JPH09325520A - 静電荷像現像用トナー及び定着方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び定着方法

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JPH09325520A
JPH09325520A JP8273797A JP8273797A JPH09325520A JP H09325520 A JPH09325520 A JP H09325520A JP 8273797 A JP8273797 A JP 8273797A JP 8273797 A JP8273797 A JP 8273797A JP H09325520 A JPH09325520 A JP H09325520A
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polyester resin
acid
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binder resin
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真明 田谷
剛 ▲瀧▼口
Takeshi Takiguchi
Ryoichi Fujita
亮一 藤田
Tetsuya Ida
哲也 井田
Hagumu Iida
育 飯田
Makoto Kanbayashi
誠 神林
Kenji Okado
岡戸  謙次
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、低温定着性,耐高温オフセ
ット性,現像性,環境安定性,貯蔵安定性等に優れてい
る静電荷像現像用トナーを提供することにある。 【解決手段】 本発明は、トナー粒子の結着樹脂は、テ
トラヒドロフラン不溶分(THF不溶分)の含有量が結
着樹脂を基準にして5.0wt%以下であり、トナー
は、ガラス転移温度が50乃至80℃であり、トナーの
温度80℃における貯蔵弾性率(G′80)が1×10
4 乃至5×106 〔dyn/cm2 〕であり、トナーの
温度80℃における貯蔵弾性率(G′80)と、トナーの
温度130℃における貯蔵弾性率(G′130 )との比
(G′80/G′130 )が10乃至5×103 であり、ト
ナーの貯蔵弾性率曲線において、温度110乃至190
℃の領域に極小値(G′min)を有することを特徴と
する静電荷像現像用トナーに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法の如き画像形成方法において形成さ
れる静電荷像の現像に用いるトナー及び該トナーのトナ
ー像を転写材に加熱加圧定着する定着方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、米国特許第2,297,
691号、同第2,357,809号明細書等に記載さ
れている如く、光導電性絶縁層を一様に帯電し、次いで
その層を露光し、静電荷像を形成し、更に静電荷像をト
ナーで現像し(現像工程)、得られたトナー像を中間転
写体を介して、又介さずに転写紙の如き転写材に転写し
(転写工程)、加熱、加圧或いは加熱加圧定着法により
転写材にトナー像を定着する(定着工程)工程を有して
いる。
【0003】この様にトナーは現像工程のみならず、転
写工程、定着工程の各工程において要求される機能を備
えていなければならない。
【0004】一般にトナーは現像装置内で機械的動作中
にうける剪断力、衝撃力による機械的な摩擦力を受け、
数千枚乃至数万枚コピー又はプリントする間に劣化しや
すい。この様なトナーの劣化を防ぐには機械的な摩擦力
に耐えうる分子量の大きな強靭な結着樹脂を用いれば良
いが、これらの結着樹脂は一般に軟化点が高く、接触定
着方式で熱効率が良いため広く用いられているヒートロ
ーラー定着方式においても、充分に定着させるためヒー
トローラーの温度を高くする必要がある。ヒートローラ
ーの温度が高いと定着装置の劣化、定着後の紙のカール
の発生、消費エネルギーの増大を招く。
【0005】さらに、この様な結着樹脂は、粉砕性が悪
いため、トナーを製造する際、製造効率が低下する。
【0006】一方、ヒートローラー定着方式は加熱ロー
ラー表面と被定着シートのトナー像面が圧接触するため
熱効率が著しく良く、低速から高速に至るまで広く使用
されている。しかしながら、加熱ローラー面とトナー像
面が接触する際、トナーが加熱ローラー表面に付着し、
付着したトナーが後続の転写材に転写される、オフセッ
ト現象が生じ易い。
【0007】特公昭55−6895号公報や特開昭56
−98202号公報に記載の如く、結着樹脂の分子量分
布の幅を広くすることによりオフセット現象を抑制する
方法もあるが、一般に樹脂の重合度が高くなり使用定着
温度も高く設定する必要がある。
【0008】更に、特公昭57−493号公報、特開昭
50−44836号公報、特開昭57−37353号公
報に記載の如く、樹脂を非線状化、又は架橋化すること
によってオフセット現象を抑制する方法;特開昭61−
213858号公報、特開平1−295269号公報、
特開平1−30061号公報、特開平1−302267
号公報、特開平3−96964号公報の如く、ポリエス
テル樹脂を金属イオン架橋化してオフセット現象を改善
する方法が提案されている。
【0009】トナーの耐オフセット性を向上させる方法
として架橋ポリマーと呼ばれる多官能性モノマーや多官
能開始剤を用いた共有結合性架橋樹脂ないし分岐性樹脂
を用いたトナー(特開平3−203746号公報、特開
平4−24648号公報に記載)や金属酸化物とポリマ
ーとを強固に結合させたイオン結合性架橋ポリマーを用
いたトナー(特開昭61−213858号公報、特開平
6−175395号公報に記載が提案されている。いず
れも耐オフセット性は向上するものの結着樹脂本来の定
着性が低下し、またポリマー分子のからみ合いが強いた
め、テトラヒドロフラン不溶分に代表される架橋による
樹脂成分が着色剤や荷電制御剤の結着樹脂への分散性を
困難なものとし、さらにトナー製造時におけるトナー混
練物の粉砕性も低下させてしまう。
【0010】一般に、最低定着温度は低温オフセットと
高温オフセットの間にあるため使用可能温度領域は最低
定着温度と高温オフセットの間である。最低定着温度を
できるだけ下げ、高温オフセット発生温度をできるだけ
上げることにより使用定着温度を下げることができると
共に使用可能温度領域を広げることができる。その結
果、省エネルギー化、高速定着化、紙のカールの発生を
防ぐことができる。また、紙のカールを抑制できること
から両面コピーを円滑におこなえ、複写機のインテリジ
ェント化、定着装置の温度コントロールの精度、許容幅
の緩和がおこなえる。
【0011】そのため、低温定着性及び高温オフセット
性の良いトナーが望まれている。
【0012】また、近年の複写機及びプリンターの小型
化、コンパクト化から現像機内の温度は上昇しやすく、
トナーの高温における保存性はこれまで以上のものが望
まれており、さらには、高品位画像出力のため、安定し
た現像性と良好な転写性を同時に十分に満足するトナー
が待望されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のトナーにおける諸問題を克服した優れた電子写真特性
及び定着性を有する静電荷像現像用トナーを提供するこ
とにある。
【0014】本発明の目的は、十分な耐オフセット性を
有しつつ、より低い定着温度で定着できる静電荷像現像
用トナーを提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、高温高湿下や低温低
湿下の各環境条件の下、安定な帯電特性を有し、静電荷
像に対して極めて忠実な現像を可能にする静電荷像現像
用トナーを提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、高温下における長期
間の放置に対し、凝集を起こさず放置前の状態と同様な
現像性を有する静電荷像現像用トナーを提供することに
ある。
【0017】本発明の他の目的は、極めて良好な転写性
を有する静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、着色剤の分散性が極
めて良好でトナーのカバーリングパワー(隠ぺい力)に
優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、定着温度領域の広い
加熱加圧定着方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】具体的には、本発明は、
少なくとも結着樹脂、着色剤及び有機金属化合物を含有
しているトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーであ
り、トナー粒子の結着樹脂は、テトラヒドロフラン不溶
分(THF不溶分)の含有量が結着樹脂を基準にして
5.0wt%以下であり、トナーは、ガラス転移温度が
50乃至80℃であり、トナーの温度80℃における貯
蔵弾性率(G′80)が1×104 乃至5×106 〔dy
n/cm2 〕であり、トナーの温度80℃における貯蔵
弾性率(G′80)とトナーの温度130℃における貯蔵
弾性率(G′130 )との比(G′80/G′130 )が10
乃至5×103 であり、トナーの貯蔵弾性率曲線におい
て、温度110乃至190℃の領域に極小値(G′mi
n)を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーに
関する。
【0021】さらに、本発明は、シート材上のトナー像
を加熱加圧手段によってシート材に定着する定着方法で
あり、トナー像はトナーで形成されており、該トナー
は、少なくとも結着樹脂、着色剤及び有機金属化合物を
含有しているトナー粒子を有するトナーであり、トナー
粒子の結着樹脂は、テトラヒドロフラン不溶分(THF
不溶分)の含有量が結着樹脂を基準にして5.0wt%
以下であり、トナーは、ガラス転移温度が50乃至80
℃であり、トナーの温度80℃における貯蔵弾性率
(G′80)が1×104 乃至5×106 〔dyn/cm
2 〕であり、トナーの温度80℃における貯蔵弾性率
(G′80)と、トナーの温度130℃における貯蔵弾性
率(G′130 )との比(G′80/G′130 )が10乃至
5×103 であり、トナーの貯蔵弾性率曲線において、
温度110乃至190℃の領域に極小値(G′min)
を有することを特徴とする定着方法に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明者らは、トナー粒子の結着
樹脂のTHF不溶分が結着樹脂を基準にして5.0wt
%以下であり、トナーのガラス転移温度が50乃至80
℃であり、トナーが特定な貯蔵弾性率を有する場合に、
低温定着性、耐高温オフセット性及び混色性に優れてい
るトナーを提供し得ることを知見し、本発明の到達した
ものである。
【0023】本発明において、トナー粒子の結着樹脂
は、テトラヒドロフラン不溶分(THF不溶分)の含有
量が結着樹脂を基準にして5.0wt%以下であり、ト
ナーは、ガラス転移温度が50乃至80℃であり、トナ
ーの温度80℃における貯蔵弾性率(G′80)が1×1
4 乃至5×106 〔dyn/cm2 〕であり、トナー
の温度80℃における貯蔵弾性率(G′80)と、トナー
の温度130℃における貯蔵弾性率(G′130 )との比
(G′80/G′130 )が10乃至5×103 であり、ト
ナーの貯蔵弾性率曲線において、温度110乃至190
℃の領域に極小値(G′min)を有する。
【0024】トナー粒子の結着樹脂のTHF不溶分の含
有量が5.0wt%以下(好ましくは1.0wt%以
下)であると、低温定着性及び混色性に優れ、トナーの
ガラス転移温度が50乃至380℃(好ましくは51乃
至75℃)であると、低温定着性、耐ブロッキング性及
び貯蔵安定性に優れている。
【0025】さらに、トナーのG′80が1×104 乃至
5×106 〔dyn/cm2 〕(好ましくは、2×10
4 乃至1×106 〔dyn/cm2 〕であり、比(G′
80/G′130 )が10乃至5×103 (好ましくは、5
×10乃至5×103 )であり、トナーの貯蔵弾性率曲
線において、温度110乃至190℃(好ましくは、温
度115乃至170℃)の領域に極小値(G′min)
を有すると、多数枚耐久性、低温定着性、混色性及び耐
高温オフセット性に優れているものである。
【0026】特に、温度110乃至190℃の領域に極
小値(G′min)が存在するということは、極小値
(G′min)を示す温度よりも高温サイドの温度で、
トナーはより高粘弾性を有しており、そのため、耐高温
オフセット性にトナーは極めて優れているものである。
【0027】例えば、図1に示す後述のトナー1と類似
の処方のトナーの貯蔵弾性率曲線においては、G′80
8.5×104 〔dyn/cm2 〕であり、G′130
2×102 〔dyn/cm2 〕であり、比(G′80
G′130 )が4.25×102であり、温度144℃に
G′minがあり、G′minの値は1.5×102
〔dyn/cm2 〕であり、トナーの温度200℃にお
ける貯蔵弾性率(G′200)が2×104 〔dyn/c
2 〕である。図1に示す如き粘弾特性を示すトナー
は、低温定着性、混色性、耐高温オフセット性に優れ、
定着可能温度領域が広いものである。
【0028】一方、図2に示す如き粘弾性を示す後述の
比較トナーと類似処方のトナーは、温度110乃至19
0℃の領域に明確な極小値を有していなく、温度110
℃よりも高温サイドでは、温度の上昇とともにトナーの
貯蔵弾性率が低下している。この様なトナーは、耐高温
オフセット性に劣り、定着可能温度領域が本発明のトナ
ーよりも狭くなる。
