JP3963065B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した機器、特にカラー複写機に使用される電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある)に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスとしては、特公昭42−23910号公報等に記載された方法をはじめ従来から多数知られている。電子写真プロセスにおいては、光導電性物質を利用した感光体上に種々の手段により電気的に潜像を形成し、この潜像をトナーを用いて現像し、感光体上のトナー潜像を中間転写体を介して又は介さずに、紙等の被転写体にトナー画像を転写した後、この転写画像を加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を経て、定着画像が形成される。感光体上に残ったトナーは必要により種々の方法でクリーニングされ、前記複数の工程が繰り返される。現在はこの電子写真プロセスを用いた白黒複写機、白黒プリンターが広く普及し、加えて、カラー複写機、カラープリンター(以下、複写機、及び、プリンターを、「複写機」と総称することがある)の使用が増えている。
【0003】
近年、高度情報化社会が広まりパソコンやそのネットワークの普及、進化により個人レベルでも白黒とカラーが混在した文書、アート、イメージ等のデジタル情報を極日常的に扱うようになり、プリンターで打ち出す、あるいは複写する際の原稿も白黒とカラーとが混在したものになってきている。これにより、カラー専用機として使われていたカラー複写機が、白黒複写機と兼用の使われ方をするようになってきている。また、このようなオフィス環境の変化によって、複写機には白黒とカラーが兼用に高画質にプリントできることはもとより、カラー機といえども従来の白黒機と同等の、高信頼性、高速性が要求されている。また、従来はカラー専用紙で高画質なカラー画像を得ていたものが、普通紙でも高画質を得ることができる必要性が生じている。さらに、オフィスでは、高度情報化社会を支えるネットワークサーバー、メモリー、スキャナー、等の様々な機器が付加されるとともに、それに伴う消費電力も増加してきており、より省エネルギーであることも必要となっている。
【0004】
このような要求を可能にするためには、特に、トナー小粒径化、トナー保存性、現像性、長寿命化、高転写性、オイルレス定着適性、低温定着性、といった現像剤及びトナー特性を高度にバランスする必要がある。従来の白黒複写機用トナーでは、これらの特性を高次元でバランスしている。しかし、この設計思想の一部については、そのままカラートナーにも適用できるが、多くの部分ではカラー特有の技術が要求される。例えば、現像性や寿命に関しては、白黒トナーの場合、劣化などにより現像量が増減しても、出力される画質上では、わずかに色が濃くなったり、薄くなったりする程度で実使用上問題にならない場合が多いが、複数色を重ねるカラー画像の場合に現像量が増減すると、色自体が変化するという問題となってしまう。転写性に関しては、カラー複写機では一般に複数色のトナーを重ねて転写するため、白黒の場合に比べて転写されるトナー層が厚いことから、転写効率が低下したり、転写時にトナーの飛び散りが発生するなどの問題を生じてしまう。オイルレス定着に関しては、従来白黒複写機ではオイルレス定着が実現されているが、これは、トナーの結着樹脂に高分子量成分を含有させることで達成されていることから、この設計思想をオイルレスカラートナーに適用すると、定着温度の上昇や、発色性の低下を招いてしまう。特に、耐熱性を要求されるトナー保存性と低温定着性は、相反する特性であり、両立の難しい技術部分である。このように、カラートナーに対する要求レベルは、白黒トナーに対するそれに比べて非常に高いものがある。
【0005】
これに加えて、近年、カラー画像が増加しその使用方法も多様化してきたことに伴い、画像保存性も重要視されるようになってきた。一般的に、白黒画像は文字主体であるのに対して、カラー画像は絵の部分が多いことから、カラー画像は用紙をトナーが被覆する面積が大きくなる。このため、プリント物を重ねて保存しておいたときに、画像が他の用紙に裏移りしたり、画像同士が融着したりする現象(以下、「画像オフセット」と総称することがある)が起こりやすくなっている。例えば、プリント画像を自動車車内に重ねて放置するなど、トナー保存性よりも過酷な条件が想定されることから、画像保存性は、トナー保存性と比べてより耐熱性が要求される。
【0006】
このような観点から、特開昭61−148455号公報に、エポキシ当量が500〜5000のビスフェノール型エポキシ樹脂中に、表面に水酸基を有するシリカを含有したトナーを用いることにより、トナー保存性や定着性を向上させる方法が開示されている。同様にトナー粒子中に微粒子を含有させる方法として、特開昭49−042354号公報に、シリコンオイルを吸着させた二酸化珪素粒子を含有させたトナーを用いることで耐オフセット性を向上させる方法が開示されている。特開昭51−081623号公報に、10重量%以上のシリカをトナー中に含有させたトナーを用いることにより、負帯電性を制御する方法が、特開昭52−030437号公報に、疎水性シリカをトナー中に含有することで負帯電性を制御する方法が開示されている。特開平05−216267号公報、特開平07−104505号公報、特開平08−220800号公報、特開平11−072950号公報などに同様の方法が開示されている。また、外添剤との組み合わせとして、特開昭56−001946号公報に、シリカ粒子を5〜40重量%含有するトナー粒子と、トナー粒子に含まれるシリカ粒子に対して重量比で0.0025〜0.2となるようにシリカ粒子を混合した現像剤組成物を用いることでトナーの再利用性を向上させる方法が開示されている。特開平02−089064号公報に、体積平均粒径0.3〜1μmの硬質粉末を内添し、体積平均粒径0.3μm以下の疎水性硬質粉末を外添したトナーを用いることで、粉体流動性、帯電環境安定性、耐フィルミング性、耐オフセット性などを向上させる方法が開示されている。特開平10−268569号公報に、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、結着樹脂と着色剤からなるトナー粒子に、粒径が0.03〜3μmの無機粒子Aが内添され、0.005〜0.2μmの無機粒子Bが外添されているトナーを用いることにより、粉体流動性、帯電性、耐フィルミング性、耐オフセット性などを向上させる方法が開示されている。
【0007】
しかし、上記いずれの方法も、目的の効果をある程度は得られるものではあるが、トナー中に内添された微粒子が脱離し現像剤寿命を低下させたり、外添剤がトナーへ埋め込まれるなどの問題は解消されておらず、現像剤寿命、普通紙転写性や画像保存性などの観点ではより高い性能を必要とされているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、従来のカラートナーの緒特性を悪化させることなく、長寿命であり、普通紙を含む紙表面粗さの大きい被転写体でも良好な転写性を示し、より高い温度で画像を保存することができ、より低温で定着することができ、かつ、オイル塗布機構を有さないオイルレス定着装置でもオフセットなどを発生させることなく定着を行うことができる良好な剥離性を有したトナーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、トナーの溶融粘弾性に始まり、添加される微粒子の表面性と樹脂との相互作用力や、添加される微粒子と帯電付与部材との帯電能力などを多方面から検討した結果、トナー内部と外部にそれぞれ微粒子を添加し、かつ、内部添加される微粒子と外部添加される微粒子とが特定の関係にあるとき、上記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び淡色または無色の内添微粒子を含むトナー粒子と、外添微粒子とを含有する電子写真用トナーであって、
淡色または無色の内添微粒子が、結着樹脂との接触角が90度より小さいシリカ微粒子である微粒子(A)を含み、
微粒子(A)のトナー粒子における含有量が、15重量%以上44重量%未満であり、
外添微粒子が、一次粒径0.005〜0.2μmで、且つ結着樹脂との接触角が90度より大きい無機微粒子(B)を含み、
微粒子(A)の一次粒径(Ra)と、無機微粒子(B)の一次粒径(Rb)とが、(Ra)<(Rb)の関係を満たし、
結着樹脂の損失弾性率G''(測定周波数1rad/s、歪み量20%以下)が10000Paとなる温度が、80〜150℃の範囲にあることを特徴とする電子写真用トナーである。
