JP6441173B2 - トナーバインダー及びトナー - Google Patents

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本発明は、トナーバインダー及びトナーに関する。
複写機、プリンター等における画像の定着方式として一般的に採用されている熱定着方式用の電子写真用トナーバインダーは、高い定着温度でもトナーが熱ロールに融着せず(耐ホットオフセット性)、低い定着温度でもトナーが定着できること(低温定着性)が求められ、さらに、トナー粒子としての耐熱保存安定性、耐湿熱保存安定性、帯電安定性、連続印刷時においても装置の汚れや印刷面へのカブリなどが見られない、耐久性などが要求されている。
また近年、複写機、プリンターに対する環境負荷低減(省エネ)のニーズが強くなっていて、そのようなニーズを満たすトナーとしては、低温定着性と耐熱保存安定性の両立が可能なトナーの開発が求められている。さらに、地球温暖化抑制等の観点から、カーボンニュートラルが注目されていて、従来の石油原料由来のプラスチックから環境負荷の少ない植物原料由来のプラスチックへの転換が積極的に図られている。
トナーにおいても、トナー中の植物原料由来成分の使用が望まれており、トナーを構成するバインダー樹脂についても植物原料由来成分を含むものが望まれている。
植物原料由来成分を含むポリエステル樹脂として、植物原料由来のイソソルバイドを用いたポリエステル系トナーバインダーからなるトナーが提案されているが(特許文献1、特許文献2参照)、低温定着性と耐熱保存安定性の両立のレベルは、十分満足できるものではなかった。
特表2008−537786号公報 特開2010−285555号公報
本発明は、植物原料由来成分を含むポリエステル系トナーバインダーからなるトナーであって、トナーの低温定着性と耐熱保存安定性との両立が可能であり、耐湿熱保存安定性、帯電安定性、耐久性に優れるトナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の2発明である。
[1]下記一般式(1)で表される化合物(a)を含有するジオール組成物(A)とジカルボン酸またはその変性体(B)とを反応させて得られるポリエステル樹脂(P)を含有することを特徴とするトナーバインダー。
[式中、R、Rは、それぞれ独立に炭素数2〜8の直鎖または分岐のアルキレン基を表す。mとnは、それぞれ独立に0または1〜5の正の整数であって、かつm+nが1〜10を満足する数である。]
[2]上記トナーバインダーと、着色剤及び離型剤を含有するトナー。
本発明のイソソルバイドのアルキレンオキシド付加物をジオール成分とするポリエステル樹脂を含有するトナーバインダーは、植物原料由来成分を含み、環境負荷が低く、かつトナーの低温定着性と耐熱保存安定性との両立が可能であり、耐湿熱保存安定性、帯電安定性、耐久性に優れる。また、特定のジオールを併用するポリエステル樹脂を含有するトナーバインダーは、さらに高湿度環境下でも帯電量が低下しない特長を有する。
本発明のトナーバインダーを含有するトナーの製造に用いる実験装置のフローチャートである。
本発明のトナーバインダーは、下記一般式(1)で表される化合物(a)を含有するジオール組成物(A)とジカルボン酸またはその変性体(B)とを反応させて得られるポリエステル樹脂(P)を含有する。
[式中、R、Rは、それぞれ独立に炭素数2〜8の直鎖または分岐のアルキレン基を表す。mとnは、それぞれ独立に0または1〜5の正の整数であって、かつm+nが1〜10を満足する数である。]
すなわち、本発明におけるポリエステル樹脂(P)は、上記の化合物(a)を含有するジオール組成物(A)とジカルボン酸またはその変性体(B)とを反応させて得られる。
一般式(1)における化合物(a)のR、Rは、炭素数2〜8の直鎖アルキレン基又は分岐アルキレン基である。なお、これらのR、Rは同一であっても異なっていても差し支えない。
炭素数2〜8の直鎖アルキレン基としては、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基及びn−ヘキシレン基等が挙げられる。
炭素数2〜8の分岐アルキレン基の分岐の位置はいずれの位置でもよく、分岐の数に特に制限はない。
炭素数2〜8の分岐アルキレン基としては、1,2−プロピレン基、1,2−又は1,3−ブチレン基、1,2−、1,3−又は1,4−ペンチレン基、1,2−、1,3−、1,4−又は1,5−ヘキシレン基、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−又は1,6−ヘプチレン基、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−又は1,7−オクチレン基等が挙げられる。
、Rは、耐熱保存安定性の観点から、好ましいのは炭素数2〜6の直鎖アルキレン基又は炭素数2〜6の分岐アルキレン基であり、更に好ましいのは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基又は炭素数2〜4の分岐アルキレン基であり、特に好ましいのはエチレン基またはプロピレン基であり、最も好ましいのはプロピレン基である。
化合物(a)は後述するように、イソソルバイドにアルキレンオキサイドを付加重合させて製造するが、
一般式(1)における化合物(a)のm、nとしては、それぞれ独立に0または1〜5の正の整数であって、かつm+nが1〜10を満足する数である。
化合物(a)は後述するように、イソソルバイドにアルキレンオキサイドを付加重合させて製造するが、mとnは、その際のアルキレンオキサイドの付加モル数を表し、反応物は異なった付加モル数の化合物(a)の混合物となり、分布を有する。
m、nは、耐熱保存安定性の観点から、好ましいのはそれぞれ独立に0または1〜5の正の整数であって、かつm+nが1〜6の数であり、更に好ましいのはm+nが1〜4であり、特に好ましいのはm+nが1〜2である。
最も好ましいのはmとnが共に1、即ち化合物(a1)の場合である。
化合物(a)の製造は、イソソルバイドにアルキレンオキサイドを付加重合させて得るため、反応物は異なった付加モル数の化合物(a)と未反応のイソソルバイドの混合物となる。
ポリエステル樹脂(P)を得るために用いるジオール組成物(A)は、化合物(a)を含有するジオール組成物であるが、化合物(a)としては、一般式(1)においてm=1、かつn=1の化合物(a1)を用いることが好ましい。
しかし、イソソルバイドにアルキレンオキサイドを付加重合させると、どうしても付加モル数の分布を持ち、未反応のイソソルバイドも残存しがちである。
一般式(1)におけるmとnが、いずれも1である化合物(a1)の含有率は、耐熱保存安定性の観点から、好ましいのは化合物(a)とイソソルバイドの合計の重量に基づいて50〜100重量%であり、更に好ましいのは70〜100重量%であり、特に好ましいのは85〜100重量%である。
ジオール組成物(A)中の化合物(a1)の含有率は、以下の方法で測定することができる。
<化合物(a1)の含有率の測定方法>
化合物(a1)の含有率は、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定することができる。GCの測定条件の一例を以下に示す。
[GCの測定条件]
装置: GC−2014(島津製作所(株)製)
カラム: レステック Rtx−1
(4.6mmO X 250mm)
試料溶液: 10重量%のメタノール溶液
注入量: 2μl
一般式(1)におけるm+nが3〜10であって、かつmとnのいずれもが1以上の化合物(a2)、すなわちイソソルバイドのアルキレンオキサイド付加モル数(m+n)が3〜10でmとnが0でない化合物(a2)の合計のジオール組成物(A)中の含有率は、耐熱保存安定性の観点から、好ましいのは化合物(a)とイソソルバイドの合計の重量に基づいて50重量%以下であり、更に好ましいのは30重量%以下であり、特に好ましいのは10重量%以下である。
なお、化合物(a2)の含有率は、前記(a1)の含有率の測定と同様の方法で測定することができる。
一般式(1)におけるmまたはnのいずれか一方が0で、他方が1〜5の整数である化合物(a3)、すなわちイソソルバイドの2個の水酸基のうちの片方にのみアルキレンオキサイドが1〜5モル付加した化合物の合計のジオール組成物(A)中の含有率は、耐熱保存安定性の観点から、好ましいのは化合物(a)とイソソルバイドの合計の重量に基づいて50重量%以下であり、更に好ましいのは30重量%以下であり、特に好ましいのは10重量%以下である。
なお、化合物(a3)の含有率も、前記(a1)の含有率の測定と同様の方法で測定することができる。
ジオール組成物(A)中のイソソルバイドの含有率は、低温定着性の観点から、好ましいのは化合物(a)とイソソルバイドの合計の重量に基づいて2重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下である。
なお、イソソルバイドの含有率も、前記(a1)の含有率の測定と同様の方法で測定することができる。
化合物(a)は、公知の方法で製造することができるが、例えば以下の方法が挙げられる。
イソソルバイドを加圧反応容器に投入し、無触媒又は触媒の存在下に、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドを滴下し、1段階又は多段階で反応を行なう。炭素数2〜8のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、へキシレンオキサイド及びスチレンオキサイド等が挙げられ、2種類以上を併用することもできる。
反応温度は、好ましくは60〜200℃であり、更に好ましくは70〜140℃である。反応圧力は、好ましくは0.001〜0.5MPaである。反応時間は、好ましくは2〜24時間であり、更に好ましくは3〜10時間である。
触媒として、水酸化リチウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下、TMAHと略記する)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等が挙げられ、この内の1種類を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(a)とイソソルバイドの合計の重量に基づく(a1)の含有率を高くして耐熱保存安定性をよくする観点から、触媒として、水酸化リチウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、TMAHを用いることが好ましく、水酸化リチウム、TMAHを用いることが特に好ましい。
触媒の使用量は、化合物(a)の重量に基づき、好ましくは0.01〜5重量%であり、更に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
反応終了後、触媒は化合物(a)中にそのまま残してもよいし、吸着剤を用いて吸着・ろ過し除去する方法、酸で中和して触媒を不活性化する方法等により処理することができる。
化合物(a)の製造時に溶剤を使用してもよい。使用する溶剤として、水、メチルエチルケトン(以下MEKと略記)、メチルブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、アセトニトリル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、この内の1種類を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶剤は、記載のものに限定されるものではない。
本発明のポリエステル樹脂(P)の製造で用いられるジオール組成物(A)としては、化合物(a)を必須成分として含有してなるジオールであり、化合物(a)を単独で使用してもよく、他のジオールを併用してもよい。
さらに、ジオール組成物(A)以外に、3価以上のポリオールを一部併用しても差し支えない。
他のジオールとしては、炭素数2〜30のアルキレングリコール(例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等);
数平均分子量(以下Mnと略記する)が100〜5,000のアルキレンエーテルグリコール(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);
炭素数6〜24の脂環式ジオール(例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);
Mnが100〜5,000の前記の脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下「アルキレンオキサイド」をAOと略記する)付加物(付加モル数2〜100)[例えば1,4−シクロヘキサンジメタノールのエチレンオキサイド(以下「エチレンオキサイド」をEOと略記する)10モル付加物等];
炭素数13〜30のビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)又は炭素数12〜24のポリフェノール(例えばカテコール、ハイドロキノン及びレゾルシン等)のAO[EO、プロピレンオキサイド(以下「プロピレンオキサイド」をPOと略記する)及びブチレンオキサイド等]付加物(付加モル数2〜100)(例えばビスフェノールA・EO2〜4モル付加物及びビスフェノールA・PO2〜4モル付加物等);
重量平均分子量(以下Mwと略記する)=100〜10,000のポリラクトンジオール(例えばポリ−ε−カプロラクトンジオール等);
Mwが100〜10,000のポリブタジエンジオール等が挙げられる。
これらの例示した他のジオールのうち、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(b1)、炭素数が3〜6のアルカンジオール(b2)を、ジオール組成物(A)として本発明の化合物(a)と併用することにより、さらに高性能のトナーバインダーが得られるため好ましい。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイドの付加物(b1)としては、ビスフェノールAのEOおよび/またはPO付加物が挙げられ、その平均付加モル数は2.0〜6.0が好ましい。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(b1)のうち、耐熱保存安定性の観点から、好ましいのはビスフェノールAのEO付加物、ビスフェノールAのPO付加物及びそれらの併用である。アルキレンオキサイドの平均付加モル数はビスフェノールA1モルに対し2.0〜6.0モルが好ましく、2.0〜3.0モルがより好ましい。