【0029】トナーを構成する結着樹脂としては、カル
ボキシル基又は酸無水基又はそれらの両者を有するポリ
マーが好ましい。ポリマーとしては、スチレン−アクリ
ル共重合体、スチレン−メタクリル共重合体又はポリエ
ステル樹脂が挙げられる。特に、結着樹脂としては、ポ
リエステル樹脂が好ましい。
【0030】ポリエステル樹脂を生成するための二価の
アルコール成分としてはエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水酸
化ビスフェノールA、また式Aで表わされるビスフェノ
ール誘導体
【0031】
【外13】 〔式中、Rはエチレン、プロピレン基であり、x,yは
それぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2
〜10である。〕
【0032】非線形状ポリエステル樹脂を形成するため
の三価以上のアルコール成分としては、ソルビトール、
1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビ
タン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタント
リオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロ
ール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−
1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロ
キシベンゼンが挙げられる。三価以上の多価アルコール
の使用量は、全モノマー基準で0.1〜1.9mol%
が好ましい。
【0033】また、ポリエステル樹脂を生成するための
二価の酸成分としては、フマル酸,マレイン酸,無水マ
レイン酸,コハク酸,アジピン酸,セバチン酸,マロン
酸およびこれらを炭素数8〜22の飽和もしくは不飽和
の炭化水素基で置換した脂肪族系酸成分モノマー;また
芳香族系酸成分モノマーとして、フタル酸,イソフタル
酸,無水フタル酸,テレフタル酸およびそのエステル誘
導体があげられる。
【0034】非線形状ポリエステル樹脂を形成するため
の三価以上の多価カルボン酸成分としては、1,2,4
−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリ
カルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、
2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,
5−ベンゼンテトラカルボン酸および、これらの無水物
やエステル化合物があげられる。三価以上の多価カルボ
ン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1〜1.9
mol%が好ましい。
【0035】ポリエステル樹脂の好ましいガラス転移温
度は50〜80℃、さらに好ましくは51〜75℃であ
る。ポリエステル樹脂のTHF可溶分のGPC測定にお
いて、数平均分子量(Mn)が1000〜9000であ
ることが好ましく、より好ましくは1500〜7500
である。メインピークの分子量(Mp)は5000〜1
2000であることが好ましく、より好ましくは550
0〜11000である。ポリエステル樹脂のTHF可溶
分の重量平均分子量(Mw)とMnとの比(Mw/M
n)は5.0以下であることが好ましい。
【0036】特に、ポリエステル樹脂は、3価以上の多
価カルボン酸成分又は3価以上の多価アルコール成分で
非線状化されており、THF不溶分の含有量がポリエス
テル樹脂の重量を基準として1重量%以下であることが
好ましい。
【0037】THF不溶分が1重量%以下であり、非線
状構造を有するポリエステル樹脂は、第1段階として二
価のカルボン酸成分又は2価のカルボン酸エステル成分
と、二価のアルコール成分とを縮重合させて線状のプレ
ポリマーを生成し、第2段階として線状のプレポリマー
と二価のカルボン酸成分(又は、そのエステル)と、二
価のアルコール成分と、三価以上の多価カルボン酸成分
(又は、そのエステル酸無水物)又は三価以上の多価ア
ルコール成分とを縮重合させて生成するのが好ましい。
【0038】本発明に使用するポリエステル樹脂は、酸
価が1〜30mgKOH/g(より好ましくは、3乃至
25mgKOH/g)であることが摩擦帯電特性の安定
化及び各環境下での電子写真特定の安定化の点で好まし
い。
【0039】特に、好ましいポリエステル樹脂として
は、下記式(B)
【0040】
【外14】 〔式中、x及びyは、1以上の整数であり、x+yの平
均値は2〜4である〕で示される分子骨格を有するポリ
エステル樹脂が好ましい。
【0041】式(B)で示される分子骨格を有するポリ
エステル樹脂は、多価カルボン酸成分又は多価アルコー
ル成分で非線状構造を形成されていることがより好まし
い。
【0042】式(B)で示される分子骨格を有するポリ
エステル樹脂は、有機金属化合物により加熱時に、金属
イオン架橋構造が形成されやすく、トナーの貯蔵弾性率
曲線において温度110乃至190℃の領域で明瞭な極
小値(G′min)を有するトナーを良好に生成し得
る。
【0043】金属イオン架橋構造をしては、例えば、図
6に示す如き架橋が挙げられる。
【0044】式(B)で示される分子骨格がポリエステ
ル樹脂中に存在すると有機金属化合物との親和性に優
れ、この親和性がさらに式(B)で示される分子骨格中
【0045】
【外15】 のπ電子と酸素原子が有機金属化合物に含有される金属
に電子供与するようになり、ある種の配位性を有するよ
うになる。この作用は特に金属原子がアルミニウムの場
合に顕著である。これは、アルミニウム原子は有機金属
化合物内に結合を3つ形成すると、アルミニウム原子は
電子のオクテット(8個の電子による4組の電子対の形
成)から電子が2個欠けた状態となる。そのため、アル
ミニウムの有機金属化合物はさらに2個の電子を受け取
ることで電子を8個に増やす傾向にあるためと考えられ
る。この状態を模式的に示すのが図5である。図5の様
な状態がアルミニウムの如き金属原子または2価以上の
金属原子と式(B)で示される分子骨格とで形成され、
これが従来の結着樹脂の側鎖又は末端カルボキシル基と
の強固な金属イオン架橋とは異なる化学的親和力による
分子間の絡み合いが形成される。これが従来にない低温
定着性と耐高温オフセット性とを両立するとともに、ポ
リエステル樹脂と有機酸金属化合物との新たなる相互作
用効果で次の作用効果(1)〜(5)、特に定着性改良
とともに転写効率が著しく向上すると解される。
【0046】(1)定着開始温度を上昇させることな
く、耐オフセット性が向上する。しかも高温(45℃)
状態での長時間放置においてもトナー凝集することな
く、放置前と同じ状態で現像性の変動も少ない。
【0047】(2)転写性が極めて良好で、ハーフトー
ン(中間色)現像を転写紙(又は転写材)上に忠実に再
現でき、また転写残トナーが少なくなるために静電荷像
担持体の表面体クリーニングにおけるトナー付着やクリ
ーニング時に生じる傷の発生をおさえることができる。
【0048】(3)トナーの流動性が極めて良好で、低
温/低湿,高温/高湿下などの各環境下においても安定
した良好な帯電性(現像性)を維持し、カブリの発生,
画像形成装置内でのトナー飛散が抑制される。
【0049】(4)現像スリーブ及びキャリア粒子の如
き帯電付与部材への汚染が少なく、長期間の使用におい
ても現像性が初期と同等の良好な画像形成ができる。
【0050】(5)トナーの製造時において着色剤のポ
リエステル樹脂への分散性が良好で少ない着色剤の添加
で十分な画像濃度を達成することができる。着色剤の分
散性が良好であるとトナー製造時、微粉砕後の分級工程
の分級微粉の再利用化を容易なものとする。
【0051】さらに好ましいポリエステル樹脂は、式
(B)で示される分子骨格が2個以上連結している式−
C−D−C−D−〔式中、Cは、
【0052】
【外16】 (式中、x及びyは1以上の整数を示す)を示し、
【0053】
【外17】 で示される分子骨格を有し、三価以上の多価カルボン酸
又は多価アルコールで非線状化されているポリエステル
樹脂である。
【0054】その様な式−C−D−C−Dで示される分
子骨格を有し、非線形構造を有するポリエステル樹脂
は、下記式(E)
【0055】
【外18】 (式中、x,yは1以上の整数でx+yの平均値は2〜
4である。)で示されるビスフェノール誘導体とフマル
酸とを縮重合させてプレポリマーを生成し、該プレポリ
マーと、ジオールと、ジカルボン酸と、3価以上の多価
カルボン酸又は3価以上の多価アルコールとを縮重合さ
せることにより生成することができる。
【0056】式(B)で示される分子骨格がなぜ特異的
に有機金属化合物と作用するかは十分には判明していな
いが、この分子鎖特有の屈曲性が相互作用しやすい配座
を形成しやすいため(分子配置相互作用)と、P位に電
子供与性を有するフェニル基の電子供与性、また−CH
=CH−のπ電子供与性相互作用が係わっていると思わ
れる。
【0057】一方、ビスフェノール誘導体が下記式
(F)
【0058】
【外19】 で示す如く、プロポキシ基を有する場合は、メチル基が
存在するので、その立体障害のためか上述の様な顕著な
作用効果は見い出せない。
【0059】また、下記式(G)
【0060】
【外20】 で示される、エチレングリコールとテレフタル酸とから
形成された分子骨格でも顕著な作用効果は見い出せな
く、さらに、下記式(H)
【0061】
【外21】 で示される、エチレングリコールとフマルル酸とから形
成され分子骨格でも顕著な作用効果は見い出せないもの
である。
【0062】本発明に使用するポリエステル樹脂として
は、13C−NMRにより測定されるカルボキシル炭素特
有のケミカルシフト値(δ値)160ppm〜180p
pm〔テトラメチルシラン(TMS)基準〕におけるピ
ーク面積の積分値(「TAC」と称す)の和にしめるδ
値164.4〜164.7ppmのピーク面積の積分値
(「AC* 」と称す)の比率が10〜70%のものが好
ましい。ピーク面積比率は下記式
【0063】
【外22】 で算出される。13C−NMRのチャートの一例を図3に
示す。
【0064】積分値TACは、ポリエステル樹脂中に存
在する全カルボキシル基由来の炭素原子の個数に相当
し、積分値AC* は式(B)で示される分子骨格中の
【0065】
【外23】 のカルボキシル基に由来する炭素原子の個数に相当す
る。ピーク面積比率が10〜70%であると、有機金属
化合物(特に、芳香族カルボン酸の金属化合物)のポリ
エステル樹脂への分散性及び有機金属化合物とポリエス
テル樹脂との相互作用が良好に調整され、トナーの低温
定着性、耐高温オフセット性、現像特性がさらに向上す
る。
【0066】本発明に使用する有機金属化合物として
は、芳香族カルボン酸と2価以上の金属との有機金属化
合物が好ましい。
【0067】芳香族カルボン酸としては、下記3種の化
合物が挙げられる。
【0068】
【外24】 〔式中、R1 乃至R7 は同一又は異なる基を示し、水素
原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12の
アルケニル基、−OH,−NH2 ,−NH(CH3 ),
−N(CH32 ,−OCH3 ,−O(C25 ),−
COOH又は−CONH2 を示す。〕 好ましいR1 としては、ヒドロキシル基、アミノ基及び
メトキシ基が挙げられるが、中でもヒドロキシル基が好
ましい。芳香族カルボン酸としては、特にジ−tert
−ブチルサリチル酸の如きジアルキルサリチル酸が好ま
しい。
【0069】有機金属化合物を形成する金属としては、
2価以上の金属原子が好ましい。2価の金属としてMg
2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,N
2+,Zn2+,Cu2+,が挙げられる。2価の金属とし
ては、Zn2+,Ca2+,Mg2+,Sr2+が好ましい。3
価以上の金属としてはAl3+,Cr3+,Fe3+,N
3+,があげられる。これらの金属の中で好ましいのは
Al3+,Fe3+,Cr3+,Zn2+であり、特に好ましい
のはAl3+である。
【0070】本発明においては、有機金属化合物とし
て、ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化
合物が特に好ましい。
【0071】芳香族カルボン酸の金属化合物は、例え
ば、芳香族カルボン酸を水酸化ナトリウム水溶液に溶解
させ、2価以上の金属原子を溶融している水溶液を水酸
化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、次に水溶液
のpHを調整し、室温まで冷却した後、ろ過水洗するこ
とにより芳香族カルボン酸の金属化合物を合成し得る。
ただし、上記の合成方法だけに限定されるものではな
い。
【0072】有機金属化合物は、結着樹脂100重量部
当り0.1〜10重量部(より好ましくは、0.5〜9
重量部)使用するのがトナーの粘弾性特性及び摩擦帯電
特性を調整する点で好ましい。
【0073】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させる為に必要に応じて上記の有機金属化合物以外
の化合物を荷電制御剤として用いることができる。荷電
制御剤は、結着樹脂100重量部当り0.1〜10重量
部、好ましくは0.1〜7重量部使用するのが好まし
い。
【0074】荷電制御剤としては、ニグロシン,イミダ
ゾール系化合物などである。
【0075】着色剤としては、顔料及び/又は染料を用
いることができる。例えば染料としては、C.I.ダイ
レクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.
