JP2003255611A - トナー、および画像形成装置 - Google Patents

トナー、および画像形成装置

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JP2003255611A
JP2003255611A JP2002058244A JP2002058244A JP2003255611A JP 2003255611 A JP2003255611 A JP 2003255611A JP 2002058244 A JP2002058244 A JP 2002058244A JP 2002058244 A JP2002058244 A JP 2002058244A JP 2003255611 A JP2003255611 A JP 2003255611A
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Japan
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toner
resin
diisocyanate
weight
urethane
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JP2002058244A
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English (en)
Inventor
Takuya Kadota
拓也 門田
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル樹脂および/またはスチレン−
アクリル系共重合体を主成分としながら、定着ローラと
の剥離性に優れた実用性の高いトナーを提供すること。 【解決手段】 ポリエステル樹脂および/またはスチレ
ン−アクリル系共重合体を主成分とするトナーであっ
て、分子内にウレタン結合またはウレア結合を有する化
合物を含有することを特徴とするトナー、および該トナ
ーを使用する画像形成装置であって、記録媒体の画像形
成部位に付着したトナーを定着させる定着装置として、
オイル塗布機構を有しないオイルレス定着装置を備えた
画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザープリンタ
ー、複写機、ファクシミリなどの静電潜像現像方式の画
像形成装置に使用されるトナー、および該トナーを用い
る画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】静電潜像現像方式の画像形成装置に使用
されるトナーは、通常、結着樹脂中に着色剤、荷電制御
剤等を分散させた後、微粉砕手段により粉砕、分級して
トナー粒子として調製される。トナーの結着樹脂として
は、高分子量の樹脂が用いられ、着色剤粒子等をトナー
粒子中に保持し、定着に際しては定着ローラによる熱と
圧力で軟化し、紙等の転写材にトナー粒子を付着させる
機能を有する。
【0003】従来よりトナーの結着樹脂として多用され
ているポリエステル樹脂やスチレン−アクリル系共重合
体は、構造上、紙との親和性が良く、これらの樹脂を主
成分とするトナーは、十分な定着強度が確保できる一方
で、定着ローラとの剥離性に劣り、オフセットを引き起
こしやすいという問題があった。
【0004】このため、定着ローラにオイルを塗布する
機構を設けたり、トナー中にワックスなどの離型剤を添
加したりすることによって、定着ローラとの剥離性を確
保している現状にある。
【0005】しかし、定着ローラに塗布されたオイルは
紙全体に付着し、テカリや字が書けない等の不具合を引
き起こす問題があり、また、トナー中の離型剤は、定着
画像の濁り、プロセスの部材汚染を引き起こすばかりで
なく、熱保存安定性にも悪影響を与えるという問題があ
った。
【0006】従って、ポリエステル樹脂やスチレン−ア
クリル系共重合体を主成分とするトナーの設計において
は、定着ローラとの剥離性を高めることが技術的課題と
なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
エステル樹脂および/またはスチレン−アクリル系共重
合体を主成分としながら、定着ローラとの剥離性に優れ
た実用性の高いトナーを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、請求項
1に記載のトナーの発明は、ポリエステル樹脂および/
またはスチレン−アクリル系共重合体を主成分とするト
ナーであって、分子内にウレタン結合またはウレア結合
を有する化合物を含有することを特徴とする。この特徴
によれば、ポリエステル樹脂および/またはスチレン−
アクリル系共重合体を主成分とするトナー中に、分子内
にウレタン結合またはウレア結合を有する化合物を配合
することによって、トナーの内部凝集力が高められ、定
着ローラとの剥離性にすぐれたものとなる。
【0009】また、請求項2に記載のトナーの発明は、
請求項1において、分子内にウレタン結合またはウレア
結合を有する化合物が、ウレタン樹脂またはウレア樹脂
であることを特徴とする。この特徴によれば、2種以上
の樹脂(ポリエステル樹脂および/またはスチレン−ア
クリル系共重合体と、ウレタン樹脂またはウレア樹脂)
を混合することで、剥離性の改善だけでなく、機能分離
がしやすくなるため、例えばそれぞれの樹脂において分
子量、フロー軟化点(Tm)、ガラス転移点(Tg)、
酸価などを制御することにより最適なトナー設計が可能
になる。
【0010】また、請求項3に記載のトナーの発明は、
請求項2において、トナーは、ポリエステル樹脂および
/またはスチレン−アクリル系共重合体と、ウレタン樹
脂またはウレア樹脂とを、混練して得られるものである
ことを特徴とする。この特徴によれば、性質の異なる2
以上の樹脂(ポリエステル樹脂および/またはスチレン
−アクリル系共重合体と、ウレタン樹脂またはウレア樹
脂)を混練してトナーとすることにより、さらにトナー
の粉砕性も向上させることができ、粒径制御が容易にな
る。
【0011】また、請求項4に記載のトナーの発明は、
請求項2または請求項3において、ウレタン樹脂または
ウレア樹脂の含有量が結着樹脂の3重量%以上50重量
%未満であることを特徴とする。この特徴によれば、ウ
レタン樹脂またはウレア樹脂の配合量を結着樹脂の3重
量%以上50重量%未満に制御することで、ポリエステ
ル樹脂やスチレン−アクリル系共重合体が本来持ってい
る紙との親和性などの特性を十分に生かしながら、定着
ローラへの剥離性を改善することができる。
【0012】請求項5に記載のトナーの発明は、請求項
1から請求項3のいずれか1項において、ポリエステル
樹脂および/またはスチレン−アクリル系共重合体の含
有量が、トナー全体の50重量%以上であることを特徴
とする。この特徴によれば、ポリエステル樹脂やスチレ
ン−アクリル系共重合体の配合量をトナー全体の50重
量%以上とすることで、ポリエステル樹脂やスチレン−
アクリル系共重合体が本来持っている紙との親和性など
の特性を十分に発揮させながら、定着ローラへの剥離性
を改善することができる。
【0013】請求項6に記載のトナーの発明は、請求項
1から請求項5のいずれか1項において、実質的に離型
剤を含有しないトナーであって、オイル塗布機構を有し
ない定着装置を備えた画像形成装置において使用される
ものであることを特徴とする。この特徴によれば、請求
項1から請求項5のいずれか1項に記載のトナーは、ト
ナー中に添加されたウレタン結合またはウレア結合を有
する化合物により、耐オフセット性が向上しており、実
質的に離型剤を含有しないワックスレストナーとして
も、定着の際のオイルの使用を不要にすること(オイル
レス定着)が可能になる。ここで「実質的に含有しな
い」とは、含有しないか、あるいは通常の離型剤が効果
を奏しない程度の量で含まれている状態を意味する。
【0014】請求項7に記載の画像形成装置の発明は、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のトナーを
現像剤として用いる静電潜像現像方式の画像形成装置で
あって、記録媒体の画像形成部位に付着した前記トナー
を定着させる定着装置として、オイル塗布機構を有しな
いオイルレス定着装置を備えたことを特徴とする。この
特徴によれば、請求項1から請求項6のいずれか1項に
記載のトナーを現像剤として用いる場合、オイルレス定
着が可能になるため、オイル塗布装置を配備する必要が
なくなり、低コスト化、画像形成装置の小型化、装備の
簡略化が可能になる。
【0015】請求項8に記載のトナー用剥離性向上剤の
発明は、分子内にウレタン結合またはウレア結合を有す
る化合物からなることを特徴とする。この剥離性向上剤
をトナー中に配合することによって、定着ローラからの
剥離性を向上させ、耐オフセット性を改善することがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明トナーにおいて、主成分と
なるポリエステル樹脂および/またはスチレン−アクリ
ル系共重合体は、トナー中で主として結着樹脂として機
能し、紙への定着性や帯電安定性、粉砕性などの諸特性
を与えるものである。ここで、「主成分」とは、ポリエ
ステル樹脂もしくはスチレン−アクリル系共重合体また
は両者の混合物の含有量が、トナーの大半を占める結着
樹脂の50重量%以上であることを意味する。
【0017】ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多
価アルコールの重縮合によって得られるものである。こ
こで、多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂肪族二塩基
酸や、無水フタル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸等の芳香族二塩基酸、およびこれらの低級アルキ
ルエステルを挙げることができる。また、多価アルコー
ルとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレ
ンオキサイド付加物等のジオール類や、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン等のトリ
オール類などを挙げることができる。多価カルボン酸と
多価アルコールとを重縮合させる方法としては、高温重
縮合、溶液重縮合等の公知の重合法が用いられる。
【0018】スチレン−アクリル系共重合体は、スチレ
ン系単量体に、共重合可能なビニル系単量体を共重合さ
せたポリマーである。ここで、スチレン系単量体として
は、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−ヘ
キシルスチレン、p−オクチルスチレン、p−ノニルス
チレン、p−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン
等を例示することができる。また、共重合可能なビニル
系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、
