JP3997160B2 - トナー及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の静電複写プロセスの画像形成に用いられるトナー又は画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体の表面に放電によって電荷を与え、その上に露光によって静電潜像を形成し、次に、潜像の極性と同じ極性を有するトナーを現像装置により現像して感光体上にトナーによる可視像を形成し、その後、搬送された紙等の記録部材に可視像を転写装置によって転写し、この転写された可視像を定着装置で記録部材上に定着させている。一方、転写後に感光体上に残留したトナーはクリーニング装置により、次の画像形成のためにクリーニングされる。
ところで、近年、電子写真方式の画像においても再現精度の高い高品位な画質が求められている。これは、モノクロ画像だけではなく、フルカラー画像でも、この要求が強くなっている。特に、フルカラー画像では、ハーフトーン部が多く、再現精度を高くすることで、粒状性が少なく、かつ、再現できる色を多くすることができる。そのために、小粒径化及び/又は球形化トナーが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1〜3では、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有しているトナーの製造方法であって、分散剤を含有する水または水系溶媒においてトナー母粒子を分散し、分散系を形成する工程、分散系に、軟化剤と、水または水系溶媒に可溶性でかつ該軟化剤を溶解する有機性溶媒の混合液を投入することにより軟化剤をトナー母粒子に吸収せしめる工程、軟化剤をトナー母粒子から除去する工程を有するトナーの製造方法が開示されている。これにより、トナーに含有される樹脂成分の種類によって限定されることなく、またトナー母粒子の粒度分布を損なうことなくトナーの球形化が可能である。
しかしながら、特許文献1等に開示されている球形トナーでは、感光体上で転がりやすいために、感光体とクリーニング部材との間に入り込みクリーニング不良となることが多く、また現像、転写の際にトナードットのまわりにチリが多いという問題点がある。
【0004】
また、例えば、特許文献4〜6では、静電荷像現像用トナーは、着色剤と結着樹脂とを含有するトナー粒子よりなり、トナー粒子の体積平均粒子径が3ないし9μmであり、かつ、所定の粒度分布を満足するトナーが開示されている。これにより、粒状性およびカブリを改善することができる。
しかしながら、特許文献4等に開示されている小粒径トナーでは、小粒径化したトナーを感光体上からクリーニングするのに、クリーニング部材と感光体との間隙により入り込みやすく、クリーニング不良となることが多い。さらに、不定形化(トナー形状が不揃いな状態)したトナーではクリーニングには有利に働くが、現像及び転写時のトナー挙動が個々の粒子で不揃いとなり、細線再現性の低下等の問題点がある。
【0005】
さらに、特許文献7では、数平均1次粒子径10〜500nmの樹脂粒子を塩析/融着して2次粒子を作製し、2次粒子を扁平化処理することにより得られたトナーの形状が扁平である扁平トナーが開示されている。これにより、トナー消費量が少なくても高濃度の画像が得られ、凹凸が少なく且つトナーの散りが無い高画質の画像を得ることが出来る。
しかしながら、トナー形状の扁平化が大きくなると、粉体流動性が悪化し、トナードットを形成する際に緻密かつ均一なトナー粒子の配置をとりにくいため、解像度が高い場合、微小ドットを忠実に再現することができなくなる。これは不定形トナーも同様である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−148863号公報
【特許文献2】
特開平5−313416号公報
【特許文献3】
特開平2−148046号公報
【特許文献4】
特開昭61−22354号公報
【特許文献5】
特開平6−250439号公報
【特許文献6】
特開平9−68823号公報
【特許文献7】
特開2002−207317号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、文字チリ、細線再現性を低下させることなく、かつ、容易にクリーニングされるクリーニング性能を有するトナー又は画像形成装置を提供することを課題とする。さらに、帯電量分布を狭くすることで、地肌汚れの少ない高品位の画像を得ることができるトナー又は画像形成装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも、樹脂、着色剤からなるトナーであって、前記トナーは、トナーの長軸r1の平均値が5〜9μmの範囲であって、短軸r2の平均値が2〜6μmの範囲であって、かつ、厚さr3の平均値が2〜6μmの範囲であり、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜0.8で、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であり、長軸r1>短軸r2≧厚さr3の関係を満足する紡錘形状であるトナーとする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトナーにおいて、前記トナーは、その表面を保護する物質がトナー表面に固定されているトナーとする。
請求項3に記載の発明は、 請求項1又は2に記載のトナーにおいて、前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmの範囲の紡錘形状であるトナーとする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、トナー表面を保護する物質が帯電制御剤であるトナーとする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、トナーの長軸r1の標準偏差が2.0μm以下であって、短軸r2の標準偏差が1.5μm以下であって、かつ、厚さr3の標準偏差が1.5μm以下であるトナーとする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、転がりやすい軸の延長上に突起を有するトナーとする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、トナー表面に固着された帯電制御剤の量が、トナーに対して0.2〜2.0 wt %の範囲であるトナーとする。
