JP6217578B2 - 光輝性トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
即ち、請求項1に係る発明は、
結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含む結着樹脂と、平均円相当径が7μm以上13μm以下の金属顔料とを含有するトナー粒子を含有し、
前記トナー粒子の断面における長軸径aと短軸径bとの比b/aの平均値が0.55以上0.75以下であり、
前記トナー粒子を厚み方向から見たときの前記トナー粒子の投影像に占める前記金属顔料の面積の平均値が、0.53以上0.67以下であり、
前記結着樹脂に占める前記結晶性樹脂の割合が、5質量%以上25質量%以下である光輝性トナー。
請求項1に記載の光輝性トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項1に記載の光輝性トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項2に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項2に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項2に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項2に係る発明によれば、トナー粒子の断面における長軸径aと短軸径bとの比b/aの平均値が0.5以上0.8以下の範囲外であるか、又はトナー粒子を厚み方向から見たときのトナー粒子の投影像に占める金属顔料の面積の平均値が0.5以上0.7以下の範囲外である場合に比較して、光輝性及び耐摩擦性に優れる画像の形成される静電荷像現像剤が提供される。
請求項3に係る発明によれば、トナー粒子の断面における長軸径aと短軸径bとの比b/aの平均値が0.5以上0.8以下の範囲外であるか、又はトナー粒子を厚み方向から見たときのトナー粒子の投影像に占める金属顔料の面積の平均値が0.5以上0.7以下の範囲外である場合に比較して、光輝性及び耐摩擦性に優れる画像の形成される光輝性トナーを収容するトナーカートリッジが提供される。
請求項4に係る発明によれば、トナー粒子の断面における長軸径aと短軸径bとの比b/aの平均値が0.5以上0.8以下の範囲外であるか、又はトナー粒子を厚み方向から見たときのトナー粒子の投影像に占める金属顔料の面積の平均値が0.5以上0.7以下の範囲外である場合に比較して、光輝性及び耐摩擦性に優れる画像の形成される静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジが提供される。
請求項5に係る発明によれば、トナー粒子の断面における長軸径aと短軸径bとの比b/aの平均値が0.5以上0.8以下の範囲外であるか、又はトナー粒子を厚み方向から見たときのトナー粒子の投影像に占める金属顔料の面積の平均値が0.5以上0.7以下の範囲外である場合に比較して、光輝性及び耐摩擦性に優れる画像の形成される静電荷像現像剤を用いた画像形成装置が提供される。
請求項6に係る発明によれば、トナー粒子の断面における長軸径aと短軸径bとの比b/aの平均値が0.5以上0.8以下の範囲外であるか、又はトナー粒子を厚み方向から見たときのトナー粒子の投影像に占める金属顔料の面積の平均値が0.5以上0.7以下の範囲外である場合に比較して、光輝性及び耐摩擦性に優れる画像の形成される静電荷像現像剤を用いた画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る光輝性トナー(以下、本実施形態に係るトナーと称することがある)は、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含む結着樹脂と、平均円相当径が5μm以上15μm以下の金属顔料とを含有するトナー粒子を含有し、前記トナー粒子の断面における長軸径aと短軸径bとの比b/aの平均値が0.5以上0.8以下であり、前記トナー粒子を厚み方向から見たときの前記トナー粒子の投影像に占める前記金属顔料の面積の平均値が、0.5以上0.7以下であるトナーである。
一方、結着樹脂として結晶性樹脂及び非晶性樹脂を用い、且つ大径の光輝性顔料を用いた場合、結晶性樹脂と非晶性樹脂の溶融状態の差により、光輝性顔料を結着樹脂で被覆することが困難となることがあった。光輝性顔料が結着樹脂で被覆されないと、光輝性顔料がトナーの表面に露出してトナーの帯電性に支障をきたすことがある。光輝性顔料を結着樹脂で被覆するために、トナー中の結着樹脂の含有量を増加させると、光輝性トナーの形状がより球状に近くなる。ここで、球状の光輝性トナーを定着する際、光輝性トナー中に含まれる光輝性顔料の面方向が、紙等の記録媒体の表面に対して平行に近い形で配置されにくくなるため、光輝性が低下する場合がある。そのため、光輝性トナーは、球状よりも扁平状であるほうが光輝性に優れる画像を形成しやすい。
本実施形態のトナーによれば、比b/aの平均値及びトナー粒子を厚み方向から見たときのトナー粒子の投影像に占める金属顔料の面積の平均値を特定の範囲とすることで、光輝性トナーの形状を扁平状としたうえで、光輝性顔料のトナーの表面への露出が抑制される。その結果、光輝性に優れる画像が形成されるものと推察される。また、結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂を併用することで、耐摩擦性が向上するものと推察される。
比b/aの平均値が0.5未満であると、結着樹脂による金属顔料の被覆性が低下することがある。一方、比b/aの平均値が0.8を超えると、定着画像の光輝性が低下することがある。
本実施形態において、トナー粒子の断面における長軸径a及び短軸径bの測定方法は、以下の通りである。
トナー粒子を平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1000個のトナー粒子について、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」(キーエンス社製)により1000倍に拡大して最大の厚さを短軸径bとし、上から見た面の円相当径を長軸径aとして測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
