JP2015114364A - トナー、現像剤、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー、現像剤、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】結晶性樹脂を使用するトナーにおける特有の課題である、定着画像と搬送部材との接触による搬送傷を改善し、且つ、低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立したトナーの提供。
【解決手段】トナー母体粒子を含有するトナーであって、前記トナー母体粒子が、テトラヒドロフラン(THF)に不溶なポリエステル樹脂(A)を含有し、前記トナー母体粒子が、最表面に結晶性樹脂(B)を有し、前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分の示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度〔Tg1st(THF不溶分)〕が、−50℃以上20℃以下であり、前記トナーのTHF不溶分のレオメーター測定による40℃以上120℃以下における貯蔵弾性率〔G’(THF不溶分)〕が、1.0×10Pa以上3.0×10Pa以下であるトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー、現像剤、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置等において、電気的又は磁気的に形成された潜像は、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することもある)によって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、紙等の転写材上に定着される。トナー像を転写紙上に定着する定着工程においては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ローラ定着方式や加熱ベルト定着方式といった熱定着方式が広く一般に用いられている。
近年では、画像形成装置の高速化、省エネルギー化に対する市場からの要求は益々大きくなり、低温定着性に優れ、高品位な画像を提供できるトナーが求められている。トナーの低温定着性を達成するためには、トナーの結着樹脂の軟化温度を低くする必要があるが、結着樹脂の軟化温度が低いと、定着時にトナー像の一部が定着部材の表面に付着し、これがコピー用紙上に転移する、いわゆるオフセット(以下、ホットオフセットとも呼ぶ)が発生しやすくなる。また、トナーの耐熱保存性が低下し、特に高温環境下においてトナー粒子同士が融着する、いわゆるブロッキングが発生する。
これらの問題を解決する技術として、結着樹脂として結晶性樹脂を用いる技術や、結着樹脂中に結晶性樹脂を分散させる技術が、従来より広く知られている。結晶性樹脂は樹脂の融点で急峻的に軟化するため、融点以下の温度における耐熱保存性を担保しつつ、且つ、トナーが定着するために必要な温度をより低くすることが可能である。
結着樹脂として結晶性樹脂を用いる技術としては、例えば、結晶性ポリエステルをジイソシアネートで伸長させた結晶性樹脂を結着樹脂に用いたトナー(特許文献1参照)、スルホン酸基を含む不飽和結合による架橋構造を有する結晶性樹脂を用いたトナー(特許文献2参照)、及び結晶性樹脂の軟化温度と融解熱ピーク温度の比率や、粘弾特性を規定した技術(特許文献3参照)が開示されている。
しかしながら、これらの結晶性樹脂は靭性には優れるが塑性変形しやすく、例えば、現像器内での撹拌ストレスによりトナーが変形し、凝集物を形成したり、キャリアや装置内を汚染するなどの問題があった。また、結晶性樹脂は融解速度に対して再結晶化速度が遅いため、トナーの加熱時と冷却時の粘弾特性にヒステリシスが生じる。このため、熱定着直後における定着画像の表面硬度が十分に回復できず、定着画像と搬送部材との接触による搬送傷が発生するなど、耐擦性に問題があった。
また、特に広く利用されている技術として、結晶性樹脂と非晶性樹脂を併用して用いる技術が多く開示されている(例えば、特許文献4〜6参照)。これらのトナーは、非晶性樹脂中に結晶性樹脂を分散させることで、結晶性樹脂によるトナーの強度不足や、耐擦性の問題を抑制することができる。また、結晶性樹脂と非晶性樹脂との相溶性を適正化することによって、低温定着性を発現させることができる。しかしながら、結着樹脂として結晶性樹脂を用いる技術に較べて低温定着性は劣り、また、結晶性樹脂の使用量を増やすことで低温定着性は改善されるが、トナー強度や耐擦性とのトレードオフが発生する。
一方、非晶性樹脂を結着樹脂とするトナー粒子の表面に、結晶性樹脂を付着させたり、結晶性樹脂によるシェル層を設けることで、トナー強度を確保しつつ、結晶性樹脂が持つ低温定着性を効果的に発現させる技術が開示されている。
例えば、母体粒子に結晶性樹脂微粒子を外添混合し、低温定着性と耐熱保存性を両立させたトナーが開示されている(特許文献7参照)。しかし、結晶性樹脂微粒子が容易に離脱し、機内の部材を汚染したり、母体粒子自体の溶融粘度は向上しないため、近年求められるレベルでの低温定着性の発現には至っていない。
また、母体粒子の表面に結晶性樹脂からなるシェル層を設ける技術が開示されている。例えば、母体粒子の表面に結晶性樹脂をシード重合し、結晶性樹脂からなるシェル層を設けたトナー(特許文献8参照)や、シェル層として結晶性ポリエステルやウレア変性した結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナー(特許文献9、10参照)、シェル層として結晶性ポリウレタン樹脂を用いたトナー(特許文献11参照)などが開示されている。これらのいずれも、低温定着性と耐熱保存性に優れたトナーであり、コアである母体粒子自体のトナー強度がある程度確保されていたため、現像器内での撹拌ストレスによりトナーが変形し、凝集物を形成したりすることはない。しかし、トナー表面の結晶性樹脂の粘弾性ヒステリシスの影響を受け、耐擦性の問題が解消されたものではない。
したがって、結晶性樹脂を使用するトナーにおける特有の課題である、定着画像と搬送部材との接触による搬送傷を改善し、且つ、低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立したトナーの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、結晶性樹脂を使用するトナーにおける特有の課題である、定着画像と搬送部材との接触による搬送傷を改善し、且つ、低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立したトナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のトナーは、
トナー母体粒子を含有するトナーであって、
前記トナー母体粒子が、テトラヒドロフラン(THF)に不溶なポリエステル樹脂(A)を含有し、
前記トナー母体粒子が、最表面に結晶性樹脂(B)を有し、
前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分の示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度〔Tg1st(THF不溶分)〕が、−50℃以上20℃以下であり、
前記トナーのTHF不溶分のレオメーター測定による40℃以上120℃以下における貯蔵弾性率〔G’(THF不溶分)〕が、1.0×10Pa以上3.0×10Pa以下であることを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、結晶性樹脂を使用するトナーにおける特有の課題である、定着画像と搬送部材との接触による搬送傷を改善し、且つ、低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立したトナーを提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置における二成分現像手段の一例を示す概略図である。 図2は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図3は、本発明のタンデム型画像形成装置の一例を示す概略図である。 図4は、図3の各画像形成要素の拡大図である。
(トナー)
本発明のトナーは、トナー母体粒子を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記トナー母体粒子は、テトラヒドロフラン(THF)に不溶なポリエステル樹脂(A)を含有する。
前記トナー母体粒子は、最表面に結晶性樹脂(B)を有する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、トナーの結着樹脂として、ある一定のゴム弾性を有するテトラヒドロフラン(THF)に不溶な非晶性ポリエステル樹脂を用い、前記トナー母体粒子の最表面に結晶性樹脂を付着、若しくはシェル層として設けることで、トナー表面の結晶性樹脂に由来する耐擦性の悪化を、トナー母体粒子に発現するゴム弾性によって抑制できることを見出した。
また、結着樹脂として、ゴム弾性を有するTHFに不溶な前記非晶性ポリエステル樹脂と相溶性の高い樹脂を併用して用いることで、THFに不溶な前記非晶性ポリエステル樹脂自体は常温域から定着温度領域において非常に高弾性率であるにも関わらず、トナーとしては常温から耐熱保存温度の領域では高弾性率を保ちながら、定着温度領域では低弾性化することが判った。
これにより、耐擦性を確保しながら低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立できることを見出した。
<トナーの特性>
前記トナーのTHF不溶分の示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度〔Tg1st(THF不溶分)〕は、−50℃以上20℃以下である。
前記トナーのTHF不溶分のレオメーター測定による40℃以上120℃以下における貯蔵弾性率〔G’(THF不溶分)〕は、1.0×10Pa以上3.0×10Pa以下である。
このようなゴム弾性を有する、ポリエステル樹脂に由来するTHF不溶分が、トナー中に結着樹脂として含まれることによって、トナー最表面に存在する結晶性樹脂に由来する耐擦性の悪化に対して、改善の効果が初めて発揮される。
前記トナーのTHF不溶分のガラス転移温度〔Tg1st(THF不溶分)〕は、−50℃以上20℃以下であり、−30℃以上10℃以下が好ましく、−20℃以上0℃以下が特に好ましい。前記ガラス転移温度〔Tg1st(THF不溶分)〕が、−50℃未満であると、耐熱保存性が悪化し、20℃を超えると、低温定着性が悪化する傾向がある。
一方、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目における前記トナーのガラス転移温度〔Tg1st(トナー)〕としては、30℃以上60℃以下が好ましく、35℃以上50℃以下がより好ましい。本発明の前記トナーは、ガラス転移温度が低く、高いゴム弾性を有するポリエステル樹脂(A)を用いているが、トナーとしては前述の範囲であることが好ましい。前記ガラス転移温度〔Tg1st(トナー)〕が、30℃未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、60℃を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記トナーのTHF不溶分のレオメーター測定による40℃以上120℃以下における貯蔵弾性率〔G’(THF不溶分)〕は、1.0×10Pa以上3.0×10Pa以下であり、3.0×10Pa以上5.0×10Pa以下が好ましい。前記貯蔵弾性率〔G’(THF不溶分)〕が、1.0×10Pa未満であると、耐擦性や耐熱保存性が悪化し、3.0×10Paを超えると、低温定着性が悪化する。
一方、前記トナーの50℃における貯蔵弾性率〔G’(50)〕としては、5.0×10Pa以上が好ましく、3.0×10Pa以上がより好ましい。
また、前記トナーの80℃における貯蔵弾性率(G’(80))は、5.0×10Pa以上2.0×10Pa以下が好ましく、5.0×10Pa以上5.0×10Pa以下がより好ましい。
前記トナーの貯蔵弾性率をこの範囲に制御することで、耐熱保存性を担保しつつ優れた低温定着性を発現させることができる。
前記トナーのガラス転移温度と、前記トナーの貯蔵弾性率を前記より好ましい値に制御するためには、前記ポリエステル樹脂(A)と共に、前記ポリエステル樹脂(A)と相溶可能な樹脂を併用して用いることが望ましい。高いゴム弾性を有する前記ポリエステル樹脂(A)の架橋構造の間に、相溶可能な樹脂を存在させることで、高次の架橋構造を有するにも関わらず、定着温度領域では非常に溶融性に優れたトナーを得ることが可能である。
<<THF不溶分の取得方法>>
トナーのTHF不溶分を得る手段としては、溶解濾過法や、一般的なソックスレー抽出法を用いて、抽出残渣を得る方法などがあり、いずれの方法でも問題なく利用できる。
本発明では、以下に記した溶解濾過法を用いてTHF不溶分を得る。
まず、トナー1gを秤量し、100mLのTHF中に投入し、25℃の環境下にて撹拌子を用いて6時間撹拌し、トナーの可溶分が溶解した溶解液を得る。次いで、前記溶解液を目開き0.2μmのメンブランフィルターにて濾過し、濾過物を再び50mLのTHF中に投入し、撹拌子を用いて10分間撹拌する。この作業を2、3回繰り返し、得られた濾過物を、120℃、10kPa以下の環境下で乾燥させ、THF不溶分を得る。
ソックスレー抽出法を用いる場合は、トナー1質量部に対してTHF100質量部にて、6時間以上還流を行い、THF不溶分と可溶分に分取することが望ましい。
<<ガラス転移温度の測定方法>>
本発明における前記トナーのガラス転移温度、前記トナーのTHF不溶分のガラス転移温度、及び樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、Q−200(TAインスツルメント社製))を用いて測定できる。
具体的には、対象試料5.0mgをアルミニウム製サンプルパンに入れ、ホルダーユニットに載せて電気炉中にセットする。リファレンスはアルミナ10mgを用い、試料同様にアルミニウム製サンプルパンに入れて用いる。測定は、以下の手順で行う。窒素雰囲気下にて、−80℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する(この過程を昇温1回目とする)。次いで、150℃から降温速度10℃/minにて−80℃まで冷却して(降温過程)、再び昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する(この過程を昇温2回目とする)。この過程の吸発熱変化を測定し、温度と吸発熱量とのグラフを描き、DSC曲線を得ることができる。得られたDSC曲線は、Q−200システム中の解析プログラムを用いて解析を行い、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、吸熱量のエンタルピー緩和より低い温度におけるDSC曲線のベースラインの延長線と、エンタルピー緩和における最大傾斜を示す接線との交点から、対象試料のガラス転移温度を求める。
また、融点を有する試料においては、1回目の昇温時におけるDSC曲線の吸熱量ピークトップ温度を融点として求める。
<<貯蔵弾性率の測定方法>>
本発明における前記トナーの貯蔵弾性率、前記トナーのTHF不溶分の貯蔵弾性率、及び樹脂の貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(例えば、ARES(TAインスツルメント社製))を用いて測定できる。
具体的には、まず、対象試料を直径8mm、厚み1mm〜2mmのペレットに成型する。加圧成型の場合には、ペレット内部に空隙が発生しないように十分に加圧を行う。また、必要に応じて試料を加熱溶融させながら成型する。得られた試料は、装置内にセットされた直径8mmのパラレルプレートに固定し、試料のガラス転移温度以上の温度でパラレルプレートに密着させた後、30℃で安定させる。測定は、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて、30℃から200℃まで昇温速度2.0℃/minで行う。
<<重量平均粒径>>
前記トナーの重量平均粒径(Dv)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、粒状度、鮮鋭性、細線再現性の優れた高品位の画像を得るには、重量平均粒径は3μm〜10μmが好ましく、4μm〜7μmがより好ましい。前記重量平均粒径が、3μm未満であると、画像の鮮鋭性や細線再現性に優れるが、トナーの流動性や転写性が悪化することがある。また、前記重量平均粒径(Dv)と個数平均分子量(Dn)との比(Dv/Dn)は、トナーの粒度分布を表し、値が1に近い程、シャープな粒度分布であることを示している。前記Dv/Dnは、鮮鋭性、細線再現性の観点から、1.20以下が好ましく、1.15以下がより好ましい。
ここで、前記トナーの重量平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、以下のようにして測定することができる。
測定機:コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)
アパーチャー径:100μm
解析ソフト:ベックマン コールター マルチサイザー 3 バージョン3.51(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンIII(ベックマンコールター社製)
分散液:10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)
分散条件:分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mLと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から重量平均粒径を求める。
<トナー母体粒子>
前記トナー母体粒子は、ポリエステル樹脂(A)を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記トナー母体粒子は、その最表面に結晶性樹脂(B)を有する。
<<ポリエステル樹脂(A)>>
前記ポリエステル樹脂(A)は、THFに不溶なポリエステル樹脂である。
前記ポリエステル樹脂(A)は、常温の環境下でゴム弾性を有する樹脂であることが好ましい。このため、前記ポリエステル樹脂(A)は、架橋構造を有し、20℃以下の低温領域にガラス転移温度(Tg)を有し、室温以上の環境下ではゴム状状態を有するような粘弾性挙動を示すことが好ましい。
また、前記ポリエステル樹脂(A)は、樹脂構造にウレタン基及びウレア基の少なくともいずれかを有することが好ましい。そうすることにより、ウレタン基又はウレア基の分子間凝集力によって、ゴム弾性に優れた樹脂が得られる。
前記ポリエステル樹脂(A)は、例えば、非線状の反応性前駆体と硬化剤との反応により得ることができる。前記ポリエステル樹脂(A)は、前記トナーの製造過程において、前記非線状の反応性前駆体と前記硬化剤を反応させながら、トナー中に前記ポリエステル樹脂(A)を導入してもよいし、前記トナーの製造とは、別途製造して用いてもよい。
前記非線状の反応性前駆体(以下、「プレポリマー」とも称する。)としては、前記硬化剤と反応可能な基を有するポリエステル樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記プレポリマーにおける前記硬化剤と反応可能な基としては、例えば、活性水素基と反応可能な基などが挙げられる。前記活性水素基と反応可能な基としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基などが挙げられる。これらの中でも、前記ポリエステル樹脂(A)にウレタン基又はウレア基を導入可能な点で、イソシアネート基が好ましい。
前記反応性前駆体は、非線状である。前記非線状とは、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかによって付与される分岐構造を有することを意味する。
前記反応性前駆体は、イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂が好ましい。
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂としては、例えば、活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。前記活性水素基を有するポリエステル樹脂は、例えば、ジオールと、ジカルボン酸と、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかとを重縮合することにより得られる。前記3価以上のアルコール及び前記3価以上のカルボン酸は、前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂に分岐構造を付与する。
