JP2003149865A - 現像用トナー - Google Patents

現像用トナー

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JP2003149865A
JP2003149865A JP2001348929A JP2001348929A JP2003149865A JP 2003149865 A JP2003149865 A JP 2003149865A JP 2001348929 A JP2001348929 A JP 2001348929A JP 2001348929 A JP2001348929 A JP 2001348929A JP 2003149865 A JP2003149865 A JP 2003149865A
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titanium oxide
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polyester resin
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JP2001348929A
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English (en)
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Takatsuru Matsumoto
香鶴 松本
Kanshiro Okamoto
完志郎 岡本
Toshihiko Murakami
登司彦 村上
Sayaka Fujita
さやか 藤田
Takeshi Kato
武 加藤
Eiji Tenjiku
英司 天竺
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】感光体表面に特別な強度を持たせなくとも
感光体の耐久性を損なわず、またトナーリサイクルシス
テムを組み込んだ画像形成方法や装置に用いても、画像
に黒ポチ等の故障が出ず、トナーの流動性の低下や帯電
性変動、トナースペント等のキャリア汚染、損傷のな
い、従って画像濃度が高く、かぶりのない静電荷像現像
用トナーを提供すること。 【解決手段】本発明の現像用トナーは、トナーの母体粒
子にポリエステル樹脂を使用し、そのポリエステル樹脂
には特定のエステル化成分を特定の比率を選択して製造
したものが用いられ、また外添剤の酸化チタンを所定の
形状係数を満たすものとしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
プリンタ、静電印刷等に用いられる静電荷像現像用トナ
ーに関するものであり、より詳細には、トナーの樹脂と
外添剤とを最適に組み合わせた、リサイクルシステムに
十分に対応できる現像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法においては、一般に光導電性
物質を利用し、種々の手段により感光体に静電荷像を形
成し、この静電荷像をトナーで現像し、次に紙等の転写
材に定着する。近年の情報化社会の急速な発展は、複写
機、プリンタ等の電子写真の分野において、記録コピー
の更なる高速化、カラー化、画質の鮮明化が求められて
おり、トナーに用いられる結着樹脂としては、より定着
性能の優れた、カラー発色性の良い樹脂が望まれてい
る。
【0003】一般にかかる結着樹脂としては例えば、ス
チレン・アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂などが適している。ポリエステル樹脂をトナーの結着
樹脂として用いた場合、連続コピー時にトナーと、キャ
リア或いは現像マグネットロール等との摩擦により、蓄
熱したトナーが熱凝集を起すことがあるため、その改良
が望まれている。また、ヒートロール定着法ではヒート
ロール表面と転写されたトナー像とが直接接触し、ヒー
トロールからの熱と圧力によってトナーは紙等に溶融、
及び定着されるが、その際トナー像の一部がローラ表面
に付着転移し、更にこの転移物が次の紙等の転写材に再
転移する、いわゆるオフセット現象が生じコピートラブ
ルが生じることがある。特にポリエステル樹脂はその傾
向が強く、その改良が望まれている。
【0004】これらの問題点を改良すべく、非晶性ポリ
エステルと結晶性ポリエステルをブレンドして使用した
トナーや一部結晶性セグメントを導入したブロック共重
合ポリエステルが知られている。これらの技術は、いず
れも結晶性ポリエステルを導入することによってトナー
としての定着下限温度を下げ、耐オフセット性を改良し
ようとするものである。その点での効果は認められるも
のの、これらはいずれも低Tgの結晶性セグメントもし
くは結晶性ポリマー鎖を含んでいるため、トナーとして
のTgが充分高くなく、常温での粉砕性が悪く、熱凝集
を起こし易いという問題点がある。
【0005】また、現在ではトナーのランニングコスト
低減の意味から、クリーニングでトナーを回収し再利用
する所謂トナーのリサイクルシステムを採用した画像形
成方法が注目されている。上記リサイクルシステムに適
用する現像用トナーは繰返して加えられる押圧力、せん
断力、摩擦力、或いは環境からの影響に耐えてトナー特
性が正常に維持させることが必要である。
【0006】一方、最近においては、高速複写機あるい
は複写機の小型化の要請から、従来より一層低温で定着
が可能なトナーの開発が強く望まれている。すなわち、
高速複写機においては、多数枚の連続複写を行うと熱ロ
ーラの熱が転写紙に奪われて熱補給が間に合わず、その
結果熱ローラの温度が低下して定着不良が生じやすい。
