JP2003005446A - 電子写真画像形成方法 - Google Patents

電子写真画像形成方法

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JP2003005446A
JP2003005446A JP2001189636A JP2001189636A JP2003005446A JP 2003005446 A JP2003005446 A JP 2003005446A JP 2001189636 A JP2001189636 A JP 2001189636A JP 2001189636 A JP2001189636 A JP 2001189636A JP 2003005446 A JP2003005446 A JP 2003005446A
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toner
image forming
resin
particles
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JP2001189636A
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English (en)
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Kunio Shigeta
邦男 重田
Yotaro Sato
洋太郎 佐藤
Satoru Haneda
哲 羽根田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 像形成体上の静電潜像を忠実に現像してトナ
ー像を形成し、そのトナー像を散りや拡がりが無く転
写、定着することにより、高品質な画像を得ることが出
来る画像形成方法の提供。 【解決手段】 像露光により形成された像形成体上の静
電潜像を扁平トナーで現像する電子写真画像形成方法に
おいて、該像形成体は有機半導体からなる像形成体層を
有し、該像形成体層の比誘電率をk、厚さをdとした
時、式1を満足し、該扁平トナーはトナー粒子の平均厚
みをr1、平均長径をr2、平均短径をr3とした時、式
2及び式3を満足することを特徴とする電子写真画像形
成方法。 式1 d/k=4〜8μm、 式2 (r2+r3)/
(2×r1)=2〜5 式3 (r1+r2+r3)/3=4〜10μm

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像露光により形成
された像形成体上の静電潜像を、扁平トナーを用いた現
像剤で現像してトナー像を形成し、該トナー像を中間転
写体を介して、或いは直接転写材に転写して画像を形成
する電子写真画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在まで、電子写真画像形成方法により
印刷ライクの画像を得るための検討がなされて来たが、
像形成体上にシャープな静電潜像を形成し、その静電潜
像をトナーにより忠実に現像してトナー像を形成し、そ
のトナー像を中間転写体或いは転写材へ乱さずに転写す
ることは、未だ達成されず、問題を残している。
【0003】通常の粉砕法或いは重合法で作製した不定
形トナー或いは球形トナーを用い、静電潜像を現像して
形成した画像は、トナーが重なることによりトナーの付
着量が多くなるため忠実に静電潜像を現像してトナー像
を形成することが難しく解像度が悪くなり、又、表面に
凹凸が出来て均一な光沢が得られず、印刷ライクの画像
を得ることは難しかった。又、中間転写体或いは転写材
へ像形成体上のトナー像を転写する時も、トナー付着量
が多いとトナーの散りやトナーの拡がりが発生したり、
転写率の低下により高品質で高濃度の画像を得ることが
難しかった。
【0004】又、像形成体上へシャープな静電潜像を形
成して高品質の画像を形成するため、像形成体の像形成
体層の比誘電率、厚さ、電位コントラスト、露光ビーム
径、画像データの変調、書込密度等について検討されて
来たが、粉砕法或いは重合法で作製した不定形トナー或
いは球形トナーを用い、画像を形成すると、トナーが重
なることによりトナー層が厚くなるためトナーの散りや
拡がりが生じ静電潜像に忠実なトナー像を形成すること
が難しかった。
【0005】トナーの粒径を細かくしてトナー付着量を
少なくし、トナーの散りや拡がりを少なくする試みがな
されて来たが、トナーの小粒径化にともないトナーのカ
バーリングパワーが減少し充分な画像濃度が得られず、
且つ現像、転写、感光体のクリーニング等の画像形成プ
ロセスも難しくなり電子写真による画像形成方法で高品
質の画像が得られていないのが現状である。又、トナー
粒径を2〜3μmに小粒径化したトナー粒子を用いる
と、トナー粒子を吸い込んだ場合、塵肺等の疾病を患う
おそれがあり、安全衛生上も好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、
像形成体上の静電潜像を忠実に現像してトナー像を形成
し、そのトナー像を散りや拡がりが無く転写、定着する
ことにより、高品質な画像を得ることが出来る画像形成
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は下記構成
を採ることにより達成される。
【0008】1.像露光により形成された像形成体上の
静電潜像を扁平トナーで現像する電子写真画像形成方法
において、前記像形成体が、有機半導体からなる像形成
体層を有し、該像形成体層の比誘電率をk、厚さをd
(μm)とした時、式(1)を満足し、前記扁平トナー
が、トナー粒子の平均厚さをr1(μm)、平均長径を
2(μm)、平均短径をr3(μm)とした時、式
(2)及び式(3)を満足することを特徴とする電子写
真画像形成方法。
【0009】 式(1) d/k=4〜8μm 式(2) (r2+r3)/(2×r1)=2〜5 式(3) (r1+r2+r3)/3=4〜10μm 2.前記静電潜像の最大露光部と未露光部の電位コント
ラストが500〜1000Vであることを特徴とする前
記1項に記載の電子写真画像形成方法。
【0010】3.前記像露光のビーム径が20〜40μ
mであることを特徴とする前記1又は2項に記載の電子
写真画像形成方法。
【0011】4.前記像形成体上に静電潜像を形成する
に際し、面積変調された画像データに基づいて前記像形
成体を像露光することを特徴とする前記1〜3項の何れ
か1項に記載の電子写真画像形成方法。
【0012】5.前記像形成体を像露光して静電潜像を
形成する時の書込密度が600dpi(240ドット/
cm)以上であることを特徴とする前記1〜4項の何れ
か1項に記載の電子写真画像形成方法。
【0013】即ち、本発明者らは、鋭意研究した結果、
強い潜像電界下、小ビーム径、面積変調された画像デー
タ、高書込密度の条件で像露光を行いシャープな静電潜
像を形成し、その静電潜像を前記式(1)で示される誘
電厚さを満足する像形成体と前記式(2)で示される平
均扁平度及び前記式(3)で示される平均粒径を満足す
る扁平トナーを用いて画像を形成すると、扁平トナーが
像形成体上に寝た状態で付着(トナー粒子の扁平面が付
着)し静電潜像に忠実なトナー像を形成され、そのトナ
ー像は転写、定着時にも乱れないことを見出した。この
ことによりシャープで、トナーの散り、トナーの拡がり
が無い高品質な画像を得ることが出来た。
【0014】まず、本発明の像形成体と扁平トナーにつ
いて詳細に説明する。 (像形成体)本発明の画像形成方法で用いる像形成体は
像形成体層が有機半導体からなり、像形成体層の比誘電
率をk、その厚さをd(μm)、とした時、前記式
(1)で示される誘電厚さを満足するものである。
【0015】前記式(1)を満足することにより、像形
成体上にシャープな静電潜像を形成することが出来る。
【0016】本発明で用いる像形成体の像形成体層の誘
電厚さ(d/k)が4〜8μmであるということは、有
機半導体を用いた像形成体層の比誘電率(k)は概ね3
であるので、像形成体層の厚さd(μm)は12〜24
μmであることを意味する。
【0017】像形成体層の誘電厚さ(d/k)が4μm
未満であると、帯電耐圧が小さく良好な電位コントラス
トを得ることが難しい。又、像形成体層の誘電厚さ(d
/k)が8μmを越えると、現像時エッジ効果が大きく
なったり、発生電荷が拡散したりしてシャープな静電潜
像を形成することが難しい。
【0018】(扁平トナー)本発明の画像形成方法で用
いる扁平トナーはトナー粒子の平均厚さをr1、平均長
径をr2、平均短径をr3、とした時、前記式(2)で示
される平均扁平度及び前記式(3)で示される平均粒径
を満足するものである。
【0019】図1は本発明の扁平トナーの一例を示す模
式図である。図1中、r1′は扁平トナーの厚さ、r2
は長径、r3′は短径を示す。
【0020】図2は像形成体上、転写材上或いは中間転
写体上に付着した扁平トナーの一例を示す模式図であ
る。
【0021】図2(A)中、10は像形成体である感光
体ドラムを示し、図2(B)中、Pは転写材である記録
紙を示し、図2(C)中、14bは中間転写体である転
写ベルトを示す。
【0022】上記扁平トナーは、図1に示すような形状
が扁平なトナーであり、図2に示すように像形成体上、
転写材上及び中間転写体上にトナーの扁平面が付着し、
静電潜像を忠実に再現し、転写及び定着時にトナー粒子
が乱れずトナーの散りやトナーの拡がりが無く高品質の
画像が得られると同時に、少量のトナー付着量でも高濃
度で、凹凸が少なく光沢ムラに優れた画像を得ることが
出来る。
【0023】前記式(2)で示される扁平度が2未満で
あると、像形成体、転写材及び中間転写体上にトナーの
扁平面が付着しにくくなり静電潜像を忠実に再現しにく
くなると同時に転写及び定着時にもトナー像の乱れが発
生し、シャープさの低下、トナーの散りやトナーの拡が
りが発生し高品質の画像が得られない。又、前記式
(2)で示される扁平度が5を越えると、現像器中でト
ナー粒子が破砕され超微粒子が発生し、微粒子による画
像カブリが生じ好ましくない。
【0024】前記式(3)で示される扁平トナーの平均
粒径が4μm未満であると、粒径が細かくなりすぎ、ト
ナー粒子を吸い込んだ場合、塵肺等の疾病を患うおそれ
があり、安全衛生上好ましくなく、平均粒径が10μm
を越えると、粒径が大きくなりすぎ、潜像再現性が低下
し高品質の画像を得ることが出来ず好ましくない。
【0025】本発明に関する扁平トナー粒子には、現像
性を向上させて高濃度の画像を得るためトナー粒子表面
に外添剤を付着させることが好ましい。
【0026】外添剤の付着量は、扁平トナー粒子100
質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。付着量が
0.1質量部未満であると付着量が少なすぎて現像性を
向上させる効果が十分に得られない場合があり、5質量
部を越えると扁平トナー粒子表面に過剰に付着し逆に現
像性が低下してしまう場合がある。
【0027】扁平トナーの表面帯電状態は、略均一に帯
電されており、この為、像形成体と扁平トナー端部とよ
りも扁平トナーの扁平な部分(扁平面)とのクーロン力
が高くなるため、扁平部を付着させることになると考え
られる。この様にして像形成体上、中間転写材上或いは
転写材上に扁平トナーはその扁平面を寝かせて横方向に
並び、扁平面どうしで重なりやすく層状になり、転写及
び定着時にトナー像が乱れることなく、トナーの散りや
トナーの拡がりが無い高品質の画像が保たれる。
【0028】扁平度が不十分なトナー、不定形トナー及
び球形トナーを用いて現像したトナー像は、扁平部を一
様に寝かせずランダムな付着状態になっていること、及
び転写、定着時にトナーの散りやトナーの拡がりが観察
された。
【0029】扁平度が不十分なトナー、不定形トナー及
び球形トナーとは本発明で規定した扁平トナー形状から
はずれた形状のもので、粉砕法で作製したトナーや重合
法の扁平化処理を行わないで作製したトナー、及び扁平
化処理が不十分なトナー等が該当する。
【0030】次に、像形成体と扁平トナーの作製方法に
ついて詳細に説明する。 (像形成体の作製)本発明の像形成体は、以下の方法で
作製することが出来る。
【0031】像形成体は、例えば、支持体の上に、電荷
発生層、電荷輸送層を順次積層してなるもの、或いは、
支持体の上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次
積層してなるもの、或いは、電荷輸送層の上に表面層を
さらに積層してなるもの等が挙げられるがこれらに限定
されるものではない。
【0032】尚、本発明で言う像形成体層とは、支持体
の上に形成する層全体、即ち上記中間層、電荷発生層、
電荷輸送層及び表面層を積層した層のことである。
【0033】《支持体》像形成体の支持体は、以下のも
のが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】 1)アルミニウム、ステンレス等の導電性金属板や円筒
管 2)紙或いはプラスチック等の支持体上に、アルミニウ
ム、パラジウム及び金等の導電性の金属薄層をラミネー
ト若しくは蒸着によって設けたもの 3)紙或いはプラスチック等の支持体上に、導電性ポリ
マー、酸化インジウム及び酸化錫等の導電性化合物の層
を塗布若しくは蒸着によって設けたもの。
【0035】これらの中では、円筒状導電性支持体が好
ましく用いられる。円筒状導電性支持体とは回転するこ
とによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状
支持体を意味する。円筒状支持体の真直度が0.10m
m以下、振れ0.10mm以下の範囲にあるのが好まし
い。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像
形成が困難になる。
【0036】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は
導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用す
ることが出来る。
【0037】又、例えば、アルマイト加工支持体のよう
に支持体表面を酸化処理したものを用いてもよい。
【0038】《中間層》中間層は導電性支持体と後述す
る感光層のとの接着性改良、或いは導電性支持体からの
電荷注入を防止するために、導電性支持体と感光層の間
に設けられる。
【0039】中間層の材料としては、例えば、ポリアミ
ド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これ
らの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合
体樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。これら中間層用の樹脂の中で繰り返し使用に伴う残
留電位増加を小さく出来る樹脂としてはポリアミド樹脂
が挙げられる。又、これらの樹脂を用いた中間層の膜厚
は0.01〜0.5μmが好ましい。
【0040】この他に好ましく用いられる中間層とし
て、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂
を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた
中間層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0041】中間層は、前記樹脂を溶剤で溶解して調製
した中間層用塗布液を、塗布機で前記導電性支持体の上
に一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製すること
が好ましい。
【0042】溶剤としては、前記樹脂を溶解するものな
ら特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、
