JP2004151418A - トナーおよび製造方法 - Google Patents

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Kanji Katagiri
寛司 片桐
Tadao Kojima
忠雄 児島
Tahei Ishiwatari
太平 石渡
Mikito Nakajima
幹人 中島
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Abstract

【課題】本発明は、低温定着性、耐オフセット性、トナーとしての耐久性、保存安定性を維持しつつ、製造段階での粉砕性や紙等の記録媒体への定着強度を向上させ、折れ剥がれ強度に優れ、また、負帯電性に優れる粉砕トナーおよびその製造方法の提供を課題とする。
【解決手段】本発明の粉砕トナーは、イソシアネート基を2個以上含有する化合物と、該イソシアネート基と反応可能な活性水素を2個以上含有する化合物とのバルク重合により得られ、ウレタン結合あるいはウレア結合を主鎖に有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000のポリマーを結着樹脂として含有する粉砕トナーにおいて、前記活性水素を2個以上含有する化合物が、少なくともポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテル化合物と、炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖をその構成成分として含有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が360〜1,000のポリエステルポリオールとからなる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電画像を熱定着により現像するために使用するトナーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トナーとしては、通常、結着樹脂中に離型剤、着色剤、荷電制御剤等を分散させた後、微粉砕手段によりトナーサイズに粉砕、分級してトナー粒子とされ、現像方式により一成分トナー粒子、またはトナー粒子およびキャリア粒子からなる二成分トナーとされる。
【0003】
最近、電子写真にあっては、一層の高速化、低温定着化が求められ、トナー粒子を構成する結着樹脂の低温溶融特性化が必須である。そのため、水酸基もしくはアミノ基を少なくとも1個有する化合物とモノイソシアネート化合物もしくはポリイソシアネート化合物との反応生成物をバインダーとするトナーが知られ、その反応生成物が実質上単一の分子量の化合物であり、その分子量が500以下であり、融点が50〜150℃のものであることを開示するが、上記と同様に低融点により定着温度を低下させる効果を有するものの、反面、耐オフセット性やトナーとしての耐久性が低下して転写ローラ等へのフィルミングを生じやすく、さらに、保存性、耐ブロッキング性が悪化するという問題がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、高周波加熱定着用トナーとして、分子量200〜2,000のポリエステルグリコールにジイソシアネートを反応させた変成グリコールを結着樹脂とするトナーも知られているが、リジッドな構造を含まないために、トナーとしての耐久性が低下して、転写ローラ等へのフィルミングを生じやすく、粉砕トナーとしての粉砕性に劣るという問題がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、酸価6〜40mgKOH/g、水酸基価20〜120mgKOH/g、数平均分子量が700〜4,000のポリエステル樹脂とジイソシアネートから得られるウレタン変成樹脂をトナー結着樹脂とすることが知られ(例えば、特許文献3参照)、また、酸価が5以下での実質的に末端基が水酸基より成る数平均分子量が1,000〜20,000の線状ポリエステル樹脂とジイソシアネートからなる線状ウレタン変成ポリエステル樹脂をトナー結着樹脂とすることが知られている(例えば、特許文献4参照)が、いずれもポリエステルポリオールの分子量が大きく、ポリエステル樹脂をウレタン変成して結着樹脂とするものであり、ポリウレタン樹脂としての特性をいかすものではない。
【0006】
本出願人は、先に、トナー用バインダーとして、特定の数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000を有するポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂を用いることにより、その高い分子間凝集力により、架橋性成分を含有させないでも必要な内部凝集力が得られ、実用的な定着温度領域で良好な定着特性(非オフセット領域の確保)が得られること、また、離型剤を全く使用しないかもしくは少量の添加で良好な定着特性が得られ、ワックスを含有することによる弊害を無くすことが可能であることを示した。また、ポリウレタン樹脂を構成するジイソシアネート類としてジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族環を有するジイソシアネートを使用したり、また、ジオール類としてポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテル等の芳香族環を有するジオールを使用することにより、ポリウレタン樹脂における分子鎖の自由度を制限できてリジッドな構造とでき、トナー用樹脂として粉砕性を改良しうることを示した(例えば、特許文献5参照)が、その後の検討の中でリジッドな構造とできる反面、トナーによって表現される画像を屈曲させるなどした際に、画像が紙から剥離する等の折れ剥がれ強度が低下するといった問題が生じることが判明した。一般に、折れ剥がれ強度を向上させる手法としては、紙への浸透性を向上させ、紙との接着力の向上を図るか、またはトナー層自体の柔軟性を向上させる等の手法が考えられるが、トナー層自体の柔軟性を向上させようとすると、トナーのガラス転移温度が低下し、トナーの保存安定性が低下するといった問題が生じる。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−66564号公報
【0008】
【特許文献2】
特開昭57−198466号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平3−31858号公報
【0010】
【特許文献4】
特開昭63−49768号公報
【0011】
【特許文献5】
特開2002−258534号
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低温定着性、耐オフセット性、トナーとしての耐久性、保存安定性を維持しつつ、製造段階での粉砕性や紙等の記録媒体への定着強度を向上させ、折れ剥がれ強度に優れ、また、負帯電性に優れる粉砕トナーおよびその製造方法の提供を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の粉砕トナーは、イソシアネート基を2個以上含有する化合物(以下、ポリイソシアネート化合物ともいう)と、該イソシアネート基と反応可能な活性水素を2個以上含有する化合物(以下、多活性水素化合物ともいう)とのバルク重合により得られ、ウレタン結合あるいはウレア結合を主鎖に有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000のポリマーを結着樹脂として含有する粉砕トナーにおいて、前記活性水素を2個以上含有する化合物が、少なくとも下記式(1)で表される化合物と、炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖をその構成成分として含有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が360〜1,000のポリエステルポリオールとからなることを特徴とする。
