JP2006023694A - トナー、プロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トナー粒子と導電性微粒子との接触密度を安定的に適切な範囲に保つことのできる、直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニングシステムに最適のトナーを提供することを課題とする。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂と顔料からなり、その表面に導電性微粒子が外添されているトナーであり、体積平均粒径が3〜10μmの範囲にあり、かつ、その表面の形状が、SPMの測定で、10〜150nmの小さな凸凹の周期(S)と150〜500nmの大きな凸凹の周期(L)を有し、かつ、(L/S)が3〜50の範囲にあり、かつ導電性微粒子は、比表面積(cm2/cm3)が5×105ないし100×105であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
特許文献1には、上記トナーの流動性向上に関して、トナー粒子表面の凹凸の周期性を規定する発明についての記載がある。
例えば特許文献2には、直接注入帯電方式により、導電性を有する帯電促進粒子を含む現像材を用いて、放電生成物を生じることなく廃トナー量を大幅に減らし、帯電不良のない良好な画像の得られる画像形成装置についての記載がある。
また特許文献3にも、上記導電性微粒子としての金属化合物微粒子の好ましい粒径、粒度分布、およびトナーの粒度分布について記載されているが、トナー表面形状についての記載はない。
本発明のトナーでは、静電潜像を現像する静電潜像現像用トナーであって、このトナーは、少なくとも結着樹脂と顔料からなり、その表面に導電性微粒子が外添されているトナーにおいて、前記トナーは、体積平均粒径が3〜10μmの範囲にあり、かつ、その表面の形状が、SPMの測定で、10〜150nmの小さな凸凹の周期(S)と150〜500nmの大きな凸凹の周期(L)を有し、かつ、(L/S)が3〜50の範囲にあり、かつ前記導電性微粒子は、比表面積(cm2/cm3)が5×105ないし100×105であることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記(L/S)が10〜50の範囲にあることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子の体積基準のメジアン径D50が0.4μmないし4.0μmであり、トナーの体積平均粒径よりも小さく、D90が6.0μm以下であることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーが、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にあることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーは、SF−1が100ないし180であって、SF−2が100ないし180の範囲にあることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーは、外観形状がほぼ球形状であって、短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足することを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーは、少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子は、表面がシリコーンカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤で処理されていることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子は、表面がシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子の体積抵抗が1×10−1〜1×109Ωcmであることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記導電性微粒子の体積抵抗が1×10−1〜1×106Ωcmであることを特徴とする。
本発明のトナーでは、さらに、前記トナーは、トナーに対して、導電性微粒子の含有量が0.5〜3.0wt%の範囲にあることを特徴とする。
本発明の現像剤では、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、前記現像剤は、前記のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置では、さらに、前記画像形成装置は、像担持体と帯電部材との間にトナー又はトナー中の無機微粒子を存在させ、かつ帯電部材にAC及び/又はDC電圧を印加することを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成方法およびプロセスカートリッジでは、上記トナーによる直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニングシステムを備えることにより、良好な画像形成を長期にわたって行うことが可能となる。