【0009】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のトナーにおいて、トナーバインダーとして、変性ポリエステルを含むトナーとする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のトナーにおいて、変性ポリエステルを含むトナー組成物を、有機溶剤に溶解/又は分散させ、水系媒体中で分散して得られるトナーとする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のトナーにおいて、プレポリマーを含むトナー組成物を有機溶剤に溶解/又は分散し、水系媒体中で分散する工程中に、ウレア結合を有する変性ポリエステルを生成させて得られるトナーとする。
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載のトナーにおいて、トナーバインダーが、変性ポリエステルと変性されていないポリエステルを含有し、変性ポリエステルと変性されていないポリエステルの重量比が5/95〜80/20であるトナーとする。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーにおいて、トナーの外添加剤として、疎水性シリカおよびまたは疎水性酸化チタンを用いるトナーとする。
【0010】
請求項13に記載の発明は、潜像を形成する感光体と、感光体表面に形成された潜像を現像する現像装置と、感光体上の現像されたトナー像を記録部材に転写する転写装置と、感光体表面のトナーをクリーニングするクリーニングブレードを配設するクリーニング装置と を備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、請求項1ないし12に記載のいずれかのトナーを用いる画像形成装置とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明のトナーは、体積平均粒径が3〜8μmの範囲の紡錘形状である。図1は、本発明のトナーの外形形状を示す概略図であり、図1(a)はトナーの外観であり、図1(b)はトナーの断面図である。
図1(a)では、X軸がトナーの最も長い軸の長軸r1を、Y軸が次に長い軸の短軸r2を、Z軸に最も短い軸の厚さr3を表し、長軸r1>短軸r2≧厚さr3の関係を有している。
トナーの体積平均粒径Dvは、小さい方が細線再現性を向上させることができるために、大きくとも8μm以下が好ましい。しかし、粒径が小さくなるとクリーニング性が低下するために、小さくとも3μm以上が好ましい。特に、2μm以下のトナーが20%以上存在すると、磁性キャリア又は現像ローラの表面に現像されにくい微小粒径のトナーが多くなるために、その他のトナーにおける磁性キャリアまたは現像ローラとの接触・摩擦が不十分となり逆帯電性トナーが多くなり、地肌汚れが生じ画像品位が低下する。
【0012】
また、体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)で表される粒径分布は、1.00〜1.40の範囲であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、トナー帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少なくすることができる。Dv/Dnが1.40を越えるとトナーの帯電量分布も広くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。ここまでのトナーの粒径は、コールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて、測定するトナーの粒径に対応させて測定用穴の大きさが50μmのアパーチャーを選択して用い、50,000個の粒子の粒径の平均を測定することによって行った。
【0013】
トナーの形状は、製造方法により制御することができる。例えば、乾式粉砕法によるトナーは、トナー表面も凸凹で、トナー形状が一定しない不定形になっている。この乾式粉砕法トナーであっても、機械的又は熱的処理を加えることで真球に近いトナーに制御することができる。懸濁重合法、乳化重合法により液滴を形成する湿式重合法によるトナーは、表面が滑らかで、真球形に近い形状になることが多いが、初めに微粒径トナーを製造し、これを凝集させることでジャガイモ形状のように凸凹のある不定形にすることができ、また、溶媒中の反応途中で攪拌して剪断力を加えることで楕円又は扁平形状に制御することができる。
【0014】
このトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜0.8で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0で表される紡錘形状を有している。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにクリーニング性が高いが、ドット再現性および転写効率が劣るため高品位な画像が得られにくい。
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.8を越えると、球形に近づくために、低温低湿の環境下では、特に、クリーニング不良が発生することがある。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近く、不定形トナーのようにチリは少ないが、球形トナーのような高転写率は得られない。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となる。これに近い紡錘形状にすることで不定形・扁平形状でもなく真球形状でもない形状であって、双方の形状が有する摩擦帯電性、ドット再現性、転写効率、チリ防止、クリーニング性の全てを満足する形状となる。
【0015】
また、このトナーは、紡錘形状を有することで、転がりやすい方向性を有する。特に、トナーの長軸r1を軸として、x軸と同じであるが、転がりやすくなる。真球形状トナーでは、すべての方向に転がりやすいために、後述するようにクリーニング不良の原因となる。また、不定形状又は扁平形状トナーでは、転がりにくい形状で、いずれの方向にも転がりにくい形状になっている。
また、このトナーは、一部又はすべての紡錘形状トナーの長軸r1の先端に突起を有する形状であっても良い。図2は、本発明の突起を有するトナーの外形形状を示す概略図であり、図2(a)はトナーの外観であり、図2(b)はトナーの断面図である。
このように突起を有する紡錘形状のトナーは、yz面の左右は非対称になっているために、トナーの重心も、トナーの中心からずれてしまう。そのために、トナーの転がり方は、長軸r1を軸としてとなが転がるときにも、ちょうどコマの歳差運動のように長軸r1軸が回転しながら、トナーが転がることになる。このような、一定の方向に転がりやすい方向性を有することと、形状が非対称で不規則な転がり方をすることが、従来の真球形状、扁平形状、不定形状のトナーと異なる。
【0016】
以下に、本発明の紡錘形状トナーと他の形状トナーとの機構について詳述する。