前記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂(A)のTgを20℃以下に制御する観点から、炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールが好ましく、樹脂中のアルコール成分の50質量%以上使用することがより好ましい。これらのジオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物や低級(炭素数1〜3)アルキルエステル化物、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8以上20以下の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記炭素数8以上20以下の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、前記ポリエステル樹脂(A)のTgを20℃以下に制御する観点から、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、前記脂肪族ジカルボン酸を、樹脂中のカルボン酸成分の50質量%以上使用することがより好ましい。これらのジカルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、3価以上の脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記3価以上の脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したものなどが挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、3価以上の芳香族カルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物や、低級(炭素数1〜3)アルキルエステル化物、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記3価以上の芳香族カルボン酸としては、炭素数9以上20以下の3価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9以上20以下の3価以上の芳香族カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、芳香脂肪族ジイソシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)、これらの2種以上の混合物などが挙げられる。また、必要により、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
前記芳香族ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5質量%〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−及びp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、前記ジイソシアネートの変性物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等の変性MDI、イソシアネート含有プレポリマー等のウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物;これらジイソシアネートの変性物の2種以上の混合物(例えば、変性MDIとウレタン変性TDIとの併用)などが挙げられる。
これらのジイソシアネートの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましく、TDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIが特に好ましい。
前記硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物などが挙げられる。
前記活性水素基含有化合物における活性水素基としては、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレア基を形成可能な点で、アミン類が好ましい。
前記アミン類としては、例えば、ジアミン、3価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
前記芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
前記脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。
前記脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記3価以上のアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂(A)の示差走査熱量測定(DSC)による昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移温度は、本発明の条件を満たすために、−50℃以上20℃以下が好ましく、−50℃以上0℃以下がより好ましいが、この限りではない。前記ガラス転移温度が−50℃未満であると、トナーとしてのガラス転移温度が低くなり過ぎる傾向が現れ、耐熱保存性が悪化することがある。また、ガラス転移温度が20℃を超えると、低温定着性が悪化する傾向がある。
前記ポリエステル樹脂(A)のレオメーター測定による40℃以上120℃以下における貯蔵弾性率〔G’(ポリエステル樹脂(A))〕は、1×10Pa以上3×10Pa以下が好ましく、3×10Pa以上5×10Pa以下がより好ましいが、この限りではない。前記貯蔵弾性率〔G’(ポリエステル樹脂(A))〕が、1×10Pa未満であると、耐擦性や耐熱保存性が悪化する傾向がある。また、前記貯蔵弾性率〔G’(ポリエステル樹脂(A))〕が、3×10Paを超えると、低温定着性が悪化する傾向がある。
前記ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量としては、特に制限はなく、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、20,000以上1,000,000以下が好ましい。ここで、前記ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量とは、例えば、前記非線状の反応性前駆体と前記硬化剤を反応させた反応生成物の重量平均分子量である。前記重量平均分子量が、20,000未満であると、トナーの帯電性が低下したり、耐熱保存性が悪化する場合がある。前記重量平均分子量が、1,000,000を超えると、低温定着性が悪化する傾向がある。
本発明における、樹脂の分子量分布や重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製))を用いて測定できる。カラムとしては、TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)を使用する。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬工業株式会社製)にて0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いる。このTHF試料溶液を測定装置に100μL注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35mL/分間で測定する。
単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線を用いて計算を行って分子量を求める。前記単分散ポリスチレン標準試料としては、昭和電工株式会社製ShowdexSTANDARDシリーズ及びトルエンを用いる。
以下の3種類の単分散ポリスチレン標準試料のTHF溶液を作製し、上記の条件で測定を行い、ピークトップの保持時間を単分散ポリスチレン標準試料の光散乱分子量として検量線を作成する。
溶液A:S−7450 2.5mg、S−678 2.5mg、S−46.5 2.5mg、S−2.90 2.5mg、THF 50mL
溶液B:S−3730 2.5mg、S−257 2.5mg、S−19.8 2.5mg、S−0.580 2.5mg、THF 50mL
溶液C:S−1470 2.5mg、S−112 2.5mg、S−6.93 2.5mg、トルエン2.5mg、THF 50mL
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
分子量100,000以上の成分の割合、及び分子量250,000以上の成分の割合は、積分分子量分布曲線において、分子量100,000、及び分子量250,000と曲線の交点から調べることができる。
前述されるように、前記ポリエステル樹脂(A)は、前記ポリエステル樹脂(A)と相溶可能な樹脂と併用して用いられることが、低温定着性と耐熱保存性の両立性の観点から好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A)のトナー中における含有量は、特に制限は無いが、前記トナーに対して、10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A)は、構造中にウレタン基及びウレア基の少なくともいずれかを有することが好ましく、定着画像の耐擦性や、トナーの機械的耐久性、定着時の耐ホットオフセット性などの向上に効果が期待できる。特に、ウレア基は少量であっても高い効果が期待できる。
樹脂中におけるウレタン基の含有量は、1.5質量%以上15質量%以下が好ましく、2.0質量%以上8質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1.5質量%未満であると、耐擦性に対する効果が得られにくく、15質量%を超えると、低温定着性の悪化や、定着画像の光沢度の低下、帯電性の低下が発生しやすくなる。
樹脂中におけるウレア基の含有量は、0.3質量%以上5質量%以下が好ましく、1.0質量%以上3質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.3質量%未満であると、耐擦性に対する効果が得られにくく、5質量%を超えると、低温定着性の悪化や、定着画像の光沢度の低下、帯電性の低下が発生しやすくなる。
本発明におけるトナー及び樹脂中のウレタン基およびウレア基の存在の確認および含有量の定量は、窒素分析装置によって測定されるN元素量と、H−NMRによって測定されるウレタン基とウレア基の比率から算出して求めることができ、具体的には、特許第5101574号公報に記載の方法を参考にして行った。
<<その他の樹脂>>
前記トナー母体粒子は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記ポリエステル樹脂(A)と共に、その他の樹脂を含有していてもよい。
前記その他の樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂など、及び活性水素基と反応可能な官能基を有するように変性されたこれらの樹脂類が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の樹脂としては、本発明における前記トナーのガラス転移温度と、前記トナーの貯蔵弾性率を特に好ましい値に制御する観点から、前記ポリエステル樹脂(A)と相溶可能な樹脂であることが特に好ましく、前記ポリエステル樹脂(A)と相溶可能なポリエステル樹脂であることが特に好ましい。
前記相溶可能なポリエステル樹脂のガラス転移温度は、トナーのガラス転移温度の制御上の観点から、30℃以上80℃以下であることが好ましく、40℃以上75℃以下であることがより好ましい。
前記相溶可能なポリエステル樹脂としては、THFに溶解可能な線状のポリエステル樹脂が好ましい。
また、前記相溶可能なポリエステル樹脂としては、未変性ポリエステル樹脂が好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られるポリエステル樹脂であって、イソシアネート化合物などにより変性されていないポリエステル樹脂である。
前記多価アルコールとしては、例えば、ジオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸などが挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸;ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸価、水酸基価を調整する目的で、前記相溶可能なポリエステル樹脂は、その樹脂鎖の末端に3価以上のカルボン酸及び3価以上のアルコールの少なくともいずれかを含んでいてもよい。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、又はそれらの酸無水物などが挙げられる。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
前記相溶可能なポリエステル樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量が低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、帯電性、現像機内での攪拌等のストレスに対する機械的耐久性に劣る場合があり、分子量が高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合がある。GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定における重量平均分子量(Mw)は、3,000〜10,000であることが好ましく、4,000〜7,000であることがより好ましい。また、数平均分子量(Mn)は1,000〜4,000であることが好ましく、1,500〜3,000であることがより好ましい。また、Mw/Mnは1.0〜4.0であることが好ましく、1.0〜3.5であることがより好ましい。
前記相溶可能なポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜30mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、1mgKOH/g以上であることにより、トナーが負帯電性となりやすく、更には、紙とトナーの親和性が向上し、定着性が良好となる。前記酸価が、50mgKOH/gを超えると、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が低下することがある。
前記相溶可能なポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上であることが好ましい。
<<トナー母体粒子の最表面>>
本発明の前記トナーは、前記トナー母体粒子の最表面に、結晶性樹脂(B)を有する。
前記トナー母体粒子の最表面に結晶性樹脂(B)が付着していることによって、優れた低温定着性と耐熱保存性を両立することができる。前記結晶性樹脂(B)はそれ単独が前記トナー母体粒子の最表面に存在していてもよいし、その他の樹脂と共に混在して最表面に存在していてもよい。
ここで、本発明における前記結晶性樹脂(B)とは、結晶構造を持った部位を有する樹脂のことであり、X線回折装置によって得られる回折スペクトルに結晶構造に由来する回折ピークを有する樹脂を指す。
前記結晶性樹脂(B)による前記トナー母体粒子の最表面の被覆状態は、前記トナー母体粒子の最表面を完全に被覆されていなくても構わないが、被覆率(X)は高い方が好ましい。
前記被覆率(X)は、50%以上100%以下であることが低温定着性と耐熱保存性の観点から好ましく、60%以上100%以下がより好ましく、80%以上100%以下が特に好ましい。
また、前記結晶性樹脂(B)は、前記トナー母体粒子の最表面に不均一に付着していても構わないが、層厚を持ったシェル層として前記トナー母体粒子を被覆していることがより好ましい。
前記シェル層の平均厚みとしては、10nm以上200nm以下が好ましく、10nm以上50nm以下がより好ましい。前記平均厚みが10nm未満であると、低温定着性の効果が少なくなることがあり、200nmを超えると、結晶性樹脂に由来する粘弾性のヒステリシスが大きくなり、定着画像の耐擦性が悪化することがある。
前記結晶性樹脂(B)が、前記トナー母体粒子の最表面に付着されていることの確認は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて、結晶性樹脂由来の二次イオンを検出することで確認することができる。TOF−SIMSを用いると、トナーの表面から1nm〜2nmの近傍を分析することが可能である。
TOF−SIMSにより結晶性樹脂由来の二次イオンの検出を確認するためには、トナーに含まれる結晶性樹脂及び非結晶性樹脂の構造を同定する必要がある。トナーに含まれる結晶性樹脂及び非結晶性樹脂の構造は、予めGC−MS及びNMRを用いて、分析しておくことが望ましい。
本発明においては、例えば、飛行時間型二次イオン質量分析装置TRIFT−3(ULVAC−PHI社製)を用いて、以下の条件で、結晶性樹脂由来の二次イオンの検出を行う。
一次イオン源:Ga
測定面積:100μm角
二次イオン極性:負
優先分解能:質量
Ga加速電圧:15kV
試料であるトナーは、酢酸エチル中に分散させ、Ag基板上に薄くコートして分析する。また、GC−MS、及びNMRにより、前記トナー中の結晶性樹脂の構造を同定し、結晶性樹脂に由来する二次イオンの特定を行う。
前記結晶性樹脂の被覆率(X)は、トナーを四酸化ルテニウムにより染色し、走査型電子顕微鏡を用いた反射電子像の撮影によって、四酸化ルテニウムにより染色されない領域の割合から算出することができる。特に非晶性のポリエステル樹脂は、四酸化ルテニウムに染色されやすく、結晶性樹脂の部位とのコントラストが発生し、染色されにくい結晶性樹脂の部位は、暗いコントラストで観察される。撮影した画像は、画像解析処理により、結晶性部位の割合を算出し、被覆率を求める。
本発明においては、例えば、トナーを四酸化ルテニウム水溶液の蒸気雰囲気に曝して染色した試料を、走査型電子顕微鏡S−4800(株式会社日立製作所製)を用いて、加速電圧2.0kVで表面の反射電子像を撮影する。
具体的には、電子顕微鏡観察用の試料台上に、カーボンテープを用いて染色されたトナーを均一に載せ、白金蒸着を行ずに、以下の条件で、フラッシング操作を行ってから、反射電子像を撮影する。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2,000Volt
EmissionCurrent=10,000nA
WorkingDistance=6,000μm
LensMode=High Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=600
DataSize=1,280×960
ColorMode=Grayscale
次に、得られた反射電子像を用いて、トナー粒子50個について、トナー表面における結晶性樹脂部位の割合を、画像処理ソフトImage−Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を用いて算出する。まず、反射電子像の背景として写りこんでいるカーボンテープ部分を除外し、トナー粒子像を抽出する。次に、抽出されたトナー粒子像から一粒子を選択し、粒子領域のサイズ(pixel数)(ja)を求める。更に、輝度レンジを調節し、トナー粒子表面上の結晶性樹脂の領域サイズ(pixel数)(ma)を求める。これを、トナー粒子50個において、繰り返し処理を行い、50粒子の(ja)の合計(Ja)、(ma)の合計値(Ma)から、結晶性樹脂部位の割合を算出し、これを被覆率(X)とする。
前記シェル層の平均厚みは、トナーの断面切片を四酸化ルテニウムにより染色し、走査型電子顕微鏡を用いた反射電子像の撮影によってシェル層を観察し、画像解析処理により、算出することができる。
本発明においては、トナーをエポキシ樹脂で包埋して硬化させた後、支持体上に固定保持し、ウルトラミクロトームRM2265(ライカ社製)を用いて、トナーの中心近傍の断面切片を作製する。得られた断面切片を試料として用いたこと以外は、被覆率の測定と同様にして、試料を染色し、反射電子像を得る。
次に、得られた反射電子像を、画像処理ソフトImage−Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を用いて、トナー粒子のシェル層を層厚を、一粒子あたり10ヶ所測定して平均値を算出する。これを、トナー粒子10個において算出を行い、全ての平均値を、シェル層の平均厚みとする。
−結晶性樹脂(B)−
前記結晶性樹脂(B)としては、結晶性を有する樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、変性結晶性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、トナーとして好適な融点設計を行いやすく、紙への結着性に優れることから、結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂を主成分とすることが好ましい。