I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、
C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブ
ルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッ
ドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベ
ーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.
I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン
6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシッ
クグリーン6等がある。顔料としては、ミネラルファス
トイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエロー
S、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、
タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネン
トオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオ
レンジG、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッ
ドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミ
ン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチル
バイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルー
レーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブル
ー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーB
C、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイ
トグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が
ある。
【0076】また、フルカラー画像形成用トナーとして
使用する場合には、マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0,51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90,112,114,122,123,163,
202,206,207,209,C.I.ピグメント
バイオレット19、C.I.バットレッド1,2,1
0,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0077】かかる顔料を単独で使用しても構わない
が、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方が
フルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ
用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,
8,23,24,25,27,30,49,81,8
2,83,84,100,109,121,C.I.デ
ィスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット
8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバ
イオレット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッ
ド1,2,9,12,13,14,15,17,18,
22,23,24,27,29,32,34,35,3
6,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイ
オレット1,3,7,10,14,15,21,25,
26,27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0078】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17;C.I.アシ
ッドブルー6;C.I.アシッドブルー45又はフタロ
シアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換し
た下記式で示される銅フタロシアニン顔料等である。
【0079】
【外25】
【0080】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83,97,180、C.I.バットイエロ
ー1,3,20等が挙げられる。
【0081】着色剤の使用量は結着樹脂100重量部に
対して、0.1〜60重量部より好ましくは0.5〜5
0重量部さらに好ましくは、1〜15重量部である。
【0082】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナー粒子は、磁性体を含む。その場合、磁
性体は着色剤としての機能も有する。磁性材料として
は、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化
鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,N
iのような金属、あるいは、これらの金属とAl,C
o,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,B
e,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのよ
うな金属との合金、およびこれらの混合物等が挙げられ
る。
【0083】例えば、磁性材料としては、四三酸化鉄
(Fe34 )、三二酸化鉄(γ−Fe23 )、酸化
鉄亜鉛(ZnFe24 )、酸化鉄イットリウム(Y3
Fe512),酸化鉄カドミウム(CdFe24 )、
酸化鉄ガドリニウム(Gd3 Fe5 −O12)、酸化鉄銅
(CuFe24 )、酸化鉄鉛(PbFe12−O19)、
酸化鉄ニッケル(NiFe24 )、酸化鉄ネオジム
(NdFe23 )、酸化鉄バリウム(BaFe
1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24 )、酸
化鉄マンガン(MnFe24 )、酸化鉄ランタン(L
aFeO3 )、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニ
ッケル粉(Ni)等が挙げられる。好適な磁性材料は四
三酸化鉄,磁性フェライト又はγ−三二酸化鉄の微粉末
である。
【0084】磁性体は平均粒径が0.1〜2μm(より
好ましくは、0.1〜0.5μm)で、10Kエルステ
ッド印加で磁気特性が抗磁力20〜150エルステッド
飽和磁化50〜200emu/g(好ましくは50〜1
00emu/g)、残留磁化2〜20emu/gのもの
が好ましい。
【0085】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。
【0086】本発明に於いて、必要に応じて一種又は二
種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させてもかまわ
ない。
【0087】離型剤としては次のものが挙げられる。低
分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイク
ロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂
肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの
如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水
素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、
サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き
脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カル
ナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を
脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、離型剤とし
て、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽
和直鎖脂肪酸;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バ
リナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコー
ル、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カル
ナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアル
コールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価
アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラ
ウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド;メチレンビスステ
アリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチ
レンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステア
リン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビ
スオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸ア
ミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,
N′−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸
アミド;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,
N′−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系
ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カル
シウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム
の如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれている
もの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリ
ル酸の如きビニルモノマーをグラフト化させたグラフト
ワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多
価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添
加することによって得られるヒドロキシル基を有するメ
チルエステル化合物などが挙げられる。
【0088】特に好ましく用いられるワックスとして
は、脂肪族系アルコールワックス、脂肪族炭化水素系ワ
ックスが挙げられる。脂肪族系アルコールワックスは式
(I)で示されるものが好ましい。
【0089】 CH3 (CH2X CH2 OH (xは平均値を示し、20〜250の正数である) (I)
【0090】脂肪族系炭化水素系ワックスとしては、ア
ルキレンを高圧下でのラジカル重合あるいは低圧下でチ
ーグラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポ
リマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得
られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素からな
る合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留
残分から、あるいは、これらを水素添加して得られる合
成炭化水素ワックスがよい。更に、プレス発汗法、溶剤
法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワッ
クスを分別したものがより好ましく用いられる。母体と
しての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上
の多元系)を使用した、一酸化炭素と水素の反応によっ
て合成されるもの、例えばジントール法、ヒドロコール
法(流動触媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素
が多く得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得
られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素や、エチレン
の如きアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化
水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化
水素であるので好ましい。特に一酸化炭素及び水素から
合成されたワックスが分子量分布が狭く、好ましいもの
である。
【0091】ワックスの分子量分布では、分子量400
〜2400の領域に(好ましくは450〜2000、特
に好ましくは500〜1600の領域に)メインピーク
が存在することが良い。このような分子量分布を有する
ワックスは、トナーに好ましい熱特性を持たせることが
できる。
【0092】離型剤の量は、結着樹脂100重量部あた
り0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部
が好ましい。
【0093】離型剤は、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液
温度を上げ、攪拌しながら添加混合する方法や、混練時
に混合する方法で結着樹脂に含有させられる。
【0094】トナー粒子には、流動性向上剤が外添され
ていることが画質向上のために好ましい。
【0095】流動性向上剤としては、トナー粒子に外添
することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し
得るものである。
【0096】例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテ
トラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;
湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微
粉末の如きシリカ微粉末、それらシリカ微粉末をシラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、シリコンオイ
ルの如き処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉
末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタ
ン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が挙げられる。
【0097】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着により非表面積が30m2 /g以上、好ましくは5
0m2 /g以上のものが良好な結果を与える。トナー粒
子100重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重量
部、好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0098】トナー粒子は結着樹脂、着色剤、有機金属
化合物及びその他の任意成分の添加剤をヘンシェルミキ
サー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、ニー
ダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、
捏和及び練肉し、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉
砕し、粉砕物を分級することにより所定の平均粒径のト
ナー粒子を生成することができる。
【0099】さらに、流動性向上剤とトナー粒子をヘン
シェルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー
粒子表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることがで
きる。
【0100】本発明のトナーは、重量平均粒径が2.5
乃至10.0μm(より好ましくは、2.5乃至6.0
μm)を有することが画質の点で好ましい。
【0101】本発明のトナーは、体積平均粒径では2.
5乃至6.0μmを有することが好ましい。
【0102】結着樹脂、トナー粒子及びトナーの各物性
の測定方法を以下に説明する。
【0103】(1)トナーの貯蔵弾性率の測定 粘弾性測定装置(レオメーター)RDA−II型(レオ
メトリックス社製)を用いて、下記の条件で、60〜2
10℃の温度範囲における貯蔵弾性率G′の測定を行
う。 ・測定治具:弾性率が高い場合には直径7.9mmのフ
ラットな円形プレートを使用し、弾性率が低い場合には
直径40mmのフラットな円形プレートを使用する。ア
クチュエター(actuator)側には円形プレート
に対応するシャローカップを使用する。シャローカップ
の底面と円形プレートとの間隙は約2mmである。 ・測定試料:トナーを加熱、溶融後に、直径約8mm、
高さ2mmの円柱状試料、又は直径約40mm、高さ約
2mmの円盤状試料に成型して使用する。 ・測定周波数:6.28ラジアン/秒 ・測定歪の設定:初期値を0.1%に設定した後、自動
測定モードにて測定を行う。 ・試料の伸長補正:自動測定モードにて調整する。 ・測定温度:60℃〜210℃まで毎分2℃の割合で昇
温する。
【0104】(2)THF不溶分の測定 結着樹脂のみの場合 0.5〜1.0グラムの結着樹脂を秤量し(W1 グラ
ム)、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No.86R)に
入れてソックスレー抽出器にかけ、THF100〜20
0mlを用いて6時間抽出し、THFによって抽出され
たTHF可溶成分をエバボレートした後、100℃で数
時間真空乾燥しTHF可溶樹脂成分量を秤量し(W2
ラム)、以下の式に従って計算する。
【0105】THF不溶分=〔(W1 −W2 )/W1
×100(wt.%)
【0106】トナー粒子又はトナーに含まれる結着樹脂
の場合 あらかじめ、トナー粒子又はトナーのW0 グラム(0.
