JP2002304001A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2002304001A
JP2002304001A JP2001106888A JP2001106888A JP2002304001A JP 2002304001 A JP2002304001 A JP 2002304001A JP 2001106888 A JP2001106888 A JP 2001106888A JP 2001106888 A JP2001106888 A JP 2001106888A JP 2002304001 A JP2002304001 A JP 2002304001A
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Kunio Shigeta
邦男 重田
Yotaro Sato
洋太郎 佐藤
Satoru Haneda
哲 羽根田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 扁平なトナーを用い、押圧転写方式で画像形
成を行った場合でも中抜け画像欠陥、散り、地汚れ、ク
リーニング不良(縦すじ)等の発生がなく、鮮明な画像
が得られ、環境汚染が少なく、かつ定着性が優れてい
て、高速での画像形成が可能である画像形成方法の提
供。 【解決手段】 像形成体上に静電潜像を形成し、該静電
潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形
成し、該トナー像を転写材又は中間転写体上に転写する
画像形成方法において、トナーとしての投影面積が最大
となる方向からみたときの円相当径d(μm)が5≦d
≦15、厚みt(μm)が1≦t≦4、円相当径dと厚
みtの比で示される扁平度d/tが2≦d/t≦5であ
る扁平トナーを用いたことを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真法を用いた
複写機やプリンター等の技術分野で有用な画像形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、情報化時代の到来により、複写
機、プリンター、ファクシミリ等の事務機の需要が急速
に増大し、今や該複写機等のより一層の高速化、高画質
化、無公害化等の特性が要請されるようになった。ま
た、複写機等のカラー化が普及するに従って上記高速
化、高画質化、無公害化等の特性の改善はさらに重要な
課題となっている。
【0003】上記複写機等の無公害化の問題は作業者の
環境衛生にかかわる重要課題であり、特に複写機等にお
いて有害なオゾン、酸化窒素等の活性ガスを発生する高
圧コロナ放電器が問題であり、その代替技術として低電
圧でオゾンレスを目的とした押圧転写方式が提案され、
実用化に至っている。しかしながら、上記押圧転写方式
は押圧力の制御が難しく、転写ムラや転写不良を生じ易
いことが分かってきた。またカラー画像を形成する際、
積層された複数の色トナーが転写材への押圧転写時に崩
されて、散りや地汚れを生じ鮮明な画像が得られないこ
とが分かってきた。
【0004】他方複写機等の高画質化には、トナーの特
性を改善することが必要であり、特に粒径を5〜10μ
mと小粒径とすると共に、粒度分布がシャープなトナー
を用いることが重要であることが分かってきた。このよ
うなトナーは従来の粉砕造粒法でも粗製トナーを上記粒
径範囲に分級することにより得られるが、分級工程で除
かれるトナーの量が多く、そのため収率が低く、生産性
が悪いという問題があった。そこで、近年懸濁重合法又
は乳化重合法等により重合して得られる重合造粒トナー
が開発され、実用化されようとしている。上記重合造粒
トナーは比較的小粒径でかつシャープな粒度分布を有
し、該重合造粒トナーを用いることにより高画質化が達
成できるが、該重合造粒トナーが球形であることから画
像形成の過程でクリーニング性が悪いため像形成体表面
にトナーフィルミングを生じ易く、かつカラー画像形成
時に積層された色トナーが嵩高となり押圧転写時に崩れ
て、散りや地汚れを生じ易く、鮮明なカラー画像が得ら
れにくいという問題があった。
【0005】また、上記複写機等の高速化の問題は、転
写材上のトナー画像の定着効率の向上が重要な課題であ
り、トナーの定着特性の改善が求められていた。
【0006】そこで、上記複写機等の各特性を改善する
方法として、扁平トナーを用いて画像形成を行う方法が
提案されている。例えば特開平5−127420号公報
には分散媒中に分散した球形トナー粒子を回転円板に高
速で衝突させて得られた扁平トナーの技術が提案されて
いる。また、特開平11−167226号公報には球形
トナー粒子を回転円板に高速で衝突させて直径5〜10
μm、厚さ0.5〜3μm、厚さ/直径比が0.1〜
0.4の範囲のカラー用扁平トナーの技術が提案されて
いる。上記各公報によれば扁平トナーを用いることによ
り、熱定着時の熱をトナー粒子の扁平な面で受けること
になるため熱効率大となり、定着時間の短縮が可能とな
り、複写機等の高速化が達成される。また、上記扁平ト
ナーをカラー画像形成に用いた場合、各色トナーが嵩高
となることがなく平滑で銀塩写真のような高画質が得ら
れやすい。
【0007】しかしながら、一方では、上記扁平トナー
を用いて押圧転写方式で画像形成を行う場合は、扁平ト
ナーの扁平面が像形成体表面に被着してクリーニング不
良を生じ易いとか、像形成体から転写材又は中間転写体
に押圧転写する時、部分的な転写不良、中抜け画像欠
陥、散り、地汚れ等を生じ易いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みて提案されたものであり、その目的とするところは扁
平なトナーを用い、押圧転写方式で画像形成を行った場
合でもクリーニング不良や中抜け画像欠陥を生ぜず、特
にカラー画像形成時に、散りや地汚れを生ぜず、鮮明な
カラー画像が得られ、環境汚染が少なく、かつ定着性が
優れていて、高速での画像形成が可能な画像形成方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等の鋭意検討の
結果、前記扁平トナーを用いて、電子写真の押圧転写方
式で画像形成を行う場合に生ずるクリーニング不良、中
抜け画像欠陥、散り、地汚れ等の発生は該扁平トナーの
特性(円相当径及び厚み)及び像形成体又は中間転写体
の表面粗さと密接な関係があることに気付き、本発明を
完成したのである。
【0010】従って本発明は以下の構成により達成され
る。 1.像形成体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナ
ーを含む現像剤により現像してトナー像を形成し、該ト
ナー像を転写材又は中間転写体上に転写する画像形成方
法において、トナーとして、投影面積が最大となる方向
からみたときの円相当径d(μm)が 5≦d≦15 であり、厚みt(μm)が 1≦t≦4 であり、円相当径dと厚みtの比で示される扁平度d/
tが 2≦d/t≦5 である扁平トナーを用い、像形成体として、中心線平均
粗さRa(μm)で示される表面粗さが 0.01×d/t≦Ra≦0.5 である像形成体を用い、該像形成体上のトナー像を、転
写材又は中間転写体の背面を押圧しながら該転写材又は
中間転写体に転写することを特徴とする画像形成方法。
【0011】2.像形成体の中心線平均粗さRa(μ
m)を 0.02×d/t≦Ra≦0.3 とすることを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0012】3.像形成体上にトナー像を形成する際、
扁平トナーの扁平面が横たわるような状態で該扁平トナ
ーを像形成体上に付着させることを特徴とする前記1又
は2に記載の画像形成方法。
【0013】4.像形成体上のトナー像を転写材上に転
写する際、該転写材の背面にローラ部材又はベルト部材
を9.8×102〜9.8×104(Pa)の当接圧で当
接させることを特徴とする前記1〜3の何れか一項に記
載の画像形成方法。
【0014】5.像形成体上のトナー像を中間転写体に
転写する際、該中間転写体の背面にローラ部材又はブレ
ード部材を5×9.8×10〜5×9.8×103(P
a)の当接圧で当接させることを特徴とする前記1〜3
の何れか一項に記載の画像形成方法。
【0015】6.像形成体上に静電潜像を形成し、該静
電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を
形成し、該トナー像を中間転写体上に転写した後、該中
間転写体上のトナー像を転写材上に再転写する画像形成
方法において、トナーとして、投影面積が最大となる方
向からみたときの円相当径d(μm)が 5≦d≦15 であり、厚みt(μm)が 1≦t≦4 であり、円相当径dと厚みtの比で示される扁平度d/
tが 2≦d/t≦5 である扁平トナーを用い、中間転写体として、中心線平
均粗さRa′(μm)で示される表面粗さが 0.01×d/t≦Ra′≦0.5 である中間転写体を用い、該中間転写体上のトナー像を
転写材の背面を押圧しながら該転写材に再転写すること
を特徴とする画像形成方法。
【0016】7.中間転写体の中心線平均粗さRa′
(μm)を 0.02×d/t≦Ra′≦0.3 とすることを特徴とする前記6に記載の画像形成方法。
【0017】8.像形成体上にトナー像を形成する際、
扁平トナーの扁平面が横たわるような状態で該扁平トナ
ーを付着させるとともに、像形成体上のトナー像を中間
転写体上に転写する際、扁平トナーの扁平面が横たわる
ような状態で該扁平トナーを付着させることを特徴とす
る前記6又は7に記載の画像形成方法。
【0018】9.中間転写体上のトナー像を転写材上に
再転写する際、該転写材の背面にローラ部材又はベルト
部材を9.8×102〜9.8×104(Pa)の当接圧
で当接させることを特徴とする前記6〜8の何れか一項
に記載の画像形成方法。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
画像形成方法は像形成体上に形成された静電潜像をトナ
ーを含む現像剤により現像して該像形成体上にトナー像
を形成し、該トナー像を押圧転写方式により直接転写材
上に転写するか又は後述する特性を有する中間転写体
(本発明の中間転写体ともいう)を介して転写材上に転
写し、押圧転写された転写材上のトナー像を熱定着し、
かつ転写後の感光体表面をクリーニングして画像形成を
行う画像形成方法であり、トナーとして下記特性を有す
る扁平トナー(本発明の扁平トナーともいう)を用い、
像形成体として後述する特性を有する感光体(本発明の
感光体ともいう)を用いることを特徴としている。とこ
ろで、本発明では、感光体上に形成された静電潜像を、
本発明の扁平トナーを用いて現像してトナー像を形成し
た場合、該トナー像は感光体表面上にトナーの扁平面が
横たわるような状態で付着して形成され、かつ該トナー
像を、そのままの状態で転写材に転写するか又は中間転
写体を介して転写材に転写することを好ましい条件とし
ている。上記のようにトナー像を感光体表面に横たわる
ような状態で形成し、かつ転写材又は中間転写体にその
ままの状態で転写するには、トナー表面が摩擦帯電によ
り均一に帯電されたトナーを用いる必要であり、そのた
めには、本発明の扁平トナーが後述する円形度に優れた
トナーであることが好ましい。
【0020】以下、本発明の扁平トナー、感光体、中間
転写体の構成及び画像形成方法の具体例をこの順に説明
する。
【0021】〈本発明の扁平トナーの構成〉本発明の扁
平トナーは以下の特性を有している。
【0022】トナーの投影面積が最大となる方向からみ
たときの円相当径d(μm)が 5≦d≦15 であり、厚みt(μm)が 1≦t≦4 であり、円相当径dと厚みtの比で示されるトナーの扁
平度d/tが 2≦d/t≦5 である。
【0023】上記トナーの円相当径d(μm)が5未満
の場合は、作業者がトナーを吸い込んだときに、塵肺等
の疾病を患う危険性があり、15を越えると鮮明な画像
が得られないという問題がある。上記トナーの厚みt
(μm)が1未満の場合は、トナーが破砕しやすくなっ
て、破砕した微粉によって地汚れが発生しやすくなり、
4を越えると各色トナー層が嵩高となって、押圧転写時
にトナー層が崩れたり、定着時にトナー層が広がったり
して、高画質の画像が得られにくいという問題があっ
た。
【0024】上記トナーの円相当径d(μm)と厚みt
の比で示される扁平度d/tが2未満の場合は、押圧転
写時に積層された各色トナーが崩れて散りを生じやす
く、5を越えるとトナーが破砕しやすくなって地汚れが
発生しやすくなるという問題があった。本発明では、上
記特性を有する本発明の扁平トナーを用いると共に後述
する表面粗さを有する本発明の感光体(及び中間転写
体)を組み合わせて用いることにより、クリーニング不
良や、中抜け画像の発生がなく、高濃度、鮮明な画像が
得られ、熱定着時の定着効率に優れ、高速処理が可能と
なるなどの利点を有し、特にカラー画像形成時、散りや
地汚れの発生がなく鮮明な画像が得られる。
【0025】図1は本発明の扁平トナーの平面図及び側
面図を表し、P1は本発明の扁平トナーを、P2は扁平
トナーの投影面積が最大となる方向から見た時の該投影
面積と同面積の円を表し、dは該円P2の径(円相当
径)(μm)であり、tは該扁平トナーP1の投影方向
に対して垂直な方向から見た扁平トナーの最大厚み(μ
m)を表す。なお、本発明において、扁平トナーの大き
さを表す方法として、扁平トナーの投影面積が最大とな
る方向から見た時の該投影面の円相当径d(μm)から
求めるとした理由は、扁平トナーが測定面上で横たわっ
た状態で測定されることを意味している。
【0026】(トナーの製造方法)本発明の扁平トナー
を製造するには、従来の粉砕造粒法により得られた樹脂
粒子(必要により着色剤等を含有する)を例えばスプレ
ードライ法等により球形化し、球形化された樹脂粒子に
熱と機械的な剪断力を付与して扁平処理を施して形成さ
れてもよい。しかしながら、上記粉砕造粒法により得ら
れた樹脂粒子は粒度分布がブロードで、かつ形状が不規
則であり、多量の不適格な樹脂粒子が分級操作で除去さ
れるため、生産性が悪いという問題があり、好ましくは
下記重合造粒法により製造するのが好ましい。
【0027】即ち、本発明の扁平トナーは、乳化重合法
や懸濁重合法等により調製した樹脂微粒子を水系媒体中
で融着させて得られる樹脂粒子を用いるか、又は直接、
懸濁重合法により調製した樹脂粒子を用い、これらの樹
脂粒子をさらに熱処理して球形化し、球形化された樹脂
粒子を熱と機械的な剪断力を付与して扁平処理を施して
製造するのが好ましい。
【0028】上記乳化重合法や懸濁重合法等により調製
した樹脂微粒子を水系媒体中で融着させて得られる樹脂