前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂としては、例えば、結晶性ポリエステルユニットのみからなる樹脂(単に、結晶性ポリエステル樹脂ともいう)、結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂(いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー)などが挙げられる。樹脂の機械的耐久性の観点からは、凝集エネルギーの大きいウレタン結合部位、ウレア結合部位、フェニレン部位を有するような結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂が好ましい。特に、ウレタン結合部位やウレア結合部位は、分子鎖中に存在することにより、非結晶部位やラメラ層間に大きな分子間力による擬似架橋点を形成させることができると考えられる上、紙への定着後においても紙に対して濡れやすく定着強度を高めることができるため好ましい。
前記結晶性ポリエステルユニットとしては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニット、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステルユニットが、結晶性発現の観点から好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジオール、分岐型脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール;炭素数4〜36の炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール;炭素数4〜36の脂環式ジオール;前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する);ビスフェノール類のAO付加物;ポリラクトンジオール;ポリブタジエンジオール;カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール、及びこれらの塩等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記直鎖型脂肪族ジオールのジオール全体に対する含有量は、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。含有量が80mol%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で好ましい。
前記直鎖型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
鎖炭素数が2〜36の前記分岐型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する)等の付加物(付加モル数1〜30)などが挙げられる。
前記ビスフェノール類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
前記ポリラクトンジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−ε−カプロラクトンジオールなどが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等の炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸などが挙げられる。
前記スルホン酸基又は前記スルファミン酸基を有するジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基のC1〜6)又はそのAO付加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6)等のスルファミン酸ジオールが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)、アルカリ金属(ナトリウム塩等)などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用が好ましい。
また、必要に応じて用いられる前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン等)、糖類及びその誘導体(例えば、ショ糖、メチルグルコシド等)等の炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとの共重合物等のアクリルポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸等の炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸等の炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸;ダイマー酸(2量化リノール酸)等の炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
また、必要により用いられる前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸(好ましくは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)を単独で用いることが特に好ましいが、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸等;これら芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル類等)を共重合したものも同様に好ましい。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20mol%以下が好ましい。
前記ラクトン開環重合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。
前記炭素数3〜12のモノラクトンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
また、前記ラクトン開環重合物としては、市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、ダイセル社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7等の高結晶性ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、ラセミ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間又は3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合する方法などが挙げられるが、分子量の調整の観点から前記開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
前記結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂を得る方法としては、あらかじめ末端にヒドロキシル基等の活性水素を有する結晶性ポリエステルユニットを作製し、ポリイソシアネートで連結する方法などが挙げられる。この手段を用いると樹脂骨格中にウレタン結合部位を導入することができるため、樹脂の強靭性を高めることができる。ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートとしては、前記ポリエステル樹脂(A)で例示したものと同様のものが好適に用いることができる。
前記結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂を得る方法としては、あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを別々に作製し、それらを結合させる方法、あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットのいずれかを作製し、次いで作製したユニットの存在下で、もう一方のポリマーを重合することによって結合させる方法、あるいは結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを同じ反応場で同時あるいは逐次重合させることにより得る方法が用いられる。
前記他のポリマーユニットは、非結晶性ポリエステルユニット、ポリウレタンユニット、ポリウレアユニット等が好適に用いることができる。
前記非結晶性ポリエステルユニットとしては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニットが挙げられる。前記ポリオール及び前記ポリカルボン酸については、前述の結晶性ポリエステルユニットで例示したものが使用できるが、結晶性を持たないように設計するためには、ポリマー骨格に屈曲点や分岐点を多く持たせるようにすればよく、屈曲点を持たせるには、例えば、ポリオールとして、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などのビスフェノール及びその誘導体、ポリカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を使用すればよい。また分岐点の導入には3価以上のポリオールやポリカルボン酸を使用すればよい。
前記ポリウレタンユニットとしては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットなどが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットが好ましい。
前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、前記ポリエステル樹脂において挙げた前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールと同様のものが挙げられる。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前述のジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
前記ポリウレアユニットとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレアユニット等が挙げられる。
前記ジアミンとしては、前記ポリエステル樹脂(A)で例示したものと同様のものが好適に用いることができる。
前記結晶性樹脂(B)の、示差走査熱量測定(DSC)による昇温1回目のDSC曲線から求められる融点としては、特に限定されるものではないが、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、55℃以上75℃以下が好ましく、60℃以上70℃以下がより好ましい。前記融点が、55℃より低い場合は、耐熱保存性が悪化することがあり、75℃より高い場合は、低温定着性が悪化することがある。
前記結晶性樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)としては、4,000以上100,000以下が好ましく、10,000以上80,000以下がより好ましく、30,000以上60,000以下が特に好ましい。前記重量平均分子量が、100,000を超えるような場合は、低温定着性の悪化や、画像の光沢度の低下が発生することがあり、4,000未満の場合は、定着画像の耐擦性が悪化することがある。
<<定着助剤>>
前記トナー母体粒子は、定着助剤として結晶性樹脂を含有していてもよい。
前記定着助剤としての前記結晶性樹脂は、定着温度付近において、融解するものが好ましい。このような結晶性樹脂をトナー中に含有させておくことによって、定着温度では、前記結晶性樹脂の融解に伴って結着樹脂と相溶化し、トナーのシャープメルト性を向上させ、低温定着性に優れた効果を発揮する。
前記結晶性樹脂としては、特に制限はなく、例えば、前記結晶性樹脂(B)で例示したものと同様なものを使用することができる。前記結晶性樹脂としては、特に結晶性ポリエステル樹脂(C)であることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂(C)の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上100℃以下であることが好ましい。前記融点が、60℃未満であると、前記結晶性ポリエステル樹脂(C)が低温で融解が始まりやすいため、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、100℃を超えると、低温定着性への効果があまり得られないことがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂(C)の分子量としては、特に制限はないが、前記結晶性ポリエステル樹脂(C)のオルトジクロロベンゼン可溶分によるGPC測定において、重量平均分子量(Mw)が、3,000〜30,000、数平均分子量(Mn)1,000〜10,000、Mw/Mn1.0〜10であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)5,000〜15,000、数平均分子量(Mn)2,000〜10,000、Mw/Mn1.0〜5.0であることがより好ましい。前記重量平均分子量及び前記数平均分子量が、小さすぎる場合は、耐熱保存性が悪化することがあり、逆に大きすぎると、低温定着性への効果が少なくなる。また、前記Mw/Mnが、5.0を超える場合は、トナーに十分なシャープメルト性を付与することができないことがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂(C)の酸価としては、特に制限はないが、紙と樹脂との親和性の観点から、所望の低温定着性を達成するためには、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。一方、耐高温オフセット性を向上させるには、45mgKOH/g以下が好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂(C)の水酸基価としては、特に制限はないが、所望の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには、0mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜50mgKOH/gがより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂(C)のトナー中における含有量としては、特に制限はないが、前記トナー100質量部に対して、3質量部〜20質量部が好ましく、5質量部〜15質量部がより好ましい。前記含有量が、3質量部未満であると、低温定着性への効果が乏しく、20質量部を超えると、耐熱保存性が低下したり、トナーの機械的耐久性や耐擦性が悪化することがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂(C)は、前記トナーの母体粒子の内部に分散されていることが好ましい。平均分散径としては、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、0.3μmであることが特に好ましい。1μmを超えると、結着樹脂に対する可塑効率が低下し、低温定着性が悪化したり、トナーの最表面に結晶性樹脂が露出しやすくなり、機械的耐久性や耐擦性、機内汚染性などが悪化することがある。
<<その他の成分>>
前記トナー母体粒子が含有する前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、
ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用の着色剤、マゼンダ、シアン、イエロー等のカラー用の着色剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
マゼンタ用着色剤としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合乃至混練させて製造することができる。この際、前記着色剤と樹脂との相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合乃至混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合乃至混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60℃〜90℃が特に好ましい。前記融点が40℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分間で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分間で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、前記離型剤の融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜15質量%がより好ましく、3質量%〜7質量%が特に好ましく。前記含有量が、20質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、そのような帯電制御剤としては、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業株式会社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.2質量%〜5質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量%を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤は、前記トナーの表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても前記トナーの流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、重量平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
<その他の成分>
前記トナーが含有する前記その他の成分としては、例えば、外添剤などが挙げられる。
<<外添剤>>
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等);金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン等)、疎水化された金属酸化物微粒子、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子が好適に挙げられる。
前記シリカ微粒子としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。また、前記酸化チタンとしては、例えば、P−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれもチタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれもテイカ株式会社製)などが挙げられる。前記疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれもチタン工業株式会社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも富士チタン工業株式会社製);MT−100S、MT−100T(いずれもテイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子を得るためには、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子等の親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
また、前記外添剤として、シリコーンオイルで、必要ならば熱を加えて無機微粒子を処理したシリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが使用できる。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記外添剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、100nm以下が好ましく、3nm〜70nmがより好ましい。前記個数平均粒径が3nm未満であると、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。前記個数平均粒径が70nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
