JP4298604B2 - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、トナージェット記録法及び磁気記録法の如き画像形成方法に用いられるトナー、及び該トナーを用いた画像形成方法に関する。
電子写真式フルカラー画像形成装置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広がり、その画像品質への要求も厳しくなってきている。一般の写真、カタログ及び地図の如き画像の複写またはプリントでは、微細な部分に至るまで、極めて微細且つ忠実に再現することが求められており、それに伴い、色の鮮やかさに対する要求も高まっており、色再現範囲を拡張することが望まれている。特に、印刷分野への進出が著しい昨今、電子写真方式においても印刷の品質と同等以上の高精彩、高精細及び粒状性の改善の如き画像特性が要求されるようになっている。
近年、提案されているフルカラー画像用複写機の如きフルカラー画像形成装置においては、例えば、複数の感光体を用い、各感光体上にそれぞれ形成された静電荷像をシアントナー,マゼンタトナー,イエロートナー及びブラックトナーを用い現像後、感光体とベルト転写体間に転写材を搬送しストレートパス間で転写後、フルカラー画像を形成せしめる方法や、感光体に対向せしめた転写体表面に静電気力やグリッパーの如き機械的作用により転写材を巻き付け、現像工程及び転写工程を4回実施することでフルカラー画像を得る方法が一般的に利用されている。
これらフルカラー画像用複写機の如きフルカラー画像形成装置に搭載されるトナーとしては、色再現性の向上やオーバーヘッドプロジェクター(OHP)画像の透明性を損なうことなく加熱加圧定着工程で各トナーが十分混色され、転写材に熱定着されることが必要である。
これらの問題を解決するために、トナー粒子に用いられる結着樹脂は、よりシャープメルト性を有する樹脂を用いることが好ましい。近年、シャープメルト性を有する樹脂として、ポリエステル樹脂が用いられている。トナー粒子の結着樹脂に用いられるポリエステル樹脂を製造するための重合触媒として、ジブチルスズオキサイドの如きスズ系触媒や三酸化アンチモンの如きアンチモン系触媒が一般的に用いられてきた。これらの技術は、今後、フルカラー画像用複写機の如きフルカラー画像形成装置で求められている高速、高画質及び高精細といった機能を満たすためには、トナー性能として、低温定着性及び耐高温オフセット性といった定着性、混色性及び透明性の如き色再現性が重要であり、まだ満足させるには十分ではない。
そこで、芳香族ジオールのチタン酸エステルを重合触媒や固形状チタン化合物を重合触媒として用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
以上述べてきたこれらの提案は、定着性、色再現性現像性にまだ問題がある場合があり、更なる改良が必要である。
また、通常、シャープメルト性を有する樹脂を用いると、加熱加圧定着工程でトナーが溶融した際、結着樹脂の自己凝集力が低いため耐高温オフセット性に問題を生じ易い。そのため、定着時の耐高温オフセット性を向上させるためポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスに代表される比較的高結晶性のワックスが離型剤として用いられている。
しかし、フルカラー画像に用いられるトナーにおいては特に、この離型剤自身の高結晶性やOHP用シートの材質との屈折率の違いのため、OHPで透映した際、透明性が阻害され、投影像は彩度や明度が低くなる場合がある。
そこで、これらの問題を解決するため、造核材をワックスと併用することでワックスの結晶性を低下させる方法が提案されている(例えば、特許文献3及び4参照)。また、更に結晶化度の低いワックスを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献5及び6参照)。その他のワックスとして、比較的透明性が良く融点の低いワックスとしてモンタン系ワックスの使用が提案されている(例えば、特許文献7及び8参照)。しかしながら、これらのワックスは、OHPでの透明性と加熱加圧定着時の低温定着性及び耐高温オフセット性の全てが十分満足されるものではない。
特開2002−148867号公報 特開2001−64378号公報 特開平4−149559号公報 特開平4−107467号公報 特開平4−301853号公報 特開平5−61238号公報 特開平1−185660号公報 特開平1−238672号公報
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決し、定着性及び耐高温オフセット性の優れたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、着色剤のトナー粒子中における分散性を良化し、混色性や透明性の如き色再現性の優れたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得るトナー及び画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の重合触媒で合成された結着樹脂を用いることにより、上記要求を満足出来ることを見いだし、本発明に至った。すなわち、上記目的は、以下のトナー及び画像形成方法を用いることにより達成出来る。
すなわち、本発明の目的は、結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有するトナーであって、
該トナーは、メタノール45体積%水溶液中に分散した分散液に対する600nmの波長の光の透過率(%)が、10乃至70%の範囲であり、
該結着樹脂が、少なくともポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有する樹脂であり、
該ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有する樹脂が、少なくとも、下記式(IV)及び(V)で示される構造を有するチタンキレート化合物、及び、該チタンキレート化合物の水和物からなるグループより選択される化合物を触媒として1種または2種以上用いて合成された樹脂であることを特徴とするトナーを提供することにある。
Figure 0004298604
(上記式(IV)において、R3及びR3’は、それぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルケニレン基であり、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
Figure 0004298604
(上記式(V)において、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
また、本発明の目的は、帯電部材に電圧を印加して像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された該像担持体上に静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させたトナーを、該静電潜像を現像して該像担持体表面にトナー画像を形成する現像工程と、該像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程と、該トナー画像を加熱加圧定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、
該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有するトナーであって、
該トナーは、メタノール45体積%水溶液中に分散した分散液に対する600nmの波長の光の透過率(%)が、10乃至70%の範囲であり、
該結着樹脂が、少なくともポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有する樹脂であり、
該ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有する樹脂が、少なくとも、下記式(IV)及び(V)で示される構造を有するチタンキレート化合物、及び、該チタンキレート化合物の水和物からなるグループから選択される化合物を触媒として1種または2種以上用いて合成された樹脂であることを特徴とする画像形成方法を提供することにある。
Figure 0004298604
(上記式(IV)において、R3及びR3’は、それぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルケニレン基であり、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
Figure 0004298604
(上記式(V)において、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
本発明によれば、定着性及び耐高温オフセット性に優れ、着色剤のトナー粒子中における分散性を良化させることにより、混色性や透明性の如き色再現性の優れ、更に、帯電性の耐久安定性が優れることにより、高画質を維持した画像を得ることができるトナー及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるポリエステルユニットを構成する成分(以下、ポリエステルユニット成分とも称する。)としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー、及び、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステルの如き酸モノマーを意味する。
本発明のトナーは、これらのポリエステルユニット成分を原料の一部とし、縮重合された部分を有する樹脂を用いることを特徴とする。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂とビニル系重合体、及び、ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、のいずれかから選択される樹脂が好ましい。
ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニット成分と、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)を形成するものである。
ポリエステルユニット成分である2価以上のアルコールモノマーとして、具体的には、2価アルコールモノマーとしては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの如きビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAまたは水素添加ビスフェノールAが挙げられる。
3価以上のアルコールモノマーとしては、ソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンまたは1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価のカルボン酸モノマーとしては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基あるいは炭素数6〜18のアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマーとしては、トリメリット酸、ピロメリット酸及びベンゾフェノンテトラカルボン酸の如き多価カルボン酸又はその無水物が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの如き多価アルコール類が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記式(1)で表されるビスフェノール誘導体を2価アルコールモノマーとし、2価以上のカルボン酸、又は、その酸無水物又はその低級アルキルエステルを有するカルボン酸(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸)を酸モノマーとして、これらのポリエステルユニット成分で縮重合した樹脂が良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 0004298604
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
なお、本発明のトナーに含有される結着樹脂は、少なくともポリエステルユニットを有する樹脂であればよく、好ましくは、トナー中の全結着樹脂中に含まれるポリエステルユニット成分が、トナー中の全結着樹脂に対して30質量%以上であることが、本発明の効果を発現させるために好ましい。更に好ましくは、40質量%以上であり、特に好ましくは、50質量%以上である。
トナー中の全結着樹脂中に含まれるポリエステルユニット成分が、全結着樹脂に対して30質量%以上である場合、トナー粒子中における着色剤の分散性が良化し、定着画像におけるトナー混色性や透明性の如き色再現性の優れ、また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。特に、着色剤マスターバッチの如き顔料コンテンツが大きい場合により効果がある。
