JP5369691B2 - トナー及び現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式、特に、プリントオンデマンド(POD)分野に対応可能な超高速プリントシステムに好適なトナー及び該トナーを用いた現像剤に関する。
近年、プリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に対し、省エネルギー化及び高速化についての市場要求が強くなってきている。それに伴い、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することもある)においても、低温定着性に優れたトナーが要求される一方で、耐オフセット性、及び耐熱保存性(耐ブロッキング性)という低温定着性とは相反する特性を持ったトナーが必要とされている。特に粉砕型トナーにおいては、低温定着性に有利なポリエステル系樹脂をトナーバインダーに用いるケースが増えているが、従来から用いられてきたようなスチレン−アクリル系樹脂に較べると樹脂の粉砕性が悪いことが多く、トナーの生産性や高画質化を狙うための小粒径化に対しては不利であった。
これらの課題に対して、低温定着性に優れ、耐ホットオフセット性、耐熱保存性との両立できるトナーとして、酸成分にロジン類を使用した非線状架橋型ポリエステル樹脂を含有したトナーが報告されている(特許文献1参照)。また、精製ロジンや酸変性した変性ロジンを使用して臭気の問題や耐熱保存性の改良を施したポリエステル樹脂を用いたトナーがある(特許文献2〜4参照)。
しかし、これらのトナーに使用されるポリエステル樹脂はロジン骨格の導入により、固く脆い性質を持ち、粉砕性に優れる一方で、機械的耐久性に劣る問題があった。このため、現像器内部の撹拌ストレスによりトナーが割れて、トナーの機能を低下させたり、更には割れたトナー微粉が、キャリアや現像器内を汚染し、現像能力が著しく低下する問題があった。
これらに対し、特許文献5及び6では、トナーの耐久性向上の観点から、精製ロジンとビスフェノールA構造を導入したトナーが報告されているが、上述の問題を解決するものでは無かった。
一方、特許文献7では、芯物質と外殻からなる所謂カプセルトナーにおいて、芯物質中の着色剤を天然ロジン、アビエチン酸系誘導体等のロジン類で処理することにより、帯電性や現像性が向上することが報告されている。
また、特許文献8では、アビエチン酸により表面処理された着色剤を含有したカラートナーは、転写性、クリーニング性、及び帯電安定性に優れ、良好なフルカラー画像が得られることが報告されている。
これらの技術では、複素芳香族環のアビエチン酸等のロジン誘導体が添加されており、確かにこれらのロジン誘導体を添加することにより、着色剤の分散が良好となっており、初期においては良好な転写性や帯電安定性が発揮されている。しかし、これらのロジン誘導体は低分子量物質であり、結着樹脂とは化学的に結合しておらず、耐擦時に、低分子量物質のロジン誘導体を多く含むトナーが、二成分現像方式においてはキャリアに、一成分現像方式においては帯電ローラに付着しやすく、徐々に現像性を損なうという欠点を有していた。
また、熱ローラ等の加熱部材を使用して行われる接触加熱方式による定着工程においては、加熱部材に対するトナーの離型性(以下、「耐オフセット性」と称することもある)が要求される。この耐オフセット性は、トナー表面に離型剤を存在させることにより向上させることができる。このような耐オフセット性は、トナー中に離型剤を含有させることにより向上させることができ、トナー内部における離型剤の存在状態が、離型性に大きく作用する。前記離型剤は品質の安定面から、トナー中に均一に分散されることが望ましいが、過度に微分散すると加熱時に離型剤がトナー表面に染み出し難くなるので、適度な分散径を持つ方がよい。しかし、脂肪族系アルコールを用いたポリエステル樹脂は、一般的な離型剤との相溶性が高く、離型性が悪いという課題がある。しかし、その構造による剛直さから、同じ定着温度であれば、分子量を高めにすることができ、スチレン−アクリル樹脂に比較し、耐熱保存性に優れる傾向にある。一方で、スチレン−アクリル樹脂は低温での溶融性を付与する場合には、低分子量化が必要となり、その結果、樹脂のもろさが発現したり、耐熱保存性の悪化がみられるなどの不具合がある反面、安価であり、官能基の付与などの、構造設計の自由度から先の離型剤との相溶性を制御しやすいという面がある。
そこで、スチレン−アクリル樹脂とポリエステル樹脂を混合して使用する方法が数多く提案されている(特許文献9〜11参照)。しかし、これらの提案では、スチレン−アクリル樹脂とポリエステル樹脂との相溶性の点から、トナー中での樹脂の分離に伴って、キャリアへの樹脂成分の汚染や、物性の変化が生じやすいという課題がある。
近時、プリントオンデマンド(POD)分野が成長し、印刷市場から、トナーに求める要求も更に高いものになってきている。電子写真方式のPODシステムは、少部数印刷、バリアブル印刷を得意とし、軽印刷の代替技術として大きく期待されている。電子写真技術をPODシステムに適用する場合、高線速に対応するため、高度な低温定着化技術が要求されている。
一方でPODシステムは印刷市場で用いられるため、従来オフィス及び家庭用途やと比較すると電子写真プロセスを大幅な高寿命で達成する必要がある。特に電子写真システム中で最も部材消耗の大きな定着装置は寿命が短いと、交換のために印刷機自体の停止時間が長くなり、印刷能力低下へ繋がるため、PODシステムでは高寿命を達成することが、大きな課題の一つになっている。更にPODシステムは高寿命を達成する背景から、1台あたりのトナー消費量が非常に多く、トナーが定着部材を劣化させる要素は従来の電子写真システムで求められるレベルよりも大幅な改良を求められているのが現状である。
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、超高速画像形成システムにも対応可能なレベルでの低温定着性と、耐オフセット性と、耐熱保存性とを両立し得、更に顔料の分散性が良好であり、かつ超高速画像形成システムにおいて現像ローラ等への防汚染性に優れたトナー及び該トナーを用いた現像剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有してなるトナーであって、
前記結着樹脂が、アルコール成分と、ロジン化合物をアルコール成分及びカルボン酸成分の総質量中5質量%以上含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル樹脂(A)と、
下記一般式(1)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを重縮合させて得られるポリエステル樹脂(B)とを含有してなり、
前記トナー中のアビエチン酸の含有量が0.01質量%〜1質量%であることを特徴とするトナーである。
Figure 0005369691
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、いずれも炭素数2〜4のアルキレン基であり、R及びRは、いずれも水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、又は分岐状アルキル基であり、x及びyは、いずれも正の整数であり、その和は1〜16である。
<2> ポリエステル樹脂(A)のアルコール成分が、脂肪族ジオールを2価のアルコール成分中65モル%以上含有する前記<1>に記載のトナーである。
<3> 脂肪族ジオールが、1,2−プロパンジオールを65モル%以上含有する前記<2>に記載のトナーである。