前記外添剤としては、前記無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径は、1nm〜100nmが好ましく、中でも、5nm〜70nmの無機微粒子を少なくとも2種含むことがより好ましい。更に、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、前記外添剤のBET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
酸化物微粒子を含む外添剤の表面処理剤としては、例えば、ジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
前記外添剤として樹脂微粒子を用いることもできる。前記樹脂微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系重合体粒子;熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。前記樹脂微粒子の前記トナーにおける含有量は、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。
<トナーの製造方法>
本発明におけるトナーは、その製法や材料は条件を満たしていれば公知のものが全て使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、混練粉砕法や、水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法がある。前記ケミカル工法は、粉砕性が低い結晶性樹脂を容易に造粒することが可能であるので好ましい。特に、本発明におけるトナーの製造方法としては、前記トナー母体粒子の最表面に結晶性樹脂を付着、もしくは、シェル化を行う観点から、構造制御性に優れた前記ケミカル工法であることが好ましい。
前記水系媒体中にてトナー粒子を造粒するケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等;樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中にて分散乃至乳化させる溶解懸濁法;樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる転相乳化法;これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。
本発明においては、特に、結着樹脂を含むトナー組成物を、水系媒体中に分散乃至乳化して前記トナー母体粒子を造粒する方法が好ましい。また、高いゴム弾性を有する前記ポリエステル樹脂(A)を、トナー中に均一に配合することが好ましく、この観点から、前記結着樹脂及び前記反応性前駆体を含むトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散してなる油相を、水系媒体中に分散乃至乳化して前記トナー母体粒子を造粒する方法がより好ましい。
前記水系媒体中への前記油相の乳化乃至分散に際しては、必要に応じて、界面活性剤や、高分子系保護コロイド等を用いることもできる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤などが挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。前記フルオロアルキル基を有する界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤、フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級又は2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、及びこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子乃至その複素環を有するもの等のホモポリマー乃至共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類などが挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
前記トナー組成物を溶解乃至分散させて得られる油相の固形分濃度としては、40質量%〜80質量%が好ましい。濃度が高すぎると、溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらく、濃度が低すぎると、トナーの製造量が少なくなる。
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。前記混和可能な溶剤としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)などが挙げられる。
前記水系媒体の前記トナー組成物100質量部に対する使用量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常50質量部〜2,000質量部であり、100質量部〜1,000質量部が好ましい。前記使用量が50質量部未満では、前記トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。また、前記使用量が2,000質量部を超えると経済的でない。
前記水系媒体中には、無機分散剤乃至有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させていてもよく、粒度分布がシャープになるとともに分散安定性の観点で好ましい。
前記無機分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
前記有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
また、前記トナー母体粒子の最表面に結晶性樹脂(B)を付着、もしくはシェル化する観点から、前記有機樹脂微粒子を形成する樹脂として、前記結晶性樹脂(B)を用いることが特に好ましい。
これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水系媒体中への前記油相の乳化乃至分散の方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。これらの中でも、粒子の小粒径化の観点からは、高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000rpm〜30,000rpmであり、5,000rpm〜20,000rpmが好ましい。分散時の温度としては、通常、0℃〜150℃(加圧下)であり、20℃〜80℃が好ましい。
前記トナー組成物が前記反応性前駆体を有する場合、前記反応性前駆体が伸長乃至架橋反応するのに必要な前記硬化剤などを、水系媒体中で前記トナー組成物を分散する前に油相中にあらかじめ混合しておいてもよいし、水系媒体中で混合してもよい。
前記有機溶剤を、得られた乳化分散体から除去するためには、公知の方法を使用することができ、例えば、常圧又は減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
前記水系媒体中で凝集法を用いる場合は、上記の方法で得られた樹脂微粒子分散液、及び必要に応じて、着色剤分散液、離型剤などの分散液を混合し、一緒に凝集させることにより造粒される。樹脂微粒子分散液の種類は、単独でもよいし、二種類以上の樹脂微粒子分散液を加えてもよく、一度に加えてもよいし、何度かに分けて加えてもよい。その他の分散液に関しても同様である。
凝集状態の制御には、熱を加える、金属塩を添加する、pHを調整するなどの方法が好ましく用いられる。
前記金属塩としては特に制限はなく、ナトリウム、カリウム等の塩を構成する一価の金属;カルシウム、マグネシウム等の塩を構成する二価の金属;アルミニウム等の塩を構成する三価の金属などが挙げられる。
前記塩を構成する陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンが挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウムや塩化アルミニウム及びその複合体や多量体が好ましい。
また、凝集の途中や凝集完了後に加熱することで樹脂微粒子同士の融着を促進することができ、トナーの均一性の観点から好ましい。さらに、加熱によりトナーの形状を制御することができ、通常、より加熱すればトナーは球状に近くなっていく。
前記水系媒体に分散された前記トナー母体粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。
即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いてもよいし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にしてもよい。
上記のように、前記トナーの製造方法においては、前記結晶性樹脂(B)を前記トナー母体粒子の最表面に配する際に、前記ケミカル工法において、前記油相が前記水系媒体に溶解乃至分散される前に、前記水系媒体に前記結晶性樹脂(B)を微粒子状で含有させてもよい。また、前記結晶性樹脂(B)を含有しないトナー母体粒子(コア粒子)を作製した後に、前記コア粒子と前記結晶性樹脂(B)のエマルションとを混合して、前記トナー母体粒子の最表面に前記結晶性樹脂(B)を配してもよい。
得られた乾燥後のトナー粉体と帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
前記現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支、即ち、現像剤へのトナー供給と現像によるトナー消費とが行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
−芯材−
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、50emu/g〜90emu/gのマンガン−マグネシウム系材料などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜150μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。前記体積平均粒子径が10μm未満であると、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特に、ベタ部の再現が悪くなることがある。
前記トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、前記キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記二成分現像剤100質量部に対して、90質量部〜98質量部が好ましく、93質量部〜97質量部がより好ましい。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができる。
(画像形成装置、及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記アモルファスシリコン感光体としては、例えば、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD(化学気相成長、Chemical Vapor Deposition)法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有する感光体を用いることができる。これらの中でも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流又は高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適である。
前記静電潜像担持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状が好ましい。前記円筒状の前記静電潜像担持体の外径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3mm〜100mmが好ましく5mm〜50mmがより好ましく、10mm〜30mmが特に好ましい。
<静電潜像形成手段及び静電潜像形成工程>
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
<<帯電部材及び帯電>>
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材の形状としては、ローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等どのような形態をとってもよく、前記画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択することができる。
前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
<<露光部材及び露光>>
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。
前記露光部材に用いられる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段及び現像工程>
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよい。また、単色用現像手段であってもよいし、多色用現像手段であってもよい。
前記現像手段としては、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
前記現像手段内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されている。そのため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
<<転写手段及び転写工程>>
前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程としては、可視像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。
前記転写工程は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
ここで、前記記録媒体上に二次転写される画像が複数色のトナーからなるカラー画像である場合に、前記転写手段により、前記中間転写体上に各色のトナーを順次重ね合わせて当該中間転写体上に画像を形成し、前記中間転写手段により、当該中間転写体上の画像を前記記録媒体上に一括で二次転写する構成とすることができる。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
<<定着手段及び定着工程>>
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着工程は、前記定着手段により行うことができる。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記定着工程における面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/cm〜80N/cmであることが好ましい。
<<クリーニング手段及びクリーニング工程>>
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
<<除電手段及び除電工程>>
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
<<リサイクル手段及びリサイクル工程>>
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
<<制御手段及び制御工程>>
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
前記制御工程としては、前記各工程の動きを制御できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により行うことができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択した、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有する。
前記静電潜像担持体、前記静電潜像形成手段、前記現像手段、前記転写手段、前記クリーニング手段、及び前記除電手段としては、例えば、前記画像形成装置の説明において例示した、前記静電潜像担持体、前記静電潜像形成手段、前記現像手段、前記転写手段、前記クリーニング手段、及び前記除電手段がそれぞれ挙げられる。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンターに着脱可能に備えさせることができ、本発明の前記画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが特に好ましい。
ここで、図1は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いた二成分現像装置の一例を示す概略図である。この図1の二成分現像装置では、二成分現像剤がスクリュー441によって攪拌及び搬送され、現像剤担持体としての現像スリーブ442に供給される。この現像スリーブ442に供給される二成分現像剤は層厚規制部材としてのドクターブレード443によって規制され、供給される現像剤量はドクターブレード443と現像スリーブ442との間隔であるドクターギャップによって制御される。このドクターギャップが小さすぎると、現像剤量が少なすぎて画像濃度不足になり、逆にドクターギャップが大きすぎると、現像剤量が過剰に供給されて静電潜像担持体としての感光体ドラム1上にキャリア付着が発生するという問題が生じる。そこで、現像スリーブ442内部には、その周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁界発生手段としての磁石が備えられており、この磁石から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤が現像スリーブ442上にチェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。
現像スリーブ442と感光体ドラム1は、一定の間隙(現像ギャップ)を挟んで近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成されている。現像スリーブ442は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成しており、回転駆動機構(不図示)によって回転されるようになっている。磁気ブラシは、現像スリーブ442の回転によって現像領域に移送される。現像スリーブ442には現像用電源(不図示)から現像電圧が印加され、磁気ブラシ上のトナーが現像スリーブ442と感光体ドラム1間に形成された現像電界によってキャリアから分離し、感光体ドラム1上の静電潜像上に現像される。なお、現像電圧には交流を重畳させてもよい。
前記現像ギャップは、現像剤粒径の5倍〜30倍程度が好ましく、現像剤粒径が50μmであれば0.25mm〜1.5mmに設定することが好適である。これより現像ギャップ広くすると、望ましい画像濃度がでにくくなることがある。
また、前記ドクターギャップは、現像ギャップと同程度か、あるいはやや大きくすることが好ましい。感光体ドラム1のドラム径やドラム線速、現像スリーブ442のスリーブ径やスリーブ線速は、複写速度や装置の大きさ等の制約によって決まる。ドラム線速に対するスリーブ線速の比は、必要な画像濃度を得るために1.1以上にすることが好ましい。なお、現像後の位置にセンサを設置し、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図2に示すように、静電潜像担持体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図4中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図2に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナーにより現像され、現像されたトナー像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
以下の実施例における物性等は、上記明細書中に記載の方法により測定した。
(製造例1)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a1)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸42部、イソフタル酸19部、無水トリメリット酸1.5部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール57部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.2部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が14,000の[中間体ポリエステル1]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル1]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル1]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.80%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a1)]の酢酸エチル溶液を得た。
