JP2006023694A - トナー、プロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents

トナー、プロセスカートリッジ、画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 トナー粒子と導電性微粒子との接触密度を安定的に適切な範囲に保つことのできる、直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニングシステムに最適のトナーを提供することを課題とする。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂と顔料からなり、その表面に導電性微粒子が外添されているトナーであり、体積平均粒径が3〜10μmの範囲にあり、かつ、その表面の形状が、SPMの測定で、10〜150nmの小さな凸凹の周期(S)と150〜500nmの大きな凸凹の周期(L)を有し、かつ、(L/S)が3〜50の範囲にあり、かつ導電性微粒子は、比表面積(cm/cm)が5×10ないし100×10であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方法、静電記録方法に用いられるトナー、およびトナーを用いた画像形成方法に関する。さらに、本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリのような画像形成装置、およびこれに着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
複写機やプリンタ等で作成される電子写真の画質は、高画質化が進んでおり、最近では細かいドットの再現性が非常に重要になって来ている。このドットの再現性は、トナーや現像剤の帯電量等の他に流動性に非常に影響され、細かい潜像部に均一なトナー層又は現像剤層を安定して供給することが必要になって来ている。
また、高画質化が進むにつれて、それに用いられるトナーにおいては、小粒径化、高機能化が進んでいる。そのため、トナーの構造が複雑になってきており、従来より細かい作製時の制御が必要となってきている。特に、トナーの流動性はドット再現性の他に種々の画像品質に影響を与えるため、流動性の制御は非常に重要な技術だとされている。
特許文献1には、上記トナーの流動性向上に関して、トナー粒子表面の凹凸の周期性を規定する発明についての記載がある。
一方、電子写真方式の画像形成装置においては、従来、像担持体上に転写されずに残留したトナーをクリーニングし、廃トナーとして廃トナー容器に蓄えるクリーニング工程を経て、上述の工程が繰り返される画像形成法が用いられてきた。
これに対し、廃トナーのでないシステムとして、現像同時クリーニングシステムと呼ばれる画像形成方法が提案されている。
例えば特許文献2には、直接注入帯電方式により、導電性を有する帯電促進粒子を含む現像材を用いて、放電生成物を生じることなく廃トナー量を大幅に減らし、帯電不良のない良好な画像の得られる画像形成装置についての記載がある。
しかしながら、特許文献2には、導電性を有する帯電促進粒子の好ましい粒径、粒度分布については記載されており、トナーの粒度分布についても記載されているが、トナー表面形状についての記載はなく、さらに高精度の画像特性を得るための改良が必要である。
また特許文献3にも、上記導電性微粒子としての金属化合物微粒子の好ましい粒径、粒度分布、およびトナーの粒度分布について記載されているが、トナー表面形状についての記載はない。
特開2004−085850号公報 特開2004−4758号公報 特開2003−316067号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、トナー粒子と導電性微粒子との接触密度をさらに安定的に適切な範囲に保つことのできる、直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニングシステムに最適のトナーを提供することを課題とする。さらに本発明は、上記トナーを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
本発明のトナーでは、静電潜像を現像する静電潜像現像用トナーであって、このトナーは、少なくとも結着樹脂と顔料からなり、その表面に導電性微粒子が外添されているトナーにおいて、前記トナーは、体積平均粒径が3〜10μmの範囲にあり、かつ、その表面の形状が、SPMの測定で、10〜150nmの小さな凸凹の周期(S)と150〜500nmの大きな凸凹の周期(L)を有し、かつ、(L/S)が3〜50の範囲にあり、かつ前記導電性微粒子は、比表面積(cm/cm)が5×10ないし100×10であることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記(L/S)が10〜50の範囲にあることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子の体積基準のメジアン径D50が0.4μmないし4.0μmであり、トナーの体積平均粒径よりも小さく、D90が6.0μm以下であることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーは、体積平均粒径と個数平均粒径との比(分散度)が、1.00ないし1.40の範囲にあることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーが、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にあることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーは、SF−1が100ないし180であって、SF−2が100ないし180の範囲にあることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーは、外観形状がほぼ球形状であって、短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足することを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーは、少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子は、金属酸化物であることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子は、表面がシリコーンカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤で処理されていることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子は、表面がシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子の体積抵抗が1×10−1〜1×10Ωcmであることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子の体積抵抗が1×10−1〜1×10Ωcmであることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーは、トナーに対して、導電性微粒子の含有量が0.5〜3.0wt%の範囲にあることを特徴とする。
本発明の現像剤では、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、前記現像剤は、前記のいずれかに記載のトナーと、磁性キャリアとからなる二成分現像剤であることを特徴とする。
本発明の現像剤では、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、前記現像剤は、前記のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤であることを特徴とする。
本発明の現像装置では、現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、像担持体との対向位置において電界が印加され、像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、前記現像装置は、前記の現像剤を使用することを特徴とする。
本発明のプロセスカートリッジでは、潜像を担持する像担持体と、少なくとも像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上の可視像を定着させる定着装置とのいずれかを備えるプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置は、前記のトナーを用いることを特徴とする。
本発明の画像形成装置では、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電させる帯電部材を有する帯電装置と、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上の可視像を定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、前記のトナーを用いることを特徴とする。
本発明の画像形成装置では、さらに、前記画像形成装置は、像担持体と帯電部材との間にトナー又はトナー中の無機微粒子を存在させ、かつ帯電部材にAC及び/又はDC電圧を印加することを特徴とする。
以上説明したように、上記解決するための手段によって、本発明のトナーでは、直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニングシステムにおいて、優れた帯電性を発揮し、良好な画像特性を得ることができる。
さらに、本発明の画像形成方法およびプロセスカートリッジでは、上記トナーによる直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニングシステムを備えることにより、良好な画像形成を長期にわたって行うことが可能となる。
トナー粒子に導電性微粒子を外添し、画像特性を改良する場合、主に平均粒径に着目して導電性微粒子が選択されることが多い。しかしながら、トナー粒子とこれらの導電性微粒子との相互作用を顧みると、両者の接触点の密度が重要であり、直接注入帯電工程を有する画像形成方法に使用されるトナーの場合、特に重要である。
本発明のトナーは体積平均粒径が3〜10μmであるのがよい。トナーの体積平均粒径が3μm未満であると転写性の低下やカブリが発生しやすくなる。一方、トナーの体積平均粒径が10μmを超えると解像性が低下する。
