JP2743476B2 - 熱ロール定着用トナー - Google Patents

熱ロール定着用トナー

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JP2743476B2
JP2743476B2 JP1138529A JP13852989A JP2743476B2 JP 2743476 B2 JP2743476 B2 JP 2743476B2 JP 1138529 A JP1138529 A JP 1138529A JP 13852989 A JP13852989 A JP 13852989A JP 2743476 B2 JP2743476 B2 JP 2743476B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子写真、静電記録などに用いられる熱ロ
ール定着用トナー、さらに詳しくはポリエステル樹脂を
芯粒子としてカプセル化した熱ロール定着用トナーに関
する。
従来の技術および課題 静電潜像の現像は、種々の方式で感光体上に形成され
た正または負の電荷を有する静電潜像に対し、負または
正に摩擦帯電されたトナーを静電的に吸着させることに
より行なわれ、次いで転写紙上にトナー画像を転写し、
定着させることにより現像画像の定着が行なわれる。
現像画像の定着方式は大きく分けて、熱によりトナー
を融かして紙に融着させるいわゆる熱定着方式と、圧力
をかけてトナーを変形させて紙に圧着する、いわゆる圧
力定着方式、それに溶剤などによりトナーを溶かして紙
に溶着する溶剤定着方式などがある。現在は熱定着と圧
力定着を同時に行なう熱ロール定着方式が主流で、圧力
定着方式のみを採用している機種はわずかしかない。溶
剤定着方式は、溶剤による公害性の点から実用に適さな
いのが実状である。
熱ロール定着方式に用いられるトナーは、広い温度領
域でオフセット現像が発生せず、かつ耐ブロッキング
性、現像特性、転写性、クリーニング性等にも優れてい
ることが要求される。
更に、最近は複写作業の効率化を図るために高速定着
が指向され、係る高速の熱ローラー定着用トナーとして
もローラオフセットがない温度領域が広く、かつ凝集、
ブロッキング等のないことが望まれる。
かかる要求を満足するトナーとして、ポリエステル樹
脂を芯材とする構成のカプセルトナーが提案されている
(例えば特開昭58−205161号公報)。
かかる構成のトナーには、さらに低温度での熱定着
性、離型性等の向上を図るために、通常芯材にワックス
が添加されるが(例えば特開昭63−128362号公報)、単
にワックスを添加するだけでは、オフセット現像の発生
を伴わない定着可能温度幅(以下「非オフセット幅」と
いう)がワックスを添加する前よりも、かえって悪くな
り、しかも、トナー定着強度が低下するという問題が発
生する。
発明が解決しようとする課題 本発明は、以上のような問題点を解決すべくなされた
ものであって、その目的は、ポリエステル樹脂を芯粒子
とするカプセルトナーの低温定着性の改善を図るととも
に、非オフセット幅の広い、かつ定着性に優れた熱ロー
ル定着用トナーを提供することにある。
課題を解決するための手段 すなわち、少なくとも定着用ポリエステル樹脂および
極性基を有するワックスからなる芯粒子および該芯粒子
を被覆する樹脂被覆層からなる熱ロール定着用トナーで
あって、極性ワックスが酸価又は水酸価を呈する極性基
を有し、かつ軟化点がポリエステル樹脂>極性ワックス
でトナーのフローテスターによる溶融粘度がη(100):1.
