JP2007310329A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、現像手段が現像剤担持体と、層厚規制部材とを有し、層厚規制部材と現像剤担持体との間の距離が0.3〜1.0mmであり、トナーがアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂及び着色剤を少なくとも含有し、かつトナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が40個数%以下である画像形成装置である。
【選択図】図1
Description
前記現像方法の一つとして、磁気ブラシ現像法が知られている。この磁気ブラシ現像法は、例えばトナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用い、内部に磁石を配置した現像剤担持体としての現像スリーブの表面に磁気ブラシを形成させて、微小な現像間隙を保持し、対向させた静電潜像担持体としての感光体ドラムに磁気ブラシを摺擦又は近接させる。そして、現像スリーブと感光体ドラムとの間に電圧を印加することによって、トナーを現像スリーブ側から感光体ドラム側に付着させて現像を行う方法である。
近年、高画質化を図るためトナーが小粒径化されており、また、オイルレス定着対応のためワックス類等の離型剤を含有したトナーは、流動性及び帯電性の向上を図る目的で疎水化処理されたシリカ、酸化チタン等の金属酸化物を外添している。しかし、上記のように層厚規制部材によりトナーが破砕されると、外添剤が付着していない破断面を生成し、微細トナーがキャリア表面を覆うことにより、新たに補給されたトナーの帯電が妨げられ、画像に地肌汚れが生じるおそれがある。
また、前記特許文献2のようなロジン類を使用したポリエステル樹脂を含有するトナーは、低温定着性に優れるとともに、粉砕性に優れるため粉砕法でのトナー生産性を向上できるという利点がある半面、現像装置内でのトナー破砕を生じやすく、定着時に臭気が発生しやすいという問題がある。
<1> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記現像手段が内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記二成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の前記二成分現像剤からなる層の厚みを規制する層厚規制部材とを有し、該層厚規制部材と前記現像剤担持体との間の距離が0.3〜1.0mmであり、
前記トナーがアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂、及び着色剤を少なくとも含有し、かつ前記トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が40個数%以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<2> トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が30個数%以下である前記<1>に記載の画像形成装置である。
<3> トナーの平均円形度が0.90〜1.00である前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<4> ポリエステル樹脂が、1,2−プロパンジオールを2価のアルコール成分中65モル%以上含有するアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなる前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5> ポリエステル樹脂は、軟化点Tm(A)が120℃以上、160℃以下のポリエステル樹脂(A)と、軟化点Tm(B)が80℃以上、120℃未満のポリエステル樹脂(B)とを含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記現像工程が、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記二成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の前記二成分現像剤からなる層の厚みを規制する層厚規制部材とを有する現像手段を用いて行われ、前記層厚規制部材と前記現像剤担持体との間の距離が0.3〜1.0mmであり、
前記トナーがアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂、及び着色剤を少なくとも含有し、かつ前記トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が40個数%以下であることを特徴とする画像形成方法である。
<7> トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が30個数%以下である前記<6>に記載の画像形成方法である。
<8> トナーの平均円形度が0.90〜1.00である前記<6>から<7>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<9> ポリエステル樹脂が、1,2−プロパンジオールを2価のアルコール成分中65モル%以上含有するアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなる前記<6>から<8>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<10> ポリエステル樹脂は、軟化点Tm(A)が120℃以上、160℃以下のポリエステル樹脂(A)と、軟化点Tm(B)が80℃以上、120℃未満のポリエステル樹脂(B)とを含有する前記<6>から<9>のいずれかに記載の画像形成方法である。
前記トナーがアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂、及び着色剤を少なくとも含有し、かつ前記トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が40個数%以下である。
