JP3045323B2 - 静電荷像現像用トナ− - Google Patents

静電荷像現像用トナ−

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JP3045323B2
JP3045323B2 JP3055704A JP5570491A JP3045323B2 JP 3045323 B2 JP3045323 B2 JP 3045323B2 JP 3055704 A JP3055704 A JP 3055704A JP 5570491 A JP5570491 A JP 5570491A JP 3045323 B2 JP3045323 B2 JP 3045323B2
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園生 松岡
正俊 丸山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、静電記録法などにおいて形成される静電荷像を現像
するためのトナ−に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法に関する技術として
は、例えば、米国特許第2297691号、第2357
809号等の明細書等に記載されているものが知られて
いる。
【0003】上記従来の電子写真法は、光導電性絶縁層
を備えた感光体を一様に帯電させた後、その層を所定の
パタ−ンに露光し、その露光部上の電荷を消失させるこ
とによって電気的な潜像を上記感光体上に形成し、更に
該潜像に着色された電荷をもった微粉末トナ−(現像剤
組成物)を付着させることによって顕像させ(現像工
程)、次いで、得られた上記顕像を転写紙等の転写材に
転写せしめた後(転写工程)、加熱、加圧或いはその他
適当な定着法によって永久定着させる(定着工程)こと
を主な内容とする。
【0004】従って、トナ−には、単に現像工程のみな
らず、その後の転写工程、定着工程の各工程において必
要とされる機能を兼備していることが要求される。
【0005】一般に静電荷像現像用トナ−は樹脂成分、
顔料もしくは染料からなる着色剤成分および可塑剤、電
荷制御剤等の添加成分によって構成されており、樹脂成
分としては天然または合成樹脂が単独或いは適宜混合し
て使用されている。近年急速に技術開発が進められた乾
式現像方式に適したトナ−に対してもその樹脂成分に関
し多くの改良技術が提案されている。特に高速度複写を
目的とする電子写真複写機においては、加熱ロ−ラ−定
着法が採用され、静電記録体(感光ドラム)上に現像に
よって得られたトナ−像を一旦紙などの転写シ−トに転
写した後、該転写シ−トを加熱圧着を行う定着ロ−ラ−
に通してトナ−像をシ−トに融着させて定着が行なわれ
る。
【0006】斯かる定着の方法としては種々のものが知
られているが、特に加熱ロ−ラ定着機に代表される接触
加熱定着方式は、熱板定着器などの無接触加熱定着方式
に比して熱効率が高い点で優れており、特に高速度定着
が可能である点で好ましい。
【0007】この接触加熱定着方式においては、トナ−
のバインダ−樹脂の物性、ランニングスピ−ド、消費電
力の大きさ、像形成装置の保守その他の作業性の観点か
ら、通常150〜220℃の温度範囲内で定着が遂行さ
れる。
【0008】そこでこの定着方式に供されるトナ−にお
いては、定着温度において確実に定着が達成されるよ
う、バインダ−樹脂に低分子量重合体を含有させトナ−
粘度を下げると共に接触加熱ロ−ラにトナ−の一部が付
着することによるオフセット現象が生じないよう、当該
バインダ−樹脂に高分子量重合体を含有させトナ−弾性
率を上げることが好ましいとされている。
【0009】又、高速度複写を目的とする電子写真複写
機においては、キャリア粒子とトナ−粒子との混合物か
らなる謂ゆる二成分系乾式現像剤がよく用いられてい
る。この二成分系乾式現像剤は、比較的大きなキャリア
粒子表面上に微小なトナ−粒子が両粒子の摩擦により発
生した電気力により保持されており、静電潜像に近接さ
れると静電潜像が形成する電界によるトナ−粒子に対す
る該潜像方向への吸引力が、トナ−粒子とキャリア粒子
間の結合力に打ち勝ってトナ−粒子は静電潜像上に吸引
付着されて静電潜像が可視化されるものである。そし
て、現像剤は現像によって消費されたトナ−を補充しな
がら反復使用される。
【0010】従って、キャリアは長期間の使用中、常に
トナ−粒子を所望とする極性で、且つ充分な帯電量に摩
擦帯電しなければならない。しかしながら従来の現像剤
は、粒子間の衝突又は粒子と現像装置との衝突等の機械
