JP2005134738A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 フレーク顔料を含有し、ドライブレンド法などで安全に製造することができ、金色、銀色のようなメタリック感、光輝感、輝度などに優れた意匠性を有し、しかも充分な隠蔽性と下地への密着性を有する、電子写真の実写画像を感光体上にカブリ現象なしに形成することができる、電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】 フレーク状の形状を有する基体粒子と、この基体粒子の表面を被覆する帯電調整剤を含有する皮膜と、を備える、フレーク顔料と、結着性樹脂粉末と、を含有する、電子写真用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フレーク顔料を含んだ電子写真用トナーに関する。さらに詳しくは、本発明は、目標のメタリック感を発現、維持させる目的で帯電特性が調整された新規なメタリック調電子写真用トナーに関する。
従来公知の乾式電子写真法において静電潜像を可視像に変換する場合は、感光体表面に形成された静電荷像を、逆極性に帯電されたトナーを使用し現像する正現像法、もしくは同極性に帯電されたトナーで現像する反転現像法により可視像に変換される。現像された画像は転写紙上に転写され定着される。このような乾式電子写真の発達は近年著しく、特にカラー化の技術が発達し鮮明な画像が得られるようになっている。
しかしながら、金色、銀色のようなメタリック感を有するようなカラートナーの場合、発色顔料として通常使用されるアルミニウムフレークが絶縁体でないために電流がリークしたり、爆発の危険性があり、実用化できずにいた。
このような問題を解決する試みとして、アルミニウムフレークそのものを着色マイカのような安定な酸化物に変える試みもおこなわれてきた(たとえば、特許文献1および特許文献2参照。)。
しかしながら、この方法では着色マイカフレーク自身がアルミニウムフレークなどの金属顔料フレークよりも隠蔽力に欠ける面があることに加え、以下に述べるような帯電性の問題が考慮されておらず鮮鋭なメタリック感を得ることができなかった。
また、安全かつ帯電性の問題を考慮せずにすむ方法として、たとえば、樹脂粉体と発色のためのフレーク顔料を熱あるいは圧着などの物理的方法、もしくは結合剤を使用して一体化してしまうボンデッド法が粉体塗料の分野では検討されてきた(たとえば、特許文献3、特許文献4および特許文献5参照。)。
ただし、この方法でもトナーとしてこの方法を応用する場合は、結着性樹脂粉末とフレーク顔料粒子の大きさが殆ど同じために、フレーク顔料どうしの結合がおこってしまい所望するような色調が得られないという問題があった。
また、単にドライブレンド法で結着性樹脂粉末とフレーク状顔料を混合しトナーを作製する場合、最初にトナー中に調合されたフレーク顔料の配合割合よりも電子写真の実写画像中のフレーク顔料の割合が低下し、メタリック感が不足する現象が発生していた。さらに、感光体が汚染され、その結果、非画像部にトナーが付いて汚れを生じるカブリという現象の問題もあった。
特開昭62−100700号公報 特開昭62−100769号公報 特開昭51−137725号公報 特開平9−71734号公報 米国特許4,138,511号明細書
本発明の課題は、フレーク顔料を含有し、ドライブレンド法などで安全に製造することができ、金色、銀色のようなメタリック感、光輝感、輝度などに優れた意匠性を有し、しかも充分な隠蔽性と下地への密着性を有する、電子写真の実写画像を感光体上にカブリ現象なしに形成することができる、電子写真用トナーを提供することである。
本発明者は、ドライブレンド法でメタリックトナーを作製する場合、フレーク顔料と結着性樹脂粉末との比率がトナー配合組成と電子写真の実写画像中の組成で異なることに着目し、鋭意研究を重ねた結果、その原因がフレーク顔料と結着性樹脂粉末の摩擦帯電量が異なるためであることを見出した。
すなわち、本発明者は、フレーク顔料の摩擦帯電量が結着性樹脂粉末より極端に小さい場合、感光体の帯電情報が現像され、被転写物に転写され定着される際に、転写不良で感光体にフレーク顔料が残留してしまい、感光体汚染を引き起こし、ひいては画像カブリ、メタリック感不足といった結果となることを見出した。
また、本発明者は、同様の仕組みで、結着性樹脂の摩擦帯電量が小さい場合も、トナーの大半を占める結着性樹脂が電子写真の実写画像上に定着される量が不足し、密着性の低下を引き起こすとともにドライブレンドされたフレーク顔料の量も不足する傾向があるため、必要な場合には結着性樹脂粉末自身も帯電調整する必要があることを見出した。
さらに、本発明者は、フレーク顔料の表面を種々の方法で処理することにより、フレーク顔料の摩擦帯電量を結着性樹脂粉末の摩擦帯電量に近づける手段を開発し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の電子写真用トナーは、フレーク状の形状を有する基体粒子と、この基体粒子の表面を被覆する帯電調整剤を含有する皮膜と、を備える、フレーク顔料と、結着性樹脂粉末と、を含有する、電子写真用トナーである。
ここで、この結着性樹脂粉末の平均粒径は5μm〜50μmの範囲内にあることが好ましい。また、このフレーク顔料の摩擦帯電量とこの結着性樹脂粉末の摩擦帯電量との間には、下記の式1および式2で規定される関係が成立することが望ましい。