本発明の画像形成装置においては、前記静電潜像形成手段が、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する。前記現像手段が、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する。この現像手段は内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記二成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の二成分現像剤からなる層の厚みを規制する層厚規制部材とを有し、該層厚規制部材と前記現像剤担持体との間の距離が0.3〜1.0mmであるので、トナーが破砕されることによる地汚れが生じることなく、現像剤の長寿命化を図れる。前記転写手段が、該可視像を記録媒体に転写する。前記定着手段が前記記録媒体に転写された転写像を定着する。このとき、前記トナーは、アルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂、及び着色剤を少なくとも含有し、かつ前記トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が40個数%以下であるので、低温定着性及び保存性に優れ、臭気の発生も低減できるトナーが得られ、該トナーを用いることにより、定着性に優れ、長期間の使用にわたり色調の変化が無く、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高品質な画像が形成できる。
前記現像工程が、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記二成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の前記二成分現像剤からなる層の厚みを規制する層厚規制部材とを有する現像手段を用いて行われ、前記層厚規制部材と前記現像剤担持体との間の距離が0.3〜1.0mmであり、
前記トナーはアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂、及び着色剤を少なくとも含有し、かつ前記トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が40個数%以下である。
本発明の画像形成方法においては、前記静電潜像形成工程において、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する。前記現像工程において、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する。この現像工程が、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記二成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の前記二成分現像剤からなる層の厚みを規制する層厚規制部材とを有する現像手段を用いて行われ、前記層厚規制部材と前記現像剤担持体との間の距離が0.3〜1.0mmであるので、トナーが破砕されることによる地汚れが生じることなく、現像剤の長寿命化を図れる。前記転写工程において、該可視像を記録媒体に転写する。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像を定着する。このとき、前記トナーは、アルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂、及び着色剤を少なくとも含有し、かつ前記トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が40個数%以下であるので、低温定着性及び保存性に優れ、臭気の発生も低減できるトナーが得られ、該トナーを用いることにより、定着性に優れ、長期間の使用にわたり色調の変化が無く、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高品質な画像が形成できる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、好ましくはクリーニング工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、好ましくはクリーニング手段を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「感光体」、「電子写真感光体」、「像担持体」と称することもある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記画像形成装置の大きさや仕様等に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記単層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記帯電装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電装置、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電装置、などが挙げられる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とディジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接静電潜像担持体上に投影する光学系であり、前記ディジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して静電潜像担持体を露光し作像する光学系である。
前記露光装置としては、前記帯電装置により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光装置が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記二成分現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記二成分現像剤を収容し、前記静電潜像二成分現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像装置を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記トナーは、アルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル樹脂、及び着色剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記カルボン酸成分として精製ロジンを含有する。前記精製ロジンにおけるロジンとは、松類から得られる天然樹脂であり、その主成分は、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸及びこれらの混合物である。