<4> ポリエステル樹脂(A)のカルボン酸成分が、更に、芳香族ジカルボン酸化合物を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> ポリエステル樹脂(B)が、一般式(1)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を2価のアルコール成分中80モル%以上含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合させてなる前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> ポリエステル樹脂(A)の酸価が25mgKOH/g〜70mgKOH/gであり、かつポリエステル樹脂(B)の酸価が1mgKOH/g〜25mgKOH/gである前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> ポリエステル樹脂(A)と、ポリエステル樹脂(B)との質量比〔(B)/(A)〕が、1/9〜6/4である前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> ポリエステル樹脂(A)における、分子量が500以下の低分子量成分の含有量が12%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとからなることを特徴とする現像剤である。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、超高速画像形成システムにも対応可能なレベルでの低温定着性と、耐オフセット性と、耐熱保存性とを両立し得、更に顔料の分散性が良好であり、かつ超高速画像形成システムにおいて現像ローラ等への防汚染性に優れたトナー及び該トナーを用いた現像剤を提供することができる。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有してなり、帯電制御剤、外添剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明のトナーは、ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)を併用することで初めて、低温定着性と、耐ホットオフセット性と、耐熱保存性とが両立し得、更に超高速画像形成システムにおいて現像ローラ等への防汚染性に優れ、かつ顔料の分散性に優れたトナー及び該トナーを用いた現像剤を提供することが達成されるものである。そのメカニズムは明らかとなっていないが、アルコール成分と、ロジン化合物をアルコール成分及びカルボン酸成分の総質量中5質量%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル樹脂(A)中に、機械的強度の高いビスフェノールA骨格を有するポリエステル樹脂(B)がミクロ相分離の状態で分散されるため、ポリエステル樹脂(A)の定着性と粉砕性を活かしたまま、機械的強度の高いビスフェノールA骨格を有するポリエステル樹脂(B)によって、耐熱保存性、現像ローラ等への防汚染性を高めていると考えられる。
したがって1分子中にロジン骨格とビスフェノール骨格の両方を備えた結着樹脂を用いるだけでは、前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)とを含有する結着樹脂を用いることによる本発明の作用効果を得ることはできない。
また、本発明では、トナー中の顔料の分散性をよくするために、トナー中のアビエチン酸の含有量は、0.01質量%〜1質量%であり、0.02質量%〜0.5質量%が好ましく、0.05質量%〜0.1質量%がより好ましい。これは顔料の分散性が異なる前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)とを併用したトナー中にアビエチン酸が存在することで顔料の分散性が向上すると考えられる。アビエチン酸の含有量を調整する方法としては、例えばトナー製造時にアビエチン酸を添加する方法、ポリエステル樹脂(A)中のアビエチン酸量を所定量に調整する方法等が挙げられる。トナー中のアビエチン酸の含有量が、1質量%を超えると、超高速画像形成システムにおいて現像ローラ等への汚染が発生しやすくなり、0.01質量%未満になると、顔料の分散性が悪く、色相と彩度が劣った画像となる。
<結着樹脂>
前記結着樹脂としては、ポリエステル樹脂(A)、及びポリエステル樹脂(B)を含有し、更に必要に応じてその他の樹脂を含有してなる。
−ポリエステル樹脂(A)−
本発明では、ロジン骨格をポリエステル樹脂(A)中に導入することで、離型剤の適切な分散をもたらし、低温定着性と、耐ホットオフセット性と、耐熱保存性とに優れたトナーを得ることができる。また、トナー中のアビエチン酸の含有量を、0.01質量%〜1質量%とすることで顔料の分散性に優れたトナーを得ることができる。
前記ポリエステル樹脂(A)のカルボン酸成分に含有されているロジン化合物は、主成分としてアビエチン酸を含んでいるが、上述したポリエステル樹脂(A)中のアビエチン酸の含有量を所定の範囲に調整する方法として、ポリエステル樹脂(A)のアルコール成分として、反応性に優れた脂肪族ジオールを使用して、ロジン化合物の反応率を高める方法、不飽和脂肪酸により変性し、アビエチン酸量を予め調整した変性ロジンを用いる方法、ポリエステル樹脂の製造において、反応時間、反応温度、減圧度を調整して、ロジン化合物の反応率を高める方法、原料モノマーの反応後、水蒸気蒸留や水滴下等を行って、ポリエステル樹脂(A)中に含まれる低分子量成分を除去する方法等が挙げられる。また、アルコール成分に、2個の水酸基のいずれもが一級水酸基である脂肪族ジオールを用いる方法が挙げられる。
−−アルコール成分−−
前記ポリエステル樹脂(A)のアルコール成分としては、上述したように、脂肪族ジオールが好ましい。芳香族アルコールより反応性が優れる脂肪族ジオールをアルコール成分として用いることにより、ロジン化合物がポリエステル樹脂中に取り込まれやすくなり、アビエチン酸量の調整が可能となる。更に、ロジン化合物を最初に脂肪族アルコールと共に反応系に添加して、ロジン化合物と脂肪族アルコールを反応させることで、ロジン化合物がよりポリエステル樹脂中に取り込まれやすくなる。
前記脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールなどが挙げられ、樹脂のガラス転移温度を高く保ち、トナー保存性を確保する点から、炭素数2〜6の脂肪族アルコールが好ましい。これらの脂肪族アルコールは1種又は2種以上の組み合せで使用できる。
また、樹脂のガラス転移温度を高く保ち、トナーの保存安定性を確保する観点から、脂肪族アルコールは、1,2−プロパンジオールが好ましい。炭素数3の二級の水酸基を有するアルコールである1,2−プロパンジオールは、炭素数4以上の二級の水酸基を有するアルコールと較べて、樹脂のガラス転移点の低下及びトナーの保存性の低下を防止する効果が大きい。その含有量は、脂肪族ジオール中、65モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%〜100モル%が更に好ましい。
なお、後述のロジン化合物として、未変性のロジン化合物を使用する場合には、反応性の観点から、アルコール成分は、脂肪族ジオールとして、1,2−プロパンジオールと共に、1,3−プロパンジオール等の2個の水酸基のいずれもが一級水酸基である脂肪族ジオールを含有していることが好ましく、その含有量は、脂肪族ジオール中、30モル%以下が好ましく、10モル%〜20モル%がより好ましい。
前記脂肪族ジオールの含有量は、2価のアルコール成分中、65モル%以上が好ましく、80モル%〜100モル%がより好ましい。
前記脂肪族ジオール以外の2価のアルコール成分としては、例えばポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族アルコール;水素添加ビスフェノールA又はそのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物などが挙げられる。
前記2価のアルコール成分の含有量は、アルコール成分中、60モル%〜100モル%が好ましく、60モル%〜95モル%がより好ましく、65モル%〜90モル%が更に好ましい。
−−カルボン酸成分−−
前記カルボン酸成分としては、上述したように、ロジン化合物を含有する。
本発明において、ロジンとは、松脂から得られる天然樹脂であり、その主成分は、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸、レポピマール酸等の樹脂酸、又はこれらの混合物である。
本発明におけるロジン化合物には、パルプを製造する工程で副産物として得られるトール油から得られるトールロジン、生松脂から得られるガムロジン、松の切株から得られるウッドロジン等に大別される天然ロジンの他、異性化ロジン、二量化ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水素化ロジン等の変性ロジン等も含まれるが、本発明においては、予めアビエチン酸の含有量が調整されている、不飽和脂肪酸で変性された変性ロジンが好ましい。
不飽和脂肪酸で変性された変性ロジンは、ロジンに、不飽和脂肪酸を付加反応させて得られ、具体的には、ロジンの主成分の中で共役二重結合を有するレポピマール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸及びパラストリン酸と、不飽和脂肪酸とによる加熱下でのディールス−アルダー(Diels−Alder)反応又はエン反応を経て得ることができる。
変性されるロジンには、前記の公知のロジンを使用できるが、色目の観点から、天然ロジンが好ましく、低温定着性の観点からトールロジンがより好ましい。
