JP2739982B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などにおける
静電荷像を現像するための乾式トナーに関し、詳しく
は、特定の金属錯体化合物を負荷電制御剤(負極性制御
剤)として含有する静電荷像現像用トナーに関する。
〔従来技術〕
電子写真感光体や静電記録体上に形成された静電荷像
を現像する手段としては、液体現像剤を用いる方式(湿
式現像法)と、結着樹脂中に染料、顔料などの着色剤を
分散させたトナー或いはこのトナーを固体キヤリアと混
合した1成分型又は2成分型乾式現像剤(乾式トナー)
を用いる方式(乾式現像法)とが一般に採用されてい
る。そして、これら方式にはそれぞれ長所・短所がある
が、現在では乾式現像法が多く利用されている。
ところで、従来の乾式トナーにおいては単に結着樹脂
に着色剤を分散させただけのものでは望ましい帯電性が
得られないため、これに荷電制御剤が適当量添加されて
いるのが普通である。従来の荷電制御剤の代表例として
は、(i)トナーに正電荷を与えるものとして例えばニ
グロシン系の油溶性染料、第四級アンモニウム塩、アル
キル基を有するアジン系染料、塩基性染料、塩基性染料
のレーキなどが、また(ii)トナーに負電荷を与えるも
のとして例えば含クロムモノアゾ錯体、含クロムサリチ
ル酸化合物錯体、含クロル有機染料(銅フタロシアニン
グリーン、含クロルモノアゾ染料)などの含金属染料が
挙げられる。しかしこれらの荷電制御剤はトナーとして
の使用初期には良好な荷電制御性を示すものの、長時間
使用するに従って次第にこの性能が低下してトナーの摩
擦帯電性が劣化する結果、初期と同等の高品質画像を形
成することは困難となる上、トナー同志或いは感光体等
との摩擦、キャリアとの衝突等により脱落して感光体等
に付着(いわゆるトナーフイルミング)、汚染する。特
にこの傾向は高温高湿下で著しかった。しかも前述のよ
うな荷電制御剤の殆んどは着色物質であるため、同一色
調のトナー用にしか使用できず、また特にカラートナー
用として用いる場合は鮮明なカラー画像を形成すること
は困難であった。
〔目的〕
本発明の目的は安定した摩擦帯電性を与える無色(白
色)ないし淡色の負荷電制御剤を用いることにより、連
続コピーなど長時間の使用においても画質の劣化を起こ
さず、しかもトナーフイルミングにより感光体等を汚染
せず、容易に鮮明なカラー画像を形成できる。長寿命で
且つ環境安定性の優れた静電荷像現像用乾式トナーを提
供することである。
〔構成〕
本発明のトナーは樹脂、着色剤及び荷電制御剤を主成
分とする静電荷像現像用トナーにおいて、負荷電制御剤
として下記一般式I: (但しR1及び,R2は同一でも異なってもよく、水素原
子、ハロゲン原子、C1〜C8のアルキル基、C1〜C8のアル
コキシ基、カルボキシエステル基、ニトロ基、スルホン
アミド基又はシアノ基を表わし、R3は水素原子又はC1
C8のアルキル基を表わし、MはZn,Cr,Co,Ni,Fe,Cr及びA
lから選ばれた金属原子を表わし、またmはMの原子価
数と同じ数を表わす。) で示されるインドールカルボン酸金属塩、一般式II: (但しR1,R2,M,mは一般式Iに同じ) で示されるキノリンカルボン酸金属塩及び一般式III: (但しR4,R5は同一でも異なってもよく、水素原子、
炭素数1〜10のアルキル基、アミノ基又は炭素数1〜10
のアルキルアミノを表わし、MはZn,Co,Ni,Fe及びTeか
ら選ばれた金属原子を表わし、またnはMの原子価数と
同じ数を表わす。) で示されるベンゾチアゾール誘導体金属塩よりなる群か
ら選ばれた少くとも1種を用いたことを特徴とするもの
である。
このように本発明のトナーは以上のような金属塩から
なる負荷電制御剤を用いた点に特徴がある。これらの金
属錯体は公知の方法で合成でき、例えば一般式Iの金属
塩の場合は相当するインドールカルボン酸の水溶液を、
また一般式IIの金属塩の場合は相当するキノリンカルボ
ン酸の水溶液をアルカリで中和し、これに相当する金属
