JP4202332B2 - 静電荷像現像用トナー、現像剤、現像装置、画像形成装置 - Google Patents
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Description
定着工程で用いられる定着方式としては、そのエネルギー効率の良さから、トナー像が転写された記録紙を、加熱ローラを含む一対のローラで挟持搬送しながら定着する加熱ローラ方式が広く採用されている。
近年は、省エネルギー化のために画像形成装置の消費電力を可能な限り少なくする必要があり、加熱ローラ等の定着部材を低熱容量化させる一方、トナーの低温定着化を図ることが強く要望されている。
そこで、トナーに要求されるこれらの特性を満足させる手段として、分子量の異なる2種以上のバインダー樹脂を含んで構成されるトナーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
より低分子量の樹脂成分の含有によって、低温定着化を図り、より高分子量の樹脂成分の含有によって、耐ホットオフセット性、耐熱保存性の維持を図るものである。
従来、ポリエステル樹脂の製造には、酸化ジブチルスズ等の有機スズ(IV)化合物、テトラ−n−ブチルチタネート等のチタン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、酸化マンガン等のマンガン化合物等が触媒として用いられている。
例えば、特許文献1にも有機スズ(IV)化合物を用いて製造されたポリエステル樹脂の使用が記載されている。
上述したような、トナー用結着樹脂としてのポリエステル樹脂の製造に用いられている触媒の中でも、有機スズ(IV)化合物は、Sn−C結合を含み、環境ホルモン物質として指摘されていることから、工業製品への利用が縮小されてきている。このため、有機スズ(IV)化合物に替えて、人体に無害である無機スズ化合物を触媒として製造したポリエステル樹脂が上市されてきている。
しかしながら、特許文献2では、トナーの低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性等に関しては何ら言及されていない。
1.本発明は、少なくとも着色剤、結着樹脂を含んでなり、静電潜像を現像する静電荷像現像用トナーにおいて、前記結着樹脂として、Sn−C結合を有していないスズ化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂を少なくとも含み、70nm<〔メジアン径〕<300nmの範囲にある無機微粒子を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
2.また、本発明の静電荷像現像用トナーは、1.に記載の発明において、前記無機微粒子は、45μm目開きに対する粗粉量が0.16重量%以下であることを特徴とする。
3.また、本発明の静電荷像現像用トナーは、1.又は2.に記載の発明において、前記無機微粒子の添加量は、トナー粒子100重量部に対し0.4〜4.0重量部であることを特徴とする。
4.また、本発明の静電荷像現像用トナーは、1.ないし3.のいずれかに記載の発明において、前記トナーの4μm以下の微粒子含有率は、10個数%以下であることを特徴とする。
5.また、本発明の静電荷像現像用トナーは、1.ないし4.のいずれかに記載の発明において、ワックスを含有してなることを特徴とする。
6.また、本発明の静電荷像現像用トナーは、5.に記載の発明において、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる、3000cm−1付近の前記ワックスに由来するピークの高さ(W)と830cm−1付近の前記結着樹脂に由来するピークの高さ(R)との比(W/R)が、0.05〜0.20の範囲にあることを特徴とする。
7.また、本発明の静電荷像現像用トナーは、5.又は6.に記載の発明において、前記ワックスは、融点が60〜100℃であることを特徴とする。
8.また、本発明の静電荷像現像用トナーは、5.ないし7.のいずれかに記載の発明において、前記ワックスの添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜8重量部であることを特徴とする。
9.また、本発明の静電荷像現像用トナーは、1.ないし8.のいずれかに記載の発明において、前記結着樹脂成分は、THF可溶分全量に対する重量平均分子量(Mw)1000以下の成分の含有率が0.5〜10%であることを特徴とする。
10.また、本発明の静電荷像現像用トナーは、1.ないし9.のいずれかに記載の発明において、前記トナーは、130〜180℃における粘度が80〜3500Pa・s、130〜180℃における損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’との比(tanδ=G”/G’)が1.0〜4.0の範囲にあることを特徴とする。
12.また、本発明の現像剤は、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、磁性キャリアと1.ないし10.のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーとからなる二成分現像剤であることを特徴とする。
(メジアン径)
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として、Sn−C結合を有していないスズ化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂を少なくとも含み、70nm<〔メジアン径〕<300nmの範囲にある無機微粒子を含む。
