JP2011150320A - 静電荷像現像用トナーの製造方法及びトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナーの製造方法において、該結着樹脂が長鎖(メタ)アクリル酸エステルを重合する第1工程、第1工程において得られた重合体の存在下に単量体を重合する第2工程を経て製造され、トナーの融点(Tm)より20℃高い温度及び1Hzにおける第1工程で得られた重合体の貯蔵弾性率をG'(Tm+20)とした場合、下記式(1)の条件を満たすことを特徴とする静電荷像現
像用トナーの製造方法を用いることにより解決した。
G’(Tm+20)≦1×103 [Pa] (1)
【選択図】 なし
Description
懸濁重合法は、重合性単量体、重合開始剤、着色剤などを成分とする組成物を水系媒体中に懸濁分散した後に重合してトナー粒子を製造する方法である。乳化重合凝集法は、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中に重合性単量体を乳化し、攪拌下に重合性単量体を重合して重合体一次粒子を得て、これに着色剤並びに必要に応じて帯電制御剤等を添加して重合体一次粒子を凝集させ、さらに得られた凝集粒子を熟成させてトナー粒子を製造する方法である。また、溶解懸濁法は結着樹脂を有機溶剤に溶解し、着色剤などを添加分散して得られる溶液相を、分散剤等を含有した水相において機械的な剪断力で分散し液滴を形成し、液滴から有機溶剤を除去してトナー粒子を製造する方法である。
乳化重合凝集法は、重合性単量体の重合とトナー粒子の造粒とを製造工程内で行うため、別途製造した結着樹脂を用いて造粒する溶解懸濁法に比べてトナー製造に要するエネルギーが小さい利点があり、また、小粒径トナーを調整し易く、粒度分布や粒径の制御が行い易い。
その目的を達成するため、オフセット防止剤としてワックスが使用されている。しかしながら、トナー中のワックス含有量には限界があり、過剰に使用するとトナーからの漏れ
出しが発生し、耐ブロッキング性を悪化させてしまう。その為、ワックスによる低温定着性の改良には限界がある。
これら結晶性ポリエステル樹脂を、相溶性の悪い非晶性樹脂に分散含有させた場合、たとえば非晶性樹脂がスチレン系樹脂の場合、結晶性ポリエステル成分の分散ドメインが充分に小さく分散しないため、得られたトナーは結晶性樹脂の欠点である脆性や現像時に部材への付着性が発現したり、また加熱時の弾性が急激に低下するために、定着の温度幅が非常に小さくなったりする問題があった。
これら結晶、非晶性ポリエステル樹脂をそれぞれ水中に微小に分散したものを混合する場合は、非晶性ポリエステル樹脂を水中に分散するのに過大なエネルギーや有機溶剤の助力が必要となるのでコストが高くなり、分散助剤にアルカリを使用すると、加水分解により性能が劣化するなどの問題があった。さらに、この非晶性ポリエステル樹脂が良好な定着性を得るように分子量を設計するのに従来多く使用されてきた錫系触媒には環境を汚染する欠点があり、良好な定着性を補佐して安全な樹脂が得られていない現状である。
1.少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナーの製造方法において、該結着樹脂が長鎖(メタ)アクリル酸エステルを重合する第1工程、第1工程において得られた重合体の存在下に単量体を重合する第2工程を経て製造され、トナーの融点(Tm)より20℃高い温度及び1Hzにおける第1工程で得られた重合体の貯蔵弾性率をG'(Tm
+20)とした場合、下記式(1)の条件を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
2.少なくとも第1工程の重合時にアゾ系開始剤を用いることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
3.第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルが、高圧機械乳化されてなるものであることを特徴とする前記1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
4.第1工程において得られた長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体が、結着樹脂中、1質量%以上、50質量%以下含まれることを特徴とする前記1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
5.第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルが、エステル部分の炭素数の平均が18以上であることを特徴とする前記1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
6.第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルが、エステル部分の炭素数が12以上の成分が50個数%以上であることを特徴とする前記1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
7.前記1乃至6のいずれかに記載の方法で製造された静電荷像現像用トナー。
8.トナーの融点(Tm)が、Tm≦100℃であることを特徴とする前記7に記載の静電荷
像現像用トナー。
