JPH08234479A - 静電荷像現像用トナー、二成分系現像剤、現像方法、画像形成方法、加熱定着方法及びトナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、二成分系現像剤、現像方法、画像形成方法、加熱定着方法及びトナーの製造方法

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JPH08234479A
JPH08234479A JP31375495A JP31375495A JPH08234479A JP H08234479 A JPH08234479 A JP H08234479A JP 31375495 A JP31375495 A JP 31375495A JP 31375495 A JP31375495 A JP 31375495A JP H08234479 A JPH08234479 A JP H08234479A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿度の影響を受けにくく、長期の放置による
現像性の劣化を減少させ、離型性及び転写性に優れた静
電荷像現像用トナーを提供することにある。 【解決手段】 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒
子及び酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を有する静
電荷像現像用トナーにおいて、該酸化チタン微粒子ある
いは該アルミナ微粒子は表面が有機処理され、メタノー
ル濡れ性半値が55%以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真,静電記
録,静電印刷における静電荷像を現像するための静電荷
像現像用トナー、このトナー及びキャリアを有する二成
分系現像剤、このトナーを用いた現像方法、画像形成方
法及び加熱定着方法、さらにこのトナーの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】静電手段によって光導電材料の表面に像
を形成し現像することは従来周知である。即ち、米国特
許第2,297,691号明細書,特公昭42−239
10号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載
されている如く数多くの方法が知られているが、一般に
は光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に
電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現
像し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写
した後、加熱,加圧,加熱加圧あるいは溶剤蒸気により
定着し複写物を得るものであり、そして感光体上に転写
せず残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上
記の工程が繰り返される。
【0003】近年このような電子写真装置は、カラー
化,高精細,高画質化を達成しつつ小型,軽量,低消費
電力といったスペックが、よりシンプルな要素で構成さ
れるように要求されている。
【0004】近年、電子写真の高精細,高画質化の要求
が市場では高まっており、当該技術分野では高画質フル
カラー化を達成しようと試みられている。フルカラー電
子写真の場合は、3色又は4色のカラートナーを重ね合
わせ画像を形成しているが、各々の色のカラートナーが
同じように現像されなければ色再現に劣ったり、色むら
が生じてしまう。ところがこれらの着色は顔料や染料に
よって行なわれており、これらが現像に与える影響は大
きい。さらに、フルカラー画像においては定着時の定着
性,混色性,耐オフセット性が重要であり、これらの性
能にふさわしい結着樹脂が選択されるが、この結着樹脂
の現像性に与える影響も大きい。この影響の一つとし
て、帯電量の温湿度の影響があげられ、広範な環境にお
いても安定した帯電量を有するカラートナーの開発が急
務とされている。
【0005】このような諸問題を解決する手段の一つに
トナーに種々の外添剤を添加する方法がある。特に、解
像性,濃度均一性,かぶりなどの種々の画像特性を改良
するのを目的として、トナーの帯電性および流動性の向
上の為に種々の微粉体を外添することが広く行なわれて
いる。
【0006】このような無機微粉体として汎用されてい
るものに、(i)シリコーンオイル,シリコーンワニ
ス,シラン化合物で表面処理された無機微粉体、或い
は、(ii)チタニアを表面処理したものやアミノシラ
ンで表面処理したものが好ましく用いられている。その
ような例として、特公昭53−22447号公報、特公
平1−31442号公報、特開昭58−216252号
公報、特開昭59−201063号公報、特開昭64−
88554号公報、特公平3−39307号公報、特開
平4−204750号公報、特開平4−214568号
公報、特開平4−340558号公報、特開平5−19
528号公報、特開平5−61224号公報、特開平5
−94037号公報、特開平5−119517号公報、
特開平5−139748号公報、特開平6−11886
号公報、特開平6−11887号公報があげられる。
【0007】さらに、(iii)2種類の無機微粉体を
添加するものが好ましく用いられている。そのような例
として、特公平2−27664号公報、特開昭60−2
38847号公報、特開昭61−188546号公報、
特開昭61−188547号公報、特開昭62−174
772号公報、特開平2−151872号公報、特開平
2−222966号公報、特開平2−291565号公
報、特開平4−204751号公報、特開平4−280
255号公報、特開平4−345168号公報、特開平
4−345169号公報、特開平4−348354号公
報、特開平5−113688号公報があげられる。
【0008】しかしながら、これらの提案では、確かに
電子写真特性は向上しているものの、疎水化の均一性が
不十分で高湿下や長期間の放置によって十分な摩擦帯電
量を得られず画像濃度の低下やカブリを生じるようにな
ることがあった。あるいは、低湿下で摩擦帯電量が過剰
となり画像濃度ムラやカブリを生じることがあった。ト
ナーのドラムからの十分な離型性が得られず転写性が不
十分になり、転写効率の低下や転写中抜けが生じるよう
になることがあり、これらを両立させて解決するものが
なかった。更にフルカラートナーに適用した場合特に厳
しく満足のいくものではなかった。
【0009】近年、電子写真の高精細,高画質化の要求
が市場では高まっており、当該技術分野ではトナーの粒
径を細かくして高画質カラー化を達成しようという試み
がなされているが、粒径が細かくなると単位重量当りの
表面積が増え、トナーの帯電量が大きくなる傾向にあ
り、画像濃度薄や耐久劣化が懸念されるところである。
加えてトナーの帯電量が大きいために、トナー同士の付
着力が強く、流動性が低下し、トナー補給の安定性や補
給トナーへのトリボ付与に問題が生じてくる。
【0010】カラートナーの場合は磁性体の如き導電性
物質を含まないので、帯電をリークする部分がなく一般
に帯電量が大きくなる傾向にある。この傾向は、特に帯
電性能の高いポリエステル系バインダーを使用したとき
により顕著である。
【0011】さらに、特にカラートナーにおいては、下
記に示すような特性が強く望まれている。
【0012】(1)定着したトナーは、光に対して乱反
射して、色再現を妨げることのないように、トナー粒子
の形が判別出来ないほどのほぼ完全溶融に近い状態とな
ることが必要である。
【0013】(2)そのトナー層の下にある異なった色
調のトナー層を妨げない透明性を有する着色トナーでな
ければならない。
【0014】(3)構成する各トナーはバランスのとれ
た色相及び分光反射特性と十分な彩度を有しなければな
らない。
【0015】このような観点から多くの結着樹脂に関す
る検討がなされているが、未だ上記の特性を全て満足す
るトナーは開発されていない。今日当該技術分野におい
てはポリエステル系の樹脂がカラー用結着樹脂として多
く用いられているが、ポリエステル系樹脂からなるトナ
ーは一般に温湿度の影響を受け易く、低湿下での帯電量
過大,高湿下での帯電量不足といった問題が起こり、広
範な環境においても安定した帯電量を有するカラートナ
ーの開発が急務とされている。
【0016】ところで、静電潜像を現像する方法として
は、トナーとキャリアを混合して用いる二成分現像方法
と、トナーのみを用いる一成分現像方法とが一般的であ
るが、二成分現像方法は、キャリアを用いる点や、トナ
ーとキャリアの混合比を調節するいわゆるATR機構が
必要な点から考えると小型化,軽量化といった要求に矛
盾する。
【0017】一方、一成分現像方法は、キャリアレスで
あるため、トナー濃度調整機構が不要であること、トナ
ーとキャリアの攪拌装置が不要であることから装置の小
型,軽量化が可能である。しかし一成分現像方法では、
キャリアによるトナーへの帯電付与手段が採れない為、
効率的かつ安定した帯電付与を如何に行うかが課題であ
った。
【0018】このため、トナー担持体上に規制部材によ
りトナーを薄層化かつ帯電付与させる方法が提案されて
いる。しかし、これらの現像方法でも、帯電性,流動性
の如きトナー自体の諸特性に優れないと、トナー担持体
上への供給性,現像領域への搬送性,帯電及び薄層コー
ト性が同時に良好に達成されず、未だ満足のいく一成分
現像方法は確立されていない。
【0019】すなわち、現像装置において、トナー規制
部材,トナー担持体等の材質,表面性がトナーの搬送
性,薄層コート性,帯電性に与える影響が大きく、現像
ラチチュードが狭くしかも安定性に欠けるという問題が
あった。
【0020】さらにまた、規制部材での拘束,押圧によ
るトナー薄層化の際の機械的・熱的ストレスの繰り返し
で、トナー担持体,規制部材等へのトナーの融着やトナ
ーの凝集固着が発生するといった問題や、逆に、かかる
規制を軽減すると帯電付与能,薄層コート性が低下し、
高湿下あるいは長期放置後のトナーの帯電が不十分とな
るといった問題があった。
【0021】以上の様な問題に対し、トナーの面から
は、トナーに種々の添加剤を添加する方法がある。特
に、解像性,濃度均一性,カブリなどの種々の画像特性
を改良するのを目的として、トナーの帯電性および流動
性の向上の為に種々の微粉体を添加することが広く行な
われている。
【0022】こういったトナー諸特性改良の為に添加さ
れる微粉体として汎用されているものの一つに酸化チタ
ン微粒子が挙げられ、特にシリコーンオイル,シラン化
合物あるいはシリコーンワニスで表面処理されたものは
高い疎水化度を持ち、好ましく用いられる。
【0023】これまでに、疎水化酸化チタンをトナーに
含有する例としては、特公昭53−39307号公報、
特開昭60−238849号公報、特開平4−2047
50号公報、特開昭64−88554号公報、特開昭6
0−112052号公報、特開平2−109058号公
報、特開平5−19528号公報、特開平5−1886
33号公報、特開平5−119517号公報、特開平5
−139748号公報、特開平5−289391号公
報、特開平6−11886号公報、特開平6−1188
7号公報、特開平6−19186号公報に表面処理した
酸化チタンを含有するトナーが提案されているが、酸化
チタンの添加によって、確かに電子写真特性は向上して
いるものの、疎水化の均一性が不十分で高湿下や長期間
の放置によって十分な摩擦帯電量を得られず画像濃度の
低下やかぶりを生じることがあった。さらに、トナーの
ドラムからの十分な離型性が得られず転写性が不十分に
なり、転写効率の低下や転写中抜けが生じるようになる
ことがあり、これらを両立させて解決するものがなかっ
た。更にフルカラートナーに適用した場合特に厳しく満
足のいくものではなかった。
【0024】さらに、電子写真技術を用いたプリンタや
複写機において、感光体(静電荷像保持体)表面を一様
に帯電する手段として、コロナ放電器が一般に広く用い
られてきたが、感光体表面に直接帯電部材を、直接接触
或いは押圧しながら外部から電圧を印加して直接帯電す
る方法が研究開発され、実用化されつつある。
【0025】該接触帯電を有する画像形成装置に、結着
樹脂及び着色剤からなるトナー粒子に、シリカの如き流
動性付与剤を含有した一般的なトナーを用いた場合、転
写後のクリーニング工程で僅かに除去できなかった感光
体の残トナー粒子が、感光体に圧接された帯電ローラー
によって、該ローラー上及び感光体上に固着し、複写回
数が増すにつれてより強固に固着及び堆積したトナー融
着として悪化し、帯電不良,クリーニング不良となり、
得られた画像には、画像濃度の低下とムラ,ベタ画像で
の白斑点模様が発生しやすい問題がある。
【0026】前述の提案では、確かに電子写真特性は向
上しているものの、トナーのドラムやドラムに接触する
部材からの十分な離型性が得られずこれらの部材が汚染
され画像欠陥が生じるようになることがあり、特に複数
種類のトナーを用いるドラムの場合には、その汚れは悪
化するものであり、フルカラートナーに適用した場合、
多重に現像あるいは転写させて画像形成させるので特に
厳しく満足のいくものではなかった。
【0027】トナーが感光体に固着する現象を回避する
目的で、特開昭48−47345号公報においてトナー
中に摩擦減少物質と研磨物質の双方を添加することが提
案されている。しかしながら、摩擦減少物質は、付着性
析出膜物を形成する物質であるために、トナーを接触帯
電及び接触転写を有する画像形成装置に用いると、内蔵
する帯電ローラーに摩擦減少物質による皮膜が形成さ
れ、著しい帯電不良,転写不良が発生しやすいという問
題点がある。
【0028】更に、複写装置の小型化,低コスト化のた
め中低速機に用いられる感光体としては、有機感光体
(有機光導電体)が一般的であるが、特に有機感光体の
表面層の摩耗を低減して、帯電特性の劣化を防止する目
的で特開昭63−30850号公報で表面層にフッ素系
樹脂微粉体の如き潤滑剤を含有する有機感光体を提案さ
れている。しかしながら、潤滑剤を含有する有機感光体
では、確かに感光体自体の寿命は延びるものの逆に、潤
滑剤の表面層を構成するポリカーボネートの如き結着樹
脂への分散が悪いため感光体表面の平滑性が低下し、感
光体を接触帯電及び接触転写方式を有する画像形成装置
に用いると、現像後のトナーが該表面の凹部に入り込
み、転写後のクリーニングにおいて残トナーのクリーニ
ング性が著しく低下し、帯電ローラー及び感光体上のト
ナー融着の現象が更に悪化しやすいという問題点があっ
た。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題点を解決した静電荷像現像用トナー、この
トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤、このトナ
ーを用いた現像方法、画像形成方法及び加熱定着方法、
さらにこのトナーの製造方法を提供することにある。
【0030】すなわち、本発明の目的は、高湿下におい
ても十分な現像性が得られる静電荷像現像用トナー、こ
のトナー及びキャリアを有する二成分系現像剤、このト
ナーを用いた現像方法、画像形成方法及び加熱定着方
法、さらにこのトナーの製造方法を提供することにあ
る。
【0031】本発明の目的は、低湿下および高湿下にお
いても十分な現像性が得られる静電荷像現像用トナー、
このトナー及びキャリアを有する二成分系現像剤、この
トナーを用いた現像方法、画像形成方法及び加熱定着方
法、さらにこのトナーの製造方法を提供することにあ
る。
【0032】本発明の目的は、湿度の影響を受けにく
く、保存後においても十分な性能が維持される静電荷像
現像用トナー、このトナー及びキャリアを有する二成分
系現像剤、このトナーを用いた現像方法、画像形成方法
及び加熱定着方法、さらにこのトナーの製造方法を提供
することにある。
【0033】本発明の目的は、離型性に優れることで、
転写効率を高め、美しいピクトリアルなフルカラー画像
の形成を容易にする静電荷像現像用トナー、このトナー
及びキャリアを有する二成分系現像剤、このトナーを用
いた現像方法、画像形成方法及び加熱定着方法、さらに
このトナーの製造方法を提供することにある。
【0034】本発明の目的は、ライン画像部における転
写中抜けを生じない静電荷像現像用トナー、このトナー
及びキャリアを有する二成分系現像剤、このトナーを用
いた現像方法、画像形成方法及び加熱定着方法、さらに
このトナーの製造方法を提供することにある。
【0035】本発明の目的は、流動性に優れ、現像に供
給されるトナーが均一で、濃度ムラがなく均質な画像が
得られる静電荷像現像用トナー、このトナー及びキャリ
アを有する二成分系現像剤、このトナーを用いた現像方
法、画像形成方法及び加熱定着方法、さらにこのトナー
の製造方法を提供することにある。
【0036】本発明の目的は、離型性,潤滑性の持続性
に優れ、経時,耐久によって劣化しない静電荷像現像用
トナー、このトナー及びキャリアを有する二成分系現像
剤、このトナーを用いた現像方法、画像形成方法及び加
熱定着方法、さらにこのトナーの製造方法を提供するこ
とにある。
【0037】本発明の目的は、離型性,潤滑性に優れ、
その性能を損わず現像性に優れ、その耐久性に優れた静
電荷像現像用トナー、このトナー及びキャリアを有する
二成分系現像剤、このトナーを用いた現像方法、画像形
成方法及び加熱定着方法、さらにこのトナーの製造方法
を提供することにある。
【0038】本発明の目的は、クリーニング性に優れ、
クリーナーすり抜け、クリーニング不良を起こさない静
電荷像現像用トナー、このトナー及びキャリアを有する
二成分系現像剤、このトナーを用いた現像方法、画像形
成方法及び加熱定着方法、さらにこのトナーの製造方法
を提供することにある。
【0039】本発明の目的は、潜像保持体に圧接する部
材を有する画像形成方法において、潜像保持体に傷,融
着,フィルミングを発生しない画像形成方法を提供する
ことにある。
【0040】本発明の目的は、潜像保持体に圧接して帯
電するための接触帯電部材を汚染せず、帯電異常による
画像欠陥を引き起こさない画像形成方法を提供すること
にある。
【0041】本発明の目的は、接触帯電部材及び接触転
写部材上に付着したトナーのクリーニング性に優れた画
像形成方法を提供することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、結着
樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子及び酸化チタン微
粒子又はアルミナ微粒子を有する静電荷像現像用トナー
において、該酸化チタン微粒子あるいは該アルミナ微粒
子は表面が有機処理され、メタノール濡れ性半値が55
%以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナーに
関する。
【0043】本発明は、トナー及びキャリアを有する二
成分系現像剤において、該トナーは、結着樹脂及び着色
剤を含有するトナー粒子及び酸化チタン微粒子又はアル
ミナ微粒子を有しており、該酸化チタン微粒子あるいは
該アルミナ微粒子は表面が有機処理され、メタノール濡
れ性半値が55%以上であることを特徴とする二成分系
現像剤に関する。
【0044】本発明は、現像剤担持体上に現像剤層厚規
制手段によって一成分系現像剤の層厚を規制して一成分
系現像剤の薄層を形成し、静電荷像保持体上の静電潜像
を該静電潜像保持体と対抗して配置された該現像剤担持
体に担持されている該一成分系現像剤で現像する現像方
法において、該一成分系現像剤は、結着樹脂及び着色剤
を含有するトナー粒子及び酸化チタン微粒子又はアルミ
ナ微粒子を有するトナーを含み、該酸化チタン微粒子あ
るいは該アルミナ微粒子は表面が有機処理され、メタノ
ール濡れ性半値が55%以上であることを特徴とする現
像方法に関する。
【0045】本発明は、静電潜像保持体に接触帯電手段
を当接させて、該静電潜像保持体の表面を帯電し、帯電
した該静電潜像保持体に静電潜像を形成し、該静電潜像
をトナーにより現像し、顕像化する画像形成方法におい
て、該トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー
粒子及び酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を有して
おり、該酸化チタン微粒子あるいは該アルミナ微粒子表
面が有機処理され、メタノール濡れ性半値が55%以上
であることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0046】本発明は、静電潜像保持体又は中間転写体
上に複数種のトナーにより形成された多重トナー像を記
録材に一括転写する画像形成方法において、該トナー
は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子及び酸化
チタン微粒子又はアルミナ微粒子を有しており、該酸化
チタン微粒子あるいは該アルミナ微粒子は表面が有機処
理され、メタノール濡れ性半値が55%以上であること
を特徴とする画像形成方法に関する。
【0047】本発明は、静電潜像保持体上に形成された
静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成し、該
静電潜像保持体上に形成されたトナー像を記録材に転写
する画像形成方法において、該トナーは、結着樹脂及び
着色剤を含有するトナー粒子及び酸化チタン微粒子また
はアルミナ微粒子を有しており、該酸化チタン微粒子あ
るいは該アルミナ微粒子は表面が有機処理され、メタノ
ール濡れ性半値が55%以上であることを特徴とする画
像形成方法に関する。
【0048】本発明は、加熱体と該加熱体に対抗圧接し
かつフィルムを介して該記録材を該加熱体に密着させる
加圧部材とによって、記録材上に2種以上のトナーによ
って形成された多種トナー像を該記録材に加熱定着する
加熱定着方法において、該トナーは、結着樹脂及び着色
剤を含有するトナー粒子及び酸化チタン微粒子またはア
ルミナ微粒子を有しており、該酸化チタン微粒子あるい
は該アルミナ微粒子は表面が有機処理され、メタノール
濡れ性半値が55%以上であることを特徴とする加熱定
着方法に関する。
【0049】本発明は、(i)有機溶剤中に酸化チタン
微粒子又はアルミナ微粒子を分散させ、(ii)得られ
た分散液中にシラン化合物及びシリコーンオイルを同時
に、又はシラン化合物,シリコーンオイルの順に添加し
て、該シラン化合物及び該シリコーンオイルで該酸化チ
タン微粒子又は該アルミナ微粒子を処理し、(iii)
処理された酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を乾燥
して、55%以上のメタノール濡れ性半値を有する有機
処理酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を得、(i
v)トナー粒子と得られた有機処理酸化チタン微粒子又
はアルミナ微粒子とを混合してトナーを得ることを特徴
とするトナーの製造方法に関する。
【0050】さらに本発明は、(i)酸化チタン微粒子
又はアルミナ微粒子を気相中で生成し、(ii)該気相
中でシラン化合物及びシリコーンオイルを同時に、又は
シラン化合物、シリコーンオイルの順に気化又は霧化し
て、該シラン化合物及び該シリコーンオイルで該酸化チ
タン微粒子又は該アルミナ微粒子を処理し、55%以上
のメタノール濡れ性半値を有する有機処理酸化チタン微
粒子又はアルミナ微粒子を得、(iii)トナー粒子を
得られた有機処理酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子
とを混合してトナーを得ることを特徴とするトナーの製
造方法に関する。
【0051】本発明者らは、鋭意研究を行なった結果、
静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子を外添混合
する酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子は、その表面
が有機処理されており、かつ55%以上のメタノール濡
れ性半値を有することにより、高湿下での優れた現像性
を有し、放置による現像性の劣化を減少させ、転写性に
優れることを見い出した。
【0052】ここで、メタノール濡れ性半値とは、メタ
ノール疎水化度測定時に利用されるメタノール滴定で透
過率を測定し、試料がすべて沈んだ点、すなわち透過率
が最小となる点(メタノール疎水化度は、この点を終点
とし、メタノールの使用体積%で表わす)の透過率と試
料添加前の透過率の中間の透過率に達した時点における
メタノール使用体積%をもって定義する。
【0053】この値は酸化チタン微粒子又はアルミナ微
粒子の疎水性の均一性を示しており、この値が大きい
程、疎水性の高い酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子
に均一に揃っていることを示す。つまり、メタノール疎
水化度が小さい場合には、トナーに耐湿性を与えられな
いのは当然であるが、メタノール疎水化度が大きい場合
でも、メタノール濡れ性半値が小さいものはトナーに十
分な耐湿性を与えられない。すなわち、このようなもの
は、酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子の広い疎水化
度の分布によって、疎水性の低いものを多く含んでいる
ため、これらがトナーの耐湿性に対し悪影響を及ぼすた
めである。したがって、このメタノール濡れ性半値が5
5%以上であるとき酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒
子が高疎水性のものに均一に揃っているために、トナー
に優れた耐湿性と離型性を付与することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】本発明の構成に関し以下に詳細に
説明する。
【0055】本発明のトナーに用いられる酸化チタン微
粒子又はアルミナ微粒子は、メタノール濡れ性半値が5
5%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは65
%以上である。透過率測定によるメタノール濡れ性半値
は、酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子の疎水化度分
布を簡便にみることができ、その値が55%以上である
ときに十分な疎水性を持った酸化チタン微粒子又はアル
ミナ微粒子を多く含有することになるので、トナーに良
好な帯電性,離型性,流動性を与えることができ優れた
現像性,転写性が得られる。この値が55%未満の場合
には、十分な疎水性を持たない酸化チタン微粒子又はア
ルミナ微粒子が増加してくるので、その弊害として耐湿
性が劣るようになり、高湿下,長期放置において現像性
に劣るようになり、カブリや画像濃度の低下をもたら
す。さらに、接触帯電手段を用いる画像形成方法に用い
た場合は、この値が55%未満の場合には、十分な疎水
性を持たず不均一な処理をされた酸化チタン微粒子また
はアルミナ微粒子が増加してくるので、その弊害として
離型性が劣るようになったり付着しやすい粒子が増加す
ることによって、静電潜像保持体や静電潜像保持体に当
接する部材を汚染するようになり、画像濃度の低下やム
ラあるいは斑点状,筋状の模様を発生するようになる。
一般に定義されているメタノール疎水化度が大きくて
も、このメタノール濡れ性半値が小さければ、たしかに
高疎水化された酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を
含んでいるが、疎水化度の小さい酸化チタン微粒子又は
アルミナ微粒子を多く含有することになりその弊害を生
ずるようになる。本発明においてはこのメタノール濡れ
性半値を55%以上とした酸化チタン微粒子又はアルミ
ナ微粒子を用いることにより、従来よりも高疎水性に揃
った酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子とすることが
でき優れた性能を示すことができるようになったのであ
る。一方、メタノール滴定で酸化チタン微粒子又はアル
ミナ微粒子が濡れて沈み始める点(透過率測定では透過
率が減少し始める点)は、疎水性の低いものから濡れて
いくわけであるが、この点はどこであってもメタノール
濡れ性半値が十分な値を持っていれば疎水性の低い酸化
チタン微粒子又はアルミナ微粒子の含有量が少ないので
大きな問題にはならない。さらに、このメタノール濡れ
性半値の上限値は、好ましくは90%、より好ましくは
85%であることが良い。
【0056】本発明に用いられるメタノール濡れ性半値
は、メタノール疎水化度を測定するメタノール滴定を利
用できる。すなわち水に試料を浮かべ、メタノールを滴
定していくと、疎水性の低い試料から濡れ初め、試料が
沈み始める。そしてメタノールを添加し続け最後に疎水
性の高い試料が濡れ試料すべてが液中に沈み、この点を
終点とし、メタノール疎水化度が一般的に定義されてい
る。本発明では、このメタノール滴定時に透過率を測定
することでメタノール濡れ性半値を求めることができ
る。すなわち試料が沈み始めると透過率は減少し、すべ
ての試料が沈んだときに最低の透過率を示すようにな
り、更に滴定を続ければメタノール量が増え透過率は再
び増加し始める。つまり、透過率が最低になった点がメ
タノール滴定の終点で、一般に定義されているメタノー
ル疎水化度と同じ意味を持つものになる。
【0057】メタノールの滴定を進めていって、その透
過率の減少が初めゆっくりで終点に近づいたときに透過
率の下がり方が大きくなれば、終点に近い疎水性を持っ
たものが多く含まれていることを示す。したがって、透
過率が終点の時の透過率の半分になった点で求められる
メタノール体積%、すなわちメタノール疎水化度が高け
れば、疎水性の高いものが多く含まれていることにな
る。つまり本発明ではこの点をメタノール濡れ性半値と
して定義しており、この値が55%以上である時に、高
疎水性のものの含有率が高いばかりでなく均一に処理さ
れているのでその特性が均質なものとなり、従来のもの
に比して良好な結果が得られるもので、優れた流動性,
帯電性,離型性,耐湿性,経時安定性をトナーに与える
ことができるものである。
【0058】疎水化度分布が広い場合には、透過率の減
少は逐次的にみられ、たとえ終点が遅くメタノール疎水
化度が大きく示されるものであっても(確かに高疎水性
のものを含有するが)、メタノール濡れ性半値の値が小
さくなり、低疎水性のものが多く含まれていることにな
り、その処理のされ方も不均質なものとなる。疎水化度
分布が狭くてもメタノール疎水化度が小さいと、疎水性
が不十分であるものに揃っていることになる。
【0059】本発明においてメタノール濡れ性半値は以
下のようにして求められる。ビーカーにイオン交換水4
2cm3、メタノール28cm3を量り取る。本発明にお
いては、メタノール濡れ性半値が55%以上であること
を特徴とするので初期濃度40%より測定を開始する。
試料0.0100gをメタノール水溶液に入れ粉体濡れ
性試験機WET−100P(株式会社レスカ製)を用い
て透過率の測定を行なう。透過率測定には、出力3m
W、波長780nmの半導体レーザを用いた。測定条件
としては、スターラ回転速度 5s-1メタノール流量
毎分2.5cm3にて行なう。試料添加前の透過率をI0
(100%),測定時の透過率をI(%),測定される
最低の透過率をImin(%)とした時、メタノール濡れ
性半値は透過率IがI=100−〔(I0−Imin)/
2〕(%)となる時のメタノール使用体積%をもって表
わす。メタノール濡れ性半値は、以下の通り算出され
る。
【0060】メタノール濡れ性半値(%)={[メタノ
ール使用量(cm3)]/[メタノール使用量+42.
0(cm3)]}×100
【0061】
【数1】
【0062】ここで透過率Iminの時のメタノール使用
体積%がメタノール疎水化度と同等の意味を持つもので
あり、この点をメタノール濡れ性終点と定義する。
【0063】メタノール濡れ性終点(%)={[透過率
最低点までのメタノール総使用量(cm3))]/[透
過率最低点までのメタノール総使用量+42.0(cm
3)]}×100
【0064】メタノール疎水化度は、ビーカーにイオン
交換水50cm3を入れ、試料0.200gを計り採り
そこに入れ、撹拌しながら、ビュレットによりメタノー
ルを滴下して行き、液面上に浮いた試料が完全になくな
った点を終点とし、次式から疎水化度を求める。
【0065】疎水化度(%)={滴定量(cm3)/
[滴定量(cm3)+50(cm3)]}×100
【0066】本発明に用いられる酸化チタン微粒子又は
アルミナ微粒子はメタノール濡れ性終点およびメタノー
ル疎水化度が60%以上であることが好ましく、更に好
ましくは65%〜95%であり、特には70%〜90%
である。60%未満では主な構成成分の疎水性が不十分
になり始め、この値が低くなるほど耐湿性に劣るように
なり、高湿下の現像性や保存による現像性の経時劣化を
生じるようになってくる。さらに、このメタノール濡れ
性終点及びメタノール疎水化度の上限値は、好ましくは
95%、より好ましくは90%であることが良い。
【0067】本発明に用いられる酸化チタン微粒子は、
硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアル
コキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネー
トの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化
チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ
型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれ
のものも用いることができる。
【0068】本発明に用いられるアルミナ微粒子は、バ
イヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン
法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、ア
ルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニ
ウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法に
より得られるアルミナ微粒子が用いられる。結晶系とし
てはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これ
らの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いられ、
α,δ,γ,θ,混晶型,アモルファスのものが好まし
く用いられる。
【0069】本発明で有機処理する処理剤としては、前
記酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子と反応あるいは
物理吸着する有機珪素化合物,有機チタン化合物,有機
アルミニウム化合物などが用いられ、シラン化合物,シ
リコーンオイル,シリコーンワニスが好ましく用いら
れ、複数種類の処理剤を併用しても良い。
【0070】特にシラン化合物,シリコーンオイルで処
理されたものが好ましく、中でも両者で処理されたもの
が特に好ましい。すなわち、この2つのタイプの処理剤
で表面処理することで疎水化度分布を高疎水性のものに
揃え、しかも均質に処理でき、優れた流動性,均一帯電
性,離型性,耐湿性を付与できるようになり、トナーに
良好な現像性、特に高湿下での現像性,転写性,耐久・
放置安定性を与えることができる。
【0071】シリコーンオイルを用いない場合には、十
分な疎水性が得られなかったり、離型性が得られなかっ
たりすることがあり、高湿下での現像性が劣ったり、転
写効率が低下したり、ライン画像部で転写中抜け現象を
生じるようになる。
【0072】シラン化合物を用いない場合には、十分な
疎水性が得られなかったり、均質性が不十分で、流動
性,均一帯電性が劣ったりして現像性が低下し、画像に
濃度ムラが出たり、カブリが発生したり、高湿下での現
像性に劣るようになる。
【0073】さらに、本発明で用いられる酸化チタン微
粒子またはアルミナ微粒子は、上記の有機処理する処理
剤に加えてさらに、窒素元素を含有する置換基を有する
化合物を処理剤として併用して有機処理することが好ま
しい。
【0074】従って、本発明においては、酸化チタン微
粒子またはアルミナ微粒子は、シラン化合物,シリコー
ンオイルで又はそれらの両者で処理され、さらに窒素元
素を含有する置換基を有するシラン化合物Nあるいはシ
リコーンオイルNの少なくともどちらか一方で処理され
たものが特に好ましい。すなわち、この3つのタイプの
処理剤で表面処理することで疎水化度分布を高疎水性の
ものに揃え、しかも均質に処理でき、優れた均一帯電
性,離型性,耐湿性,過剰帯電の抑制を付与できるよう
になり、トナーに良好な現像性、特に低湿下や高湿下で
の現像性,転写性,耐久性,保存安定性を与えることが
できる。さらに負帯電性トナーの場合には過剰帯電の防
止ができ、正帯電性トナーの場合に、正帯電を均一に安
定化することができ逆極性の粒子の発生を抑えることが
でき、あらゆる環境で好ましく用いられる。
【0075】処理後の酸化チタン微粒子又はアルミナ微
粒子の平均粒径は、0.1μm未満であることが好まし
く、0.1μm以上では十分な流動性,均一帯電性が得
られず現像性,耐久性に劣るようになる。本発明におい
て、酸化チタン微粒子及びアルミナ微粒子の平均粒径は
10万倍の透過電子顕微鏡像から任意の一次粒子400
個の粒子径を実測し、個数平均径を出したものである。
ここでは、長軸を測定し、長軸/短軸比が2以上のもの
は、平均値を算出したものから平均値を求める。
【0076】更に、酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒
子の含水率が処理後で3.0質量%以下であることが好
ましく、良好な耐湿性が得られる。含水率が3.0質量
%を超える場合には、酸化チタン微粒子又はアルミナ微
粒子の吸湿性が高く、高湿下や長期保存後の現像性が劣
るようになりカブリが発生するようになる。この含水率
は2.5質量%以下であることがより好ましく、特に好
ましくは0.5〜2.0質量%であることが良い。0.