5×106〜5×104(ポイズ)、η(110):6×105〜2×1
04(ポイズ)およびη(100)(110):2〜4であること
を特徴とする熱ロール定着用トナーに関する。
本発明の熱ロール定着用トナーは、少なくとも芯粒子
および該芯粒子の被覆層より構成される。
芯粒子は少なくともポリエステル樹脂、ワックスより
なり、所望により着色剤等の他の添加剤を含有していて
もよい。
本発明に使用されるポリエステル樹脂は、ポリオール
成分とジカルボン酸から合成されるが、ポリオール成分
としては、エチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシ
メチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加
ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノー
ルA等が使用でき、又、ジカルボン酸成分としては、マ
レイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、
イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール
酸、テレフタール酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、マロン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5
−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサント
リカルボン酸、1,2,5−シクロヘキサントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ
−2−メチル−2−メチルカルボキシプロパンテトラ
(メチルカルボキシ)メタン等が使用できる。
上記両成分からなるポリエステル樹脂は、熱ロール定
着用として従来から使用されているもので、酸価5〜3
0、水酸価20〜50、数平均分子量(▲▼)が2×103
〜3×104、数平均分子量に対する重量平均分子量の比
(▲▼/▲▼)が10〜50、軟化点が80〜150
℃、溶融粘度が100℃において3×106〜8×105ポイ
ズ、110℃において1.5×106〜1.5×105ポイズを示し、
かつη100110が2〜4の諸特性を満足するものを使
用することができる。
なお、本発明における溶融粘度および軟化点は、以下
の測定法により測定された値を示している。
その測定方法を第3図を用いて説明する。即ち、試料
(3)1.5gを加熱体(2)の中のシリンダ(1)(断面
積1cm2)内に投入し、昇温速度3℃/分で加熱する。ピ
ストン(6)をシリンダ内に挿入し30kg/cm2の荷重をか
け、試料をノズル(4)(直径1mm)から流出させ、そ
の時の試料の流出量、ピストンの降下距離および温度を
読み取る。温度は温度検出器(5)によって検出する。
係る測定は具体的には高化式フローテスターCFT−500
(島津製作所社製)を使用して行うことができる。
樹脂の軟化点温度は、上記測定においてピストンが4.
8mm降下したときの温度である。
上記の方法によって、各温度の降下量を測定し、それ
を以下に示す式によって各温度における粘度に換算し
た。
芯粒子に添加されるワックスとしては、酸価あるいは
水酸価を示す極性基を有するものを使用する。係る極性
基を有するワックスを添加することにより得られる熱ロ
ール定着用トナーは、熱ロールからの離型性が改良され
るのみならず、さらにより低温での熱定着が可能とな
り、かつ非オフセット幅の広い特性を有している。極性
基を有さないワックスの添加によっては、本来ポリエス
テル樹脂の有している非オフセット幅を却って狭めるこ
ととなり、上記のような本発明の効果を得ることはでき
ない。
ワックスが有すべき酸価または水酸価は、10〜150で
ある。酸価または水酸価が10より小さいと、極性基を有
さないワックスの使用と変わらず、本発明の上記効果を
十分得ることはできない。酸価あるいは水酸価が150よ
り大きいと相分離し易くなり、トナーのη100110
2〜4に維持することが困難になる。
ワックスの具体例としては、酸化型ポリエチレン系ワ
ックス、酸化型フィシャートロプシュ、モンタン系酸ワ
ックス、水素化ワックス等を挙げることができるが、上
記酸価あるいは水酸価を示す極性基を示すものであれば