【0014】
【化3】
Figure 2004151418
【0015】
(式中、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、同一でも相違していてもよく、x、yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜12である。)
ポリエステルポリオールにおける水酸基価が120〜300mgKOH/gであることを特徴とする。
【0016】
活性水素を2個以上含有する化合物における組成比(モル比)が、式(1)で表される化合物:ポリエステルポリオール=98:2〜60:40であることを特徴とする。
【0017】
ポリマーにおける重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.5〜20であることを特徴とする。
【0018】
本発明のトナーの製造方法は、イソシアネート基を2個以上含有する化合物と、少なくとも上記式(1)で表される化合物と炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖をその構成成分として含有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が360〜1,000のポリエステルポリオールとからなる前記イソシアネート基と反応可能な活性水素を2個以上含有する化合物とを、無溶剤下でバルク重合させ、ウレタン結合あるいはウレア結合を主鎖に有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000のポリマーとした後、着色剤を混練し、粉砕、分級することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
ウレタン結合やウレア結合を有する樹脂は、水酸基とイソシアネート基が反応した結果生じるウレタン結合(−A−NHCOO−B−、式中Aはポリイソシアネート残基、Bは多活性水素化合物残基)、またはアミノ基とイソシアネート基とが反応した結果生じるウレア結合(−NHCONH−)を結合要素として含有し、その分子間凝集エネルギーは8.74kcal/molであり、メチン結合(−CH−)の0.68kcal/mol、エーテル結合(−O−)の1.0kcal/mol、ベンゼン結合の3.9kcal/mol、エステル結合における2.9kcal/molに比して格段に大きく、高結晶性のためそのガラス転移点が高い。しかしながら、ポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000の平均分子量のものは、そのフロー軟化点は140℃以下とでき、低分子量化に伴う低温定着性に優れるものとできること、また、その軟化点の低下にもかかわらず、ガラス転移温度は50℃以上とでき、ガラス転移温度の低下や強度低下の程度が小さく、トナーにおける結着樹脂として着色剤の保持性、耐熱性、保存性等に優れる結着樹脂とできる。
【0020】
ウレタン結合やウレア結合を有する樹脂は、ポリイソシアネート類と多活性水素化合物とのバルク重合により得られる。ポリイソシアネート類としては、脂肪族ジイソシアネート類であるエタンジイソシアネート、プロパンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、チオジエチルジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、βーメチルブタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ω,ω′−ジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、ヘプタンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコール−ジプロピルエーテル−ω,ω′−ジイソシアネート、ウンデカンジイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート等が挙げられる。
【0021】
また、環状基を有する脂肪族ジイソシアネートとしてはω,ω′−1,3−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω′−1,2−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω′−1,2−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω′−1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω′−1,4−ジエチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω′−1,4−ジメチルナフタリンジイソシアネート、ω,ω′−1,5−ジメチルナフタリンジイソシアネート、3,5−ジメチルシクロヘキサン−1−メチルイソシアネート−2−プロピルイソシアネート、ω,ω′−n−プロピル−ビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
【0022】
芳香族ジイソシアネート類としては1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−3,5−ジイソシアネート、1,3−ジメチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソシアネート、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、1−エチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1−イソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート等が挙げられる。
【0023】
ナフタリンジイソシアネート類としてはナフタリン−1,4−ジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、ナフタリン−2,6−ジイソシアネート、ナフタリン−2,7−ジイソシアネート、1,1′−ジナフチル−2,2′−ジイソシアネート等が挙げられる。
【0024】
ビフェニルジイソシアネート類としてはビフェニル−2,4′−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2−ニトロビフェニル−4,4′−ジイソシアネート等が挙げられる。
【0025】
ジ−あるいはトリフェニルメタンジイソシアネート、およびジ−あるいはトリフェニルエタンジイソシアネートとしては、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,5,2′,5′−テトラメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジメトキシフェニル−3,3′−ジイソシアネート、4,4′−ジエトキシフェニルメタン−3,3′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチル−5,5′−ジメトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3′−ジイソシアネート、α,β−ジフェニルエタン−2,4−ジイソシアネート、3−ニトロトリフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4−ニトロトリフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等、またはその誘導体が挙げられる。
【0026】