ハイブリッド樹脂に用いられるビニル系重合体ユニット又はビニル系重合体を生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン及びp−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン及びイソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル及びフッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及びメタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル及びアクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル及びビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及びメチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール及びN−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びアクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸及びメサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物及びアルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル及びメサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸及びジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物及びケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの如きアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン及び4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
ハイブリッド樹脂で用いられるビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼンまたはジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレートまたはネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレートまたはジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレートまたはポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートまたはオリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレートまたはトリアリルトリメリテートが挙げられる。
本発明で用いられるハイブリッド樹脂は、ビニル系重合体又はビニル系重合体ユニット及び/又はポリエステル樹脂又はポリエステルユニット中に、両樹脂成分と反応し得るモノマーを含むことが好ましい。ポリエステル樹脂又はポリエステルユニットを構成するモノマーのうちビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットと反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸及びイタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。ビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットを構成するモノマーのうちポリエステル樹脂又はポリエステルユニットと反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系重合体とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマーを含む重合体又は樹脂が存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の重合体又は樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
本発明のビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートまたはジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
本発明で用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドはキシレンの如き有機溶剤に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造される。尚、ハイブリッド樹脂は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行なって合成されたポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を得ることが出来る。
(2)ビニル系重合体製造後に、この存在下にポリエステル樹脂を生成し反応させ、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はビニル系重合体(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とアルコールまたはカルボン酸の如きポリエステルモノマー及び/またはポリエステル樹脂との反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステル樹脂製造後に、この存在下にビニル系重合体を生成し、反応させポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はポリエステル樹脂(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体との反応により製造される。
(4)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー、及び/または、アルコールまたはカルボン酸の如きポリエステルモノマーを添加することによりハイブリッド樹脂が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を製造後、ビニル系モノマー、及び/または、アルコールまたはカルボン酸の如きポリエステルモノマーを添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系重合体及/又はポリエステル樹脂、又は更にハイブリッド樹脂が製造される。この場合、該ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂は上記(2)乃至(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
(6)ビニル系モノマー、及び、アルコールまたはカルボン酸の如きポリエステルモノマーを混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体、ポリエステル樹脂及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)〜(6)の製造方法において、ビニル系共重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
本発明において、ビニル系重合体は、ビニル系単重合体又はビニル系共重合体を意味し、ビニル系重合体ユニットは、ビニル系単重合体ユニット又はビニル系共重合体ユニットを意味するものである。
本発明で用いられるトナーは、結着樹脂において、ポリエステルユニットを有する樹脂が、少なくとも、下記式(I)乃至(VI)で示される構造を有するチタンキレート化合物、及び、該チタンキレート化合物の水和物からなるグループより選択される化合物を触媒として1種または2種以上用いて合成された樹脂であることを特徴とする。
Figure 0004298604
(上記式(I)において、R1及びR1’は、それぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルケニレン基であり、Mは対陽イオンを表し、mは陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
Figure 0004298604
(上記式(II)において、Mは対陽イオンを表し、mは陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
Figure 0004298604
(上記式(III)において、R2及びR2’は、それぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルケニレン基であり、Mは対陽イオンを表し、mは陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
Figure 0004298604
(上記式(IV)において、R3及びR3’は、それぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルケニレン基であり、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
Figure 0004298604
(上記式(V)において、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
Figure 0004298604
(上記式(VI)において、R4及びR4’は、それぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルケニレン基であり、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
なお、本発明において、ポリエステルユニットを有する樹脂を合成する際に用いられる触媒は、上記式(I)乃至(VI)のいずれかで示される構造を有するチタンキレート化合物、及び、該チタンキレート化合物の水和物からなるグループより選択される化合物を2種以上用いてもよい。
本発明のポリエステルユニットを有する樹脂を用いることにより、トナー粒子中における着色剤の分散性が良化し、定着画像におけるトナー混色性や透明性の如き色再現性の優れ、また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。特に、着色剤マスターバッチの如き顔料コンテンツが大きい場合により効果がある。以上の効果は、本発明の樹脂が、チタンキレート化合物を触媒として用いて合成されたことにより発現することができる。これは、チタン化合物が、トナー中に存在することにより、着色剤との親和性が増し、樹脂に対しての分散良化効果を発現すると考えられる。
本発明で用いられるチタンキレート化合物は、配位子が、ジカルボン酸またはオキシカルボン酸であることが好ましい。これらの中でも、配位子が、脂肪族系ジカルボン酸または脂肪族系オキシカルボン酸のいずれかであることが特に好ましい。脂肪族系の配位子は、芳香族系の配位子に比べ、触媒活性が強く、反応時間の短縮、温度制御の点で好ましい。
配位子として具体的には、ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸またはマレイン酸;オキシカルボン酸としては、グルコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α―オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸が挙げられる。
特に、チタンキレート化合物は、上記式(I)、(III)、(IV)及び(VI)、中のR1、R1’、R2、R2’、R3、R3’、R4及びR4’として、炭素数1から10のアルキル基、あるいは、炭素数1から10のアルケニル基が現像安定性の点から好ましい。また、該チタンキレート化合物が上記式(I)、(II)、(IV)又は(VI)或いはそれらの水和物で表されることが、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが出来るため、好ましい。
一般式(I)乃至(VI)中における対陽イオンMでは、アルカリ金属が好ましく、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムが挙げられ、これらのうち好ましいものは、リチウム、ナトリウムまたはカリウムであり、特に好ましいものとしては、ナトリウムまたはカリウムである。