ロジンを変性する不飽和脂肪酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。
また、低温定着性、耐オフセット性及び耐熱保存性の観点から、残存モノマー成分やオリゴマー成分等に起因する分子量が500以下の低分子量成分の含有量が、ポリエステル樹脂中、12%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、9%以下であることが更に好ましく、8%以下であることが特に好ましい。なお、低分子量成分の含有量は、後述のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量の面積割合により求めることができる。
不飽和脂肪酸による変性ロジンの製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジンと不飽和脂肪酸を混合し、180℃〜260℃に加熱することでディールス−アルダー反応又はエン反応により、ロジンに含まれる共役二重結合を有する酸に不飽和脂肪酸を付加させて、変性ロジンを得ることができる。得られた変性ロジンは、そのまま使用してもよく、更に蒸留等の操作を経て精製して使用してもよい。
前記ロジン化合物の含有量は、前記アルコール成分及び前記カルボン酸成分の総質量中、5質量%以上であり、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜40質量%が更に好ましく、25質量%〜40質量%が特に好ましい。
前記ロジン化合物以外のカルボン酸成分としては、ガラス転移温度の高い樹脂を得る観点から、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸化合物が好ましい。前記芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、アルコール成分100モルに対して、40モル〜95モルが好ましく、50モル〜90モルがより好ましく、60モル〜80モルが更に好ましい。なお、本発明において、カルボン酸、カルボン酸の無水物、及びカルボン酸のアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。
アルコール成分及び/又はカルボン酸成分には、3価以上の原料モノマーが含まれていてもよい。3価以上の原料モノマーの含有量は、2価のアルコール成分100モルに対して、40モル以下が好ましく、5モル〜30モルがより好ましい。
3価以上の原料モノマーにおいて、3価以上の多価カルボン酸化合物としては、トリメリット酸又はその誘導体が好ましく、3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜16)等が挙げられ、これらの中では、低温定着性の向上に有効であることから、グリセリンが特に好ましい。
−ポリエステル樹脂(B)−
本発明に用いられるトナーの結着樹脂は、上述したポリエステル樹脂(A)に加え、更にポリエステル樹脂(B)を併用することで初めて、各々の樹脂による効果が相乗的に作用し、本発明の効果が最適に発揮されるものである。
前記ポリエステル樹脂(B)は、下記一般式(1)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
Figure 0005369691
ここで、前記一般式(1)中、R及びRは、いずれもエチレン基、プロピレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基である。R及びRは、いずれも水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、又は分岐状アルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、などが挙げられ、水素原子又はメチル基が特に好ましい。また、x及びyは、いずれも正の整数であり、その和は1〜16であり、2〜6が好ましい。
−−アルコール成分−−
前記ポリエステル樹脂(B)のアルコール成分としての前記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール類などが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂(B)のアルコール成分としては、本発明の目的及び作用効果が損なわれない範囲で、上記一般式(1)の化合物以外のアルコールが含有されていてもよいが、前記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物の含有量は、2価のアルコール成分中80モル%以上が好ましい。
−−カルボン酸成分−−
前記ポリエステル樹脂(B)のカルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物、などが挙げられる。
また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、又はこれらの無水物、部分低級アルキルエステル、などが挙げられる。
これらの中でも、樹脂の耐熱保存性、機械的強度の観点から、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の芳香族多価カルボン酸化合物が含有されていることが好ましい。前記芳香族多価カルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、40モル%〜95モル%が好ましく、50モル%〜90モル%がより好ましく、60モル%〜80モル%が更に好ましい。
−エステル化触媒−
前記ポリエステル樹脂(A)、前記ポリエステル樹脂(B)のアルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、エステル化触媒の存在下で行うことが好ましい。
前記エステル化触媒の例としては、p−トルエンスルホン酸等のルイス酸類、チタン化合物、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は両者を併用して用いられる。本発明においては、チタン化合物及び/又はSn−C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。
前記チタン化合物としては、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
前記チタン化合物としては、例えばチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C10N)(CO)〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(C11O)〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(OHC16O)〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(C1837O)〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C14N)(CO)〕等が挙げられ、これらの中でも、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましく、これらは、例えばマツモト交商株式会社の市販品としても入手できる。
他の好ましいチタン化合物の具体例としては、テトラ−n−ブチルチタネート〔Ti(CO)〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(CO)〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C1837O)〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C17O)〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C17O)(OHC16O)〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C1429O)(C17O)〕等が挙げられる。これらの中でも、テトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましい。これらは、例えばハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることができ、又は、ニッソー社等の市販品としても入手できる。
前記チタン化合物の存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01質量部〜1.0質量部が好ましく、0.1質量部〜0.7質量部がより好ましい。
