JP5556463B2 - 現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、フレーク状の形状を有する基体粒子、及びこの基体粒子の表面を被覆する耐電調整剤を含有する被膜を備えたフレーク顔料と、結着性樹脂粉末と、を含有したトナーが提案されている。
また、特許文献3には、金色のトナーとして、光を反射するフレーク状物質を含むトナーが提案されている。
また、特許文献5には、金属粉、無機化合物粉、またはこれらの混合原料粉のいずれかを回路形成用トナー粉として用い、このトナー粉と共に用いるキャリアとして、芯材粒子の粒子表面にアミノ基含有ポリマーを含有するアクリル樹脂組成物を用いた樹脂被覆層を有する構成のキャリアを用いることが提案されている。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、顔料粒子としてアルミニウム顔料を含有するトナーであり、前記トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長く、前記トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と前記顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる前記顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上であり、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であるトナーと、内部空隙率が8%以下のコア粒子、及び該コア粒子の表面に設けられ側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有した樹脂層を有するキャリアと、を含む現像剤である。
請求項4に係る発明は、前記共重合体における前記側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の含有量が80質量%以上99.9質量%以下である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の現像剤である。
請求項5に係る発明は、前記共重合体の重量平均分子量Mwが20000以上200000以下である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の現像剤である。
請求項7に係る発明は、前記トナーは、前記顔料粒子の平均最大厚さを1とした場合の平均最大長さの比(アスペクト比)が10以上である請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の現像剤である。
請求項8に係る発明は、前記平均最大厚さCと前記平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.500以下の範囲にある請求項7に記載の現像剤である。
請求項10に係る発明は、像保持体、被帯電部材を帯電する帯電装置、被形成部材に静電潜像を形成する潜像形成装置、及びトナー像を被記録体へ転写する転写装置のうちの少なくとも1つと、静電潜像を請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の現像剤に含まれるトナーによってトナー像として現像する現像装置と、を備えたプロセスカートリッジである。
請求項4に係る発明によれば、共重合体における側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の含有量が、本発明の範囲外である場合に比べて、高湿環境下でのキャリアの吸湿性が抑制される。
請求項6に係る発明によれば、側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが(メタ)アクリル酸シクロヘキシルではない場合に比べて、キャリアの帯電性能が向上される。
請求項8に係る発明によれば、本発明のトナーを用いない場合に比べて、さらに、形成される画像の光輝性が維持される。
請求項11に係る発明によれば、本発明におけるキャリア及びトナーを用いない場合に比べて、環境湿度が変動した場合であっても、形成される画像の光輝性が維持される画像形成装置が提供される。
≪現像剤≫
本実施の形態に係る現像剤は、トナーとキャリアとを含むに二成分現像剤である。
本実施の形態の現像剤に含まれるトナーは、光輝性を有し、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下のトナーである。ここで「光輝性」とは、該トナーによって形成された画像を視認した際に金属光沢のごとき輝きを有することを表す。
また、本実施の形態の現像剤に含まれるキャリアは、内部空隙率が8%以下のコア粒子及び該コア粒子の表面に設けられた樹脂層を有し、該樹脂層が、側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有したキャリアである。
但し、本実施の形態に係る現像剤のトナーとしては、上記に加え、顔料粒子としてアルミニウム顔料を含有するトナーであり、トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長く、トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上であるトナーを適用する。
上記効果が奏される理由は明らかとなっていないが、以下のように推測される。しかしながら下記推測によって本発明は限定されない。
シクロアルキル基を有するアクリル樹脂は、疎水性が高く、帯電環境差に対して優れている。そして、本実施の形態の現像剤におけるキャリアでは、樹脂層が、シクロアルキル基を有するモノマーと窒素原子を有するモノマーとの共重合体を含有しているので、窒素原子を有するモノマーがコア粒子側に配向し、コア粒子と樹脂層との密着性が確保されると考えられる。さらに、コア粒子の内部空隙率が8%以下であるので、コア粒子内部に樹脂層が入りすぎず、適度にコア粒子表面に接着することから樹脂層との密着性が更に向上すると考えられる。このような、特性を有するキャリアと、光輝性を有する本実施の形態のトナーとを含む現像剤とすることで、環境湿度が変動した場合であっても、水分の影響によるキャリアの樹脂層への影響が抑制され、結果的に、トナーへの物理的な負荷が抑制されると推測される。このため、本実施の形態における現像剤は、本実施の形態におけるトナー及びキャリアを用いない場合に比べて、環境湿度が変動しても、本実施の形態の現像剤を用いて形成される画像の光輝性が維持されると考えられる。