5質量%未満の場合には、帯電量が高くなり過ぎること
がある。
【0077】本発明において、含水率は全自動水分測定
システムAQS−624型(平沼産業(株)製)を用い
て測定される。試料は、1gの検体を23℃,60%R
Hの環境に12時間放置したものを用い、約0.2gを
正確に秤量したもの(Ag)を測定する。サンプルを2
00℃で加熱し吸着水分を蒸発させ、上記水分計にて2
0分間滴定を行ない試料の吸着水分量(Bμg)とレフ
ァレンスの水分量(Cμg)を求める。含水率は以下の
式で算出される。
【0078】含水率(質量%)=[(B−C)/(A×
1,000,000)]×100
【0079】本発明に用いられる酸化チタン微粒子及び
アルミナ微粒子は、BET1点法による比表面積が15
2 /g以上であることが好ましく、更に好ましくは2
0m2/gであり、特に好ましくは25m2/g以上であ
る。比表面積が15m2/g未満であると、流動性,離
型性に劣るようになり、現像性,転写性に悪影響を及ぼ
す。
【0080】さらに本発明に用いられる酸化チタン微粒
子及びアルミナ微粒子は、嵩密度が0.5g/cm3
下であることが好ましく、さらに好ましくは0.45g
/cm3以下、特に好ましくは0.4g/cm3以下であ
る。嵩密度が0.5g/cm3を超えると流動性,帯電
均一性が劣るようになってきて、現像性不均一となり、
濃度ムラを生じるようになる。
【0081】さらに本発明に用いられる酸化チタン微粒
子及びアルミナ微粒子は、ブローオフによる帯電量が絶
対値で100mC/kg以下であることが好ましく、更
には80mC/kg以下であることが好ましい。100
mC/kgを超える場合は、帯電性に不均一や、帯電過
剰を生じやすくなり、画像濃度ムラやカブリを発生しや
すくなる。
【0082】本発明に用いられる酸化チタン微粒子又は
アルミナ微粒子の含有量は、トナー100質量部に対し
0.2〜5.0質量部であることが好ましく、さらに好
ましくは0.3〜4.0質量部であり、特に好ましくは
0.4〜3.5質量部である。0.2質量部未満の場合
にはその添加効果が小さくなり、5.0質量部を超える
場合には感光ドラム上にフィルミングを生じたり、クリ
ーニング不良を生じやすくなってくる。
【0083】本発明において、比表面積は流動式比表面
積自動測定装置マイクロメリティックスフローソーブI
I 2300型(島津製作所社製)にて測定され、試料
0.2gを窒素30体積%,ヘリウム70体積%の混合
気流を用い、70℃で30分脱ガス処理後測定を行な
う。
【0084】本発明において、嵩密度はJIS K−5
101に準じて行なう。
【0085】本発明において、ブローオフ帯電量は、ブ
ローオフ粉体帯電測定装置TB−200(東芝ケミカル
株式会社製)を用いて測定を行なう。測定試料およびキ
ャリア(TEFV 200/300 還元鉄粉 日本鉄
粉株式会社製)を12時間以上、23℃,60%RHの
環境に保存する。
【0086】測定試料(A):キャリア(B)=0.1
5g:29.85gの比で試料,キャリアを秤量し、試
料混合容器(ポリプロピレン製 50cm3円筒瓶)に
入れ密栓した後、ミックスローター(MR−2型 井内
盛栄堂社製)にて5分間震盪しその後5分間静置する。
混合容器中の混合試料約0.2gを精秤(秤量値をCと
する)し、ブローオフ測定器のファラディゲージに入
れ、以下の条件で測定する。
【0087】ブロー圧:9.8×10-2MPa ブロー時間:10s ブローガス:窒素 測定環境:23℃,60%RH ファラデイゲージフィルタ:sus316 400メッ
シュ下記の計算式より帯電量を導きだす。
【0088】帯電量=測定電荷量Q/[C×A/(A+
B)]mC/kg
【0089】シラン化合物としては、メトキシシラン,
エトキシシラン,プロポキシシランの如きアルコキシシ
ラン類、クロルシラン,ブロモシラン,ヨードシランの
如きハロシラン類、シラザン類、ハイドロシラン類、ア
ルキルシラン類、アリールシラン類、ビニルシラン類、
アクリルシラン類、シリル化合物類、シロキサン類、シ
リルウレア類、シリルアセトアミド類、及びこれらのシ
ラン化合物類が有する異種の置換基を同時に有するシラ
ン化合物類があげられる。その具体例として、ヘキサメ
チルジシラザン、ヘキサメチルトリシクロトリシラザ
ン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリ
メチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチ
ルトリクロルシラン、t−ブチルジメチルメトキシシラ
ン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジク
ロルシラン、ベンジルメチルジクロルシラン、ブロムメ
チルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロ
ルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロル
メチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメル
カプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガ
ノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシ
ロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサ
ン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、1
分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末端に
位置する単位にシラノール基を含有するジメチルポリシ
ロキサン等がある。
【0090】これらのシラン化合物の中でも一般式
(1)で表わせるシラン化合物が好ましい。
【0091】(R1nSi(OR24-n・・・・・
(1)
【0092】式中、R1は無置換の又は水素原子の一部
または全部がフッ素原子に置換されているアリール基,
アルアルキル基,アルキニル基,アルケニル基又はアル
キル基を表わし、R2はアルキル基を表わし、nは1〜
3の整数を表わす。置換基R1は、同一であっても、複
数の置換基を持つ場合には、それぞれの置換基R1が異
なっていても良い。
【0093】R1としては、例えば、水素原子の一部ま
たは全部がフッ素原子に置換されていてもよい、トリル
基、スチリル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル
基、エチニル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル
基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基から選
ばれる1種又は、同一の複数又は異なる複数の置換基を
持っていても良いアルコキシシランである。
【0094】上記式(1)において、R1は、感光体ド
ラムのクリーニング性向上の為や粒子表面を均一に処理
しメタノール濡れ性半値を大きくする為に無置換のもの
が好ましい。
【0095】この中でも、一般式(1)においてR1
炭素数5以下のアルキル基であることが、凝集物を少な
くし均一に処理するために好ましい。この炭素数5以下
のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−
ペンチル基、ネオペンチル基及びシクロペンチル基から
選ばれる1種又は、同一の複数又は異なる複数の置換基
を持っていても良いメトキシシラン、エトキシシランで
ある。
【0096】具体的には、メチルトリメトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシ
ラン、トリエチルメトキシシラン、プロピルトリメトキ
シシラン、ジプロピルジメトキシシラン、トリプロピル
メトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ジ
イソプロピルジメトキシシラン、ブチルトリメトキシシ
ラン、ジブチルジメトキシシラン、トリブチルトリメト
キシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブ
チルジメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラ
ン、ジt−ブチルメトキシシラン、ペンチルトリメトキ
シシラン、エチルメチルジメトキシシラン、エチルジメ
チルメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラ
ン、プロピルジメチルメトキシシラン、ブチルメチルジ
メトキシシラン、ブチルジメチルメトキシシラン、およ
びこれらのエトキシシランである。これらのシラン化合
物を用いることにより、高流動性,高転写性,帯電安定
化が得られる。
【0097】更に、一般式(2)で表わされるシラン化
合物を用いることができる。
【0098】(R3nSiX4-n・・・・・(2)
【0099】ただし、R3は水素原子の一部または全部
がフッ素原子で置換されていても良い、アリール基,ア
ルアルキル基,アルキニル基,アルケニル基,アルキル
基を表わし、Xはハロゲンまたはアルコキシ基を表わ
し、nは1〜3の整数を表わし、置換基R3は、複数の
置換基を持つ場合には、同一であっても、それぞれの置
換基R3が異なっていても良い。
【0100】本発明に好ましく用いられるシリコーンオ
イルとしてはアミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル
変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト
変性、フェノール変性、異種官能基変性の如き反応性シ
リコーン;ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、ア
ルキル変性、脂肪酸変性、アルコキシ変性、フッ素変性
の如き非反応性シリコーン;ジメチルシリコーン、メチ
ルフェニルシリコーン、ジフェニルシリコーン、メチル
ハイドロジェンシリコーンの如きストレートシリコーン
があげられる。
【0101】これらのシリコーンオイルの中でも離型性
の点から置換基として、アルキル基、アリール基、水素
原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたアルキ
ル基、水素を置換基として有するシリコーンオイルが好
ましい。具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチ
ルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシ
リコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルである。
【0102】これらのシリコーンオイルは、25℃にお
ける粘度が5〜2,000mm2/sであることが好ま
しく、更に好ましくは10〜1,000mm2/sであ
る。5mm2/s未満では十分な疎水性が得られないこ
とがあり、2,000mm2/sを超える場合には酸化
チタン微粒子又はアルミナ微粒子処理時に均一に処理し
ずらくなったり、凝集物ができやすく十分な流動性が得
られないことがある。
【0103】窒素元素を含有する置換基を有するシラン
化合物Nとしては、下記一般式(3)で表わせるシラン
化合物、窒素元素を含有する置換基を有するシランカッ
プリング剤類、窒素元素を含有する置換基を有するシロ
キサン類、窒素元素を含有する置換基を有するシラザン
類があげられる。ただし、珪素原子に直接結合する窒素
原子はここで定義する窒素元素には含まれない。
【0104】(R4mSiY4-m・・・・・(3)
【0105】式中、R4はアミノ基または窒素原子を少
なくとも1つ以上有するオルガノ基を示し、Yはアルコ
キシ基,ハロゲンを表わし、mは1〜3の整数を表わ
す。窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基と
しては、有機基を置換基として有するアミノ基、飽和含
窒素複素環基、不飽和含窒素複素環基を有する基が例示
される。複素環基としては、例えば次式のものが例示さ
れる。中でも、5員環,6員環のものが安定性の点から
好ましい。
【0106】
【化1】
【0107】一般式(3)で表わせるシラン化合物、窒
素元素を含有する置換基を有するシランカップリング剤
の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジメチルアミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメト
キシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モ
ノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチ
ルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロ
ピルジメチルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェ
ニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プ
ロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロ
ピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピ
ルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモル
ホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾー
ル、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノブ
チルジメチルメトキシシラン、4−アミノブチルメチル
ジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルジメチルメトキシシランがあげられる。
【0108】窒素元素を含有する置換基を有するシラザ
ン類の例としては、1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,
3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−テト
ラメチルジシラザン;1,3−ビス{N(2−アミノエ
チル)アミノプロピル}−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシラザン;1,3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,
3−ビス(ジエチルアミノプロピル)−1,1,3,3
−テトラメチルジシラザン;1,3−ビス(3−プロピ
ルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジ
シラザン;1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシラザンを挙げることがで
きる。
【0109】窒素元素を含有する置換基を有するシロキ
サン類の例としては、1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;
1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス{N(2−ア
ミノエチル)アミノプロピル}−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン;1,3−ビス(ジメチルアミノ
プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン;1,3−ビス(ジエチルアミノプロピル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス
(3−プロピルアミノプロピル)−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン;1,3−ビス(3−アミノプ
ロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
を挙げることができる。
【0110】窒素元素を含有する置換基を有するシリコ
ーンオイルNとしては、珪素原子上の置換基が水素,メ
チル基,フェニル基,一部または全部の水素がフッ素置
換されたアルキル基のいずれかであるシリコーンオイル
において窒素元素を有する置換基をポリシロキサン骨格
の側鎖,両末端,片末端,側鎖片末端,側鎖両末端に導
入した含窒素シリコーンオイルがあげられる。好ましく
はこの置換基が次式で表わせる置換基であることが好ま
しい。
【0111】−R−NR56、−R’−NR7−R”−
NR89、−R−R10、−R−NR7−R10
【0112】式中、R,R’,R”はフェニレン基,ア
ルキレン基を表わし、R5,R6,R7,R8,R9は水
素、置換基を有していても良いアルキル基,アリール基
を表わし、R10が含窒素複素環を表わす。これらの置換
基がアンモニウム塩の形態をとっていても良い。
【0113】これらの含窒素シリコーンオイルは、エポ
キシ基、ポリエーテル基、メチルスチリル基、アルキル
基、脂肪酸エステル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フ
ェノール基、ビニル基等の置換基を同時に有していても
良い。
【0114】これらの含窒素シリコーンオイルは、25
℃における粘度が5,000mm2/s以下であること
が好ましい。5,000mm2/sを超える場合は、分
散が不十分になり均一処理しずらくなる。さらに、分子
量を1分子あたりのアミンの数で割ったアミン当量が2
00〜40,000であることが好ましく、さらに好ま
しくは300〜30,000であることが良い。このア
ミン当量が、40,000を超える場合には、帯電の緩
和効果が現われにくい場合があり、200未満の場合に
は電荷のリークが増大し過ぎる場合がある。さらに、こ
れらの含窒素シリコーンオイルを複数用いることも可能
である。具体的にはアミノ変性シリコーンオイル、アミ
ノ変性を含む異種官能基変性シリコーンオイルがあげら
れる。
【0115】本発明において酸化チタン微粒子又はアル
ミナ微粒子100質量部に対する処理剤の処理量は、1
〜60質量部であることが好ましく、さらに好ましくは
2〜50質量部である。1質量部未満では処理効果が現
われず、60質量部を超える場合には母体である酸化チ
タン微粒子又はアルミナ微粒子の帯電性が温和であると
いう特性が活かされない。
【0116】処理剤がシラン化合物の場合には、酸化チ
タン微粒子又はアルミナ微粒子100質量部に対し1〜
40質量部で処理されていることが好ましく、更に好ま
しくは2〜40質量部、特に好ましくは3〜35質量部
である。1質量部未満では疎水化が不十分であったり、
均一処理がなされなかったりすることがあり、一方40
質量部を超える場合には、凝集体を発生したり、処理が
不均一になったりすることがある。
【0117】処理剤がシリコーンオイルの場合には、酸
化チタン微粒子又はアルミナ微粒子100質量部に対し
2〜40質量部で処理されていることが好ましく、更に
好ましくは3〜35質量部、特に好ましくは4〜30質
量部である。2質量部未満では疎水化が不十分であった
り、離型性が得られなかったりすることがあり、40質
量部を超える場合には、凝集体を発生したり、処理が不
均一になったりすることがある。シラン化合物,シリコ
ーンオイルを数種類用いて処理してもよい。
【0118】これら2つのタイプの処理剤を用いる場合
は、各処理剤が上記の範囲内で用いられ、両者をあわせ
た処理量が50質量部以下であることが好ましく、更に
好ましくは3〜45質量部、特に好ましくは6〜40質
量部である。50質量部を超える場合には、凝集体を発
生したり、処理が不均一になり易くなる。
【0119】処理剤が窒素元素を有する置換基を有する
シラン化合物Nの場合には、酸化チタン微粒子又はアル
ミナ微粒子100質量部に対し0.01〜20質量部で
処理されていることが好ましく、更に好ましくは0.0
5〜15質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部で
ある。0.01質量部未満では電荷のリークによる過剰
帯電の防止、正負帯電の安定性が不十分であったりする
ことがあり、20質量部を超える場合には、電荷のリー
クが多くなり帯電不良や高湿下での帯電不足を発生した
りすることがある。負帯電性トナーの場合には逆極性粒
子を発生するようになり、正帯電性トナーの場合には帯
電過剰や選択現像を発生するようになる。
【0120】処理剤が窒素元素を有する置換基を有する
シリコーンオイルNの場合には、酸化チタン微粒子又は
アルミナ微粒子100質量部に対し0.1〜30質量部
で処理されていることが好ましく、更に好ましくは0.
2〜20質量部、特に好ましくは0.5〜15質量部で
ある。0.1質量部未満では電荷のリークによる過剰帯
電の防止、正負帯電の安定性が不十分であったりするこ
とがあり、30質量部を超える場合には、電荷のリーク
が多くなり帯電不良や高湿下での帯電不足を発生したり
することがある。負帯電性トナーの場合には逆極性粒子
を発生するようになり、正帯電性トナーの場合には帯電
過剰や選択現像を発生するようになる。
【0121】上記のシラン化合物及びシリコーンオイル
に加えて窒素元素を有する置換基を有する化合物の3つ
のタイプの処理剤を用いる場合は、各処理剤が上記の範
囲内で用いられ、全部をあわせた処理量が50質量部以
下であることが好ましく、更に好ましくは3〜45質量
部、特に好ましくは6〜40質量部である。50質量部
を超える場合には、凝集体を発生したり、処理が不均一
になり易くなる。
【0122】シラン化合物の処理量はシリコーンオイル
の処理量に対する比が0.2〜5であることが好まし
く、この比で処理されていると表面処理の均一性が得ら
れやすく、更に高い疎水性が得られ、また効果的な離型
性も得やすい。
【0123】窒素元素を有する処理剤の処理量は窒素元
素を有しない処理剤の処理量に対する比が0.001〜
0.5であることが好ましく、この比で処理されている
と帯電性の安定化が一層図れ、低湿下の現像性に優れた
ものとなる。
【0124】本発明においては、上記酸化チタン微粒子
又はアルミナ微粒子に加えて他の無機微粉体を併用する
ことができ、この無機微粉体としては、前述の酸化チタ
ン微粒子又はアルミナ微粒子の外添により得られるトナ
ーの有する効果を妨げないものであれば、いかなるもの
を使用することも可能である。
【0125】この無機微粉体としては、上記の有機処理
された酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子より(i)
比表面積が大きいもの、(ii)疎水化度が小さいも
の、或いは(iii)比表面積が大きく、かつ疎水化度
が小さいものの如き無機微粉体Bを用いる場合には、低
湿下および高湿下での優れた現像性,流動性が得られ、
保存による現像性の劣化を減少させ、転写性に優れたト
ナーとすることができる。
【0126】すなわち本発明は、酸化チタン微粒子及び
アルミナ微粒子に対して疎水性の高い有機処理剤を均一
に処理することによってメタノール濡れ性半値を大きく
することができる。そして本発明は、このメタノール濡
れ性半値が55%以上であることを特徴とし、優れた現
像性と転写性の得られるトナーとすることができる。さ
らに有機処理された酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒
子より比表面積が大きいあるいは/およびメタノール疎
水化度が小さい無機微粉体Bを含有することにより、こ
れらの無機微粉体Bは表面の極性基やその周りの水分子
を介し過剰な電荷のリークと電荷の非局在化の効果によ
り摩擦帯電を一定レベルに緩和し、摩擦帯電が過剰とな
ることを防止し、特に帯電が過剰となり易い低湿下で帯
電を安定化することができる。更に、静電凝集を防止
し、優れた流動性を与え、特に低湿下での効果が優れ
る。
【0127】さらに、上記の有機処理された酸化チタン
微粒子又はアルミナ微粒子に加えて添加する無機微粉体
としては、pHが7以上である無機微粉体Cを用いる場
合には、低湿下および高湿下での優れた現像性,流動性
が得られ、保存による現像性の劣化を減少させ、転写性
に優れたトナーとすることができる。
【0128】すなわち本発明は、酸化チタン微粒子及び
アルミナ微粒子に対して疎水性の高い有機処理剤を均一
に処理することによってメタノール濡れ性半値を大きく
することができる。そして本発明は、このメタノール濡
れ性半値が55%以上であることを特徴とし、優れた現
像性と転写性の得られるトナーとすることができる。p
Hが7以上である無機微粉体Cを含有することにより、
これらの無機微粉体Cは表面の極性基やその周りの水分
子を介し過剰な電荷のリークと電荷の非局在化の効果に
より摩擦帯電を一定レベルに緩和し、摩擦帯電が過剰と
なることを防止し、特に帯電が過剰となり易い低湿下で
帯電を安定化することができる。また無機微粉体Cをp
H7以上とする部位(表面に存在する極性物質、官能基
等)は疎水化度を上げながら余分な水分吸着をせずに電
荷を効果的にリークすることができ、無機微粉体自体の
摩擦帯電量も小さくできるので、高湿下の現像性や保存
性を損なわずに帯電安定化を図ることができる。更に、
静電凝集を防止し、優れた流動性を与え、特に低湿下で
の効果が優れる。
【0129】本発明に用いられる無機微粉体B及びCと
しては、酸化物,複酸化物,金属酸化物,金属,珪素化
合物,炭素,炭素化合物,フラーレン,ホウ素化合物,
炭化物,窒化物,珪化物,セラミックスが用いられ、好
ましくは金属酸化物である。金属酸化物の中でもシリ
カ,アルミナ,チタニア,ジルコニアが特に好ましい。
さらに電荷のリークが適度でしかも水分を介した電荷の
緩和作用が安定しているシリカが特に好ましい。
【0130】無機微粉体B及びCに用いられるシリカ
は、珪素ハロゲン化合物の蒸気相酸化(例えば酸素,水
素火焔中の熱分解酸化反応)による乾式法や、珪酸ナト
リウム,アルカリ土類金属珪酸塩,珪酸塩等の酸,アン
モニア,塩類,アルカリ塩類による分解を用いる湿式法
により得られるシリカが用いられ、結晶型としてはアモ
ルファスのものが用いられる。塩化アルミニウム,塩化
チタン,塩化ゲルマニウム,塩化錫,塩化ジルコニウ
ム,塩化鉛の如き金属ハロゲン化物と珪素ハロゲン化物
と共に用いることによって珪素と他の金属の酸化物の微
粉体を得、それらを用いることもできる。中でも内部表
面積をあまり持たない乾式法で作られたものが水分の吸
着が適度で好ましく用いられる。
【0131】無機微粉体B及びCに用いられるチタニア
は、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタン
アルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセト
ネートの低温酸化(熱分解,加水分解)より得られるチ
タニアが用いられ、結晶系としてはアナターゼ型,ルチ
ル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも
用いることができる。特には、低温酸化により製造され
たアモルファスのものや、塩素法,硫酸法で製造された
アナターゼ型,混晶型のものが好ましく用いられる。
【0132】無機微粉体B及びCに用いられるアルミナ
は、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒド
リン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解
法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムア
ルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分
解法により得られるアルミナが用いられる。結晶系とし
てはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これ
らの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いられ、
α,γ,δ,θ,混晶型,アモルファスのものが好まし
く用いられる。特には、熱分解法,火焔分解法で製造さ
れたγ,δ型のものが好ましく用いられる。
【0133】無機微粉体Bは有機処理されていても構わ
なく、処理剤としては無機微粉体と反応あるいは物理吸
着する有機珪素化合物,有機チタン化合物,有機アルミ
ニウム化合物などが用いられ、シラン化合物,シリコー
ンオイル,シリコーンワニスが好ましく用いられ、複数
種類の処理剤を併用しても構わない。
【0134】特にシラン化合物,シリコーンオイルにど
ちらか一方で処理されたものが好ましい。すなわち、こ
れらの処理剤で表面処理することで無機微粉体Bの比表
面積が大きくなった場合の過度の電荷のリークを防止で
きるので、高湿下での現像性,転写性,耐久性,保存安
定性を良好にすることができる。
【0135】無機微粉体Bを表面処理するのに用いられ
るシラン化合物としては、メトキシシラン,エトキシシ
ラン,プロポキシシラン等のアルコキシシラン類、クロ
ルシラン,ブロモシラン,ヨードシラン等のハロシラン
類、シラザン類、ハイドロシラン類、アルキルシラン
類、アリールシラン類、ビニルシラン類、アクリルシラ
ン類、エポキシシラン類、シリル化合物類、シロキサン
類、シリルウレア類、シリルアセトアミド類、及びこれ
らのシラン化合物類が有する異種の置換基を同時に有す
るシラン化合物類があげられる。これらのシラン化合物
を用いることにより、流動性,転写性,帯電安定化が得
られる。これらのシラン化合物は複数用いても良い。
【0136】無機微粉体Bを表面処理するのに好ましく
用いられるシリコーンオイルとしては、エポキシ変性,
カルボキシル変性,カルビノール変性,メタクリル変
性,メルカプト変性,フェノール変性,異種官能基変性
の如き反応性シリコーン;ポリエーテル変性,メチルス
チリル変性,アルキル変性,脂肪酸変性,アルコキシ変
性,フッ素変性の如き非反応性シリコーン;ジメチルシ
リコーン,メチルフェニルシリコーン,ジフェニルシリ
コーン,メチルハイドロジェンシリコーンの如きストレ
ートシリコーンがあげられる。
【0137】これらのシリコーンオイルの中でも非反応
性シリコーン,ストレートシリコーンが好ましく用いら
れる。具体例としては、ジメチルシリコーン,ポリエー
テル変性シリコーンである。
【0138】これらのシリコーンオイルは、25℃にお
ける粘度が5〜2,000mm2/sであることが好ま
しい。更に好ましくは10〜1,000mm2/sであ
る。5mm2/s未満では目的とする疎水性が得られな
いことがあり、2,000mm2/sを超える場合には
無機微粉体処理等に均一に処理しずらくなったり、凝集
物ができやすく十分な流動性が得られないことがある。
これらのシリコーンオイルは、複数用いても良い。
【0139】無機微粉体Bは酸化チタン微粒子又はアル
ミナ微粒子より比表面積が大きいあるいは/およびメタ
ノール疎水化度が小さいことにより、電荷のリークと帯
電の緩和を行なうことができる。比表面積が酸化チタン
微粒子又はアルミナ微粒子より小さくメタノール疎水化
度が大きい場合には、酸化チタン微粒子又はアルミナ微
粒子あるいはトナーより発生する摩擦帯電の電荷のリー
クや水分を介しての電荷の普遍化を行なえなくなる。つ
まり無機微粉体Bが酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒
子より比表面積を大きく持つことで、水分の吸着ポイン
ト、電荷のリークポイント、電荷の移動ポイントの総数
を増加することができる。さらに、無機微粉体Bが酸化
チタン微粒子又はアルミナ微粒子よりメタノール疎水化
度を小さくすることで、水分の吸着ポイント,電荷のリ
ークポイント,電荷の移動ポイントの密度を高く維持す
ることができる。この両者を同時に兼ね備えることも好
ましい。
【0140】電荷のリークという観点からのみ見れば、
酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子のメタノール濡れ
性半値を小さくすることが考えられるが、こうしてしま
うと処理が不均一であるので現像性,流動性,転写性の
バランスが取れなくなってしまったり、電荷のリークが
過剰になってしまう。したがって本発明の特徴とするメ
タノール濡れ性半値が55%以上と大きい酸化チタン微
粒子又はアルミナ微粒子を用いたうえで無機微粉体Bを
用いることが、酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子の
効果をまったく失わずに適度に電荷のリーク,帯電緩和
作用の効果を得ることができる。さらに酸化チタン微粒
子又はアルミナ微粒子と同時に使用することにより、無
機微粉体Bの弊害である電荷の過度のリークを最小限に
抑えることができる。当然のことながら無機微粉体Bの
みでは、電荷のリーク作用が主に働き、帯電不足になっ
てしまう。つまり酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子
が存在することでここからの電荷の発生によりバランス
を保っているのである。すなわち、トナー粒子や酸化チ
タン微粒子又はアルミナ微粒子で発生する電荷を無機微
粉体Bによりトナー粒子上に非局在化すると共に、過剰
の電荷をリークし摩擦帯電量を一定に保つことができ
る。特に低湿下においてその効果が大きい。さらに分極
も抑さえられるとともに電荷も大きくならないので静電
凝集が少なく流動性を大きく向上させることができる。
さらに無機微粉体B自体にも流動化効果があるので、こ
の点からも流動性を極めて良好にすることができる。
【0141】特には無機微粉体BのBET1点法による
比表面積が30m2/g以上であることが好ましく、更
に好ましくは30〜400m2/gであり、特に好まし
くは50〜300m2/gである。比表面積が30m2
g未満であると、電荷のリーク,帯電の非局在化効果に
劣るようになり、電荷の緩和均一化に効果を大きくは期
待できなくなる場合があり、比表面積が400m2/g
を超える場合には、電荷のリークが大きすぎる場合が出
てくる。
【0142】無機微粉体Bのメタノール疎水化度が60
%以下であることが好ましく、60%を超える場合に
は、電荷のリーク効果,電荷の拡散効果が小さくなる傾
向にある。しかしながら、このメタノール疎水化度は無
機微粉体Bの比表面積と関係が深く、比表面積が200
2/gを超える場合には20〜70%程度のものが良
く、弊害を十分に抑えて効果を十分に発揮できる。20
%未満では弊害が現われる場合があり、70%を超える
場合には効果が薄れてくることがある。同様のことが、
比表面積が100〜200m2/gの場合には10〜6
5%程度のものが良く、100m2/g未満の場合には
60%以下のものが良い。すなわち比表面積が大きくな
るにしたがってある程度疎水化処理をしたほうが効果を
あげ弊害をへらし、バランス良く用いることができ、比
表面積の大きさによって疎水化度を高くすることが可能
である。100m2/g未満の場合には、疎水化の処理
は通常あまり必要ではなく、100m2/gを超える場
合には疎水化処理を施したほうが好ましく、200m2
/gを超える場合にはある程度の疎水化度が好ましくな
ってくる。また100m2/gを超えるものを疎水化し
て用いることは、粒子径の小さいものを添加量を多くし
て用いることができるので、帯電の緩和均一化を行ない
やすいばかりでなく、流動性向上効果も大きく期待でき
る。
【0143】処理後の無機微粉体Bの平均粒径が0.1
μm未満であることが好ましく、0.1μm以上では電
荷のリークに均一性が得られにくく、十分な流動性,均
一帯電性が得られず効果が現われなくなったり、現像
性,耐久性に劣るようになる。中でも、酸化チタン微粒
子又はアルミナ微粒子の粒径の2倍より小さいことが好
ましく、特には無機微粉体Aと同程度かより小さいこと
が好ましい。ここで平均粒径は10万倍の透過電子顕微
鏡像から任意の一次粒子400個の粒子径を実測し、個
数平均径を出したものである。径は長軸を測定し、長軸
/短軸比が2以上である場合には、その平均値を測定算
出する。
【0144】更に、無機微粉体Bの含水率が6.0質量
%以下であることが好ましく、高湿下での悪影響がな
い。含水率が6.0質量%を超える場合には、無機微粉
体Bの吸湿性が高く、高湿下や長期保存後の電荷のリー
クが大きくなり過ぎるようになり、カブリ等が発生する
ことがある。また含水率は、5.0質量%以下であるこ
とが好ましく、特には3.0質量%以下であることが好
ましい。
【0145】また、嵩密度が0.5g/cm3以下であ
ることが好ましく、さらには0.3g/cm3以下であ
ることが好ましく、特に好ましくは0.2g/cm3
下である。嵩密度が0.5g/cm3を超えると流動性
に悪影響を及ぼし、現像性不均一となり、濃度ムラを生
じるようになることがある。
【0146】本発明の無機微粉体Bの含有量はトナー1
00質量部に対し0.05〜1.5質量部であることが
好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.0質量部で
あり、特に好ましくは0.1〜1.0質量部である。
0.05質量部未満の場合にはその添加効果が小さくな
り、1.5質量部を超える場合には電荷のリークが大き
くなり帯電不良を生じやすくなってくる。
【0147】また無機微粉体Bの含有量は、酸化チタン
微粒子又はアルミナ微粒子の1に対して1以下であるこ
とが好ましく、さらには0.02〜0.8である。0.