粒子(前者)は表面が均一であり、該樹脂粒子から得ら
れる扁平トナーもまた表面が均一であるという利点を有
している。また懸濁重合法で直接調製された樹脂粒子
(後者)も球形であるため、該樹脂粒子を扁平処理して
扁平トナーを得た場合も表面形状が滑らかとなる。しか
しながら、前者の樹脂微粒子を融着させて得られる樹脂
粒子は、後者の懸濁重合で直接得られる樹脂粒子に比べ
て粒度分布がシャープであることから、前者の樹脂微粒
子を水系媒体中で融着させて得られる樹脂粒子を用いる
のがより好ましい。
【0029】以下、本発明の扁平トナーの製造方法とし
て、前者の樹脂微粒子を水系媒体中で融着させて得られ
る樹脂粒子を用いた製造方法について説明する。
【0030】《重合性単量体》本発明の扁平トナーの材
料としての重合性単量体としては、ラジカル重合性単量
体を主要構成成分とし、必要に応じて架橋剤が添加され
る。また、この他に酸性基を有するラジカル重合性単量
体又は塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なく
とも1種類含有してもよい。
【0031】(1)ラジカル重合性単量体:ラジカル重
合性単量体としては特に限定されるものではなく、従来
公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。ま
た要求される特性を満たすように、1種又は2種以上の
ものを組み合わせて用いることができる。
【0032】具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単
量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量
体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単
量体等を用いることができる。芳香族系ビニル単量体と
しては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、
p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t
ert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、
p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、
p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン
等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘ
キシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒド
ロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙
げられる。ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げら
れる。ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエ
ーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。モノ
オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、
イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル
−1−ペンテン等が挙げられる。ジオレフィン系単量体
としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が
挙げられる。ハロゲン化オレフィン系単量体としては、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられ
る。
【0033】(2)架橋剤 トナーの特性を改良するために添加される架橋剤として
は、ラジカル重合性架橋剤が用いられる。ラジカル重合
性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリ
ル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0034】ラジカル重合性架橋剤は、その特性にもよ
るが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質
量%の範囲で使用することが好ましい。
【0035】(3)酸性基を有するラジカル重合性単量
体又は塩基性基を有するラジカル重合性単量体 酸性基を有するラジカル重合性単量体又は塩基性基を有
するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキ
シル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級ア
ミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウ
ム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
【0036】酸性基を有するラジカル重合性単量体とし
ては、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸
基含有単量体等を用いることができる。カルボン酸基含
有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマー
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸
モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル
等が挙げられ、またスルホン酸基含有単量体としては、
スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルス
ルホコハク酸オクチル等が挙げられる。これらは、ナト
リウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウ
ムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
【0037】塩基性基を有するラジカル重合性単量体と
しては、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級
アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を
用いることができる。具体的には、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、およびこれら4種の化合物の
4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアク
リレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロ
ピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−
ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミ
ド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N
−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリル
アミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN
−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリ
ジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウ
ムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロ
リド等を挙げることができる。酸性基を有するラジカル
重合性単量体又は塩基性基を有するラジカル重合性単量
体は、ラジカル単量体全体の0.1〜15質量%の範囲
で使用することが好ましい。
【0038】《連鎖移動剤》分子量を調整することを目
的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いること
が可能である。連鎖移動剤としては特に限定されるもの
ではなく、例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメル
カプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカ
プタン、およびスチレンダイマー等が使用される。
【0039】《重合開始剤、分散安定剤、界面活性剤》
いわゆる乳化重合法で樹脂微粒子を調製した後に、その
樹脂微粒子を塩析、融着させてトナー母体粒子としての
樹脂粒子を形成する場合には、水溶性のラジカル重合開
始剤が用いられる。水溶性のラジカル重合開始剤として
は、例えば、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス−4−
シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げ
られる。これらのラジカル性重合開始剤は、必要に応じ
て還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤とすること
が可能である。レドックス系開始剤を用いることにより
重合活性が上昇し、重合温度の低下が図れ、更に重合時
間の短縮が期待できる。
【0040】重合開始剤の添加量は、最終的なトナーと
なる樹脂の分子量により決定されるが、一般的にはラジ
カル重合性単量体に対して0.1〜10質量%、好まし
くは0.2〜5質量%である。また重合温度は、重合開
始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選
択しても良いが、例えば50℃から90℃の範囲が用い
られる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水
素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる
ことで、室温またはそれ以上の温度で重合することも可
能である。
【0041】乳化重合の際に使用することのできる界面
活性剤としては特に限定されるものでは無いが、前述の
ラジカル性重合性単量体を水系媒体中に油滴分散する必
要があることから、イオン性界面活性剤を好適なものの
例として挙げることができる。イオン性界面活性剤とし
ては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナト
リウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−
ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン
酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジ
メチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリ
フェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトー
ル−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エステル塩
(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウ
ム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリ
ウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナ
トリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げられる。ま
たこの他に、ノニオン性界面活性剤も使用することがで
きる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロ
ピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエ
チレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコー
ルと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリ
エチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコ
ールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイ
ドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることがで
きる。
【0042】なお、これらの界面活性剤は主として乳化
重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使
用目的で使用してもかまわない。
【0043】いわゆる懸濁重合法により樹脂微粒子を調
製した後に、その樹脂微粒子を塩析、融着させてトナー
母体粒子としての樹脂粒子を形成する場合には、油溶性
のラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。油溶性
のラジカル重合開始剤としては、具体的には、過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペルオキサ
イド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジクミルペル
オキサイド、クメンヒドロペルオキサイド、アセチルペ
ルオキサイド、プロピオニルペルオキサイド等の過酸化
物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2,4−バレロニトリル)、2,2′−ア
ゾビス−2−メチルバレロニトリル、2,2′−アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾビス系重
合開始剤などを挙げることができる。重合開始剤の添加
量は、最終的なトナーとなる樹脂の分子量により決定さ
れるが、一般的にはラジカル重合性単量体に対して0.