また、導電性微粒子については、銅、金、銀、アルミニウム又はニッケルの如き金属微粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄又は酸化タングステンの如き金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリの如き金属化合物;あるいはこれらの複合酸化物などの導電性微粉末が挙げられる。
これらの中でも、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化チタンからなるグループから選ばれる酸化物を少なくとも一種含有している金属化合物微粒子であることが、導電性微粒子の抵抗を低く設定できること、白色或いは淡色であり、転写材上に転写される導電性微粒子がカブリとして目立たないという点で好ましい。
また、導電性微粒子は非磁性の金属化合物微粒子であることが好ましく、その表面には多くの凹凸のあることが、上記トナー粒子との接触点密度を好ましい範囲に保つ上で重要である。これらについては後述するが、本発明の基本的な考え方は、トナー粒子と導電性微粒子との接触点密度を増やす手段として、トナー粒子の表面に凹凸をつけるのではなく、導電性微粒子の表面に凹凸をつけるというものである。トナー粒子の表面に凹凸をつけると、摩擦帯電特性上好ましくないので、トナー粒子の表面は平滑にする。
さらに、現像同時クリーニングシステムにおいては、現像域で均一なトナーブラシを形成させるために、また、後述する接触帯電部材へのトナー付着の問題においても、トナーの流動性が極めて重要である。本発明者らは、このトナーの流動性に関し、トナー粒子表面の「なだらかな凹凸」の周期性が非常に重要であることを、トナーの表面形状を直接測定することでつきとめている。本発明では、トナー粒子表面のこの凹凸周期性を規定することにより、現像域でのトナーの流動性を向上させ、均一なトナーブラシを実現して、上記現像同時クリーニングシステムにおいて使用する帯電性を向上させたトナーで、ドット再現性の優れた高画質を得るものである。以下にこの凹凸周期性について説明する。
本発明は、静電荷現像用トナーであって、少なくとも樹脂及び顔料からなる粉体の表面に添加剤が付着又は固着されており、該添加剤が付着又は固着された粉体の表面形状をSPMにより測定したとき、X方向に10〜150nmの小さい凹凸周期(S)と150〜500nmの大きい凹凸周期(L)が存在し、かつ、(L/S)が3〜50の範囲にあることを特徴とする。
本発明者らの研究により、トナーの表面形状を直接測定することによって、トナー粒子表面の凹凸の周期性がトナーの流動性に非常に重要であることが分かった。本発明では、この直接測定によるトナー粒子表面の凹凸の周期性を規定したものである(前記特許文献1)。これにより、現像域でのトナーの流動性を向上させ、均一なトナーブラシを実現でき、ドット再現性の優れた高画質を得ることができる。
本発明で用いるSPM(Scanning Probe Microscope)法は、先端の直径が10nm位の探針を走査して、探針と試料表面の原子との間に働く原子間力を感知し、試料表面形状等を測定する方法である。非常に分解能が高く、探針の走査方向(X方向)に対するZ方向の凹凸形状の測定ができる。
本発明では、トナー粒子表面をSPMの探針で走査し、トナー粒子表面の形状測定を行なった。その結果、良好な流動性を示すトナー粒子の場合には、図2のような3次元の表面形状プロファイルになることが分かった。また、そのときの一部分のX−Z面内の表面形状プロファイルは図3のようになった。
つまり、流動性のよいトナー粒子表面には、小さい周期の凹凸と大きい周期の凹凸が存在することが分かった。小さい凹凸周期(S)は50〜150nmであり、大きい凹凸周期(L)は150〜500nmであり、かつ、(L/S)が3〜50の範囲にある場合にトナーの流動性が満足された。(L/S)が10〜50の範囲にある場合は、さらに流動性が良くなる。
また、このときZ方向の凹凸(プロファイルの曲線の振幅)は、10〜200nmであると、トナーの流動性がさらによいことも分かった。流動性には大きい周期の凹凸が効いているように考えられるが、小さい周期の凹凸も非常に重要で、花粉等が非常に流動性が良いのは小さい凹凸を有しているためだと考えられている。このように小さな周期の規則的な凹凸とともに大きな周期の凹凸があれば、表面に吸着物が存在しても、動きやすさへの影響は小さくなる。
SPMにてトナー表面を計測する際には、あるトナー粒子の頂上付近を、表面に沿って1μm四方程度の領域のTIPを走査する。このときの垂直変位をZ軸方向の情報とする。
この計測は、測定個所や試料のトナー粒子を変えて3〜10回行い、粒子全体の様子を把握する。まずは、SPMによる観察像で表面状態を評価し、添加剤の付着表面を確認した上で、定量的な凹凸分析を実施することが実用的である。
SPMの装置としてDigital Instruments社のNanoscopeIIIaコントローラとD−3100/Pシステムを使用した。タッピングモードを用いて表面形状を測定し、解析を行った。カンチレバーは、バネ定数
約50N/m、共振周波数
270kHzのSi単結晶を用いた。
また、本発明で規定する凹凸(振幅)は、SPM計測で得られたプロファイルの小さな周期の凹凸及び大きな周期の凹凸の、Z方向における凹部と凸部の差を求めるものとする。本発明のトナーにおいて、Z方向に10〜200nmの凹凸が存在するとは、大きな周期及び小さな周期の凹凸を併せて規定するものである。
このような凹凸の繰り返し構造を作るのは、ラフな粒子形状となる粉砕方式では困難であった。しかし、粉砕方式でも凹凸の少ない球状の均一な粒子形状を持つような作り方をしたり、粉砕以外の方式で粉体を作る方式では、球状の粒子表面を添加剤である微粒子で表面処理することにより、非常に小さい周期凹凸を持つ構造も大きな周期を持つ構造も可能となった。粉砕方式では、凹凸の少ない球状の均一な粒子形状を持つような粉砕条件を最適化したり、粉砕工程後に粒子表面を改質する工程を入れたりして最適化できる。粉砕方式でも、球状で表面のZ方向の凹凸(振幅)が10〜50nmの小さい凹凸であるような粒子を作製できるようにすればよい。
この微粒子の添加により表面処理する前の粉体、すなわち少なくとも樹脂及び顔料からなる粉体(母体)では図4に示すように球状で表面のZ方向の凹凸(振幅)が10〜50nmの小さい凹凸であることが好ましい。微粒子を添加する前の粉体(母体)の表面が凹凸の激しい、粗い表面を持っていると、微粒子の添加処理を行なっても表面形状をコントロールすることができず、最適な構造を作り出すことができない。
また、微粒子の添加処理は微粒子を添加する前の粉体(母体)の形状によって影響されるが、微粒子を添加する前の粉体(母体)の平均円形度が0.93〜1.00である球形に近い場合に微粒子の添加処理の効果に優れ、ドット再現性に優れた高画質化を実現できる。円形度が0.93未満では本発明の最適構造の効果は小さい。
トナー粒子表面の形状のコントロールは、添加剤の微粒子の種類、粒径、添加量、添加する際の混合条件や固着注入条件によってできる。特に添加剤の量は重要であり、後述するように、微粉体層の構成として、1.2層≦微紛体層≦1.8層、2.2層<微紛体層<2.8層、3.2層<微紛体層<3.8層、及び、4.2層<微紛体層<4.8層、のいずれかの条件を満足するような微粉体の量を仕込んで、微粉体の堆積構造がならされて平均化されないような混合条件で混合させれば、本発明で規定する表面構造を実現できる。後述する実施例及び比較例では、主に添加剤量を変えることにより、本発明のトナー及び本発明の規定から外れるトナーを製造した。また、添加する微粒子の種類は無機微粉体が最適であり、その平均粒径は30〜200nmの小さい粒径のものが最適である。30nmより小さい粒径の場合には大きい周期の凹凸を作り出すことが難しく、200nmより大きい粒径の場合には小さい周期の凹凸を作り出すことが難しくなる。
次に、小さな周期と大きな周期を持つ構造について、図5にモデルを示して説明する。図5−(2)に示すように、完全に又はほとんど1層や2層粉体表面に付着させる場合にはこの構造は実現できない。つまり、このときは細かい微粉体による周期は存在するが、大きな周期が実現できない。また、図5−(1)に示すように、粉体(母体)表面に1層未満の場合には、細かい微粉体による周期のある部分とない部分とが生じるため、最適な構造を実現できない。この構造を実現させるためには、粉体(母体)表面に微粉体が1層以上で整数層ではなく、図5−(4)〜(6)のように1.2層≦微粉体層≦1.8層の場合に実現できることが分かる。しかし、図5−(3)及び(7)のように、1.1層又は1.9層の場合には、小さい周期はあるものの、大きな周期を持たせることができない。
つまり、小さな周期と大きな周期を持つ構造を実現するためには、1.2層≦微粉体層≦1.8層の条件を満たすことが望ましい。また、同様に2.2層<微粉体層<2.8層、3.2層<微粉体層<3.8層、及び、4.2層<微粉体層<4.8層のいずれかの条件を満足する場合も小さな周期と大きな周期を持つ構造を実現できる。つまり、微粉体が添加される前の粉体(母体)表面への微粉体の堆積構造により、小さい周期と大きい周期を持たせる。
前述のように、導電性微粒子としては金属化合物微粒子が好ましく用いられる。金属化合物微粒子は非磁性又は実質上非磁性であることが好ましい。磁性をもつ金属化合物微粒子であると、磁性トナー粒子に外添すると、磁性トナー粒子から遊離した磁性をもつ金属化合物微粒子がトナー担持体に付着してトナー担持体の表面を汚染するからである。
金属化合物微粒子は、比表面積(cm/cm)が5×10ないし100×10であるのがよい。以下これについて説明する。
トナーは、十分な性能を安定して得られ、本体が突発異常で停止した直後に印字をおこなっても帯電不良の異常画像を発生させないためには、金属化合物微粒子とトナー粒子との接触密度、及び金属化合物微粒子と帯電部材表面との接触密度が重要である。
一般に球形粒子が平面の部材と接触する場合、接点数は1である。金属化合物微粒子とトナー粒子や帯電部材との接点数を増やすには、金属化合物微粒子の表面に多数の凹凸を形成すれば接触する凸部が増加するので、金属化合物微粒子とトナー粒子や帯電部材との接触点を増やすことができる。
但し、トナー粒子の表面に多数の凹凸を形成させることは、摩擦帯電特性上好ましくない。
一方、金属化合物微粒子の表面に凹凸を形成することは、トナー粒子のみならず帯電部材との接触点も増加するため、帯電部材の設計の自由度が広がるので好ましい。金属化合物微粒子の表面に多数の凹凸を形成して使用することは、各種プリンタ及び各種トナーに適応可能である。