これらの中でも、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化チタンからなるグループから選ばれる酸化物を少なくとも一種含有している金属化合物微粒子であることが、導電性微粒子の抵抗を低く設定できること、白色或いは淡色であり、転写材上に転写される導電性微粒子がカブリとして目立たないという点で好ましい。
また、導電性微粒子は非磁性の金属化合物微粒子であることが好ましく、その表面には多くの凹凸のあることが、上記トナー粒子との接触点密度を好ましい範囲に保つ上で重要である。これらについては後述するが、本発明の基本的な考え方は、トナー粒子と導電性微粒子との接触点密度を増やす手段として、トナー粒子の表面に凹凸をつけるのではなく、導電性微粒子の表面に凹凸をつけるというものである。トナー粒子の表面に凹凸をつけると、摩擦帯電特性上好ましくないので、トナー粒子の表面は平滑にする。
本発明では、トナー粒子表面をSPMの探針で走査し、トナー粒子表面の形状測定を行なった。その結果、良好な流動性を示すトナー粒子の場合には、図2のような3次元の表面形状プロファイルになることが分かった。また、そのときの一部分のX−Z面内の表面形状プロファイルは図3のようになった。
また、このときZ方向の凹凸(プロファイルの曲線の振幅)は、10〜200nmであると、トナーの流動性がさらによいことも分かった。流動性には大きい周期の凹凸が効いているように考えられるが、小さい周期の凹凸も非常に重要で、花粉等が非常に流動性が良いのは小さい凹凸を有しているためだと考えられている。このように小さな周期の規則的な凹凸とともに大きな周期の凹凸があれば、表面に吸着物が存在しても、動きやすさへの影響は小さくなる。
この計測は、測定個所や試料のトナー粒子を変えて3〜10回行い、粒子全体の様子を把握する。まずは、SPMによる観察像で表面状態を評価し、添加剤の付着表面を確認した上で、定量的な凹凸分析を実施することが実用的である。
SPMの装置としてDigital Instruments社のNanoscopeIIIaコントローラとD−3100/Pシステムを使用した。タッピングモードを用いて表面形状を測定し、解析を行った。カンチレバーは、バネ定数
約50N/m、共振周波数
270kHzのSi単結晶を用いた。
また、本発明で規定する凹凸(振幅)は、SPM計測で得られたプロファイルの小さな周期の凹凸及び大きな周期の凹凸の、Z方向における凹部と凸部の差を求めるものとする。本発明のトナーにおいて、Z方向に10〜200nmの凹凸が存在するとは、大きな周期及び小さな周期の凹凸を併せて規定するものである。
また、微粒子の添加処理は微粒子を添加する前の粉体(母体)の形状によって影響されるが、微粒子を添加する前の粉体(母体)の平均円形度が0.93〜1.00である球形に近い場合に微粒子の添加処理の効果に優れ、ドット再現性に優れた高画質化を実現できる。円形度が0.93未満では本発明の最適構造の効果は小さい。
つまり、小さな周期と大きな周期を持つ構造を実現するためには、1.2層≦微粉体層≦1.8層の条件を満たすことが望ましい。また、同様に2.2層<微粉体層<2.8層、3.2層<微粉体層<3.8層、及び、4.2層<微粉体層<4.8層のいずれかの条件を満足する場合も小さな周期と大きな周期を持つ構造を実現できる。つまり、微粉体が添加される前の粉体(母体)表面への微粉体の堆積構造により、小さい周期と大きい周期を持たせる。
トナーは、十分な性能を安定して得られ、本体が突発異常で停止した直後に印字をおこなっても帯電不良の異常画像を発生させないためには、金属化合物微粒子とトナー粒子との接触密度、及び金属化合物微粒子と帯電部材表面との接触密度が重要である。
但し、トナー粒子の表面に多数の凹凸を形成させることは、摩擦帯電特性上好ましくない。
一方、金属化合物微粒子の表面に凹凸を形成することは、トナー粒子のみならず帯電部材との接触点も増加するため、帯電部材の設計の自由度が広がるので好ましい。金属化合物微粒子の表面に多数の凹凸を形成して使用することは、各種プリンタ及び各種トナーに適応可能である。
ここでは比表面積として、金属化合物微粒子1個の体積当たりの表面積に対応する単位「cm2/cm3」を採用し、金属化合物微粒子とトナー粒子及び帯電部材との接触点数と、画像特性及び帯電性との関係を検討した。
逆に、比表面積が5×105より小さく、金属化合物微粒子の表面の凸部が少なすぎる場合、帯電不良を起こしやすくなる。
球形の微粒子においては、その粒子半径をr(cm)とすると、微粒子1個当たりの表面積は4×π×r2であり、微粒子1個当たりの体積は(4/3)×π×r3であり、微粒子の単位体積当たりの表面積は下記式
微粒子1個当たりの表面積/微粒子1個当たりの体積=3/r
から計算できる。体積基準のメジアン径(D50;単位μm)を用いれば、
r(cm)=D50(μm)/(2×104)
であるから比表面積は、
比表面積(cm2/cm3)=6×104/D50
となる。多少不定形の微粒子であっても比表面積(cm2/cm3)は、10×104/D50程度である。本発明に使用する金属化合物微粒子のメジアン径(D50)は0.4〜4.0μmであるから、通常の表面性を有する微粒子であるならば、2.5×105程度の比表面積しか有しえない。しかしながら、この程度の比表面積では、トナー粒子あるいは帯電部材との接触点数が不十分であり、顕著な効果は期待できない。