前記Sn−C結合を有していない錫(II)化合物としては、Sn−O結合を有する錫(II)化合物、Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物等が好ましく、Sn−O結合を有する錫(II)化合物がより好ましい。
前記Sn−O結合を有する錫(II)化合物としては、例えばシュウ酸錫(II)、ジ酢酸錫(II)、ジオクタン酸錫(II)、ジラウリル酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)、ジオレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);ジオクチロキシ錫(II)、ジラウロキシ錫(II)、ジステアロキシ錫(II)、ジオレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するジアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が、Sn−X(ただし、Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられ、これらの中では、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、(RCOO)Sn(ここでRは炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(RO)Sn(ここでRは炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるジアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(RCOO)Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、ジオクタン酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)が更に好ましい。
前記錫(II)化合物の存在量は、前記アルコール成分と前記カルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01質量部〜1.0質量部が好ましく、0.1質量部〜0.7質量部がより好ましい。
前記チタン化合物と錫(II)化合物を併用する場合、チタン化合物と錫(II)化合物の総存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01質量部〜1.0質量部が好ましく、0.1質量部〜0.7質量部がより好ましい。
前記アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、前記エステル化触媒の存在下、不活性ガス雰囲気中にて、180℃〜250℃の温度で行うことができる。
未反応のロジン低減により、アビエチン酸量を低減する手段として、上述したように、水蒸気蒸留を行ってもよい。
前記水蒸気蒸留の際に、樹脂と混合する水は、液体状であっても気体状(水蒸気)であってもよく、水の混合量は、樹脂の物性への影響を制御する観点から、得られる樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.5質量部〜40質量部がより好ましく、1質量部〜30質量部が更に好ましい。
樹脂と水との混合は、水の蒸発効率及び反応混合物の粘度の観点から、好ましくは100℃〜300℃、より好ましくは130℃〜250℃、更に好ましくは150℃〜240℃の温度条件下で行うことが好ましい。水の添加速度は、離型剤に与えるシェアの観点から、得られる樹脂100質量部に対して0.002〜0.5質量部/分が好ましく、0.008〜0.3質量部/分がより好ましく、0.008〜0.2質量部/分が更に好ましい。
樹脂と水との混合は、水の効率的拡散の観点から、好ましくは4kPa〜100kPa、より好ましくは6kPa〜90kPa、更に好ましくは20kPa〜60kPaの気圧下で行うことが望ましい。また、樹脂と水との混合は、ロジン添加後、全反応終了後反応物を反応容器から樹脂を抜き出すまでの間であれば特に限定されず、いつ行ってもよいが、縮重合反応が行われているときに、更には樹脂を抜き出す直前まで水と混合状態にあることが好ましい。
前記樹脂と水とを混合する方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、好ましくは100℃〜260℃、より好ましくは120℃〜180℃の水蒸気を樹脂中に吹き込む方法が好ましい。空気や窒素の吹込み等によるバブリングの方法では、樹脂粘度が高いと、泡の一つ一つが大きくなり、また泡と樹脂との相互作用もないため、十分な効果が得られない。これに対し、水蒸気を吹き込むことにより、水が微細な水蒸気の気泡となって樹脂中に広範囲にわたって均一に拡散するため、未反応のロジン化合物を樹脂中から離脱することが可能になるものと推定される。
本発明において、低温定着性と、耐ホットオフセット性と、耐熱保存性とを両立するためのより好ましい条件としては、前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)の質量比〔(B)/(A)〕は、1/9〜6/4であることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A)、前記ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度は、定着性、耐熱保存性及び耐久性の観点から、45℃〜75℃が好ましく、50℃〜70℃がより好ましい。
前記ポリエステル樹脂(B)の軟化点は、定着性、保存性、及び耐久性の観点から、90℃〜160℃が好ましく、95℃〜155℃がより好ましく、100℃〜150℃が更に好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A)及び前記ポリエステル樹脂(B)の酸価は、1mgKOH/g〜70mgKOH/gであることが好ましく、前記ポリエステル樹脂(A)の酸価は25mgKOH/g〜70mgKOH/gが好ましく、かつ前記ポリエステル樹脂(B)の酸価が1mgKOH/g〜25mgKOH/gである時に、樹脂、離型剤の分散状態が最適となる。
なお、本発明において、ポリエステル樹脂とは、ポリエステルユニットを有する樹脂をいう。前記ポリエステルユニットとはポリエステル構造を有する部位を指し、ポリエステル樹脂には、ポリエステルのみならず、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルも含まれるが、本発明においては、前記ポリエステル樹脂(A)、(B)はいずれも変性されたポリエステルであることが好ましい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。
本発明において、前記ポリエステル樹脂(A)及び前記ポリエステル樹脂(B)は、結晶性とは異なる非晶質であることが好ましい。本願明細書において、非晶質の樹脂とは、軟化点とガラス転移温度(Tg)の差が30℃以上である樹脂をいう。
なお、本発明において、結着樹脂中には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)以外のその他の樹脂を含有していてもよい。
前記その他の樹脂としては、ポリエステル樹脂を含め、公知の結着樹脂、例えば、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂(ハイブリッド樹脂ともいう)等の他の樹脂が併用されていてもよい。
<離型剤>
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、ワックスが特に好ましい。該ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体;キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
前記離型剤としては、更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、直鎖のアルキル基を有する直鎖アルキルカルボン酸類等の飽和直鎖脂肪酸;プランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウピルアルコール、セリルアルコール、メシリルアルコール、長鎖アルキルアルコール等の飽和アルコール;ソルビトール等の多価アルコール;リノール酸アミド、オレフィン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド、メチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジオレイルセパシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化合物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