金属化合物微粒子表面の凹凸の数の指標として、比表面積が通常用いられる。
ここでは比表面積として、金属化合物微粒子1個の体積当たりの表面積に対応する単位「cm/cm」を採用し、金属化合物微粒子とトナー粒子及び帯電部材との接触点数と、画像特性及び帯電性との関係を検討した。
その結果、接触帯電工程を含む画像形成方法において、トナーに含有される金属化合物微粒子の比表面積(cm/cm)が5×10ないし100×10である場合、帯電性並びに画像特性が大きく改善され、特に直接注入帯電機構を含む画像形成方法においては、帯電部材が汚染されても良好な帯電性を維持できることを確認した。これは金属化合物微粒子とトナー粒子及び帯電部材との接触点数を増加させたことによる効果である。
但し、比表面積が100×10より大きく、金属化合物微粒子の表面の凸部が多すぎる場合、トナー粒子と金属化合物微粒子との付着性が強すぎるため転写工程時にトナーと共に金属化合物微粒子が転写材上に移動し、像担持体上に残らない。従って帯電工程での金属化合物微粒子の帯電性改良効果が低下してしまう。
逆に、比表面積が5×10より小さく、金属化合物微粒子の表面の凸部が少なすぎる場合、帯電不良を起こしやすくなる。
金属化合物微粒子の比表面積(cm/cm)を好ましくは10×10ないし80×10とすることで、より好ましくは12×10ないし40×10とすることにより、金属化合物微粒子による帯電性及びトナーの画像特性はより一層向上する。
以下に微粒子の比表面積についてさらに詳しく説明する。
球形の微粒子においては、その粒子半径をr(cm)とすると、微粒子1個当たりの表面積は4×π×rであり、微粒子1個当たりの体積は(4/3)×π×rであり、微粒子の単位体積当たりの表面積は下記式
微粒子1個当たりの表面積/微粒子1個当たりの体積=3/r
から計算できる。体積基準のメジアン径(D50;単位μm)を用いれば、
r(cm)=D50(μm)/(2×10
であるから比表面積は、
比表面積(cm/cm)=6×10/D50
となる。多少不定形の微粒子であっても比表面積(cm/cm)は、10×10/D50程度である。本発明に使用する金属化合物微粒子のメジアン径(D50)は0.4〜4.0μmであるから、通常の表面性を有する微粒子であるならば、2.5×10程度の比表面積しか有しえない。しかしながら、この程度の比表面積では、トナー粒子あるいは帯電部材との接触点数が不十分であり、顕著な効果は期待できない。
ここで上述のように金属化合物微粒子が、5×10≦金属化合物微粒子の単位体積当たりの比表面積(cm/cm)であればより好ましい効果が得られた。
一方、金属化合物微粒子が、
100×10<金属化合物微粒子の単位体積当たりの比表面積(cm/cm
であるような場合には、金属化合物微粒子の粒径に比して金属化合物微粒子の表面の凹凸が多すぎるため、トナー粒子との相互作用が強まり過ぎてカブリが生じやすくなるため、好ましくない。
本発明において、金属化合物微粒子の比表面積(cm/cm)は以下のようにして求める。
BET法に従い、比表面積測定装置を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて試料のBET比表面積(cm/g)を算出する。
次に、乾式自動密度計を用いて試料の真密度(g/cm)を求めて、
比表面積(cm/cm)=BET比表面積(cm/g)×真密度(g/cm
で計算する。
次に、金属化合物微粒子は、体積基準のメジアン径D50が0.4μmないし4.0μmでトナーの体積平均粒径Aよりも小さく、D90が6.0μm以下の導電性の金属化合物微粒子である。
一般に粒子同士の相互作用による付着力は、粒子同士の粒径差が大きいほど強い。本発明に使用される金属化合物微粒子の効果の一つとしては、トナー粒子との接触摩擦による摩擦帯電特性の改良であるから、金属化合物微粒子とトナー粒子とが強く付着してはその効果が低下する。本発明のトナーは体積平均粒径が3.0μm〜10.0μmであり、金属化合物微粒子の適正なD50は0.4μmないし4.0μmである。金属化合物微粒子のD50が0.4μm未満の場合、金属化合物微粒子はトナー粒子から分離しにくく、摩擦帯電特性の改良の効果が低いので高い画像濃度が得られにくい。
一方、金属化合物微粒子のD50が4.0μmより大きくなるとトナー粒子との相互作用が弱くなり、摩擦帯電特性の改良の効果が低下する。金属化合物微粒子のD50がトナーの体積平均粒径以上となると、相互作用の効果がほとんど見られなくなることに加え、現像電界下では電極として作用してしまい、トナーの動きを阻害するようになるため、カブリが発生しやすく、解像力が低下する。より好ましくは、金属化合物微粒子のD50は0.5μmないし3.5μmである。
金属化合物微粒子の大きい粒子も少なくする必要があり、金属化合物微粒子の粗粉側の分布の指標としてD90を用いれば、D90は6.0μm以下が好ましく、4.0μm以下がより好ましい。
さらに、金属化合物微粒子の粒度分布において、細かい粒子は少ない方が好ましい。金属化合物微粒子の粒度分布における微粉側の分布の指標としては体積基準でのD10を用いることができ、金属化合物微粒子のD10は0.3μm以上が好ましく、0.4μm以上がより好ましい。
金属化合物微粒子のD10、D50、D90は以下のようにして測定する。
レーザ回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定範囲とし、得られる体積基準の粒度分布により粒子のD10、D50、D90を算出する。測定は、メタノール10mlに金属化合物微粒子を約10mg加え、超音波分散機で2分間分散した後、測定時間90秒間、測定回数1回の条件で測定をおこなう。
本発明に係るトナーを作製する方法としては、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等があるが、これらの作製法に限るものではない。粉砕法の一例としては、まず、前述した樹脂、着色剤としての顔料又は染料、電荷制御剤、離型剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、上記最適な混合条件により混合機により無機微粒子等からなる添加剤を粒子表面に付着もしくは固着させる。
この混合工程後、所定の粒子構造になっているかどうか評価するために、トナー粒子の表面形状をSPM法を用いて評価する。SPM法による評価の結果、その数値が予め定めた設定範囲に入っていた場合、風篩工程へ回し、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去した後、試料を充填工程へ回し、本発明のトナーを得る。
本発明に係るトナーを作製する方法としては、粉砕法以外の方法が考えられ、重合法の一例としては、モノマーに着色剤及び電荷制御剤等を添加したモノマー組成物を水系の媒体中で懸濁し重合させることでトナー粒子を得る。造粒法は特に限定されない。
本発明のトナーは、接触又は非接触現像方式に使用する一成分現像剤として用いることができる。接触又は非接触現像方式は色々な公知のものが使用される。例えば,アルミスリーブを用いた接触現像法、導電性ゴムベルトを用いた接触現像法、アルミ素管の表面にカーボンブラック等を含む導電性樹脂層を形成した現像スリーブを用いる非接触現像法等がある。
また、本発明のトナーは、一成分現像剤としても後述する二成分現像剤としても、流動性に優れている。そのため、現像時にACバイアス電圧成分を用いて現像する場合に、電界に従って忠実に振動し、細かい潜像に対しての忠実な現像ができ、ドット再現性の良い現像が可能となる。
また、一成分現像方式においては、図6のようにトナー供給部の出口にトナー層を均一にするためのローラー状のブレードを設けた現像方式に、本トナーを用いることを特徴とする。このような方式の場合には、感光体へのフィルミングだけではなく、ドクターローラへのフィルミングが発生する。このため、トナー層が均一に形成できないばかりかトナー帯電が不均一になり、トナー電荷量も小さくなる。このため現像不良が生じる。しかし本発明のトナーを用いると、ドクターローラへのフィルミングは発生せず、安定した現像が行なわれ、耐久特性に優れた方式となる。
また、本発明のトナーを磁性トナーとする場合には、トナー粒子の中に磁性体の微粒子を内添すれば良い。磁性体としては、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバルト、それらの合金等の強磁性体等が考えられる。磁性体の平均粒径は0.1〜1μmが好ましい。磁性体の含有量はトナー100重量部に対して、10から70重量部であることが好ましい。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合し、二成分現像剤として用いることもできる。二成分現像剤に使用されるキャリアとしては公知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉の如き磁性粒子あるいはこれら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等で処理したもの、あるいは磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂粒子等が挙げられる。これら磁性キャリアの平均粒径は20〜100mが良い。好ましくは20〜70μmが良い。
また、トナーの体積平均粒径Dvは、小さい方が細線再現性を向上させることができるために、大きくとも10μm以下のトナーを用いる。しかし、粒径が小さくなると現像性、クリーニング性が低下するために、小さくとも3μm以上が好ましい。さらに、3μm未満では、キャリア又は現像ローラ5aの表面に現像されにくい微小粒径のトナーが多くなるために、その他のトナーにおけるキャリアまたは現像ローラとの接触・摩擦が不十分となり逆帯電性トナーが多くなり地かぶり等の異常画像を形成するため好ましくない。
また、体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)で表される粒径分布は、1.00〜1.40の範囲であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、トナー帯電量分布が均一にすることができる。Dv/Dnが1.40を越えると、トナーの帯電量分布も広く、逆帯電トナーT1が多くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。Dv/Dnが1.00未満では、製造が困難であり、実用的ではない。トナーの粒径は、コールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて、測定するトナーの粒径に対応させて測定用穴の大きさが50μmのアパーチャーを選択して用い、50,000個の粒子の粒径の平均を測定することで得られる。
