JP5617427B2 - トナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、着色剤として薄片状無機結晶基質上に二酸化チタンからなる薄層を被覆させた顔料を用いたトナーが知られている(例えば特許文献2参照)。
前記トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長く、
且つ前記トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上である請求項1に記載のトナーである。
前記像保持体表面を帯電する帯電装置と、
前記像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記静電潜像を請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のトナーによりトナー像として現像する現像装置と、
前記像保持体表面に形成された前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写装置と、
を有する画像形成装置である。
本実施形態に係るトナーは、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)を2以上100以下とし、重量平均分子量を15000以上300000以下としたものである。
一方、比(A/B)が100を超えると、反射光を視認し得る視野角が狭くなり過ぎ、正反射光成分が大きいために見る角度によって黒っぽく見えてしまう。また、比(A/B)が100を超えるトナーは、製造も困難である。
ここで、まず入射角および受光角について説明する。本実施形態において変角光度計による測定の際には、入射角を−45°とするが、これは光沢度の広い範囲の画像に対して測定感度が高いためである。
また、受光角を−30°および+30°とするのは、光輝感のある画像と光輝感のない画像を評価するのに最も測定感度が高いためである。
本実施形態においては、比(A/B)を測定するに際し、まず「ベタ画像」を以下の方法により形成する。試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度190℃、定着圧力4.0kg/cm2にて、トナー載り量が4.5g/cm2のベタ画像を形成する。尚、前記「ベタ画像」とは印字率100%の画像を指す。
形成したベタ画像の画像部に対し、変角光度計として日本電色工業社製の分光式変角色差計GC5000Lを用いて、ベタ画像への入射角−45°の入射光を入射し、受光角+30°における反射率Aと受光角−30°における反射率Bを測定する。尚、反射率Aおよび反射率Bは、400nmから700nmの範囲の波長の光について20nm間隔で測定を行い、各波長における反射率の平均値とした。これらの測定結果から比(A/B)が算出される。
本実施形態に係るトナーは、前述の比(A/B)を満たす観点から下記(1)乃至(2)の要件を満たすことが好ましい。
(1)トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長い
(2)トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上である
図1に示すトナー2は、厚さLよりも円相当径が長い扁平状のトナーであり、鱗片状の顔料粒子4を含有している。
そのため、このトナー中に含有される鱗片状の顔料粒子のうち上記(2)に示される「トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲にある」との要件を満たす顔料粒子は、面積が最大となる面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。こうして形成された画像に対し光を照射した場合には、入射光に対して乱反射する顔料粒子の割合が抑制されるため、前述の比(A/B)の範囲が達成されるものと考えられる。また、入射光に対して乱反射する顔料粒子の割合が抑制されると、見る角度により反射光強度が大きく変化するため、より理想的な光輝性が得られる。
トナーの分子量を15000以上300000以下の範囲とすることで、高分子量起因の低グロス化及び低分子量起因のホットオフセットによる荒れが生じることなく所望の光輝性が得られる。
トナーの重量平均分子量は、20000以上200000以下が望ましく、25000以上130000以下がさらに望ましい。
本実施形態に係るトナーに用いられる、光輝性を有する顔料粒子としては、例えば、以下のものが用いられる。アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛などの金属粉末、酸化チタンや黄色酸化鉄を被覆した雲母、硫酸バリウム、層状ケイ酸塩、層状アルミニウムのケイ酸塩などの被覆薄片状無機結晶基質、単結晶板状酸化チタン、塩基性炭酸塩、酸オキシ塩化ビスマス、天然グアニン、薄片状ガラス粉、金属蒸着された薄片状ガラス粉など、光輝性を有するものならば特に制限はない。
本実施形態に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂;ポリスチレン、α−ポリメチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリアミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの共重合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、定着画像の表面の平滑性が高く、さらなる光輝性を実現可能なポリエステル樹脂を用いることが望ましい。
以下においては、特に好ましく用いられるポリエステル樹脂について説明する。
前記多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられ、これらの多価カルボン酸が1種または2種以上用いられる。
これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を用いることが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
これら多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また、より良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
本実施形態に係るトナー中における結晶性ポリエステル樹脂の含有量としては、2質量%以上30質量%以下が好ましく、4質量%以上25質量%以下がより好ましい。
前記酸由来構成成分となるための酸としては、種々のジカルボン酸が挙げられるが本実施形態に係る結晶性ポリエステル樹脂における酸由来構成成分としては、直鎖型の脂肪族ジカルボン酸が望ましい。
例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。これらの中では、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
上記スルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
これらの脂肪族ジカルボン酸由来構成成分以外の酸由来構成成分(2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分および/またはスルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分)の、酸由来構成成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%以下が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%以下がより好ましい。
アルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジオールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、この限りではない。これらの中でも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造される。例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、高分子量化するためには通常1/1程度が好ましい。