トリイソシアネート類としては1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、ナフタリン−1,3,7−トリイソシアネート、ビフェニル−1,3,7−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4′−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4′−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、ジフェニル−4,4′−ジイソシアナトカルバミン酸クロリド等、およびその誘導体等が例示される。
【0027】
また、ポリイソシアネートとして下記式
【0028】
【化4】
Figure 2004151418
【0029】
(式中、Rはメチレン基、エチレン基、−C(CH−基から選ばれるアルキレン基を示し、R及びRは炭素数4以下のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲンから選ばれる基を示す。)
で示されるジイソシアネート類を使用すると、粉砕性に優れるポリマーとでき、トナーとする際の粉砕工程における生産性を向上できる。上記式で示されるジイソシアネート類としては、具体的には、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,2′,5,5′−テトラメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチル−5,5′−ジメトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジクロロジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、α,β−ジフェニルエタン−4,4′−ジイソシアネート等、またはその誘導体が挙げられ、また、これらのポリイソシアネート類の混合物を使用してもよい。
【0030】
上記式で示されるポリイソシアネート類は、その基本骨格として2つの芳香族環がアルキレン基を介して結合した構造を有しており、本成分をハードセグメントとして使用することで、バインダーポリマーにおける分子鎖のフレキシビィリティを小さくでき、リジッドな構造となるため、粉砕性に優れるものと考えられる。
【0031】
また、ポリイソシアネートとして脂環式ジイソシアネート化合物を使用すると、トナーとする際に、耐光性に優れ、画像の長期保存に際して退色のないものとできる。脂環式ジイソシアネート化合物は環状脂肪族炭化水素構造を有するため、光や熱による劣化が抑えられるものと考えられる。また、得られるバインダーポリマーはリジッドな構造で粉砕性に優れるものであり、トナーとする際の粉砕、分級工程における生産性を向上できる。
【0032】
脂環式ジイソシアネート化合物は、脂肪族炭化水素環、または多環式脂肪族炭化水素環に2個のイソシアネート基が直接またはアルキレン基を介して結合した構造を有し、例えば構造式
【0033】
【化5】
Figure 2004151418
【0034】
で示されるイソホロンジイソシアネート、また、ω,ω′−1,2−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω′−1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、3,5−ジメルシクロヘキサン−1−メチルイソシアネート−2−プロピルイソシアネートが例示される。
【0035】
また、下記式
【0036】
【化6】
Figure 2004151418
【0037】
(式中、Rは単結合、メチレン基、エチレン基、−C(CH−基から選ばれ、lおよびmは1〜5の整数、nは0〜2の整数を示す。)
で示される多環式脂肪族ジイソシアネートも好ましく、例えば下記構造式
【0038】
【化7】
Figure 2004151418
【0039】
で示されるノルボルナンジイソシアネートが例示される。
【0040】
本発明にあっては、トナーを製造する際における粉砕性、また、記録媒体への定着強度の観点からジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(水素化MDI)、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、p−フェニレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水素化XDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)等の脂環式炭化水素や芳香族炭化水素を有するジイソシアネート類が好ましく、更にこれらのポリイソシアネート類の混合物を使用するとよい。これらのジイソシアネート類は、芳香族、脂環式、分枝状炭化水素鎖を有し、ウレタン結合やウレア結合における整列性、結晶性を適度に乱す、自由度が少ないバルキーな成分として機能すると考えられ、好ましい。
【0041】
次に、ジイソシアネート類におけるイソシアネート基と反応可能な活性水素を2個以上含有する化合物(以下、多活性水素化合物)としては、上記式(1)で示される化合物と炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖をその構成成分として含有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が360〜1,000のポリエステルポリオール(以下、ポリエステルポリオール)とを併用するとよい。
【0042】
式(1)で示される化合物は、ポリウレタンあるいはポリウレア樹脂を結着樹脂とするトナーとして適した溶融特性、例えばフロー軟化点、溶融粘度、ガラス転移温度等を付与することを目的として添加されるもので、例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド2〜12モル付加物(以下、EO付加物)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2〜12モル付加物(以下、PO付加物)が例示され、これらを単独で、もしくは両者を混合して使用できる。さらには、EO基あるいはPO基の繰り返し単位数が異なる化合物を2種以上混合して用いてもよい。両者を混合して用いる場合、その混合比率(モル比)は、EO付加物/PO付加物=8:2〜1:9、好ましくは8:2〜2:8、更に好ましくは7:3〜4:6である。また、Rは同一でも、相違してもよく、一方がエチレン基で他方がプロピレン基でもよい。また、EO基、PO基はその繰り返し単位数により、バインダーポリマーとした際に物性が変化する。x+yの平均値は2〜12、好ましくは2〜4であり、繰り返し単位数がこれより大きいと、ガラス転移温度の低下や粉砕性の悪化を招くので好ましくなく、小さすぎると強度低下を来たし、折れ剥がれ強度が低下する。また、EO成分の組成比を高めると定着強度(折れ剥がれ強度)を向上させることができるが、ガラス転移温度の低下や粉砕性の悪化を招き、反対に、PO成分の組成比を高めると粉砕性は向上する一方、定着強度(折れ剥がれ強度)は低下する。また、ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテル化合物における水酸基価は、100〜350mgKOH/g、好ましくは200〜290mgKOH/gである。ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテル化合物は、ビスフェノールAを基本骨格とすることで、ポリイソシアネートとの反応物であるバインダーポリマーとした際に、分子鎖のフレキシビィリティが小さく、リジッドな構造となるものと考えられる。
【0043】
ポリエステルポリオールとしては、炭素数4〜20、好ましくは4〜8の直鎖アルキレン鎖をその構成成分として含有するものである。
【0044】