的衝突又はこれらによる発熱でキャリア表面にトナ−膜
が形成され、所謂スペント化が生じ、キャリアの帯電特
性が使用時間と共に低下し、現像剤全体を取換える必要
が生じる。
【0011】このようなスペント化を防止すると共に長
期間の使用中、常に安定な帯電量を得る為、従来よりキ
ャリア表面に種々の樹脂を被覆する方法が提案されてい
るがいまだ満足の行くものは得られていない。
【0012】特に、高速度複写を目的とする電子写真複
写機用トナ−においては確実な定着性を達成されるよう
に低分子量重合体量を多く用いられる事及び高速度現像
装置内で更に強い機械的衝突を受ける事等によりスペン
ト化を起こし易い。
【0013】更に高速度複写においては、コピ−の枚数
が増え1台当りのトナ−消費量が増大するので、特にス
ペント化の防止を行ない現像剤全体を取換えるメンテナ
ンス回数を減らす事が望まれた。
【0014】又、仮に要求される特性が定着性と非オフ
セット性のみである場合であっても、バインダ−樹脂が
単に高分子量重合体と低分子量重合体とを含有すること
のみでは不十分であって、更にそれらの重合体が互に相
溶して渾然一体となった状態でバインダ−樹脂に含有さ
れることが必要であり、トナ−の製造時、保存時或いは
像形成時などにおいて互に分離しないものであることが
要請される。これは、そのような状態にあって初めて低
分子量重合体による低温での定着性と高分子量重合体に
よる非オフセット性が同時に発揮されるからであって、
単に共存した状態では各々の重合体が個別の作用を発揮
するためにトナ−として目的の効果を得ることはできな
いからである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の如き事
情に基いてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、非オフセット性、低温での定着性、製造時の粉砕
性、保存時の耐ブロッキング性(非凝集性)、像形成時
の現像性、おいて良好な特性を有する静電荷像現像用ト
ナ−を提供するにある。
【0016】本発明の他の目的は、樹脂で表面を被覆さ
れたキャリアを含む現像剤において、前記キャリアのト
ナ−のスペント化に対する高い防止効果を維持したま
ま、長時間使用しても帯電量分布が狭く、且つ逆帯電性
トナ−の発生、画質劣化、地肌汚れのない静電潜像用現
像剤を提供するものであり、
【0017】更には、環境変化、例えば、湿度変化など
によるトナ−帯電量変化を少なく抑えて、常に安定した
画像を形成しうる現像剤を提供することにある。一般に
帯電量は、低湿時には高く、高湿時には低くなり、これ
によって画像の品質も変化してくるが、本発明現像剤
は、この様な欠点をも改良したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討
した結果、電子写真用現像材組成物の必須成分である熱
可塑性樹脂として特定のポリエステルを用いることによ
り上記目的が達成されることを知見した。
【0019】本発明は結合剤樹脂と着色剤とを主成分と
する静電荷像現像用トナ−において、該結合樹脂が (A) 芳香族ジカルボン酸またはその等価物を主成分
とするジカルボン酸 (B) 3価以上の多価カルボン酸またはその酸無水
物、及び (C) エ−テル化ジフェノ−ルを主成分とするポリオ
−ル を反応させて得られるポリエステル樹脂でゲルパ−シエ
−ションクロマトグラフィ−によって測定されたクロマ
トグラムが分子量2×103〜8×103の領域に極大値
を持ち、かつ重量平均分子量(Mw)がその極大値を与
える分子量の20倍以上の値を示し、該ポリエステル樹
脂の180℃における溶融状態での角周波数ω=10
(rad/sec)で測定した時の貯蔵弾性率(G)が2×1
3〜2×104(dyn/cm2)における力学的損失正接
(tanδ)が1.2≦tanδ≦3.5の範囲にあり、かつ動的粘
弾性(η)が500≦η≦2500(poise)の範囲で
あることを特徴とする静電荷像現像用トナ−を提供する
ものである。
【0020】かくして本発明による静電荷像現像用トナ
−は、従来のトナ−に比べて定着可能な最低温度が低く
て良好な定着性を有し、これを損うことなく、優れた非
オフセット性及び耐ブロッキング性を具え、製造時の粉
砕性が良好であり摩擦帯電性が好適であって優れた現像
性が発揮され、しかも樹脂被覆層を有するキャリアを用
いた現像剤においてスペント化を起こさず繰り返し使用
時の耐久性が大きい卓越した性能を有するものである。
【0021】本発明におけるポリエステルを構成してい