メチルエチルケトン及びトルエン等を用いることが好ま
しい。
【0043】中間層用塗布液の塗布機としては、例え
ば、浸漬塗布機及びリングコーター等が挙げられるがこ
れらに限定されるものではない。
【0044】《感光層》像形成体の感光層構成は前記中
間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持た
せた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは
感光層の機能を電荷発生層と電荷輸送層に分離した構成
をとるのがよい。機能を分離した構成をとることにより
繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、そ
の他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負
帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層、その上に
電荷輸送層の構成をとることが好ましい。正帯電用の感
光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆と
なる。本発明の像形成体として好ましい感光層構成は前
記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0045】又、必要に応じ電荷輸送層の上に表面層を
設けることが出来る。表面層は硬度が有り、像形成体の
耐摩耗性を向上させるもので、感光層の最上層に設けて
用いられる。
【0046】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
及び作製方法について説明する。 〈電荷発生層〉電荷発生層には電荷発生物質を含有す
る。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、
その他の添加剤を含有しても良い。
【0047】電荷発生物質としては公知の電荷発生物質
を用いることが出来る。具体的にはフタロシアニン顔
料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを
挙げることが出来るがこれらに限定されるものではな
い。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最
も小さくできるものは複数の分子間で安定な凝集構造を
とりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的に
は特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレ
ン顔料等の電荷発生物質が挙げられる。例えばCu−K
α線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピーク
を有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に
最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のC
GMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電
位増加を小さくすることが出来る。
【0048】電荷発生層に電荷発生物質の分散媒として
バインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹
脂を用いることが出来、具体例としてホルマール樹脂、
ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチ
ラール樹脂及びフェノキシ樹脂等が挙げられるがこれら
に限定されるものではない。バインダー樹脂と電荷発生
物質との割合は、樹脂100質量部に対し電荷発生物質
20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いる
ことにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小
さく出来る。電荷発生層の膜厚は0.01〜2μmが好
ましい。
【0049】電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー
樹脂、その他の添加剤と共に溶剤中に分散して調製した
電荷発生層用塗布液を、前記中間層の上に塗布機で一定
の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ま
しい。
【0050】溶剤としては、前記樹脂を溶解するものな
ら特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、
メチルエチルケトン、トルエン及びメチレンクロラアイ
ド等を用いることが好ましい。
【0051】塗布液中に電荷発生物質を分散する手段と
しては、例えば、超音波分散機、ボールミル、サンドグ
ラインダー及びホモミキサー等が使用出来るがこれらに
限定されるものではない。又、電荷発生層用塗布液の塗
布機としては、例えば、浸漬塗布機、リングコーター等
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0052】〈電荷輸送層〉電荷輸送層には電荷輸送物
質を含有する。その他の物質としては必要によりバイン
ダー樹脂、その他の添加剤を含有しても良い。
【0053】電荷輸送物質としては公知のものを用いる
ことが出来る。具体的にはトリフェニルアミン誘導体、
ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合
物、ブタジエン化合物等を挙げることが出来るがこれら
に限定されるものではない。
【0054】バインダーとしては公知の樹脂を用いるこ
とが出来、具体例としてポリスチレン樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アル
キッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、
メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のう
ちの2つ以上を含む共重合体樹脂等を挙げることが出来
るがこれらに限定されるものではない。又これらの絶縁
性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子
有機半導体を挙げることが出来る。これら電荷輸送層の
バインダーとして好ましいものはポリカーボネート樹脂
である。ポリカーボネート樹脂は電荷輸送物質の分散
性、電子写真特性を良好にすることにおいて好ましい。
【0055】バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合
は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷輸送物質1
0〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は
像形成体層の誘電厚さ(d/k)が4〜8μmとなるよ
うに設定され、通常は10〜20μmが好ましい範囲と
なる。
【0056】電荷輸送層は、電荷輸送質とバインダー樹
脂とその他の物質を溶剤に溶解して調製した電荷輸送層
用塗布液を、前記電荷発生層の上に塗布機で一定の膜厚
に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
【0057】溶剤としては、前記樹脂を溶解するものな
ら特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、
メチルエチルケトン、トルエン及びメチレンクロライド
等を用いることが好ましい。
【0058】塗布液中に電荷輸送物質を溶解する手段と
しては、例えば、超音波分散機、ボールミル及びホモミ
キサー等が使用出来るがこれらに限定されるものではな
い。
【0059】又、電荷輸送層用塗布液の塗布機として
は、例えば、浸漬塗布機、リングコーター等が挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。
【0060】〈表面層〉高硬度で耐摩耗性が有り、且つ
残留電位上昇が小さい表面層としては、例えば、電荷輸
送性を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有す
る樹脂層を挙げることが出来るがこれに限定されるもの
ではない。このシロキサン系樹脂層は代表的には下記一
般式(4)で表される有機ケイ素化合物を原料とした塗
布組成物を塗布乾燥することにより形成される。これら
の原料は親水性溶媒中では加水分解とその後に生じる縮
合反応により、溶媒中で有機ケイ素化合物の縮合物(オ
リゴマー)を形成する。これら塗布組成物を塗布、乾燥
することにより、3次元網目構造を形成したシロキサン
系樹脂を含有する樹脂層を形成することができる。
【0061】 一般式(4) (R)n−Si−(X)4n 式中、Rはケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基
を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、nは0〜
3の整数を表す。
【0062】表面層の膜厚は、0.2〜2μmが好まし
い。表面層は、樹脂を溶剤に溶解して塗布液を調製し、
塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥
し、必要に応じ硬化して作製することが好ましい。
【0063】溶剤としては、前記樹脂を溶解するものな
ら特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、
メチルエチルケトン及びトルエン等を用いることが好ま
しい。
【0064】又、表面層用塗布液の塗布機としては、例
えば、浸漬塗布機、リングコーター等が挙げられるがこ
れらに限定されるものではない。
【0065】像形成体の像形成体層(中間層、電荷発生
層、電荷輸送層及び表面層の全層)の膜厚は、像形成体
層の比誘電率により多少変わるが、概ね12〜24μm
になるよう作製する。
【0066】(扁平トナーの作製)本発明に係る扁平ト
ナーを作製するには、従来の粉砕造粒法により得られた
樹脂粒子(必要により着色剤等を含有する)を例えばス
プレードライ法等により球形化し、球形化された樹脂粒
子に熱と機械的な剪断力を付与して扁平処理を施して形
成されてもよい。しかしながら、上記粉砕造粒法により
得られた樹脂粒子は粒度分布がブロードで、かつ形状が
不規則であり、多量の不適格な樹脂粒子が分級操作で除
去されるため、生産性が悪いという問題があり、好まし
くは下記重合造粒法により作製するのが好ましい。
【0067】即ち、本発明に係る扁平トナーは、乳化重
合法や懸濁重合法等により調製した樹脂微粒子を水系媒
体中で融着させて得られる樹脂粒子を用いるか、又は直
接、懸濁重合法により調製した樹脂粒子を用い、これら
の樹脂粒子をさらに熱処理して球形化し、球形化された
樹脂粒子を熱と機械的な剪断力を付与して扁平処理を施
して作製するのが好ましい。
【0068】上記乳化重合法や懸濁重合法等により調製
した樹脂微粒子を水系媒体中で融着させて得られる樹脂
粒子(前者)は表面が均一であり、該樹脂粒子から得ら
れる扁平トナーもまた表面が均一であるという利点を有
している。また懸濁重合法で直接調製された樹脂粒子
(後者)も球形であるため、該樹脂粒子を扁平処理して
扁平トナーを得た場合も表面形状が滑らかとなる。しか
しながら、前者の樹脂微粒子を融着させて得られる樹脂
粒子は、後者の懸濁重合で直接得られる樹脂粒子に比べ
て粒度分布がシャープであることから、前者の樹脂微粒
子を水系媒体中で融着させて得られる樹脂粒子を用いる
のがより好ましい。
【0069】以下、本発明に係る扁平トナーの作製方法
として、前者の樹脂微粒子を水系媒体中で融着させて得
られる樹脂粒子を用いた作製方法について説明する。
【0070】《重合性単量体》扁平トナーの材料として
の重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を主要
構成成分とし、必要に応じて架橋剤が添加される。ま
た、この他に酸性基を有するラジカル重合性単量体又は
塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1
種類含有してもよい。
【0071】(1)ラジカル重合性単量体:ラジカル重
合性単量体としては特に限定されるものではなく、従来
公知のラジカル重合性単量体を用いることが出来る。ま
た要求される特性を満たすように、1種又は2種以上の
ものを組み合わせて用いることが出来る。
【0072】具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単
量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量
体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単
量体等を用いることが出来る。芳香族系ビニル単量体と
しては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、
p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t
ert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、
p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、
p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン
等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘ
キシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒド
ロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙
げられる。ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げら
れる。ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエ
ーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。モノ
オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、
イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル
−1−ペンテン等が挙げられる。ジオレフィン系単量体
としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が
挙げられる。ハロゲン化オレフィン系単量体としては、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられ
る。
【0073】(2)架橋剤 トナーの特性を改良するために添加される架橋剤として
は、ラジカル重合性架橋剤が用いられる。ラジカル重合
性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリ
ル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0074】ラジカル重合性架橋剤は、その特性にもよ
