JP2015184363A - 光輝性トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
請求項1に係る発明は、
結着樹脂と扁平形状の金属顔料とを含んだ扁平形状のトナー粒子と、
Ti元素を含有する粒子と、
を有する光輝性トナーである。
前記Ti元素を含有する粒子の含水率は、1質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載の光輝性トナーである。
前記Ti元素を含有する粒子の個数平均粒径は、7nm以上50nm以下である、請求項1又は請求項2に記載の光輝性トナーである。
前記Ti元素を含有する粒子は、扁平形状である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光輝性トナーである。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光輝性トナーを含む静電荷像現像剤である。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光輝性トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
前記定着手段は、前記トナー画像に接触して前記トナー画像を前記記録媒体の表面に定着する定着部材であって、導電剤を含む前記定着部材を有する手段である、請求項8に記載の画像形成装置である。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法である。
前記定着工程は、導電剤を含む定着部材を前記トナー画像に接触させて前記トナー画像を前記記録媒体の表面に定着する工程である、請求項10に記載の画像形成方法である。
本実施形態の光輝性トナー(以下「トナー」と称する場合がある)は、結着樹脂と扁平形状の金属顔料とを含んだ扁平形状のトナー粒子と、Ti元素を含有する粒子(以下「Ti含有粒子」と称する場合がある)と、を有する。
本実施形態の光輝性トナーは、上記構成であるため、Ti含有粒子を有しないトナー(例えば、トナー粒子からなるトナーや、Ti含有粒子の代わりにSi元素を含有する粒子を用いたトナー等)に比べ、トナーの劣化後も光輝性の高い画像が得られる。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
ここで「長軸方向」とは、最も長い軸の方向を意味する。
トナー粒子が凝集しやすい場合は、図1Aに示すように、記録媒体6の表面に転写されたトナー粒子2が立ち上がった状態で凝集するため、定着部材8による物理的な力が加わってもトナー粒子2が倒れにくく、重なりやすい。そのため定着工程を経た後も、トナー粒子2の長軸方向が記録媒体6の表面と平行な方向に沿った状態になりにくく、またトナー粒子2が偏って配置されやすくなると考えられる。
以上のように、本実施形態では、Ti含有粒子を用いなかった場合に比べて、トナーが劣化した後でもトナー粒子の凝集が起こりにくく、それによって光輝性の高い画像が得られるのであると推測される。
トナーを平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1000個のトナー粒子について、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」(キーエンス社製)により1000倍に拡大して観察し、最大の厚さCと上から見た面の円相当径Dを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
なお、金属顔料における上記平均最大厚さC及び平均円相当径Dについても、トナー粒子の場合と同様に観察を行い、トナー粒子に含まれる光輝性顔料における最大の厚さCと上から見た面の円相当径Dを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
光輝性を有する画像としては、例えば、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であるものが挙げられる。
一方、比(A/B)が100以下であれば、反射光を視認し得る視野角が狭すぎないため、角度によって黒っぽく見えてしまう現象が発生しにくい。
また、本実施形態では前記の通り、トナーの劣化後においても光輝性の高い画像が得られる。トナーの劣化後に形成された画像の比(A/B)は、2以上100以下が好ましく40以上80以下が特に好ましい。
ここで、まず入射角および受光角について説明する。本実施形態において変角光度計による測定の際には、入射角を−45°とするが、これは光沢度の広い範囲の画像に対して測定感度が高いためである。
また、受光角を−30°および+30°するのは、光輝感のある画像と光輝感のない画像を評価するのに最も測定感度が高いためである。
本実施形態においては、比(A/B)を測定するに際し、まず「ベタ画像」を以下の方法により形成する。試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度190℃、定着時の荷重4.0kg/cm2にて、トナー載り量が4.5g/cm2のベタ画像を形成する。尚、前記「ベタ画像」とは印字率100%の画像を指す。
(1)前記トナー粒子の平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長い。