100×105<金属化合物微粒子の単位体積当たりの比表面積(cm2/cm3)
であるような場合には、金属化合物微粒子の粒径に比して金属化合物微粒子の表面の凹凸が多すぎるため、トナー粒子との相互作用が強まり過ぎてカブリが生じやすくなるため、好ましくない。
BET法に従い、比表面積測定装置を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて試料のBET比表面積(cm2/g)を算出する。
次に、乾式自動密度計を用いて試料の真密度(g/cm3)を求めて、
比表面積(cm2/cm3)=BET比表面積(cm2/g)×真密度(g/cm3)
で計算する。
レーザ回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定範囲とし、得られる体積基準の粒度分布により粒子のD10、D50、D90を算出する。測定は、メタノール10mlに金属化合物微粒子を約10mg加え、超音波分散機で2分間分散した後、測定時間90秒間、測定回数1回の条件で測定をおこなう。
しかし、トナーの平均円形度が0.93未満では、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。これは、トナーが不定形のためトナー表面の帯電が不均一であり、また、重心と帯電の中心がずれるために電界に対して忠実な移動が困難になるためである。
平均円形度は、例えば、トナー粒子を含む懸濁液を平板上の画像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス社製)等を用いて計測することができる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)……式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)……式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状係数SF−1とSF−2は100以上がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、形状が不定型になり、トナーの帯電量分布が広くなり、現像が潜像に対して忠実でなくなり、また、転写でも転写電界に忠実でなくなり画像品位が低下する。さらに、転写率が低下して転写残トナーが多くなり、大きいクリーニング装置7が必要になり画像形成装置100の設計上不利になる。このために、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は180を越えない方が好ましい。
このトナーは、短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0で表される略球形の形状を有している。短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。
厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、略球形の形状になるために、帯電量分布が狭くなる。
なお、これまでのトナーの大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の
角度を変え、その場観察しながら測定した。
トナーには、これまで、また、溶媒中で重合する湿式重合トナーでは、離型剤にせんだん力がかかりにくく、細かく均一な分散が困難である。そこで、予め着色剤を表面に被覆させて、溶媒、結着樹脂との相溶性を変えることで、着色剤の均一分散、離型剤の結着樹脂中への均一に分散させることができる。
離型剤としては、公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックス等);カルボニル基含有ワックス等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、多価アルコールカルボン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等);多価カルボンエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等);多価アミンカルボン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);多価カルボン酸アミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトン等)等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の多価アルコールカルボン酸エステルである。
離型剤の直径は、0.05〜1.5μmの範囲にあることが好ましい。離型剤の直径が、0.05μm未満では、定着装置による熱及び圧力を受けたときに、溶け出す離型剤が少なくオフセット現象を抑えることができない。1.5μmを越えると、オフセット現象の発生を抑えることはできるが、耐熱保存性が低くなり、かつ、キャリアへの移行量が多くなり、現像剤の寿命が低下する。