【0011】
【発明の実施の形態】
(電子写真用トナー)
本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び淡色または無色の内添微粒子を含むトナー粒子と、外添微粒子とを含有する。
【0012】
本発明の電子写真用トナーにおいて、内添微粒子は、結着樹脂との接触角が90度より小さいシリカ微粒子である微粒子(A)を含み、外添微粒子は、一次粒径0.005〜0.2μmで、且つ結着樹脂との接触角が90度より大きい無機微粒子(B)を含み、さらに微粒子(A)の一次粒径(Ra)と、無機微粒子(B)の一次粒子径(Rb)とが、(Ra)<(Rb)の関係を満たす。
【0013】
本発明の電子写真用トナーにおいては、微粒子(A)と結着樹脂との接触角が90度より小さく、且つ無機微粒子(B)と結着樹脂との接触角が90度より大きいことが必要である。微粒子(A)の接触角が90度以上であると、現像剤寿命の低下や、ホットオフセット性が低下するとった問題を生ずる。一方、無機微粒子(B)の接触角が90度以下であると、現像剤寿命の低下や、転写性の悪化といった問題を生ずる。微粒子(A)及び無機微粒子(B)の接触角が、上記範囲を満たしていると、特に画像保存性を向上させる効果がある。このような効果が現れる理由は定かでないが、以下のように考えられる。
【0014】
接触角が小さいということは、それだけ結着樹脂と微粒子のと接着力が強いということになる。従って内添微粒子の接着力が強ければ、トナーから脱落する内添微粒子の量も少なくなり、結果として現像剤の寿命が伸びるのではないかと考えられる。一方、外添微粒子の場合には、結着樹脂への接着力が強すぎると、トナー表面で外添微粒子が動くことができなくなり、結果として転写性が低下していると考えられる。また、トナー保存時や画像保存時では、内添微粒子と結着樹脂との接着力が強いことで、ガラス転移温度(以下「Tg」と称することがある)付近では動かない微粒子が、周囲の樹脂が動き出すのを妨げる効果を生じ、結果として保存性が向上する。外添微粒子と結着樹脂との接着力が弱いと、Tg付近で結着樹脂が溶け始めたときにも、外添微粒子が樹脂をはじくことで、弱い力で離れさせることができると考えられる。逆に外添微粒子と結着樹脂との接着力が強いと、外添微粒子が結着樹脂同士を架橋する形になり、結果として保存性が向上しないと考えられる。ここでの接触角とは、後述する測定方法のプロセスから前進接触角と判断できる。そのため、前進接触角が90度より小さいということは、濡れやすいことを意味し、90度より大きいことは、はじきやすいことを意味すると考えられる。
【0015】
本発明の電子写真用トナーにおいて、微粒子と結着樹脂との接触角とは、成型して得られた微粒子の成型体と、損失弾性率G"(測定周波数1rad/s、歪み量20%以下)が10000Paとなる温度Tmにおいて溶融させた該結着樹脂溶融体と、が形成する接触角を示す。この接触角は、微粒子を円盤状に成型して、その上で結着樹脂を溶融させるという方法にて求めることができる。実際の手順は以下の通りである。
【0016】
最初に微粒子を成型するための型を用意する。型には、大きさや形などに特に限定はなく、丈夫なものであればよい。ここでは、例として、直径20mm、長さ100mmの円形穴の開いた本体と、その穴に嵌合可能な太さの2本の円柱軸Aと軸B、とからなる成型用型を用いる。最初に、2本の軸の、微粒子と接触する面に、ちょうど同じ大きさで厚さ50μmのPFAフィルム(デュポン社製)を付着防止のために、摩擦帯電を利用して貼り付けておく。次に、円柱軸AのPFAフィルムを添付した面を、本体の穴に10mmほど挿入しておく。そして、本体の穴に、微粒子約0.2g(比重1.0の時)を入れ、その上から円柱軸Bを、振幅約1mmの上下動を与えながら、5秒間に約1mmの速度でゆっくりと挿入する。微粒子は投入した直後は多量の空気を抱えているため、この振動はその空気を抜くためのものである。振動を与えないで成型すると、微粒子を型から抜いたときに破裂する危険性がある。振動の大きさや挿入速度は特に重要ではなく、空気を抜くことができれば、例えば減圧するなどどのような方法でもよい。円柱軸Bの挿入速度が維持できなくなったら(空気が抜け、微粒子が圧縮され始めた状態)振動を加えるのを止め、「MINI TEST PRESS−10」(東洋精機社製)を用いて約2MPaの圧力で、約60分間プレスした後、円柱軸A側から微粒子を取りだすと、1mmほどの厚さに成型された微粒子成型体が得られる。また、微粒子の表面処理剤の種類によっては、うまく成型できない場合があるが、この場合にはプレスの圧力を0.1〜10MPa程度に変化させることで、成型体にすることができる。
【0017】
次に接触角を測定するための結着樹脂を準備する。スライドガラス上に、長さ30mm、幅10mmの大きさの前述したPFAフィルムをのせ、結着樹脂の損失弾性率が10000Paとなる温度に設定されたホットプレート上で加熱する。PFAフィルムに皺や傷が入らないように注意しながら、PFAフィルムを上からこすり付けてスライドガラスに貼り付ける。ここに0.5〜1.0mm角に粉砕した結着樹脂を立たせるようにのせて、約30分間溶融させた後放冷すると、PFAフィルム上で結着樹脂が円球状になる。この円球状の樹脂を先ほど成型した微粒子成型体の上に球面が成型体と接するようにのせ、結着樹脂の損失弾性率が10000Paとなる温度に設定されたオーブンに入れて約3時間加熱した後、オーブンの電源を切り、扉を開けずにそのまま約12時間放置する。放置後、オーブンから成型体を取りだし、接触角計CA−X型(協和界面科学社)で接触角を測定する。接触角の値は成型体の出来具合で変動することがあるので、同一微粒子について成型体を20個作製し、それぞれで結着樹脂との接触角を測定し、得られた20個の測定値のうち、大きいほうから3点と小さいほうから3点を削除し、残りの14点で平均値と標準偏差をもとめて、標準偏差の値が5度を超える場合は、再度成型からやり直すことで、正確な測定ができる。
【0018】
トナーに添加される微粒子は、内部添加、外部添加を問わずトナーと相互作用を生じる。トナーはその大部分が結着樹脂で構成されていることから、結着樹脂と微粒子が形成する相互作用力が、トナー特性に大きな影響を与えていると考えられる。このような相互作用の大きさを見積もる方法として接触角を測定する方法がある。すなわち、接触角が小さければ材料同士の接着力が大きいことを意味し、逆に接触角が大きければ接着力が小さいことを意味する。しかし、従来は微粒子が小さすぎることや、結着樹脂が常温で固体であることから接触角を測ることができず、SP値による方法や、メタノールを用いた疎水化度といった別の尺度を用いていた。SP値や疎水化度といった方法は、直接に材料同士の相互作用を見るのではなく、計算で求めたり、ある種の溶剤に対しての傾向を見たりする、といった方法であることから、必要な材料間の相互作用の傾向を見ることしかできない、という点に問題があった。例えば、粒子の表面処理剤が、直鎖アルキル基を含むような立体障害が大きなものである場合には、疎水過度としては高い値になるが、実際には立体障害のために、粒子表面には未処理部分が多く残り、樹脂との相互作用は強くなる傾向になると考えられる。このように、近年の技術的要求は、相互作用をより詳細に検討しなければ、達成できない程高いものとなっているのである。このため、上記接触角の測定方法は、この点に着目した、結着樹脂と微粒子との接触角を直接に測定することができる方法である。
【0019】
内添微粒子に含まれる微粒子(A)は、結着樹脂との接触角が90度より小さいことが必要であるが、好ましくは70度以下であり、さらに好ましくは50度以下である。全ての内添微粒子の接触角が90度より小さい必要はなく、内添微粒子は、結着樹脂との接触角が90度以上である微粒子を含んでいてもよい。内添微粒子が、結着樹脂との接触角が90度以上である微粒子を含むことで、最低定着温度が下がることがある。しかし、結着樹脂との接触角が90度以上である微粒子の含有量が多くなると、本発明の効果が得られ難くなることから、この微粒子の含有量は、内添微粒子の総体積に対して0.1〜50体積%であることが好ましく、0.1〜30体積%であることがより好ましく、0.5〜20体積%であることがさらに好ましい。
【0020】