また該チタンキレート化合物及び該チタンキレート化合物の水和物の添加量の総和としては、ポリエステルユニット成分の質量に対して0.01質量%以上2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上1質量%以下である。0.01質量%未満となると、ポリエステル重合時の反応時間が長くなるとともに、着色剤の分散性を向上させる効果が得られなくなる場合がある。また2質量%を超えて含有すると、トナーの帯電特性に影響を及ぼすようになり、環境による帯電量の変動が大きくなりやすい。
また、本発明のトナーにおいて、該チタンキレート化合物、及び、該チタンキレート化合物の水和物の他に、必要に応じて、以下のものを助触媒として用いても良い。
助触媒として、他の種類のチタンキレート化合物を添加してもよく、また、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、リン及びスズの如き元素の化合物が好ましく用いられ、これらの元素の化合物例としては、上記元素の酢酸塩の如き脂肪酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩またはアルコキシド塩、また、塩化物などのハロゲン化物、アセチルアセナート塩または酸化物が好ましく用いられる。
これらの中で、酢酸塩、炭酸塩、アルコキシド塩、ハロゲン化物またはアセチルアセナート塩、が好ましく、これらの中でも、チタンアルコキシド、四塩化チタン、ジルコニウムアルコキシド、炭酸マグネシウムまたは酢酸マグネシウムが特に好ましい。
これらの助触媒を用いることは、該チタンキレート化合物、及び/または、チタンキレート化合物の水和物と共存させることにより、重縮合反応が速やかに進行させることができるので、好ましい。
これらの助触媒の使用量としては、該チタンキレート化合物及びチタンキレート化合物の水和物の総和の質量に対し、0.01質量%乃至200質量%の範囲で用いることが好ましい。
以下に本発明に用いるチタンキレート化合物の具体例を示す。
Figure 0004298604
Figure 0004298604
Figure 0004298604
Figure 0004298604
さらに、本発明のポリエステルユニットを有する樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、メインピークが分子量3,500乃至15,000の領域にあることが好ましく、より好ましくは、分子量4,000乃至13,000の領域にあることである。また、同様に本発明のポリエステルユニットを有する樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が3.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。メインピークが分子量3,500未満の領域にある場合には、トナーの耐高温オフセット性が減少することがある。一方、メインピークが分子量15000を超える領域にある場合には、十分なトナーの低温定着性及び、OHPの透過性が低下する。また、Mw/Mnが3.0未満である場合には良好な耐オフセット性が減少することがある。
また、本発明のポリエステルユニットを有する樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40乃至90℃が好ましく、本発明のポリエステルユニットを有する樹脂の軟化温度(Tm)は、80乃至150℃が保存性、低温定着性、耐高温オフセット性及び着色剤の分散性を両立させる上で好ましい。
また、該ポリエステルユニットを有する樹脂の酸価は、50mgKOH/g未満であることが現像耐久安定性や着色剤の分散性を良化させる点で好ましい。
本発明のトナーは、ワックスを含有していることを特徴とする。
本発明において、特定の構造を有するチタンキレート化合物を触媒として用いて合成されるポリエステルユニットを有する樹脂とワックスを併用することにより、転写材上における色再現性を良化させることが出来、特に、OHP画像における透明性を悪化させることなく、明度及び彩度の高い画像を得ることが出来る。また、トナーの低温定着性及び耐オフセット性を両立させることが出来る。これは、トナー粒子中において、該チタンキレート化合物存在下でワックスをトナー溶融混練で分散させた場合、樹脂中に均一に分散している該チタンキレート化合物がワックスの造核剤として働くため、ワックスの分散性が良化できていると考えられる。その結果、トナー粒子中において、ワックスの微分散性が達成でき、OHP画像における透明性を悪化させることなく、明度及び彩度の高い画像を得ることが出来る。
本発明に用いられるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス及びフィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニルエステルワックス及びモンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸及びモンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸及びバリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール及びメリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸及びモンタン酸の如き脂肪酸類とステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール及びメリシルアルコールの如きアルコール類のエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド及びラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド及びヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド及びN,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド及びN,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレン及びアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
本発明において特に好ましく用いられるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックス及び脂肪酸とアルコールのエステルであるエステル化物が挙げられる。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又はメタロセン触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスが好ましい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行なったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(好ましくは2種以上の多元系金属酸化物系触媒)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物];ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。また、パラフィンワックスも好ましく用いられる。
また、本発明に用いられるワックスは、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30乃至200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が60乃至130℃の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、65乃至125℃の範囲であり、更に好ましくは、65乃至110℃の範囲である。
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が60乃至130℃の範囲の場合、トナー粒子中での適度な微分散性が達成でき、本発明の効果を発現させるために好ましい。一方、最大吸熱ピークの温度が60℃未満の場合、トナーの耐ブロッキング性が悪化することがあり、逆に最大吸熱ピークの温度が130℃を超える場合、定着性が悪化する傾向にある。
また、本発明のトナーは、該トナーをメタノール45体積%水溶液中に分散した分散液に対する600nmの波長の光の透過率(%)が、10乃至70%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、10乃至60%の範囲であり、更に好ましくは、15乃至50%の範囲である。
本発明のトナーは、トナー中にワックスを含有しているため、トナーの表面において、少なくともワックスが存在している。トナーの表面のワックスが少ない場合、定着時における離型効果が現れにくく、省エネの観点から望まれる低温定着性の効果が減少する場合がある。また、トナーの表面にワックスが多く存在する場合、帯電付与部材にワックスが汚染し、例えば現像スリーブ上に融着することで高抵抗化し、現像にかかる実際の現像バイアスの効力が下がり、しいては画像濃度が低下し現像耐久性が悪化する場合がある。このように、トナー中にワックスを含有させる場合、トナーの表面のワックス量をコントロールすることが重要である。
そこで、本発明では、チタンキレート化合物を触媒として用いられ合成されるポリエステルユニットを有する樹脂とワックスを併用することにより、トナー中におけるワックスの微分散性を達成でき、ワックスの多量添加時においても、トナーの表面のワックス量をコントロールすることが可能となった。
また、トナーの表面のワックス量は、トナーをメタノール45体積%水溶液に分散した分散液における光の透過率(%)を測ることにより、簡易且つ精度の高く測定出来る。
この測定方法は、トナー粒子を一度メタノール−水混合溶媒中で強制分散させて、トナーの一粒一粒の表面のワックス量の特徴を出やすくした上で、一定時間後の透過率を測定することで、トナーの表面のワックス量を正確に把握できるものである。
つまり、疎水性であるワックスがトナーの表面に多く存在すると、溶媒に対して分散したトナーが濡れにくく、沈降しないため、透過率が70%のような高い値になり、逆にワックスがトナーの表面に少なく存在すると、ポリエステルユニットが多く存在する様な樹脂は極性が強い為に親水性を示し、メタノール45体積%水溶液中に均一分散することにより、透過率が10%のような小さな値になる。
また、本発明のトナーが、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30乃至200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が60乃至130℃の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、65乃至125℃の範囲であり、更に好ましくは、65乃至110℃の範囲である。
本発明のチタンキレート化合物を触媒として用いて合成されるポリエステルユニットを有する樹脂に適用すると、トナーの最大吸熱ピークのピーク温度が60乃至130℃の範囲の場合、トナー粒子中での適度な微分散性が達成でき、本発明の効果を発現させるために好ましい。一方、最大吸熱ピークのピーク温度が60℃未満の場合、耐ブロッキング性が悪化し、逆に最大吸熱ピークのピーク温度が130℃を超える場合、定着性が悪化する傾向にある。
ワックスは結着樹脂100質量部あたり0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
さらに、本発明のトナーは、樹脂成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、メインピークを分子量3,500乃至15,000の領域に有していることが好ましく、より好ましくは、分子量4,000乃至13,000の領域に有していることである。また、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が3.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。メインピークが分子量3,500未満の領域にある場合には、トナーの耐高温オフセット性が減少する。一方、メインピークが分子量15000を超える領域にある場合には、十分なトナーの低温定着性及び、OHPの透過性が低下する。また、Mw/Mnが3.0未満である場合には良好な耐オフセット性が減少する。
本発明のトナーで用いられる着色剤としては、公知の染料または/及び顔料が使用される。顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。着色剤として用いられる顔料及び染料の具体例を以下に挙げる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペルリン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