よく、分子量が300〜4000、軟化点は60〜120℃のもので
あれば特に制限されない。ただし、ワックスの機能を発
揮させるために、その軟化点は、ポリエステル樹脂の軟
化点より低いことは当然に必要とされる。
なお、本明細書における酸価は、公知の方法で測定す
ればよく、試料1gを適当な溶媒に溶解し、フェノールフ
タレイン等の指示薬を使用して酸性基を中和するのに必
要な水酸化カリウムのmg数で表す。
水酸価も、公知の方法で測定することができ、試料1g
を無水酢酸で処理したアセチル化物を加水分解し、遊離
する酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で
表す。
ポリエステル樹脂に添加されるワックスの添加量とし
ては、ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.5〜20重
量部、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは2〜10
重量部である。ワックスの含有量が0.5重量部より少な
いと低粘度化に効果がなく、20重量部より多いとポリエ
ステル樹脂と相分離しやすく外殻層との接着性、成膜性
に問題がある。
芯材料に着色剤を添加してもよく、着色剤としては、
有機、無機いずれの顔料、染料であってもよく特に制限
されない。
顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラ
ック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック;マ
グネタイト、フェライト、鉄、コバルト、ニッケルなど
の磁性粉;酸化チタン、亜鉛華、鉛丹、弁柄、黄鉛、紺
青、群青、モリブデン赤などの無機顔料;ハンザイエロ
ー、ベンチヂンイエロー、パーマネントイエロー、クロ
モフタールイエロー、キナクリドンイエロー、ピラゾロ
ンオレンジ、バルカンオレンジ、オレンジレーキ、パー
マネントレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ウ
オッチングレッド、リソールレッド、ボルドー5B、ブリ
リアントカーミン6B、ブリリアントカーミン3B、レーキ
ボルド10B、クロモッタールレッド、キナクリドンマル
ーン、ローダミンBレーキ、クリスタルバイオレットレ
ーキ、ビクトリアピュアーブルーレーキ、ビクトリアブ
ルーレーキ、フタロシアニンブルー、ヘリオゲンブル
ー、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーンBな
どの有機顔料などがある。
芯粒子は、前記したポリエステル樹脂、ワックス、所
望により着色剤を混合混練した後、粉砕分級して、平均
粒径が3〜30μm程度に調製することにより得られ、こ
のようにして得られた芯粒子は、さらに樹脂層で被覆す
ることにより、耐久性、耐熱性を付与し耐ブロッキング
性、現像特性、転写性、クリーニング性等にも優れたも
のとすることができる。係る被覆層に着色剤、荷電制御
剤等を含有させてもよいが、芯粒子に着色剤を含有させ
被覆層には含有させない構成を採ることにより、内部に
存在する着色剤層ないしは芯材の構成にほとんど影響さ
れることなく、外殻層を構成する合成樹脂被覆層によっ
て、帯電極性、帯電性、現像性、耐熱性等を決定するこ
とができ、芯粒子に含まれる着色剤の種類、量等が変化
しても、安定したかつ各トナー粒子間において均一な荷
電性を付与することができる。
被覆層を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂例え
ば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂あるいはスチレン
−アクリル系共重合樹脂が挙げられる。
被覆層を形成する方法としては、芯粒子および芯粒子
に対して小粒径、より具体的には約1/5以下、好ましく
は1/10以下の微粒子(すなわち、樹脂微粒子であり、所
望により着色剤、荷電制御剤、ワックスおよび無機微粒
子などを含有させていてもよい)を適当な配合比で機械
的に混合し、ファンデルワールス力および静電気力の作
用により前記芯粒子の周囲に均一に微粒子を付着させた
後、微粒子を例えば衝撃力などにより生じる局部的温度
上昇により微粒子を軟化させ成膜する方法が好ましく挙
げられる。なお、ここで使用される被覆層形成用樹脂微
粒子は、具体的には平均粒径が0.05〜3μm、好ましく