湿式重合法による真球形状のトナーはクリーニング性が低く、約10μmの平均粒径を有するトナーであってもブレードクリーニング方式ではクリーニング不良を生ずることが多かった。これは、トナー表面が滑らかなことから感光体上のトナーは転がりやすく、クリーニングブレードと感光体との間隙に潜り込んでしまうためである。真球形状のトナーはその表面に凸凹がないため、付着させている外添剤はその全てが感光体に接触することになる。これまで、真球形状のトナーにシリカ等の外添剤を多量に添加していたが、シリカ等の外添剤が感光体に埋め込まれ、これを起点としてトナーが融着し、画像上に筋状の異常画像が生ずるという不具合がある。一方、不定形のトナーは、凸凹も多く、クリーニングブレードの手前で感光体上を転がることがないために、クリーニングブレードで容易にクリーニングすることができる。この点で、紡錘形状のトナーにすることで、球形トナーに比べ、感光体上で転がりやすい軸が長軸r1(図1のX軸)に限定されて、転がりやすい軸が一つのためクリーニングできるトナーを得ることができる。さらに、転がりやすい軸の延長上に突起物を持たせた突起を有する紡錘形状にすることで、重心の位置がトナーの中心からずれているために、転がり方が不安定になることで、より一層クリーニング性が向上する。
また、静電転写方式では、感光体上の真球形状のトナーは、その表面が滑らかで、粉体流動性がよく、かつトナー粒子同士、あるいはトナー粒子と感光体との付着力が小さいことから、電気力線の影響を受けやすく、また、電気力線に沿って忠実に転移しやすいために転写率が高くなる。しかし、記録部材が感光体から離れる時に、感光体と記録部材の間に高電界が生じ(バースト現象)、記録部材及び感光体上のトナーが乱されて、記録部材上にトナーのチリが発生する。電気力線の影響を受けやすい真球トナーは、チリの発生が多く発生し画像品位を低下させる。
また、不定形トナー及び扁平トナーでは、凸凹があってトナーの電気力線の影響を受けにくく、電気力線に沿って転移しにくいために転写率が低くなる。しかし、トナー粒子同士の付着力が大きく、記録部材に転移したトナードットは外力などによって壊れにくく、バースト現象によるチリの発生が抑えられる。
転がりやすい軸が一つであることから適当な流動性を有しており、さらに、紡錘形状のトナーは表面は滑らかであることから電気力線の影響を受けやすく電気力線に沿って忠実に転移しやすいために転写率が高くなる。さらに、紡錘形状では、転がりやすい回転軸が限られているため、バースト現象によって記録部材上のトナードットからトナー粒子が飛び散りにくいため、高品位の画像を得ることができる。
【0017】
また、静電現像方式では、磁性キャリアあるいは現像ローラ上の真球形状のトナーでは、電気力線の影響を受けやすく、また、静電潜像の電気力線に沿って忠実に現像される。微小な潜像ドットを再現する際には緻密で均一なトナー配置をとりやすいために細線再現性が高くなるが、接触現像方式では、感光体上の現像されたトナーは磁気ブラシあるいは現像ローラで摺擦されて動いてしまうためにチリ等の画質劣化が発生しやすい。
磁性キャリアあるいは現像ローラ上の不定形トナー及び扁平トナーでは、粉体流動性が悪く、潜像の電気力線が個々のトナー粒子に対して、スムースに作用しないことから、現像時にトナードットを形成する際に整然と配置されないために忠実な現像が困難で細線再現性が低い。
転がりやすい軸が一つであるトナーは適度に調整された流動性を有することから、さらに、紡錘形状トナーは静電潜像の電気力線に沿って忠実に現像されることから、細線再現性が高く、感光体上の現像されたトナーは磁気ブラシあるいは現像ローラで摺擦されても動きにくいので、チリ等の画質劣化の少ない可視像を得ることができる。
【0018】
この紡錘形状トナーは、トナーの長軸r1の平均値が5〜9μmの範囲であって、短軸r2の平均値が2〜6μmの範囲であって、かつ、厚さr3の平均値が2〜6μmの範囲で、長軸r1>短軸r2≧厚さr3の関係を満足することが好ましい。
トナーの長軸r1が5μm未満では、クリーニング性が低くなりクリーニングブレードによるクリーニングが困難である。トナーの長軸r1が9μmを越えると、磁性キャリアと混合する際に粉砕されることがある。粉砕された微粒径トナーが磁性キャリア表面に付着すると、他のトナーとの摩擦帯電を阻害するためにトナー帯電量分布が広くなり、かぶり等の地肌汚れが発生する。前述した粉砕される現象は磁性キャリアにかえて現像ローラでも発生する。トナーの短軸r2が2μm未満では、現像における細線再現性及び転写における転写率が低くなる。また、磁性キャリアと混合する際に粉砕されやすくなる。トナーの短軸r2が6μmを越えると、クリーニング性が低くなりクリーニングブレードによるクリーニングが困難である。また、トナーの厚さr3が2μm未満では、磁性キャリアと混合する際に粉砕されやすくなる。トナーの厚さr3が6μmを越えると、真球形状に近くなるために、静電現像方式・静電転写方式でチリ等の画質劣化が発生することがある。
【0019】
さらに、本発明の紡錘形状トナーは、トナーの長軸r1の標準偏差S1が2.0μm以下であって、短軸r2の標準偏差S2が1.5μm以下であって、かつ、厚さr3の標準偏差Sr3が1.5μm以下である。トナーの長軸r1の標準偏差S1が2.0μmを越えると、また、短軸r2の標準偏差S2が又は厚さr3の標準偏差S3が1.5μmを越えると、トナー形状のバラツキがあることになり、現像、転写、クリーニング時のトナー挙動にバラツキがうまれるため、画質の劣化、クリーニング性の低下を引き起こす。
本発明のトナーは、トナーの厚さが3μm以下のトナーが30wt%以下である。厚さr3が3μm以下のトナー量が30wt%を越えると、扁平トナーに近づくことになり、細線再現性および転写効率の低下等の問題がある
なお、これまでのトナーの大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変え、その場観察しながら測定した。
【0020】
また、本発明のトナーは、形状係数SF−2が100〜190の範囲である。形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)……式(1)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。SF−2が大きくなると、トナー表面の凹凸が多くなり、トナー表面の帯電が不均一になり、地肌汚れ等が発生して画像品位が低下する。このために、SF−2は190を越えない方が好ましい。トナーの形状係数SF−2は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い倍率500倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介したニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)によって解析することによって得ることができる。
【0021】