なお、前記NCO%は、三角フラスコに得られた反応性前駆体の酢酸エチル溶液2.0gを入れ、0.1Mに調整されたジブチルアミンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を15mL加えて十分に撹拌し、次いでテトラヒドロフラン(THF)85mL、及びブロモフェノールブルー液を滴下し、0.1Mに調整された塩酸のメタノール溶液にて滴定を行って算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a1)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。
前記[反応性前駆体(a1)]のアミン伸長物は、以下のようにして得た。
まず[反応性前駆体(a1)]が20%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて調整し、そこへ、撹拌しながらイソホロンジアミン(IPDA)の20%酢酸エチル溶液を、[反応性前駆体(a1)]のイソシアネート基とIPDAのアミノ基のモル比(NH/NCO)が1.1となる量を滴下し、十分に撹拌した。得られたアミン伸長物の酢酸エチル溶液を、テフロンシャーレ上にキャストし、80℃の環境下で10時間乾燥し、更に120℃、10kPa以下の環境下で減圧乾燥し、十分に溶媒を除去し、[反応性前駆体(a1)]のアミン伸長物を得た。
(製造例2)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a2)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸58部、無水トリメリット酸1.5部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール57部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.2部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が13,500の[中間体ポリエステル2]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル2]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル2]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.80%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a2)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a2)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a2)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
(製造例3)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a3)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、イソフタル酸66部、無水トリメリット酸1.5部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール51部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物15部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.3部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が13,100の[中間体ポリエステル3]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル3]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル3]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.80%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a3)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a3)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a3)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
(製造例4)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a4)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸47部、イソフタル酸13部、無水トリメリット酸1.5部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール34部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物61部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.3部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が16,700の[中間体ポリエステル4]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル4]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル4]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.80%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a4)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a4)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a4)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
(製造例5)
<ポリエステル樹脂(A)(A5)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、前記[反応性前駆体(a1)]の酢酸エチル溶液を入れ、20%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて調整し、窒素気流下にて撹拌しながらイソホロンジアミン(IPDA)の20%酢酸エチル溶液を、[反応性前駆体(a1)]のイソシアネート基とIPDAのアミノ基とのモル比(NH/NCO)が1.1となる量を滴下し、40℃の環境下で3時間撹拌した。次いで、得られた反応溶液は、酢酸エチル量が100ppm以下となるまで、50℃環境にて減圧乾燥し、ポリエステル樹脂(A)である[ポリエステル樹脂(A5)]を得た。
得られた樹脂の特性値として、[ポリエステル樹脂(A5)]のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。
(製造例6)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a6)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸46部、イソフタル酸20部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール47部、トリメチロールプロパン1.1部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.2部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が21,000の[中間体ポリエステル6]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル6]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル6]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.80%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a6)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a6)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a6)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
(製造例7)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a7)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸26部、テレフタル酸44部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール47部、トリメチロールプロパン1.1部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.2部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が19,700の[中間体ポリエステル7]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル7]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル7]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.80%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a7)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a7)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a7)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
(製造例8)
<ポリエステル樹脂(A)(A8)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸42部、イソフタル酸19部、無水トリメリット酸1.5部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール50部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.2部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら流出水が無くなるまで反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、ポリエステル樹脂(A)である[ポリエステル樹脂(A8)]を得た。
得られた樹脂の特性値として、[ポリエステル樹脂(A8)]のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。
(製造例9)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a9)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、イソフタル酸66部、無水トリメリット酸1.5部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール40部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物46部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.3部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が13,600の[中間体ポリエステル9]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル9]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル9]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.80%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a9)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a9)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a9)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
(製造例10)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a10)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,10−ドデカン二酸92部、無水トリメリット酸1.5部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール57部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.3部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が14,000の[中間体ポリエステル10]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル10]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル10]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.80%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a10)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a10)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a10)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
(製造例11)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a11)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、前記[中間体ポリエステル1]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル1]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.60%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a11)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a11)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a11)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
(製造例12)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a12)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸42部、イソフタル酸19部、無水トリメリット酸1.5部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール57部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.2部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら1時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて3時間反応させ、重量平均分子量が7,100の[中間体ポリエステル12]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル12]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル12]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.90%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a12)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a12)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a12)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
(製造例13)
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a13)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸9部、イソフタル酸56部、無水トリメリット酸1.5部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物121部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物33部、及び縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチル0.4部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら1時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて3時間反応させ、重量平均分子量が14,000の[中間体ポリエステル13]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル13]と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とを、IPDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル12]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、2.1となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、NCO%が0.80%となるまで反応させ、ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体である[反応性前駆体(a13)]の酢酸エチル溶液を得た。前記NCO%は、製造例1と同様にして算出した。
得られた樹脂の特性値として、[反応性前駆体(a13)]のアミン伸長物のガラス転移温度、並びに40℃及び120℃における貯蔵弾性率を測定し、結果を表1に示した。前記[反応性前駆体(a13)]のアミン伸長物は、製造例1と同様にして得た。
※いずれの試料においても、40℃から120℃にかけての貯蔵弾性率は、連続的に低下しており、極大値や極小値を持たないことを確認した。
(製造例14)