ポリエステルポリオールは、多価アルコール成分と多塩基酸成分とを反応させることにより得られるもので、炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖は、多価アルコール成分と多塩基酸成分のいずれか一方、または両者に由来するものであり、下記に例示する具体例から適宜選択するとよい。
【0045】
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール等の炭素数2〜8のアルキレン鎖を有するグリコール類が例示される。
【0046】
また、多塩基酸成分としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の炭素数2〜8のアルキレン鎖を有するジカルボン酸、また、その無水物が例示される。
【0047】
本発明におけるポリエステルポリオールは、多価アルコール成分と多塩基酸成分のいずれか一方または両者に炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖を含有するものとして周知の方法で反応させて得られ、反応に際しては水酸基価120〜300mgKOH/g、好ましくは140〜240mgKOH/g、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が360〜1,000、好ましくは450〜800となるよう反応させるものである。
【0048】
また、本発明におけるポリエステルポリオールとして、炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖の両末端に水酸基とカルボキシル基をそれぞれ有するオキシカルボン酸、またはその無水物のモノ重合体を使用してもよい。
【0049】
ポリエステルポリオールの分子量が360未満であると折れ剥がれ強度向上の効果が十分ではなく、また、1,000を超えると耐久性が悪化するという問題が生じる。具体的には、ポリ(プロピレングリコールアジペート)、ポリ(ブチレングリコールアジペート)、ポリ(カプロラクトンジオール)等が例示され、また、市販品としては、例えばポリカプロラクトンジオールであるダイセル化学株式会社製プラクセル205:OH基価212mgKOH/g、数平均分子量540、同じくダイセル化学株式会社製プラクセル208:OH基価135mgKOH/g、数平均分子量830、同じくダイセル化学株式会社製プラクセル205BA:OH基価224mgKOH/g、数平均分子量490等が例示される。
【0050】
ポリエステルポリオールは、折れ剥がれ強度の向上を目的として添加するものであり、構成成分である直鎖アルキレン鎖の炭素数が4未満であると折れ剥がれ強度向上の効果が十分ではないうえ、耐湿性が劣り、環境安定性に問題が生じ、また、炭素数が20を超えるとトナー自体の柔軟性が大きくなり過ぎ、ポリウレタンあるいはポリウレア樹脂の粉砕性が著しく低下し、加えて機械的強度やガラス転移温度やフロー軟化点の急激な低下により保存性が悪化するという問題がある。ポリエステルポリオールとして炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖を有するものとすることにより、ポリウレタンあるいはポリウレア樹脂に適度の柔軟性を持たせ、これにより折れ剥がれ強度が向上し、さらに、紙への浸透性(紙へのからみつき)が向上して定着率が向上するものと考えられる。
【0051】
次に、式(1)で示されるポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルとポリエステルポリオールとの併用比率(モル比)は、式(1)で示される化合物:ポリエステルポリオール=98:2〜60:40、好ましくは98:2〜70:30、更に好ましくは95:5〜75:25とするとよい。ポリエステルポリオール単独、またはポリエステルポリオール含有量が多いと、ポリウレタンあるいはポリウレア樹脂の柔軟性が大きくなりすぎ、粉砕性が著しく低下し、加えて機械的強度やガラス転移温度やフロー軟化点の急激な低下により保存性が悪化するという問題があるが、一般式(1)で示される化合物を併用することで、トナーとして要求される熱特性(TgやTm)と粉砕性、機械的強度等をバランスさせることができる。また、その鎖中にエステル結合を繰り返し単位として含有するため、分子間相互作用が直鎖アルキル基やエーテル結合に比して強く、それによって、ガラス転移温度やフロー軟化点の低下が抑えられ、該成分の含有量を増加させることが可能とできる。ちなみに、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂にあって、このようなポリエステルポリオールを構成成分として導入すると、ガラス転移温度の低下が著しく、保存性が悪化する。ポリウレタンあるいはポリウレア樹脂においては、水素結合による強い分子間凝集力のためにポリエステルポリオールを構成成分として導入しても、トナーとして必要とされる耐熱性を維持しうるものである。また、ポリエステルポリオールを併用することにより、トナー用結着樹脂とした際、負帯電性に優れるものとでき、帯電制御剤やシリカ微粒子等の外添剤の添加量を減少することができる。
【0052】
本発明においては、多活性水素化合物として、上記の組成とすることにより、トナーの製造時における粉砕性や低温定着性、高温での耐オフセット性、定着強度、折れ剥がれ強度、負帯電性に優れ、また、要求される温度特性{フロー軟化点(Tm)やガラス転移温度(Tg)}にしてもトナーとして適したものとできる。
【0053】
また、多活性水素化合物としては、トナーとしての性状を損なわない範囲で、他の多活性水素化合物、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等を添加してもよい。
【0054】
ポリイソシアネート類と多活性水素化合物の反応割合は、ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基数に対する多活性水素化合物における活性水素基数の割合{NCO/活性水素(当量比)}を0.5〜1.0、好ましくは0.7〜1.0の範囲とし、温度30℃〜180℃、好ましくは30℃〜140℃で、大気圧下、無溶剤下で、数分から数時間、バルク重合させるとよい。触媒としては、例えばジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジクロライド、オクチル酸スズ、トリフェニルアンモニウムジクロライド、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジネオデカノエート、ジブチルスズビス(メルカプト酸エステル)等が例示される。ポリイソシアネート類と多活性水素化合物との反応は無溶剤下で行うことができ、溶液重合のごとく溶剤を必要としなく、また、重縮合反応のごとく副生物を生じないので効率のよい連続生産が可能である。
【0055】
本発明のトナーにおける結着樹脂としては、ウレタン結合やウレア結合を有する樹脂を主成分とし、結着樹脂中50重量%未満の範囲で、かつ、主成分の性状を損なわない範囲で他の結着樹脂を含有してもよい。他の結着樹脂としては、結着樹脂を製造する際に共存させてもよいが、製造後に混練してもよい。結着樹脂を製造する際に共存させる場合には、ポリイソシアネート類との反応性基を含有しない樹脂が好ましい。他の結着樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等を単独又は混合して使用できる。
【0056】