マゼンタトナー用染料としては、C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27及びC.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料が挙げられる。
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45または下記式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
Figure 0004298604
〔式中、nは1〜5の整数を示す。〕
イエロー用着色顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、191、C.I.バットイエロー1、3、20である。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162の如き染料も使用することができる。
本発明に用いられる黒色着色剤としてカーボンブラック、酸化鉄、上記に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を用いて黒色に調色されたものが利用できる。
また、本発明のトナーにおいて、本発明の結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチと結着樹脂及びワックスの如きその他の原材料を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
本発明の樹脂を用い着色剤をマスターバッチ化させる場合、多量の着色剤を用いた場合においても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における分散性を良化し、混色性や透明性の如き色再現性は優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが出来る。
トナー中における着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部であることがこのましく、より好ましくは0.5〜12質量部、更に好ましくは2〜10質量部である。このような使用量で着色剤を用いることは、色再現性及び現像性の点で好ましい。
本発明のトナーには、その帯電性を安定化させるために公知の荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、荷電制御剤の種類や他のトナー粒子構成材料の物性によっても異なるが、一般に、トナー粒子中に結着樹脂100質量部当たり0.1〜10質量部含まれることが好ましく、0.1〜5質量部含まれることがより好ましい。このような荷電制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
負帯電性荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物またはカリックスアレーンが利用できる。正帯電性荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、またはイミダゾール化合物が利用できる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。
特に、本発明のトナーを用いる場合、該トナーが、芳香族カルボン酸金属化合物を含有することが好ましい。芳香族カルボン酸金属化合物は、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できるため好ましい。
本発明のトナーは、少なくとも無機微粒子を有することを特徴とする。また、該無機微粒子は、酸化チタン微粒子及びシリカ微粒子の少なくともいずれか一方であることが好ましい。
本発明に用いられる酸化チタン微粒子は、硫酸法、塩素法または揮発性チタン化合物、例えば、チタンアルコキシド、チタンハライドまたはチタンアセチルアセトネートを熱分解及び加水分解の如き低温酸化により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。
酸化チタン微粒子の結晶系としてはアナターゼ型、ルチル型、これらの混晶型及びアモルファスのいずれのものも用いることができる。
本発明者らは、本発明のチタンキレート化合物を触媒として用いて合成されたポリエステルユニットを有する樹脂を用いたトナーにおいて、酸化チタン微粒子を含有させることにより、耐久時における帯電安定性、特に低湿環境下での帯電安定化が極めて有効であることを見出した。その理由としては、本発明のチタンキレート化合物を触媒として用いられ合成されたポリエステルユニットを有する樹脂を用いたトナーに酸化チタン微粒子を含有させたとき、酸化チタン微粒子は、ほぼ中性の帯電性を示し、そのため、特に、低湿環境下におけるチャージアップ抑制効果を発現する。
また、本発明のトナーには、帯電量調整の点からで、シリカ微粒子を含有することが好ましい。
本発明のトナーに、好ましく用いられるシリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラスから製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 -等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また、乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカは、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
また、これらの酸化チタン微粒子及びシリカ微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
疎水化剤としては、シラン化合物、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤及びジルコアルミネートカップリング剤の如きカップリング剤が挙げられる。
具体的に例えばシラン化合物としては、一般式
RmSiYn
〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、フェニル基、メタアクリル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基又はこれらの誘導体を示し、nは1〜3の整数を示す。〕
で表されるものが好ましい。例えば、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシランまたはn−オクタデシルトリメトキシシランを挙げることができる。
その処理量は、無機微粒子100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部である。
本発明において特に好適なのは、下記式
Figure 0004298604
〔式中、nは1〜12の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。〕
で示されるアルキルアルコキシシラン化合物である。該アルキルアルコキシシラン化合物において、nが12より大きいと、疎水性が十分になるが、無機微粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下しやすい。mは3より大きいと、該アルキルアルコキシシラン化合物の反応性が低下して疎水化を良好に行いにくくなる。より好ましくはアルキルアルコキシシラン化合物はnが1〜8であり、mが1〜2であるのが良い。
アルキルアルコキシシラン化合物の処理量も、無機微粒子100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部が良い。
疎水化処理は1種類の疎水化剤単独で行っても良いし、2種類以上の疎水化剤を使用しても良い。例えば1種類の疎水化剤で単独で疎水化処理を行っても良いし、2種類の疎水化剤で同時に、または疎水化剤での疎水化処理を行った後、別の疎水化剤で更に疎水化処理を行っても良い。
該酸化チタン微粒子及び/又はシリカ微粒子は、トナー粒子100質量部に対して0.01〜5質量部添加することが好ましく、0.05〜3質量部添加することがより好ましい。
本発明のトナーは、非磁性トナー及び磁性トナーのいずれであっても構わない。
本発明のトナーは、一成分系現像剤又は二成分系現像剤のいずれにも用いることが出来る。二成分系現像剤に用いる場合は、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。磁性キャリアとしては、磁性体粒子そのもの、磁性体粒子を樹脂で被覆した被覆キャリア、及び、磁性体粒子を樹脂粒子中に分散させた磁性体分散型樹脂キャリアの如き公知の磁性キャリアを用いることができる。磁性体粒子としては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライトが使用できる。
上記磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着せしめる方法、及び、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合する方法の如き従来公知の方法が適用できる。
磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂及びフッ素系樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いる。上記被覆材料の処理量は、キャリアコア粒子に対し0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%である。これら磁性キャリアコア粒子の個数平均粒径は10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜70μmである。
磁性キャリアコア粒子の個数平均粒径は、走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子を300個以上抽出し、デジタイザーにより水平方向フェレ径をもってキャリア粒径として測定し、キャリアの個数平均粒径を算出するものとする。
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%であることが良好な画像をえるために好ましく、より好ましくは4〜13質量%である。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
次に、トナーを製造する手順について説明する。本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス、及び任意の材料を溶融混練し、これを冷却して粉砕し、必要に応じて粉砕物の球形化処理や分級処理を行い、これに必要に応じて流動化剤を混ぜることによって製造することが可能である。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、及びナウターミキサーがある。
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤を分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー及びバンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できるという優位性から、一軸又は二軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型二軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製二軸押出機、または、ブス社製コ・ニーダーが一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷で冷却する冷却工程を経て冷却される。
そして一般的には上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル及びフェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕され、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム及び日清エンジニアリング社製のスーパーローターの如き粉砕機で粉砕される。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)の如き分級機等の篩分機を用いて分級し、重量平均粒子径3乃至11μmの分級品を得る。
必要に応じて、例えば奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステムまたはホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムを用いて表面改質及び球形化処理を行ってもよい。このような場合では必要に応じて風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)等の篩分機を用いても良い。更に、無機微粒子の如き外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー及びスーパーミキサーの如き粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