内添微粒子(微粒子(A)以外のものも含めて)としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属酸化物やセラミック粒子などが挙げられる。これらの中でも、結着樹脂との屈折率差が小さい、シリカ微粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウムを主体としたものであることが好ましく、シリカ系微粒子であることが特に好ましい。これらを単独、または2種以上併用することも可能であるが、その場合に、結着樹脂との屈折率差が大きい微粒子を大量に用いると画像の発色性が損なわれることがあることから、シリカ微粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウムの合計が、内添微粒子の総量の70%以上であることが好ましい。
【0021】
内添微粒子としては、疎水化処理を施したものも用いることもできる。疎水化処理に用いる疎水化処理剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリング剤、シリコーンオイル、ポリマーコーティング処理剤などが挙げられる。これらの疎水化処理剤は、単独又は組み合わせて用いることができる。これらの中でも、シラン系カップリング剤、シリコーンオイルが好適である。シラン系カップリング剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤等いずれのタイプも使用することができ、その具体例としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、トリメチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、βー(3.4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γークロロプロピルトリメトキシシラン等や、それらの一部の水素原子をフッ素原子に変えた、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリエトキシシランなどのフッ素系シラン化合物、水素原子の一部をアミノ基で置換したアミノ系シラン化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。なお、これら具体例に限定されるものではない。
【0022】
内添微粒子として、疎水化処理を施されたものを用いることで、高湿度下での帯電量を向上させることができ、結果として帯電の環境安定性を向上させることができ、さらにはかぶり等が発生し難くなる。しかし、一般的には、疎水化処理を行うと結着樹脂との接触角が大きくなる傾向にあるため、疎水化処理剤としては、n−オクチルトリメトキシシランやn−デシルトリメトキシシランなどの長鎖のアルキル基を有する処理剤、フェニルトリエトキシシランなどの極性基を有する処理剤を用いることが好ましい。これらの疎水化処理剤は粒子表面に処理するときに、置換基の持つ立体障害によって、粒子表面での処理量を小さくすることができる。すなわち、従来からの指標である疎水化度は高い値を示しても、実際に粒子表面が処理された量は少ないため、結果として接触角は小さな値を示すことになり、本発明の効果が減少することを最小限に食い止めることができる点で有利である。また、その他のトリメチルメトキシシランなど疎水化効果の高いものを用いる場合にも、処理量を少なくする事で接触角の上昇を抑えながら疎水化処理することができる。
【0023】
内添微粒子への疎水化処理剤の付着量は、微粒子に対して0.01〜50重量%であることが好ましく、0.1〜25重量%がより好ましい。この付着量は、処理の段階で疎水化処理剤の混合量を増やしたり、処理後の洗浄工程数を変える等の方法によって処理量を変えることができる。また、疎水化処理剤の付着量は、XPSや元素分析により定量することができる。この疎水化処理剤の付着量が、少ないと高湿度下で帯電性が低下する場合があり、一方、多すぎると低湿度下で帯電が過剰になりすぎたり、遊離した処理剤が現像剤の粉体流動性を悪化させる場合がある。
【0024】
内添微粒子の疎水化処理法としては、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン等の溶媒で混合希釈した疎水化処理剤を、ブレンダー等で強制的に攪拌させた微粒子に滴下したり、スプレーしたりして充分に混合し、必要に応じて洗浄、濾過を行った後、加熱乾燥させ、乾燥後凝集物をブレンダーや乳鉢等で解砕して処理する方法や、微粒子を疎水化処理剤の溶媒溶液に浸析した後、乾燥させる、或いは、微粒子を水中に分散してスラリー状にした上で処理剤溶液を滴下し、その後微粒子を沈降させて加熱乾燥して解砕する方法、微粒子へ直接疎水化処理剤を噴霧する方法等、従来公知の方法を用いることができる。
【0025】
内添微粒子は、その一次粒径が0.005〜0.2μmであることが好ましく、0.005〜0.1μmであることがより好ましく、0.005〜0.07μmであることがさらに好ましい。但し、内添微粒子に含まれる微粒子(A)は、後述する外添微粒子に含まれる無機微粒子(B)との粒径の関係を満たす必要がある。この一次粒径が、小さすぎるとトナー製造性が特に悪化することがあり、一方、大きすぎると保存性向上の効果が小さくなることがある。
【0026】
内添微粒子の添加量は、一次粒径により、有効な体積分率Φ%が異なるが、0.015Dα<Φ<0.5(Dは微粒子の一次粒子径、αは0.4)で表される式を満たしていることが好ましく、0.02Dα<Φ<0.4で表される式を満たすことがより好ましく、0.022Dα<Φ<0.3で表される式を満たすことがさらに好ましい。この添加量が、少なすぎると保存性向上の効果が小さくなることがあり、一方、多すぎると寿命が低下することがある。
【0027】
外添微粒子は、結着樹脂との接触角が90度より大きい無機微粒子(B)を含むが、無機微粒子(B)の接触角は、前述の理由から高いほどよく、好ましくは110度以上である。また、外添微粒子すべてが、結着樹脂との接触角が90度より大きい無機微粒子(B)であると、外添微粒子がトナーから脱離しやすく、現像剤の寿命が低下する場合があり、少なすぎると本発明の効果が得られない場合があることから、この無機微粒子(B)の含有量は、外添微粒子の総量に対して5〜95重量%であることが好ましく、25〜85重量%であることがより好ましい。
【0028】
外添微粒子に含まれる無機微粒子(B)は、その一次粒径0.005〜0.2μmであることが必要である。この一次粒径が、小さすぎると本発明の効果が得られない場合があり、大きすぎると現像剤としての流動性が低下することがある。この観点から、この一次粒径は0.01〜0.15μmであることが好ましく、0.02〜0.1μmであることがより好ましい。但し、外添微粒子に含まれる無機微粒子(B)は、後述する内添微粒子に含まれる微粒子(A)との粒径の関係を満たす必要がある。
【0029】
外添微粒子に含まれる無機微粒子(B)としては、酸化チタン系微粒子、シリカ系微粒子、及び酸化アルミニウム系微粒子から選択されることが好ましい。また、これらの微粒子以外を用いてもよいが、転写性を向上させる効果が小さくなる場合がある。なお、酸化チタン系微粒子、シリカ系微粒子、及び酸化アルミニウム系微粒子を併用しても同様の効果が得られる。
【0030】
外添微粒子に含まれる無機微粒子(B)は、結着樹脂との接触角が90度より大きくするため、疎水化処理を施されることが好ましい。疎水化処理に用いられる疎水化処理剤としては、前述のものが挙げられ、中でもトリメチルメトキシシランなどの反応基を1つだけ有するものや、シリコーンオイルなどが好ましい。
【0031】
外添微粒子に含まれる無機微粒子(B)以外の微粒子としては、前述の内添微粒子と同様のものが挙げられ、中でもチタン系微粒子、酸化セリウム系微粒子を併用することが帯電性や粉体流動性の観点から好ましい。また、これらは前述の疎水化処理剤で疎水化処理されていることが好ましい。さらに、無機微粒子(B)以外の微粒子は、その一次粒径が0.003〜0.3μmであることが好ましく、添加量がトナー100部に対して0.01〜7重量部であることが好ましい。
【0032】
本発明の電子写真用トナーにおいては、内添微粒子に含まれる微粒子(A)の中心粒径(Ra)と、無機微粒子(B)の平均粒子径(Rb)とが、(Ra)<(Rb)の関係を満たすことが必要である。微粒子(A)の中心粒径(Ra)が、無機微粒子(B)の平均粒子径(Rb)よりも小さいと、より転写維持性向上の効果が高い。この理由は定かでないが、トナー中に外添剤よりも小さな微粒子が内添されていることにより、ストレスによる外添剤の埋め込まれが抑制されているのではないかと推察している。
【0033】