また、本発明のトナーは、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にあることを特徴とする。この円形度は、乾式粉砕で製造されるトナーでは、熱的又は機械的に球形化処理する。熱的には、例えば、アトマイザーなどに熱気流とともにトナー粒子を噴霧することで球形化処理を行うことができる。また、機械的にはボールミル等の混合機に比重の軽いガラス等の混合媒体とともに投入して攪拌することで、球形化処理することができる。ただし、熱的球形化処理では凝集し粒径の大きいトナー粒子又は機械的球形化処理では微粉が発生するために再度の分級工程が必要になる。また、水系溶媒中で製造されるトナーでは、溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、形状を制御することができる。
円形度は、円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義され、トナーが真球に近いほど100%に近い値となる。円形度の高いトナーは、、キャリア又は現像スリーブ5a上において電気力線の影響を受けやすく、静電潜像の電気力線に沿って忠実に現像される。微小な潜像ドットを再現する際には緻密で均一なトナー配置をとりやすいために細線再現性が高くなる。また、円形度の高いトナーは、その表面は滑らかで適度な流動性をもつために電気力線の影響を受けやすく電気力線に沿って忠実に転移しやすいために転写率が高くなり、高品位の画像を得ることができる。
しかし、トナーの平均円形度が0.93未満では、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。これは、トナーが不定形のためトナー表面の帯電が不均一であり、また、重心と帯電の中心がずれるために電界に対して忠実な移動が困難になるためである。
平均円形度は、例えば、トナー粒子を含む懸濁液を平板上の画像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス社製)等を用いて計測することができる。
また、トナーは、円形度のうち形状係数SF−1が100以上180以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上180以下の範囲にあることが好ましい。図7は、トナーの形状を模式的に表した図であり、図7(a)は形状係数SF−1、図7(b)は形状係数SF−2を説明するための図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)……式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π)……式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとの接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力が弱くなり、その結果流動性が高くなり、また、トナーと感光体1との吸着力が弱くなって、転写率が高くなり、感光体1上の残留トナーをクリーニングしやすくなる。
トナーの形状係数SF−1とSF−2は100以上がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、形状が不定型になり、トナーの帯電量分布が広くなり、現像が潜像に対して忠実でなくなり、また、転写でも転写電界に忠実でなくなり画像品位が低下する。さらに、転写率が低下して転写残トナーが多くなり、大きいクリーニング装置7が必要になり画像形成装置100の設計上不利になる。このために、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は180を越えない方が好ましい。
さらに、この画像形成装置100に用いるトナーは、略球形であってもよい。図8は、トナーの外形形状を示す概略図であり、図8(a)はトナーの外観であり、図8(b)および図8(c)はトナーの断面図である。図8(a)では、X軸がトナーの最も長い軸の長軸r1を、Y軸が次に長い軸の短軸r2を、Z軸に最も短い軸の厚さr3を表し、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を有している。
このトナーは、短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0で表される略球形の形状を有している。短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。
厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、略球形の形状になるために、帯電量分布が狭くなる。
なお、これまでのトナーの大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の
角度を変え、その場観察しながら測定した。
トナーの形状は、製造方法により制御することができる。例えば、乾式粉砕法によるトナーは、トナー表面も凸凹で、トナー形状が一定しない不定形になっている。この乾式粉砕法トナーであっても、機械的又は熱的処理を加えることで真球に近いトナーにすることができる。懸濁重合法、乳化重合法により液滴を形成してトナーを製造する方法によるトナーは、表面が滑らかで、真球形に近い形状になることが多い。また、溶媒中の反応途中で攪拌して剪断力を加えることで楕円にすることができる。
本発明のトナーは、予め着色剤が被覆されている離型剤を含有する。離型剤表面に着色剤を被覆するには、離型剤粒子に着色剤を混合して、機械的衝撃又は熱的作用により離型剤表面に固定する。
トナーには、これまで、また、溶媒中で重合する湿式重合トナーでは、離型剤にせんだん力がかかりにくく、細かく均一な分散が困難である。そこで、予め着色剤を表面に被覆させて、溶媒、結着樹脂との相溶性を変えることで、着色剤の均一分散、離型剤の結着樹脂中への均一に分散させることができる。
離型剤としては、公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックス等);カルボニル基含有ワックス等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、多価アルコールカルボン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等);多価カルボンエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等);多価アミンカルボン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);多価カルボン酸アミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトン等)等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の多価アルコールカルボン酸エステルである。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤を離型剤表面に固定するための装置として、ハイブリダイザー、アトライター等の混合機を用いる。ハイブリダイザーは、分散媒体を用いずに、高速で回転させる羽根で着色剤を離型剤表面に固定させる。分散媒体の破砕物などが混入することがない。また、離型剤を有機溶媒中に溶解又は分散させて球形形状にし、これに着色剤を添加した後、スプレードライ法で噴霧することで、着色剤を表面に被覆させた離型剤を得ることができる。
離型剤の直径は、0.05〜1.5μmの範囲にあることが好ましい。離型剤の直径が、0.05μm未満では、定着装置による熱及び圧力を受けたときに、溶け出す離型剤が少なくオフセット現象を抑えることができない。1.5μmを越えると、オフセット現象の発生を抑えることはできるが、耐熱保存性が低くなり、かつ、キャリアへの移行量が多くなり、現像剤の寿命が低下する。
また、着色剤の体積平均粒径は、10〜300nmの範囲にあることが好ましい。この範囲にすることで、上述の粒径を有する離型剤表面を一様に均一に被覆することができる。着色剤の粒径が10nm未満では、透明性は高くなるが着色力が小さくなり、カラートナー単色の画像の画像濃度を高くすることができない。300nmを越えると画像における粒状性が低くなり粗い画像で画像品位が低下する。さらに、混色時における色再現性が低下する。
また、このときに、着色剤の量は、離型剤の重量に対して20〜500%の範囲にする。この範囲にすることで、離型剤表面を一様に均一に被覆することができる。着色剤の量が20%未満では、離型剤表面を均一に被覆できなくなる。着色剤の量が500%を越えると、離型剤表面に固着できなくなり、また、製造時に離型剤表面から脱離して浮遊する着色剤が生ずる。これがトナーになったときに、キャリア等に移行して現像剤寿命を低下させる。
このほかに、ここで用いられる材料について説明する。
結着樹脂としては、公知の単量体が好ましく用いられる。具体的には、スチレン、o−(m−、p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等の単量体が好ましく用いられる。
ここで、本発明のトナーの製造方法について説明する。本発明のトナーは、有機溶媒中で、トナーの構成材料である結着樹脂、着色剤を被覆した離型剤(以下、単に「着色剤被覆離型剤」と記す。)等を有機溶媒中又は有機溶媒中の重合性単量体に溶解又は分散させて重合性単量体組成物を調製し、この重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する水系媒体に分散させ、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子を生成し、この粒子中の重合性単量体を重合させることによってトナーを得るものである。このような重合法として、懸濁重合法、溶解重合法等があるがいずれの重合法であってもよい。
このときに、本発明では、着色剤被覆離型剤を分散又は溶解させる方法としては、一般に攪拌機/又は分散機として市販されているものであれば特に限定されず使用できる。有機溶剤又は重合性単量体および樹脂等を容器中に入れ、ホモミキサーなどの攪拌装置を用いて攪拌し、分散又は溶解させる。
好ましい具体例としては、1〜10段のパドル式攪拌翼を有する攪拌機、ヘリカルリボン式攪拌機、マックスブレンド式攪拌機などが挙げられる。これらのうち、ヘリカルリボン式攪拌機、マックスブレンド式攪拌機が更に好ましい。