また、このときに、着色剤の量は、離型剤の重量に対して20〜500%の範囲にする。この範囲にすることで、離型剤表面を一様に均一に被覆することができる。着色剤の量が20%未満では、離型剤表面を均一に被覆できなくなる。着色剤の量が500%を越えると、離型剤表面に固着できなくなり、また、製造時に離型剤表面から脱離して浮遊する着色剤が生ずる。これがトナーになったときに、キャリア等に移行して現像剤寿命を低下させる。
結着樹脂としては、公知の単量体が好ましく用いられる。具体的には、スチレン、o−(m−、p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等の単量体が好ましく用いられる。
このときに、本発明では、着色剤被覆離型剤を分散又は溶解させる方法としては、一般に攪拌機/又は分散機として市販されているものであれば特に限定されず使用できる。有機溶剤又は重合性単量体および樹脂等を容器中に入れ、ホモミキサーなどの攪拌装置を用いて攪拌し、分散又は溶解させる。
好ましい具体例としては、1〜10段のパドル式攪拌翼を有する攪拌機、ヘリカルリボン式攪拌機、マックスブレンド式攪拌機などが挙げられる。これらのうち、ヘリカルリボン式攪拌機、マックスブレンド式攪拌機が更に好ましい。
また、その他の攪拌機又は分散機も使用可能であり、市販の商品名を示すと、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)及びTKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式分散機;エバラマイルダー(在原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)及びファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式分散機;マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)及びAPVガウリン(ガウリン社製)等の高圧分散機;膜分散機(冷化工業社製)等の膜分散機;バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式分散機;並びに超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波分散機等が挙げられる。
これらのうち、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーが好ましく、更に好ましくは、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサー、特に好ましくはTKオートホモミキサー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーである。
着色剤被覆離型剤を分散させる際の温度は特に限定されないが、離型剤粒子の合着防止の観点から、0〜60℃が好ましく、更に好ましくは5〜50℃、特に10〜40℃である。
SP値は、物質の極性を示す指標であり、親和性を示すことができる。このSP値が近いほど、お互いの相溶性は良好になる。この着色剤被覆離型剤が、トナー中の存在状態としては、トナー表面近傍にあって、かつ、トナー中に0.2〜1.5μmのドメインを形成して分散している状態が好ましい。従来の粉砕系では、溶融混練時の温度による結着樹脂の粘弾性、混練の装置によるせんだん力で調整することができたが、重合法ではせんだん力で離型剤の分散を調整することができない。そこで、有機溶媒中で溶解又は分散させるときに、有機溶媒とのSP値の差を、0.3〜1.5の範囲にする。この範囲にすることで、離型剤は、有機溶媒中での分散が容易になる。着色剤被覆離型剤と有機溶媒とのSP値の差が、0.3未満では、有機溶媒中で形成する離型剤の粒子の粒径が小さくなり、トナーにしたときに離型剤のドメイン径が小さくなり、実際の定着装置ではトナーのホットオフセットを生ずることが多くなる。また、離型剤は有機溶媒中で油滴を形成し、単量体油滴中に入らないものが生ずるので生産性が低下する。また、SP値の差が、1.5を越えると、有機溶媒中で形成する離型剤の粒子の粒径が大きくなり、トナーにしたときに離型剤は大きいドメイン径になり、トナーのホットオフセットを抑えることができるが、キャリアに移行する離型剤、着色剤の量が多くなり現像剤寿命を低下させる。
ここで、SP値が9.4のスチレン及び/又はアクリルの単量体を用いて重合トナーとする場合は、7.9〜9.1又は9.7〜10.9のSP値を有する離型剤を用いる。したがって、ポリエチレン、パラフィンワックス、カルナバワックス、モンタンワックスを用いる。また、有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、アセトンを用いる。
また、SP値が10.8のポリエステルでは、9.1〜10.5又は11.2〜12.3の離型剤、有機溶媒を用いる。
また、 とくに、ここでは、着色剤被覆離型剤と水系溶媒、単量体の間では、|着色剤被覆離型剤SP値−単量体SP値|<|着色剤被覆離型剤SP値−水系溶媒SP値|の関係が成立することが好ましい。これによって、離型剤は、単量体に対する親和力を水系媒体に対する親和力を大きくすることで、水系媒体中でトナー粒子を形成したときに、離型剤はトナー内部であって、トナー表面近傍に存在させることができる。
SP値 = (ΣΔei/ΣΔvi)1/2