更に、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン、低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオレフィン、放射線、電磁波又は光を利用して重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィンを熱分解して得られる低分子量ポリオレフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法等により合成される合成炭化水素ワックス、炭素数1個の化合物をモノマーとする合成ワックス、水酸基又はカルボキシル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス、炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物、これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸の如きビニルモノマーでグラフト変性したワックスが挙げられる。
また、これらの離型剤を、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は溶液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや、低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
特に粉砕法で製造されるトナーの場合、結着樹脂と離型剤の界面で粉砕されやすいため、トナーの表面に離型剤が露出し、感光体やキャリアへのフィルミングを発生させる等の問題があるが、本発明における結着樹脂は、離型剤の分散性が極めて良好であり、結着樹脂と離型剤の相溶作用により、離型剤がトナーから離脱しにくい。このため、従来のトナーと較べて、フィルミングの発生が極めて少ない。本発明に用いる結着樹脂に対しては、上記の離型剤の中でも、カルナウバワックス、ライスワックスが最も良好な分散性を示すので更に好ましい。前記カルナウバワックスの中でも、遊離脂肪酸を脱離したものが特に好ましい。
前記離型剤の融点としては、定着性と耐オフセット性のバランスを取るために、60℃〜120℃が好ましく、70℃〜110℃がより好ましい。前記融点が、60℃未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、120℃を超えると、耐オフセット効果が発現しにくくなることがある。
また、2種以上の異なる種類の離型剤を併用することにより、離型剤の作用である可塑化作用と離型作用を同時に発現させることができる。可塑化作用を有する離型剤の種類としては、例えば、融点の低い離型剤、分子の構造上に分岐のあるものや極性基を有する構造のもの、などが挙げられる。離型作用を有する離型剤としては、融点の高い離型剤が挙げられ、その分子の構造としては、直鎖構造のものや、官能基を有さない無極性のものが挙げられる。使用例としては、2種以上の異なる離型剤の融点の差が10℃〜100℃のものの組み合わせや、ポリオレフィンとグラフト変性ポリオレフィンの組み合わせ、などが挙げられる。
2種の離型剤を選択する際には、同様構造の離型剤の場合は、相対的に、融点の低い離型剤が可塑化作用を発揮し、融点の高い離型剤が離型作用を発揮する。この時、融点の差が10℃〜100℃の場合に、機能分離が効果的に発現する。10℃未満では機能分離効果が表れにくいことがあり、100℃を超える場合には相互作用による機能の強調が行われにくいことがある。このとき、機能分離効果を発揮しやすくなる傾向があることから、少なくとも一方の離型剤の融点が60℃〜120℃が好ましく、70℃〜110℃がより好ましい。
前記離型剤は、相対的に、枝分かれ構造のものや官能基の如き極性基を有するものや主成分とは異なる成分で変性されたものが可塑作用を発揮し、より直鎖構造のものや官能基を有さない無極性のものや未変性のストレートなものが離型作用を発揮する。好ましい組み合わせとしては、エチレンを主成分とするポリエチレンホモポリマー又はコポリマーとエチレン以外のオレフィンを主成分とするポリオレフィンホモポリマー又はコポリマーの組み合わせ、ポリオレフィンとグラフト変性ポリオレフィンの組み合わせ、アルコールワックス、脂肪酸ワックス又はエステルワックスと炭化水素系ワックスの組み合わせ、フィッシャートロプシュワックス又はポリオレフィンワックスとパラフィンワックス又はマイクロクリスタルワックスの組み合わせ、フィッシャートロプシュワックスとポルリオレフィンワックスの組み合わせ、パラフィンワックスとマイクロクリスタルワックスの組み合わせ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス又はモンタンワックスと炭化水素系ワックスの組み合わせが挙げられる。
いずれの場合においても、トナー保存性と定着性のバランスをとりやすくなることから、トナーのDSC測定において観測される吸熱ピークにおいて、60℃〜120℃の領域に最大ピークのピークトップ温度があることが好ましく、70℃〜110℃の領域に最大ピークを有しているのがより好ましい。本発明においては、DSCにおいて測定される離型剤(ワックス)の吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもって離型剤の融点とする。
ここで、前記離型剤又はトナーのDSC測定機器として示差走査熱量計(島津製作所製、TA−60WS、及びDSC−60)を用い、測定されるDSC曲線から求めた。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行った。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いた。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記結着樹脂100質量部に対して0.2質量部〜30質量部で好ましい分散状態が得られるが、1質量部〜20質量部がより好ましく、3質量部〜15質量部が更に好ましい。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
<帯電制御剤>
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤としては、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解及び/又は分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解及び/又は分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−外添剤−
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化されたチタニア微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子が好適に挙げられる。
前記シリカ微粒子としては、例えばHDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれもヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル株式会社製)がある。また、前記チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれもチタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれもテイカ株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、T−805(日本アエロジル株式会社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれもチタン工業株式会社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも富士チタン工業株式会社製);MT−100S、MT−100T(いずれもテイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化処理された酸化物微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化されたチタニア微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。また、シリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理酸化物微粒子、無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