また、無機微粒子は、表面の疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止するために、表面処理を施してもよい。表面処理剤として好ましいのは、例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどである。
上記無機微粒子の45μm目開きに対する粗粉量(以下、単に「粗粉量」と称する。)は、0.16重量%以下であることが好ましい。粗粉量が0.16%を超えると、トナー母体表面に均一に外添されず、また、篩工程で粗粉粒子がメッシュによってカットされ、トナーの流動性が落ちる。
尚、無機微粒子の粗粉量の測定は、以下のようにして行う。
(1)乾燥した清浄なメッシュ(80φ、目開き45μm)を0.1mgの桁まで精秤する。
(2)ガラス瓶に試料10gを取り、0.1mgの桁まで精秤する。メタノール90gを加え試料を調製する。
(3)(2)の試料を振とう機にて分散し、スラリーを調製する。
(4)篩に(3)のスラリーを通した後、メタノール100gで洗い流す。
(5)(4)の篩を105℃で1時間乾燥し、冷却後、篩を0.1mgの桁まで精秤する。
(6)粗粉量を以下の式(1)より求める。
粗粉量(重量%)=(((5)重量−(1)重量)/試料重量)×100 ・・・式(1)
更に、前記無機微粒子の添加量は、トナー粒子100重量部に対し0.4〜4.0重量部、より好ましくは1.0〜1.5重量部である。添加量が0.4重量部未満の場合はトナーの流動性や凝集性を十分に向上させることができず、ハーフ画像のキメが低下したり、トナー凝集による画像の白抜けの問題が生じてしまう。一方、4.0重量部より多くなると定着下限温度が上昇し、低温定着性に劣る。
(ポリエステル樹脂)
結着樹脂として用いるポリエステル樹脂は、スズ(II)化合物を触媒として製造される。
スズ(II)化合物は、Sn−C結合を有していないスズ化合物をいう。例えば、シュウ酸スズ(II)、ジ酢酸スズ(II)、ジオクタン酸スズ(II)、ジラウリル酸スズ(II)、ジステアリン酸スズ(II)、ジオレイン酸スズ(II)等のカルボン酸基を有するスズ(II)化合物、ジオクチロキシスズ(II)、ジラウロキシスズ(II)、ジステアロキシスズ(II)、ジオレイロキシスズ(II)等のアルコキシ基を有するスズ(II)化合物や、酸化スズ(II)、あるいは、塩化スズ(II)、臭化スズ(II)等のハロゲン化スズ(II)等が挙げられる。このうち、ジオクタン酸スズ(II)、ジステアリン酸スズ(II)、酸化スズ(II)が好ましく用いられる。
ポリエステル樹脂を製造する際の無機スズ(II)化合物の使用量は、ポリエステル樹脂の原料モノマー100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、0.05〜2重量部がより好ましい。従って、無機スズ(II)化合物を触媒として得られる本発明のポリエステル樹脂組成物における無機スズ(II)化合物の含有量も、ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、0.05〜2重量部がより好ましい。
(樹脂成分A、樹脂成分B)
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として、重量平均分子量が5000〜50000の樹脂成分Aと、重量平均分子量が20万〜40万の樹脂成分Bとを含み、そのうち、少なくとも、樹脂成分Aが無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂である。重量平均分子量が異なる樹脂成分A、Bを混合することで、更に低温定着性に優れ、耐ホットオフセット性、耐熱保存性を兼ね備えたトナーを製造することができる。また、これらの特性を備えたトナーとするために、樹脂成分A及び樹脂成分Bの重量平均分子量の範囲を上記範囲とすることが必要である。樹脂成分Aの重量平均分子量が50000を超えるか、または樹脂成分Bの重量平均分子量が40万を超えると、トナーの低温定着性を向上させることができない。一方、樹脂成分Aの重量平均分子量が5000未満か、または樹脂成分Bの重量平均分子量が20万未満であると、トナーの耐ホットオフセット性、耐熱保存性を向上させることができない。更に、樹脂成分A及び樹脂成分Bの重量平均分子量の範囲が上記範囲から外れ、溶融粘度差が大きくなりすぎると、トナー製造時の溶融混練において均一なトナー組成物を得ることができなくなる。
更に、樹脂成分Bも無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂であることが好ましい。樹脂成分A、Bとも無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂とすることにより、トナーの耐ホットオフセット性、耐熱保存性を妨げることなく、低温定着性を一層向上させることができる。また、無機スズ(II)化合物は人体にも無害であることから、有機スズ(IV)化合物を含有するポリエステル樹脂を用いるよりも、トナーの製品としての安全性を高めることができる。
結着樹脂中に含まれる樹脂成分Aの割合は、結着樹脂の全重量に対して、40〜75重量%であることが好ましい。樹脂成分Aの割合が40重量%未満であると、トナーの十分な低温定着性が得られない。また、樹脂成分Aの割合が75重量%を超えると、画像の光沢度が高くなり過ぎたり、耐ホットオフセット性、耐熱保存性が低下するため好ましくない。樹脂成分Aの割合は、より好ましくは、45〜65重量%である。