本発明のトナーの物性値の測定方法は次の通りである。
1)メタノール45体積%水溶液における光の透過率
(i)トナー分散液の調製
メタノール:水の体積混合比が45:55の水溶液を作製する。この水溶液10mlを30mlのサンプルビン(日電理化硝子:SV−30)に入れ、トナー20mgを液面上に侵しビンのフタをする。その後、ヤヨイ式振とう器(モデル:YS−LD)により2.5S−1で5秒間振とうさせる。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。サンプルビンを取り出した後、30秒後の分散液を測定用分散液とする。
(ii)透過率測定
(i)で得た分散液を1cm角の石英セルに入れて分光光度計MPS2000(島津製作所社製)を用いて、10分後の分散液に対する波長600nmの光の透過率(%)を測定する。
透過率(%)=I/I0×100 I:透過光束、I0:入射光束
2)トナー及びワックスにおける最大吸熱ピークのピーク温度の測定)
温度曲線:昇温I (30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
降温I (200℃〜30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
トナー及びワックスの最大吸熱ピークは、示差走査熱量計(DSC測定装置)、DCS−7(パーキンエルマー社製)やDSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いて測定することができる。測定方法は、ASTM D3418−82に準ずる。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下(23℃/50%)で測定を行う。トナー及びワックスの最大吸熱ピークは、昇温IIの過程で、樹脂のガラス転移温度(Tg)の吸熱ピーク以上の領域のベースラインからの高さが一番高いものを、若しくは樹脂のガラス転移温度(Tg)の吸熱ピークが別の吸熱ピークと重なり判別し難い場合、その重なるピークの一番高いものを最大吸熱ピークとする。
3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による分子量分布
結着樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量の測定は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせを挙げることができる。
4)トナーの粒度分布の測定
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて行うが、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積及び個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布から計算より求めた重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
5)樹脂の酸価の測定
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
(1)試料の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、試料の質量をW(g)とする。
(2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合 液150(ml)を加え溶解する。
(3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴 定する。(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置ATー400(win workstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が 利用できる。)
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時 のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
(5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価[mgKOH/g]={(S−B)×f×5.61}/W
6)樹脂のガラス転移温度の測定
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC測定装置)、DCS−7(パーキンエルマー社製)、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)等を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下(23℃/50%)で測定を行う。この昇温過程で、温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、本発明の樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
7)樹脂の軟化点測定方法
JIS K 7210に従って、高化式フローテスターにより測定されるものを指す。具体的な測定方法を以下に示す。高化式フローテスター(島津製作所製)を用いて1cm3の試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1960N/m2(20kg/cm2)の荷重を与え、直径1mm,長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これにより、プランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を樹脂の軟化点(Tm)とする。
8)トナーの平均円形度の測定方法
本発明において、トナーのフロー式粒子像分析装置によって測定される平均円形度が、0.930乃至0.990であることが好ましく、より好ましくは、0.930乃至0.975である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
Figure 0004298604
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナーの凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 0004298604
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナーの円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナーを1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナーの平均円形度を求める。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256から512×512へ)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
トナーの平均円形度が0.930乃至0.990であると、無機微粒子の如き外添剤の劣化が少なく、耐久時においても良好な画像を得ることができる。
一方、トナーの平均円形度が0.930未満の場合、無機微粒子の如き外添剤の劣化が大きくなり、耐久時において良好な画像が得にくくなる。
トナーの平均円形度が0.990を超える場合、過剰の球形化処理を行なう必要があり、その際の発生熱のためトナー表面にワックスのしみ出しが過剰になることがあり、トナーと接触する部材を汚染しやすくなる。
次に、図3を参照しながら本発明の画像形成方法の一例をより具体的に説明する。
図3は、本発明の画像形成方法を実施可能な画像形成装置の例を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、フルカラー複写機に構成されている。フルカラー複写機は、図3に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部35、下部にデジタルカラー画像プリンタ部36を有する。
画像リーダ部35において、原稿30を原稿台ガラス31上の載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
画像プリンタ部36において、像担持体である感光ドラム1は、たとえば有機光導電体のような感光体であり、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ドラム1の回りには、前露光ランプ11、1次帯電部材としての帯電部材であるコロナ帯電器2、静電潜像形成手段としてのレーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる4個の現像器4Y、4C、4M、4K、ドラム上光量検知手段13、転写装置5Aおよびクリーニング器6が配置されている。
レーザ露光光学系3において、画像リーダ部35からの画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメージスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
画像プリンタ部36は、画像形成時、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上に潜像を形成する。
次に、所定の現像器を動作させて感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂を基体としたネガトナーによる可視像、すなわち、トナー像を形成する。現像器4Y、4C、4M、4Kは、それぞれの偏心カム24Y、24C、24M、24Kの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近して、現像を行う。
転写装置5Aは、転写ドラム5、転写帯電器5b、記録材を静電吸着するための吸着帯電器5cおよびこれと対向する吸着ローラ5g、そして内側帯電器5d、外側帯電器5e、分離帯電器5hを有している。転写ドラム5は、回転駆動可能に軸支され、その周囲の開口域に記録材を担持する記録材担持体である転写シート5fが、円筒上に一体的に調節されている。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムなどが使用される。
記録材は、記録材カセット7a、7bまたは7cから記録材搬送系を通って転写ドラム5に搬送され、その転写シート5f上に担持される。転写ドラム5上に担持された記録材は、転写ドラム5の回転にともない感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送され、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用により、記録材上に感光ドラム1上のトナー像が転写される。
上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)について繰り返し、転写ドラム5上の記録材上に4色のトナー像を重ねて転写したカラー画像が得られる。
片面の画像形成の場合は、このようにして4色のトナー像を転写された記録材が、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5から分離して加熱定着装置9に送られる。この加熱定着装置9は、内部に加熱手段を有する加熱定着ローラ9aと加圧ローラ9bによって構成されている。加熱部材としてのこの加熱定着ローラ9aと加圧ローラ9bの圧接部を記録材が通過することにより記録材上に担持されているフルカラー画像が記録材に定着される。すなわち、この定着工程によりトナーの混色、発色および記録材への固定が行われて、フルカラーの永久像とされたのちトレイ10に排紙され、1枚のフルカラー複写が終了する。他方、感光ドラム1は、表面の残留トナーをクリーニング器6で清掃して除去された後、再度、画像形成工程に供せられる。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例1)
ポリエステルユニット成分として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、テレフタル酸1.8mol、ドデセニルコハク酸2.5mol、無水トリメット酸0.5mol及びチタンキレート化合物例3を3.0gガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、245℃で5時間反応させ、ポリエステルユニットを有する樹脂1を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂1の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例2)