の塩の水溶液を加えて金属交換することにより、また一
般式IIIの金属塩の場合は相当するベンゾチアゾール誘
導体の水溶液に、相当する金属の塩の水溶液を加えて金
属交換することにより、容易に得られる。その合成例を
以下に示す。
合成例1 インドールカルボン酸0.1moleを水50mlに70℃に加熱
しながら溶解し、これに水酸化ナトリウム0.1moleを加
えて中和した後、ZnSO4・7H2Oを0.05mole加える。溶液
は白濁し、白色沈澱物としてインドールカルボン酸亜鉛
塩(一般式IでR1=R2=R3=H,M=Zn)が得られる。
合成例2 インドールカルボン酸の代りにキノリンカルボン酸を
用いる他は合成例1と同様にして白色沈澱物としてキノ
リンカルボン酸亜鉛塩(一般式IIでR1=R2=H,M=Zn)
を得る。
合成例3 2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩の水
溶液に硫酸亜鉛の水溶液を加えて2−メルカプトベンゾ
チアゾール亜鉛塩(一般式IIIでR4=R5=H,M=Zn)を得
る。
以上のようにして得られる一般式I,II及びIIIの金属
塩の具体例は次の通りである。
本発明のトナーに使用されるその他の成分は従来と全
く同じでよい。即ち結着樹脂としてはポリスチレン、ポ
リp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチ
レン及びその置換体の単重合体;スチレン〜p−クロロ
スチレン共重合体、スチレン〜プロピレン共重合体、ス
チレン〜ビニルトルエン共重合体、スチレン〜ビニルナ
フタレン共重合体、スチレン〜アクリル酸メチル共重合
体、スチレン〜アクリル酸エチル共重合体、スチレン〜
アクリル酸ブチル共重合体、スチレン〜アクリル酸オク
チル共重合体、スチレン〜メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン〜メタクリル酸エチル共重合体、スチレン
〜メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン〜α−クロル
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン〜アクリロニト
リル共重合体、スチレン〜ビニルメチルエーテル共重合
体、スチレン〜ビニルエチルエーテル共重合体、スチレ
ン〜ビニルメチルケトン共重合体、スチレン〜ブタジエ
ン共重合体、スチレン〜イソプレン共重合体、スチレン
〜アクリロニトリル〜インデン共重合体、スチレン〜マ
レイン酸共重合体、スチレン〜マレイン酸エステル共重
合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレ
ート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポ
リビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変
性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は
脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフ
ィン、パラフィンワックス及びそれらの混合物等が挙げ
られる。
また特に圧力定着用に好適な結着樹脂としてポリオレ
フィン(低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、酸化ポリエチレン、ポリ4弗化エチレンなど)、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン〜ブタジエン
共重合体(モノマー比5〜30:95〜70)、オレフィン共
重合体(エチレン〜アクリル酸共重合体、エチレン〜ア
クリル酸エステル共重合体、エチレン〜メタクリル酸共
重合体、エチレン〜メタクリル酸エステル共重合体、エ
チレン〜塩化ビニル共重合体、エチレン〜酢酸ビニル共
重合体、アイオノマー樹脂)、ポリビニルピロリドン、