本実施形態において、顔料面積率の測定方法は、以下の通りである。以下のようにして得られたトナー粒子1000個についての顔料面積率の算術平均を本実施形態における顔料面積率の平均値とする。
トナー粒子を界面活性剤を用いて水中に分散する。1000個のトナー粒子について、光学顕微鏡「LABOPHOT2」(ニコン社製)により得られた光透過像を画像解析し、トナー全体の面積A、トナー内部の光輝性顔料部の面積Bを求め、B/Aを計算する。
一方、比(X/Y)が100を超えると、反射光を視認し得る視野角が狭くなり過ぎ、正反射光成分が大きいために見る角度によって黒っぽく見えてしまう場合がある。また、比(X/Y)が100を超えるトナーは、製造も困難である。
ここで、まず入射角および受光角について説明する。本実施形態において変角光度計による測定の際には、入射角を−45°とするが、これは光沢度の広い範囲の画像に対して測定感度が高いためである。
また、受光角を−30°および+30°とするのは、光輝感のある画像と光輝感のない画像を評価するのに最も測定感度が高いためである。
本実施形態においては、比(X/Y)を測定するに際し、まず「ベタ画像」を以下の方法により形成する。試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度190℃、定着圧力4.0kg/cm2にて、トナー載り量が4.5g/cm2のベタ画像を形成する。尚、前記「ベタ画像」とは印字率100%の画像を指す。
形成したベタ画像の画像部に対し、変角光度計として日本電色工業社製の分光式変角色差計GC5000Lを用いて、ベタ画像への入射角−45°の入射光を入射し、受光角+30°における反射率Xと受光角−30°における反射率Yを測定する。尚、反射率Xおよび反射率Yは、400nmから700nmの範囲の波長の光について20nm間隔で測定を行い、各波長における反射率の平均値とした。これらの測定結果から比(X/Y)が算出される。
本実施形態に係るトナーは、前述の比(X/Y)を満たす観点から下記(1)乃至(2)の要件を満たすことが望ましい。
(1)トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長い。
(2)トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる金属顔料の数が、観察される全金属顔料のうち60%以上である。
なお、トナーの平均最大厚さCは、トナー粒子の断面における短軸径bの算術平均に相当し、トナーの平均円相当径Dは、トナー粒子の断面における長軸径aの算術平均に相当する。
図1に示すトナー2は、厚さLよりも円相当径が長い扁平状のトナーであり、鱗片状の金属顔料4を含有している。
そのため、このトナー中に含有される鱗片状の金属顔料のうち上記(2)に示される「トナーの該断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲にある」との要件を満たす金属顔料は、面積が最大となる面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。こうして形成された画像に対し光を照射した場合には、入射光に対して乱反射する金属顔料の割合が抑制されるため、前述の比(X/Y)の範囲が達成されるものと考えられる。また、入射光に対して乱反射する金属顔料の割合が抑制されると、見る角度により反射光強度が大きく変化するため、より理想的な光輝性が得られる。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を含んで構成される。
トナー粒子は、例えば、特定の金属顔料と、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含む結着樹脂と、必要に応じて、離型剤その他の添加剤と、を含んで構成される。
本実施形態のトナー粒子に用いられる金属顔料は、平均円相当径が5μm以上15μm以下の金属顔料である。金属顔料の平均円相当径が5μm以上15μm以下の範囲外であると、画像の光輝性が低下することがある。
金属顔料の平均円相当径は、7μm以上13μm以下が好ましく、9μm以上11μm以下がより好ましい。
金属顔料を平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1000個の金属顔料について、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」(キーエンス社製)により1000倍に拡大して金属顔料を上から見た面の円相当径Dを測定し、その算術平均値を求めることにより算出する。
トナーから金属顔料を抽出する方法については、特に限定されない。例えば、以下の方法を用いてトナーから金属顔料が抽出される。
トルエン等の有機溶剤中にトナーを分散処理して結着樹脂を溶解した後、濾紙で不溶成分を分離し、乾燥処理することで金属顔料を抽出する。
本実施形態のトナー粒子は、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含む結着樹脂を含有する。
本実施形態において、結着樹脂に占める結晶性樹脂の割合は、3質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。結着樹脂に占める結晶性樹脂の割合が3質量%以上であれば、トナー画像の耐摩擦性が向上する。結着樹脂に占める結晶性樹脂の割合が30質量%以下であれば、結晶性樹脂の存在に起因する画像の乱反射の増加が抑制される。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と金属顔料(着色剤)と必要に応じて離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
前記(2)に示すとおり、トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる金属顔料の数が、観察される全金属顔料のうち60%以上であることが望ましい。更には、上記数が70%以上95%以下であることがより望ましく、80%以上90%以下であることが特に望ましい。
上記の数が60%以上であることにより優れた光輝性が得られる。
トナーをビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤を用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機(本実施形態においては、LEICAウルトラミクロトーム(日立テクノロジーズ社製)を使用)を用いて−100℃の下、切削用サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。この観察サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率5000倍前後でトナーの断面を観察する。観察された1000個のトナーについて、トナーの断面における長軸方向と金属顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる金属顔料の数を、画像解析ソフトを用いて数えその割合を計算する。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部である。
トナー粒子の製造方法は特に限定されず、公知である混練・粉砕製法等の乾式法や、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等の湿式法等によって作製される。
混練・粉砕製法は、結着樹脂を始めとする各材料を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練して、得られた溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で粉砕し、風力分級機により、目的とする粒子径のトナー粒子を得る方法である。
これらの方法の中でも、トナー粒子の形状やトナー粒子の粒子径を制御しやすく、コアシェル構造などトナー粒子構造の制御範囲も広い凝集合一法が望ましい。また、トナー粒子の形状やトナー粒子の粒子径を制御しやすく、顔料にトナー樹脂をより均一に被覆できる観点から凝集合一法が望ましい。
以下、凝集合一法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
樹脂粒子分散液の作製は一般的な重合法による樹脂粒子分散液作製、例えば乳化重合法や懸濁重合法、分散重合法などを用いる他にも、水系媒体と結着樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより乳化して行ってもよい。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成してもよい。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用してもよい。さらに、樹脂が油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、該樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液が作製される。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
体積平均粒子径が100nm以上では、使用される結着樹脂の特性にも影響されるが、一般的に離型剤成分がトナー中に取り込まれやすくなる。また、500nm以下の場合には、トナー中の離型剤の分散状態が良好となる。
また、光輝性金属顔料と結着樹脂とを溶剤に分散・溶解して混合し、転相乳化やせん断乳化により水中へ分散することにより、結着樹脂で被覆された光輝性金属顔料の分散液を調製してもよい。
凝集工程においては、樹脂粒子の分散液、着色剤分散液、離型剤分散液等を混合して混合液とし、樹脂粒子のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる場合が多い。なおpHとしては、2以上7以下の範囲が望ましく、この際、凝集剤を使用することも有効である。
また、凝集工程において、離型剤分散液は、樹脂粒子分散液等の各種分散液とともに一度に添加・混合してもよいし、複数回に分割して添加しても良い。
本実施形態においては、アルミニウムを含む4価の無機金属塩の重合体を用いることが、狭い粒度分布を得るためには望ましい。
融合工程においては、前記凝集工程に準じた攪拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。また、前記樹脂で被覆した場合には、該樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
融合工程において、より低温(例えば60℃以上80℃以下)で凝集粒子を融合させることで、材料の再配置に伴う移動を小さくし、顔料の配向性が保たれ、前記(2)の要件を満たすトナー粒子が得られる。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とされる。
更に必要に応じ、超音波篩分機、振動篩分機、風力篩分機などを使って、トナーの粗大粒子を外添後取り除いてもよい。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
溶解懸濁法は、結着樹脂、着色剤、及び、必要に応じて用いられる離型剤等のその他の成分を含む材料を、前記結着樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解又は分散させた液を、無機分散剤を含有する水媒体中で造粒した後、前記溶媒を除去することでトナー粒子を得る方法である。
溶解懸濁法に用いられるその他の成分としては、離型剤の他、内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分が挙げられる。
剪断機構を備えた装置としては各種の分散機があり、なかでもホモジナイザーが好ましい。ホモジナイザーを用いることで、互いには相溶しない物質(本実施形態では無機分散剤を含有する水媒体とトナー母液)をケーシングと回転するロータとの間隙を通過させることで、ある液体中にその液体とは相溶しない物質を粒子状に分散させられる。係るホモジナイザーとしてはTKホモミキサー、ラインフローホモミキサー、オートホモミキサー(以上、特殊機化工業株式会社製)、シルバーソンホモジナイザー(シルバーソン社製)、ポリトロンホモジナイザー(キネマチカ(KINEMATICA)AG社製)などがある。