ビニル系重合体ユニットを構成する成分(以下、ビニル系重合体ユニット成分とも称する。)として、スチレン1.1mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.14mol、アクリル酸0.1mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリエステルユニット成分として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.8mol、テレフタル酸0.8mol、無水トリメリット酸0.6mol、フマル酸1.5mol及びチタンキレート化合物例3を2.7g、炭酸マグネシウム0.1gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで245℃に昇温を行い、4時間反応せしめてポリエステルユニットを有する樹脂2を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は、90質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂2の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例3)
ポリエステルユニット成分として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5.2mol、テレフタル酸1.8mol、ドデセニルコハク酸2.5mol、無水トリメット酸0.5mol及びチタンキレート化合物例1を0.7g、チタンキレート化合物例3を2.0gガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、245℃で5時間反応させ、ポリエステルユニットを有する樹脂3を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂3の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例4)
ポリエステルユニットを有する樹脂製造例3において、チタンキレート化合物例1及び3の代わりに、チタンキレート化合物例2を使用する以外は同様にして、ポリエステルユニットを有する樹脂5を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂4の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例5)
ポリエステルユニットを有する樹脂製造例3において、チタンキレート化合物例1及び3の代わりに、チタンキレート化合物1のみを使用する以外は同様にして、ポリエステルユニットを有する樹脂5を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は100質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂5の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例6)
ポリエステルユニットを有する樹脂製造例3において、チタンキレート化合物例1及び3の代わりに、チタンキレート化合物4を使用する以外は同様にして、ポリエステルユニットを有する樹脂6を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂6の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例7)
ポリエステルユニットを有する樹脂製造例3において、チタンキレート化合物例1及び3の代わりに、テトラメチルチタネートを使用する以外は同様にして、ポリエステルユニットを有する樹脂7を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニットの割合は、100質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂7の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例8)
ポリエステルユニットを有する樹脂製造例3において、チタンキレート化合物例1及び3の代わりに、ジオクチルスズオキサイドを使用する以外は同様にして、ポリエステルユニットを有する樹脂8を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂8の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例9)
ビニル系重合体ユニット成分として、スチレン1.1mol、ブチルアクリレート0.16mol、アクリル酸0.1mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリエステルユニット成分として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.4mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.4mol、テレフタル酸0.8mol、無水トリメリット酸0.6mol、フマル酸1.0mol及びチタンキレート化合物例11の2水和物を3.2g、炭酸マグネシウム0.1gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで245℃に昇温を行い、4時間反応せしめてポリエステルユニットを有する樹脂9を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は90質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂9の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例10)
ポリエステルユニットを有する樹脂製造例9において、チタンキレート化合物例11の2水和物の代わりに、チタンキレート化合物例15の2水和物を使用する以外は同様にして、ポリエステルユニットを有する樹脂10を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は90質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂10の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例11)
ポリエステルユニットを有する樹脂製造例9において、チタンキレート化合物例11の2水和物の代わりに、チタンキレート化合物例16の2水和物を使用する以外は同様にして、ポリエステルユニットを有する樹脂11を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は90質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂11の物性を表1に示す。
(ビニル系ユニットを有する樹脂製造例1)
スチレン 78.9質量部
n−ブチルアクリレート 19.7質量部
モノブチルマレート 1.4質量部
ジ−tert−ブチルパーオキサイド 1.0質量部
チタンキレート化合物例1 1.0質量部
上記原料を、加熱したキシレン200質量部中に4時間かけて滴下した。更に、キシレン環流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去した。このようにして得られた樹脂をビニルユニットを有する樹脂1とする。該ビニル系ユニットを有する樹脂に対する該ビニル系ユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は0質量%である。ビニル系ユニットを有する樹脂1の物性を表1に示す。
(ポリエステルユニットを有する樹脂製造例12)
ポリエステルユニットを有する樹脂製造例3において、チタンキレート化合物例1及び3の代わりに、ビスフェノールA EO(エチレンオキサイド)付加物のチタン酸エステルを使用する以外は同様にして、ポリエステルユニットを有する樹脂12を得た。該ポリエステルユニットを有する樹脂に対する該ポリエステルユニットを有する樹脂中のポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。ポリエステルユニットを有する樹脂12の物性を表1に示す。
Figure 0004298604
参考例1>
以下の方法でイエロートナー1を調製した。
(第1の混練工程)
・結着樹脂:ポリエステルユニットを有する樹脂1 50質量部
・C.I.ピグメントイエロー74を含有する顔料スラリーから水をある程度除去し、ただの一度も乾燥工程を経ずに得た固形分50質量%のペースト状顔料(残りの50質量%は水) 100質量部
上記の原材料をまずニーダー型ミキサーに仕込み、混合しながら非加圧下で昇温させる。最高温度(ペースト中の溶媒の沸点により必然的に決定される。この場合は90〜100℃程度)に達した時点で水相中の顔料が、溶融樹脂相に分配もしくは移行し、これを確認した後、さらに30分間加熱溶融混練させ、ペースト中の顔料を充分に移行させる。その後、一旦、ミキサーを停止させ、熱水を排出した後、さらに130℃まで昇温させ、約30分間加熱溶融混練を行ない、顔料を分散させるとともに水分を留去し、該工程を終了した後、冷却させ、混練物を取り出し第1の混練物を得た。この第1の混練物の含水量は0.5質量%程度であった。
(第2の混練工程)
・上記第1の混練物(顔料粒子の含有量50質量%) 10質量部
・結着樹脂:ポリエステルユニットを有する樹脂1 100質量部
・ワックス:パラフィンワックス(最大吸熱ピーク75.7℃) 5.0質量部
・荷電制御剤:3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物
1.0質量部
上記の処方で十分ヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、二軸押出し混練機で温度を150℃に設定し溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級し、チラーユニット等の冷却機構を具備したメカノフージョンシステムを用い球形化し(平均円形度0.941:FPIA2100測定による)、粒度分布における重量平均径が7.2μmのイエロー系樹脂粒子(分級品、すなわち、トナー粒子)を得た。その後、無機微粒子として、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子を1.0質量部、乾式法で製造された一次平均粒子径10nmのシリカ微粒子(BET比表面積200m2/g)をジメチルジクロロシラン処理した後ヘキサメチレンジシラザン処理し、ジメチルシリーコンオイル処理を行った疎水性シリカ0.8質量部を加え、外添混合し、イエロートナー1とした。イエロートナー1のトナー物性を表2に示す。
さらにイエロートナー1と、シリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(個数基準での平均粒径50μm)とを、トナー濃度が6質量%になるように混合し、二成分系イエロー現像剤1とした。該イエロートナー1の全結着樹脂に対する該イエロートナー1の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。
<耐久帯電安定性評価>
この二成分イエロー現像剤1で、フルカラー複写機CLC−1000(キヤノン社製)の定着ユニットのオイル塗布機構を取り外し、プロセススピードを150mm/secに設定した改造機を用い、単色モードで、高温高湿環境下(H/H;30℃/80%)、常温低湿環境下(N/L;23℃/5%)、常温常湿環境下(N/N;23℃/50%)環境において、画像面積比率5%のオリジナル原稿を用い、5万枚の耐刷試験を行い、それぞれの初期(INI)、及び5万枚耐久後(50K)のスリーブ上摩擦帯電量値(mC/kg)を以下の評価基準に基づいて帯電安定性を評価した。評価結果は、表3に示す。
スリーブ上の摩擦帯電量値の測定法を図面を用いて詳述する。
図1は二成分現像剤の摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。先ず、底にメッシュ目開き30μmのスクリーン1−1のある金属製の測定容器1−2に、スリーブ上から採取した二成分現像剤0.5〜1.5gを入れ金属製の蓋1−3をする。このときの測定容器1−2全体の質量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機1−4(測定容器1−2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口1−5から吸引し風量調節弁1−6を調整して真空計1−7の圧力を4kPaとする。この状態で充分、好ましくは約2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。このときの電位計1−8の電位をV(ボルト)とする。ここで1−9はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く計算される。