1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%である。
【0044】懸濁重合法においては、分散安定剤が水系
媒体中に分散して使用される。分散安定剤としては、最
終的に濾過、洗浄段階で容易に除去できるものが好まし
く、特に無機系の難水溶性分散安定剤が好ましく使用さ
れる。具体的には、炭酸カルシウム、燐酸三カルシウ
ム、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、
酸化珪素、水酸化鉄などを挙げるげることができ、特に
好ましい分散安定剤は燐酸三カルシウムである。なお、
この難水溶性無機分散安定剤に加えて分散助剤に少量の
界面活性剤を使用してもよい。この場合、ノニオン系、
アニオン系、カチオン系、両性系のいずれも使用するこ
とができるが、より好ましくはアニオン系界面活性剤で
ある。
【0045】分散安定剤は、分散される油相成分に対し
て1〜10質量%程度使用することが好ましい。この範
囲よりも少ない場合には、分散安定性が低下して粒子の
凝集が発生し、この範囲よりも多い場合には、分散が促
進されるために小粒径成分が過多に発生してしまう。ま
た界面活性剤は、無機分散安定剤に対して0.05〜1
質量%程度添加することが好ましい。この範囲よりも少
ない場合には分散安定性向上の効果を発揮することがで
きず、この範囲を越えて使用する場合にはラジカル重合
性単量体の乳化が発生し、いわゆるラテックス粒子が系
内に発生し、粒子径分布が広がる問題があるとともに、
界面活性剤の除去がしにくくなり、水分の吸着を引き起
こす問題がある。
【0046】《着色剤》着色剤としては、従来公知の無
機顔料、有機顔料又は染料を用いることができる。
【0047】無機顔料の具体的な例としては、黒色の顔
料として、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブ
ラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ラン
プブラック等のカーボンブラックが用いられ、また、マ
グネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0048】有機顔料の具体的な例としては、マゼンタ
またはレッド用の顔料として、例えば、C.I.ピグメ
ントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.
ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、
C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッ
ド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグ
メントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド5
3:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.
ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド1
23、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグ
メントレッド144、C.I.ピグメントレッド14
9、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメ
ントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、
C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。また
オレンジまたはイエロー用の顔料として、C.I.ピグ
メントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ4
3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメ
ントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、
C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメント
イエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.
I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエ
ロー138等が挙げられる。グリーンまたはシアン用の
顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.
I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブ
ルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.
I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリー
ン7等が挙げられる。
【0049】染料の具体的な例としては、C.I.ソル
ベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同
111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、
同44、同77、同79、同81、同82、同93、同
98、同103、同104、同112、同162、C.
I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、
同93、同95等を挙げることができ、またこれらの混
合物も用いることができる。
【0050】これらの無機顔料、有機顔料、染料は所望
に応じて単独又は複数を選択併用することが可能であ
る。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量部
であり、好ましくは3から15質量部が選択される。ト
ナーを磁性トナーとして使用する場合には通常前述のマ
グネタイトが添加され、この場合には所定の磁気特性を
付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加す
ることが好ましい。
【0051】着色剤は表面改質して使用することもでき
る。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用す
ることができ、具体的にはシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好
ましく用いることができる。
【0052】《その他の内添剤》トナー中には、着色剤
以外に、離型剤や荷電制御剤等の構成成分を加えてもよ
い。離型剤としては種々の公知のものを使用することが
でき、例えば、低分子量のポリプロピレン、ポリエチレ
ン等のオレフィン系ワックスや、これらの変性物、カル
ナバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂肪
酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどを挙げること
ができる。荷電制御剤も同様に種々の公知のものを使用
することができ、例えば、ニグロシン系染料、ナフテン
酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、
第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチ
ル酸金属塩あるいはその金属錯体等を挙げることができ
る。これら離型剤や荷電制御剤の粒子は、分散した状態
で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすること
が好ましい。
【0053】《外添剤》本発明に使用される扁平トナー
には、流動性の改良やクリーニング性の向上などの目的
で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。
これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種
々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することが
できる。
【0054】無機微粒子としては、従来公知のものを使
用することができる。具体的には、シリカ、チタン、ア
ルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら
無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的に
は、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の
市販品R−805、R−976、R−974、R−97
2、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−
2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−
720、TS−530、TS−610、H−5、MS−
5等が挙げられる。チタン微粒子としては、例えば、日
本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テ
イカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、M
T−500BS、MT−600、MT−600SS、J
A−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、T
A−500、TAF−130、TAF−510、TAF
−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−O
A、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。アルミナ
微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品
RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO
−55等が挙げられる。
【0055】有機微粒子としては、数平均一次粒子径が
10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用する
ことができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリ
レートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用する
ことができる。
【0056】滑剤としては、例えば、ステアリン酸の亜
鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の
塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウ
ム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カ
ルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の
塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級
脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0057】これら外添剤の添加量は、トナーに対して
0.01〜5質量%程度が好ましい。
【0058】《製造工程》本発明に使用される扁平トナ
ーの製造工程は、トナー母体粒子としての樹脂粒子を製
造する工程と、該樹脂粒子を球形化する工程と、球形化
された樹脂粒子を扁平処理する工程と、該扁平処理され
た粒子に外添剤を添加する工程とからなっている。
【0059】《樹脂粒子の製造工程》前記のようにトナ
ー母体粒子としての樹脂粒子の製造は、乳化重合や懸濁
重合等の重合法により調製した樹脂微粒子を水系媒体中
で融着させる方法が好ましく用いられる。
【0060】上記乳化重合や懸濁重合等の重合法により
調製した樹脂微粒子を水系媒体中で融着させてトナー母
体となる樹脂粒子を製造する場合の製造工程は、乳化重
合、懸濁重合等の重合法により樹脂微粒子を調製する重
合工程、得られた樹脂微粒子分散液を用いて水系媒体中
で樹脂微粒子を融着させて樹脂粒子を得る工程、水系媒
体中で融着させて得られた樹脂粒子をさらに昇温して球
形化する工程、水系媒体中より濾過し界面活性剤などを
除去する洗浄工程からなる。ここで水系媒体とは主成分
として水からなるもので、水の含有量が50質量%以上
であるものを示す。水以外のものとしては、水に溶解す
る有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセト
ン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどをあ
げることができるが、好ましくは樹脂を溶解しない有機
溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が好まし