02未満では無機微粉体Bの効果が現われにくく、1を
超える場合には酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子の
効果を減少させてしまうことがある。
【0148】無機微粉体CはpH7以上とするため、前
記無機微粉体と反応あるいは物理吸着するシラザン化合
物、窒素原子が直接珪素原子に結合しているシラン化合
物、窒素元素を含有する置換基を有するシラン化合物、
窒素元素を含有する置換基を有するシリコーンオイルで
処理される。必要に応じて、例えば前記処理剤で充分な
疎水化が得られない場合は、シラン化合物、シリコーン
オイルで処理されたものも好ましく用いられる。例え
ば、更に疎水化を上げるために、その他の有機珪素化合
物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物で合わ
せて処理されてもよく、中でもシラン化合物、シリコー
ンオイル、シリコーンワニスが好ましく用いられ、複数
種類の処理剤を併用しても構わない。
【0149】すなわち、これらの処理剤で表面処理する
ことで無機微粉体Cの疎水化を十分に行ない、過度の電
荷のリークを防止しながらも電荷の緩和を効果的に行な
うことができるので、高湿下での現像性,転写性,耐久
性,保存安定性を良好にしたうえで低湿下の過剰帯電,
不均一帯電を防止し、帯電安定性,帯電均一性,静電凝
集防止を達成することができる。つまり無機微粉体を疎
水化処理することで、一旦、電荷リークポイントを減少
させ、そこに新たにpH7以上を与える部位、例えば極
性物質,官能基を導入することで、穏やかに作用する電
荷リークポイントを導入することができる。したがっ
て、必要以上の水分吸着がなく過度の電荷のリークをす
ることがないので、電荷の緩和を弊害なく行なうことが
できる。これらの部位は正帯電性である場合が多く、無
機微粉体Cは摩擦帯電量が小さいか正帯電するようにな
る。無機微粉体は強い負帯電性を示すことが多いので、
この点からも摩擦帯電を穏やかにすることができる。更
に、任意に疎水化度をあげたり、比表面積を大きくした
りすることができるので、流動性を向上させるために無
機微粉体Cを合わせていくことができ、トナーに極めて
優れた流動性を与えることができ、帯電量が高くなり静
電凝集が大きくなる低湿下においてその効果を顕著に現
わすことができる。特に、一成分現像方法においては、
流動性が悪化すると筋状やさざなみ状の濃度ムラが発生
しやすく、この点で本発明のトナーは効果を大きく発揮
する。
【0150】無機微粉体Cの表面処理に用いられるシラ
ザン化合物、窒素原子が直接珪素原子に結合しているシ
ラン化合物の例として、ヘキサメチルジシラザン、1,
3−ビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメ
チルジシラザン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラ
ン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、ビス
(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチル
アミノ)ジメチルシラン、ビス−N,N’−(トリメチ
ルシリル)ピペラジン、t−ブチルアミノトリエチルシ
ラン、t−ブチルジメチルアミノシラン、t−ブチルジ
メチルシリルイミダゾール、t−ブチルジメチルシリル
ピロール、N,N’−ジエチルアミノトリメチルシラ
ン、1,3−ジ−n−オクチルテトラメチルジシラザ
ン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザン、1,
3−ジビニル−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニル
ジシラザン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザ
ン、ヘプタメチルジシラザン、1,1,3,3,5,5
−ヘキサメチルシクロトリシラザン、ノナメチルトリシ
ラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、1,1,
3,3−テトラメチルジシラザン、2,2,5,5−テ
トラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタ
ン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−
テトラビニルシクロテトラシラザン、1,1,3,3−
テトラフェニル−1,3−ジメチルジシラザン、N−ト
リメチルシリルイミダゾール、N−トリメチルシリルモ
ルホリン、N−トリメチルシリルピペラジン、N−トリ
メチルシリルピロール、N−トリメチルシリルトリアゾ
ール、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニ
ルシクロトリシラザン、ヘキサフェニルシクロジシラザ
ン、シロキサン単位を置換基とするシラザン類が挙げら
れる。特にシラザン化合物が疎水化が高くなりpH値を
調整しやすく、低湿下と高湿下のバランスが取りやすい
ため好ましく用いられる。
【0151】窒素元素を含有する置換基を有するシラン
化合物としては、下記一般式(4)で表わせるシラン化
合物、窒素元素を含有する置換基を有するシランカップ
リング剤類、窒素元素を含有する置換基を有するシロキ
サン類、窒素元素を含有する置換基を有するシラザン類
があげられる。
【0152】(R11pSiY4-p・・・・・(4)
【0153】ここで、R11はアミノ基または窒素原子を
少なくとも1つ以上有するオルガノ基を示し、Yはアル
コキシ基,ハロゲンを表わし、pは1〜3の整数を表わ
す。窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基と
しては、有機基を置換基として有するアミノ基、飽和含
窒素複素環基、不飽和含窒素複素環基を有する基が例示
される。複素環基としては、例えば次式のものが例示さ
れる。中でも、5員環,6員環のものが安定性の点から
好ましい。
【0154】
【化2】
【0155】一般式(4)で表わせるシラン化合物、窒
素元素を含有する置換基を有するシランカップリング剤
の例として、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピ
ルトリメトキシシラン、ジメチルアミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノ
ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチル
アミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピ
ルジメチルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニ
ルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロ
ピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピ
ルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピル
ピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホ
リン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾー
ル、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノブ
チルジメチルメトキシシラン、4−アミノブチルメチル
ジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルジメチルメトキシシランがあげられる。
【0156】窒素元素を含有する置換基を有するシラザ
ン類の例としては、1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,
3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−テト
ラメチルジシラザン;1,3−ビス{N(2−アミノエ
チル)アミノプロピル}−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシラザン;1,3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン;1,
3−ビス(ジエチルアミノプロピル)−1,1,3,3
−テトラメチルジシラザン;1,3−ビス(3−プロピ
ルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジ
シラザン;1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシラザンを挙げることがで
きる。
【0157】窒素元素を含有する置換基を有するシロキ
サン類の例としては、1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;
1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス{N(2−ア
ミノエチル)アミノプロピル}−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン;1,3−ビス(ジメチルアミノ
プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン;1,3−ビス(ジエチルアミノプロピル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン;1,3−ビス
(3−プロピルアミノプロピル)−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン;1,3−ビス(3−アミノプ
ロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
を挙げることができる。
【0158】窒素元素を含有する置換基を有するシリコ
ーンオイルとしては、珪素原子上の置換基が水素,メチ
ル基,フェニル基,一部または全部の水素がフッ素置換
されたアルキル基のいずれかであるシリコーンオイルに
おいて窒素元素を有する置換基をポリシロキサン骨格の
側鎖,両末端,片末端,側鎖片末端,側鎖両末端に導入
した含窒素シリコーンオイルがあげられる。好ましくは
この置換基が次式で表わせる置換基であることが好まし
い。
【0159】−R−NR1213、−R’−NR14−R”
−NR1516、−R−R17、−R−NR14−R17
【0160】式中、R,R’,R”はフェニレン基,ア
ルキレン基を表わし、R12,R13,R14,R15,R16
水素、置換基を有していても良いアルキル基,アリール
基を表わし、R17は含窒素複素環を表わす。またこれら
の置換基がアンモニウム塩の形態をとっていても良い。
【0161】これらの含窒素シリコーンオイルは、エポ
キシ基、ポリエーテル基、メチルスチリル基、アルキル
基、脂肪酸エステル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フ
ェノール基、ビニル基の如き置換基を同時に有していて
も良い。
【0162】これらの含窒素シリコーンオイルは、25
℃における粘度が5,000mm2/s以下であること
が好ましい。5,000mm2/sを超える場合は、分
散が不十分になり均一処理しずらくなる。さらに、分子
量を1分子あたりのアミンの数で割ったアミン当量が2
00〜40,000であることが好ましく、さらに好ま
しくは300〜30,000であることが良い。このア
ミン当量が40,000を超える場合には、帯電の緩和
効果が現われにくい場合があり、200未満の場合には
電荷のリークが増大し過ぎる場合がある。さらに、これ
らの含窒素シリコーンオイルを複数用いることも可能で
ある。具体的にはアミノ変性シリコーンオイル、アミノ
変性を含む異種官能基変性シリコーンオイルがあげられ
る。
【0163】無機微粉体Cを表面処理するのに用いられ
るその他のシラン化合物としては、メトキシシラン,エ
トキシシラン,プロポキシシランの如きアルコキシシラ
ン類、クロルシラン,ブロモシラン,ヨードシランの如
きハロシラン類、ハイドロシラン類、アルキルシラン
類、アリールシラン類、ビニルシラン類、アクリルシラ
ン類、エポキシシラン類、シリル化合物類、シロキサン
類、シリルウレア類、シリルアセトアミド類、及びこれ
らのシラン化合物類が有する異種の置換基を同時に有す
るシラン化合物類があげられる。その具体例として、ト
リメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチル
エトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリ
クロルシラン、t−ブチルジメチルメトキシシラン、ア
リルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシ
ラン、ベンジルメチルジクロルシラン、ブロムメチルジ
メチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラ
ン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチル
ジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタ
ン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリ
ルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、N,O−(ビストリメチ
ルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシ
リル)ウレア、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジ
ビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル
テトラメチルジシロキサン、1分子当たり2から12個
のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にシラノー
ル基を含有するジメチルポリシロキサンがあげられる。
【0164】無機微粉体Cを表面処理するその他のシリ
コーンオイルとしては、例えばエポキシ変性,カルボキ
シル変性,カルビノール変性,メタクリル変性,メルカ
プト変性,フェノール変性,異種官能基変性の如き反応
性シリコーン;ポリエーテル変性,メチルスチリル変
性,アルキル変性,脂肪酸変性,アルコキシ変性,フッ
素変性の如き非反応性シリコーン;ジメチルシリコー
ン,メチルフェニルシリコーン,ジフェニルシリコー
ン,メチルハイドロジェンシリコーンの如きストレート
シリコーンがあげられる。
【0165】これらのシリコーンオイルの中でも非反応
性シリコーン,ストレートシリコーンが好ましく用いら
れる。具体例としては、ジメチルシリコーン,ポリエー
テル変性シリコーンである。
【0166】これらのシリコーンオイルは、25℃にお
ける粘度が5〜2,000mm2/sであることが好ま
しい。更に好ましくは10〜1,000mm2/sであ
る。5mm2/s未満では目的の疎水性が得られないこ
とがあり、2,000mm2/sを超える場合には無機
微粉体処理等に均一に処理しずらくなったり、凝集物が
できやすく十分な流動性が得られないことがある。これ
らのシリコーンオイルを複数用いても良い。
【0167】無機微粉体CはpHが7以上であることを
特徴とし、電荷のリークと帯電の緩和を行なうことがで
きる。より好ましくは7.5〜12.0であり、特には
8.0〜11.0である。pHが7未満の場合には、有
機処理酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子より発生、
あるいはトナーより発生する摩擦帯電の電荷のリークや
水分を介しての電荷の普遍化を行いずらくなり、また1
2.0を超える場合には、電荷のリークが大きくなり過
ぎることがある。すなわち、無機微粉体CのpHは微粉
体表面上の極性化合物,官能基によりもたらされ、ある
一定量以上となるとpH7以上を示すようになる。この
pHをもたらす極性物質,官能基が電荷緩和作用のポイ
ントとなる。このような物質は、処理剤上の置換基や反
応残基によりもたらされる。例えばシラザン類,シリル
アミン類を用いた場合はアンモニアやアミン類がこの役
割をはたす。またアミノシラン,アミノ変性シリコーン
オイルを用いた場合は、珪素上のアミノアルキル基がこ
の役割をはたすものである。
【0168】つまり、無機微粉体CのpHを7以上とす
ることで、水分の吸着ポイント,電荷のリークポイン
ト,電荷の移動ポイントの密度を効果のある状態に維持
することができる。また無機微粉体Cは比表面積を大き
くすると、水分の吸着ポイント,電荷のリークポイン
ト,電荷の移動ポイントの有効範囲を拡大することもで
きる。
【0169】電荷のリークという観点からのみ見れば、
有機処理酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子のメタノ
ール濡れ性半値を小さくすることが考えられるが、こう
してしまうと処理が不均一であるので現像性,流動性,
転写性のバランスが取れなくなってしまったり、電荷の
リークが過剰になってしまう。したがって本発明の特徴
とする有機処理酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を
用いたうえで無機微粉体Cを用いることが、有機処理酸
化チタン微粒子又はアルミナ微粒子の効果をまったく失
わずに適度に電荷のリーク,帯電緩和作用の効果を得る
ことができる。当然のことながら無機微粉体Cのみで
は、高湿下では電荷のリーク作用が働き、帯電不足にな
りがちである。つまり有機処理酸化チタン微粒子又はア
ルミナ微粒子が存在することでここからの電荷の発生に
よりバランスを保っているのである。すなわち、有機処
理酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子で発生する電荷
を無機微粉体Cによりトナー粒子上に非局在化すると共
に、過剰の電荷をリークし摩擦帯電量を一定に保つこと
ができる。特に低湿下においてその効果が大きい。さら
に分極も抑さえられるとともに電荷も大きくならないの
で静電凝集が少なく流動性を大きく向上させることがで
きる。さらに無機微粉体C自体にも流動化効果があるの
で、この点からも流動性を極めて良好にすることができ
る。無機微粉体Cの疎水化度を上げることができるの
で、粒径を小さくしたり比表面積を大きくすることが可
能となり、無機微粉体Cの流動化効果を大きくすること
ができ、無機微粉体Cの添加で流動性アップを大きく期
待できる。
【0170】特には無機微粉体CのBET1点法による
比表面積が50m2/g以上であることが好ましく、更
に好ましくは60〜400m2/gであり、特に好まし
くは70〜300m2/gである。比表面積が50m2
g未満であると、電荷のリーク,帯電の非局在化効果に
劣るようになり、電荷の緩和均一化に効果を大きくは期
待できなくなる場合があり、比表面積が400m2/g
を超える場合には、電荷のリークが大きすぎる場合が出
てくる。
【0171】無機微粉体Cのメタノール疎水化度が30
%以上であることが好ましく、更には40%以上、特に
は50%以上である。30%未満の場合には、電荷のリ
ーク効果、電荷の拡散効果が大きくなる傾向にある。疎
水化度を大きくして用いることは、粒子径の小さいもの
を添加量を多くして用いることができるので、帯電の緩
和均一化を行ないやすいばかりでなく、流動性向上効果
も大きく期待できる。
【0172】処理後の無機微粉体Cの平均粒径が0.1
μm未満であることが好ましく、0.1μm以上では電
荷のリークに均一性が得られにくく、十分な流動性,均
一帯電性が得られず効果が現われなくなったり、現像
性,耐久性に劣るようになる。中でも、有機処理酸化チ
タン微粒子又はアルミナ微粒子の粒径の2倍より小さい
ことが好ましく、特には有機処理酸化チタン微粒子又は
アルミナ微粒子と同程度かより小さいことが好ましい。
ここで平均粒径は10万倍の透過電子顕微鏡像から任意
の一次粒子400個の粒子径を実測し、個数平均径を出
したものである。径は長軸を測定し、長軸/短軸比が2
以上である場合には、その平均値を測定算出する。
【0173】嵩密度が0.5g/cm3以下であること
が好ましく、さらには0.3g/cm3以下であること
が好ましく、特に好ましくは0.2g/cm3以下であ
る。嵩密度が0.5g/cm3を超えると流動性に悪影
響を及ぼし、現像性が不均一となり、濃度ムラを生じる
ようになることがある。
【0174】本発明の無機微粉体Cの含有量はトナー1
00質量部に対し0.05〜2.0質量部であることが
好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.5質量部で
あり、特に好ましくは0.1〜1.0質量部である。
0.05質量部未満の場合にはその添加効果が小さくな
り、2.0質量部を超える場合には有機処理酸化チタン
微粒子又はアルミナ微粒子の効果が薄れてしまう。
【0175】無機微粉体Cの含有量は、有機処理酸化チ
タン微粒子又はアルミナ微粒子の1に対して1以下であ
ることが好ましく、さらには0.02〜0.8である。
0.02未満では無機微粉体Cの効果が現われにくく、
1を超える場合には有機処理酸化チタン微粒子又はアル
ミナ微粒子の効果を減少させてしまうことがある。
【0176】本発明において無機微粉体Cの処理母体1
00質量部に対する、処理剤の処理量は1〜40質量部
であることが好ましく、さらに好ましくは2〜30質量
部である。1質量部未満では処理効果が現われず、40
質量部を超える場合には凝集物が増加し、流動性が悪化
することがある。
【0177】処理剤が窒素元素を有する置換基を有する
シラン化合物の場合には、無機微粉体100質量部に対
し0.01〜20質量部で処理されていることが好まし
く、更に好ましくは0.05〜15質量部、特に好まし
くは0.1〜10質量部である。0.01質量部未満で
は電荷のリークによる過剰帯電の防止,正負帯電の安定
性が不十分であったりする。20質量部を超える場合に
は、電荷のリークが多くなり帯電不良や高湿下での帯電
不足を発生したりすることがある。負帯電性トナーの場
合には逆極性粒子の発生、正帯電性トナーの場合には帯
電過剰や選択現像を発生するようになる。
【0178】処理剤が窒素元素を有する置換基を有する
シリコーンオイルの場合には、無機微粉体100質量部
に対し0.1〜30質量部で処理されていることが好ま
しく、更に好ましくは0.2〜20質量部、特に好まし
くは0.5〜15質量部である。0.1質量部未満では
電荷のリークによる過剰帯電の防止,正負帯電の安定性
が不十分であったりする。30質量部を超える場合に
は、電荷のリークが多くなり帯電不良や高湿下での帯電
不足を発生したりすることがある。負帯電性トナーの場
合には逆極性粒子の発生、正帯電性トナーの場合には帯
電過剰や選択現像を発生するようになる。
【0179】これら数種類の処理剤を用いる場合は、各
処理剤が上記の範囲内で用いられ、全部あわせた処理量
が50質量部以下であることが好ましく、更に好ましく
は3〜45質量部、特に好ましくは6〜40質量部であ
る。50質量部を超える場合には、凝集体を発生した
り、処理が不均一になり易くなる。
【0180】本発明においてpH測定はガラス電極を用
いたpHメータを用いて行なう。試料4.0gをビーカ
ーに量り取りメタノール50cm3を加え、試料をぬら
し、更に純水50cm3を加えてホモミキサーにて十分
にかくはんさせる。その後pHメータを用いてpH値を
測定する。
【0181】無機微粉体Cとして、中でもシリカをシラ
ザン類で処理したものが疎水化度が高い上に電荷の緩和
効果が大きいので特に好ましく用いられる。シリカ原体
に含まれる水分によってシラザン類とシリカ表面のシラ
ノール基の反応が促進されるので、該水分量によりメタ
ノール疎水化度をコントロールすることが可能である。
その含水率が0.5質量%以上含ませることで疎水化度
を高めることができ、好ましくは0.7質量%以上、更
に好ましくは1.0質量%以上である。含水率は原体の
加湿、乾燥により調整できる。
【0182】酸化チタン微粒子,アルミナ微粒子及び無
機微粉体B,Cへの各種処理剤の処理法としては、水系
媒体中で処理する方法、有機溶剤中で処理する方法、気
相中で処理する方法があげられる。
【0183】水系媒体中で処理する方法は、酸化チタン
微粒子,アルミナ微粒子及び無機微粉体B,Cの如き被
処理粒子を一次粒子となる様に分散し、シラン化合物を
加水分解しながら処理をする。シリコーンオイルの場合
はエマルジョンを利用して処理をする。この処理法で
は、被処理粒子を製造してから乾燥工程を経ずに、水系
ペーストのまま水系媒体中に分散できるので、一次粒子
に分散し易い反面、処理後、処理粒子が親油性を示すの
で、粒子の合一が始まり、凝集体ができやすい傾向にあ
る。数種の処理剤で処理する時は同時に添加しても良い
し、順次添加しても良い。
【0184】気相法のなかには、被処理粒子を機械的に
あるいは気流で十分に撹はんしながら、処理剤を滴下ま
たは噴霧して処理をする方法(これを「気相法1」と称
す)がある。この際、反応機を窒素置換したり、50〜
350℃に加熱することも好ましい。処理剤の粘度が高
い場合には、アルコール,ケトン,炭化水素の如き溶剤
を用いて希釈しても良い。また処理時に反応性を高める
ために、アンモニア,アミン,アルコール,水を添加し
ても良い。この処理法では反応がしっかり行なわれるの
で、高疎水化と均一性が得られやすい好ましい方法であ
るが、未処理の粒子を強く長時間撹はんすると、粒子の
合一化が生じたり、処理の不均一性を生じやすいので注
意が必要である。
【0185】気相法のもう一つの方法として、気相法
(塩素法,低温酸化法等)で被処理粒子をキャリアガス
中に生成させた直後に(取り出すことをせずに)処理剤
を、場合によっては溶剤で希釈して、気化,霧化し気相
中で被処理粒子に処理する方法(これを「気相法2」と
称す)がある。この方法では気相法1の利点に加えて、
被処理粒子が合一する前に処理が行なわれるので、凝集
体ができにくく好ましい方法である。数種の処理剤で処
理する時同時に添加しても良いし、順次添加しても良
い。
【0186】有機溶剤中で処理する方法は、被処理粒子
を有機溶剤中に分散させ、処理剤により処理し、濾別ま
たは溶剤を溜去してその後乾燥する方法である。凝集物
を減らすために、この後ピンミル,ジェットミルで解砕
処理をほどこすことも好ましい。乾燥工程は静置下で
も、流動させながらでも良く、50〜350℃程度に加
熱することが好ましく、減圧しても良い。有機溶剤とし
ては、トルエン,キシレン,ヘキサン,アイソパーの如
き炭化水素系有機溶剤が好ましく用いられる。分散処理
する方法としては、かくはん機,振とう機,粉砕機,混
合機,分散機が用いられ、中でもセラミックス,メノ
ウ,アルミナ,ジルコニアでできたボール、ビーズの如
きメディアを用いた分散機が好ましく用いられる。例え
ば、サンドミル,グレンミル,バスケットミル,ボール
ミル,サンドグラインダー,ビスコミル,ペイントシェ
イカー,アトライター,ダイノミル,パールミルがあ
る。特に好ましい処理法としては、被処理粒子を有機溶
剤中に分散させペーストとしてから処理剤を添加して分
散機にかける方法、処理剤を含む有機溶剤の被処理粒子
ペーストを分散機にかける方法、有機溶剤に処理剤と被
処理粒子を加えペーストとしたものを分散機にかける方
法、ペーストを分散機にかけながら処理剤を添加する方
法がある。有機溶剤中で処理する方法は被処理粒子を分
散した状態で処理でき、処理後も合一が起こりにくく、
凝集体が発生しずらいので好ましい方法である。数種の
処理剤で処理する時はスラリー調製時に同時に添加して
も良いし、順次添加しても良いし、分散機にかける時に
追加添加しても良い。或いは、数回分散機にかける場合
には、分散機にかける毎に、予めスラリー中で添加混合
あるいは分散機にかけているときに順次添加しても良
い。
【0187】処理方法は上記の四つの方法が利用でき、
処理剤は同時に処理しても良いし、順不同で数段階に分
けて処理しても良い。複数回に分けて処理する場合に
は、どのような処理法の組み合わせであっても良い。
【0188】どの工程を用いても処理後に、ピンミル、
ハンマミル、ジェットミルの如き粉砕機を利用し解砕処
理をほどこすことも凝集体を減らし本発明で用いる酸化
チタン微粒子,アルミナ微粒子及び無機微粉体B,Cの
効果を十分に発揮するためにも好ましい。
【0189】酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子の場
合には、処理時における合一を防ぎ、凝集体の発生を押
さえたり、均一な高疎水化と均一な離型性を達成するた
めに、シラン化合物タイプの処理剤とシリコーンオイル
タイプの処理剤を同時に処理するか(処理剤として両者
を同時に添加する)、シラン化合物タイプの処理剤で処
理した後シリコーンオイルタイプの処理剤で処理するこ
とが好ましい。処理法としては、有機溶剤中での処理・
気相法が好ましい。中でも好ましい方法としては、有機
溶剤中でシラン化合物タイプの処理剤とシリコーンオイ
ルタイプの処理剤を同時に処理する方法、気相法2で、
シラン化合物タイプの処理剤とシリコーンオイルタイプ
の処理剤を同時に処理する方法がある。水系媒体中、気
相法、有機溶剤中でシラン化合物タイプの処理剤で処理
したものを有機溶剤中あるいは気相法でシリコーンオイ
ルタイプの処理剤で処理する方法がある。これらの方法
のなかでシリコーンオイルタイプの処理剤による処理が
有機溶剤中で行なわれることが特に好ましい方法であ
る。
【0190】無機微粉体B,Cにおいては、シリカの場
合には気相法1,気相法2が好ましく、酸化チタンの場
合には水系法,溶剤法,気相法2が好ましく、アルミナ
の場合には、溶剤法,気相法1,気相法2が好ましく用
いられる。
【0191】更に無機微粉体Cにおいて、シリカを用い
てシラザン類で処理する場合には該シリカ原体0.5〜
5質量%程度の水分を含有するものを用い、気相法1に
より処理することが好ましく、処理後、反応残基がある
程度残留するように脱気処理は完全にしないほうが良
い。このように製造することで、疎水性が高く、帯電緩
和作用の優れた無機微粉体が得やすい。
【0192】本発明においては、トナーの結着樹脂とし
て、下記の結着樹脂の使用が可能である。
【0193】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレンおよびそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹
脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビ
ニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹
脂、石油系樹脂が使用できる。好ましい結着物質として
は、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂があり、特にはポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリオール樹脂である。
【0194】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル、アクリルアミドの如き二重結
合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例え
ば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカル
ボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;例えばエ
チレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフ
ィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケ
トンの如きビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル
の如きビニルエーテル類;の如きビニル単量体が単独も
しくは2つ以上用いられる。
【0195】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていてもよくまた混合樹脂でもかまわな
い。
【0196】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンの
如き芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホンなどのジビニル化合物;および3個以上のビ
ニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用
いられる。
【0197】本発明のに用いられる酸化チタン微粒子又
はアルミナ微粒子は耐湿性に優れるので、帯電性におい
て湿度の影響を受け易いポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリオール樹脂を含有するトナーに好適に用いられ
る。すなわち、これらの樹脂の弊害を補い、高湿下にお
ける良好な現像性を維持することができる。ポリエステ
ル樹脂、ポリオール樹脂、エポキシ樹脂は定着性に優
れ、特にフルカラートナーにおいては混色性に優れるの
で好ましく用いられている。すなわち、本発明の酸化チ
タン微粒子又はアルミナ微粒子をポリエステル樹脂、ポ
リオール樹脂、エポキシ樹脂を結着樹脂成分として含有
しているトナーと用いると、定着性と高湿下の現像性,
経時における放置安定性が得られる。更にカラートナー
においては、優れた転写性と混色性が得られえるので、
美しいピクトリアル画像が得られる。
【0198】上述の理由から、スチレン系樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリオール樹脂、エポキシ樹脂の混合物、
更にこれらの樹脂のグラフト共重合体、ブロック共重合
体およびこれらの混合物にも好ましく用いられる。
【0199】本発明に用いられるエポキシ樹脂、ポリオ
ール樹脂は以下のようなものである。例えば、骨格とし
ては、ビスフェノールA型、ハロゲン化ビスフェノール
A型、ビフェニル型、サリゲニン型、スルフォン型、長
鎖ビスフェノール型、レゾルシン型、ビスフェノールF
型、テトラハイドロキシフェニルエタン型、ノボラック
型、アルコール型、ポリグリコール型、ポリオール型、
グリセリントリエーテル型、ポリオレフィン型、エポキ
シ化大豆油、脂環型のものが用いられ、好ましくはビス
フェノール型のものが良い。さらにこれらのものに、硬
化剤と反応させたもの、末端エポキシ基を活性水素を有
する化合物を反応させたもの、フェノール・多価フェノ
ール類と反応させたもの、アミン類・多価アミン類と反
応させたもの、カルボン酸・多塩基酸・酸無水物・エス
テル誘導体・ラクトンと反応させたもの、ポリアミドと
反応させたもの、カルボン酸基を有するオリゴマーと反
応させたものが好ましく用いられる。さらに、水酸基を
カルボン酸・酸無水物・ラクトン・ラクタムと反応させ
たものが特に好ましく用いられる。
【0200】活性水素含有化合物としては、例えば次の
ようなものが挙げられる。フェノール類として、フェノ
ール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフ
ェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キ
シレノール、p−クミルフェノールが挙げられ、2価フ
ェノール類として、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールAD、ビスフェノールSが挙げられ
る。カルボン酸として、酢酸、プロピオン酸、カプリン
酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アクリル酸、オレイン酸、マーガリン酸、アラ
ギン酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられる。エステ
ル誘導体として、上記カルボン酸のアルキルエステルが
挙げられ、なかでも低級アルキルエステルが好ましく、
とくにはメチルエステル、エチルエステルが好ましく用
いられる。ラクトン類として、β−プロピオラクトン、
δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロ
ラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが
挙げられる。アミンとして、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミ
ン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、
オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデ
シルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テト
ラデシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミンが
挙げられる。
【0201】本発明に用いられるポリエステル樹脂の組
成は以下の通りである。
【0202】2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記
(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0203】
【化3】
【0204】(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基
であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、
x+yの合計値は0〜10である。)
【0205】下記式(B)式で示されるジオール類;
【0206】
【化4】
【0207】(式中、R’は−CH2CH2−又は
【0208】
【化5】 であり、x’,y’は0以上の整数であり、かつ、x’
+y’の合計値は0〜10である。)が挙げられる。
【0209】2価の酸成分としては、例えばフタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベン
ゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエス
テル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級
アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデ
シルコハク酸の如きアルケニルコハク酸類もしくはアル
キルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステ
ル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸
の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アル
キルエステル;の如きジカルボン酸類及びその誘導体が
挙げられる。
【0210】架橋成分としても働く3価以上のアルコー
ル成分と3価以上の酸成分を併用することが耐久性を向
上させる上で好ましい。
【0211】3価以上の多価アルコール成分としては、
例えばソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,
5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
【0212】本発明における3価以上の多価カルボン酸
成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット
酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5
−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−
ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2
−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ
(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オ
クタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこ
れらの無水物、低級アルキルエステル;次式
【0213】
【化6】
【0214】(式中、Xは炭素数1以上の側鎖を1個以
上有してもよい炭素数30以下のアルキレン基又はアル
ケニレン基)で表わされるテトラカルボン酸、及びこれ
らの無水物、低級アルキルエステルの如き多価カルボン
酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0215】本発明に用いられるアルコール成分として
は40〜60mol%、好ましくは45〜55mol
%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは5
5〜45mol%であることが好ましい。
【0216】3価以上の多価の成分は、全成分中の1〜
60mol%であることも好ましい。
【0217】現像性、定着性、耐久性、クリーニング性
の点からスチレン系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ
オール樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらのブロック共
重合体、グラフト共重合体あるいはこれら樹脂の混合物
が好ましい。
【0218】スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂との
混合物においてはGPCにより測定される分子量分布で
105以上の領域にピークを有することが好ましく、更
に3×103〜5×104の領域にもピークを有すること
が定着性、耐久性の点で好ましい。
【0219】このような樹脂成分は、たとえば以下に示
すような方法を用いて得ることができる。
【0220】溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重
合、ブロック共重合、グラフト化を応用し、分子量3×
103〜5×104の領域にメインピークを有する重合体
(L)と、105以上の領域にメインピークを有する重
合体あるいはゲル成分を含有する重合体(H)を形成す
る。これらの成分を溶融混練時にブレンドすることによ
って得ることができる。ゲル成分は溶融混練時に一部あ
るいは全部切断することができ、THF可溶分となって
105以上の領域の成分としてGPCで測定されるよう
になる。
【0221】特に好ましい方法としては、重合体(L)
または重合体(H)を溶液重合で形成し、重合終了時
に、他方を溶媒中でブレンドする方法、一方の重合体存
在下で他方の重合体を重合する方法、重合体(H)を懸
濁重合で形成し、この重合体存在下で重合体(L)を溶
液重合で重合して得る方法や溶液重合終了時に溶媒中で
重合体(H)をブレンドする方法、重合体(L)存在下
で、重合体(H)を懸濁重合で重合し得る方法がある。
これらの方法を用いることにより、低分子量分と高分子
量分が均一に混合した重合体が得られる。
【0222】圧力定着方式に供せられるトナー用の結着
樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリアミド
樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは、単独
でまたは混合して用いることができる。
【0223】結着樹脂としてスチレン系共重合体を使用
する時には、良好な定着性,耐ブロッキング性,現像性
を得る為に、以下のようなトナーが好ましい。
【0224】トナーのGPC(ジェルパーメイションク
ロマトグラフィ)による分子量分布において、3×10
3〜5×104の領域、好ましくは3×103〜3×104
の領域、特に好ましくは5×103〜2×104の領域に
少なくともひとつのピーク(P1)が存在することで、
良好な定着性,現像性,耐ブロッキング性を得ることが
できる。3×103未満では、良好な耐ブロッキング性
が得られず、5×104を超える場合には良好な定着性
が得られない。105以上の領域、好ましくは3×105
〜5×106の領域に少なくともひとつのピーク(P2
が存在し、3×105〜2×106の領域に105以上の
領域での最大ピークがあることが特に好ましく、良好な
耐高温オフセット性,耐ブロッキング性,現像性が得ら
れる。このピーク分子量は、大きいほど高温オフセット
には強くなるが、5×106以上の領域ピークが存在す
る場合には、圧力のかけることのできる熱ロールでは問
題ないが、圧力のかけられない時には、弾性が大きくな
り定着性に影響を及ぼすようになる。従って、中低速機
で用いられる比較的圧力の低い加熱定着においては、3
×105〜2×106領域にピークが存在し、これが10
5以上の領域での最大ピークであることが好ましい。
【0225】105以下の領域の成分を50%以上、好
ましくは60〜90%、特に好ましくは65〜85%と
する。この範囲内にあることで、良好な定着性と耐オフ
セット性が得られる。50%未満では、十分な定着性が
得られないだけでなく粉砕性も劣るようになり、90%
を超えるような場合には、耐オフセット性,耐ブロッキ
ング性に対して弱くなる傾向にある。
【0226】ポリエステル系樹脂,エポキシ系樹脂,ポ
リオール系樹脂の使用時には、トナーのGPCによる分
子量分布において分子量3×103〜2.0×104の領
域、好ましくは4×103〜1.7×104の領域、特に
好ましくは5×103〜1.5×104の領域にメインピ
ークが存在することが好ましい。磁性トナーに用いる場
合には、1.5×104以上の領域に少なくとも1つの
ピークまたショルダーが存在するかあるいは5×104
以上の領域が5%以上であることが好ましく、Mw/M
nが10以上であることも好ましい。
【0227】以上のような分子量分布である時に良好な
現像性,耐ブロッキング性,定着性,耐オフセット性を
得ることができる。
【0228】メインピークが3×103未満である場合
には、耐ブロッキング性,現像性が低下しやすくなる。
メインピークが2.0×104を超える場合には、良好
な定着性が得られなくなる。1.5×104以上の領域
にピーク,ショルダーが存在する場合や5×104以上
の領域が5%以上である場合やMw/Mnが10以上で
ある場合には良好な耐オフセット性を得ることが可能と
なる。
【0229】本発明のトナーに用いる結着樹脂はガラス
転移点(Tg)が50〜70℃であることが好ましい。
Tgが50℃未満の場合にはその耐ブロッキング性が悪
化してしまうことがあり、Tgが70℃を超える場合に
は定着性が悪化する。
【0230】本発明において、トナーのGPCによるク
ロマトグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
【0231】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、
THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料
の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布
を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成され
た検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえ
ば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が10
2〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標
準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検
出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なおカラムと
しては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み
合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製のshode
x GPC KF−801,802,803,804,
805,806,807,800Pの組み合わせや、東
ソー社製のTSKgelG1000H(HXL),G20
00H(HXL),G3000H(HXL),G4000H
(HXL),G5000H(HXL),G6000H
(HXL),G7000H(HXL),TSKguardc
olumnの組み合わせを挙げることができる。
【0232】また、試料は以下のようにして作製する。
【0233】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がな
くなるまで)、更に12時間以上静置する。このときT
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45
〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25
−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマ
ン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通
過させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹
脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0234】ガラス転移点の測定方法は、ASTM D
3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDS
C曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度
速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるDS
C曲線を用いる。定義は次のように定める。
【0235】ガラス転移点(Tg) 昇温時のDSC曲線において比熱変化の現われる前後の
ベースラインの中間点を結ぶ線とDSC曲線の交点の温
度。
【0236】定着時の定着部材からの離型性の向上,定
着性の向上の点から、次のようなワックス類をトナー中
に含有させることが好ましい。
【0237】例えば、パラフィンワックス及びその誘導
体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリス
タリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシ
ュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及
びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げ
られ、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロ
ック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコ
ール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ひま
し油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワック
ス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムも利用できる。
【0238】中でも好ましく用いられるワックスは、オ
レフィンを高圧下でラジカル重合あるいはチーグラー触
媒を用いて重合した低分子量のポリオレフィン及びこの
時の副生成物、高分子量のポリオレフィンを熱分解して
得られる低分子量のポリオレフィン、一酸化炭素、水素
からなる合成ガスから触媒を用いて得られる炭化水素の
蒸留残分、あるいはこれらを水素添加して得られる合成
炭化水素などから得られるワックスが用いられ、酸化防
止剤が添加されていてもよい。あるいは、アルコール、
脂肪酸、酸アミド、エステルあるいは、モンタン系誘導
体である。さらに、脂肪酸の如き不純物を予め除去して
あるものも好ましい。
【0239】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。トナーの
着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、
アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイ
エロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリ
ンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダン
スレンブルーがある。これらは定着画像の光学濃度を維
持するのに必要充分な量が用いられ、好ましくは樹脂1
00質量部に対し0.1〜20質量部、より好ましくは
0.2〜10質量部の添加量が良い。
【0240】更に、同様の目的で染料が用いられる。例
えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系
染料、メチン系染料があり、これらは好ましくは樹脂1
00質量部に対し、0.1〜20質量部、より好ましく
は0.3〜10質量部の添加量が良い。
【0241】本発明のシアン色,マゼンタ色,イエロー
色のトナーに使用される着色剤としては、下記の有機顔
料又は有機染料が好ましく用いられる。
【0242】顔料としてはジスアゾイエロー系顔料、不
溶性アゾ系顔料、銅フタロアニン系顔料、染料としては
塩基性染料又は油溶性染料が適している。
【0243】染料としては、例えばC.I.ダイレクト
レッド1;C.I.ダイレクトレッド4;C.I.アシ
ッドレッド1;C.I.ベーシックレッド1;C.I.
モーダントレッド30;C.I.ダイレクトブルー1;
C.I.ダイレクトブルー2;C.I.アシッドブルー
9;C.I.アシッドブルー15;C.I.ベーシック
ブルー3;C.I.ベーシックブルー5;C.I.モー
ダントブルー7が挙げられる。
【0244】顔料としては、ナフトールイエローS,ハ
ンザイエローG,パーマネントイエローNCG,パーマ
ネントオレンジGTR,ピラゾロンオレンジG,ベンジ
ジンオレンジG,パーマネントレッド4R,ウオッチン
グレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン38,フ
ァストバイオレットB,メチルバイオレットレーキ,フ
タロシアニンブルー,ファーストスカイブルー,インダ
ンスレンブルーBCが挙げられる。
【0245】特に好ましくは、C.I.ピグメントイエ
ロー83;C.I.ピグメントイエロー97;C.I.