メチルビニルエーテル〜無水マレイン酸共重合体、マレ
イン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹
脂及びそれらの混合物を例示することができる。
着色剤としては各種染料及び顔料、例えばカーボンブ
ラック、ランプブラック、オイルブラック、アゾオイル
ブラック、スーダンブラックSM、鉄黒(マグネタイ
ト)、ファーストイエローC、ベンジジンイエロー、ピ
グメントイエロー、クロムイエロー、キノリンイエロ
ー、ハンザイエローG、ニグロシン染料、インドファー
ストオレンジ、イルガジンレッド、パラニトロアニリン
レッド、トルイジンレッド、デュポンオイルレッド、ロ
ーズベンガル、カーミンFE、パーマネントボルドーFR
R、ピグメントオレンジR、リソールレッド2G、レーキ
レッドC、ローダミンFB、ローダミンEレーキ、メチル
バイオレットEレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメ
ントブルー、群青、アニリンブルー、カルコオイルブル
ー、ウルトラマリンブルー、メチレンブルークロリド、
フタロシアニンブルー、ブリリアントグリーンE、フタ
ロシアニングリーン、ローダミン6Gレーキ、キナクリド
ン、マラカイトグリーンヘキサレート、オイルイエロー
GG、ザボンファーストイエローGGG、カヤセットY963、
カヤセットYG、スミプラストイエローGG、ザボンファー
ストオレンジRR、オイルスカーレット、スミプラストオ
レンジ、オラゾールブラウンE、ザボンファーストスカ
ーレットCG、アイゼンスピロンレッドBEH、オイルピン
クOP、アゾ顔料(モノアゾ系、ジスアゾ系及びトリスア
ゾ系)、トリアリルメタン系染料及びそれらの混合物が
挙げられる。
本発明のトナーには上記成分のほかに必要に応じてト
ナーの熱特性、電気特性、物理特性などを改良又は調整
する目的で各種の可塑剤(フタル酸ジブチル、フタル酸
ジオクチルなど)、抵抗調整剤又は導電性付与剤(酸化
錫、酸化鉛、酸化アンチモン、カーボンブラックな
ど)、流動性改良剤又はケーキング防止剤(コロイダル
シリカ、アルミナなど)、研摩剤(酸化セリウム、アル
ミナ、酸化チタン、炭化珪素など)、潤滑剤(弗素樹脂
粉末,ステアリン酸亜鉛のような高級脂肪酸金属塩な
ど)、定着助剤(低分子量ポリオレフィンなど)等の助
剤を添加することができる。また帯電特性調整のため、
少量ならば公知の荷電制御剤を添加することも可能であ
る。
本発明の乾式トナーはキャリアと混合して2成分型現
像剤としての利用が特に有効であるが、そのまゝで又は
磁性材料を含有させて1成分型現像剤(磁性材料を含有
したものは磁性トナーと呼ばれる。)として使用しても
よい。
2成分型現像剤に用いられるキャリアとしては公知の
ものが全て使用でき、例えばa)マグネタイト、ヘマタ
イト、フェライト等の酸化鉄、又は酸化鉄系合金、b)
鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、c)強磁性金
属とアルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、
アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カル
シウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バ
ナジウム等の非磁性金属との合金及びその混合物等の磁
性材料の粉末;ガラスビーズ;及びそれらの表面にスチ
レン〜アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、
ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂等の樹脂をコートし
たもの等が挙げられる。なおこれらキャリアの粒径は約
40〜約200μm(400〜70メッシュ)程度が適当である。
磁性トナーに用いられる磁性材料も2成分型現像剤に