るモノマ−のうち上記芳香族ジカルボン酸(A)として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸を挙げるこ
とができ、また、芳香族ジカルボン酸の等価物として
は、無水フタル酸及び上記各ジカルボン酸の低分子アル
コ−ルとのエステル、例えば、テレフタル酸ジメチル、
テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジメチル等を挙げ
ることができ、
【0022】特にテレフタル酸、イソフタル酸及びこれ
らの等価物が好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸
は、ポリエステルを構成している全酸成分中に95〜6
0%含まれることが好ましい。
【0023】また、副成分として含有させることができ
るジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、
シトラコン酸を、また、その等価物としては、マレイン
酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸、フ
マル酸ジメチルを挙げることができる。
【0024】前記3価以上の多価カルボン酸(B)とし
ては、ベンゼン1・2・4トリカルボン酸、ベンゼン1
・2・5トリカルボン酸、シクロヘキサン1・2・4ト
リカルボン酸、ナフタレン2・5・7トリカルボン酸、
ナフタレン1・2・4トリカルボン酸、1・2・4ブタ
ントリカルボン酸、ヘキサン1・2・5トリカルボン
酸、1・3−ジカルボキシ−2−カルボキシメチルプロ
ペン、1・3−ジカルボキシ−2−メチル−2−カルボ
キシメチルプロパン、テトラ(カルボキシメチル)メタ
ン、オクタ1・2・7・8テトラカルボン酸、エンボ−
ル3量体酸及びこれらの酸無水物が好ましい。
【0025】これらのうち、ベンゼン1・2・4トリカ
ルボン酸又はその無水物が特に好ましい。これらの3価
以上の多価カルボン酸は、ポリエステルを構成している
全酸成分中に好ましくは5〜60モル%更に好ましくは
7〜40モル%、最も好ましくは10〜30モル%含ま
れるものが好適に使用される。
【0026】一方、前記(C)ポリオ−ルは、エ−テル
化ジフェノ−ルを主成分とするもので、これが少なくと
も50%以上、好ましくは60%以上含有するものであ
る。
【0027】上記エ−テル化ジフェノ−ルとしては、下
記化学式で表されるものを挙げることができる。 H(OR)xO−Z−C(CH32−Z−O(RO)yH (上記RはC2〜C3のアルキレン基を示し、xyは何れ
も1〜10の数であり、Zはフェニレン基である。)
【0028】上記化学式で表せる化合物の具体例として
は、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン
(4,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等を挙げるこ
とができる。
【0029】また、副成分として含有させることができ
るポリオ−ルとしては、エチレングリコ−ル、プロピレ
ングリコ−ル、水添ビスフェノ−ルA等を挙げることが
できる。
【0030】本発明のポリエステルはジオ−ルとポリカ
ルボン酸とを反応させることによって製造される。この
反応に通常使用される触媒としては例えば酸化錫、酸化
亜鉛、酸化チタン、ジブチル錫ジウラレ−ト、ジブチル
錫オキシド等を挙げることができる。
【0031】上述した本発明に係るポリエステル樹脂
(以下本発明樹脂という)をバインダ−とするトナ−は
比較的低温で定着ができかつ、非オフセット温度領域が
広いという特徴を有する。
【0032】これらの特徴を維持するには本発明樹脂が
ゲルパ−シエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)測
定によるクロマトグラムにおいて分子量2×103〜 8
×103領域に極大値を持ち、かつ重量平均分子量(M
w)がその極大値を与える分子量の20倍以上の値を示
し、該本発明樹脂の180℃における溶融状態での角周
波数ω=10(rad/sec)で測定した時の貯蔵弾性率
(G)2×103〜2×104(dyn/cm2)における力学
的損失正接(tanδ)が1.2≦tanδ≦3.5の範囲にあり、
かつ動的粘弾性(η)が500≦η≦2500(pois
e)の範囲にある事が条件とされる。
【0033】GPC測定による分子量の極大値が2×1
3より低いと定着性は良好であるが、現像機中でトナ
−がスペントを起こし易く現像剤の寿命が短い。又、分