(2)前記トナー粒子の厚み方向への断面を観察した場合に、トナー粒子の該断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる金属顔料の割合が、観察される全金属顔料のうち60%以上である。
図2に示すトナー粒子2は、厚さLよりも円相当径が長い扁平形状のトナー粒子であり、扁平形状(具体的には鱗片状)の金属顔料4を含有している。
そのため、このトナー粒子中に含有される扁平形状の金属顔料のうち上記(2)に示される「トナーの該断面における長軸方向と光輝性顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲にある」との要件を満たす金属顔料は、面積が最大となる面側が記録媒体表面と相対するよう(平行に近い方向に)並ぶと考えられる。こうして形成された画像に対し光を照射した場合には、入射光に対して乱反射する光輝性顔料粒子の割合が抑制されるため、前述の比(A/B)の範囲が達成されるやすいと考えられる。
含水率が上記範囲のTi含有粒子を用いることで、含水率が上記範囲から外れる場合に比べ、トナーの劣化後においても光輝性の高い画像が得られる。その理由は定かではないが、Ti含有粒子が特定量の水を含むことによって、上記含水率が上記範囲よりも小さい場合に比べて低抵抗で高電荷交換性を示すため、トナー粒子の電荷を逃がしやすいと推測される。それによって前記の通り、トナー粒子間の静電的付着力が低減されて凝集しにくくなり、トナーの劣化後においても光輝性の高い画像が得られると考えられる。
熱分析装置DTG−60AH(SHIMAZU)を用いて測定した。前処理は、例えば真空乾燥を100℃で24時間行う。具体的には、例えば、VOS−301SD(東京理化器械(株))で−0.1MPaに減圧して100℃で24時間乾燥した。その後、窒素雰囲気下(30ml/min)、30℃で1時間保持した後、昇温速度:30℃/minで昇温し、30℃以上250℃以下の加熱減量から、Ti含有粒子全体に対する水分量の割合を求め、含水率(質量%)とした。
個数平均粒径が上記範囲のTi含有粒子を用いることで、個数平均粒径が上記範囲よりも大きい場合に比べ、トナーの劣化後においても光輝性の高い画像が得られる。その理由は定かではないが、Ti含有粒子の個数平均粒径が上記範囲であると、上記範囲よりも大きい場合に比べて、Ti含有粒子がトナー粒子に強く付着しやすく、埋没しやすいと考えられる。そのため、Ti含有粒子による前記静電的付着力低減の効果が発揮されやすく、その結果トナーの劣化後においても光輝性の高い画像が得られると推測される。
なお、Ti含有粒子の個数平均粒径は、小さいほどトナー粒子に強く付着しやすいと考えられるが、現実的に入手しやすいかどうかの観点から、7nm以上が好ましいと考えられる。
具体的には、SEM(走査電子顕微鏡、日立社製、型番:S4700)によってトナー粒子表面を40000倍で観察し、トナー粒子の外縁上に存在する100個のTi含有粒子の画像を、画像処理解析ソフトWinRoof(三谷商事株式会社製)を用いて解析することで、得られたTi含有粒子の円相当径を平均し、個数平均粒径を算出する。
扁平形状のTi含有粒子を用いることで、扁平形状ではないTi含有粒子(例えば球状のTi含有粒子)を用いた場合に比べ、トナーの劣化後においても光輝性の高い画像が得られる。その理由は定かではないが、Ti含有粒子が扁平形状であることによって、トナー粒子の接触面積が大きく、トナー粒子に強く付着しやすくなると考えられる。そのため、Ti含有粒子による前記静電的付着力低減の効果が発揮されやすく、その結果トナーの劣化後においても光輝性の高い画像が得られると推測される。
なお、Ti含有粒子の長軸の長さ及び高さは、上記Ti含有粒子の個数平均粒径の測定と同様にSEMによる観察及び画像処理解析ソフトによる解析を行うことで求められる。具体的には、トナー粒子の外縁上に存在する100個のTi含有粒子それぞれについて、画像から「高さ/長軸比」を求めて平均する。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、扁平形状の金属顔料と、を含んで構成され、必要に応じて、離型剤と、その他添加剤と、を含んでもよい。
金属顔料としては、例えば、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛等の金属粉末が挙げられ、金属を含む顔料であれば特に限定されるものではない。金属顔料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記金属顔料の中でも特に、入手容易でトナー粒子を扁平形状にしやすい等の観点から、アルミニウムが最も好ましい。前記金属顔料の表面は、シリカ粒子、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などで被覆されていても良い。
金属顔料における比(C/D)の値は、0.700以下が好ましく、0.005以上0.1以下がより好ましく、0.01以上0.1以下がさらに好ましい。金属顔料の比(C/D)が0.005以上であることにより、トナー造粒の際の撹拌ストレスに対して強いという利点がある。また、金属顔料の比(C/D)が0.700以下であることにより、0.700よりも大きい場合に比べて高い光輝性が得られやすい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