メタアクリル酸、メタアクリル酸エチル、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸
イソブチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
アクリル酸ステアリル等の不飽和モノカルボン酸エステ
ル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ブチル、フマル酸
ジメチル、フマル酸ジブチル等の不飽和ジカルボン酸ジ
エステル等を例示することができる。さらに、アクリル
酸、メタクリル酸、ケイヒ酸等の不飽和モノカルボン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカ
ルボン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチ
ル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチル等の不飽
和モノカルボン酸モノエステル等のカルボン酸を含有す
るビニル単量体を併用することもできる。スチレン−ア
クリル系共重合体は、上記重合性モノマーの混合物を、
溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等の公知の方法に
よって重合することにより製造できる。
【0019】ポリエステル樹脂の分子量は、数平均分子
量で1,500〜20,000程度であり、好ましくは
2,000〜15,000、より好ましくは、2,50
0〜10,000である。また、スチレン−アクリル系
共重合体の分子量は、数平均分子量で3,000〜3
0,000程度であり、好ましくは4,000〜20,
000、より好ましくは、5,000〜15,000で
ある。ポリエステル樹脂やスチレン−アクリル系共重合
体の数平均分子量(Mn)が上記より小さいと、低温定
着性は改善されるものの、着色剤の保持性や耐フィルミ
ング性、耐オフセット性、定着像強度、保存性等が低下
する傾向があり、また、上記より大きいと低温定着性が
低下する傾向があるためである。
【0020】また、ポリエステル樹脂やスチレン−アク
リル系共重合体のフロー軟化点(Tm)は、90〜15
0℃程度であり、好ましくは100〜140℃である。
Tmが90℃より低いと耐フィルミング性に劣る場合が
あり、また、150℃より高いと低温定着性に劣る場合
がある。
【0021】また、ポリエステル樹脂やスチレン−アク
リル系共重合体のガラス転移温度(Tg)は50℃〜9
0℃程度であり、好ましくは55℃〜70℃である。T
gが50℃より低いと保存性に劣るものとなる場合があ
り、また、90℃より高いとそれにともなってTmが上
昇し、低温定着性に劣るものとなる場合がある。
【0022】また、ポリエステル樹脂やスチレン−アク
リル系共重合体の酸価は、帯電安定性を確保する上で、
10KOHmg/g以上であることが好ましく、10〜
50KOHmg/gであればより好ましく、20〜40
KOHmg/gが望ましい。
【0023】上記したように、本発明のトナーにおいて
は、ポリエステル樹脂もしくはスチレン−アクリル系共
重合体または両者の混合物の含有量は、結着樹脂の50
重量%以上であるが、50〜90重量%であれば好まし
く、55〜90重量%であればより好ましい。ポリエス
テル樹脂および/またはスチレン−アクリル系共重合体
の含有量が50重量%より少ないと、これらの樹脂が持
つ結着樹脂としての特性が十分に発揮されない場合があ
り、例えば紙との親和性が低下するからである。
【0024】さらに、同様の理由により、ポリエステル
樹脂および/またはスチレン−アクリル系共重合体は、
トナー全体の50重量%以上であることが好ましく、5
0〜90重量%であればより好ましく、55〜90重量
%であれば望ましい。
【0025】本発明では、分子内にウレタン結合または
ウレア結合を有する化合物を剥離性向上剤としてトナー
中に配合する。ウレタン結合は、水酸基とイソシアネー
ト基が反応した結果生じる結合(−A−NHCOO−B
−;ここで、Aはイソシアネート基を2個以上含有する
化合物の残基、Bは活性水素を有する官能基を2個以上
含有する化合物の残基)であり、ウレア結合はアミノ基
とイソシアネート基とが反応した結果生じる結合(−N
HCONH−)である。
【0026】分子内にウレタン結合またはウレア結合を
有する化合物としては、トナー特性を損なうことなく、
定着ローラとの剥離性を向上させ得るものであればよい
が、以下に例示するものが好ましく用いられる。
【0027】分子内にウレタン結合を有する化合物とし
ては、例えばウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル
樹脂、ウレタン変性脂肪酸エステル、ウレタン変性エポ
キシ樹脂、ウレタン変性架橋塩化ビニル樹脂等を挙げる
ことが可能であり、また、分子内にウレア結合を有する
化合物としては、例えばウレア樹脂、N−ステアリルウ
レア、N,N’−ジステアリルウレア、ウレア変性エポ
キシ樹脂等を挙げることができる。剥離性向上剤として
用いられる上記化合物は、フロー軟化点(Tm)が60
〜200℃の程度のものが好ましく、70〜180℃で
あればより好ましい。
【0028】また、上記化合物の中でも特にウレタン樹
脂またはウレア樹脂が好ましい。ウレタン樹脂は、主鎖
中の結合要素として前記ウレタン結合を含有するポリマ
ーであり、ウレア樹脂は、主鎖中の結合要素として前記
ウレア結合を含有するポリマーである。
【0029】ウレタン樹脂またはウレア樹脂(以下、
「ウレタン/ウレア樹脂」と記すことがある)は、イソ
シアネート基を2個以上含有する化合物と活性水素を有
する官能基を2個以上含有する化合物との重合により得
られる。
【0030】原料となる「イソシアネート基を2個以上
含有する化合物」(以下、「ポリイソシアネート」と記
すことがある)としては、以下のものを例示することが
できる。
【0031】ポリイソシアネートとしては、例えば、脂
肪族ジイソシアネート類であるエタンジイソシアネー
ト、プロパンジイソシアネート、ブテンジイソシアネー
ト、ブタンジイソシアネート、チオジエチルジイソシア
ネート、ペンタンジイソシアネート、β−メチルブタン
ジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ω,
ω’−ジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジプ
ロピルジイソシアネート、へプタンジイソシアネート、
2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メト
キシへキサンジイソシアネート、オクタンジイソシアネ
ート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネー
ト、ノナンジイソシアネート、デカンジイソシアネー
ト、3−ブトキシへキサンジイソシアネート、1,4−
ブチレングリコール−ジプロピルエーテル−ω,ω’−
ジイソシアネート、ウンデカンジイソシアネート、ドデ
カンジイソシアネート、チオジへキシルジイソシアネー
ト等が挙げられる。
【0032】また、環状基を有する脂肪族ジイソシアネ
ートとしては、例えばω,ω’−1,3−ジメチルベン
ゼンジイソシアネート、ω,ω’−1,2−ジメチルベ
ンゼンジイソシアネート、ω,ω’−1,2−ジメチル
シクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−
ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω’−
1,4−ジエチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω’
−1,4−ジメチルナフタリンジイソシアネート、ω,
ω’−1,5−ジメチルナフタリンジイソシアネート、
3,5−ジメチルシクロヘキサン−1−メチルイソシア
ネート−2−プロピルイソシアネート、ω,ω’−n−
プロピル−ビフェニルジイソシアネート等が挙げられ
る。
【0033】芳香族ジイソシアネート類としては、例え
ば1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェ
ニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4
−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,5−ジ
イソシアネート、1−メチルベンゼン−3,5−ジイソ
シアネート、1,3−ジメチルベンゼン−2,4−ジイ
ソシアネート、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジ
イソシアネート、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−
ジイソシアネート、1−エチルベンゼン−2,4−ジイ
ソシアネート、1−イソプロピルベンゼン―2,4−ジ
イソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、
ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート等が挙げられ
る。
【0034】ナフタリンジイソシアネート類としては、
例えば、ナフタリン−1,4−ジイソシアネート、ナフ
タリン−1,5−ジイソシアネート、ナフタリン−2,
6−ジイソシアネート、ナフタリン−2,7−ジイソシ
アネート、1,1’−ジナフチル−2,2’−ジイソシ
アネート等が挙げられる。
【0035】ビフェニルジイソシアネート類としては、
例えば、ビフェニル−2,4’−ジイソシアネート、ビ
フェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジ
メチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,
3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネ
ート、2−ニトロビフェニル−4,4’−ジイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0036】ジ−あるいはトリフェニルメタンジイソシ
アネート、およびジ−あるいはトリフェニルエタンジイ
ソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフ
ェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニ
ルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,
5,2’,5’−テトラメチルジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェ
ニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−