また、炭素数が3〜6のアルカンジオール(b2)としては、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。これらのうち、耐熱保存安定性の観点から、好ましいのは炭素数3〜4のジオールであり、より好ましいのは1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールであり、特に好ましいのは1,2−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールである。
高湿環境下での帯電量、低温定着性、耐熱保存性等を全体として向上する観点から、化合物(a)と(b1)と(b2)の合計の重量に対する化合物(a)の含有率は、10〜80重量%が好ましく、20〜75重量%がより好ましい。
本発明において、3価以上のポリオールをジオール組成物(A)と併用してもよい。
3価以上のポリオールとしては、炭素数3〜10の3価以上の脂肪族多価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビタン及びソルビトール等);
炭素数25〜50のトリスフェノールのAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(例えばトリスフェノール・EO2〜4モル付加物及びトリスフェノール・PO2〜4モル付加物等);重合度3〜50のノボラック樹脂(例えばフェノールノボラック及びクレゾールノボラック等)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(例えばフェノールノボラックPO2モル付加物及びフェノールノボラックEO4モル付加物);
炭素数6〜30のポリフェノール(例えばピロガロール、フルオログルシノール及び1,2,4−ベンゼントリオール等)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(ピロガロールEO4モル付加物);
重合度20〜2,000のアクリルポリオール{ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他の重合性二重結合を有する単量体[例えばスチレン、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステル等]との共重合物等}等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂(P)はジオール組成物(A)とジカルボン酸またはその変性体(B)を反応させて得る。
本発明におけるジカルボン酸としては、炭素数4〜32のアルカンジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸及びオクタデカンジカルボン酸等);炭素数4〜32のアルケンジカルボン酸(例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸及びメサコン酸等);炭素数8〜40の分岐アルケンジカルボン酸[例えばダイマー酸、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸及びオクタデセニルコハク酸等);炭素数12〜40の分岐アルカンジカルボン酸[例えばアルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸及びオクタデシルコハク酸等);炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのはアルカンジカルボン酸、アルケンジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸であり、更に好ましいのはアジピン酸、フマル酸及び芳香族ジカルボン酸であり、特に好ましいのはアジピン酸、フマル酸、テレフタル酸及びイソフタル酸である。
ジカルボン酸の変性体としては、ジカルボン酸の酸無水物、及び低級アルキルエステル等が挙げられる。
ジカルボン酸の酸無水物としては、フタル酸無水物、マレイン酸無水物等が挙げられる。
ジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等が挙げられる。
本発明において、3価以上のポリカルボン酸またはその変性体をジカルボン酸またはその変性体(B)と併用してもよい。
3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(例えばトリメリット酸及びピロメリット酸等)、及び炭素数6〜36の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸及びデカントリカルボン酸等)等が挙げられる。これらの酸無水物又は低級アルキルエステルも使用できる。
ポリエステル樹脂(P)の製造には、ジオール組成物(A)とジカルボン酸またはその変性体(B)に加え、モノカルボン酸(C)及び/又はモノアルコール(D)を併用してもよい。
モノカルボン酸(C)としては、芳香族モノカルボン酸(C1)、鎖式飽和モノカルボン酸(C2)、鎖式不飽和モノカルボン酸(C3)及び脂環式モノカルボン酸(C4)等が挙げられる。なお、(C)は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族モノカルボン酸(C1)としては、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸が挙げられ、具体的には、安息香酸、ビニル安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、t−ブチル安息香酸、クミン酸、ナフトエ酸、ビフェニルモノカルボン酸及びフロ酸等が挙げられる。
鎖式飽和モノカルボン酸(C2)としては、炭素数2〜30の直鎖又は分岐の鎖式飽和モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−エチルヘキサン酸、カプロン酸 、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸及びリグノセリン酸等)等が挙げられる。
鎖式不飽和モノカルボン酸(C3)としては、炭素数3〜30の直鎖又は分岐の鎖式不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、エレオステアリン酸、8,11−エイコサジエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸及びネルボン酸等)等が挙げられる。
脂環式モノカルボン酸(C4)としては、炭素数4〜14の脂環式モノカルボン酸(シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸及びシクロヘプタンカルボン酸等)等が挙げられる。
モノアルコール(D)としては、脂肪族モノアルコール(D1)及び芳香族モノアルコール(D2)等が挙げられる。
なお、(D)は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族モノアルコール(D1)としては、鎖式飽和モノアルコール及び鎖式不飽和モノアルコール等が挙げられる。
鎖式飽和モノアルコールとしては、炭素数1〜30の直鎖又は分岐の鎖式飽和モノアルコール(メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、ヘキサノール、4−メチル−1−ペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、ヘプタノール、3−エチル−3−ペンタノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール及びステアリルアルコール等)、及び炭素数1〜30の直鎖又は分岐の鎖式飽和モノアルコールに炭素数2〜4のAOを付加したもの(付加モル数1〜20モル)等が挙げられる。
鎖式不飽和モノアルコールとしては、炭素数2〜30の直鎖又は分岐の鎖式不飽和モノアルコール(アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、2−ペンテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オール、2−ヘプテン−1−オール、2−オクテン−1−オール、2−ノネン−1−オール、2−デセン−1−オール、2−ドデセノール、パルミトレイルアルコール、オレイルアルコール及びリノレイルアルコール等)、及び炭素数1〜30の直鎖又は分岐の鎖式不飽和モノアルコールに炭素数2〜4のAOを付加したもの(付加モル数1〜20モル)等が挙げられる。
芳香族モノアルコール(D2)としては、炭素数6〜30の芳香族モノアルコール(フェノール、エチルフェノール、イソブチルフェノール、ペンチルフェノール、オクチルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール及びベンジルアルコール等)、及び炭素数6〜30の芳香族モノアルコールに炭素数2〜4のAOを付加したもの(付加モル数1〜20モル)等が挙げられる。
ポリエステル樹脂(P)は必要に応じてビニルモノマー(E)がグラフトした構造を有していてもよい。
ビニルモノマー(E)としては、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、カプロン酸ビニル等のビニルエステル類;例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸およびそのエステル;例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のエチレン性モノカルボン酸置換体;例えばマレイン酸ジメチル等のエチレン性ジカルボン酸およびその置換体;例えばビニルメチルケトン等のビニルケトン類;例えばビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、例えばビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物が挙げられる。
ポリエステル樹脂(P)は、公知の方法で製造することができる。具体的には、化合物(a)を含有するジオール組成物(A)とジカルボン酸またはその変性体(B)と、必要によりモノカルボン酸(C)及び/又はモノアルコール(D)を重縮合させることにより、(P)を製造することができる。
重縮合時の反応温度は100〜250℃が好ましく、反応圧力は0.001〜0.2MPaが好ましく、反応時間は1〜50時間が好ましい。
重縮合は、反応速度を向上させるために、生成する水を反応系外に除去させながら行うのが好ましい。
また、反応を促進させるために、触媒を使用することが好ましい。触媒としては、無機酸(例えば硫酸及び塩酸等)、有機スルホン酸(例えばメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)及び有機金属化合物(例えばジブチルチンオキサイド、テトライソプロポキシチタネート、ビストリエタノールアミンチタネート、テレフタル酸チタネート及びシュウ酸チタン酸カリウム等)等が挙げられる。触媒を使用した場合は、エステル化反応終了後、樹脂中にそのまま残してもよいし、必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することもできる。
本発明のポリエステル樹脂(P)中に残存している未反応のジオール組成物(A)の含有率は、(P)の重量に基づいて0.001〜5重量%であり、耐熱保存安定性及び耐湿熱保存安定性の観点から、好ましくは0.001〜2重量%であり、更に好ましくは0.001〜1重量%であり、特に好ましくは0.001〜0.5重量%である。
なお、ジオール組成物(A)の含有率は、液体クロマトグラフィー/マススペクトル(LC/MS)で測定することができる。LC/MSの測定条件としては、例えば下記の条件が挙げられる。
<LC/MSの測定条件>
LC/MS測定装置:「LCMS−8030」[(株)島津製作所製]
カラム:「InertSustain C18」(粒子径2.0μm、内径2.1mm、
長さ100mm)[ジーエルサイエンス(株)製]
検出器:「PDA検出器」[(株)島津製作所製]
検出波長:230nm
溶離液:酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=24/76(体積%)
注入量:2μl
流速:1.0ml/min
ポリエステル樹脂(P)のガラス転移温度(以下Tgと略記する)は、40〜80℃であり、低温定着性、耐熱保存安定性及び耐湿熱保存安定性の観点から、好ましくは40〜75℃であり、更に好ましくは40〜72℃、特に好ましくは40〜70℃である。
なお、(P)のTgは、「DSC20、SSC/580」[セイコーインスツル(株)製]を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC)で測定することができる。
ポリエステル樹脂(P)のMnは、樹脂強度の観点から、好ましくは1,000〜500,000であり、更に好ましくは1,200〜300,000であり、特に好ましくは1,500〜200,000である。
ポリエステル樹脂(P)のMwは、1,000〜1,000,000であり、樹脂強度の観点から、好ましくは2,000〜800,000であり、更に好ましくは3,000〜600,000であり、特に好ましくは3,500〜500,000である。
ポリエステル樹脂(P)のMw/Mnは、1.0〜50.0であり、樹脂強度の観点から、好ましくは1.0〜45.0であり、更に好ましくは1.0〜40.0であり、特に好ましくは1.0〜35.0である。