るが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質
量%の範囲で使用することが好ましい。
【0075】(3)酸性基を有するラジカル重合性単量
体又は塩基性基を有するラジカル重合性単量体 酸性基を有するラジカル重合性単量体又は塩基性基を有
するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキ
シル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級ア
ミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウ
ム塩等のアミン系の化合物を用いることが出来る。
【0076】酸性基を有するラジカル重合性単量体とし
ては、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸
基含有単量体等を用いることが出来る。カルボン酸基含
有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマー
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸
モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル
等が挙げられ、またスルホン酸基含有単量体としては、
スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルス
ルホコハク酸オクチル等が挙げられる。これらは、ナト
リウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウ
ムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
【0077】塩基性基を有するラジカル重合性単量体と
しては、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級
アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を
用いることが出来る。具体的には、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、およびこれら4種の化合物の
4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアク
リレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロ
ピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−
ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミ
ド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N
−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリル
アミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN
−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリ
ジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウ
ムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロ
リド等を挙げることが出来る。酸性基を有するラジカル
重合性単量体又は塩基性基を有するラジカル重合性単量
体は、ラジカル単量体全体の0.1〜15質量%の範囲
で使用することが好ましい。
【0078】《連鎖移動剤》分子量を調整することを目
的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いること
が可能である。連鎖移動剤としては特に限定されるもの
ではなく、例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメル
カプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカ
プタン、およびスチレンダイマー等が使用される。
【0079】《重合開始剤、分散安定剤、界面活性剤》
いわゆる乳化重合法で樹脂微粒子を調製した後に、その
樹脂微粒子を塩析、融着させてトナー母体粒子としての
樹脂粒子を形成する場合には、水溶性のラジカル重合開
始剤が用いられる。水溶性のラジカル重合開始剤として
は、例えば、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス−4−
シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げ
られる。これらのラジカル性重合開始剤は、必要に応じ
て還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤とすること
が可能である。レドックス系開始剤を用いることにより
重合活性が上昇し、重合温度の低下が図れ、更に重合時
間の短縮が期待出来る。
【0080】重合開始剤の添加量は、最終的なトナーと
なる樹脂の分子量により決定されるが、一般的にはラジ
カル重合性単量体に対して0.1〜10質量%、好まし
くは0.2〜5質量%である。また重合温度は、重合開
始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選
択しても良いが、例えば50〜90℃の範囲が用いられ
る。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−
還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いること
で、室温またはそれ以上の温度で重合することも可能で
ある。
【0081】乳化重合の際に使用することのできる界面
活性剤としては特に限定されるものでは無いが、前述の
ラジカル性重合性単量体を水系媒体中に油滴分散する必
要があることから、イオン性界面活性剤を好適なものの
例として挙げることが出来る。イオン性界面活性剤とし
ては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナト
リウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−
ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン
酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジ
メチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリ
フェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトー
ル−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エステル塩
(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウ
ム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリ
ウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナ
トリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げられる。ま
たこの他に、ノニオン性界面活性剤も使用することが出
来る。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロ
ピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエ
チレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコー
ルと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリ
エチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコ
ールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイ
ドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることが出
来る。
【0082】なお、これらの界面活性剤は主として乳化
重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使
用目的で使用してもかまわない。
【0083】いわゆる懸濁重合法により樹脂微粒子を調
製した後に、その樹脂微粒子を塩析、融着させてトナー
母体粒子としての樹脂粒子を形成する場合には、油溶性
のラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。油溶性
のラジカル重合開始剤としては、具体的には、過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペルオキサ
イド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジクミルペル
オキサイド、クメンヒドロペルオキサイド、アセチルペ
ルオキサイド、プロピオニルペルオキサイド等の過酸化
物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2,4−バレロニトリル)、2,2′−ア
ゾビス−2−メチルバレロニトリル、2,2′−アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾビス系重
合開始剤などを挙げることが出来る。重合開始剤の添加
量は、最終的なトナーとなる樹脂の分子量により決定さ
れるが、一般的にはラジカル重合性単量体に対して0.
1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%である。
【0084】懸濁重合法においては、分散安定剤が水系
媒体中に分散して使用される。分散安定剤としては、最
終的に濾過、洗浄段階で容易に除去できるものが好まし
く、特に無機系の難水溶性分散安定剤が好ましく使用さ
れる。具体的には、炭酸カルシウム、燐酸三カルシウ
ム、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、
酸化珪素、水酸化鉄などを挙げるげることができ、特に
好ましい分散安定剤は燐酸三カルシウムである。なお、
この難水溶性無機分散安定剤に加えて分散助剤に少量の
界面活性剤を使用してもよい。この場合、ノニオン系、
アニオン系、カチオン系、両性系のいずれも使用するこ
とが出来るが、より好ましくはアニオン系界面活性剤で
ある。
【0085】分散安定剤は、分散される油相成分に対し
て1〜10質量%程度使用することが好ましい。この範
囲よりも少ない場合には、分散安定性が低下して粒子の
凝集が発生し、この範囲よりも多い場合には、分散が促
進されるために小粒径成分が過多に発生してしまう。ま
た界面活性剤は、無機分散安定剤に対して0.05〜1
質量%程度添加することが好ましい。この範囲よりも少
ない場合には分散安定性向上の効果を発揮することがで
きず、この範囲を越えて使用する場合にはラジカル重合
性単量体の乳化が発生し、いわゆるラテックス粒子が系
内に発生し、粒子径分布が広がる問題があるとともに、
界面活性剤の除去がしにくくなり、水分の吸着を引き起
こす問題がある。
【0086】《着色剤》着色剤としては、従来公知の無
機顔料、有機顔料又は染料を用いることが出来る。
【0087】無機顔料の具体的な例としては、黒色の顔
料として、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブ
ラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ラン
プブラック等のカーボンブラックが用いられ、また、マ
グネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0088】有機顔料の具体的な例としては、マゼンタ
またはレッド用の顔料として、例えば、C.I.ピグメ
ントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.
ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、
C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッ
ド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグ
メントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド5
3:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.
ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド1
23、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグ
メントレッド144、C.I.ピグメントレッド14
9、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメ
ントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、
C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。また
オレンジまたはイエロー用の顔料として、C.I.ピグ
メントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ4
3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメ
ントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、
C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメント
イエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.
I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエ
ロー138等が挙げられる。グリーンまたはシアン用の
顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.
I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブ
ルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.
I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリー
ン7等が挙げられる。
【0089】染料の具体的な例としては、C.I.ソル
ベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同
111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、
同44、同77、同79、同81、同82、同93、同
98、同103、同104、同112、同162、C.