トナーの重量平均分子量は、結着樹脂の重量平均分子量に依存する。そのため、トナーの重量平均分子量を調整するには結着樹脂の重量平均分子量を調整すればよい。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて離型剤を含有してもよい。離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナバワックス;等が挙げられる。これらの離型剤の融点は、50℃以上100℃以下が望ましく、60℃以上95℃以下がより望ましい。
トナー中の離型剤の含有量は、0.5質量%以上15質量%以下が望ましく、1.0質量%以上12質量%以下がより望ましい。
本実施形態に係るトナーには、上記した成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加してもよい。
・平均最大厚さCおよび平均円相当径D
前記(1)に示すとおり、本実施形態に係るトナーは、その平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いことが好ましい。尚、平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.500以下の範囲にあることがより好ましく、0.010以上0.200以下の範囲が更に好ましく、0.050以上0.100以下の範囲が特に好ましい。
比(C/D)が0.001以上であることにより、トナーの強度が確保され、画像形成の際における応力による破断が抑制され、顔料が露出することによる帯電の低下、その結果発生するカブリが抑制される。一方0.500以下であることにより、優れた光輝性が得られる。
トナーを平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1000個のトナーについて、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」(キーエンス社製)により1000倍に拡大して最大の厚さCと上から見た面の円相当径Dを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
前記(2)に示すとおり、トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上であることが好ましい。更には、上記数が70%以上95%以上であることがより好ましく、80%以上90%以下であることが特に好ましい。
上記の数が60%以上であることにより優れた光輝性が得られる。
トナーをビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤を用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機(本実施形態においては、LEICAウルトラミクロトーム(日立テクノロジーズ社製)を使用)を用いて−100℃の下、切削サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。この観察サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率5000倍前後でトナー粒子の断面を観察する。観察された1000個のトナーについて、トナーの断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数を、画像解析ソフトを用いて数えその割合を計算する。
本実施形態に係るトナーは、湿式法や乾式法など公知の方法により作製されるが、特に湿式法で製造することが好ましい。該湿式法としては、溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等が挙げられ、中でも特に、乳化凝集法にて製造することが好ましい。
ここで、乳化凝集法とは、トナーに含まれる成分(結着樹脂、着色剤等)を含む分散液(乳化液、顔料分散液等)をそれぞれ調製し、これらの分散液を混合して混合液とし、その後凝集粒子を結着樹脂の融点またはガラス転移温度以上(結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを両方含有するトナーを製造する場合には、結晶性樹脂の融点以上、かつ非結晶性樹脂のガラス転移温度以上)に加熱してトナー成分同士を凝集させると共に、合一させる方法である。
まず、顔料粒子を準備し、該顔料粒子と重量平均分子量が15000以上300000以下の結着樹脂とを溶剤に分散・溶解して混合する。これを転相乳化やせん断乳化により水中へ分散することにより、樹脂で被覆された光輝性の顔料粒子を形成する。ここにその他の組成物(例えば離型剤、重量平均分子量が15000以上300000以下のシェル用樹脂等)を添加し、さらに凝集剤を添加し、攪拌しながら温度を樹脂のガラス転移温度(Tg)の近くまで上昇させ、凝集粒子を形成する。この工程において、例えば2枚パドルを有した層流を形成する攪拌翼を使用し、攪拌速度を高速度にして(例えば500rpm以上1500rpm以下)攪拌することで、光輝性の顔料粒子が凝集粒子中で長軸方向の向きを揃え、且つ、凝集粒子も長軸方向に向かって凝集し、トナーの厚さが小さくなる(即ち前記(1)の要件を満たす)。最後に粒子安定化のためにアルカリ性にした後、温度をトナーのガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)以下まで上昇させ、凝集粒子を合一させる。この合一工程において、より低温(例えば60℃以上80℃以下)で合一させることで、材料の再配置に伴う移動を小さくし、顔料の配向性が保たれ、前記(2)の要件を満たすトナーが得られる。
本実施形態においては、トナー粒子表面に流動化剤や助剤等の外添剤を添加処理してもよい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、カーボンブラック等の無機粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー粒子等、公知の粒子が使用し得る。
本実施形態に係るトナーは、そのまま一成分現像剤として用いてもよく、またキャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよい。
図2は、本実施形態に係るトナーが適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態を示す概略構成図である。
同図において、本実施形態に係る画像形成装置は、定められた方向に回転する像保持体としての感光体ドラム20を有し、この感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラム20を帯電する帯電装置21と、この感光体ドラム20上に静電潜像Zを形成する潜像形成装置としての例えば露光装置22と、感光体ドラム20上に形成された静電潜像Zを可視像化する現像装置30と、感光体ドラム20上で可視像化されたトナー像を被転写体である記録紙28に転写する転写装置24と、感光体ドラム20上の残留トナーを清掃するクリーニング装置25とを順次配設したものである。
ここで、電荷注入ロール34の回転方向については選定して差し支えないが、トナーの供給性および電荷注入特性を考慮すると、電荷注入ロール34としては、現像ロール33との対向部にて同方向で且つ周速差(例えば1.5倍以上)をもって回転し、電荷注入ロール34と現像ロール33とに挟まれる領域にトナー40を挟み、摺擦しながら電荷を注入する態様が好ましい。
作像プロセスが開始されると、先ず、感光体ドラム20表面が帯電装置21により帯電され、露光装置22が帯電された感光体ドラム20上に静電潜像Zを書き込み、現像装置30が前記静電潜像Zをトナー像として可視像化する。しかる後、感光体ドラム20上のトナー像は転写部位へと搬送され、転写装置24が被転写体である記録紙28に感光体ドラム20上のトナー像を静電的に転写する。尚、感光体ドラム20上の残留トナーはクリーニング装置25にて清掃される。この後、不図示の定着装置によって記録紙28上のトナー像が定着され、画像が得られる。