子量の極大値が8×103より高いと、スペント化は起
きにくいが低温領域での定着性は不良となり、定着下限
温度が上昇し、かつコ−ルド・オフセット温度も不良と
なり好ましくない。
【0034】GPC測定における分子量の極大値が好ま
しくは、2×103〜8×103更に好ましくは、3×1
3〜7×103、最も好ましくは4×103〜6×103
のものが好適に使用される。
【0035】又、GPC測定における重量平均分子量
(Mw)が、分子量の極大値の20倍より小さい値を示
すと定着性は良好であるがホット・オフセットが発生し
やすくなり定着可能温度幅が狭くなり好ましくない。
【0036】上記混合樹脂の好適範囲を満たすだけで
は、目的の効果を得る事が難しく混合樹脂の170℃に
おける溶融状態での角周波数ω=10〔rad/sec〕で測
定した時の動的粘弾性を満たす事が必要である事を見出
した。
【0037】すなわち、力学的正接が好ましくは1.2≦t
anδ≦3.5、更に好ましくは1.3≦tanδ≦3.0、最も好ま
しくは1.4≦tanδ≦2.5の範囲であり、かつ動的粘性率
が好ましくは500≦η≦2500〔poise〕、更に好
ましくは600≦η≦2000〔poise〕最も好ましく
は、700≦η≦1500の範囲のものが好適に使用さ
れる。
【0038】tanδ<1.2では、定着時のトナ−は弾性体
として挙動し、耐オフセット性は良好であるが、低温領
域での定着性は不良となり、定着下限温度上昇し、かつ
コ−ルドオフセット温度も不良となり好ましくない。ま
た、tanδ>3.5では、定着時のトナ−は粘性体に近い挙
動を示し、定着性は良好であるが、ホットオフセットが
発生しやすくなり定着可能温度幅が狭くなり好ましくな
い。
【0039】さらに500>ηでは低温定着性は十分で
あるが、オフセットが発生するため、定着可能領域がな
く使用できない。
【0040】また、2500<ηでは充分な耐オフセッ
ト性が得られるが、低温領域での定着性は不良となり、
実用上充分な定着性が得られない。
【0041】本発明樹脂のガラス転移温度は、50℃〜
70℃の範囲内にある事が好ましい。ガラス転移点が5
0℃より低い場合、トナ−の使用態様によってはトナ−
粉体が凝集体を帯び塊状となって好ましくない傾向があ
る。又、ガラス転移点が70℃より高くなると定着温度
が高くなり高速定着に適さない傾向がある。
【0042】また本発明樹脂の酸価は好ましくは0.1〜
5KOHmg/g、特に好ましくは0.3〜4.5KOHmg/g更に好ま
しくは0.5〜4KOHmg/gであり、水酸基価は好ましくは
5〜70KOHmg/g、特に好ましくは10〜60KOHmg/
g、更に好ましくは10〜50KOHmg/gである。
【0043】また、本発明に係る静電荷像現像用トナ−
には、適当な顔料または染料が着色剤として配合され更
に必要に応じて電荷制御剤、離型剤・磁性体などの他の
種類のトナ−添加剤を配合せしめることができる。
【0044】本発明に於いて使用する事のできる着色剤
として例えば黒色トナ−の場合サ−マルブラック法、ア
セチレンブラック法、チャンネルブラック法、ファ−ネ
スブラック法、ランプブラック法等により製造される各
種のカ−ボンブラック、カラ−トナ−の場合銅フタロシ
アニン、モノアゾ系顔料(C.I.Pigment Red 5,C.I.Pig
ment Orange 36,C.I.Pigment Red 22)、ジスアゾ系顔
料(C.I.Pigment Yellow 83)、アントラキノン系顔料
(C.I.Pigment Blue 60)、ジスアゾ系顔料(Solvent R
ed 19)、ロ−ダミン系染料(Solvent Red 49)等が用
いられる。
【0045】又、本発明に於いて使用する事のできる離
型剤としては、エチレン系オレフイン重合体、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エ
チルアクリレ−ト共重合体、酸化ポリエチレン、酸化ポ
リプロピレン、その他天然ワックス例えば、カルナバワ
ックス、モンタン酸ワックスなどが用いられトナ−の重
量に対して0.1〜10重量%(特に0.2〜5重量%)含有
せしめ、定着特性を補助的に改善することは好ましい。
【0046】トナ−は、主要樹脂成分に上記添加剤を配
合して均一に混合溶融し、溶融混合物を冷却後必要に応
じ粗砕した上ジェットミル等で微粉砕のち、分級機で分
級することにより、平均粒径が5〜30μmの所望粒度
分布を得た後、必要に応じて、各種添加剤(流動改質
剤、クリ−ニング助剤等)を添加して最終製品(トナ