I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、
同93、同95等を挙げることができ、またこれらの混
合物も用いることが出来る。
【0090】これらの無機顔料、有機顔料、染料は所望
に応じて単独又は複数を選択併用することが可能であ
る。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量部
であり、好ましくは3〜15質量部が選択される。トナ
ーを磁性トナーとして使用する場合には通常前述のマグ
ネタイトが添加され、この場合には所定の磁気特性を付
与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加する
ことが好ましい。
【0091】着色剤は表面改質して使用することも出来
る。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用す
ることができ、具体的にはシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好
ましく用いることが出来る。
【0092】《その他の内添剤》トナー中には、着色剤
以外に、離型剤や荷電制御剤等の構成成分を加えてもよ
い。離型剤としては種々の公知のものを使用することが
でき、例えば、低分子量のポリプロピレン、ポリエチレ
ン等のオレフィン系ワックスや、これらの変性物、カル
ナバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂肪
酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどを挙げること
が出来る。荷電制御剤も同様に種々の公知のものを使用
することができ、例えば、ニグロシン系染料、ナフテン
酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、
第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチ
ル酸金属塩あるいはその金属錯体等を挙げることが出来
る。これら離型剤や荷電制御剤の粒子は、分散した状態
で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすること
が好ましい。
【0093】《外添剤》本発明に使用される扁平トナー
には、流動性の改良やクリーニング性の向上などの目的
で、いわゆる外添剤を添加して使用することが出来る。
これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種
々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することが
出来る。
【0094】無機微粒子としては、従来公知のものを使
用することが出来る。具体的には、シリカ、チタニア、
アルミナ微粒子、球形の有機微粒子等が好ましく用いる
ことが出来る。これら無機微粒子としては疎水性のもの
が好ましい。具体的には、シリカ微粒子として、例え
ば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−97
6、R−974、R−972、R−812、R−80
9、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キ
ャボット社製の市販品TS−720、TS−530、T
S−610、H−5、MS−5等が挙げられる。チタニ
ア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販
品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−
100S、MT−100B、MT−500BS、MT−
600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製
の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−1
30、TAF−510、TAF−510T、出光興産社
製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−
OC等が挙げられる。アルミナ微粒子としては、例え
ば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−60
4、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられ
る。
【0095】有機微粒子としては、数平均一次粒子径が
10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用する
ことが出来る。具体的には、スチレンやメチルメタクリ
レートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用する
ことが出来る。
【0096】滑剤としては、例えば、ステアリン酸の亜
鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の
塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウ
ム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カ
ルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の
塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級
脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0097】これら外添剤の添加量は、トナーに対して
0.01〜5質量%程度が好ましい。
【0098】《作製工程》本発明に使用される扁平トナ
ーの作製工程は、トナー母体粒子としての樹脂粒子を作
製する工程と、該樹脂粒子を球形化する工程と、球形化
された樹脂粒子を扁平処理する工程と、該扁平処理され
た粒子に外添剤を添加する工程とからなっている。
【0099】《樹脂粒子の作製工程》前記のようにトナ
ー母体粒子としての樹脂粒子の作製は、乳化重合や懸濁
重合等の重合法により調製した樹脂微粒子を水系媒体中
で融着させる方法が好ましく用いられる。
【0100】上記乳化重合や懸濁重合等の重合法により
調製した樹脂微粒子を水系媒体中で融着させてトナー母
体となる樹脂粒子を作製する場合の作製工程は、乳化重
合、懸濁重合等の重合法により樹脂微粒子を調製する重
合工程、得られた樹脂微粒子分散液を用いて水系媒体中
で樹脂微粒子を融着させて樹脂粒子を得る工程、水系媒
体中で融着させて得られた樹脂粒子をさらに昇温して球
形化する工程、水系媒体中より濾過し界面活性剤などを
除去する洗浄工程からなる。ここで水系媒体とは主成分
として水からなるもので、水の含有量が50質量%以上
であるものを示す。水以外のものとしては、水に溶解す
る有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセト
ン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどをあ
げることが出来るが、好ましくは樹脂を溶解しない有機
溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が好まし
い。
【0101】トナー母体粒子としての樹脂粒子にはトナ
ー構成成分として着色剤や離型剤、荷電制御剤等が必要
に応じて含有されるが、これらのトナー構成成分は樹脂
微粒子を調製する重合工程において樹脂微粒子中に含有
させる方法、あるいはこれらのトナー構成成分を含有し
ない樹脂微粒子を調製した後、該樹脂微粒子の分散液に
着色剤や離型剤、荷電制御剤等を分散または溶解した液
を添加して水系媒体中で融着させることにより樹脂粒子
中に含有させる方法の何れでもよいが、離型剤は重合工
程において含有させることが好ましく、着色剤は樹脂微
粒子を融着させる工程で含有させることが好ましい。
【0102】樹脂微粒子を調製する重合工程は、例え
ば、重合性単量体中に離型剤等を溶解した溶液を臨界ミ
セル濃度以下の界面活性剤を溶解させた水系媒体中に機
械的エネルギーによって油滴分散させ、この分散液に水
溶性重合開始剤を加え、ラジカル重合させる方法を挙げ
ることが出来る。この場合、モノマー中に油溶性の重合
開始剤を加えて使用してもよい。この油滴分散を行うた
めの分散機としては特に限定されるものでは無いが、例
えばクレアミックス、超音波分散機、機械式ホモジナイ
ザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等を挙
げることが出来る。
【0103】融着の方法としては、重合工程によって生
成された樹脂微粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析
しながら融着する方法が好ましく用いられる。
【0104】この塩析/融着を行う工程は、樹脂微粒子
及び着色剤粒子とが存在している水中にアルカリ金属塩
やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度
以上の凝集剤として添加し、ついで樹脂微粒子のガラス
転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に
融着を行う工程である。この工程では、水に無限溶解す
る有機溶媒を添加し、樹脂微粒子のガラス転移温度を実
質的に下げることで融着を効果的に行う手法を使用して
もよい。
【0105】ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及び
アルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウ
ム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類
金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナ
トリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げ
られる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素
塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。また前記
水に無限溶解する有機溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレ
ングリコール、グリセリン、アセトン等があげられる
が、炭素数が3以下のメタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノールのアルコールが好まし
く、特に、2−プロパノールが好ましい。
【0106】また着色剤粒子は、界面活性剤濃度を臨界
ミセル濃度(CMC)以上にした水系媒体中に着色剤を
分散して調製される。着色剤分散時の分散機は特に限定
されないが、好ましくは、超音波分散機、機械的ホモジ
ナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等
の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルや
ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられ
る。また着色剤は表面改質して使用してもよく、この場
合は、着色剤を分散した分散液中に表面改質剤を添加し
た後昇温して反応を行い、反応終了後に濾過、洗浄、乾
燥を行って表面改質剤で処理された顔料を得ることが出
来る。
【0107】融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添
加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好
ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の
放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布
が不安定になったり、融着させた樹脂粒子の表面性が変
動したりする問題が発生する。また塩析剤を添加する温
度は、樹脂微粒子のガラス転移温度以下であることが好
ましい。塩析剤を添加する温度が樹脂微粒子のガラス転
移温度以上であると、樹脂微粒子の塩析/融着は速やか
に進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大
粒径の粒子が発生したりする場合がある。この添加温度
の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよい
が、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃で
ある。
【0108】塩析剤を樹脂微粒子のガラス転移温度以下
で加えた後は、できるだけ速やかに昇温し、樹脂微粒子
のガラス転移温度以上に加熱する方法を使用することが
好ましい。このときの昇温速度としては1℃/分以上が
好ましく、昇温までの時間としては30分未満が好まし
く、10分未満が特に好ましい。昇温速度の上限として
は特に明確では無いが、急激な塩析/融着の進行による
粗大粒子の発生を抑制する観点から、15℃/分以下が
好ましい。特に好ましい形態として、塩析/融着をガラ
ス転移温度以上になった時点でも継続して進行させるこ
とにより、粒子の成長とともに融着を効果的に進行させ
ることが出来る。
【0109】次いで、塩析/融着も継続して進行させる
過程で、融着により成長する樹脂粒子の大きさをモニタ
リングしながら所望の大きさに到達した時点でさらに昇
温して球形化するのが好ましい。なお、この球形化によ
り、後述の扁平化処理で得られる扁平トナーの後述する
円形度が大となり、感光体上のトナー像が横たわるよう
な状態で該感光体表面に付着しやすくなる。
【0110】かくして得られる樹脂粒子の粒径は、体積
平均粒径で3〜9μmが好ましい。樹脂粒子の体積平均
粒径は、「コールターカウンターTA2」、「コルター