は0.1〜1μmのものが使用される。平均粒径が0.05μ
mより小さい粉体は製造上むずかしく、また3μmより
大きいと、芯粒子の表面を被覆成膜化することが難しく
なる。芯粒子のポリエステル樹脂より被覆層に含まれる
樹脂のほうが軟化点の高いものであっても、容易に芯粒
子の外表面を実質的に完全に覆う被覆層を形成できるも
のである。またこのようにして得られるトナー粒子の表
面性状は芯粒子および被覆層形成用樹脂粒子の組成、物
性(粒径、熱的特性およびゲル化成分等)を選ぶことに
より、さらに処理条件、処理回数を適宜選択することに
より平滑性・表面粗度を変化させることができる。な
お、このような方法において好適に用いられ得る装置と
しては、高速気流中衝撃法を応用したハイブリダイゼー
ションシステム(奈良機械製作所社製)、オングミル
(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社
製)などがある。
しかしながら、被覆層の形成方法としては、上記のご
とき方法に何ら限定されるものではない。
芯粒子の被覆に用いられる樹脂微粒子は、粉砕法によ
るもの、乳化重合、懸濁重合などの造粒重合法によるも
の、懸濁法、スプレードライ法などの湿式造粒法による
ものなど公知の方法によって得られるものであればいず
れでもよい。
芯粒子の被覆層をさらに被覆し、2層構成としてもよ
い。
以上のようにして得られる本発明の熱ロール定着用ト
ナーは、平均粒径5〜20μm程度で100℃での溶融粘度
が1.5×106〜5×104ポイズ、110℃での粘度が6×105
〜2×104ポイズの範囲の値を有し、かつη100110
2〜4であり、広い非オフセット温度幅を有する。
本発明のトナーにおいては広い非オフセット温度幅を
確保しながら粘度を下げることができるので、低温定着
トナーあるいは透光性カラートナーへの適用が可能とな
る。
樹脂の合成(I) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフエニル)プロパン690g、及びテレフタール酸21
6g、n−ドデシルコハク酸115g、0.05gのジブチル錫オ
キシドを加え、1の4つ口フラスコに入れ、温度計、
ステンレススチール製撹拌器、流下式コンデンサー及び
窒素導入管をつけマントルヒーターで、270℃に昇温
し、窒素気流中で反応を進め酸価が15mgKOH/gになった
時点で冷却し、反応を停止させる。
得られたポリエステルの酸価は15mgKOH/g、水酸価は3
8mgKOH/gであった。又フローテスターにおける粘度Tm:1
20℃、η100:1.2×106ポイズ、η110:5.2×105ポイズ、
η100110:2.19、数平均分子量(▲▼);5600,
(▲▼)/(▲▼)25であった。この樹脂を
(I)とする。
樹脂の合成(II) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフエニル)プロパン490g及びポリオキシエチレン
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパ
ン190g及びフマール酸139g、n−ドデシルコハク酸142
g、及び無水トリメリット酸58gを用い、樹脂(I)と同
じ方法でポリエステルを合成した。
得られたポリエステルは、酸価:27mgKOH/g、水酸価20
mgKOH/g、Tm:126℃、η100:2.5×106ポイズ、η110:7×
105ポイズ、η100110:3.57、数平均分子量(▲
▼):4600,(▲▼)/(▲▼):15であった。
この樹脂を(II)とする。
樹脂の合成(III) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフエニル)プロパン350g及びポリオキシエチレン
(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパ
ン170g及びテレフタール酸170g、n−ドデシルコハク酸
250g、を用い、樹脂(I)と同じ方法でポリエステルを
合成した。
得られたポリエステルの酸価は、40mgKOH/g、水酸価
は、10mgKOH/g、Tm:130℃、η100:1×106ポイズ、
η110:4.3×105、η100110:2.33、数平均分子量(▲
▼):3800,(▲▼)/(▲▼):40であっ
た。この樹脂を(III)とする。
被覆層形成用樹脂微粒子aの製造 過硫酸アンモニウム0.4gをイオン交換水800gに溶解せ