前記ロジンは、パルプを製造する工程で副産物として得られるトール油から得られるトールロジン、生松ヤニから得られるガムロジン、松の切株から得られるウッドロジン等に大別されるが、本発明における精製ロジンとしては、低温定着性の観点から、精製トールロジンが好ましい。
また、不均化ロジンや水素化ロジンなどの変性ロジンの精製物を用いることもできるが、本発明においては、低温定着性及び保存性の観点から、変性をしていない、いわゆる生ロジンを使用することが好ましい。
具体的には、前記精製ロジンとは、後述する実施例のヘッドスペースGC−MS法の測定条件において、ヘキサン酸のピーク強度が0.8×107以下であり、ペンタン酸のピーク強度が0.4×107以下であり、ベンズアルデヒドのピーク強度が0.4×107以下であるロジンをいう。更に、保存性及び臭気の観点から、ヘキサン酸のピーク強度は、0.6×107以下が好ましく、0.5×107以下がより好ましい。ペンタン酸のピーク強度は、0.3×107以下が好ましく、0.2×107以下がより好ましい。ベンズアルデヒドのピーク強度は、0.3×107以下が好ましく、0.2×107以下がより好ましい。
更に、保存性及び臭気の観点から、上記3種類の物質に加え、n−ヘキサナールと2−ペンチルフランが低減されていることが好ましい。n−ヘキサナールのピーク強度は、1.7×107以下が好ましく、1.6×107以下がより好ましく、1.5×107以下が更に好ましい。また、2−ペンチルフランのピーク強度は1.0×107以下が好ましく、0.9×107以下がより好ましく、0.8×107以下が更に好ましい。
前記精製ロジンの酸価は、例えばJIS K0070に記載の方法に基づき測定することができる。
アルコール成分としては、特に制限はなく、従来公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の芳香族アルコール;1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、1,2−プロパンジオールが低温定着性付与の点で好ましく、該1,2−プロパンジオールの含有量は、2価のアルコール成分中、65モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。
前記アルコール成分と前記カルボン酸成分との縮重合は、エステル化触媒の存在下で行うことが好ましい。前記エステル化触媒としては、チタン化合物、Sn−C結合を有さない錫(II)化合物が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は両者を併用して用いられる。
前記チタン化合物としては、例えばチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6H14O3N)2(C3H7O)2〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C4H10O2N)2(C3H7O)2〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6H14O3N)2(C5H11O)2〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6H14O3N)2(C2H5O)2〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6H14O3N)2(OHC8H16O)2〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6H14O3N)2(C18H37O)2〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C6H14O3N)1(C3H7O)3〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C6H14O3N)3(C3H7O)1〕などが挙げられる。これらの中でも、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが特に好ましく、これらは、例えばマツモト交商株式会社製の市販品としても入手可能である。
前記チタン化合物の存在量は、前記アルコール成分及び前記カルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.7質量部がより好ましい。
前記Sn−O結合を有する錫(II)化合物としては、例えばシュウ酸錫(II)、ジ酢酸錫(II)、ジオクタン酸錫(II)、ジラウリル酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)、ジオレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);ジオクチロキシ錫(II)、ジラウロキシ錫(II)、ジステアロキシ錫(II)、ジオレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するジアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)などが挙げられる。
前記Sn−X(ただし、Xはハロゲン原子を示す)結合を有する化合物としては、例えば塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)などが挙げられ、これらの中でも、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、(R1COO)2Sn(ただし、R1は炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R2O)2Sn(ただし、R2は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるジアルコキシ錫(II)、SnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(R1COO)2Snで表される脂肪酸錫(II)、酸化錫(II)がより好ましく、ジオクタン酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)、酸化錫(II)が更に好ましい。