二成分現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
(評価基準)
A:初期と5万枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)の絶対値が5以内。(優)
B:初期と5万枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)の絶対値が5〜10だが、実用上問題な い。(良)
C:初期と5万枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)の絶対値が10〜15で帯電安定性やや 難だが、実用上問題ない。(可)
D:初期と5万枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)の絶対値が15以上で帯電安定性に問題 あり。(不可)
なお、初期と5万枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)は、初期の摩擦帯電量から5万枚耐久後の摩擦帯電量を引いた値[(初期の摩擦帯電量)−(5万枚耐久後の摩擦帯電量)]を示す。
<OHP透明性の評価>
OHP透明性の測定は、島津自記分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使用し、OHPフィルム単独の透過率を100%とし、
マゼンタトナーの場合:650nm
シアントナーの場合 :500nm
イエロートナーの場合:600nm
での最大吸収波長における透過率を測定する。評価結果は、表3に示す。
A:85%以上
B:75以上85%未満
C:65以上75%未満
D:65%未満
<定着特性の評価>
定着温度領域はカラー複写機CLC−1000(キヤノン製)のオイル塗布機構を取り外し、さらに定着温度を自由に設定できるように改造して定着試験をおこなった。画像は単色モードで常温常湿度環境下(23℃/50%)において、紙上のトナー載り量を1.2mg/cm2になるよう現像コントラストを調整し、未定着画像を作成した。A4(CLC推奨紙であるSK80)上に画像面積比率25%で画像を形成する。その後、常温常湿度環境下(23℃/50%)において120℃から順に10℃づつ上げ、オフセットや巻きつきが生じない温度幅を定着可能領域とした。評価結果は、表3に示す。
参考例2>
参考例1において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂2を用い、ワックスに、ベヘン酸ベヘニル(最大吸熱ピークのピーク温度は71.4℃)を用い、荷電制御剤として、TN−105(保土ヶ谷化学社製)を1.0質量部用い、平均円形度を0.940になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー2を作製し、二成分系イエロー現像剤2を得た。該イエロートナー2の全結着樹脂に対する該イエロートナー2の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、90質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
参考例3>
参考例1において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂3を用い、ワックスに末端アルコールポリエチレンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度は108.9℃)を用い、平均円形度を0.970になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー3を作製し、二成分系イエロー現像剤3を得た。該イエロートナー3の全結着樹脂に対する該イエロートナー3の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
参考例4>
参考例1において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂4を用い、平均円形度を0.952になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー4を作製し、二成分系イエロー現像剤4を得た。該イエロートナー4の全結着樹脂に対する該イエロートナー4の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
参考例5>
参考例1において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂5を90質量部、ビニル系ユニット成分を有する樹脂1を10質量部用い、平均円形度を0.933になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー5を作製し、二成分系イエロー現像剤5を得た。該イエロートナー5の全結着樹脂に対する該イエロートナー5の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、90質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
参考例6>
参考例1において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂6を80質量部、ビニル系ユニット成分を有する樹脂1を20質量部を用い、ワックスに、ポリエチレンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度は126℃)を用い、平均円形度を0.930になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー6を作製し、二成分系イエロー現像剤6を得た。該イエロートナー6の全結着樹脂に対する該イエロートナー6の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、80質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<比較例1>
参考例6において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂7を80質量部、ビニル系ユニット成分を有する樹脂1を20質量部を用い、平均円形度を0.930になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー7を作製し、二成分系イエロー現像剤7を得た。該イエロートナー7の全結着樹脂に対する該イエロートナー7の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、80質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<比較例2>
参考例6において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂8を80質量部、ビニル系ユニット成分を有する樹脂1を20質量部を用い、平均円形度を0.938になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー8を作製し、二成分系イエロー現像剤8を得た。該イエロートナー8の全結着樹脂に対する該イエロートナー8の全結着樹脂中に有するポリエステルユニットを構成する成分の割合は、80質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<比較例3>
参考例6において、結着樹脂に、ビニル系ユニット成分を有する樹脂1を100質量部を用い、平均円形度を0.940になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー9を作製し、二成分系イエロー現像剤9を得た。該イエロートナー9の全結着樹脂に対する該イエロートナー9の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、0質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<実施例
参考例1において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂9を用い、平均円形度を0.940になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー10を作製し、二成分系イエロー現像剤10を得た。該イエロートナー10の全結着樹脂に対する該イエロートナー10の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、90質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<実施例
実施例において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂10を用い、平均円形度を0.939になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー11を作製し、二成分系イエロー現像剤11を得た。該イエロートナー11の全結着樹脂に対する該イエロートナー11の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、90質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<実施例
実施例において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂11を用い、平均円形度を0.938になるように球形化する以外は同様にし、イエロートナー12を作製し、二成分系イエロー現像剤12を得た。該イエロートナー12の全結着樹脂に対する該イエロートナー12の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、90質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
参考例7
参考例1において、C.I.ピグメントイエロー74の代わりに、C.I.ピグメントブルー15:3を用い、平均円形度を0.940になるように球形化する以外は同様にし、シアントナー1を作製し、二成分系シアン現像剤1を得た。該シアントナー1の全結着樹脂に対する該シアントナー1の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
参考例8
参考例1において、C.I.ピグメントイエロー74の代わりに、C.I.ピグメントレッド122を用い、平均円形度を0.941になるように球形化する以外は同様にし、マゼンタトナー1を作製し、二成分系マゼンタ現像剤1を得た。該マゼンタトナー1の全結着樹脂に対する該マゼンタトナー1の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
参考例9
参考例1において、C.I.ピグメントイエロー74の代わりに、カーボンブラックを用い、平均円形度を0.940になるように球形化する以外は同様にし、ブラックトナー1を作製し、二成分系ブラック現像剤1を得た。該ブラックトナー1の全結着樹脂に対する該ブラックトナー1の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、定着性の評価結果は表3に示す。
<比較例4>
参考例1において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂12を用い、球形化を行わない(平均円形度0.910)以外は同様にし、イエロートナー13を作製し、二成分系イエロー現像剤10を得た。該イエロートナー13の全結着樹脂に対する該イエロートナー13の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<比較例5>
参考例1において、結着樹脂に、ポリエステルユニットを有する樹脂7を用い、球形化を行わない(平均円形度0.910)以外は同様にし、イエロートナー14を作製し、二成分系イエロー現像剤14を得た。該イエロートナー14の全結着樹脂に対する該イエロートナー14の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<比較例6>
比較例5において、C.I.ピグメントイエロー74の代わりに、C.I.ピグメントブルー15:3を用いた以外は同様にし、シアントナー2(平均円形度0.910)を作製し、二成分系シアン現像剤2を得た。該シアントナー2の全結着樹脂に対する該シアントナー2の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<比較例7>