−)を得る事が出来る。
【0047】本発明により得られる静電荷像現像用トナ
−は、鉄粉或いはガラスビ−ズなどより成るキャリアが
前記トナ−に混合されたいわゆる二成分系現像剤を用い
る現像法において、樹脂被覆層を有するキャリアを使用
する現像剤に好適に用いられる。
【0048】樹脂被覆層を有するキャリアとしては、一
般に鉄、ニッケル、フエライト、ガラスビ−ズより成る
核体粒子の表面を絶縁性樹脂の被覆層により被覆したキ
ャリアが代表的なものであり、絶縁性樹脂材料として
は、一般にフッ素樹脂シリコン樹脂、アクリル樹脂、ス
チレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブ
タジエン樹脂が代表的なものである。
【0049】本発明により得られる静電荷像現像用トナ
−と樹脂被覆層を有するキャリアとを成分とする現像剤
を用いた場合、キャリア粒子の表面にトナ−粒子が付着
して汚染されるスペントが著しく少ない、キャリアとト
ナ−の摩擦帯電特性を制御することが可能であり、耐久
性に優れ使用寿命が長い点で特に高速の電子複写機に好
適である。
【0050】本明細書で使用する各試験方法を以下に説
明する。 a) 酸価測定法 樹脂試料400mg秤量し、テトラヒドロフラン50m
lを加えN2ガス雰囲気中で溶解した後、フェノ−ルフ
タレン指示液(1%エチルアルコ−ル溶液)を1〜2滴
加えて、N2ガス雰囲気中で1/100NのN2OHで滴
定を行い、次式より酸価を算出した。
【0051】 酸価〔KOHmg/g〕=〔(x−B)×f×56.11×0.01〕÷試料採取量 f:1/100NのN2OH規定溶液のファクタ− x:試料の滴定量〔ml〕 B:空試験の滴定量〔ml〕
【0052】b) 水酸基価測定法 樹脂試料400mgを秤量し、無水酢酸/ピリジン混合
溶媒50mlを加え、N2ガス雰囲気中で溶解した後、
フェノ−ルフタレン指示液(1%エチルアルコ−ル溶
液)を1〜2滴加えて、N2ガス雰囲気中で1/100
NのN2OHで滴定を行い、次式より水酸基価を算出し
た。
【0053】 水酸基価〔KOHmg/g〕=〔(B−x)×f×56.11×0.01〕÷試料採取量 f:1/100NのN2OH規定溶液のファクタ− x:試料の滴定量〔ml〕 B:空試験の滴定量〔ml〕
【0054】c) 分子量測定法 分子量分布のピ−ク位置分子量は、ゲルパ−ミエ−ショ
ンクロマトグラフィ−(GPC)に、カラム(東ソ−製
GMH×3本)を装着した装置を用いて試料をテトラヒ
ドロフラン(THF)に0.2wt%の濃度で溶解し、温
度20℃において1ml/minの流速で測定を行った。な
お試料の分子量測定に際しては該試料の有する分子量が
数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検
量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に
包含される測定条件を選択した。
【0055】d) 粘弾性測定法 粘弾性特性はレオメ−タ−と呼ばれるレオロジ−的性質
を測定する為の機器により得られる。本発明に使用した
レオメ−タ−は(株)レオロジ社製MR−3ソリキッド
メ−タ−であり、測定条件は180℃における溶融状態
において、角周波数ω=10〔rad/sec〕を固定し、こ
の時の貯蔵弾性率(G)と力学的損失正接(tanδ)と
動的粘性率(η)のレオロジ−特性を測定した。
【0056】e) 複写試験 定着性試験(オフセット性及び最低定着温度) 市販の電子写真複写機(感光体はSe系感光体、定着ロ
−ラ−の回転速度は450mm/sec、定着装置中のヒ−
トロ−ラ−温度を可変にし、オイル塗布装置を除去した
もの)にて画像出しを行った。定着温度を120℃〜2
20℃にコントロ−ルし、画像の定着性、オフセット性
を評価した。
【0057】ここでの最低定着温度とは底面が15mm×
7.5mmの砂消しゴムに500gの荷重を載せ、定着機を通
して定着された画像の上を5往復こすり、こする前後で
マクベス社の反射濃度計にて光学反射密度を測定し、以
下の定義による定着率が70%を越える際の定着ロ−ラ
−の温度をいう。
【0058】
【0059】 紙上かぶり 複写試験において余白部へのトナ−のかぶりは、ミノル
タ社製CR−200色彩色差計を用いて測定した。かぶ
りが少ない場合は0.5%以下の値をかぶりが多い場合は
1%以上の値を示す。
【0060】f) 保存安定性 保存安定性については、各トナ−を50℃の恒温槽に2
4時間放置したときの凝集の発生の程度を評価した。