ジメトキシフェニル−3,3’−ジイソシアネート、
4,4’−ジエトキシフェニルメタン−3,3’−ジイ
ソシアネート、2,2’−ジメチルー5,5’−ジメト
キシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
3,3’−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3’−
ジイソシアネート、α,β−ジフェニルエタン−2,4
−ジイソシアネート、3−ニトロトリフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、4−ニトロトリフェニル
メタン−4,4’−ジイソシアネート等、またはこれら
の誘導体が挙げられる。
【0037】トリイソシアネート類としては、例えば、
1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネー
ト、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−ト
リイソシアネート、ナフタリン−1,3,7−トリイソ
シアネート、ビフェニル−1,3,7−トリイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシア
ネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−
トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,
4''−トリイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジ
イソシアナトカルバミン酸クロリド、またはこれらの誘
導体が挙げられる。
【0038】本発明にあっては、特に、ジフェニルメタ
ン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、イソホロ
ンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソ
シアネート(NBDI)、ジシクロへキシルメタン−
4,4’−ジイソシアネート(水素化MDI)、p−キ
シリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシア
ネート(XDI)、p−フェニレンジイソシアネート、
p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、m−テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソ
シアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シク
ロヘキサン(水素化XDI)、2,4−トリレンジイソ
シアネート(TDI)等の脂環式炭化水素や芳香族炭化
水素を有するジイソシアネート類が好ましい。更にこれ
らのポリイソシアネート類は2種以上の混合物として使
用することが好ましい。
【0039】また、ポリイソシアネートとして下記式
(1)、
【0040】
【化1】 (式中、Rはメチレン基、エチレン基、基−C(CH
)−から選ばれるアルキレン基を示し、Rおよび
は炭素数4以下のアルキル基、アルコキシ基、ハロ
ゲンから選ばれる基を示す。)で表されるジイソシアネ
ート類を使用すると、粉砕性に優れるポリマーにするこ
とができる。その結果、トナーとする際の粉砕工程にお
ける生産性を向上できる。上記式(1)で示されるジイ
ソシアネート類としては、具体的には、ジフェニルエタ
ン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチル
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,
2’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシキジフ
ェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’
−ジメチル−5,5’−ジメトキシジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフ
ェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、α,β−
ジフェニルエタン−4,4’−ジイソシアネート等、ま
たはそれらの誘導体が挙げられる。また、これらのポリ
イソシアネート類は、2種以上の混合物として使用する
ことが好ましい。
【0041】上記式(1)で示されるジイソシアネート
類は、その基本骨格として2つの芳香族環がアルキレン
基を介して結合した構造を有しており、本成分をハード
セグメントとして使用することで、結着樹脂における分
子鎖のフレキシビィリティを小さくでき、リジッドな構
造となるため、粉砕性に優れるものと考えられる。ま
た、基本骨格として2つの芳香族環がアルキレン基を介
して結合した構造を有することにより、分子間凝集力を
高めることができるものと考えられ、高温オフセットを
抑制することが可能である。
【0042】また、ポリイソシアネートとして脂環式ジ
イソシアネート化合物を使用すると、トナーとする際
に、耐光性に優れ、画像の長期保存に際して退色のない
ものとすることができる。脂環式ジイソシアネート化合
物は環状脂肪族炭化水素構造を有するため、光や熱によ
る劣化が抑えられるものと考えられる。また、得られる
結着樹脂はリジッドな構造で粉砕性に優れるものであ
り、トナーとする際の粉砕、分級工程における生産性を
向上できる。
【0043】脂環式ジイソシアネート化合物は、環式脂
肪族炭化水素、または多環式脂肪族炭化水素に2個のイ
ソシアネート基が直接またはアルキレン基を介して結合
した構造を有し、例えば構造式
【0044】
【化2】 で示されるイソホロンジイソシアネートや、ω,ω’−
1,2−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、
ω,ω’−1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシア
ネート、3,5−ジメチルシクロヘキサン−1−メチル
イソシアネート−2−プロピルイソシアネート等が挙げ
られる。
【0045】また、脂環式ジイソシアネート化合物とし
ては、下記式(2)、
【0046】
【化3】 (式中、Rは単結合、メチレン基、エチレン基、基−
C(CH)−から選ばれる基を示し、lおよびmは1
〜5の整数、nは0〜2の整数を示す。)で示される多
環式脂肪族ジイソシアネートを挙げることができる。
【0047】上記式(2)中、Rが単結合の場合で、
かつ、nが1の場合には、3(4)、7(8)−ジ(イソシ
アナトメチル)ビシクロ[4,3,01.6]ノナン{こ
の表記は、3,7−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ
[4,3,01.6]ノナン、3,8−ジ(イソシアナ
トメチル)ビシクロ[4,3,01.6]ノナン、4,
7−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ[4,3,0
1.6]ノナンまたは4,8−ジ(イソシアナトメチ
ル)ビシクロ[4,3,01.6]ノナンを意味する。
以下同様}、3(4)−イソシアナトメチル−7(8)
−イソシアナトエチル−ビシクロ[4,3,01.6
ノナン、3(4)−イソシアナトエチル−7(8)イソ
シアナトメチル−ビシクロ[4,3,01.6]ノナ
ン、3(4)−イソシアナトメチル−7(8)−イソシ
アナトプロピル−ビシクロ[4,3,01. ]ノナ
ン、3(4)−イソシアナトプロピル−7(8)−イソ
シアナトメチル−ビシクロ[4,3,01.6]ノナ
ン、3(4)−イソシアナトメチル−7(8)−イソシア
ナトブチル−ビシクロ[4,3,01.6]ノナン、3
(4)−イソシアナトメチル−7(8)−イソシアナト
ペンチル−ビシクロ[4,3,0 .6]ノナン、3
(4)−イソシアナトペンチル−7(8)−イソシアナ
トメチル−ビシクロ[4,3,01.6]ノナン、3
(4),7(8)−ジ(イソシアナトエチル)ビシクロ
[4,3,01.6]ノナン、3(4)−イソシアナト
エチル−7(8)−イソシアナトプロピル−ビシクロ
[4,3,01.6]ノナン、3(4)−イソシアナト
プロピル−7(8)−イソシアナトエチル−ビシクロ
[4,3,01.6]ノナン、3(4)−イソシアナト
エチル−7(8)−イソシアナトブチル−ビシクロ
[4,3,01.6]ノナン、3(4)−イソシアナト
ブチル−7(8)−イソシアナトエチル−ビシクロ
[4,3,01.6]ノナン、3(4)−イソシアナト
エチル−7(8)−イソシアナトペンチル−ビシクロ
[4,3,01.6]ノナン、3(4)−イソシアナト
ペンチル−7(8)−イソシアナトエチル−ビシクロ
[4,3,01.6]ノナン等がある。
【0048】また、上記式(2)中、Rがメチレン基
でnが0の場合としては、例えば2,5(6)−ジイソ
シアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]へプタン、2
−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアナトエチル
−ビシクロ[2,2,1]へプタン、2−イソシアナト
メチル−5(6)−イソシアナトプロピル−ビシクロ
[2,2,1]へプタン、2−イソシアナトメチル−5
(6)−イソシアナトブチル−ビシクロ[2,2,1]
へプタン、2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシ
アナトペンチル−ビシクロ[2,2,1]へプタン、
2,5(6)−ジ(イソシアナトエチル)ビシクロ
[2,2,1]へプタン、2−イソシアナトエチル−5
(6)−イソシアナトプロピル−ビシクロ[2,2,
1]へプタン、2−イソシアナトエチル−5(6)−イ
ソシアナトブチル−ビシクロ[2,2,1]へプタン、
2−イソシアナトエチル−5(6)−イソシアナトペン
チル−ビシクロ[2,2,1]へプタン等が挙げられ、
例えば下記構造式
【0049】
【化4】 で示されるノルボルナンジイソシアネートが挙げられ
る。
【0050】また、上記式(2)中、Rがエチレン基
でnが0の場合としては、2,5(6)−ジ(イソシア
ナトメチル)ビシクロ[2,2,2]オクタン、2−イ
ソシアナトメチル−5(6)−イソシアナトエチル−ビ
シクロ[2,2,2]オクタン、2−イソシアナトメチ
ル−5(6)−イソシアナトプロピル−ビシクロ[2,
2,2]オクタン、2−イソシアナトメチル−5(6)
−イソシアナトブチル−ビシクロ[2,2,2]オクタ
ン、2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアナト
ペンチル−ビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5
(6)−ジ(イソシアナトエチル)ビシクロ[2,2,