また、その他の攪拌機又は分散機も使用可能であり、市販の商品名を示すと、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)及びTKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式分散機;エバラマイルダー(在原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)及びファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式分散機;マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)及びAPVガウリン(ガウリン社製)等の高圧分散機;膜分散機(冷化工業社製)等の膜分散機;バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式分散機;並びに超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波分散機等が挙げられる。
これらのうち、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーが好ましく、更に好ましくは、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサー、特に好ましくはTKオートホモミキサー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーである。
着色剤被覆離型剤を分散させる際の温度は特に限定されないが、離型剤粒子の合着防止の観点から、0〜60℃が好ましく、更に好ましくは5〜50℃、特に10〜40℃である。
有機溶媒として、メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールの如きアルコール;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの如きエーテルアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートの如きエステル;ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き炭化水素;四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロムエタンの如きハロゲン化炭化水素;エチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサンテトラヒドロフランの如きエーテル;メチラール、ジエチルアセタールの如きアセタール;ギ酸、酢酸、プロピオン酸の有機酸;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドの如き硫黄含有有機化合物又は窒素含有有機化合物が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いることもできる。離型剤や他の添加物等の溶解性や有機溶媒自身の揮発などの取り扱い等の面から酢酸エチルが好ましい。
また、有機溶媒中における分散安定化剤は公知のものが使用できるが、具体的には、無機化合物として、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプンが挙げられる。
重合法を用いる重合開始剤は公知のものが使用できるが、具体的には、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート、4,4−アゾビス−4−シアノバレロニトリル、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。
また、トナーを重合法で製造する場合には、重合度を制御するため架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等の添加剤は、公知のものが使用できる。本発明のトナーは、これらの重合性単量体、着色剤被覆離型剤、重合開始剤、その他の添加剤とともに混合し、つぎに、水系分散媒体に分散させて重合することで、トナーを得ることができる。
このときに、本発明のトナーでは、離型剤と有機溶媒との溶解性パラメーター(以下、単に「SP値」と記す。)の差が、0.3〜1.5の範囲ある。また、離型剤と結着樹脂を形成する単量体とのSP値の差が、0.3〜1.5の範囲あるのが好ましい。
SP値は、物質の極性を示す指標であり、親和性を示すことができる。このSP値が近いほど、お互いの相溶性は良好になる。この着色剤被覆離型剤が、トナー中の存在状態としては、トナー表面近傍にあって、かつ、トナー中に0.2〜1.5μmのドメインを形成して分散している状態が好ましい。従来の粉砕系では、溶融混練時の温度による結着樹脂の粘弾性、混練の装置によるせんだん力で調整することができたが、重合法ではせんだん力で離型剤の分散を調整することができない。そこで、有機溶媒中で溶解又は分散させるときに、有機溶媒とのSP値の差を、0.3〜1.5の範囲にする。この範囲にすることで、離型剤は、有機溶媒中での分散が容易になる。着色剤被覆離型剤と有機溶媒とのSP値の差が、0.3未満では、有機溶媒中で形成する離型剤の粒子の粒径が小さくなり、トナーにしたときに離型剤のドメイン径が小さくなり、実際の定着装置ではトナーのホットオフセットを生ずることが多くなる。また、離型剤は有機溶媒中で油滴を形成し、単量体油滴中に入らないものが生ずるので生産性が低下する。また、SP値の差が、1.5を越えると、有機溶媒中で形成する離型剤の粒子の粒径が大きくなり、トナーにしたときに離型剤は大きいドメイン径になり、トナーのホットオフセットを抑えることができるが、キャリアに移行する離型剤、着色剤の量が多くなり現像剤寿命を低下させる。
さらに、水のSP値は、20以上と非常に大きく、単量体、離型剤は8〜12程度であるために、水系媒体中では親和することなく油滴を形成する。そこで、着色剤被覆離型剤と分散剤等が溶解又は分散された単量体とのSP値の差が、0.3〜1.5の範囲にする。この範囲にすることで、離型剤の水系溶媒と単量体との間における分散を制御することができる。離型剤と単量体とのSP値の差が、0.3未満では、親和性が高いために、離型剤は単量体中に数10nmの小さいドメインで微細に、かつ、均一に分散するために、トナーになったときにトナー表面近傍に存在する量が少なくなり、定着下限温度が高くなり、かつ、ホットオフセットが生ずることがあるなど定着性が低くなる。SP値の差が1.5を越えると油滴表面に多く表れるようになり、トナーになったときに、ホットオフセットを少なくすることができるが、キャリアへ移行する量が多くなり、現像剤の寿命が低下する。
ここで、離型剤としてポリプロピレン、ポリエチレンはSP値が8.0〜8.3で、パラフィンワックスはSP値が8.3、カルナバワックスはSP値が8.6、モンタンワックスはSP値が8.9である。機溶媒として、トルエンのSP値が8.9、酢酸エチルのSP値が9.1、メチルエチルケトンのSP値が9.3、アセトンのSP値が9.9、エタノールのSP値が12.7、メタノールのSP値が14.5である。また、単量体としてキシレンのSP値が8.8、スチレン、アクリルはSP値が9.3〜9.5、ポリエステルのSP値が10.5〜11.5の範囲あり、8〜14の範囲で選択することができる。
ここで、SP値が9.4のスチレン及び/又はアクリルの単量体を用いて重合トナーとする場合は、7.9〜9.1又は9.7〜10.9のSP値を有する離型剤を用いる。したがって、ポリエチレン、パラフィンワックス、カルナバワックス、モンタンワックスを用いる。また、有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、アセトンを用いる。
また、SP値が10.8のポリエステルでは、9.1〜10.5又は11.2〜12.3の離型剤、有機溶媒を用いる。
また、 とくに、ここでは、着色剤被覆離型剤と水系溶媒、単量体の間では、|着色剤被覆離型剤SP値−単量体SP値|<|着色剤被覆離型剤SP値−水系溶媒SP値|の関係が成立することが好ましい。これによって、離型剤は、単量体に対する親和力を水系媒体に対する親和力を大きくすることで、水系媒体中でトナー粒子を形成したときに、離型剤はトナー内部であって、トナー表面近傍に存在させることができる。
なお、SP値の算出方法について説明する。本発明におけるSP値(溶解性パラメーター:δ)はHildebrand−Scatchardの溶液理論において、式δ=(ΔEv/V)1/2で定義される。ここで、ΔEvは蒸発エネルギー、Vは分子容、ΔEv/Vは凝集エネルギー密度を示す。SP値(溶解性パラメーター)の求め方は各種あるが、本発明では、主にモノマー組成からFedorらの方法を用いて計算により求めた値を用いた。
SP値 = (ΣΔei/ΣΔvi)1/2
ここで、Δeiは原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δviは原子又は原子団のモル体積である。
少なくとも、結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナーであって、結着樹脂、離型剤を有機溶媒又は重合性単量体に溶解又は分散させて、水系媒体中で粒子を形成するトナーを製造する製造方法に、予め着色剤が被覆された離型剤を用いることが好ましい。水系媒体中で、結着樹脂の一部を水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させる際に、低温でトナーを形成させることで、温度を上げることによるワックスの膨潤や顔料剥離による再凝集を少なくして、離型剤、顔料の均一な分散性を保つことが出来る。
以下にその構成材料と製造方法について説明する
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
(ポリエステルプレポリマー、)
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、この他にウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
帯電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