また小型複写機においては、熱ローラの加熱用ヒータ容
量の小さいコンパクトな複写機とすることが必要である
が、加熱用ヒータの容量を小さくすると熱ローラの加熱
に時間を要し待ち時間が長くなり、あるいは連続複写を
行うと熱補給が間に合わなくなり、その結果、熱ローラ
の温度が低下し定着不良が生じやすい。
【0007】熱ローラ定着方式を採用する場合には、定
着時において熱ローラの表面にトナーが溶融状態で接触
することとなるが、溶融トナーの粘弾性が過小もしくは
過大のときには溶融トナーの一部が熱ローラの表面に転
移付着し、これが次に送られてくる転写紙に再転移して
画像を汚すという所謂オフセット現象が発生する。この
オフセット現象には、トナーの加熱が不足のときに生ず
るアンダーオフセットと、トナーの加熱が過剰のときに
生ずるホットオフセットとがあり、トナーとしては、定
着が可能な最低定着温度とホットオフセット現象が発生
しない最高温度範囲の定着適応温度域が広くなることが
好ましい。
【0008】また、良好な画質の画像を形成するために
はトナーが高い流動性を有することが必要である。トナ
ーの流動性を向上させる技術としては、トナー成分に、
シリカ微粒子等の流動化剤を添加することが知られてい
る。しかしながら、かかるシリカ微粒子等の流動化剤を
有するトナーを用いて、トナーのリサイクルシステムを
採用して画像を形成する場合には、トナーがリサイクル
により機械的なストレスを相当頻繁に受けるため、シリ
カ微粒子等がトナー粒子中に埋め込まれて次第にトナー
の流動性が低下し、その結果、トナーの摩擦帯電の立ち
上がりが悪くなって画像にかぶりが発生したり、クリー
ニング不良に起因する画像の汚れが発生する課題点があ
る。
【0009】また、トナーにおいては、使用もしくは貯
蔵環境条件下において凝集せずに粉体として安定に存在
しうること、すなわち耐ブロッキング性が優れているこ
とが必要とされる。このような問題或いは要請に対し
て、各種の技術が提案されている。例えば結晶性ポリエ
チレンと無定形ビニル重合体との共重合体をトナーに用
い、更に該トナーに機械的衝撃力を加えてトナーを調
え、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性、
現像性更に耐ストレス性に対し夫々に改善の実を挙げて
いるが、リサイクルシステムに適用する場合には流動化
剤のシリカ微粒子のトナー粒子の埋没を起しトナー特性
が劣化する。
【0010】更に、Tgの高い樹脂微粒子を機械的衝撃
力でトナー粒子に付着させ定着性の改良が行われている
が、リサイクルによって樹脂微粒子が外れ、定着ローラ
にフィルミングを起すようになる。また、トナー粒子に
有機微粒子を付与して、リサイクルにおける画質とクリ
ーニング性を改良したが長時間使用において耐用性に不
足する所があった。
【0011】現像剤の耐久性向上の手段としてトナー粒
子の表面により細い樹脂微粒子を機械的衝撃力により固
着させる技術が知られている。省資源、環境問題の観点
から、廃棄トナーを出さないトナーリサイクルシステム
において、使用した場合にはトナー表面の有機微粒子
が、ブレード、搬送スクリュー等によりストレスを受
け、脱離する。そして再び現像部に供給されると、脱離
した有機微粒子がキャリア表面に静電的に付着してトナ
ーの摩擦帯電能を低下させ、トナー飛散やかぶりが発生
するという欠点がある。又有機微粒子が感光体表面に付
着し、画像汚れの問題が発生するという欠点がある。
【0012】ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂
を感光層の表面層として使用した感光材料ドラムをトナ
ーリサイクルシステムに用いた場合、トナーリサイクル
によりシリカ微粒子の埋設したトナー粒子の割合が多く
なり、感光体ドラムへの付着力が強くなってトナーフィ
ルミングが生じる。また、クリーニング性を良好とする
ためにブレードの押圧力を高めにすると感光体への傷が
発生しやすくなり、画像不良を招く問題がある。
【0013】また、複写画像が良好な画質を長期にわた
り形成するためには、トナーが高い流動性を有し、安定
した帯電性を維持することが必要である。トナーの流動
性を向上させる技術としては、結着樹脂中に少なくとも
着色剤を含有する着色粒子に、シリカ微粒子などの流動
化剤を添加混合することが知られている。前述のごと
く、現像工程において静電潜像の現像が行われてトナー
像が形成されるが、このトナー像を形成する全てのトナ
ーが記録材に転写されるわけではなく、通常は感光体上
にトナーの一部が残留する。従来、この残留したトナー
はクリーニング器により回収され廃棄されていたが、近
年、経済性、環境安全性の面から回収されたトナーをト
ナー搬送スクリュー等にとり、再び現像器中に戻して再
度現像用トナーとして利用する、いわゆるトナーリサイ
クルシステムを採用した画像形成方法が注目されてい
る。
【0014】しかしながら、このような粒子径の小さい
流動化剤を含有してなるトナーを用いてトナーリサイク
ルシステムを採用した画像形成方法により画像を形成し
た場合、トナーはトナー搬送スクリューなどによる過大
な物理的圧縮力を受け、その結果トナー粒子の表面に存
在すべき流動化剤がトナー粒子中に埋め込まれ、次第に
トナーの流動性が低下するとともにトナーの帯電量が変
化し、トナー飛散、カブリが発生したり、また画像濃度
が低下するという問題点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
の解決策を提供する為になされた。すなわち、感光体表
面に特別な強度を持たせなくとも感光体の耐久性を損な
わず、またトナーリサイクルシステムを組み込んだ画像
形成方法や装置に用いても、画像に黒ポチ等の故障が出