2]オクタン、2−イソシアナトエチル−5(6)−イ
ソシアナトプロピル−ビシクロ[2,2,2]オクタ
ン、2−イソシアナトエチル−5(6)−イソシアナト
ブチル−ビシクロ[2,2,2]オクタン、2−イソシ
アナトエチル−5(6)−イソシアナトペンチル−ビシ
クロ[2,2,2]オクタン等が挙げられる。
【0051】また、上記式(2)中、Rがメチレン基
でnが1の場合としては、3(4),8(9)−ジ(イ
ソシアナトメチル)トリシクロ[5,2,1,
2.6]デカン、3(4)−イソシアナトメチル−8
(9)−イソシアナトエチル−トリシクロ[5,2,
1,02.6]デカン、3(4)−イソシアナトメチル
−8(9)イソシアナトプロピル−トリシクロ[5,
2,1,02.6]デカン、3(4)−イソシアナトメ
チル−8(9)−イソシアナトブチル−トリシクロ
[5,2,1,02.6]デカン、3(4)−イソシア
ナトメチル−8(9)−イソシアナトペンチル−トリシ
クロ[5,2,1,02.6]デカン、3(4),8
(9)−ジ(イソシアナトエチル)トリシクロ[5,
2,1,02.6]デカン、3(4)−イソシアナトエ
チル−8(9)−イソシアナトプロピル−トリシクロ
[5,2,1,02.6]デカン、3(4)−イソシア
ナトエチル−8(9)−イソシアナトブチル−トリシク
ロ[5,2,1,02.6]デカン、3(4)−イソシ
アナトエチル−8(9)−イソシアナトペンチル−トリ
シクロ[5,2,1,02.6]デカン等が挙げられ
る。
【0052】一般に、ポリウレタン合成やポリエステル
合成は、遂次反応のため、分子量分布の狭いポリマーが
得られるが、多活性水素化合物とのウレタン反応におい
て、例えばイソホロンジイソシアネートの場合には分子
量分布をさらに狭くすることが可能なため、加熱時の溶
融が非常に短時間で起こり、そのためシャープメルト性
を実現でき、結着樹脂の樹脂設計に際して自由度を増す
ことができる。その詳細な理由は不明であるが、イソホ
ロンジイソシアネートは第1級のイソシアネート基と第
2級のイソシアネート基をもち、それぞれのイソシアネ
ート基の反応性が異なることにより、反応に際して選択
性を生じることによるものと考えられる。
【0053】イソホロンジイソシアネートと他のポリイ
ソシアネートを併用する場合、イソホロンジイソシアネ
ートの配合割合は、全イソシアネート成分中60重量%
以下とするとよい。他のポリイソシアネートが多すぎる
と耐光性、シャープメルト性の効果が低下する。
【0054】次に、ウレタン/ウレア樹脂の他方の原料
である「活性水素を有する官能基を2個以上含有する化
合物」(以下、「多活性水素化合物」と記す)として
は、ポリオール類、またはポリアミン類等が例示され
る。ポリオール類としては、水添ビスフェノールA、ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノールAのプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ポリ(カプロラクトンポリオー
ル)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ビス(2
−ヒドロキシエチル)テレフタレート、シクロヘキサン
ジメタノール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロー
ルブタン酸、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレン
アジペート、ポリヘキサメチレンアジペート等が例示さ
れる。
【0055】また、多活性水素化合物としてのポリアミ
ン類としては、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジア
ミノへプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジ
アミノノナン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン等のジアミン類が例示される。
【0056】また、多活性水素化合物として、下記式
(3)
【0057】
【化5】 (式中、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、同
一でも相違していてもよく、x、yはそれぞれ1以上の
整数であり、かつx+yの平均値は2〜12である)で
示されるポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテ
ル化合物を使用してトナーとすると、粉砕性に優れるト
ナーとなる。上記式(3)で示されるポリオキシアルキ
レンビスフェノールAエーテル化合物としては、例え
ば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、
「EO」と記す)2〜12モル付加物、ビスフェノール
Aのプロピレンオキサイド(以下、「PO」と記す)2
〜12モル付加物が例示されるが、これらを単独で、も
しくは両者を混合して使用できる。さらには、EO基あ
るいはPO基の繰り返し単位数が異なる化合物を2種以
上混合してもよい。両者を混合して用いる場合、その混
合比率(モル比)は、EO付加物/PO付加物=8:2
〜1:9、好ましくは8:2〜2:8、更に好ましくは
7:3〜4:6である。
【0058】また、上記式(3)におけるRは同一で
も、相違していてもよく、一方がエチレン基で他方がプ
ロピレン基でもよい。また、EO基、PO基はその繰り
返し単位数により、結着樹脂とした際に物性が変化す
る。x+yの平均値は2〜12、好ましくは2〜4であ
り、繰り返し単位数がこれより大きいと、ガラス転移温
度の低下や粉砕性の悪化を招くので好ましくなく、小さ
すぎると強度低下を来たし、折り曲げ強度が低下する。
また、EO成分の組成比を高めると定着強度(折り曲げ
強度)を向上させることができるが、ガラス転移温度の
低下や粉砕性の悪化を招き、反対に、PO成分の組成比
を高めると粉砕性は向上するが、定着強度(折り曲げ強
度)は低下する。また、ポリオキシアルキレンビスフェ
ノールAエーテル化合物における水酸基価は、100〜
350KOHmg/g、好ましくは200〜290KO
Hmg/gである。
【0059】式(3)で示されるポリオキシアルキルビ
スフェノールAエーテル化合物は、ビスフェノールAを
基本骨格とすることで、ポリイソシアネートとの反応物
である結着樹脂とした際に、分子鎖のフレキシビィリテ
ィが小さく、リジッドな構造となるものと考えられ、ト
ナーとした時の粉砕性に優れるものとなると考えられ
る。
【0060】本発明に使用可能なウレタン/ウレア樹脂
の数平均分子量(Mn)を1,500〜20,000と
中程度に制御した場合、その性状は構成成分であるポリ
イソシアネート類や多活性水素化合物の化学構造に依存
するところが大きい。上記のポイソシアネート類にあっ
ても数種類のポイソシアネートの混合物を使用したり、
また、多活性水素化合物にしても数種類の多活性水素化
合物の混合物を使用するとよく、その組み合わせにより
結着樹脂としての特性をコントロールすることができ
る。例えば、脂環式ポリイソシアネートと芳香族ポリイ
ソシアネートとの混合物、また、ビスフェノールAのエ
チレンオキシド付加物とビスフェノールAのプロピレン
オキシド付加物との混合物等が好ましく例示される。
【0061】ポリイソシアネート類と多活性水素化合物
の配合割合は、ポリイソシアネートにおけるイソシアネ
ート基数に対する多活性水素化合物における活性水素基
数の割合(NCO/活性水素)が0.5〜1.0、好ま
しくは0.7〜1.0の範囲で反応させるとよい。
【0062】ウレタン/ウレア樹脂の製造にあたって
は、多活性水素化合物とポリイソシアネート類を、温度
30℃〜180℃、好ましくは30℃〜140℃で、大
気圧下、無溶剤下で、数分から数十時間、バルク重合さ
せるとよい。重合触媒としては、例えばジブチルスズジ
クロライド、ジメチルスズジクロライド、オクチル酸ス
ズ、トリフェニルアンモニウムジクロライド、トリエチ
ルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ト
リエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール等が例
示される。
【0063】ウレタン/ウレア樹脂は、容器中でのバル
ク重合により製造することが可能である。この場合、溶
液重合のように溶剤を必要とせず、また、重縮合反応の
ように副生物を生じないので、溶剤や副生水の除去操作
が不要であり、多活性水素化合物とポリイソシアネート
類との反応を無溶剤下で行うことができるため、効率の
よい連続生産が可能である。
【0064】ウレタン/ウレア樹脂の連続製造の方法に
ついて、図1、図2により説明する。図1は、ベルト方
式での反応装置であり、図中、1はコンベア、2は反応
炉、3は計量供給機、4は混合機を示す。ベルト方式で
の反応装置にあっては、まず、計量供給機3により多活
性水素化合物とポリイソシアネート類の供給量がそれぞ
れ所定の割合となるように計量された後、混合機4によ
り混合され、原料混合物がコンベア1上に供給される。
コンベア1は、反応容器をベルト状とした構造とし、ま
た、反応炉2はトンネル状構造とするとよい。コンベア
1は、反応炉2の入口にあって原料混合物の供給を受
け、出口にあって反応生成物を排出するように反応炉2
中を回転駆動される。また、反応炉2内にあっては、原
料混合物が反応温度である30℃〜180℃になるよう
に制御される。反応炉2の長さやコンベア1の移動速度
は、重合反応を促進させるために必要な条件に応じて適
宜設定される。また、反応を完結させるために、コンベ
ア1から排出された反応生成物は、大気炉中で60℃〜
180℃、15分〜10時間で熱処理を行ってもよい。
【0065】図2は、二軸押出反応機を使用した反応装
置であり、図中、10は二軸押出反応機(バレル)、1
1は原料供給口、12はサイドフィーダー、13は計量
供給機、14は生成物排出口を示す。二軸押出反応機を
使用した反応装置にあっては、計量供給機13により多
活性水素化合物とポリイソシアネート類の供給量がそれ
ぞれ所定の割合となるように計量された後、原料供給口
11から1〜10kg/Hrの割合でバレル中に供給さ
れる。バレル10は、L/Dが5〜150で、入り口温
度50℃〜250℃、中間温度30℃〜250℃、出口
温度30℃〜250℃として、滞留時間1〜60分で操
作されるとよい。二軸押出反応機により製造されたウレ
タン/ウレア樹脂は、反応を完結させるために、大気炉
中60℃〜180℃の温度で、15分〜10時間程度の
熱処理を行ってもよい。
【0066】なお、上記のウレタン/ウレア樹脂の製造
にあっては、二軸押出反応機は重合反応のみに使用した
が、原料供給口11からサイドフィーダー12の間で重
合反応を行わせ、サイドフィーダー12からトナーの主
成分となるポリエステル樹脂等や、荷電制御剤、顔料等
の添加剤をそれぞれ所定量供給して、結着樹脂、荷電制
御剤、顔料からなる混練物を生成物排出口14から排出
させてもよい。この際、ウレタン/ウレア樹脂の重合度