9.トナーの融点(Tm)が、Tm≧40℃であることを特徴とする前記7又は8に記載の静電荷像現像用トナー。
湿式法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶融懸濁法等の方法が挙げられる。
懸濁重合法としては、通常、結着樹脂モノマーに着色剤、ワックスを溶解させた後、そのモノマー溶液を水性媒体中で機械的せん断力によりモノマー滴として懸濁させ、重合を行って得られる。
溶融懸濁法としては、通常、溶媒中に結着樹脂、ワックス等を溶解して油相を得、その油相を水系媒体中に油滴として懸濁させた後、溶媒を除去して得られる。
において得られた重合体の存在下に、単量体を重合する第2工程を経て製造される。
第1工程は、単量体(長鎖(メタ)アクリル酸エステル)溶液を調製し、この単量体溶
液を水系媒体(例えば、界面活性剤水溶液)中に油滴分散させた後、この系を重合処理することにより、樹脂粒子の分散液を調製するものである。また、必要に応じて単量体にワックス等の結晶性物質を溶解させて単量体溶液を調整してもよい。
子の存在下で単量体を重合処理することにより、樹脂粒子を形成するものである。
本発明の結着樹脂を得る第1工程と第2工程において用いられる単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよい。
本発明では、結着樹脂を第1工程、第2工程を経て得、さらに第1工程で得られた重合体が特定の貯蔵弾性率であることにより低温定着性及び耐ブロッキング性、光沢に優れた静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することができる。
とした場合、下記式(1)の条件を満たすことが必須である。
G’(Tm+20)≦1×103 [Pa] (1)
また、G’(Tm+20)≦1×102Paであることがさらに好ましい。さらには、G’(Tm+20)≦5×101Paであることが最も好ましい。G’(Tm+20)の下限は、結着樹脂が溶融し、測定機の測定限界値となるため特に限定されない。
また、明らかではないが、長鎖(メタ)アクリル酸エステルを最初に重合することにより、単一の融点を持つ重合体が得られる。その後に、第2工程として単量体を重合するため、長鎖(メタ)アクリル酸エステルと単量体の共重合により生成すると考えられる低融点成分の生成を抑えることができる。この低融点成分の生成が抑えられることで低温定着性及び耐ブロッキング性に特に優れたトナーを得ることができるのである。
本発明において、長鎖(メタ)アクリル酸エステルは単独でも、混合して用いても良いが、長鎖(メタ)アクリル酸エステルのエステル部分の炭素数の平均が、トナー融点を好ましい範囲とするために、18以上であることが好ましく、19以上であることが更に好ましく、20以上であることが特に好ましい。
、10質量%以上であることが特に好ましい。また、100質量%であってもよい。
長鎖(メタ)アクリル酸エステルのエステル部分の炭素数は、DSCやNMR等で測定することが可能である。
本発明に用いる長鎖(メタ)アクリル酸エステルは、ベヘニルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ミスチリルアクリレート、ミスチリルメタクリレート、イコシルアクリレート、イコシルメタクリレート、テトラコシルアクリレート、テトラコシルメタクリレート等のエステル部分の炭素数が14以上、特には18以上、更には20以上の単量体が低温定着を達成するために好ましい。
本発明の第2工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体の量は、結着樹脂100質量部中に1質量部以上になるように仕込むことが好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上である。また、結着樹脂100質量部中に50質量部以下になるように仕込むこと好ましく、より好ましくは45質量部以下、さらに好ましくは、40質量部以下である。結着樹脂中の長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体の含有量が少なすぎると、低温定着性等の性能が十分でない場合があり、多すぎると、定着画像強度が悪化し、折り曲げや引っかきによって画像欠損が生じてしまう場合がある。
本発明の結着樹脂の製造工程である第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルは、必要に応じ、溶融、水及び界面活性剤等と混合した後に高圧機械乳化を行なうことが好ましい。また、高圧機械乳化は、ワックスと共に行ってもよい。高圧機械乳化を行うことで、長鎖(メタ)アクリル酸エステルやワックスの分散体の径を小さくすることができる。重合前の分散体の径が小さくなることで、分散体の比表面積が大きくなり、グラフト反応が進行しやすい傾向がある。
本発明に用いる高圧機械乳化に用いる装置は特に限定されないが、ポンプ圧が5MPa以
上、さらに好ましく10MPa以上の装置を用いることが好ましい。
にて乳化を行なうことが好ましい。乳化温度が低すぎると、分散体の粒径が小さくなりにくい傾向がある。
本発明の結着樹脂の製造工程である第2工程に供される単量体としては、従来トナーの結着樹脂に用いられている単量体を適宜用いることができる。