以下、各成分の詳細について説明する。
上述のように、本実施形態に係るトナーは、光輝性を有し、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下のトナーである。
一方、比(A/B)が100を超えると、反射光を視認し得る視野角が狭くなり過ぎ、正反射光成分が大きいために見る角度によって黒っぽく見えてしまうと考えられる。また、比(A/B)が100を超えるトナーは、製造も困難である。
ここで、まず入射角および受光角について説明する。本実施形態において変角光度計による測定の際には、入射角を−45°とするが、これは光沢度の広い範囲の画像に対して測定感度が高いためである。
また、受光角を−30°および+30°するのは、光輝感のある画像と光輝感のない画像を評価するのに最も測定感度が高いためである。
本実施形態においては、比(A/B)を測定するに際し、まず「ベタ画像」を以下の方法により形成する。試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度190℃、定着圧力4.0kg/cm2にて、トナー載り量が4.5g/cm2のベタ画像を形成する。なお、前記「ベタ画像」とは、印字率100%の画像を示す。
形成したベタ画像の画像部に対し、変角光度計として日本電色工業社製の分光式変角色差計GC5000Lを用いて、ベタ画像への入射角−45°の入射光を入射し、受光角+30°における反射率Aと受光角−30°における反射率Bを測定する。尚、反射率Aおよび反射率Bは、400nmから700nmの範囲の波長の光について20nm間隔で測定を行い、各波長における反射率の平均値とした。これらの測定結果から比(A/B)が算出される。
なお、このトナーにおける上記A/B比の測定の際には、現像剤に含まれるキャリアとしては、内部空隙率が8%、BET比表面積が0.1m2/gのコア粒子、及び該コア粒子の表面に設けられ側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(酸価15mgKOH/g、重量平均分子量50000)を含有した樹脂層を有するキャリアを測定用に用いた。
本実施形態に係るトナーは、前述の比(A/B)を満たす観点から下記(1)または(2)の要件を満たすことが好ましい。
(1) トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長い
(2)トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち、60%以上である
図1に示すトナー2は、厚さLよりも円相当径が長い扁平状のトナーであり、鱗片状の顔料粒子4を含有している。
そのため、このトナー中に含有される鱗片状の顔料粒子のうち上記(2)に示される「トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲にある」との要件を満たす顔料粒子は、面積が最大となる面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。こうして形成された画像に対し光を照射した場合には、入射光に対して乱反射する顔料粒子の割合が抑制されるため、前述の比(A/B)の範囲が達成されるものと考えられる。
本実施形態に係るトナーに用いられる、光輝性を有する顔料粒子としては、例えば、以下のものが用いられる。アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛などの金属粉末、酸化チタンや黄色酸化鉄を被覆した雲母、硫酸バリウム、層状ケイ酸塩、層状アルミニウムのケイ酸塩などの被覆薄片状無機結晶基質、単結晶板状酸化チタン、塩基性炭酸塩、酸オキシ塩化ビスマス、天然グアニン、薄片状ガラス粉、金属蒸着された薄片状ガラス粉など、光輝性を有するものならば特に制限はない。
本実施形態に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂;ポリスチレン、α−ポリメチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの共重合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂を用いることが望ましい。
以下においては、特に好ましく用いられるポリエステル樹脂について説明する。
前記多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられ、これらの多価カルボン酸が1種または2種以上用いられる。
これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を用いることが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
これら多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また、より良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
本実施形態に係るトナー中における結晶性ポリエステル樹脂の含有量としては、2質量%以上30質量%以下が好ましく、4質量%以上25質量%以下がより好ましい。
前記酸由来構成成分となるための酸としては、種々のジカルボン酸が挙げられるが本実施形態に係る結晶性ポリエステル樹脂における酸由来構成成分としては、直鎖型の脂肪族ジカルボン酸が望ましい。
例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。これらの中では、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
上記スルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
これらの脂肪族ジカルボン酸由来構成成分以外の酸由来構成成分(2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分および/またはスルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分)の、酸由来構成成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%以下が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%以下がより好ましい。
アルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジオールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、この限りではない。これらの中でも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造される。例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、高分子量化するためには通常1/1程度が好ましい。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて離型剤を含有してもよい。離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナバワックス;等が挙げられる。これらの離型剤の融点は、50℃以上100℃以下が望ましく、60℃以上95℃以下がより望ましい。
トナー中の離型剤の含有量は、0.5質量%以上15質量%以下が望ましく、1.0質量%以上12質量%以下がより望ましい。
本実施形態に係るトナーには、上記した成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加してもよい。
・平均最大厚さCおよび平均円相当径D
前記(2)に示すとおり、本実施形態に係るトナーは、その平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いことが好ましい。尚、平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.500以下の範囲にあることがより好ましく、0.010以上0.200以下の範囲が更に好ましく、0.050以上0.100以下の範囲が特に好ましい。
比(C/D)が0.001以上であることにより、トナーの強度が確保され、画像形成の際における応力による破断が抑制され、顔料が露出することによる帯電の低下、その結果発生するカブリが抑制される。一方0.500以下であることにより、優れた光輝性が得られる。
トナーを平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1000個のトナーについて、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」(キーエンス社製)により1000倍に拡大して最大の厚さCと上から見た面の円相当径Dを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
前記(2)に示すとおり、トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上であることが好ましい。更には、上記数が70%以上95%以上であることがより好ましく、80%以上90%以下であることが特に好ましい。
上記の数が60%以上であることにより優れた光輝性が得られる。
トナーをビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤を用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機(本実施形態においては、LEICAウルトラミクロトーム(日立テクノロジーズ社製)を使用)を用いて−100℃の下、切削サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。この観察サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率5000倍前後でトナー粒子の断面を観察する。観察された1000個のトナーについて、トナーの断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数を、画像解析ソフトを用いて数えその割合を計算する。
以下、本明細書における地積平均粒径の測定方法は、この方法を用いる。
本実施形態に係るトナーは、湿式法や乾式法など公知の方法により作製されるが、特に湿式法で製造することが望ましい。該湿式法としては、溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等が挙げられ、中でも特に、乳化凝集法にて製造することが望ましい。
ここで、乳化凝集法とは、トナーに含まれる成分(結着樹脂、着色剤等)を含む分散液(乳化液、顔料分散液等)をそれぞれ調製し、これらの分散液を混合して混合液とし、その後凝集粒子を結着樹脂の融点またはガラス転移温度以上(結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを両方含有するトナーを製造する場合には、結晶性樹脂の融点以上、かつ非結晶性樹脂のガラス転移温度以上)に加熱してトナー成分同士を凝集させると共に、合一させる方法である。
まず、顔料粒子を準備し、該顔料粒子と結着樹脂とを溶剤に分散・溶解して混合する。これを転相乳化やせん断乳化により水中へ分散することにより、樹脂で被覆された光輝性の顔料粒子を形成する。ここにその他の組成物(例えば離型剤、シェル用樹脂等)を添加し、さらに凝集剤を添加し、攪拌しながら温度を樹脂のガラス転移温度(Tg)の近くまで上昇させ、凝集粒子を形成する。この工程において、例えば2枚パドルを有した層流を形成する攪拌翼を使用し、攪拌速度を高速度にして(例えば500rpm以上1500rpm以下)攪拌することで、光輝性の顔料粒子が凝集粒子中で長軸方向の向きを揃え、且つ、凝集粒子も長軸方向に向かって凝集し、トナーの厚さが小さくなる(即ち前記(2)の要件を満たす)。最後に粒子安定化のためにアルカリ性にした後、温度をトナーのガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)以下まで上昇させ、凝集粒子を合一させる。この合一工程において、より低温(例えば60℃以上80℃以下)で合一させることで、材料の再配置に伴う移動を小さくし、顔料の配向性が保たれ、前記(2)の要件を満たすトナーが得られる。
本実施形態においては、トナー粒子表面に流動化剤や助剤等の外添剤を添加処理してもよい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、カーボンブラック等の無機粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー粒子等、公知の粒子が使用される。
