレン等が挙げられる。
(w93)重合性二重結合を有する炭素数4〜12のケトン:
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等が挙げられる。
(w94)重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物:
ジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等が挙げられる。
なお、Tgは、DSCを用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
非結晶性樹脂(Q)はTmの異なるものを2種類以上併用することもできる。
高化式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点(Tm)とする。
具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、更に好ましくは40〜120重量部である。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級した後、流動化剤を混合して製造することができる。
また、乳化凝集法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解又は分散後、水性媒体に分散させ、分散体を得た後、それらの分散体を凝集させて熱融着させ、次いで分離、分級して製造することができる。
本発明のトナーの製造方法においては、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)の水性分散体(Wp)、非結晶性樹脂(Q)の水性分散体(Wq)及び着色剤水性分散体(Wc)を混合して分散体(W)を得た後に、分散体(W)中の結晶性樹脂(P)、非結晶性樹脂(Q)及び着色剤(C)を凝集させて熱融着させた後に、水性媒体(X)を除去することが好ましい。
樹脂又は樹脂溶液として得られる場合は、例えば以下の[7]及び[8]の方法が挙げられる。
[7]ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)の有機溶剤溶液に、必要により界面活性剤(K)を含有する水性媒体を、撹拌下徐々に加えて、転相乳化する。次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤を留去して、水性分散体(Wp)を得る。
[8]必要により界面活性剤(K)を含有するポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)の有機溶剤溶液に、水性媒体を、撹拌下徐々に加えて、転相乳化する。次に、必要に応じ加熱しながら減圧することで、有機溶剤を留去して、水性分散体(Wp)を得る。
分散機としては、一般に乳化機や分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えばバッチ式乳化機{「ホモジナイザー」(IKA社製)、「ポリトロン」(キネマティカ社製)及び「TKオートホモミキサー」[プライミクス(株)製]等}、連続式乳化機{「エバラマイルダー」[(株)荏原製作所製]、「TKフィルミックス」、「TKパイプラインホモミキサー」[プライミクス(株)製]、「コロイドミル」[神鋼パンテック(株)製]、「スラッシャー」、「トリゴナル湿式微粉砕機」[サンテック(株)製]、「キャピトロン」(ユーロテック社製)及び「ファインフローミル」[太平洋機工(株)製]等}、高圧乳化機{「マイクロフルイダイザー」[みずほ工業(株)製]、「ナノマイザー」[エス・ジーエンジニアリング(株)製]及び「APVガウリン」(ガウリン社製)等}、膜乳化機{「膜乳化機」[冷化工業(株)製]等}、振動式乳化機{「バイブロミキサー」[冷化工業(株)製]等}、超音波乳化機{「超音波ホモジナイザー」(ブランソン社製)等}等が挙げられる。
凝集剤の添加量は、(P)、(Q)及び(C)の合計重量に基づいて好ましくは0.1〜20重量%であり、更に好ましくは0.2〜15重量%である。
加熱の時間は、好ましくは1〜12時間、更に好ましくは2〜10時間である。
水性媒体(X)を除去する方法としては特に限定しないが、例えば、減圧により除去する方法や、濾過及び/又は遠心分離装置を用いて個液分離を行い乾燥させる方法等が挙げられる。
乾燥後の水性媒体等の揮発分はトナーの重量の基づいて好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。
重量比(P)/(Q)が2/98未満では低温定着性が不良となる場合があり、50/50を超えると耐ホットオフセット性が不良となる場合がある。2/98〜50/50の範囲で耐ホットオフセット性と低温定着性が両立し得る点で好ましい。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
体積平均粒径は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
〔ポリエステルジオール(a−1)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管、窒素導入管及び減圧装置を備えた反応容器に、1,6−ヘキサンジオール571部、アジピン酸566部、及び重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5以下になった時点で冷却して取り出し、ポリエステルジオール(a−1)を得た。(a−1)のMnは1,000である。
〔ポリエステルジオール(a−2)の製造〕
製造例1において、1,6−ヘキサンジオール571部、アジピン酸566部を、1,12−ドデカンジオール537部、ドデカン二酸500部とした以外は、製造例1と同様な操作を行い、ポリエステルジオール(a−2)を得た。(a−2)のMnは2,000である。
〔ウレタンプレポリマー(A−1)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた加圧反応容器に1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸からなるMnが2,000のポリエステルジオール(豊国製油(株)製、商品名「HS2H−200S」)208部、2,2−ジメチロールプロピオン酸7部、HDI35部、及びアセトン250部を仕込んだ。その後80℃に加熱して10時間ウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(A−1)の溶液を得た。