用いられるものと同様でよい。磁性トナーの場合、磁性
粉の平均粒径は0.1〜2μm程度が適当である。
本発明のトナーは従来と同様、以上の成分をロールミ
ル等で混練溶融し、冷却後、得られた塊を粉砕、分級す
ることにより作られる。なお2成分型トナーの場合、着
色剤及び負荷電制御剤の使用量は夫々樹脂成分100重量
部当り1〜30重量部、0.1〜30重量部程度が適当であ
る。この場合、負荷電制御剤の量が0.1重量部未満では
トナーの負帯電が不足し実用的ではなく、また30重量部
を越えると、トナーの帯電量が大き過ぎてキャリアとの
静電的吸引力増大のため、現像剤の流動性低下や画像濃
度の低下を招くという問題が生じる。また1成分型トナ
ーの場合も樹脂、着色剤及び負荷電制御剤の使用量は2
成分型トナーと同等でよいが、磁性材料の使用量は樹脂
成分100重量部当り通常約20〜200重量部、好ましくは40
〜150重量部である。
以下に本発明を実施例によって説明する。なお部は全
て重量部である。
実施例1 スチレン〜n−ブチルメタクリレート共重合体 100部 ポリプロピレン 5部 C.I.ピグメントブルー15 5部 No.I−(1)の金属塩 5部 よりなる混合物をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合
した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱
溶融し、これを室温まで冷却した。この混練物を粉砕分
級し5〜15μmの粒径の青色トナーを得た。
このトナー3部とシリコーン樹脂を被覆した100〜250
メッシュのフェライトキャリア97部とをボールミルで混
合し、2成分型現像剤を調製した。
この現像剤を電子写真複写機(リコー社製FT−4060)
にセットし、コピーを行ったところ鮮明な青色画像が得
られ、この画像品質は20万枚連続コピー後も変らなかっ
た。
このトナーの帯電量をブローオフ法で調べたところ、
初期の帯電量は−22.5μc/gであり、20万枚コピー後に
おけるトナーの帯電量は−21.5μc/gで初期値と殆んど
差が認められなかった。また35℃90%RHという高湿環境
下及び15℃10%RHという低湿環境下でも常湿下の場合と
殆んど同等の画像が得られた。なお感光体へのトナーの
フイルミングも認められなかった。
実施例2 スチレン〜2−エチルヘキシル アクリレート共重合体 100部 ポリエチレン 5部 C.I.ピグメントレッド81 5部 C.I.ピグメントレッド48 3部 No.I−(2)の金属塩 5部 よりなる混合物を実施例1と同様に溶融混練後、粉砕分
級して5〜20μmの粒径の赤色トナーを得た。次にこの
トナー100部に炭化珪素(粒径約2μm)3部を加え、
スピードニーダーで十分攪拌混合して1成分型現像剤を
調製した。
この現像剤を第1図に示したような現像装置に入れコ
ピーを行なったところ鮮明な赤色画像が得られた。この
画像品質は5万枚連続コピー後も変らなかった。
またトナー搬送部材上のトナーの帯電量(比電荷量Q/
Mとして)を吸引法比電荷量測定装置(出口側にフイル
ター層を備えたファラデーケージ内に前記部材上のトナ
ーを吸引、トラップしてQ/Mを測定する装置)で測定し
たところ、−9.3μc/gと十分な帯電量を有することが確
認された。また5万枚コピー後の帯電量は−8.5μc/g
で、初期と殆んど差がなかった。更に高湿下でも低湿下
でも常湿下の場合と殆んど同等の画像が得られた。なお
感光体へのトナーフイルミングも認められなかった。
なお、第1図に示した現像方法について説明すると、
トナータンク7に収納されているトナー6は攪拌羽根5
によりスポンジローラ4に強制的に寄せられ、トナー6
はスポンジローラ4に供給される。そして、スポンジロ
ーラ4に取り込まれたトナー6はスポンジローラ4が矢
印方向に回転することにより、トナー搬送部材2に運ば
れ、摩擦され、静電的あるいは物理的に吸着し、トナー
搬送部材2が矢印方向に強く回転し、弾性ブレード3に
より均一なトナー薄層が形成されるとともに摩擦帯電す