い。
【0061】トナー母体粒子としての樹脂粒子にはトナ
ー構成成分として着色剤や離型剤、荷電制御剤等が必要
に応じて含有されるが、これらのトナー構成成分は樹脂
微粒子を調製する重合工程において樹脂微粒子中に含有
させる方法、あるいはこれらのトナー構成成分を含有し
ない樹脂微粒子を調製した後、該樹脂微粒子の分散液に
着色剤や離型剤、荷電制御剤等を分散または溶解した液
を添加して水系媒体中で融着させることにより樹脂粒子
中に含有させる方法の何れでもよいが、離型剤は重合工
程において含有させることが好ましく、着色剤は樹脂微
粒子を融着させる工程で含有させることが好ましい。
【0062】樹脂微粒子を調製する重合工程は、例え
ば、重合性単量体中に離型剤等を溶解した溶液を臨界ミ
セル濃度以下の界面活性剤を溶解させた水系媒体中に機
械的エネルギーによって油滴分散させ、この分散液に水
溶性重合開始剤を加え、ラジカル重合させる方法を挙げ
ることができる。この場合、モノマー中に油溶性の重合
開始剤を加えて使用してもよい。この油滴分散を行うた
めの分散機としては特に限定されるものでは無いが、例
えばクレアミックス、超音波分散機、機械式ホモジナイ
ザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等を挙
げることができる。
【0063】融着の方法としては、重合工程によって生
成された樹脂微粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析
しながら融着する方法が好ましく用いられる。
【0064】この塩析/融着を行う工程は、樹脂微粒子
及び着色剤粒子とが存在している水中にアルカリ金属塩
やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度
以上の凝集剤として添加し、ついで樹脂微粒子のガラス
転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に
融着を行う工程である。この工程では、水に無限溶解す
る有機溶媒を添加し、樹脂微粒子のガラス転移温度を実
質的に下げることで融着を効果的に行う手法を使用して
もよい。
【0065】ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及び
アルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウ
ム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類
金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナ
トリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げ
られる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素
塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。また前記
水に無限溶解する有機溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレ
ングリコール、グリセリン、アセトン等があげられる
が、炭素数が3以下のメタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノールのアルコールが好まし
く、特に、2−プロパノールが好ましい。
【0066】また着色剤粒子は、界面活性剤濃度を臨界
ミセル濃度(CMC)以上にした水系媒体中に着色剤を
分散して調製される。着色剤分散時の分散機は特に限定
されないが、好ましくは、超音波分散機、機械的ホモジ
ナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等
の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルや
ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられ
る。また着色剤は表面改質して使用してもよく、この場
合は、着色剤を分散した分散液中に表面改質剤を添加し
た後昇温して反応を行い、反応終了後に濾過、洗浄、乾
燥を行って表面改質剤で処理された顔料を得ることがで
きる。
【0067】融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添
加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好
ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の
放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布
が不安定になったり、融着させた樹脂粒子の表面性が変
動したりする問題が発生する。また塩析剤を添加する温
度は、樹脂微粒子のガラス転移温度以下であることが好
ましい。塩析剤を添加する温度が樹脂微粒子のガラス転
移温度以上であると、樹脂微粒子の塩析/融着は速やか
に進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大
粒径の粒子が発生したりする場合がある。この添加温度
の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよい
が、一般的には5℃〜55℃、好ましくは10℃〜45
℃である。
【0068】塩析剤を樹脂微粒子のガラス転移温度以下
で加えた後は、できるだけ速やかに昇温し、樹脂微粒子
のガラス転移温度以上に加熱する方法を使用することが
好ましい。このときの昇温速度としては1℃/分以上が
好ましく、昇温までの時間としては30分未満が好まし
く、10分未満が特に好ましい。昇温速度の上限として
は特に明確では無いが、急激な塩析/融着の進行による
粗大粒子の発生を抑制する観点から、15℃/分以下が
好ましい。特に好ましい形態として、塩析/融着をガラ
ス転移温度以上になった時点でも継続して進行させるこ
とにより、粒子の成長とともに融着を効果的に進行させ
ることができる。
【0069】次いで、塩析/融着も継続して進行させる
過程で、融着により成長する樹脂粒子の大きさをモニタ
リングしながら所望の大きさに到達した時点でさらに昇
温して球形化するのが好ましい。なお、この球形化によ
り、後述の扁平化処理で得られる扁平トナーの後述する
円形度が大となり、感光体上のトナー像が横たわるよう
な状態で該感光体表面に付着しやすくなる。
【0070】かくして得られる樹脂粒子の粒径は、体積
平均粒径で3〜9μmが好ましい。樹脂粒子の体積平均
粒径は、コールターカウンターTAII、コルターマルチ
サイザー、SLAD1100(島津製作所製レーザー回
折式粒径測定装置)等を用いて測定することができ、コ
ールターカウンターTAII及びコールターマルチサイザ
ーを用いる場合にはアパーチャー径=100μmのアパ
ーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径
分布を用いて測定されたものを示す。
【0071】樹脂粒子中に含まれる微粉量は、3.0μ
m以下の微粉量が個数分布で全体の20個数%以下であ
ることが好ましく、2.0μm以下の微粉量が10個数
%以下であることがさらに好ましい。この微粉量は大塚
電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用い
て測定することができる。この範囲に粒径分布を調整す
るためには、塩析/融着段階での温度制御を狭くするこ
とがよく、具体的には昇温までの時間を前述の30分未
満、好ましくは10分未満とし、昇温速度を1〜15℃
/分とすることである。
【0072】また融着、球形化によって得られた樹脂粒
子の形状は、下式で示される形状係数の平均値(平均円
形度)が0.95〜1.00であることが好ましい。
【0073】形状係数=(円相当径から求めた円の周囲
長)/(粒子投影像の周囲長) さらに形状係数の分布がシャープであることが好まし
く、円形度の標準偏差は0.10以下、下式で算出され
る形状係数のCV値は10%未満が好ましい。
【0074】CV値=(円形度の標準偏差)/(平均円
形度)×100 なお上記形状係数は、500個の樹脂粒子について、走
査型電子顕微鏡により500倍に拡大した樹脂粒子の写
真を撮影し、画像解析装置「SCANNINGIMAG
E ANALYSER」(日本電子社製)を使用して写
真画像の解析を行って円形度を測定し、その算術平均値
を求めることにより算出することができる。また簡便な
測定方法としては、「FPIA−1000」(東亜医用
電子株式会社製)により測定することができる。
【0075】所望の粒径及び形状の粒子が得られた段階
で樹脂粒子分散液を冷却し、得られた粒子を水系媒体中
より濾過、水洗し、ウェットケーキ状の樹脂粒子を得
る。
【0076】《扁平処理工程》樹脂粒子の扁平処理は、
樹脂粒子を分散した液に熱と機械的な剪断力を加えるこ
とにより行うことができる。具体的には、上記で得られ
たウェットケーキ状の樹脂粒子を水系媒体中に再分散
し、この分散液に、粒径100μmから2000μm程
度のポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−
アクリロニトリル共重合体等からなる合成樹脂微粒子、
ガラスビーズ、ジルコニアビーズ等を媒体として加えた
後、分散液を樹脂粒子のガラス転移点以上の温度で加熱
しながら撹拌する方法が好ましく用いられる。この際、
樹脂粒子の分散液中にメチルセルロース等の増粘剤を加
えて樹脂粒子分散液の粘度を上げてもよく、また必要に
応じて消泡剤を添加することも可能である。
【0077】樹脂粒子分散液を加熱撹拌する装置として
は、従来公知の分散機を用いることができ、具体的に
は、サンドグラインダー、ゲッツマンミル、ダイヤモン
ドファインミル等の媒体型分散機を挙げることができ
る。
【0078】分散液の温度は樹脂粒子のガラス転移点以
上であることが必要であり、また上限としては、前記樹
脂粒子の製造工程において樹脂微粒子を塩析/融着する
際の処理温度以下あるいは樹脂粒子中に含有される離型
剤の融点以下であることが好ましく、扁平処理温度とし
ては、例えば樹脂粒子のガラス転移点以上、ガラス転移
点+20℃以下の範囲が好ましく用いられる。扁平処理
温度が低すぎると、樹脂粒子の扁平処理が十分に行われ
ず、扁平処理温度が高すぎると、樹脂粒子が凝集した
り、樹脂粒子中に含有される離型剤が樹脂粒子中から溶
出したりする。樹脂粒子の扁平処理時間は、樹脂粒子分
散液の温度、使用する媒体の粒径や比重、撹拌速度や撹
拌槽の形状等にも依るが、通常10分から10時間程度
である。
【0079】以上の加熱撹拌処理により分散液中の樹脂
粒子に扁平処理が施されるが、扁平処理された樹脂粒子
の表面を滑らかにするために、篩等を用いて樹脂粒子分
散液から媒体を分離した後、引き続き分散液を加熱撹拌
してもよい。この場合の加熱温度は上記扁平処理温度と
同じ範囲であることが好ましい。
【0080】扁平処理終了後、樹脂粒子分散液を冷却
し、扁平処理された樹脂粒子を濾過、洗浄した後、乾燥
し、扁平トナーを得る。得られた扁平トナーの形状は、
投影面積が最大となる方向からみたときの円相当径dが
5〜15(μm)であり、厚みtが1〜4(μm)であ
り、前記円相当径dと前記厚みtとの比で示されるトナ
ーの扁平度d/tが2〜5である。
【0081】なお、本発明でいう扁平トナーの投影面積
が最大となる方向から見たときの円相当径d(μm)及
び厚みt(μm)は、例えば以下の方法により測定する
ことができる。即ち、上記円相当径d(μm)及び厚み
t(μm)は、該扁平トナーを平滑な測定面上に横たわ
るように均一に分散付着させ、該扁平トナーの粒子50
0個について、カラーレーザー顕微鏡「VK−850
0」(株式会社キーエンス)により500倍に拡大し
て、該500個のトナー粒子の円相当径d(μm)及び
最大高さ(厚み)t(μm)を測定し、それらの算術平
均値から求めることができる。
【0082】また、本発明の扁平トナーにおいては、投
影面積が最大となる方向から見たときのトナーの形状
(以下扁平面の形状という)は、下式で示される形状係
数の平均値(平均円形度)が0.95〜1.00である
ことが好ましく、0.98〜1.00がさらに好まし
い。
【0083】形状係数=(円相当径から求めた円の周囲
長)/(粒子投影像の周囲長) さらに形状係数の分布がシャープであることが好まし
く、円形度の標準偏差は0.10以下、下式で算出され
る形状係数のCV値は10%未満が好ましい。
【0084】CV値=(円形度の標準偏差)/(平均円
形度)×100 なお、本発明の扁平トナーの形状は、扁平処理前のトナ
ー母体粒子としての樹脂粒子の粒径及び形状と、その後
の扁平処理工程における扁平化の度合いによってほぼ一
義的に決定され、扁平化の度合は扁平処理時間を変化さ
せることによって容易に制御することができる。
【0085】図2は扁平処理時間と扁平トナーの形状と
の関係の一例を示す図であり、図2(a)、(b)、
(c)はそれぞれトナー母体粒子として3.0μm、
6.5μm、8.5μmの球形粒子を用いて扁平処理し
たとき扁平処理時間に対する円相当径と厚みの変化を示
した図である。例えば、トナー母体粒子として粒径3.
0μmの球形粒子を用いた場合は、図2(a)に示すよ
うに、扁平処理時間と共に円相当径dと厚みtが(3.