等への影響を避ける観点から、荷電制御剤、顔料の含水
率は低く制御するとよく、またその構造中にポリイソシ
アネート類との反応性基を有しないものを用いるとよ
い。
【0067】以上のようにして得られるウレタン/ウレ
ア樹脂は、ポリスチレンを基準としたときの数平均分子
量(Mn)が1,500〜20,000のものが好まし
く、2,000〜10,000であれば更に好ましく、
3,000〜8,000のものが望ましい。数平均分子
量(Mn)が1,500より小さいと、低温定着性は改
善されるものの、着色剤の保持性や耐フィルミング性、
耐オフセット性、定着像強度、保存性等が低下する傾向
があり、また、20,000より大きいと低温定着性が
低下する傾向があるためである。
【0068】また、ウレタン/ウレア樹脂の重量平均分
子量(Mw)は3,000〜300,000、好ましく
は5,000〜50,000、更に好ましくは8,00
0〜20,000であり、Mw/Mnが1.5〜20、
好ましくは1.8〜10、更に好ましくは1.8〜5で
ある。ウレタン/ウレア樹脂として、分子量分布の狭い
ものを用いることによりシャープな溶融特性を示し、透
明性に優れ、高画質のカラー画像を得ることができる。
また、ウレタン/ウレア樹脂のウレタン結合、または尿
素結合の大きな分子間凝集エネルギーにより、熱溶融時
に内部凝集力が維持され、高温オフセット性に優れるも
のとなる。
【0069】ウレタン/ウレア樹脂における分子量を制
御するためには、適宜、ポリイソシアネートと多活性水
素化合物の反応モル数を制御すればよい。例えば、ポリ
イソシアネートにおけるイソシアネート基数に対する多
活性水素化合物における活性水素基数の割合(NCO/
活性水素)を小さくすれば低分子量化でき、また、等モ
ル量に近づけると高分子量化できる。
【0070】なお、本発明では、ウレタン/ウレア樹脂
の物性に影響を与えない範囲で鎖伸長剤を適宜使用して
もよい。鎖伸長剤としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ビス−(β−ヒドロキシ)ベンゼン、トリメチロールプ
ロパン等が挙げられる。
【0071】本発明に使用する剥離性向上剤のフロー軟
化点(Tm)は、上記した範囲が好ましいが、ウレタン
/ウレア樹脂の場合は、さらにTmが90℃〜140
℃、より好ましくは90℃〜120℃、望ましくは10
0℃〜110℃の範囲となるようにする。ウレタン/ウ
レア樹脂の場合は、フロー軟化点(Tm)が90℃より
低いと耐フィルミング性に劣ることがあり、また、14
0℃より高いと低温定着性に劣ることがある。また、ウ
レタン/ウレア樹脂のガラス転移温度(Tg)は50℃
〜90℃、好ましくは55℃〜80℃、更に好ましくは
60℃〜70℃の範囲にあるものである。ガラス転移温
度(Tg)が50℃より低いと保存性に劣るものとな
り、また、90℃より高いとそれにともなってTmが上
昇し、低温定着性に劣るものとなる。
【0072】本発明におけるウレタン/ウレア樹脂は、
分子間結合力が大きく、高結晶性ポリマーであるため、
分子量を低下させてTmを下げる分子設計をした時のT
gの低下幅を小さくすることができるので、低Tmと高
Tgを両立させることができる。また、本発明における
ウレタン/ウレア樹脂は、50%流出点における溶融粘
度を3×10〜1.5×10Pa・sとすることが
でき、オイルレス定着用トナーとして適したものであ
る。
【0073】本発明のトナーにおいて、ウレタン/ウレ
ア樹脂を用いる場合は、結着樹脂の3重量%以上50重
量%未満の配合量で使用することが好ましく、5〜45
重量%の範囲であればより好ましい。ウレタン/ウレア
樹脂の含有量が結着樹脂の50重量%を超えるとポリエ
ステル樹脂やスチレン−アクリル系共重合体が持つ結着
樹脂としての特性が十分に発揮されない場合がある。一
方、ウレタン/ウレア樹脂の含有量が結着樹脂の3重量
%未満では、剥離性の向上作用が十分に発揮されない場
合があるからである。同様の理由により、分子内にウレ
タン結合またはウレア結合を有する化合物の含有量は、
トナー全体の3重量%以上50重量%未満が好ましく、
5〜45重量%がより好ましい。
【0074】本発明のトナーには、発明の効果を損なわ
ない範囲で、さらに他の樹脂を結着樹脂として配合する
ことができる。他の結着樹脂は、製造後に混練等するこ
とにより配合ことができる。
【0075】他の結着樹脂としては、例えばポリスチレ
ン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、
スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピ
レン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコ
ーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マ
レイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、アイオノマー樹脂、シリコーン樹脂、ケトン
樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレ
ン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フ
ェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等を単独
又は混合して使用できる。
【0076】本発明のトナーに使用できる着色剤として
は、以下に示すような、有機ないし無機の各種、各色の
顔料や、染料が使用可能である。黒色顔料としては、例
えばカーボンブラック、酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マ
ンガン、アニリンブラック、活性炭などがある。黄色顔
料としては、例えば黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロ
ー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケル
チタンイエロー、ネーブルスエロー、ナフトールエロー
S、バンザーイエローG、バンザーイエロー10G、ベ
ンジジンエローG、ベンジジンエローGR、キノリンエ
ローレーキ、パーマネントエローNCG、タートラジン
レーキなどがある。橙色顔料としては、例えば赤色黄
鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGT
R、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダス
レンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジ
G、インダスレンブリリアントオレンジGKMなどがあ
る。赤色系顔料としては、例えばベンガラ、カドミウム
レッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレ
ッド4R、リソールレッド、ピロゾンレッド、ウオッチ
ングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリア
ントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキ
B、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなど
がある。紫色顔料としては、例えばマンガン紫、ファス
トバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどがあ
る。青色顔料としては、例えば紺青、コバルトブルー、
アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタ
ロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブル
ー、インダスレンブルーBCなどがある。緑色顔料とし
ては、例えばクロムグリーン、酸化クロム、ピグメント
グリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイ
エローグリーンGなどがある。白色顔料としては、例え
ば亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などが
ある。体質顔料としては、例えばバライト粉、炭酸バリ
ウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、ア
ルミナホワイトなどがある。また、塩基性、酸性、分
散、直接染料などの各種染料としては、例えばニグロシ
ン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロ
ー、ウルトラマリンブルーなどがある。
【0077】また、透光性カラートナーとして用いる場
合は、着色剤としては、以下に示すような、各種、各色
の顔料、染料が使用可能である。黄色顔料としては、例
えばC.I.10316(ナフトールイエローS)、
C.I.11710(ハンザエロー10G)、C.I.
11660(ハンザエロー5G)、C.I.11670
(ハンザエロー3G)、C.I.11680(ハンザエ
ローG)、C.I.11730(ハンザエローGR)、
C.I.11735(ハンザエローA)、C.I.11
740(ハンザエローNR)、C.I.12710(ハ
ンザエローR)、C.I.12720(ピグメントイエ
ローL)、C.I.21090(ベンジジンエロー)、
C.I.21095(ベンジジンエローG)、C.I.
21100(ベンジジンエローGR)、C.I.200
40(パーマネントエローNCG)、C.I.2122
0(バルカンファストエロー5)、C.I.21135
(バルカンファストエローR)などがある。赤色顔料と
しては、例えば、C.I.12055(スターリン
I)、C.I.12075(パーマネントオレンジ)、
C.I.12175(リソールファストオレンジ3G
L)、C.I.12305(パーマネントオレンジGT
R)、C.I.11725(ハンザエロー3R)、C.
I.21165(バルカンファストオレンジGG)、
C.I.21110(ベンジジンオレンジG)、C.
I.12120(パーマネントレッド4R)、C.I.
1270(パラレッド)、C.I.12085(ファイ
ヤーレッド)、C.I.12315(ブリリアントファ
ストスカーレット)、C.I.12310(パーマネン
トレッドF2R)、C.I.12335(パーマネント
レッドF4R)、C.I.12440(パーマネントレ
ッドFRL)、C.I.12460(パーマネントレッ
ドFRLL)、C.I.12420(パーマネントレッ
ドFR4H)、C.I.12450(ライトファストレ
ッドトーナーB)、C.I.12490(パーマネント
カーミンFB)、C.I.15850(ブリリアントカ
ーミン6B)などがある。また、青色顔料としては、
C.I.74100(無金属フタロシアニンブルー)、
C.I.74160(フタロシアニンブルー)、C.