前記Sn−C結合を有していない錫(II)化合物の存在量は、前記アルコール成分及び前記カルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.7質量部がより好ましい。
前記アルコール成分と前記カルボン酸成分との縮重合は、例えば、前記エステル化触媒の存在下、不活性ガス雰囲気中にて、180〜250℃の温度で行うことができる。
前記ポリエステル樹脂(A)は、軟化点Tm(A)が120℃以上、160℃以下が好ましく、130〜155℃がより好ましく、135〜155℃が更に好ましい。一方、ポリエステル樹脂(B)は、軟化点Tm(B)が80℃以上、120℃未満が好ましく、85〜115℃がより好ましく、90〜110℃が更に好ましい。Tm(A)とTm(B)の差(ΔTm)は、10℃以上が好ましく、15〜55℃がより好ましく、20〜50℃が更に好ましい。高軟化点のポリエステル樹脂(A)は耐オフセット性の向上に、低軟化点のポリエステル樹脂(B)は低温定着性の向上にそれぞれ寄与し、両者のポリエステル樹脂の併用は低温定着性と耐オフセット性の両立に有効である。前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)の結着樹脂中の質量比(ポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(B))は、1/9〜9/1が好ましく、2/8〜8/2がより好ましく、3/7〜7/3が更に好ましい。
前記ポリエステル樹脂の酸価は、帯電性と環境安定性の観点から、1〜80mgKOH/gが好ましく、10〜50mgKOH/gがより好ましい。
前記ポリエステル樹脂の酸価は、例えばJIS K0070に記載の方法に基づき測定することができる。
前記ポリエステル樹脂をトナー用結着樹脂として用いることにより、低温定着性及び保存性のいずれにも優れ、定着時の臭気も低減されるトナーを得ることができる。前記トナーには、本発明の目的及び作用効果を損なわない範囲において、公知の結着樹脂、例えば、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂;エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等のその他の樹脂が併用されていてもよいが、前記ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂中、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、実質的に100質量%であることが特に好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1,000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
前記疎水化処理剤としては、例えばジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
前記無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等が挙げられる。
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体を製造することができる。
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー材料溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
前記磁性キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常のフェライト、マグネタイト等の磁性キャリア;樹脂コートキャリアも使用することができる。これらの中でも、樹脂コートキャリアが特に好ましい。
前記被覆層に用いる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が好適に挙げられる。これら以外にも、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などが挙げられる。これらの被覆用樹脂のうち、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物、シリコーン樹脂が好適であり、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムが挙げられる。これらの中でも特に、銅、亜鉛、及び鉄成分を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライトが好適に挙げられる。
前記キャリアの粒径としては、4〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましく、20〜100μmが更に好ましい。特に、樹脂コートキャリアは、50%粒径が20〜70μmであることが好ましい。
前記二成分系現像剤では、キャリア100質量部に対して、トナー1〜200質量部で使用することが好ましく、キャリア100質量部に対して、トナー2〜50質量部で使用するのがより好ましい。
前記現像手段は、例えば、前記二成分現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記二成分現像剤を収容し、前記静電潜像に該二成分現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像装置を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