る。その後、トナー搬送部材2と接触もしくは近接して
いる静電荷像担持体1の表面に運ばれ、静電荷像が現像
される。本実施例では静電荷像担持体としてSe感光体を
用い、これに+800VのDC帯電をした後、画像露光して静
電荷像を形成し、続いてこの静電荷像は現像される。
実施例3 エポキシ樹脂 100部 ポリプロピレン 5部 C.I.ピグメントブルー15 2部 C.I.ピグメントイエロー17 5部 No.I−(5)の金属塩 3部 よりなる混合物を実施例1と同様に溶融混練後、粉砕分
級して粒径が5〜20μmの粒径の緑色トナーを得た。
次にこのトナー5部と100〜200メッシュの鉄粉100部
とをボールミルで混合し、2成分型現像剤を調製した。
以下この現像剤を用いて実施例1と同様にコピーを行
なったところ、鮮明な緑色画像が得られ、またこの画像
は20万枚連続コピー後も変わらず、高湿下あるいは低湿
下でも常湿下の場合と殆んど差のない画像であった。ま
たトナーの帯電量は初期−20.2μc/g、20万枚コピー後
−19.3μc/gで殆んど差がなかった。なお感光体へのト
ナーのフイルミングも認められなかった。
実施例4 不飽和ポリエステル樹脂 100部 カーボンブラック 10部 含金属モノアゾ染料 1部 No.I−(6)の金属塩 5部 よりなる混合物を実施例1と同様に溶融混練後、粉砕分
級して5〜20μmの粒径の黒色トナーを得た。
次にこのトナー100部に炭化珪素(粒径2μm)2部
及び疎水性コロイダルシリカ0.1部を加え、実施例2と
同様に攪拌混合して1成分型現像剤を調製した。
以下この現像剤を実施例2と同じ現像装置に入れ、同
様にコピーを行なったところ、鮮明な黒色画像が得ら
れ、またこの画像は5万枚連続コピー後も変らず、高湿
下でも低湿下でも常湿下の場合と殆んど差のない画像で
あった。またトナーの帯電量(吸引法比電荷量測定装置
で測定)は初期−8.3μc/g、5万枚コピー後−7.1μc/g
で殆んど変らなかった。なお感光体へのトナーのフイル
ミングも認められなかった。
実施例5〜8 表−1に示す現像剤組成で実施例1と同様の方法によ
り2成分型乾式現像剤を調製した。これらトナーの画像
性及び帯電性などについてもあわせて表−1にまとめて
示した。なお、これら実施例のすべてにおけるトナーは
高湿下でも低湿下でも常湿下の場合と同等の画像品質が
得られた。またいずれの実施例においても感光体へのト
ナーのフイルミングも認められなかった。
実施例9 No.I−(1)の金属塩5部の代りにNo.I−(21)の金
属塩4部を用いた他は実施例1と同じ方法で5〜20μm
の粒径の青色トナーを得た。
次にこのトナー2.5部と、100〜250メッシュのフェラ
イトキャリア97.5部とを混合して2成分型現像剤を調製
した。
以下この現像剤を用いて実施例1と同様にコピーを行
なったところ、鮮明な青色画像が得られ、この画像品質
は20万枚連続コピー後も変らかなった。
このトナーの初期の帯電量は−20.5μc/gであり、20
万枚コピー後におけるトナーの帯電量は−19.2μc/g
で、初期値と殆んど差が認められなかった。また高湿下
でも低湿下でも常湿下の場合と殆んど同等の画像が得ら
れた。なお感光体へのトナーのフイルミングも認められ
なかった。
実施例10 スチレン〜2−エチルヘキシルアクリレート共重合体10
0部 ポリプロピレン 5部 C.I.ピグメントレッド57 5部 C.I.ピグメントレッド48 3部 No.I−(22)の金属塩 3部 よりなる混合物を実施例1と同様に溶融混練後、粉砕分
級して5〜20μmの粒径の赤色トナーを得た。次にこの
トナー100部に炭化珪素(粒径約2μm)3部及び疎水
性コロイダルシリカ0.1部を加え、スピードニーダーで
十分攪拌混合して1成分型現像剤を調製した。
この現像剤を第1図に示したような現像装置(但し本
実施例では静電潜像保持部材として有機感光体を使用)
に入れコピーを行なったところ鮮明な赤色画像が得られ
た。この画像品質は5万枚連続コピー後も変らなかっ
た。本実施例では有機感光体に−800VのDC帯電をした