5〜1.0g)に含まれている結着樹脂の重量(W1
ラム)と結着樹脂以外の成分(顔料、染料、磁性体の如
き着色剤、有機金属化合物、ワックス、外添剤等)の重
量(W3 グラム)とを測定する。さらに、結着樹脂以外
の成分のTHF不溶分の重量(W4 グラム)とTHF可
溶分の重量(W5 グラム)とを測定する。
【0107】W0 (gram)=W1 (gram)+W
3 (gram) W3 (gram)=W4 (gram)+W5 (gra
m)
【0108】次に、W0 グラムのトナー粒子又はトナー
を円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No.86R)に入れ
てソックスレー抽出器にかけ、THF100〜200m
lを用いて6時間抽出し、THFによって抽出されたT
HF可溶成分をエバボレートした後、100℃で数時間
真空乾燥し、THF可溶成分量を秤量し(W6 グラ
ム)、以下の式に従って計算する。
【0109】
【外26】
【0110】(3)GPCによる分子量の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によ
るクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
【0111】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×104
5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×105
8.6×105,2×106 ,4.48×106 のもの
を用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料
を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検
出器を用いる。
【0112】カラムとしては、103 〜2×106 の分
子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレン
ゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wate
rs社製のμ−styragel 500,103 ,1
4 ,105 の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA−801,802,803,804,805,8
06,807の組合せが好ましい。
【0113】(4)ガラス転移温度Tg 示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC−7
(パーキンエルマー社製)を用い測定する。
【0114】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0115】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0116】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0117】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラ
ス転移温度Tgとする。
【0118】(5)13C−NMRの測定 溶媒はCDCl3 、標準試料としてTMS(テトラメチ
ルシラン)を用いて13C−NMRの測定を行う。測定周
波数100.40MHz、パルス条件5μS(45度)
の測定条件で結着樹脂のCDCl3 に溶解する成分のケ
ミカルシフト値(δ値)164.4〜164.7ppm
のカルボキシル炭素のピーク面積値(AC* )と、ケミ
カルシフト値(δ値)160〜180ppmのカルボキ
シル炭素のピーク面積値(ATC)を測定し、(AC*
/ATC)×100(%)の式から算出する。
【0119】(6)酸価(JIS酸価)の測定 JIS K0070−1966の測定方法に準拠してお
こなう。 (a)試料の0.1〜0.2gを精秤し、その重さをW
(g)とする。 (b)20cc三角フラスコに試料を入れ、トルエン/
エタノール(2:1)の混合溶液10ccを加え溶解す
る。 (c)指示薬としてフェノールフタレインのアルコール
溶液を数滴加える。 (d)0.1規定のKOHのアルコール溶液を用いてフ
ラスコ内の溶液をビュレットを用いて滴定する。この時
のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブラ
ンクテストをし、この時のKOH溶液の量をB(ml)
とする。 (e)次式により酸価(mgKOH/g)を計算する。
【0120】
【外27】
【0121】トナー粒子又はトナーの粒度分布の測定 測定装置としては、コールターカウンターTA−II或
いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)
を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約
1%NcCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON
(登録商標)−II(コールターサイエンティフィック
ジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記
電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面
活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)
を、0.1〜5mlを加え、さらに測定試料を2〜20
mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で
約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、ア
パーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、ト
ナー粒子の体積及び個数を各チャンネルごとに測定し
て、トナーの体積分布と個数分布とを算出する。それか
ら、トナー粒子の体積分布から求めた重量基準のトナー
粒子又はトナーの重量平均粒径(D4)及び体積平均粒
径(Dv)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代
表値とする)を求める。
【0122】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32〜
40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0123】本発明のトナーを良好に使用し得る画像形
成装置を図4を参照しながら説明する。
【0124】図4に示されるカラー電子写真装置は、装
置本体1の右側(図4右側)から装置本体の略中央部に
亘って設けられている転写材搬送系Iと、装置本体1の
略中央部に、上記転写材搬送系Iを構成している転写ド
ラム15に近接して設けられている潜像形成部IIと、
上記潜像形成部IIと近接して配設されている現像手段
(すなわち回転式現像装置)IIIとに大別される。
【0125】上記転写材搬送系Iは、以下のような構成
となっている。上記装置本体1の右壁(図4右側)に開
口部が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供
給用トレイ2及び3が一部機外に突出して配設されてい
る。該トレイ2及び3の略直上部には給紙用ローラー4
及び5が配設され、これら給紙用ローラー4及び5と左
方に配された矢印A方向に回転自在な転写ドラム5とを
連係するように、給紙ローラー6及び給紙ガイド7及び
8が設けられている。上記転写ドラム15の外周面近傍
には回転方向上流側から下流側に向かって当接用ローラ
ー9、グリッパ10、転写材分離用帯電器11、分離爪
12が順次配設されている。
【0126】上記転写ドラム15の内周側には転写帯電
器13、転写材分離用帯電器14が配設されている。転
写ドラム15の転写材が巻き付く部分にはポリ弗化ビニ
リデンの如きポリマーで形成されている転写シート(図
示せず)が貼り付けられており、転写材は該転写シート
上に静電的に密着貼り付けされている。上記転写ドラム
15の右側上部には上記分離爪12と近接して搬送ベル
ト手段16が配設され、該搬送ベルト手段16の転写材
搬送方向終端(右端)には定着装置18が配設されてい
る。該定着装置18よりもさらに搬送方向後流には装置
本体1の外へと延在し、装置本体1に対して着脱自在な
排出用トレイ17が配設されている。
【0127】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。図1矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ド
ラム(例えば、OPC感光ドラム)19が、外周面を上
記転写ドラム15の外周面と当接して配設されている。
上記感光ドラム19の上方でその外周面近傍には、該感
光ドラム19の回転方向上流側から下流側に向かって除
電用帯電器29、クリーニング手段21及び一次帯電器
23が順次配設され、さらに上記感光ドラム19の外周
面上に静電潜像を形成するためのレーザビームスキャナ
のごとき像露光手段24、及びミラーのごとき像露光反
射手段25が配設されている。
【0128】上記回転式現像装置IIIの構成は以下の
ごとくである。上記感光ドラム19の外周面と対向する
位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)26
が配設され、該回転体26中には四種類の現像装置が周
方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム19の外周面
上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現像)する
ようになっている。上記四種類の現像装置は、それぞれ
イエロー現像装置27Y、マゼンタ現像装置27M、シ
アン現像装置27C及びブラック現像装置27BKを有
する。
【0129】上述したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。上述した感光ドラム19が図1矢印方向に
回転すると、該感光ドラム19上の感光体は一次帯電器
23によって帯電される。図4の装置においては、各部
動作速度(以下、プロセススピードとする)は100m
m/sec以上(例えば、130〜250mm/se
c)である。一次帯電器23による感光ドラム19に対
する帯電が行われると、原稿28のイエロー画像信号に
て変調されたレーザ光Eにより画像露光が行われ、感光
ドラム19上に静電潜像が形成され、回転体26の回転
によりあらかじめ現像位置に定置されたイエロー現像装
置27Yによって上記静電潜像の現像が行われ、イエロ
ートナー画像が形成される。
【0130】給紙ガイド7、給紙ローラー6、給紙ガイ
ド8を経由して搬送されてきた転写材は、所定のタイミ
ングにてグリッパ10により保持され、当接用ローラー
9と該当接用ローラー9と対向している電極とによって
静電的に転写ドラム15に巻き付けられる。転写ドラム
15は、感光ドラム19と同期して図4の矢印方向に回
転しており、イエロー現像装置27Yにより形成された
イエロートナー画像は、上記感光ドラム19の外周面と
上記転写ドラム15の外周面とが当接している部位にて
転写帯電器13によって転写材上に転写される。転写ド
ラム15はそのまま回転を継続し、次の色(図4におい
てはマゼンタ)の転写に備える。
【0131】感光ドラム19は、上記除電用帯電器20
により除電され、クリーニングブレードによるクリーニ
ング手段21によってクリーニングされた後、再び一次
帯電器23によって帯電され、次のマゼンタ画像信号に
より画像露光がおこなわれ、静電潜像が形成される。上
記回転式現像装置は、感光ドラム19上にマゼンタ画像
信号による像露光により静電潜像が形成される間に回転
して、マゼンタ現像装置27Mを上述した所定の現像位
置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーにより現像を行
う。引き続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシ
アン色及びブラック色に対しても実施し、四色のトナー
像の転写が終了すると、転写材上に形成された四色顕画
像は各帯電器22及び14により除電され、上記グリッ
パ10による転写材の把持が解除されると共に、該転写
材は、分離爪12によって転写ドラム15より分離さ
れ、搬送ベルト16で定着装置18に送られ、熱と圧力
により定着され一連のフルカラープリントシーケンスが
終了し、所要のフルカラープリント画像が転写材の一方
の面に形成される。
【0132】このとき、定着装置18での定着動作速度
は、本体のプロセススピード(例えば160mm/se
c)より遅い(例えば90mm/sec)で行われる。
これは、トナーが二層から四層積層された未定着画像を
溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与えなけ
ればならないためで、現像速度より遅い速度で定着を行
うことによりトナーに対する加熱量を多くしている。
【0133】図5において、定着手段である定着ローラ
ー29は、例えば厚さ5mmのアルミ製の芯金31上に
厚さ2mmのRTV(室温加硫型)シリコーンゴム層3