結着樹脂組成としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂、ポリスチレン、α−ポリメチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂が挙げられるが、トナーとして用いる際の帯電安定性や現像耐久性の観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂とスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂及びポリエステル樹脂が好ましい。また、本発明の効果を高める点では、ポリエステル樹脂がさらに好ましい。
【0034】
スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂及びこれらの共重合樹脂を構成するモノマーとしては、特に限定はなく、例えば、「高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されているような従来公知のモノマー成分を単独又は組み合せて用いることができる。具体的には、例えば、ビニル系単量体としては、エチレン、プロピレン等のオレフィン系化合物が挙げられる。スチレン系単量体としては、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクダデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。その他、架橋性を有するビニルモノマー成分としては、イソプレン、ブタジエン等のジエン系化合物、芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等)、アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの)、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えばポリオキシエチレン(2)−2,2,ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの)、多官能の架橋剤(ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールメタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチルロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの)、等が好適に挙げられる。カラートナーの場合、多量の架橋成分はトナーの発色性を損なう恐れがあるため、架橋成分はモル重量比で10モル%以下の使用にとどめることが好ましい。これらのモノマーを適宜組み合わせて常法により製造することができる。
【0035】
ポリエステル樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。前記非晶性ポリエステル樹脂の場合、結晶性ポリエステル樹脂のように、結晶による光散乱により樹脂自体が白濁してしまうことがない点で有利である。しかし、透過光が重要となるOHP等を用いない場合には問題とならない。非晶性ポリエステル樹脂とは、DSCチャートにおいて、Tgに対応した吸熱点の他に、結晶融点に対応した吸熱ピークを示さないポリエステル樹脂を意味する。
【0036】
ポリエステル樹脂に用いる他のモノマーとしては、特に限定は無く、例えば、高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されているようなモノマー成分である、従来公知の2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールがある。これらのモノマー成分の具体例として、2価のカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
2価のアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。フタル酸ジメチルエステル等の末端がアルキル置換された2価以上のモノマーも用いることができる。付加重合系単量体の場合と同様に、3価以上の架橋性単量体の使用量は、全単量体量の10モル%以下であることが好ましい。また、理由は不明だが、脂肪族、脂環族のモノマーの使用量が多いほど、最低定着温度が下がる傾向が見られることから、全モノマー成分のうち、20モル%以上が脂肪族、脂環族のモノマーであることが好ましく、特に50モル%以上が脂肪族、脂環族のモノマーであることが好ましい。
【0038】
ポリエステル樹脂は、前記のモノマー成分の中から任意の組合せで、例えば、重縮合(化学同人)、高分子実験学(重縮合と重付加:共立出版)やポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社編)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は組み合せて用いることができる。前記ポリエステルはそのアルコール成分が、前記モノマー成分の中の脂肪族、脂環族の単量体を主体として構成されたものであることが好ましい。脂肪族、脂環族の単量体の構成割合は、全アルコール成分中60モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましい。このような構成のポリエステルを結着樹脂として用いると、理由は定かでないが、画像保存性向上の効果が高くなる傾向にあるからである。前記ポリエステル樹脂はその酸価が5〜50KOHmg/g、水酸基価が5〜50KOHmg/gであることが好ましい。
【0039】
結着樹脂は、スチレン系、アクリル系、ポリエステル系問わず、実質的にテトラヒドロフラン(以下「THF」と称する)不溶分が、全結着樹脂成分中10重量%以下であることが好ましい。THF不溶分が多い場合には耐オフセット性は向上するが、画像の光沢性が損なわれると共に、OHP光透過性が損なわれるからである。THF不溶分は、樹脂をTHFに10重量%程度の濃度で溶解させ、メンブランフィルター等で濾過し、フィルター残留分を乾燥し重量を測定することで測定することができる。
【0040】
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40℃〜100℃の範囲にあることが好ましく、45℃〜85℃の範囲にあることがより好ましく、50℃〜75℃の範囲にあることがさらに好ましい。このTgが40℃より低いと、トナーが熱でブロッキングしやすく、一方、Tgが100℃より高いと定着温度が高くなりすぎてしまうことがある。Tgは、例えば、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)(以下「DSC」と略記する)を用いて、昇温速度5℃/分の条件で測定することができ、得られたチャートのTgに相当する吸熱点の低温側の肩の温度をTgとすることができる。
【0041】
結着樹脂は、その損失弾性率G''(測定周波数1rad/s、歪み量20%以下)が10000Paとなる温度をTmとした時に、Tmが80〜150℃の範囲にある。ここで結着樹脂の損失弾性率は以下のようにして測定される。測定装置は、レオメトリックス社製のレオメーター、商品名「RDAII」(RHIOSシステムver.4.3)を用い、測定用プレートは直径8mmのパラレルプレートを用い、ゼロ点調整温度90℃、プレート間ギャップ3.5mm、昇温速度毎分1℃、初期測定歪み0.01、測定開始温度30℃で、温度上昇と共に検出トルクが10gcm程度になるように歪みを適宜調節し、最大歪みを20%までとし、検出トルクが測定保証値の下限を下回った時点で測定終了とした。
【0042】
結着樹脂の分子量は、ポリエステル樹脂の場合、重量平均分子量(Mw)が5000〜30000、数平均分子量(Mn)が2000〜8000であることが好ましく、Mwが6000〜20000、Mnが2500〜6000であることがより好ましい。このMw及びMnが高すぎると発色性が悪くなってしまうことがあり、Mw及びMnが低すぎると定着後の画像強度が得られにくくなることがある。この分子量の範囲はカラートナーを作製する場合の好ましい範囲であるが、本発明の微粒子構成(内添微粒子及び外添微粒子)は、従来の白黒トナーの分子量範囲で用いても効果を得ることができる。前記分子量及び分子量分布は、それ自体公知の方法で測定することができるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下「GPC」と略記する)により測定するのが一般的である。GPC測定は、例えば、GPC装置としてTOYO SODA社製:HLC−802Aを用い、オーブン温度40℃、カラム流量毎分1ml、サンプル注入量0.1mlの条件で行うことができ、サンプルの濃度は0.5%で、和光純薬製:GPC用THFを用いて行うことができる。また、検量線の作成は、例えば、TOYOSODA社製:標準ポリスチレン試料を用いて行うことができる。本発明における前記分子量及び分子量分布は、以上のようにして測定したものである。