単量体としては例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性単量体、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性単量体等が挙げられる。また、塩基性単量体としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有重合性単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これら酸性単量体及び塩基性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。中でも、酸性単量体を用いるのが好ましく、より好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸であるのがよい。
本発明において、結着樹脂を製造する工程に用いられる重合開始剤は第1工程及び第2工程で特に限定されないが、必要に応じて公知の重合開始剤を用いることができ、重合開始剤を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ラジカル重合開始剤には、有機重合開始剤と無機重合開始剤があるが、過酸化水素及び有機重合開始剤が好ましく用いられる。過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機重合開始剤は、大量の使用が必要である場合があり、重合末端に親水基が生成するため、帯電特性に悪影響を与える傾向がある。
第1工程で、開始剤に由来するラジカルが、一部の長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体のアクリル酸部位における三級水素を引き抜くことにより架橋し、弾性率が上昇してしまう効果を低減している。これにより、定着時に光沢の向上が得られる。
これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシル
アンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明において乳化剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下で用いられることが好ましい。また、これらの乳化剤に、例えば、部分或いは完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の一種或いは二種以上を保護コロイドとして併用することができる。
粒径が小さすぎると、凝集工程において凝集速度の制御が困難となる場合があり、粒径が大きすぎると、凝集して得られるトナー粒子の粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
、30質量部以下である。トナー中のワックス含有量が少なすぎると、高温オフセット性等の性能が十分でない場合があり、含有量が多すぎると、耐ブロッキング性が十分でなかったり、ワックスがトナーから漏出することにより装置を汚染したりする場合がある。
本発明において、懸濁重合トナーの製造方法としては、上述の結着樹脂の単量体中に着色剤、重合開始剤、そして必要に応じてワックス、極性樹脂、荷電制御剤や架橋剤などの添加剤を加え、均一に溶解又は分散させた単量体組成物を調製する。この単量体組成物を、分散安定剤等を含有する水系媒体中に分散させる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後、分
散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行い、重合を行う。これらを洗浄・ろ過により収集し、乾燥することによりトナー母粒子を得ることができる。また、必要により外添等を行い、トナーを得ることができる。
うち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
電解質を用いないで加熱のみによって凝集を行う場合の凝集温度は、重合体一次粒子のガラス転移温度をTgとすると、(Tg−20)℃以上が好ましく、(Tg−10)℃以上が更に好ましい。また、Tg以下が好ましく、(Tg−5)℃以下が好ましい。
上述の凝集処理後の粒子凝集体表面に、必要に応じて樹脂微粒子を付着または固着した粒子を形成することも出来る。粒子凝集体表面に性状を制御した樹脂微粒子を付着または固着することにより、得られるトナーの帯電性や耐熱性を向上できる場合があり、さらには、本発明の効果を一層顕著とすることができる。
。樹脂微粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられる重合性単量体と同様なモノマーを乳化重合して得られたもの等を用いることができる。
凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子のTg以上、より好ましくはTgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくはTgより80℃高い温度以下、より好ましくはTgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