マルチサイザー」、「SLAD1100」(島津製作所
製)等のレーザー回折式粒径測定装置を用いて測定する
ことができ、「コールターカウンターTA2」及び「コ
ールターマルチサイザー」を用いる場合にはアパーチャ
ー径=100μmのアパーチャーを用いて2.0〜40
μmの範囲における粒径分布を用いて測定されたものを
示す。
【0111】樹脂粒子中に含まれる微粉量は、3.0μ
m以下の微粉量が個数分布で全体の20個数%以下であ
ることが好ましく、2.0μm以下の微粉量が10個数
%以下であることがさらに好ましい。この微粉量は大塚
電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用い
て測定することが出来る。この範囲に粒径分布を調整す
るためには、塩析/融着段階での温度制御を狭くするこ
とがよく、具体的には昇温までの時間を前述の30分未
満、好ましくは10分未満とし、昇温速度を1〜15℃
/分とすることである。
【0112】又、融着、球形化によって得られた樹脂粒
子の形状は、下式で示される形状係数の平均値(平均円
形度)が0.95〜1.00であることが好ましい。
【0113】形状係数=(円相当径から求めた円の周囲
長)/(粒子投影像の周囲長)さらに形状係数の分布が
シャープであることが好ましく、円形度の標準偏差は
0.10以下、下式で算出される形状係数のCV値は1
0%未満が好ましい。
【0114】CV値=(円形度の標準偏差)/(平均円
形度)×100 なお上記形状係数は、500個の樹脂粒子について、走
査型電子顕微鏡により500倍に拡大した樹脂粒子の写
真を撮影し、画像解析装置「SCANNINGIMAG
E ANALYSER」(日本電子社製)を使用して写
真画像の解析を行って円形度を測定し、その算術平均値
を求めることにより算出することが出来る。また簡便な
測定方法としては、「FPIA−1000」(東亜医用
電子株式会社製)により測定することが出来る。
【0115】所望の粒径及び形状の粒子が得られた段階
で樹脂粒子分散液を冷却し、得られた粒子を水系媒体中
より濾過、水洗し、ウェットケーキ状の樹脂粒子を得
る。
【0116】《扁平処理工程》樹脂粒子の扁平処理は、
樹脂粒子を分散した液に熱と機械的な剪断力を加えるこ
とにより行うことが出来る。具体的には、上記で得られ
たウェットケーキ状の樹脂粒子を水系媒体中に再分散
し、この分散液に、粒径100〜2000μm程度のポ
リエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリ
ロニトリル共重合体等からなる合成樹脂微粒子、ガラス
ビーズ、ジルコニアビーズ等を媒体として加えた後、分
散液を樹脂粒子のガラス転移点以上の温度で加熱しなが
ら撹拌する方法が好ましく用いられる。この際、樹脂粒
子の分散液中にメチルセルロース等の増粘剤を加えて樹
脂粒子分散液の粘度を上げてもよく、また必要に応じて
消泡剤を添加することも可能である。
【0117】樹脂粒子分散液を加熱撹拌する装置として
は、従来公知の分散機を用いることができ、具体的に
は、サンドグラインダー、ゲッツマンミル、ダイヤモン
ドファインミル等の媒体型分散機を挙げることが出来る
がこれらに限定されるものではない。
【0118】分散液の温度は樹脂粒子のガラス転移点以
上であることが必要であり、また上限としては、前記樹
脂粒子の作製工程において樹脂微粒子を塩析/融着する
際の処理温度以下あるいは樹脂粒子中に含有される離型
剤の融点以下であることが好ましく、扁平処理温度とし
ては、例えば樹脂粒子のガラス転移点以上、ガラス転移
点+20℃以下の範囲が好ましく用いられる。扁平処理
温度が低すぎると、樹脂粒子の扁平処理が十分に行われ
ず、扁平処理温度が高すぎると、樹脂粒子が凝集した
り、樹脂粒子中に含有される離型剤が樹脂粒子中から溶
出したりする。樹脂粒子の扁平処理時間は、樹脂粒子分
散液の温度、使用する媒体の粒径や比重、撹拌速度や撹
拌槽の形状等にも依るが、通常10分〜10時間程度で
ある。
【0119】以上の加熱撹拌処理により分散液中の樹脂
粒子に扁平処理が施されるが、扁平処理された樹脂粒子
の表面を滑らかにするために、篩等を用いて樹脂粒子分
散液から媒体を分離した後、引き続き分散液を加熱撹拌
してもよい。この場合の加熱温度は上記扁平処理温度と
同じ範囲であることが好ましい。
【0120】扁平処理終了後、樹脂粒子分散液を冷却
し、扁平処理された樹脂粒子を濾過、洗浄した後、乾燥
し、扁平トナーを得る。得られた扁平トナーの形状は、
平均粒径((r1+r2+r3)/3)が4〜10μmで
あり、平均扁平度((r2+r3)/(2×r1))が2
〜5である。
【0121】なお、本発明でいう扁平トナーの平均厚さ
(r1)、平均長径(r2)、平均短径(r3)は、該扁
平トナーを平滑な測定面上に均一に分散付着させ、該扁
平トナーの粒子500個について、カラーレーザー顕微
鏡「VK−8500」(株式会社キーエンス製)により
500倍に拡大して、該500個のトナー粒子の厚さ、
長径及び短径を測定し、それらの算術平均値から求める
ことが出来る。
【0122】尚、カラーレーザー顕微鏡としては、上記
に限定されるものではなく同程度の精度を有するもので
あれば他のものでも使用することが出来る。
【0123】又、本発明の扁平トナーにおいては、投影
面積が最大となる方向から見たときのトナーの形状(以
下扁平面の形状という)は、下記式で示される形状係数
の平均値(平均円形度)が0.95〜1.00であるこ
とが好ましく、0.98〜1.00がさらに好ましい。
【0124】形状係数=(円相当径から求めた円の周囲
長)/(粒子投影像の周囲長) さらに形状係数の分布がシャープであることが好まし
く、円形度の標準偏差は0.10以下、下式で算出され
る形状係数のCV値は10%未満が好ましい。
【0125】CV値=(円形度の標準偏差)/(平均円
形度)×100 なお、本発明の扁平トナーの形状は、扁平処理前のトナ
ー母体粒子としての樹脂粒子の粒径及び形状と、その後
の扁平処理工程における扁平化の度合いによってほぼ一
義的に決定され、扁平化の度合は扁平処理時間を変化さ
せることによって容易に制御することが出来る。
【0126】図3は、扁平処理時間と扁平トナーの形状
との関係の一例を示す図である。図3(a)、(b)、
(c)はそれぞれトナー母体粒子として3.0μm、
6.5μm、8.5μmの球形粒子を用いて扁平処理し
たとき扁平処理時間に対する平均円相当径と平均厚さ
(r1)の変化を示した図である。平均円相当径は扁平
トナーを投影面積が最大となる方向から見たときのトナ
ー投影面積と同面積の円の直径であり、本発明における
平均長径(r2)と平均短径(r3)の平均値((r2
3)/2)にほぼ近い値である。例えば、トナー母体
粒子として粒径3.0μmの球形粒子を用いた場合は、
図3(a)に示すように、扁平処理時間と共に平均円相
当径と平均厚さが(3.4μm、2.3μm)、(3.
8μm、1.9μm)、(4.3μm、1.4μm)、
(4.8μm、1.2μm)、(5.1μm、1.0μ
m)、(5.5μm、0.9μm)、・・・と変化し、
トナー母体粒子として粒径6.5μmの球形粒子を用い
た場合は、図3(b)に示すように、扁平処理時間と共
に平均円相当径と平均厚さが(7.4μm、5.0μ
m)、(8.2μm、4.1μm)、(9.4μm、
3.1μm)、(10.3μm、2.6μm)、(1
1.1μm、2.2μm)、(11.8μm、2.0μ
m)、・・・と変化し、トナー母体粒子として粒径8.
5μmの球形粒子を用いた場合は、図3(c)に示すよ
うに、扁平処理時間と平均円相当径と平均厚さが(9.
7μm、6.5μm)、(10.7μm、5.4μ
m)、(12.3μm、4.1μm)、(13.5μ
m、3.4μm)、(14.5μm、2.9μm)、
(15.4μm、2.6μm)、・・・と変化する。
【0127】《外添剤処理工程》上記で得られた扁平ト
ナー粒子はそのまま使用してもよいが、例えば流動性、
帯電性、クリーニング性の改良を行うことを目的とし
て、前述の外添剤を添加してもよい。外添剤の添加方法
としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサ
ー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の
混合装置を使用することが好ましい。
【0128】次に、本発明の像形成体と扁平トナーを用
いた画像形成方法に用いる画像形成装置について説明す
る。
【0129】図4は、画像形成装置の一例を示す断面構
成図である。図4の画像形成装置では、円筒状の感光体
ドラムの周縁に複数組の帯電器、露光器(内部露光
型)、現像器が配置され、1パスで該感光体ドラム上に
カラートナー像が形成され、該カラートナー像は給紙装
置からタイミングを合わせて給紙された転写材P上に押
圧転写方式で一括転写され熱ローラ定着装置により定着
されてカラー画像が形成される。ここで、感光体ドラム
10は、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の透明部
材によって形成された円筒状の透光性基体の外周に、透
光性の導電層及びその上に感光層を形成したものであ
る。
【0130】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により、透光性の導電層が接地された状態で矢
印で示す時計方向に回転される。
【0131】本発明では、感光体ドラム10の透光性の
基体の光透過率は、100%である必要はなく、画像形
成に必要な光透過率として70%以上であるのが好まし
い。上記透光性の基体の素材としては、アクリル樹脂、
特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを重合したも
のが、透光性、強度、精度、表面性等において優れてお
り好ましく用いられるが、その他一般光学部材等に使用
されるアクリル、フッ素化ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリエチレンテレフタレート等の各種透光性樹脂
等が使用可能である。又、露光光に対して70%以上の
光透過率を有していれば、着色していてもよい。
【0132】透光性の導電層としては、例えばインジウ
ム錫酸化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウ
ム、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Al等からなる金
属薄膜が用いられる。成膜法としては、例えば、真空蒸
着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種C
VD法、浸漬塗工法、スプレー塗布法等が利用出来る。
【0133】又、コロナ放電電極11a及び制御グリッ
ド11bを有するスコロトロン型の帯電器11、画像書
込手段としての露光光学系12、現像手段としての現像
器13が、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)及び黒(K)の各色毎の画像形成
プロセス用として準備されており、矢印にて示す感光体
ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順に
配置される。
【0134】帯電器11は感光体ドラム10の移動方向
に対して直交する方向(図4において紙面垂直方向)に
感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光
体ドラム10の像形成体層に対し所定の電位に保持され
た前記制御グリッド11bと、コロナ放電電極11aと
して、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性のコロ
ナ放電によって帯電作用(本実施形態においてはマイナ
ス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を
与える。コロナ放電電極11aとしては、その他ワイヤ
電極や針状電極を用いることも可能である。
【0135】各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像
露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を
感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた
線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセル
フォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた
露光用ユニットとして構成される。露光光学系保持部材
としての円柱状の保持体20に、各色毎の露光光学系1
2が取付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容さ
れる。露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、
EL(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放
電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のもの
が用いられる。
【0136】各色毎の画像書込手段としての露光光学系
12は、感光体ドラム10上での露光位置を、帯電器1
1と現像器13との間で、現像器13に対して感光体ド
ラム10の回転方向上流側に設けた状態で、感光体ドラ
ム10の内部に配置される。
【0137】露光光学系12は、別体のコンピュータ
(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像デ
ータを画像処理して得た画像信号をタイミングを合わせ
取りだし、一様に帯電した感光体ドラム10に像露光を
行い、感光体ドラム10上に静電潜像を形成する。この
実施形態で使用されるLEDの発光波長は、通常はY、
M、Cのトナーに対して透光性の高い680〜900n
mの範囲のものが用いられるが、本実施例では内部露光
方式であるため、露光がトナーを透過する必要がないた
め上記透光性の高い680〜900nmに拘る必要がな
い。
【0138】各色毎の現像器13は、内部にイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色