本発明のトナーは、トナーの表面にその表面を保護する物質(以下、単に「保護物質」と記す。)が固定されていることが必要である。本発明のトナーの形状は紡錘形状であり、転がりやすい軸が長軸r1に限られており、図1でいうX軸となる。よって、キャリアまたは現像ローラ上、あるいは感光体上で、本発明のトナーはもっぱらX軸によって回転することになる。よって、図1の斜線を引いた部分が他との接触によって劣化しやすいという課題があった。具体的には、トナーの劣化した部分から、ワックスのような低軟化物質がしみだして、キャリア、現像ローラ、感光体、接触帯電手段を汚染させてしまうことになる。そこでトナー表面を保護する必要があった。
トナー表面を保護する保護物質として、ホウ素、けい素、チタン、ジルコニウム、タングステンの炭化物、チタン、ホウ素、ジルコニウムの窒化物等の硬質材料粉末があげられる。これらのトナー表面保護物質は、トナー表面に固定することで、トナー表面保護物質がトナー表面から遊離して、キャリア、現像ローラ、感光体、接触帯電手段等に付着したり、それらを傷つけたるのを防止する。そのためには、一般的な外添剤混合装置(条件)よりも強い外力を与えなければならない。
本発明では、トナー表面を保護する保護物質として、上記以外に、帯電制御剤を使用することができる。トナーの表面を保護するのと同時に、トナーの表面に積極的に摩擦帯電機能を持たせて、摩擦帯電の安定化が図れるからである。これらを併せて使用しても良い。
トナー表面に保護物質を固定化するために、大気中で機械的又は熱的処理を行うものであっても良い。また、湿式重合法の製造途中の溶媒中で電気化学的又は機械的処理を行うものであっても良い。例えば、トナーと保護物質とを容器中で回転体を用いて混合する方法が知られている。この方法において、容器内壁より突出した固定部材が存在しない容器中で、回転体を高速回転させて混合することで保護物質が固着したトナーが得られる。また、トナーと保護物質とを予め混合し、これを熱気流とともにアトマイザー等の容器中に噴霧して、トナー表面を溶融状態にした後急冷して、トナー表面に固着させることができる。また、溶媒中では、トナー表面に吸着させて、保護物質を固着させることができる。
【0022】
本発明のトナーは、保護物質のうち帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系のクロム、亜鉛、鉄、ジルコニウム、アルミニウム等の金属、またはそれらの金属化合物錯体/錯塩、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0023】
本発明のトナー表面に固着させる荷電制御剤の量が、トナーに対して0.2〜2.0wt%の範囲にある。トナー粒子に荷電制御剤を混合・攪拌してトナー表面に存在させることができる。これは、XPS(X線光電子分光法)等で組成分布を測定して確認することができる。荷電制御剤としては、トナーの帯電極性と同一の極性を有する荷電制御剤を用いることが好ましい。これにより、トナー粒子の帯電性と添加剤の帯電性を同じにすることで、トナーの帯電立ち上がりが速くなり、帯電量分布を狭くすることができる。画像形成装置においてトナー補給時のかぶり等を減少させて高品位の画像を得ることができる。帯電制御剤の量は、好ましくはトナーに対して、0.3〜1.5wt%の範囲で用いられる。好ましくは、0.4〜1.0wt%の範囲がよい。帯電制御剤の量が2.0wt%を越えると、トナー同士の摩擦帯電により逆帯電トナーが増加し、白地背景部に地かぶりが発生する。また、トナー帯電量が大きいと現像剤の流動性が低下し、磁性キャリアとトナーの混合性が低下する。帯電制御剤の量が0.2wt%未満では、弱帯電トナーが増加し、また、長期間使用しているとトナーの帯電量が低下して、白地背景部に地かぶり等により画像品質が低下する。
【0024】
また、本発明のトナーは、トナー帯電量(q/m)の絶対値を15〜40μC/gの範囲にする。トナーの帯電量の絶対値が15μC/g未満では、磁性キャリアとの吸着力が低く、低い現像電界でも現像されるトナー量が多くなるため、階調性のある高品位の画像が得られない。また、逆帯電のトナー量が多くなり、白地背景部に現像されるトナー量が多く地かぶり等により画像品質が低下する。また、トナーの帯電量が40μC/gを越えると、磁性キャリアとの吸着力が大きくなり現像されるトナー量が少なく画像濃度が低下する。
【0025】
また、トナーの帯電量分布の半値幅が0.5〜4.0fC/μmの範囲である。トナーの帯電量分布の半値幅が0.5fC/μm未満では、トナー粒径分布をさらに狭くしなければならず製造上困難である。トナーの帯電量分布の半値幅が4.0fC/μmを越えると、逆帯電のトナー量が多くなり、白地背景部に現像されるトナー量が多く地かぶり等により画像品質が低下する。
本発明の紡錘形状トナーでは、不定形及び扁平トナーと比較して、真球形状トナーに近いため、表面が滑らかであり、均一帯電性が高いことで、帯電量分布を狭くすることができる。さらに、磁性キャリアとの混合性も早いために、補給トナーの現像装置内でのトナー帯電量の帯電立ち上がりも早く、補給時の地かぶりの発生を抑えることができる。もちろん、1成分現像においても同様な効果が得られることは言うまでもない。
なお、トナーの帯電量(μC/g)はブローオフ粉体帯電量測定装置TB−200(東芝ケミカル製)により測定し、帯電量分布は帯電量分布測定装置イースパートアナライザー(ホソカワミクロン製)によりQ/d分布(fC/μm)を測定し、この測定値から半値幅を求めた。
【0026】
また、以下に本発明のトナーの構成と構成する材料について説明する。
本発明のトナーは、表面に帯電制御剤が被覆固着されているが、トナーバインダー、着色剤、離型剤を有するトナーであって、トナー表面近傍に離型剤が存在し、表面に帯電制御剤とともに有機微粒子が被覆固着され、かつ、表面に外添剤が添加されていることが好ましい。
トナーバインダーとしては、変性されたポリエステルを用いることが好ましい。
変性ポリエステルとしてはポリステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。例えばポリエステル末端をエステル結合以外のもので反応させたもの。具体的には末端に酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し活性水素化合物とさらに反応させ末端を変性したものをさす。
【0027】
変性されたポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0028】
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0029】
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0030】
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
【0031】
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0032】