本発明における(P)のMn、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定することができる。
装置(一例) :「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSK GEL GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をグラスフィルターでろ別したもの)
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、
18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、
1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
ポリエステル樹脂(P)の酸価(mgKOH/g)は、0〜40であり、耐湿熱保存安定性及び帯電安定性の観点から、好ましくは0〜35であり、更に好ましくは1〜33であり、特に好ましくは1〜30である。
なお、(P)の酸価は、JIS K0070−1992の方法で測定することができる。
ポリエステル樹脂(P)の水酸基価(mgKOH/g)は5〜80であり、耐熱保存安定性及び耐湿熱保存安定性の観点から、好ましくは6〜75であり、更に好ましくは7〜70であり、特に好ましくは8〜65である。
なお、(P)の水酸基価は、JIS K0070−1992の方法で測定することができる。
ポリエステル樹脂(P)の70℃と150℃における貯蔵弾性率(Pa)は、低温定着性及び耐熱保存安定性の観点から、次の関係式(1)と(2)を満たすのが好ましく、関係式(1’)と(2’)を満たすことが更に好ましい。
10≦〔G’70〕≦1010 (1)
1≦〔G’150〕≦10 (2)
ここで、関係式中、〔G’70〕は70℃におけるポリエステル樹脂(P)の貯蔵弾性率(Pa)、〔G’150〕は150℃における貯蔵弾性率(Pa)を意味する。
10≦〔G’70〕≦10 (1’)
1≦〔G’150〕≦10 (2’)
本発明における(P)の貯蔵弾性率(G’)は、下記粘弾性測定装置を用いて下記の条件で測定することができる。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :8mmφパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/min
ポリエステル樹脂(P)の軟化点(Tm)は、70〜170℃であり、低温定着性及び耐熱保存安定性の観点から、好ましくは70〜165℃であり、更に好ましくは75〜160℃であり、特に好ましくは80〜155℃である。
本発明における(P)の軟化点(Tm)は、次のように測定される値である。
高架式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点(Tm)とする。
ポリエステル樹脂(P)は、耐湿熱保存安定性の観点から、(P)を40℃、相対湿度90%の条件下で20時間保管(耐湿熱試験)した後の(P)中の水分含有量が、(P)の重量に基づき15,000ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは13,000ppm以下であり、特に好ましくは12,000ppm以下である。
本発明における(P)の水分量は、カールフィッシャー水分測定装置[例えば、商品名:AQV−200(平沼産業製)]を用いて測定される値である。
ポリエステル樹脂(P)の体積固有抵抗値R(Ω・cm)は、帯電安定性の観点から、1010〜1014であることが好ましく、更に好ましくは1010.5〜1014であり、特に好ましくは1011〜1014である。
本発明における(P)の体積固有抵抗値R(Ω・cm)は、TR−1100形誘電体損自動測定装置、SE−70形固体用電極[安藤電気社製]を用いて測定することができる。
本発明のトナーバインダーには、本発明のポリエステル樹脂(P)を1種類単独で使用してもよいし、化学構造の異なる2種以上の(P)を併用してもよい。
さらに、本発明のトナーバインダーには、本発明のポリエステル樹脂(P)以外の樹脂(H)を本発明のポリエステル樹脂(P)と併用してもよい。
本発明のトナーバインダーで、本発明のポリエステル樹脂(P)と併用することが好ましい樹脂(H)としては、ポリエステル樹脂(H1)、ポリウレタン樹脂(H2)、ポリウレア樹脂(H3)、ビニル樹脂(H4)及びエポキシ樹脂(H5)等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂(P)と併用することが好ましいポリエステル樹脂(H1)としては、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合で得られるポリエステル樹脂が挙げられる。
アルコール成分としては、化合物(a)を含有していない前記のジオール、前記の3価以上のポリオール及びモノアルコール(D)が挙げられる。
カルボン酸成分としては、前記のジカルボン酸またはその変性体(B)、前記の3価以上のポリカルボン酸またはその変性体及びモノカルボン酸(C)が挙げられる。
また、(H1)は線形ポリエステル樹脂であっても、非線形ポリエステル樹脂であってもよい。線形ポリエステル樹脂とは、前記のアルコール成分とカルボン酸成分との重縮合で得られる、三次元の架橋構造を有しない鎖状のポリエステル樹脂のことである。
非線形ポリエステル樹脂とは、前記のアルコール成分とカルボン酸成分との重縮合で得られる、三次元の架橋構造を有する網目状のポリエステル樹脂のことである。
本発明のポリエステル樹脂(P)と併用することが好ましいポリウレタン樹脂(H2)としては、前記ジオール及び/又はジアミンとジイソシアネートを重縮合したもの、ポリエステル樹脂(P)と前記ジオール及び/又はジアミンとジイソシアネートを重縮合したもの等が挙げられる。
ジアミンとしては、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン及び炭素数6〜20の芳香族ジアミン等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ジアミンとしては、鎖状脂肪族ジアミン及び環状脂肪族ジアミン等が挙げられる。
鎖状脂肪族ジアミンとしては、炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。
環状脂肪族ジアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ジアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジアミンとしては、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、ナフチレンジアミン、2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトライソプロピルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジイソプロピル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及びこれらの混合物等が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く。以下同様。)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジイソシアネートとしては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI{粗製ジアミノフェニルメタン[ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物及びこれらの混合物等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネートとしては、鎖状脂肪族ジイソシアネート及び環状脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
環状脂肪族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
ジイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及び/又はオキサゾリドン基を含有する変性物等が用いられ、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI及びこれらの混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との混合物]等が挙げられる。
ジイソシアネートのうちで、好ましいのは炭素数6〜15の芳香族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂肪族ジイソシアネートであり、更に好ましいのはTDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
本発明のポリエステル樹脂(P)と併用することが好ましいポリウレア樹脂(H3)としては、前記ジアミンとジイソシアネートを構成単位とするもの等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂(P)と併用することが好ましいビニル樹脂(H4)としては、重合性二重結合を有する単量体を単独重合又は共重合した重合体である。重合性二重結合を有する単量体としては、以下の(d)〜(l)が挙げられる。
(d)重合性二重結合を有する炭化水素化合物:
例えば以下の(d1)〜(d3)が挙げられる。
重合性二重結合を有する鎖状炭化水素化合物(d1):
炭素数2〜30のアルケン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等);炭素数4〜30のアルカジエン(例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
重合性二重結合を有する環状炭化水素化合物(d2):
炭素数6〜30のモノ又はジシクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)及び炭素数5〜30のモノ又はジシクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン等]等。
重合性二重結合を有する芳香族炭化水素化合物(d3):
スチレン;スチレンのハイドロカルビル(炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体(例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等);及びビニルナフタレン等。
(e)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体及びそれらの塩:
カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体としては、炭素数3〜15の不飽和モノカルボン酸{例えば(メタ)アクリル酸[「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。]、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等};炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)[例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及び炭素数3〜10の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜10)エステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)等が挙げられる。
カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体の塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩及びマグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩としては、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、マレイン酸モノナトリウム、マレイン酸ジナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、マレイン酸モノカリウム、アクリル酸リチウム、アクリル酸セシウム、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸カルシウム及びアクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、例えば1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩及びオクチルアミン塩等)、2級アミン(ジエチルアミン塩及びジブチルアミン塩等)、3級アミン(トリエチルアミン塩及びトリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩及びトリブチルラウリルアンモニウム塩等が挙げられる。
(f)スルホ基と重合性二重結合を有する単量体及びそれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等);スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレート(例えばスルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えばプロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸等);ポリ[n(重合度。以下同様。)=2〜30]オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン等。オキシアルキレンは単独又は併用でもよく、併用する場合、付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよい。)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えばポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル及びポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等];下記一般化学式(2)〜(4)で表される化合物;及びこれらの塩等が挙げられる。