【0061】実施例−1 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒ ドロキシフェニル)プロパン(A) 530.9g ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒド ロキシフェニル)プロパン(A) 211.2g テレフタル酸(B) 178.5g ベンゼン1・2・4トリカルボン酸無水物(C) 79.4g
【0062】上記原料化合物をガラス製2lの4つ口フ
ラスコに入れ、該フラスコに温度計、攪拌棒、流下式コ
ンデンサ−付き脱水管及び窒素導入管を備えつけた後、
ジブチル、オキシドを5g加えオイルバス中で加熱しな
がら窒素気流下で前半160℃の常圧反応を行い、後半
230℃の減圧反応にて重合を進めた。反応により生成
する水が流出しなくなった時点で反応を停止させ、全体
を室温に冷却した。
【0063】得られた樹脂全体の特性は表1に記す。ま
た原料化合物の(A)、(B)、(C)成分のモル%を
表3に記す。上記樹脂100重量部カ−ボンブラック
(MA−100)6重量部、ポリプロピレン・ワックス(5
50P)2重量部、含金染料(S−34)2重量部をボ−ル
ミルで粉砕混合した後、140℃の熱ロ−ルで30分間
よく混練した。
【0064】冷却後、ハンマ−ミルで粗砕し、次いでジ
ェットミル微粉砕を行なった。更に得られた微粉砕粉体
を風力分級機にて分級を行ない5〜20μmの粒子を得
た後、疎水性シリカ(R−972)0.2重量部を加えて混合
し、平均粒子径10μmのトナ−を得た。上記トナ−と
シリコン樹脂被覆キャリアを用いて市販の複写機(感光
体はSe系感光体、定着ロ−ラの回転速度は450mm/
sec)で複写試験を行なったところ画像の定着は135
℃から可能となり230℃においても加熱定着ロ−ルへ
のトナ−のオフセットによる汚れはなく100000枚
の複写後も初期と同様、汚れカブリのない鮮明な画像が
得られた。その他得られた結果は表2に記す。
【0065】実施例−2 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ キシフェニル)プロパン(A) 524.3g ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ シフェニル)プロパン(A) 208.7g テレフタル酸(B) 197.3g ベンゼン1・2・4トリカルボン酸無水物(C) 69.7g
【0066】上記原料化合物を実施例−1と同様に反応
させ、トナ−を試作した。その結果を表1、表2及び表
3に記す。
【0067】実施例−3 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ キシフェニル)プロパン(A) 489.2g ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ シフェニル)プロパン(A) 195.3g テレフタル酸(B) 268.3g ベンゼン1・2・4トリカルボン酸無水物(C) 47.2g
【0068】上記原料化合物を実施例−1と同様に反応
させ、トナ−を試作した。その結果を表1、表2及び表
3に記す。
【0069】実施例−4 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ キシフェニル)プロパン(A) 502.3g ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ シフェニル)プロパン(A) 199.4g イソフタル酸(B) 209.5g ベンゼン1・2・4トリカルボン酸(C) 88.8g
【0070】上記原料化合物をガラス製2lの4つ口フ
ラスコに入れ、該フラスコに温度計、攪拌棒、流下式コ
ンデンサ−付き脱水管及び窒素導入管を備えつけた後、
ジブチル、オキシドを5g加えオイルバス中で加熱しな
がら窒素気流下で前半160℃の常圧反応を行い、後半
230℃の減圧反応にて重合を進めた。酸価を測定しつ
つ、反応を追跡し、酸価が4.0〔KOHmg/g〕となった時
点で反応を停止させ、全体を室温に冷却した。得られた
樹脂全体の特性は表1、表3に記す。上記樹脂100重
量部カ−ボンブラック(MA−100)6重量部、ポリプ
ロピレン・ワックス(550P)2重量部、含金染料(S
−34)2重量部をボ−ルミルで粉砕混合した後、140
℃の熱ロ−ルで30分間よく混練した。冷却後、ハンマ
−ミルで粗砕し、次いでジェットミルで微粉砕を行なっ
た。更に得られた微粉砕粉体を風力分級機にて分級を行
ない5〜20μmの粒子を得た後、疎水性シリカ(R−