ピグメントイエロー17;C.I.ピグメントイエロー
15;C.I.ピグメントイエロー13;C.I.ピグ
メントイエロー14;C.I.ピグメントイエロー1
2;C.I.ピグメントレッド5;C.I.ピグメント
レッド3;C.I.ピグメントレッド2;C.I.ピグ
メントレッド6;C.I.ピグメントレッド7;C.
I.ピグメントレッド57;C.I.ピグメントレッド
122;C.I.ピグメントブルー15;C.I.ピグ
メントブルー16又は下記で示される構造式(I)を有
する、フタロシアニン骨格に置換基を2〜3個置換した
銅フタロシアニン系顔料が挙げられる。
【0246】
【化7】
【0247】[式中、X1,X2,X3及びX4は、
【0248】
【化8】
【0249】又はHを示す。但し、X1〜X4のすべてが
−Hの場合を除く。]
【0250】染料としては、C.I.ソルベントレッド
49;C.I.ソルベントレッド52;C.I.ソルベ
ントレッド109;C.I.ベイシックレッド12;
C.I.ベイシックレッド1;C.I.ベイシックレッ
ド3bが挙げられる。
【0251】その含有量としては、OHPフィルムの透
過性に対し敏感に反映するイエロートナーについては、
結着樹脂100質量部に対して12質量部以下が好まし
く、より好ましくは0.5〜7質量部が良い。
【0252】12質量部を超えると、イエローと他の色
との混合で生成されるグリーン色、レッド色の再現性が
劣るようになり、さらに人間の肌色の再現性にも劣るよ
うになる。
【0253】その他マゼンタトナー、シアントナーにつ
いては、結着樹脂100質量部に対しては15質量部以
下、より好ましくは0.1〜9質量部が好ましい。
【0254】黒色の着色剤としては、染顔料を混色させ
たもの、カーボンブラック、黒色を呈する金属酸化物が
好ましく用いられる。
【0255】これらの着色剤は、結着樹脂100質量部
に対し、0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量
部で用いられる。
【0256】着色剤に磁性を有するものを用いれば、磁
性材料としての役割をかねさせることもでき、磁性トナ
ーとしても使用しうる。このような着色剤としての磁性
粉は、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの酸化
鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれら
の金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウ
ム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、
カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、
タングステン、バナジウムの如き金属の合金及びその混
合物が用いられ、磁性酸化鉄の表面あるいは内部にS
i,Al,Mgの如き金属イオンの酸化物、含水酸化
物、水酸化物の如き化合物を含むものが好ましく用いら
れる。特にケイ素元素を含有する磁性酸化鉄が好まし
く、その含有率が磁性粉を基準として0.1〜3質量%
であることが好ましい。更に好ましくは0.15〜3質
量%であり、特に好ましくは0.2〜2.0質量%であ
る。
【0257】磁性粉の形状としては、6面体,8面体,
10面体,12面体,14面体の如き多面体、針状,鱗
片状,球形,不定形のものが用いられる。
【0258】磁性粉の窒素ガス吸着法によるBET比表
面積としては、1m2/g〜40m2/g、さらには2m
2/g〜30m2/gのものが好ましく、さらには、3m
2/g〜20m2/gのものが好ましい。
【0259】磁性粉の飽和磁化としては、796kA/
mの磁場で、5〜200Am2/kg、さらには10〜
150Am2/kgの範囲のものが好ましい。
【0260】磁性粉の残留磁化としては、796kA/
mの磁場で、1〜100Am2/kg、さらには1〜7
0Am2/kgが好ましい。
【0261】磁性粉の平均粒子径としては、2.0μm
以下、好ましくは0.03〜1.0μm、さらに好まし
くは0.05〜0.6μm、さらに好ましくは0.1〜
0.4μmのものが良い。
【0262】磁性粉をトナー中に含有させる量として
は、結着樹脂100質量部に対し10〜200質量部、
好ましくは20〜170質量部、特に好ましくは30〜
150質量部である。
【0263】以上のような着色剤を用いて本発明のトナ
ーは一成分系現像剤又はキャリアと混合して二成分系現
像剤として用いられる。
【0264】本発明のトナーに適切な帯電量をトナーに
与えるため、次の荷電制御剤を添加することも好まし
く、他の構成材料ごとによって、添加する化合物の種
類,添加量によってその程度をコントロールすることが
できる。
【0265】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記の物質がある。
【0266】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウ
ム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料
及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタ
ングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属
塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイ
ド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノ
スズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルス
ズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオ
ルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾー
ル化合物。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用
いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタ
ン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アン
モニウム塩が好ましく用いられる。さらに、下記一般式
(C)
【0267】
【化9】 で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合
性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いる
ことができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹
脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0268】特に下記一般式(D)で表わされる化合物
が本発明の構成においては好ましい。
【0269】
【化10】
【0270】[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R
6は、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原
子、置換もしくは未置換のアルキル基または、置換もし
くは未置換のアリール基を表わす。R7,R8,R9は、
各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表わす。A
-は、硫酸イオン、硝酸イオン、ほう酸イオン、りん酸
イオン、水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸
イオン、有機りん酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほ
う酸イオン、テトラフルオロボレートの如き陰イオンを
示す。]トナーを負荷電性に制御するものとして下記物
質がある。
【0271】例えば、有機金属錯体、キレート化合物が
有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属
錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカル
ボン酸系の金属錯体があげられる。他には、芳香族ハイ
ドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及
びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの
如きフェノール誘導体類があげられる。
【0272】次に示した一般式(E)で表わされるアゾ
系金属錯体が好ましい。
【0273】
【化11】
【0274】特に中心金属としてはFe,Crが好まし
く、置換基としてはハロゲン,アルキル基,アニリド基
が好ましく、カウンターイオンとしては水素,アルカリ
金属,アンモニウム,脂肪族アンモニウムが好ましい。
またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく
用いられる。
【0275】あるいは次の一般式(F)に示した塩基性
有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発明
に使用できる。
【0276】
【化12】
【0277】特に中心金属としてはFe,Cr,Si,
Zn,Alが好ましく、置換基としてはアルキル基,ア
ニリド基,アリール基,ハロゲンが好ましく、カウンタ
ーイオンは水素,アンモニウム,脂肪族アンモニウムが
好ましい。
【0278】電荷制御剤をトナーに含有させる方法とし
ては、トナー内部に添加する方法と外添する方法があ
る。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の
種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造
方法によって決定されるもので、一義的に限定されるも
のではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対し
て0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量
部の範囲で用いられる。外添する場合は、樹脂100質
量部に対し0.01〜10質量部が好ましく、特に、メ
カノケミカル的にトナー粒子表面に固着させるのが好ま
しい。
【0279】本発明に係るトナーを製造するにあたって
は、上述した様なトナー構成材料をボールミルやヘンシ
ェルミキサー、その他の混合機により充分混合した後、
熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を
用いて良く混練し、混練物を冷却固化後、機械的な粉
砕、粉砕物の分級によってトナーを得る方法が好まし
い。他には、結着樹脂の溶液中に構成材料を分散した
後、噴霧乾燥することによりトナーを得る方法;結着樹
脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁
液とした後に、重合させてトナーを得る重合法によるト
ナーの製造法がある。本発明に係るトナーは、コア材及
びシェル材から成るマイクロカプセルトナーであっても
良い。
【0280】本発明のトナーは、以上のような酸化チタ
ン微粒子又はアルミナ微粒子、さらに無機微粉体B,C
をトナー粒子とヘンシェルミキサーの如き混合機により
充分混合して得ることができる。
【0281】更に本発明のトナーには、必要に応じ以下
の添加剤を添加しても良い。
【0282】現像性,耐久性を向上させるために次の無
機粉体を添加することもできる。マグネシウム、亜鉛、
アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウ
ム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモ
ンの如き金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マ
グネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸
化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミ
ニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタ
イトの如きリン酸化合物;シリカ、炭化ケイ素、窒化ケ
イ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファ
イトの如き炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガ
ン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムが
好ましい。
【0283】同様の目的で、以下の有機粒子や複合粒子
を添加することもできる。ポリアミド樹脂粒子、シリコ
ーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メ
ラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル樹脂粒子の如
き樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂と
金属、金属酸化物、塩、カーボンブラックの如き無機粒
子とからなる複合粒子が挙げられる。
【0284】更に次のような滑剤粉末を添加することも
できる。テフロン、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素
樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン
酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの
如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸およびア
ミノ酸誘導体が挙げられる。
【0285】本発明のトナーを二成分系現像剤として用
いる場合には、トナーはキャリアと混合して用いられ、
トナーとキャリアの混合比は、トナー濃度として0.1
〜50質量%で用いられ、好ましくは0.5〜20質量
%、より好ましくは3〜10質量%である。
【0286】このキャリアコア材料としては、例えば表
面酸化又は未酸化の鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、マンガン、クロム希土類の金属、それらの合金、化
合物、酸化物、磁性フェライトが用いられる。なかでも
フェライトキャリアを98質量%以上含有するものが好
ましく用いられる。キャリアの製造方法として特別な制
約はない。コア材の表面を樹脂等で被覆したコートキャ
リアは特に好ましい。被覆する方法としては、樹脂等の
被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて被覆液を調
製し、該被覆液をキャリア粒子表面に塗布しキャリア粒
子表面に付着せしめる方法、単にキャリア粒子と被覆粉
体を乾式混合する方法等、従来公知の方法が適用でき
る。
【0287】コートキャリアの被覆用に用いられる結着
樹脂としては、スチレン、クロルスチレンの如きスチレ
ン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン
の如きモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルの如きビニルエステ
ル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシルの
如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチ
ルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケト
ンの如きビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体
などが挙げられ、特に代表的な結着樹脂としては、導電
性微粒子の分散性やコート層としての製膜性,トナース
ペント防止,生産性という点などから、ポリスチレン、
スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンが挙げられる。更にポリカーボネー
ト、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エ
ポキシ樹脂、ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーン
樹脂、ポリアミドが挙げられる。特にスペント防止とい
う観点から、臨界表面張力の小さい樹脂、例えばポリオ
レフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいる
ことがより望ましい。
【0288】ブレンド量は、全バインダー量に対するフ
ッ素系樹脂またはポリオレフィン系樹脂またはシリコー
ン系樹脂の割合は、1.0〜60質量%が適当であり、
特に2.0〜40質量%が望ましい。含有量が1.0質
量%未満であると、表面改質効果が十分でなく、トナー
スペントに効果が少なく、60質量%を超えると、両者
が均一に分散されにくいため、体積抵抗値に部分的なム
ラが生じ、帯電特性が悪くなるためである。
【0289】キャリアの被覆用結着樹脂として用いられ
るフッ素樹脂としては、例えばフッ化ビニル、フッ化ビ
ニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフロオロ
エチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンと他のモノマー
との溶剤可溶性の共重合体が挙げられる。
【0290】キャリアの被覆用結着樹脂として用いられ
るシリコーン樹脂としては、例えば信越シリコーン社製
KR271、KR282、KR311、KR255、K
R155(ストレートシリコーンワニス)、KR21
1、KR212、KR216、KR213、KR21
7、KR9218(変性用シリコーンワニス)、SA−
4、KR206、KR5206(シリコーンアルキッド
ワニス)、ES1001、ES1001N、ES100
2T、ES1004(シリコーンエポキシワニス)、K
R9706(シリコーンアクリルワニス)、KR520
3、KR5221(シリコーンポリエステルワニス)や
東レシリコーン社製のSR2100、SR2101、S
R2107、SR2110、SR2108、SR210
9、SR2400、SR2410、SR2411、SH
805、SH806A、SH840が用いられる。
【0291】上記の材料の使用量は、適宜決定すれば良
いが、一般的には総量でキャリアに対し0.1〜30質
量%(好ましくは0.5〜20質量%)が好ましい。
【0292】キャリアの平均粒径は20〜100μm、
好ましくは25〜70μm、より好ましくは25〜65
μmを有することが好ましい。
【0293】特に好ましいキャリアとしては、Cu−Z
n−Fe〔組成質量比(5〜20):(5〜20):
(30〜80)〕の3元系のフェライト粒子であり、そ
の表面をフッ素系樹脂又はスチレン系樹脂又はシリコー
ン樹脂又はそれらの混合樹脂で被覆したものが挙げられ
る。例えば混合樹脂としてポリフッ化ビニリデンとスチ
レン−メチルメタアクリレート樹脂;ポリテトラフルオ
ロエチレンとスチレン−メチルメタアクリレート樹脂;
フッ素系共重合体とスチレン系共重合体;等を90:1
0〜20:80、好ましくは70:30〜30:70の
質量比率の混合物が挙げられる。コーティング剤を0.
01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%コーティ
ングし、250メッシュをパスし350メッシュにオン
するキャリア粒子が70質量%以上ある上記平均粒径を
有するコート磁性フェライトキャリアが好ましいキャリ
アとして挙げられる。該フッ素系共重合体としてはフッ
化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(1
0:90〜90:10)が例示され、スチレン系共重合
体としてはスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共
重合体(20:80〜80:20)、スチレン−アクリ
ル酸2−エチルヘキシン−メタクリル酸メチル共重合体
(20〜60:5〜30:10〜50)が例示される。
【0294】粒度分布のシャープな上記コート磁性フェ
ライトキャリアは、本発明のトナーに対し、好ましい摩
擦帯電を付与し、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0295】本発明のトナーとキャリアとを混合して二
成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中の
トナー濃度として、1質量%〜15質量%、好ましくは
2質量%〜13質量%にすると通常良好な結果が得られ
る。トナー濃度が1質量%未満では画像濃度が低くな
り、15質量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せし
め、現像剤の耐用寿命を短縮しがちである。
【0296】次に、本発明のトナーを用いた画像形成方
法及び現像方法に関して説明する。
【0297】本発明の第1の画像形成方法は、静電潜像
保持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像して
トナー像を形成する工程;及び該静電潜像保持体上に形
成されたトナー像を記録材に転写する工程;を有するも
のである。
【0298】本発明の第1の画像形成方法の第1の形態
について、フルカラー電子写真方法を例にして図1に基
づいて説明する。
【0299】静電潜像保持体としての感光体ドラム1上
に潜像形成手段3で形成された静電潜像は、矢印の方向
へ回転する回転現像ユニット2に取り付けられた現像手
段としての現像器2−1中に第1のカラートナー及びキ
ャリアを有する二成分系現像剤により可視化される。感
光体ドラム1上のカラートナー画像は、グリッパー7に
よって転写ドラム6上に保持されている転写材(記録
材)Sに、転写帯電器8により転写される。
【0300】転写帯電器8には、コロナ帯電器又は接触
帯電器が利用され、転写帯電器8にコロナ帯電器が使わ
れる場合には、−10kV〜+10kVの電圧が印加さ
れ、転写電流は−500μA〜+500μAである。転
写ドラム6の外周面には保持部材が張設され、この保持
部材はポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムやポリエチレ
ンテレフタレートの如きフィルム状誘電体シートによっ
て構成される。例えば、厚さ100μm〜200μm,
体積抵抗1012〜1014Ω・cmのシートが用いられ
る。
【0301】次に2色目として回転現像ユニットが回転
し、現像器2−2が感光ドラム1に対向する。そして現
像器2−2中の第2のカラートナー及びキャリアを有す
る現像剤により現像され、このカラートナー画像も前記
と同一の転写材(記録材)上に重ねて転写される。
【0302】更に3色目、4色目も同様に行なわれる。
このように転写ドラム6は転写材(記録材)を把持した
まま所定回数だけ回転し所定色数のトナー像が多重転写
される。静電転写するための転写電流は、一色目<二色
目<三色目<四色目の順に高めることが感光体ドラム1
上に残る転写残留トナーを少なくするために好ましい。
【0303】転写電流を高くしすぎると、転写画像を乱
すので好ましくない。ところが本発明のトナーは転写性
に優れているので、転写電流を高くしなくとも、多重転
写する際の二色目、三色目、四色目もしっかりと転写す
ることができる。したがって、何色目の画像もきちんと
形成され、めりはりの利いた多色画像が得られる。更
に、フルカラー画像においては、色再現に優れた美しい
画像が得られる。しかも転写電流をそれほど高める必要
もなくなるので転写工程における画像の乱れを少なくす
ることができる。また転写材を転写ドラム6から分離す
る際に、分離帯電器9により除電するが、転写電流が大
きいと、転写材の転写ドラムへの静電吸着が大きくな
り、分離する際の電流を大きくしないと分離できなくな
る。そうすると、転写電流とは逆極性であるので、トナ
ー像の乱れや転写材上からのトナーの飛散を生じ、画像
形成装置機内を汚してしまう。本発明のトナーは転写が
容易であるので、分離電流を大きくせずとも良く、分離
を容易にすることができ、結果として分離時の画像の乱
れや、トナー飛散を防止することができる。したがって
本発明のトナーは、多重転写工程を有する多色画像、フ
ルカラー画像を形成する画像形成方法に特に好ましく用
いられる。
【0304】多重転写された転写材は、分離帯電器9に
より転写ドラム6より分離され、シリコーンオイルを含
浸しているウェッブを有する加熱加圧ローラー定着器1
0で定着され、定着時に加色混合されることにより、フ
ルカラー複写画像となる。
【0305】現像器2−1〜2−4に供給される補給ト
ナーは各色ごとに具備した補給ホッパーより、補給信号
に基づいた一定量をトナー搬送ケーブルを経由して、回
転現像ユニット2の中心にあるトナー補給筒に搬送さ
れ、各現像器に送られる。
【0306】本発明の第2の画像形成方法は、静電潜像
保持体又は中間転写体上に複数種のトナーにより形成さ
れた多重トナー像を、記録材に一括転写する工程を有す
るものである。
【0307】本発明の第2の画像形成方法の静電潜像保
持体に多重トナー像を形成する第1の形態について、フ
ルカラー電子写真法プリンターを例にして図2に基づい
て説明する。
【0308】静電潜像保持体としての感光体ドラム21
上に帯電器22とレーザー光を用いた露光部23で形成
された静電潜像は現像器24,25,26,27により
順次トナーを現像して可視化される。現像プロセスにお
いては、非接触現像方法が好ましく用いられる。非接触
現像方法によれば現像器中の現像剤層が像形成体の表面
を擦ることがないので、2回目以降の現像工程において
先行の現像工程で形成された像を乱すことなく現像を行
なうことができる。現像する順は、多色の場合は黒以外
の色で、明度,彩度の高い色から現像するのが好まし
い。フルカラーの場合は、イエロー、ついでマゼンタあ
るいはシアンのどちらか、ついでマゼンタあるいはシア
ンの残った方、最後に黒の順で現像することが好まし
い。
【0309】感光体ドラム21上に形成された多色多重
画像,フルカラー画像は転写帯電器29により転写材
(記録材)Sに転写される。転写工程においては、静電
転写法が好ましく用いられ、コロナ放電又は接触転写方
法が利用される。転写材Sを介しコロナ放電を生じさせ
る転写帯電器29を像に対向するように配置し、転写材
Sの背面からコロナ放電を作用させ静電的に転写する方
法である。もう一つは、転写材Sを介し、転写ローラ
ー、転写ベルトを像形成体に接触させてローラーにバイ
アスを印加させるか、ベルトの背面から静電的に転写す
る方法である。この静電転写方法により感光体ドラム2
1の表面に担持された多色トナー像が一括して転写材S
に転写される。このような一括転写方式では、転写する
トナー量が多いので、転写残量が多くなり、転写ムラが
発生しやすくなり、フルカラー画像においては色ムラを
生じやすくなる。
【0310】しかしながら本発明のトナーは転写性に優
れており、多色画像においてはどの色もきちんと形成さ
れる。フルカラー画像においては色再現性に優れた美し
い画像が得られる。さらに、低電流でも転写効率が良い
ので、転写時における画像の乱れを少なくすることがで
きる。更に、分離も容易になるので、分離時の画像の乱
れトナー飛散も低減できる。さらに、離型性にも優れる
ので接触転写手段においても良好な転写性を示す。した
がって、本発明のトナーは、多重現像一括転写工程を有
する画像形成方法にも好ましく用いられる。
【0311】多色トナー像が一括転写された転写材は、
分離帯電器30により感光ドラム21から分離され熱ロ
ーラー定着器32で定着されることにより多色画像とな
る。
【0312】本発明の第2の画像形成方法において、中
間転写体に多重トナー像を形成する第2の形態につい
て、中間転写体を用いたフルカラー画像形成装置を例に
して図3に基づいて説明する。
【0313】静電潜像保持体としての感光体ドラム41
に対抗し接触回転する帯電ローラー42により感光ドラ
ム41上に表面電位を持たせ露光手段43により静電潜
像を形成する。静電潜像は現像器44,45,46,4
7により現像されトナー像が形成される。該トナー像は
一色ごとに中間転写体48上に転写され、複数回くり返
されることにより、多重トナー像が形成される。中間転
写体48はドラム状のものが用いられ、外周面に保持部
材を張設したもの、基材上に導電付与部材、例えばカー
ボンブラック,酸化亜鉛,酸化錫,炭化珪素又は酸化チ
タン等を十分分散させた弾性層(例えばニトリルブタジ
エンラバー)を有するものが用いられる。ベルト状の中
間転写体を用いても良い。中間転写体48は硬度が10
〜50度(JIS K−6301)の弾性層50から構
成されることや、転写ベルトの場合では転写材(記録
材)への転写部でこの硬度を有する弾性層50を持つ支
持部材55で構成されていることが好ましい。感光体ド
ラム41から中間転写体48への転写は、電源49より
中間転写体48の支持部材としての芯金55上にバイア
スを付与することで転写電流が得られトナー像の転写が
行なわれる。保持部材、ベルトの背面からのコロナ放電
やローラー帯電を利用しても良い。中間転写体48上の
多重トナー像は転写手段51により転写材S上に一括転
写される。転写手段はコロナ帯電器や転写ローラー、転
写ベルトを用いた接触静電転写手段が用いられる。この
ような画像形成方法においても、前述の二つの方法にお
ける効果が得られるので好ましく用いられる。
【0314】本発明の第1の画像形成方法の第2の形態
について、少なくとも静電潜像保持体及び現像手段を有
する画像形成部が複数並設された画像形成装置を例にし
て図4に基づいて説明する。
【0315】ここでは、第1,第2,第3および第4の
画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdが並設されており、各画
像形成部はそれぞれ専用の静電潜像保持体、いわゆる感
光ドラム61a,61b,61cおよび61dを具備してい
る。
【0316】感光ドラム61a乃至61dはその外周側に
潜像形成手段62a,62b,62cおよび62d、現像部
63a,63b,63cおよび63d、転写用放電部6
a,64b,64cおよび64d、ならびにクリーニング
部65a,65b,65cおよび65dが配置されている。
【0317】このような構成にて、先ず、第1画像形成
部Paの感光ドラム61a上に潜像形成手段62aによっ
て原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形
成される。該潜像は現像手段63aのイエロートナーを
有する現像剤で可視画像とされ、転写部64aにて、転
写材(記録材)Sに転写される。
【0318】上記のようにイエロー画像が転写材Sに転
写されている間に、第2画像形成部Pbではマゼンタ成
分色の潜像が感光ドラム61b上に形成され、続いて現
像手段63bのマゼンタトナーを有する現像剤で可視画
像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)は、上
記の第1画像形成部Paでの転写が終了した転写材Sが
転写部64bに搬入されたときに、該転写材Sの所定位
置に重ねて転写される。
【0319】以下、上記と同様な方法により第3,第4
の画像形成部Pc,Pdによってシアン色,ブラック色の
画像形成が行なわれ、上記同一の転写材(記録材)S
に、シアン色,ブラック色を重ねて転写するのである。
このような画像形成プロセスが終了したならば、転写材
Sは定着部67に搬送され、転写材S上の画像を定着す
る。これによって転写材S上には多色画像が得られるの
である。転写が終了した各感光ドラム61a,61b,6
cおよび61dはクリーニング部65a,65b,65c
および65dにより残留トナーを除去され、引き続き行
なわれる次の潜像形成のために供せられる。
【0320】なお、上記画像形成装置では、転写材Sの
搬送のために、搬送ベルト68が用いられており、図4
において、転写材6は右側から左側への搬送され、その
搬送過程で、各画像形成部Pa,Pb,PcおよびPdにお
ける各転写部64a,64b,64cおよび64dを通過
し、転写をうける。
【0321】この画像形成方法において、転写材を搬送
する搬送手段として加工の容易性及び耐久性の観点から
テトロン繊維のメッシュを用いた搬送ベルトおよびポリ
エチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウ
レタン系樹脂の如き薄い誘電体シートを用いた搬送ベル
トが利用される。
【0322】転写材Sが第4画像形成部Pdを通過する
と、AC電圧が除電器69に加えられ、転写材Sは除電
され、ベルト68から分離され、その後、定着器67に
入り、画像定着され、排出口70から排出される。
【0323】この画像形成方法では、その画像形成部に
それぞれ独立した静電潜像保持体を具備しており、転写
材(記録材)はベルト式の搬送手段で、順次、各静電潜
像保持体の転写部へ送られるように構成してもよい。
【0324】この画像形成方法では、その画像形成部に
共通する静電潜像保持体を具備してなり、転写材は、ド
ラム式の搬送手段で、静電潜像保持体の転写部へ繰返し
送られて、各色の転写をうけるように構成してもよい。
【0325】しかしながら、この搬送ベルトでは、体積
抵抗が高いため、カラー画像形成装置におけるように、
数回の転写を繰り返す過程で、搬送ベルトが帯電量を増
加させて行く。このため、各転写の都度、転写電流を順
次増加させないと、均一な転写を維持できない。
【0326】本発明トナーは転写性が優れているので、
転写を繰返す毎に搬送手段の帯電が増しても、同じ転写
電流で各転写におけるトナーの転写性を均一化でき、良
質な高品位画像が得られることになる。
【0327】本発明の第3の画像形成方法は、静電潜像
保持体に接触帯電手段を当接させて、該静電潜像保持体
の表面を帯電する工程;帯電した該静電潜像保持体に静
電潜像を形成する工程;及び該静電潜像をトナーにより
現像し顕像化する工程;を有するものである。
【0328】本発明の第3の画像形成方法における帯電
工程では、効率的な均一帯電,シンプル化,低オゾン発
生化のために、ローラー又はブレードを用いる接触方式
の接触帯電手段を用いるものである。本発明のトナー
は、接触帯電手段を用いる画像形成方法に最適に用いら
れる。
【0329】本発明トナーは、表面が有機物により均一
に高疎水性に処理された酸化チタン微粒子又はアルミナ
微粒子を含有し、トナーに良好な離型性、安定した潤滑
性を与え、画像欠陥のない画像が安定して得られるもの
である。画像欠陥とは、例えば汚れた部分に画像濃度ム
ラが出たり、帯電不良による画像ムラが発生したり、ベ
タ部,白地部,ハーフトーン部及び非画像部に、斑点状
や筋状の模様が発生するようなものである。さらに、本
発明のトナーは、非汚染性,クリーニング性に優れてい
るので長期使用や連続使用の耐久性にも優れる。すなわ
ちトナーに優れた非汚染性を与えることができるので、
静電潜像保持体や接触帯電手段の如き静電潜像保持体に
当接する部材を汚染することが少ない。
【0330】一般に同一の静電潜像保持体を複数回用
い、複数の静電潜像を多重に現像し転写したり、複数の
静電潜像を現像し多重に転写する場合には、特にその汚
れが現像した回数だけ画像に影響を重ねるので、汚れの
影響が同一画像上に重なり画像欠陥が多くなりやすいフ
ルカラー画像形成においては接触帯電手段を適用するの
が困難であった。しかしながら本発明のトナーを用いる
ことによって、これを解決し、放電ムラによる画像欠
陥,オゾンの発生を抑え、画像形成装置を簡略化できる
ことが可能な画像形成方法が得られるものである。
【0331】更に、フルカラー画像形成においては、異
なるトナーを同一静電潜像保持体上に現像するわけであ
るが、この場合異なったトナー同士間では凝集が発生し
やすかったり、わずかに残存している部分に付着しやす
くなったりして、単一のトナーを使用しているときよ
り、静電潜像保持体上やこれに接触する部材に汚染を引
き起こしやすい。この点からも本発明に用いられるトナ
ーを使用することによって、離型性,非汚染性,クリー
ニング性に優れるので上述の凝集や付着を軽減させ、接
触帯電を有する優れた画像形成方法とすることができ
る。
【0332】本発明の第3の画像形成方法について、図
9の概略構成図に基づいて説明する。
【0333】111は回転ドラム型の静電潜像保持体
(以下、感光体と記す)であり、該感光体111はアル
ミニウムの如き導電性基層111bと、その外面に形成
した光導電層111aとを基本構成層とするものであ
り、図面上時計方向に所定の周速度(プロセススピー
ド)で回転される。
【0334】112は接触帯電手段としての帯電ローラ
ーであり、中心の芯金112bとその外周を形成した導
電性弾性層112aとを基本構成とするものである。帯
電ローラー112は、感光体111面に押圧力をもって
圧接され、感光体111の回転に伴い従動回転する。1
13は帯電ローラー112に電圧を印加するための帯電
バイアス電源であり、帯電ローラー112にバイアスV
2が印加されることで感光体111の表面が所定の極性
・電位に帯電される。次いで画像露光114によって静
電荷像が形成され、現像手段115によりトナー画像と
して順次可視化されていく。122はクリーニング部材
であり、帯電ローラー112をクリーニングしている。
【0335】現像手段115を構成する現像スリーブに
は、バイアス印加手段124よりバイアスV1が印加さ
れる。現像により静電潜像保持体上に形成されたトナー
像は当接転写手段116により転写材(記録材)118
に静電転写され、転写材118上のトナー像は、加熱加
圧手段121により加熱加圧定着される。
【0336】当接転写手段116には転写バイアスV3
が印加されている。
【0337】この様な接触帯電・接触転写方式を有する
画像形成装置では、コロナ帯電及びコロナ転写と比べ
て、比較的低電圧のバイアスで感光体の均一な帯電が可
能となるため、放電器自体の小型化、オゾン等のコロナ
放電生成物の抑制の点で優れている。
【0338】この接触帯電手段の他の例としては、図1
0に示す帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを
用いる方法がある。
【0339】図10に示す帯電ブレード125は、金属
支持部材126で支持された弾性を有する導電性ゴム1
27の先端に離型性表面層128を有するものであり、
この帯電ブレード125は、静電潜像保持体としての感
光体ドラム130に対して弾性的に当接しており、バイ
アス印加手段129から印加される帯電バイアスによっ
て感光体ドラム130に均一に帯電するように構成する
ものである。
【0340】これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要
になったり、オゾンの発生が低減するといった効果があ
る反面、部材が直接感光体に接触するがゆえにトナー融
着という弊害が生じやすいが、本発明に用いられるトナ
ーは非汚染性に優れているので具体的な接触帯電手段と
して本発明に最適である。本発明は、適用される接触帯
電手段がどんな方法で、どんな作用効果を有するかとい
ったことを限定するものではなく、部材を直接感光体に
接触させて帯電させる方法であればすべて本発明に適用
可能である。
【0341】帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセ
ス条件としては、ローラーの当接圧が0.5〜50kg
/mで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時
には、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=5
0〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであ
り、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±
5kVである。
【0342】帯電ローラー及び帯電ブレードの材質とし
ては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を
もうけても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹
脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポ
リ塩化ビニリデン)が適用可能である。
【0343】次いで転写材118は、ハロゲンヒータを
内蔵させた加熱ローラー121aとこれと押圧力をもっ
て圧接された弾性体の加圧ローラー121bとを基本構
成とする定着器121へ搬送され、121aと121b
間を通過することによってトナー像が定着される。ま
た、フィルムを介してヒータにより定着する方法を用い
てもよい。さらに、圧力定着に用いる現像剤を用いて圧
力定着してもよい。トナー画像転写後の感光体111面
では転写残りトナーの如き付着汚染物質を、感光体11
1にカウンター方向に圧接した弾性クリーニングブレー
ドを具備したクリーニング装置119で清浄面化され、
更に除電露光装置120により除電されて、繰り返して
作像される。
【0344】帯電ローラー、帯電ブレードの如き接触帯
電手段を用いる際、本発明のトナーは離型性,潤滑性に
富み、これらの部材を汚染することがなく帯電ムラによ
る異常画像を生ずることもない。付着しても脱離しやす
いので感光体を傷付けたり、必要以上に削ることもな
い。
【0345】本発明では、トナー粒子が接触帯電部材表
面、接触転写部材表面及び感光体表面に直接に付着させ
づらくすると共に該トナー粒子のそれらの表面に対する
離型性を向上させてトナーの固着自体を防止し、更に、
トナー粒子が接触帯電部材表面、接触転写部材表面及び
感光体表面に付着しても、トナー粒子の潤滑性,離型性
によってトナー付着位置が該接触帯電部材、接触転写部
材及び感光体内又はその間で常に移動し、同じ位置にと
どまることがないためにトナー粒子が固着するまでに至
らず、さらに、該接触帯電部材及び接触転写部材にクリ
ーニング部材を当接した場合、その離型性によって接触
帯電部材表面、接触転写部材表面に付着したトナー粒子
のクリーニング性が十分に向上される。
【0346】次に、本発明の加熱定着方法について図1
1を用いて説明する。
【0347】本発明のトナーは、加熱定着の場合、接触
加熱定着手段により、普通紙またはオーバーヘッドプロ
ジェクター(OHP)用透明シートのごとき転写材(記
録材)へ加熱定着される。
【0348】接触加熱定着手段としては、(i)加熱加
圧ロール定着装置、または、(ii)固定支持された加
熱体と、該加熱体に対向圧接し、かつフィルムを介して
該転写材を該加熱体に密着させる加圧部材とにより、ト
ナーを加熱定着する定着手段が挙げられる。
【0349】上記(ii)の定着手段の一例を図11に
示す。
【0350】図11に示す定着装置において加熱体は、
従来の熱ロールに比べてその熱容量が小さく、線状の加
熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜30
0℃であることが好ましい。
【0351】加熱体と加圧部材の間に位置するフィルム
は、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが
好ましく、これら耐熱性シートとしては、耐熱性の高
い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミドのご
ときポリマーシート、アルミニウムのごとき金属シート
及び、金属シートとポリマーシートから構成されたラミ
ネートシートが用いられる。
【0352】より好ましいフィルムの構成としては、こ
れら耐熱性シートが離型層及び/または低抵抗層を有し
ていることである。
【0353】図11を参照しながら、定着装置の一具体
例を説明する。
【0354】131は、装置に固定支持された低熱容量
線状加熱体であって、一例として厚み1.0mm、巾1
0mm、長手長240mmのアルミナ基板140に抵抗
材料139を巾1.0mmに塗工したもので長手方向両
端より通電される。通電はDC100Vの周期20ms
ecのパルス状波形で検温素子141によりコントロー
ルされた所望の温度、エネルギー放出量に応じたパルス
をそのパルス巾を変化させて与える。略パルス巾は0.