ポリエステル樹脂とともに配合されていてよい樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂等の付加重合系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂は、他の樹脂との混合により結着樹脂組成物中に含有されていてもよいが、他の樹脂と併用する場合は、2種以上の樹脂成分が部分的に化学結合したハイブリッド樹脂における樹脂成分の1つとして含有されているのが好ましい。即ち、結着樹脂組成物は、無機スズ(II)化合物を触媒として製造したポリエステル樹脂成分と付加重合系樹脂成分とが部分的に化学結合したハイブリッド樹脂からなっていてもよい。
尚、ハイブリッド樹脂は、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーから得られたものであっても、さらに2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得るのがよい。
更に上記結着樹脂組成物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるTHF可溶分の分子量分布においてTHF可溶分全量に対し、重量平均分子量(Mw)1000以下の成分を0.5〜10%含有することが好ましい。結着樹脂組成物中に重量平均分子量(Mw)1000以下の成分が0.5%未満では、定着下限温度が劣るので好ましくない。また、10%を超えるとトナーが凝集しやすくなり、トナー落ち現象が起こりやすくなるので好ましくない。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、等がある。黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。これらは、1種または2種以上を使用することができる。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
(ワックス)
本発明のトナーは、トナー画像定着時に定着部材からの離型性を向上させる目的で、ワックスを含有することが好ましい。本発明のトナーは、平均粒径(D1)が70nm<D1
<300nmの範囲にある無機微粒子によってトナー母体表面が覆われているため、現像器内でトナーがストレスを受けても、トナー内部に添加されるワックスがトナー表面に露出することはない。したがって、例えば感光体表面でトナーのワックス成分が原因となって生じるトナーフィルミング等を発生させることもない。
また、本発明者らの検討によって、結着樹脂に含まれる樹脂成分Aが、有機スズ(IV)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂の場合と、無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂の場合とで、添加されたワックスのトナー中での分散性が異なることが明らかとなった。製造されたトナーの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂を用いた方が、ワックスの分散径が小さくなっていることを確認した。これにより、定着工程におけるトナーの離型効果が得られやすく、また、結着樹脂よりも低分子量成分であるワックスがトナー中によりよく分散することで、トナー低温定着性を一層良好にするものと考えられる。
このようなワックスとしては、カルナウバワックス及び/又はライスワックス及び/又はエステルワックスを含有することが好ましい。カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。ライスワックスは米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスである。エステルワックスは単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。
また、この他のワックス成分、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス等も使用することができる。
これらのワックス成分は単独または併用して使用される。
ワックスの添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜8重量部が好ましい。ワックスの添加量が結着樹脂に対して1重量部未満では、トナー中に含有されるワックス量が少ないために、定着工程において十分な離型効果を得ることができない。また、8重量部を超えると、トナー中に含有されるワックス量が多くなるために、トナーの耐熱保存性の低下や感光体上でのフィルミング発生を招くので好ましくない。
本発明のトナーは、感光体上のトナーのクリーニング性向上、フィルミングの防止等を目的として潤滑剤を含有することが好ましい。潤滑剤としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレイン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類が挙げられる。この中でも、ステアリン酸亜鉛が好ましい。潤滑剤は、結着樹脂、着色剤等のトナー組成物を溶融混練、粉砕により粒子状に形成した後に外添することができる。
トナーが潤滑剤を含有することにより、転写工程後にトナーが感光体上に残存しても、潤滑剤の効果により、感光体表面との間に働く付着力が低減され、クリーニングブレードによるクリーニング性を向上させることができる。また、感光体上にトナーの構成成分が固着するフィルミングを発生させることもない。
本発明のトナーの製造方法は、従来公知の方法でよく、結着樹脂、ワックス成分、着色剤、その他場合によっては帯電制御剤等をミキサー等で混合し、熱ロール、エクストルーダー等の混練機を用いて混練した後、冷却固化し、これをジェットミル等で粉砕し、その後分級すれば得られる。重合法による製造でもよい。