比較例5において、C.I.ピグメントイエロー74の代わりに、C.I.ピグメントレッド122を用いた以外は同様にし、マゼンタトナー2(平均円形度0.910)を作製し、二成分系マゼンタ現像剤2を得た。該マゼンタトナー2の全結着樹脂に対する該マゼンタトナー2の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定性、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
<比較例8>
比較例5において、C.I.ピグメントイエロー74の代わりに、カーボンブラックを用いた以外は同様にし、ブラックトナー2(平均円形度0.910)を作製し、二成分系ブラック現像剤2を得た。該ブラックトナー2の全結着樹脂に対する該ブラックトナー2の全結着樹脂中に有するポリエステルユニット成分の割合は、100質量%である。トナー物性は表2、耐久帯電安定、透明性、定着性の評価結果は表3に示す。
参考例10
参考例1で作製したイエロートナー1を用い、以下の一成分現像耐久帯電安定性評価を行なった。
<一成分現像耐久帯電安定性評価>
このイエロートナー1を、プロセススピードを150mm/secに設定した市販のカラーレーザープリンターLBP2300(キヤノン社製)を用いて評価した。上記マシンのイエローカートリッジにイエロートナー1を300g充填し、印字比率5%で5000枚の連続プリントの評価をした。評価方法は、単色モードで、高温高湿環境下(30℃/80%)、常温低湿環境下(23℃/5%)、常温常湿環境下(23℃/50%)環境において、それぞれの初期、及び5000枚耐久後のスリーブ上トリボを以下の評価基準に基づいて帯電安定性を評価した。評価結果は、表3に示す。
スリーブ上の摩擦帯電量値の測定法を図面を用いて詳述する。
図2は一成分現像剤摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。一成分現像剤の摩擦帯電量は、例えば(図2に示すファラデー・ケージ(Faraday−Cage))によって測定することができる。ファラデー・ケージとは、同軸の2重筒のことで内筒と外筒は絶縁されている。この内筒の中に電荷量Qの帯電体を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電気量Qの金属円筒が存在するのと同様になる。この誘起された電荷量をKEITHLEY 616 DIGITAL ELECTROMETERで測定し、内筒中のトナー質量Mで電荷量Qを割ったもの(Q/M)を帯電量とする。現像剤は現像剤担持体より直接、air吸引によりフィルター中にとり入れる。
一成分現像剤摩擦帯電量(mC/kg)=Q/M
(評価基準)
A:初期と5000枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)の絶対値が5以内。(優)
B:初期と5000枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)の絶対値が5〜10だが、実用上問 題ない。(良)
C:初期と5000枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)の絶対値が10〜15で帯電安定性 やや難だが、実用上問題ない。(可)
D:初期と5000枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)の絶対値が15以上で帯電安定性に 問題あり。(不可)
なお、初期と5万枚耐久後の摩擦帯電量の差(Δ)は、初期の摩擦帯電量から5万枚耐久後の摩擦帯電量を引いた値[(初期の摩擦帯電量)−(5万枚耐久後の摩擦帯電量)]を示す。
参考例11
参考例1で作製した二成分系イエロー現像剤1、参考例7で作製した二成分系シアン現像剤1、参考例8で作製した二成分系マゼンタ現像剤1及び参考例9で作製した二成分系ブラック現像剤1を用い、フルカラー複写機CLC−1000(キヤノン社製)の定着ユニットのオイル塗布機構を取り外し、プロセススピードを150mm/secに設定した改造機を用い、フルカラーモードで、高温高湿環境下(H/H;30℃/80%)、常温低湿環境下(N/L;23℃/5%)、常温常湿環境下(N/N;23℃/50%)環境において、画像面積比率28%のオリジナル原稿を用い、5万枚の耐刷試験を行なった結果、各環境において耐久中の帯電性安定性も良く、良好な画像が得られた。
<比較例9>
参考例11において、比較例5で作成した二成分系イエロー現像剤14、比較例6で作成した二成分系シアン現像剤2、比較例7で作製した二成分系マゼンタ現像剤2及び比較例8で作成した二成分系ブラック現像剤2を用いる以外は同様にし、参考例11と同様の評価を行なった。高温高湿環境下(H/H;30℃/80%)、常温低湿環境下(N/L;23℃/5%)、常温常湿環境下(N/N;23℃/50%)環境において、画像面積比率28%のオリジナル原稿を用い、5万枚の耐刷試験を行なった結果、各環境において、耐久中の帯電変動が大きく、その結果、画像の色味変動が大きかった。また、2次色混色性が悪かった。
参考例12
参考例1で用いた二成分系イエロー現像剤1を以下の方法で評価した。
<耐久帯電安定性評価>
二成分イエロー現像剤1で、フルカラー複写機CLC−1000(キヤノン社製)の定着ユニットのオイル塗布機構を取り外し、プロセススピードを300mm/secに設定した改造機を用い、単色モードで、高温高湿環境下(H/H;35℃/85%)、常温低湿環境下(N/L;23℃/1%)、常温常湿環境下(N/N;23℃/50%)環境において、画像面積比率1%のオリジナル原稿を用い、5万枚の耐刷試験を行い、それぞれの初期(INI)、及び5万枚耐久後(50K)のスリーブ上摩擦帯電量値(mC/kg)を以下の評価基準に基づいて帯電安定性を評価した。耐久帯電安定性の評価結果は、表4に示す。
<実施例
二成分系イエロー現像剤10〜12をそれぞれ参考例12と同様の方法で評価した。耐久帯電安定性の評価結果は、表4に示す。
Figure 0004298604
Figure 0004298604
Figure 0004298604
二成分現像剤の摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。 一成分現像剤の摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。 本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1−1 導電性スクリーン
1−2 測定容器
1−3 金属製の蓋
1−4 吸引機
1−5 吸引口
1−6 風量調節弁
1−7 真空計
1−8 電位計
1−9 コンデンサー
1 感光ドラム(像担持体)
2 コロナ帯電器(帯電部材)
3 レーザー露光光学系(静電潜像形成手段)
3a ポリゴンミラー
3b レンズ
3c ミラー
4Y、4C、4M、4K 現像器
5 転写ドラム
5A 転写装置(転写手段)
5b 転写帯電器
5c 吸着帯電器
5d 内側帯電器
5e 外側帯電器
5f 転写シート
5g 吸着ローラ
5h 分離帯電器
6 クリーニング器
7a、7b、7c 記録材カセット
8a 分離爪
8b 分離押上げコロ
9 加熱定着装置(定着手段)
9a 加熱ローラ
9b 加圧ローラ
10 トレイ
11 前露光ランプ
12 電位センサ
13 光量検知手段
24Y、24C、24M、24K 偏心カム
30 原稿
31 原稿台ガラス
32 露光ランプ
33 レンズ
34 フルカラーセンサ
35 画像リーダ部
36 画像プリンタ部

Claims (9)

  1. 結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有するトナーであって、
    該トナーは、メタノール45体積%水溶液中に分散した分散液に対する600nmの波長の光の透過率(%)が、10乃至70%の範囲であり、
    該結着樹脂が、少なくともポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有する樹脂であり、
    該ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有する樹脂が、少なくとも、下記式(IV)及び(V)で示される構造を有するチタンキレート化合物、及び、該チタンキレート化合物の水和物からなるグループより選択される化合物を触媒として1種または2種以上用いて合成された樹脂であることを特徴とするトナー。
    Figure 0004298604
    (上記式(IV)において、R3及びR3'は、それぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルケニレン基であり、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
    Figure 0004298604
    (上記式(V)において、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
  2. 該無機微粒子が、酸化チタン微粒子及びシリカ微粒子の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナーが、芳香族カルボン酸金属化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 該トナーが、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30乃至200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が60乃至130℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該トナーのフロー式粒子像分析装置により測定される平均円形度が、0.930乃至0.990であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 該トナーは、非磁性トナーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 帯電部材に電圧を印加して像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された該像担持体上に静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させたトナーを、該静電潜像を現像して該像担持体表面にトナー画像を形成する現像工程と、該像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程と、該トナー画像を加熱加圧定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、
    該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有するトナーであって、
    該トナーは、メタノール45体積%水溶液中に分散した分散液に対する600nmの波長の光の透過率(%)が、10乃至70%の範囲であり、
    該結着樹脂が、少なくともポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有する樹脂であり、
    該ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有する樹脂が、少なくとも、下記式(IV)及び(V)で示される構造を有するチタンキレート化合物、及び、該チタンキレート化合物の水和物からなるグループから選択される化合物を触媒として1種または2種以上用いて合成された樹脂であることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0004298604
    (上記式(IV)において、R3及びR3'は、それぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数1乃至10のアルケニレン基であり、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
    Figure 0004298604
    (上記式(V)において、Mは対陽イオンを表し、mは、陽イオンの数、nは陽イオンの価数を表し、m=1のとき、n=2であり、m=2のとき、n=1であり、Mは、n=1の場合、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機アンモニウムイオンであり、n=2の場合、アルカリ土類金属イオンを表す。)
  8. 該画像形成方法は、フルカラー画像形成方法であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 該トナーは、請求項2乃至6のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成方法。
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