5msec〜5msecとなる。この様にエネルギー及
び温度を制御された加熱体131に当接して、図中矢印
方向に定着フィルム132は移動する。
【0355】この定着フィルムの一例として厚み20μ
mの耐熱フィルム(例えばポリイミド、ポリエーテルイ
ミド、PESまたはPFAに少なくとも画像当接面側に
PTFE、PFAのごときフッ素樹脂)に導電材を添加
した離型層を10μmコートしたエンドレスフィルムで
ある。一般的には総厚は100μm未満、より好ましく
は40μm未満が良い。フィルム駆動は駆動ローラー1
33と従動ローラー134による駆動とテンションによ
り矢印方向にシワなく移動する。
【0356】135は、シリコーンゴムのごとき離型性
の良いゴム弾性層を有する加圧ローラーで、総圧4〜2
0kgでフィルムを介して加熱体を加圧し、フィルムと
圧接回転する。転写材136上の未定着トナー137
は、入口ガイド138により定着部に導かれ上述の加熱
により定着像を得るものである。
【0357】以上は、エンドレスベルトで説明したが、
シート送り出し軸、及び巻き取り軸を使用し、定着フィ
ルムは有端のフィルムであっても良い。
【0358】上記のような定着方法では、加熱体が硬い
平面となるので、定着ニップ部では加圧ローラーに押さ
れた転写材は平面状でその上のトナーを定着する上にそ
のニップ部へ突入する直前にはその構造上、定着フィル
ムと転写材の間隙は狭くなる。従って、定着フィルムと
転写材の空気は後方へと追い出される形になる。
【0359】そこに加熱体長手方向の転写材上のライン
が突入してくると空気がラインへと向って追い出されて
くるが、この時ラインにトナーが軽く載っていると行き
場を失った空気がそのラインをくずし後方へと出ていく
ようになり、ラインがとぎれトナー粒子が後方へ飛ぶ飛
び散り現象を引き起こす様になる。
【0360】特に転写紙が平滑でなかったり、吸湿して
いると転写電界が弱まりトナーの転写材への引き付けが
弱くなり、ライン上にトナー粒子はふんわりと載る様に
なり、この飛び散り現象を起こし易くなる。更にプロセ
ススピードが速い時にも風圧が大きくなり飛び散り現象
は悪化する。
【0361】カラー画像においては特定の色のライン画
像を形成するとき、複数のトナーを重ね合わせるので、
ラインの高さが高くなり飛び散り現象は悪化する。
【0362】本発明のトナーは転写電界がかけられた
時、本発明に用いられるトナー粒子は誘電され易く、転
写材に強く引きつけられたり、静電凝集することができ
るのでライン上にしまった状態で載る様になり、飛び散
現象を防止,軽減することができる。複数のトナーを重
ねた時にもこの現象を防止することができる。
【0363】さらに、本発明のトナーは、摩擦帯電によ
っても帯電量が高めになっており、静電潜像保持体上の
トナーの帯電量も高く、転写電界により転写材上に強く
転写され、この点も飛び散りには好ましく働く。
【0364】本発明のトナーは、磁性一成分現像方法,
非磁性一成分現像方法の如き一成分現像方法及びトナー
とキャリアを有する二成分現像方法に用いられる。
【0365】本発明のトナーは、流動性が極めて良く、
帯電が迅速であり、帯電性が安定し、均一帯電している
ため、本発明のトナーを用いた一成分系現像剤は現像器
内の一成分系現像剤の搬送性に優れ、摩擦帯電付与部材
の表面積が小さくても帯電の立ち上がりが早く、現像剤
担持体付近の一成分系現像剤と新に供給されてくる一成
分系現像剤との混合がなめらかにいき、迅速に帯電量が
均一化される。したがって静電潜像保持体上の潜像を、
一成分系現像剤を担持する現像剤担持体上の一成分系現
像剤で現像する現像方法において、現像剤担持体上の一
成分系現像剤の層厚を薄層に規制する現像剤層厚規制部
材を有する現像方法に好ましく用いられるものである。
とくに磁気力が期待できず、現像剤担持体上への一成分
系現像剤の供給が困難であり、摩擦帯電付与能力の小さ
い非磁性一成分現像方法においてその効果は絶大であ
る。
【0366】更に、本発明のトナーを用いた一成分系現
像剤は、融着しずらく、規制部位への供給がスムーズで
あり、現像剤の消費に十分な現像剤を供給でき、摩擦も
減少できトルクを小さくできるので、規制部材が弾性部
材の押圧によって薄層化する画像形成方法にも好ましく
用いられる。
【0367】本発明の現像方法は、現像剤担持体に現像
剤層厚規制手段によって一成分系現像剤の層厚を規制し
て一成分系現像剤の薄層を形成する工程;及び静電潜像
保持体上の静電潜像を該静電潜像保持体と対抗して配置
された該現像剤担持体に担持されている該一成分系現像
剤で現像する工程;を有するものである。
【0368】本発明の現像方法の第1の形態である磁性
一成分現像方法について図5に基づいて説明する。
【0369】図5において、現像剤担持体としての現像
スリーブ90の略右半周面は現像剤容器91内の現像剤
溜りに常時接触していて、その現像スリーブ面近傍の磁
性一成分系現像剤が現像スリーブ面にスリーブ内の磁気
発生手段92の磁力で及び/又は静電気力により付着保
持される。現像スリーブ90が回転駆動されるとそのス
リーブ面の現像剤層がドクターブレード93の位置を通
過する過程で各部略均一厚さの磁性一成分系現像座の薄
層T1として整層化される。磁性一成分系現像剤の帯電
は主として現像スリーブ90の回転に伴なうスリーブ面
とその近傍の現像剤溜りの磁性一成分系現像剤との摩擦
接触によりなされ、現像スリーブ90上の上記磁性一成
分系現像剤の薄層面は現像スリーブの回転に伴ない静電
潜像保持体94側へ回転し、静電潜像保持体94と現像
スリーブ90の最接近部である現像領域部Aを通過す
る。この通過過程で現像スリーブ90面側の磁性一成分
系現像剤の薄層の磁性一成分系現像剤が静電潜像保持体
94と現像スリーブ90間に印加した直流と交流電圧に
よる直流と交流電界により飛翔し、現像領域部Aの静電
潜像保持体94面と、現像スリーブ90面との間(間隙
α)を往復運動する。最終的には現像スリーブ90側の
磁性一成分系現像剤が静電潜像保持体94面の表面に静
電潜像の電位パターンに応じて選択的に移行付着して現
像剤像T2が順次に形成される。
【0370】現像領域部Aを通過して、磁性一成分系現
像剤が選択的に消費された現像スリーブ面はホッパ91
の現像剤溜りへ再回転することにより磁性一成分系現像
剤の再供給を受け、現像領域部Aへ現像スリーブ90の
磁性一成分系現像剤の薄層T1面が移送され、繰り返し
現像工程が行われる。
【0371】本発明に用いられる現像剤層厚規制手段と
してのドクターブレードは、現像スリーブと一定の間隙
をおいて配置される金属ブレード、磁性ブレード(例え
ば、図5に示される93)が用いられる。
【0372】現像剤層厚規制手段としてドクターブレー
ドの代りに、金属,樹脂,セラミックなどを用いた剛体
ローラーやスリーブを用いても良く、内部に磁気発生手
段を入れても良い。
【0373】磁性一成分現像方法,非磁性一成分現像方
法の如き一成分系現像方法においては、現像剤層厚規制
手段として現像スリーブ表面に弾性力で当接する弾性ブ
レードが用いられる。現像剤層厚規制手段としてドクタ
ーブレードの代わりに弾性体ローラーを用いても良い。
本発明のトナーは、現像剤層厚規制手段が弾性力を持っ
て現像剤担持体に当接することによって一成分系現像剤
薄層コート化を行なう現像方法に特に好ましく用いられ
る。
【0374】弾性ブレード,弾性ローラーとしては、シ
リコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性
体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性
体;ステンレス、鋼の如き金属弾性体が使用で、さらに
それらの複合体であっても使用できる。好ましくは、ゴ
ム弾性体が良い。
【0375】弾性ブレード,弾性ローラーの材質は、現
像剤担持体上の現像剤の帯電に大きく関与する。そのた
め、弾性体中に、有機物、無機物を添加しても良く、溶
融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金
属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィス
カー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などがあげら
れる。更に、ゴム、合成樹脂、金属弾性体に、トナーの
帯電性をコントロールする目的で、樹脂、ゴム、金属酸
化物、金属の如き物質をスリーブ当接部分に当たるよう
につけたものを用いても良い。弾性体、現像剤担持体に
耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂、ゴム
をスリーブ当接部に当たるように貼り合わせるものが好
ましい。
【0376】現像剤が負帯電性である場合には、ウレタ
ンゴム、ウレタン樹脂、ポリアミド、ナイロンや正極性
に帯電し易いものが好ましい。現像剤が正帯電性である
場合には、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、シリコーンゴ
ム、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂
(例えば、テフロン樹脂)、ポリイミド樹脂や負極性に
帯電し易いものが好ましい。現像スリーブ当接部分が樹
脂、ゴムの如き成型体の場合は現像剤の帯電性を調整す
るためにその成形体中に、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、酸化錫、ジルコニア、酸化亜鉛の如き金属酸化物、
カーボンブラック、一般に現像剤に用いられる荷電制御
剤を含有させることも好ましい。
【0377】本発明の現像方法の第2の形態である現像
装置について、図6に基づいて説明する。
【0378】現像剤層厚規制手段としての弾性ブレード
97は、上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持
され、下辺部側を弾性ブレードの弾性に抗して現像スリ
ーブ96の順方向或いは逆方向にたわめ状態にして弾性
ブレード内面側(逆方向の場合には外面側)を現像スリ
ーブ表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。この様
な装置によると、環境の変動に対してもより安定に薄
く、緻密な現像剤層が得られる。その理由は必ずしも明
確ではないが、通常用いられる金属製のブレードを現像
スリーブからある間隙を隔てて取り付けた装置と比較し
て、現像剤が弾性ブレード97によって現像スリーブ9
6表面と強制的に摩擦されるため、現像剤の環境変化に
よる挙動の変化に関係なく常に同じ状態で帯電が行われ
るためと推測される。
【0379】その一方で帯電が過剰になり易すく、現像
スリーブ,ブレード上の現像剤が融着し易すいが、本発
明の現像剤は流動性に優れ摩擦帯電性が安定しているの
で好ましく用いられる。
【0380】図7は、図6で用いた弾性ブレードの当接
時の形状を変えた弾性ブレード98を用いた場合の例を
示す。
【0381】磁性一成分現像方法の場合、弾性ブレード
と現像スリーブとの当接圧力は、現像スリーブ母線方向
の線圧として、0.1kg/m以上、好ましくは0.3
〜25kg/m、更に好ましくは0.5〜12kg/m
が有効である。当接圧力が0.1kg/mより小さい場
合、現像剤の均一塗布が困難となり、現像剤の帯電量分
布がブロードになりカブリや飛散の原因となる。当接圧
力が25kg/mを超えると、現像剤に大きな圧力がか
かり、現像剤が劣化するため、現像剤の凝集が発生する
ことがあり好ましくない。さらに現像剤担持体を駆動さ
せるために大きなトルクを要するため好ましくない。
【0382】本発明の現像方法においては、静電潜像保
持体と現像剤担持体との間隙αは、例えば50〜500
μmに設定され、現像剤層厚規制手段として、磁性ブレ
ードを用いる場合には、磁性ブレードと現像剤担持体と
の間隙は、50〜400μmに設定されることが好まし
い。
【0383】現像剤担持体上の磁性一成分系現像剤層の
層厚は、静電潜像保持体と現像剤担持体との間隙αより
も薄いことが最も好ましいが、場合により磁性一成分系
現像剤層を構成する磁性一成分系現像剤の多数の穂のう
ち、一部は静電潜像保持体に接する程度に磁性一成分系
現像剤層の層厚を規制してもよい。
【0384】現像スリーブは、静電潜像保持体に対し、
100〜200%の周速で回転される。交番バイアス電
圧は、ピークトゥーピークで0.1kV以上、好ましく
は0.2〜3.0kV、更に好ましくは0.3〜2.0
kVで用いるのが良い。交番バイアス周波数は、1.0
〜5.0kHz、好ましくは1.0〜3.0kHz、更
に好ましくは1.5〜3.0kHzで用いられる。交番
バイアス波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角
波の如き波形が適用できる。さらに、正、逆の電圧、時
間の異なる非対称交流バイアスも利用できる。直流バイ
アスを重畳するのも好ましい。
【0385】本発明において、現像スリーブは、金属,
セラミックスの如き材質のものが用いられるが、アルミ
ニウム,SUSが、現像剤への帯電性から好ましい。現
像スリーブは引き抜きあるいは切削したままでも用いら
れることができるが、現像剤の搬送性、摩擦帯電付与性
を制御するため、研磨したり、周方向あるいは長手方向
に粗しを入れたり、ブラスト処理を施したり、コーティ
ングが行われる。本発明においては、ブラスト処理を施
すことも良く、定形粒子、不定形粒子がブラスト剤とし
て用いられ、各々単独及び併用されて用いられ、重ね打
ちしたものも利用できる。
【0386】不定形粒子としては任意の砥粒を使用する
ことができる。
【0387】定形粒子としては、例えば、特定の粒径を
有するステンレス,アルミニウム,鋼鉄,ニッケル,真
ちゅうの如き金属からなる各種剛体球またはセラミッ
ク,プラスチック,グラスビーズの如き各種剛体球を使
用することができる。定形粒子としては、実質的に表面
が曲面からなり、長径/短径の比が1〜2(好ましく
は、1〜1.5、更に好ましくは1〜1.2)の球状ま
たは回転楕円体粒子が好ましい。従って、現像スリーブ
表面にブラスト処理に使用する定形粒子は、直径(また
は長径)が20〜250μmのものが良い。重ね打ちす
る場合には、定形ブラスト粒子が不定形ブラスト粒子よ
り大きいことが好ましく、特に1〜20倍であることが
好ましく、更に好ましくは1.5〜9倍である。
【0388】定形粒子による重ね打ち処理を行う際には
処理時間、処理粒子の衝突力の少なくとも一つを不定形
粒子ブラストのものよりも小さくすることが好ましい。
【0389】現像スリーブとしては、スリーブ表面に、
導電性微粒子を含有する被覆層が形成されているものも
好ましい。導電性微粒子としてはカーボン微粒子、カー
ボン微粒子と結晶性グラファイト、または結晶性グラフ
ァイトが好ましい。
【0390】本発明に使用される結晶性グラファイト
は、大別すると天然黒鉛と人造黒鉛とに分けられる。人
造黒鉛は、ピッチコークスをタールピッチにより固めて
1,200℃位で一度焼成してから黒鉛化炉に入れ,
2,300℃位の高温で処理することにより、炭素の結
晶が成長して黒鉛に変化する。天然黒鉛は、永い間天然
の地熱と地下の高圧によって完全に黒鉛化したものが地
中より産出するものである。これらの黒鉛は、種々の優
れた性質を有していることから工業的に広い用途をもっ
ている。黒鉛は、暗灰色ないし黒色の光沢のある非常に
柔らかい滑性のある結晶鉱物で、鉛筆に利用されその他
耐熱性、化学的安定性があるため潤滑剤、耐火性材料、
電気材料等に粉末や固体や塗料の形で利用されている。
結晶構造は六方晶とその他に菱面晶系に属するものがあ
り、完全な層状構造を有している。電気的特性に関して
は、炭素と炭素の結合の間に自由電子が存在し、電気の
良導体となっている。本発明で使用する黒鉛は天然、人
工のどちらでも良い。
【0391】本発明に使用する黒鉛は、粒径的には0.
5μm〜20μmのものが好ましい。
【0392】被覆層を形成する高分子材料は、例えば、
スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイ
ド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、
アクリル系樹脂の如き熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン
樹脂、ポリイミド樹脂の如き熱硬化性樹脂あるいは光硬
化性樹脂;を使用することができる。中でもシリコーン
樹脂、フッ素樹脂の如き離型性のあるもの、あるいはポ
リエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリエス
テル、ポリウレタン、スチレン系樹脂の如き機械的性質
に優れたものがより好ましい。
【0393】導電性のアモルファスカーボンは、一般的
には「炭化水素または炭素を含む化合物を空気の供給が
不十分な状態で燃焼または熱分解させてできる結晶子の
集合体」と定義されている。特に電気伝導性に優れ、高
分子材料に充填して導電性を付与したり、添加量のコン
トロールである程度任意の導電度を得ることができるた
め広く普及している。本発明で使用する導電性のアモル
ファスカーボンの粒子径は10nm〜80nmのものが
好ましく、15nm〜40nmのものがより好ましい。
【0394】本発明の現像方法の第3の形態で有る非磁
性一成分系現像方法について、図8に基づいて説明す
る。
【0395】図8は、静電潜像保持体上に形成された静
電潜像を非磁性一成分系現像剤を用いて現像する現像装
置を示す。155は静電潜像保持体であり、潜像形成は
図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段によ
り成される。154は現像剤担持体としての現像スリー
ブであり、アルミニウムあるいはステンレスからなる非
磁性スリーブからなる。
【0396】現像スリーブはアルミニウム、ステンレス
の粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面
をガラスビーズを吹きつけて均一に荒したものや、鏡面
処理したもの、あるいは樹脂でコートしたものがよく、
磁性一成分現像方法に使用されるものに準ずる。
【0397】非磁性一成分系現像剤Tはホッパー151
に貯蔵されており、供給ローラー152によって現像剤
担持体154上へ供給される。供給ローラー152はポ
リウレタンフォームの如き発泡材より成っており、現像
剤担持体に対して、順または逆方向に0でない相対速度
をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持体
154上の現像後の現像剤(未現像現像剤)のはぎ取り
も行っている。現像剤担持体154上に供給された非磁
性一成分系現像剤は現像剤層厚規制手段としての現像剤
塗布ブレード153によって均一かつ薄層に塗布され
る。
【0398】現像剤塗布ブレードと現像剤担持体との当
接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として、0.3
〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有
効である。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、
非磁性一成分系現像剤の均一塗布が困難となり、非磁性
一成分系現像剤の帯電量分布がブロードになりカブリや
飛散の原因となる。また当接圧力が25kg/mを超え
ると、非磁性一成分系現像剤に大きな圧力がかかり、非
磁性一成分系現像剤が劣化するため、非磁性一成分系現
像剤の凝集が発生するなど好ましくない。現像剤担持体
を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましく
ない。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整す
ることで、本発明のトナーを用いた非磁性一成分系現像
剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに非
磁性一成分系現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが
可能になる。
【0399】現像剤層厚規制手段は、磁性一成分現像方
法に使用されるものに準ずる。弾性ブレード,弾性ロー
ラーは、所望の極性に現像剤を帯電するのに適した摩擦
帯電系列の材質のものを用いることが好ましく、磁性一
成分現像方法に使用されるものに準ずる。本発明におい
ては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴムが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイ
ミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フ
ェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂の如き有機
樹脂層を設けても良い。導電性ゴム、導電性樹脂を使
用、さらに磁性一成分現像法に使用されるものに準じて
金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカー、無機
繊維の如きフィラーや荷電制御剤をブレードのゴム中,
樹脂中に分散することにより適度の導電性、帯電付与性
を与え、非磁性一成分系現像剤を適度に帯電させること
ができて好ましい。
【0400】本発明の現像方法の第3の形態の非磁性一
成分系現像方法で提案した、ブレードにより現像スリー
ブ上に非磁性一成分系現像剤を薄層コートする系におい
ては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ上の
非磁性一成分系現像剤層の厚さを現像スリーブと静電潜
像保持体との対抗空隙長αよりも小さくし、この空隙に
交番電場を印加することが好ましい。すなわち図8に示
すバイアス電源156により、現像スリーブ154と静
電潜像保持体155との間に交番電場または交番電場に
直流電場を重畳した現像バイアスを印加することによ
り、現像スリーブ上から静電潜像保持体上への非磁性一
成分系現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得る
ことができる。これらの条件も磁性一成分現像方法に準
ずる。
【0401】上述の如き、本発明の画像形成方法及び現
像方法に用いる静電潜像保持体について説明する。
【0402】本発明に用いられる潜像保持体としては、
アモルファスシリコン感光体、有機系感光体が好ましく
用いられる。
【0403】有機感光体としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、
いわゆる、単一層型でもよく、電荷輸送層と電荷発生層
を成分とする機能分離型感光体であっても良い。導電性
基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層され
ている構造の積層型感光体は好ましい例の一つである。
【0404】有機感光体の様態を以下に説明する。
【0405】導電性基体としては、アルミニウムまたは
ステンレスの如き金属、アルミニウム合金または酸化イ
ンジウム−酸化錫合金による被膜層を有するプラスチッ
ク、導電性粒子を含侵させた紙またはプラスチック、導
電性ポリマーを有するプラスチックの如き円筒状シリン
ダー及びフィルムが用いられる。
【0406】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上、塗工性改良、基体の保護、基体上に欠陥の被覆、
基体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対す
る保護等を目的として下引き層を設けても良い。下引き
層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダ
ゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メ
チルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アクリ
ル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、
ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミニウムの如き材料
によって形成される。その膜厚は通常0.1〜10μ
m、好ましくは0.1〜3μm程度である。
【0407】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素の如き有機
化合物;セレン、非晶質シリコンの如き無機物質の電荷
発生物質を適当な結着剤に分散し塗工するあるいは蒸着
により形成される。結着剤としては、広範囲な結着性樹
脂から選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂が
挙げられる。電荷発生層中に含有される結着剤の量は8
0質量%以下、好ましくは0〜40質量%が良い。電荷
発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05〜2μmが
好ましい。
【0408】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜3
0μmである。電荷輸送物質としては、主鎖または側鎖
にビフェニレン、アントラセン、ピレン又はフェナント
レンの構造を有する多環芳香族化合物;インドール、カ
ルバゾール、オキサジアゾール、ピラゾリンの如き含窒
素環式化合物;ヒドラゾン化合物;スチリン化合物が挙
げられる。これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂と
しては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリル
樹脂、ポリアミド樹脂の如き結着樹脂;ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリビニルアントラセンの如き有機光
導電性ポリマーが挙げられる。
【0409】これら結着樹脂の中でもポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が本発明に関
する現像方法の場合に、特に、クリーニング性が良く、
クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤の
フィルミングが起こりにくいことから好ましい。電荷輸
送層における結着樹脂の量は40〜70質量%が好まし
い。
【0410】感光体の最外層に、潤滑性物質が含まれて
いる形態もクリーニング性の向上、転写性の向上という
点で好ましい。潤滑性物質としては、フッ素系物質や含
シリコーン系化合物が好ましい。その中でも、フッ素系
樹脂粉体を含有している形態が特に好ましく、本発明の
トナーとともに用いることによりその効果を増大するこ
とができ、非汚染性も著しく改善できる。
【0411】フッ素系樹脂粉体は、四フッ化エチレン樹
脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フ
ッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリ
デン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂およびそれらの
共重合体の中から1種あるいはそれ以上が適宜選択され
るが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹
脂が好ましい。樹脂の分子量や粉体粒径は市販グレード
から適宜選択して用いることができるが、特に低分子量
グレードで、かつ一次粒子が1μm以下のものが好まし
い。
【0412】表面層に分散されるフッ素系樹脂粉体の含
有量は、表面層固形分重量に基づいて1〜50質量%が
適当であり、特に2〜40質量%、更には3〜30質量
%が好ましい。含有率が1質量%未満ではフッ素系樹脂
粉体による表面層改質効果が十分でなく、50質量%を
超えると光透過性が低下し、かつキャリアの移動性も低
下する。
【0413】フッ素系樹脂粉体を含有される場合は、感
光体バインダー中への分散性を向上させるために、フッ
素系グラフトポリマーを、添加する事が好ましい。
【0414】本発明に適用するフッ素系グラフトポリマ
ーは、片末端に重合性官能基を有し、かつ一定の繰り返
し単位を有する分子量が1000〜10000程度のオ
リゴマー(以下マクロマーと称す)と重合性単量体との
共重合により得ることができる。フッ素系グラフトポリ
マーの構造は、
【0415】(i)非フッ素系重合性単量体から合成し
た非フッ素系マクロマーとフッ素系重合性単量体の共重
合の場合、幹がフッ素系セグメントで枝が非フッ素系セ
グメント
【0416】(ii)フッ素系重合性単量体から合成し
たフッ素系マクロマーと非フッ素系重合性単量体の共重
合の場合、幹が非フッ素系セグメントで枝がフッ素系セ
グメントとなる。
【0417】フッ素系グラフトポリマーは、上記のよう
にフッ素系セグメントと非フッ素系セグメントがそれぞ
れ局在化しており、フッ素系セグメントがフッ素系樹脂
粉体に、非フッ素系セグメントが添加された樹脂層に、
それぞれ配向した機能分離形態をとっている。特にフッ
素系セグメントが連続して配列しているため、フッ素系
セグメントがフッ素系樹脂粉体に高密度で、かつ効率良
く吸着し、さらに非フッ素系セグメントが樹脂層に配向
するため、従来の分散剤には見られなかったフッ素系樹
脂粉体の分散安定性向上効果が発現されているものであ
る。
【0418】一般にフッ素系樹脂粉体は、数μmオーダ
ーの凝集体で存在しているものであるが、本発明のフッ
素系グラフトポリマーを分散剤として用いることによ
り、1μm以下の一次粒子まで均一に分散されるもので
ある。
【0419】このような機能分離効果を最大限に利用す
るためには、マクロマーの分子量を上記のように1,0
00〜10,000程度に調節する必要がある。
【0420】分子量が1,000未満であるとセグメン
トの長さが短すぎるため、フッ素系セグメントの場合に
はフッ素系樹脂粉体への吸着効率が減少し、さらに、非
フッ素系セグメントの場合には表面層樹脂層への配向が
弱まり、いずれにおいてもフッ素系樹脂粉体の分散安定
性が阻害される。
【0421】分子量が10,000を超えると添加され
る表面層樹脂層との相溶性が減少し、特にフッ素系セグ
メントにおいてこの現象は顕著であり、セグメントが樹
脂層中で縮まったコイル状形態をとるため、フッ素系樹
脂粉体に対する吸着活性点数が減少し、分散安定性が阻
害される。
【0422】フッ素系グラフトポリマー自身の分子量も
大きく影響を与え、10,000〜100,000が好
ましい範囲である。分子量が10,000未満であると
分散安定機能の発現が不十分であり、100,000を
超えると添加される表面層樹脂層との相溶性が減少する
ため、同様に分散安定機能が発現されなくなる。
【0423】フッ素系グラフトポリマー中におけるフッ
素系セグメントの比率は5〜90質量%が好ましく、1
0〜70質量%がさらに好ましい。フッ素系セグメント
の比率が5質量%未満ではフッ素系樹脂粉体の分散安定
機能が十分に発揮できず、90質量%を超えると添加さ
れる表面層樹脂層との相溶性が悪くなる。
【0424】フッ素系グラフトポリマーの添加量はフッ
素系樹脂粉体に対して0.1〜30質量%が適当であ
り、特に1〜20質量%が好ましい。添加量が0.1質
量%未満ではフッ素系樹脂粉体の分散安定性効果が十分
でなく、30質量%を超えるとフッ素系グラフトポリマ
ーがフッ素系樹脂粉体に吸着して存在する以外にフリー
の状態で表面層樹脂層内部に存在するようになり、繰り
返し電子写真プロセスを行なったときに残留電位の蓄積
が生じてくる。
【0425】含シリコーン化合物の具体例としては、モ
ノメチルシロキサン三次元架橋物、ジメチルシロキサン
−モノメチルシロキサン三次元架橋物、超高分子量ポリ
ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンセグメン
トを含有するブロックポリマー,界面活性剤,マクロモ
ノマー,末端修飾ポリジメチルシロキサンが用いられ
る。三次元架橋物の場合、微粒子等の形状で用いられ粒
径は0.01〜5μmの範囲で使用可能である。ポリジ
メチルシロキサン化合物の場合、その分子量は3,00
0〜5,000,000の範囲で使用可能である。微粒
子状の場合は、バインダー樹脂と供に感光層組成物とし
て分散される。分散の方法としては、サンドミル,ボー
ルミル,ロールミル,ホモジナイザー,ナノマイザー,
ペイントシェイカー,超音波が使用される。フッ素置換
化合物及び/あるいは含シリコーン化合物の含有量は、
感光体の最表面層において1〜70質量%が好ましく、
更に好ましくは2〜55質量%である。1質量%未満で
あると表面エネルギーの低下が不充分であり、70質量
%を超えると表面層の膜強度低下をひき起こす。
【0426】フッ素置換化合物及び/あるいは含シリコ
ーン化合物を分散するバインダー樹脂としては、ポリエ
ステル,ポリウレタン,ポリアリレート,ポリエチレ
ン,ポリスチレン,ポリブタジエン,ポリカーボネー
ト,ポリアミド,ポリプロピレン,ポリイミド,ポリア
ミドイミド,ポリサルホン,ポリアリルエーテル,ポリ
アセタール,ナイロン,フェノール樹脂,アクリル樹
脂,シリコーン樹脂,エポキシ樹脂,ユリア樹脂,アリ
ル樹脂,アルキッド樹脂,ブチラール樹脂が挙げられ
る。更に、反応性のエポキシ,(メタ)アクリルモノマ
ーやオリゴマーも混合後硬化して用いることが可能であ
る。
【0427】感光体の高寿命化のために、感光体の最外
層に保護層を有する形態のものが好ましく、本発明の現
像剤とともに用いることにより更なる高寿命化を図るこ
とができる。
【0428】保護層の樹脂としては、ポリエステル、ポ
リカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ホスファゼン樹脂あるいはこれらの樹脂の硬
化剤等が単独あるいは2種以上組み合わされて用いら
れ、所定の硬度を示すように調整されて用いられる。こ
の保護層の膜厚は、感光層の構成上電荷の移動しない層
を設けることに起因して、耐久使用によって、残留電位
が上昇したり、感度が低下するといった弊害を避けるた
めに0.1〜6μmが好ましく、より好ましくは0.5
〜4μmである。
【0429】保護層の塗工は、塗工液をスプレーコーテ
ィング、ビームコーティングする、あるいは溶媒を選択
することにより浸透コーティングすることによって行な
うことができる。
【0430】保護層の電気抵抗を調整するために、先に
あげた電荷輸送物質や、金属、金属酸化物、金属酸化物
被覆金属塩,金属酸化物被覆金属酸化物粒子等を含有さ
せても良い。
【0431】金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、
酸化ビスマス、酸化スズ被覆酸化チタン、酸化スズ被覆
酸化インジウム、酸化アンチモン被覆酸化スズ、酸化ジ
ルコニウムの如き超微粒子が挙げられる。これらの金属
酸化物は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよ
い。2種以上混合した場合は、固溶体または融着の形を
とってもよい。
【0432】本発明の現像剤は、静電潜像保持体の表面
が樹脂の如き有機化合物である有機感光体に対し、特に
有効である。
【0433】有機化合物が表面層を形成している場合、
トナー中に含まれる結着樹脂と接着しやすく、特に同質
の材料を用いた場合、トナーと感光体表面の接点におい
ては化学的な結合が生じやすく、離型性が低下する問題
点を有しているからである。その結果、転写性,クリー
ニング性が劣化したり、融着,フィルミングを発生しや
すくなる。
【0434】静電潜像保持体の表面物質としては、シリ
コーン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−塩化ビ
ニリデン樹脂、スチレン−アクリロニトリル系共重合
体、スチレン−メチルメタクリレート系共重合体、スチ
レン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂が挙げられるが、これに限定されること
はなく、他のモノマー或いは例示樹脂間での共重合、ブ
レンド等も使用することができる。特に、ポリカーボネ
ート樹脂は、感光体の直径が50mm以下(特に40m
m以下、例えば25〜35mm)の感光ドラムを有する
画像形成装置に対し、特に有効である。潤滑物質を含有
していたり、保護層を設けることは効果を更に増大する
ことができる。
【0435】小径な感光ドラムの場合、同一の線圧にし
ても曲率が大きいため、当接部において圧力の集中が起
りやすいためである。ベルト状感光体でも同一の現象が
あると考えられ、転写部での曲率25mm以下のベルト
状感光体を有する画像形成装置に対しても有効である。
【0436】クリーニング方式としては、ブレードクリ
ーニングが好ましい。ブレードクリーニングはウレタン
ゴム、シリコーンゴム、弾性を有する樹脂をブレードと
して、あるいは金属のブレードの先端にチップ状の樹脂
を保持させたものを、感光体の移動方向に対して順方向
または逆方向に当接あるいは圧接させたものとして知ら
れている。好ましくは、ブレードを感光体の移動方向に
対して逆方向に圧接させるのがよい。この時、感光体に
対するブレードに当接圧は、線圧で0.5kg/m以上
が好ましく、より好ましくは、1〜5kg/mである。
更に、ブレードクリーニング法にマグブラシクリーニン
グ法、ファーブラシクリーニング法、ローラークリーニ
ング法等を組み合わせても良い。
【0437】本発明のトナーは適度な摩擦が得られる上
に離型性,潤滑性に優れているので、ブレードクリーニ
ングによって良好なクリーニング性を示すばかりか、感
光体にブレードを当接させても傷が付きにくく削れにく
い。さらに、融着やフィルミングも発生しにくい。
【0438】静電潜像保持体上の転写後の残トナーを除
去する方法としては、上述の様なブレード方式,ファー
ブラシ方式,磁気ブラシ方式の如き種々の方法が知られ
ているが、これらの方法で、感光体上の転写後の残トナ
ーを完全に除去することは現状不可能であるが、本発明
のトナーは、この蓄積がなく汚染に至ることはなく、好
ましく用いられるものである。
【0439】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明はなんらこれらに限定されるものではな
い。
【0440】〈Group I〉有機処理酸化チタン微粒子,有機処理アルミナ微粒子の
製造例1〜26、及び有機処理シリカ微粒子の製造例2
次の実施例に用いられる被処理粒子を表1に示す。
【0441】
【表1】
【0442】有機処理は以下の方法により行なった。