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0033】
本発明のウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常10,000以上、好ましくは20,000〜10,000,000、さらに好ましくは30,000〜1,000,000である。この時のピーク分子量は1,000〜10,000で1,000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10,000以上では定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステル(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20,000以下、好ましくは1,000〜10,000、さらに好ましくは2,000〜8,000である。20,000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0034】
本発明のトナーは、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、このポリエステル(i)と共に変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。ポリエステル(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。ポリエステル(ii)としては、ポリエステル(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものもポリエステル(i)と同様である。また、ポリエステル(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。ポリエステル(i)とポリエステル(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、ポリエステル(i)のポリエステル成分とポリエステル(ii)は類似の組成が好ましい。ポリエステル(ii)を含有させる場合ポリエステル(i)とポリエステル(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。ポリエステル(i)の重量比が5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。ポリエステル(ii)のピーク分子量は、通常1,000〜10,000、好ましくは2,000〜8,000、さらに好ましくは2,000〜5,000である。1,000未満では耐熱保存性が悪化し、10,000を超えると低温定着性が悪化する。ポリエステル(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。ポリエステル(ii)の酸価は1〜5好ましくは2〜4である。離型剤に高酸価ワックスを使用するためバインダーは低酸価バインダーが帯電や高体積抵抗につながるので2成分トナーにはマッチしやすい。
【0035】
本発明のトナーは、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は40〜70℃、好ましくは55〜65℃である。ガラス転移点が40℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、ガラス転移点が70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0036】
また、本発明のトナーは、トナー表面近傍に離型剤が存在することが好ましい。これは、トナーバインダー、特に、変性されたポリエステルにおける極性基の結合部分が離型剤との界面において負吸着を起こし、極性の低い離型剤を安定して分散させることができる。さらに、特に、トナー組成物を有機溶剤に溶解/又は分散し、水系媒体中で分散させてトナー粒子を得る場合に、極性の高い結合部分が水と若干の親和性を示してトナー表面付近に選択的に移行するものの、離型剤粒子が表面に露出するのを妨げることができる。トナ−内部に分散して存在する離型剤のうち、特に離型剤がトナーの表面近傍に全離型剤の80個数%以上分散して存在することにより、定着時に十分な離型剤が染み出すことが可能となり、定着オイルを必要としない、いわゆるオイルレス定着が特に光沢のあるカラートナーにおいても可能となり、さらに通常の使用条件下ではトナーの表面に存在する離型剤が少ないため、耐久性、安定性や保存性にも優れる。
【0037】
トナ−の表面から内部に1μmまでの領域に存在する離型剤の占める面積が、5%よりも少ない場合には、耐オフセット性が不十分になることがあり、また、40%よりも多い場合には、耐熱性や、耐久性の面で不十分になることがある。
本発明のトナー中に存在する離型剤分散径の分布は0.1〜3μmの粒子が70個数%以上、より好ましくは1μm〜2μmの粒子が70個数%以上である。0.1μmより小さい粒子が多いと、充分な離型性を発現できない。また、3μmより大きい粒子が多いと、凝集性を示して流動性が悪化したり、フィルミングを生じたりするばかりか、カラートナーにおいては色再現性や光沢性を著しく低下させてしまう。また、離型剤の分散状態を制御するためには、離型剤の媒体中での分散のエネルギーのコントロールと、適切な分散剤の添加により達成することができる。離型剤は定着時に速やかにトナー表面にしみ出る事によって目的を達成する。酸価が高いと離型剤としての機能が低下するので、離型剤としての機能を確保するには、酸価値5KOHmg/g以下の酸価を有した脱遊離脂肪酸カルナバワックス、ライスワックス、モンタン系エステルワックス、エステルワックスを用いることが特に好ましい。
【0038】
また、トナーの表面は、更に有機微粒子で覆い固着させることにより、離型剤が定着時にのみ染み出すように効果を付与することが可能となり、現像装置での攪拌などによるハザードに対して、トナー表面から離型剤が染み出すことによるトナーの帯電性劣化などの不具合が解消される。有機微粒子で表面を被覆固着させる方法としては、特に均一に被覆する方法として、微小粒径の樹脂微粒子をトナー表面に被覆させ、加熱融着する方法や、液中で被覆させる方法などがあるが、特に限定されるものではない。
【0039】
また、本発明のトナーは、流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。特に、疎水性シリカおよびまたは疎水性酸化チタンが好ましい。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
その他の無機微粒子の具体例としては、例えば、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他 高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0040】