〔ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−1)の水性分散体(Wp−1)の製造〕
ウレタンプレポリマー(A−1)の溶液500部を40℃に冷却後、トリエチルアミンを5.3部加え、40℃で30分撹拌して得られた中和物を、イオン交換水750部中に注ぎ、TKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を使用して分散させ、次いでn−ブチルアミン1.9部及びヘキサメチレンジアミン4.5部を加え、攪拌しながら5時間鎖伸長反応させた後、50℃において30kPaの減圧下で溶剤を留去して、固形分濃度を調整する目的でイオン交換水を加え、固形分濃度が25%であるポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−1)の水性分散体(Wp−1)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P−1)のMnは21,000であり、融点は69℃であった。
〔ウレタンプレポリマー(A−2)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた加圧反応容器にポリエステルジオール(a−1)178部、2,2−ジメチロールプロピオン酸12部、HDI60部、及びアセトン250部を仕込んだ。その後80℃に加熱して10時間ウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(A−2)の溶液を得た。
〔ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−2)の水性分散体(Wp−2)の製造〕
製造例4において、(A−1)の溶液を(A−2)の溶液に、トリエチルアミン5.3部を9.0部に、n−ブチルアミン1.9部及びヘキサメチレンジアミン4.5部をn−ブチルアミン6.5部及びヘキサメチレンジアミン5.2部とした以外は、製造例4と同様な操作を行い、固形分濃度が25%であるポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−2)の水性分散体(Wp−2)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P−2)のMnは5,000であり、融点は60℃であった。
〔ウレタンプレポリマー(A−3)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた加圧反応容器にポリエステルジオール(a−2)208部、2,2−ジメチロールブタン酸8部、HDI35部、及びMEK250部を仕込んだ。その後80℃に加熱して10時間ウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(A−3)の溶液を得た。
〔ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−3)の水性分散体(Wp−3)の製造〕
製造例4において、(A−1)の溶液を(A−3)の溶液に、トリエチルアミン5.3部を5.2部に、n−ブチルアミン1.9部及びヘキサメチレンジアミン4.5部をn−ブチルアミン2.5部及びエチレンジアミン2.1部とした以外は、製造例4と同様な操作を行い、固形分濃度が25%であるポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−3)の水性分散体(Wp−3)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P−3)のMnは14,000であり、融点は81℃であった。
〔ウレタンプレポリマー(A−4)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた加圧反応容器にMnが4,000のポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製、商品名「プラクセル240」)197部、2,2−ジメチロールプロピオン酸7部、1,9−ノナンジオール8部、IPDI38部、及びアセトン250部を仕込んだ。その後80℃に加熱して10時間ウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(A−4)の溶液を得た。
〔ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−4)の水性分散体(Wp−4)の製造〕
製造例4において、(A−1)の溶液を(A−4)の溶液に、トリエチルアミン5.3部を5.0部に、n−ブチルアミン1.9部及びヘキサメチレンジアミン4.5部をt−ブチルアミン0.6部及びイソホロンジアミン3.5部とした以外は、製造例4と同様な操作を行い、固形分濃度が25%であるポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−4)の水性分散体(Wp−4)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P−4)のMnは68,000であり、融点は55℃であった。
〔ウレタンプレポリマー(A−5)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた加圧反応容器に1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸からなるMnが10,000のポリエステルジオール(豊国製油(株)製、商品名「HS2H−1000S」)204部、2,2−ジメチロールプロピオン酸8部、1,4−ブタンジオール10部、HDI28部、及びMEK250部を仕込んだ。その後80℃に加熱して10時間ウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(A−5)の溶液を得た。
〔ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−5)の水性分散体(Wp−5)の製造〕