溶解懸濁法により得られたトナー粒子には、凝集合一法の場合と同様、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機酸化物等が外添剤として添加付着される。また、上述した無機酸化物等以外にも、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を外添剤として添加させてもよい。
また、前記凝集工程における撹拌条件により比b/aが好ましい範囲に調整される。より具体的には凝集粒子を形成する段階で撹拌を高速に、かつ定温で加熱することによって比b/aを小さくすることができ、撹拌をより低速に、かつより加熱することによって比b/aを大きくすることができる。
さらに、比b/aを好ましい範囲に調整するため、トナー粒子をボールミルにより処理してもよい。
本実施形態において、顔料面積率の平均値を0.5以上0.7以下の範囲とするには、金属顔料の平均円相当径、金属顔料に対する結着樹脂の使用量、凝集合一法の場合における融合工程の際の加熱時間等を調整する方法が挙げられる。例えば、金属顔料の平均円相当径を大きくすることで、顔料面積率の平均値が大きくなる。また金属顔料に対する結着樹脂の使用量を増加させることで、顔料面積率の平均値を小さくしやすくなる。また、融合工程の際の加熱時間を長くすることで、顔料面積率の平均値を大きくしやすくなる。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図2は、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態を示す概略構成図である。
同図において、本実施形態に係る画像形成装置は、定められた方向に回転する像保持体としての感光体ドラム20を有し、この感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラム20を帯電する帯電装置21と、この感光体ドラム20上に静電荷像Zを形成する静電荷像形成装置としての例えば露光装置22と、感光体ドラム20上に形成された静電荷像Zを可視像化する現像装置30と、感光体ドラム20上で可視像化されたトナー画像を記録媒体である記録紙28に転写する転写装置24と、感光体ドラム20上の残留トナーを清掃するクリーニング装置25とを、順次配設したものである。
ここで、電荷注入ロール34の回転方向については選定して差し支えないが、トナーの供給性および電荷注入特性を考慮すると、電荷注入ロール34としては、現像ロール33との対向部にて同方向で且つ周速差(例えば1.5倍以上)をもって回転し、電荷注入ロール34と現像ロール33とに挟まれる領域にトナー40を挟み、摺擦しながら電荷を注入する態様が望ましい。
作像プロセスが開始されると、先ず、感光体ドラム20表面が帯電装置21により帯電され、露光装置22が帯電された感光体ドラム20上に静電荷像Zを書き込み、現像装置30が前記静電荷像Zをトナー画像として可視像化する。しかる後、感光体ドラム20上のトナー画像は転写部位へと搬送され、転写装置24が記録媒体である記録紙28に感光体ドラム20上のトナー画像を静電的に転写する。尚、感光体ドラム20上の残留トナーはクリーニング装置25にて清掃される。この後、定着装置36によって記録紙28上のトナー画像が定着され、画像が得られる。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図3中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるように構成されていてもよい。なお、本実施形態に係るトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
(金属顔料分散液の調製)
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー(株)製、2173EA):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:400部
アルミニウム顔料のペーストから溶剤を除去し、スターミル(アシザワ・ファインテック(株)製、LMZ)を用いて、上記顔料を機械的に粉砕、分級した。その後、上記活性剤およびイオン交換水と混合し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、金属顔料粒子(アルミニウム顔料)を分散させてなる金属顔料分散液を調製した(固形分濃度:20%)。分散液の平均円相当径は15μmであった。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物: 40モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物: 60モル%
・テレフタル酸: 47モル%
・フマル酸: 40モル%
・ドデセニルコハク酸無水物: 15モル%
・トリメリット酸無水物: 3モル%
得られた非晶性ポリエステル樹脂は、DSCによるガラス転移温度Tgが59℃、GPCによる質量平均分子量Mwが25,000、数平均分子量Mnが7,000、フローテスターによる軟化温度が107℃、酸価AVが13mgKOH/gであった。
コンデンサー、温度計、水滴下装置、アンカー翼を備えたジャケット付き3リットル反応槽(東京理化器械(株)製:BJ−30N)を水循環式恒温槽にて40℃に維持しながら、該反応槽に酢酸エチル160部とイソプロピルアルコール100部との混合溶剤を投入し、これに上記非晶性ポリエステル樹脂を300部投入して、スリーワンモーターを用い150rpmで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に10%アンモニア水溶液を、滴下時間5分間で14部滴下し、10分間混合した後、更にイオン交換水900部を毎分7部の速度で滴下して転相させて、乳化液を得た。
すぐに、得られた乳化液800部とイオン交換水700部とを2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械(株))にセットした。ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。溶剤回収量が1,100部になった時点で常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。得られた分散液に溶剤臭は無かった。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径D50は130nmであった。なお、以下において、該体積平均粒径D50はマイクロトラックにて5回測定した内の、最大値と最小値を除いた3回の測定値の平均値を用いた。