|CR−CA|≦10・・・(式1)
15≦|CA|≦40・・・(式2)
なお、式1および式2において、CAはフレーク顔料の摩擦帯電量(μC/g)を示し、CRは結着性樹脂粉末の摩擦帯電量(μC/g)を示す。
さらに、この基体粒子は金属を含有する材質からなることが好ましい。
そして、この帯電調整剤は、負帯電調整剤および/または正帯電調整剤を含有することが望ましい。ここで、この負帯電調整剤は、アゾCr錯体、サリチル酸Cr錯体、サリチル酸Zn錯体、サリチル酸Al錯体およびスルホン酸基を有する樹脂系帯電調整剤からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、この正帯電調整剤は、アジン系化合物のニグロシン、アジン系化合物のニグロシン塩基類、アジン系化合物のニグロシン誘導体、ナフテン酸の金属塩類、ナフテン酸の4級アンモニウム塩、ナフテン酸のアルキルアミド、高級脂肪酸の金属塩類、高級脂肪酸の4級アンモニウム塩、高級脂肪酸のアルキルアミドおよび樹脂系化合物の4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種以上であることが望ましい。
さらに、この結着性樹脂粉末は、熱可塑性樹脂を材質として含有することが好ましい。
下記の説明で明らかなように、本発明の電子写真用トナーは、フレーク顔料を含有し、ドライブレンド法などで安全に製造することができ、金色、銀色のようなメタリック感、光輝感、輝度などに優れた意匠性を有し、しかも充分な隠蔽性と下地への密着性を有する、電子写真の実写画像を感光体上にカブリ現象なしに形成することができる、電子写真用トナーを提供することである。
以下、実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。
<定義>
本明細書において、電子写真とは、静電気現象と光伝導(光導電)効果を利用して、物理的過程ないし電子現象を用いる画像形成方式により形成される写真や画像の総称を言うものとする。電子写真方式とは、静電気現象と光伝導(光導電)効果を利用して、物理的過程ないし電子現象を用いる画像形成方式の総称を言うものとする。
電子写真方式においては、原稿に光照射し、静電潜像を作り、これをトナーで可視像に現像する。電子写真方式においては、この現像プロセスで物質増幅が行われることが多いため、銀塩写真方式に次ぐ高感度の方式である。電子写真方式は、エレクトログラフィーの一種で、光により潜像を形成する方式である。
電子写真方式には、ゼログラフィー方式、エレクトロファックス方式、NP方式、光電導記憶(電解現像)方式、イオンプロジェクション方式、光電導性粒子方式、光起電力方式などの各種の方式がある。また最終画像出現方式として、ゼログラフィーのように転写プロセスを含む方式(ゼログラフィー方式)と、感光体表面に形成されたトナー像を最終画像として利用し、転写プロセスを含まないものとがある。事務用複写機、レーザプリンタ、スライドフィルムの作成、OHP画像の作成、オフセット印刷版の作成などに利用される。
本明細書において、電子写真用トナーとは、いわゆる静電トナー(または静電潜像用トナー)を含む概念であるものとする。電子写真用トナーは、電子写真における静電潜像を可視化するために着色した帯電性の微粉末を言い、単にトナーと称されることもある。1成分系の場合、トナーのことを現像剤と言うこともある。
電子写真用トナーは、バインダーとなる熱可塑性樹脂に、ワックス、染料および顔料などを均一に溶融混合し、微粉体化したものであることが多いが、磁性粉を含むこともある。電子写真用トナーは、そのままで乾式用トナーとして用いられ、あるいは絶縁性分散媒中に分散させたものは湿式用現像剤として用いられることもできる。2成分系で使用される電子写真用トナーとキャリアと呼ばれる金属粉の混合体を現像剤と言うこともある。
<フレーク顔料およびその製造方法>
本発明の電子写真用トナーは、表面に帯電調整機能を備えたコーティング皮膜で被覆されたフレーク顔料と結着性樹脂粉末とのブレンド物である。
本発明の電子写真用トナーに用いるフレーク顔料はフレーク状の形状を有する基体粒子と、この基体粒子の表面を被覆する帯電調整剤を含有する皮膜と、を備える、フレーク顔料である。
本発明のフレーク顔料に用いるフレーク状の形状を有する基体粒子は、特に限定するものではないが、たとえばアルミニウム、亜鉛、銅、ブロンズ、ニッケル、チタン、ステンレスなどの金属を含む材質からなるフレークおよびそれらの合金フレークなどが挙げられる。そして、これらの粒子の中でも、アルミニウムフレークは金属光沢に優れており、安価な上に比重が小さいため扱いやすく、特に好適である。
上記の基体粒子として用いるアルミニウムフレークの平均粒径は、通常1〜100μmの範囲内が好ましく、3〜60μmの範囲内であることがより好ましい。この平均粒径が100μmを超える場合は、フレーク状顔料が画像表面に突き出す結果となり、画像面の平滑性あるいは鮮映性が低下する傾向があり、この平均粒径が1μm未満の場合は、メタリック感あるいは光輝感が低下する傾向がある。