I.74180(ファーストスカイブルー)などがあ
る。
【0078】これらの着色剤は、単独であるいは複数組
合わせて用いることができるが、結着樹脂(剥離性向上
剤が結着樹脂にもなり得るポリマーである場合には、当
該ポリマーを含む)100重量部に対して、1〜20重
量部、好ましくは2〜10重量部使用することができ
る。20重量部より多いとトナーの定着性および透明性
が低下することがあり、一方、1重量部より少ないと所
望の画像濃度が得られない場合がある。
【0079】また、ウレタン/ウレア樹脂等の剥離性向
上剤を配合した本発明のトナーにあっては、離型剤は不
要である。一般にワックスなどの離型剤は、低融点のも
のが多く、染み出しによる現像部材の汚損を招いたり、
溶融時に樹脂と界面を形成するために濁りが生じて色再
現性を損なうことがあり、使用しないか、もしくは使用
量を低減できることが好ましい。本発明のトナーでは、
離型剤を添加する場合においても、結着樹脂(剥離性向
上剤が結着樹脂にもなり得るポリマーである場合には、
当該ポリマーを含む)100重量部に対して0.1〜3
重量部程度、好ましくは0.5〜2.5重量部、さらに
好ましくは1〜2重量部で十分な効果を奏し、従来より
も離型剤量を低減することが可能になる。また、離型剤
を使用しなくても、後記するようにオイルレス定着が可
能になる。
【0080】離型剤としては、具体的にはパラフィンワ
ックス、ポリオレフィンワックス、芳香族基を有する変
性ワックス、脂環基を有する炭化水素化合物、天然ワッ
クス、炭素数12以上の長鎖炭化水素鎖[CH(CH
11またはCH(CH 12以上の脂肪族炭素
鎖]を有する長鎖カルボン酸、そのエステル、脂肪酸金
属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸ビスアミド等を例示し得
る。異なる低軟化点化合物を混合して用いても良い。具
体的には、例えばパラフィンワックス(日本石油製)、
パラフィンワックス(日本精蝋製)、マイクロワックス
(日本石油製)、マイクロクリスタリンワックス(日本
精蝋製)、硬質パラフィンワックス(日本精蝋製)、P
E−130(商品名:ヘキスト製)、三井ハイワックス
110P、三井ハイワックス220P、三井ハイワック
ス660P、三井ハイワックス210P、三井ハイワッ
クス320P、三井ハイワックス410P、三井ハイワ
ックス420P、変性ワックスJC−1141、変性ワ
ックスJC−2130、変性ワックスJC−4020、
変性ワックスJC−1142、変性ワックスJC−50
20(以上、商品名:三井化学石油製)、蜜ロウ、カル
ナバワックス、モンタンワックス等を挙げることができ
る。脂肪酸金属塩として、例えば、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、
オレイン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグ
ネシウム等がある。
【0081】ポリオレフィン系ワックスとしては、例え
ば低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、あ
るいは酸化型のポリプロピレン、酸化型のポリエチレン
等が挙げられる。ポリオレフィン系ワックスの具体例と
しては、例えば、Hoechst Wax PE52
0、Hoechst Wax PE130、Hoech
st Wax PE190(商品名:ヘキスト社製)、
三井ハイワックス200、三井ハイワックス210、三
井ハイワックス210M、三井ハイワックス220、三
井ハイワックス220M(以上、商品名:三井石油化学
社製)、サンワックス131−P、サンワックス151
−P、サンワックス161−P(以上、商品名:三洋化
成工業社製)などのような非酸化型ポリエチレンワック
ス、Hoechst Wax PED121、Hoec
hst Wax PED153、Hoechst Wa
x PED521、Hoechst Wax PED5
22、同Ceridust 3620、同Ceridu
st VP130、同Ceridust VP590
5、同Ceridust VP9615A、同Ceri
dust TM9610F、同Ceridust 37
15(以上、商品名:ヘキスト社製)、三井ハイワック
ス420M(商品名:三井石油化学工業社製)、サンワ
ックスE−300、サンワックスE−250P(以上、
商品名:三洋化成工業社製)などのような酸化型ポリエ
チレンワックス、Hoechist Wachs PP
230(商品名:ヘキスト社製)、ビスコール330−
P、ビスコール550−P、ビスコール660−P(以
上、商品名:三洋化成工業社製)などのような非酸化型
ポリプロピレンワックス、ビスコールTS−200(商
品名:三洋化成工業社製)などのような酸化型ポリプロ
ピレンワックスなどが例示される。これらの離型剤は、
単独であるいは複数種組み合せて使用することができ
る。必要に応じて添加される離型剤としては、セイコー
インスツルメント社製「DSC120」で測定されるD
SC吸熱曲線における吸熱メインピーク値である軟化点
(融点)が40〜130℃、好ましくは50〜120℃
のものを使用するとよい。
【0082】荷電制御剤としては、摩擦帯電により正ま
たは負の荷電を与え得るものであれば、特に限定されず
有機あるいは無機の各種のものを用いることができる。
【0083】正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシ
ンベースEX、第4級アンモニウム塩P−51、ニグロ
シン ボントロンN−01(以上、商品名:オリエント
化学工業社製)、スーダンチーフシュバルツBB(ソル
ベントブラック3:C.I.No.26150)、フェ
ットシュバルツHBN(C.I.No.26150)、
ブリリアントスピリッツシュバルツTN(商品名:ファ
ルベン・ファブリッケン・バイヤ社製)、ザボンシュバ
ルツX(商品名:ファルベルケ・ヘキスト社製)、さら
にアルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸
キレート顔料などが挙げられる。上記の中でも第4級ア
ンモニウム塩p−51が好ましい。
【0084】また、負荷電制御剤としては、例えば、オ
イルブラック(C.I.No.26150)、オイルブ
ラックBY(商品名:オリエント化学工業社製)、ボン
トロンS−22(商品名:オリエント化学工業社製)、
サリチル酸金属錯体E−81(商品名:オリエント化学
工業社製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンの
スルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(商
品名:保土谷化学工業社製)、ボントロンS−34(商
品名:オリエント化学工業社製)、ニグロシンS0(商
品名:オリエント化学工業社製)、セレスシュバルツ
(R)G(商品名:フアルベン・ファブリケン・バイヤ
社製)、クロモーゲンシュバルツET00(C.I.N
o.14645)、アゾオイルブラック(R)(商品
名:ナショナル・アニリン社製)などが挙げられる。上
記の中でも、サリチル酸金属錯体E−81が好ましい。
【0085】これらの荷電制御剤は、単独であるいは複
数種組合せて使用することができるが、結着樹脂に添加
する荷電制御剤の添加量は、結着樹脂(剥離性向上剤が
結着樹脂にもなり得るポリマーである場合には、当該ポ
リマーを含む)100重量部に対して0.001〜5重
量部であり、好ましくは0.001〜3重量部である。
【0086】また、着色樹脂粒子には、例えば、磁性粒
子、分散剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
【0087】本発明のトナーは、ポリエステル樹脂およ
び/またはスチレン−アクリル共重合体を主成分とする
結着樹脂、剥離性向上剤、着色剤、荷電制御剤、必要に
応じて添加される離型剤等の内添剤を混練・溶融により
分散させた後、微粉砕手段により粉砕・分級して得られ
るが、その流動性を向上させる為に、流動性向上剤を外
添することも可能である。
【0088】流動性向上剤としては、有機系微粉末また
は無機系微粉末を用いることができる。有機系微粉末と
しては、例えばフッ素系樹脂粉末(すなわちフッ化ビリ
ニデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末な
ど)や、アクリル樹脂系微粉末、脂肪酸金属塩(すなわ
ちステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸鉛など)等を挙げることができる。また、無機系
微粉末としては、例えば、金属酸化物(すなわち酸化
鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛など)、
微粉末シリカ(すなわち、湿式製法シリカや乾式製法シ
リカなど)、これらのシリカにシランカップリング剤、
チタンカップリング剤、シリコンオイルなどにより表面
処理を施した表面処理シリカなどがあり、これらは1種
あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0089】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の気相酸化法により生成された微粉体、い
わゆる乾式製法シリカ又はヒュームドシリカと称される
ものを例示することができる。この乾式製法シリカは、
従来公知の技術によって製造されるものである。例えば
四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応
を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なもので
ある。SiCl+2H+O → SiO+4H
Clまた、この製造工程において、例えば塩化アルミニ
ウム又は塩化チタンなどの他の金属ハロゲン化合物をケ
イ素ハロゲン化合物と共に用いる事によってシリカと他
の金属酸化物の複合微粉体を得る事も可能であり、それ
らも包含する。その粒径は平均の一次粒径として、0.
001〜2μmの範囲である事が好ましく、特に好まし
くは、0.002〜0.2μmの範囲内シリカの微粉体
を使用することが良い。
【0090】上記ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化法に
より生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以
下の様な商品名で市販されているものが挙げられる。日
本アエロジル社製の「AEROSIL 130」(商品
名)、以下、同200、同300、同380、同TT6
00、同MOX170、同MOX80、同COK84等
が挙げられ、また、CABOT Co.社製の「Ca−
O−SiL M−5」(商品名)、以下、同MS−7、
同MS−75、同HS−5、同EH−5等が挙げられ、
また、WACKER-CHEMIE GMBH社製の
「WackerHDK N 20 V15」(商品
名)、以下、同N20E、同T30、同T40、ダウコ
ーニングCo.社の「D-C Fine Silic
a」(商品名)、Frasil社の「Fransol」
(商品名)等が挙げられる。
【0091】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した疎
水処理シリカ微粉体を用いることがより好ましい。該疎
水処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によ
って測定された疎水化度が30〜80の範囲を示すよう
にシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。疎水化
方法としてはシリカ微粉体と反応、あるいは物理吸着す
る有機ケイ素化合物などで化学的に処理することによっ
て付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン
化合物の上記気相酸化により生成されたシリカ微粉体を
有機ケイ素化合物で処理することが挙げられる。ここ
で、有機ケイ素化合物の例としては、ヘキサメチレンジ
シラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチル
トリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラ
ン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリ
ルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビ
ニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラ
メチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシ
ロキサン単位を有し、末端に位置する単位にそれぞれ1
個のSiに結合した水酸基を有するジメチルポリシロキ
サン等が挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の
混合物で用いることができる。
【0092】その処理シリカ微粉体の粒径としては0.