しめ、四つ口フラスコに移し、窒素置換の後、75℃に加
温し、メチルメタクリレート150g、n−ブチルアクリレ
ート50g、メタクリル酸8gに溶解したものを投入し、撹
拌速度500rpmで6時間重合せしめて、平均粒径0.3μm
の被覆層形成用樹脂微粒子aを得た。該粒子aの軟化点
は105℃であった。
被覆層形成用樹脂微粒子bの製造 2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩
0.3gをイオン交換水800gに溶解せしめ、四つ口フラスコ
に移し、窒素置換の後、70℃に加温し、メチルメタクリ
レート100g、スチレン100g、n−ブチルアクリレート50
gを投入し、撹拌速度200rpmで3時間重合せしめて、平
均粒径0.4μmの被覆層形成用樹脂微粒子bを得た。該
粒子bの軟化点は120℃であった。
被覆層形成用樹脂微粒子cの製造 過硫酸アンモニウム0.2gをイオン交換水800gに溶解せ
しめ、四つ口フラスコに移し、窒素置換の後、70℃に加
温し、スチレン150g、n−ブチルアクリレート50gを滴
下ロートにより、2時間で滴下し、滴下終了後4時間重
合せしめ、平均粒径0.3μmの被覆層形成用樹脂微粒子
cを得た。該微粒子cの軟化点は90℃であった。
芯粒子aの製造例 ・樹脂(I): 100重量部 ・モンタン系ワックス;ヘキストワックスS(ヘキスト
社製);(融点84℃、AV145): 5重量部 ・カーボンブラック;MA♯8(三菱化成社製): 5重量部 上記材料をボールミルで充分混合した後、130℃に加
熱した3本ロール上で混練した。混練物を放置冷却後、
フェザーミルを用い粗粉砕し、さらにジェットミルで微
粉砕した。つぎに、風力分級し、平均粒径11μmの微粉
末を得た。得られた微粒子を芯粒子aとする。
芯粒子a;η100:3.5×105、η110:1.6×105、η100
110:2.19。
芯粒子bの製造例 ・樹脂(II): 100重量部 ・フッシャトロプシュワックス;サゾールワックスA1
(サゾール社製)(融点110℃、AV28): 3重量部 ・銅フタロシアニンブルー;Fastogen Slue BSF−A(大
日本インキ化学工業社製): 5重量部 上記材料を芯粒子aの製造例と同様にして芯粒子bを
得た。
芯粒子b;η100:5.2×105、η1102.2×105、η100
110:2.37。
芯粒子cの製造例 ・樹脂(III): 100重量部 ・ポリエチレン系ワックス;ハイワックス4051E(三井
石油化学社製)(融点120℃、AV12): 10重量部 上記材料を芯粒子aの製造例と同様にして芯粒子cを
得た。
芯粒子c;η100:7.3×105、η110:3.2×105、η100
110:2.21。
芯粒子dの製造例 ・樹脂(I) 100重量部 ・水素化系ワックス;カスターワックスA(日本油脂社
製)(融点84℃、OHV155) 5重量部 ・カーボンブラック;MA♯100(三菱化成社製): 8重量部 上記材料を芯粒子aの製造例と同様にして芯粒子dを
得た。
芯粒子d;η100:1.4×105、η110:4×104、η100
110:3.50。
芯粒子eの製造例 芯粒子aの製造例において、ヘキストワックスS5重量
部の代わりにポリプロピレンワックス;ビスコール550P
(三洋化成工業社製)(融点150℃ AV=0)5重量部
とする以外は同様に行ない芯粒子eを得た。
芯粒子e;η100:1.3×106、η110:5.6×105、η100
110:2.32。
芯粒子fの製造例 芯粒子aの製造例において、ヘキストワックスS5重量
部の代わりにポリエチレンワックス;ハイワックス110P
(三井石油化学社製)(融点113℃ AV=0)5重量部
とする以外は同様に行ない芯粒子fを得た。
芯粒子f;η100:1.1×106、η110:4.3×105、η100
110:2.56。
芯粒子gの製造例 芯粒子aの製造例において、ヘキストワックスS5重量
部の代わりにビニルエーテルワックス;Vワックス(BASF
社製)(融点46℃ AV=0)5重量部とする以外は同様
に行ない芯粒子gを得た。
芯粒子g;η100:6.8×105、η110:8.2×104、η100
110:7.07。
トナーaの製造例 着色剤を含有し粉砕で得た芯粒子a100重量部と被覆層
形成用樹脂微粒子a10重量部をヘンシェルミキサーに入
れ1500rpmの回転数で2分間混合撹拌し芯粒子aの表面