前記の通り、トナー粒子は扁平形状である。すなわち平均最大厚さCの値が平均円相当径Dの値よりも小さい。
また、トナー粒子における比(C/D)の値は、0.700以下が好ましく、0.001以上0.500以下がより好ましく、0.010以上0.200以下がさらに好ましく、0.050以上0.100以下が特に好ましい。比(C/D)が0.001以上であることにより、トナー粒子の強度が確保され、画像形成の際における応力による破断が抑制され、顔料がトナー粒子から露出することによる帯電の低下、その結果発生するカブリが抑制される。また、比(C/D)が0.700以下であることにより、0.700よりも大きい場合に比べて高い光輝性が得られやすい。
前記(2)に示すとおり、トナー粒子の厚み方向への断面を観察した場合に、トナー粒子の該断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる金属顔料の割合(個数基準)が、観察される全金属顔料のうち60%以上であることが好ましい。更には、上記割合が70%以上95%以上であることがより好ましく、80%以上90%以下であることが特に好ましい。
上記の割合が60%以上であることにより優れた光輝性が得られる。
トナーをビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤を用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機(本実施形態においては、LEICAウルトラミクロトーム(日立テクノロジーズ社製)を使用)を用いて−100℃の下、切削サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。この観察サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率5000倍前後でトナー粒子の断面を観察する。観察された1000個のトナー粒子について、トナー粒子の断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる金属顔料の数を、画像解析ソフトを用いて数えその割合を計算する。
トナー粒子の体積平均粒径は1μm以上30μm以下であることが望ましく、より望ましくは3μm以上20μm以下である。なお、本実施形態のトナー粒子のように扁平形状である場合、上記体積平均粒径の値は球相当径の体積平均値を表す。
具体的には、上記体積平均粒径D50vは、マルチサイザーII(コールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒子径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒子径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒子径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として算出される。
Ti含有粒子は、Ti元素を含有する粒子状のものであれば特に限定されず、例えば、チタン酸化物、チタン炭化物、チタン酸塩(マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等)等が挙げられる。
Ti含有粒子の具体例としては、例えば、TiO2(チタニア)、TiO(OH)2(メタチタン酸)等のチタン酸化物;TiC(炭化チタン)等のチタン炭化物;CaTiO3、SrTiO3等のチタン酸塩;等が挙げられる。
Ti含有粒子の中でも、Ti含有粒子の「高さ/長軸比」を小さくしやすいという観点からTiO(OH)2が好ましく、個数平均粒径を前記範囲にしやすいという観点からTiO2が好ましく、高電荷交換性に優れるという観点ではチタン酸塩(その中でも特にSrTiO3)が好ましい。
本実施形態のトナーは、その他の外添剤を含んでもよい。
その他の外添剤としては、Ti元素を含有しない無機粒子が挙げられ、具体的には、例えば、SiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
混練・粉砕法は、より詳細には、金属顔料及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する混錬工程と、前記混錬物を粉砕する粉砕工程とに分けられる。必要に応じて、混錬工程により形成された混錬物を冷却する冷却工程等、他の工程を有してもよい。
溶解懸濁法に用いられるその他の成分としては、離型剤の他、帯電制御剤、有機粒子等の種々の成分が挙げられる。
樹脂粒子分散液の作製は一般的な重合法による樹脂粒子分散液作製、例えば乳化重合法や懸濁重合法、分散重合法などを用いる他にも、水系媒体と結着樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより乳化して行ってもよい。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成してもよい。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用してもよい。さらに、樹脂が油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、該樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液が作製される。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