003〜0.1μmの範囲、さらに好ましくは0.00
5〜0.05の範囲のものを使用するのが良い。市販品
としては、例えば、タラノックス−500(商品名:タ
ルコ社製)、AEROSILR−972(商品名:日本
アエロジル社製)などがある。
【0093】流動性向上剤の添加量は、結着樹脂粒子1
00重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは
0.1〜3重量部である。0.01重量部未満では十分
な流動性向上効果が得られない場合があり、5重量部を
超えるとカブリや文字のにじみ、機内飛散を助長する場
合がある。
【0094】本発明のトナーの製造は、基本的に次に例
示する各工程により実施することができる。 1.原料の均一混合工程 結着樹脂、剥離性向上剤、着色剤、荷電制御剤等の添加
剤を所定量ヘンシェルミキサー20B(商品名:三井鉱
山社製)に投入し、均一混合する。その際、結着樹脂と
着色剤からなるマスターバッチを調製しておき、該マス
ターバッチと希釈用の結着樹脂、荷電制御剤等の添加剤
を均一混合してもよい。マスターバッチの配合割合は、
結着樹脂:着色剤=90:10〜50:50(重量部)
であり、好ましくは80:20〜60:40(重量部)で
あり、トナー粒子作製にあたっての配合例としては、結
着樹脂100重量部に対して、マスターバッチ着色剤2
0〜60重量部、好ましくは30〜50重量部、荷電制
御剤5重量部以下、好ましくは3重量部以下であり、そ
の他分散剤等の添加剤を適宜内添してもよい。
【0095】2.結着樹脂中への各添加剤の分散固定化
工程 均一に混合した後、二軸混練押出機(池貝化成社製:P
CM−30)を使用して溶融混練し、結着樹脂中に各添
加剤を分散固定化する。溶融混練手段としては、他に
「TEM−37」(東芝機械社製)、「KRCニーダ
−」(栗本鉄工所社製)等の連続式混練機や加熱・加圧ニ
ーダーのようなバッチ式混練機等が挙げられる。なお、
以上1、2の操作において、剥離性向上剤としてウレタ
ン樹脂等の結着樹脂として機能するポリマーを使用する
場合は、結着樹脂に含めて実施することができる。
【0096】3.粉砕工程 混練物を粗粉砕して粒度調整をした後、ジェット粉砕機
「200AFG」(ホソカワミクロン社製)または「I
DS−2」(日本ニューマチック工業社製)を使用し、
ジェットエアーによる衝突粉砕により、微粉砕し、平均
粒子径1〜8μmのものとする。粉砕手段としては他
に、機械式粉砕機ターボミル(川崎重工業社製)、スー
パーローター(日清エンジニアリング社製)等が挙げら
れる。
【0097】4.分級工程 微粉を除去し、粒径分布のシャープ化を目的として、風
力又はローター回転による粒度調整を風力分級装置「1
00ATP」(ホソカワミクロン社製)又は「DSX−
2」(日本ニューマチック工業社製)又は「エルボージ
ェット」(日鉄鉱業社製)等を使用して行う。
【0098】5.外添処理工程 得られた着色樹脂粒子と流動化剤を、所定量ヘンシェル
ミキサー20B(商品名:三井鉱山社製)に投入し均一
混合し、トナーとする。
【0099】以上の如くして得られるトナーの平均粒径
は、好ましくは3〜10μm、より好ましくは5〜8μ
mとすることにより高精細化が可能になる。また、例え
ば熱風処理等により円形度を好ましくは0.93〜0.
99、より好ましくは0.94〜0.98とすることに
より、流動性、クリーニング性に優れるものとできる。
【0100】本発明トナーは、ウレタン/ウレア樹脂等
の剥離性向上剤を配合することにより、トナーとして使
用できる樹脂の熱特性を満たしている範囲(Tg:55
〜70℃、Tm100〜160℃)において内部凝集力
が大きいため、定着特性としての高温での耐オフセット
性が良好なものである。しかも、主成分となるポリエス
テル樹脂やスチレンアクリル系共重合体によって紙など
の記録媒体との親和性に優れ、十分な定着強度を有する
ものである。そして、本発明のトナーは静電潜像現像方
式の画像形成装置において、定着装置として、オイル塗
布機構を有しない定着装置を使用した場合でも良好な定
着特性を発揮する。しかも、本発明トナーは、従来の離
型剤を配合しないか、その配合量が低い状態でもオイル
レス定着が可能になる。以下、この点を図面に基づき説
明する。
【0101】図3は、本発明の一実施形態に係る静電潜
像現像方式の画像形成装置100の概略構成を示す図面
である。この画像形成装置100においては、帯電装置
111によって一様に帯電された潜像担持体である感光
体110表面に、露光手段112により画像が静電潜像
として形成され、この感光体110上の静電潜像が現像
器113から供給されるイエロー、マゼンタ、シアン、
黒などのトナー50で順に現像されて可視像化される。
次に、感光体110上の現像画像は転写器114の転写
ローラにより紙等の記録媒体Pに転写され、その後、加
熱手段121と、定着ローラ対122、123とを備え
た定着装置120で加熱定着されることにより定着トナ
ー51となり、記録媒体P上に所望の画像が形成される
ようになっている。ここで、従来多くの画像形成装置で
は、定着装置120として図4(a)に例示するような
オイル塗布装置130を備えたものが使用されている。
この例では、オイル塗布装置130として、オイル塗布
ローラ131、132によって定着ローラ122にシリ
コーン油などのオイル52が供給できるようになってお
り、定着ローラ122へのオフセットの防止が図られて
いる。これに対し、本発明のトナーを使用することによ
り、定着の際のオイル52の使用を不要にする(オイル
レス定着)ことが可能になるため、定着装置120にオ
イル塗布装置130を配備する必要がなくなり、低コス
ト化、画像形成装置の小型化、装備の簡略化が実現され
ることになる(図4(b)参照)。
【0102】
【作用】ポリエステル樹脂やスチレン−アクリル系共重
合体を主成分とするトナーは、定着ローラとの剥離性が
不足する傾向にあるが、本発明では、ウレタン/ウレア
樹脂等の剥離性向上剤を配合することにより、定着ロー
ラに対する剥離性を高め、十分な定着強度を確保するこ
とが可能になった。ここで、剥離性向上剤によって定着
ローラに対する剥離性が向上する作用機構は未だ完全に
は解明されていないが、次のように考えれば合理的に説
明できる。
【0103】すなわち、剥離性向上剤としてのウレタン
結合またはウレア結合を有する化合物は、その分子間凝
集エネルギーが大きい。例えばウレタン/ウレア樹脂で
は8.74kcal/molであり、メチン結合(−C
−)の0.68kcal/mol、エーテル結合
(−O−)の1.0kcal/mol、ベンゼン結合の
3.9kcal/mol、エステル結合における2.9
kcal/molに比して格段に大きく、高結晶性のた
めそのガラス転移点が高い。ウレタン結合またはウレア
結合のこのような物性によって、トナーの内部凝集力が
高められ、高温域でも十分な耐オフセット性を付与され
るものと考えられる。かかる内部凝集力の向上による作
用機構は、従来のトナーに使用されてきたワックス等の
離型剤の作用機構とは根本的に異なるものである。
【0104】
【実施例】次に、実施例、試験例等により、本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらによって制約され
るものではない。なお、実施例等で使用する樹脂成分は
次のように製造した。
【0105】<ポリエステル樹脂の調製>反応容器にト
ルエンを仕込み、加熱してトルエンの還流が起きた状態
で、攪拌しながら、ビスフェノールAとフマール酸との
ポリエステル[重量平均分子量(Mw)約1万5千、数
平均分子量(Mn)約6千]85重量部と、同じ組成で
Mw約60万、Mn約20万のポリエステル15重量部
とを投入し、さらにトルエンが沸騰する温度で攪拌しな
がら1時間反応させた。その後、系の温度を180℃ま
で徐々に上げながら、減圧下においてトルエンを脱溶剤
し、分子量の極大値が、ほぼ9千と40万であり、ガラ
ス転移点(Tg)が63℃のポリエステル樹脂を得た。
【0106】<スチレン−アクリル系共重合体の調製>
3リットルのセパラブルフラスコにトルエン900gを
入れ、アクリル酸エチル含量25重量%、重量平均分子
量(Mw)約1万5千のエチレン−アクリル酸エチル共
重合体210gを投入し、溶解した。気相を窒素ガスに
て置換した後、この系をトルエンの沸点まで加温した。
トルエンの還流が起きた状態で、攪拌しながら、スチレ
ン590g、メタクリル酸n−ブチルエステル200
g、架橋剤としてのジビニルベンゼン8gおよび重合開
始剤としてのベンゾイルパーオキサイド40gを溶解し
た混合物を8時間かけて滴下しながら溶液重合を行っ
た。滴下終了後、さらにトルエンが沸騰する温度で攪拌
しながら、8時間熟成した。その後、系の温度を180
℃まで徐々に上げながら、減圧下においてトルエンを脱
溶剤し、樹脂を得た。
【0107】<ポリウレタン樹脂の調製>ジフェニルメ
タン−4,4’−ジイソシアネート17.4重量部、イ
ソホロンジイソシアネート15.5重量部を50℃の油
浴中にて混合溶解し、イソシアネート成分を調製した。
また、別に、ポリオキシエチレンビスフェノールAエー
テル(日本油脂社製、ユニオールDA−400:OH基
価276KOHmg/g)34.0重量部とポリオキシ
プロピレンビスフェノールAエーテル(日本油脂社製、
ユニオールDB−400:OH基価283KOHmg/
g)33.1重量部を混合し、ポリオール成分を調製し
た。
【0108】イソシアネート成分とポリオール成分を混
合溶解し、200mm×300mmのトレーに流し込
み、これを大気炉中に投入し、30℃で5時間保持した
後、130℃まで10時間かけて昇温し、次いで130
℃で5時間保持して反応を完結させた。得られたポリウ
レタン樹脂の分子量は、数平均分子量(Mn)0.37
×10、重量平均分子量(Mw)1.07×10
Mw/Mn=2.9であり、Tgは67℃、Tmは11
2℃であった。
【0109】実施例1 ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂を混合比率90:
10で混合した。この混合物100重量部、シアン顔料
のフタロシアニンブルー5重量部、荷電制御剤としての
サリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業社
製)2重量部をヘンシェルミキサーを用い、均一混合し
た後、二軸押出機で混練し、冷却した。この冷却物をジ
ェットミルで粉砕し、気流式分級機で分級を行い、平均
粒径8μmのトナーを得た。
【0110】上記で得られたトナー100重量部に対し
て、酸化チタンNKT90(日本アエロジル社製)を
0.5重量部の割合でヘンシェルミキサー20C(商品
名:三井鉱山社製)に投入し、2800rpmで2分間
の処理時間で外添処理し、続いてヘキサメチルジシラザ
ン処理したシリカTG810G(キャボット社製)0.