4μm、2.3μm)、(3.8μm、1.9μm)、
(4.3μm、1.4μm)、(4.8μm、1.2μ
m)、(5.1μm、1.0μm)、(5.5μm、
0.9μm)、・・・と変化し、トナー母体粒子として
粒径6.5μmの球形粒子を用いた場合は、図2(b)
に示すように、扁平処理時間と共に円相当径dと厚みt
が(7.4μm、5.0μm)、(8.2μm、4.1
μm)、(9.4μm、3.1μm)、(10.3μ
m、2.6μm)、(11.1μm、2.2μm)、
(11.8μm、2.0μm)、・・・と変化し、トナ
ー母体粒子として粒径8.5μmの球形粒子を用いた場
合は、図2(c)に示すように、扁平処理時間と共に円
相当径dと厚みtが(9.7μm、6.5μm)、(1
0.7μm、5.4μm)、(12.3μm、4.1μ
m)、(13.5μm、3.4μm)、(14.5μ
m、2.9μm)、(15.4μm、2.6μm)、・
・・と変化する。
【0086】《外添剤処理工程》上記で得られた扁平ト
ナー粒子はそのまま使用してもよいが、例えば流動性、
帯電性、クリーニング性の改良を行うことを目的とし
て、前述の外添剤を添加してもよい。外添剤の添加方法
としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサ
ー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の
混合装置を使用することができる。
【0087】〈現像剤〉本発明に関わる扁平トナーは、
そのまま非磁性または磁性の一成分現像剤として用いる
ことができるが、キャリアと混合して二成分現像剤とし
て用いることが好ましい。
【0088】キャリアとして用いる粒子は、鉄、フェラ
イト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニ
ウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子
を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましく用
いられる。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては
15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのも
のがよい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的に
は湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置
「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMP
ATEC)社製)により測定することができる。キャリ
アは、上記磁性粒子をそのまま用いることもできるが、
樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性
粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好まし
い。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無
いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ス
チレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル
系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。
また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂として
は、特に限定されず公知のものを使用することができ、
例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができ
る。
【0089】〈感光体〉本発明の感光体は、アルミニウ
ム、ステンレス等の金属板又は金属ドラム、紙又はプラ
スチックフィルム等の支持体にアルミニウム、パラジウ
ム等の金属薄層をラミネート若しくは蒸着したもの、又
は紙又はプラスチックフィルム等の支持体に導電性ポリ
マー、酸化インジウム、酸化スズ等を塗布若しくは蒸着
したもの等からなる導電性支持体上に光導電性物質を蒸
着又は該光導電性物質をバインダー中に分散含有させた
分散液を塗布した感光層及び該感光層上に保護層を設け
て得られ、該感光体の表面粗さ(中心線平均粗さRa
(μm))が 0.01×d/t≦Ra≦0.5 であることを特徴とし、 0.02×d/t≦Ra≦0.3 であることを好ましい要件としている。本発明の感光体
の表面粗さRaが0.01×d/t(μm)未満では本
発明のトナーを用いて該感光体上にトナー像を形成し、
該トナー像を転写材又は中間転写体上に転写する際、該
トナー像が感光体に付着していて転写不良又は中抜け画
像欠陥を生じやすくなる。また。本発明の感光体の表面
粗さRaが0.5(μm)を越えた場合は、扁平トナー
の扁平面が横たわった状態で感光体に付着せず、散りや
地汚れ等を生じやすくなる。
【0090】図3は感光体表面ヘのトナーの付着状態を
示す図である。図3(a)は本発明の感光体1aの表面
2aに本発明のトナー3が付着したときの状態を示す図
であり、図3(b)は表面の粗さRaが0.01×d/
t(μm)未満の感光体1bの表面2bに本発明のトナ
ー3が付着したときの状態を示す図であり、図3(c)
は表面の粗さRaが0.5(μm)を越えた感光体1c
の表面2cに本発明のトナー3が付着したときの状態を
示す図であり、図3(d)は本発明の感光体1cの表面
2cに円相当径dが5μm未満のトナー4が付着した場
合の状態を示す図である。
【0091】上記図3(a)、図3(b)、図3(c)
及び図3(d)において、図3(a)は押圧転写方式で
感光体1aの表面2aからトナー3を図示しない転写材
又は中間転写体への転写が容易であり、トナー3の扁平
面が横たわった状態のままで転写され、クリーニング不
良、中抜け画像欠陥、散り、地汚れ等を生ずることがな
い好ましい例であり、図3(b)、図3(c)、図3
(d)はいずれも押圧転写方式で感光体(1b、1c)
の表面からトナー(3又は4)を図示しない転写材又は
中間転写体へ転写するときの転写性が不十分となりやす
く、クリーニング不良、中抜け画像欠陥、散り、地汚れ
等を生じやすい例であり、特に図3(d)の例はトナー
4を扁平面が横たわった状態のままで転写することが難
しく、クリーニング不良、中抜け画像欠陥、散り、地汚
れ等を生じやすい。
【0092】図3の説明において感光体上にトナー像を
トナー3(又は4)の扁平面が横たわるように形成する
には、前記したように、用いられるトナーが本発明の扁
平トナーであり、かつ好ましくは円形度が0.95以上
であり、電荷が均一に分布したトナーを用いるのが好ま
しい。感光体上にトナーが横たわった状態でトナー像が
形成されれば、あとは、押圧転写方式で転写材又は中間
転写体上に転写することによりそのままの状態で転写さ
れる。
【0093】図4は中抜け画像欠陥を説明する図であ
り、図4(a)は中抜け画像欠陥のない画像を、図4
(b)は中抜け画像欠陥のある画像を表しており、さら
には中抜けとなりやすい場所(中抜け)を表している。
【0094】また、図5は感光体の表面粗さRa(及び
中間転写体の表面粗さRa′)の測定原理を説明する図
であり、表面粗さRaは電気的な触針式粗さ測定器によ
り粗さ曲線f(x)を読み取り、得られた粗さ曲線f
(x)の中心線から下側を上側に折り返し、図の斜線を
施した部分の面積を測定長Lで除した値をμmで表すこ
とにより測定される。
【0095】(感光層)本発明の感光体の感光層として
は上記導電性支持体上にセレン、アモルファスシリコ
ン、硫化カドミウム等を用いた無機感光体又は有機の電
荷発生物質(CGM)と電荷輸送物質(CTM)とを含
有する有機感光体が用いられる。上記無機感光体の場合
は表面を、例えば酸化セリウム、酸化ケイ素、酸化ジル
コニウム等の硬質研磨材で、研磨して本発明の感光体の
表面粗さに仕上げる方法がある。しかしながら、加工性
に優れていて、電子写真性能にも優れた有機感光体を用
い、該有機感光体の表面層に後述する硬質の無機微粒子
又は有機微粒子を含有させて粗面を形成するのが好まし
い。
【0096】《無機微粒子》本発明の感光体の最表面層
に含有される無機微粒子としては、膜強度を上げ、それ
自身も強度がある必要からモース硬度で5以上10以下
の硬質の粒子とされ、電子写真性能に悪影響を与えない
ものとされる。
【0097】このような無機粒子としては、例えば酸化
セリウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化
鉄、酸化チタンなどの酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩;珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウムなどの珪酸塩;チッ化ホウ素、チ
ッ化チタンなどのチッ化物;炭化ケイ素、炭化チタン、
炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウムなど
の炭化物;ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタンなどのホ
ウ化物などが挙げられ、これらのうち1種を、又は必要
に応じて2種以上が用いられる。
【0098】《有機微粒子》本発明の感光体の最表面層
に含有される有機微粒子としては、スチレン、メチルメ
タクリレート、四弗化エチレン等のモース硬度5以上の
樹脂粒子が用いられる。
【0099】前記有機、無機粒子は体積平均粒径が0.
05〜2.0μmとされ、好ましくは長径/短径の比が
2.0未満の実質的球形粒子とされる。
【0100】前記有機、無機粒子の体積平均粒径が0.