2、この外側に厚さ50μmのフッ素ゴム層58、この
外側にHTV(高温加硫型)シリコーンゴム層33を有
し、直径60mmを有している。
【0134】一方、加圧手段である加圧ローラー30
は、例えば厚さ5mmのアルミの芯金34の上に厚さ2
mmのRTVシリコーンゴム層35、この外側に厚さ5
0μmのフッ素ゴム層59、この外側に厚さ230μm
のHTVシリコーンゴム層を有し、直径60mmを有し
ている。
【0135】上記定着ローラー29には発熱手段である
ハロゲンヒータ36が配設され、加圧ローラー30には
同じくハロゲンヒータ37が芯金内に配設されて両面か
らの加熱を行っている。定着ローラー29及び加圧ロー
ラー30に当接されたサーミスタ38a及び38bによ
り定着ローラ29及び加圧ローラーの温度が検知され、
この検知温度に基づき制御装置39a及び39bにより
ハロゲンヒータ36及び37がそれぞれ制御され、定着
ローラー29の温度及び加圧ローラー30の温度が共に
一定の温度(例えば、160℃±10℃に保つように制
御される。定着ローラー29と加圧ローラー30は加圧
機構(図示せず)によって総圧約40kgで加圧されて
いる。
【0136】図5においてOは離型剤塗布手段たるオイ
ル塗布装置、Cはクリーニング装置、C1は加圧ローラ
ーに付着したオイル及び汚れを除去するためのクリーニ
ングブレードである。オイル塗布装置Oはオイルパン4
0内のジメチルシリコーンオイル41(例えば、信越化
学製KF96 300cs)を、オイル汲み上げローラ
ー42及びオイル塗布ローラー43を経由してオイル塗
布量調節ブレード44でオイル塗布量を規制して定着ロ
ーラー29上に塗布させる。
【0137】クリーニング装置Cはノーメックス(商品
名)より成る不織布ウェブ46を押圧ローラー45にて
定着ローラー29に押し当ててクリーニングしている。
該ウェブ46は巻き取り装置(図示せず)により適宜巻
き取られ、定着ローラ29との当接部にトナー等が堆積
しないようにされている。
【0138】片面にフルカラー画像が形成された転写材
は、排紙ローラー52によって排紙トレイ17へ送られ
る。
【0139】排紙ローラー52の下方に、排紙トレイ1
7に一度載せた転写材を再び潜像形成部IIへと送り込
むための再給紙ローラー50が配設され、該再給紙ロー
ラー50の後方には転写材を搬送する搬送通路51が配
設されている。
【0140】排紙トレイ17上の転写材は、再給紙ロー
ラー50により再び給紙されて搬送通路51を通り、再
び潜像形成部IIへ搬送されて表面と同様にして裏面に
カラー画像を形成する。こうして、表面にすでに定着さ
れたカラー画像をもち、裏面に転写された未定着カラー
トナー像を担持した転写材は、搬送ベルト手段16によ
り定着ローラー29及び加圧ローラー30まで運ばれて
定着が行われ、最終的には排紙トレイ17へ運ばれて両
面カラーコピーが終了する。
【0141】本発明のトナーは、低温定着性及び耐高温
オフセット性に優れているので離型剤の塗布量を少なく
することが可能であり、また、クリーニング装置の汚れ
量も少ない。
【0142】本発明のトナーのトナー像は、定着ローラ
の表面温度150℃±30℃の温度条件で加熱加圧定着
するのが良い。
【0143】
【実施例】以下、結着樹脂の製造例および本発明のトナ
ーの実施例について述べるが、本発明はこれらの例に限
定されるものではない。
【0144】結着樹脂製造例1
【0145】
【外28】 x+y=2.1 で表わされるジオール成分(E−1) 20mol% フマル酸(HOOC−CH=CH−COOH) 20mol%
【0146】上記モノマーを重縮合させて数平均分子量
(Mn)が720の線状プレポリマーを生成した。
【0147】次いで、線状プレポリマーと下記モノマー
とを混合して重縮合をおこなって非線状のポリエステル
樹脂(1)を得た。
【0148】
【外29】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(E−1) 4mol%
【0149】
【外30】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 27mol% フマル酸 13.5mol% テレフタル酸 14mol% トリメリット酸 1.5mol%
【0150】得られた非線状ポリエステル樹脂(1)
は、ガラス転移温度(Tg)が56℃であり、THF不
溶分が0.6wt%であり、THF可溶成分のGPCに
おいては、数平均分子量(Mn)が2500であり、メ
インピーク(Mp)が7400であり、Mw/Mnが
3.7であった。13C−NMR測定から非線状ポリエス
テル樹脂(1)の(AC* /ATC)×100は55.
4(%)であった。
【0151】結着樹脂製造例2
【0152】
【外31】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(E−1) 10mol% フマル酸 10mol%
【0153】上記モノマーを重縮合させて数平均分子量
(Mn)が830の線状プレポリマーを生成した。次い
で、線状プレポリマーと下記モノマーとを混合して重縮
合をおこなって非線状のポリエステル樹脂(2)を得
た。
【0154】
【外32】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(E−1) 4mol%
【0155】
【外33】 (x+y=2.3)で表わされるジオール成分(P−2) 37mol% フマル酸 28mol% テレフタル酸 10mol% トリメリット酸 1mol%
【0156】得られた非線状ポリエステル樹脂(2)
は、Tgが59℃であり、THF不溶分が0.1wt%
であり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが36
00であり、Mpが8000であり、Mw/Mnが2.
4であった。ポリエステル樹脂(2)の(AC* /AT
C)×100は33.9(%)であった。
【0157】結着樹脂製造例3
【0158】
【外34】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(E−1) 30mol% フマル酸 30mol%
【0159】上記モノマーを重縮合させてMnが850
の線状プレポリマーを得た。次いで、線状プレポリマー
と下記モノマーとを混合して重縮合をおこなって非線状
のポリエステル樹脂(3)を得た。
【0160】
【外35】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(E−1) 7mol%
【0161】
【外36】 (x+y=2.3)で表わされるジオール成分(P−2) 14mol% フマル酸 3mol% テレフタル酸 15mol% トリメリット酸 1mol%
【0162】得られた非線状ポリエステル樹脂(3)
は、Tgが58.7℃であり、THF不溶分が0.3w
t%であり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが
4000であり、Mpが8550であり、Mw/Mnが
4.5であった。ポリエステル樹脂(3)は(AC*
ATC)×100が68.9(%)であった。
【0163】結着樹脂製造例4
【0164】
【外37】 (x+y=2.2)で表わされるジオール成分(E−2) 5mol% フマル酸 5mol%
【0165】上記モノマーを縮重合してMnが890の
線状プレポリマーを得た。次いで、線状のプレポリマー
と下記モノマーとを混合して重縮合をおこなって非線状
のポリエステル樹脂(4)を得た。
【0166】
【外38】 (x+y=2.2)で表わされるジオール成分(E−2) 32mol%
【0167】
【外39】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 14mol% フマル酸 3mol% テレフタル酸 39mol% トリメリット酸 1mol%
【0168】得られた非線状ポリエステル樹脂(4)
は、Tgが55.3℃であり、THF不溶分が0.2w
t%であり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが
4300であり、Mpが7930であり、Mw/Mnが
2.1であった。ポリエステル樹脂(4)の(AC*
TAC)×100は15.9(%)であった。
【0169】
【外40】 (x+y=2.3)で表わされるジオール成分(E−3) 8mol% フマル酸 8mol%
【0170】上記モノマーを重縮合してMnが670の
線状プレポリマーを得た。次いで、得られたプレポリマ
ーと下記モノマーとを混合して重縮合をおこなって非線
状のポリエステル樹脂(5)を得た。
【0171】
【外41】 (x+y=2.3)で表わされるジオール成分(E−3) 2mol%
【0172】
【外42】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 41mol% フマル酸 12mol% テレフタル酸 28mol% トリメリット酸 1mol%
【0173】得られた非線状ポリエステル樹脂(5)
は、Tgが57.4℃であり、THF不溶分が0.7w
t%であり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが
2100であり、Mpが5100であり、Mw/Mnが
3.2であった。ポリエステル樹脂(5)の(AC*
TAC)×100は21.7(%)であった。
【0174】結着樹脂製造例6
【0175】
【外43】 (x+y=4.0)で表わされるジオール成分(E−4) 5mol% フマル酸 5mol%
【0176】上記モノマーを重縮合してMnが1270
の線状プレポリマーを得た。次いで、得られたプレポリ
マーと下記モノマーとを混合して重縮合をおこなって非
線状のポリエステル樹脂(6)を得た。
【0177】
【外44】 (x+y=4.0)で表わされるジオール成分(E−4) 10mol%
【0178】
【外45】 (x+y=2.5)で表わされるジオール成分(P−3) 36mol% フマル酸 3mol% テレフタル酸 40mol% トリメリット酸 0.5mol%
【0179】得られた非線状ポリエステル樹脂(6)
は、Tgが56.5℃であり、THF不溶分が0.6w
t%であり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが
6000であり、Mpが9050であり、Mw/Mnが
4.9であった。ポリエステル樹脂(6)の(AC*
TAC)×100は10.9(%)であった。
【0180】結着樹脂製造例7
【0181】
【外46】 (x+y=3.1)で表わされるジオール成分(E−5) 15mol% フマル酸 15mol%
【0182】上記モノマーを重縮合して、Mnが137
0の線状プレポリマーを得た。次いで、得られたプレポ
リマーと下記モノマーとを混合して重縮合をおこなっ
て、非線状のポリエステル樹脂(7)を得た。
【0183】
【外47】 (x+y=3.1)で表わされるジオール成分(E−5) 15mol%
【0184】
【外48】 (x+y=3.1)で表わされるジオール成分(P−4) 20mol% フマル酸 6mol% テレフタル酸 27.2mol% トリメリット酸 1.8mol%
【0185】得られた非線状ポリエステル樹脂(7)
は、Tgが56.3℃であり、THF不溶分が0.3w
t%であり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが
6580であり、Mpが10700であり、Mw/Mn
が3.6であった。ポリエステル樹脂(7)の(AC*
/TAC)×100は28.5(%)であった。
【0186】結着樹脂製造例8
【0187】
【外49】 (x+y=3.8)で表わされるジオール成分(E−6) 8mol% フマル酸 8mol%
【0188】上記モノマーを重縮合して、Mnが170
0の線状プレポリマーを得た。次いで、得られたプレポ
リマーと、下記モノマーとを混合して重縮合をおこなっ
て非線状のポリエステル樹脂(8)を得た。
【0189】
【外50】 (x+y=3.8)で表わされるジオール成分(E−6) 34mol%
【0190】
【外51】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 11mol% フマル酸 3mol% テレフタル酸 35mol% トリメリット酸 1mol%
【0191】得られた非線状ポリエステル樹脂(8)
は、Tgが55.3℃であり、THF不溶分が0.8w
t%であり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが
7950であり、Mpが11800であり、Mw/Mn
が3.9であった。ポリエステル樹脂(8)の(AC*
/TAC)×100は17.3(%)であった。
【0192】結着樹脂製造例9
【0193】
【外52】 (x+y=1.0)で表わされるジオール成分(E−7) 15mol%
【0194】
【外53】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 36mol% フマル酸 35mol% テレフタル酸 14mol% トリメリット酸 1mol%
【0195】上記モノマーを混合し、重縮合反応を行っ
て、非線状のポリエステル樹脂(9)を得た。得られた
非線状ポリエステル樹脂(9)は、Tgが58℃であ
り、THFが不溶分が3.2wt%であり、THF可溶
成分のGPCにおいて、Mnが3700であり、Mpが
8340であり、Mw/Mnが8.2であった。ポリエ
ステル樹脂(9)の(AC* /TAC)×100は8.