前記無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、100nm以下が好ましく、3nm〜70nmがより好ましい。この範囲より小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。この範囲より大きいと、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけ好ましくない。前記外添剤としては、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1nm〜100nmが好ましく、特に5nm〜70nmの無機微粒子を少なくとも2種含むことがより好ましい。更に疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含みかつ、30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
前記酸化物微粒子を含む外添剤の表面処理剤としては、例えばジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
前記外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系;熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような樹脂微粒子と併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。前記樹脂微粒子の添加量は、前記トナーに対し0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、質量平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
<トナー製造方法>
本発明のトナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等を用いることができるが、生産性の観点から、本発明の効果を発揮するのは混練・粉砕法であることが好ましい。
前記粉砕法は、例えば少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
次いで、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤を均一かつ強固にトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
前記トナーの質量平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができる。ここで、前記トナーの質量平均粒径は、次のようにして求めることができる。
・測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:100μm
・解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
・分散液:エマルゲン109P(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
・分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させる。
・測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から質量平均粒径を求める。
(現像剤)
本発明のトナーは、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる現像剤として使用してもよい。前記現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年のPODに対応可能な超高速プリントシステム等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(質量平均粒径(D50))で、10μm〜200μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(質量平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
前記二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1質量部〜10.0質量部が好ましい。
本発明のトナー及び現像剤は、超高速画像形成システムに対応可能なレベルでの低温定着性、耐オフセット性、耐熱保存性を両立し、臭気の発生も低減でき、更に、現像ローラー等への防汚染性に特筆した効果を有し、かつ生産性に優れているので、電子写真方式のプリントオンデマンド(POD)分野に対応可能な超高速プリントシステムに好適である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
下記実施例及び比較例において、「樹脂の軟化点」、「ロジンの軟化点」、「樹脂及びロジンのガラス転移温度(Tg)」、「樹脂及びロジンの酸価」、「分子量が500以下の低分子量成分の含有量」、「トナーの質量平均粒径及び粒度分布(D/Dn)」、並びに「ロジン又はトナー中のアビエチン酸の含有量」は、以下のようにして測定を行った。
<樹脂の軟化点の測定>
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、試料として1gの樹脂を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
<ロジンの軟化点の測定>
(1)試料の調製
ロジン10gを、170℃にて2時間ホットプレートで溶融した。その後、開封状態で温度25℃、相対湿度50%の環境下で1時間自然冷却させ、コーヒーミル(National MK−61M)で10秒間粉砕し、試料を調製した。
(2)測定
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
<樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定>
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミニウムパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
<樹脂及びロジンの酸価>
JIS K0070に記載の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
<分子量が500以下の低分子量成分の含有量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量分布を測定した。まず、各ポリエステル系結着樹脂30mgにテトラヒドロフラン10mLを加え、ボールミルで1時間混合後、ポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター「FP−200」(住友電気工業株式会社製)で濾過して不溶解成分を除き、試料溶液を調製した。
次に、溶離液としてテトラヒドロフランを毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させ、試料溶液100μLを注入して測定を行った。なお、分析カラムには「GMHLX+G3000HXL」(東ソー株式会社製)を使用し、分子量の検量線は数種類の単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製の2.63×10、2.06×10、1.02×10、ジーエルサイエンス社製の2.10×10、7.00×10、5.04×10)を標準試料として作成した。
次に、分子量が500以下の低分子量成分の含有量(%)は、RI(屈折率)検出器により得られたチャート面積における該当領域の面積の割合として算出した。
<トナーの質量平均粒径及び粒度分布>
トナーの質量平均粒径及び粒度分布は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜた。次いで、イオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2質量%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8質量%±2質量%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とした。