体積平均粒子径が100nm以上では、使用される結着樹脂の特性にも影響されるが、一般的に離型剤成分がトナー中に取り込まれやすくなる。また、500nm以下の場合には、トナー中の離型剤の分散状態が良好となる。
また、金属顔料と結着樹脂とを溶剤に分散・溶解して混合し、転相乳化やせん断乳化により水中へ分散することにより、結着樹脂で被覆された金属顔料の分散液を調製してもよい。
凝集工程においては、樹脂粒子の分散液、金属顔料分散液、離型剤分散液等を混合して混合液とし、樹脂粒子のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる場合が多い。前記撹拌条件により比(C/D)が好ましい範囲になりやすくなる。より具体的には凝集粒子を形成する段階で撹拌を高速に、かつ加熱することによって比(C/D)が小さくなり、撹拌をより低速に、かつより低温で加熱することによって比(C/D)が大きくなる。なおpHとしては、2以上7以下の範囲が望ましく、この際、凝集剤を使用することも有効である。
また、凝集工程において、離型剤分散液は、樹脂粒子分散液等の各種分散液とともに一度に添加・混合してもよいし、複数回に分割して添加しても良い。
本実施形態においては、アルミニウムを含む4価の無機金属塩の重合体を用いることが、狭い粒度分布を得るためには望ましい。
融合工程においては、前記凝集工程に準じた攪拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
また、前記樹脂で被覆した場合には、該樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とされる。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、樹脂含浸型キャリア、及び導電性粒子分散型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
すなわち、本実施形態に係る画像形成装置においては、前記定着手段が、導電剤を含む定着部材であって、トナー画像に接触してトナー画像を記録媒体の表面に定着する前記定着部材を有する手段であることが望ましい。
また、本実施形態に係る画像形成方法においては、前記定着工程が、導電剤を含む定着部材をトナー画像に接触させてトナー画像を記録媒体の表面に定着する工程であることが望ましい。
導電剤の具体例としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラック(例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック、表面が酸化処理されたカーボンブラック等)、金属(例えばアルミニウムやニッケル等)、酸化金属化合物(例えば酸化イットリウム、酸化錫等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、塩化リチウム等)、導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレン等)等が挙げられる。
導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
前記トナー画像に接触する面における表面抵抗率としては、例えば、1×109Ω/□以上1×1014Ω/□以下の範囲が挙げられ、前記定着部材の体積抵抗率としては、例えば1×108以上1×1013Ωcm以下の範囲が挙げられる。
すなわち、本実施形態に係る画像形成装置においては、前記定着手段における前記接触角度が上記範囲であることが望ましい。
また、本実施形態に係る画像形成方法においては、前記定着工程が、前記接触角度が上記範囲となるようにトナー画像を記録媒体に定着させる工程であることが望ましい。
前記の通り、接触開始位置を通過する前の(定着部材に接触する前の)トナー画像においては、複数のトナー粒子が転写電界により立ち上がった状態で並んでいると考えられる。そして、記録媒体の進行方向に並んだトナー粒子は次々と接触開始位置を通過する。すなわち、記録媒体の進行方向下流側に存在するトナー粒子(以下「下流側トナー粒子」と称する場合がある)が先に定着部材と接触し、その後に記録媒体の進行方向上流側に存在するトナー粒子(以下「上流側トナー粒子」と称する場合がある)が定着部材と接触する。
定着装置80は、図3に示すように、例えば、定着部材の一例として加熱ベルト84を備える定着ベルトモジュール86と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)に押圧して配置された加圧ロール88とを含んで構成されている。そして、例えば、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する挟込領域N(ニップ部)が形成されている。挟込領域Nでは、記録媒体の一例としての用紙Kが加圧及び加熱されトナー像が定着される。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢を矯正しつつ加熱ベルト84をその内面から加圧ロール88側へ押し付ける姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する領域である挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84を内面から張力を付与する支持ロール98とが設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在する潤滑剤の保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。