<ポリエステル樹脂(L1)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸3部、テレフタル酸63部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物61部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物99部、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.4部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃でまで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら5時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて1時間反応させ、180℃まで冷却させた後、無水トリメリット酸1.5部、及びテトラブトキシチタネート0.1部を入れ、常圧にて180℃で1時間反応させた後、更に5mmHg〜20mmHgの減圧下にて3時間反応させ、[ポリエステル樹脂L1]を得た。
得られた樹脂の特性値として、ガラス転移温度、及び重量平均分子量を測定し、結果を表2に示した。
(製造例15)
<ポリエステル樹脂(L2)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、アジピン酸12部、イソフタル酸53部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物129部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物25部、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.4部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃でまで昇温し、更に8時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら5時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて1時間反応させ、180℃まで冷却させた後、無水トリメリット酸1.5部、及びテトラブトキシチタネート0.1部を入れ、常圧にて180℃で1時間反応させた後、更に5mmHg〜20mmHgの減圧下にて3時間反応させ、[ポリエステル樹脂L2]を得た。
得られた樹脂の特性値として、ガラス転移温度、重量平均分子量を測定し、結果を表2に示した。
(製造例16)
<結晶性樹脂(B)(B1)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸81部、1,6−ヘキサンジオール61部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.3部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて180℃まで昇温し、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量が7,000に達するまで反応させ、[中間体ポリエステル14]を得た。
次いで、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル14]74部、1,9−ノナンジオール20部、2,2−ジメチロールプロピオン酸47部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム9部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)100部、トリエチルアミン4部、及びアセトン250部を入れ、窒素気流下にて50℃で15時間反応させた。次いで、n−ブチルアミン8部、及びトリエチルアミン31部を加え、50℃で3時間反応させ、ウレタン基とウレア基とを有する結晶性ポリエステル樹脂である[結晶性樹脂(B1)]の酢酸エチル溶液を得た。
得られた樹脂の特性値として、ガラス転移温度、重量平均分子量、ウレタン基含有量、及びウレア基含有量を測定し、結果を表3に示した。
(製造例17)
<結晶性樹脂(B)(B2)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル14]198部、2,2−ジメチロールプロピオン酸10部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム3部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)40部、トリエチルアミン8部、及びアセトン250部を入れ、窒素気流下にて50℃で15時間反応させ、ウレタン基を有する結晶性ポリエステル樹脂である[結晶性樹脂(B2)]の酢酸エチル溶液を得た。
得られた樹脂の特性値として、ガラス転移温度、重量平均分子量、ウレタン基含有量、及びウレア基含有量を測定し、結果を表3に示した。
(製造例18)
<結晶性樹脂(B)(B3)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、[中間体ポリエステル14]と、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)とを、HDIのイソシアネート基と[中間体ポリエステル14]の水酸基とのモル比(NCO/OH)が、0.60となる量を入れ、50%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて溶解した。その後、窒素気流下にて80℃まで昇温し、5時間反応させ、ウレタン基を有する結晶性ポリエステル樹脂である[結晶性樹脂(B3)]の酢酸エチル溶液を得た。
得られた樹脂の特性値として、ガラス転移温度、重量平均分子量、ウレタン基含有量、及びウレア基含有量を測定し、結果を表3に示した。
(製造例19)
<結晶性樹脂(B)(B4)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸81部、1,6−ヘキサンジオール61部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.3部を入れ、窒素気流下にて2時間かけて180℃まで昇温し、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量が20,000に達するまで反応させ、結晶性ポリエステル樹脂である[結晶性樹脂(B4)]を得た。
得られた樹脂の特性値として、ガラス転移温度、重量平均分子量、ウレタン基含有量、及びウレア基含有量を測定し、結果を表3に示した。
(製造例20)
<結晶性樹脂(B)(B5)の製造>
冷却管、撹拌機、滴下ロート及び窒素導入管を装備した反応槽中に、トルエン500部を入れた。別のガラス製ビーカーに、トルエン350部、ベヘニルアクリレート120部、2−エチルヘキシルアクリレート20部、メタクリル酸10部、及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)7.5部を仕込み、20℃で撹拌混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。
前記反応槽の気相部の窒素置換を行った後に、密閉下80℃で2時間かけて前記単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去し、結晶性ビニル樹脂である[結晶性樹脂(B5)]を得た。
得られた樹脂の特性値として、ガラス転移温度、重量平均分子量、ウレタン基含有量、及びウレア基含有量を測定し、結果を表3に示した。
(製造例21)
<結晶性樹脂(B)エマルション(E1)の製造>
水100部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7(三洋化成工業株式会社製))1.5部、及び2%水酸化ナトリウム水溶液2部を均一に混合した水相を作製した。次いで、別途容器にて結晶性樹脂(B1)50部を、酢酸エチル500部に溶解させ、得られた樹脂溶液を前記水相中に投入した。ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いてプレ分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で所望のエマルション粒径になるように条件を調整しながら乳化を行い、[乳化スラリー1]を得た。
次いで、撹拌機及び窒素導入管をセットした容器内に、前記[乳化スラリー1]を投入し、窒素気流下にて25℃で8時間かけて酢酸エチルを留去し、結晶性樹脂(B1)からなる[結晶性樹脂(B)エマルション(E1)]を得た。得られたエマルション粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定し、結果を表3に示した。
(製造例22〜25)
<結晶性樹脂(B)エマルション(E2)〜(E5)の製造>
使用する結晶性樹脂(B)を結晶性樹脂(B1)から結晶性樹脂(B2)〜(B5)に変更した以外は、製造例21と同様にして、結晶性樹脂(B2)〜(B5)からなる[結晶性樹脂(B)エマルション(E2)〜(E5)]を得た。得られたエマルション粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定し、結果を表3に示した。
(製造例26)
<結晶性樹脂(B)エマルション(E6)の製造>
エマルション粒子の体積平均粒径が、20nmになるように乳化条件を調整して乳化を行ったこと以外は、製造例21と同様にして、結晶性樹脂(B1)からなる[結晶性樹脂(B)エマルション(E6)]を得た。得られたエマルション粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定し、結果を表3に示した。
(製造例27)
<結晶性樹脂(B)エマルション(E7)の製造>
エマルション粒子の体積平均粒径が、230nmになるように乳化条件を調整して乳化を行ったこと以外は、製造例21と同様にして、結晶性樹脂(B1)からなる[結晶性樹脂(B)エマルション(E7)]を得た。得られたエマルション粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定し、結果を表3に示した。
(製造例28)
<着色剤マスターバッチ(P1)の製造>
[ポリエステル樹脂(L1)]100部、シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)100部、及びイオン交換水50部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス/日本コークス工業株式会社製)にて混練を行った。混練温度は80℃で行い、その後、120℃まで昇温し、水を除去し、樹脂と顔料の比率(質量比)が1:1である[着色剤マスターバッチ(P1)]を得た。
(製造例29)
<着色剤マスターバッチ(P2)の製造>
[ポリエステル樹脂(L2)]100部、シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)100部、及びイオン交換水50部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス/日本コークス工業株式会社製)にて混練を行った。混練温度は60℃で行い、その後、120℃まで昇温し、水を除去し、樹脂と顔料の比率(質量比)が1:1である[着色剤マスターバッチ(P2)]を得た。
(製造例30)
<ワックス分散液の製造>
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス(HNP−9(融点75℃)、日本精蝋株式会社製)20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、さらにウルトラビスコミル(アイメックス社製)にて、送液速度1.0kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、及びパス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液]を作製した。
(製造例31)
<キャリアの製造>
芯材として、Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)5,000部を用いた。被覆材として、トルエン300部、ブチルセロソルブ300部、アクリル樹脂溶液(組成比(モル比) メタクリル酸:メタクリル酸メチル:2−ヒドロキシエチルアクリレート=5:9:3、固形分50%トルエン溶液、Tg38℃)60部、N−テトラメトキシメチルベンゾグアナミン樹脂溶液(重合度1.5、固形分77%トルエン溶液)15及びアルミナ粒子(平均一次粒子径0.30μm)15部をスターラーで10分間分散して調製されたコート液を用いた。前記芯材(5,000部)と前記コート液とを流動床内において回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、前記コート液を前記芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で220℃、2時間の条件で焼成し、[キャリア]を得た。
(実施例1)
<トナー1の製造>
撹拌機、及び温度計をセットした容器内に、イオン交換水75部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル型ノニオン界面活性剤(NL450、第一工業製薬株式会社製)の10%水溶液8部、及び酢酸エチル5部を混合撹拌させて水相溶液([水相])を作製した。
次に、温度計及び攪拌機を装備した別の容器に、[ポリエステル樹脂(L1)]79部、[ワックス分散液]25部、及び[着色剤マスターバッチ(P1)]12部を入れ、固形分濃度が30%になるように酢酸エチルを加え、撹拌して十分に溶解させた。更に、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて回転数8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させた。更に、イソホロンジアミン(IPDA)を、IPDAのアミノ基と[反応性前駆体(a1)]のイソシアネート基とのモル比(NH/NCO)が、0.98となる量を入れ、TK式ホモミキサーを用いて回転数8,000rpmで15秒間撹拌し、次いで、50%酢酸エチル溶液に調整した[反応性前駆体(a1)]30部を加え、TK式ホモミキサーを用いて回転数8,000rpmで30秒間撹拌し、[油相1]を得た。
[油相1]は、調整後、即座に前記水相中に[油相1]50部を加え、液温30℃〜40℃にてTKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数12,000rpmで1分間混合し、乳化スラリーを得た。
次いで、撹拌機、窒素導入管及び温度計をセットした別の容器内に、得られた乳化スラリーを入れ、撹拌しながら50℃まで昇温し、窒素気流下にて酢酸エチルを留去し、45℃環境にて10時間静置させた後、吸引濾過して固形分を得た。
得られた固形分は、以下の(1)〜(4)の操作を行い、洗浄処理を行った。
(1)固形分にイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過し、固形分を得た。
(2)前記(1)で得られた固形分に10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過し、固形分を得た。
(3)前記(2)で得られた固形分に10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過し、固形分を得た。
(4)前記(3)で得られた固形分にイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、固形分を得た。
洗浄処理した固形分を、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmのメッシュで篩い、[コア粒子1]を作製した。コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[コア粒子1]の重量平均粒径は、5.2μmであった。
撹拌機、及び温度計をセットした容器内に、[コア粒子1]100部、及びイオン交換水200部を入れて撹拌しながら、[結晶性樹脂(B)のエマルション(E1)]を、固形分1.5部相当量([コア粒子1]100部に対して、(E1)の固形分が1.5部となる量)を加え、50℃に昇温した。イオン交換水100部に塩化マグネシウム6水和物100部を溶解した液を、少量ずつ加えながら50℃に保ち、4時間後に塩酸水溶液を加えてpH5に調整した後、2時間かけて常温まで冷却した。
その後、吸引濾過して得られた固形分100部に、イオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、固形分を得た。
得られた固形分は、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、その後目開き75μmのメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を得た。
[トナー母体粒子1]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が付着していることを確認した。
得られた[トナー母体粒子1]100部に、疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0部、及び酸化チタン(MT−150AI、テイカ社製)0.3部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、[トナー1]を作製した。
得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
<現像剤1の製造>
製造例31で製造した[キャリア]100部に対し、[トナー1]7部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、二成分現像剤である[現像剤1]を得た。
また、以上作製した二成分現像剤について、接触帯電方式、二成分現像方式、二次転写方式、ブレードクリーニング方式、及び外部加熱のローラ定着方式を採用した間接転写方式のタンデム型画像形成装置(画像形成装置A)の現像ユニットに装填して画像形成を行い、性能評価を行った。評価結果を表5に示した。
(画像形成装置A)
以下に、本発明におけるトナーの性能評価に使用した画像形成装置Aについて詳細を説明する。
図3に示す画像形成装置A(画像形成装置100)は、タンデム型カラー画像形成装置である。画像形成装置100は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング手段17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4つの画像形成手段18Y、18C、18M、18Bが対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光手段21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写手段22が配置されている。二次転写手段22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写手段22の近傍には定着手段25が配置されている。
なお、画像形成装置100においては、二次転写手段22及び定着手段25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるための反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成について説明する。
即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段18K、イエロー用画像形成手段18Y、マゼンタ用画像形成手段18M、及びシアン用画像形成手段18C)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段18K、イエロー用画像形成手段18Y、マゼンタ用画像形成手段18M、及びシアン用画像形成手段18C)は、図4に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図4中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像器61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング手段63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上の記録媒体を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録媒体の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写手段22との間に記録媒体を送出させ、二次転写手段22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該記録媒体上に転写(二次転写)することにより、該記録媒体上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング手段17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記記録媒体は、二次転写手段22により搬送されて、定着手段25へと送出され、定着手段25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該記録媒体上に定着される。その後、該記録媒体は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。なお、図3中の符号26及び27は、それぞれ定着ベルト、及び加圧ローラを示す。