ここで、Δeiは原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δviは原子又は原子団のモル体積である。
以下にその構成材料と製造方法について説明する
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
帯電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(トナーの製造方法)
1)着色剤被覆離型剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。水系媒体として、有機溶媒を含んでいても、水の量が多いし、水のSP値は、他の有機溶媒と比較しても大きいので、本発明の離型剤、単量体等のSP値の関係に影響を与えない。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
帯電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状から紡錘形状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
金属化合物微粒子の表面の処理剤としてはケイ素化合物が撥水性が高く好ましい。また、トナーの摩擦帯電特性改良という意味では、トナー粒子とは逆極性の摩擦帯電性を付与することが好ましい。例えば、負帯電性トナー粒子に外添する金属化合物微粒子の場合、窒素原子を含有するケイ素化合物で表面処理を施すと、高湿環境下での特性が大幅に改良される。
一方、金属化合物微粒子の体積抵抗が1×10−1Ωcm未満の場合は、高湿下でのトナーの摩擦帯電特性を阻害してしまい、現像性が低下し、カブリが発生しやすく、転写性が低下し、現像−クリーニングシステムにおいては帯電部材の汚染が発生視しやすく、金属化合物微粒子の比表面積を大きくしたことによる帯電性改良効果が低下する。金属化合物微粒子の体積抵抗は、1×10−1〜1×106Ωcmであることがより好ましい。
円筒形の金属製セルに試料を充填し、試料に接するように上下に電極を配し、上部電極には荷重686kPa(7kgf/cm2)を加える。この状態で電極間に電圧Vを印加し、その時に流れる電流I(A)から金属化合物微粒子の抵抗(体積抵抗率RV)を測定する。この時電極面積をS(cm2)、試料厚みをM(cm)とすると
RV(Ωcm)=100V×S(cm2)/I(A)/M(cm)
である。
適正含有量とトナーの比重とはほぼ反比例の関係にあり、両者の値の積がある一定範囲内であることが好ましい。
トナーに対する金属化合物微粒子の含有量をX(質量%)とし、トナーの比重をY(g/cm3)とした場合、5≦X×Y≦6.0の関係を満たすことが好ましい。
X×Y<0.5であると、金属化合物微粒子の含有量が少なく、十分な添加効果が得られにくい。
一方、6.0<X×Yであると、トナー粒子間に介在する金属化合物微粒子量が多いため、トナー流動性に問題が生じる傾向にあり、好ましくない。
nmの無機微粉体が添加されるのが好ましい。無機微粉体は、トナーの流動性向上、トナー粒子の摩擦帯電量均一化、及び転写性の向上のために添加されるが、無機微粉体を疎水化処理によってトナーの摩擦帯電量の調整、環境安定性の向上という機能を付与することも好ましい形態である。
接触帯電部材にトナーが付着した場合、排除されずに付着したままの状態が継続すると、帯電部材への融着や感光体削れという問題が発生する。トナーが融着した帯電部材は帯電部材の表面が高抵抗化してしまうため、比表面積が大きく接触点が多い金属化合物微粒子を用いてもある程度帯電性の維持に効果を発揮するものの、金属化合物微粒子の添加効果は低下する。
より好ましくは、接触帯電部材が駆動する際の振動で汚染トナーと帯電部材表面との付着力が緩み、帯電部材表面と感光体との電位差による電界で汚染トナーが感光体上に排除されるのがよい。そのためには、静止状態から流動状態への移行がスムーズなトナーを用いることが好ましい。
相対移動速度比(%)=|(Vc−Vp)/Vp|×100
(式中、Vcは帯電部材表面の移動速度、Vpは像担持体表面の移動速度であり、Vcは、当接部において帯電部材表面が像担持体表面と同じ方向に移動するとき、Vpと同符号の値とする。)
更に、上述の像担持体と接触帯電部材との当接部に介在するトナーの成分の量を接触帯電部材と像担持体との摺擦によって制限することにより像担持体の帯電阻害を抑制する効果、及び転写残トナー粒子のパターンを均し現像−クリーニングシステムでのトナーの回収性を高める効果が低い。相対移動速度比が、500%よりも大きい場合には、帯電部材表面の移動速度を著しく高めることとなるために、像担持体と接触帯電部材との当接部に持ち運ばれたトナーの成分が飛散することによる装置内の汚染を生じ易く、像担持体及び接触帯電部材が摩耗し易くなるあるいは傷の発生を生じ易くなり短寿命化しやすい。
2 帯電ローラ
2a 帯電ローラ芯金
2b 可撓性層
3 露光器
4 現像装置
4a 現像スリーブ
4b マグネットロール
4c 弾性ブレード
4d トナー
5 転写ローラ
6 定着装置
S1 帯電部材用電源
S2 現像用電源
S3 転写用電源
Claims (20)
- 静電潜像を現像する静電潜像現像用トナーであって、このトナーは、少なくとも結着樹脂と顔料からなり、その表面に導電性微粒子が外添されているトナーにおいて、