また、静電潜像担持体と現像剤担持体との間の現像ギャップ(PG)は、使用するキャリア粒径や汲み上げ量によって最適値は異なるが、現像能力に余裕度を持たせるため、0.3〜1.0mmの範囲に設定されることが好ましく、0.4〜0.7mmがより好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト、転写ローラ等が好適に挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を前記定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
現像装置4内には現像に使用されるトナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤40が収容されている。また、感光体ドラム1に対向する部分から現像剤担持体としての現像スリーブ43が一部分露出するよう設置されている。この現像スリーブ43には、電源46(図2参照)によって電圧が印加され、感光体ドラム1上の静電潜像との間に画像に対応した電界を形成する。この電界によって現像スリーブ43上に汲み上げられた現像剤40中の帯電トナーが感光体ドラム1へと付着し、可視像(トナー像)を形成する。なお、図2中47は、現像剤均し部材である。
現像を行うにつれ、現像剤中のトナー濃度は低下するが、トナー補給機構(不図示)によって随時必要な量が補給され、上記工程のもとに繰り返し画像形成が行われる。
図2において、現像装置4はトナーとキャリアとからなる二成分現像剤40を収容する現像剤収容室41を備え、内部には二成分現像剤40を撹拌し、搬送するために回転駆動する一対のスクリュ42が設けられている。また、感光体ドラム1に対向する部分から現像剤担持体としての現像スリーブ43が一部分露出するよう設置されている。現像剤搬送経路(不図示)には隔壁が設けられ、現像スリーブ43から離れた方の搬送経路の図示していないトナー補給口からトナーが補給されるようになっている。そして、補給直後の未混合の状態で二成分現像剤40が現像スリーブ43に供給されないように、補給されたトナーは長手方向に搬送される間に充分にキャリアとの混合が行われる。その後、開口部(不図示)からもう一方の搬送経路に受け渡され、現像スリーブ43に汲み上げられるようになっている。
現像スリーブ43内部のマグネットローラ44は複数の磁極を備えており、それぞれに必要な役割がある。基本的に必要とされるのは、現像領域で二成分現像剤40を穂立ちさせる現像極、二成分現像剤40を現像スリーブ43上に汲み上げる汲み上げ極、及び現像剤を搬送する搬送極であり、5〜10極で構成することが可能である。
また、感光体ドラム1と現像スリーブ43との間の現像ギャップ(PG)は、使用するキャリア粒径や汲み上げ量によって最適値は異なるが、現像能力に余裕度を持たせるため、0.3〜1.0mmの範囲に設定されている。
下記実施例及び比較例において、「ポリエステル樹脂の軟化点」、「ロジンの軟化点」、「ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)」、及び「ポリエステル樹脂及びロジンの酸価」は、以下のようにして測定を行った。
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(1)試料の調製
ロジン10gを、170℃にて2時間ホットプレートで溶融した。その後、開封状態で温度25℃、相対湿度50%の環境下で1時間自然冷却させて、コーヒーミル(National MK−61M)で10秒間粉砕し、試料を調製した。
(2)測定
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミニウムパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
JIS K0070に記載の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
−ロジンの精製−
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した2,000mL容の蒸留フラスコ内に、1,000gのトールロジンを加え、13.3kPaで蒸留を行い、195℃〜250℃での留出分を主留分として採取した。精製前のロジンを未精製ロジンA、13.3kPaの減圧下で行った蒸留の主留分を精製ロジンBとし、以下の実施例及び比較例で用いた。
A.ヘッドスペースサンプラー(Agilent社製、HP7694)
・サンプル温度:200℃
・ループ温度:200℃
・トランスファーライン温度:200℃
・サンプル加熱平衡時間:30min
・バイアル加圧ガス:ヘリウム(He)
・バイアル加圧時間:0.3min
・ループ充填時間:0.03min
・ループ平衡時間:0.3min
・注入時間:1min
・分析カラム:DB−1(60m−320μm−5μm)
・キャリア:ヘリウム(He)
・流量条件:1mL/min
・注入口温度:210℃
・カラムヘッド圧:34.2kPa
・注入モード:split
・スプリット比:10:1
・オーブン温度条件:45℃(3min)−10℃/min−280℃(15min)
・イオン化法:EI(電子イオン化)法
・インターフェイス温度:280℃
・イオン源温度:230℃
・四重極温度:150℃
・検出モード:Scan 29〜350m/s
−ポリエステル系結着樹脂1〜2及び5〜6の合成−
表2に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率(生成水量/理論生成水量×100)が90%に到達するまで縮重合反応させた後、230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。220℃まで冷却した後、表2に示す無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧で反応させた後に、220℃、20kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステル系結着樹脂1〜2及び5〜6を合成した。
−ポリエステル系結着樹脂3の合成−
表2に示すアルコール成分、テレフタル酸、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で15時間縮重合反応させた後、230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。180℃まで冷却した後、ロジンBを投入し、200℃で15時間反応を行った。180℃まで冷却した後、表2に示す無水トリメリット酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、ポリエステル系結着樹脂3を合成した。