定着画像と、搬送部材や排出ローラ及び搬送ローラとの接触により発生する画像搬送傷や光沢スジは、画像形成装置100においては、排出ローラ56や、反転装置28内に配置された搬送ローラや各搬送部材との接触によって発生する。
(品質評価)
以下に、本発明におけるトナー及び現像剤の品質評価の方法について詳細を説明する。
<耐擦性評価>
<<搬送傷評価>>
図3に示す画像形成装置Aに現像剤を装填し、トナーの定着下限温度より10℃高い温度に定着ベルトの温度を設定し、単色モードにて、転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)の両面上に、転写後のトナー付着量が0.40±0.1mg/cmの全面ベタ画像を、A4横方向に1ジョブあたり5枚出力のサイクルで20枚連続両面出力し、得られた定着画像表面に発生した画像搬送傷(図3、反転装置28の部材との接触によって発生する)の程度をランク見本と比較して評価を行った。評価結果は出力した20枚の画像のおもて面全ての評価結果の平均値とした。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は280mm/sで実施した。
〔評価基準〕
◎(ランク5):搬送傷が全く発生しない
○(ランク4):目視する角度によっては搬送傷がごく僅かに認識できるが、許容できる
○△(ランク3):搬送傷が僅かに認識できるが、許容できる(従来技術レベル)
△(ランク2):搬送傷がはっきりと認識でき、許容できない
×(ランク1):明らかな搬送傷が発生しており、全く許容できない
<<搬送ローラによる光沢スジ評価>>
画像形成装置Aに現像剤を装填し、トナーの定着下限温度より10℃高い温度に定着ベルトの温度を設定し、単色モードにて、転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)の片面上に、転写後のトナー付着量が0.80±0.1mg/cmの全面ベタ画像を、A4横方向に1ジョブあたり5枚出力のサイクルで20枚連続両面出力し、得られた定着画像表面に発生した搬送ローラによる光沢スジ(図3、排出ローラ56との接触によって発生する)の程度をランク見本と比較して評価を行った。耐擦性が悪いほど、排出ローラによる摺擦によって、定着画像表面が荒らされるため、光沢度が低下し、光沢スジとなる。評価結果は出力した20枚の画像全ての評価結果の平均値とした。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は280mm/sで実施した。
〔評価基準〕
◎(ランク5):光沢スジが全く発生しない
○(ランク4):目視する角度によっては光沢スジがごく僅かに認識できるが、許容できる
○△(ランク3):光沢スジが僅かに認識できるが、許容できる(従来技術レベル)
△(ランク2):光沢スジがはっきりと認識でき、許容できない
×(ランク1):明らかな光沢スジが発生しており、全く許容できない
<低温定着性評価>
画像形成装置Aに現像剤を装填し、単色モードにて、転写紙(リコービジネスエキスパート株式会社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.1mg/cmのベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着下限温度が低い程、低温定着性に優れる。
〔評価基準〕
◎:定着下限温度が100℃以下
○:定着下限温度が101℃以上110℃以下
○△:定着下限温度が111℃以上120℃以下
△:定着下限温度が121℃以上140℃以下
×:定着下限温度が141℃以上
<耐熱保存性評価>
50mlのガラス容器にトナー10gを充填し、トナー粉体の見掛け密度の変化が無くなるまで十分にタッピングし、容器に蓋をし、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度(mm)を測定し、下記基準で耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が15mm未満(△以下)であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度が25mm以上
○:針入度が20mm以上25mm未満
○△:針入度が15mm以上20mm未満
△:針入度が10mm以上15mm未満
×:針入度が10mm未満
(実施例2〜4)
<トナー2〜4の製造>
[反応性前駆体(a1)]に代えて[反応性前駆体(a2)]〜[反応性前駆体(a4)]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相2]〜[油相4]及び[コア粒子2]〜[コア粒子4]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される重量平均粒径は、[コア粒子2]は5.2μm、[コア粒子3]は5.4μm、[コア粒子4]は5.3μmであった。
[コア粒子1]に代えて[コア粒子2]〜[コア粒子4]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子2]〜[トナー母体粒子4]を得た。
[トナー母体粒子2]〜[トナー母体粒子4]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が付着していることを確認した。
[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子2]〜[トナー母体粒子4]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー2]〜[トナー4]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー1]に代えて[トナー2]〜[トナー4]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[現像剤2]〜[現像剤4]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例5)
<トナー5の製造>
実施例1と同様にして水相溶液([水相])を作製した。
次に、温度計及び攪拌機を装備した別の容器に、[ポリエステル樹脂(L1)]79部、[ポリエステル樹脂(A5)]15部、[ワックス分散液]25部、及び[着色剤マスターバッチ(P1)]12部を入れ、固形分濃度が35%になるように酢酸エチルを加え、70℃で加熱しながら撹拌して十分に混合させた。常温まで冷却した後、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて回転数8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させ、[油相5]を得た。
[油相1]に代えて[油相5]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[コア粒子5]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[コア粒子5]の重量平均粒径は、5.2μmであった。
[コア粒子1]に代えて[コア粒子5]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子5]を得た。
[トナー母体粒子5]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が付着していることを確認した。
[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子5]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー5]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー1]に代えて[トナー5]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[現像剤5]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例6及び7)
<トナー6及び7の製造>
[反応性前駆体(a1)]に代えて[反応性前駆体(a6)]〜[反応性前駆体(a7)]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相6]〜[油相7]及び[コア粒子6]〜[コア粒子7]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される重量平均粒径は、[コア粒子6]は5.4μm、[コア粒子7]は5.2μmであった。
[コア粒子1]に代えて[コア粒子6]〜[コア粒子7]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子6]〜[トナー母体粒7]を得た。
[トナー母体粒子6]及び[トナー母体粒子7]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が付着していることを確認した。
[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子6]〜[トナー母体粒子7]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー6]〜[トナー7]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー1]に代えて[トナー6]〜[トナー7]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[現像剤6]〜[現像剤7]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例8)
<トナー8の製造>
撹拌機、及び温度計をセットした容器内に、イオン交換水75部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)16部、及び酢酸エチル5部を混合撹拌させ、更に[結晶性樹脂(B)のエマルション(E1)]を、(E1)の固形分が0.71部となる量(トナー母体粒子100部に対して、(E1)の固形分が4.3部となる量)を加えて水相溶液([水相])を作製した。
次に、温度計及び攪拌機を装備した別の容器に、[ポリエステル樹脂(L1)]79部、[ワックス分散液]25部、及び[着色剤マスターバッチ(P1)]12部を入れ、固形分濃度が30%になるように酢酸エチルを加え、撹拌して十分に溶解させた。更に、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて回転数8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させた。更に、イソホロンジアミン(IPDA)を、IPDAのアミノ基と[反応性前駆体(a7)]のイソシアネート基のモル比(NH/NCO)が、0.98となる量を入れ、TK式ホモミキサーを用いて回転数8,000rpmで15秒間撹拌し、次いで、50%酢酸エチル溶液に調整した[反応性前駆体(a7)]30部を加え、TK式ホモミキサーを用いて回転数8,000rpmで30秒間撹拌し、[油相8]を得た。
[油相8]は調整後、即座に前記水相中に[油相8]50部を加え、液温30℃〜40℃にてTKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数12,000rpmで1分間混合し、乳化スラリーを得た。
次いで、撹拌機、窒素導入管及び温度計をセットした別の容器内に、得られた乳化スラリーを入れ、撹拌しながら50℃まで昇温し、窒素気流下にて酢酸エチルを留去し、45℃環境にて10時間静置させた後、吸引濾過して固形分を得た。
得られた固形分は、以下の(1)〜(4)の操作を行い、洗浄処理を行った。
(1)固形分にイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過し、固形分を得た。
(2)前記(1)で得られた固形分に10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過し、固形分を得た。
(3)前記(2)で得られた固形分に10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過し、固形分を得た。
(4)前記(3)で得られた固形分にイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、固形分を得た。
洗浄処理した固形分を、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子8]を作製した。コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子8]の重量平均粒径は、5.2μmであった。
[トナー母体粒子8]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子8]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー8]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー1]に代えて[トナー8]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[現像剤8]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例9)
<トナー9の製造>
実施例1と同様にして水相溶液([水相])を作製した。
次に、温度計及び攪拌機を装備した別の容器に、[ポリエステル樹脂(L1)]79部、[ポリエステル樹脂(A8)]15部、[ワックス分散液]25部、及び[着色剤マスターバッチ(P1)]12部を入れ、固形分濃度が35%になるように酢酸エチルを加え、70℃で加熱しながら撹拌して十分に混合させた。常温まで冷却した後、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて回転数8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させ、[油相9]を得た。
[油相1]に代えて[油相9]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[コア粒子9]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[コア粒子9]の重量平均粒径は、5.3μmであった。
[コア粒子1]に代えて[コア粒子9]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子9]を得た。
[トナー母体粒子9]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が付着していることを確認した。
[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子9]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー9]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー1]に代えて[トナー9]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[現像剤9]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例10)
<トナー10の製造>
油相の調製において、[ポリエステル樹脂(L1)]79部に代えて89部とし、50%酢酸エチル溶液に調整した[反応性前駆体(a7)]30部に代えて10部としたこと以外は、実施例8と同様にして、[油相10]及び[トナー母体粒子10]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子10]の重量平均粒径は、5.4μmであった。
[トナー母体粒子10]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子10]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー10]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー10]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤10]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例11)
<トナー11の製造>
油相の調製において、[ポリエステル樹脂(L1)]79部に代えて84部とし、50%酢酸エチル溶液に調整した[反応性前駆体(a7)]30部に代えて20部としたこと以外は、実施例8と同様にして、[油相11]及び[トナー母体粒子11]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子11]の重量平均粒径は、5.4μmであった。
[トナー母体粒子11]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子11]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー11]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー11]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤11]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例12)
<トナー12の製造>
油相の調製において、[ポリエステル樹脂(L1)]79部に代えて64部とし、50%酢酸エチル溶液に調整した[反応性前駆体(a7)]30部に代えて60部としたこと以外は、実施例8と同様にして、[油相12]及び[トナー母体粒子12]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子12]の重量平均粒径は、5.2μmであった。
[トナー母体粒子12]は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子12]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー12]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー12]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤12]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例13)
<トナー13の製造>
油相の調製において、[ポリエステル樹脂(L1)]79部に代えて44部とし、50%酢酸エチル溶液に調整した[反応性前駆体(a7)]30部に代えて100部としたこと以外は、実施例8と同様にして、[油相13]及び[トナー母体粒子13]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子13]の重量平均粒径は、5.3μmであった。
[トナー母体粒子13]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子13]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー13]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー13]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤13]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例14)
<トナー14の製造>
油相の調製において、[ポリエステル樹脂(L1)]に代えて[ポリエステル樹脂(L2)]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[油相14]及び[トナー母体粒子14]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子14]の重量平均粒径は、5.4μmであった。