化学式(2)〜(4)中、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、ROは単独でも2種以上を併用したものでもよく、2種以上を併用した場合は、結合形式はランダムでもブロックでもよい。R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜15のアルキル基を表し、Arはベンゼン環を表し、Rは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を表す。x及びyは、それぞれ独立に1〜50の数を表す。
なお、塩としては、(e)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体の塩を構成する塩として例示したものが挙げられる。
(g)ホスホノ基と重合性二重結合を有する単量体及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等)、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
なお、塩としては、(e)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体の塩として例示したもの等が挙げられる。
(h)ヒドロキシル基と重合性二重結合を有する単量体:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び庶糖アリルエーテル等。
(i)重合性二重結合を有する含窒素単量体:
例えば以下の(i1)〜(i4)が挙げられる。
アミノ基と重合性二重結合を有する単量体(i1):
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール及びこれらの塩等。
アミド基と重合性二重結合を有する単量体(i2):
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド及びN−ビニルピロリドン等。
ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体(i3):
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等。
ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8〜12の単量体(i4):
ニトロスチレン等。
(j)エポキシ基と重合性二重結合を有する炭素数6〜18の単量体:
グリシジル(メタ)アクリレート及びp−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(k)ハロゲン元素と重合性二重結合を有する炭素数2〜16の単量体:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン及びクロロプレン等。
(l)その他の重合性二重結合を有する化合物(l)
例えば、重合性二重結合を有するエステル(l1)、重合性二重結合を有するエーテル(l2)、重合性二重結合を有するケトン(l3)及び重合性二重結合を有する含硫黄化合物(l4)などが挙げられる。
重合性二重結合を有する炭素数4〜16のエステル(l1):
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖と重合性二重結合を有する単量体[ポリエチレングリコール[Mn=300]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
重合性二重結合を有する炭素数3〜16のエーテル(l2):
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、アセトキシスチレン及びフェノキシスチレン等が挙げられる。
重合性二重結合を有する炭素数4〜12のケトン(l3):
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等が挙げられる。
重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物(l4):
ジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂(P)と併用することが好ましいエポキシ樹脂(H5)としては、ポリエポキシド(o)の開環重合物、ポリエポキシド(o)と活性水素含有化合物[水、前記ジオール、前記ジカルボン酸(B)及びジアミン(b)等]との重付加物等が挙げられる。
エポキシ樹脂(H5)の原料として用いられるポリエポキシド(o)としては、芳香族系ポリエポキシ化合物(o1)、複素環系ポリエポキシ化合物(o2)、脂環族系ポリエポキシ化合物(o3)及び脂肪族系ポリエポキシ化合物(o4)等が挙げられる。
芳香族系ポリエポキシ化合物(o1)としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル体及びグリシジルエステル体、グリシジル芳香族ポリアミン並びにアミノフェノールのグリシジル化物等が挙げられる。
多価フェノール類のグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジルエーテル、トリスメチル−t−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドキシフェニル)フロオレンジグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、リモネンフェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド又はホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体等が挙げられる。
多価フェノール類のグリシジルエステル体としては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル及びテレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。更に、前記芳香族系として、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマー及びビスフェノールAのAO付加物のジグリシジルエーテル体も含む。
複素環系ポリエポキシ化合物(o2)としては、トリグリシジルメラミン等が挙げられる。
脂環族系ポリエポキシ化合物(o3)としては、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン及びダイマー酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。脂環族系としては、前記芳香族系ポリエポキシド化合物(o1)の各水添化物も含む。
脂肪族系ポリエポキシ化合物(o4)としては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体及びグリシジル脂肪族アミン等が挙げられる。
多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル及びポリグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート及びジグリシジルピメレート等が挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。脂肪族系としては、ジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。
ポリエポキシド(o)のうち、好ましいのは脂肪族系ポリエポキシ化合物(o4)及び芳香族系ポリエポキシ化合物(o1)である。ポリエポキシド(o)は、2種以上を併用してもよい。
これらの樹脂(H)は、その前駆体(H0)から得られたものであってもよい。
前駆体(H0)としては、化学反応により樹脂(H)になり得るものであれば特に限定されないが、樹脂(H)がポリエステル樹脂(H1)、ポリウレタン樹脂(H2)、ポリウレア樹脂(H3)又はエポキシ樹脂(H5)の場合、(H0)としては、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせが挙げられる。
樹脂(H)がビニル樹脂(H4)である場合、前駆体(H0)としては、前記の単量体(d)〜(l)が挙げられる。
前駆体(H0)のうち、生産性の観点から、好ましいのは反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせである。
前駆体(H0)として、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせを用いる場合の、(α)が有する「反応性基」とは、硬化剤(β)と反応可能な基のことをいう。この場合、前駆体(H0)を反応させて樹脂(H)を形成する方法としては、加熱により(α)と(β)を反応させて樹脂(H)を形成させる方法等が挙げられる。
反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基と、硬化剤(β)の組み合わせとしては、以下の〔1〕又は〔2〕等が挙げられる。
〔1〕(α)が有する反応性基が、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)であり、(β)が活性水素基含有化合物(β1)である組み合わせ。
〔2〕(α)が有する反応性基が活性水素含有基(α2)であり、(β)が活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)である組み合わせ。
前記組合せ〔1〕において、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)としては、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)、エポキシ基(α1c)、酸無水物基(α1d)及び酸ハライド基(α1e)等が挙げられる。これらのうち、好ましいのは(α1a)、(α1b)及び(α1c)であり、更に好ましいのは(α1a)及び(α1b)である。
ブロック化イソシアネート基(α1b)は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。
前記ブロック化剤としては、オキシム類(アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム及びメチルエチルケトオキシム等);ラクタム類(γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム及びγ−バレロラクタム等);炭素数1〜20の脂肪族アルコール類(エタノール、メタノール及びオクタノール等);フェノール類(フェノール、m−クレゾール、キシレノール及びノニルフェノール等);活性メチレン化合物(アセチルアセトン、マロン酸エチル及びアセト酢酸エチル等);塩基性窒素含有化合物(N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド及び2−メルカプトピリジン等);及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのはオキシム類であり、更に好ましいのはメチルエチルケトオキシムである。
反応性基含有プレポリマー(α)の構成単位としては、ポリエーテル(αv)、ポリエステル(αw)、エポキシ樹脂(αx)、ポリウレタン(αy)及びポリウレア(αz)等が挙げられる。
ポリエーテル(αv)としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド及びポリブチレンオキサイド等が挙げられる。
ポリエステル(αw)としては、ポリエステル樹脂(H)等が挙げられる。
エポキシ樹脂(αx)としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)とエピクロルヒドリンとの付加縮合物等が挙げられる。
ポリウレタン(αy)としては、前記ジオールとジイソシアネート(c)の重付加物及びポリエステル(αw)とジイソシアネート(c)の重付加物等が挙げられる。
ポリウレア(αz)としては、ジアミン(b)とジイソシアネート(c)の重付加物等が挙げられる。
ポリエーテル(αv)、ポリエステル(αw)、エポキシ樹脂(αx)、ポリウレタン(αy)及びポリウレア(αz)等に反応性基を含有させる方法としては、
〔I〕二つ以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させる方法。
〔II〕二つ以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させ、更に残存した前記官能基と反応可能な官能基及び反応性基を含有する化合物を反応させる方法。
等が挙げられる。
〔I〕の方法では、水酸基含有ポリエステルプレポリマー、カルボキシル基含有ポリエステルプレポリマー、酸ハライド基含有ポリエステルプレポリマー、水酸基含有エポキシ樹脂プレポリマー、エポキシ基含有エポキシ樹脂プレポリマー、水酸基含有ポリウレタンプレポリマー及びイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー等が得られる。