−ポリエステル系結着樹脂4の合成−
表2に示すアルコール成分、テレフタル酸、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で15時間縮重合反応させた後、230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。180℃まで冷却した後、表2に示すロジンBを投入し、200℃で15時間反応を行った。180℃まで冷却した後、イタコン酸を投入し、200℃で8時間反応を行った。180℃まで冷却した後、表2に示す無水トリメリット酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、ポリエステル系結着樹脂4を合成した。
*BPA−PO:ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(2価の芳香族アルコール)
*BPA−EO:ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(2価の芳香族アルコール)
−トナー1〜3及び5〜8の作製−
表3に示す結着樹脂100質量部、カーボンブラック(「MOGUL L」、キャボット社製)4質量部、負帯電性荷電制御剤(「ボントロン S−34」、オリエント化学工業株式会社製)1質量部、及びポリプロピレンワックス(「NP−105」、三井化学株式会社製)1質量部をヘンシェルミキサー(「MF20C/I型」、三井三池加工機株式会社製)に仕込み、十分攪拌混合した後、2軸押出機(東芝機械株式会社製)にて混練し、冷却した2本ロールで圧延した後、スチールベルト上で冷却した。ここで、前記混練は、2軸押出機出口での混練生成物の温度が120℃前後となるように設定して行った。次いで、ジェットミルにて粉砕し、風力分級により粒度分布を整え、体積平均粒径が7μmのトナー母体を作製した。
得られたトナー母体100質量部に、外添剤(「アエロジル R−972」、日本アエロジル社製)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー1〜3及び5〜8を作製した。
なお、トナー1に対してトナー2及び3では円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率を減少させる条件で分級し、トナー6では微粒子が増加する条件で分級した。
−トナー4の作製−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ポリエステル系結着樹脂4を360質量部、イソホロンジイソシアネート40質量部、及び酢酸エチル600質量部を仕込み、溶解後100℃にて5時間反応させて、プレポリマーを合成した。
次に、撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、ポリエステル系結着樹脂2を600質量部、カーボンブラック(「MOGUL L」、キャボット社製)40質量部、負帯電性荷電制御剤(「ボントロン S−34」、オリエント化学工業株式会社製)10質量部、ポリプロピレンワックス(「NP−105」、三井化学株式会社製)10質量部、及び酢酸エチル540質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却して、分散液を得た。
次に、得られた分散液をビーズミル(「ウルトラビスコミル」、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして、有機溶剤相を調製した。
得られた有機溶媒相120質量部、及びプレポリマー100質量部、及びイソホロンジアミン0.5質量部をTK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)を用いて5,000rpmにて1分間混合して、トナー溶液を調製した。次いで、水260質量部、微粒子分散液(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチルからなる平均粒径0.1μmの20質量%水分散液)15質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50.0質量%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業株式会社製)40質量部、及び酢酸エチル20質量部を、混合撹拌した水系媒体に加え、前記TK式ホモミキサーで回転数13,000rpmにて10分間混合して、分散液(乳化スラリー)を調製した。
この乳化スラリーを40℃にて8時間放置して脱溶剤した後、水に分散し、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過した後、45℃にて48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させて、トナー母体を作製した。
得られたトナー母体100質量部に対し、外添剤(「アエロジル R−972」、日本アエロジル株式会社製)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー4を作製した。
得られた各トナーについて、以下のようにして、体積平均粒径、円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率、平均円形度、保存性、臭気、及び粉砕性を評価した。結果を表3に示す。
・測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)
・アパチャー径:100μm
・測定粒径範囲:2〜60μm
・解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマン・コールター社製)
・電解液:アイソトンII(ベックマン・コールター社製)
・分散液:エマルゲン109P(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB=13.6)5質量%電解液