【0043】
着色剤としては、特に制限はなく、それ自体公知の着色剤を挙げることができ、目的に応じて適宜選択することができる。前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、デュポンオイルレッド、オリエントオイルレッド、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッドの「5、112、123、139、144、149、166、177、178、222、48:1、48:2、48:3、53:1、57:1、81:1」、C.I.ピグメントオレンジの「31、43」、キノリンイエロー、クロームイエロー、C.I.ピグメントイエローの「12、14、17、93、94、97、138、174、180、188」、ウルトラマリンブルー、アニリンブルー、カルコイルブルー、メチレンブルークロライド、銅フタロシアニン、C.I.ピグメントブルーの「15、60、15:1、15:2、15:3」、C.I.ピグメントグリーンの7、マラカイトグリーンオキサレート、ニグロシン染料などが挙げられる。これらはあらかじめフラッシング分散処理されたものであってもよい。
【0044】
着色剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましいが、定着後における画像表面の平滑性を損なわない範囲においてできるだけ多い方が好ましい。着色剤の含有量を多くすると、同じ濃度の画像を得る際、画像の厚みを薄くすることができ、オフセットの防止に有効な点で有利である。なお、前記着色剤の種類に応じて、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が得られる。
【0045】
離型剤は、耐オフセット性を向上させる目的で用いられるものであり、具体的には、例えば、低分子量ポリプロピレンや低分子量ポリエチレン等の炭化水素系ワックス、シリコーン樹脂、ロジン類、エステル系ワックス、ライスワックス、カルナバワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、キャンデリラワックスなどが挙げられる。これらの中でも融点が、40℃〜150℃のものが好ましく、より好ましくは70〜110℃のものが好ましい。
【0046】
離型剤の含有量は、3〜10重量%であることが好ましい。離型剤の含有量が多すぎると、カラー定着画像表面や内部の離型剤がOHPの投影性を悪化させることと、2成分現像剤として用いる時はトナーとキャリアの摺擦により離型剤がキャリアに移行して現像剤の帯電性能が経時的に変化すること、同様に、一成分現像剤として用いる時はトナーと帯電付与用のブレードの摺擦により離型剤がブレードに移行して現像剤の帯電性能が経時的に変化すること、トナーの流動性が悪化することなど、カラー画質および信頼性を悪化させることから、上記範囲とすることが好ましい。
【0047】
本発明の電子写真用トナーには、前述の各成分のほかに、その他の成分を添加してもよい。その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、有機微粒子、帯電制御剤などのそれ自体公知の各種添加剤が挙げられる。
【0048】
有機微粒子としては、例えば、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エチレン系重合体などのビニル系重合体や、エステル系、メラミン系、アミド系、アリルフタレート系などの各種重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系重合体、ユニリンなどの高級アルコールからなる微粒子などを挙げられる。この有機微粒子は、その一次粒径0.05〜7.0μmであることが好ましい。有機微粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で添加される。
【0049】
帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩などが挙げられる。前記帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的でトナー内部添加される。
【0050】
その他の成分として、上記有機微粒子、帯電制御剤の他に、例えば、特開平11−065161号公報に記載されているようなインデン系樹脂を添加することもできる。特にインデン系モノマーと芳香族環を有するビニル系モノマーとの共重合体を用いることが好ましい。これらは一般にトナー粉砕時の粉砕性を向上させる目的で添加される。また、特開平11−119462号公報に記載されているようなテルペン変性ノボラック系樹脂を添加することもできる。これらは、一般に画像保存性を向上させる目的で添加される。
【0051】
本発明の電子写真用トナーは、それ自体公知の製造方法に従って製造することができる。前記製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができる。例えば、混練粉砕法、混練冷凍粉砕法、液中乾燥法、懸濁重合法、溶融トナーを不溶解性液体中で剪断撹拌して微粒子化する方法、結着樹脂と着色剤を溶剤に分散させジェット噴霧により微粒子化する方法などが挙げられるが、中でも混練粉砕法が好ましい。混練粉砕法は、結着樹脂と着色剤及びその他の添加剤とを、バンバリー型混練機やエクストルーダーなどの二軸型混練機などを用いて溶融混練し、ハンマーミルやジェット式粉砕機などで粉砕を行い、慣性力分級機などで分級を行いトナーを得るものであり、材料効率がよく安価にトナーを製造できるとともに、添加剤を比較的分散性よく内添させることができる点で優れている。得られるトナーの平均粒径は3〜9μm程度であることが好ましい。
【0052】
本発明の電子写真用トナーにおいて、トナー内部に添加される内添微粒子は、トナー製造時に他の原材料と共に添加してもよいが、あらかじめ何らかの処理が行われていてもよい。例えば、水やメタノールなどの樹脂を溶解させない溶媒中に、攪拌や超音波などの分散手段により微粒子を分散させた後、ニーダー等の加熱混練可能な混練機中で80℃から180℃程度で加熱溶融された樹脂に、前記分散体を添加しながら混練し、微粒子を水相から油相(この場合は樹脂相)に転移させ、水分を除去乾燥していく方法(フラッシング法)によってあらかじめ樹脂への分散処理がなされたものであってもよい。また、THFやトルエンなどの樹脂を溶解させる溶媒中に樹脂を溶解させ、攪拌や超音波などの分散手段により微粒子を分散させた後、溶剤を乾燥除去していく方法などによって樹脂への分散処理がなされたものであってもよい。微粒子を分散させる際に、界面活性剤類や塩類などを添加してもよい。なお微粒子に限らず、添加される原料はあらかじめ同様の処理がなされたものであってもよい。
【0053】
本発明の電子写真用トナーにおいて、トナー外部に添加される外添微粒子は、トナー粒子と共にサンプルミルやヘンシェルミキサーなどで機械的衝撃力を加えられてトナー粒子表面に付着又は固着させられる。
【0054】
本発明の電子写真用トナーは、内添微粒子に含まれる微粒子(A)と、外添微粒子に含まれる無機微粒子(B)とが、特定の範囲の結着樹脂との接触角を有し、且つ一次粒径の関係を満たすことで、従来のカラートナーの緒特性を悪化させることなく、長寿命であり、普通紙を含む紙表面粗さの大きい被転写体でも良好な転写性を示し、より高い温度で画像を保存することができ、より低温で定着することができ、かつ、オイル塗布機構を有さないオイルレス定着装置でもオフセットなどを発生させることなく定着を行うことができる良好な剥離性を有するトナーとなる。
【0055】
(電子写真現像剤)
本発明の電子写真現像剤は、前記本発明の電子写真用トナーを含んでなるが、特にトナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であることが好ましい。キャリアとしては、キャリア芯材上に樹脂被覆層を有するものであることが好ましい。
【0056】