上記トナーに潤滑剤、あるいは無機微粒子を添加するにはスーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いる。
また、トナー中の4μm以下の微粒子含有率は10個数%以下であることが好ましい。4μm以下の微粒子含有量が10個数%を超えると、微粉によるトナーの凝集性が悪くなり、トナー落ちが発生しやすくなる。トナー微粉は分級工程の製造条件でコントロールすることができる。
本発明のトナーは好ましくはワックスを含有し、そのワックス成分はトナー表面近傍に存在することがよい。ワックス成分がトナー表面近傍にあることで、定着時の離型効果を十分に得ることができ、定着オフセットを防止することができる。
トナー表面近傍のワックス量は、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法で得られる。測定原理から分析深さは0.3μm程度であり、この分析により、トナーの表面から0.3μmの深さ領域における相対的なワックス量を求めることができる。
本発明のトナーは、FTIR−ATR法により求められる、3000cm−1付近の前記ワックスに由来するピークの高さ(W)と830cm−1付近の前記結着樹脂に由来するピーク高さ(R)との比(W/R)が、0.05〜0.20の範囲であることが好ましい。W/Rが0.05未満の場合は、トナー表面近傍のワックス量が少ないため、定着オフセットが発生しやすくなる。一方、W/Rが0.20を超えると、トナー表面近傍のワックス量が多いため、熱の影響でトナーが凝集しやすくなり、トナー落ち現象が起こりやすくなる。尚、トナー表面近傍のワックス量は、ワックスの仕込量と混練などの製造条件でコントロールすることができる。
また、本発明のトナーは、130〜180℃における粘度が80〜3500Pa・s、130〜180℃における損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’との比(tanδ=G”/G’)が1.0〜4.0の範囲にあることが好ましい。
130〜180℃における粘度が80Pa・s未満では、トナーが凝集しやすくなり、トナー落ち現象が発生しやすくなる。一方、粘度が3500Pa・sを超えると低温定着性と光沢性が悪化し、高粘度であるためにワックスとの粘度差が拡大し、分散性の悪化、遊離を引き起こす。粘度の値は、更に好ましくは120〜2500Pa・sである。
また、損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’の比(tanδ=G”/G’)が130〜180℃において1.0〜4.0の範囲にあることで画像の光沢むらの発生を防ぎ、またトナーの凝集もなく、画像品質を保つことができる。貯蔵弾性率G’はトナーの弾性を示す指標であるが、トナーに定着時の熱エネルギーが加わることにより、弾性成分が多いとトナーの弾性成分が伸縮するため光散乱し、光沢性が低下する。一方、損失弾性率G”はトナーの粘性に関する指標であり、粘性成分が多いと均一にトナーが溶融し高い光沢性が得られるが、熱による凝集が発生しやすくなる。損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’との比tanδがある一定の範囲にあることにより、光沢性が良好で、定着性、凝集性も良好なトナーを得ることができる。tanδが1.0未満になると、貯蔵弾性率G’が高くなり光沢性が低下する。tanδが4.0を超えると、トナーは凝集しやすくなり、トナー落ち現象が発生しやすくなる。より好ましくは、tanδは1.0〜3.0の範囲である。
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合して用いる二成分現像剤用トナーとして、また磁性キャリアを使用しない一成分現像剤用トナーとして使用可能である。
本発明のトナーを現像剤として用いる画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
<実施例1−1>
(ポリエステル樹脂A)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン390g、イソフタル酸120g、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸38g及びジオクタン酸錫(II)1gを、ガラス製の4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で、窒素気流下にて、220℃において所望のガラス転移点に達するまで反応を行い、ポリエステル樹脂Aを製造した。ポリエステル樹脂Aは、THF不溶解成分を3%含有し、Mw36000、酸価10mgKOH/g、ガラス転移点65℃であった。
トナー処方:
ポリエステル樹脂A 95部
シアン顔料(pigment blue 15−3;顔料1次粒径 90nm)4部
帯電制御剤(オリエント化学工業社製E−84) 2部
カルナウバワックス 5部
上記材料のうち、顔料とポリエステル樹脂および純水を、1:1:0.5の割合で混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行い、その後、ロール温度を120℃まで上げて水を蒸発させ、マスターバッチを作製した。
作製したマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を混ぜ、2本ロールにより50℃で40分溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕した後、エアージェット粉砕機で微粉砕し、得られた微粉末を分級して重量平均粒径(D4)6.5μm、4μm以下微粉含有率が12個数%のトナー母体を得た。さらに、平均粒径80nm、粗粉量が0.18重量%の疎水性シリカ(X−24;信越化学工業社製)を0.3重量部添加し、ミキサーで混合し、トナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