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
【0041】
この他に本発明のトナーの着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15wt%、好ましくは3〜10wt%である。
【0042】
また、着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。 マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0043】
マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
【0044】
以下に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明で用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
本発明では、水系媒体中でイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)をアミン(B)と反応させることにより、ウレア変性ポリエステル(UMPE)を得ることができる。水系媒体中でウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成分を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、帯電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
【0045】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000〜30,000rpm、好ましくは5,000〜20,000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
【0046】
ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)等のポリエステルを含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2,000重量部、好ましくは100〜1,000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2,000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
【0047】
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体には、乳化、分散するための各種の分散剤が用いられる。このような分散剤には、界面活性剤、無機微粒子分散剤、ポリマー微粒子分散剤等が包含される。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0048】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0049】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸価チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等も用いることができる。
【0050】
また、微粒子ポリマーも無機分散剤と同様な効果が確認された。例えばMMAポリマー微粒子1μm、及び3μm、スチレン微粒子0.5μm及び2μm、スチレン−アクリロニトリル微粒子ポリマー1μm、(PB−200H(花王製)SGP(総研)、テクノポリマーSB(積水化成品工業)、SGP−3G(総研)ミクロパール(積水ファインケミカル))等がある。
また、上記の無機分散剤、微粒子ポリマーと併用して使用可能な分散剤としては、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0051】
得られた乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形状のトナー粒子が作製できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできる。溶剤を使用した場合は、変性ポリエステル(プレポリマー)のアミンによる伸長および/または架橋反応後、得られた反応物から、溶媒(溶剤)を常圧または減圧下で除去する。
【0052】
この溶媒除去条件により、トナーの形状を適宜調整できる。くぼみを適切な径に調整するためには、分散剤の他、脱溶剤条件を設定することが必要で、その条件としては、水系媒体中に乳化分散させた液の油相固形分を5〜50%にし、脱溶剤温度が10〜50℃でさらに脱溶剤時間をトナーの脱溶剤時の滞留時間として30分位以内にする必要がある。これは油相中に含有される溶剤が短時間で蒸発するため、低温化で比較的油相が硬くかつ、弾性的な油相に不均衡な体積収縮が起こったと考えられる。油相固形分が50%超の場合は蒸発溶剤が少なく体積収縮の起こる条件が低下し5%未満については生産性が著しく低下する。時間についても長くなると体積収縮が発生しにくくなるので球形化してくる。しかし上記の条件は絶対的な条件ではなく、温度、脱溶剤時間をバランスさせることも必要になる。
【0053】
さらに、トナー組成物を含む分散媒体の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)等のポリエステルが可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。
【0054】
伸長および/または架橋反応時間は、例えば、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。なお、伸長剤及び/又は架橋剤としては、前記したアミン類(B)が用いられる。
【0055】
本発明においては、伸長及び/又は架橋反応後の分散液(反応液)からの脱溶媒に先立ち、該分散液を内部に邪魔板や壁表面に突起物のない攪拌槽で攪拌する形状制御工程を設け、ここで強い攪拌力で液攪拌を行った後、10〜50℃で脱溶媒を行うのが好ましい。この溶剤除去前の液攪拌によりトナー形状が制御可能となる。水系媒体中に乳化分散させさらに伸張反応させた乳化液を脱溶剤前に邪魔板や突起物がない攪拌槽にて温度30〜50℃の強い攪拌力で攪拌しトナー形状が紡錘形状であることを確認した後、脱溶剤温度10〜50℃で脱溶剤を行う。本条件は絶対的な条件ではないので条件を適宜選択する必要があるが、乳化分散後伸長反応させた後攪拌槽にて強い攪拌力でシェアーを与えることにより紡錘形状が作られる。これは造粒中に含有される酢酸エチル等が乳化液の粘度を下げることによりさらに強い攪拌力により球形から紡錘形状に変化していったものと推察される。このように、トナーの体積平均粒径Dv、個数平均径Dn、その比Dv/Dn、紡錘形状の比率等は、例えば、水層粘度、油層粘度、樹脂微粒子の特性、添加量等を調整することによりコントロールすることができる。