ず、トナーの流動性低下や帯電性変動、トナースペント
等のキャリア汚染、損傷のない、従って画像濃度が高
く、かぶりのない静電荷像現像用トナーを提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に係る現像
用トナーは、以下の構成或いは手段からなることを特徴
とし、上記課題を解決するものである。 (1) 多塩基酸成分がテレフタル酸を主成分とし、多
価アルコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル(A)と下式(1)で表されるグリコール(B)とを
主成分とし、且つ(A):(B)のモル比が35:65
乃至65:35の範囲にあり、ガラス転移温度(Tg)
が55乃至75℃の範囲にあり、質量平均分子量(M
w)が5000乃至20000の範囲にあり、温度10
0℃における溶融粘度が104乃至106ポイズの範囲に
あり、また環球法軟化点(SP)が温度90乃至120
℃の範囲にあるポリエステル樹脂をトナー母体粒子と
し、外添剤として酸化チタンが使用され、且つ該酸化チ
タンの数平均一次粒子径をA(m)とし、比表面積をB
とし、真比重をdとして求めた形状係数(K)=B/
(6/Ad)が、1.2×109<(K)<6.0×1
9の式を満たし、かつトナー帯電量の絶対値|C|が
5<|C|<60の式を満たしてなることを特徴とする
現像用トナー。
【0017】
【化2】
【0018】(2) 上記ガラス転移温度(Tg)が6
0乃至70℃の範囲であることを特徴とする上記(1)
記載のトナー。 (3) 上記多塩基酸成分として、テレフタル酸を90
モル%以上含有することを特徴とする上記(1)又は
(2)記載のトナー。 (4) 上記多価アルコール成分として、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール(A)とグリコール(B)との
合計を90モル%以上含有することを特徴とする上記
(1)乃至(3)のいずれかに記載のトナー。 (5) 上記酸化チタン粒子の疎水化度が0乃至20%
であることを特徴とする上記(1)乃至(4)に記載の
トナー。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る現像用トナー
の好ましい実施の形態を詳述する。尚、本発明に係る現
像用トナーは以下の実施形態及び実施例に限るものでは
ない。本発明に係る現像用トナーのトナー母体粒子に
は、多塩基酸成分がテレフタル酸を主成分とし、多価ア
ルコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール
(A)と下式(1)で表されるグリコール(B)とを主
成分とし、且つ(A):(B)のモル比が35:65乃
至65:35の範囲にあるポリエステル樹脂(結着樹
脂)が用いられる。上記ポリエステル樹脂は、その特定
の成分組成比と、後述するガラス転移温度(Tg)範囲
等にあるがゆえに結晶性と非晶性の中間的な性質を持
ち、トナーとしての低温定着牲、耐オフセット性が良
く、なお且つ、カラートナー用として不可欠な完全な無
色透明性を併せ持つものである。
【0020】
【化3】
【0021】上記ポリエステル樹脂は該樹脂を構成する
多価アルコール成分として、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール(A)と下式(1)で表されるグリコール
(B)とを必須成分とする。上記式(1)で表されるグ
リコール(B)の中でもビスフェノールAのエチレンオ
キサイド2モル付加物若しくはプロピレンオキサイド2
モル付加物が好ましく、特にエチレンオキサイド2モル
付加物が好ましい。
【0022】上記1,4−シクロヘキサンジメタノール
(A)と式(1)で表されるグリコール(B)以外に、
これらと併用できる他の多価アルコールとしては、エチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA等の
2価アルコール類、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチル
イソシアヌレート、ペンクエリスリトール等の3価以上
のアルコール類が挙げられ、本発明の効果を損なわない
範囲で、10モル%未満の少量を併用することが可能で
ある。即ち、上記ポリエステル樹脂は上記多価アルコー
ル成分として、1,4−シクロヘキサンジメタノール
(A)とグリコール(B)との合計を90モル%以上含
有することが好ましい。
【0023】上記1,4−シクロヘキサンジメタノール
(A)と上記式(1)で表されるグリコール(B)のモ
ル比(A):(B)は35:65乃至65:35の範囲
にあり、特に好ましくは40:60乃至60:40の範
囲である。上記1,4−シクロヘキサンジメタノール
(A)の(B)に対する配合比率が65モル%を越える
と、結晶化傾向が大きすぎて、上記ポリエステル樹脂自
体が不透明となり、本発明の目的とする透明性が良好
で、発色性の良好なカラートナーが得られない。逆に、
上記1,4−シクロヘキサンジメタノール(A)の
(B)に対する配合比率が35モル%以下では、上記ポ
リエステル樹脂の特徴である半結晶的な性状を呈しなく
なるばかりか、ポリエステル樹脂自体が黄褐色に着色し
てくる傾向が強まり、精緻な色彩管理が要求されるデジ
タルカラー複写機用トナーを提供する事が出来ない。
【0024】通常、樹脂の透明性の程度はヘーズ値(曇
価)で表示される。カラートナー用としての上記ポリエ
ステル樹脂は、ヘーズ値が20以下のものが好ましい。
ポリエステル樹脂は、該樹脂を220℃以上に加熱溶融
して室温まで急冷(冷却速度100℃/分以上)した場
合にはヘーズ値が20以下となり、透明となるが、徐冷