前記トナーは、体積平均粒径が3〜10μmの範囲にあり、かつ、その表面の形状が、SPMの測定で、10〜150nmの小さな凸凹の周期(S)と150〜500nmの大きな凸凹の周期(L)を有し、かつ、(L/S)が3〜50の範囲にあり、かつ
前記導電性微粒子は、比表面積(cm2/cm3)が5×105ないし100×105である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1に記載のトナーにおいて、前記(L/S)が10〜50の範囲にあることを特徴とするトナー。
- 請求項1または2に記載のトナーにおいて、前記導電性微粒子の体積基準のメジアン径(D50;単位μm)が0.4μmないし4.0μmであり、トナーの体積平均粒径よりも小さく、D90が6.0μm以下であることを特徴とするトナー。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、体積平均粒径と個数平均粒径との比(分散度)が、1.00ないし1.40の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーが、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーが、SF−1が100ないし180であって、SF−2が100ないし180の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーが、外観形状がほぼ球形状であって、
短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させる
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記導電性微粒子は、金属酸化物である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記導電性微粒子は、表面がシリコーンカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤で処理されている
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記導電性微粒子は、表面がシリコーンオイルで処理されている
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記導電性微粒子の体積抵抗が1×10−1〜1×109Ωcmである
ことを特徴とするトナー。 - 請求項12に記載のトナーにおいて、
前記導電性微粒子の体積抵抗が1×10−1〜1×106Ωcmである
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし13のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、トナーに対して、導電性微粒子の含有量が0.5〜3.0wt%の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
現像剤は、請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーと、磁性キャリアとからなる二成分現像剤である
ことを特徴とする現像剤。 - 像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
現像剤は、請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤である
ことを特徴とする現像剤。 - 現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、像担持体との対向位置において電界が印加され、像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
現像装置は、請求項15又は16に記載の現像剤を使用する
ことを特徴とする現像装置。 - 潜像を担持する像担持体と、
少なくとも像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上の可視像を定着させる定着装置とのいずれかを備えるプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置は、請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーを用いる
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電させる帯電部材を有する帯電装置と、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上の可視像を定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項19に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、像担持体と帯電部材との間にトナー又はトナー中の無機微粒子を存在させ、かつ
帯電部材にAC及び/又はDC電圧を印加する
ことを特徴とする画像形成装置。
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