本発明のトナーにおける結着樹脂は、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたゲルパーミエーション(GPC)測定での数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000、好ましくは2,000〜15,000、更に好ましくは3,000〜12,000のものである。数平均分子量(Mn)が1,500より小さいと、低温定着性に優れるものの、着色剤の保持性や耐フィルミング性、耐オフセット性、定着像強度、保存性に劣るものであり、また、20,000より大きいと低温定着性に劣るものとなり、結着樹脂として単独では使用できないものとなる。また、重量平均分子量(Mw)は3,000〜300,000、好ましくは5,000〜50,000、更に好ましくは8,000〜20,000であり、Mw/Mnが1.5〜20、好ましくは1.8〜10、更に好ましくは1.8〜8、最も好ましくは1.8〜5である。
【0057】
結着樹脂における分子量を制御するには、イソシアネート基数に対する活性水素基数の割合(NCO/活性水素)を小さくすれば低分子量化でき、また、等量に近づけると高分子量化できるので、適宜、ポリイソシアネートの反応モル数を制御することにより容易に制御できる。なお、本発明の結着樹脂の物性に影響を与えない範囲で鎖伸長剤を適宜使用してもよい。鎖伸長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビス−(β−ヒドロキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0058】
耐オフセット性と溶融特性を両立させるために、通常は樹脂のMw/Mnを大きくする、つまりブロードな分子量分布を有するように設計する手法がとられているが、Mw/Mnを大きくすると、シャープに溶融しないため透明性が低下し、特にカラー画像の画質が低下するという問題がある。これに対して、本発明における結着樹脂は、分子量分布を狭いものとすることによりシャープな溶融特性を示し、透明性に優れ、高画質のカラー画像を得ることができる。
【0059】
本発明のトナーは、フロー軟化点(Tm)が80℃〜150℃、好ましくは90℃〜140℃、さらに好ましくは100℃〜130℃の範囲にある。フロー軟化点(Tm)が80℃より低いと耐フィルミング性に劣るものとなり、また、150℃より高いと低温定着性に劣るものとなる。
【0060】
また、ガラス転移温度(Tg)は45℃〜100℃、好ましくは50℃〜80℃、さらに好ましくは55℃〜75℃の範囲にある。ガラス転移温度(Tg)が45℃より低いと保存性に劣るものとなり、また、100℃より高いとそれにともなってTmが上昇し、低温定着性に劣るものとなる。
【0061】
本発明における結着樹脂は、分子量を低下させTmを下げる分子設計をした時のTgの低下幅を小さくすることができ、低Tmと高Tgを両立させることができる。また、50%流出点における溶融粘度が3×10〜1.5×10Pa・sとでき、オイルレス定着用トナーとして適したものとできる。
【0062】
本発明のトナーには、着色剤、荷電制御剤、必要に応じて離型剤、分散剤、磁性粒子等を含有してもよい。着色剤としては、以下に示すような、有機ないし無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭などがある。黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスエロー、ナフトールエローS、バンザーイエローG、バンザーイエロー10G、ベンジジンエローG、ベンジジンエローGR、キノリンエローレーキ、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキなどがある。橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKMなどがある。赤色系顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピロゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどがある。青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどがある。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどがある。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などがある。体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどがある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料などの各種染料としては、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルーなどがある。
【0063】
また、透光性カラートナーとして用いる場合は、着色剤としては、以下に示すような、各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黄色顔料としては、C.I.10316(ナフトールイエローS)、C.I.11710(ハンザエロー10G)、C.I.11660(ハンザエロー5G)、C.I.11670(ハンザエロー3G)、C.I.11680(ハンザエローG)、C.I.11730(ハンザエローGR)、C.I.11735(ハンザエローA)、C.I.11740(ハンザエローNR)、C.I.12710(ハンザエローR)、C.I.12720(ピグメントイエローL)、C.I.21090(ベンジジンエロー)、C.I.21095(ベンジジンエローG)、C.I.21100(ベンジジンエローGR)、C.I.20040(パーマネントエローNCG)、C.I.21220(バルカンファストエロー5)、C.I.21135(バルカンファストエローR)などがある。赤色顔料としては、C.I.12055(スターリンI)、C.I.12075(パーマネントオレンジ)、C.I.12175(リソールファストオレンジ3GL)、C.I.12305(パーマネントオレンジGTR)、C.I.11725(ハンザエロー3R)、C.I.21165(バルカンファストオレンジGG)、C.I.21110(ベンジジンオレンジG)、C.I.12120(パーマネントレッド4R)、C.I.1270(パラレッド)、C.I.12085(ファイヤーレッド)、C.I.12315(ブリリアントファストスカーレット)、C.I.12310(パーマネントレッドF2R)、C.I.12335(パーマネントレッドF4R)、C.I.12440(パーマネントレッドFRL)、C.I.12460(パーマネントレッドFRLL)、C.I.12420(パーマネントレッドF4RH)、C.I.12450(ライトファストレッドトーナーB)、C.I.12490(パーマネントカーミンFB)、C.I.15850(ブリリアントカーミン6B)などがある。また、青色顔料としては、C.I.74100(無金属フタロシアニンブルー)、C.I.74160(フタロシアニンブルー)、C.I.74180(ファーストスカイブルー)などがある。
【0064】
これらの着色剤は、単独であるいは複数組合せて用いることができるが、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部使用することが望ましい。20重量部より多いとトナーの定着性および透明性が低下し、一方、1重量部より少ないと所望の画像濃度が得られない虞れがある。
【0065】
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の荷電を与え得るものであれば、特に限定されず有機あるいは無機の各種のものを用いることができる。
【0066】
正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業(株)製)、第4級アンモニウム塩P−51(オリエント化学工業(株)製)、ニグロシン ボントロンN−01(オリエント化学工業(株)製)、スーダンチーフシュバルツBB(ソルベントブラック3:Colr Index 26150)、フェットシュバルツHBN(C.I.NO.26150)、ブリリアントスピリッツシュバルツTN(ファルベン・ファブリッケン・バイヤ社製)、ザボンシュバルツX(ファルベルケ・ヘキスト社製)、さらにアルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料などが挙げられる。中でも第4級アンモニウム塩P−51が好ましい。