05μmを下回ると感光体表面の十分な機械的強度が得
られず、又粒子の表面積が大きくなる結果、吸着水量等
が増大し繰り返し像形成の過程で前記感光体表面が摩
耗、損傷して電子写真性能が劣化する。又、2.0μm
を上回ると感光体表面粗さが大となりクリーニングブレ
ードが摩耗、損傷してクリーニング特性が悪化し、クリ
ーニング不良を生じ、かつ画像ボケが発生し易くなる。
【0101】前記有機、無機粒子が実質的に球形とは、
電子顕微鏡で表面形状が判別できる大きさ(径1〜10
mm)に拡大した時、粒子が不定形ではなく前記長径/
短径の比が2.0未満の球形と見做されるものである。
その場合感光体表面の摩耗を低減することができる。こ
れらの効果は、従来用いられていた有機、無機微粒子、
つまり0.05μm以下の有機、無機粒子等については
期待できないものである。なお、前記有機、無機粒子の
体積平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置
LA−700(掘場製作所製)により測定される。
【0102】又、前記無機粒子としては、例えばチタン
カップリング剤、シランカップリング剤、高分子脂肪酸
又はその金属塩等の疎水化処理剤により疎水化されたも
のが好ましい。
【0103】前記チタンカップリング剤としては、テト
ラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス
(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテート
チタネートなどがある。更に、シランカップリング剤と
しては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジ
ルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキ
シシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリ
メトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチ
ルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ド
デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチ
ルフェニルトリメトキシシランなどがあげられる。
【0104】又、脂肪酸としては、ウンデシル酸、ラウ
リン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ペンタデカン酸、ステアリン酸、ヘプタデカン酸、アラ
キン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキ
ドン酸などの長鎖脂肪酸があげられ、その金属塩として
は亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウ
ム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩があげられ
る。
【0105】これら化合物は、前記無機粒子に対して質
量で1〜10%添加し被覆することが良く、好ましくは
質量で3〜7%である。また、これらの材料を組み合わ
せて使用することもでき、通常前記無機粒子表面に単分
子層又はそれに近い層で被覆される。
【0106】本発明においては、前記感光体の最表面層
中に含有される有機、無機粒子のうち特にメチルメタク
リレート樹脂粒子、シリカ粒子が好ましく用いられ、更
には吸湿性が小さく、表面の活性水酸基が少ないシリカ
粒子が好ましく用いられる。
【0107】本発明ではこれらの有機、無機粒子は少な
くとも感光体の最表面層にバインダーと共に含有させる
が最表面層の有機、無機粒子の割合はバインダーに対し
て通常は1〜200質量%、望ましくは5〜100質量
%で使用される。なお、本発明の最表面層とは感光体の
最表面に位置する層である。
【0108】上記有機、無機粒子を最表面層に含有させ
て成る本発明の感光体の感光層は、セレン、アモルファ
スシリコン、硫化カドミウム等を用いた無機感光体であ
ってもよいが、好ましくは有機の電荷発生物質(CG
M)と電荷輸送物質(CTM)とが含有される有機感光
体である。図6は本発明の感光体として好ましい有機感
光体の層構成を示す断面構成図である。
【0109】図6(a)は導電性支持体5上に、下引き
層6、電荷発生層7、電荷輸送層8をこの順に積層して
設けた感光体の断面構成図を表し、図6(b)は図6
(a)の電荷輸送層8の上に第二電荷輸送層である電荷
輸送層8′を設けた感光体の断面構成図を表し、図6
(c)は図6(a)の電荷輸送層8の上に保護層9を設
けた感光体の断面構成図を表し、上記有機、無機微粒子
Tは好ましくは感光体の表面層、例えば図6(a)の電
荷輸送層8、図6(b)の第二電荷輸送層8′、図6
(c)の保護層9に含有される。
【0110】《CGM,CTM》本発明の感光体の感光
層に含有されるCGMとしては、例えばフタロシアニン
顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、イン
ジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スク
ワリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオ
ピリリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン
色素、スチリル色素等が挙げられ、これらのCGMは単
独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われ
る。
【0111】前記感光層に含有されるCTMとしては、
例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、
チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾー
ル誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、
イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチ
リル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピ
ラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オ
キサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイ
ミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘
導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノス
チルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ
−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等
が挙げられ、これらのCTMは通常バインダーと共に層
形成が行われる。
【0112】《バインダー》前記積層構成の電荷発生層
(CGL)、電荷輸送層(CTL)、保護層等に含有さ
れるバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリ
スチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセ
テート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水
マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹
脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等
が挙げられる。
【0113】〈中間転写体〉一般に電子写真法におい
て、感光体上に形成されたトナー像を直接転写材に転写
せずに一旦中間転写体上に転写し、該中間転写体上のト
ナー像を転写材上に再転写する場合があり、この場合
は、トナー像の転写に適した中間転写体を選択して用い
ることにより、良質の画像形成が可能となる。特に複数
の色トナーを重ね合わせてカラー画像を形成する場合は
中間転写体を用いた方が良質のカラー画像が得られやす
い。
【0114】本発明の中間転写体としては表面粗さR
a′(中心線平均粗さ)が 0.01×d/t≦Ra′≦0.5 であることを必須の要件としており、 0.02×d/t≦Ra′≦0.3 であることを好ましい要件としており、中間転写体の表
面粗さRa′が0.01×d/t未満の場合はトナー像
の転写材への転写の際、該トナー像が中間転写体に強固
に付着していて転写不良又は中抜け画像欠陥を生じやす
くなる。また。本発明の中間転写体の表面粗さRa′が
0.5(μm)を越えた場合は、中間転写体上にトナー
像が転写される際に、トナーが横たわった状態となら
ず、トナーの散りや地汚れ等を生じやすくなる。
【0115】ここで、上記中間転写体と転写材との間に
おけるトナー像の転写の良否は、前記図3で説明した感
光体と転写材との間におけるトナー像の転写の良否の関
係と同様である。
【0116】本発明の中間転写体としてはドラム状又は
エンドレスベルト状等があるが、通常はエンドレスベル
ト状のものが好ましく用いられ、表面粗さRa′(中心
線平均粗さ)が0.01×d/t≦Ra′≦0.5であ
り、体積抵抗率108〜101 5Ω・cm、表面抵抗率1
8〜1015Ω/□の無端ベルトであり、例えば変性ポ
リイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロ
エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンア
ロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分
散した、厚さ0.1〜0.5mmの半導電性フィルム基
体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層とし
て厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2
層構成のシームレスベルトが好ましく用いられる。中間
転写体14bとしては、この他に、シリコーンゴム或い
はウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜
2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもでき
る。
【0117】上記可撓性エンドレスベルト状の中間転写
体を製造する好ましい製造方法としては、例えば遠心重
合法がある。上記遠心重合法によれば、内面が本発明で
いう表面粗さRa′に対応する表面粗さを有する円筒内
に特に好ましくはポリイミド又はポリアミドイミドの樹
脂モノマーを入れ、該円筒を加熱下に回転させ、遠心力
の作用で該円筒内面に樹脂モノマーを被着重合させて目
的のエンドレスベルト状の中間転写体を製造する。ま
た、樹脂を有機溶剤に溶解した溶液を円筒内に入れ、該
円筒を加熱下に回転させ、遠心力の作用で該円筒内面に
樹脂溶液を被着、乾燥させて目的のエンドレスベルト状
の中間転写体を製造することができる。
【0118】なお、中間転写体を上記半導電性とするた
めの添加剤としては、例えばカーボンブラック、金属
粉、導電性ポリマー等がある。
【0119】〈本発明の画像形成方法の実施の態様〉本
発明の画像形成方法において、1つ目には、本発明の感
光体上に本発明の扁平トナーを用いてトナー像を形成
し、該トナー像を転写材上に押圧転写方式で転写し、定
着して画像形成を行う画像形成方法であり、該トナー像
はトナーの扁平部が横たわるように感光体上に形成さ
れ、該感光体上のトナー像は転写材に、該転写材の背面
からDC300〜3000Vの定電圧が印加されたロー
ラ部材又はベルト部材を9.8×102〜9.8×104
(Pa)(10〜1000(g/cm2))の当接圧で
当接させてそのままの状態(トナーの扁平部が横たわる
ように)で転写されることを特徴としている。
【0120】また本発明の画像形成方法において、2つ
目には、前記本発明の感光体上に本発明の扁平トナーを
用いてトナー像を形成し、該トナー像を中間転写体上に
押圧転写方式で転写し、該中間転写体上のトナー像を転
写材上に押圧転写方式で再転写し、定着して画像形成を
行う画像形成方法であり、該トナー像はトナーの扁平部
が横たわるように感光体上に形成され、かつそのままの
状態で中間転写体上に転写され、該中間転写体上のトナ
ー像はそのままの状態で転写材上に再転写されることを
特徴としている。
【0121】なお、上記1つの目の画像形成方法の押圧
転写方式において、感光体から転写材への押圧転写は該
転写材の背面からDC300〜3000Vの定電圧が印
加されたローラ部材又はベルト部材を9.8×102
9.8×104(Pa)(10〜1000(g/c
2))の当接圧で当接させて行われ、上記2つ目の画
像形成方法の押圧転写方式において、感光体から中間転
写体への押圧転写は該中間転写体の背面からDC300
〜3000Vの定電圧が印加されたローラ部材又はブレ
ード部材を5×9.8×10〜5×9.8×103(P
a)(5〜500(g/cm2))の当接圧で当接させ
て行われ、該中間転写体から転写材への押圧転写は該転
写材の背面からDC300〜3000Vの低電圧が印加
されたローラ部材又はベルト部材を9.8×102
9.8×104(Pa)(10〜1000(g/c
2))の当接圧で当接させて行われる。
【0122】以下、本発明の画像形成方法の実施態様を
図7、図8及び図9を用いて具体的に説明する。
【0123】図7は本発明の画像形成方法を説明するカ
ラー画像形成装置の1例を示す断面構成図であり、図8
は本発明の画像形成方法を説明するカラー画像形成装置
の他の例を示す断面構成図であり、図9は本発明の画像
形成方法を説明するカラー画像形成装置のさらに他の例
を示す断面構成図である。
【0124】(図7のカラー画像形成装置の1例)図7
のカラー画像形成装置では、円筒状の感光体ドラムの周
縁に複数組の帯電器、露光器(内部露光型)、現像器が
配置され、1パスで該感光体ドラム上にカラートナー像
が形成され、該カラートナー像は給紙装置からタイミン
グを合わせて給紙された転写材P上に本発明でいう押圧
転写方式で一括転写され熱ローラ定着装置により定着さ
れてカラー画像が形成される。ここで、感光体ドラム1
0は、本発明で規定する表面粗さRa(μm)を有する
感光体であり、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の
透明部材によって形成された円筒状の透光性基体の外周
に、透光性の導電層及びその上に有機感光層(単に感光
層ともいう)を形成したものである。
【0125】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により、透光性の導電層が接地された状態で矢
印で示す時計方向に回転される。
【0126】本発明では、感光体ドラム10の透光性の
基体の光透過率は、100%である必要はなく、画像形
成に必要な光透過率として70%以上であるのが好まし
い。上記透光性の基体の素材としては、アクリル樹脂、
特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを重合したも
のが、透光性、強度、精度、表面性等において優れてお
り好ましく用いられるが、その他一般光学部材などに使