図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、前述の本実施形態に係るトナーを収容すると共に、該トナーを保持して搬送するトナー保持体を備えることを特徴としている。
<結着樹脂(1)の合成>
・ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物:216部
・エチレングリコール:38部
・テトラブトキシチタネート(触媒):0.037部、
上記成分を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち攪拌しながら昇温した後、160℃で7時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧に戻し、無水トリメリット酸9部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し220℃で1時間保持することにより結着樹脂(1)を合成した。
・結着樹脂(1):160部
・酢酸エチル:233部
・水酸化ナトリウム水溶液(0.3N):0.1部
上記成分を1000mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株)製)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより樹脂粒子分散液(1)(固形分濃度:30%)を得た。
・スチレン(和光純薬社製):325部
・nブチルアクリレート(和光純薬社製):75部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華社製):9部
・1,10デカンジオールジアクリレート(新中村化学社製):1.5部
・ドデカンチオール(和光純薬社製):2.7部
上記成分を予め混合し、溶解して溶液を調製しておき、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックスA211)4部をイオン交換水960部に溶解した界面活性剤溶液をフラスコに収容し、上記の溶液413.2部を投入して分散し乳化して10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。
次いで、フラスコ内を窒素で十分に置換した後、フラスコを攪拌しながらオイルバスでフラスコ内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して樹脂粒子分散液(2)(固形分濃度:30%)を得た。
・カルナウバワックス(東亜化成(株)製、RC−160 ):50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1.0部
・イオン交換水:200部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で360分間の分散処理をして、体積平均粒径が0.23μmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー(株)製、2173EA):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:900部
アルミニウム顔料のペーストから溶剤を除去した後、以上を混合し、溶解し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、光輝性顔料粒子(アルミニウム顔料)を分散させてなる光輝性顔料粒子分散液(固形分濃度:10%)を調製した。
・樹脂粒子分散液(1):450部
・離型剤分散液:50部
・光輝性顔料粒子分散液:21.74部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.40部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、層流を形成するための2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、攪拌回転数を810rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2〜3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
次に、樹脂粒子分散液(1):100部を追添加し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂(1)の樹脂粒子を付着させた。さらに56℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、67.5℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、67.5℃で保持したままpHを6.0まで下げ、1時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は12.2μmであった。
得られたトナー粒子100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.5部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を1.0部とを、サンプルミルを用いて10000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナーを調製した。
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロアクリレート共重合体(臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
まず、パーフルオロアクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加えサンドミルで分散した。次いで、これにフェライト粒子以外の上記各成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調合した。次いでこの被覆層形成液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆層を形成してキャリアを得た。
前記トナー:36部と前記キャリア:414部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して現像剤を作製した。
実施例1に記載の光輝性トナーの製造方法において、以下の通り変更した以外は、実施例1に記載の方法に準じてトナー及び現像剤を製造した。
混練粉砕法によってトナーを作製した。
・結着樹脂(1):470部
・カルナウバワックス(東亜化成(株)製、RC−160):30部
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー(株)製、2173EA):2.2部
以上を計量した後、ボールミルで混合した。得られた混合物をスクリュー押出機(エクストルーダ)、ロールミル、ニーダなどで加熱溶融させ、さらに混練した。混練の完了後、得られた混練物を冷却し、固化させた。固化した混練物を先ず最初にハンマーミル、カッターミルなどの粗粉砕機で粗粉砕し、さらに続けて、ジェットミルなどの微粉砕機で微粉砕して微粉砕粒子を得た。微粉砕の完了後、微小粒子及び粗大粒子を除去するため、エルボージェットなどにより得られた微粉砕粒子を分級した。
分級後の粒子の平均最大厚さと平均円相当径とは同等程度であるので、所望の平均最大厚さおよび平均円相当径にするため、分級後の粒子及び2mmの粒径を有するジルコニアビーズを含む分散液を作製し、ビーズミル分散機などを用いて攪拌した。ビーズとの接触により、粒子が変形することで所望の平均最大厚さおよび平均円相当径を得ることができる。分散液には、水、界面活性剤などを含ませることができる。ビーズミルの回転円板は、約5000rpmで約50分間の処理を行った。得られた分散液から粒子を分離し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.5部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を1.0部とを、サンプルミルを用いて10000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナーを調製した。