(冷却速度0.1℃/分以下)した場合にはヘーズ値は
70以上で不透明(結晶化)な状態を呈する。工業的に
実現可能な冷却でなお不透明ではカラートナーには使用
出来ないのである。また、式(1)で表されるビスフェ
ノールAアルキレンオキサイド付加物のような芳香族構
造のグリコールは、シクロヘキサンジメタノールのよう
な脂環構造のグリコールに比べてエステル化反応の速度
が遅いため、高温(240℃付近以上)で反応せざるを
得ない。芳香族構造のグリコールは高温での安定性が良
くないため、一部分解、変質が起こって着色する傾向に
ある。
【0025】このようなことから本発明の上記ポリエス
テル樹脂にあっては、上記1,4−シクロヘキサンジメ
タノールが35モル%以上65%モル以下で配合される
場合には比較的反応速度が大きいのでやや低温(230
℃付近)で反応させることができ、熱安定性も良好であ
るので、本発明の目的とする色根の良好なカラー用のト
ナーを得ることができる。通常、樹脂自体の変質、着色
の程度はガードナー色数で表示される。本発明における
カラートナー用としてのポリエステル樹脂はガードナー
色数が2以下であるのが好ましく、より好ましくは1以
下である。
【0026】上記ポリエステル樹脂において、主成分で
あるテレフタル酸と併用できる他の多塩基酸としては、
例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸、ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、マ
ロン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
オルソフタル酸、イソフタル酸、等の二塩基酸類、トリ
メリット酸、トリメチン酸、ピロメリット酸等の三塩基
以上の酸類及びこれらの無水物、低級アルキルエステル
類が挙げられ、これらを10モル%未満の少量併用する
ことが可能である。即ち、上記多塩基酸成分として、テ
レフタル酸を90モル%以上含有することが好ましい。
【0027】尚、本発明において上記ポリエステル樹脂
をカラートナー用として製造する際に、主たるモノマー
成分であるシクロヘキサンジメタノール、ビスフェノー
ルA、アルキルレンオキサイド付加物、及びテレフタル
酸以外にも、本発明の現像用トナーの性能に悪影響を与
えない範囲で前述のアルコール成分、及び酸成分を用い
ることができるが、該樹脂に着色をもたらすような成
分、例えば、窒素原子を含むような多価アルコール、多
塩基酸、或いはポリアミン、ポリイソシアネート類は好
ましくない。
【0028】本発明の母体粒子に用いる上記ポリエステ
ル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が55乃至75℃の
範囲にあり、質量平均分子量(Mw)が5000乃至2
0000の範囲にあり、温度100℃における溶融粘度
が104乃至106ポイズの範囲にあり、また環球法軟化
点(SP)が温度90乃至120℃の範囲にある。即
ち、上記多塩基酸成分がテレフタル酸を主成分とし、上
記多価アルコール成分(A):(B)のモル比が35:
65乃至65:35の範囲であり、しかもガラス転移温
度(Tg)が55乃至75℃、質量平均分子量(Mw)
が5000乃至20000であり、温度100℃におけ
る溶融粘度が104乃至106ポイズであり、また環球法
軟化点(SP)が温度90乃至120℃の範囲にある
と、驚くべきことに、ポリエステル樹脂は半結晶性とも
言うべき状態を呈する。
【0029】上記ポリエステル樹脂のガラス転移点は5
5乃至75℃であり、より好ましくは60乃至70℃で
ある。ガラス転移点が55℃未満であるとトナーとして
の耐熱凝集性が不良となり、75℃を越えると定着性が
不良となる。
【0030】上記ポリエステル樹脂の温度100℃にお
ける溶融粘度は、104乃至106ポイズである。より好
ましくは5×104乃至5×105ポイズである。温度1
00℃における溶融粘度が104ポイズ未満であると、
定着ヒートロールのシリコンオイル供給量にも依るが、
紙の巻き付きやオフセット現象が起こりやすくなる。逆
に溶融粘度が106ポイズを越えると紙上に転写したシ
アン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色トナーの定着
時における溶融混合が不完全となり、発色不良となる。
【0031】上記ポリエステル樹脂の環球式軟化点(S
P)は温度90乃至120℃であり、より好ましくは温
度95乃至115℃である。軟化点が90℃未満である
と定着ヒートロールのシリコンオイル供給量にも依る
が、紙の巻き付きやオフセット現象が起こりやすくな
る。逆に温度120℃を越えると紙上に転写したシア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色トナーの定着時
における溶融混合が不完全となり、発色不良となる。
【0032】上記ポリエステル樹脂の質量平均分子量
は、5000乃至20000である。より好ましくは7
000乃至12000である。質量平均分子量が500
0以下であると樹脂が脆くなりすぎて、トナー粉砕時に
2μm以下の微粉が大量に生成し、分級収率が低下す
る。逆に質量平均分子量(Mw)が20000を越える
と樹脂が強靭になりすぎ、トナーの粉砕性(生産性)が
低下する。
【0033】上記ポリエステル樹脂の酸価は30mg・
KOH/g以下、水酸基価は60mg・KOH/g以下
が好ましい。上記ポリエステル樹脂は、通常のポリエス
テル合成法すなわち多塩基酸成分と多価アルコール成分
をエステル化反応またはエステル交換反応せしめ、縮合
水、低沸点のアルコール成分等を系外に流出せしめつつ
重縮合する方法によって合成される。重縮合に際して