【0056】
本発明のトナーは、2成分系現像剤として用いることができる。この場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー又は非磁性トナーとしても用いることができる。
【0057】
【実施例】
以下に、本発明のトナーを用いて画像形成装置により記録画像を形成した。図3は、本発明のトナーを用いる画像形成装置の構成を示す概略図である。図4は、 図3に示す画像形成装置の感光体周囲の構成を示す概略図である。
感光体1の周囲は、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置6、定着装置7及びクリーニング装置8が配置されている。画像形成装置においては感光体の表面に放電によって電荷を与え、その上に露光によって静電潜像を形成すると共に、潜像の極性とは同じ極性を有するトナーを現像装置により現像して、その後搬送された紙等の記録部材に転写している。転写後に感光体上に残留したトナーはクリーニング装置に配設されているクリーニングブレードによりにより除去される。
【0058】
(実施例1)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸256部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていないポリエステル(B)を得た。
(プレポリマーの製造例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物800部、イソフタル酸180部、テレフタル酸60部、およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行いイソシアネート基含有プレポリマー(A)を得た。
(ケチミン化合物の製造例)
攪拌棒および温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いケチミン化合物(1)を得た。
(トナー粒子の製造例)
ビーカー内に前記のプレポリマー(A)14.3部、ポリエステル(B)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、離型剤であるライスWAX(融点83℃)10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12,000rpmで5分攪拌し、ビーズミルで30分間20℃で分散した。これをトナー材料溶液(1)とする。
【0059】
次に、ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、均一に溶解した。ついでTK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液(1)及びケチミン化合物(1)2.7部を加えウレア反応させた。粒径及び粒径分布を光学顕微鏡で観察しながら粒径が大きい場合は攪拌回転数を14,000にあげさらに5分行う。ついで、この混合液を攪拌棒および温度計付の丸底コルベンに500g計量して移し、45℃まで昇温して、2時間200〜400回転の高速攪拌を行い紡錘形状のトナー粒子を得た。紡錘形が不足の場合は攪拌時間の延長を行う。その後減圧下1.0時間かけ溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、紡錘形状であって、体積平均粒径5.1μmのトナー粒子を得る。
【0060】
次に、得られたトナー粒子100部及び帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定し、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。
さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行った。更に、疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、シアントナーを得た。
【0061】
(実施例2)
実施例1と同様にして、トナーを製造した。ただし、200〜400回転の高速攪拌のところを500〜600回転の高速回転に変更した。得られたトナー粒子は紡錘形状に突起がついた形状になっており、体積平均粒径5.1μmであった。なお、このときの長軸r1は、7.0μm、短軸r2は5.0μm、厚さr3は4.9μm、r2/r1は0.71、r3/r2は0.98、長軸r1の標準偏差は2.0μm、短軸r2の標準偏差は1.1μm、厚さr3の標準偏差は1.0であった。さらに、帯電制御剤、外添剤の被覆処理を同様に行って、トナーを製造した。
【0062】
(比較例1)
実施例1と同様にして、トナー製造した。ただし、粒子形成後に、高速攪拌を行わず、真球形状であって、体積平均粒径4.9μmのトナー粒子を得た。さらに、帯電制御剤、外添剤の被覆処理を同様に行って、トナーを製造した。
【0063】
(比較例2)
ビスフェノールジオール型と多価カルボン酸から合成されるポリエステル樹脂を用いて乾式粉砕法のトナーを製造した。ポリエステル樹脂(数平均分子量Mn=6,000、重量平均分子量Mw=50,000、ガラス転移点Tg=61℃)86部、ライスワックス(酸化0.5)10部、銅フタロシアニンブルー顔料(東洋インキ社製)4部の混合物をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで80〜110℃の温度で約40分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物を粉砕、分級し、体積平均粒径5.2μmのトナー粒子を得た。さらに、実施例1と同様に、外添剤を添加した。
図5は、各実施例と比較例のトナーの電子顕微鏡観察による写真である。
【0064】
これらのトナー3部に対し、シリコーン樹脂を被覆した100〜250メッシュのフェライトキャリア97部とをボールミルで混合し、二成分系現像剤とし、MF2800(リコー社製)の画像形成装置で、現像性・転写性・クリーニング性を評価した。その結果を表1に示す。
【表1】
【0065】
(評価方法)
いずれの項目も画像チャートを用いて画像を形成して、以下の評価を行った。現像性のうち、細線再現性は、画像チャート上の白黒1対の線を1mm中に5本有する細線の再現性を、現像終了後の感光体上の再現性をレンズで拡大して、目視で判断した。現像性のうち、チリは、同時に細線の白線上におけるトナーの有無を目視で判断した。
転写性のうち、転写率は、現像剤及び画像形成装置を同一条件でベタ黒画像を形成し、記録部材(45kg紙)上のトナー量と感光体上のトナー量を測定して評価した。転写性のチリは、現像性のチリを確認後に、同一条件で記録部材に転写させ、定着前の未定着画像の細線の白線上におけるトナーの有無を目視で判断した。