本実施の形態の現像剤に含まれるキャリアは、内部空隙率が8%以下のコア粒子及び該コア粒子の表面に設けられた樹脂層を有し、該樹脂層が、側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有したキャリアである。
本実施の形態の現像剤に含まれるキャリアにおけるコア粒子は、内部空隙率が8%以下である。このコア粒子の内部空隙率が8%以下であるので、コア粒子自体の強度の低下が抑制され、割れの発生が抑制されると考えられる。
このコア粒子の内部空隙率は、望ましくは5%以下であり、さらに望ましくは 4 %以下である。
具体的には、コア粒子について、クロスセクションポリッシャー(日立社製 E-3500)を用いて、キャリア断面について平滑面を形成、更にFE−SEM(S4100:日立社製)を用いて1000倍で撮影し、この撮影によって得られた画像を、LuzexIII(ニレコ社製)にて画像解析し、AREA−H(穴を含んだ面積)、AREA(面積)を測定し、以下の式より内部空隙率を求める。
内部空隙率(%)=AREA−H(穴を含んだ面積)/AREA(面積)
具体的には、コア粒子のBET比表面積は窒素置換法によって測定され、SA3100比表面積測定装置(ベックマンコールター(株)製)を用いて、3点法にて測定する。詳細には、コア粒子5gを精秤し、試料としてセルに入れ、60℃120分の脱気処理を行った後に、窒素とヘリウムの混合ガス(30:70)を用いて測定する。
特に、本実施の形態に好適に用いられるコア粒子としては、表面均一化が容易で帯電性が安定するため、フェライト粒子を用いることが望ましい。
具体的には、コア粒子のBET比表面積は、焼成温度、焼成時間によって制御される。焼成温度を高く、かつ焼成時間を長くするほど、コア粒子の粒界が成長して表面が滑らかになり、BET比表面積が小さくなる。逆に焼成温度を低く、かつ焼成時間を短くするほど、コア粒子の表面の凸凹が大きくなり、BET比表面積が大きくなる。このように、コア粒子のBET比表面積は、コア粒子の製造時の焼成温度及び焼成時間を調整することで、上記の範囲内に調整される。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1mm以上3mm以下の厚さになるように平坦に載せて測定対象物の層を形成する。この上に20cm2(20cm×20cm)電極板を載せて該測定対象物の層を挟み込む。該測定対象物間の空隙をなくすため、該層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、電圧印加開始から3秒後に流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
式:R=E×20/(I−I0)/L
樹脂層は、上記コア粒子の表面に設けられ、側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有する。
本実施の形態においては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルのいずれも用いられるが、共重合したポリマーのガラス転移温度がやや低めでキャリアコア粒子への接着性が良化することから、メタクリル酸エステルを用いることが望ましい。
窒素原子を有する置換基としては、アミノ基、メチルアミノ基、カルバモイル基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基カルバモイル基アミド基等が挙げられる。
具体的には、エステル化合物(ポリアミド、ポリイミド等)やジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノメチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノメチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノメチルアクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチルアクリレート、N,N−ジプロピルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジプロピルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノプロピルメタクリレート、N,N−メチルエチルアミノメチルアクリレート、N,N−メチルエチルアミノエチルアクリレート、N,N−メチルエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−メチルエチルアミノメチルメタクリレート、N,N−メチルエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−メチルエチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−メチルプロピルアミノメチルアクリレート、N,N−メチルプロピルアミノエチルアクリレート、N,N−メチルプロピルアミノプロピルアクリレート、N,N−メチルプロピルアミノメチルメタクリレート、N,N−メチルプロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−メチルプロピルアミノプロピルメタクリレート、N,N−エチルプロピルアミノメチルアクリレート、N,N−エチルプロピルアミノエチルアクリレート、N,N−エチルプロピルアミノプロピルアクリレート、N,N−エチルプロピルアミノメチルメタクリレート、N,N−エチルプロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−エチルプロピルアミノプロピルメタクリレート等が挙げられる。
なかでも、帯電付与能力が高いという観点から、ジメチルアミノエチルメタクリレートが好ましい。
重合比を上記範囲とすることで、キャリアとしての帯電特性を保ちながら、樹脂層とコア粒子との密着性及び、キャリアの流動性が向上される。
そして、これらの各々の元素のスペクトルに基づいて、炭素(AC)、酸素(AO)、鉄(AFe)の元素個数(AC+AO+AFe)を求めて、得られた炭素、酸素、鉄の元素個数比率より下記式(I)に基づいて、磁性体粒子単体、および、磁性体粒子を樹脂層で被覆した後(キャリア)の鉄量率を求め、続いて、下記式(II)により被覆率が求められる。