その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20%になるように調製し、これを非晶性ポリエステル樹脂分散液とした。
・1,10−ドデカン二酸: 50モル%
・1,9−ノナンジオール: 50モル%
攪拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に上記モノマー成分を入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド(試薬)を前記モノマー成分100部に対して0.25部投入した。窒素ガス気流下、170℃で3時間攪拌反応させた後、温度を更に210℃まで1時間かけて昇温し、反応容器内を3kPaまで減圧し、減圧下で13時間攪拌反応させて、結晶性ポリエステル樹脂を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂は、DSCによる融解温度が73.6℃、GPCによる質量平均分子量Mwが25,000、数平均分子量Mnが10,500、酸価AVが10.1mgKOH/gであった。
コンデンサー、温度計、水滴下装置、アンカー翼を備えたジャケット付き3リットル反応槽(東京理化器械(株)製:BJ−30N)に、前記結晶性ポリエステル樹脂300部と、メチルエチルケトン(溶剤)160部と、イソプロピルアルコール(溶剤)100部とを入れ、水循環式恒温槽にて70℃に維持しながら、100rpmで攪拌混合しつつ樹脂を溶解させた(溶解液調製工程)。
その後攪拌回転数を150rpmにし、水循環式恒温槽を66℃に設定し、10%アンモニア水(試薬)17部を10分間かけて投入した後、66℃に保温されたイオン交換水を7部/分の速度で、合計900部滴下し転相させて、乳化液を得た。
すぐに、得られた乳化液800部とイオン交換水700部とを2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械(株))にセットした。ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。溶剤回収量が1,100部になった時点で常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。得られた分散液に溶剤臭は無かった。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径D50は130nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20%になるように調製し、これを結晶性ポリエステル樹脂分散液とした。
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:263部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:12部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
その後、層流を形成するための2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、攪拌回転数を857rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2乃至3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
その後、56℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、キレート剤4.25部(HIDS、日本触媒(株)製)を添加し、次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液 を用いてpHを7.8に調整し、15分間保持した。その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、66.5℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、66.5℃で保持したままpHを6.0まで下げ、1時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は17.2μmであり、比b/aの平均値は0.5であり、顔料面積率の平均値は0.7であった。
トナー粒子を100部に対して、シリカ粒子(日本アエロジル社製 RY50)1.5部を、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)を用いて周速30m/秒で3分間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナーを作製した。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:35μm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロアクリレート共重合体(臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒子径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
前記トナー:36部と前記キャリア:414部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して現像剤を作製した。
以下の方法により評価画像を形成した。
試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(C2紙、富士ゼロックスインターフィールド社製、JIS P8119:1998に基づき測定された平滑度が90秒)上に、定着温度190℃、定着圧力4.0kg/cm2にて、トナー載り量が4.5g/m2のベタ画像を形成した。