は、公知の重合触媒、例えばチタンテトラブトキサイ
ド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二
硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど
を用いることができる。
【0034】上記ポリエステル樹脂は本発明の現像用ト
ナーに単独で用いるのが好ましいが、本発明の目的を逸
脱しない範囲で、他の樹脂、例えばスチレンアクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂などと
ブレンドしても用いることも可能である。
【0035】次に、本発明に用いる酸化チタン粒子につ
いて説明する。本発明に係る現像用トナーは外添剤とし
て酸化チタンが使用される。該酸化チタンは数平均一次
粒子径をA(m)とし、比表面積をBとし、真比重をd
として求めた形状係数(K)=B/(6/Ad)が、
1.2×109<(K)<6.0×109の式を満たし、
また酸化チタン粒子の帯電量の絶対値|C|が5<|C
|<60の式を満たしてなる。
【0036】上記酸化チタン粒子は鋭角な凸部がなく、
かつ表面に多孔性の凹凸がある。この表面状態により、
酸化チタン粒子はキャリア表面に対する研磨効果を向上
させ、また装置内のブレード等のクリーニング手段によ
る感光体表面に対する傷を発生させる虞がない。また数
平均一次粒子径が0.04×10-6乃至0.2×10-6
mの酸化チタン粒子は、フアンデルワールス力、及び静
電付着力により着色粒子からの脱離がない。このため、
かかる粒子を使用したトナーは、トナーリサイクルシス
テムにおける過大な物理的圧縮力を受けても着色粒子中
に埋没しにくい為、トナー帯電量の変化が生じ難く優れ
た画像を安定に供給することができる。
【0037】上記酸化チタン粒子の数平均一次粒子径は
以下の要領により測定するものである。着色粒子に酸化
チタン粒子を混合処理し、電子顕微鏡により撮影したも
のを日本アビオニクス(株)製SPICCA(型番TM
N−1528−01)の画像処理により数平均一次粒子
径:A(m)を求めた。酸化チタン粒子は数平均一次粒
子径0.04×10-6乃至0.2×10-6mが好まし
く。また酸化チタン粒子は帯電量を制御するために表面
処理を施し使用してもよい。上記酸化チタン粒子のBE
T比表面積:Bは島津製作所製フローソープII−23
00形により測定する。酸化チタンの真比重はd=4.
0(g/cm3)として算出するものである。
【0038】本発明において上記酸化チタン粒子の形状
係数(K)は、(K)=B/(6/Ad)で表され、以
下の不等号式表される範囲を満たすものである。 1.2×109<(K)<6.0×109 また、本発明において、酸化チタン粒子の帯電量は、酸
化チタン粒子の帯電量の絶対値|C|が5<|C|<6
0の式を満たしてなる。上記酸化チタン粒子の帯電量と
は、以下のように測定したものをいう。ブローオフ粉体
帯電量測定装置TB−200(東芝ケミカル株式会社
製)にて、本実施の形態に使用する2成分用キャリアに
対し酸化チタン微粒子濃度が0.1(wt%)になるよ
うに混合したサンプルをステンレス製400メッシュを
セットした測定用セルに入れ窒素ガスを用いて内圧が
1.0(kgf/cm2)となる圧力で15秒間ブロー
オフし、飛散した酸化チタンの電荷と質量を測定し、電
荷/質量を帯電量とする。
【0039】本発明において、上記酸化チタン微粒子の
製造法は主に硫酸法と塩素法が好適である。硫酸法は原
料鉱石を硫酸溶解し、Ti、Feの硫酸塩溶液を精製後
加水分解し、水酸化チタンを作り、これを焼成すること
により得られる。塩素法は原料鉱石を塩素と反応させて
四塩化チタンにし、精製後、気相酸化すること、または
四塩化チタンを水に溶解した塩酸水溶液に強塩基を投入
して生成する水酸化チタンを焼成することにより得られ
る。得られた酸化チタンは塊状であるため、粉砕し微粒
化したり、目的に応じて粉砕後または水酸化チタン焼成
時に表面処理剤を処理し使用することができる。焼成温
度は通常、温度1000℃前後で行われるが、表面処理
を行う場合には400乃至600℃程度の温度で焼成す
ることもある。
【0040】以下、本発明に係る現像剤用トナーに用い
ることのできるその他の成分について記する。トナーの
定着性改良剤としては、例えばポリプロピレン、ポリエ
チレン等のポリオレフィン、またパラフィンワックス、
カルナパワックス、サゾールワックス、シリコーンワニ
ス等を用いることができ、これらを単独で、或いは2種
類以上組み合わせて用いることができる。
【0041】磁性トナーを得る場合には、核粒子中にさ
らに磁性粉が含有される。磁性粉としては、フェライ
ト、マグネタイト、ヘマタイト等の鉄、亜鉛、コバル
ト、ニッケル、マンガン等の合金もしくは化合物等を用
いることができる。磁性粉の平均粒径は1μm以下が好
ましく、特に0.5μm以下が好ましい。また磁性粉の
配合量は、核粒子全体の20乃至70質量%の範囲が好
ましい。
【0042】本発明におけるトナーに使用する着色剤と
しては、例えばカーボンブラック、ニグロシン系染料、
アニリンブラック、アセチレンブラック、フタロシアニ
ンブルー、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロ
ムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレ
ッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、
フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサレー
ト、ランププラック、ローズベンガル、これらの混合