キャリアにおける樹脂被覆層を形成する樹脂材料としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの炭化水素系樹脂:ポリスチレン、ポリメチルスチレンなどのスチレン系樹脂:ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系樹脂:ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルやポリビニルケトンなどのビニル系樹脂:ビニリデン系樹脂:シロキサン結合からなるシリコン系樹脂やアミノシリコン、フェニルシリコンなどの変性シリコン系樹脂:ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッカビニリデン、ポリフッカビニルなどのフッ素系樹脂:ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネートなどの縮合系樹脂:フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素−ホルムアルデヒド系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂:などが挙げらる。これらは単独、もしくは2種以上併用したり、共重合体として用いることもできる。
【0057】
キャリアにおける樹脂被覆層の平均膜厚は、0.1〜10μm、特に0.2〜3μmの範囲とすることが好ましい。平均膜厚が、0.1μm未満となると、被覆層の摩耗により現像剤寿命の低下が生じる場合がある。また、10μmを越えると、キャリアの製造性が低下する場合がある。
【0058】
キャリアにおける樹脂被覆層中には、樹脂微粒子を含有してもよい。樹脂微粒子は、架橋樹脂微粒子であることが好ましく、サスペンジョン重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法により、モノマーもしくはオリゴマーを貧溶媒中に分散して、架橋反応を行いつつ表面張力により粒状化したり、低分子成分と架橋剤とを溶融混練等の手段を用いて混合反応させた後、風力、機械力により、所定の粒度に粉砕する方法等により製造することができる。樹脂微粒子としては、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子のいずれも用いることができるが、硬度を比較的上げやすい熱硬化性樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子の平均粒子径は、0.1〜2μm、特に0.2〜1μmであることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満となると、樹脂被覆層での分散性が非常に悪くなり、2μmより大きいと、樹脂被覆層からの脱落が生じやすく、現像剤寿命が低下する場合がある。樹脂粒子は、トナーに負帯電性を付与するために、その構成成分としてN原子を含むことが好ましく、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、イミド樹脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、アクリロニトリル樹脂等を用いることが好ましい。
【0059】
キャリアは、樹脂被覆層で被覆することによって絶縁化され、現像時に現像電極として働きにくくなり、特に黒ベタ部でエッジ効果が出る等、ソリッドの再現性に劣ったものとなる場合があるので、画像再現性改善のために樹脂被覆層中に導電性材料を分散させることが好ましい。導電性材料としては、金、銀、銅等の金属:カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物:酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆ったもの:等が挙げられる。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性の良さからカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類は特に制限されず、公知のものを用いることができるが、製造安定性のよいDBP吸油量が50〜250ml/100gの範囲のカーボンブラックが特に好ましい。
【0060】
キャリアにおけるキャリア芯材としては、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属:フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物:ガラスビーズ:等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点から、磁性金属、磁性酸化物が好ましい。このキャリア芯材の平均粒径は、10μm〜500μm、特に30μm〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0061】
キャリアにおいて、樹脂被覆層をキャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を樹脂被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、樹脂被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と樹脂被膜層形成用溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられるが、特にニーダーコーター法が好ましい。また、樹脂微粒子を含有した樹脂被覆層を形成するときには、樹脂微粒子が被覆層の厚み方向及びキャリア表面の接線方向に均一に分散するように、また、樹脂被覆層のマトリックス樹脂も同様に均一となるようにすることが好ましい。このようにすることにより、樹脂被覆層が長時間の使用により樹脂被膜層表面から磨耗しても、未使用時と同様な表面組成を保つことができ、トナーに対し良好な帯電付与能力を維持することができる。なお、樹脂被膜層形成用塗布液に使用する溶剤は、該マトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類を使用することができる。
【0062】
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、前記本発明の電子写真現像剤(前記本発明の電子写真用トナー)を用いる以外は、従来公知の手段を適宜選択して備える。
【0063】
本発明の画像形成装置においては、非接触型及び接触型熱定着装置が使用できるが、前記本発明の電子写真用トナーが、低温で定着することができ、かつ、オイル塗布機構を有さないオイルレス定着装置でもオフセットなどを発生させることなく定着を行うことができる良好な剥離性を有するトナーであることから、特に接触型熱定着装置において良好な性能を発揮する。
【0064】
接触型熱定着装置としては、例えば、芯金上にゴム弾性層を有し、必要に応じて定着部材表面層を具備した加熱ローラと、芯金上にゴム弾性層を有し、必要に応じて定着部材表面層を具備した加圧ローラとからなる熱ローラ定着装置や、そのローラとローラとの組み合わせを、ローラとベルトとの組み合わせ、ベルトとベルトとの組み合わせに代えた定着装置が使用できる。これらローラ、ベルトを称して、定着部材という。
【0065】
ゴム弾性層としては、シリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムが用いられ、その厚さは、0.1mmから3mmが好ましく、そのゴム硬度は、10〜80であることが好ましい。弾性層を設けることは、被転写体上のトナー画像の凹凸に追従して定着部材が変形し、定着後における画像表面の平滑性を向上させることができる点で有利である。弾性層の厚みが厚すぎると、定着部材の熱容量が大きくなり、定着部材を熱するのに長い時間を要する上、その消費エネルギーも増大してしまう点で好ましくない。また、弾性層の厚みが薄すぎると、定着部材の変形が普通紙などの用紙表面の凹凸に追従できなくなり溶融ムラが発生する場合が有り、弾性層を有しないと定着可能用紙範囲が表面コーティングされた平滑紙に限定されてしまうことがある。
【0066】
定着部材表面層としては、シリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素ラテックス、フッ素樹脂が用いられる。中でも、耐摩耗性の点でフッ素樹脂が優れている。フッ素樹脂としては、PFA(パーフロロアルコキシエチルエーテル共重合体)等のテフロン、フッ化ビニリデン等が含有された軟質フッ素樹脂を用いることができる。
【0067】