(K)の二成分(一成分でもよい)の現像剤を収容し、
それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25
mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で
形成された現像剤担持体である現像スリーブ13aを備
えている。
【0139】現像領域では、現像スリーブ13aは、突
き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の
間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保
たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置におい
て順方向に回転するようになっており、現像時、現像ス
リーブ13aに対してトナーと同極性(本実施形態にお
いてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流
電圧を重畳する現像バイアス電圧を印加することによ
り、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転現
像が行われる。この時の現像間隔精度は画像むらを防ぐ
ために20μm程度以下が必要である。
【0140】以上のように現像器13は、帯電器11に
よる帯電と露光光学系12による像露光によって形成さ
れる感光体ドラム10上の静電潜像を、非接触の状態で
感光体ドラム10の帯電極性と同極性のトナー(本実施
形態においては感光体ドラムは負帯電であり、トナーは
負極性)により反転現像する。
【0141】画像形成のスタートにより、感光体10
が、不図示の感光体ドラム10を駆動する駆動モータの
始動により、図4の矢印で示す時計方向へ回転され、同
時にYの帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10
に電位の付与が開始される。感光体ドラム10は、電位
を付与された後、Yの露光光学系12において第1の色
信号に対応する画像信号による露光(画像書込)が開始
され、感光体ドラム10の回転走査によってその表面に
原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が
形成される。この潜像はYの現像器13により非接触の
状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー
(Y)のトナー像が形成される。
【0142】次いで、感光体ドラム10は、前記イエロ
ー(Y)のトナー像の上に、Mの帯電器11の帯電作用
により電位が付与され、Mの露光光学系12の第2の色
信号に対応するマゼンタ(M)の画像信号による露光
(画像書込)が行われ、Mの現像器13による非接触の
反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上
にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成され
る。
【0143】同様のプロセスにより、Cの帯電器11、
露光光学系12及び現像器13によってさらに第3の色
信号に対応するシアン(C)のトナー像が、又、Kの帯
電器11、露光光学系12及び現像器13によって第4
の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合
わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその
周面上にカラートナー像が形成される。
【0144】このように、本実施の形態では、Y、M、
C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の像
形成体層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より
透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及
び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成
されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形
成することが可能となる。
【0145】一方、転写材としての転写材Pは、転写材
収納手段としての給紙カセット15より、送り出しロー
ラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号な
し)により給送されてタイミングローラ16へ搬送され
る。
【0146】転写材Pは、タイミングローラ16の駆動
によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナ
ー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器
(不図示)の帯電によりエンドレスベルト状の搬送部材
14aに吸着されて転写域へ給送される。搬送部材14
aにより密着搬送された転写材Pは、転写域でトナーと
反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の図示し
ないバイアス電極により電圧(300〜3000V)が
印加され、かつ10〜1000×102Paの押圧力で
転写材Pの背面から押圧して転写する転写ローラ14c
の作用で感光体ドラム10の周面上のカラートナー像が
一括して該転写材Pに押圧転写される。
【0147】カラートナー像が転写された転写材Pは、
転写材分離手段としての除電器14hにより除電され
て、エンドレスベルト状の搬送部材14aから分離さ
れ、定着装置17へと搬送される。
【0148】定着装置17は、上側のローラ状の定着用
回転部材としての定着ローラ17aと、上側の定着ロー
ラ17aに対向して設けられる下側のローラ状の定着部
材としての圧着ローラ17bとにより構成される。定着
ローラ17aの内部中心には、光源によっては可視光を
含んだ赤外線或いは遠赤外線等の熱線を発するハロゲン
ランプ等が熱線照射手段として配設される。
【0149】転写材Pは、定着ローラ17aと圧着ロー
ラ17bとの間で形成されるニップ部Nで挟持され、転
写材P上のカラートナー像が、熱と圧力とを加えること
により定着される。その後、転写材pは、排出ローラ1
8により送られて、装置上部のトレイへ排出される。
【0150】転写後の感光体ドラム10の周面上に残っ
たトナーは、感光体クリーニング手段としての感光体ク
リーニング装置19に設けられた感光体クリーニングブ
レード19aによりクリーニングされる。残留トナーを
除去された感光体ドラム10は、帯電器11によって一
様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
【0151】本発明では、静電潜像の最大露光部と未露
光部の電位コントラストが500〜1000V、像露光
部のビーム径が20〜40μm、像形成体上に静電潜像
を形成するに際し面積変調された画像データに基づいて
前記像形成体を像露光し、像形成体を像露光して静電潜
像を形成するときの書込密度が600dpi(240ド
ット/cm)以上であることが好ましい。
【0152】これらの構成により像形成体である感光体
10上にシャープな静電潜像が形成される。
【0153】なお上記画像形成装置においては、カラー
画像形成にて説明したが、モノクロ画像のみの画像形成
を行うことも可能である。
【0154】図5は、画像形成装置の他の例を示す断面
構成図である。図5の画像形成装置では、画像形成装置
上部には、透明なガラス板等からなる原稿台と、さらに
原稿台上に載置した原稿Dを覆う原稿カバー等からなる
原稿載置部111があり、原稿台の下方であって、装置
本体内には第1ミラーユニット112、第2ミラーユニ
ット113、主レンズ120、カラーCCD123等か
らなる画像読み取り部Aが設けられている。第1ミラー
ユニット112は露光ランプ114、第1ミラー115
を備え、前記原稿台と平行に、かつ図面左右方向へ直線
移動可能に取り付けられていて、原稿Dの全面を光学走
査する。第2ミラーユニット113は第2ミラー116
及び第3ミラー117を一体化して備え、常に所定の光
路長を保つように第1ミラーユニット112の1/2の
速度で左右同方向に直線移動する。勿論この第2ミラー
ユニット113の移動は前記第1ミラーユニット112
と同様に原稿台に対して平行である。前記露光ランプ1
14によって照明される原稿台上の原稿Dの像は、主レ
ンズ120により第1ミラー115、第2ミラー11
6、第3ミラー117を経てカラーCCD123上へ結
像されるようになっている。走査が終わると第1ミラー
ユニット112及び第2ミラーユニット113は元の位
置に戻り、待機して次のコピーに備えられる。
【0155】前記カラーCCD123によって得られた
各色の画像データは、画像処理部において画像処理さ
れ、画像信号として次に説明する画像形成部Eにてレー
ザ書込みが行われる。
【0156】図5に示す画像形成装置は画像形成部Eと
して中間転写体14bを用いたタンデム方式のカラー画
像形成装置であって、中間転写体14bの周縁部にはイ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒
(K)とから成る4組のプロセスユニット100が設け
られていて、各プロセスユニット100ではY、M、C
及びKトナー像が形成され、各色トナー像は中間転写体
14bの上で重ね合わせて転写され、転写されたカラー
トナー像は転写材P上に一括転写され、定着されて機外
に排出される構成となっている。
【0157】4組のプロセスユニット100Y、100
M、100C、100Kは何れも共通した構造となって
いるので、その1組についてプロセスユニット100と
して説明する。感光体ドラム10は、円筒状の導電性基
体の外周に、像形成体層を設けて得られ、該感光体ドラ
ム10の誘電厚さ(d/k)は4〜8μmを有すること
を特徴としており、図示しない駆動源からの動力によ
り、或いは中間転写体14bに従動し、導電性基体を接
地された状態で矢印で示す反時計方向に回転される。
【0158】11は、スコロトロン型の帯電器で、感光
体ドラム10の移動方向に対して直交する方向に感光体
ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、トナーと同
極性のコロナ放電によって、感光体ドラム10に対し一
様な電位を与える。
【0159】12は画像信号に基づいてY、M、C及び
Kの像露光を行う露光光学系で、例えばポリゴンミラー
等によって感光体ドラム10の回転軸と平行に走査を行
う走査光学系である。一様帯電された感光体ドラム10
上に露光光学系12によって像露光を行うことによって
静電潜像が形成される。
【0160】感光体ドラム10周縁には、負に帯電した
本発明のトナーと磁性キャリアから成る2成分の現像剤
を内蔵した現像器13が設けられている。反転現像は、
磁石体を内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ
13aによって行われる。
【0161】現像剤は、前記キャリアと本発明のトナー
を混合したもので、現像スリーブ13a上に0.1〜
0.6mmの層厚に規制されて現像域へと搬送される。
【0162】現像域における現像スリーブ13aと感光
体ドラム10との間隙は、現像剤の層厚よりも大きい
0.2〜1.0mmに設定される。現像スリーブ13a
と感光体ドラム10との間には、直流電圧VDCに交流電
圧VACが重畳された交流バイアス電圧が印加される。
【0163】トナーの帯電は直流電圧VDCと同極性
(負)であるため、交流電圧VACによってキャリアから
離脱するきっかけを与えられたトナーは、直流電圧VDC
より電位の絶対値の高い感光体潜像VHの部分には付着
せず、電位の絶対値の低い感光体潜像VLの部分にその
電位差に応じたトナー量が付着し顕像化(反転現像)す
る。又、現像スリーブ13aと感光体ドラム10との間
には直流電圧VDCのみを印加してもよい。なお現像は接
触現像であっても差し支えない。このトナー像は転写位
置において中間転写体14b上に転写される。転写を終
えてドラム上に残留した転写残トナーは、感光体クリー
ニングブレード19aを備えた感光体クリーニング装置
19によって清掃が行われる。
【0164】Y、M、C及びKから成る4色のプロセス
ユニット100Y、M、C、Kが並列して対向する中間
転写体14bは、好ましくは前記した特性を有するベル
ト状の部材であり、駆動ローラ14d、従動ローラ14
e、テンションローラ14k及びバックアップローラ1
4jに外接して張架される。画像形成時には、不図示の
駆動モータよりの駆動をうけて駆動ローラ14dが回転
され、各色毎の転写位置では、1次転写ローラ14cに
より感光体ドラム10に中間転写体14bが押圧され、
図の矢印で示す方向に回転される。
【0165】各色毎の転写手段である1次転写ローラ1
4cは、中間転写体14bを挟んで各色毎の感光体ドラ
ム10に対向して設けられ、中間転写体14bと各色毎
の感光体ドラム10との間に各色毎の転写域を形成す
る。各色毎の1次転写ローラ14cにはトナーと反対極
性(本実施形態においてはプラス極性)の直流電圧を印
加し、転写域に転写電界を形成することにより、各色毎
の感光体ドラム10上のトナー像を中間転写体14b上
に転写する。
【0166】画像記録のスタートにより、プロセスユニ
ット100Yの感光体ドラム10が、不図示の感光体駆
動モータの始動により、図の矢印で示す方向へ回転さ
れ、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯電作用によ
りYの感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0167】Yの感光体ドラム10は、電位を付与され
た後、Yの露光光学系12によって制御部から出力する
電気信号による画像書込が開始され、Yの感光体ドラム
10の表面に制御部からの出力画像に対応する静電潜像
が形成される。
【0168】このYの潜像は、Yトナー用の現像器13
により非接触又は接触状態で反転現像がなされYの感光
体ドラム10の回転に応じYトナー像が形成される。
【0169】上記の画像形成プロセスによってYの感光