に樹脂微粒子aを付着させた。次に奈良機械ハイブリダ
イゼーションシステムNHS−1型を用い7000rpmで3分間
の処理を行い、成膜化された樹脂被覆層を形成した。
さらにここで得られた樹脂被覆層を有する着色剤含有
芯粒子100重量部に対し、正の荷電制御剤ニグロシンベ
ースEX(オリエント化学社製)0.5重量部を上記と同様
の処理を行うことにより、ニグロシンベースEXをトナー
表面に固着させ、実施例1のトナーである平均粒子11.0
μmのトナーaを得た。
トナーbの製造例 トナーaの製造例において芯粒子aを芯粒子bに、被
覆層形成用樹脂微粒子aを被覆層形成用樹脂微粒子b
に、ニグロシンベースEXをボントロンP−51(オリエン
ト化学社製)とする以外は同様に行ない実施例2のトナ
ーであるトナーbを得た。
トナーcの製造例 芯粒子c100重量部とカーボンブラック(三菱化学工業
社製:MA♯8)8重量部を10ヘンシェルミキサーに入
れ1500rpmの回転数で2分間混合撹拌し芯材粒子cの表
面にカーボンブラックを付着させた。次に奈良機械ハイ
ブリダイゼーションシステムNHS−1型を用い7000rpmで
3分間の処理を行い、カーボンブラックを芯粒子c表面
に固定化した。
さらに上記カーボンブラックを処理した芯粒子c100重
量部と被覆層形成用樹脂微粒子c20重量部を上記と同様
の処理にかけ、成膜化された樹脂被覆層を設けた。さら
にここで得られた粒子100重量部に対し、負の荷電制御
剤クロム錯体塩型染料スピロンブラックTRH(保土谷化
学工業社製)0.3重量部を上記と同様の処理を行うこと
により、スピロンブラックTRHをトナー表面に固着さ
せ、実施例3のトナーであるトナーcを得た。
トナーdの製造例 トナーaの製造例において芯粒子aを芯粒子dに、す
る以外は同様に行ない実施例4のトナーであるトナーd
を得た。
トナーe、f、gの製造例 トナーaの製造例において芯粒子aを芯粒子eにする
以外は同様に行ない、比較例1のトナーであるトナーe
を得た。
また、上記と同じく芯粒子aを芯粒子fにした比較例
2のトナーであるトナーfを得た。
また、上記と同じく芯粒子aを芯粒子gにした比較例
3のトナーであるトナーgを得た。
トナーhの製造例 着色剤を含有し粉砕で得た芯粒子a100重量部と正の荷
電制御剤ニグロシンベースEX0.5重量部をヘンシェルミ
キサーに入れ1500rpmの回転数で2分間混合撹拌し芯粒
子aの表面にニグロシンベースを付着させた。次に奈良
機械ハイブリダイゼーションシステムNHS−1型を用い7
000rpmで3分間の処理を行い、ニグロシンベースをトナ
ー表面に固着させ、比較例4のトナーであるトナーhを
得た。
なお、このようにして得られた各トナーの構成を表1
に、使用したワックスの物性について表2にまとめた。
キャリアの製造成 分 重量部 ポリエステル樹脂 100 (軟化点123℃、ガラス転移点65℃、AV23、OHV40) Fe−Zn系フェライト微粒子 500 MFP−2(TDK社製) カーボンブラック (三菱化成工業社製、AM♯8) 2 上記材料をヘンシェルミキサーにより十分混合、粉砕
し、次いでシリンダ部180℃、シリンダヘッド部170℃に
設定した押し出し混練機を用いて、溶融、混練した。混
練物を放置冷却後、フェザーミルを用いて粗粉砕し、さ
らにジェットミルで微粉砕した後、分級機を用いて分級
し、平均粒径60μmのキャリアを得た。
諸特性に対する評価の方法 このようにして得られた実施例1〜4および比較例1
〜4のトナーa〜hに対して以下に述べるように諸特性
の評価を行なった。なお、トナーa〜hそれぞれ100重
量部に対してコロイダルシリカR−972(日本アエロジ
ル社製):0.1重量部で後処理を行い、諸特性に対する評
価に用いた。
1)定着性テスト 所定のトナー及びキャリアをトナー/キャリア=7/93
の割合で混合し、2成分系現像剤を調整した。この現像
剤を用い、実施例1〜2、4、比較例1〜4に対しては
ER−470Z(ミノルタカメラ社製)を、実施例3に対して
はEP−570Z(ミノルタカメラ社製)を用いて未定着の初
期の画出しサンプルを得、次にテフロン系の樹脂をコー
トした60φの定着ローラーとその下に圧力100kgをかけ
て圧接したLTVゴムローラーからなる定着器を使用し、4
5cm/secの速度で未定着画像を定着した。その時の高温
オフセット、低温オフセットの発生温度および160℃で
定着したときのID1.2の定着強度を求めた。なお実施例
3については実施例1におけるトナーaのID1.2に相当