後、画像露光して静電荷像を形成し、続いてこの静電荷
像は反転現像される。
また、トナー搬送部材上のトナーの帯電量を実施例2
と同じ吸引法比電荷量測定装置で測定したところ、−1
2.1μc/gと十分な帯電量を有することが確認された。ま
た5万枚コピー後の帯電量は−9.5μc/gで、初期と殆ん
ど差がなかった。更に高湿下でも低湿下でも常湿下の場
合と殆んど同等の画像が得られた。なお感光体へのトナ
ーのフイルミングも認められなかった。
実施例11 No.I−(5)の金属塩3部の代りにNo.I−(23)の金
属塩4部を用い、且つポリプロピレンをポリエチレンに
変えた他は実施例3と同じ方法で5〜20μmの粒径の緑
色トナーを得た。
次にこのトナー3.5部と、100〜200メッシュのフェラ
イトキャリア96.5部とを混合して2成分型現像剤を調製
した。
以下この現像剤を用いて実施例1と同様にコピーを行
なったところ、鮮明な緑色画像が得られ、この画像品質
は20万枚連続コピー後も変らなかった。
このトナーの初期の帯電量は−18.5μc/gであり、20
万枚コピー後におけるトナーの帯電量は−16.9μc/g
で、初期値と殆んど差が認められなかった。また高湿下
でも低湿下でも常湿下の場合と殆んど同等の画像が得ら
れた。なお感光体へのトナーのフイルミングも認められ
なかった。
実施例12 不飽和ポリエステル樹脂 100部 ポリプロピレン 5部 カーボンブラック 10部 No.I−(25)の金属塩 2部 よりなる混合物を実施例1と同様に溶融混練後、粉砕分
級して5〜25μmの粒径の黒色トナーを得た。
次にこのトナー100部に炭化珪素(粒径2μm)2部
及び疎水性コロイダルシリカ0.1部を加え、実施例2と
同様に攪拌混合して1成分型現像剤を調製した。
以下この現像剤を実施例2と同じ現像装置に入れ、同
様にコピーを行なったところ、鮮明な黒色画像が得ら
れ、またこの画像は5万枚連続コピー後も変らず、高湿
下でも低湿下でも常湿下の場合と殆んど差のない画像で
あった。またトナーの帯電量(吸引法比電荷量測定装置
で測定)は初期−24.6μc/g、5万枚コピー後−23.1μc
/gで殆んど変らなかった。なお感光体へのトナーのフイ
ルミングも認められなかった。
実施例13〜17 表−2に示す現像剤組成で実施例1と同様の方法によ
り2成分型乾式現像剤を調製した。これらトナーの画像
性及び帯電性などについてもあわせて表−2にまとめて
示した。なおこれら実施例のすべてにおけるトナーは高
湿下でも低湿下でも常湿下の場合と同等の画像品質が得
られた。またいずれの実施例においても感光体へのトナ
ーのフイルミングも認められなかった。
実施例18 金属塩としてNo.II−(1)のものを用いた他は実施
例1と同じ方法で5〜15μmの粒径の青色トナーを得
た。
次にこのトナー3部と、ポリメチルメタクリレートを
被覆した100〜250メッシュのフェライトキャリア97部と
を混合して2成分型現像剤を調製した。
以下この現像剤を用いて実施例1と同様にコピーを行
なったところ、鮮明な青色画像が得られ、この画像品質
は20万枚連続コピー後も変らなかった。
このトナーの初期の帯電量は−20.5μc/gであり、20
万枚コピー後におけるトナーの帯電量は−19.8μc/g
で、初期値と殆んど差が認められなかった。また高湿下
でも低湿下でも常湿下の場合と殆んど同等の画像が得ら
れた。なお感光体へのトナーのフイルミングも認められ
なかった。
実施例19 No.I−(2)の金属塩5部の代りにNo.II−(3)の
金属塩3部を用いた他は実施例2と同じ方法で5〜15μ
mの粒径の赤色トナーを得た。
以下このトナーを用いて実施例2と同様にして1成分
型現像剤を作り、実施例2と同様な方法でコピーを行な
ったところ、鮮明な赤色画像が得られ、またこの画像品
質は5万枚連続コピー後も変らなかった。このトナーの
帯電量は初期−8.5μc/g、5万枚コピー後−7.6μc/gで
殆んど差がなかった。更に高湿下でも低湿下でも常湿下
の場合と殆んど同等の画像が得られた。なお感光体への
トナーのフイルミングも認められなかった。