加熱押圧ロール89の内部には、例えば、加熱源の一例としてハロゲンヒータ89Aが設けられている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(図示省略)が配設されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、加熱源の一例としてハロゲンヒータ92Aが配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(図示省略)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
また、本実施形態の画像形成装置は、上記のように前記接触角度が前記範囲内である定着装置を用いたものに限られず、その他公知の画像形成装置を用いてもよい。
同図において、本実施形態に係る画像形成装置は、定められた方向に回転する像保持体としての感光体20を有し、この感光体20の周囲には、感光体20(像保持体の一例)を帯電する帯電装置21(帯電手段の一例)と、この感光体20上に静電荷像Zを形成する静電荷像形成装置としての例えば露光装置22(静電荷像形成手段の一例)と、感光体20上に形成された静電荷像Zを可視像化する現像装置30(現像手段の一例)と、感光体20上で可視像化されたトナー画像を記録媒体である記録紙28に転写する転写装置24(転写手段の一例)と、感光体20上の残留トナーを清掃するクリーニング装置25(クリーニング手段の一例)と、を順次配設したものである。
ここで、電荷注入ロール34の回転方向については選定して差し支えないが、トナーの供給性および電荷注入特性を考慮すると、電荷注入ロール34としては、現像ロール33との対向部にて同方向で且つ周速差(例えば1.5倍以上)をもって回転し、電荷注入ロール34と現像ロール33とに挟まれる領域にトナー40を挟み、摺擦しながら電荷を注入する態様が望ましい。
作像プロセスが開始されると、先ず、感光体20表面が帯電装置21により帯電され、露光装置22が帯電された感光体20上に静電荷像Zを書き込み、現像装置30が前記静電荷像Zをトナー画像として可視像化する。しかる後、感光体20上のトナー画像は転写部位へと搬送され、転写装置24が記録媒体である記録紙28に感光体20上のトナー画像を静電的に転写する。尚、感光体20上の残留トナーはクリーニング装置25にて清掃される。この後、定着装置36(定着手段の一例)によって記録紙28上のトナー画像が定着され、画像が得られる。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図5に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図5中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
〔トナー粒子(1)の作製〕
<結着樹脂の合成>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:216部
・エチレングリコール :38部
・テレフタル酸 :200部
・テトラブトキシチタネート(触媒) :0.037部
・結着樹脂 :160部
・酢酸エチル :233部
・水酸化ナトリウム水溶液(0.3N):0.1部
上記成分を1000mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株)製)により攪拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに攪拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより樹脂粒子分散液(固形分濃度:30%)を得た。
・カルナバワックス(東亜化成(株)製、RC−160) :50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1.0部
・イオン交換水 :200部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で360分間の分散処理をして、体積平均粒子径が0.23μmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー(株)製、2173EA):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) :1.5部
・イオン交換水 :900部
アルミニウム顔料のペーストから溶剤を除去した後、以上を混合し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間分散して、アルミニウム顔料の粒子である光輝性顔料粒子(金属顔料の粒子)を分散させてなる光輝性顔料粒子分散液(固形分濃度:10%)を調製した。
なお、金属顔料であるアルミニウム顔料の粒子における比(C/D)は0.01、体積抵抗率は1×10−3Ω・cmである。
・樹脂粒子分散液 :450部