得られたベタ画像に関し、JIS K5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察用照明(自然昼光照明)下で目視にて光輝性を評価した。なお評価は、粒子感(キラキラと輝く光輝性の効果)、光学的効果(見る角度による色相の変化)を下記基準で評価した。2以上が実際に使用可能なレベルである。得られた結果を表1に示す。
4:やや粒子感、光学的効果がある。
3:普通の感覚
2:ややぼけた感じがする
1:全く粒子感、光学的効果がない。
上述のようにして得られたベタ画像の形成された記録紙の、ベタ画像の形成された側に25枚の記録紙(C2紙、富士ゼロックスインターフィールド社製)を配置し、ベタ画像の形成された側とは反対側に25枚の記録紙(C2紙、富士ゼロックスインターフィールド社製)を配置して合計51枚の記録紙の束を得た。この束を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre C7550改造機の自動原稿送り装置にセットし、原稿を1枚ずつ送ることで画像に擦りの負荷を与えた。51枚の記録紙を全て送り終わったら、再度これら用紙を束ねて同様に自動原稿送り装置にて画像に擦り負荷を与えることを繰り返した。合計50回の擦り負荷を与えた後、上記光輝性評価と同様に擦り負荷付与後のベタ画像について光輝性を下記基準に基づいて評価した。なお、自動原稿送り装置で記録紙を搬送する際に、ベタ画像が自動原稿送り装置のローラーに接触するように記録紙の搬送方法を調整した。得られた結果を表1に示す。
4:画像表面に傷がほとんど見られず、粒子感、光学的効果がある
3:画像表面に傷が少しあるものの、普通の感覚
2:画像表面に傷がやや多く、ぼやけた感じ
1:画像表面に傷が多く、全く粒子感、光学的効果がない
金属顔料の平均円相当径を5μmに調整したものを使用した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した後、作製したトナーをボールミルで展延処理した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は7.5μmであり、比b/aの平均値は0.5であり、顔料面積率の平均値は0.5であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を10μmに調整したものを使用し、トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:215部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:60部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は12.3μmであり、比b/aの平均値は0.65であり、顔料面積率の平均値は0.6であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:155部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:120部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は17.5μmであり、比b/aの平均値は0.8であり、顔料面積率の平均値は0.7であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を5μmに調整したものを使用し、トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:155部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:120部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は7.6μmであり、比b/aの平均値は0.8であり、顔料面積率の平均値は0.5であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を10μmに調整したものを使用した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は12.1μmであり、比b/aの平均値は0.5であり、顔料面積率の平均値は0.6であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を10μmに調整したものを使用し、トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:155部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:120部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は12.2μmであり、比b/aの平均値は0.5であり、顔料面積率の平均値は0.6であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:271部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:4部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は17.3μmであり、比b/aの平均値は0.4であり、顔料面積率の平均値は0.7であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を5μmに調整したものを使用し、トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:271部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:4部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した後、作製したトナーをボールミルで展延処理した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は7.4μmであり、比b/aの平均値は0.4であり、顔料面積率の平均値は0.5であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