物、磁性体などを挙げることができる。
【0043】本発明におけるトナーにおいて必要で有れ
ば荷電制御剤を含有させて使用しても良い。荷電制御剤
としては例えば、金属錯体系化合物、サリチル酸誘導
体、カリックスアヌレーン化合物、ニグロシン系染料、
4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化
合物などがあり、これらを単独で、或いは2種類以上組
み合わせて用いることができる。
【0044】本発明に係る現像用トナーにおいて、トナ
ーの流動性向上剤としてさらに流動化剤を添加しても良
い。流動化剤は有機系、無機系の微粒子のどちらでも使
用できるが、数平均一次粒子径50nm以下の無機微粒
子が好ましい。また単独で使用しても2種以上を併用し
ても良い。上記流動化剤として使用する無機微粒子とし
ては例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグ
ネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタ
ン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸スト
ロンチウム、酸化亜鉛、珪砂、クレイ、雲母、珪灰石、
珪藻土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化
アンチモン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、炭化珪素、窒化珪素、脂肪酸金属塩などを挙げる
ことができるが、特にシリカが好ましい。
【0045】上記流動化剤はトナー帯電性に対し所望の
帯電性を示すようにカップリング剤や変性シリコーンオ
イル等の各種表面処理剤により流動化剤表面を処理し帯
電性をコントロールして使用しても良い。なお本発明に
おいて、酸化チタンの疎水化度は0乃至40%、さらに
好ましくは0乃至20%である酸化チタンが好ましく使
用される。すなわち疎水化度が高い場合には帯電付与が
大きくなり、本発明の上記酸化チタン粒子のような微細
な凹凸を有する微粒子においては過度の帯電能を有する
こととなるため、トナー自体の帯電量が高くなり画像濃
度(Dm)の低下などの間題を発生する場合がある。上
記酸化チタン粒子の疎水化度の測定はメタノール滴定試
験により評価する。メタノール滴定試験法は粒子0.2
gを純水50mlの入った容量300mlのビーカーに
添加し、ビーカー内の溶液をマグネチックスターラーで
常時攪拌しながらメタノールをビュレットから粒子の全
量が湿潤されるまで滴定する。すなわち粒子の全量が溶
液中に懸濁されたときを滴定の終点とする。疎水化度は
終点に達したときのメタノール及び純水の液状混合物中
のメタノールの百分率として表している。
【0046】上記流動化剤および樹脂微粒子の表面処理
剤としては公知のものが使用できるが例えば、ジメチル
ジクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサ
メチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチル−トリ
クロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−ト
リクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリ
クロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロ
ルシラン、ジペンチル−ジクロルシラン、ジへキシル−
ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニ
ル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジド
デシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)
−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシ
ラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジク
ロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラ
ン、ジ−3,3−ジメチノルペンチル−ジクロルシラ
ン、トリへキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロ
ルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メ
チル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラ
ン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロル
シラン、例えば4級アンモニウム塩を側鎖に有する窒素
含有シリコーンオイル、窒素含有シラン化合物、窒素含
有カップリング剤などがあげられる。
【0047】次に、上記ポリエステル樹脂を用いた本発
明に係る現像用トナーの製造法及びトナー配合例を記載
する。先ず、上記ポリエステル樹脂(結着樹脂)を粉砕
し、着色剤、摩擦帯電性を調整するための帯電制御剤等
を加えてプレミックスし、押出し機、加圧ニーダー等で
溶融混練後、粉砕分級し、最後にシリカ微粉末などの流
動性向上剤をドライブレンドして、トナーを得るもので
ある。上記着色剤としては、例えば下記の中から単独ま
たは混合して用いることができる。黄色顔料としては、
C.I.No.C.I.顔料名化学構造Pig.No.