構成成分の比率は、例えば水酸基含有ポリエステルプレポリマーの場合、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1であり、更に好ましくは1.5/1〜1/1、特に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。他の骨格、末端基のプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
〔II〕の方法では、〔I〕の方法で得られたプレポリマーに、ポリイソシアネートを反応させることでイソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ブロック化ポリイソシアネートを反応させることでブロック化イソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ポリエポキシドを反応させることでエポキシ基含有プレポリマーが得られ、ポリ酸無水物を反応させることで酸無水物基含有プレポリマーが得られる。
官能基及び反応性基を含有する化合物の使用量は、例えば、水酸基含有ポリエステルにポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを得る場合、ポリイソシアネートの比率が、イソシアネート基[NCO]と水酸基含有ポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、好ましくは5/1〜1/1であり、更に好ましくは4/1〜1.2/1、特に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。他の骨格、末端基を有するプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
反応性基含有プレポリマー(α)中の1分子当たりに含有する反応性基は、好ましくは1個以上であり、更に好ましくは平均1.5〜3個、特に好ましくは平均1.8〜2.5個である。前記範囲にすることで、硬化剤(β)と反応させて得られる硬化物の分子量が高くなる。
反応性基含有プレポリマー(α)のMnは、好ましくは500〜30,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,000〜10,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)のMwは、好ましくは1,000〜50,000であり、更に好ましくは2,000〜40,000、特に好ましくは4,000〜20,000である。
活性水素基含有化合物(β1)としては、脱離可能な化合物でブロック化されていてもよいジアミン(β1a)、ジオール(β1b)、ジメルカプタン(β1c)及び水等が挙げられる。これらのうち、好ましいのは(β1a)、(β1b)及び水であり、更に好ましいのは(β1a)及び水であり、特に好ましいのはブロック化されたポリアミン類及び水である。
(β1a)としては、前記ジアミン(b)と同様のものが挙げられる。(β1a)として好ましいのは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びこれらの混合物である。
ジオール(β1b)としては、前記ジオールと同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
ジメルカプタン(β1c)としては、エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
必要により、活性水素基含有化合物(β1)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤を(β1)と一定の比率で併用することにより、樹脂(H)を所定の分子量に調整することが可能である。
反応停止剤(βs)としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等);モノアミンをブロックしたもの(ケチミン化合物等);モノオール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びフェノール等);モノメルカプタン(ブチルメルカプタン及びラウリルメルカプタン等);モノイソシアネート(ラウリルイソシアネート及びフェニルイソシアネート等);及びモノエポキシド(ブチルグリシジルエーテル等)等が挙げられる。
前記の組合せ〔2〕における反応性基含有プレポリマー(α)が有する活性水素含有基(α2)としては、アミノ基(α2a)、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)(α2b)、メルカプト基(α2c)、カルボキシル基(α2d)及びそれらが脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)等が挙げられる。これらのうち、好ましいのは(α2a)、(α2b)及び(α2e)であり、更に好ましいのは(α2b)である。
アミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基としては、前記(β1a)の場合と同様のものが挙げられる。
活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)としては、ジイソシアネート(β2a)、ポリエポキシド(β2b)、ポリカルボン酸(β2c)、ポリ酸無水物(β2d)及びポリ酸ハライド(β2e)等が挙げられる。これらのうち、好ましいのは(β2a)及び(β2b)であり、更に好ましいのは(β2a)である。
ジイソシアネート(β2a)としては、前記ジイソシアネート(c)と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
ポリエポキシド(β2b)としては、前記の芳香族系ポリエポキシ化合物(o1)、複素環系ポリエポキシ化合物(o2)、脂環族系ポリエポキシ化合物(o3)及び脂肪族系ポリエポキシ化合物(o4)等が挙げられる。
ジカルボン酸(β2c)としては、前記ジカルボン酸(B)と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
硬化剤(β)の比率は、反応性基含有プレポリマー(α)中の反応性基[α]と硬化剤(β)中の活性水素含有基[β]の当量比[α]/[β]として、好ましくは1/2〜2/1であり、更に好ましくは1.5/1〜1/1.5、特に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。なお、硬化剤(β)が水である場合は、水は2価の活性水素化合物として取り扱う。
ポリエステル樹脂(P)と樹脂(H)を混合する方法は、特に制限はなく、溶融混合や各々固体のまま粉体混合する等、既存の方法で行うことができる。
溶融混合の方法としては、一般的にはペレット状又は粉体状にしたポリエステル樹脂(P)、樹脂(H)を、適切な混合機(ヘンシェルミキサー等)で加熱混合する方法が挙げられる。
本発明のトナーバインダー中のポリエステル樹脂(P)の含有率は、トナーバインダーの重量に基づき、1〜100重量%であり、環境負荷低減の観点から、植物原料由来成分を多く含むことが好ましいため、トナーバインダーの重量に基づき、20〜100重量%が好ましく、更に好ましくは50〜100重量%であり、特に好ましくは70〜100重量%である。
本発明のトナーバインダーを製造する際には、ポリエステル樹脂(P)を得た後、(P)に含まれる沸点が250℃以下のアルコールを除去する工程を含んでもよい。
ポリエステル樹脂(P)に含まれる沸点が250℃以下のアルコールを除去することにより、得られたトナーバインダーの低温定着性、耐熱保存安定性及び耐湿熱保存安定性が向上する。
ポリエステル樹脂(P)に含まれる沸点が250℃以下のアルコールを除去する工程としては、減圧により除去する方法が挙げられる。
ポリエステル樹脂(P)に含まれる沸点が250℃以下のアルコールを、減圧により除去する際の圧力は、好ましくは0.001〜0.050MPaであり、更に好ましくは0.002〜0.040MPaであり、特に好ましくは0.003〜0.020MPaである。
アルコールを減圧により除去する際には、加熱下に除去してもよく、好ましくは100〜270℃であり、更に好ましくは150〜260℃であり、特に好ましくは170〜250℃である。
本発明のトナーバインダーをトナーに使用した場合、本発明のトナーは、トナーバインダーの他に、着色剤および離型剤を含有する。
本発明のトナーバインダーの含有率は、トナーの重量に基づき、好ましくは30〜98重量%であり、更に好ましくは40〜95重量%であり、特に好ましくは45〜92重量%である。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21、77及び114等)、ピグメントイエロー(12、14、17及び83等)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17、49、128、5、13、22及び48・2等)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25、94、60及び15・3等)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、磁性粉(鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末、マグネタイト、ヘマタイト並びにフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させてもよい。
着色剤の含有率は、トナーの重量に基づき、好ましくは0.1〜60重量%であり、更に好ましくは0.3〜55重量%であり、特に好ましくは0.5〜50重量%である。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス(例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス及びライスワックス等)、炭素数30〜50の脂肪族アルコール(例えばトリアコンタノール等)、炭素数30〜50の脂肪酸(例えばトリアコンタンカルボン酸等)及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体等が挙げられる。
他に、ポリメチレンワックス(例えばサゾールワックス等のフィシャートロプシュワックス等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸カルシウム等)及び脂肪酸エステル(ベヘン酸ベヘニル等)等のワックスが挙げられる。
離型剤の含有率は、トナーの重量に基づき、好ましくは0.1〜30重量%であり、更に好ましくは0.5〜20重量%であり、特に好ましくは1〜10重量%である。
本発明のトナーには、着色剤、離型剤の他に、荷電制御剤及び流動化剤等を含有させることができる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香族環含有ポリマー、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
荷電制御剤の含有率は、トナーの重量に基づき、好ましくは0〜20重量%であり、更に好ましくは0.1〜10重量%であり、特に好ましくは0.5〜7.5重量%である。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム及び炭酸バリウム等が挙げられる。
流動化剤の含有率は、トナーの重量に基づき、好ましくは0〜10重量%であり、更に好ましくは0〜5重量%であり、特に好ましくは0.1〜4重量%である。
トナーは、必要に応じて、キャリアー粒子[鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト及び樹脂(アクリル樹脂及びシリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等]と混合して、電気的潜像の現像剤として用いることができる。また、キャリアー粒子の替わりに、帯電ブレード等と摩擦させて、電気的潜像を形成させることもでき、電気的潜像は、公知の熱ロール定着方法等によって、支持体(紙及びポリエステルフィルム等)に定着される。
トナーの体積平均粒径は、好ましくは1〜15μmであり、更に好ましくは2〜10μmであり、特に好ましくは3〜8μmである。
トナーの粒度分布は、好ましくは1.30以下であり、特に好ましくは1.25以下である。
なお、トナーの体積平均粒径と粒度分布は、コールターカウンター「マルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
トナーの製造方法については、特に制限はなく、公知の混練粉砕法、乳化転相法、重合法等により得られたものであってもよい。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒子化して、更に分級することにより、体積平均粒径が好ましくは1〜15μmの微粒子とした後、流動化剤を混合して製造することができる。
乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解又は分散した後、水を添加する等によりエマルション化し、次いで分離、分級して製造することができる。
また、特開2002−284881号公報に記載の有機微粒子を用いる方法や、特開2007−277511号公報に記載の超臨界状態の二酸化炭素中で分散する方法により製造してもよい。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<イソソルバイドのアルキレンオキサイド付加反応物の製造>
<製造例1>
[イソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−1)の製造]
オートクレーブに、イソソルバイド557重量部(3.8モル部)、水100重量部、TMAH4重量部を投入し、窒素置換を行った後、110℃まで昇温し、イソソルバイドと水とTMAHを均一混合した。その後、90〜100℃、圧力0.4MPa以下の範囲でプロピレンオキサイド443重量部(7.6モル部)を5時間かけて滴下反応させた。反応中、GCでイソソルバイドのプロピレンオキサイド付加モル分布を前記の方法で測定しながら反応させた。