式(I):鉄量率(atomic%)=AFe/(AC+AO+AFe)×100
式(II):被覆率(%)={1−(キャリアの鉄量率)/(コア粒子単体の鉄量率)}×100
平均膜厚(μm)=[キャリア1個当たりの樹脂層の量(樹脂層に含まれる導電剤等の添加物もすべて含む)/キャリア1個当たりの表面積]÷樹脂層の平均比重=[4/3π・(d/2)3・ρ・WC]/[4π・(d/2)2]÷ρC
=(1/6)・(d・ρ・WC/ρC)
−導電剤−
上記樹脂層は、抵抗を制御するためなどの目的で、必要に応じて導電剤を含んだ構成としてもよい。
この樹脂層に含まれていてもよい導電剤として具体的には例えば、金、銀、銅等の金属粒子;カーボンブラック;ケッチェンブラック;アセチレンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50ml/100g以上250ml/100g以下程度であるカーボンブラックが、製造安定性に優れて望ましい。
測定法としては、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、測定する。そして、得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
また導電剤の体積抵抗は、コア粒子の体積抵抗と同様にして測定される。
例えば、コア粒子を樹脂層形成用液に浸漬する浸漬法、樹脂層形成用液をコア粒子の表面に噴霧するスプレー法、コア粒子を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂層形成用液と混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、等が挙げられる。これらの中でも、本実施の形態においては、ニーダーコーター法が望ましい。
本実施の形態の現像剤に含まれるキャリアは、上述したコア粒子の表面に樹脂層の設けられたキャリアである。
このキャリアの体積平均粒径としては、15μm以上50μm以下が望ましく、より望ましくは25μm以上40μm以下である。
式(III):SF1=100π×(ML)2/(4×A)
ここで、MLはキャリア粒子の最大長、Aはキャリア粒子の投影面積である。なお、キャリア粒子の最大長と投影面積は、スライドガラス上にサンプリングしたキャリア粒子を光学顕微鏡により観察し、ビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEX III、NIRECO社製)に取り込んで、画像解析を行うことにより求めたものである。この際のサンプリング数は100個以上で、その平均値を用いて、式(III)に示す形状係数を求められる。
磁気特性の測定としての装置は、振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。実施の形態においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
図2は、本実施形態に係る現像剤が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態を示す概略構成図である。
同図において、本実施形態に係る画像形成装置は、定められた方向に回転する像保持体としての感光体20を有し、この感光体20の周囲には、感光体20を帯電する帯電装置21と、この感光体20上に静電潜像Zを形成する潜像形成装置としての例えば露光装置22と、感光体20上に形成された静電潜像Zを可視像化する現像装置30と、感光体20上で可視像化されたトナー像を被転写体である記録紙28に転写する転写装置24と、感光体20上の残留トナーを清掃するクリーニング装置25と、を順次、配設したものである。
ここで、電荷注入ロール34の回転方向については選定して差し支えないが、トナーの供給性および電荷注入特性を考慮すると、電荷注入ロール34としては、現像ロール33との対向部にて同方向で且つ周速差(例えば1.5倍以上)をもって回転し、電荷注入ロール34と現像ロール33とに挟まれる領域にトナー40を挟み、摺擦しながら電荷を注入する態様が好ましい。
作像プロセスが開始されると、先ず、感光体20表面が帯電装置21により帯電され、露光装置22が帯電された感光体20上に静電潜像Zを書き込み、現像装置30が前記静電潜像Zをトナー像として可視像化する。しかる後、感光体20上のトナー像は転写部位へと搬送され、転写装置24が被転写体である記録紙28に感光体20上のトナー像を静電的に転写する。尚、感光体20上の残留トナーはクリーニング装置25にて清掃される。この後、不図示の定着装置によって記録紙28上のトナー像が定着され、画像が得られる。
図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、前述の本実施形態に係るトナーを収容すると共に、該トナーを保持して搬送するトナー保持体を備えることを特徴としている。
なお、実施例及び比較例のトナー及びキャリアの各特性値の測定方法(コア粒子のBET比表面積、コア粒子の内部空隙率、重量平均分子量等)は、前述の方法により測定した。
〔光輝性のトナー1の作製〕
<結着樹脂の合成>
・ビスフェノールAエチレンオキシド付加物:216部
・エチレングリコール :38部
・テトラブトキシチタネート(触媒) :0.037部
・多価カルボン酸、
上記成分を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち攪拌しながら昇温した後、160℃で7時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧に戻し、無水トリメリット酸9部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し220℃で1時間保持することにより結着樹脂を合成した。
・結着樹脂 :160部
・酢酸エチル :233部
・水酸化ナトリウム水溶液(0.3N):0.1部
・カルナウバワックス(東亜化成(株)製、RC−160 ) :50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1.0部
・イオン交換水 :200部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で360分間の分散処理をして、体積平均粒径が0.23μmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー(株)製、2173EA):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) :1.5部