また、上述した着色剤被覆離型剤を用いるが、また、これに加えて、離型剤、着色剤をそれぞれ単独で用いてもよい。着色剤は、その色によってトナーに対する含有量を調整しなければならず、また、離型剤も結着樹脂の種類によってトナーに対する含有量を調整しなければならないために、着色剤被覆離型剤だけでは調整できない場合には、それぞれ単独で含有させても良い。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤被覆離型剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。水系媒体として、有機溶媒を含んでいても、水の量が多いし、水のSP値は、他の有機溶媒と比較しても大きいので、本発明の離型剤、単量体等のSP値の関係に影響を与えない。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、既述の物質を用いることができる。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
上記洗浄、脱溶剤の工程前後いずれかにおいて、乳化分散液を一定温度で一定時間放置し、生成したトナー粒子を熟成させる工程を設けることができる。これにより、所望の粒径を有するトナー粒子を作製できる。熟成工程の温度は25〜50℃が好ましく、時間は10分間〜23時間が好ましい。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、帯電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
帯電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状から紡錘形状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーは、現像剤としてキャリアを使用しない一成分系トナーとしても用いることができる。
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
ここで、用いる着色剤被覆離型剤は、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等によるトナーに限るものではなく、乾式溶融混練法による粉砕系トナーにも用いることができる。粉砕系の一例としては、まず、結着樹脂、着色剤被覆離型剤、電荷制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、さらに、ジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、混合機により無機微粒子を外添して、混合しトナーとする。
本発明における金属化合物微粒子としては、導電性微粉末が使用される。導電性の金属化合物微粒子としては、銅、金、銀、アルミニウム又はニッケルの如き金属微粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄又は酸化タングステンの如き金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリの如き金属化合物;あるいはこれらの複合酸化物などの導電性微粉末が挙げられる。
これらの中でも、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化チタンからなるグループから選ばれる酸化物を少なくとも一種含有していることが、金属化合物微粒子の抵抗を低く設定できること、白色或いは淡色であり、転写材上に転写される金属化合物微粒子がカブリとして目立たないという点で好ましい。
また、金属化合物微粒子の抵抗値を制御する目的で、アンチモン、アルミニウムの如き元素を含有させた金属酸化物の微粒子、導電性材料を表面に有する微粒子も金属化合物微粒子として使用できる。例えば、アルミニウム元素を含有する酸化亜鉛微粒子、アンチモン元素を含有する酸化スズ微粒子である。但し、一般にアンチモン元素の導入による抵抗制御は粉末の青黒色性が増すため好ましくない。
金属化合物微粒子に適正な表面処理を施して使用することは、高湿環境下での特性を改良するうえで好ましい。金属化合物微粒子が吸湿すると、(i)トナーの摩擦帯電特性改良効果が低下し、画質が低下し、(ii)帯電部材から脱離しやすく、帯電性改良効果が低減するという問題が起こりやすい。
金属化合物微粒子の表面の処理剤としてはケイ素化合物が撥水性が高く好ましい。また、トナーの摩擦帯電特性改良という意味では、トナー粒子とは逆極性の摩擦帯電性を付与することが好ましい。例えば、負帯電性トナー粒子に外添する金属化合物微粒子の場合、窒素原子を含有するケイ素化合物で表面処理を施すと、高湿環境下での特性が大幅に改良される。
金属化合物微粒子は、疎水化処理されていることが高温高湿環境下での使用を考慮すると好ましい。トナー粒子と混合された金属化合物微粒子が吸湿すると、トナーの摩擦帯電量が低下し、トナー飛散が起こり易くなる。
疎水化処理の処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカッブリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物のような処理剤を単独でまたは併用して処理しても良い。
その中でも、シリコーンオイルにより処理したものが好ましく、より好ましくは、金属化合物微粒子をシラン化合物で疎水化処理すると同時または処理した後に、シリコーンオイルにより処理したものが、高湿環境下でもトナーの摩擦帯電量を高く維持し、トナー飛散を防止する上でよい。
本発明に使用される金属化合物微粒子の好ましい体積抵抗は、1×10−1〜1×10Ωcmである。金属化合物微粒子の体積抵抗が1×10Ωcmを超えると、接触帯電工程を含む画像形成方法に用いた場合、帯電工程での帯電性の改良効果が低い。
一方、金属化合物微粒子の体積抵抗が1×10−1Ωcm未満の場合は、高湿下でのトナーの摩擦帯電特性を阻害してしまい、現像性が低下し、カブリが発生しやすく、転写性が低下し、現像−クリーニングシステムにおいては帯電部材の汚染が発生視しやすく、金属化合物微粒子の比表面積を大きくしたことによる帯電性改良効果が低下する。金属化合物微粒子の体積抵抗は、1×10−1〜1×10Ωcmであることがより好ましい。
金属化合物微粒子の抵抗の測定は以下のようにして行う。
円筒形の金属製セルに試料を充填し、試料に接するように上下に電極を配し、上部電極には荷重686kPa(7kgf/cm)を加える。この状態で電極間に電圧Vを印加し、その時に流れる電流I(A)から金属化合物微粒子の抵抗(体積抵抗率RV)を測定する。この時電極面積をS(cm)、試料厚みをM(cm)とすると
RV(Ωcm)=100V×S(cm)/I(A)/M(cm)
である。
金属化合物微粒子は、トナー粒子に対して含有量が0.5ないし3.0wt%の範囲にあるのが好ましい。
本発明のトナーにおける金属化合物微粒子の含有量は、トナーの比重を考慮するのがより好ましい。トナーの比重が高い場合、トナーの単位質量当たりの表面積は小さくなるため、適正な含有量は少なくなる。逆にトナーの比重が小さい場合、適正含有量は多くなる。
適正含有量とトナーの比重とはほぼ反比例の関係にあり、両者の値の積がある一定範囲内であることが好ましい。
トナーに対する金属化合物微粒子の含有量をX(質量%)とし、トナーの比重をY(g/cm)とした場合、5≦X×Y≦6.0の関係を満たすことが好ましい。
X×Y<0.5であると、金属化合物微粒子の含有量が少なく、十分な添加効果が得られにくい。
一方、6.0<X×Yであると、トナー粒子間に介在する金属化合物微粒子量が多いため、トナー流動性に問題が生じる傾向にあり、好ましくない。
本発明で用いられるトナーは、流動性向上剤及び転写助剤として平均一次粒径4〜80
nmの無機微粉体が添加されるのが好ましい。無機微粉体は、トナーの流動性向上、トナー粒子の摩擦帯電量均一化、及び転写性の向上のために添加されるが、無機微粉体を疎水化処理によってトナーの摩擦帯電量の調整、環境安定性の向上という機能を付与することも好ましい形態である。
次に、帯電部材に付着したトナーの挙動について考察する。
接触帯電部材にトナーが付着した場合、排除されずに付着したままの状態が継続すると、帯電部材への融着や感光体削れという問題が発生する。トナーが融着した帯電部材は帯電部材の表面が高抵抗化してしまうため、比表面積が大きく接触点が多い金属化合物微粒子を用いてもある程度帯電性の維持に効果を発揮するものの、金属化合物微粒子の添加効果は低下する。
より好ましくは、接触帯電部材が駆動する際の振動で汚染トナーと帯電部材表面との付着力が緩み、帯電部材表面と感光体との電位差による電界で汚染トナーが感光体上に排除されるのがよい。そのためには、静止状態から流動状態への移行がスムーズなトナーを用いることが好ましい。
トナーの特性の一つである流動性を評価する方法は数多くあるが、本発明では前述したように、トナー表面形状の凹凸周期を前期SPMにて直接測定することで、この流動性を評価し、上記静止状態から流動状態への移行がスムーズなトナーとすることを可能としている。
本発明の画像形成方法を実施するための画像形成装置の構成の一態様を図1を参照して説明する。この画像形成装置は、転写式電子写真プロセスを利用した現像−クリーニングプロセス(クリーナーレスシステム)のレーザープリンター(記録装置)である。クリーニングブレードなどのクリーニング部材を有するクリーニングユニットを除去したプロセスカードリッジを有し、トナーとしては磁性トナー(磁性一成分系現像剤)を使用し、トナー担持体上の磁性トナー層と像担持体が非接触となるよう配置される非接触現像の画像形成装置の例である。
1は像担持体としての、回転ドラム型OPC感光体であり、時計方向(矢印の方向)に120mm/secの周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
2は接触帯電部材としての帯電ローラーである。帯電ローラー2は感光体(像担持体)1に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設してある。nは感光体1と帯電ローラー2の当接部である帯電当接部である。本態様では、帯電ローラー2は、感光体1との当接部nにおいて対向方向(感光体表面の移動方向と逆方向)に120mm/secの周速度で回転駆動されている。接触帯電部材としての帯電ローラー2の表面は感光体1の表面に対して相対移動速度比200%の相対速度差を有している。
ここで記述した相対的速度差を示す相対移動速度比は次式で表すことができる。
相対移動速度比(%)=|(Vc−Vp)/Vp|×100
(式中、Vcは帯電部材表面の移動速度、Vpは像担持体表面の移動速度であり、Vcは、当接部において帯電部材表面が像担持体表面と同じ方向に移動するとき、Vpと同符号の値とする。)