実施例20 No.I−(5)の金属塩3部の代りにNo.II−(6)の
金属塩2部を用いた他は実施例3と同じ方法で5〜20μ
mの粒径の緑色トナーを得た。
以下このトナーを用いて実施例3と同様にして2成分
型現像剤を作り、実施例1と同様にコピーを行なったと
ころ、鮮明な緑色画像が得られ、またこの画像は20万枚
連続コピー後も変わらず、高湿下でも低湿下でも常湿下
の場合と殆んど差のない画像であった。またトナーの帯
電量は初期−17.8μc/g、20万枚コピー後−17.3μc/gで
殆んど変らなかった。なお感光体へのトナーのフイルミ
ングも認められなかった。
実施例21 金属塩としてNo.II−(5)のものを用い、且つ含金
属モノアゾ染料の量を2部とした他は実施例4と同じ方
法で5〜20μmの粒径の黒色トナーを得た。
以下このトナーを用いて実施例4と同様にして1成分
型現像剤を作り、実施例2と同様な方法でコピーを行な
ったところ、鮮明な黒色画像が得られ、またこの画像品
質は5万枚連続コピー後も変わらなかった。またトナー
の帯電量は初期−12.1μc/g、5万枚コピー後−10.9μc
/gで殆んど差がなかった。高湿下でも低湿下でも常湿下
の場合と殆んど同等の画像が得られた。なお感光体への
トナーのフイルミングも認められなかった。
実施例22〜25 表−3に示す現像剤組成で実施例1と同様な方法によ
りトナーを作り、これらトナーの画像性及び帯電性につ
いても併せて同表に示した。なおいずれの実施例におい
ても高湿下でも低湿下でも常湿下の場合と殆んど同等の
画像が得られた。また感光体へのトナーのフイルミング
も認められなかった。
実施例26 No.I−(1)の金属塩5部の代りにNo.III−(1)の
金属塩3部を用いた他は実施例1と同じ方法で5〜15μ
mの粒径の青色トナーを作った。
次にこのトナー2.5部と実施例1で用いたシリコーン
樹脂被覆キャリア97.5部とをボールミルで混合し、2成
分型現像剤を調製した。
以下この現像剤を用いて実施例1と同様にコピーを行
なったところ、鮮明な青色画像が得られ、この画像品質
は20万枚連続コピー後も変らなかった。またトナーの帯
電量は初期−16.2μc/g、20万枚コピー後−15.1μc/g
で、殆んど差がなかった。また高湿下でも低湿下でも常
湿下の場合と殆んど同等の画像が得られた。なお感光体
へのトナーフイルミングも認められなかった。
実施例27 スチレン〜2−エチルヘキシルアクリレート共重合体10
0部 ポリプロピレン 5部 C.I.ピグメントレッド57 5部 C.I.ピグメントレッド48 3部 No.III−(2)の金属塩 5部 よりなる混合物を実施例1と同様に溶融混練後、粉砕分
級して5〜20μmの粒径の赤色トナーを得た。
次にこのトナー100部に炭化珪素(粒径約2μm)3
部及び疎水性コロイダルシリカ0.1部を加え、スピード
ニーダで十分攪拌混合して1成分型現像剤とした。
以下この現像剤を実施例2で用いた現像装置に入れ、
コピーを行なったところ、鮮明な赤色画像が得られた。
この画像品質は5万枚連続コピー後も変らなかった。ま
たこのトナーの帯電量は吸引法比電荷量測定装置で測定
したところ、初期−10.2μc/g、5万枚コピー後−8.6μ
c/gと殆んど差がなかった。また高湿下でも低湿下でも
常湿下の場合と殆んど同等の画像が得られた。なお感光
体へのトナーフイルミングも認められなかった。
実施例28 エポキシ樹脂 100部 ポリエチレン 5部 C.I.ピグメントブルー15 5部 C.I.ピグメントイエロー17 5部 No.III−(5)の金属塩 4部 よりなる混合物を実施例1と同様に溶融混練後、粉砕分
級して5〜20μmの粒径の緑色トナーを得た。
次にこのトナー3.5部と100〜200メッシュの鉄粉キャ
リア96.5部とをボールミルで混合し、2成分型現像剤を
調製した。
以下この現像剤を用いて実施例1と同様にコピーを行
なったところ、鮮明な緑色画像が得られ、またこの画像
は20万枚コピー後も変らなかった。またトナーの帯電量