上記の基体粒子として用いるアルミニウムフレークの平均厚みは、通常0.01〜5μmの範囲内が好ましく、0.02〜2μmの範囲内であることがより好ましい。この平均厚みが5μmを超える場合は、画像面の平滑性あるいは鮮映性が低下する傾向があることに加え、製造コストアップにもつながる場合もあり、この平均厚みが0.01μm未満の場合は、強度が低下する傾向があるばかりでなく、製造工程中の加工が困難になる場合がある。
上記の基体粒子の平均粒径は、レーザー回折法、マイクロメッシュシーブ法、コールターカウンター法などの公知の粒度分布測定法により測定された粒度分布より体積平均を算出して求められる。平均厚みについては、フレーク顔料の隠蔽力と密度より算出される。
また、上記の基体粒子として用いるアルミニウムフレークの表面には、磨砕時に添加する磨砕助剤が吸着していてもよい。磨砕助剤としては、たとえば脂肪酸(オレイン酸、ステアリン酸)、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族アルコール、エステル化合物などが挙げられる。これらはアルミニウムフレーク表面の不必要な酸化を抑制し、光沢を改善する効果を有する。吸着量は、アルミニウムフレーク100質量部に対し2質量部未満であることが好ましい。2質量部以上の場合は、表面光沢が低下するおそれがある。
本発明に用いる基体粒子に多彩な色彩を付与するため、基体粒子の表面に各種着色剤、着色顔料を付着させることができるが、その着色剤、着色顔料としては、たとえばキナクリドン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、インダンスロン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン、トリフェニルメタンキノフタロン、アントラピリミジン、黄鉛、パールマイカ、透明パールマイカ、着色マイカ、干渉マイカ、フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、アゾ顔料(アゾメチン金属錯体、縮合アゾなど)酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、銅フタロシアニン、縮合多環類顔料、などが挙げられるが、特に限定されることなく、一般的に使用される顔料が使用可能である。
本発明に用いる基体粒子に着色顔料を付着させる方法は特に限定されないが、分散剤で着色顔料を被覆した後、非極性溶媒中でフレーク顔料と攪拌混合することにより、当該フレーク顔料に付着させる方法が好ましい。前記分散剤としては、安息香酸、安息香酸ビニル、サリチル酸、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、3−アミノ−4−メチル安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、p−アミノサリチル酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、ナフテン酸、3−アミノ−2−ナフトエ酸、ケイ皮酸、アミノケイ皮酸などの芳香族カルボン酸;エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、 1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,8−ジアミノナフタレン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ステアリルプロピレンジアミン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ化合物;アルミニウムもしくはチタニウムキレート化合物などが使用される。
同じく、本発明に用いる基体粒子に多彩な色彩を付与するため、基体粒子の表面に干渉膜などを形成することができる。その方法としては、特に限定はされないが、たとえば、金属フレークの個々の粒子表面に光干渉性酸化皮膜を形成するには、酸素量をコントロールした雰囲気中で金属フレークを300〜700℃程度に加熱することにより、表面に空気酸化皮膜を形成する方法、あるいは遷移金属等の酸化物の前駆体でフレーク状金属顔料を被覆し加熱分解する方法が好ましい。
また、本発明に用いる基体粒子に耐薬品性、耐水性あるいは耐候性を付与するため、基体粒子の表面に樹脂層が形成されたものを使用するのが好ましい。基体粒子の表面に樹脂層を形成する方法は、特に限定はされないが、基体粒子を有機溶媒中に分散したスラリーに重合性モノマーを添加し、不活性ガス雰囲気中で加熱しながらアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどの重合開始剤を添加することにより、モノマーを重合させ金属フレーク表面に重合体を析出させる方法が好ましい。
上記の重合性モノマーとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、ポリブタジエン、アマニ油、大豆油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、シクロヘキセンビニルモノオキサイド、ジビニルベンゼンモノオキサイド、などが使用可能である。これらのモノマーは、単独で使用してもよいが、2種類以上を併用してもよい。
基体粒子としてアルミニウムフレークなどの金属フレークを電子写真用トナーに適用する場合は、表面に樹脂層のような絶縁性皮膜がないと、帯電させる際の印加電圧でリークしてしまい現像が不完全となり実写し難い。従って、上記のような組成で重合された樹脂コーティングフレークを用いる必要がある。