続いて、150〜160℃まで昇温し、同温度で圧力0.002MPa以下にて減圧を行い、系中の水とTMAHを除去することによって、イソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−1)を970重量部得た。
この付加反応物(a−1)の組成分布は、GCの分析より、本発明の一般式(1)のR、Rがいずれもプロピレン基で、mとnが、いずれも1の化合物(a1−1)が92重量%、m+nが3〜10の化合物(a2−1)の合計が2重量%、mまたはnのいずれか一方が0で他方が1〜5の整数である化合物(a3−1)の合計が5重量%、未反応のイソソルバイドが1重量%であった。
<製造例2>
[イソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−2)の製造]
製造例1において、TMAHの代わりにトリブチルアミン4重量部を用いること以外は全て同一の操作を行い、イソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−2)を970重量部得た。
この付加反応物(a−2)の組成分布は、GCの分析より、本発明の一般式(1)のR、Rがいずれもプロピレン基で、mとnがいずれも1の化合物(a1−2)が66重量%、m+nが3〜10の化合物(a2−2)の合計が8重量%、mまたはnのいずれか一方が0で他方が1〜5の整数である化合物(a3−2)の合計が25重量%、未反応のイソソルバイドが1重量%であった。
<製造例3>
[イソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−3)の製造]
製造例1において、イソソルバイド624重量部(4.3モル部)、プロピレンオキサイドの代わりにエチレンオキサイド376重量部(8.5モル部)を用いること以外は全て同一の操作を行い、イソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−3)を970重量部得た。
この付加反応物(a−3)の組成分布は、GCの分析より、本発明の一般式(1)のR、Rがいずれもエチレン基で、mとnがいずれも1の化合物(a1−3)が92重量%、m+nが3〜10の化合物(a2−3)の合計が3重量%、mまたはnのいずれか一方が0で他方が1〜5の整数である化合物(a3−3)の合計が4重量%、未反応のイソソルバイドが1重量%であった。
<製造例4>
[イソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−4)の製造]
製造例3において、TMAHの代わりにトリブチルアミン4重量部を用いること以外は全て同一の操作を行い、イソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−4)を970重量部得た。
この付加反応物(a−4)の組成分布は、GCの分析より、本発明の一般式(1)のR、Rがいずれもエチレン基で、mとnがいずれも1の化合物(a1−4)が66重量%、m+nが3〜10の化合物(a2−4)の合計が7重量%、mまたはnのいずれか一方が0で他方が1〜5の整数である化合物(a3−4)の合計が26重量%、未反応のイソソルバイドが1重量%であった。
<ポリエステル樹脂の製造>
<実施例1>
[ポリエステル樹脂(P−1)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例1で得られたイソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−1)468重量部(1.8モル部)、テレフタル酸(B−1)263重量部(1.9モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−1)を得た。
<実施例2>
[ポリエステル樹脂(P−2)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例1で得られたイソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−1)461重量部(1.8モル部)、テレフタル酸(B−1)252重量部(1.5モル部)、アジピン酸(B−3)25重量部(0.2モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)22重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−2)を得た。
<実施例3>
[ポリエステル樹脂(P−3)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例2で得られたイソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−2)458重量部(1.9モル部)、テレフタル酸(B−1)278重量部(1.6モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−3)を得た。
<実施例4>
[ポリエステル樹脂(P−4)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例2で得られたイソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−2)451重量部(1.9モル部)、テレフタル酸(B−1)265重量部(1.6モル部)、アジピン酸(B−3)26重量(0.1モル部)部、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)22重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−4)を得た。
<実施例5>
[ポリエステル樹脂(P−5)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例1で得られたイソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−1)458重量部(1.7モル部)、テレフタル酸(B−1)277重量部(1.6モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量(0.1モル部)部を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−5)を得た。
<実施例6>
[ポリエステル樹脂(P−6)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例1で得られたイソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−1)209重量部(0.8モル部)、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物[三洋化成工業(株):ニューポールBP−2P](b1−1)293重量部(0.8モル部)、テレフタル酸(B−1)202重量部(1.2モル部)、アジピン酸(B−3)20重量部(0.1モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−6)を得た。
<実施例7>
[ポリエステル樹脂(P−7)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例1で得られたイソソルバイド・プロピレンオキサイド付加反応物(a−1)305重量部(1.2モル部)、1,2−プロピレングリコール(b2−1)161重量部(2.1モル部)、テレフタル酸(B−1)352重量部(2.1モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水と1,2−プロピレングリコール(b2−1)を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−7)を得た。
<実施例8>
[ポリエステル樹脂(P−8)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例3で得られたイソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−3)449重量部(1.9モル部)、テレフタル酸(B−1)288重量部(1.7モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−8)を得た。
<実施例9>
[ポリエステル樹脂(P−9)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例3で得られたイソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−3)198重量部(0.8モル部)、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物((b1−1)295重量部(0.8モル部)、テレフタル酸(B−1)231重量部(1.3モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−9)を得た。
<実施例10>
[ポリエステル樹脂(P−10)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例3で得られたイソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−3)74重量部(0.3モル部)、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物(b1−1)439重量部(1.3モル部)、テレフタル酸(B−1)207重量部(1.2モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−10)を得た。
<実施例11>
[ポリエステル樹脂(P−11)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例4で得られたイソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−4)200重量部(0.8モル部)、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物(b1−1)294重量部(0.8モル部)、テレフタル酸(B−1)230重量部(1.3モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−11)を得た。
<実施例12>
[ポリエステル樹脂(P−12)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例3で得られたイソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−3)319重量部(1.4モル部)、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物(b1−1)158重量部(0.4モル部)、テレフタル酸(B−1)251重量部(1.5モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−12)を得た。
<実施例13>
[ポリエステル樹脂(P−13)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、製造例3で得られたイソソルバイド・エチレンオキサイド付加反応物(a−3)291重量部(1.2モル部)、1,2−プロピレングリコール(b2−1)170重量部(2.2モル部)、テレフタル酸(B−1)354重量部(2.1モル部)、アジピン酸(B−3)16重量部(0.1モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水と1,2−プロピレングリコール(b2−1)を留去しながら3時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、ポリエステル樹脂(P−13)を得た。
<比較例1>
[比較用ポリエステル樹脂(P’−1)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、イソソルバイド676重量部(4.6モル部)、テレフタル酸(B−1)307重量部(1.8モル部)、アジピン酸(B−3)68重量部(0.5モル部)、及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水とイソソルバイドを留去しながら5時間反応させた後、0.007〜0.026MPaの減圧下で、酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。
次いで、180℃で無水トリメリット酸(B−2)24重量部(0.1モル部)を加え、1時間反応させ、比較用ポリエステル樹脂(P’−1)を得た。
<比較例2>
[比較用ポリエステル樹脂(P’−2)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷管及び窒素導入管を備えた反応容器に、イソソルバイド420重量部(1.0モル部)、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物(b1−1)50重量部(0.05モル部)、1,2−プロピレングリコール(b2−1)800重量部(3.6モル部)、テレフタル酸(B−1)550重量部(1.15モル部)、無水トリメリット酸(B−2)145重量部(0.3モル部)、イソフタル酸(B−4)300重量部(0.6モル部)及び重合触媒としてビストリエタノールアミンチタネート1.8重量部を入れ、215℃で窒素気流下に生成する水と1,2−プロピレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、更に0.007〜0.026MPaの減圧下で反応させ、比較用ポリエステル樹脂(P’−2)を得た。