本発明においては、像担持体表面の移動速度とそれに対向する帯電部材表面の相対移動速度比は、10〜500%であることが好ましく、20〜400%であることがより好ましい。相対移動速度比が、10%未満の場合には、接触帯電部材と像担持体との接触確率を増加させることが十分にはできず、直接注入帯電による像担持体の帯電性を維持しにくい。
更に、上述の像担持体と接触帯電部材との当接部に介在するトナーの成分の量を接触帯電部材と像担持体との摺擦によって制限することにより像担持体の帯電阻害を抑制する効果、及び転写残トナー粒子のパターンを均し現像−クリーニングシステムでのトナーの回収性を高める効果が低い。相対移動速度比が、500%よりも大きい場合には、帯電部材表面の移動速度を著しく高めることとなるために、像担持体と接触帯電部材との当接部に持ち運ばれたトナーの成分が飛散することによる装置内の汚染を生じ易く、像担持体及び接触帯電部材が摩耗し易くなるあるいは傷の発生を生じ易くなり短寿命化しやすい。
また、帯電部材の移動速度が0である場合(帯電部材が静止している状態)は、帯電部材の像担持体との接触点が定点となるため、帯電部材の像担持体への接触部の摩耗または劣化を生じ易く、像担持体の帯電阻害を抑制する効果及び転写残トナー粒子のパターンを均し現像−クリーニングシステムでのトナーの回収性を高める効果が低下しやすく好ましくない。
また、帯電ローラー2の表面には、塗布量がおよそ一層で均一になるように導電性の金属化合物微粉末が塗布される。
また帯電ローラー2の芯金2aには帯電バイアス印加電源S1から−700Vの直流電圧を帯電バイアスとして印加する。本態様では感光体1の表面は帯電ローラー2に対する印加電圧とほぼ等しい電位(−680V)に直接注入帯電方式によって一様に帯電処理される。
3はレーザーダイオード及びポリゴンミラー等を含むレーザービームスキャナ(露光器)である。このレーザービームスキャナは目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザー光を出力し、該レーザー光で感光体1の一様帯電面を走査露光Lする。この走査露光により回転感光体1に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
4は現像装置である。感光体1の表面の静電潜像がこの現像装置4によりトナー画像として現像される。本態様の現像装置4は、トナーとして負帯電性磁性一成分絶縁トナーを用いた非接触型の反転現像装置である。磁性トナー4dには磁性トナー粒子(t)及び金属化合物微粒子(m)が含有されている。
4aはトナー担持搬送部材としての、マグネットロール4bを内包させた直径16mmの非磁性現像スリーブ(トナー担持体)である。この現像スリーブ4aは感光体1に対して320μmの離間距離をあけて対向配設し、感光体1との対向部である現像部(現像領域部)aにて感光体1の表面の移動方向と現像スリーブ4aの表面の移動方向とが順方向になるように感光体1の周速の110%の周速比で回転させる。
この現像スリーブ4a上に弾性ブレード4cによって磁性トナー4dが薄層にコートされる。磁性トナー4dは弾性ブレード4cによって現像スリーブ4a上での層厚が規制されるとともに電荷が付与される。
現像スリーブ4aにコートされた磁性トナー4dは、現像スリーブ4aが回転することによって、感光体1と該現像スリーブ4aの対向部である現像部aに搬送される。
また、現像スリーブ4aには現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス電圧は、−420VのDC電圧と、周波数1500Hz、ピーク間電圧1600V(電界強度5×10V/m)の矩形の交流電圧を重畳したものを用いて、現像スリーブ4aと感光体1の間で一成分現像を行なわせる。
5は接触転写手段としての中抵抗の転写ローラーであり、感光体1に長手方向の接触長1m当り98Nの線圧で圧接させて転写ニップ部bを形成している。この転写ニップ部bに図示せぬ給紙部から所定のタイミングで記録媒体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ−5に転写バイアス印加電源S3より所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光体1側のトナー画像が転写ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
本様態では、転写ローラ−5は抵抗が5×10Ωcmのものを用い、+2000Vの直流電圧を印加して転写を行う。転写ニップ部bに導入された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側に感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
6は熱圧定着方式の定着装置である。転写ニップ部bに給紙されて感光体1側のトナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体1の表面から分離されてこの定着装置6に導入され、トナー画像の定着を受けて画像形成物(プリント又はコピー)として装置外へ排出される。
本様態の画像形成装置はクリーニングユニットを除去しており、転写材Pに対するトナー画像転写後の感光体1の表面に残留の転写残りの現像剤(転写残トナー粒子)はクリーナーで除去されることなく、感光体1の回転に伴い帯電当接部nを経由して現像部aに至り、現像装置4において現像−クリーニング(回収)される。
本態様の画像形成装置は、感光体1、帯電ローラー2、現像装置4の3つのプロセス機器を一括して画像形成装置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジとして構成している。プロセスカートリッジ化するプロセス機器の組み合わせは上記に限られるものではなく任意である。
現像装置4の磁性トナー4dに混入させた金属化合物微粒子mは、感光体1側の静電潜像の現像装置4による現像時に、トナー粒子tとともに適当量が感光体1側に移行する。
感光体1上のトナー画像(すなわちトナー粒子t)は、転写部bにおいて転写バイアスの影響で転写材P側に引かれて積極的に転移する。しかし、感光体1上の金属化合物微粒子mは導電性であるため転写材P側には積極的には転移せず、感光体1上に実質的に付着保持されて残留する。
本発明においては、画像形成装置はクリーニング工程を有さないため、転写後の感光体1の表面に残存した転写残トナー粒子tおよび金属化合物微粒子mは、感光体1の回転に伴って感光体1と接触帯電部材である帯電ローラー2との当接部である帯電当接部nに持ち運ばれて、帯電ローラー2に付着或いは混入する。従って、帯電当接部nにこの金属化合物微粒子mが存在した状態で感光体1の直接注入帯電が行なわれる。
この金属化合物微粒子mの存在により、帯電ローラー2にトナー粒子tが付着し混入した場合でも、帯電ローラー2の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、該帯電ローラー2による感光体1の直接注入帯電を行なわせることができる。
帯電ローラー2が金属化合物微粒子mを介して密に感光体1に接触し、金属化合物微粒子mが感光体1表面を隙間なく摺擦する。これにより帯電ローラー2による感光体1の帯電において、放電現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となり、従来のローラー帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られる。従って、帯電ローラー2に印加した電圧とほぼ同等の電位を感光体1に与えることができる。また帯電ローラー2に付着或いは混入した転写残トナー粒子tは、帯電ローラー2から徐々に感光体1上に吐き出されて感光体1表面の移動に伴って現像部aに至り、現像装置4において現像−クリーニング(回収)される。
現像―クリーニングは、転写後に感光体1上に残留したトナー粒子を、画像形成工程の次回以降の現像時(現像後、再度帯電工程、露光工程を介した後の潜像の現像時)において、現像装置のカブリ取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるカブリ取り電位差Vback)によって回収するものである。本態様における画像形成装置のように反転現像の場合、この現像−クリーニングは、現像バイアスによる感光体の暗部電位から現像スリーブにトナー粒子を回収する電界と、現像スリーブから感光体の明部電位へトナー粒子を付着させる(現像する)電界の作用でなされる。
また、画像形成装置が稼働されることで、現像装置4のトナーに含有された金属化合物微粒子mが現像部aで感光体1表面に移行し、感光体1表面の移動に伴って転写部bを経て帯電当接部nに持ち運ばれることによって、帯電部nに新しい金属化合物微粒子mが逐次に供給され続けるため、帯電部nにおて金属化合物微粒子mが脱落等で減少したり、帯電部nの金属化合物微粒子mが劣化しても、帯電性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定して維持される。
接触帯電手段、転写手段及びトナーリサイクルプロセス機構を有する画像形成装置において、接触帯電部材として簡易な帯電ローラー2を用いて均一な帯電性を低印加電圧で与えることができる。さらに、帯電ローラー2が転写残トナー粒子により汚染されるにも関わらず、オゾンレスの直接注入帯電を長期に渡り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与えることができる。よって、オゾン生成物による障害、帯電不良による障害等のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を得ることができる。
また、前述のように金属化合物微粒子mは帯電性を損なわないために、抵抗値が1×10Ω・cm以下である必要があるが、現像部aにおいて現像剤が直接感光体1に接触する接触現像装置を用いた場合には、金属化合物微粒子mの抵抗値が小さ過ぎるとトナー中の金属化合物微粒子mを通じて、現像バイアスにより感光体1に電荷注入され、画像カブリが発生してしまう。
しかし、本実施態様では現像装置は非接触型現像装置であるので、現像バイアスが感光体1に注入されることがなく、良好な画像を得ることが出来る。また、現像部aにおいて感光体1への電荷注入が生じないため、交流バイアスなど現像スリーブ4aと感光体1間に高電位差を持たせることが可能である。これにより金属化合物微粒子mが均等に現像されやすくなるため、均一に金属化合物微粒子mを感光体1表面に塗布し、帯電部で均一な接触を行い、良好な帯電性を得ることが出来き、良好な画像を得ることが可能となる。