・分散条件:分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させた。
・測定条件:ビーカーに電解液100mLと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積平均粒径を求めた。
各トナーの平均円形度及び円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス社製)を用いて計測した。具体的には、容器中に、予め不純固形物を除去した水100〜150mlに分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml添加し、更に、トナーを0.1〜0.5g添加して分散させた。得られた分散液を超音波分散器(ホンダエレクトロニクス株式会社製)で約1〜3分間分散処理して、分散液の濃度を3000〜1万個/μlとしてトナーの形状及び分布を測定した。これらの測定結果から平均円形度及び円相当径0.6〜2.0μmの含有率を算出した。
各トナー4gを、直径5cm、高さ2cmの開封系の円筒容器に入れ、温度45℃、相対湿度65%の環境下で、72時間放置した。放置後、トナーを入れた容器を軽く振り、トナーの凝集の発生の有無を目視により観察し、以下の評価基準により保存性を評価した。
〔評価基準〕
◎:トナーの凝集は全く認められない。
○:トナーの凝集の粒が1〜2個観測される。
△:トナーの凝集の粒が3〜5個観測される。
×:トナーの凝集の粒が6個以上観測される。
各トナー20gをアルミカップに測り取り、150℃に加熱したホットプレートの上に10分間静置し、トナーから発生する臭気を以下の評価基準に従って評価した。
〔評価基準〕
○:臭気はほとんど感じられない。
×:臭気が強く感じられる。
表3に示す組み合わせのトナー結着樹脂を粗粉砕して篩いにかけ、16メッシュ(目開き:1mm)の篩いを通過し22メッシュ(目開き:710μm)の篩いは通過しない樹脂粉体を得た。この分級された樹脂粉末を10.00g精秤し、ミル&ミキサー(MM−I型、株式会社日立リビングサプライ製)にて30秒間粉砕後、30メッシュ(目開き:500μm)の篩いにかけ、通過しない樹脂の質量(A)gを精秤し、下記数式1により、残存率を求め、この操作を3回行い、平均して求めた値を粉砕性指数とした。
<<数式1>>
残存率=(A)/粉砕前の樹脂質量(10.00g)×100
〔評価基準〕
◎:粉砕性指数が5未満
○:粉砕性指数が5以上、15未満
×:粉砕性指数が15以上
−磁性キャリアAの作製−
下記組成の混合物をホモミキサーで20分間分散し、コ−ト層形成液を調製した。このコ−ト層形成液を流動床型コ−ティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイトを1,000質量部の表面にコ−ティングして磁性キャリアAを作製した。
〔コート層形成液の組成〕
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)・・・100質量部
・トルエン・・・100質量部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン・・・5質量部
・カ−ボンブラック・・・10質量部
上記トナー1〜8をそれぞれ4質量部と、上記磁性キャリアAを96質量部とをターブラシェーカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)で混合し、二成分現像剤1〜8を作製した。
図1及び図2に示す現像装置4のドクタギャップ(DG)を0.5mm、現像ギャップ(PG)を0.5mm、感光体ドラム径:30mm、感光体線速:160mm/sec、現像スリーブ径:18mm、現像スリーブ線速:240mm/secに設定し、二成分現像剤1を用いて、以下のようにして、定着特性、耐久試験による画像の地汚れ、及び臭気の評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、良好な低温定着性と画像安定性が得られた。
図1に示す定着装置6は、直径40mmのアルミニウムの芯金にテフロン(登録商標)コートを施した定着ローラと、直径38mmのアルミニウム芯金に厚さ2mmのシリコーンゴム層を設け、更に厚み0.1mmのPFA層を設けたローラとからなる定着装置である。
まず、株式会社リコー製タイプ6200紙を用いて、定着設定温度を5℃ずつ変化させ、各定着温度で得られた画像を、綿布で擦り、擦り取られたトナーによる、綿布の汚れの程度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメーター)で反射濃度として5箇所測定し、その平均値が0.3以下となる最も低い定着設定温度をもって最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。
〔評価基準〕
◎:最低定着温度が160℃未満
○:最低定着温度が160℃以上、170℃未満
×:最低定着温度が170℃以上
転写紙として「タイプ6200」(株式会社リコー製)を用い、画像面積率5%にて10万枚の画像出力後に白のベタ画像を出力した。得られた画像について、任意の6箇所の位置を選択し、該位置の画像濃度を分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメーター)で測定し、その平均値から下記基準に基づいて地肌汚れを評価した。
〔評価基準〕
◎◎:紙の反射濃度+0.005未満
◎ :紙の反射濃度+0.01未満
○ :紙の反射濃度+0.01以上、0.02未満
△ :紙の反射濃度+0.02以上、0.04未満
× :紙の反射濃度+0.04以上
上記耐耐久試験中及び試験後における画像形成装置周辺の臭気の発生の有無を下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:臭気が感じられない。
×:臭気が感じられた。
実施例1において、現像装置4におけるドクタギャップ(DG)を0.3mm、現像ギャップ(PG)を0.3mmに設定した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、良好な低温定着性と画像安定性を示したが、地汚れの程度は実施例1よりもやや低下していた。
実施例1において、現像装置4におけるドクタギャップ(DG)を1.0mm、現像ギャップ(PG)を1.0mmに設定し、現像剤1を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、良好な低温定着性と画像安定性が得られた。