また、本発明に用いる基体粒子として、マイカ、表面着色マイカ、ガラスフレーク、表面着色ガラスフレーク、パール、アルミナフレーク、着色アルミナフレーク、シリカフレーク、着色シリカフレーク、酸化鉄フレーク、グラファイトフレーク、ホログラム顔料フレーク、コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状の形状を有する基体粒子などを単独あるいは2種以上さらにはそれらを上記の金属フレークからなる基体粒子とあわせて用いてもよい。
基体粒子の表面が帯電調整剤を含有する皮膜で被覆されたフレーク顔料の製造方法としてはいく種類かの手段が可能であり、以下に説明するが、本発明のフレーク顔料の製造方法は、これらの方法に限定されるものではない。
一つには、通常コアセルベーション(相分離法)と呼ばれる方法があげられる。この方法では、溶剤に溶解可能な市販の帯電調整剤を溶解力の強い良溶媒に溶解した溶液を準備する。そして、その溶液の中へ被覆される基体粒子を分散させて攪拌し懸濁状態を維持する。
さらに、その懸濁状態のスラリー中へ徐々に帯電調整剤を溶解しない貧溶媒を滴下分散することによって基体粒子の表面に帯電調整剤のコーティング皮膜が析出される。最初に帯電調整剤を溶解させる溶剤の選択は溶解される帯電調整剤の組成との兼ね合いで決定されるが、ここでいう溶解力の強い溶剤とは一般的には極性の高い溶剤が使用し得る。
このような良溶媒の一例としては酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶剤やメチルエチルケトン、アセトンなどのケトン系溶剤やキシレン、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼンなどの芳香族系溶剤やシクロヘキサン、シクロヘキサノンなどのシクロ化合物系溶剤が挙げられる。
また、上記の基体粒子の表面に帯電調整剤を析出させるために添加する貧溶媒としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類やイソペンタン、イソへキサン、イソヘプタン、イソオクタンなどのイソパラフィン類などが挙げられる。
そして、上記の貧溶媒を添加したのちに、さらに良溶媒を真空蒸留などの手段により留去することにより金属フレーク表面への析出を完成させる。この方法においては、最初に使用する良溶媒は留去しやすい沸点の低い溶剤であり、貧溶媒は良溶媒の真空蒸留の条件下でも蒸発しないような沸点の高い溶剤であることが望ましい。
実際には、良溶媒としてはあまり沸点が低い溶剤は安全性の問題があり実用上使用しづらく、50℃以上であることが実用的である。貧溶媒としては沸点が140〜210℃程度のアルカンもしくはイソパラフィン系の脂肪族溶剤が使用しやすい。
上記の基体粒子の表面の被覆に用いる帯電調整剤としては、負帯電調整剤として含金アゾ染料やサリチル酸金属塩、スルホン基を有する樹脂系帯電調整剤、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などがあげられるが、基体粒子のメタリック感を低下させないという意味では帯電調整剤自身が透明性に優れた物質であることが望ましく、この点でサリチル酸金属塩、スルホン酸基を有する樹脂系帯電調整剤、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを使用することが望ましい。これらの中でも、アゾCr錯体、サリチル酸Cr錯体、サリチル酸Zn錯体、サリチル酸Al錯体およびスルホン酸基を有する樹脂系帯電調整剤を負帯電調整剤として用いることが特に好ましい。
また、上記の基体粒子の表面の被覆に用いる帯電調整剤としては、正帯電調整剤としてアジン系化合物のニグロシン、ニグロシン塩基類、ニグロシン誘導体やナフテン酸または高級脂肪酸塩の金属塩類やアルコキシル化アミンやベンジルメチル−ヘキシルデシルアンモニウムクロライド、デシル−トリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩やアルキルアミドや樹脂系の4級アンモニウム塩、樹脂系の4級アンモニウム塩などがあげられるが透明性に優れる点で4級アンモニウム塩を使用することが望ましい。
上記の帯電調整剤は正、負それぞれ単独でも使用し得るがコーティング皮膜を形成する処理の際に混合して使用することによって微調整しやすくなる。
フレーク顔料中の基体粒子に対する帯電調整剤のコーティング量(含有量)は、帯電調整剤の種類によるが一般的には基体粒子を100質量部とした場合、0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましく、0.2〜5質量部の範囲内であることがさらに好ましい。この含有量が0.1質量部未満では帯電調整機能が不足する傾向があり、10質量部を超える量の添加は基体粒子の凝集を引き起こしたり、画像の物性を損なう恐れが大きい。
本発明に用いる基体粒子の表面を帯電調整剤を含有する皮膜で被覆する他の手段としては、基体粒子の表面に耐薬品性、耐水性あるいは耐候性を付与する樹脂層を形成させる際に、この樹脂層を形成するための重合性モノマーに摩擦帯電量を調整する上記の負帯電調整剤として用いることができる化合物などを加えて、この重合性モノマーとの共重合樹脂を含有する皮膜を基体粒子の表面に三次元架橋などで形成する方法がある。