用されるアクリル、フッ素化ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリエチレンテレフタレートなどの各種透光性
樹脂が使用可能である。又、露光光に対して70%以上
の透光性を有していれば、着色していてもよい。透光性
の導電層としては、例えばインジウム錫酸化物(IT
O)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅や、
Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性の金属薄膜
が用いられ、成膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸
着法、各種スパッタリング法、各種CVD法、浸漬塗工
法、スプレー塗布法などが利用できる。又、感光層とし
ては各種有機感光層が使用できるが、好ましくは図6で
示したCGL、CTLを有する2層(図6(a)、
(c))又は3層(図6(b))構成が用いられる。
【0127】また、コロナ放電電極11a及び制御グリ
ッド11bを有するスコロトロン型の帯電器11、画像
書込手段としての露光光学系12、現像手段としての現
像器13が、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)及び黒(K)の各色毎の画像形成
プロセス用として準備されており、矢印にて示す感光体
ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順に
配置される。
【0128】帯電器11は感光体ドラム10の移動方向
に対して直交する方向(図7において紙面垂直方向)に
感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光
体ドラム10の感光層に対し所定の電位に保持された前
記制御グリッド11bと、コロナ放電電極11aとし
て、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性のコロナ
放電によって帯電作用(本実施形態においてはマイナス
帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を与
える。コロナ放電電極11aとしては、その他ワイヤ電
極や針状電極を用いることも可能である。
【0129】各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像
露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を
感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた
線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセル
フォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた
露光用ユニットとして構成される。露光光学系保持部材
としての円柱状の保持体20に、各色毎の露光光学系1
2が取付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容さ
れる。露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、
EL(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放
電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のもの
が用いられる。
【0130】各色毎の画像書込手段としての露光光学系
12は、感光体ドラム10上での露光位置を、帯電器1
1と現像器13との間で、現像器13に対して感光体ド
ラム10の回転方向上流側に設けた状態で、感光体ドラ
ム10の内部に配置される。
【0131】露光光学系12は、別体のコンピュータ
(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像デ
ータを画像処理して得た画像信号をタイミングを合わせ
取りだし、一様に帯電した感光体ドラム10に像露光を
行い、感光体ドラム10上に静電潜像を形成する。この
実施形態で使用されるLEDの発光波長は、通常はY、
M、Cのトナーに対して透光性の高い680〜900n
mの範囲のものが用いられるが、本実施例では内部露光
方式であるため、露光がトナーを透過する必要がないた
め上記透光性の高い680〜900nmに拘る必要がな
い。
【0132】各色毎の現像器13は、内部にイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色
(K)の二成分(一成分でもよい)の現像剤を収容し、
それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25
mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で
形成された現像剤担持体である現像スリーブ13aを備
えている。
【0133】現像領域では、現像スリーブ13aは、突
き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の
間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保
たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置におい
て順方向に回転するようになっており、現像時、現像ス
リーブ13aに対してトナーと同極性(本実施形態にお
いてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流
電圧を重畳する現像バイアス電圧を印加することによ
り、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転現
像が行われる。この時の現像間隔精度は画像むらを防ぐ
ために20μm程度以下が必要である。
【0134】以上のように現像器13は帯電器11によ
る帯電と露光光学系12による像露光によって形成され
る感光体ドラム10上の静電潜像を、非接触の状態で感
光体ドラム10の帯電極性と同極性のトナー(本実施形
態においては感光体ドラムは負帯電であり、トナーは負
極性)により反転現像する。
【0135】画像形成のスタートにより不図示の感光体
ドラム10を駆動する駆動モータの始動により感光体ド
ラム10が図7の矢印で示す時計方向へ回転され、同時
にYの帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10に
電位の付与が開始される。感光体ドラム10は電位を付
与されたあと、Yの露光光学系12において第1の色信
号に対応する画像信号による露光(画像書込)が開始さ
れ感光体ドラム10の回転走査によってその表面に原稿
画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成
される。この潜像はYの現像器13により非接触の状態
で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)
のトナー像が形成される。
【0136】次いで、感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上に、Mの帯電器11の帯電作用に
より電位が付与され、Mの露光光学系12の第2の色信
号に対応するマゼンタ(M)の画像信号による露光(画
像書込)が行われ、Mの現像器13による非接触の反転
現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマ
ゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0137】同様のプロセスにより、Cの帯電器11、
露光光学系12及び現像器13によってさらに第3の色
信号に対応するシアン(C)のトナー像が、又、Kの帯
電器11、露光光学系12及び現像器13によって第4
の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合
わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその
周面上にカラートナー像が形成される。
【0138】このように、本実施の形態では、Y、M、
C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の感
光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より透光
性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及び第
4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成され
たトナー像により遮光されることなく静電潜像を形成す
ることが可能となる。
【0139】一方、転写材としての転写材Pは、転写材
収納手段としての給紙カセット15より、送り出しロー
ラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号な
し)により給送されてタイミングローラ16へ搬送され
る。
【0140】転写材Pは、タイミングローラ16の駆動
によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナ
ー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器
(不図示)の帯電により無端ベルト状の搬送部材14a
に吸着されて転写域へ給送される。搬送部材14aによ
り密着搬送された転写材Pは、転写域でトナーと反対極
性(本実施形態においてはプラス極性)の図示しないバ
イアス電極により電圧(300〜3000V)が印加さ
れ、かつ9.8×102〜9.8×104(Pa)(10
〜1000(g/cm2))の押圧力で転写材Pの背面
から押圧して転写する1次転写ローラ14cの作用で感
光体ドラム10の周面上のカラートナー像が一括して該
転写材Pに押圧転写される。
【0141】カラートナー像が転写された転写材Pは、
転写材分離手段としての除電器14hにより除電され
て、無端ベルト状の搬送部材14aから分離され、定着
装置17へと搬送される。
【0142】定着装置17はカラートナー像を定着する
ための上側のロール状の定着用回転部材としての定着ロ
ーラ17aと、上側の定着ローラ17aに対向して設け
られる下側のロール状の定着部材としての圧着ローラ1
7bとにより構成され、定着ローラ17aの内部中心に
は、光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外
線等の熱線を発するハロゲンランプ等が熱線照射手段と
して配設される。
【0143】定着ローラ17aと圧着ローラ17bとの
間で形成されるニップ部Nで転写材Pが挟持され、熱と
圧力とを加えることにより転写材P上のカラートナー像
が定着され、転写材Pが排出ローラ18により送られ
て、装置上部のトレイへ排出される。
【0144】転写後の感光体ドラム10の周面上に残っ
たトナーは、感光体クリーニング手段としてのクリーニ
ング装置19に設けられたクリーニングブレードにより
クリーニングされる。残留トナーを除去された感光体ド
ラム10は帯電器11によって一様帯電を受け、次の画
像形成サイクルに入る。
【0145】(図8のカラー画像形成装置)図8は、本
発明の画像形成方法の他の実施形態を説明するカラー画
像形成装置の断面構成図であり、図7と同一内容には同
じ符号が付される。
【0146】図8のカラー画像形成装置において、画像
形成装置上部には、透明なガラス板などからなる原稿台
と、さらに原稿台上に載置した原稿Dを覆う原稿カバー
等からなる原稿載置部111があり、原稿台の下方であ
って、装置本体内には第1ミラーユニット112、第2
ミラーユニット113、主レンズ120、カラーCCD
123等からなる画像読み取り部Aが設けられている。
第1ミラーユニット112は露光ランプ114、第1ミ
ラー115を備え、前記原稿台と平行に、かつ図面左右
方向へ直線移動可能に取り付けられていて、原稿Dの全
面を光学走査する。第2ミラーユニット113は第2ミ
ラー116及び第3ミラー117を一体化して備え、常
に所定の光路長を保つように第1ミラーユニット112
の1/2の速度で左右同方向に直線移動する。勿論この
第2ミラーユニット113の移動は前記第1ミラーユニ
ット112と同様に原稿台に対して平行である。前記露
光ランプ114によって照明される原稿台上の原稿Dの
像は、主レンズ120により第1ミラー115、第2ミ
ラー116、第3ミラー117を経てカラーCCD12
3上へ結像されるようになっている。走査が終わると第
1ミラーユニット112及び第2ミラーユニット113
は元の位置に戻り、待機して次のコピーに備えられる。
【0147】前記カラーCCD123によって得られた
各色の画像データは画像処理部において画像処理され、
画像信号として次に説明する画像形成部Eにレーザ書込
みが行われる。
【0148】図8に示す画像形成装置は画像形成部Eと
して中間転写体14bを用いたタンデム方式のカラー画
像形成装置であって、中間転写体14bの周縁部にはイ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒
(K)とから成る4組のプロセスユニット100が設け
られていて、各プロセスユニット100ではY、M、C
及びKトナー像が形成され、各色トナー像は中間転写体
14bの上で重ね合わせて転写され、転写されたカラー
トナー像は転写材P上に一括転写され、定着されて機外
に排出される構成となっている。
【0149】4組のプロセスユニット100Y、100
M、100C、100Kは何れも共通した構造となって
いるので、その1組についてプロセスユニット100と
して説明する。感光体ドラム10は、円筒状の導電性基
体の外周に、感光層を設けて得られ、該感光体ドラム1
0の表面は本発明の表面粗さRaを有することを特徴と
しており、図示しない駆動源からの動力により、或いは
中間転写体14bに従動し、導電性基体を接地された状
態で矢印で示す反時計方向に回転される。
【0150】11はスコロトロン型の帯電器で、感光体
ドラム10の移動方向に対して直交する方向に感光体ド
ラム10と対峙し近接して取り付けられ、トナーと同極
性のコロナ放電によって、感光体ドラム10に対し一様
な電位を与える。
【0151】12は画像信号に基づいてY、M、C及び
Kの像露光を行う露光光学系で、例えばポリゴンミラー
等によって感光体ドラム10の回転軸と平行に走査を行
う走査光学系である。一様帯電された感光体ドラム10
上に露光光学系12によって像露光を行うことによって
静電潜像が形成される。
【0152】感光体ドラム10周縁には、負に帯電した
本発明のトナーと磁性キャリアから成る2成分の現像剤
を内蔵した現像器13が設けられていて、磁石体を内蔵
し現像剤を保持して回転する現像スリーブ13aによっ
て反転現像する。
【0153】現像剤はフェライトをコアとしてその周り
に絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと本発明の扁
平トナーを混合したもので、現像スリーブ13a上に
0.1〜0.6mmの層厚に規制されて現像域へと搬送
される。
【0154】現像域における現像スリーブ13aと感光
体ドラム10との間隙は現像剤の層厚よりも大きい0.