【0067】
また、負荷電制御剤としては、例えば、オイルブラック(Color Index 26150)、オイルブラックBY(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンS−22(オリエント化学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土谷化学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業(株)製)、ニグロシンSO(オリエント化学工業(株)製)、セレスシュバルツ(R)G(ファルベン・ファブリケン・バイヤ社製)、クロモーゲンシュバルツETOO(C.I.NO.14645)、アゾオイルブラック(R)(ナショナル・アニリン社製)などが挙げられる。中でも、サリチル酸金属錯体E−81が好ましい。
【0068】
これらの荷電制御剤は、単独であるいは複数種組合せて使用することができるが、結着樹脂に添加する荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部であり、好ましくは0.001〜3重量部である。
【0069】
また、本発明におけるウレタン結合やウレア結合を有する樹脂は、その分子量範囲により熱溶融特性に優れ、離型剤を不要とするが、添加する場合には結着樹脂100重量部に対して0〜3重量部程度である。
【0070】
離型剤としては、具体的にはパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、芳香族基を有する変性ワックス、脂環基を有する炭化水素化合物、天然ワックス、炭素数12以上の長鎖炭化水素鎖〔CH(CH11またはCH(CH12以上の脂肪族炭素鎖〕を有する長鎖カルボン酸、そのエステル脂肪酸金属塩、脂肪酸アシド、脂肪酸ビスアシド等を例示し得る。異なる低軟化点化合物を混合して用いても良い。具体的には、パラフィンワックス(日本石油製)、パラフィンワックス(日本精蝋製)、マイクロワックス(日本石油製)、マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋製)、硬質パラフィンワックス(日本精蝋製)、PE−130(ヘキスト製)、三井ハイワックス110P(三井石油化学製)、三井ハイワックス220P(三井石油化学製)、三井ハイワックス660P(三井石油化学製)、三井ハイワックス210P(三井石油化学製)、三井ハイワックス320P(三井石油化学製)、三井ハイワックス410P(三井石油化学製)、三井ハイワックス420P(三井石油化学製)、変性ワックスJC−1141(三井石油化学製)、変性ワックスJC−2130(三井石油化学製)、変性ワックスJC−4020(三井石油化学製)、変性ワックスJC−1142(三井石油化学製)、変性ワックスJC−5020(三井石油化学製)、密ロウ、カルナバワックス、モンタンワックス等を挙げることができる。脂肪酸金属塩として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム等がある。
【0071】
ポリオレフィン系ワックスとしては、例えば低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、あるいは酸化型のポリプロピレン、酸化型のポリエチレン等が挙げられる。ポリオレフィン系ワックスの具体例としては、例えば、Hoechst Wax PE520、Hoechst Wax PE130、Hoechst Wax PE190(ヘキスト社製)、三井ハイワックス200、三井ハイワックス210、三井ハイワックス210M、三井ハイワックス220、三井ハイワックス220M(三井石油化学工業社製)、サンワックス131−P、サンワックス151−P、サンワックス161−P(三洋化成工業社製)などのような非酸化型ポリエチレンワックス、Hoechst Wax PED121、Hoechst Wax PED153、Hoechst Wax PED521、Hoechst Wax PED522、同Ceridust 3620 、同Ceridust VP130、同Ceridust VP5905、同Ceridust VP9615A、同Ceridust TM9610F、同 Ceridust 3715 (ヘキスト社製)、三井ハイワックス420M(三井石油化学工業社製)、サンワックスE−300、サンワックスE−250P(三洋化成工業社製)などのような酸化型ポリエチレンワックス、Hoechist Wachs PP230(ヘキスト社製)、ビスコール330−P、ビスコール550−P、ビスコール660P(三洋化成工業社製)などのような非酸化型ポリプロピレンワックス、ビスコールTS−200(三洋化成工業社製)などのような酸化型ポリプロピレンワックスなどが例示される。これらの離型剤は、単独であるいは複数種組合せて使用することができる。必要に応じて添加される離型剤としては、DSC吸熱曲線における吸熱メインピーク値である軟化点(融点)が40〜130℃、好ましくは50〜120℃のものを使用するとよい。
【0072】
本発明のトナーは、上記で得た組成物を、混練・溶融した後、微粉砕手段により粉砕・分級して得られるが、その流動性を向上させる為に、流動性向上剤を外添してもよい。
【0073】
流動性向上剤としては、有機系微粉末または無機系微粉末を用いることができる。例えばフツ素系樹脂粉末、すなわちフツ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末、アクリル樹脂系微粉末など;又は脂肪酸金属塩、すなわちステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛など;又は金属酸化物、すなわち酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛など;又は微粉末シリカ、すなわち湿式製法シリカ、乾式製法シリカ、それらシリカにシランカツプリング剤、チタンカツプリング剤、シリコンオイルなどにより表面処理をほどこした処理シリカなどがあり、これらは1種或いは2種以上の混合物で用いられる。
【0074】
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化法により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒユームドシリカと称されるもので、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
【0075】
SiCl+2H+O→SiO+4HCl
又、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いる事によってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得る事も可能であり、それらも包含する。その粒径は平均の一次粒径として、0.001〜2μmの範囲内である事が望ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物の気相酸化法により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。日本アエロジル社製の「AEROSIL 130」、以下、同 200、 300、 380、 TT600、MOX170、 MOX80、 COK84等が挙げられ、また、CABOT Co.社製の「Ca−O−SiL M−5 」、以下、同 MS−7、MS−75、HS−5、EH−5等が挙げられ、また、WACKER−CHEMIE GMBH社製の「Wacker HDK N 20 V15 」、以下、同 N20E、 T30、 T40、ダウコーニングCo.社の「D−C Fine Silica」、Fransil社の「Fransol」等が挙げられる。