以上のポリエステル樹脂(P−1)〜(P−13)と(P’−1)〜(P’−2)の配合重量%と、未反応のジオール組成物(A)の含有率を表1にまとめた。
実施例1〜13の(P−1)〜(P−13)と比較例1〜2の(P’−1)〜(P’−2)のポリエステル樹脂の物性測定結果を表2に示す。
[トナーに配合する非線形ポリエステル樹脂の製造]
<製造例5>
[非線形ポリエステル樹脂(H1−1)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、1,2−プロピレングリコール(b2−1)565重量部、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド3モル付加物[三洋化成工業(株)製:ニューポールBP−3P](b1−2)449重量部、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物(b1−1)388重量部、テレフタル酸(B−1)494重量部、無水トリメリット酸(B−2)143重量部、縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3.7重量部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水、1,2−プロピレングリコール(b2−1)を留去しながら5時間反応させた。次いで0.007〜0.026MPaの減圧下に反応させ、軟化点(Tm)が145℃になった時点で取り出し、非線形ポリエステル樹脂(H1−1)を得た。
(H1−1)のTgは65℃、Mwは13,000、酸価は1mgKOH/g、水酸基価は15mgKOH/gであった。
[トナーの製造]
<実施例14〜26、比較例3〜4>
実施例1〜13で得られたポリエステル樹脂(P−1)〜(P−13)、比較例1〜2で得られた比較用ポリエステル樹脂(P’−1)〜(P’−2)および製造例5で得られた非線形ポリエステル樹脂(H1−1)を表3の配合比(重量部)に従い混合し、本発明のトナーバインダー(R−1)〜(R−13)、および比較用トナーバインダー(R’−1)〜(R’−2)を作製した。
次に、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8重量部、カルナバワックス5重量部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(株)]1重量部を加え、ヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径が8μmのトナー粒子を得た。
次いで、トナー粒子100重量部にコロイダルシリカ[日本アエロジル(株)製:アエロジルR972]0.5重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー、(T−1)〜(T−13)、および比較用トナー(T’−1)〜(T’−2)を得た。
[トナーの製造の準備]
<製造例6>
[前駆体溶液(H0−1)の調製]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、ビスフェノールA・エチレンオキサイド2モル付加物[三洋化成工業(株)製:ニューポールBPE−20](b1−3)681重量部、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物(b1−1)81重量部、テレフタル酸(B−1)275重量部、アジピン酸(B−3)7重量部、無水トリメリット酸(B−2)22重量部、縮合触媒としてジブチルチンオキサイド2重量部を投入し、常圧、230℃で5時間脱水反応を行った後、0.007〜0.026MPaMPaの減圧下で5時間脱水反応を行い、ポリエステル樹脂(H0)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器に、ポリエステル樹脂(H0)350重量部、イソホロンジイソシアネート50重量部、酢酸エチル600重量部、イオン交換水0.5重量部を投入し、密閉状態で90℃、5時間反応を行い、分子末端にイソシアネート基を有する前駆体溶液(H0−1)を得た。
前駆体溶液(H0−1)のウレタン基濃度は5.2重量%、ウレア基濃度は0.3重量%であった。また固形分濃度は45重量%であった。
<製造例7>
[微粒子分散液(1)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、水690重量部、ポリオキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステルのナトリウム塩[三洋化成工業(株):エレミノールRS−30]9重量部、スチレン90重量部、メタクリル酸90重量部、アクリル酸ブチル110重量部及び過硫酸アンモニウム1重量部を投入し、350回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。次いで75℃まで昇温し、同温度で5時間反応させた。
次いで、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30重量部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の微粒子分散液(1)を得た。
微粒子分散液(1)に分散されている粒子の体積平均粒径を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−920」[(株)堀場製作所製]を用いて測定したところ、0.1μmであった。
微粒子分散液(1)の一部を取り出し、その固形分のTg及びMwを測定したところ、Tgは65℃であり、Mwは150,000であった。
<製造例8>
[着色剤分散液(1)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、1,2−プロピレングリコール(b2−1)557重量部(17.5モル部)、テレフタル酸ジメチルエステル569重量部(7.0モル部)、アジピン酸(B−3)184重量部(3.0モル部)及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3重量部を投入し、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。
次いで、230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成する1,2−プロピレングリコール(b2−1)及び水を留去しながら4時間反応させ、更に0.007〜0.026MPaの減圧下で1時間反応させた。回収された1,2−プロピレングリコール(b2−1)は175重量部(5.5モル部)であった。
次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸(B−2)121重量部(1.5モル部)を加え、常圧密閉下で2時間反応後、220℃、常圧で軟化点(Tm)が180℃になるまで反応させ、ポリエステル樹脂(Mn=8,500)を得た。
ビーカーに、銅フタロシアニン20重量部と着色剤分散剤「ソルスパーズ28000」[アビシア(株)製]4重量部、上記で得られたポリエステル樹脂20重量部及び酢酸エチル56重量部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して着色剤分散液(1)を得た。
着色剤分散液(1)を「LA−920」で測定し、体積平均粒径は0.2μmであった。
<製造例9>
[変性ワックス(1)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、キシレン454重量部、低分子量ポリエチレン 「サンワックス LEL−400」[軟化点:128℃、三洋化成工業(株)製]150重量部を投入し、窒素置換後撹拌下、170℃に昇温し、同温度でスチレン595重量部、メタクリル酸メチル255重量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34重量部及びキシレン119重量部の混合溶液を3時間かけて滴下し、更に同温度で30分間保持した。
次いで、0.039MPaの減圧下でキシレンを留去し、変性ワックス(1)を得た。
変性ワックス(1)のグラフト鎖のSP値は10.35(cal/cm1/2、Mnは1,900、Mwは5,200、Tgは56.9℃であった。
<製造例10>
[離型剤分散液(1)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス「HNP−9」[融解熱最大ピーク温度:73℃、日本精鑞(株)製]10重量部、製造例9で得られた変性ワックス(1)1重量部及び酢酸エチル33重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、離型剤分散液(1)を得た。体積平均粒径は0.25μmであった。
<製造例11〜14>
[樹脂溶液(q−1)〜(q−3)、および(q’−1)の製造]
実施例1〜3で得られたポリエステル樹脂(P−1)〜(P−3)、比較例1で得られた比較用ポリエステル樹脂(P’−1)を用いて、下記の方法で樹脂溶液を作成した。
撹拌機及び温度計を備えた反応容器に、ポリエステル樹脂(P−1)〜(P−3)、(P’−1)をそれぞれ100重量部、製造例8で得れた着色剤分散液(1)30重量部、製造例10で得られた離型剤分散液(1)140重量部及び酢酸エチル153重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させ、トナー用の樹脂溶液(q−1)〜(q−3)、(q’−1)を得た。
<製造例15>
[硬化剤(1)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、イソホロンジアミン50重量部とメチルエチルケトン300重量部を投入し、50℃で5時間反応を行った後、脱溶剤してケチミン化された硬化剤(1)を得た。
硬化剤(1)の全アミン価は415であった。
[トナーの製造]
<実施例27〜29と比較例5)
製造例11〜14で得られた樹脂溶液(q−1)〜(q−3)、(q’−1)を用いて、以下の方法でトナーを作製した。
ビーカーに、イオン交換水170.2重量部、製造例7で得られた微粒子分散液(1)0.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液[三洋化成工業(株):エレミノールMON−7]36重量部及び酢酸エチル15.3重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで、50℃に昇温し、同温度でTKオートホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、製造例6で得られた前駆体溶液(H0−1)11.2重量部、製造例15で得られた硬化剤(1)5.5重量部及び、樹脂溶液(q−1)〜(q−3)、(q’−1)をそれぞれ単独に63.8重量部投入し2分間撹拌した。
次いで、この混合液を撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、30℃で濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、トナー粒子の水性樹脂分散体を得た。次いで洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下として、本発明のトナー(T−14)〜(T−16)、及び比較用トナー(T’−3)を得た。
<実施例30〜31と比較例6>
製造例11〜14で得られた樹脂溶液(q−1)〜(q−2)、(q’−1)を用いて以下の方法でトナーを作製した。
ビーカーに、デカン108重量部、製造例7で得られた微粒子分散液(1)2.1重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで50℃に昇温し、同温度でTKオートホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、製造例6で得られた前駆体溶液(H0−1)11.2重量部、製造例15で得られた硬化剤(1)5.5重量部及び、樹脂溶液(q−1)〜(q−2)、(q’−1)をそれぞれ単独に63.8重量部投入し2分間撹拌した。
次いで、この混合液を撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、次いで洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下として、本発明のトナー(T−17)〜(T−18)、及び比較用トナー(T’−4)を得た。
<実施例32>
図1の実験装置において、まずバルブV1、V2を閉じ、ボンベB2から、ポンプP4を用いて粒子回収槽T4に二酸化炭素(純度99.99%)を導入し、14MPa、40℃に調整した。また樹脂溶液タンクT1に樹脂溶液(q−1)と着色剤分散液(1)と離型剤分散液(1)を混合したものを、微粒子分散液タンクT2には微粒子分散液(1)を投入した。
次に、液状の二酸化炭素のボンベB1から、ポンプP3を用いて液状の二酸化炭素を分散槽T3に投入し、超臨界状態(9MPa、40℃)に調整し、更にタンクT2から、ポンプP2を用いて微粒子分散液(1)を導入した。
次に、分散槽T3の内部を2,000rpmで攪拌しながら、タンクT1から、ポンプP1を用いて樹脂溶液(q−1)、着色剤分散液(1)、および離型剤分散液(1)の混合液を分散槽T3内に導入した。導入後T3の内部の圧力は14MPaとなった。
なお、分散槽T3への仕込み組成の重量比は次の通りである。
樹脂溶液(q−1) 270重量部
着色剤分散液(1) 60重量部
離型剤分散液(1) 160重量部
微粒子分散液(1) 45重量部
二酸化炭素 550重量部
上記の導入した二酸化炭素の重量は、二酸化炭素の温度(40℃)、及び圧力(15MPa)から二酸化炭素の密度を下記文献に記載の状態式より算出し、これに分散槽T3の体積を乗じることにより算出した(以下同様。)。
文献:Journal of Physical and Chemical Reference data,vol.25,P.1509〜1596.