5(%)であった。
【0196】結着樹脂製造例10
【0197】
【外54】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 50mol% フマル酸 49mol% トリメリット酸 1mol%
【0198】上記モノマーを混合し、重縮合反応を行っ
て、非線状ポリエステル樹脂(10)を得た。得られた
非線状ポリエステル樹脂(10)は、Tgが59℃であ
り、THF不溶分が2.9wt%であり、THF可溶分
のGPCであった。
【0199】Mnが5000であり、Mpが11000
であり、Mw/Mnが6.3であった。
【0200】結着樹脂製造例11
【0201】
【外55】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(E−1) 5mol%
【0202】
【外56】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 45mol% フマル酸 4mol% テレフタル酸 45mol% トリメリット酸 1mol%
【0203】上記モノマーを混合し、縮重合反応を行っ
て、非線状ポリエステル樹脂(11)を得た。得られた
非線状ポリエステル樹脂は、Tgが59.8℃であり、
RHF不溶分が2.8wt%であり、THF可溶成分の
GPCにおいて、Mnが3800であり、Mpが810
0であり、Mw/Mnが12.1であった。
【0204】ポリエステル樹脂(11)の(AC* /T
AC)×100は5.3(%)であった。
【0205】結着樹脂製造例12
【0206】
【外57】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(E−1) 47mol%
【0207】
【外58】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 2mol% テレフタル酸 51mol%
【0208】上記モノマーを混合し、重縮合反応を行っ
て、線状ポリエステル樹脂(12)を得た。得られた線
状ポリエステル樹脂は、Tgが51.5℃であり、TH
F不溶分が15.8wt%であり、THF可溶成分のG
PCにおいて、Mnが4500であり、Mpが9700
であり、Mw/Mnが3.3であった。
【0209】結着樹脂製造例13 HO−(CH22−OHで表わされるジオール成分(E−8) 25mol%
【0210】
【外59】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 25mol% フマル酸 14mol% テレフタル酸 35mol% トリメリット酸 1mol%
【0211】上記モノマーを混合し、重縮合をおこなっ
て非線状のポリエステル樹脂(13)を得た。得られた
非線状ポリエステル樹脂(13)は、Tgが55.1℃
であり、THF不溶分が1.9wt%であり、THF可
溶成分のGPCにおいてMnが4000であり、Mpが
7510であり、Mw/Mnが7.4であった。
【0212】結着樹脂製造例14
【0213】
【外60】 (x+y=5.1)で表わされるジオール成分(E−9) 14mol%
【0214】
【外61】 (x+y=2.1)で表わされるジオール成分(P−1) 37mol% フマル酸 38mol% テレフタル酸 10mol% トリメリット酸 1mol%
【0215】上記モノマーを混合し、重縮合をおこなっ
て非線状ポリエステル樹脂(14)を得た。得られた非
線状ポリエステル樹脂(14)は、Tgが56.3℃で
あり、THF不溶分が2.5wt%であり、THF可溶
成分のGPCにおいて、Mnが1900であり、Mpが
4530であり、Mw/Mnが6.7であった。ポリエ
ステル樹脂(14)の(AC* /TAC)×100は
9.1%であった。
【0216】結着樹脂製造例15
【0217】
【外62】 (x+y=3.0)で表わされるジオール成分(E−10) 51mol% フマル酸 20mol% テレフタル酸 20mol% トリメリット酸 9mol%
【0218】上記モノマーを混合し、重縮合をおこなっ
て非線状ポリエステル樹脂(15)を得た。得られた非
線状ポリエステル樹脂(15)は、Tgが56.3℃で
あり、THF不溶分が7.3wt%であり、THF可溶
成分のGPCにおいて、Mnが4500であり、Mpが
9100であり、Mw/Mnが10.5であった。非線
状ポリエステル樹脂(15)の(AC* /TAC)×1
00は13.1(%)であった。
【0219】
【表1】
【0220】有機金属化合物の製造 芳香族カルボン酸アルミニウム化合物(I)の合成例1 3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸75.0g
(約0.3mol)を水酸化ナトリウム水溶液(0.6
mol/リットル)1リットルに混合し加熱溶解させ
た。この溶液に硫酸アルミニウム水溶液(0.25mo
l/リットル)400mlを10ml/10秒で滴下
し、滴下後、約80℃で60分撹拌し溶液のpHをpH
=5.0で濾別採取した。
【0221】採取した白色沈殿物を洗浄水がほぼpH=
7となるまで水洗した後乾燥し、芳香族カルボン酸アル
ミニウム化合物(I)を得た。
【0222】芳香族カルボン酸アルミニウム化合物(I
I)の合成例2 2−アミノ,3−tert−ブチル,5−n−ブチル安
息香酸75g(約0.3mol)を3,5−ジ−ter
t−ブチルサリチル酸にかえて用いる以外は芳香族カル
ボン酸アルミニウム化合物(I)の場合と同様な方法で
芳香族オキシカルボン酸アルミニウム化合物(II)を
得た。
【0223】芳香族カルボン酸アルミニウム化合物(I
II)の合成例3 3−tert−ブチル,4−エトキシサリチル酸75.
0g(約0.3mol)を3,5−ジ−tert−ブチ
ルサリチル酸にかえて用いる以外は芳香族カルボン酸ア
ルミニウム化合物(I)の場合と同様な方法で、芳香族
カルボン酸アルミニウム化合物(II)を得た。
【0224】芳香族カルボン酸アルミニウム化合物(I
V)の合成 3−ヒドロキシ−7−tert−ブチルナフトエ酸7
6.8g(約0.3mol)を3,5−ジ−tert−
ブチルサリチル酸にかえて用いる以外は芳香族カルボン
酸アルミニウム化合物(I)の場合と同様な方法で芳香
族カルボン酸アルミニウム化合物(IV)を得た。
【0225】芳香族カルボン酸亜鉛化合物(I)の合成 芳香族カルボン酸アルミニウム合成物(I)の合成で硫
酸アルミニウム水溶液を硫酸亜鉛水溶液にかえる以外は
同様な方法で芳香族カルボン酸亜鉛化合物(I)を合成
した。
【0226】芳香族カルボン酸カルシウム化合物(I)
の合成 芳香族カルボン酸アルミニウム化合物(I)の合成で硫
酸アルミニウム水溶液を塩化カルシウム水溶液にかえる
以外は同様な方法で芳香族カルボン酸カルシウム化合物
(I)を合成した。
【0227】芳香族カルボン酸クロム化合物(I)の合
芳香族カルボン酸アルミニウム化合物(I)の合成で
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸75g(約
0.3mol)の代わりに2−メトキシ−3,5−ジ−
tert−ブチル安息香酸80g(約0.3mol)を
用い、さらに硫酸アルミニウム水溶液の代わりに硫酸ク
ロム水溶液を用いる以外は同様な方法で芳香族カルボン
酸クロム化合物(I)を合成した。
【0228】実施例1 ポリエステル樹脂(1) 100重量部 芳香族オキシカルボン酸Al化合物(I) 5重量部 銅フタロシアニン顔料 3重量部
【0229】上記材料を充分ヘンシェルミキサーにより
予備混合を行い、設定温度100℃の二軸の押出混練機
で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粉砕し、次
いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した
後、コアンダ効果を利用した多分割分級装置で分級し重
量平均径5.9μmのシアン色のトナー粒子を得た。
【0230】トナー粒子に、イソブチルトリメトキシシ
ランで表面処理した一次粒径50nmの酸化チタン微粒
子を1.5wt%を外添混合しシアントナー(1)を製
造した。シアントナー(1)の各物性を表2に示す。
【0231】この青色トナー(1)7重量部と、ビニリ
デンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体
(共重合体量8:2)とスチレン−アクリル酸2−エチ
ルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比45:
20:35)を50:50の重量比率で約0.5wt%
コーティングしたCu−Zn−Fe系磁性フェライトキ
ャリア(平均粒径40μm)93重量部になるように混
合し現像剤(1)とした。
【0232】現像剤(1)を表面層がポリカーボネイト
樹脂層のOPC感光ドラムを有するキヤノン製フルカラ
ーカラー複写機(CLC700)に適用して、単色モー
ドで、常温常湿下(23.5℃/60%RH)、低温/
低湿下(10℃/10%RH),高温/高湿下(30℃
/90%RH)での連続通紙20000枚の耐久画像試
験を行った。
【0233】一方、フルカラー複写機の定着機をとりは
ずし、外部駆動および温度コントロール機能をつけ、定
着速度を変えて定着性試験をおこなった。結果を表3に
示す。
【0234】低温/低湿環境下で(クリーナー回収トナ
ー量)/(トナー消費量)から転写効率を産出し転写性
の評価を行った。高温/高湿下では20000枚耐久
と、2ヵ月間放置した後画出し試験を行った。
【0235】これらの結果を表4乃至6に示す。各々環
境下においても初期から高精細,階調性が優れた高品位
および高画像濃度を出力し、20000枚耐久後も初期
と変わらぬ良好な画像を提供できた。感光体ドラムへの
トナー付着、キズもみられなかった。
【0236】画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マク
ベス社製)を用いて現像コントラスト電位差が低温/低
湿下350V,常温/常湿下300V,高温/高湿下2
50Vにおける画像で測定した。
【0237】カブリは「リフレクトメーター」(東京電
色社製)により測定した複写画像の白地部分の白色度と
転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出して評
価した。
【0238】解像力の測定は次の方法によって行った。
線幅及び間隔の等しい5本の細線よりなるパターンで、
1mmの間に2.8;3.2;3.6;4.0;4.