たとえば、アクリル系樹脂層で基体粒子を被覆する場合には、負帯電特性を与える2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などを用いて従来公知の重合性モノマーとの共重合樹脂を含有する皮膜を金属フレークからなる基体粒子表面に3次元架橋するのが望ましい。
この際、上記の重合性モノマーを溶解するのに使用する有機溶媒としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルもしくはプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが適当である。この際の共重合比としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの負帯電特性を与える化合物が5wt%程度になるように配合するのが適当であるが、ドライブレンドの際に使用される相手方の結着性樹脂粉末の摩擦帯電量に合わせて調整される場合もあり、かならずしもこの限りではない。
一方、基体粒子を被覆する皮膜に正帯電性を与える場合には、上記の重合性モノマーに対して、たとえばジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートなどを加えた組成から出発して重合した共重合樹脂を含有する皮膜をあらかじめ金属フレークからなる基体粒子上に形成させておき、生じた共重合体をパラトルエンスルホン酸メチルなどのようなパラトルエンスルホン酸アルキルエステルなどで4級化することが好ましい。
上記の4級化に使用するパラトルエンスルホン酸メチルなどの量は共重合樹脂中に含まれるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートなどの単位1モル当たりに1モルを使用するのが適当である。この際にも、重合性モノマーを溶解するのに使用する有機溶媒としてはジプロピレングリコールモノメチルエーテルもしくはプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが適当である。
そして、この際の重合開始剤としてはt−ブチルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物を用いれば良い。
<電子写真用トナー>
本発明の電子写真用トナーは、フレーク状の形状を有する基体粒子の表面を被覆する帯電調整剤を含有する皮膜を備えるフレーク顔料と、結着性樹脂粉末と、を含有する。
本発明の電子写真用トナーにおいて、メタリック感に優れた画像を得るためには、帯電調整機能を有する物質(帯電調整剤)が基体粒子の表面にコーティングされた皮膜を含有するフレーク顔料を使用することが望ましい。また、そのフレーク顔料の摩擦帯電量と結着性樹脂粉末の摩擦帯電量とが以下の式1および2をともに満たすことが好ましい。
0≦|(CR−CA)|≦10・・・(式1)
15≦|CA|≦40・・・(式2)
なお、上記の式1および式2において、CAはフレーク顔料の摩擦帯電量、(単位:μC/g)、CRは結着性樹脂粉末の摩擦帯電量(単位:μC/g)を示す。
正帯電性感光体を用い正現像方式で静電複写する場合は、トナーは負に帯電しており、その摩擦帯電量と実写機の各部の電気的設定バランスにより画像は形成されるが、本発明で良好なメタリック感の画像を得る為には、結着性樹脂粉末とフレーク状顔料の摩擦帯電量は負の値で、できるだけ高いことが望ましい。反転現像法の場合はその逆である。
最も一般的に使用される樹脂層を持つアルミニウムフレークの摩擦帯電量は−4μC/g〜−9μC/g程度である。これに対し結着性樹脂粉末の摩擦帯電量は、平均粒径が10μm〜20μmのポリエステル樹脂の場合は−10μC/g〜−40μC/g、スチレン-アクリル系樹脂では−5μC/g〜10μC/g程度の範囲を持つことが多い。
したがって、フレーク顔料と結着性樹脂粉末の摩擦帯電量が式1を満たし、さらにフレーク顔料の摩擦帯電量が式2を満たすためには負帯電調整剤によるアルミニウムフレークを基体粒子とするフレーク顔料表面の摩擦帯電量の調整が必要となるとともに、場合によっては結着性樹脂粉末の摩擦帯電量の調整も必要である。
式1の|(CR−CA)|の値が10μC/gを超える場合は実写画像の画質は低下し画像カブリ、メタリック感不足を引き起こす。
また、通常は、画像の物性、強度、外観を考慮して結着性樹脂粉末の組成が決定されるので、フレーク状顔料の摩擦帯電量は式1を満たすべく調整されるが、電子写真用トナーに含有される結着性樹脂粉末とフレーク顔料の摩擦帯電量がともに低く、ゼロに近い場合は、たとえ式1を満たしても、|CA|が15μC/g未満の場合は、感光体からの帯電情報伝達に際し現像効率が低下し、感光体汚染も激しくなり、フレーク状顔料の画像に移行する割合も低下するのでメタリック感が低下する。さらに、画像カブリも引き起こすので、フレーク顔料に加えて結着性樹脂粉末にも帯電調整剤を入れ、ともに帯電性を高める必要がある。
逆に|CA|が40μC/gを超える場合は帯電調整剤コーティング処理時にフレーク顔料の凝集を引き起こす傾向がある。