5重量部を加え、ヘンシェルミキサー20C(商品名:
三井鉱山社製)に投入し、2800rpmで4分間処理
し、本発明のトナーを作成した。
【0111】実施例2 ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂を混合比率97:
3で混合した。この混合物100重量部を結着樹脂とし
て使用した以外は実施例1と同様にして本発明トナーを
製造した。
【0112】実施例3 ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂を混合比率55:
45で混合した。この混合物100重量部を結着樹脂と
して使用した以外は実施例1と同様にして本発明トナー
を製造した。
【0113】実施例4 ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂を混合比率98:
2で混合した。この混合物100重量部を結着樹脂とし
て使用した以外は実施例1と同様にして本発明トナーを
製造した。
【0114】比較例1 ポリエステル樹脂100重量部のみを結着樹脂として使
用した以外は実施例1と同様にして比較トナーを製造し
た。
【0115】比較例2 スチレン−アクリル系共重合体100重量部のみを結着
樹脂として使用した以外は実施例1と同様にして比較ト
ナーを製造した。
【0116】比較例3 結着樹脂としてのポリエステル樹脂100重量部に、カ
ルバウバワックス5重量部を添加して使用した以外は実
施例1と同様にして比較トナーを製造した。
【0117】比較例4 ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂を混合比率45:
55で混合した。この混合物100重量部を結着樹脂と
して使用した以外は実施例1と同様にして比較トナーを
製造した。
【0118】試験例1 上記実施例および比較例で得たトナーを用いて画像形成
を行い、非オフセット領域測定、耐久試験および定着率
を下記の方法で測定した。その結果を表1に示す。
【0119】<非オフセット領域測定>一成分系現像方
式を採用した市販のレーザープリンタ(IBM製401
9)を用いて、未定着の画像サンプルを採取した。採取
サンプルのベタについては、トナー付着量を0.30〜
0.55mg/cmに調整した。
【0120】コニカ(株)製レーザープリンタ(KL2
010)の定着器(背面加熱方式で、定着ローラはPF
Aチューブを採用、ニップ通過時間60msec)を用
いて、定着ローラの表面温度を変化させながら、未定着
の画像サンプルを通紙し、定着後のサンプルのオフセッ
ト発生の有無を目視で評価した。
【0121】<耐久試験>市販のレーザープリンタ(I
BM製4019)の現像器にトナーをセットした後、無
補給でエージングを行い、部材へのフィルミングが発生
するまでの時間を測定し、以下の基準で判定した。 (判定基準) ◎:5時間以上 ○:3時間以上 △:1時間以上 ×:1時間未満 <定着率測定法> 1.160℃で普通紙に定着した画像の温度測定を行う
(濃度A)。 2.画像の上を100gの分銅に布を巻いたものにより
10回擦る。 3.擦った部分の濃度Bを測定する。 4.定着率を下式により算出した。 定着率=B/A×100
【0122】
【表1】
【0123】表1の結果から、ポリエステル樹脂を主成
分にとするトナーに剥離性向上剤としてポリウレタン樹
脂を配合することにより、離型剤を添加しなくても剥離
性が向上し、高温域でも耐オフセット性に優れたトナー
となることが明らかとなった。また、離型剤としてカル
ナウバワックスを添加した比較例3では、優れた耐オフ
セット性を示すものの、耐久性に劣り、本発明の剥離性
向上剤の優位性が示された。さらに、剥離性向上剤の配
合量を制御することによって、160℃における定着率
も実用範囲内の良好な結果であった。なお、実施例2と
実施例4の結果から、結着樹脂中に剥離性向上剤を3重
量%以上存在させることがオフセットを防止する上で効
果的であることが判る。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステル樹脂およ
び/またはスチレン−アクリル系共重合体を主成分とす
るトナーに、分子内にウレタン結合またはウレア結合を
有する化合物を配合することにより、ポリエステル樹脂
やスチレン−アクリル系共重合体を主成分とするトナー
の課題であった定着ローラとの剥離性が向上し、耐オフ
セット性を改善させることが可能になる。
【0125】また、上記トナーを現像剤として用いる画
像形成装置では、オイルレス定着が可能になるため、オ
イル塗布装置を配備する必要がなくなり、低コスト化、
装置の小型化、装備の簡略化が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウレタン/ウレア樹脂の製造に用いるベルト方
式の反応装置の説明に供する図面。
【図2】ウレタン/ウレア樹脂の製造に用いる二軸押出
反応機の説明に供する図面。
【図3】画像形成装置の概略構成を説明する図面。
【図4】画像形成装置の定着装置の説明に供する図面。
【符号の説明】
1 コンベア 2 反応炉 3 計量供給機 4 混合機 10 二軸押出反応機(バレル) 11 原料供給口 12 サイドフィーダー 13 計量供給機 14 重合生成物排出口 50 トナー 51 画像 52 オイル 100 画像形成装置 110 感光体 111 帯電装置 112 露光手段 113 現像器 114 転写装置 117 除電装置 118 クリーニング装置 120 定着装置 121 加熱手段 122、123 定着ローラ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂および/またはスチレ
    ン−アクリル系共重合体を主成分とするトナーであっ
    て、 分子内にウレタン結合またはウレア結合を有する化合物
    を含有することを特徴とする、トナー。
  2. 【請求項2】 請求項1において、分子内にウレタン結
    合またはウレア結合を有する化合物が、ウレタン樹脂ま
    たはウレア樹脂であることを特徴とする、トナー。
  3. 【請求項3】 請求項2において、トナーは、ポリエス
    テル樹脂および/またはスチレン−アクリル系共重合体
    と、ウレタン樹脂またはウレア樹脂とを、混練して得ら
    れるものであることを特徴とする、トナー。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3において、ウレ
    タン樹脂またはウレア樹脂の含有量が結着樹脂の3重量
    %以上50重量%未満である、トナー。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項3のいずれか1項に
    おいて、ポリエステル樹脂および/またはスチレン−ア
    クリル系共重合体の含有量が、トナー全体の50重量%
    以上である、トナー。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか1項に
    おいて、実質的に離型剤を含有しないトナーであって、
    かつオイル塗布機構を有しない定着装置を備えた画像形
    成装置において使用されるものである、トナー。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれか1項に
    記載のトナーを現像剤として用いる静電潜像現像方式の
    画像形成装置であって、 記録媒体の画像形成部位に付着した前記トナーを定着さ
    せる定着装置として、オイル塗布機構を有しないオイル
    レス定着装置を備えた、画像形成装置。
  8. 【請求項8】 分子内にウレタン結合またはウレア結合
    を有する化合物からなる、トナー用剥離性向上剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8703376B2 (en) 2008-11-28 2014-04-22 Ricoh Company, Ltd. Toner and developer
CN107219733A (zh) * 2016-03-22 2017-09-29 富士施乐株式会社 静电荷图像显影用色调剂、静电荷图像显影剂和色调剂盒

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