体ドラム10上に形成されたYトナー像が、Yの転写域
の1次転写ローラ14cによって、中間転写体14b上
に転写される。
【0170】Yのプロセスユニット100Yの作動に僅
かに遅れて、プロセスユニット100Mの感光体ドラム
10が、図の矢印で示す方向へ回転され、同時にMの帯
電器11の帯電作用により、Mの感光体ドラム10に電
位の付与が開始される。
【0171】Mの感光体ドラム10は、電位を付与され
たあと、Mの露光光学系12によってYのトナー像と同
期してMの画像データに対応する電気信号による画像書
込が開始され、Mの感光体ドラム10の表面に原稿画像
のMの画像に対応する静電潜像が形成される。
【0172】このMの潜像は、Mの現像器13により非
接触又は接触状態で反転現像がなされMの感光体ドラム
10の回転に応じMトナー像が形成される。上記の画像
形成プロセスによってMの感光体ドラム10上に形成さ
れたMトナー像が、Mの転写域の1次転写ローラ14c
によって、中間転写体14bのYのトナー像上に転写さ
れる。
【0173】次いで中間転写体14bは、Y、Mのトナ
ー像と同期が取られ、プロセスユニット100Cにより
Cの感光体ドラム10上に形成されたCの画像データに
対応するCのトナー像が、Cの転写域の1次転写ローラ
14cによって、前記のY、Mのトナー像の上にCトナ
ー像が重ね合わせて形成される。
【0174】同様のプロセスにより、Y、M、Cの重ね
合わせトナー像と同期が取られ、プロセスユニット10
0KによりKの感光体ドラム10上に形成された、Kの
画像データに対応するKトナーを用いたKのトナー像
が、Kの転写域の1次転写ローラ14cによって、前記
のY、M、Cのトナー像の上にKトナー像が重ね合わせ
て形成され、中間転写体14b上にY、M、C及びKの
重ね合わせカラートナー像が形成される。
【0175】転写後の各色毎の感光体ドラム10の周面
上に残った転写残トナーは、各色毎の感光体のクリーニ
ング手段であるクリーニング装置19によりクリーニン
グされる。
【0176】転写材Pは、中間転写体14b上の重ね合
わせカラートナー像形成と同期して転写材収納手段であ
る給紙カセット15から、転写材給送手段としてのタイ
ミングローラ16を経て、第2の転写手段である2次転
写ローラ14gの転写域へと搬送さる。中間転写体14
b上の重ね合わせカラートナー像は、トナーと反対極性
の直流電圧が印加される2次転写ローラ14gにより、
転写材P上に一括して転写される。転写材P上には、
K、C、M、Yのカラートナー像が存在することとな
る。
【0177】カラートナー像が転写された転写材Pは、
定着装置17へと搬送され、定着ローラ17aと圧着ロ
ーラ17bとの間で熱と圧力とを加えられることにより
転写材P上のトナー像が定着された後、排出ローラ18
により送られ、装置上部のトレイへ排出される。
【0178】転写後の中間転写体14bの周面上に残っ
た転写残トナーは、中間転写体14bを挟んで従動ロー
ラ14eに対向して設けられる中間転写体14bのクリ
ーニング手段である中間転写体クリーニング装置20の
中間転写体クリーニングブレード20aによりクリーニ
ングされる。
【0179】Y、M、C及びKの4組のプロセスユニッ
ト100が並列して対向する中間転写体14bは、前記
特性を有する半導電性エンドレスベルトであり、駆動ロ
ーラ14d、従動ローラ14e、テンションローラ14
k及びバックアップローラ14jに外接して張架され、
画像形成時には、不図示の駆動モータよりの駆動をうけ
て駆動ローラ14dが回転され、各色毎の転写位置では
1次転写ローラ14cにより感光体ドラム10に中間転
写体14bが押圧され、図の矢印で示す方向に回転され
る。
【0180】本発明では、静電潜像の最大露光部と未露
光部の電位コントラストが500〜1000V、像露光
部のビーム径が20〜40μm、像形成体上に静電潜像
を形成するに際し面積変調された画像データに基づいて
前記像形成体を像露光し、像形成体を像露光して静電潜
像を形成するときの書込密度が600dpi(240ド
ット/cm)以上であることが好ましい。
【0181】これらの構成により像形成体である感光体
10a上にシャープな静電潜像が形成される。
【0182】尚、感光体から中間転写体への1次転写時
の押圧力は10〜1000×102Pa、中間転写体か
ら転写材への2次転写時の押圧力は5〜500×102
Paとするのが好ましい。
【0183】図6は、画像形成装置のさらに他の例を示
す断面構成図である。図6の画像形成装置は図5の画像
形成装置に近い装置であるが、図5の画像形成装置では
エンドレスベルト状の中間転写体14bを用いて、該中
間転写体14b上に各色トナー像を重ね合わせてカラー
トナー像を形成し、該カラートナー像を転写材P上に転
写、定着してカラー画像を形成したのに対して、図6の
画像形成装置では、エンドレスベルト状の搬送部材14
aにより搬送される転写材P上に直接各色トナー像を重
ね合わせてカラートナー像を形成し、該カラートナー像
を定着してカラー画像を形成している点が相違してい
る。なお、図6のエンドレスベルト状の搬送部材14a
は転写材を無理なく搬送できる部材であれば、特に限定
はないが、通常0.5〜2mm厚のゴム又はプラスチッ
ク製エンドレスベルト状部材が用いられる。また、図6
の150は転写材をエンドレスベルト状の搬送部材14
aに付着させるための電極である。
【0184】
【実施例】以下に、実施例を挙げて具体的に説明する
が、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではな
い。
【0185】実施例1 《内部露光型感光体ドラムの作製》図4に示す画像形成
装置に組み込まれる内部露光型の感光体ドラムは、透明
導電層を設けた円筒状導電性支持体上に、中間層、電荷
発生層、電荷輸送層を積層して作製した。
【0186】〈支持体〉内部露光型の感光体ドラムの支
持体としては、直径120mmのポリメチルメタクリレ
ート製の円筒状透明基体上に、0.5μm厚のインジウ
ム錫合金からなる透明導電層(ITO)を設けた表面が
導電性のものを用いた。
【0187】 〈中間層〉 チタンキレート化合物「TC−750」(松本製薬製) 30g シランカップリング剤「KBM−503」(信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml 上記の塗布液を、前記「支持体」の導電層上に塗布、乾
燥して厚さ0.5μmの「中間層」を形成した。
【0188】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最大ピー ク角度が2θで27.3) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂「X−40−1211M」(信越化学社製) 700g メチルエチルケトン 2000ml 上記化合物を混合し、サンドミルを用いて10時間分散
し、電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を前記
「中間層」の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥して厚さ
0.2μmの「電荷発生層」を形成した。
【0189】 〈電荷輸送層〉 CTM(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチリル) フェニル}−p−トルイジン) 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g ジクロロメタン 2000ml 上記化合物を混合溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製し
た。この塗布液を前記「電荷発生層」の上に浸漬塗布法
で塗布し、乾燥して厚さ5、15、27μmの「電荷輸
送層1〜3」を形成し、膜厚の異なる3種類の「内部露
光型の感光体ドラム1〜3」を作製した。
【0190】《外部露光型感光体ドラムの作製》図5及
び6に示す画像形成装置に組み込まれる外部露光型の感
光体ドラムは、円筒状導電性支持体上に、中間層、電荷
発生層、電荷輸送層を積層して作製した。
【0191】〈支持体〉「導電性支持体」としては、ア
ルミニウム製の円筒状基体を用いた。
【0192】 〈中間層〉 チタンキレート化合物「TC−750」(松本製薬製) 30g シランカップリング剤「KBM−503」(信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml 上記化合物を混合し溶解した塗布液を、「導電性支持
体」上に、浸漬塗布法で塗布し、乾燥して厚さ0.5μ
mの「中間層」を形成した。
【0193】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最大ピー ク角度が2θで27.3) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂「X−40−1211M」(信越化学社製) 700g メチルエチルケトン 2000ml 上記化合物を混合後、サンドミルを用いて10時間分散
し、電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を前記
「中間層」上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥して厚さ0.
2μmの「電荷発生層」を形成した。
【0194】 〈電荷輸送層〉 CTM(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチリル) フェニル}−p−トルイジン) 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g ジクロロメタン 2000ml 上記化合物を混合溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製し
た。この塗布液を前記「電荷発生層」の上に浸漬塗布法
で塗布し、乾燥して厚さ5、15、27μmの「電荷輸
送層4〜6」を形成し、膜厚の異なる3種類の「外部露
光型の感光体ドラム4〜6」を作製した。
【0195】《トナーの作製》 〈黒トナー〉ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.055kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶液
を「アニオン界面活性剤溶液A」とした。
【0196】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0L
に溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とし
た。
【0197】過硫酸カリウム223.8gをイオン交換
水12.0Lに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とし
た。
【0198】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100Lのグラスライニング(GL)反応釜に、ワ
ックスエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロ
ピレンエマルジョン:数平均1次粒子径120nm、固
形分濃度29.9質量%)3.41kg、「アニオン界
面活性剤溶液A」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液
B」全量を入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換
水44.0Lを加えた。
【0199】次いで、加熱を開始し、液温度が75℃に
なったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下した。そ
の後、液温度を75±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kg、アクリル酸n−ブチル2.88kg、メタ
クリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン5
48gの予め混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液
温度を80±1℃に上げて、6時間加熱撹拌して重合を
完了した。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を
停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテック
ス1−A」とした。
【0200】尚、「ラテックス1−A」中の樹脂粒子の
ガラス転移点は57℃、軟化点は121℃、重量平均分
子量は1.27万、重量平均粒径は120nmであっ
た。
【0201】又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解した
溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とした。
【0202】又、ノニルフェノールポリエチレンオキサ
イド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.
0Lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」と
した。
【0203】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始
剤溶液F」とした。
【0204】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100LのGL反応釜に、ワックス
エマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレン
エマルジョン:数平均1次粒子径120nm、固形分濃
度29.9質量%)3.41kg、「アニオン界面活性
剤溶液D」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液E」全量
を入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換水44.