定着部材の基材(コア)には、耐熱性に優れ、変形に対する強度が強く、熱伝導性の良い材質が選択され、ロール型の定着装置の場合には、例えばアルミ、鉄、銅等の金芯が選択され、ベルト型の定着装置の場合には、例えばポリイミドフィルム、ステンレス製ベルト等が選択される。前記定着部材弾性層及び表面層は、目的に応じて各種の添加剤等を含有していてもよく、例えば、磨耗性向上、抵抗値制御等の目的でカーボンブラックや金属酸化物、SiCなどのセラミックス粒子等を含有してもよい。
【0068】
定着部材には、更なる離型性向上と耐摩耗性向上のためにシリコーンオイル等の離型剤を塗布することもできる。この離型剤としては、特に制限はないが耐熱性オイル、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フロロシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等の変性オイルなどの液体離型剤が挙げられる。離型剤の塗布方法としては、ウエブやローラによる接触型の供給方法やシャワー方式などの非接触供給方法があるる。この内、ウエブによって離型剤供給と定着器表面のクリーニングを同時に行う方式が好ましく用いられる。
【0069】
本発明において、画像形成を行う際に使用される被転写体(記録材)としては、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙及びOHPシートなどが挙げられる。前記本発明の電子写真用トナーを用いることで、特にリサイクル紙などの表面平滑度が悪い被転写体についても転写時に発生する転写ムラを低減できることにより、良好に画像形成を行うことができる。
【0070】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中の「部」とは「重量部」を示す。
【0071】
(ポリエステル樹脂の合成例A)
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物を1.1モルと、ビスフェノールAトリメチレンオキサイド2モル付加物を1.8モルと、シクロヘキサンジメタノールを1.6モルと、エチレングリコールを0.70モルと、テレフタル酸を5.0モルとを投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジブチルスズオキサイドを0.035モル投入して、窒素ガス気流下約195℃で約6時間撹拌反応させ、さらに温度を約240℃に上げて約5.5時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約0.2時間攪拌反応させて、淡黄色透明な非晶性線状ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂Aは、DSC法によるTgが55℃、スチレン換算GPC法による、Mwが11800、Mnが4500、Mw/Mnが2.6、JIS−K0070に従ってアセトン−トルエン混合溶液を用いて測定した酸価が16KOHmg/g、水酸基価が25KOHmg/g、粘弾性測定によるG’’が10000Paになる温度が約99℃であった。
【0072】
(ポリエステル樹脂の合成例B)
モノマーとして、エチレングリコールを2.40モルと、シクロヘキサンジメタノールを2.5モルと、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールを0.25モルと、テレフタル酸を2.25モルと、イソフタル酸を2.75モルとを用いた以外は、ポリエステル樹脂の合成例Aと同様にして、淡黄色透明な非晶性線状ポリエステル樹脂Bを得た。ポリエステル樹脂Bは、Tgが56℃、Mwが13200、Mnが5300、Mw/Mnが2.5、酸価が12KOHmg/g、水酸基価が19KOHmg/g、G’’が10000Paになる温度が約103℃であった。
【0073】
(内添微粒子の処理方法1)
ニーダー中でポリエステル樹脂A70部を95℃で溶融させた後、あらかじめ蒸留水350部に「A200」(一次粒径0.012μm、日本アエロジル社)30部を分散処理した水分散体を徐々に加えながら、105℃で減圧しながら混練して水分を除去し、「A200」分散樹脂Aを得た。内添微粒子分散樹脂Aは、ポリエステル樹脂Aが70重量%、「A200」が30重量%からなる。
【0074】
(内添微粒子の処理方法2)
ニーダー中で、THF1000部に、ポリエステル樹脂A100部を、35℃で十分に溶解させた後、「R805」(一次粒径0.012μm、日本アエロジル社)を100部投入し、約60分間混練分散後、減圧してTHFを除去し、ニーダーから取り出してから、オーブン中で45℃、8時間乾燥して「R805」分散樹脂Bを得た。内添微粒子分散樹脂Bは、ポリエステル樹脂Aが50.0重量%、「R805」が50.0重量%からなる。
【0075】
(内添微粒子の処理方法3〜6)
内添微粒子の処理方法2において用いた「R805」を、以下の微粒子に変更した以外は同様にして、「R816」(一次粒径0.012μm、日本アエロジル社)分散樹脂C、「R972」(一次粒径0.016μm、日本アエロジル社)分散樹脂D、「RX300」(一次粒径0.007μm、日本アエロジル社)分散樹脂E、「OX50」(一次粒径0.040μm、日本アエロジル社)分散樹脂Fをそれぞれ得た。内添微粒子分散樹脂C、D、E、Fは、それぞれポリエステル樹脂Aが50.0重量%、微粒子が50.0重量%からなる。
【0076】
(内添微粒子の処理方法7)
ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Bに変えた以外は、内添微粒子の処理方法1と同様にして「A200」分散樹脂Gを得た。内添微粒子分散樹脂Gは、ポリエステル樹脂Bが70重量%、「A200」が30重量%からなる。
【0077】
(内添微粒子の処理方法8)
ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Bに変更した以外は、内添微粒子の処理方法2と同様にして「R805」分散樹脂Hを得た。内添微粒子分散樹脂Hは、ポリエステル樹脂Bが50.0重量%、「R805」が50.0重量%からなる。
【0078】
(内添微粒子の処理方法9〜11)
内添微粒子の処理方法7において用いた「R805」を、以下の微粒子に変更した以外は同様にして、「RX200」(一次粒径0012μm、日本アエロジル社)分散樹脂K、「R972」分散樹脂L、「AL203C」(アルミナ、一次粒径0.013μm、日本アエロジル社)分散樹脂Mをそれぞれ得た。内添微粒子分散樹脂K、L、Mは、それぞれポリエステル樹脂Bが70重量%、微粒子が30重量%からなる。
【0079】
(キャリアの製造例1)
トルエン15部、パーフルオロオクチルエチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(共重合比40:60、Mw:50000、三洋化成工業社)を1.5部、カーボンブラック(VXC−72、キャボット社)を0.1部、架橋メラミン樹脂粒子(粒径0.3μm、日本触媒社)を0.35部とを、約10分間攪拌分散し被覆液を調製した。この被覆液と粒径50μmのフェライト粒子(パウダーテック社)を100部とを、真空脱気が可能なニーダーに投入し、60℃で30分間攪拌分散した後、減圧してトルエンを除去し、ニーダーから取り出してから、オーブン中で45℃、6時間真空乾燥して、凝集物を篩により取り除いてキャリアAを得た。
【0080】
(実施例1)
ポリエステル樹脂Aを405部と、あらかじめポリエステル樹脂Aでフラッシング処理された顔料濃度30重量%のシアン顔料(「シアニンブルー4933M」大日精化工業(株)社)樹脂分散体225部と、内添微粒子分散樹脂Aを750部とを、BR型バンバリー型混練機(神戸製鋼社製)で、回転数120rpmで約8分間溶融混練した後、精製カルナバワックス(日星産業社)120部を加え、さらに約7分間溶融混練した。混練物を圧延ロールで厚さ1cm程度の板状に成形し、フィッツミル型粉砕機で数ミリ程度まで粗粉砕し、IDS型粉砕機で微粉砕を、エルボー型分級機で分級を順次行い、シリカ粒子「A200」含有量15重量%、顔料含有量4.5%、体積平均粒径d(50)=6.6μmのシアン着色粒子を得た。粒度分布はコールターカウンターTA−II型(コールター社)で測定した。得られた着色粒子100部に対し、外添微粒子としてトリメチルメトキシシラン処理シリカ「RX50」(一次粒径0.040μm、日本アエロジル社製)1.2部と、特開平11−223961号公報における実施例の疎水性チタン化合物Aの製造に記載されている酸化チタン1.4部と、をヘンシェルミキサーで外添混合してトナーを調製した。また同様にして顔料を、マゼンタ顔料(「セイカファーストカーミン1476T−7」大日精化工業(株)社製)濃度6重量%、イエロー顔料(「セイカファーストイエロー2400」大日精化工業(株)社製)10重量%、カーボンブラック(「カーボンブラック#25」三菱化成(株)社製)4重量%とに変えた、マゼンタトナー、イエロートナー、ブラックトナーを同様の方法でそれぞれ作製し、4色のトナーAを得た。なお、内添微粒子及び外添微粒子に用いる微粒子の種類、一次粒径、主たる疎水化処理剤、結着樹脂との接触角を、表2に示す。