【0443】有機溶剤法1(溶剤法1) 容器中にトルエン1kgと被処理粒子200gを入れ、
ミキサーにより撹はんしてスラリーとし、ここに処方量
の処理剤を添加し、更にミキサーで十分に撹はんした。
このスラリーをジルコニアボールをメディアとするサン
ドミルに30分間かけた。
【0444】スラリーをサンドミルから取り出し、60
℃で減圧しながらトルエンを除去した後、ステンレス容
器中で撹はんしながら250℃で2時間乾燥した。ここ
で得られた粉体をハンマミルにて解砕処理をし、有機処
理微粒子を得た。
【0445】有機溶剤法2(溶剤法2) 容器中にトルエン2kgと被処理粒子200gを入れ、
ミキサーにより撹はんし、ここに処方量の処理剤を添加
し、更に、ミキサーで20分撹はんした。その後、60
℃で減圧しながらトルエンを除去し、200℃で2時間
乾燥し、有機処理微粒子を得た。
【0446】気相法1 密閉型高速撹はんミキサーに被処理粒子20gを入れ、
窒素置換した。穏やかに撹はんしながら処理剤を、必要
に応じて適当量のn−ヘキサンで希釈して噴霧し、更に
被処理粒子180gを添加すると同時に残りの処方量の
処理剤を噴霧し、添加終了後室温で10分間撹はんした
後、高速撹はんしながら加熱し300℃に昇温させて1
時間撹はんした。撹はんしながら室温に戻し、ミキサー
から粉体を取り出し、ハンマミルにて解砕処理をし、有
機処理微粒子を得た。
【0447】気相法2 揮発性チタン化合物(例えばチタンテトライソプロポキ
サイド)を蒸発器中で200℃で窒素雰囲気下で気化さ
せた。水を蒸発器中で窒素雰囲気下で気化させ、500
℃に加熱した加熱器に導入した。気化させたチタン化合
物と加熱水蒸気を250℃に加熱した反応器に導入し加
水分解すると酸化チタン粒子が得られた。ここで、処方
量の処理剤を200℃に加熱した蒸発器中窒素雰囲気下
で気化させるかあるいは200℃で窒素雰囲気下で霧化
させ反応容器中に導入した。反応器中への導入は酸化チ
タン生成後に処理剤と混合するように導入した。以上の
操作を窒素気流下で行ない、有機処理微粒子はフィルタ
ーにて回収した。
【0448】気相法3 密閉型高速撹はんミキサーに被処理粒子200gを入
れ、窒素置換した。撹はんしながら処方量の処理剤を噴
霧し、添加終了後室温で10分間撹はんした後、高速撹
はんしながら300℃に昇温させて1時間撹はんした。
撹はんしながら室温に戻し、ミキサーから粉体を取り出
し、有機処理微粒子を得た。
【0449】水系溶媒法(水系法1) アトライター中で水にノニオン系界面活性剤を1質量%
添加した水系溶媒に、被処理粒子を固形分で200g添
加した。この際、添加する被処理粒子は被処理粒子のウ
ェットケーキあるいは含水ペーストを使用し、水系溶媒
100質量部に対し被処理粒子5質量部の濃度になる様
に、水と界面活性剤量を調整した。10分間高速撹はん
した後、処方量の処理剤を滴下し30分間撹はんした。
固体分を濾過し、乾燥機にて200℃で5時間乾燥した
後、ハンマミルで解砕し、有機処理微粒子を得た。
【0450】以下の実施例に用いられる有機処理微粒子
の製法、処方を表2〜4に示し、物性を表5及び6に示
す。また有機処理微粒子1,2及び3の滴定曲線を図1
2,13及び14に示す。処理剤・希釈剤の処理量は被
処理粒子100質量部に対する質量部である。
【0451】
【表2】
【0452】
【表3】
【0453】
【表4】
【0454】
【表5】
【0455】
【表6】
【0456】 結着樹脂の製造例 ポリエステル樹脂1 テレフタル酸 6.0mol n−ドデセニル無水琥珀酸 3.0mol ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物 10.0mol ジブチルチンオキサイド 0.05g
【0457】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に昇温し、170℃で5時
間反応させ、次いで190℃に昇温し、4時間反応させ
た。その後、以下の化合物を加えた。
【0458】 無水トリメリット酸 0.7mol ジブチルチンオキサイド 0.3g
【0459】その後、190℃で3時間反応させ、さら
に200℃に昇温し、減圧(15hPa)して5時間反
応させ脱水縮合させ、反応を終了し、ポリエステル樹脂
1を得た。
【0460】このポリエステル樹脂1は、ピーク分子量
8,700、ガラス転移点64℃であった。
【0461】 ポリエステル樹脂2 フマル酸 9.5mol ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物 10.0mol ジブチルチンオキサイド 0.5g
【0462】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に昇温し、220℃で6時
間反応させた。次いで減圧(15 hPa)し、2時間
反応させ脱水縮合させ、反応を終了し、ポリエステル樹
脂2を得た。
【0463】このポリエステル樹脂2は、ピーク分子量
9,800、ガラス転移点58℃であった。
【0464】 ポリエステル樹脂3 テレフタル酸 9.5mol ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物 5.0mol シクロヘキサンジメタノール 5.0mol ジブチルチンオキサイド 1.0g
【0465】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に昇温し、240℃で6時
間反応させた。次いで減圧(15 hPa)し、2時間
反応させ脱水縮合させ、反応を終了し、ポリエステル樹
脂3を得た。
【0466】このポリエステル樹脂3は、ピーク分子量
9,100、ガラス転移点62℃であった。
【0467】 エポキシ樹脂4 ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂 2000g (ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物でエポキシ当量188、 粘度13,000mPa・s/25℃) ビスフェノールA 937g p−クミルフェノール 559g キシレン 400g
【0468】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に70℃まで昇温させ、塩
化リチウム分0.64gの5N水溶液を加え、170℃
に昇温させ、減圧しながらキシレン,水を留去し減圧を
解除し、6時間反応させた。ここにε−カプロラクトン
184gを加え、6時間反応させ変性エポキシポリオー
ル樹脂(エポキシ樹脂4)を得た。
【0469】このエポキシ樹脂4は、ピーク分子量7,
600、ガラス転移点60℃であった。
【0470】 スチレン系樹脂5 スチレン 1600g ブチルアクリレート 400g 2,2−ビス(4,4−ジ−t− ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン 4g
【0471】上記化合物より、懸濁重合法により重合体
Aを得た。
【0472】 スチレン 2550g ブチルアクリレート 450g ジ−t−ブチルパーオキサイド 60g
【0473】上記化合物より、キシレンを溶媒とした溶
液重合法により重合体Bを得、重合体Aと重合体Bを2
5:75の質量比になるように溶液混合し、スチレン系
樹脂5を得た。
【0474】このスチレン系樹脂5は、ピーク分子量が
9,400と720,000であり、ガラス転移点が6
0℃であった。
【0475】分級品の製造例1〜6 分級品1 ポリエステル樹脂1 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0476】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmのシアン分級品(シアントナー粒子)
1を得た。
【0477】シアン分級品1で用いた顔料をC.I.P
igment Red 122 5質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)1、イ
エロー分級品(イエロートナー粒子)1及びブラック分
級品(ブラックトナー粒子)1を得た。
【0478】 分級品2 ポリエステル樹脂2 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0479】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmのシアン分級品(シアントナー粒子)
2を得た。
【0480】シアン分級品2で用いた顔料をC.I.P
igment Red 122 5質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)2、イ
エロー分級品(イエロートナー粒子)2及びブラック分
級品(ブラックトナー粒子)2を得た。
【0481】 分級品3 ポリエステル樹脂3 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0482】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmシアン分級品(シアントナー粒子)3
を得た。
【0483】シアン分級品3で用いた顔料をC.I.P
igment Red 122 5質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)3、イ
エロー分級品(イエロートナー粒子)3及びブラック分
級品(ブラックトナー粒子)3を得た。
【0484】 分級品4 エポキシ樹脂4 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0485】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmシアン分級品(シアントナー粒子)4
を得た。
【0486】シアン分級品4で用いた顔料をC.I.P
igment Red 122 5質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)4、イ
エロー分級品(イエロートナー粒子)4及びブラック分
級品(ブラックトナー粒子)4を得た。
【0487】 分級品5 スチレン系樹脂5 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部 低分子量エチレンプロピレン共重合体 3質量部
【0488】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmシアン分級品(シアントナー粒子)5
を得た。
【0489】シアン分級品5で用いた顔料をC.I.P
igment Red 122 5質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)5、イ
エロー分級品(イエロートナー粒子)5及びブラック分
級品(ブラックトナー粒子)5を得た。
【0490】 分級品6 スチレン系樹脂5 100質量部 マグネタイト(磁性酸化鉄) 80質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部 低分子量エチレンプロピレン共重合体 3質量部
【0491】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmブラック分級品(ブラックトナー粒
子)6を得た。
【0492】トナーおよび現像剤の製造例 分級品100質量部に対し、表7に示す処方で、ヘンシ
ェルミキサで十分撹はんし、本発明の有機処理酸化チタ
ン微粒子,有機処理アルミナ微粒子又は有機処理シリカ
微粒子を外添混合しトナーを得た。
【0493】シアントナー1〜27,マゼンタトナー
1,イエロートナー1,ブラックトナー1は、スチレン
−メタクリル酸メチル共重合体(質量比65:35)を
0.35質量%コーティングしたCu−Zn−Fe系フ
ェライトキャリアとトナー濃度5質量%になるように混
合し二成分系現像剤とした。
【0494】シアントナー28,マゼンタトナー2,イ
エロートナー2,ブラックトナー2は、シリコーン樹脂
を0.45質量%コーティングしたCu−Zn−Fe系
フェライトキャリアとトナー濃度5質量%になるように
混合し二成分系現像剤とした。
【0495】シアントナー31,マゼンタトナー5,イ
エロートナー5,ブラックトナー5は、スチレン−メタ
クリル酸ブチル共重合体(質量比80:20)を0.3
5質量%とシリコーン樹脂を0.15質量%コーティン
グしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリアとトナー
濃度7質量%になるように混合し二成分系現像剤とし
た。
【0496】シアントナー30,マゼンタトナー4,イ
エロートナー4,ブラックトナー4は、スチレン−メタ
クリル酸メチル共重合体(質量比65:35)を2.5
質量%コーティングしたCu−Fe系フェライトキャリ
アとトナー濃度7質量%になるように混合し二成分系現
像剤とした。
【0497】シアントナー29,マゼンタトナー3,イ
エロートナー3,ブラックトナー3は、スチレン−メタ
クリル酸メチル共重合体(質量比15:85)を0.3
5質量%とフッ素樹脂を0.15質量%コーティングし
たCu−Zn−Fe系フェライトキャリアとトナー濃度
7質量%になるように混合し二成分系現像剤とした。
【0498】ブラックトナー6はキャリアを用いずに、
そのまま一成分系現像剤として用いた。
【0499】
【表7】
【0500】実施例1 シアントナー1を図1の構成を有する市販のデジタルフ
ルカラー電子写真複写機(カラーレーザーコピア550
キヤノン株式会社製)にて、23℃,60%RH下で
10,000枚の耐刷試験を行なった。
【0501】画像濃度はマクベス濃度計RD918型
(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して反射濃
度測定を行ない、5mm丸の画像を測定し画像濃度とし
た。
【0502】画像上のカブリは反射濃度計(リフレクト
メーター モデルTC−6DS 東京電色社製)を用い
て行ない、画像形成後の白地部反射濃度最悪値をDs、
画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−
Drをカブリ量としてカブリの評価を行なった。この値
が1%以下の場合はカブリが非常に良好なレベルであ
り、1.5%以下であれば実質的にカブリの良好な画像
であり、2%以下であれば実用上問題がない。
【0503】転写効率は転写電流275μA時の感光ド
ラム上の転写前後のトナー像のマクベス濃度の変化から
求める。転写紙上の定着後の画像のマクベス濃度が1.
5となる時の感光ドラム上の転写前後の画像をポリエス
テルフィルムの接着テープで移し取り、それぞれおよび
テープのみを転写紙に貼り付け、マクベス濃度測定を行
なう。転写前の濃度をDa、転写後の濃度をDb、テープ
のみの濃度をDcとしたとき、転写効率は次式で求めら
れるもので定義する。
【0504】転写効率={[(Da−Dc)−(Db
c)]/(Da−Dc)}×100
【0505】すなわちこの値が高いほど転写効率が高
く、転写性が良好である。
【0506】転写ラチチュードは、16階調の画像を形
成させ、転写電流を変化させて得られる転写画像を定着
したものを目視により判断する。全階調の画像が転写ム
ラ、がさつき、とびちりの良好な画像が得られている転
写電流の範囲を求める。すなわち転写性に優れていれ
ば、低転写電流でもきちんと転写し、転写ムラもなく画
像濃度がしっかりでており階調性のある画像が得られ
る。また、転写性に優れたトナーは必要以上に高転写電
流にすることがないので、がさつき、とびちりの良好な
画像が得られる。すなわち転写良好な転写電流値が低い
ところから始まり転写上限までの幅が広いものが、転写
性に優れており、転写ラチチュードが広いトナーであ
る。つまり転写ラチチュードが広ければ、転写材,画像
形成環境の適用範囲が広くなると共に、画像形成装置の
転写制御を容易なものとすることができる。
【0507】転写中抜けは文字部における中抜けを目視
により判断し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:中抜けはほとんどない。B:中抜けがわずかにあ
る。C:中抜けはあるが実用上問題なし。D:中抜けが
目立ち実用上不可である。
【0508】階調性は16階調の画像を目視より判断
し、以下の評価基準に基づいて評価した。A:16階調
確認でき、ハーフトーン部にがさつきがなく、ハイライ
ト部もきちんと再現されている。B:16階調確認でき
るが、ハーフトーン部に多少がさつきがみられる。C:
ハイライト部再現が悪くなって来ているが実用上問題な
し。D:14階調以上確認できず、実用上不可。
【0509】表8に試験時の初期、1,000枚目、1
0,000枚目のカブリ、画像濃度、ライン部の転写中
抜け、階調性を示し、表10に1,000枚時における
転写効率、転写ラチチュードを示す。
【0510】更に、30℃,80%RHの環境下で耐刷
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてからスタートし、1,000枚プリ
ントした。その後この環境に1週間放置してから再スタ
ートし、1,000枚プリントし更に2週間放置して
1,000枚プリントした。各ステップの初期、100
枚目、1,000枚目のカブリ、画像濃度、ライン部の
転写中抜け、階調性を表11,13及び15に記す。
【0511】表8,10,11,13及び15に示す通
り、通常環境下、高温高湿下において本発明のシアント
ナー1は、画像濃度が高く、カブリもなく、ライン部の
中抜けもなく、階調性の優れた鮮明なシアン画像が得ら
れた。また転写効率も良く、転写ラチチュードの広いト
ナーであった。
【0512】実施例2〜17 シアントナー4〜7,9〜11及び13〜21を用いて
実施例1と同様の評価を行なった結果を表8,10,1
1,13及び15に記す。
【0513】比較例1 シアントナー2を用いて実施例1と同様の評価を行なっ
た結果を表9,10,12,14及び16に記す。文字
部の中抜けがみられ、転写ラチチュードが狭かった。高
湿下における現像性に劣り、とくに初期および放置後の
スタート時のかぶりが悪かった。
【0514】比較例2 シアントナー3を用いて実施例1と同様の評価を行なっ
た結果を表9,10,12,14及び16に記す。文字
部の中抜け,転写ラチチュードには問題なかった。
【0515】しかし、高湿下における現像性に劣り、特
に初期および放置後のスタート時のカブリが悪かった。
【0516】比較例3 シアントナー8を用いて実施例1と同様の評価を行なっ
た結果を表9,10,12,14及び16に記す。
【0517】シアントナー8は、転写ラチュードが狭
く、転写中抜けも見られた。高湿下においてはカブリが
多く濃度が低く、特に放置後スタート時が悪かった。
【0518】比較例4 シアントナー12を用いて実施例1と同様の評価を行な
った結果を9,10,12,14及び16に記す。
【0519】シアントナー12は、転写ラチュードが狭
く、転写中抜けに劣っていた。また高湿下の現像性に劣
り、放置後に目立った。
【0520】比較例5 シアントナー22を用いて実施例1と同様の評価を行な
った結果を表9,10,12,14及び16に記す。
【0521】シアントナー22は、高湿下の現像性にや
や劣っていた。
【0522】比較例6 シアントナー23を用いて実施例1と同様の評価を行な
った結果を表9,10,12,14及び16に記す。
【0523】シアントナー23は、高湿下の現像性にや
や劣っていた。
【0524】比較例7 シアントナー24を用いて実施例1と同様の評価を行な
った結果を表9,10,12,14及び16に記す。
【0525】シアントナー24は、高湿下の現像性にや
や劣っていた。
【0526】比較例8 シアントナー25を用いて実施例1と同様の評価を行な
った結果を表9,10,12,14及び16に記す。
【0527】シアントナー25は、高湿下の現像性にや
や劣っていた。
【0528】比較例9 シアントナー26を用いて実施例1と同様の評価を行な
った結果を表9,10,12,14及び16に記す。
【0529】シアントナー26は、高湿下の現像性にや
や劣っていた。
【0530】比較例10 シアントナー27を用いて実施例1と同様の評価を行な
った結果を表9,10,12,14及び16に記す。
【0531】シアントナー27は、耐久によるカブリの
増加が見られた。
【0532】
【表8】
【0533】
【表9】
【0534】
【表10】
【0535】
【表11】
【0536】
【表12】
【0537】
【表13】
【0538】
【表14】
【0539】
【表15】
【0540】
【表16】
【0541】実施例18 シアントナー1、マゼンタトナー1、イエロートナー
1、ブラックトナー1を実施例1で用いたデジタルフル
カラー電子写真複写機(カラーレーザーコピア550
キヤノン株式会社製)にて、23℃,60%RH下で
2,000枚のフルカラー複写試験を行なった。その結
果、色再現,階調性に優れた色ムラのない美しいピクト
リアル画像が得られ複写中の画像の色差はほとんど見ら
れなかった。
【0542】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから500枚複写した。その後、こ
の環境に1週間放置してから再スタートし500枚複写
試験を行った。その結果、美しいフルカラー画像が得ら
れ、カブリも4色重ねた最悪値で1.5%以下であり、
初期および再スタート時においても問題なかった。
【0543】実施例19 シアントナー28、マゼンタトナー2、イエロートナー
2、ブラックトナー2から作製した現像剤を図18に示
すデジタルフルカラー電子写真複写機にて、23℃,6
0%RH下で2,000枚のフルカラー複写試験を行な
った。
【0544】図18に示す画像形成装置は、装置本体1
70内に画像形成部P a,Pb,PcおよびPdが配置さ
れ、該画像形成部の下方に位置して、駆動ローラ17
1,172,178間にベルト168を巻回した転写材
搬送手段が配設されていて、上記ベルト168は矢印方
向に回動される。上記ベルト168の右側には、給紙機
構173が配置され、該給紙機構173を介して転写材
166がベルト168上に送り込まれるようになってい
る。各画像形成部P a,Pb,PcおよびPdにて転写が終
了した転写材166はベルト168の左側から定着器1
67へと送出されるようになっている。そして、定着さ
れた転写材166は排出口174を介して装置本体17
0外へと排出される。
【0545】搬送手段の上方に並設された第1,第2,
第3および第4の画像形成部P a,Pb,PcおよびPd
静電潜像担持体としての感光体ドラム161a,16
b,161cおよび161dを各別に保有しており、該
感光体ドラム161a,161b,161cおよび161d
のそれぞれ上部左側に帯電器162a,162b,162
cおよび162dが設けられている。
【0546】感光体ドラム161a,161b,161c
および161dの上方にはレーザビームスキャナ17
a,175b,175cおよび175dが配設されてお
り、これらはそれぞれ、半導体レーザ、ポリゴンミラ
ー、fθレンズなどからなり、原稿から読み取った電気
デジタル画像信号の入力を受けて、その信号に対応して
変調されたレーザビームを帯電器162a,162b,1
62cおよび162dと、現像器163a,163b,16
cおよび163dとの間でそれぞれ感光ドラム16
a,161b,161cおよび161dの母線方向に走査
して、露光することにより潜像を形成するのである。こ
の点について更に詳述すると、第1画像形成部Paのレ
ーザースキャナ175aにはカラー画像のイエロー成分
像に対応する画像信号が、第2画像形成部Pbのレーザ
スキャナ175bにはマゼンタ成分像に対応する画像信
号が、それぞれ入力され、そして、第3画像形成部Pc
のレーザスキャナ175cと、第4画像形成部Pdのレー
ザスキャナ175dとには、シアン成分像に対応する画
素信号と、黒成分像に対応する画素信号とがそれぞれ入
力される。
【0547】前記給紙機構173は、給紙ガイド176
とセンサー177とを備え、転写材166が給紙ガイド
176に挿入されると、その先端をセンサー177で検
知して、感光体ドラム161a,161b,161cおよ
び161dへ回転始動の信号を送り、同時に駆動ローラ
171,172,178も駆動し、ベルト168を回転
させる。ベルト168へ給紙された転写材166は吸着
用帯電器179,180からコロナ放電をうけて、ベル
ト168の表面に確実に吸着される。本実施例では、吸
着用帯電器179,180の高電圧の極性は互いに反対
になるように設定し、帯電器180は、転写帯電器16
a,164b,164cおよび164dと同極性となって
いる。
【0548】しかして、転写材166の先端が各センサ
169a,169b,169cおよび169dを遮断する位
置へ送られてくると、その信号により回転中の感光体ド
ラム161a,161b,161cおよび161dに対する
画像形成が順次開始される。転写材166が第4画像形
成部Pdを通過すると、AC電圧が除電器181に加え
られ、転写材166は除電され、ベルト168から分離
され、その後、定着器167に入り、画像定着され、排
出口174から排出される。
【0549】上記実施例では、搬送手段として使用され
るベルト168は、伸びが少なくかつ駆動ローラの回転
制御が効率よく伝達される材料、例えばポリウレタンベ
ルト(北辰工業(株)製)が選択される。構造的には転
写プロセスに係る転写コロナ電流に大きく影響を及ぼさ
ないことが望ましい。上記ベルトは、例えば、厚みが約
100μm,ゴム硬度97°D,引っ張り弾性率160
00kg/cm2であるポリウレタンであるとよい。
【0550】ここで、転写条件として各画像形成ユニッ
トともトータル転写電流は450μA,転写放電ワイヤ
・ドラム間の距離11mm,転写放電ワイヤと電極バッ
クプレート間距離8.5mm(左右とも)に設定されて
いる。転写に先立つ吸着帯電条件は吸着の上下帯電器1
79,180とも、転写帯電器164a〜164dと同一
形状のものを使用し、上下ともにトータル電流値200
μA,放電ワイヤ・搬送ベルト間距離11mmに設定し
ている。
【0551】複写試験の結果、色再現,階調性に優れた
色ムラのない美しいピクトリアル画像が得られ、複写中
の画像に色差はほとんど見られなかった。
【0552】30℃,80%RHの環境下で複写試験を
行なった。現像器および補給用トナーを試験環境に1週
間なじませてから500枚複写した。その後、この環境
に1週間放置してから再スタートし500枚複写試験を
行なった。その結果、美しいフルカラー画像が得られ、
カブリも4色重ねた最悪値で1.4%以下であり、初期
および再スタート時においても問題なかった。
【0553】本発明のトナーは転写性に優れているの
で、転写を繰り返す毎に搬送手段の帯電量が増しても、
同じ転写電流で、各転写におけるトナーの転写性を均一
にでき、同じ濃度にするため、良質な高品位画像が得ら
れると共に転写材の搬送ベルト上への吸着力も劣化させ
ることもなかった。しかも、各画像形成部の転写条件を
同一に設定したまま転写性能の均一化ができるので、フ
ルカラー画像形成時の制御も容易であった。
【0554】実施例20 シアントナー29、マゼンタトナー3、イエロートナー
3、ブラックトナー3から作製した二成分系現像剤を、
中間転写体に転写ベルトを用いた市販のデジタルフルカ
ラー電子写真複写機(プリテール550 株式会社リコ
ー製)にて、23℃,60%RH下で2,000枚のフ
ルカラー複写試験を行なった。その結果、色再現に優れ
た色ムラのない美しいフルカラー画像が得られ複写中の
画像に色差はほとんど見られなかった。
【0555】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから500枚複写した。その後、こ
の環境に1週間放置してから再スタートし500枚複写
試験を行なった。その結果、美しいフルカラー画像が得
られ、カブリも4色重ねた最悪値で1.6%以下であ
り、初期および再スタート時においても問題なかった。
【0556】実施例21 シアントナー30、マゼンタトナー4、イエロートナー
4、ブラックトナー4から作製した二成分系現像剤を、
多重現像一括転写方式の市販のデジタルフルカラー電子
写真複写機(U−Bix 9028 コニカ株式会社
製)にて、23℃,60%RH下で2,000枚のフル
カラー複写試験を行なった。その結果、色再現に優れた
色ムラのない美しいフルカラー画像が得られ複写中の画
像に色差はほとんど見られなかった。
【0557】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから500枚複写した。その後、こ
の環境に1週間放置してから再スタートし500枚複写
試験を行なった。その結果、美しいフルカラー画像が得
られ、カブリも4色重ねた最悪値で1.2%以下であ
り、初期および再スタート時においても問題なかった。
【0558】実施例22 シアントナー31、マゼンタトナー5、イエロートナー
5、ブラックトナー5から作製した二成分系現像剤を市
販のデジタルフルカラー電子写真複写機(Aカラー63
5 富士ゼロックス株式会社製)にて、23℃,60%
RH下で2,000枚のフルカラー複写試験を行なっ
た。その結果、階調性に優れた色ムラのないフルカラー
画像が得られ複写中の画像に色差はほとんど見られなか
った。
【0559】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから500枚複写した。その後、こ
の環境に1週間放置してから再スタートし500枚複写
試験を行なった。その結果、良好なフルカラー画像が得
られ、カブリも4色重ねた最悪値で1.8%以下であ
り、初期および再スタート時においても問題なかった。
【0560】実施例23 シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー
1から作製された二成分系現像剤及びブラックトナー6
から作製した一成分系現像剤を市販のデジタルフルカラ
ー電子写真複写機(カラーレーザーコピア550 キヤ
ノン株式会社製)にて、23℃,60%RH下で2,0
00枚のフルカラー複写試験を行なった。この際ブラッ
クの現像器のドクターブレードを図5に示す通り、磁性
一成分系現像方式に変更し、ブラックから現像、転写で
きるように改造した。その結果、色再現,階調性に優れ
た色ムラのない美しいピクトリアル画像が得られ複写中
の画像に色差はほとんど見られなかった。
【0561】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから500枚複写した。その後、こ
の環境に1週間放置してから再スタートし500枚複写
試験を行なった。その結果、美しいフルカラー画像が得
られ、カブリも4色重ねた最悪値で1.3%以下であ
り、初期および再スタート時においても問題なかった。
【0562】〈Group II〉次の実施例に用いら
れる有機処理酸化チタン微粒子及び有機処理アルミナ微
粒子は、〈Group I〉で用いた有機処理微粒子1
〜26の中から下記の表17及び18に示すものを用い
た。
【0563】
【表17】
【0564】
【表18】
【0565】次に実施例に用いられるトナー粒子(分級
品)は、〈Group I〉で用いた分級品1〜6の中
から下記の分級品1及び4〜6を用いた。
【0566】分級品1(シアン分級品1,マゼンタ分級
品1,イエロー分級品1,ブラック分級品1) 分級品4(シアン分級品4,マゼンタ分級品4,イエロ
ー分級品4,ブラック分級品4) 分級品5(シアン分級品5,マゼンタ分級品5,イエロ
ー分級品5,ブラック分級品5) 分級品6(ブラック分級品6)
【0567】トナーの製造例 各分級品100質量部に対し、有機処理微粒子を表19
に示す組合せで外添し、トナーを得た。
【0568】
【表19】
【0569】実施例24 マゼンタトナーAを用いて、図1に示すキヤノン(株)
製デジタルフルカラー電子写真複写機(CLC 55
0)の現像装置を図8に示すものに改造し、現像剤担持
体周速103mm/sec(対静電潜像保持体周速比:
170%)で23℃,60%RH(以下N/Nと称す)
及び30℃,80%(以下H/Hと称す)下にて、1日
500枚で3000枚通紙耐久を行った。さらに、H/
H下では、スタート前1週間、途中2000枚で10日
間放置し、放置による画像劣化も調べた。
【0570】その結果を表20及び22に示すが、現像
剤担持体上,現像剤層厚規制ブレードへの融着も見られ
ず、トナー飛散,カブリ,濃度低下の如き画像劣化も見
れられなかった。さらに、放置による画像劣化もなかっ
た。
【0571】ここで用いた現像剤層厚規制ブレードは、
リン青銅ベース板にウレタンゴムを接着し、現像剤担持
体との当接面をナイロンによりコートしたものを用い
た。
【0572】画像濃度は、マクベス濃度計RD918型
(マクベス社製)でSPIフィルターを用いて反射濃度
測定を行い、5mm角の濃度を測定し、画像濃度とし
た。
【0573】カブリは、反射濃度計Reflecter
Model TC−6DS(TOKYO DENSY
OKU CO.LTD社製)を用いて行い、試験法は、
ベタ白画像を通紙したときの潜像保持体上の転写前の画
像をポリエステルフィルムの接着テープで剥がし取り
(この濃度をDd)、これとテープのみを転写紙に張り
付け(この濃度をDt)て、Dd−Dtをカブリ量とす
る。このカブリ量が、5%以下であれば良好でり、10
%以下であれば実用上問題ない。
【0574】トナー飛散は、次の評価基準で示した。
【0575】○:飛散は少なく、実用上問題なし。 △:飛散が多く、機内の汚れが目立った。 ×:飛散が多く、機内の汚れがひどく、トナー消費量が
多くなった。
【0576】現像剤担持体,現像剤層厚規制ブレードへ
の融着及び固着は、次の評価基準で示した。
【0577】○:融着,固着は発生せず画像も問題なか
った。 △:融着,固着が数点発生し、画像上にスジが現われ
た。 ×:融着,固着がひどく画像が乱れた。
【0578】実施例25〜32 マゼンタトナーD〜Kを用いて実施例24と同様の評価
を行った結果を表20及び22に示す。
【0579】比較例11 マゼンタトナーBを実施例24と同様の評価を行った結
果を表21及び23に示すが、H/H下における現像
性、特に初期および放置後のカブリが悪かった。さら
に、トナー規制ブレードへの融着物が見られた。
【0580】比較例12 マゼンタトナーCを用いて実施例24と同様の評価を行
った結果を表21及び23に示すが、H/H下における
現像性、特に初期および放置後のカブリが悪かった。
【0581】比較例13 マゼンタトナーLを用いて実施例24と同様の評価を行
った結果を表21及び23に示すが、H/H下における
現像性にやや劣っていた。
【0582】比較例14 マゼンタトナーMを用いて実施例24と同様の評価を行
った結果を表21及び23に示すが、H/H下における
現像性にやや劣っていた。
【0583】比較例15 マゼンタトナーNを用いて実施例24と同様の評価を行
った結果を表21及び23に示すが、H/H下における
現像性にやや劣っていた。
【0584】比較例16 マゼンタトナーOを用いて実施例24と同様の評価を行
った結果を表21及び23に示すが、H/H下における
現像性にやや劣っていた。
【0585】実施例33 マゼンタトナーA、シアントナーA、イエロートナー
A、ブラックトナーAを用いてフルカラー画像を通紙耐
久する以外は、実施例24と同様にして評価を行った。
【0586】その結果、N/NおよびH/Hいずれも色
再現,階調性に優れた色ムラのない美しいピクトリアル
画像が得られ複写中の画像に色差はほとんど見られなか
った。H/H放置においてもトナー飛散,カブリの増大
はなかった。
【0587】実施例34 マゼンタトナーP、シアントナーB、イエロートナー
B、ブラックトナーBを用いる以外は実施例24と同様
にして評価を行った。
【0588】その結果、N/NおよびH/Hいずれも色
再現,階調性に優れた色ムラのない美しいピクトリアル
画像が得られ複写中の画像に色差はほとんど見られなか
った。H/H放置においてもトナー飛散,カブリ等の増
大はなかった。
【0589】実施例35 マゼンタトナーQ、シアントナーC、イエロートナー
C、ブラックトナーCを用いる以外は実施例24と同様
にして評価を行った。
【0590】その結果、N/NおよびH/Hいずれも色
再現,階調性に優れた色ムラのない美しいピクトリアル
画像が得られ複写中の画像に色差はほとんど見られなか
った。H/H放置においてもトナー飛散,カブリの増大
はなかった。
【0591】実施例36〜38 ブラックトナーDを実施例24と同様に評価を行った。
この際、現像装置を図8のタイプに改造した場合(実施
例36)、図5のタイプに改造した場合(実施例3
7)、図7のタイプに改造した場合(実施例38)の評
価を行なった。
【0592】その結果を表20及び22に示すが、トナ
ー担持体上,トナー規制部材,トナー供給部材等への融
着・固着も見られず、トナー飛散,カブリ,画像濃度低
下等の画像劣化も見られなかった。また、放置による画
像劣化もなかった。
【0593】
【表20】
【0594】
【表21】
【0595】
【表22】
【0596】
【表23】
【0597】〈Group III〉有機処理酸化チタン微粒子及び有機処理アルミナ微粒子
の製造例 次の実施例に用いられる被処理粒子を表24に示す。
【0598】
【表24】
【0599】上記の表24中の被処理粒子A,C及びD
は、〈Group I〉の実施例で用いた被処理粒子
A,C及びDと同じものである。
【0600】以下の実施例に用いられる有機処理微粒子
の製法、処方を表25に示し、物性を表26及び27に
示す。処理剤・希釈剤の処理量は被処理粒子100質量
部に対する質量部である。
【0601】なお、下記表25中の有機処理粒子1乃至
3及び21乃至26は、〈Group I〉の実施例で
用いたものである。
【0602】
【表25】
【0603】
【表26】
【0604】
【表27】
【0605】次に、実施例に用いられるトナー粒子(分
級品)は、〈Group I〉で用いた分級品1〜6の
中から下記の分級品1及び3乃至6を用いた。
【0606】分級品1(シアン分級品1,マゼンタ分級
品1,イエロー分級品1,ブラック分級品1) 分級品3(シアン分級品3,マゼンタ分級品3,イエロ
ー分級品3,ブラック分級品3) 分級品4(シアン分級品4,マゼンタ分級品4,イエロ
ー分級品4,ブラック分級品4) 分級品5(シアン分級品5,マゼンタ分級品5,イエロ
ー分級品5) 分級品6(ブラック分級品6)
【0607】トナーの製造例 分級品100質量部に対し、表28及び29に示す処方
で、有機処理微粒子ヘンシェルミキサで十分撹はんし、
トナーを得た。
【0608】
【表28】
【0609】
【表29】
【0610】実施例39 シアントナー51,マゼンタトナー52,イエロートナ
ー53,ブラックトナー54は、それぞれスチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体(質量比65:35)を0.