疎水シリカの平均粒径を280nm、粗粉量を0.2重量%に変更した点以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
疎水シリカの平均粒径を140nm、粗粉量を0.1重量%に変更した点以外は、実施例2と同様にしてトナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
疎水シリカの添加量を1重量部に変更した点以外は、実施例3と同様にしてトナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
トナーの分級工程において、分級機の回転数、処理量を変更した以外は、実施例4と同様にしてトナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
ワックス量を4.5部に変更した点以外は、実施例5と同様にしてトナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
ポリエステル樹脂Aを以下のポリエステル樹脂Bに変更した点以外は、実施例6と同様にしてトナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
(ポリエステル樹脂B)
ポリエステル樹脂Aの製造方法と同様にして、所望のガラス転移点に達するまで反応を行い、ポリエステル樹脂Bを製造した。ポリエステル樹脂Bは、THF不溶解成分を5%含有し、Mw42000、酸価15mgKOH/g、ガラス転移点66℃であった。
ポリエステル樹脂Bを以下のポリエステル樹脂Cに変更した点以外は、実施例7と同様にしてトナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
(ポリエステル樹脂C)
ポリエステル樹脂Aの製造方法と同様にして、所望のガラス転移点に達するまで反応を行い、ポリエステル樹脂Cを製造した。ポリエステル樹脂Cは、THF不溶解成分を4%含有し、Mw39000、酸価12mgKOH/g、ガラス転移点66℃であった。
疎水シリカの平均粒径を70nmに変更した点以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
疎水シリカの平均粒径を300nmに変更した点以外は、実施例2と同様にしてトナーを得た。測定したトナー特性を表1に示す。
トナー及び無機微粒子の物性値の測定方法は以下の通りである。
<無機微粒子平均粒径>
1)試料0.1gをガラス瓶に採り、メタノール20gを加え攪拌する。
2)超音波分散装置にて10分間分散し、測定試料とする。
3)レーザー回折散乱式粒度分布測定装置にて、2)の試料を測定し、メジアン径を粒径とする。
(1)乾燥した清浄なメッシュ(80φ、目開き45μm)を0.1mgの桁まで精秤する。
(2)ガラス瓶に試料10gを取り、0.1mgの桁まで精秤する。メタノール90gを加え試料を調製する。
(3)(2)の試料を振とう機にて分散し、スラリーを調製する。
(4)篩に(3)のスラリーを通した後、メタノール100gで洗い流す。
(5)(4)の篩を105℃で1時間乾燥し、冷却後、篩を0.1mgの桁まで精秤する。
(6)粗粉量を以下の式(1)より求める。
粗粉量(重量%)=(((5)重量−(1)重量)/試料重量)×100 ・・・式(1)
電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加した。この測定試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理し、コールターカウンターIIe型により100μmのアパーチャーを用いて体積を基準として2〜40μmの粒度分布等を測定した。
フロー式粒子像分析装置(FPIA−1000:SYSMEX社製)を用いて測定する。装置および測定の概略は特開平8−136439号公報に記載されている。1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整した後0.45μmのフィルターを通した液50〜100mlに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、試料を1〜10mg加える。これを、超音波分散機で1分間の分散処理を行い、粒子濃度を5000〜15000個/μlに調整した分散液を用いて測定を行った。粒子個数の測定は、CCDカメラで撮像した2次元の画像面積と、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出を行った。CCDの画素の精度から、円相当径で0.6μm以上を有効とし、粒子の測定データを得た。
トナー表面近傍のワックス量は、FTIR−ATR法により求められる、ワックスの特徴的なスペクトルのピーク高さ(W)と、結着樹脂成分の特徴的なスペクトルのピーク高さ(R)との比(W/R)として求めた。
先ず、試料として、トナー0.6gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP−E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で30秒間プレスして20mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。そのトナーペレット表面をFTIR−ATR法により測定した。用いた顕微FTIR装置は、PERKIN ELMER社製Spectrum OneにMultiScope FTIR ユニットを設置したもので、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶のマイクロATRで測定した。赤外線の入射角41.5°、分解能4cm−1、積算20回で測定した。