洗浄に用いる液体としては水が用いられるが、酸またはアルカリの水溶液で洗浄することもでき、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸やクエン酸等の有機酸を用いることが好ましい。また、温水や熱水で洗浄することもでき、これらの方法を併用することもできる。このような洗浄工程を経ることによって、懸濁安定剤や乳化剤、未反応の残存モノマー等を低減、除去することが出来るため好ましい。洗浄工程は、洗浄する液体を、例えば濾過、デカンテーション等することによって着色粒子を濃厚スラリー或いはウエットケーキ状とし、これに新たに洗浄するための液体を加えてトナーを分散する操作を繰り返すことが好ましい。洗浄後の着色粒子は、ウエットケーキ状で回収することが、引き続き行われる乾燥工程における取り扱いの面で好ましい。
状、機構、大きさ等をもとに、適宜最適化される。
本発明のトナー母粒子の体積中位径は、3μm以上が好ましく、さらに4μm以上がより好ましい。また、10μm以下が好ましく、さらに9μm以下がより好ましく、7μ以下が更に好ましい。
無機微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化セリウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、リン酸カルシウム等のリン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック、マグネタイト、フェライト等を用いることができる。有機微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の微粒子を用いることができる。
また、外添微粒子は、異なる二種以上を併用することもでき、表面処理されたものと表面処理されていないものを併用することや、異なる表面処理がされたものを併用することもでき、正帯電性のものと負帯電性のものを適宜組み合わせて使用することもできる。
外添微粒子の添加方法としては、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることの出来る装置による方法等が挙げられる。
本発明の外添後のトナーの融点(Tm)は、100℃以下であることが好ましく、70℃以下であることが更に好ましい。また、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることが更に好ましい。融点が本範囲であると低温定着と耐ブロッキング性を両立できる傾向にある。
ましく、10dyn/cm2以上であることが好ましい。
本発明の外添後のトナーの融点(Tm)より100℃高い温度における貯蔵弾性率をG´
(Tm+100℃)とすると、G´(Tm+100℃)は1×105dyn/cm2以下であるこ
とが好ましく、1dyn/cm2以上であることが好ましい。
であることが好ましい。
本発明の製造方法により得られる静電荷像現像用トナーは、トナーをキャリアとともに用いる二成分系現像剤、又は、キャリアを使用しない磁性もしくは非磁性一成分系現像剤のいずれの形態で用いてもよい。二成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が利用できる。
各粒子径及び円形度、電気伝導度、熱特性等は次のように測定した。
<体積平均径測定(MV)>
1ミクロン未満の体積平均径(MV)を有す粒子の体積平均径(MV)は、日機装株式会社製型式Microtrac Nanotrac150(以下ナノトラックと略す)および同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2-019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:600秒、測定回数:1回の測定条件で取り扱い説明書に記載された方法で測定した。その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04とした。
1ミクロン以上の体積中位径(Dv50)を有す粒子の体積中位径(Dv50)は、ベックマン・コールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm:以下、マルチサイザ
ーと略す)を用い、同社アイソトンIIを分散媒として、分散質濃度0.03%になるように分散させて測定した。
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。すな
わち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製、FPIA3000)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:8,000〜10,000個
以下は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
そして、HPF検出個数である8,000〜10,000個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
<熱特性>
セイコー電子工業(株)社製熱分析装置DSC220CUを用い、同社の取り扱い説明書に記載された方法で30℃から120℃まで10℃/minの速度で昇温させた際の吸熱曲線のメインピークより、融点・融解熱量・融解ピーク半値幅を測定し、続いて120℃から30℃まで10℃/minの速度で降温させた際の発熱曲線より、結晶化温度・結晶化ピーク半値幅を測定した。