21127Y−81KETyellow401、不溶性
ジスアゾY−154KETyellow402、ベンズ
イミダゾロン21105Y−17KETyellow4
03、不溶性ジスアゾ21095Y−14KETyel
low404、不溶性ジスアゾ21100Y−13KE
Tyellow405、不溶性ジスアゾ21090Y−
12KETyellow406、また不溶性ジスアゾマ
ゼンタ顔料としてはアゾレーキ15865:3R−48
−3KETRed305、アゾレーキ15850:3R
−57−1KETRed306、アゾレーキ1585
0:3R−57−1KETRed307、アゾレーキ1
2360R−31KETRed308、アゾレーキ73
915R−122KETRed309、またキナクリド
ン系シアン顔料としては74160B−15−6KET
Bluel02、フタロシアニン系顔料としては741
60B−15KETBlue103、74160B−1
5−3KETBlue104、74160B−15−4
KETBlue105、74160B−15−4KET
Blue106、B−68KETBlue107が挙げ
られ、他にC.I.PigmentRed5、C.I.
PigmentRed6、C.I.PigmentRe
d207、C.I.PigmentYellow15、
C.I.PigmentBlue16などが挙げられ
る。但しこれらに限定されるものではない。
【0048】このうちKETシリーズの顔料は大日本イ
ンキ化学工業(株)から入手できる。油溶性染料として
はC.I.SolventRed24、C.I.Sol
ventViolet13、C.I.SolventB
lue7、C.I.SolventBlue35、C.
I.SolventBrown5、C.I.Solve
ntYellow2、C.I.SolventYell
ow14、C.I.SolventOrange7、
C.I.SolventRed3などが挙げられる。
【0049】本発明では帯電制御剤として、負帯電を与
えるものとしてサリチル酸又はサリチル酸とアルキルア
ルコールのエステルの金属錯化合物、電子受容性金属錯
体などが使用されうるが、本発明のポリエステル樹脂自
体が負帯電性を有しているので、必ずしも必須ではな
い。正帯電を与えるものとしては、アルコオキシ化アミ
ン、第4級アンモニウム塩、アルキルアミド等が用いら
れる。
【0050】本発明では耐オフセット性向上剤として、
従来の黒トナーの場合には通常ポリプロピレンワック
ス、ポリエチレンワックスなど低分子量ポリオレフィン
が好んで用いられるが、本発明の目的とする透明性、発
色性の良いカラートナーの原料としては好ましいもので
はない。一般に低分子量ポリオレフィンはポリエステル
と相溶性が悪く、透明性を損なうためである。
【0051】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、本文中
「部」とは「質量部」を表す。 (1)酸化チタンの物性使用した酸化チタンの物性は、
下記表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】(2)着色粒子の作製。なお、例中の部は
質量基準である。 (合成例−1)攪拌機、温度計、N2ガス導入管、分留
管を有するフラスコにシクロヘキサンジメタノール57
6部(4モル相当)、ビスフェノールAエチレンオキサ
イド2.2モル付加物1950部(6モル相当)、つい
でテレフタル酸1461部(8.8モル相当)とジブチ
ル錫オキサイド4部を仕込み、N2ガス気流下攪拌加熱
昇温し、温度240℃にて脱水縮合反応を行った。その
際原料モノマーが留出しないように注意を払い、もし留
出した場合には留出分を補填して、仕込組成通りの樹脂
組成となるよう調整した。酸価が5mg・KOH/gと
なる迄反応した後取り出して、固形のポリエステル樹脂
を得た。
【0054】(合成例2乃至4、比較合成例1及び2)
合成例−1と同様にしてポリエステル樹脂を合成した。
合成例、比較合成例で使用した原料組成を表2に、得ら
れた各ポリエステル樹脂の物性値を表3に示す。各物性
値の測定は常法により、下記の如く行った。
【0055】*環球式軟化点:明峰社製作所製の環球式
自動軟化点試験器25D5−ASP−M4SP型を用い
て測定した。 *ガラス転移温度(Tg):セイコー電子工業製の示差
走査熱量計DSC220Cを用い、JISK−7121
に準じて、測定した。 *溶融粘度:島津製作所製フローテスターCFT−50
0を用い、ノズル径0.5mm、ノズル長1mm、荷重
80Kg、昇温速度5℃/分で測定した。
【0056】*質量平均分子量(Mw):東ソー製GP
C測定機HLC−8020を用い、カラムは東ソー製T
SK−G−5000HXL、4000HXL,3000
HXL,2000HXLの4本、0.3W/V%のTH
F溶液で測定。検量線は標準ポリスチレンで作成した。 *へ−ズ値:スガ試験機製の積分球式光線透過率測定装
置(全自動直読へーズメーターHGM−20P)を用
い、直径45mm、厚み7mmの試験片で測定した。ヘ
ーズ値は拡散透過率(Td)と全透過率(Tt)の比で
表示される。 H=Td/Tt×100% *ガードナー色数:ガードナーヘリーゲ比色計を用い、
ASTMI−154−58に準じて測定した。
【0057】
【表2】
【0058】*(注)数値はモル数を表わすも *CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール、N
PG:ネオペンチルグリコールBPAEO:ビスフェノ
ールAエチレンオキサイド2.2モル付加物、BPAP
O:ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル
付加物、TPA:テレフタル酸、TMn:無水トリメリ
ット酸
【0059】
【表3】
【0060】表中、急冷は100℃/分以上、徐冷は
0.1℃/分以下での冷却を表わす。 ポリエステル樹脂 100部 着色剤 10部 ポリプロピレン 4部 帯電調整剤 1部 以上の材料を混合し混練、粉砕、分級を行い、体積平均
粒径8.5μmの着色粒子を得た。
【0061】(3)トナーの作製 着色粒子100部に上記酸化チタンをそれぞれ1部添加
し、ヘンシェルミキサーにより混合して本発明の実施例
のトナー、及び比較例のトナーのサンプルを作製した。 (4)評価 実施例トナーサンプルおよび比較例トナーサンプルの各
々5部と、シリコーン被覆キャリア95部とを混合して
2成分現像剤を調整し、電子写真複写機「AC−15
0」(シャープ(株)製)のトナーリサイクルシステム
改造機を使用し低温低湿環境(10℃/20%RH)に
て2万コピーの実写を行い、画像濃度、地かぶりについ
て評価した。その結果を表4に示した。
【0062】<画像濃度> マクベス反射濃度計を使用
し、原稿濃度が1.30の黒地部分の複写画像に対する
相対反射濃度を測定した。この濃度が1.27乃至1.