【0081】
(実施例1〜8及び比較例1〜9
表1に示した組成となるように、結着樹脂、内添微粒子分散樹脂(表1中には、内添微粒子の種類及び量を示す)、フラッシング顔料、ワックス(離型剤)、外添微粒子の種類、量を適宜変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを作製した。なお、内添微粒子及び外添微粒子に用いる微粒子の種類、一次粒径、主たる疎水化処理剤、結着樹脂との接触角を、表2に示す。
【0082】
【表1】
Figure 0003963065
【0083】
【表2】
Figure 0003963065
【0084】
(評価)
−画像出力−
実施例、比較例で得られたトナー各6重量部とキャリアA100部とを混合して現像剤を調製した。調製された現像剤を、定着器を取り外した富士ゼロックス社製カラー複写機「A−color935」の現像器にセットし未定着画像を出力した。現像トナー量は1平方cm当たり0.45mgなるように、適宜トナーを調製した。出力画像は50mm×50mmの大きさのベタ画像とした。用紙は、富士ゼロックスオフィスサプライ社製の商品名「P紙」を用いた。P紙は従来白黒複写機で数多く使用されているものである。以下に、各評価方法を示し、その結果を表3に示す。
【0085】
−定着可能範囲(定着ラチチュード)を評価方法−
Φ35のアルミニウムコアの上に、ゴム硬度40度のシリコンゴム層を被覆し、さらに表面層として厚さ25μmのPFA樹脂層を形成したΦ50のヒートロールと、Φ35のアルミニウムコアの上に、ゴム硬度60度のシリコンゴム層を被覆し、さらに表面層として35μmのPFA樹脂層を形成したΦ50のプレッシャーロールとからなる定着器を用いて、定着性評価を行った。定着オイルはまったく供給しなかった。その定着器を用いて、各トナーの未定着画像を定着器の温度を110℃から200℃まで5℃づつ適宜変えて定着し、低温から定着ロールへの巻き付き性とホットオフセットの有無を評価し、定着可能範囲(定着ラチチュード)を評価した。
【0086】
−トナー保存性の評価方法−
各トナー5gを45℃、55%RHのチャンバーに24時間放置した。室温にもどした後、トナー2gを目開き45μmのメッシュに投入し、一定の条件で振動させた。メッシュ上に残ったトナーの重量を測定し、仕込み量に対する重量比を算出した。この数値をトナー熱ブロッキング指数とした。この数値が3%以下のときを◎、3〜5%のときを○、5〜10%を△、10%以上を×とし、トナー保存性を評価した。
【0087】
−定着画像保存性評価方法−
定着した定着画像の画像同士を重ねあわせて、50g/cm2の荷重をかけて、温度60℃、湿度55%の環境チャンバー内に3日間放置して、画像のオフセットを評価した。評価基準は、剥離させるときに画像劣化が発生しなかったものを◎、画像劣化が僅かに発生したもの(画像面積の20%以下)を○、画像面積の20〜50%に画像劣化が発生したものを△、画像面積の50%を超える部分で画像劣化が発生したものを×とした。
【0088】
−定着画像評価方法−
各温度での定着画像の光沢度(以下、「グロス」と略す)を、村上色彩技術研究所(株)社製のグロスメーター「GM−26D」を用い、サンプルへの入射光角度を75度とする条件で測定した。最高のグロス値が30を超えたときを◎、超えないときを×とした。
−帯電の環境安定性−
トナーとキャリアを温度25℃、湿度75%RHの高温高湿下と、温度15℃、湿度25%RHの低温低湿下で48時間以上放置した後、その条件下で、トナー2gとキャリア25gとを、容量60mlのガラス共栓ビン(柴田科学社)にいれ、ターブラーミキサーで10分間混合して得られた現像剤の帯電量をブローオフトライボ測定器(東芝社)でそれぞれ測定した。得られた高温高湿度下での帯電値と低温低湿度下での帯電値との比(高温高湿度下での帯電値/低温低湿度下での帯電値)が0.7以上のものを◎、0.5以上のものを○、0.5未満のものを×とした。
−OHP光透過性(PE値)評価方法−
前述の画像出力装置を用いて、用紙をP紙から富士ゼロックス(株)社製白黒用OHPに変えた以外は同様にしてシアン単色未定着画像出力を行った。得られた未定着画像を、前述の定着器で、搬送速度毎秒50mm、定着器温度165℃で定着した。マッチスキャンを用いて、定着画像のPE値を測定した。PE値が80%以上のものを○、60%以上のものを△、60%未満を×とした。
【0089】
−初期転写性評価方法−
前述の画像出力と同様の方法にて現像剤を準備し、シアン以外の現像器と感光体クリーニング用ブレードを取り外した富士ゼロックス社製カラー複写機「A−color935」の現像器にセットした。用紙は、富士ゼロックスオフィスサプライ社製のリサイクル紙、商品名「WR紙」を用いた。幅70mm、長さ10mmの黒ベタ画像を濃度設定が一番濃い条件でコピーし、感光体へ現像されたベタ画像が「WR紙」へ転写されたと同時に複写機の電源を切り、感光体上に残ったトナー量をメンディングテープで取り除き、トナーを付着させる前後でのテープ重量変化から未転写トナー量を測定した。また、「WR紙」に転写されたトナーをエアブローで飛ばし、ブロー前後の用紙の重量変化から転写されたトナー量を測定した。転写効率は、転写効率=(転写トナー量)/{(転写トナー量)+(未転写トナー量)}で算出される。1回の転写効率測定が終了したらクリーニング用ブレードを取り付け、感光体上の残トナーを除去してから、3回繰り返し測定した平均値を用いた。転写テスト環境は23℃、55%RHで行った。転写効率が、95%以上であるものを☆、90%以上であるものを◎、85%以上であるものを○、80%以上であるものを△、80%未満のものを×とした。
【0090】
−転写維持性−
前述の画像出力と同様の方法にて現像剤を準備し富士ゼロックス社製カラー複写機「A−color935」の現像器にセットした。トナーを供給しながら、用紙面積の5%相当のトナー現像面積画像を1000枚出力後に、前述の方法と同様にして転写維持性を評価した。
【0091】
【表3】
Figure 0003963065
【0092】
表3から、本発明に従う実施例のトナーは優れた剥離性を有すると共に、転写性や画像保存性両立しできていた。しかし、本発明の範囲を超える比較例のトナーは特に転写性維持性に関して劣るものであった。従って、トナー中に内添される微粒子と、外添される微粒子とが特定の関係にある時、良好なオイルレス定着性を得ながら、トナーの転写維持性を向上させることができたことがわかる。また、同時に低温定着性と画像保存性を両立することができたことがわかる。その他トナー製造性や現像性などの特性についても良好なものであったことがわかる。
【0093】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、従来のカラートナーの緒特性を悪化させることなく、長寿命であり、普通紙を含む紙表面粗さの大きい被転写体でも良好な転写性を示し、より高い温度で画像を保存することができ、より低温で定着することができ、かつ、オイル塗布機構を有さないオイルレス定着装置でもオフセットなどを発生させることなく定着を行うことができる良好な剥離性を有したトナーを提供することができる。

Claims (1)

  1. 結着樹脂、着色剤、離型剤、及び淡色または無色の内添微粒子を含むトナー粒子と、外添微粒子とを含有する電子写真用トナーであって、
    淡色または無色の内添微粒子が、結着樹脂との接触角が90度より小さいシリカ微粒子である微粒子(A)を含み、
    微粒子(A)のトナー粒子における含有量が、15重量%以上44重量%未満であり、
    外添微粒子が、一次粒径0.005〜0.2μmで、且つ結着樹脂との接触角が90度より大きい無機微粒子(B)を含み、
    微粒子(A)の一次粒径(Ra)と、無機微粒子(B)の一次粒径(Rb)とが、(Ra)<(Rb)の関係を満たし、
    結着樹脂の損失弾性率G''(測定周波数1rad/s、歪み量20%以下)が10000Paとなる温度が、80〜150℃の範囲にあることを特徴とする電子写真用トナー。
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