・離型剤分散液 :50部
・光輝性顔料粒子分散液 :21.74部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.40部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
凝集粒子の成長を促進させる工程の撹拌回転数を810rpmから600rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から74℃に変更した以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にして、トナー粒子(2)を作製した。
凝集粒子の成長を促進させる工程の撹拌回転数を810rpmから520rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から80℃に変更した以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にして、トナー粒子(3)を作製した。
以下のようにして、Ti含有粒子1を作製した。
具体的には、イルメナイトを鉱石として用い、これを硫酸に溶解させ鉄分を分離し、得られたTiOSO4を加水分解し、ろ液のpHが一定になるまで、水洗浄を行った。3N塩酸を加え、pH6.5−7に調整したのち、濃硫酸を加え、塩酸濃度110g/L、TiO2濃度50g/Lに調整し、30℃で2時間撹拌後、放置することで、TiO(OH)2スラリーを作製した。得られたTiO(OH)2 100部(TiO(OH)2換算)に対し、38質量部にあたるターシャリブチルトリメトキシシランを混合し、80℃で30分間撹拌後、7N水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH6.8に中和し、吸引ロートを用いてろ過、水洗浄を行った。その後、120℃で10時間乾燥した後、ピンミルでソフト凝集をほどき、Ti含有粒子1を作製した。
硫酸法により得られた二酸化チタン水和物ケーキ(固形分50%、TiO2換算で100g含有)に対し、48%水酸化ナトリウム水溶液を400g撹拌しながら1時間かけて投入し、その後、100度で3時間加熱撹拌した。このスラリーを吸引ろ過し、ろ液のpHが6.5−7.0になるまで水洗浄を施した。TiO2換算濃度で100g/Lの水スラリーを作製し、30%塩酸を添加してpH6.8に調整した。本スラリーを45℃に加熱し、この温度で35%塩酸を添加し、スラリー中塩酸濃度が35g/Lになるようにした。更に100℃で3時間加熱した後、アンモニア水を添加してpH6.8に調整した。このスラリーを吸引ろ過し、ろ液のpHが6.5−7.0になるまで水洗浄を施した。乾燥後、ピンミルでソフト凝集をほぐし、Ti含有粒子2を作製した。
得られたTi含有粒子2を300℃で15分加熱乾燥し(窒素雰囲気下)、Ti含有粒子3を作製した。
得られたTi含有粒子3を300℃で更に2時間加熱乾燥し(窒素雰囲気下)、Ti含有粒子4を作製した。
硫酸法により得られた二酸化チタン水和物ケーキ(固形分50%、TiO2換算で100g含有)に対し、48%水酸化ナトリウム水溶液を400g撹拌しながら1時間かけて投入し、その後、100度で3時間加熱撹拌した。このスラリーを吸引ろ過し、ろ液のpHが6.5−7.0になるまで水洗浄を施した。TiO2換算濃度で100g/Lの水スラリーを作製し、30%塩酸を添加してpH1.3に調整した。このスラリーを吸引ろ過して得られたケーキに、SrCl水溶液を加えSrO/TiO2モル比で1.3になるよう調整した。このスラリーを85℃で2時間加熱した後に、48%水酸化ナトリウム水溶液を加え、20時間加熱混合を続けた。その後、吸引ろ過を行い、ろ液のpHが一定になるまで、水洗浄を繰り返した。得られたケーキを、110℃で加熱乾燥し、Ti含有粒子5を得た。
SrO/TiO2モル比で1.3に調整したスラリーを90℃で48時間加熱混合した以外は、Ti含有粒子5と同様にして、Ti含有粒子6を得た。
TiO2濃度100g/Lに調整した以外は、Ti含有粒子1と同様にして、Ti含有粒子7を得た。
TiO2濃度150g/Lに調整した以外は、Ti含有粒子1と同様にして、Ti含有粒子8を得た。
その他外添剤1として、不定形のSiO2粒子(日本アエロジル社製、品名・型番:RX50)を用いた。
表1に記載のトナー粒子100部に対し、表1に記載の外添剤を0.4部添加して、ヘンシェルミキサーで混合して添加し、実施例及び比較例にて使用するトナーをそれぞれ得た。
なお、表1に記載の比(C/D)値は、トナー粒子1、2、及び3の状態で測定(すなわち、外添剤を添加する前に測定)した。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:35μm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロアクリレート共重合体(臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
前記トナー:36部と前記キャリア:414部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して現像剤を作製した。
<光輝性評価A>
以下の方法によりベタ画像を形成した。