:135部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:140部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は17.2μmであり、比b/aの平均値は0.9であり、顔料面積率の平均値は0.7であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を5μmに調整したものを使用し、トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:135部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:140部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は7.3μmであり、比b/aの平均値は0.9であり、顔料面積率の平均値は0.5であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を20μmに調整したものを使用した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は22.5μmであり、比b/aの平均値は0.5であり、顔料面積率の平均値は0.8であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を1μmに調整したものを使用した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した後、作製したトナーをボールミルで展延処理した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は3.8μmであり、比b/aの平均値は0.5であり、顔料面積率の平均値は0.4であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を20μmに調整したものを使用し、トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:155部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:120部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は22.1μmであり、比b/aの平均値は0.8であり、顔料面積率の平均値は0.8であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
金属顔料の平均円相当径を1μmに調整したものを使用し、トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:155部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:120部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は4.0μmであり、比b/aの平均値は0.8であり、顔料面積率の平均値は0.4であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
<離型剤分散液の作製>
・パラフィンワックスHNP9(溶融温度:74℃、日本精蝋(株)製):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が215nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20%)を調製した。
トナーの作製方法を
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:215部
・離型剤分散液:60部
・金属顔料分散液:100部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.5部
に変更した以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は18.0μmであり、比b/aの平均値は0.4であり、顔料面積率の平均値は0.7であった。
得られた現像剤を用いて実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
4 金属顔料
20 感光体ドラム
21 帯電装置
22 露光装置
24 転写装置
25 クリーニング装置
28、300 記録紙(記録媒体の一例)
30 現像装置
31 現像ハウジング
32 現像用開口
33 現像ロール
34 電荷注入ロール
36 定着装置
40 トナー
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
Claims (6)
- 結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含む結着樹脂と、平均円相当径が7μm以上13μm以下の金属顔料とを含有するトナー粒子を含有し、
前記トナー粒子の断面における長軸径aと短軸径bとの比b/aの平均値が0.55以上0.75以下であり、
前記トナー粒子を厚み方向から見たときの前記トナー粒子の投影像に占める前記金属顔料の面積の平均値が、0.53以上0.67以下であり、
前記結着樹脂に占める前記結晶性樹脂の割合が、5質量%以上25質量%以下である光輝性トナー。 - 請求項1に記載の光輝性トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1に記載の光輝性トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項2に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項2に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項2に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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