樹脂溶液(q−1)、着色剤分散液(1)、および離型剤分散液(1)の混合液を導入後、1分間攪拌し、超臨界状態の二酸化炭素に樹脂粒子(K−1)が分散した分散体(L−1)を得た。
次に、バルブV1を開き、B1からP3を用いてT3及びT4内に超臨界状態の二酸化炭素を導入することで、分散体(L−1)をT3からT4内に移送した。分散体(L−1)をT3からT4に移送する間、圧力が一定に保たれるように、V2の開度を調節した。この操作を30秒間行い、V1を閉めた。この操作によりT4内に移送された樹脂分散体(L−1)からの溶剤の抽出を行った。さらにT4を60℃に加熱し、15分間保持した。
この操作により、微粒子分散液(1)中の微粒子を樹脂溶液(q−1)から形成された樹脂粒子(K−1)の表面に固着させ、樹脂粒子(K−1−2)を生成した。
次に、圧力ボンベB2から、ポンプP4を用いて粒子回収槽T4に二酸化炭素を導入しつつ圧力調整バルブV2の開度を調整することで、圧力を14MPaに保持した。
この操作により、溶剤を含む二酸化炭素を溶剤トラップ槽T5に排出すると共に、樹脂粒子(K−1−2)をフィルターF1に捕捉した。
圧力ボンベB2から、ポンプP4を用いて粒子回収槽T4に二酸化炭素を導入する操作は、上記の分散槽T3に導入した二酸化炭素重量の5倍量を粒子回収槽T4に導入した時点で停止した。この停止の時点で、溶剤を含む二酸化炭素を、溶剤を含まない二酸化炭素で置換すると共に樹脂粒子(K−1−2)をフィルターF1に捕捉する操作は完了した。
さらに、圧力調整バルブV2を少しずつ開き、粒子回収槽内を大気圧まで減圧することで、フィルターF1に捕捉されている、樹脂粒子(K−1−2)の表面に微粒子分散液(1)中の微粒子由来の皮膜が形成され、(K−1−2)中に着色剤と離型剤が微細に均一分散された本発明のトナー(T−19)を得た。
<実施例33>
樹脂溶液(q−1)を製造例12で得られた樹脂溶液(q−2)に変更する以外は実施例32と同様の操作を行い、本発明のトナー(T−20)を得た。
<比較例7>
樹脂溶液(q−1)を製造例14で得られた樹脂溶液(q’−1)に変更する以外は実施例32と同様の操作を行い、比較用トナー(T’−5)を得た。
本発明のトナー(T−1)〜(T−20)、比較用トナー(T’−1)〜(T’−5)について、以下の方法で、体積平均粒径、粒度分布を測定し、低温定着性、耐久性、耐熱保存安定性、耐湿熱保存安定性、飽和帯電量を評価した。
それらの結果を表3と表4に示す。
[1]体積平均粒径と粒度分布
トナーを水に0.1%程度の濃度になるように分散して、コールターカウンター「マルチサイザーIII」[ベックマンコールター社製]で体積平均粒径と粒度分布を測定した。粒度分布は、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)を指標とした。
[2]低温定着性(℃)
トナーに、コロイダルシリカ[日本アエロジル(株)製:アエロジルR972]を1.0重量
%添加し、よく混ぜて均一にした後、この粉体を紙面上に0.6mg/cmとなるよう均一に載せる(このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。ただし、上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい)。
このトナーの載った紙を、加圧ローラー[条件:定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm]に通した時のコールドオフセットの発生温度(℃)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
[3]耐久性
50ccの共栓付ガラス瓶に、トナーを1.0重量部、コロイダルシリカ[日本アエロジル(株)製:アエロジルR972]を0.1重量部、鉄粉「F−150」[日本鉄粉(株)製]10重量部を精秤し、共栓して23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、15Hzで5時間振動を加えたのち、目開き106μmのふるいでふるった後、ふるい上に残ったトナーを目視で判断し、下記基準で耐久性を評価した。
[評価基準]
◎:ふるい上にトナーが残らない。
○:ふるい上にブロッキングしたトナーが残るが、力を加えると容易に分散する。
×:ふるい上にブロッキングしたトナーが残り、力を加えても分散しない。
[4]耐熱保存安定性
トナーを40℃の雰囲気下で1日間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記の基準で耐熱保存安定性を評価した。
[評価基準]
○:ブロッキングが発生していない。
×:ブロッキングが発生している。
[5]耐湿熱保存安定性
トナーを40℃、相対湿度90%の雰囲気下で20時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記の基準で耐湿熱保存安定性を評価した。
[評価基準]
◎:ブロッキングが発生しない。
○:ブロッキングが発生するが、力を加えると容易に分散する。
×:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない。
[6]飽和帯電量(μC/g)
トナー1重量部と電子写真用キャリア鉄粉[パウダーテック社製、ASR−10]24重量部を、23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×1、3、7、20、60及び120分間摩擦撹拌し、それぞれの時間毎に帯電量(μC/g)を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[京セラケミカル(株)製]を用いた。帯電量の増加がなくなった摩擦時間の帯電量をもって飽和帯電量とした。
[7]高湿環境飽和帯電量(μC/g)
上記[6]より高温、高湿度の条件下で調湿してから帯電量を測定する。
トナー1重量部と電子写真用キャリア鉄粉[パウダーテック社製、ASR−10]24重量部を、30℃、相対湿度80%で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×1、3、7、20、60及び120分間摩擦撹拌し、それぞれの時間毎に帯電量(μC/g)を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[京セラケミカル(株)製]を用いた。帯電量の増加がなくなった摩擦時間の帯電量をもって飽和帯電量とした。
表3と4の結果から、本発明のトナーバインダーを用いた実施例14〜33のトナーは低温定着性と耐熱保存安定性との両立が可能であり、耐湿熱保存安定性、帯電安定性、耐久性に優れた性能が得られた。特に、実施例19、20、22〜26のトナーは高湿環境の帯電安定性に優れる。
一方、アルキレンオキシドを付加しないイソソルバイド自体とジカルボン酸とを反応させたポリエステルをトナーバインダーとして用いた比較例3〜7のトナーは低温定着性が不良又は不十分であり、帯電量が低く帯電安定性に劣った。
T1:樹脂溶液タンク
T2:微粒子分散液タンク
T3:分散槽(最高使用圧力:20MPa、最高使用温度:100℃、撹拌機つき)
T4:粒子回収槽(最高使用圧力:20MPa、最高使用温度:100℃)
F1:セラミックフィルター(メッシュ:0.5μm)
T5:溶剤トラップ
B1、B2:二酸化炭素ボンベ
P1、P2:溶液ポンプ
P3、P4:二酸化炭素ポンプ
V1、V3、V4、V5、V6、V7、V8:バルブ
V2:圧力調整バルブ
本発明のトナーバインダーを用いたトナーは、環境負荷が低く、かつ低温定着性と耐熱保存安定性との両立が可能であり、耐湿熱保存安定性、帯電安定性、耐久性に優れることから、電子写真トナー、静電記録トナー及び静電印刷トナー等として有用である。

Claims (19)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物(a)を含有するジオール組成物(A)とジカルボン酸またはその変性体(B)とを反応させて得られるポリエステル樹脂(P)を含有することを特徴とするトナーバインダー。
    [式中、R、Rは、それぞれ独立に炭素数2〜8の直鎖または分岐のアルキレン基を表し、複数のRがある場合は同一であっても異なってもよいし、複数のRがある場合は同一であっても異なってもよい。mとnは、それぞれ独立に0または1〜5の正の整数であって、かつm+nが1〜10を満足する数である。]
  2. 化合物(a)の前記一般式(1)のR、Rが、それぞれ独立にエチレン基またはプロピレン基である請求項1に記載のトナーバインダー。
  3. 化合物(a)の前記一般式(1)のR、Rがいずれもプロピレン基である請求項1または2に記載のトナーバインダー。
  4. 化合物(a)が、前記一般式(1)のmとnがいずれも1である化合物(a1)を含む請求項1〜3のいずれかに記載のトナーバインダー。
  5. ジオール組成物(A)が、さらにビスフェノールAのアルキレンオキサイドの付加物(b1)および/または炭素数が3〜6のアルカンジオール(b2)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のトナーバインダー。
  6. ジオール(A)中の化合物(a)の含有率が、化合物(a)とビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(b1)と炭素数が3〜6のアルカンジオール(b2)の合計の重量に基づいて10〜80%である請求項5記載のトナーバインダー。
  7. ビスフェノールAのアルキレンオキサイドの付加物(b1)の平均付加モル数が2.0〜6.0である請求項5または6記載のトナーバインダー。
  8. 前記一般式(1)のm+nが3〜10の整数であって、かつmとnのいずれも1以上である化合物(a2)のジオール組成物(A)中の含有率が、化合物(a)とイソソルバイドの合計の重量に基づいて50重量%以下である請求項1〜7のいずれかに記載のトナーバインダー。
  9. 前記一般式(1)でmまたはnのいずれか一方が0で、他方が1〜5の整数である化合物(a3)のジオール組成物(A)中の含有率が、化合物(a)とイソソルバイドの合計の重量に基づいて50重量%以下である請求項1〜8のいずれかに記載のトナーバインダー。
  10. ジオール組成物(A)中のイソソルバイドの含有率が、化合物(a)とイソソルバイドの合計の重量に基づいて2重量%以下である請求項1〜9のいずれかに記載のトナーバインダー。
  11. ポリエステル樹脂(P)中に残存している未反応のジオール組成物(A)の含有率が、(P)の重量に基づいて0.001〜5重量%である請求項1〜10のいずれかに記載のトナーバインダー。
  12. ポリエステル樹脂(P)のガラス転移温度が40〜80℃である請求項1〜11のいずれかに記載のトナーバインダー。
  13. ポリエステル樹脂(P)の重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000であり、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.0〜50.0である請求項1〜12のいずれかに記載のトナーバインダー。
  14. ポリエステル樹脂(P)の酸価が0〜40mgKOH/gであり、水酸基価が5〜80mgKOH/gである請求項1〜13のいずれかに記載のトナーバインダー。
  15. ポリエステル樹脂(P)が次の関係式(1)および関係式(2)を満足する請求項1〜14のいずれかに記載のトナーバインダー。
    10≦〔G’70〕≦1010 (1)
    1≦〔G’150〕≦10 (2)
    [上記の関係式中、〔G’70〕は70℃におけるポリエステル樹脂(P)の貯蔵弾性率(Pa)を、〔G’150〕は150℃における貯蔵弾性率(Pa)を意味する。]
  16. ポリエステル樹脂(P)の軟化点(Tm)が70〜170℃である請求項1〜15のいずれかに記載のトナーバインダー。
  17. ポリエステル樹脂(P)を40℃、相対湿度90%の条件下で20時間保管した後の(P)中の水分含有量が、(P)の重量に基づいて15,000ppm以下である請求項1〜16のいずれかに記載のトナーバインダー。
  18. ポリエステル樹脂(P)の体積固有抵抗値R(Ω・cm)が1010〜1014である請求項1〜17のいずれかに記載のトナーバインダー。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載のトナーバインダーと、着色剤及び離型剤を含有するトナー。
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