実施例1において、現像剤1の代わりに現像剤2を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、良好な低温定着性と画像安定性を示し、地汚れの程度は実施例1よりもやや向上していた。
実施例1において、現像剤1の代わりに現像剤3を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、良好な低温定着性と画像安定性を示し、地汚れの程度は実施例1よりもやや向上していた。
実施例1において、現像剤1の代わりに現像剤4を用いた以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、良好な低温定着性と画像安定性を示し、地汚れの程度は実施例5よりも更に向上していた。
実施例1において、現像剤1の代わりに現像剤5を用いた以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、実施例1よりも更に良好な低温定着性と画像安定性を示した。
実施例1において、現像装置4におけるドクタギャップ(DG)を0.2mm、現像ギャップ(PG)を0.2mmに設定し、現像剤1を用いた以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、低温定着性は良好であったが、複写枚数の増加と共に地汚れが多くなった。
実施例1において、現像装置4におけるドクタギャップ(DG)を1.2mm、現像ギャップ(PG)を1.2mmに設定し、現像剤1を用いた以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、低温定着性は良好であったが、複写初期から地汚れが多目であった。
実施例1において、現像剤1の代わりに微粉トナーの多い現像剤6を用いた以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、低温定着性は良好であったが、複写初期から地汚れがやや多目であり、複写枚数の増加と共に、更に地汚れが多くなった。
実施例1において、現像剤1の代わりに未精製のロジンを用いた現像剤7を用いた以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、低温定着性は良好であったが、複写枚数の増加と共に、地汚れが多くなった。また、耐久試験中にトナーの臭気が感じられた。
実施例1において、現像剤1の代わりにロジンを用いていない現像剤8を用いた以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表4に示す。この表4に示すように、最低定着温度が高くなったが、画像安定性は良好であった。
これに対し、比較例1のように、ドクタギャップ(DG)が0.3mmより狭い場合、及び比較例3のように微粒子が多い場合には、耐久試験により地肌汚れが増加した。
また、比較例5のように、ロジンを使用していないトナーを用いた場合には、低温定着性が不十分であった。
また、比較例4のように、未精製のロジンを使用したトナーを場合には、保存性に欠け、臭気が発生した。
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 定着装置
7 クリーニング部材
40 現像剤
43 現像スリーブ
44 マグネットローラ
45 ドクタブレード
46 電源
47 現像剤均し部材
Claims (6)
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記現像手段が内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記二成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の前記二成分現像剤からなる層の厚みを規制する層厚規制部材とを有し、該層厚規制部材と前記現像剤担持体との間の距離が0.3〜1.0mmであり、
前記トナーがアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂、及び着色剤を少なくとも含有し、かつ前記トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が40個数%以下であることを特徴とする画像形成装置。 - トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が30個数%以下である請求項1に記載の画像形成装置。
- トナーの平均円形度が0.90〜1.00である請求項1から2のいずれかに記載の画像形成装置。
- ポリエステル樹脂が、1,2−プロパンジオールを2価のアルコール成分中65モル%以上含有するアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなる請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
- ポリエステル樹脂は、軟化点Tm(A)が120℃以上、160℃以下のポリエステル樹脂(A)と、軟化点Tm(B)が80℃以上、120℃未満のポリエステル樹脂(B)とを含有する請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記現像工程が、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記二成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の前記二成分現像剤からなる層の厚みを規制する層厚規制部材とを有する現像手段を用いて行われ、前記層厚規制部材と前記現像剤担持体との間の距離が0.3〜1.0mmであり、
前記トナーがアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂、及び着色剤を少なくとも含有し、かつ前記トナーにおける円相当径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が40個数%以下であることを特徴とする画像形成方法。
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