帯電ローラー2と感光体1との接触面nでの金属化合物微粒子mの潤滑効果(摩擦低減効果)により、帯電ローラー2と感光体1との間に容易に効果的に速度差を設けることが可能となる。この潤滑効果により帯電ローラー2と感光ドラム1との摩擦を低減し、駆動トルクが低減し、帯電ローラー2や感光ドラム1の表面の削れ或いは傷を防止できる。また、この速度差を設けることにより、帯電ローラー2と感光体1の相互接触面部(当接部又は帯電部)nにおいて金属化合物微粒子mが感光体1に接触する機会を格段に増加させ、高い接触性を得ることができる。よって、良好な直接注入帯電が得られ、良好な画像を安定して得ることが可能となる。
本実施態様では、帯電ローラー2を回転駆動し、その回転方向は感光体1表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成することで、帯電部nに持ち運ばれる感光体1上の転写残トナー粒子を、帯電ローラー2に一時的に回収し、帯電部nに介在する転写残トナー粒子の存在量を均す効果を得ている。このため、転写残トナー粒子の帯電部nでの偏在による帯電不良の発生が防止され、より安定した帯電性が得られる。
さらに、帯電ローラー2を逆方向に回転することによって、感光体1上の転写残トナー粒子を感光体1から一旦引離し帯電を行なうことにより、優位に直接注入帯電を行なうことが可能である。また、金属化合物微粒子mの帯電ローラー2からの脱落を低減する効果が得られ、金属化合物微粒子mの帯電ローラー2からの過度の脱落による像担持体の帯電性の低下を起こさない。
また、帯電の阻害因子である接触帯電部材に付着し混入した転写残トナーを、画像記録装置の、紙間の非画像記録時において接触帯電部材から効率よく排除させるモード(接触帯電部材清掃モード)を具備させて、これにより接触帯電部材の転写残トナーによる汚染レベルを通常時には低く維持させる画像形成方法に本発明に係るトナーを用いれば、さらに良好な帯電性、画像特性を長期に渡り安定に維持できる。
即ち、接触帯電部材清掃モードを設けて接触帯電部材にDC+ACの電圧を印加するとともに、接触帯電部材に金属化合物微粒子を担持させることで、接触帯電部材を汚染している転写残トナーを効率良く吐き出し、画像比率が高い画像形成後の帯電特性についても高い帯電性能をできる。
従来、接触帯電部材とトナーは強固に付着していたが、これらの間に帯電促進粒子として金属化合物微粒子を介在させ、5〜1000HzのACバイアスを印加することで、接触帯電部材とトナーの付着力を低減し、接触帯電部材と像担持体に適当な電位差を生じさせることで接触帯電部材の清掃を迅速に行える。直接注入による帯電方式は、印加電圧と凡そ等しい帯電電位が得られるため、接触帯電部材と像担持体の間で電位差を生じ難い方式であり、金属化合物微粒子を用いても完全な部材の清掃は行われにくい。そこで、帯電部の前後でバイアスに差が生じやすい5〜1000Hzの周波数がトナー吐き出しのために好ましい条件となる。
周波数が5Hz未満であると、周波数に対応して感光体上に電位ムラが発生し、それに呼応して画像濃度ムラが発生しやすい。一方、1000Hzを超えるとトナーの動きが追従できなくなり、清掃効果が薄まり、帯電性が低下しやすい。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 添加剤処理をした後のトナー粒子表面のSPM観察像である。 トナー粒子表面の添加剤処理をした後の形状測定の一例を示す図である。 添加剤処理をする前のトナー粒子表面のSPM観察像である。 トナー表面の微粉体層の層構成を説明するための模式図である。 本発明の現像装置を模式的に示した断面図である。 トナーの形状を模式的に表した図であり、図7(a)は形状係数SF−1、図7(b)は形状係数SF−2を説明するための図である。 トナーの外形形状を示す概略図であり、図8(a)はトナーの外観であり、図8(b)および図8(c)はトナーの断面図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電ローラ
2a 帯電ローラ芯金
2b 可撓性層
3 露光器
4 現像装置
4a 現像スリーブ
4b マグネットロール
4c 弾性ブレード
4d トナー
5 転写ローラ
6 定着装置
S1 帯電部材用電源
S2 現像用電源
S3 転写用電源

Claims (20)

  1. 静電潜像を現像する静電潜像現像用トナーであって、このトナーは、少なくとも結着樹脂と顔料からなり、その表面に導電性微粒子が外添されているトナーにおいて、
    前記トナーは、体積平均粒径が3〜10μmの範囲にあり、かつ、その表面の形状が、SPMの測定で、10〜150nmの小さな凸凹の周期(S)と150〜500nmの大きな凸凹の周期(L)を有し、かつ、(L/S)が3〜50の範囲にあり、かつ
    前記導電性微粒子は、比表面積(cm/cm)が5×10ないし100×10である
    ことを特徴とするトナー。
  2. 請求項1に記載のトナーにおいて、前記(L/S)が10〜50の範囲にあることを特徴とするトナー。
  3. 請求項1または2に記載のトナーにおいて、前記導電性微粒子の体積基準のメジアン径(D50;単位μm)が0.4μmないし4.0μmであり、トナーの体積平均粒径よりも小さく、D90が6.0μm以下であることを特徴とするトナー。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、体積平均粒径と個数平均粒径との比(分散度)が、1.00ないし1.40の範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーが、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーが、SF−1が100ないし180であって、SF−2が100ないし180の範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーが、外観形状がほぼ球形状であって、
    短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する
    ことを特徴とするトナー。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させる
    ことを特徴とするトナー。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記導電性微粒子は、金属酸化物である
    ことを特徴とするトナー。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記導電性微粒子は、表面がシリコーンカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤で処理されている
    ことを特徴とするトナー。
  11. 請求項1ないし9のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記導電性微粒子は、表面がシリコーンオイルで処理されている
    ことを特徴とするトナー。
  12. 請求項1ないし9のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記導電性微粒子の体積抵抗が1×10−1〜1×10Ωcmである
    ことを特徴とするトナー。
  13. 請求項12に記載のトナーにおいて、
    前記導電性微粒子の体積抵抗が1×10−1〜1×10Ωcmである
    ことを特徴とするトナー。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、トナーに対して、導電性微粒子の含有量が0.5〜3.0wt%の範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  15. 像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
    現像剤は、請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーと、磁性キャリアとからなる二成分現像剤である
    ことを特徴とする現像剤。
  16. 像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
    現像剤は、請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤である
    ことを特徴とする現像剤。
  17. 現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、像担持体との対向位置において電界が印加され、像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
    現像装置は、請求項15又は16に記載の現像剤を使用する
    ことを特徴とする現像装置。
  18. 潜像を担持する像担持体と、
    少なくとも像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上の可視像を定着させる定着装置とのいずれかを備えるプロセスカートリッジにおいて、
    前記現像装置は、請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーを用いる
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  19. 潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電させる帯電部材を有する帯電装置と、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上の可視像を定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーを用いる
    ことを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項19に記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、像担持体と帯電部材との間にトナー又はトナー中の無機微粒子を存在させ、かつ
    帯電部材にAC及び/又はDC電圧を印加する
    ことを特徴とする画像形成装置。
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