鉄粉やフェライトといった磁性キャリアをもちいた2成分系現像法の場合キャリア種の選択も画質に重要な影響を及ぼす。すなわち現像に先立ち摩擦帯電でトナーおよびキャリアを相反する極性に摩擦帯電させる際の分極率は、トナーのみならずキャリアの種類と性質に負うところが大きい。
本発明に用いる結着性樹脂粉末およびフレーク顔料の摩擦帯電量を測定する装置としてはブローオフ方式、吸引方式など種々の装置が市販されているが、本発明における下記の実施例における検討は最も普及している東芝ケミカル株式会社製ブローオフ摩擦帯電量測定装置TB−200を用いて行った。これらの装置は、キャリアと呼ばれる鉄粉やフェライト、マグネタイトなどの粉末と測定すべき粉末試料を混合し摩擦帯電させた後、ブローオフ、吸引などの方式により分離されたファラデーケージ内のキャリアの摩擦帯電量を電気的に測定する装置である。
したがって、測定に使用する機種あるいはキャリアの種類によって摩擦帯電量の絶対値は異なるが、本発明においてはキャリアとしてアクリルコーティングフェライトキャリア(パウダテック株式会社製 FB100)を用いて測定した。また摩擦帯電量は帯電の方法で値は変化するが、本発明においては、キャリアと試料を試料濃度3%になるようにガラス瓶に計り取り、23℃−52%RH下に3時間放置後、2,000回/10分振とうした時の摩擦帯電量を測定した。
種々の方法で作製された帯電調整剤を含有する皮膜で被覆された基体粒子からなるフレーク顔料とドライブレンドされる結着性樹脂粉末としては、熱可塑性樹脂を材質とする結着性樹脂粉末が好ましい。なお、本明細書において、結着性とは、被定着シート上で加熱溶融し圧着するとシート上に定着するような性質を言うものとする。
このような結着性樹脂粉末の材質に含まれる重合体としては、種々のビニル系芳香族モノマー(a)、アクリル系モノマー(b)の単独重合体や共重合体があげられる。さらに具体的には(a)のモノマーとしてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン、ビニルキシレンやビニルナフタレンなどがあげられる。(b)のアクリル系モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、アクリルアミドなどがあげられる。共重合体としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
また、上記のようなアクリル、スチレン系樹脂とは別にポリエステル樹脂その他の樹脂が用いられ、これらは単独あるいは組み合わせても用いられる。その具体的な例としてはブタジエン、イソプレン、クロロpレンなどほかには無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸などのエチレン系不飽和カルボン酸あるいはそのエステル類や、酢酸ビニルなどのビニルエステル塁、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルエーテル類、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどがあげられる。
また、キナクリドン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、インダンスロン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン、トリフェニルメタンキノフタロン、アントラピリミジン、黄鉛、パールマイカ、透明パールマイカ、着色マイカ、干渉マイカ、フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、アゾ顔料(アゾメチン金属錯体、縮合アゾなど)酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、銅フタロシアニン、縮合多環類顔料などの各種着色剤が、結着性樹脂粉末に含有されていてもよい。
これらの着色剤を含有させることにより、より鮮やかなメタリック画像を得ることが可能となる。これらの着色剤の配合量はその種類によって異なるが、本発明のフレーク顔料の特長が生かされ、かつ画像表面の平滑性あるいは鮮映性が損なわれない範囲に設定することが望ましい。
上記以外にも、必要に応じてオフセット防止剤、圧力定着性助剤、導電付与剤などを目的に応じて配合しうる。オフセット防止剤としてはシリコーンオイル低分子量樹脂類、各種ワックスなどが用いられ、全体の1〜15wt%で使用するのがよい。定着性助剤としてはパラフィンワックス、各種動・植物ロウ、脂肪酸アミドなどが用いられ全体の1〜15wt%で使用してもよい。
結着性樹脂粉末の平均粒径は、通常5〜50μm程度が好ましく、特に好ましくは10〜20μm程度である。平均粒径が細かいほど表面積が増加し摩擦帯電量が増加する。結着性樹脂粉末の種類によっては、平均粒径が5μm未満の場合には−120μC/gにも達する場合もある。この場合対応してフレーク顔料の摩擦帯電量も近い値にする必要があるが、かなりの量の帯電調整剤をコーティングする必要があり経済的にも不利であるしフレーク顔料の凝集という問題も生じる傾向がある。また結着性樹脂粉末の平均粒径が50μmを超える場合は、印字のエッジ部分が鮮明でなくなるなどの欠点を生じる傾向がある。
本発明においては、帯電調整剤を含有する皮膜で被覆された基体粒子からなるフレーク顔料を結着性樹脂粉末およびその他の添加剤と共にドライブレンド法にて分散させて電子写真用トナーとする。