するトナー付着量におけるID1.1にて行なった。
高温オフセットとは、熱ロールに接したトナーが溶融
し軟化してローラーに付着したトナーが2回転目にコピ
ー紙に転写する現象で、一方、低温オフセットとは熱ロ
ールによりトナーが十分溶融せず表面のみ溶けたので、
紙への定着がほとんどなく熱ロールに付着したトナーが
2回転目に、コピー紙に転写する現象である。
IDとは、画像濃度をサクラ反射濃度計での値である。
ID1.2で80%以上、強度が必要である。また非オフセ
ット幅は100℃以上が必要である。
定着強度はコピーした画像を砂ケシゴムの上に1kgの
荷重をのせた特性の装置でこすってトナー画像を消す。
このとき砂ケシゴムでこする前後の反射濃度の比を100
分率で表した。
2)耐熱テスト 各トナーを50ccポリビンに5g入れ、50℃の環境下に24
時間保管した後の凝集性で判断しランク付けを行った。
△以上で実用上可能であるが、○以上が好ましい範囲で
ある。
それぞれの結果を表3にまとめた。
表3より実施例1〜4において非オフセット幅が100
℃以上存在し、且つ定着強度も80%以上確保されてお
り、また耐熱性も満足なものであるのに対し、比較例1
〜3においては非オフセット幅が100℃未満で、定着強
度が80%以下である。比較例4において定着性は実用上
問題ないが耐熱性が悪いことより使用不可能であること
がわかる。
また第1図に実施例1と比較例1を載げて定着温度を
変化させたときの定着強度の関係を示した。比較例1は
実施例1とくらべて低温で定着を行なうほど定着強度は
悪くなった。
次に第2図に樹脂(I)、(II)、(III)及び実施
例1、4、比較例1〜3のトナーの温度と溶融粘度との
関係を示した。
各実施例のトナーの溶融粘度は、芯粒子の樹脂
(I)、(II)、(III)のそれよりも1ケタ程度低く
なっており、しかも温度に対する溶融粘度の直線の傾き
が、芯粒子樹脂の傾きとほぼ同じであることがわかる。
比較例のトナーの溶融粘度は、高く維持されたまま
(比較例1)であり、しかも、温度に対する溶融粘度の
直線の傾きが芯粒子樹脂の傾きよりかなり、大きくなっ
ていることがわかる(比較例2、比較例3)。
以上の事実からも、本発明の熱ロール定着用トナー
は、広い非オフセット幅が維持されており、かつより低
温での定着が可能であることが理解される。
発明の効果 本発明に従い、ポリエステル樹脂を熱ロール定着用ト
ナーに適用するに際して、酸価および/または水酸価を
呈する極性基を有するワックスを添加することにより非
オフセット温度幅が広く、定着強度に優れたトナーを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、トナー定着強度の比較を示す図である。 第2図は、温度と粘度の関係を示す図である。 第3図は、粘度の測定方法を示す図である。 1……シリンダー、2……加熱体 3……試料、4……ノズル 5……温度検出器、6……ピストン
フロントページの続き (72)発明者 中村 光俊 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (72)発明者 町田 純二 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (72)発明者 太田 和夫 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (56)参考文献 特開 昭58−205161(JP,A) 特開 昭63−128358(JP,A) 特開 昭63−128359(JP,A) 特開 昭63−128362(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも定着用ポリエステル樹脂および
    極性基を有するワックスからなる芯粒子および該芯粒子
    を被覆する樹脂被覆層からなる熱ロール定着用トナーで
    あって、極性ワックスが酸価又は水酸価を呈する極性基
    を有し、かつ軟化点がポリエステル樹脂>極性ワックス
    でトナーのフローテスターによる溶融粘度がη(100):
    1.5×106〜5×104(ポイズ)、η(110):6×105〜2
    ×104(ポイズ)およびη(100)/η(110)=2〜4
    であることを特徴とする熱ロール定着用トナー。
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