・イオン交換水 :900部
アルミニウム顔料のペーストから溶剤を除去した後、以上を混合し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、光輝性顔料粒子(アルミニウム顔料)を分散させてなる着色剤分散液(固形分濃度:10%)を調製した。
・樹脂粒子分散液 :450部
・離型剤分散液 :50部
・光輝性顔料粒子分散液 :21.74部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.40部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、層流を形成するための2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、攪拌回転数を810rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2以上3.5以下の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。この際、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は10.4μmであった。
次に、樹脂粒子分散液:100部を追添加し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子を付着させた。さらに56℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、67.5℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、67.5℃で保持したままpHを6.0まで下げ、1時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は12.2μmであった。
上記に記載した光輝性のトナー1の作製において、以下の通り変更した以外は、光輝性のトナー1に記載の方法によりトナーを作製した。
「比(A/B)」、「トナーの平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)」、「トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、観察される全顔料粒子のうち、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数(以下単に「±30°範囲の顔料粒子の数」と称す)」を、前述の方法により測定した。結果を下記表1に示す。なお、上記「光輝性のトナー」は、表1中では、単に「トナー」と称して記載した。
――コアの調整――
(コア粒子1の調整)
Fe2O3 70部、MnO2 20部、Mg(OH)2 10部を混合し、湿式ボールミルで25時間混合/粉砕して、スプレードライヤーにより造粒・乾燥した後、ロータリーキルンを用いて900℃、10時間の焼成を行い、解砕工程、分級工程を経て、平均粒径36.0μmのMn−Mg(フェライト)コア粒子1を調製した。このコア粒子1のBET比表面積及び内部空隙率を測定したところ、BET比表面積は0.22m2/gであり、内部空隙率は0.8%であった。結果を表2に示した。
コア粒子1の調製において、ボールミルで9時間混合/粉砕した以外はコア粒子1と全く同様にして平均粒径34.1μm、BET比表面積 0.24m2/g、内部空隙率1.5%、Mn−Mg(フェライト)コア粒子2を調製した。
コア粒子1の調製において、ボールミルで5時間混合/粉砕した以外はコア粒子1と全く同様にして、平均粒径40.2μm、BET比表面積 0.24m2/g、内部空隙率3.5%の、Mn−Mg(フェライト)コア粒子3を調製した。
コア粒子1の調製において、焼成工程における条件を900℃、7時間に変更した以外は、コア粒子1と全く同様にして平均粒径31.2μm、BET比表面積 0.28m2/g、内部空隙率4.2%のMn−Mg(フェライト)コア粒子4を調製した。
コア粒子1の調整において、焼成工程における条件を700℃、7時間に変更した以外は、コア粒子1と全く同様にして平均粒径37.2μm、BET比表面積0.25m2/g、内部空隙率8.0%の、Mn−Mg(フェライト)コア粒子5を調製した。
コア粒子1の調整において、焼成工程における条件を1000℃、11時間に変更した以外は、コア粒子1と全く同様にして平均粒径35.8μm、BET比表面積0.05m2/g、内部空隙率1.1%の、Mn−Mg(フェライト)コア粒子6を調製した。
コア粒子1の調整において、焼成工程における条件を1300℃、15時間に変更した以外は、コア粒子1と全く同様にして平均粒径38.2μm、BET比表面積0.04m2/g、内部空隙率0.6%の、Mn−Mg(フェライト)コア粒子7を調製した。
コア粒子1の調製において、焼成工程における条件を1200℃、7時間に変更した以外は、コア粒子1と全く同様にして平均粒径42.3μm、BET比表面積0.13m2/g、内部空隙率0.2%の、Mn−Mg(フェライト)コア粒子8を調製した。
コア粒子1の調整において用いた、Fe2O3 73部、MnO2 23部、Mg(OH)2 4部に代えて、Fe2O3 70部、MnO2 20部、LiOH 10部を用い、焼成工程における条件を900℃、10時間に変更した以外は、コア粒子1と全く同様にして平均粒径38.7μm、BET比表面積0.04m2/g、内部空隙率7.5%のコア粒子9を調製した。
コア粒子1の調製において、焼成工程における条件を800℃、7時間に変更した以外は、コア粒子1と全く同様にして平均粒径31.1μm、BET比表面積0.31m2/g、内部空隙率8.6%の、Mn−Mg(フェライト)比較コア粒子1を調製した。
(樹脂1の調整)
樹脂1の調整は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)940質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)50質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂1を得た。得られた樹脂は、酸価15.5mg・KOH/g、重量平均分子量100000であった。