30の範囲であることが実用上好ましい。複写画像の黒
地部分を無作為に5箇所測定した平均値を画像濃度とし
て記載した。 <地かぶり> マクベス反射濃度計を使用し、原稿濃度
が0.000の白地部分の複写画像に対する相対反射濃
度を測定した。なお白地反射濃度を0.000とした。
この相対反射濃度が通常0.005未満であれば、実用
上問題がない。複写画像の白地部を無作為に10箇所測
定した平均値をかぶり濃度として記載した。
【0063】<発色性の評価> シアン、マゼンタ、イ
エロー、ブラックの全トナーを使用、標準カラー原稿を
使用してトナー定着像のフラット性、中間色の再現性を
目視判断した。 発色性状態 ◎:極めて優れている。 ○:優れている。 △:やや不満である。 ×:明らかに色再現が悪い。
【0064】
【表4】
【0065】以上のテストの結果、本実施例のトナーを
用いた場合には、画像濃度が高く安定し地カブリのない
良好な画像が得られた。これに対し比較例トナー1及び
2はトナー帯電量が低く、地カブリおよび過剰現像によ
り画像濃度が上昇した。比較例トナー4はトナー帯電量
が高く画像濃度が低下した。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る現像用
トナーによれば、トナーの母体粒子にポリエステル樹脂
を使用し、そのポリエステル樹脂には特定のエステル化
成分を特定の比率を選択して製造したものが用いられ、
また外添剤の酸化チタンを所定の形状係数を満たすもの
としたものとしたので、トナーリサイクルシステムを組
み込んだ画像形成方法や装置に用いても、流動性の低下
や帯電性変動、トナースペント等のキャリア汚染、損傷
がなく、従って、画像濃度が高く、かぶりがでなくする
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 登司彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 藤田 さやか 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 加藤 武 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 天竺 英司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA08 AA21 CA08 CB07 EA01 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 FA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多塩基酸成分がテレフタル酸を主成分と
    し、多価アルコール成分が1,4−シクロヘキサンジメ
    タノール(A)と下式(1)で表されるグリコール
    (B)とを主成分とし、且つ(A):(B)のモル比が
    35:65乃至65:35の範囲にあり、ガラス転移温
    度(Tg)が55乃至75℃の範囲にあり、質量平均分
    子量(Mw)が5000乃至20000の範囲にあり、
    温度100℃における溶融粘度が104乃至106ポイズ
    の範囲にあり、また環球法軟化点(SP)が温度90乃
    至120℃の範囲にあるポリエステル樹脂をトナー母体
    粒子とし、外添剤として酸化チタンが使用され、且つ該
    酸化チタンの数平均一次粒子径をA(m)とし、比表面
    積をBとし、真比重をdとして求めた形状係数(K)=
    B/(6/Ad)が、1.2×109<(K)<6.0
    ×109の式を満たし、かつトナー帯電量の絶対値|C
    |が5<|C|<60の式を満たしてなることを特徴と
    する現像用トナー。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記ガラス転移温度(Tg)が60乃至
    70℃の範囲であることを特徴とする請求項1記載のト
    ナー。
  3. 【請求項3】 上記多塩基酸成分として、テレフタル酸
    を90モル%以上含有することを特徴とする請求項1又
    は2記載のトナー。
  4. 【請求項4】 上記多価アルコール成分として、1,4
    −シクロヘキサンジメタノール(A)とグリコール
    (B)との合計を90モル%以上含有することを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 【請求項5】 上記酸化チタン粒子の疎水化度が0〜2
    0%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載のトナー。
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