0Lを投入した。加熱を開始し、液温度が70℃になっ
たところで、「開始剤溶液F」を添加した。次いで、ス
チレン11.0kg、アクリル酸n−ブチル4.00k
g、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカ
プタン9.02gの予め混合した溶液を滴下した。滴下
終了後、液温度を72±2℃に制御して6時間加熱撹拌
を行った後、液温度を80±2℃に上げて12時間加熱
撹拌し、重合を完了した。次いで、液温度を40℃以下
に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、こ
れを「ラテックス1−B」とした。
【0205】尚、「ラテックス1−B」中の樹脂粒子の
ガラス転移点は58℃、軟化点は132℃、重量平均分
子量は24.5万、重量平均粒径は110nmであっ
た。
【0206】塩析剤として塩化ナトリウム5.36kg
をイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナト
リウム溶液G」とした。
【0207】n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kg
と純水10.0Lを入れ撹拌溶解した。この溶液に、カ
ーボンブラック「リーガル330R」(キャボット株式
会社製)1.20kgを徐々に加え、1時間よく撹拌し
た後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用い
て、20時間連続分散した。これを「着色剤分散液1」
とした。
【0208】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100LのS
US反応釜に、上記で作製した「ラテックス1−A」を
20.0kg、「ラテックス1−B」を5.2kg、
「着色剤分散液1」を0.4kg及びイオン交換水を2
0.0kg入れて撹拌した。
【0209】10分間放置した後に昇温を開始し、液温
度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて加熱撹拌
して塩析/融着させながら粒径成長させ、融着粒子の平
均粒径が3μmになった段階で「塩化ナトリウム溶液
G」を添加して粒径成長を停止した。この液を「融着粒
子分散液1」とした。
【0210】又、同様にして融着粒子の平均粒径が6.
5μm、8.5μmになるまで粒径を成長させた液を作
製し、これらを「融着粒子分散液2」および「融着粒子
分散液3」とした。
【0211】次いで、温度センサー、冷却管を付けた5
Lの反応容器に、上記の「融着粒子分散液1」〜「融着
粒子分散液3」の各分散液を5.0kg入れ、液温度9
2±2℃にて、融着粒子の形状変化を観察しながら、形
状係数の平均値が0.98以上になるまで加熱撹拌を行
い、融着粒子の球形化処理を行った。これらを「球形粒
子分散液1」(平均粒径3μm)、「球形粒子分散液
2」(平均粒径6.5μm)および「球形粒子分散液
3」(平均粒径8.5μm)とした。
【0212】次いで、「球形粒子分散液1」〜「球形粒
子分散液3」の各分散液を1kgと平均粒径0.6mm
のガラスビーズ1kgとをサンドグラインダー(媒体型
分散機:内径200mm、撹拌ディスク径180mm)
に入れて、85±2℃、500rpmにて形状変化を電
子顕微鏡で確認しながら連続撹拌し、扁平化処理を行っ
た。所定時間の処理を行った後、40℃以下に冷却し、
撹拌停止後、目開き200メッシュの篩を通してガラス
ビーズを取り除いた後、ヌッチェを用いてウェットケー
キ状の黒粒子を濾取した。イオン交換水による洗浄と濾
過を3回行った後、ウェットケーキ状の黒粒子をフラッ
シュジェットドライヤーを用いて吸気温度50℃にて予
備乾燥し、さらに流動層乾燥機を用いて55℃の温度で
乾燥して、「黒粒子1〜3」を作製した。
【0213】得られた「黒粒子1〜3」に、疎水性シリ
カ微粒子をヘンシェルミキサーにて外添混合して「黒ト
ナー1〜3」を作製した。
【0214】〈シアントナー〉「黒トナー」の作製にお
いて、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピ
グメントブルー15:3を0.6kg使用した他は同様
にして「シアントナー4〜6」を作製した。
【0215】〈マゼンタトナー〉「黒トナー」の作製に
おいて、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.
ピグメントレッド122を1.2kg使用した他は同様
にして「マゼンタトナー7〜9」を作製した。
【0216】〈イエロートナー〉「黒トナー」の作製に
おいて、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.
ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他は同
様にして「イエロートナー10〜12」を作製した。
【0217】《評価》 (像形成体の比誘電率)像形成体の比誘電率はASTM
−150に準処して測定した。
【0218】(像形成体の膜厚)像形成体の膜厚は渦電
流方式の膜厚測定器「EDDY56C」(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行っ
た。
【0219】作製した像形成体の厚さ(d)、比誘電率
(k)及びd/kを表1に示す。
【0220】
【表1】
【0221】(トナーの形状)トナー粒子の平均厚み
(r1)、平均長径(r2)及び平均短径(r3)は、平
滑面にトナー粒子を均一に分散付着させ、その面を上面
より顕微鏡で500倍に拡大し、扁平トナー粒子500
個について厚み(r1′)、長径(r2′)及び短径(r
3′)を測定し、その算術平均値から求めた。
【0222】作製したトナーの形状を表2に示す。
【0223】
【表2】
【0224】《現像剤の調製》上記のようにして得られ
たトナー各々と、スチレン−アクリル樹脂で被覆した平
均粒径45μmのフェライトキャリアを、混合機で混合
して、評価用の「黒の現像剤」、「シアンの現像剤」、
「マゼンタの現像剤」、「イエローの現像剤」を調製し
た。
【0225】得られた現像剤のトナー帯電量は何れも−
20〜−25μC/gの範囲であった。
【0226】《画像形成》画像を作成するための画像形
成装置は、図4、5及び6の装置を用い、電位コントラ
スト、ビーム径、面積変調及び書込密度を下記の様に設
定しプリントを行った。
【0227】 電位コントラスト:800V ビーム径 :30μm 面積変調 :画像制御部で行う 書込密度 :1200dpi(480ドット/cm) 前記画像形成装置には、像形成体1〜6及び現像剤1〜
12(トナー1〜12)を装填し、トナー1〜12を用
い、A−4版カラー原稿(印字率25%)の単色画像及
びフルカラー画像をプリントして、「評価画像1〜1
0」を作成した。
【0228】(像形成体上、転写材上及び中間転写体上
でのトナー付着状態評価)画像形成装置の像形成体上、
転写材上及び中間転写体上にトナー画像が形成された状
態を顕微鏡で観察し、トナーの付着状態を評価した。
【0229】像形成体、転写材上及び中間転写体上での
トナーの付着状態をマイクロスコープ(キーエンス社
製)で拡大して確認したところ、トナー2、5、8、1
1の各色トナーを用いた場合は、トナーが扁平面を向け
て像形成体に付着しており、トナーの散りやトナーの拡
がりは観察されなかった。一方トナー1、3、4、6、
7、9、10、12のトナーを用いた場合は、トナーが
いろいろな方向を向いて像形成体、転写材及び中間転写
体上に付着しており、トナーの散りやトナーの拡がりが
観察された。
【0230】(画質評価)得られたプリントの文字部及
び画像部をマイクロスコープ(キーエンス社製)で拡大
観察し評価した。トナーの散り及びトナーの拡がりは文
字部での発生程度を評価し、画質は画像部のドットの再
現性(シャープ性)、画像濃度、カブリ、光沢等を総合
評価した。
【0231】評価結果を表3に示す。
【0232】
【表3】
【0233】 目視による評価基準 トナーの散り ○:発生無し △:軽微に発生するが実用上は問題無し ×:発生し、実用上問題有り トナーの広がり ○:発生無し △:軽微に発生するが実用上は問題無し ×:発生し、実用上問題有り 画質 ○:不良発生無く良好 △:軽微に不良発生するが実用上は問題無し ×:不良発生し、実用上問題有り 評価結果に示すごとく、本発明の像形成体、扁平トナー
を用いる画像形成方法で作成したプリントは、トナの散
りやトナーの拡がりが無く、且つ画質にも問題が無く高
品質の画像を得ることが出来たが、本発明外の像形成体
や扁平トナーを用いる画像形成方法で作成したプリント
は、トナの散りやトナーの拡がりが認められ、且つ画質
にも問題が有り高品質の画像を得ることが出来なかっ
た。
【0234】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明の画像形
成方法は、像形成体上の静電潜像を忠実に現像してトナ
ー像を形成し、そのトナー像を散りや拡がりが無く転
写、定着することにより、高品質な画像を得ることが出
来る優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扁平トナーの一例を示す模式図であ
る。
【図2】像形成体上、転写材上或いは中間転写材上に付
着した扁平トナーの一例を示す模式図である。
【図3】扁平処理時間と扁平トナーの形状との関係の一
例を示す図である。
【図4】画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
【図5】画像形成装置の他の例を示す断面構成図であ
る。
【図6】画像形成装置のさらに他の例を示す断面構成図
である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11 帯電器 12 露光光学系 13 現像器 14a 搬送ベルト 14b 転写ベルト 14c 1次転写ローラ 14g 2次転写ローラ 16 タイミングローラ 17 定着装置 19 感光体クリーニング装置 20 中間転写体クリーニング装置 100Y、M、C、K プロセスユニット P 記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/04 G03G 21/00 370 114 9/08 361 15/043 15/04 120 21/00 370 Fターム(参考) 2H005 AA15 AA21 EA05 2H027 DB01 ED03 ED06 ED08 ED09 2H068 AA28 FC05 2H076 AA07 AA57 AA58 AB09 AB42 AB51 AB54 AB71 DA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像露光により形成された像形成体上の静
    電潜像を扁平トナーで現像する電子写真画像形成方法に
    おいて、前記像形成体が、有機半導体からなる像形成体
    層を有し、該像形成体層の比誘電率をk、厚さをd(μ
    m)とした時、式1を満足し、前記扁平トナーが、トナ
    ー粒子の平均厚さをr1(μm)、平均長径をr2(μ
    m)、平均短径をr3(μm)とした時、式2及び式3
    を満足することを特徴とする電子写真画像形成方法。 式1 d/k=4〜8μm 式2 (r2+r3)/(2×r1)=2〜5 式3 (r1+r2+r3)/3=4〜10μm
  2. 【請求項2】 前記静電潜像の最大露光部と未露光部の
    電位コントラストが500〜1000Vであることを特
    徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記像露光のビーム径が20〜40μm
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写
    真画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記像形成体上に静電潜像を形成するに
    際し、面積変調された画像データに基づいて前記像形成
    体を像露光することを特徴とする請求項1〜3の何れか
    1項に記載の電子写真画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記像形成体を像露光して静電潜像を形
    成する時の書込密度が600dpi(240ドット/c
    m)以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか
    1項に記載の電子写真画像形成方法。
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