樹脂2の調整は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)970質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)20質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂2を得た。得られた樹脂は、酸価10.5mg・KOH/g、重量平均分子量110000であった。
樹脂3の調整は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)930質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)60質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂3を得た。得られた樹脂は、酸価25.4mg・KOH/g、重量平均分子量95,000であった。
樹脂4の調整は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロペンチル(シクロペンチルメタクリレート)930質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)60質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂4を得た。得られた樹脂は、酸価24.8mg・KOH/g、重量平均分子量92000であった。
樹脂5の調整は、以下のようにして行った。
アクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルアクリレート)960質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)30質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂5を得た。得られた樹脂は、酸価19.8mg・KOH/g、重量平均分子量107,000であった。
比較樹脂1の調整は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)970質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)30質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、比較樹脂1を得た。得られた樹脂は、酸価20.3mg・KOH/g、重量平均分子量110,000であった。
比較樹脂2の調整は、以下のようにして行った。
アクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルアクリレート)970質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)30質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、比較樹脂2を得た。得られた樹脂は、酸価20.4mg・KOH/g、重量平均分子量108,000であった。
比較樹脂3の調整は、以下のようにして行った。
メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)960質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)30質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、比較樹脂3を得た。得られた樹脂は、酸価19.8mg・KOH/g、重量平均分子量105,000であった。
樹脂6の製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート) 986質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)4質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂6を得た。得られた樹脂は、酸価4.8mg・KOH/g、重量平均分子量101,000であった。
樹脂7の調整は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート) 810質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)180質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂7を得た。得られた樹脂は、酸価31.5mg・KOH/g、重量平均分子量105,000であった。
樹脂8の調整は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)940質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)50質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル5質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂8を得た。得られた樹脂は、酸価28.5mg・KOH/g、重量平均分子量19500であった。
樹脂9の調整は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)940質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)50質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル30質量部を混合し、70℃に加熱しで8時間振とうし、重合させた。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂9を得た。得られた樹脂は、酸価7.5mg・KOH/g、重量平均分子量210000であった。
(キャリア1の調整)
・コア粒子1:1000重量部
・トルエン :100重量部
・樹脂1 :25重量部
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製):2.6重量部
上記材料のうち、樹脂1をトルエンにて希釈したのち、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで5分間攪拌し、樹脂溶液を作成した。この樹脂溶液とコア粒子1とを真空脱気型ニーダーに入れ、90℃で20分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去し、品温が60℃になるまで冷却攪拌を行い、被覆キャリア(コア粒子1の表面に樹脂1による樹脂層の形成されたキャリア)を取り出し、75μmの篩分網で篩分し、キャリア1を得た。