重合体一次粒子分散液のTHF可溶成分を、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:東ソー社製GPC装置 HLC−8020、カラム:ポリマーラボラトリー 社製PL−gel Mixed−B 10μ、溶媒:THF、試料濃度:0.1質量%、検量線:標準ポリスチレン
トナーの損失弾性率、貯蔵弾性率を、以下の条件で測定した。
装置:TA Instruments Japan製ARES、温度条件:30℃から200℃まで4℃/minの速度で昇温プレート:パラレルプレート(直径8mm)、周波数:1Hz、測定歪の初期値:0.1%
測定試料:トナー約0.25gを熱プレス機(50℃、10kg、5min)を用いて直径約8mm高さ約5mm
の円柱状試料に成型
長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体の損失弾性率、貯蔵弾性率、粘度(複素粘性率)を、以下の条件で測定した。
装置:REOLOGICA製VAR-50、温度条件:外添後のトナー融点Tm+20℃
プレート:パラレルプレート(直径20mm)、周波数:1Hz、測定歪の初期値:2.0%
測定試料:第1工程で得たラテックスを凍結乾燥したサンプル約0.25gを熱プレス機(50℃、10kg、5min)を用いて直径約20mm高さ約1mmの円柱状試料に成型
外添後のトナー融点Tm+20℃における貯蔵弾性率が10Pa以下の長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体の粘度を、以下の条件で測定した。
装置:東京計器製のE型回転粘度計VISCONIC EHD
温度条件:外添後のトナー融点Tm+20℃、回転数:20〜100rpm
<乳化液A1の調製>
ベヘニルアクリレートを100部とし、パラフィンワックス(日本精蝋(株),HNP-9、融点82℃)25部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20D、以下20%DBS水溶液と略す)5.5部、脱塩水359部を9
0℃に加熱して、ホモミキサー(特殊機化工業社製 マークIIfモデル)を用い10分間攪拌した。次いで、90℃加熱下で、高圧乳化機(ゴーリン社製、LAB60−10TBS型)を用いて20MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し体積平均粒径(MV)が500nm以下になるまで分散して乳化液A1を作製した。最終粒径(MV)は、246nmであった。
<第1工程>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、乳化液A1 194.8部、脱塩水197部(第2工程で添加するモノマー類であるスチレンとアクリル酸ブチルの和を100部とした)を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
業製 2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩)水溶液を22.5部加えた。第一
工程で得られたラテックスの凍結乾燥品のG’(Tm+20)は8.7×10-1Paであった
。また、90℃における粘度は1200Pa・sであった。
<第2工程>
第1工程の液に、下記のモノマー類・乳化剤溶液の混合物を5時間かけて添加した。モ
ノマー類・乳化剤溶液の混合物の滴下開始と同時に、下記の開始剤水溶液1の滴下も開始した。その後、開始剤水溶液2をさらに2時間かけて添加した。その後、攪拌下で内温9℃のまま1時間保持した。
[モノマー類]
スチレン 76.3部
アクリル酸ブチル 23.7部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.3部
[開始剤水溶液1]
8%過酸化水素水溶液 17.2部
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 17.2部
[開始剤水溶液2]
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液C1を得た。これをナノトラックを用いて測定した体積平均粒径(MV)は263nmであった。重量平均分子量(Mw)は、40,000であった。
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子分散液C1 80部(固形分)を仕込み、内温26℃として、20%DBS水溶液0.05部(固形分)を加えて均一に混合した。さらに、第一硫酸鉄の5質量%水溶液(FeSO4・7H2Oとして0.53部)を5分かけて添加し、5分
間攪拌を続けて均一に混合した。続けて、シアン顔料分散液(大日精化社製 EP700)4.4部(固形分)を5分かけて添加して均一に混合した後、脱塩水100部を滴下した。この間、内温は26℃に保った。その後、43分かけて内温51℃に昇温し、更に46分かけて54℃まで昇温した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径(Dv50)を測定したところ、5.2μmであった。その後、重合体一次粒子分散液C1を5分かけて20部(固形分)添加してそのまま30分保持し、続いて20%DBS水溶液6部(固形分)を10分かけて添加してから、60分かけて95℃に昇温して30分保持した。
マルチサイザーIIIを用いて測定したトナー母粒子E1の体積中位粒径(Dv50)は5.
5μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.976であった。
協立理工株式会社サンプルミルKR−3内に、トナー母粒子E1 100部を投入し、
続いて体積平均一次粒径80nmのコロイダルシリカ2.04部、体積平均一次粒径30nmの大粒径シリカ0.36部を添加し計5分間攪拌・混合した。その後、アルミナ処理をした体積平均一次粒径250nmのチタニア粒子0.30部、体積平均一次粒径10nmの小粒径シリカ0.76部を添加して計6分間攪拌・混合し、篩別する事により現像用トナーF1を得た。現像用トナーF1の融点(Tm)は、65.3℃であった。
<重合体一次粒子分散液C2の調製>
<第1工程>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、乳化液A1 194.8部、脱塩水197部(第2工程で添加するモノマー類であるスチレンとアクリル酸ブチルの和を100部とした)を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
<第2工程>
ヘキサンジオールジアクリレートを1部に変更した以外は、同様の方法で重合体一次粒
子分散液C2を得た。これをナノトラックを用いて測定した体積平均粒径(MV)は245nmであった。重量平均分子量(Mw)は、75,000であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC2を用い、40分かけて内温51℃に昇温し、更に30分かけて53℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E2を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.5μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.971であった。
トナー母粒子E1の代わりにE2を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF2を
得た。現像用トナーF2の融点(Tm)は、66.2℃であった。
[実施例2]
<乳化液A2の調製>
組成をベヘニルアクリレート100部とし、ステアリルアクリレート100部、20質量%DBS水溶液2.2部、脱塩水798部とした以外はA1と同様の方法で、乳化液A2
を作製した。最終粒径(MV)は、360nmであった。
組成をパラフィンワックス(日本精蝋(株),HNP-9、融点82℃)100部、ステアリルアクリレート6.91部、デカグリセリンデカベヘネート(酸価3.2 水酸基価27)3.3部、20質量%DBS水溶液1.415部、脱塩水255.9部とした以外はA1と
同様の方法で、乳化液A3を作製した。最終粒径(MV)は、225nmであった。
乳化液A1の代わりに乳化液A2を71.9部及び乳化液A3を40.6部とし、水の量を246部とし、第1工程におけるトリクロロブロモメタンを0部とし、V-50水溶液濃
度を1質量%とし、第2工程におけるヘキサンジオールジアクリレートを0.7部とした以外はC1と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C3を得た。体積平均粒径(MV)は
219nmであり、重量平均分子量(Mw)は、70,000であった。
あった。
<トナー母粒子E3の製造>
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC3を用い、60分かけて内温54℃に昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E3を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.6μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.969であった。
トナー母粒子E1の代わりにE3を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF3を
得た。
[実施例3]
<重合体一次粒子分散液C4の調製>
乳化液A1の代わりに、乳化液A2を132.8部及び乳化液A3を35.9部とし、水の量を331部とし、第2工程のヘキサンジオールジアクリレートを1.0部とした以外はC1と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C4を得た。体積平均粒径(MV)は2
45nmであり、重量平均分子量(Mw)は、51,000であった。
あった。また、90℃における粘度は1420Pa・sであった。
<トナー母粒子E4の製造>
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC4を用い、30分かけて内温54℃に昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E4を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.8μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.981であった。
トナー母粒子E1の代わりにE4を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF4を
得た。
[実施例4]
<重合体一次粒子分散液C5の調製>
乳化液A2を71.8部とし、乳化液A3を40.5部とし、水の量を249部とし、第2工程のヘキサンジオールジアクリレートを0.7部とし、トリクロロブロモメタンを0.9部とした以外はC4と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C5を得た。体積平均
粒径(MV)は216nmであり、重量平均分子量(Mw)は、58,800であった。第一工程で得られたラテックスの凍結乾燥品のG’(Tm+20)は6.5×10-1Paであ
った。また、90℃における粘度は1290Pa・sであった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC5を用い、40分かけて内温54℃に昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E5を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.6μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.973であった。
<現像用トナーF5の製造>
トナー母粒子E1の代わりにE5を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF5を
得た。
<重合体一次粒子分散液C6の調製>