【0076】
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体を用いることがより好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。疎水化方法としてはシリカ微粉体と反応、あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の上記気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0077】
その様な有機ケイ素化合物の例は、ヘキサメチレンジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフエニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフエニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフエニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を有するジメチルポリシロキサン等がある。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
【0078】
その処理シリカ微粉体の粒径としては0.003〜0.1μm、0.005〜0.05μmの範囲のものを使用することが好ましい。市販品としては、タラノツクス−500(タルコ社)、AEROSIL R−972(日本アエロジル社)などがある。
【0079】
流動性向上剤の添加量としては、トナー母粒子100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。0.01重量部未満では流動性向上に効果はなく、5重量部を超えるとカブリや文字のにじみ、機内飛散を助長する。
【0080】
本発明のトナーの製造方法は、上述のごとく結着樹脂を製造した後、基本的には次の各工程よりなる。
(1)原料の均一混合工程
結着樹脂と着色剤、荷電制御剤等の添加剤を、所定量、ヘンシェルミキサー20B(三井鉱山(株))等の混合機に投入し、均一混合する。
(2)結着樹脂中への各添加剤の分散固定化工程
均一に混合した後、二軸混練押出機(池貝化成(株)製PCM−30)を使用して溶融混練し、結着樹脂中に各添加剤を分散固定化する。溶融混練手段としては、他に「TEM−37」(東芝機械(株))、「KRCニーダー」((株)栗本鉄工所)等の連続式混練機や加熱・加圧ニーダーのようなバッチ式混練機等が挙げられる。
(3)粉砕工程
混練物を粗粉砕して粒度調整をした後、ジェット粉砕機「200AFG」(ホソカワミクロン(株))または「IDS−2」(日本ニューマチック工業(株))を使用し、ジェットエアーによる衝突粉砕により、微粉砕し、平均粒子径1〜8μmのものとする。粉砕手段としては他に、機械式粉砕機ターボミル(川崎重工(株))、スーパーローター(日清エンジニアリング(株))等が挙げられる。
(4)分級工程
微粉を除去し、粒径分布のシャープ化を目的として、風力又はローター回転による粒度調整を風力分級装置「100ATP」(ホソカワミクロン(株))又は「DSX−2」(日本ニューマチック工業(株))又は「エルボージェット」(日鉄鉱業(株))等を使用して行なう。
(5) 外添処理工程
得られた着色樹脂粒子と流動化剤を、所定量ヘンシェルミキサー20B(三井鉱山(株))に投入し均一混合し、トナーとする。
【0081】
このようにして得られるトナーとして、平均粒径は、3〜10μm、好ましくは5〜8μmとするとよく、これにより高精細化を可能とする。また、例えば熱風処理等により円形度を、0.93〜1.00、好ましくは0.95〜0.99のものとするとよく、流動性、クリーニング性に優れるものとできる。
【0082】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、明細書や実施例で記載する各種評価手法は下記の通りである。
(1) 定着試験
コニカ株式会社製「カラーレーザープリンタ KL−2010」を使用して画像形成した。但し、定着操作は、プリンタから熱ローラからなる定着器(定着ユニット)を取り外し、外部駆動装置により独立して駆動可能とし、定着ニップ時間を調整できるように改造した定着器を使用した。また、紙上のトナー画像に接する側のローラ(定着ローラ)の表面温度は100℃から200℃まで制御できるように改造した。
【0083】
また、定着ローラ表面にシリコーンオイルを塗布する塗布手段は取り外し、また、印字されていないA4サイズ白紙を1,000枚通紙させ、さらに、定着ローラ表面をイソプロピルアルコールにより清掃し、ローラ表面からシリコーンオイルを除去した。また、以後、定着性評価用画像を定着器に通過通紙する毎に定着ローラ表面をイソプロピルアルコールにより清掃し、さらに綿布にて乾拭きし、定着ローラ表面にシリコーンオイルの無い状態を維持した。定着ローラ表面からシリコーンオイルを除去した定着器を使用して、定着性評価用画像をニップ幅8mm、通過時間50msecの条件にて定着した。
【0084】
なお、定着評価用画像は、紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製PPC用紙「P紙」)先端から10mmの位置に20mm四方の領域に均一にトナーを付着させたいわゆるベタ画像であり、トナー付着量は0.4mg/cmに調整した。
【0085】
(2) 非オフセット領域
定着ローラの表面温度を段階的に変化させながら、未定着の画像サンプルを通紙し、画像、またはその一部が通紙時に定着ローラに転移した後、後続の紙に移行しているか否かを目視で判定した。紙への移行のあるものをオフセットあり、ないものをオフセットなしとした。
【0086】
(3) 折れ剥れ強度
上記の非オフセット領域を確認した後、定着サンプルの定着像が内側になるように十字に折り曲げ、この折り曲げサンプルを、加熱していない定着器に一度通過させた。この際、定着ローラの回転速度は740rpmに設定した。
【0087】
折り曲げサンプルを元の状態に広げ、定着像の部分をガーゼを巻き付けた冶具(φ50mmの円筒形、重量500g)にて3回擦り、十字に折り曲げた中心部の画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定した。画像濃度残存率70%以上の温度領域を定着強度良好域とした。
【0088】
(4) 分子量分布
トナー(バインダー)5mgを5gのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターに通した。こうして得られたTHF可溶分を、GPCを用いて、下記条件にて測定した。
カラム : 昭和電工株式会社製「Shodex(GPC)KF806M+KF802.5」
カラム温度: 30℃
溶媒 : THF
流速 : 1.0ml/min.
検出器 : UV検出器(検出波長254nm)、ただし、ポリエステルポリオールの分子量測定に際してはRI検出器を使用
標準試料 : 単分散ポリスチレン標準試料(重量平均分子量580から390万)。
【0089】
(5) ガラス転移点(Tg)
トナー(バインダー)10mgをアルミニウム製セルにパッキングし、株式会社島津製作所製「自動示差走査熱量計 DSC−60A」を用いて、下記条件にて測定した。
測定温度:0〜200℃
昇温速度:10℃/min.
Tg :2度目の昇温時のDSC曲線より読み取った。
【0090】
(6) フロー軟化点(Tm)
トナー(バインダー)1.0gを加圧成形したペレット状のサンプルを作製し、株式会社島津製作所製「定荷重押出型細管式レオメータ フローテスタ CFT−500D」を用いて、下記条件にて測定した。
昇温速度 :5℃/min.