ワックスの特徴的なピーク(2918cm−1)の高さ(W)と、結着樹脂の特徴的なピーク(例えば、ポリエステル樹脂の場合;829cm−1、スチレン−アクリル系樹脂の場合;697cm−1)の高さ(R)との比(W/R)を算出した。尚、ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル樹脂を混合して用いた場合は、Rを829cm−1のピーク高さと697cm−1のピーク高さの和として算出した。値は測定場所を変えて4回測定した後の平均値を用いた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressureChemical Co.或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
トナー約1gを加圧成型し、直径25mm、厚さ2mmの測定サンプルを作製した。レオロジー特性の測定には、ダイナミックアナライザーRDAII(レオメトリック社製)を用いた。直径25mmのパラレルプレートを用い、正弦波振動を与え温度掃引した。測定周波数は1Hz、歪の初期値10%、60℃から200℃まで5℃間隔で測定を行った。
上記のようにして作製したトナー5重量%と、シリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%とを混合し、得られた二成分現像剤を用いて、リコー社製複写機imagioMF7070改造機にて現像を行い、5000枚/日で、初期及び100K枚(100000枚)ラン後のトナー落ち(画像へのトナー落ちの点数を数える)、トナー凝集性(振動を加えた後メッシュ上残りトナーの重さを測る)、地汚れ(目視評価)、定着下限(布で画像を削って画像濃度を測る)、定着上限(ホットオフセット発生を目視評価)を評価した。
以上の評価結果を次の5段階でランク付けした。
◎:大変良い、○:良い、□:普通、△:悪い、×:大変悪い
<実施例2−1>
(ポリエステル樹脂a)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン390g、イソフタル酸120g、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸38g及びジオクタン酸錫(II)1gを、ガラス製の4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で、窒素気流下にて、220℃において所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステル樹脂aを得た。得られたポリエステル樹脂aは、Mw14600、酸価2.7mgKOH/g、ガラス転移点63℃であった。
(ポリエステル樹脂b)
ポリエステル樹脂aの製造方法において、ジオクタン酸錫(II)を酸化ジブチル錫で代替し、所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステル樹脂bを得た。得られたポリエステル樹脂bは、Mw299000、酸価19.8mgKOH/g、ガラス転移点70℃であった。
(トナーの製造例)
トナー処方:
ポリエステル樹脂a 60部
ポリエステル樹脂b 40部
シアン顔料(pigment blue 15−3;顔料1次粒径 90nm)4部
帯電制御剤(オリエント化学工業社製E−84) 2部
カルナウバワックス 5部
上記材料のうち、顔料とポリエステル樹脂および純水を、1:1:0.5の割合で混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行い、その後、ロール温度を120℃まで上げて水を蒸発させ、マスターバッチを作製した。
作製したマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を混ぜ、2本ロールにより50℃で40分溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕した後、エアージェット粉砕機で微粉砕し、得られた微粉末を分級して重量平均粒径(D4)6.8μmのトナー母体を得た。さらに、ステアリン酸亜鉛(堺化学工業社製)0.15部、疎水性シリカ(クラリアントジャパン社製)を1重量部、疎水性酸価チタン(テイカ社製)を1重量部を添加し、ミキサーで混合し、重量平均粒径6.8μmのトナー1を得た。
実施例1において、ポリエステル樹脂bを以下に示すポリエステル樹脂cに変更した以外は、実施例1と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナー2を得た。
(ポリエステル樹脂c)
ポリエステル樹脂aの製造方法と同様にして、所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステル樹脂cを得た。得られたポリエステル樹脂cは、Mw291000、酸価18.5mgKOH/g、ガラス転移点69℃であった。
実施例1において、ポリエステル樹脂aを以下に示すポリエステル樹脂dに変更した以外は、実施例1と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナー3を得た。
(ポリエステル樹脂d)
ポリエステル樹脂aの製造方法において、ジオクタン酸錫(II)を酸化ジブチル錫で代替し、所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステル樹脂dを得た。得られたポリエステル樹脂dは、Mw14000、酸価2.7mgKOH/g、ガラス転移点66℃であった。