結着性樹脂粉末の製造は公知の任意の手段で実施し得る。たとえば結着性樹脂媒質にフレーク顔料以外の着色剤と帯電調整剤を、必要により他の配合助剤と共に配合し、これを均一かつ一様に混練し、次いで粒状化して結着性樹脂粉末とする。この際上述した混練組成物を冷却したあと、これを粉砕し必要によって分級する工程も無論実施される。この場合帯電調整剤は必ずしも添加する必要は無いが、通常使用されるスチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂の場合は帯電調整剤の添加が無い場合は摩擦帯電量が不安定でかつ低いので結着性樹脂粉末自身も帯電調整剤を混練し、負の高い値に調整する必要がある。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
負帯電用樹脂系帯電調整剤(藤倉化成株式会社製:商品名アクリベースFCA−1001−NS)0.15gを1リットル容量のセパラブルフラスコ中で酢酸エチル240gに溶解させた溶液に粉体塗装用アルミニウム粉(東洋アルミニウム株式会社製:PCF5205(金属分80%))30gを加えスラリーとして350rpmで攪拌保持し均一に分散させた。
攪拌を保持しつつアルミニウムフレーク上に帯電調整剤を含有する樹脂皮膜を析出させるために沸点が173〜189℃であるようなイソパラフィン溶剤(日本石油化学株式会社製:商品名アイソゾール300)360gを約1時間の間に徐々に滴下した。さらに攪拌を保持しつつ60℃で真空乾燥して酢酸エチルのみを除去した。
得られたスラリーをブフナーロートで乾燥させ、さらにn−ヘキサン100gで洗浄した。ヘキサンでの洗浄を3回繰り返したのち3時間真空吸引濾過し完全に乾燥させ、得られたコーティング粉末を105μmの目開きのスクリーンに通過させ、帯電調整機能を有するコーティング皮膜を備えるフレーク粉末を得た。
ここで使用したPCF5205はD50=16μmのアクリル系樹脂被覆アルミニウムフレークである。D50は平均粒子径であり、試料約0.1gを0.5%界面活性剤(UNION CARBIDE社製:商品名Triton X)水溶液5gに分散させたものを、溶媒に水を使用しHoneywell社製、Microtrac 9320 X−200に滴下し、超音波で分散(40W 10秒)した後、測定した値である。
ポリエステル樹脂粉末12g(三菱レイヨン(株)製:製品名ダイヤクロンFC−714)に、ポリプロピレンワックス(三洋化成工業(株)製:製品名ビスコール660P)3wt%と、負帯電用サリチル酸亜鉛塩帯電調整剤(オリエント化学(株)製:製品名ボントロンE−84)2wt%を加え、ミキサーで10分間混合したものを、2軸型押出機で混練した後、ジェット粉砕機で粉砕し、さらに分級して平均粒径D50=15μmに調整し、結着性樹脂粉末を得た。
その結着性樹脂粉末と上記で得られたコーティング皮膜を備えるフレーク粉末4gとをドライブレンド法にて十分混合して電子写真用トナーを作製した後、これをアクリルコーティングフェライトキャリア(パウダーテック(株)製:製品名FB−100)350gに加えて十分攪拌混合して電子写真用現像剤を調整した。調整した電子写真用現像剤を市販の複写機に装着して評価用画像を作製した。この評価用画像を使用して目視にてカブリ、メタリック感を評価した。
評価結果はそれぞれの項目で良好な状態を○、中間的な状態を△、非常に悪い状態を×として表示した。さらにトナーの定着性を評価するためにテープによる密着テストを実施した。テープは住友スリーエム(株)製メンディングテープを使用し、テープにフレーク状顔料が付着しない状態を○、若干の付着が認められるものを△、大量の付着が認められるものを×として評価した。
実写終了した後の感光体汚染の状況を観察してトナーの付着の無いものを○、付着が認められるものを△、多量の付着が認められるものを×として評価した。
摩擦帯電量は、測定すべきアルミニウムフレークあるいは結着性樹脂粉末とアクリルコーティングフェライトキャリア(パウダテック(株)製 FB100)を3:97の比率で10分間、200回/分の条件で摩擦帯電させた後、東芝ケミカル(株)製ブローオフ粉体摩擦帯電量測定装置TB−200を用いて測定した。
<実施例2>
帯電調整剤として、藤倉化成(株)製、負帯電用樹脂系帯電調整剤 アクリベース FCA1001−NS 0.20gと、藤倉化成(株)製、正帯電用樹脂系帯電調整剤 アクリベース FCA−201−PS 0.10gと、を使用した以外は実施例1と同様の操作でコーティング皮膜を備えるフレーク粉末を得た。その後はそのフレーク粉末を用いて、実施例1と同様の方法で電子写真用トナー、電子写真用現像剤および評価用画像を作成し同様の評価を行った。
<実施例3>
負帯電調整剤 アクリベース FCA1001−NSの量を0.30gとした以外は実施例1と同様の方法でコーティング皮膜を備えるフレーク粉末を得た。
一方、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(三井化学(株)製:製品名アルマテックスCPR−100)にポリプロピレンワックス(三洋化成工業(株)製:製品名ビスコール660P)3wt%と正帯電用樹脂系帯電調整剤(藤倉化成(株)製:商品名アクリベースFCA1001−NS)2wt%を添加し、ミキサーにて10分間混合した後に、2軸型押出混練機にて混練し、ジェットミルで微粉砕後、風力分級により平均粒子径D50=15μmに調整し結着性樹脂粉末を得た。この結着性樹脂粉末に先ほど得られたコーティング皮膜を備えるフレーク粉末を配合して電子写真用トナーを作成後、実施例1と同様の方法で電子写真用現像剤および評価用画像を作成し同様の評価を行った。