シリンダ圧力:2.0MPa
ダイ穴径 :1.0mm
ダイ穴長 :1.0mm
Tm算出法 :1/2法。
【0091】
(7) トナー粒径
「粒径」という場合「平均粒径」を意味し、ベックマンコールター社製「マルチサイザーIII 型」を用い、100μmのアパチャーチューブで粒径別相対重量分布を測定することにより求めた。なお、シリカ粒子等の外添剤の粒径は、電子顕微鏡法による。
【0092】
(8) 帯電量(μc/g)
トレックジャパン株式会社製「吸引式小型紛体帯電量測定装置 210HS」を使用し、トナー粒子の帯電量を測定した。測定時における温度は26℃、湿度は52%RHであった。
【0093】
(9) 耐久性
カラーレーザープリンタ「セイコーエプソン株式会社製 LP−3000C」の現像器にトナーをセットした後、無補給でエージングを行い、部材へのフィルミングが発生するまでの時間を測定した。
【0094】
(10) 粉砕性
トナーバルク(混練物)をジェット粉砕機「日本ニューマチック(株)製「ラボジェットLJ」に投入して、一定条件下(粉砕圧0.6MPa)にして微粉砕し、得られた微粉の平均粒径を、下記の3段階で評価した。
○ :6μm以上、10μm未満
△ :10μm以上、15μm未満
× :15μm以上。
【0095】
(11) 水酸基価
予想される水酸基価に応じて、試料を秤量し、JIS K0070に準拠して測定した。
【0096】
(12) 酸価
予想される酸価に応じて、試料を秤量し、JIS K0070に準拠して測定した。
【0097】
(実施例1)
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート34.6重量部を秤量し、イソシアネート成分とした。次いで、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル(日本油脂株式会社製ユニオールDA−400:OH基価276mgKOH/g)57.2重量部と、ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学株式会社製プラクセル205:OH基価212mgKOH/g、酸価0.1mgKOH/g、数平均分子量540)8.3重量部を120℃にて加温溶解し、ポリオール成分を調製した。
【0098】
イソシアネート成分とポリオール成分を120℃の加温下にて混合溶解し、速やかに200mm×300mmのトレーに流し込み、これを大気炉に投入、120℃で1時間保持した後、130℃で5時間保持して反応を完結させ、ポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)2.83×104、数平均分子量(Mn)1.14×104、Mw/Mn2.5であり、Tgは60℃、Tmは116℃であった。
【0099】
続いて、トナーの製造方法について説明する。ポリウレタン樹脂93.0重量部、シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)6.0重量部、帯電制御剤(オリエント化学株式会社製 BONTRON E−84)1.0重量部を、二軸混練機を用いて混練し、冷却後、ハンマーミル、さらにジェットミルにて粉砕した。分級後の平均粒径は8.8μmであった。粉砕性は○であった。
【0100】
この粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(粒径20nm)を1.0重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合撹拌して、青色トナーを得た。このトナーは、非オフセット域:120〜190℃、折れ剥がれ強度良好域(折れ剥がれ強度70%以上の定着温度領域):140〜190℃、耐久性:5Hr、帯電量:−9.8μC/gであった。
【0101】
(実施例2〜実施例6)
表1に、実施例2〜実施例6における原料化合物、その使用量、また、顔料、帯電制御剤、ワックス、その使用量を記載し、表2に、実施例2〜実施例6で得られた結着樹脂の諸物性、表3に非オフセット域、折れ剥がれ強度良好域(折れ剥がれ強度70%以上の定着温度領域)、耐久性、トナーとした際の粉砕性についての測定結果を示す。なお、実施例2においては、ワックスは、トナーの製造段階で顔料、帯電制御剤と共にポリウレタン樹脂と混練した以外は、実施例1と同様にしてトナーを作製し、同様に評価した。
【0102】
【表1】
Figure 2004151418
【0103】
(表中、略称の説明)
MDI:ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート
DA400:商品名;日本油脂(株)製ユニオールDA−400(ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル)
DB400:商品名;日本油脂(株)製ユニオールDB−400(ポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテル)
DA350:商品名;日本油脂(株)製ユニオールDA−350(ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル)
PCL:ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学株式会社製プラクセル205:OH基価212mgKOH/g、酸価0.1mgKOH/g、数平均分子量540)
PBA:ポリ(ブチレンアジペート)(OH基価160mgKOH/g、酸価0.1mgKOH/g、数平均分子量710)
WAX:商品名;日本ワックス株式会社製精製カルナウバワックス
【0104】
【表2】
Figure 2004151418
【0105】
【表3】
Figure 2004151418
【0106】
(比較例1)
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート33.3重量部を秤量し、イソシアネート成分とした。次いで、ポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテル(日本油脂株式会社製ユニオールDB−400:OH基価280mgKOH/g)66.7重量部を秤量し、ポリオール成分とした。
【0107】
イソシアネート成分とポリオール成分を120℃の加温下にて混合溶解し、速やかに200mm×300mmのトレーに流し込み、これを大気炉に投入、120℃で1時間保持した後、130℃で5時間保持して反応を完結させ、ポリウレタン樹脂を得た。得られた、ポリウレタン樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)1.56×104、数平均分子量(Mn)0.58×104、Mw/Mn2.7であり、Tgは72℃、Tmは115℃であった。
ポリウレタン樹脂を用いて、実施例1と同様の方法にてトナーを作製し、青色トナーを得た。粉砕性は△であった。このトナーは、耐久性:5Hr、帯電量:−6.7μC/g、非オフセット域120〜170℃であったが、折れ剥がれ強度良好域は160〜170℃と不十分なものであった。
【0108】
【発明の効果】
本発明の粉砕トナーは、低温定着性、耐オフセット性、トナーとしての耐久性、保存安定性を維持しつつ、製造段階での粉砕性や紙等の記録媒体への定着強度、折れ剥がれ強度に優れ、また、負帯電性に優れる粉砕トナーであり、また、その製造方法は無溶剤下で行うことができ、溶液重合のごとく溶剤を必要としなく、また、重縮合反応のごとく副生物を生じないので効率のよい連続生産が可能である。

Claims (5)

  1. イソシアネート基を2個以上含有する化合物と、該イソシアネート基と反応可能な活性水素を2個以上含有する化合物とのバルク重合により得られ、ウレタン結合あるいはウレア結合を主鎖に有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000のポリマーを結着樹脂として含有する粉砕トナーにおいて、前記活性水素を2個以上含有する化合物が、少なくとも下記式(1)で表される化合物と、炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖をその構成成分として含有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が360〜1,000のポリエステルポリオールとからなることを特徴とする粉砕トナー。
    Figure 2004151418
    (式中、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、同一でも相違していてもよく、x、yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜12である。)
  2. ポリエステルポリオールにおける水酸基価が120〜300mgKOH/gであることを特徴とする請求項1記載の粉砕トナー。
  3. 活性水素を2個以上含有する化合物における組成比(モル比)が、式(1)で表される化合物:ポリエステルポリオール=98:2〜60:40であることを特徴とする請求項1記載の粉砕トナー。
  4. ポリマーにおける重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.5〜20であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つ記載の粉砕トナー。
  5. イソシアネート基を2個以上含有する化合物と、少なくとも下記式(1)で表される化合物と炭素数4〜20の直鎖アルキレン鎖をその構成成分として含有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が360〜1,000のポリエステルポリオールとからなる前記イソシアネート基と反応可能な活性水素を2個以上含有する化合物とを、無溶剤下でバルク重合させ、ウレタン結合あるいはウレア結合を主鎖に有し、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたときの数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000のポリマーとした後、着色剤を混練し、粉砕、分級することを特徴とする粉砕トナーの製造方法。
    Figure 2004151418
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