<トナー重量平均粒径(D4)>
実施例1と同様にして、トナー1〜3のトナー重量平均粒径(D4)の測定を行った。
実施例1と同様にして、トナー1〜3の結着樹脂成分の重量平均分子量(Mw)の測定を行った。
実施例1と同様の条件の下で、初期及び100K枚(100000枚)ラン後の定着下限(布で画像を削って画像濃度を測る)、定着上限(ホットオフセット発生を目視評価)を評価した。
以上の評価結果を次の5段階でランク付けした。
◎:大変良い、○:良い、□:普通、△:悪い、×:大変悪い
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
Claims (15)
- 少なくとも着色剤、結着樹脂を含んでなり、静電潜像を現像する静電荷像現像用トナーにおいて、
前記トナーは、前記結着樹脂として、Sn−C結合を有していないスズ化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂を少なくとも含み、
70nm<〔メジアン径〕<300nmの範囲にある無機微粒子を含む
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
前記無機微粒子は、45μm目開きに対する粗粉量が0.16重量%以下である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
前記無機微粒子の添加量は、トナー粒子100重量部に対し0.4〜4.0重量部である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
前記トナーの4μm以下の微粒子含有率は、10個数%以下である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
前記トナーは、ワックスを含有してなる
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項5に記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
前記トナーは、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる、3000cm −1 付近の前記ワックスに由来するピークの高さ(W)と830cm −1 付近の前記結着樹脂に由来するピークの高さ(R)との比(W/R)が、0.05〜0.20の範囲にある
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項5又は6に記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
前記ワックスは、融点が60〜100℃である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項5ないし7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
前記ワックスの添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜8重量部である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
前記結着樹脂成分は、THF可溶分全量に対する重量平均分子量(Mw)1000以下の成分の含有率が0.5〜10%である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
前記トナーは、130〜180℃における粘度が80〜3500Pa・s、130〜180℃における損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’との比(tanδ=G”/G’)が1.0〜4.0の範囲にある
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
該現像剤は、請求項1ないし10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用した一成分現像剤である
ことを特徴とする現像剤。 - 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
該現像剤は、磁性キャリアと請求項1ないし10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーとからなる二成分現像剤である
ことを特徴とする現像剤。 - 現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、潜像担持体との対向位置において電界を形成し、潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
該現像装置は、請求項11又は12に記載の現像剤を使用する
ことを特徴とする現像装置。 - 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、
該現像手段は、請求項13に記載の現像装置である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写手段と、記録部材上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
該現像手段は、請求項13に記載の現像装置である
ことを特徴とする画像形成装置。
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