製造例4において、(A−1)の溶液を(A−5)の溶液に、トリエチルアミン5.3部を6.2部に、n−ブチルアミン1.9部及びヘキサメチレンジアミン4.5部をn−ブチルアミン0.2部及びヘキサメチレンジアミン2.2部とした以外は、製造例4と同様な操作を行い、固形分濃度が25%であるポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−5)の水性分散体(Wp−5)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P−5)のMnは161,000であり、融点は66℃であった。
〔ウレタンプレポリマー(A−6)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた加圧反応容器にMnが2,000のポリカーボネートジオール((株)ダイセル製、商品名「プラクセルCD220」)208部、2,2−ジメチロールプロピオン酸7部、HDI35部、及びアセトン250部を仕込んだ。その後80℃に加熱して10時間ウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(A−6)の溶液を得た。
〔ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−6)の水性分散体(Wp−6)の製造〕
製造例4において、(A−1)の溶液を(A−6)の溶液とした以外は、製造例4と同様な操作を行い、固形分濃度が25%であるポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−6)の水性分散体(Wp−6)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P−6)のMnは20,000であり、融点は54℃であった。
〔ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−7)の水性分散体(Wp−7)の製造〕
ウレタンプレポリマー(A−1)の溶液500部を40℃に冷却後、n−ブチルアミン1.9部及びヘキサメチレンジアミン4.5部を加え、攪拌しながら3時間鎖伸長反応させた。次いで、トリエチルアミン5.3部を加え40℃で30分撹拌して得られた中和物をイオン交換水750部中に注ぎ、TKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を使用して分散させた後、50℃において30kPaの減圧下で溶剤を留去して、固形分濃度を調整する目的でイオン交換水を加え、固形分濃度が25%であるポリウレタンウレア結晶性樹脂(P−7)の水性分散体(Wp−7)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P−7)のMnは18,000であり、融点は67℃であった。
〔ジアミン伸張させないポリウレタン結晶性樹脂(P’−1)の水性分散体(Wp’−1)の製造〕
ウレタンプレポリマー(A−1)の溶液500部に、n−ブチルアルコール1.9部及びエチレングリコール2.4部を加え、80℃で攪拌しながら10時間鎖伸長反応させた。40℃に冷却後、トリエチルアミン5.3部を加え30分撹拌して得られた中和物をイオン交換水750部中に注ぎ、TKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を使用して分散させた後、50℃において30kPaの減圧下で溶剤を留去して、固形分濃度を調整する目的でイオン交換水を加え、固形分濃度が25%であるポリウレタン結晶性樹脂(P’−1)の水性分散体(Wp’−1)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P’−1)のMnは20,000であり、融点は65℃であった。
〔カルボキシル基含有ジオール(b)を含まないウレタンプレポリマー(A’−2)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた加圧反応容器に1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸からなるMnが2,000のポリエステルジオール(豊国製油(株)製、商品名「HS2H−200S」)222部、HDI28部、及びアセトン250部を仕込んだ。その後80℃に加熱して10時間ウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(A’−2)の溶液を得た。
〔カルボキシル基含有ジオール(b)を含まないポリウレタンウレア結晶性樹脂(P’−2)の水性分散体(Wp’−2)の製造〕
ウレタンプレポリマー(A’−2)の溶液500部を40℃に冷却し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム12.5部を加え30分撹拌した後、イオン交換水750部中に注ぎ、TKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を使用して分散させ、次いでn−ブチルアミン1.9部及びヘキサメチレンジアミン4.5部を加え、攪拌しながら5時間鎖伸長反応させた後、50℃において30kPaの減圧下で溶剤を留去して、固形分濃度を調整する目的でイオン交換水を加え、固形分濃度が25%であるポリウレタンウレア結晶性樹脂(P’−2)の水性分散体(Wp’−2)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P’−2)のMnは24,000であり、融点は66℃であった。
〔Mnが500〜20,000であるポリマージオール(a)を含まないウレタンプレポリマー(A’−3)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた加圧反応容器にMnが400のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、商品名「PEG−400」)85部、2,2−ジメチロールプロピオン酸7部、1,9−ノナンジオール51部、HDI107部、及びアセトン250部を仕込んだ。その後80℃に加熱して10時間ウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(A’−3)の溶液を得た。
〔Mnが500〜20,000であるポリマージオール(a)を含まないポリウレタンウレア結晶性樹脂(P’−3)の水性分散体(Wp’−3)の製造〕