<実施例4>
容積2リットルの四ツ口フラスコに
エポキシ化1,2ポリブタジエン 3.75g
トリメチロールプロパントリアクリレート 8.7 g
アクリル酸 0.8 g
ジビニルベンゼン 3.5 g
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 0.89g
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 1120 g
未処理アルミニウムペースト*1 141 g
を装填し、窒素ガスを導入しながら充分攪拌混合した。なお、*1:東洋アルミニウム株式会社製 5205M 金属分71%である。
系内の温度を80℃に昇温し、アゾビスイソブチルニトリルを0.6g添加し攪拌を続けながら80℃で6時間反応させた。得られたスラリー状の分散液をブフナーロートで乾燥させ、その後実施例1と同様の方法で洗浄、乾燥、スクリーン通過を行い、最終的なコーティング粉末を得た。その粉末をコーティング皮膜を備えるフレーク粉末として使用した以外は、実施例1と同様の方法で電子写真用トナー、電子写真用現像剤および評価用画像を作成し同様の評価を行った。
<比較例1>
使用するアルミニウム粉を帯電調整剤のコーティング処理を行わないPCF5205を使用する以外は実施例1と同様の方法で電子写真用トナー、電子写真用現像剤および評価用画像を作成し同様の評価を行った。
<比較例2>
使用する結着性樹脂粉末としてスチレン−アクリル酸エステル共重合体(三井化学(株)製:製品名CPR−100)を平均粒径D50=15μmに粉砕・分級した樹脂粉末を使用(帯電調整剤なし)した以外は比較例1と同様の方法で電子写真用トナー、電子写真用現像剤および評価用画像を作成し同様の評価を行った。
<比較例3>
実施例1の負帯電用樹脂系帯電調整剤(藤倉化成(株)製:商品名 アクリベース FCA−1001−NS)を0.6g使用した以外は実施例1と同様の方法で電子写真用トナー、電子写真用現像剤および評価用画像を作成し同様の評価を行った。
<比較例4>
結着性樹脂粉末として三井化学(株)製 スチレン−アクリル酸エステル共重合体(製品名:CPR−100)を平均粒径D50=15μmに粉砕・分級した樹脂粉末を使用した以外は実施例3と同様な方法で評価を行った。
<評価結果>
表1に上記実施例及び比較例で作製した電子写真用トナーの組成を、表2にその評価結果を示す。
Figure 2005134738
Figure 2005134738
上記の表1および表2から、上記の式1および式2の条件を満たす、実施例1〜4に記載する電子写真用トナーを用いて形成した写真画像は、比較例1〜4の場合と比べると、感光体汚染程度が低く、カブリが少なく、メタリック感に優れ、定着性にも優れていることがわかる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (8)

  1. フレーク状の形状を有する基体粒子と、前記基体粒子の表面を被覆する帯電調整剤を含有する皮膜と、を備える、フレーク顔料と、
    結着性樹脂粉末と、
    を含有する、電子写真用トナー。
  2. 前記結着性樹脂粉末の平均粒径は5μm〜50μmの範囲内にある、請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記フレーク顔料の摩擦帯電量と前記結着性樹脂粉末の摩擦帯電量との間に下記の式1および式2で規定される関係が成立する、請求項1に記載の電子写真用トナー。
    |CR−CA|≦10・・・(式1)
    15≦|CA|≦40・・・(式2)
    (式1および式2において、CAはフレーク顔料の摩擦帯電量(μC/g)を示し、CRは結着性樹脂粉末の摩擦帯電量(μC/g)を示す。)
  4. 前記基体粒子は金属を含有する材質からなる、請求項1に記載の電子写真用トナー。
  5. 前記帯電調整剤は、負帯電調整剤および/または正帯電調整剤を含有する、請求項1に記載の電子写真用トナー。
  6. 前記負帯電調整剤は、アゾCr錯体、サリチル酸Cr錯体、サリチル酸Zn錯体、サリチル酸Al錯体およびスルホン酸基を有する樹脂系帯電調整剤からなる群より選ばれる1種以上である、請求項5に記載の電子写真用トナー。
  7. 前記正帯電調整剤は、アジン系化合物のニグロシン、アジン系化合物のニグロシン塩基類、アジン系化合物のニグロシン誘導体、ナフテン酸の金属塩類、ナフテン酸の4級アンモニウム塩、ナフテン酸のアルキルアミド、高級脂肪酸の金属塩類、高級脂肪酸の4級アンモニウム塩、高級脂肪酸のアルキルアミドおよび樹脂系化合物の4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種以上である、請求項5に記載の電子写真用トナー。
  8. 前記結着性樹脂粉末は、熱可塑性樹脂を材質とする、請求項1に記載の電子写真用トナー。
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