は初期−17.8μc/g、20万枚コピー後−16.2μc/gで、殆
んど差がなかった。また高湿下でも低湿下でも常湿下の
場合と殆んど同等の画像が得られた。なお感光体へのト
ナーのフイルミングも認められなかった。
実施例29 不飽和ポリエステル 100部 ポリプロピレン 5部 カーボンブラック 10部 No.III−(6)の金属塩 2.5部 よりなる混合物を実施例1と同様に溶融混練後、粉砕分
級して5〜25μmの粒径の黒色トナーを得た。
次にこのトナー100部に炭化珪素(粒径2μm)2.5部
及び疎水性コロイダルシリカ0.1を加え、スピードニー
ダで十分攪拌混合して1成分系現像剤とした。
以下この現像剤を実施例2で用いた現像剤に入れ、コ
ピーを行なったところ、鮮明な黒色画像が得られた。こ
の画像品質は5万枚連続コピー後も変らなかった。また
このトナーの帯電量は吸引法比電荷量測定装置で測定し
たところ、初期−9.5μc/g、5万枚コピー後−8.8μc/g
と殆んど差がなかった。更に高湿下でも低湿下でも常湿
下の場合と殆んど同等の画像が得られた。なお感光体へ
のトナーのフイルミングも認められなかった。
実施例30〜33 表−3に示す現像剤組成で実施例1と同様の方法によ
り2成分型乾式現像剤を調製した。これらトナーの画像
性及び帯電性などについてもあわせて表−4にまとめて
示した。なお、これら実施例のすべてにおけるトナーは
高湿及び低湿下でも常湿下の場合と同等の画像品質が得
られた。またいずれの実施例においても感光体へのトナ
ーのフイルミングも認められなかった。
〔効果〕 本発明のトナーは負荷電制御剤として以上のような金
属塩を含むので、次のような利点がある。
1)負極性の安定した摩擦帯電性が得られる。
2)長時間の使用においても初期と同等の高品質の鮮明
な画像(特にカラー画像)が得られ、従って高寿命であ
る。
3)荷電制御剤の脱落によるキャリア等の汚染がない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例で使用した現像装置の一例の概
略図である。 1…静電潜像担持体、2…トナー搬送部材 3…弾性ブレード、4…スポンジローラー 5…攪拌羽根、6…トナー 7…トナータンク

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結着樹脂、着色剤及び荷電制御剤を主成分
    とする静電荷像現像用トナーにおいて、負荷電制御剤と
    して一般式I: (但しR1及び,R2は同一でも異なってもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、C1〜C8のアルキル基、C1〜C8のアル
    コキシ基、カルボキシエステル基、ヒドロキシ基、ニト
    ロ基、スルホンアミド基又はシアノ基を表わし、R3は水
    素原子又はC1〜C8のアルキル基を表わし、MはZn,Co,N
    i,Fe,Cr及びAlから選ばれた金属原子を表わし、またm
    はMの原子価数と同じ数を表わす。) で示されるインドールカルボン酸金属塩及び一般式II: (但しR1,R2,M,mは一般式Iに同じ)で示されるキノリ
    ンカルボン酸金属塩よりなる群から選ばれた少くとも1
    種を用いたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】結着樹脂、着色剤及び荷電制御剤を主成分
    とする静電荷像現像用トナーにおいて、負荷電制御剤と
    して一般式III: (但しR4,R5は同一でも異なってもよく、水素原子、炭
    素数1〜10のアルキル基、アミノ基又は炭素数1〜10の
    アルキルアミノ基を表わし、MはZn,Co,Ni,Fe及びTeか
    ら選ばれた金属原子を表わし、またnはMの原子価数と
    同じ数を表わす。) で示されるベンゾチアゾール誘導体金属塩を用いたこと
    を特徴とする静電荷像現像用トナー。
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