得られたトナーを用いて実施例1と同様に現像剤を作製した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから470rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から81℃に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから560rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から79.5℃に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから980rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から73.5℃に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから1350rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から62℃に変更した。
実施例1の結着樹脂(1)を合成する工程の無水トリメット酸添加量を1部に変更した。
実施例1の結着樹脂(1)を合成する工程の無水トリメット酸添加量を13部に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから1550rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から81.5℃に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから1400rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から78℃に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから500rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から61.5℃に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから450rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から59.7℃に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから780rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から70℃に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから730rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から71℃に変更した。
実施例1の樹脂粒子分散液(1)を樹脂粒子分散液(2)に変更し、凝集粒子の成長を促進させる工程の攪拌回転数を810rpmから780rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から68℃に変更した。
実施例1の凝集粒子の成長を促進させる工程の2枚パドルを4枚パドルに変更し、攪拌回転数を810rpmから500rpmに変更し、凝集粒子を融合させる工程の温度を67.5℃から90℃に変更した。
実施例1の結着樹脂(1)を合成する工程の無水トリメット酸添加量を0.5部に変更した。
実施例1の結着樹脂(1)を合成する工程の無水トリメット酸添加量を16部に変更した。
「比(A/B)」、「トナーの平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)」、「トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、観察される全顔料粒子のうち、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数(以下単に「±30°範囲の顔料粒子の数」と称す)」及び「トナーの重量平均分子量」を、前述の方法により測定した。結果を下記表1に示す。
・光輝性
以下の方法によりベタ画像を形成した。
試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(ラフ紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度200℃、定着圧力4.0kg/cm2、プロセススピード220mm/sにて、トナー載り量が4.5g/cm2のベタ画像を形成した。
得られたベタ画像に関し、JIS K 5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察用照明(自然昼光照明)下で目視にて光輝性を評価した。得られた結果を表1に示す。
なお評価は、粒子感(キラキラと輝く光輝性の効果)、光学的効果(見る角度による色相の変化)を評価し、下記段階とした。2以上が実際に使用可能なレベルである。
5:粒子感と光学的効果が調和している。
4:やや粒子感、光学的効果がある。
3:普通の感覚。
2:ぼけた感じがする。
1:全く粒子感、光学的効果がない。
4 顔料粒子
20 感光体ドラム
21 帯電装置
22 露光装置
24 転写装置
25 クリーニング装置
28 記録紙
30 現像装置
31 現像ハウジング
32 現像用開口
33 現像ロール
34 電荷注入ロール
40 トナー
107 感光体(像保持体)
108 帯電ローラ
111 現像装置(現像手段)
112 転写装置
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
115 定着装置(定着手段)
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(被転写体)
Z 静電潜像
Claims (7)
- ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であり、重量平均分子量が15000以上300000以下であるトナー。
- 顔料粒子を含有するトナーであって、
前記トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長く、
且つ前記トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上である請求項1に記載のトナー。 - 平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.500以下の範囲にある請求項2に記載のトナー。
- 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のトナーを少なくとも含む現像剤。
- 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のトナーを収容するトナーカートリッジ。
- 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のトナーを収容すると共に、前記トナーを保持して搬送するトナー保持体を備えるプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体表面を帯電する帯電装置と、
前記像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記静電潜像を請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のトナーによりトナー像として現像する現像装置と、
前記像保持体表面に形成された前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写装置と、
を有する画像形成装置。
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