[トナー母体粒子14]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子14]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー14]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー14]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤14]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例15)
<トナー15の製造>
水相の調製において、[結晶性樹脂(B)のエマルション(E1)]を(E1)の固形分が0.71部となる量加えることに代えて、[結晶性樹脂(B)のエマルション(E6)]を(E6)の固形分が0.29部となる量(トナー母体粒子100部に対して、(E6)の固形分が1.8部となる量)加えるようにしたこと以外は、実施例8と同様にして、[油相15]及び[トナー母体粒子15]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子15]の重量平均粒径は、5.0μmであった。
[トナー母体粒子15]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子15]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー15]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー15]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤15]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例16)
<トナー16の製造>
水相の調製において、[結晶性樹脂(B)のエマルション(E1)]を(E1)の固形分が0.71部となる量加えることに代えて、[結晶性樹脂(B)のエマルション(E7)]を(E7)の固形分が3.3部となる量(トナー母体粒子100部に対して、(E7)の固形分が17.4部となる量)加えるようにしたこと以外は、実施例8と同様にして、[油相16]及び[トナー母体粒子16]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子16]の重量平均粒径は、5.2μmであった。
[トナー母体粒子16]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子16]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー16]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー16]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤16]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例17)
<トナー17の製造>
水相の調製において、[結晶性樹脂(B)のエマルション(E1)]を(E1)の固形分が0.71部となる量加えることに代えて、[結晶性樹脂(B)のエマルション(E1)]を(E1)の固形分が0.37部となる量(トナー母体粒子100部に対して、(E1)の固形分が2.3部となる量)加えるようにしたこと以外は、実施例8と同様にして、[油相17]及び[トナー母体粒子17]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子17]の重量平均粒径は、5.2μmであった。
[トナー母体粒子17]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子17]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー17]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー17]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤17]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例18〜21)
<トナー18〜21の製造>
水相の調製において、[結晶性樹脂(B)のエマルション(E1)]に代えて、[結晶性樹脂(B)のエマルション(E2)]〜[結晶性樹脂(B)のエマルション(E5)]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[油相18]〜[油相21]及び[トナー母体粒子18]〜[トナー母体粒子21]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子18]〜[トナー母体粒子21]の重量平均粒径は、全て5.2μmであった。
[トナー母体粒子18]〜[トナー母体粒子21]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B2)]〜[結晶性樹脂(B5)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子18]〜[トナー母体粒子21]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー18]〜[トナー21]を作製した。
得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー18]〜[トナー21]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤18]〜[現像剤21]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例22)
<トナー22の製造>
実施例8と同様にして水相溶液([水相])を作製した。
次に、温度計及び攪拌機を装備した別の容器に、[ポリエステル樹脂(L1)]70.5部、[結晶性樹脂(B4)]10部、[ワックス分散液]25部、及び[着色剤マスターバッチ(P1)]12部を入れ、固形分濃度が30%になるように酢酸エチルを加え、撹拌して十分に溶解させた。更に、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて回転数8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させた。更に、イソホロンジアミン(IPDA)を、IPDAのアミノ基と[反応性前駆体(a7)]のイソシアネート基のモル比(NH/NCO)が、0.98となる量を入れ、TK式ホモミキサーを用いて回転数8,000rpmで15秒間撹拌し、次いで、50%酢酸エチル溶液に調整した[反応性前駆体(a7)]27部を加え、TK式ホモミキサーを用いて回転数8,000rpmで30秒間撹拌し、[油相22]を得た。
[油相8]に代えて[油相22]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー母体粒子22]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子22]の重量平均粒径は、5.2μmであった。
[トナー母体粒子22]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子8]に代えて[トナー母体粒子22]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[トナー22]を作製した。得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー8]に代えて[トナー22]を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、[現像剤22]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(実施例23)
実施例22において、画像形成装置Aに代えて、画像形成装置Aにおける静電潜像担持体、帯電装置、現像手段及びクリ−ニング装置を、プロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、着脱可能なように改造した画像形成装置Bを使用したこと以外は、実施例22と同様にして、評価を行い、結果を表5に示した。
(比較例1〜4)
<トナー23〜26の製造>
[反応性前駆体(a1)]に代えて[反応性前駆体(a9)]〜[反応性前駆体(a12)]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相23]〜[油相26]及び[コア粒子23]〜[コア粒子26]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される重量平均粒径は、[コア粒子23]は5.4μm、[コア粒子24]は5.2μm、[コア粒子25]は5.2μm、[コア粒子26]は5.1μmであった。
[コア粒子1]に代えて[コア粒子23]〜[コア粒子26]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子23]〜[トナー母体粒子26]を得た。
[トナー母体粒子23]〜[トナー母体粒子26]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が付着していることを確認した。
[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子23]〜[トナー母体粒子26]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー23]〜[トナー26]を作製した。
得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー1]に代えて[トナー23〜26]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[現像剤23〜26]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(比較例5)
<トナー27の製造>
[コア粒子1]を[トナー母体粒子1]として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー27]を作製した。
得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー1]に代えて[トナー27]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[現像剤27]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
(比較例6)
<トナー28の製造>
油相の調製において、[ポリエステル樹脂(L1)]に代えて[ポリエステル樹脂(L2)]を用い、[反応性前駆体(a1)]に代えて[反応性前駆体(a13)]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相28]及び[トナー母体粒子28]を作製した。
コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)によって測定される[トナー母体粒子28]の重量平均粒径は、5.2μmであった。
[トナー母体粒子28]については、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、トナー母体粒子の最表面に、[結晶性樹脂(B1)]に由来する微粒子が被膜化して付着しており、トナー母体粒子の最表面に均一なシェル層を形成していることを確認した。
[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子28]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー28]を作製した。
得られたトナーの処方構成を、表4−1に示した。また、特性値の評価結果を表4−2に示した。
[トナー1]に代えて[トナー28]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[現像剤28]を作製し、評価を行い、結果を表5に示した。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> トナー母体粒子を含有するトナーであって、
前記トナー母体粒子が、テトラヒドロフラン(THF)に不溶なポリエステル樹脂(A)を含有し、
前記トナー母体粒子が、最表面に結晶性樹脂(B)を有し、
前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分の示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度〔Tg1st(THF不溶分)〕が、−50℃以上20℃以下であり、
前記トナーのTHF不溶分のレオメーター測定による40℃以上120℃以下における貯蔵弾性率〔G’(THF不溶分)〕が、1.0×10Pa以上3.0×10Pa以下であることを特徴とするトナーである。
<2> ポリエステル樹脂(A)が、ウレタン基及びウレア基の少なくともいずれかを有するポリエステル樹脂である前記<1>に記載のトナーである。
<3> ポリエステル樹脂(A)の含有量が、10質量%以上30質量%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度〔Tg1st(トナー)〕が、30℃以上60℃以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> レオメーター測定による50℃における貯蔵弾性率〔G’(50)〕が、5.0×10Pa以上であり、80℃における貯蔵弾性率〔G’(80)〕が、5.0×10Pa以上2.0×10Pa以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> トナー母体粒子の最表面において、結晶性樹脂(B)がシェル層を形成している前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> シェル層の平均厚みが、10nm以上200nm以下である前記<6>に記載のトナーである。
<8> トナー母体粒子における結晶性樹脂(B)の被覆率(X)が、50%以上100%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 結晶性樹脂(B)が、結晶性ポリエステル樹脂である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 結晶性樹脂(B)が、ウレタン基及びウレア基の少なくともいずれかを有する結晶性ポリエステル樹脂である前記<9>に記載のトナーである。
<11> 結晶性樹脂(B)の、差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目における融点が、55℃以上75℃以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーである。
<12> トナー母体粒子の内部に、結晶性ポリエステル樹脂(C)を含有する前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーである。
<13> 前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含有することを特徴とする現像剤である。
<14> 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、
前記トナーが、前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<15> 静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能であって、
前記トナーが、前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
1 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング手段
18K、18Y、18M、18C 画像形成手段
21 露光手段
22 二次転写手段
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着手段
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
60 帯電器
61 現像器
62 転写帯電器
63 クリーニング手段
64 除電器
100 画像形成装置
101 静電潜像担持体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
424 現像装置
441 スクリュー
442 現像スリーブ
443 ドクターブレード
L 露光
特公平4−024702号公報 特許第3910338号公報 特開2010−077419号公報 特開2001−042568号公報 特開2001−222138号公報 特開2003−167384号公報 特開2004−212740号公報 特開2005−024784号公報 特開2005−099081号公報 特開2005−099083号公報 特開2010−047752号公報 特許第5101574号公報

Claims (15)

  1. トナー母体粒子を含有するトナーであって、
    前記トナー母体粒子が、テトラヒドロフラン(THF)に不溶なポリエステル樹脂(A)を含有し、
    前記トナー母体粒子が、最表面に結晶性樹脂(B)を有し、
    前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分の示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度〔Tg1st(THF不溶分)〕が、−50℃以上20℃以下であり、
    前記トナーのTHF不溶分のレオメーター測定による40℃以上120℃以下における貯蔵弾性率〔G’(THF不溶分)〕が、1.0×10Pa以上3.0×10Pa以下であることを特徴とするトナー。
  2. ポリエステル樹脂(A)が、ウレタン基及びウレア基の少なくともいずれかを有するポリエステル樹脂である請求項1に記載のトナー。
  3. ポリエステル樹脂(A)の含有量が、10質量%以上30質量%以下である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度〔Tg1st(トナー)〕が、30℃以上60℃以下である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. レオメーター測定による50℃における貯蔵弾性率〔G’(50)〕が、5.0×10Pa以上であり、80℃における貯蔵弾性率〔G’(80)〕が、5.0×10Pa以上2.0×10Pa以下である請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. トナー母体粒子の最表面において、結晶性樹脂(B)がシェル層を形成している請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. シェル層の平均厚みが、10nm以上200nm以下である請求項6に記載のトナー。
  8. トナー母体粒子における結晶性樹脂(B)の被覆率(X)が、50%以上100%以下である請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
  9. 結晶性樹脂(B)が、結晶性ポリエステル樹脂である請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
  10. 結晶性樹脂(B)が、ウレタン基及びウレア基の少なくともいずれかを有する結晶性ポリエステル樹脂である請求項9に記載のトナー。
  11. 結晶性樹脂(B)の、差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目における融点が、55℃以上75℃以下である請求項1から10のいずれかに記載のトナー。
  12. トナー母体粒子の内部に、結晶性ポリエステル樹脂(C)を含有する請求項1から11のいずれかに記載のトナー。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含有することを特徴とする現像剤。
  14. 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、
    前記トナーが、請求項1から12のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  15. 静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能であって、
    前記トナーが、請求項1から12のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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