5;5.0;5.6;6.3;7.1;8.0;9.0
又は10.0本あるように描かれているオリジナル画像
をつくる。この12種類の線画像を有するオリジナル原
稿を適正なる複写条件でコピーした画像を、拡大鏡にて
観察し、細線間が明確に分離している画像の本数(本/
mm)をもって解像力の値とする。
【0239】この数字が大きいほど、解像力が高いこと
を示す。
【0240】感光ドラムとマッチング性は、感光ドラム
表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウ
ト画像への影響を目視で評価した。
【0241】 A:非常に良好(未発生) B:良好(わずかに傷の発生が見られるが、画像への影
響はない) C:普通(固着や傷があるが、画像への影響が少ない) D:悪い(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
【0242】階調性は、現像コントラスト電位を17段
階に分割して出力した画像にて目視が評価した。
【0243】 A:非常に良好 B:良好 C:良 D:普通 E:やや悪い F:悪い
【0244】高温/高湿下への2ヵ月放置後のトナー凝
集性の評価は、目視評価で行った。
【0245】 A:凝集体が全くみられなく流動性が非常によい B:凝集体が全くみられない C:若干の凝集体があるが簡単にすぐほぐれる D:現像剤撹拌装置で凝集体がほぐれる(普通) E:現像剤撹拌装置では凝集体が十分にほぐれない(や
や悪い)
【0246】実施例2 ポリエステル樹脂(2)を使用する以外は実施例1と同
様にしてシアントナー(2)および現像剤(2)を調製
し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3乃至に
6に示す。
【0247】実施例3 ポリエステル樹脂(3)を使用する以外は実施例1と同
様にしてシアントナー(3)および現像剤(3)を調製
し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3乃至6
に示す。
【0248】実施例4 ポリエステル樹脂(4)を使用する以外は実施例1と同
様にしてシアントナー(4)および現像剤(4)を調製
し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3乃至6
に示す。
【0249】実施例5 ポリエステル樹脂(5)を使用する以外は実施例1と同
様にしてシアントナー(5)および現像剤(5)を調製
し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3乃至6
に示す。
【0250】実施例6 ポリエステル樹脂(6)及び芳香族カルボン酸アルミニ
ウム化合物(II)を使用する以外は実施例1と同様に
してシアントナー(6)および現像剤(6)を調製し、
実施例1と同様にして評価した。結果を表3乃至6に示
す。
【0251】実施例7 ポリエステル樹脂(7)及び芳香族カルボン酸アルミニ
ウム化合物(III)を使用する以外は実施例1と同様
にしてシアントナー(7)および現像剤(7)を調製
し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3乃至6
に示す。
【0252】実施例8 ポリエステル樹脂(8)及び芳香族カルボン酸アルミニ
ウム化合物(IV)を使用する以外は実施例1と同様に
してシアントナー(8)および現像剤(8)を調製し、
実施例1と同様にして評価した。結果を表3乃至6に示
す。
【0253】実施例9 実施例1において微粉砕機の多分割分級装置で得られた
分級微粉を用いて実施例1の処方にこの分級微粉を50
重量部新たに添加して、実施例1と同じ方法でシアント
ナー(9)および現像剤(9)を調製し、実施例1と同
様にして評価した。結果を表3乃至6に示す。
【0254】実施例10 芳香族カルボン酸亜鉛化合物(I)を使用する以外は実
施例1と同様にしてシアントナー(10)および現像剤
(10)を調製し、実施例1と同様にして評価した。結
果を表3乃至6に示す。
【0255】実施例11 芳香族カルボン酸カルシウム化合物(I)を使用する以
外は実施例1と同様にしてシアントナー(II)および
現像剤(II)を調製し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表3乃至6に示す。
【0256】実施例12 芳香族カルボン酸クロム化合物(I)を使用する以外は
実施例1と同様にしてシアントナー(12)および現像
剤(12)を調製し、実施例1と同様にして評価した。
結果を表3乃至6に示す。
【0257】比較例1 ポリエステル樹脂(9)を使用する以外は実施例1と同
様にして比較シアントナー(1)と比較現像剤(1)を
製造し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3乃
至6に示す。
【0258】高温/高湿下の耐久後の放置テストで現像
剤とトナーの凝集物が確認でき、これが階調性画像に粒
状感を与えた。またこの凝集物による感光体ドラムキズ
も若干ながら観察できた。また、低温/低湿下の耐久試
験で転写率が実施例1に比べて低下していた。
【0259】比較例2 芳香族オキシカルボン酸亜鉛化合物(I)を使用する以
外は比較例1と同様にして比較シアントナー(2)と比
較現像剤(2)を調製し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表3乃至6に示す。
【0260】比較例1と同様に実施例1に比べて画質安
定性,カブリの点で劣り、特に転写率の悪化,高温/高
湿下での現像剤の凝集が著しい。
【0261】比較例3 ポリエステル樹脂(10)を使用する以外は実施例1と
同様にして比較シアントナー(3)と比較現像剤(3)
を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3
乃至6に示す。
【0262】比較例4 ポリエステル樹脂(11)を使用する以外は実施例1と
同様にして比較シアントナー(4)と比較現像剤(4)
を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3
乃至6に示す。
【0263】比較例5 ポリエステル樹脂(12)を使用する以外は実施例1と
同様にして比較シアントナー(5)と比較現像剤(5)
を調製し、実施例1とい同様にして評価した。結果を表
3乃至6に示す。
【0264】比較例6 ポリエステル樹脂(13)を使用する以外は実施例1と
同様にして比較シアントナー(6)と比較現像剤(6)
を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3
乃至6に示す。
【0265】比較例7 ポリエステル樹脂(14)を使用する以外は実施例1と
同様にして比較シアントナー(7)と比較現像剤(7)
を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3
乃至6を示す。
【0266】比較例8 比較例5において微粉砕後の多分割分級装置で得られた
分級微粉を50部新たに添加し、比較例と同様にして比
較シアントナー(8)および比較現像剤(8)を調製
し、実施例1と同様にして評価した。低温低湿下で画出
しをしたところ、比較例5の初期画像濃度1.42及び
カブリ0.8%に対し、比較現像剤(8)を初期画像濃
度1.25,カブリ25%と顕著に濃度が低下しカブリ
も発生した。実施例1と実施例9との比較において、比
較例5の着色剤および芳香族オキシカルボン酸アルミニ
ウム化合物の分散性が良くないため、生じる現象と思わ
れる。
【0267】比較例9 ポリエステル樹脂(15)を使用する以外は実施例1と
同様にして比較シアントナー(9)と比較現像剤(9)
を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3
乃至6に示す。
【0268】
【表2】
【0269】
【表3】
【0270】
【表4】
【0271】
【表5】
【0272】
【表6】
【0273】
【発明の効果】本発明は、良好な低温定着性と耐高温オ
フセット性を有し、現像性、耐環境性、耐高温放置性に
も優れている静電荷像現像用トナーを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの貯蔵弾性率曲線の一例を示す
図である。
【図2】従来のトナーの貯蔵弾性率曲線の一例を示す図
である。
【図3】ポリエステル樹脂の13C−NMRのチャートの
1例を示す図である。
【図4】本発明のトナーを適用し得る画像形成装置の概
略的説明図である。
【図5】本発明のトナーのトナー像をシート部材に加熱
加圧定着するための加熱加圧定着手段の一例を示す概略
的説明図である。
【図6】ポリエステルポリマー鎖の金属イオン架橋の一
例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置本件 18 定着装置 19 感光ドラム 29 定着ローラ 30 加圧ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 365 (72)発明者 井田 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 飯田 育 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 神林 誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 岡戸 謙次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (57)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤及び有機金
    属化合物を含有しているトナー粒子を有する静電荷像現
    像用トナーであり、 トナー粒子の結着樹脂は、テトラヒドロフラン不溶分
    (THF不溶分)の含有量が結着樹脂を基準にして5.
    0wt%以下であり、 トナーは、ガラス転移温度が50乃至80℃であり、 トナーの温度80℃における貯蔵弾性率(G′80)が1
    ×104 乃至5×106 〔dyn/cm2 〕であり、 トナーの温度80℃における貯蔵弾性率(G′80
    と、トナーの温度130℃における貯蔵弾性率(G′
    130 )との比(G′80/G′130 )が10乃至5×10
    3 であり、 トナーの貯蔵弾性率曲線において、温度110乃至19
    0℃の領域の極小値(G′min )を有することを特徴と
    する静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 結着樹脂は、THF不溶分の含有量が
    1.0wt%以下である請求項1のトナー。
  3. 【請求項3】 結着樹脂は、THF不溶分の含有量が
    1.0wt%以下であり、 トナーの温度130℃における貯蔵弾性率(G′130
    が1×102 乃至5×103 〔dyn/cm2 〕であ
    り、 トナーの貯蔵弾性率曲線における極小値(G′min )が
    5×10乃至5×103 〔dyn/cm2 〕であり、 トナーの温度200℃における貯蔵弾性率(G′200
    が6×103 乃至1×105 〔dyn/cm2 〕であ
    り、 貯蔵弾性率(G′200 )と極小値(G′min )との比
    (G′200 /G′min )が5乃至100である請求項1
    又は2のトナー。
  4. 【請求項4】 結着樹脂は、カルボキシル基又は酸無水
    基を有している請求項1乃至3のいずれかのトナー。
  5. 【請求項5】 有機金属化合物が芳香族カルボン酸の金
    属化合物である請求項1乃至4のいずれかのトナー。
  6. 【請求項6】 結着樹脂は、ポリエステル樹脂である請
    求項1乃至5のいずれかのトナー。
  7. 【請求項7】 結着樹脂は、下記式 【外1】 〔式中、x及びyは、1以上の整数であり、x+yの平
    均値は2〜4である〕で示される分子骨格を有するポリ
    エステル樹脂である請求項1乃至6のいずれかのトナ
    ー。
  8. 【請求項8】 ポリエステル樹脂は、非線状ポリエステ
    ル樹脂である請求項6又は7のトナー。
  9. 【請求項9】 ポリエステル樹脂は、13C−NMRによ
    る測定で、ケミカルシフト(δ値)164.4〜16
    4.7ppmの領域のピーク面積比率が10〜70%で
    ある請求項6乃至8のいずれかのトナー。 【外2】 〔式中AC* はケミカルシフト(δ値)164.4〜1
    64.7ppmの領域のピーク面積を示し、TACはケ
    ミカルシフト(δ値)160.0〜180.0ppmの
    領域のピーク面積を示す〕
  10. 【請求項10】 ポリエステル樹脂は、三価以上の多価