キャリア1の調整において使用した、コア粒子1及び樹脂1の組合せを変更し、表4に示す組合せとした以外は、キャリア1と同じ条件及び同じ製法を用いて、キャリア1〜キャリア17、比較キャリア1〜比較キャリア5の各々を調整した。
上記において製造したキャリアまたは比較キャリアを100質量部と、上記において製造したトナーまたは比較トナーを7質量部とを、表5に示す組合せで、それぞれ混合しVブレンダーにて40rpmで20分間混合して現像剤を得た。
−光輝性の維持の評価−
下記表5に示す現像剤の各々を用いて、下記の画像形成装置を用いて、下記条件によりベタ画像を形成した。
具体的には、富士ゼロックス社製Docu Centre Color 400改造機を用いてベタ画像を形成した。改造の内容は、黒現像機のみに現像剤が入っている状態であっても作動するようにしたものである。詳細は以下のとおりである。
そして、10万枚目の書き込み試験後、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度180℃、定着圧力4.0kg/cm2にて、トナー載り量が4.5g/cm2のベタ画像を形成、得られたベタ画像に関し、JIS K5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察照明(自然昼光照明)下で目視にて、下記評価基準で光輝性の維持を評価した。
評価結果を表5に示した。
◎ :粒子感(キラキラ輝く光輝性効果)と光学的効果(見る角度による色相変化)が調和。
○ :やや粒子感、光学的効果ある。
○−:普通の感覚。
△ :ぼやけた感覚(実使用上の下限)。
× :粒子感、光学的効果がない。
下記表5に示す現像剤の各々を用いて、上記の改造機を用いて、高温高湿度環境下(30℃/85%RH)と、低温低湿度環境下(10 ℃、15%RH)の各々の環境下において、3ポイントの大きさの明朝文字を記録媒体(富士ゼロックス社製 P紙)に連続して10万枚書き込む書込試験を行った。
そして、この低温低湿度環境下で形成した10万枚目の文字画像と、高温高湿度環境下で形成した10万枚目の文字画像と、について、目視にて、文字の擦れの有無の比較を行い、下記評価基準により、細線再現性を評価した。評価結果を表5に示した。
◎:再現性極めて良好。
○:良好、認識できる。
△:やや欠陥あり、ぼやけた印象になるが使用可能。
×:文字認識困難。
Claims (11)
- 顔料粒子としてアルミニウム顔料を含有するトナーであり、前記トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長く、前記トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と前記顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる前記顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上であり、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であるトナーと、
内部空隙率が8%以下のコア粒子、及び該コア粒子の表面に設けられ側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有した樹脂層を有するキャリアと、
を含む現像剤。 - 前記コア粒子のBET比表面積が、0.05m2/g以上0.25m2/g以下である請求項1に記載の現像剤。
- 前記共重合体の酸価が5mgKOH/g以上30mgKOH以下である請求項1または請求項2に記載の現像剤。
- 前記共重合体における前記側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の含有量が80質量%以上99.9質量%以下である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の現像剤。
- 前記共重合体の重量平均分子量Mwが20000以上200000以下である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の現像剤。
- 前記側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが(メタ)アクリル酸シクロヘキシルである請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の現像剤。
- 前記トナーは、前記顔料粒子の平均最大厚さを1とした場合の平均最大長さの比(アスペクト比)が10以上である請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の現像剤。
- 前記平均最大厚さCと前記平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.500以下の範囲にある請求項7に記載の現像剤。
- 請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の現像剤を収容したトナーカートリッジ。
- 像保持体、被帯電部材を帯電する帯電装置、被形成部材に静電潜像を形成する潜像形成装置、及びトナー像を被記録体へ転写する転写装置のうちの少なくとも1つと、
静電潜像を請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の現像剤に含まれるトナーによってトナー像として現像する現像装置と、
を備えたプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
前記像保持体に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記静電潜像を請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の現像剤に含まれるトナーによりトナー像として現像する現像装置と、
前記像保持体に形成された前記トナー像を被記録体へ転写する転写装置と、
を有する画像形成装置。
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