トナーの質量、及び個数を測定後、質量分布、個数分布を算出した。得られた質量分布及び個数分布から、トナーの質量平均粒径及び粒度分布を求めた。
<ロジン又はトナー中のアビエチン酸の含有量>
試料をアセトンに溶解させ、0.3質量%溶液となるように調製し、ジアゾメタンにてメチルエステル化し、その後、以下の測定条件にてGC(ガスクロマトグラフィー、Agilent社製、HP6890)にて分析を行った。
・分析カラム:HP−5(30m−250μm−0.25μm)
・キャリア:ヘリウム
・流量条件:1mL/min
・注入口温度:250℃
・カラムヘッド圧:126.8kPa
・注入モード:split
・スプリット比:30:1
・オーブン温度条件:180℃で5分保持後、2℃/minの加熱速度で200℃まで上げ、200℃で5分間保持
(合成例A)
−フマル酸変性ロジンの合成−
分留間、還流冷却管、及び受器を装備した10L容のフラスコに、未精製トールロジン5312g(16モル)及びフマル酸928g(8モル)を加え、160℃から210℃に2時間かけて昇温し、210℃にて3時間反応させた後、更に210℃、4kPaの減圧下で蒸留を行い、フマル酸で変性された変性ロジン(フマル酸変性ロジン)を合成した。
得られたフマル酸変性ロジン中のアビエチン酸の含有量は、2.8質量%であった。
(合成例1〜4)
−ポリエステル樹脂A1〜A4の合成−
表1に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌機、及び熱電対を装備した5L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃で15時間縮重合反応させた後、235℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。210℃まで冷却した後、表1に示す無水トリメリット酸を投入し、210℃、常圧(101.3kPa)にて1時間反応を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、ポリエステル樹脂A1〜A4を合成した。
(合成例5)
−ポリエステル樹脂A5の合成−
表1に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分(未精製トールロジンは、フマル酸変性ロジンの製造に用いた未精製トールロジンを使用)及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、精留塔、攪拌機、及び熱電対を装備した5L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃で10時間縮重合反応させた後、235℃、8.0kPaにて2時間反応を行った。210℃まで冷却した後、表1に示す無水トリメリット酸を投入し、210℃、常圧(101.3kPa)にて2時間反応を行い、140℃の水蒸気を5g/分の速度で滴下しながら(水蒸気蒸留)、210℃、20kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、ポリエステル樹脂A5を合成した。なお、水蒸気の添加速度(5g/分)は、得られたポリエステル樹脂100質量部に対して0.11質量部/分に相当し、水の総滴下量は、896g、即ち結着樹脂100質量部に対して20質量部であった。
Figure 0005369691
*1)2−エチルへキサン酸錫(II)の( )はモル濃度を表す。
*2)ロジン化合物の含有量は、アルコール成分及びカルボン酸成分の総質量に対する質量割合である。
*未精製ロジン:フマル酸変性ロジンの製造に用いた未精製トールロジン
(合成例6〜12)
−ポリエステル樹脂B1〜B7の合成−
表2に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で10時間縮重合反応させた後、230℃、8kPaにて1時間反応を行った。220℃まで冷却した後、表2に示す無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧(101.3kPa)で反応させた後に、220℃、20kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行ってポリエステル樹脂B1〜B7を合成した。各樹脂の軟化点、ガラス転移温度、及び酸価については、結果を表2に示した。
Figure 0005369691
*BPA−PO:ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
*BPF−PO:ビスフェノールFプロピレンオキシド付加物、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン
(実施例1〜13及び比較例1〜4)
−トナー1〜17の作製−
表3に示す結着樹脂、離型剤、着色剤、アビエチン酸の種類及び処方量の組合せを、へンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM10B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で100℃〜130℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物は室温まで冷却後、ハンマーミルにて200μm〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、質量平均粒径が8.2±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で、質量平均粒径が9.0±0.2μm、4μm以下の微粉量が10個数%以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子を得た。次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0質量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、トナー1〜17をそれぞれ製造した。
Figure 0005369691
*表3中、「部」は「質量部」を表す。
−キャリアの作製−
下記組成のコート材を10分間スターラーで分散してコート液を調製し、このコート液と、芯材(Cu−Znフェライト粒子、質量平均粒径=80μm)5,000質量部を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で280℃、2時間焼成して、キャリアを作製した。
〔コート材組成〕
・トルエン・・・450質量部
・シリコーン樹脂(SR2400、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、不揮発分50質量%)・・・450質量部
・アミノシラン(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)・・・10質量部
・カーボンブラック・・・10質量部
−二成分現像剤の作製−
作製したトナー1〜17を各5質量%と、上記作製したキャリア95質量%を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し帯電させ、二成分現像剤1〜17を作製した。
−性能評価−
次に、実施例及び比較例のトナー1〜17について、以下のようにして色相評価、現像ローラの防汚染性、耐熱保存性、耐コールドオフセット性、耐ホットオフセット性、及びトナー中のアビエチン酸量を評価した。結果を表4に示す。
なお、色相評価、現像ローラの防汚染性、耐コールドオフセット性、耐ホットオフセット性に関しては、各実施例及び各比較例の現像剤1〜17を画像形成装置に装填して評価を行った。
ここで、画像形成装置としては、二成分現像方式、直接転写方式、加熱ローラ定着方式を採用した超高速デジタルレーザープリンターIPSiO SP9500Pro改造機(株式会社リコー製、印刷速度156枚/分(A4サイズ横))を使用した。
<色相評価>
各現像剤を超高速デジタルレーザープリンターIPSiO SP9500Pro(株式会社リコー製)に装填し、薄紙の転写紙(株式会社NBSリコー製、複写印刷用紙<55>)に、トナー付着量0.40±0.1mg/cmの1cm角ベタ画像を作成し、定着ローラ温度を170℃で定着した。本定着サンプルを分光光度計(UV3100、島津製作所製)にて分光反射特性を測定した。このとき反射特性の反射領域の立ち上がり、反射率とその波長及び吸収と反射の差を確認し、色相と彩度について確認した。