    カルボン酸又は三価以上の多価アルコールで非線状化さ
    れている請求項6乃至9のいずれかのトナー。
  11. 【請求項11】 有機金属化合物が、芳香族カルボン酸
    と二価以上の金属原子から形成された芳香族カルボン酸
    化合物である請求項1乃至10のいずれかのトナー。
  12. 【請求項12】 有機金属化合物が、芳香族カルボン酸
    とアルミニウム原子とから形成された芳香族カルボン酸
    化合物である請求項1乃至11のいずれかのトナー。
  13. 【請求項13】 芳香族カルボン酸が、ジアルキルサリ
    チル酸である請求項12のトナー。
  14. 【請求項14】 芳香族カルボン酸が、ジ−tert−
    ブチルサリチル酸である請求項13のトナー。
  15. 【請求項15】 トナー粒子は、結着樹脂100重量部
    当り有機金属化合物を0.1乃至10重量部含有してい
    る請求項1乃至14のいずれかのトナー。
  16. 【請求項16】 トナー粒子は、結着樹脂100重量部
    当り有機金属化合物を0.5乃至9重量部含有している
    請求項15のトナー。
  17. 【請求項17】 ポリエステル樹脂は、下記式−C−D
    −C−D−〔式中、Cは、 【外3】 (式中、x及びyは1以上の整数を示す)を示し、 【外4】 で示される分子骨格を有し、三価以上の多価カルボン酸
    で非線状化されている請求項6乃至16のいずれかのト
    ナー。
  18. 【請求項18】 ポリエステル樹脂は、酸価1乃至30
    mgKOH/gを有する請求項17のトナー。
  19. 【請求項19】 ポリエステル樹脂は、酸価3乃至25
    mgKOH/gを有する請求項18のトナー。
  20. 【請求項20】 トナーは、重量平均粒径が2.5乃至
    10.0μmである請求項1乃至19のいずれかのトナ
    ー。
  21. 【請求項21】 トナーは、重量平均粒径が2.5乃至
    6.0μmである請求項20のトナー。
  22. 【請求項22】 トナーは、体積平均粒径が2.5乃至
    6.0μmである請求項1乃至21のいずれかのトナ
    ー。
  23. 【請求項23】 トナーは、ガラス転移温度が51乃至
    75℃である請求項1乃至22のいずれかのトナー。
  24. 【請求項24】 ポリエステル樹脂は、そのテトラヒド
    ロフランの可溶成分(THF可溶成分)のゲルパーミイ
    エーションクロマトグラフィーにおいて数平均分子量
    (Mn)が1,000乃至9,000であり、分子量分
    布においてメインピークの分子量(Mp)が5,000
    乃至12,000である請求項6乃至23のいずれかの
    トナー。
  25. 【請求項25】 ポリエステル樹脂のTHF可溶分は、
    非線状ポリエステル樹脂であり、重量平均分子量(M
    w)と数平均分子量(Mn)との比が5.0以下である
    請求項6乃至24のいずれかのトナー。
  26. 【請求項26】 結着樹脂は、下記式(E) 【外5】 (式中、x,yは1以上の整数でx+yの平均値は2〜
    4である)。で示されるビスフェノール誘導体とフマル
    酸とを縮重合させてプレポリマーを生成し、 該プレポリマーと、ジオールと、ジカルボン酸と、3価
    以上の多価カルボン酸又は3価以上の多価アルコールと
    を縮重合させることにより生成した非線状ポリエステル
    樹脂である請求項6乃至25のいずれかのトナー。
  27. 【請求項27】 トナー粒子は、THF不溶分が1.0
    wt%以下の結着樹脂と、着色剤と、有機金属化合物と
    を少なくとも有する混合物を溶融混練し、 得られた混練物を冷却した冷却物を粉砕することにより
    生成されたものであり、 該結着樹脂は、下記式(E) 【外6】 (式中x,yは1以上の整数でx+yの平均値は2〜4
    である)。で示されるビスフェノール誘導体とフマル酸
    とを縮重合させてプレポリマーを生成し、 該プレポリマーと、ジオールと、ジカルボン酸と、3価
    以上の多価カルボン酸又は3価以上の多価アルコールと
    を縮重合させることにより生成した非線状ポリエステル
    樹脂である請求項6乃至26のいずれかのトナー。
  28. 【請求項28】 トナー粒子は、結着樹脂成分として非
    線状ポリエステル樹脂を金属イオン架橋した非線状ポリ
    エステル樹脂成分を有する請求項6乃至27のいずれか
    のトナー。
  29. 【請求項29】 シート材上のトナー像を加熱加圧手段
    によってシート材に定着する定着方法であり、 トナー像はトナーで形成されており、 該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び有機金属
    化合物を含有しているトナー粒子を有するトナーであ
    り、 トナー粒子の結着樹脂は、テトラヒドロフラン不溶分
    (THF不溶分)の含有量が結着樹脂を基準にして5.
    0wt%以下であり、 トナーは、ガラス転移温度が50乃至80℃であり、 トナーの温度80℃における貯蔵弾性率(G′80)が1
    ×104 乃至5×106 〔dyn/cm2 〕であり、 トナーの温度80℃における貯蔵弾性率(G′80
    と、トナーの温度130℃における貯蔵弾性率(G′
    130 )との比(G′80/G′130 )が10乃至5×10
    3 であり、 トナーの貯蔵弾性率曲線において、温度110乃至19
    0℃の領域に極小値(G′min )を有することを特徴と
    する定着方法。
  30. 【請求項30】 トナー像はシート材上に温度150±
    30℃の加熱手段を圧接することによって定着される請
    求項29の定着方法。
  31. 【請求項31】 結着樹脂は、THF不溶分の含有量が
    1.0wt%以下である請求項29又は30の定着方
    法。
  32. 【請求項32】 結着樹脂は、THF不溶分の含有量が
    1.0wt%以下であり、 トナーの温度130℃における貯蔵弾性率(G′130
    が1×102 乃至5×103 〔dyn/cm2 〕であ
    り、 トナーの貯蔵弾性率曲線における極小値(G′min )が
    5×10乃至5×103 〔dyn/cm2 〕であり、 トナーの温度200℃における貯蔵弾性率(G′200
    が6×103 乃至1×105 〔dyn/cm2 〕であ
    り、 貯蔵弾性率(G′200 )と極小値(G′min )との比
    (G′200 /G′min )が5乃至100である請求項2
    9乃至31のいずれかの定着方法。
  33. 【請求項33】 結着樹脂は、カルボキシル基又は酸無
    水基を有している請求項29乃至32のいずれかの定着
    方法。
  34. 【請求項34】 有機金属化合物が芳香族カルボン酸の
    金属化合物である請求項29乃至33のいずれかの定着
    方法。
  35. 【請求項35】 結着樹脂は、ポリエステル樹脂である
    請求項29乃至33のいずれかの定着方法。
  36. 【請求項36】 結着樹脂は、下記式 【外7】 〔式中、x及びyは、1以上の整数であり、x+yの平
    均値は2〜4である〕で示される分子骨格を有するポリ
    エステル樹脂である請求項29乃至35のいずれかの定
    着方法。
  37. 【請求項37】 ポリエステル樹脂は、非線状ポリエス
    テル樹脂である請求項36又は37の定着方法。
  38. 【請求項38】 ポリエステル樹脂は、13C−NMRに
    よる測定で、ケミカルシフト(δ値)164.4〜16
    4.7ppmの領域のピーク面積比率が10〜70%で
    ある請求項35乃至37のいずれかの定着方法。 【外8】 〔式中AC* はケミカルシフト(δ値)164.4〜1
    64.7ppmの領域のピーク面積を示し、TACはケ
    ミカルシフト(δ値)160.0〜180.0ppmの
    領域のピーク面積を示す〕
  39. 【請求項39】 ポリエステル樹脂は、三価以上の多価
    カルボン酸又は三価以上の多価アルコールで非線状化さ
    れている請求項35乃至38のいずれかの定着方法。
  40. 【請求項40】 有機金属化合物が、芳香族カルボン酸
    と二価以上の金属原子から形成された芳香族カルボン酸
    化合物である請求項29乃至39のいずれかの定着方
    法。
  41. 【請求項41】 有機金属化合物が、芳香族カルボン酸
    とアルミニウム原子とから形成された芳香族カルボン酸
    化合物である請求項29乃至40のいずれかの定着方
    法。
  42. 【請求項42】 芳香族カルボン酸が、ジアルキルサリ
    チル酸である請求項41の定着方法。
  43. 【請求項43】 芳香族カルボン酸が、ジ−tert−
    ブチルサリチル酸である請求項42の定着方法。
  44. 【請求項44】 トナー粒子は、結着樹脂100重量部
    当り有機金属化合物を0.1乃至10重量部含有してい
    る請求項29乃至43のいずれかの定着方法。
  45. 【請求項45】 トナー粒子は、結着樹脂100重量部
    当り有機金属化合物を0.5乃至9重量部含有している
    請求項44の定着方法。
  46. 【請求項46】 ポリエステル樹脂は、下記式−C−D
    −C−D−〔式中、Cは、 【外9】 (式中、x及びyは1以上の整数を示す)を示し、 【外10】 で示される分子骨格を有し、三価以上の多価カルボン酸
    で非線状化されている請求項35乃至45のいずれかの
    定着方法。
  47. 【請求項47】 ポリエステル樹脂は、酸価1乃至30
    mgKOH/gを有する請求項46の定着方法。
  48. 【請求項48】 ポリエステル樹脂は、酸価3乃至25
    mgKOH/gを有する請求項47の定着方法。
  49. 【請求項49】 トナーは、重量平均粒径が2.5乃至
    10.0μmである請求項29乃至48のいずれかの定
    着方法。
  50. 【請求項50】 トナーは、重量平均粒径が2.5乃至
    6.0μmである請求項49の定着方法。
  51. 【請求項51】 トナーは、体積平均粒径が2.5乃至
    6.0μmである請求項29乃至50のいずれかの定着
    方法。
  52. 【請求項52】 トナーは、ガラス転移温度が51乃至
    75℃である請求項29乃至51のいずれかの定着方
    法。
  53. 【請求項53】 ポリエステル樹脂は、そのテトラヒド
    ロフランの可溶成分(THF可溶成分)のゲルパーミイ
    エーションクロマトグラフィーにおいて数平均分子量
    (Mn)が1,000乃至9,000であり、分子量分
    布においてメインピークの分子量(Mp)が5,000
    乃至12,000である請求項35乃至52のいずれか
    の定着方法。
  54. 【請求項54】 ポリエステル樹脂のTHF可溶分は、
    非線状ポリエステル樹脂であり、重量平均分子量(M
    w)と数平均分子量(Mn)との比が5.0以下である
    請求項35乃至53のいずれかの定着方法。
  55. 【請求項55】 結着樹脂は、下記式(E) 【外11】 (式中、x,yは1以上の整数でx+yの平均値は2〜
    4である)。で示されるビスフェノール誘導体とフマル
    酸とを縮重合させてプレポリマーを生成し、 該プレポリマーと、ジオールと、ジカルボン酸と、3価
    以上の多価カルボン酸又は3価以上の多価アルコールと
    を縮合させることにより生成した非線状ポリエステル樹
    脂である請求項35乃至54のいずれかの定着方法。
  56. 【請求項56】 トナー粒子は、THF不溶分が1.0
    wt%以下の結着樹脂と、着色剤と、有機金属化合物と
    を少なくとも有する混合物を溶融混練し、 得られた混練物を冷却した冷却物を粉砕することにより
    生成されたものであり、 該結着樹脂は、下記式(E) 【外12】 (式中x,yは1以上の整数でx+yの平均値は2〜4
    である)。で示されるビスフェノール誘導体とフマル酸
    とを縮重合させてプレポリマーを生成し、 該プレポリマーと、ジオールと、ジカルボン酸と、3価
    以上の多価カルボン酸又は3価以上の多価アルコールと
    を縮重合させることにより生成した非線状ポリエステル
    樹脂である請求項6乃至26のいずれかのトナー。
  57. 【請求項57】 トナー粒子は、結着樹脂成分として非
    線状ポリエステル樹脂を金属イオン架橋した非線状ポリ
    エステル樹脂成分を有する請求項35乃至56のいずれ
    かの定着方法。
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