乳化液A1を0部とし、乳化液A3を34.4部とし、水の量を256部とし、V-50水溶液を0部とし、第2工程のヘキサンジオールジアクリレートを0.7部とした以外はC1と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C6を得た。体積平均粒径(MV)は250nmであり、重量平均分子量(Mw)は、64,000であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC6を用い、50分かけて内温55℃に昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E6を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.7μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.970であった。
<現像用トナーF6の製造>
トナー母粒子E1の代わりにE6を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF6を
得た。
<画質評価>
得られたトナーを、印刷速度210mm/s、非磁性一成分、保証枚数10000枚(5%印字時)で現像ゴムローラー、金属ブレード、帯電ローラー(PCR)で帯電する有機感光体、ベルト転写、熱定着方式を用いたベルト定着機を搭載したフルカラープリンタを用いて、印字率5%で、6000枚の連続印字を行った。
画像形成装置を用いて、印字前及び印字後の、それぞれの標準紙(OKIエクセレントホワイト)における白地部分の色差を、X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、△Eの大きさにより下記の基準で判定した。
◎(良好) :△E<0.8
○(わずかに発生):0.8≦△E<1.2
×(発生) :1.2≦△E
<定着試験>
未定着のトナー像を担持した記録紙(OKIエクセレントホワイト)を用意し、加熱ローラの表面温度を100℃から195℃まで5℃刻みで変化させ、定着ニップ部に搬送し、243mm/secの速度で排出されたときの定着状態を観察した。定着時に加熱ローラにトナーのオフセットあるいは用紙巻き付きが生じず、定着後の記録紙上のトナーが十分に記録紙に接着している温度領域を定着温度領域として求めたする。定着機は熱定着方式を用いたベルト定着機を使用して、シリコーンオイルの塗布なしで評価した。
記録紙(OKIエクセレントホワイト)への未定着トナーの付着量100%(付着量0.3〜0.4mg/cm2)の定着紙を使って、テープ剥離法よりテープ剥離強度を評価する。評価方法は、定着後の記録紙上のトナー定着範囲中央部分にメンディングテープを貼り付け、テープの上におもり(2Kg、接触面円盤直径9cm)をゆっくり1往復してから、テープを剥がした。テープ剥がした前後の画像濃度をX−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、濃度変化(テープ剥がした後の濃度/テープ剥がした前の濃度×100%)を記録する。上記記録を評価温度を5℃刻みで変化させ、濃度変化が98%を越える温度範囲を求めた。
濃度変化=98% 剥離強度不足 ×
濃度変化>98% 剥離強度 ○
記録紙(OKIエクセレントホワイト)への未定着トナーの付着量100%(付着量0.3〜0.4mg/cm2)の定着紙を使って、光沢を評価する。評価方法は、NIPPON DENSHOKU社のGlossMeter VG2000により測定する。測定時の測定角度は75°に設定した。光沢の数字が大きいほど、光沢性が高いことを示す。定着温度領域中に、最も高い光沢性を示す数字を、最大光沢値として記録する。
◎(良好) :30以上
○(実用可) :25以上30未満
△(不十分) :20以上25未満
×(使用不可):20
現像用トナー10gを内径3cm、高さ6cmの円筒形の容器に入れ、20gの荷重をのせ、50℃、40%RHの環境下に24時間放置した後、トナーを容器から取り出し、上から荷重をかけることで次の基準に基づいて凝集の程度を確認した。
◎(良好) :50g未満の荷重で崩れる。
○(実用可) :凝集しているが500g未満の荷重で崩れる。
△(不十分) :凝集しており、500g以上1500g未満の荷重で崩れる。
×(使用不可):凝集しており、1500g以上の荷重をかけないと崩れない。
ナー融点Tm+20℃における貯蔵弾性率が10Paを越えたため測定を行わなかった。
表1から明らかなように、実施例1及び3は何れも低温定着性、耐ブロッキング性、定着強度、光沢が全て良好であった。実施例2及び4は定着強度及び耐ブロッキング性では比較例1と同程度であるが、その他の光沢、定着は比較例1より良好であった。一方、貯蔵弾性率が本発明の範囲より高い比較例1は低温定着性、耐ブロッキング性、定着強度には問題ないものの、光沢が不十分である。また、第一工程での重合を実施しなかった比較例2は光沢と耐ブロッキング性は良好であったが、定着と定着強度で非常に劣っていた。
Claims (9)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナーの製造方法において、該結着樹脂が長鎖(メタ)アクリル酸エステルを重合する第1工程、第1工程において得られた重合体の存在下に単量体を重合する第2工程を経て製造され、トナーの融点(Tm)より20℃高い温度及び1Hzにおける第1工程で得られた重合体の貯蔵弾性率をG'(Tm+
20)とした場合、下記式(1)の条件を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
G’(Tm+20)≦1×103 [Pa] (1) - 少なくとも第1工程の重合時にアゾ系開始剤を用いることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルが、高圧機械乳化されてなるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 第1工程において得られた長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体が、結着樹脂中、1質量%以上、50質量%以下含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルが、エステル部分の炭素数の平均が18以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルが、エステル部分の炭素数が12以上の成分が50個数%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法で製造された静電荷像現像用トナー。
- トナーの融点(Tm)が、Tm≦100℃であることを特徴とする請求項7に記載の静電荷
像現像用トナー。 - トナーの融点(Tm)が、Tm≧40℃であることを特徴とする請求項7又は8に記載の静電荷像現像用トナー。
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