35質量%コーティングしたCu−Zn−Fe系フェラ
イトキャリアとトナー濃度5質量%になるように混合
し、それぞれ二成分系現像剤を得た。
【0611】各色トナー51から作製した二成分系現像
剤を市販のデジタルフルカラー電子写真複写機の改造機
(カラーレーザーコピア550キヤノン株式会社製、ナ
イロンコートウレタンゴムブレードクリーナー、表面保
護層がテフロン樹脂粒子を8質量%分散したポリカーボ
ネート樹脂である有機感光体を装着)にて、23℃,6
0%RH下で10,000枚のフルカラー耐刷試験を行
なった。この際、一次帯電を接触帯電部材として帯電ロ
ーラーを用い、中心の芯金とその外周をカーボンブラッ
クを含むエピクロルヒドリンゴムで形成した導電性弾性
層とを基本構成としている。帯電ローラーは感光ドラム
面に線圧4kg/mの押圧力を持って圧接され、感光ド
ラムの回転に伴い従動回転する。更に帯電ローラーに
は、クリーニング部材としてフェルトパッドが当接され
ている。
【0612】試験結果の評価は、画像濃度、画像上のカ
ブリ、感光体由来の画像欠陥、帯電部材由来の画像欠陥
及びクリーニング不良について行なった。
【0613】評価結果を表30に示す。
【0614】画像濃度はマクベス濃度計RD918型
(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して反射濃
度測定を行ない、5mm丸の画像を測定し画像濃度とし
た。
【0615】画像上のカブリは反射濃度計(リフレクト
メーター モデルTC−6DS 東京電色社製)を用い
て行ない、画像形成後の白地部反射濃度最悪値をDs、
画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−
Drをカブリ量としてカブリの評価を行なった。この値
が1.5%以下の場合はカブリが非常に良好なレベルで
あり、2.0%以下であれば実質的にカブリの良好な画
像であり、2.5%以下であれば実用上問題がない。
【0616】感光体由来の画像欠陥は、帯電ローラーを
新品に変えて評価した。 A:画像欠陥はまったくない。 B:斑点状あるいは筋状の模様がわずかに発生。 C:斑点状,筋状の模様、濃度ムラが発生しているが実
用上問題なし。 D:融着,フィルミングが発生し、潜像以外の像が画像
上に多く現われている。
【0617】帯電部材由来の画像欠陥は、感光体を新品
に変えて評価した。 A:画像欠陥はまったくない。 B:斑点状あるいは筋状の模様がわずかに発生。 C:斑点状,筋状の模様、濃度ムラが発生しているが実
用上問題なし。 D:汚れの影響が大きく、濃度ムラ,帯電ムラも発生
し、画像が乱れている。
【0618】クリーニング不良は、クリーニングされな
い残トナーのたて筋が画像上に見えた時、クリーニング
不良発生となる。
【0619】実施例40〜43 実施例39で用いた各色トナー51に代えて各色トナー
55〜58を用いて二成分系現像剤を調製し、実施例3
9と同様に評価を行なった結果を表30に示す。
【0620】比較例17 実施例39で用いた各色トナー51に代えて各色トナー
52を用いて二成分系現像剤を調製し、実施例39と同
様に評価を行なった結果を表30に示す。感光体上に傷
と融着が発生し画像に現われた。
【0621】比較例18 実施例39で用いた各色トナー51に代えて各色トナー
53を用いて二成分系現像剤を調製し、実施例39と同
様に評価を行なった結果を表30に示す。感光体上にフ
ィルミングが発生し、帯電ローラーの汚染による斑点状
の模様も発生し画像に現われた。
【0622】比較例19 実施例39で用いた各色トナー51に代えて各色トナー
54を用いて二成分系現像剤を調製し、実施例39と同
様に評価を行なった結果を表30に示す。感光体上に融
着が発生し、画像に現われた。
【0623】比較例20 実施例39で用いた各色トナー51に代えて各色トナー
59を用いて二成分系現像剤を調製し、実施例39と同
様に評価を行なった結果を表30に示す。帯電ローラー
の汚染による筋状の模様が画像上に現われた。
【0624】比較例21 実施例39で用いた各色トナー51に代えて各色トナー
60を用いて二成分系現像剤を調製し、実施例39と同
様に評価を行なった結果を表30に示す。感光体上にフ
ィルミングが発生し画像上に現われた。
【0625】比較例22 実施例39で用いた各色トナー51に代えて各色トナー
61を用いて二成分系現像剤を調製し、実施例39と同
様に評価を行なった結果を表30に示す。帯電ローラー
の汚染による斑点状の模様が画像上に現われた。
【0626】比較例23 実施例39で用いた各色トナー51に代えて各色トナー
62を用いて二成分系現像剤を調製し、実施例39と同
様に評価を行なった結果を表30に示す。帯電ムラによ
る画像濃度ムラが発生した。
【0627】比較例24 実施例39で用いた各色トナー51に代えて各色トナー
63を用いて二成分系現像剤を調製し、実施例39と同
様に評価を行なった結果を表30に示す。感光体上にフ
ィルミングが発生し、画像上に現われた。
【0628】実施例44 シアントナー64,マゼンタトナー64,イエロートナ
ー64,ブラックトナー64は、シリコーン樹脂を0.
45質量%コーティングしたCu−Zn−Fe系フェラ
イトキャリアとトナー濃度5質量%になるように混合
し、それぞれ二成分系現像剤を得た。
【0629】実施例39で用いた二成分系現像剤に代え
て、上記の二成分系現像剤を用いることを除いては、実
施例39と同様に評価を行なった。
【0630】評価結果を表30に示す。
【0631】実施例45 シアントナー65,マゼンタトナー65,イエロートナ
ー65,ブラックトナー65は、スチレン−メタクリル
酸ブチル共重合体(質量比80:20)を0.35質量
%とシリコーン樹脂を0.15質量%コーティングした
Cu−Zn−Fe系フェライトキャリアとトナー濃度7
質量%になるように混合し、それぞれ二成分系現像剤を
得た。
【0632】実施例39で用いた二成分系現像剤に代え
て、上記の二成分系現像剤を用いることを除いては、実
施例39と同様に評価を行なった。
【0633】評価結果を表30に示す。実施例46 シアントナー66,マゼンタトナー66,イエロートナ
ー66は、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(質
量比15:85)を0.35質量%とフッ素樹脂を0.
15質量%コーティングしたCu−Zn−Fe系フェラ
イトキャリアとトナー濃度7質量%になるように混合
し、それぞれ二成分系現像剤を得た。
【0634】ブラックトナー66はキャリアを用いず
に、そのまま一成分系現像剤として用いた。
【0635】実施例39で用いた二成分系現像剤に代え
て、上記の3色の二成分系現像剤とブラックの一成分系
現像剤を用いて、さらに、ブラックの現像器のドクター
ブレードを図5に示す通り、磁性一成分系現像方式に変
更し、ブラックから現像、転写できるように改造したも
のを用いて、実施例39と同様に試験を行なった。
【0636】評価結果を表30に示す。
【0637】実施例47 各色トナー61から作製した二成分系現像剤を実施例3
9で用いたデジタルフルカラー電子写真複写機にて、2
3℃,60%RH下で10,000枚のフルカラー耐刷
試験を行なった。
【0638】この際、一次帯電を接触帯電部材として帯
電ブレードを用い、ブレードはカーボンブラックを含む
エピクロルヒドリンゴムで形成した導電性弾性層を基本
構成としている。帯電ブレードは感光ドラム面に線圧2
kg/mの押圧力を持って圧接されている。その結果を
表30に記す。
【0639】
【表30】
【0640】実施例48〜51 各色トナー61,64,65,66で形成された実施例
39及び44〜46で得られた未定着画像を次に示す定
着試験を行なった。その結果を表31に記す。
【0641】未定着画像を、図11に示すような、加熱
体131に対向圧接し、かつフィルム132を介して転
写材136を該加熱体131に密着させる加圧部材13
5からなる外部定着機を用いて定着試験を行った。定着
フィルム132の材質として、ポリイミドフィルムに導
電材を添加したフッ素樹脂の離型層を10μmコートし
たエンドレスフィルムを使用した。加圧ローラー135
としては、シリコーンゴムを使用し、ニップ4.0m
m,加熱体131と加圧ローラー135との間の総圧1
0kg、プロセススピード100mm/secとして試
験を行った。フィルム駆動は、駆動ローラー133と従
動ローラー134による駆動とテンションにより行い、
低熱容量線状である加熱体131にパルス状のエネルギ
ーを与え190℃に温調した。
【0642】A4紙を縦送りで定着器に入れる様にし
て、定着長手方向に平行なライン画像(200μm巾の
ラインを1cmおきに20本引いたもの)を用いて評価
した。
【0643】定着飛び散りは次のように判断した。A:
飛び散りはほとんどない。B:飛び散りはわずかに発生
している。C:多少みられるが実用上問題なし。D:飛
び散りが多く目立つ。
【0644】比較例25〜31 各色トナー52〜54及び59〜63で形成された未定
着画像を実施例48と同様な定着試験を行なった。その
結果を表31に記すが、各色トナー52,54,59で
飛び散りが悪かった。
【0645】
【表31】
【0646】〈Group IV〉有機処理チタン微粒子及び有機処理アルミナ微粒子の製
造例32〜48 実施例に用いられる被処理微粉体粒子を表32に示す。
【0647】
【表32】
【0648】上記表中の被処理粒子A乃至Dは、〈Gr
oup I〉の実施例で用いた被処理粒子A乃至Dと同
じものである。
【0649】処理法は以下の方法により行なった。
【0650】有機溶剤法3(溶剤法3) 容器中にトルエン1kgと被処理粒子200gを入れ、
ミキサーにより撹はんしてスラリーとし、ここに処方量
の処理剤を添加し、更にミキサーで十分に撹はんした。
このスラリーをジルコニアボールをメディアとするサン
ドミルに30分間かけた。
【0651】スラリーをサンドミルから取り出し、60
℃で減圧しながらトルエンを除去した後、ステンレス容
器中で撹はんしながら180℃で2時間乾燥した。ここ
で得られた粉体をハンマミルにて解砕処理をし、有機処
理微粒子を得た。
【0652】気相法4 密閉型高速撹はんミキサーに被処理粒子20gを入れ、
窒素置換した。穏やかに撹はんしながら処理剤を、必要
に応じて適当量のn−ヘキサンで希釈して噴霧し、更に
被処理粒子180gを添加すると同時に残りの処方量の
処理剤を噴霧し、添加終了後室温で10分間撹はんした
後、高速撹はんしながら加熱し180℃に昇温させて1
時間撹はんした。撹はんしながら室温に戻し、ミキサー
から粉体を取り出し、ハンマミルにて解砕処理をし、有
機処理微粒子を得た。
【0653】気相法5 揮発性チタン化合物(例えばチタンテトライソプロポキ
サイド)を蒸発器中で200℃で窒素雰囲気下で気化さ
せた。水を蒸発器中で窒素雰囲気下で気化させ、500
℃に加熱した加熱器に導入した。気化させたチタン化合
物と加熱水蒸気を200℃に加熱した反応器に導入し加
水分解するとチタニア粒子が得られた。ここで、処方量
の処理剤を100〜200℃に加熱した蒸発器中窒素雰
囲気下で気化させるかあるいは100〜200℃で窒素
雰囲気下で霧化させ反応容器中に導入した。反応器中へ
の導入はチタニア生成後に処理剤と混合するように導入
した。以上の操作を窒素気流下で行ない、処理チタニア
はフィルターにて回収した。
【0654】水系溶媒法2(水系法2) アトライター中で水にノニオン系界面活性剤を1質量%
添加した水系溶媒に、被処理粒子を固形分で200g添
加した。この際、添加する被処理粒子は被処理粒子のウ
ェットケーキあるいは含水ペーストを使用し、水系溶媒
100質量部に対し被処理粒子5質量部の濃度になる様
に、水と界面活性剤量を調整した。10分間高速撹はん
した後、処方量の処理剤を滴下し30分間撹はんした。
固体分を濾過し、乾燥機にて180℃で5時間乾燥した
後、ハンマミルで解砕し、有機処理微粒子を得た。
【0655】以下実施例に用いられる有機処理微粒子の
製法、処方を表33及び34に示し、物性を表35及び
36に示す。また有機処理粒子32,34及び35の滴
定曲線を図15,16及び17に示す。処理剤・希釈剤
の処理量は被処理微粉体粒子100質量部に対する質量
部である。
【0656】
【表33】
【0657】
【表34】
【0658】
【表35】
【0659】
【表36】
【0660】 結着樹脂の製造例 ポリエステル樹脂6 テレフタル酸 6.0mol n−ドデセニル無水琥珀酸 3.0mol ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物 10.0mol 無水トリメリット酸 0.7mol ジブチルチンオキサイド 0.1g
【0661】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に昇温し、180℃で5時
間反応させ、次いで200℃に昇温し、減圧(15 h
Pa)して、4時間反応させて脱水縮合させ、反応を終
了し、ポリエステル樹脂6を得た。
【0662】このポリエステル樹脂6は、ピーク分子量
10,700、ガラス転移点63℃であった。
【0663】 ポリエステル樹脂7 フマル酸 9.5mol ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物 10.0mol ジブチルチンオキサイド 0.5g
【0664】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に昇温し、220℃で6時
間反応させた。次いで減圧(15 hPa)し、2時間
反応させ脱水縮合させ、反応を終了し、ポリエステル樹
脂7を得た。
【0665】このポリエステル樹脂7は、ピーク分子量
9,800、ガラス転移点58℃であった。
【0666】 ポリエステル樹脂8 テレフタル酸 9.5mol ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物 5.0mol シクロヘキサンジメタノール 5.0mol ジブチルチンオキサイド 1.0g
【0667】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に昇温し、240℃で6時
間反応させた。次いで減圧(15 hPa)し、2時間
反応させ脱水縮合させ、反応を終了し、ポリエステル樹
脂8を得た。
【0668】このポリエステル樹脂8は、ピーク分子量
9,100、ガラス転移点62℃であった。
【0669】 エポキシ樹脂9 ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂 2000g (ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物でエポキシ当量188、 粘度13,000mPa・s/25℃) ビスフェノールA 937g p−クミルフェノール 559g キシレン 400g
【0670】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に70℃まで昇温させ、塩
化リチウム分0.64gの5N水溶液を加え、170℃
に昇温させ、減圧しながらキシレン,水を留去し減圧を
解除し、6時間反応させた。ここにε−カプロラクトン
184gを加え、6時間反応させ変性エポキシポリオー
ル樹脂(エポキシ樹脂9)を得た。
【0671】このエポキシ樹脂9は、ピーク分子量7,
600、ガラス転移点60℃であった。
【0672】 スチレン系樹脂10 スチレン 1600g ブチルアクリレート 400g 2,2−ビス(4,4−ジ−t− ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン 4g
【0673】上記化合物より、懸濁重合法により重合体
Cを得た。
【0674】 スチレン 2550g ブチルアクリレート 450g ジ−t−ブチルパーオキサイド 60g
【0675】上記化合物より、キシレンを溶媒とした溶
液重合法により重合体Dを得、重合体Cと重合体Dを2
5:75の質量比になるように溶液混合し、スチレン系
樹脂10を得た。
【0676】このスチレン系樹脂10は、ピーク分子量
が9,400と720,000であり、ガラス転移点が
60℃であった。
【0677】分級品の製造例7〜12 分級品7 ポリエステル樹脂6 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0678】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmのシアン分級品(シアントナー粒子)
7を得た。
【0679】シアン分級品7で用いた顔料をC.I.P
igment Red 122 5質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)7、イ
エロー分級品(イエロートナー粒子)7及びブラック分
級品(ブラックトナー粒子)7を得た。
【0680】 分級品8 ポリエステル樹脂7 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0681】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmのシアン分級品(シアントナー粒子)
8を得た。
【0682】シアン分級品8で用いた顔料をC.I.P
igment Red 122 5質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)8、イ
エロー分級品(イエロートナー粒子)8及びブラック分
級品(ブラックトナー粒子)8を得た。
【0683】 分級品9 ポリエステル樹脂8 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0684】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmシアン分級品(シアントナー粒子)9
を得た。
【0685】シアン分級品9で用いた顔料をC.I.P
igment Red 122 5質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)9、イ
エロー分級品(イエロートナー粒子)9及びブラック分
級品(ブラックトナー粒子)9を得た。
【0686】 分級品10 エポキシ樹脂9 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0687】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmシアン分級品(シアントナー粒子)1
0を得た。
【0688】シアン分級品10で用いた顔料をC.I.
Pigment Red 1225質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)10、
イエロー分級品(イエロートナー粒子)10及びブラッ
ク分級品(ブラックトナー粒子)10を得た。
【0689】 分級品11 スチレン系樹脂10 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 4級アンモニウム塩 1質量部 低分子量エチレンプロピレン共重合体 3質量部
【0690】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmシアン分級品(シアントナー粒子)1
1を得た。
【0691】シアン分級品11で用いた顔料をC.I.
Pigment Red 1225質量部、C.I.P
igment Yellow 17 3.5質量部及び
カーボンブラック5質量部にそれぞれ変更する以外は同
様にしてマゼンタ分級品(マゼンタトナー粒子)11、
イエロー分級品(イエロートナー粒子)11及びブラッ
ク分級品(ブラックトナー粒子)11を得た。
【0692】 分級品12 スチレン系樹脂10 100質量部 マグネタイト(磁性酸化鉄) 80質量部 トリフェニルメタン化合物 2質量部 低分子量エチレンプロピレン共重合体 3質量部
【0693】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmブラック分級品(ブラックトナー粒
子)12を得た。
【0694】トナーおよび現像剤の製造例 分級品100質量部に対し、表37に示す処方で、ヘン
シェルミキサで十分撹はんし、本発明の有機処理酸化チ
タン微粒子又は有機処理アルミナ微粒子を外添混合しト
ナーを得た。
【0695】一成分系現像剤として用いる場合には、こ
のまま用い、二成分系現像剤として用いる場合は以下の
ように行った。
【0696】シアントナー89,マゼンタトナー72,
イエロートナー72,ブラックトナー72は、シリコー
ン樹脂を0.45質量%コーティングしたCu−Zn−
Fe系フェライトキャリアとトナー濃度5質量%になる
ように混合し二成分系現像剤とした。
【0697】シアントナー90,マゼンタトナー73,
イエロートナー73,ブラックトナー73は、スチレン
−メタクリル酸ブチル共重合体(質量比80:20)を
0.35質量%とシリコーン樹脂を0.15質量%コー
ティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリアと
トナー濃度7質量%になるように混合し二成分系現像剤
とした。
【0698】シアントナー91,マゼンタトナー74,
イエロートナー74,ブラックトナー74は、スチレン
−メタクリル酸メチル共重合体(質量比65:35)を
2.5質量%コーティングしたCu−Fe系フェライト
キャリアとトナー濃度7質量%になるように混合し二成
分系現像剤とした。
【0699】シアントナー88,マゼンタトナー76,
イエロートナー76は、スチレン−メタクリル酸メチル
共重合体(質量比15:85)を0.35質量%とフッ
素樹脂を0.15質量%コーティングしたCu−Zn−
Fe系フェライトキャリアとトナー濃度7質量%になる
ように混合し二成分系現像剤とした。
【0700】ブラックトナー76は、キャリアを用いず
にそのまま一成分系現像剤として用いた。
【0701】
【表37】
【0702】実施例52 シアントナー71を図1の構成を有する市販のデジタル
フルカラー電子写真複写機(カラーレーザーコピア55
0 キヤノン株式会社製)にて、15℃,10%RH下
で5,000枚の耐刷試験を行なった。この際、現像器
は一成分現像ができるように改造した。具体的には、ド
クターブレードを厚さ150μmのリン青銅板の弾性板
に厚さ1mmのウレタンゴムをはり、表面に厚さ20μ
mのナイロン樹脂層を設けた弾性ブレードに換え、スリ
ーブに線圧4kg/mで当接するように設置した。供給
ローラーとしてウレタン系発泡ゴムローラーを用い、現
像スリーブは内部からマグネットを取り除き、スリーブ
表面を#600のガラスビーズでブラストしたものに変
更した。
【0703】表38に試験時の初期、5,000枚目の
カブリ、画像濃度、ライン部の転写中抜け、階調性およ
び1,000枚時における転写効率、転写ラチチュード
を記する。
【0704】更に、30℃,80%RHの環境下で耐刷
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてからスタートし、5,000枚プリ
ントした。初期、5,000枚目のカブリ、画像濃度、
ライン部の転写中抜け、階調性を表39に記する。
【0705】表38及び39に示す通り、低温低湿下、
高温高湿下において本発明のシアントナー71は、画像
濃度が高く、カブリもなく、ライン部の中抜けもなく、
階調性の優れた鮮明なシアン画像が得られた。また転写
効率も良く、転写ラチチュードの広いトナーであった。
【0706】なお、画像濃度、画像上のカブリ、転写効
率、転写ラチチュード、転写中抜け及び階調性の評価
は、〈Group I〉の実施例で用いた方法で行っ
た。
【0707】実施例53〜62 シアントナー72,75,76,78〜81及び83〜
85を用いて実施例52と同様の評価を行なった結果を
表38及び39に記す。
【0708】実施例63及び64 シアントナー86及び87を実施例52と同様の評価を
行なった結果を表38及び39に記す。ただし、感光ド
ラムをプラス帯電のα−Si感光ドラムに、弾性ブレー
ドをステンレスの弾性板にシリコーンゴムをはり付けた
ものに変え、正帯電性トナーの画像形成が行なえるよう
に、1次帯電、現像バイアス、転写帯電、分離帯電の電
源を改造した。
【0709】比較例33 シアントナー73を用いて実施例52と同様の評価を行
なった結果を表38及び39に記す。文字部の中抜け,
転写ラチチュードには問題なかった。
【0710】しかし、低湿下,高湿下ではカブリが見ら
れ、高湿下では特に初期のかぶりが悪かった。
【0711】比較例34 シアントナー74を用いて実施例52と同様の評価を行
なった結果を表38及び39に記すが、低湿下の現像性
は問題なかったものの、文字部の中抜けがみられ、転写
ラチチュードが狭かった。高湿下における現像性に劣
り、とくに初期のカブリが悪かった。
【0712】比較例35 シアントナー77を用いて実施例52と同様の評価を行
なった結果を表38及び39に記す。文字部の中抜けが
みられ、転写ラチチュードが狭かった。高湿下における
現像性に劣り、初期のカブリが悪かった。
【0713】比較例36 シアントナー82を用いて実施例52と同様の評価を行
なった結果を表38及び39に記す。文字部の中抜けが
みられ、転写ラチチュードが狭かった。高湿下における
現像性に劣り、初期のカブリが悪かった。
【0714】
【表38】
【0715】
【表39】
【0716】実施例65 シアントナー71、マゼンタトナー71、イエロートナ
ー71、ブラックトナー71を実施例24で用いた改造
デジタルフルカラー電子写真複写機(カラーレーザーコ
ピア550 キヤノン株式会社製)にて、15℃,10
%RH下で2,000枚のフルカラー複写試験を行なっ
た。その結果、色再現,階調性に優れた色ムラのない美
しいピクトリアル画像が得られ転写中の画像の色差はほ
とんど見られなかった。カブリも4色重ねた最悪値で
1.4%以下で耐久中常に問題なかった。
【0717】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.6%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0718】実施例66 シアントナー88、マゼンタトナー72、イエロートナ
ー72、ブラックトナー72から作製した二成分系現像
剤を市販のデジタルフルカラー電子写真複写機(カラー
レーザーコピア550 キヤノン株式会社製)にて、1
5℃,10%RH下で2,000枚のフルカラー複写試
験を行なった。その結果、色再現,階調性に優れた色ム
ラのない美しいピクトリアル画像が得られ複写中の画像
に色差はほとんど見られなかった。カブリも4色重ねた
最悪値で1.5%以下であり、耐久中常に問題なかっ
た。
【0719】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.7%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0720】実施例67 シアントナー89、マゼンタトナー73、イエロートナ
ー73、ブラックトナー73から作製した二成分系現像
剤を、中間転写体に転写ベルトを用いた市販のデジタル
フルカラー電子写真複写機(プリテール550 株式会
社リコー製)にて、15℃,10%RH下で2,000
枚のフルカラー複写試験を行なった。その結果、色再現
に優れた色ムラのない美しいフルカラー画像が得られ複
写中の画像に色差はほとんど見られなかった。カブリも
4枚重ねた最悪値で1.4%以下であり、問題なかっ
た。
【0721】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.8%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0722】実施例68 シアントナー90、マゼンタトナー74、イエロートナ
ー74、ブラックトナー74から作製した二成分系現像
剤を、多重現像一括転写方式の市販のデジタルフルカラ
ー電子写真複写機(U−Bix 9028 コニカ株式
会社製)にて、15℃,10%RH下で2,000枚の
フルカラー複写試験を行なった。その結果、色再現に優
れた色ムラのない美しいフルカラー画像が得られ複写中
の画像に色差はほとんど見られなかった。カブリも4枚
重ねた最悪値で0.9%以下であり、問題なかった。
【0723】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.2%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0724】実施例69 シアントナー86、マゼンタトナー75、イエロートナ
ー75、ブラックトナー75を実施例63で用いたデジ
タルフルカラー電子写真複写機にて、15℃,10%R
H下で2,000枚のフルカラー複写試験を行なった。
その結果、階調性に優れた色ムラのないフルカラー画像
が得られ複写中の画像に色差はほとんど見られなかっ
た。カブリも4枚重ねた最悪値で1.4%以下であり、
問題なかった。
【0725】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、良好なフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.9%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0726】実施例70 シアントナー87、マゼンタトナー76、イエロートナ
ー76から作製した二成分系現像剤およびブラックトナ
ー76の一成分系現像剤を実施例63で用いたデジタル
フルカラー電子写真複写機にて、15℃,10%RH下
で2,000枚のフルカラー複写試験を行なった。この
際ブラックの現像器のドクターブレードを改造し(磁気
カットタイプに)、ブラックから現像、転写できるよう
に改造し、シアン、マゼンタ及びイエローから作製され
た二成分系現像剤は実施例66で用いた二成分現像器を
使用した。その結果、色再現,階調性に優れた色むらの
ない美しいピクトリアル画像が得られ複写中の画像に色
差はほとんど見られなかった。カブリも4色重ねた最悪
値で1.2%以下であり、問題なかった。
【0727】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.6%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0728】〈Group V〉有機処理酸化チタン微粒子,有機処理アルミナ微粒子及
び無機微粉体Bの製造例 実施例に用いられる被処理粒子を表40に示す。
【0729】
【表40】
【0730】次の本発明に用いられる有機処理酸化チタ
ン微粒子、有機処理アルミナ微粒子及び無機微粉体Bの
製法、処方を表41及び43に示し、有機処理微粒子の
物性を表42に、無機微粉体Bの物性を表44に示す。
また有機処理微粒子49及び50の滴定曲線を図19及
び20に示す。処理剤・希釈剤の処理量は被処理粒子1
00質量部に対する質量部である。
【0731】
【表41】
【0732】
【表42】
【0733】
【表43】
【0734】
【表44】
【0735】次に本発明に用いられるトナー粒子(分級
品)は、〈Group IV〉で用いた分級品7〜11
の中から下記の分級品7〜10を用いた。
【0736】分級品7(シアン分級品7,マゼンタ分級
品7,イエロー分級品7,ブラック分級品7) 分級品8(シアン分級品8,マゼンタ分級品8,イエロ
ー分級品8,ブラック分級品8) 分級品9(シアン分級品9,マゼンタ分級品9,イエロ
ー分級品9,ブラック分級品9) 分級品10(シアン分級品10,マゼンタ分級品10,
イエロー分級品10,ブラック分級品10)
【0737】分級品13は、以下の通り調製した。
【0738】 分級品13 ポリエステル樹脂8 100質量部 マグネタイト(磁性酸化鉄) 80質量部 ジ−t−ブチルサルチル酸クロム錯体 4質量部 低分子量エチレンプロピレン共重合体 3質量部
【0739】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmのブラック分級品13を得た。
【0740】トナーおよび現像剤の製造例 分級品100質量部に対し、表45に示す処方で、有機
処理微粒子及び無機微粉体Bをヘンシェルミキサで十分
撹はんし、トナーを得た。
【0741】一成分系現像剤として用いる場合には、こ
のトナーをそのまま用い、二成分系現像剤として用いる
場合には以下のように行った。
【0742】シアントナー125,マゼンタトナー10
2,イエロートナー102,ブラックトナー102は、
シリコーン樹脂を0.45質量%コーティングしたCu
−Zn−Fe系フェライトキャリアとトナー濃度5質量
%になるように混合し二成分系現像剤とした。
【0743】シアントナー126,マゼンタトナー10
3,イエロートナー103,ブラックトナー103は、
スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体(質量比80:
20)を0.35質量%とシリコーン樹脂を0.15質
量%コーティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキ
ャリアとトナー濃度7質量%になるように混合し二成分
系現像剤とした。
【0744】シアントナー127,マゼンタトナー10
4,イエロートナー104,ブラックトナー104は、
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(質量比65:
35)を2.5質量%コーティングしたCu−Fe系フ
ェライトキャリアとトナー濃度7質量%になるように混
合し二成分系現像剤とした。
【0745】
【表45】
【0746】実施例71 シアントナー101を図1の構成を有する市販のデジタ
ルフルカラー電子写真複写機(カラーレーザーコピア5
50 キヤノン株式会社製)にて、23℃,60%RH
下及び15℃,10%RH下で5,000枚の耐刷試験
を行なった。この複写機においては、現像器は一成分現
像ができるように改造した。具体的には、ドクターブレ
ードを厚さ150μmのリン青銅板の弾性板に厚さ1m
mのウレタンゴムをはり、表面に厚さ20μmのナイロ
ン樹脂層を設けた弾性ブレードに換え、スリーブに線圧
4kg/mで当接するように設置した。供給ローラーと
してウレタン系発泡ゴムローラーを用い、現像スリーブ
は内部からマグネットを取り除き、スリーブ表面を#6
00のガラスビーズでブラストしたものに変更した。
【0747】〈GroupI〉の実施例と同様の評価方
法によって、試験時の初期、5,000枚目のカブリ、
画像濃度、ライン部の転写中抜け、階調性及び1,00
0枚時における転写効率、転写ラチチュードについて評
価を行った。
【0748】23℃,60%RH下での評価結果を表4
6に示し、15℃,10%RH下での評価結果を表48
に示す。
【0749】更に、30℃,80%RHの環境下で耐刷
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてからスタートし、5,000枚プリ
ントした。初期、5,000枚目のカブリ、画像濃度、
ライン部の転写中抜け、階調性について評価を行った。
結果を表50に示す。
【0750】表46,48及び50に示す通り、低温低
湿下、高温高湿下において本発明のシアントナー101
は、画像濃度が高く、カブリもなく、ライン部の中抜け
もなく、階調性に優れた鮮明なシアン画像が得られた。
転写効率も良く、転写ラチチュードの広いトナーであっ
た。
【0751】実施例72〜86 シアントナー102,103,105及び112〜12
3を用いて実施例71と同様の評価を行なった結果を表
46,48及び50に記す。
【0752】比較例37 シアントナー104を実施例71と同様の評価を行なっ
た結果を表47,49及び51に記すが、文字部の中抜
け,転写ラチチュードには問題なかった。低湿下の濃
度,カブリには問題はなかったが、濃度ムラがみられ
た。また高湿下における現像性に劣り、とくに初期のカ
ブリが悪かった。
【0753】比較例38 シアントナー106を実施例71と同様の評価を行なっ
た結果を表47,49及び51に記す。転写ラチチュー
ド、中抜け及び高湿下の現像性に劣っていた。
【0754】比較例39 シアントナー107を実施例71と同様の評価を行なっ
た結果を表47,49及び51に記す。転写ラチチュー
ド、中抜け及び高湿下の現像性に劣っていた。
【0755】比較例40 シアントナー108を実施例71と同様の評価を行なっ
た結果を表47,49及び51に記す。高湿下,低湿下
における現像性にやや劣り、低湿下においてはハーフト
ーン部に濃度ムラが見られた。
【0756】比較例41 シアントナー109を実施例71と同様の評価を行なっ
た結果を表47,49及び51に記す。高湿下,低湿下
における現像性にやや劣り、低湿下においてはハーフト
ーン部に濃度ムラが見られた。
【0757】比較例42 シアントナー110を実施例71と同様の評価を行なっ
た結果を表47,49及び51に記す。高湿下,低湿下
における現像性にやや劣り、低湿下においてはハーフト
ーン部に濃度ムラが見られた。
【0758】比較例43 シアントナー111を実施例71と同様の評価を行なっ
た結果を表47,49及び51に記す。高湿下,低湿下
における現像性にやや劣り、低湿下においてはハーフト
ーン部に濃度ムラが見られた。
【0759】
【表46】
【0760】
【表47】
【0761】
【表48】
【0762】
【表49】
【0763】
【表50】
【0764】
【表51】
【0765】実施例87 シアントナー115、マゼンタトナー101、イエロー
トナー101、ブラックトナー101を実施例71で用
いた改造デジタルフルカラー電子写真複写機(カラーレ
ーザーコピア550 キヤノン株式会社製)に用いて、
15℃,10%RH下で2,000枚のフルカラー複写
試験を行なった。その結果、色再現,階調性に優れた美
しいピクトリアル画像が得られ複写中の画像の色差はほ
とんど見られなかった。カブリも4色重ねた最悪値で
1.2%以下で耐久中、常に問題なかった。
【0766】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.8%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0767】実施例88 シアントナー124、マゼンタトナー102、イエロー
トナー102、ブラックトナー102から作製した二成
分系現像剤を市販のデジタルフルカラー電子写真複写機
(カラーレーザーコピア550 キヤノン株式会社製)
にて、15℃,10%RH下で2,000枚のフルカラ
ー複写試験を行なった。その結果、色再現,階調性に優
れた美しいピクトリアル画像が得られ複写中の画像に色
差はほとんど見られなかった。カブリも4色重ねた最悪
値で1.4%以下であり、耐久中、常に問題なかった。
【0768】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.8%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0769】実施例89 シアントナー125、マゼンタトナー103、イエロー
トナー103、ブラックトナー103から作製した二成
分系現像剤を、中間転写体に転写ベルトを用いた市販の
デジタルフルカラー電子写真複写機(プリテール550
株式会社リコー製)にて、15℃,10%RH下で
2,000枚のフルカラー複写試験を行なった。その結
果、色再現に優れた美しいフルカラー画像が得られ複写
中の画像に色差はほとんど見られなかった。カブリも4
枚重ねた最悪値で1.3%以下であり、問題なかった。
【0770】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.7%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0771】実施例90 シアントナー126、マゼンタトナー104、イエロー
トナー104、ブラックトナー104から作製した二成
分系現像剤を、多重現像一括転写方式の市販のデジタル
フルカラー電子写真複写機(U−Bix 9028 コ
ニカ株式会社製)にて、15℃,10%RH下で2,0
00枚のフルカラー複写試験を行なった。その結果、色
再現に優れた美しいフルカラー画像が得られ複写中の画
像に色差はほとんど見られなかった。カブリも4枚重ね
た最悪値で0.8%以下であり、問題なかった。
【0772】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.3%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0773】実施例91 シアントナー125、マゼンタトナー103及びイエロ
ートナー103から作製された二成分系現像剤及びブラ
ックトナー105の一成分系現像剤を実施例71で用い
たデジタルフルカラー電子写真複写機にて、15℃,1
0%RH下で2,000枚のフルカラー複写試験を行な
った。この際ブラックの現像器を磁性一成分系現像方式
に改造し(磁気搬送,弾性ブレードタイプ使用、図6参
照)、ブラックから現像,転写できるように改造した。
その結果、階調性に優れた鮮やかなフルカラーグラフィ
ック画像が得られ複写中の画像に色差はほとんど見られ
なかった。カブリも4色重ねた最悪値で1.4%以下で
あり、問題なかった。
【0774】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.7%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0775】〈Group VI〉有機処理酸化チタン微粒子,有機処理アルミナ微粒子及
び無機微粉体C 実施例に用いられる被処理粒子を表52に示す。
【0776】
【表52】
【0777】本発明に用いられる有機処理酸化チタン微
粒子、有機処理アルミナ微粒子及び無機微粉体Cの製法
・処方を表53及び55に示し、有機処理酸化チタン微
粒子及び有機処理アルミナ微粒子の物性を表54に、無
機微粉体Cの物性を表56に示す。また有機処理微粒子
62及び63の滴定曲線を図21及び22に示す。処理
剤・希釈剤の処理量は被処理粒子100質量部に対する
質量部である。
【0778】
【表53】
【0779】
【表54】
【0780】
【表55】
【0781】
【表56】
【0782】次に本発明に用いられるトナー粒子(分級
品)は、〈Group IV〉で用いた分級品7〜11
の中から下記の分級品7〜10を用い、さらに〈Gro
upV〉で用いた下記の分級品13を用いた。
【0783】分級品7(シアン分級品7,マゼンタ分級
品7,イエロー分級品7,ブラック分級品7) 分級品8(シアン分級品8,マゼンタ分級品8,イエロ
ー分級品8,ブラック分級品8) 分級品9(シアン分級品9,マゼンタ分級品9,イエロ
ー分級品9,ブラック分級品9) 分級品10(シアン分級品10,マゼンタ分級品10,
イエロー分級品10,ブラック分級品10) 分級品13(ブラック分級品13)
【0784】トナーおよび現像剤の製造例 分級品100質量部に対し、表57に示す処方で、有機
処理微粒子及び無機微粉体Cをヘンシェルミキサで十分
撹はんし、トナーを得た。
【0785】一成分現像剤として用いる場合には、この
トナーをそのまま用い、二成分系現像剤として用いる場
合には以下のように行った。
【0786】シアントナー147,マゼンタトナー13
2,イエロートナー132,ブラックトナー132は、
シリコーン樹脂を0.45質量%コーティングしたCu
−Zn−Fe系フェライトキャリアとトナー濃度5質量
%になるように混合し二成分系現像剤とした。
【0787】シアントナー148,マゼンタトナー13
3,イエロートナー133,ブラックトナー133は、
スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体(質量比80:
20)を0.35質量%とシリコーン樹脂を0.15質
量%コーティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキ
ャリアとトナー濃度7質量%になるように混合し二成分
系現像剤とした。
【0788】シアントナー149,マゼンタトナー13
4,イエロートナー134,ブラックトナー134は、
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(質量比65:
35)を2.5質量%コーティングしたCu−Fe系フ
ェライトキャリアとトナー濃度7質量%になるように混
合し二成分系現像剤とした。
【0789】
【表57】
【0790】実施例92 シアントナー131を図1の構成を有する市販のデジタ
ルフルカラー電子写真複写機(カラーレーザーコピア5
50 キヤノン株式会社製)にて、23℃,60%RH
下及び23℃,5%RH下で5,000枚の耐刷試験を
行なった。この複写機においては、現像器は一成分現像
ができるように改造した(図8参照)。具体的には、ド
クターブレードを厚さ150μmのリン青銅板の弾性板
に厚さ1mmのウレタンゴムをはり、表面に厚さ20μ
mのナイロン樹脂層を設けた弾性ブレードに換え、スリ
ーブに線圧4kg/mで当接するように設置した。供給
ローラーとしてウレタン系発泡ゴムローラーを用い、現
像スリーブは内部からマグネットを取り除き、スリーブ
表面を#600のガラスビーズでブラストしたものに変
更した。
【0791】〈Group I〉の実施例と同様の評価
方法によって、試験時の初期、5,000枚目のカブ
リ、画像濃度、ライン部の転写中抜け、階調性及び1,
000枚時における転写効率、転写ラチチュードについ
て評価を行った。
【0792】23℃,60%RH下での評価結果を表5
8に示し、23℃,5%RH下での評価結果を表60に
示す。
【0793】更に、30℃,80%RHの環境下で耐刷
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてからスタートし、5,000枚プリ
ントした。初期、5,000枚目のカブリ、画像濃度、
ライン部の転写中抜け、階調性について評価を行った。
評価結果を表62に示す。
【0794】表58,60及び62に示す通り、低湿
下、高温高湿下において本発明のシアントナー131
は、画像濃度が高く、カブリもなく、ライン部の中抜け
もなく、階調性に優れた鮮明なシアン画像が得られた。
転写効率も良く、転写ラチチュードの広いトナーであっ
た。
【0795】実施例93〜100及び比較例44〜50 シアントナー132〜146を実施例92と同様の評価
を行なった結果を表58乃至63に記す。
【0796】
【表58】
【0797】
【表59】
【0798】
【表60】
【0799】
【表61】
【0800】
【表62】
【0801】
【表63】
【0802】実施例101 シアントナー131、マゼンタトナー131、イエロー
トナー131、ブラックトナー131を実施例92で用
いた改造デジタルフルカラー電子写真複写機(カラーレ
ーザーコピア550 キヤノン株式会社製)に用いて、
23℃,5%RH下で2,000枚のフルカラー複写試
験を行なった。その結果、色再現,階調性に優れた美し
いピクトリアル画像が得られ複写中の画像の色差はほと
んど見られなかった。カブリも4色重ねた最悪値で1.