クリーニング性は、ハーフトーンのベタ画像を感光体上に形成し、感光体上のトナーを記録部材に転写させずにブレードクリーニングした時の、感光体上にトナーが残留するかどうかで判断した。通紙は、10℃10RH%の低温低湿のクリーニングには厳しい環境で行った。
記号の「◎」は良好であることを示し、「○」は実用上問題のないことを示し、「△」は多少劣るが実用上問題がないことを示し、「×」は実用上問題があることを示している。
【0066】
これらの結果から、実施例1の紡錘形状トナーと実施例2の突起を有する紡錘形状のトナーは、現像性のうち細線再現性が高く、チリのない高品位の画像が形成されていた。比較例1の真球形状トナーは、細線再現性は高いが、白線部にトナーが多数あり、チリにより画像品位が低下していた。比較例2の不定形トナーは、細線再現性が低く、白線部にトナーのチリがないが、画像品位が最も低かった。
また、実施例1の紡錘形状トナーと実施例2の突起を有する紡錘形状のトナーは、転写率のうち転写率が高く、チリのない高品位の画像が形成されていた。比較例1の真球形状トナーは、転写率のうち転写率は高いが、白線部にトナーが多数あり、チリにより画像品位が低下していた。比較例2の不定形トナーは、転写率が低く、白線部にトナーのチリがなかった。
また、実施例1の紡錘形状トナーと比較例2の不定形トナーは、100枚の連続通紙でも、感光体上に残留するトナーはなかった。実施例2の突起を有する紡錘形状トナーでは、1,000枚の通紙でも、感光体上に残留するトナーは全くなかった。比較例1の真球形状トナーは、1枚の通紙でも残留するトナーが感光体上に見られた。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のトナーでは、現像において、白地背景部又は文字部の間などにチリがなく、かつ、細線の再現性が高い高品位のがトナー像を感光体上に形成することができる。また、転写において、転写率が高く、転写によるチリの発生を抑えることができる。さらに、ブレードクリーニングにおいて、不定形トナーと同等のクリーニング性を得ることができる。また、本発明のトナーでは、帯電量分布が狭く、地肌カブリ等の異常画像のない高品位の画像が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの外形形状を示す概略図である。
【図2】本発明の突起を有するトナーの外形形状を示す概略図である。
【図3】本発明のトナーを用いる画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図4】図2に示す画像形成装置の感光体周囲の構成を示す概略図である。
【図5】各実施例と比較例のトナーの電子顕微鏡観察による写真である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
6 転写装置(転写ローラ)
7 定着装置
8 クリーニング装置
8a クリーニングブレード
8c トナー回収コイル
8d トナー回収羽根
9 除電ランプ
10 転入入口ガイド
11 ドラム分離爪
20 読取部
30 画像形成部
40 給紙部
100 画像形成装置
Claims (13)
- 少なくとも、樹脂、着色剤からなるトナーであって、
前記トナーは、トナーの長軸r1の平均値が5〜9μmの範囲であって、短軸r2の平均値が2〜6μmの範囲であって、かつ、厚さr3の平均値が2〜6μmの範囲であり、
長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜0.8で、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であり、長軸r1>短軸r2≧厚さr3の関係を満足する紡錘形状である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1に記載のトナーにおいて、
前記トナーは、その表面を保護する物質がトナー表面に固定されている
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1又は2に記載のトナーにおいて、
前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmの範囲の紡錘形状である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、トナー表面を保護する物質が帯電制御剤である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、トナーの長軸r1の標準偏差が2.0μm以下であって、短軸r2の標準偏差が1.5μm以下であって、かつ、厚さr3の標準偏差が1.5μm以下である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、転がりやすい軸の延長上に突起を有する
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、トナー表面に固着された帯電制御剤の量が、トナーに対して0.2〜2.0 wt %の範囲である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載のトナーにおいて、
トナーバインダーとして、変性ポリエステルを含む
ことを特徴とするトナー。 - 請求項8に記載のトナーにおいて、
変性ポリエステルを含むトナー組成物を、有機溶剤に溶解/又は分散させ、水系媒体中で分散して得られる
ことを特徴とするトナー。 - 請求項9に記載のトナーにおいて、
プレポリマーを含むトナー組成物を有機溶剤に溶解/又は分散し、水系媒体中で分散する工程中に、ウレア結合を有する変性ポリエステルを生成させて得られる
ことを特徴とするトナー。 - 請求項8ないし10のいずれかに記載のトナーにおいて、
トナーバインダーが、変性ポリエステルと変性されていないポリエステルを含有し、変性ポリエステルと変性されていないポリエステルの重量比が5/95〜80/20である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーにおいて、
トナーの外添加剤として、疎水性シリカおよびまたは疎水性酸化チタンを用いる
ことを特徴とするトナー。 - 潜像を形成する感光体と、
感光体表面に形成された潜像を現像する現像装置と、
感光体上の現像されたトナー像を記録部材に転写する転写装置と、
感光体表面のトナーをクリーニングするクリーニングブレードを配設するクリーニング装置と を備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項1ないし12に記載のいずれかのトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。
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