972)0.2重量部を加えて混合し、平均粒子径10μmの
トナ−を得た。
【0071】上記トナ−とシリコン樹脂被覆キャリアを
用いて市販の複写機(感光体はSe系感光体、定着ロ−
ラの回転速度は450mm/sec)で複写試験を行なった
ところ画像の定着は135℃から可能となり230℃に
おいても加熱定着ロ−ルへのトナ−のオフセットによる
汚れはなく100000枚の複写後も初期と同様、汚れ
カブリのない鮮明な画像が得られた。その他得られた結
果は表2に記す。
【0072】比較例−1 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ キシフェニル)プロパン 650.1g テレフタル酸ジメチル 315.3g ベンゼン1・2・4トリカルボン酸無水物 34.7g 上記原料化合物を実施例−1と同様に反応させ、トナ−
を試作した。その結果を表1、表2及び表3に記す。
【0073】比較例−2 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ キシフェニル)プロパン 506.2g ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ シフェニル)プロパン 200.9g テレフタル酸 211.1g ベンゼン1・2・4トリカルボン酸無水物 81.9g 上記原料化合物を実施例−1と同様に反応させ、トナ−
を試作した。その結果を表1、表2及び表3に記す。
【0074】比較例−3 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ キシフェニル)プロパン 725.0g テレフタル酸ジメチル 97.8g ベンゼン1・2・4トリカルボン酸 177.2g 上記原料化合物を用い、酸価35.0〔KOHmg/g〕となった
時点で反応を停止する以外は実施例−4と同様に反応さ
せ、トナ−を試作した。その結果を表1、表2及び表3
に記す。
【0075】比較例−4 ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ キシフェニル)プロパン 650.4g テレフタル酸ジメチル 343.4g エチレングリコ−ル 1.2g ベンゼン1・2・4トリカルボン酸無水物 45.0g 上記原料化合物を用い、酸価7.0〔KOHmg/g〕となった
時点で反応を停止する以外は実施例−4と同様に反応さ
せ、トナ−を試作した。その結果を表1、表2及び表3
に記す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】本発明は、電子写真法、静電印刷法、静
電記録法などにおいて形成される静電荷像を現像するた
めのトナ−に関するものであり、
【0080】かくして本発明による静電荷像現像用トナ
−は従来のトナ−に比べて、定着可能な最低温度が低く
て良好な定着性を有し、これを損うことなく、優れた非
オフセット性及び耐ブロッキング性を具え、製造時の粉
砕性が良好であり摩擦帯電性が好適であって優れた現像
性が発揮され、
【0081】しかも樹脂被覆層を有するキャリアを用い
た現像剤においてスペント化を起こさず繰り返し使用時
の耐久性が大きい卓越した性能を有するものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤樹脂と着色剤とを主成分とする静
    電荷像現像用トナ−において、該結合樹脂が (A) 芳香族ジカルボン酸またはその等価物を主成分
    とするジカルボン酸 (B) 3価以上の多価カルボン酸またはその酸無水
    物、及び (C) エ−テル化ジフェノ−ルを主成分とするポリオ
    −ル を反応させて得られるポリエステル樹脂でゲルパ−シエ
    −ションクロマトグラフィ−によって測定されたクロマ
    トグラムが分子量2×103〜8×103の領域に極大値
    を持ち、かつ重量平均分子量(Mw)がその極大値を与
    える分子量の20倍以上の値を示し、該ポリエステル樹
    脂の180℃における溶融状態での角周波数ω=10
    (rad/sec)で測定した時の貯蔵弾性率(G)が2×1
    3〜2×104(dyn/cm2)における力学的損失正接
    (tanδ)が1.2≦tanδ≦3.5の範囲にありかつ動的粘弾
    性(η)が500≦η≦2500(poise)の範囲であ
    ることを特徴とする静電荷像現像用トナ−。
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