試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600改造機の現像器に充填し、高温低湿(35℃50RH%)環境下で一晩シーズニングした後に、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度190℃、定着時の荷重4.0kg/cm2にて、トナー載り量が4.0g/cm2の5cm×5cmのベタ画像を10,000枚連続で形成した。
・基材:熱硬化性ポリイミド
・表面層:導電剤としてグラファイト(日本黒鉛社製黒鉛粉末:ACP)を全体の3質量%含むテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の層
−定着部材の特徴−
・表面抵抗率:1×1014Ω/□
・体積抵抗率:1×1013Ωcm
形成したベタ画像の画像部に対し、変角光度計として日本電色工業社製の分光式変角色差計GC5000Lを用いて、ベタ画像への入射角−45°の入射光を入射し、受光角+30°における反射率Aと受光角−30°における反射率Bを測定する。尚、反射率Aおよび反射率Bは、400nmから700nmの範囲の波長の光について20nm間隔で測定を行い、各波長における反射率の平均値とした。これらの測定結果から比(A/B)が算出される。
下記構成及び特徴を有する定着部材を備え、かつ、前記接触角度が27°である定着装置を搭載した画像形成装置を用いた以外は、光輝性評価Aと同様にして、光輝性評価Bを行った。
・基材:熱硬化性ポリイミド
・表面層:導電剤としてグラファイト(日本黒鉛社製黒鉛粉末:ACP)を全体の10質量%含むテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の層
−定着部材の特徴−
・表面抵抗率:1×109Ω/□
・体積抵抗率:1×108Ωcm
下記構成及び特徴を有する定着部材を備え、かつ、前記接触角度が15°である定着装置を搭載した画像形成装置を用いた以外は、光輝性評価Aと同様にして、光輝性評価Cを行った。
・基材:熱硬化性ポリイミド
・表面層:導電剤としてグラファイト(日本黒鉛社製黒鉛粉末:ACP)を全体の10質量%含むテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の層
−定着部材の特徴−
・表面抵抗率:1×109Ω/□
・体積抵抗率:1×108Ωcm
また上記結果から、光輝性評価B、
の条件で画像形成を行うことにより、光輝性評価Aの条件で画像形成を行った場合に比べて、物理的負荷付与後においても光輝性の高い画像が得られることがわかる。
4 金属顔料
6 記録媒体
8 定着部材
20、107 感光体(像保持体の一例)
21 帯電装置(帯電手段の一例)
22、109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
24、112 転写装置(転写手段の一例)
25 クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
28、300 記録紙(記録媒体)
30、111 現像装置(現像手段の一例)
31 現像容器
32 現像用開口
33 現像ロール
34 電荷注入ロール
36、115 定着装置(定着手段の一例)
40 トナー
80 定着装置
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
88 加圧ロール
88A 円柱状ロール
88B 弾性層
89 加熱押圧ロール
89A、90A、92A ハロゲンヒータ
90、92、98 支持ロール
94 姿勢矯正ロール
96 支持部材
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
G 現像剤
K 用紙
N 挟込領域
Z 静電荷像
θ 接触角度
Claims (11)
- 結着樹脂と扁平形状の金属顔料とを含んだ扁平形状のトナー粒子と、
Ti元素を含有する粒子と、
を有する光輝性トナー。 - 前記Ti元素を含有する粒子の含水率は、1質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載の光輝性トナー。
- 前記Ti元素を含有する粒子の個数平均粒径は、7nm以上50nm以下である、請求項1又は請求項2に記載の光輝性トナー。
- 前記Ti元素を含有する粒子は、扁平形状である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光輝性トナー。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光輝性トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光輝性トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記定着手段は、前記トナー画像に接触して前記トナー画像を前記記録媒体の表面に定着する定着部材であって、導電剤を含む前記定着部材を有する手段である、請求項8に記載の画像形成装置。
- 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。 - 前記定着工程は、導電剤を含む定着部材を前記トナー画像に接触させて前記トナー画像を前記記録媒体の表面に定着する工程である、請求項10に記載の画像形成方法。
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