製造例4において、(A−1)の溶液を(A’−3)の溶液に、トリエチルアミン5.3部を5.4部に、n−ブチルアミン1.9部及びヘキサメチレンジアミン4.5部をn−ブチルアミン2.0部及びヘキサメチレンジアミン4.6部とした以外は、製造例4と同様な操作を行い、固形分濃度が25%であるポリウレタンウレア結晶性樹脂(P’−3)の水性分散体(Wp’−3)を得た。
洗浄及び乾燥して得られた(P’−3)のMnは23,000であり、融点は53℃であった。
〔非結晶性樹脂(Q−1、ポリエステル樹脂)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管、窒素導入管及び減圧装置を備えた反応容器に、1,2−プロピレングリコール522部、テレフタル酸468部、アジピン酸90部、安息香酸20部、無水トリメリット酸26部、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、170℃で加圧下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、生成する水を留去しながら12時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、Tmが130℃になった時点で冷却して取り出し、高軟化点の非結晶性樹脂(Q−1H)を得た。(Q−1H)のTgは66℃、Tmは130℃であった。
得られた(Q−1H)と(Q−1L)の重量比(Q−1H)/(Q−1L)が50/50になるようヘンシェルミキサー(日本コークス工業製「FM10B」)にて均一化し、非結晶性樹脂(Q−1)を得た。
〔非結晶性樹脂(Q−1)の水性分散体(Wq−1)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた反応容器中に、非結晶性樹脂(Q−1)400部とMEK200部を投入し溶解し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム20部を加え30分撹拌した後、イオン交換水600部中に注ぎ、TKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を使用して分散させ、50℃において30kPaの減圧下で溶剤を留去して、固形分濃度を調整する目的でイオン交換水を加え、固形分濃度が40%である非結晶性樹脂(Q−1)の水性分散体(Wq−1)を得た。
〔非結晶性樹脂(Q−2、ビニル樹脂)の水性分散体(Wq−2)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた反応容器中に、スチレン240部、n−ブチルメタクリレート60部、メチルメタアクリレート92部、及びアクリル酸8部を秤量し、撹拌して均一化を行い油性液を得た。
別の反応容器中に、イオン交換水600部にリン酸三カルシウム10部を添加して水系媒体を調整し、70℃に温調した。油性液に重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート16部を添加し、これを水系媒体に投入、TKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)で10,000rpmにて5分間撹拌し、油性液を水系媒体中に分散させた。その後、撹拌機をプロペラ撹拌羽根に替えて、200rpmで撹拌しながら70℃を保持して8時間重合した。固形分濃度を調整する目的でイオン交換水を加え、固形分濃度が40%である非結晶性樹脂(Q−2)の水性分散体(Wq−2)を得た。洗浄及び乾燥して得られた(Q−2)のTgは64℃、Tmは120℃であった。
〔着色剤水性分散体(Wc−1)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、カーボンブラック(三菱化学(株)製、商品名「MA100」)20部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、及びイオン交換水80部を投入し、撹拌下30℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、固形分濃度を調整する目的でイオン交換水を加え、固形分濃度が20%である着色剤水性分散体(Wc−1)を得た。
〔離型剤水性分散体(Wr−1)の製造〕
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス(日本精鑞(株)製、商品名「HNP−9」)20部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、及びイオン交換水80部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、固形分濃度を調整する目的でイオン交換水を加え、固形分濃度が20%である離型剤水性分散体(Wr−1)を得た。
〔トナーの製造〕
攪拌装置、滴下装置、加熱冷却装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を備えた反応容器に、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)の水性分散体(Wp)、非結晶性樹脂(Q)の水性分散体(Wq)、着色剤水性分散体(Wc)、及び離型剤水性分散体(Wr)を、固形分で表1となるように仕込み、混合して分散体(W)を得た後、イオン交換水1,000部を仕込み、液温を30℃に調整した後、25%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整した。
次いで洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行うことで水性媒体を除去し、揮発分0.5%以下のトナー粒子を得た。得られたトナー粒子100部とコロイダルシリカ(日本アエロジル製、商品名「アエロジルR972」)0.5部とを均一混合して、本発明のトナーの製造方法によるトナー(T−1)〜(T−8)、及び比較のトナー(T’−1)〜(T’−5)を得た。
低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性、帯電安定性の測定方法と評価方法を、判定基準を含めて説明する。
トナーを紙面上に0.85mg/cm2となるよう均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/秒、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。この測定条件では、一般に120℃以下が好ましい。