〔評価基準〕
◎:色相と彩度が良好
○:色相と彩度が比較的よい
△:色相と彩度がやや劣る(従来のトナー並)
×:色相と彩度が悪い
<現像ローラ防汚染性>
各現像剤を超高速デジタルレーザープリンターIPSiO SP9500Pro(株式会社リコー製)改造機に装填し、5%画像面積のチャートでの10万枚印刷後に、現像ローラ上の現像剤、トナーを除去し、白紙通紙部の現像ローラの汚れを目視評価し、現像ローラの防汚染性を評価した。
〔評価基準〕
◎:全く現像ローラが汚れない
○:目視では殆ど判別できない程の汚れが発生
△:僅かに気になる程度の汚れが発生(従来のトナー並)
×:明らかに問題となる汚れが発生
××:明らかに問題となり使用が難しい程の汚れが発生
<耐熱保存性>
耐熱保存性は、針入度試験器(日科エンジニアリング株式会社製)を用いて測定した。具体的には、各トナーを10g計量し、温度20℃〜25℃、40〜60%RHの環境下で30mlのガラス容器(スクリューバイアル)に入れ、蓋を閉めた。トナーを入れたガラス容器を200回タッピングした後、温度を50℃にセットした恒温槽に48時間放置した後、針入度試験器で針入度を測定し、下記の評価基準により耐熱保存性を評価した。針入度の値が大きいほど、耐熱保存性に優れる。
〔評価基準〕
◎:針入度が30mm以上
○:針入度が20mm〜29mm
△:針入度が15mm〜19mm(従来のトナー並)
×:針入度が8mm〜14mm
××:針入度が7mm以下
<耐コールドオフセット性>
各現像剤を超高速デジタルレーザープリンターIPSiO SP9500Pro(株式会社リコー製)に装填し、厚紙の転写紙(株式会社NBSリコー製、複写印刷用紙<135>)に、トナー付着量0.20±0.1mg/cmの1cm角ベタ画像を作成し、スコッチ メンディングテープ810(幅24mm、3M社製)をベタ画像上に添付し、テープ上から重さ1kgの金属ローラ(直径50mm、SUS製)を10mm/sの速度で転がしながら10往復させた。テープを10mm/sの速度で一定方向に剥がし、テープ剥離前後での画像濃度から下記数式(ii)を用いて画像残像率を求め、下記の評価基準により耐コールドオフセット性を評価した。
〔数式(ii)〕
画像残存率(%)=(剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度)×100
〔評価基準〕
◎:画像残存率が97%以上
○:画像残存率が92%以上97%未満
△:画像残存率が80%以上92%未満(従来のトナー並)
×:画像残存率が80%未満
<耐ホットオフセット性>
各現像剤を超高速デジタルレーザープリンターIPSiO SP9500Pro(株式会社リコー製)に装填し、薄紙の転写紙(株式会社NBSリコー製、複写印刷用紙<55>)に、トナー付着量0.40±0.1mg/cmの1cm角ベタ画像を作成し、定着ローラ温度を変化させて定着を行い、ホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生しない上限温度を定着上限温度とし、下記基準で耐ホットオフセット性を評価した。
〔評価基準〕
◎:定着上限温度が240℃以上
○:定着上限温度が220℃以上240℃未満
△:定着上限温度が180℃以上220℃未満(従来のトナー並)
×:定着上限温度が180℃未満
Figure 0005369691
表4の結果から、実施例1〜13は、比較例1〜4に比べて、超高速画像形成システムに対応可能なレベルでの低温定着性、耐オフセット性、耐熱保存性を両立し、更に、顔料の分散性が良好であり、現像ローラー等への防汚染性に特筆した効果を有していることが分かった。
本発明のトナー及び現像剤は、超高速画像形成システムにも対応可能なレベルで低温定着性と、耐オフセット性と、耐熱保存性とを両立し、更に、顔料の分散性が良好であり、現像ローラ等への防汚染性に特筆した効果を有しているので、例えば電子写真方式のプリトオンデマンド(POD)分野に対応可能な超高速プリントシステムなどに好適である。
特開平4−70765号公報 特開2007−137910号公報 特開2007−292815号公報 特開平4−307557号公報 特開2007−139811号公報 特開2007−139812号公報 特開平8−54755号公報 特開平7−128911号公報 特開2003−255611号公報 特開2003−5432号公報 特開2002−365843号公報

Claims (9)

  1. 少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有してなるトナーであって、
    前記結着樹脂が、アルコール成分と、ロジン化合物をアルコール成分及びカルボン酸成分の総質量中5質量%以上含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル樹脂(A)と、
    下記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを重縮合させて得られるポリエステル樹脂(B)とを含有してなり、
    前記トナー中のアビエチン酸の含有量が0.01質量%〜1質量%であり、
    前記ポリエステル樹脂(B)のカルボン酸成分が、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸から選択されるべンゼンジカルボン酸類及びその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、及びアゼライン酸から選択されるアルキルジカルボン酸類及びその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、及びメサコン酸から選択される不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、及びアルケニルコハク酸無水物から選択される不飽和二塩基酸無水物、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、及びエンポール三量体酸から選択されるカルボン酸類及びその無水物、並びに部分低級アルキルエステルから選択される少なくとも1種以上であり、
    前記ポリエステル樹脂(B)のカルボン酸成分中の、芳香族多価カルボン酸化合物の含有量が、40モル%〜95モル%であることを特徴とするトナー。
    Figure 0005369691
    ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、いずれも炭素数2〜4のアルキレン基であり、R及びRは、いずれも水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、又は分岐状アルキル基であり、x及びyは、いずれも正の整数であり、その和は1〜16である。
  2. ポリエステル樹脂(A)のアルコール成分が、脂肪族ジオールを2価のアルコール成分中65モル%以上含有する請求項1に記載のトナー。
  3. 脂肪族ジオールが、1,2−プロパンジオールを65モル%以上含有する請求項2に記載のトナー。
  4. ポリエステル樹脂(A)のカルボン酸成分が、更に、芳香族ジカルボン酸化合物を含有する請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. ポリエステル樹脂(B)が、一般式(1)で表されるビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物を2価のアルコール成分中80モル%以上含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合させてなる請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. ポリエステル樹脂(A)の酸価が25mgKOH/g〜70mgKOH/gであり、かつポリエステル樹脂(B)の酸価が1mgKOH/g〜25mgKOH/gである請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. ポリエステル樹脂(A)と、ポリエステル樹脂(B)との質量比〔(B)/(A)〕が、1/9〜6/4である請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. ポリエステル樹脂(A)における、分子量が500以下の低分子量成分の含有量が12%以下である請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のトナーと、キャリアとからなることを特徴とする現像剤。
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