3%以下で耐久中、常に問題なかった。
【0803】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.6%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0804】実施例102 シアントナー147、マゼンタトナー132、イエロー
トナー132、ブラックトナー132から作製した現像
剤を市販のデジタルフルカラー電子写真複写機(カラー
レーザーコピア550 キヤノン株式会社製)にて、2
3℃,5%RH下で2,000枚のフルカラー複写試験
を行なった。その結果、色再現,階調性に優れた美しい
ピクトリアル画像が得られ複写中の画像に色差はほとん
ど見られなかった。カブリも4色重ねた最悪値で1.5
%以下であり、耐久中、常に問題なかった。
【0805】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.6%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0806】実施例103 シアントナー148、マゼンタトナー133、イエロー
トナー133、ブラックトナー133から作製した現像
剤を、中間転写体に転写ベルトを用いた市販のデジタル
フルカラー電子写真複写機(プリテール550 株式会
社リコー製)にて、23℃,5%RH下で2,000枚
のフルカラー複写試験を行なった。その結果、色再現に
優れた美しいフルカラー画像が得られ複写中の画像に色
差はほとんど見られなかった。カブリも4枚重ねた最悪
値で1.2%以下であり、問題なかった。
【0807】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.5%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0808】実施例104 シアントナー149、マゼンタトナー134、イエロー
トナー134、ブラックトナー134から作製した現像
剤を、多重現像一括転写方式の市販のデジタルフルカラ
ー電子写真複写機(U−Bix 9028 コニカ株式
会社製)にて、23℃,5%RH下で2,000枚のフ
ルカラー複写試験を行なった。その結果、色再現に優れ
た色むらのない美しいフルカラー画像が得られ複写中の
画像に色差はほとんど見られなかった。カブリも4枚重
ねた最悪値で0.9%以下であり、問題なかった。
【0809】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.1%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0810】実施例105 シアントナー148、マゼンタトナー133、イエロー
トナー133、ブラックトナー135を実施例92で用
いたデジタルフルカラー電子写真複写機にて、23℃,
5%RH下で2,000枚のフルカラー複写試験を行な
った。この際ブラックの現像器を磁性一成分系現像方式
に改造し(磁気搬送,弾性ブレードタイプ使用、図6参
照)、ブラックから現像,転写できるように改造した。
その結果、階調性に優れた鮮やかなフルカラーグラフィ
ック画像が得られ複写中の画像に色差はほとんど見られ
なかった。カブリも4色重ねた最悪値で1.5%以下で
あり、問題なかった。
【0811】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、カブリも4色重ね
た最悪値で1.4%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0812】
【発明の効果】本発明においては、トナーが、少なくと
も、メタノール濡れ性半値の高い有機処理酸化チタン微
粒子又は有機処理アルミナ微粒子を含有しているため、
耐湿性,離型性,帯電安定性,流動性に優れており、現
像性,転写性,耐久性,環境安定性に優れ、低湿下,高
湿下においても良好な現像性が得られ、カブリもなく、
さらに、転写効率が良く、転写ラチチュードの広い、美
しいピクトリアルなフルカラー画像を容易に得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の画像形成方法の第1形態に用い
られる画像形成工程を示す概略図である。
【図2】本発明の第2の画像形成方法の第1形態に用い
られる画像形成工程を示す概略図である。
【図3】本発明の第2の画像形成方法の第2形態に用い
られる画像形成工程を示す概略図である。
【図4】本発明の第1の画像形成方法の第2形態に用い
られる画像形成工程を示す概略図である。
【図5】本発明の現像方法における第1実施形態の現像
器の概略図である。
【図6】本発明の現像方法における第2の実施形態の現
像器の概略図である。
【図7】本発明の現像方法における第2実施形態の現像
器の概略図である。
【図8】本発明の現像方法における現像器の概略図であ
る。
【図9】本発明の画像形成方法に用いられる現像形成工
程を示す概略図である。
【図10】本発明の画像形成方法に用いられる一次帯電
工程を示す概略図である。
【図11】本発明の加熱定着方法における定着工程を示
す概略図である。
【図12】有機処理微粒子1のメタノール濡れ性半値を
導きだすメタノール滴定曲線である。
【図13】有機処理微粒子2のメタノール濡れ性半値を
導きだすメタノール滴定曲線である。
【図14】有機処理微粒子3のメタノール濡れ性半値を
導きだすメタノール滴定曲線である。
【図15】有機処理微粉体32のメタノール濡れ性半値
を導きだすメタノール滴定曲線である。
【図16】有機処理微粉体34のメタノール濡れ性半値
を導きだすメタノール滴定曲線である。
【図17】有機処理微粉体35のメタノール濡れ性半値
を導きだすメタノール滴定曲線である。
【図18】実施例19で用いた画像形成装置を示す概略
図である。
【図19】有機処理微粒子49のメタノール濡れ性半値
を導きだすメタノール滴定曲線である。
【図20】有機処理微粒子50のメタノール濡れ性半値
を導きだすメタノール滴定曲線である。
【図21】有機処理微粒子62のメタノール濡れ性半値
を導きだすメタノール滴定曲線である。
【図22】有機処理微粒子63のメタノール濡れ性半値
を導きだすメタノール滴定曲線である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 現像ユニット 2−1,2,3,4 現像器 3 露光手段 4 帯電器 5 保持部材 6 転写ドラム 7 グリッパー 8 転写帯電器 9 分離帯電器 10 給紙ローラー 11 分離爪 21 感光ドラム 22 帯電器 23 露光部 24,25,26,27 現像器 28 クリーナ 29 転写帯電器 30 分離帯電器 31 除電器 32 定着器 41 感光ドラム 42 帯電ローラー 43 露光手段 44,45,46,47 現像器 48 中間転写体 49 電源 50 保持部材 51 転写帯電器 52 分離除電器 53 感光ドラムクリーナ 54 中間転写材クリーナ 55 芯金 Pa,b,c,d 画像形成部 61−a,b,c,d 感光ドラム 62−a,b,c,d 潜像形成部 63−a,b,c,d 現像部 64−a,b,c,d 転写放電部 65−a,b,c,d クリーニング部 66−a,b,c,d 帯電器 67 定着器 68 搬送ベルト 69 分離除電器 70 排出口 71,72 吸着帯電器 73−a,b,c,d 分離除電放電部 90,96,99 現像スリーブ 91,101 ホッパ 92 磁気発生手段 93,97,103 ドクターブレード S 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 381 9/10 351 (31)優先権主張番号 特願平6−329805 (32)優先日 平6(1994)12月6日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−332876 (32)優先日 平6(1994)12月15日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−335147 (32)優先日 平6(1994)12月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 川上 宏明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (88)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒
    子及び酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を有する静
    電荷像現像用トナーにおいて、該酸化チタン微粒子ある
    いは該アルミナ微粒子は表面が有機処理され、メタノー
    ル濡れ性半値が55%以上であることを特徴とする静電
    荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 表面が有機処理された該酸化チタン微粒
    子あるいはアルミナ微粒子は、メタノール濡れ性半値が
    60%以上であることを特徴とする請求項1に記載の静
    電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 表面が有機処理された該酸化チタン微粒
    子あるいはアルミナ微粒子は、60%以上のメタノール
    濡れ終点を有することを特徴とする請求項1又は2に記
    載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 表面が有機処理された該酸化チタン微粒
    子あるいはアルミナ微粒子は、60%以上のメタノール
    疎水化度を有することを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 表面が有機処理された該酸化チタン微粒
    子あるいはアルミナ微粒子は、0.1μm未満の平均粒
    径を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 該酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子
    は、シラン化合物とシリコーンオイルで表面が有機処理
    されており、平均粒径が0.1μm未満であり、含水率
    が3.0質量%以下であることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 該シラン化合物が一般式(1)で表わせ
    る化合物であることを特徴とする請求項6に記載の静電
    荷像現像用トナー。 (R1nSi(OR24-n・・・・・(1) [ただし、R1はアリール基,アルアルキル基,アルキ
    ニル基,アルケニル基またはアルキル基を表わし、R2
    はアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わす。]
  8. 【請求項8】 該シラン化合物の一般式(1)において
    1が炭素数5以下のアルキル基であることを特徴とす
    る請求項7に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該シリコーンオイルの置換基がアルキル
    基,アリール基,水素原子の一部または全部がフッ素原
    子に置換されたアルキル基,または水素であり、25℃
    における粘度が5〜2,000mm2/sであることを
    特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の静電荷像
    現像用トナー。
  10. 【請求項10】 該シラン化合物及び該シリコーンオイ
    ルは、それぞれ該酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子
    100質量部に対し1〜40質量部で処理されており、
    該シラン化合物と該シリコーンオイルの両者をあわせた
    処理量が50質量部以下であり、該シラン化合物の処理
    量の該シリコーンオイルの処理量に対する比が0.2〜
    5であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに
    記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 該酸化チタン微粒子あるいはアルミナ
    微粒子は、表面が窒素元素を含有する置換基を有する化
    合物で有機処理されていることを特徴とする請求項1に
    記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 該酸化チタン微粒子あるいはアルミナ
    微粒子は、一種以上のシラン化合物および一種以上のシ
    リコーンオイルで処理され、これらの化合物の少なくと
    も一種以上が窒素元素を含有する置換基を有するシラン
    化合物Nまたは窒素元素を含有する置換基を有するシリ
    コーンオイルNであって、表面が有機処理された該酸化
    チタン微粒子あるいはアルミナ微粒子は、平均粒径が
    0.1μm未満であることを特徴とする請求項11に記
    載の静電荷像現像用トナー。
  13. 【請求項13】 該シラン化合物がシラザン化合物、シ
    ロキサン化合物、または下記一般式(2)で表わせる化
    合物であることを特徴とする請求項12に記載の静電荷
    像現像用トナー。 (R3nSiX4-n・・・・・(2) [ただし、R3は水素原子の一部または全部がフッ素原
    子で置換されていても良い、アリール基,アルアルキル
    基,アルキニル基,アルケニル基,アルキル基を表わ
    し、Xはハロゲンまたはアルコキシ基を表わし、nは1
    〜3の整数を表わす。]
  14. 【請求項14】 該シリコーンオイルの置換基がアルキ
    ル基,アリール基,水素原子の一部または全部がフッ素
    原子に置換されたアルキル基,水素であり、25℃にお
    ける粘度が5〜2,000mm2/sであることを特徴
    とする請求項12に記載の静電荷像現像用トナー。
  15. 【請求項15】 該酸化チタン微粒子あるいはアルミナ
    微粒子は、一種以上のシラン化合物および一種以上のシ
    リコーンオイルと、少なくとも一種以上の窒素元素を含
    有する置換基を有するシラン化合物Nあるいは窒素元素
    を含有する置換基を有するシリコーンオイルNから選ば
    れる化合物とで処理され、表面が有機処理された該酸化
    チタン微粒子あるいはアルミナ微粒子は、含水率が3.
    0質量%以下であることを特徴とする請求項11乃至1
    4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  16. 【請求項16】 該トナーは、表面が有機処理された該
    酸化チタン微粒子あるいはアルミナ微粒子より比表面積
    が大きい無機微粉体Bをさらに有することを特徴とする
    請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  17. 【請求項17】 該トナーは、表面が有機処理された該
    酸化チタン微粒子あるいはアルミナ微粒子よりメタノー
    ル疎水化度が小さい無機微粉体Bをさらに有することを
    特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  18. 【請求項18】 該トナーは、表面が有機処理された該
    酸化チタン微粒子あるいはアルミナ微粒子より比表面積
    が大きく且つメタノール疎水化度が小さい無機微粉体B
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の静電
    荷像現像用トナー。
  19. 【請求項19】 該酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒
    子は、シラン化合物とシリコーンオイルで表面が有機処
    理されており、平均粒径が0.1μm未満であり、含水
    率が3.0質量%以下であることを特徴とする請求項1
    6乃至18のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  20. 【請求項20】 該シラン化合物がシラザン化合物、シ
    ロキサン化合物、または下記一般式(2)で表わせる化
    合物であることを特徴とする請求項19に記載の静電荷
    像現像用トナー。 (R3nSiX4-n・・・・・(2) [ただし、R3は水素原子の一部または全部がフッ素原
    子で置換されていても良い、アリール基,アルアルキル
    基,アルキニル基,アルケニル基,アルキル基を表わ
    し、Xはハロゲンまたはアルコキシ基を表わし、nは1
    〜3の整数を表わす。]
  21. 【請求項21】 該シリコーンオイルの置換基がアルキ
    ル基,アリール基,水素原子の一部または全部がフッ素
    原子に置換されたアルキル基,水素であり、25℃にお
    ける粘度が5〜2,000mm2/sであることを特徴
    とする請求項19に記載の静電荷像現像用トナー。
  22. 【請求項22】 該無機微粉体Bがシラン化合物あるい
    はシリコーンオイルで処理された無機微粉体であること
    を特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の静
    電荷像現像用トナー。
  23. 【請求項23】 該無機微粉体Bがチタニア,アルミナ
    又はシリカであることを特徴とする請求項16乃至22
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  24. 【請求項24】 該無機微粉体Bの比表面積が30〜4
    00m2/gであることを特徴とする請求項16乃至2
    3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  25. 【請求項25】 該無機微粉体Bのメタノール疎水化度
    が60%以下であることを特徴とする請求項16乃至2
    4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  26. 【請求項26】 該無機微粉体Bの含水率が5.0質量
    %未満であることを特徴とする請求項16乃至25のい
    ずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  27. 【請求項27】 該トナーは、該トナー粒子、表面が有
    機処理された該酸化チタン及び該無機微粉体Bとしての
    シリカを有することを特徴とする請求項16乃至26の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  28. 【請求項28】 該無機微粉体Bの含有比(質量基準)
    が、表面を有機処理された酸化チタン微粒子あるいはア
    ルミナ微粒子の1に対し0.02〜0.8であることを
    特徴とする請求項16乃至27のいずれかに記載の静電
    荷像現像用トナー。
  29. 【請求項29】 該トナーは、pHが7以上である無機
    微粉体Cをさらに有することを特徴とする請求項1に記
    載の静電荷像現像用トナー。
  30. 【請求項30】 該酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒
    子は、シラン化合物とシリコーンオイルで表面が有機処
    理されており、平均粒径が0.1μm未満であり、含水
    率が3.0質量%以下であることを特徴とする請求項2
    9に記載の静電荷像現像用トナー。
  31. 【請求項31】 該シラン化合物がシラザン化合物、シ
    ロキサン化合物、または下記一般式(2)で表わせる化
    合物であることを特徴とする請求項30に記載の静電荷
    像現像用トナー。 (R3nSiX4-n・・・・・(2) [ただし、R3は水素原子の一部または全部がフッ素原
    子で置換されていても良い、アリール基,アルアルキル
    基,アルキニル基,アルケニル基,アルキル基を表わ
    し、Xはハロゲンまたはアルコキシ基を表わし、nは1
    〜3の整数を表わす。]
  32. 【請求項32】 該シリコーンオイルの置換基がアルキ
    ル基,アリール基,水素原子の一部または全部がフッ素
    原子に置換されたアルキル基,水素であり、25℃にお
    ける粘度が5〜2,000mm2/sであることを特徴
    とする請求項30に記載の静電荷像現像用トナー。
  33. 【請求項33】 該無機微粉体Cが平均粒径0.1μm
    未満であり、シラザン化合物で処理された無機微粉体で
    あることを特徴とする請求項29乃至32のいずれかに
    記載の静電荷像現像用トナー。
  34. 【請求項34】 該無機微粉体Cがチタニア,アルミナ
    又はシリカであることを特徴とする請求項29乃至33
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  35. 【請求項35】 該無機微粉体Cの比表面積が50〜4
    00m2/gであることを特徴とする請求項29乃至3
    4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  36. 【請求項36】 該トナーは、該トナー粒子、表面が有
    機処理された該酸化チタン及び該無機微粉体Cとしての
    シリカを有することを特徴とする請求項29乃至35の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  37. 【請求項37】 該無機微粉体Cの含有比(質量基準)
    が、表面を有機処理された酸化チタン微粒子あるいはア
    ルミナ微粒子の1に対し0.02〜0.8であることを
    特徴とする請求項29乃至36のいずれかに記載の静電
    荷像現像用トナー。
  38. 【請求項38】 該結着樹脂がポリエステル樹脂,ポリ
    オール樹脂あるいはエポキシ樹脂を含むことを特徴とす
    る請求項1乃至37のいずれかに記載の静電荷像現像用
    トナー。
  39. 【請求項39】 該結着樹脂がポリエステル樹脂,ポリ
    オール樹脂あるいはエポキシ樹脂を含み、該トナーが非
    磁性トナーであることを特徴とする請求項1乃至37の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  40. 【請求項40】 該着色剤がシアン色,マゼンタ色,イ
    エロー色または黒色であることを特徴とする請求項1乃
    至39のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  41. 【請求項41】 トナー及びキャリアを有する二成分系
    現像剤において、該トナーは、結着樹脂及び着色剤を含
    有するトナー粒子及び酸化チタン微粒子又はアルミナ微
    粒子を有しており、該酸化チタン微粒子あるいは該アル
    ミナ微粒子は表面が有機処理され、メタノール濡れ性半
    値が55%以上であることを特徴とする二成分系現像
    剤。
  42. 【請求項42】 該トナーは、二成分系現像剤中に0.
    1〜50質量%含まれていることを特徴とする請求項4
    1に記載の二成分系現像剤。
  43. 【請求項43】 該キャリアは、キャリアコアの表面を
    樹脂で被覆した樹脂コートキャリアであることを特徴と
    する請求項41又は42に記載の二成分系現像剤。
  44. 【請求項44】 該トナーは、請求項2乃至40のいず
    れかの静電荷像現像用トナーであることを特徴とする請
    求項41乃至43のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  45. 【請求項45】 現像剤担持体上に現像剤層厚規制手段
    によって一成分系現像剤の層厚を規制して一成分系現像
    剤の薄層を形成し、静電荷像保持体上の静電潜像を該静
    電潜像保持体と対抗して配置された該現像剤担持体に担
    持されている該一成分系現像剤で現像する現像方法にお
    いて、 該一成分系現像剤は、結着樹脂及び着色剤を含有するト
    ナー粒子及び酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を有
    するトナーを含み、 該酸化チタン微粒子あるいは該アルミナ微粒子は表面が
    有機処理され、メタノール濡れ性半値が55%以上であ
    ることを特徴とする現像方法。
  46. 【請求項46】 該現像剤層厚規制手段は、磁性ブレー
    ドであり、該一成分系現像剤は、磁性トナーを含むこと
    を特徴とする請求項45に記載の現像方法。
  47. 【請求項47】 該現像剤層厚規制手段は、弾性ブレー
    ドであることを特徴とする請求項45に記載の現像方
    法。
  48. 【請求項48】 該一成分系現像剤は、磁性トナーを含
    むことを特徴とする請求項45又は47に記載の現像方
    法。
  49. 【請求項49】 該一成分系現像剤は、非磁性トナーを
    含むことを特徴とする請求項45又は47に記載の現像
    方法。
  50. 【請求項50】 該静電潜像保持体は、電子写真用感光
    体であることを特徴とする請求項45乃至49のいずれ
    かに記載の現像方法。
  51. 【請求項51】 該一成分系現像剤は、該現像剤担持体
    に現像剤供給部材によって供給されることを特徴とする
    請求項45乃至50のいずれかに記載の現像方法。
  52. 【請求項52】 該一成分系現像剤は、請求項2乃至4
    0のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含むこと
    を特徴とする請求項45乃至51のいずれかに記載の現
    像方法。
  53. 【請求項53】 静電潜像保持体に接触帯電手段を当接
    させて、該静電潜像保持体の表面を帯電し、帯電した該
    静電潜像保持体に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナ
    ーにより現像し、顕像化する画像形成方法において、 該トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子
    及び酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を有してお
    り、該酸化チタン微粒子あるいは該アルミナ微粒子表面
    が有機処理され、メタノール濡れ性半値が55%以上で
    あることを特徴とする画像形成方法。
  54. 【請求項54】 該静電潜像保持体は、電子写真感光体
    であることを特徴とする請求項53に記載の画像形成方
    法。
  55. 【請求項55】 該接触帯電手段は、帯電ローラーであ
    ることを特徴とする請求項53又は54に記載の画像形
    成方法。
  56. 【請求項56】 該接触帯電手段は、帯電ブレードであ
    ることを特徴とする請求項53又は54に記載の画像形
    成方法。
  57. 【請求項57】 該静電潜像保持体の表面を該接触帯電
    手段で帯電する前に該静電潜像保持体の表面をクリーニ
    ングするためのクリーニング工程を有することを特徴と
    する請求項53乃至56のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  58. 【請求項58】 該クリーニング工程でのクリーニング
    は、該静電潜像保持体の表面にクリーニングブレードを
    当接させて行なうことを特徴とする請求項57に記載の
    画像形成方法。
  59. 【請求項59】 該静電潜像保持体は、最外層に保護層
    を有していることを特徴とする請求項53乃至58のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  60. 【請求項60】 該静電潜像保持体は、少なくとも表面
    に潤滑性物質を含有することを特徴とする請求項53乃
    至59のいずれかに記載の画像形成方法。
  61. 【請求項61】 該トナーは、請求項2乃至40のいず
    れかに記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴と
    する請求項53乃至60のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  62. 【請求項62】 静電潜像保持体又は中間転写体上に複
    数種のトナーにより形成された多重トナー像を記録材に
    一括転写する画像形成方法において、 該トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子
    及び酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を有してお
    り、該酸化チタン微粒子あるいは該アルミナ微粒子は表
    面が有機処理され、メタノール濡れ性半値が55%以上
    であることを特徴とする画像形成方法。
  63. 【請求項63】 該多重トナー像は、該静電潜像保持体
    上にトナー像を現像する工程を複数回くり返すことによ
    り、該静電潜像保持体上に形成されることを特徴とする
    請求項62に記載の画像形成方法。
  64. 【請求項64】 該多重トナー像は、該静電潜像保持体
    上に現像されたトナー像を該中間転写体上に転写する工
    程を複数回くり返すことにより、該中間転写体上に形成
    されることを特徴とする請求項62に記載の画像形成方
    法。
  65. 【請求項65】 該静電潜像保持体は、電子写真感光体
    であることを特徴とする請求項62乃至64のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  66. 【請求項66】 該多重トナー像は、シアントナー、マ
    ゼンタトナー及びイエロートナーからなる群から選択さ
    れる少なくとも2種以上のカラートナーによって形成さ
    れることを特徴とする請求項62乃至65のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  67. 【請求項67】 該多重トナー像は、シアントナー、マ
    ゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーから
    なる群から選択される少なくとも2種以上のカラートナ
    ーによって形成されることを特徴とする請求項62乃至
    65のいずれかに記載の画像形成方法。
  68. 【請求項68】 該トナーは、請求項2乃至40のいず
    れかの静電荷像現像用トナーであることを特徴とする請
    求項62乃至67のいずれかに記載の画像形成方法。
  69. 【請求項69】 静電潜像保持体上に形成された静電潜
    像をトナーにより現像してトナー像を形成し、該静電潜
    像保持体上に形成されたトナー像を記録材に転写する画
    像形成方法において、 該トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子
    及び酸化チタン微粒子またはアルミナ微粒子を有してお
    り、該酸化チタン微粒子あるいは該アルミナ微粒子は表
    面が有機処理され、メタノール濡れ性半値が55%以上
    であることを特徴とする画像形成方法。
  70. 【請求項70】 該静電潜像保持体は、電子写真用感光
    体であることを特徴とする請求項69に記載の画像形成
    方法。
  71. 【請求項71】 該静電潜像保持体上に形成されたトナ
    ー像を該記録材に転写する工程を複数回くり返し、該記
    録材上に多重トナー像を形成することを特徴とする請求
    項69又は70に記載の画像形成方法。
  72. 【請求項72】 該多重トナー像は、シアントナー、マ
    ゼンタトナー及びイエロートナーからなる群から選択さ
    れる少なくとも2種以上のカラートナーによって形成さ
    れることを特徴とする請求項71に記載の画像形成方
    法。
  73. 【請求項73】 該多重トナー像は、シアントナー、マ
    ゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーから
    なる群から選択される少なくとも2種以上のカラートナ
    ーによって形成されることを特徴とする請求項71に記
    載の画像形成方法。
  74. 【請求項74】 該静電潜像保持体は、最外層に保護層
    を有していることを特徴とする請求項71乃至73のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  75. 【請求項75】 該静電潜像保持体は、少なくとも表面
    に潤滑性物質を含有することを特徴とする請求項71乃
    至74のいずれかに記載の画像形成方法。
  76. 【請求項76】 該トナーは、請求項2乃至40のいず
    れかの静電荷像現像用トナーであることを特徴とする請
    求項71乃至75のいずれかに記載の画像形成方法。
  77. 【請求項77】 加熱体と該加熱体に対抗圧接しかつフ
    ィルムを介して該記録材を該加熱体に密着させる加圧部
    材とによって、記録材上に2種以上のトナーによって形
    成された多種トナー像を該記録材に加熱定着する加熱定
    着方法において、 該トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子
    及び酸化チタン微粒子またはアルミナ微粒子を有してお
    り、該酸化チタン微粒子あるいは該アルミナ微粒子は表
    面が有機処理され、メタノール濡れ性半値が55%以上
    であることを特徴とする加熱定着方法。
  78. 【請求項78】 該多重トナー像は、シアントナー、マ
    ゼンタトナー及びイエロートナーからなる群から選択さ
    れる少なくとも2種以上のカラートナーによって形成さ
    れることを特徴とする請求項77に記載の加熱定着方
    法。
  79. 【請求項79】 該多重トナー像は、シアントナー、マ
    ゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーから
    なる群から選択される少なくとも2種以上のカラートナ
    ーによって形成されることを特徴とする請求項77に記
    載の加熱定着方法。
  80. 【請求項80】 該トナーは、請求項2乃至40のいず
    れかの静電荷像現像用トナーであることを特徴とする請
    求項77乃至79のいずれかに記載の加熱定着方法。
  81. 【請求項81】 (i)有機溶剤中に酸化チタン微粒子
    又はアルミナ微粒子を分散させ、 (ii)得られた分散液中にシラン化合物及びシリコー
    ンオイルを同時に、又はシラン化合物,シリコーンオイ
    ルの順に添加して、該シラン化合物及び該シリコーンオ
    イルで該酸化チタン微粒子又は該アルミナ微粒子を処理
    し、 (iii)処理された酸化チタン微粒子又はアルミナ微
    粒子を乾燥して、55%以上のメタノール濡れ性半値を
    有する有機処理酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を
    得、 (iv)トナー粒子と得られた有機処理酸化チタン微粒
    子又はアルミナ微粒子とを混合してトナーを得ることを
    特徴とするトナーの製造方法。
  82. 【請求項82】 該シラン化合物は、一般式(1) (R1nSi(OR24-n・・・・・(1) [ただし、R1はアリール基,アルアルキル基,アルキ
    ニル基,アルケニル基またはアルキル基を表わし、R2
    はアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わす。]
    でしめされる化合物を含むことを特徴とする請求項81
    に記載のトナーの製造方法。
  83. 【請求項83】 該シラン化合物の一般式(1)におい
    てR1が炭素数5以下のアルキル基であることを特徴と
    する請求項82に記載のトナーの製造方法。
  84. 【請求項84】 該シリコーンオイルの置換基がアルキ
    ル基,アリール基,水素原子の一部または全部がフッ素
    原子に置換されたアルキル基または水素であり、25℃
    における粘度が5〜2,000mm2/sであることを
    特徴とする請求項82又は83に記載のトナーの製造方
    法。
  85. 【請求項85】 (i)酸化チタン微粒子又はアルミナ
    微粒子を気相中で生成し、 (ii)該気相中でシラン化合物及びシリコーンオイル
    を同時に、又はシラン化合物、シリコーンオイルの順に
    気化又は霧化して、該シラン化合物及び該シリコーンオ
    イルで該酸化チタン微粒子又は該アルミナ微粒子を処理
    し、55%以上のメタノール濡れ性半値を有する有機処
    理酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を得、 (iii)トナー粒子と得られた有機処理酸化チタン微
    粒子又はアルミナ微粒子とを混合してトナーを得ること
    を特徴とするトナーの製造方法。
  86. 【請求項86】 該シラン化合物は、一般式(1) (R1nSi(OR24-n・・・・・(1) [ただし、R1はアリール基,アルアルキル基,アルキ
    ニル基,アルケニル基またはアルキル基を表わし、R2
    はアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わす。]
    でしめされる化合物を含むことを特徴とする請求項85
    に記載のトナーの製造方法。
  87. 【請求項87】 該シラン化合物の一般式(1)におい
    てR1が炭素数5以下のアルキル基であることを特徴と
    する請求項86に記載のトナーの製造方法。
  88. 【請求項88】 該シリコーンオイルの置換基がアルキ
    ル基,アリール基,水素原子の一部または全部がフッ素
    原子に置換されたアルキル基,または水素であり、25
    ℃における粘度が5〜2,000mm2/sであること
    を特徴とする請求項85又は86に記載のトナーの製造
    方法。
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