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。この測定条件では、一般に180℃以上が好ましい。
トナーを50℃の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが発生していない。
△:一部にブロッキングが発生している。
×:全体にブロッキングが発生している。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製「F−150」)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿する。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×20分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製)を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
○:摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量が0.7以上
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
一方、(P)を含有せず(Q)のみの比較例1で得た比較のトナー(T’−1)は低温定着性が著しく不良であり、(P)の代わりにジアミン伸張させないポリウレタン結晶性樹脂(P’−1)を用いた比較例2で得た比較のトナー(T’−2)は、耐ホットオフセット性と耐熱保存性が不良であった。
また、(P)の代わりにカルボキシル基含有ジオール(b)を含まないポリウレタンウレア結晶性樹脂(P’−2)を用いた比較例3で得た比較のトナー(T’−3)は帯電安定性が不良であり、(P)の代わりにMnが500〜20,000であるポリマージオール(a)を含まないポリウレタンウレア結晶性樹脂(P’−3)を用いた比較例4で得た比較のトナー(T’−4)は、耐ホットオフセット性と帯電安定性が不良であった。
(Q)を含有せず(P)のみの比較例5で得た比較のトナー(T’−5)は、耐ホットオフセット性、耐熱保存性及び帯電安定性が不良であった。
Claims (11)
- ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)、非結晶性樹脂(Q)及び着色剤(C)を含むトナーの製造方法であって、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)が、ウレタンプレポリマー(A)及びジアミン(e)を反応させたポリウレタンウレア結晶性樹脂であり、ウレタンプレポリマー(A)がポリマージオール(a)、カルボキシル基含有ジオール(b)及びジイソシアネート(c)を構成原料として含むウレタンプレポリマーであり、ポリマージオール(a)の数平均分子量が500〜20,000であり、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)、非結晶性樹脂(Q)及び着色剤(C)を水性媒体(X)に分散させた分散体(W)の状態で、ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)、非結晶性樹脂(Q)及び着色剤(C)を凝集させて熱融着させた後に、水性媒体(X)を除去する工程を含むトナーの製造方法。
- ポリマージオール(a)がポリエステルジオールである請求項1に記載のトナーの製造方法。
- ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)の数平均分子量が、3,000〜200,000である請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)の融点が、50〜90℃である請求項1〜3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- カルボキシル基含有ジオール(b)が、α,α−ジメチロールアルカン酸である請求項1〜4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- ウレタンプレポリマー(A)が、構成原料としてさらにカルボキシル基含有ジオール(b)を除く数平均分子量が500未満のジオール(d)を含む請求項1〜5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 非結晶性樹脂(Q)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びビニル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の非結晶性樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- ポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)と非結晶性樹脂(Q)の重量比(P)/(Q)が2/98〜50/50である請求項1〜7のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- さらに離型剤(R)を含有する請求項1〜8のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- ウレタンプレポリマー(A)を水性媒体(X)に分散させた分散体の状態で、ジアミン(e)で鎖伸長させてポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)を得る工程を含む請求項1〜9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- ウレタンプレポリマー(A)と塩基(B)との中和物(N)を水性媒体(X)に分散させた分散体の状態で、ジアミン(e)で鎖伸長させてポリウレタンウレア結晶性樹脂(P)を得る工程を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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