2〜1.0mmとして、現像スリーブ13aと感光体ド
ラム10との間には直流電圧VDCに交流電圧VACが重畳
された交流バイアス電圧が印加される。トナーの帯電は
直流電圧VDCと同極性(負)であるため、交流電圧V AC
によってキャリアから離脱するきっかけを与えられたト
ナーは、直流電圧VDCより電位の絶対値の高いVHの部
分には付着せず、電位の絶対値の低いVLの部分にその
電位差に応じたトナー量が付着し顕像化(反転現像)す
る。又、現像スリーブ13aと感光体ドラム10との間
には直流電圧VDCのみを印加してもよい。なお現像は接
触現像であっても差し支えない。このトナー像は転写位
置において本発明の表面粗さRa′を有する中間転写体
14b上に、好ましくは5×9.8×10〜2×9.8
×103(Pa)(5〜200(g/cm2))押圧力で
転写される。転写を終えてドラム上に残留した転写残ト
ナーは、クリーニングブレードを備えたクリーニング装
置19によって清掃が行われる。
【0155】Y、M、C及びKから成る4色のプロセス
ユニット100Y、M、C、Kが並列して対向する中間
転写体14bは好ましくは前記した特性を有するベルト
状の部材であり、駆動ローラ14d、従動ローラ14
e、テンションローラ14k及びバックアップローラ1
4jに外接して張架され、画像形成時には、不図示の駆
動モータよりの駆動をうけて駆動ローラ14dが回転さ
れ、各色毎の転写位置では1次転写ローラ14cにより
感光体ドラム10に中間転写体14bが押圧され、図の
矢印で示す方向に回転される。各色毎の転写手段である
1次転写ローラ14cは、中間転写体14bを挟んで各
色毎の感光体ドラム10に対向して設けられ、中間転写
体14bと各色毎の感光体ドラム10との間に各色毎の
転写域を形成する。各色毎の1次転写ローラ14cには
トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)
の直流電圧を印加し、転写域に転写電界を形成すること
により、各色毎の感光体ドラム10上のトナー像を中間
転写体14b上に転写する。
【0156】画像記録のスタートにより不図示の感光体
駆動モータの始動によりプロセスユニット100Yの感
光体ドラム10が図の矢印で示す方向へ回転され、同時
にYのスコロトロン帯電器11の帯電作用によりYの感
光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0157】Yの感光体ドラム10は電位を付与された
あと、Yの露光光学系12によって制御部から出力する
電気信号による画像書込が開始され、Yの感光体ドラム
10の表面に制御部からの出力画像に対応する静電潜像
が形成される。
【0158】このYの潜像はYトナー用の現像器13に
より非接触または接触状態で反転現像がなされYの感光
体ドラム10の回転に応じYトナー像が形成される。
【0159】上記の画像形成プロセスによって像形成体
であるYの感光体ドラム10上に形成されたYトナー像
が、Yの転写域の1次転写ローラ14cによって、中間
転写体14b上に転写される。
【0160】Yのプロセスユニット100Yの作動に僅
かに遅れて、プロセスユニット100Mの感光体ドラム
10が図の矢印で示す方向へ回転され、同時にMの帯電
器11の帯電作用によりMの感光体ドラム10に電位の
付与が開始される。
【0161】Mの感光体ドラム10は電位を付与された
あと、Mの露光光学系12によってYのトナー像と同期
してMの画像データに対応する電気信号による画像書込
が開始され、Mの感光体ドラム10の表面に原稿画像の
Mの画像に対応する静電潜像が形成される。
【0162】このMの潜像はMの現像器13により非接
触または接触状態で反転現像がなされMの感光体ドラム
10の回転に応じMトナー像が形成される。上記の画像
形成プロセスによって像形成体であるMの感光体ドラム
10上に形成されたMトナー像が、Mの転写域の1次転
写ローラ14cによって、中間転写体14bのYのトナ
ー像上に転写される。
【0163】次いで中間転写体14bは、Y、Mのトナ
ー像と同期が取られ、プロセスユニット100Cにより
Cの感光体ドラム10上に形成されたCの画像データに
対応するCのトナー像が、Cの転写域の1次転写ローラ
14cによって、前記のY、Mのトナー像の上にCトナ
ー像が重ね合わせて形成される。
【0164】同様のプロセスにより、Y、M、Cの重ね
合わせトナー像と同期が取られ、プロセスユニット10
0KによりKの感光体ドラム10上に形成された、Kの
画像データに対応するKトナーを用いたKのトナー像
が、Kの転写域の1次転写ローラ14cによって、前記
のY、M、Cのトナー像の上にKトナー像が重ね合わせ
て形成され、中間転写体14b上にY、M、C及びKの
重ね合わせカラートナー像が形成される。
【0165】転写後の各色毎の感光体ドラム10の周面
上に残った転写残トナーは、各色毎の像形成体のクリー
ニング手段であるクリーニング装置19によりクリーニ
ングされる。
【0166】中間転写体14b上の重ね合わせカラート
ナー像形成と同期して転写材収納手段である給紙カセッ
ト15から、転写材給送手段としてのタイミングローラ
16を経て転写材Pが第2の転写手段である2次転写ロ
ーラ14gの転写域へと搬送され、トナーと反対極性の
直流電圧が印加される2次転写ローラ14gにより、中
間転写体14b上の重ね合わせカラートナー像が転写材
P上に一括して転写される。転写材P上にはY、M、
C、Kのカラートナー像が存在することとなる。
【0167】カラートナー像が転写された転写材Pは、
定着装置17へと搬送され、定着ローラ17aと圧着ロ
ーラ17bとの間で熱と圧力とを加えられることにより
転写材P上のトナー像が定着された後、排出ローラ18
により送られ、装置上部のトレイへ排出される。
【0168】転写後の中間転写体14bの周面上に残っ
た転写残トナーは、中間転写体14bを挟んで従動ロー
ラ14eに対向して設けられる中間転写体14bのクリ
ーニング手段であるクリーニング装置19によりクリー
ニングされる。
【0169】Y、M、C及びKの4組のプロセスユニッ
ト100が並列して対向する中間転写体14bは前記特
性を有する半導電性無端ベルトであり、駆動ローラ14
d、従動ローラ14e、テンションローラ14k及びバ
ックアップローラ14jに外接して張架され、画像形成
時には、不図示の駆動モータよりの駆動をうけて駆動ロ
ーラ14dが回転され、各色毎の転写位置では1次転写
ローラ14cにより感光体ドラム10に中間転写体14
bが押圧され、該中間転写体14bが図の矢印で示す方
向に回転される。なお、上記1次転写(感光体から中間
転写体への転写)時の押圧力は5×9.8×10〜2×
9.8×103(Pa)(5〜200(g/cm2))転
写体から転写材への転写時の押圧力は9.8×102
9.8×104(Pa)(10〜1000(g/c
2))とするのが好ましい。
【0170】本発明に使用される定着方法としては、い
わゆる接触加熱方式と呼ばれるものである。特に、接触
加熱方式として、熱圧定着方式、さらには熱ロール定着
方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加
圧部材により定着する圧接加熱定着方式をあげることが
できる。
【0171】熱ロール定着方式では、多くの場合表面に
テトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体等を
被覆した、シリコーンゴム等からなる弾性体層を、内部
に熱源を有する鉄やアルミニウム等で構成される金属シ
リンダーの外周に形成した上ローラと、シリコーンゴム
等からなる弾性体層を金属シリンダー等の外周に形成し
た下ローラとから形成されている。熱源としては、線状
のヒーターを有し、上ローラの表面温度を120〜20
0℃程度に加熱するものが代表例である。定着部に於い
ては上ローラと下ローラ間に圧力を加え、上下のローラ
を変形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ幅とし
ては1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmである。
定着線速は40mm/sec〜600mm/secが好
ましい。ニップが狭すぎる場合には熱を均一にトナーに
付与することができなくなり、定着のムラを発生する。
一方でニップ幅が広すぎる場合には樹脂の溶融が促進さ
れ、定着オフセットが過多となる問題を発生する。定着
クリーニングやオイル塗布の機構を付与して使用しても
よい。この方式としてはシリコーンオイルを定着の上ロ
ーラに供給する方式やシリコーンオイルを含浸したパッ
ド、ローラ、ウェッブ等でクリーニングする方法が使用
できる。
【0172】(図9のカラー画像形成装置の例)図9
は、本発明の画像形成方法のさらに他の実施形態を説明
するカラー画像形成装置の断面構成図であり、図8と同
一内容には同じ符号が付される。
【0173】図9のカラー画像形成装置は図8のカラー
画像形成装置に近い装置であるが、図8において、無端
ベルト状の中間転写体14bを用いて、該中間転写体1
4b上に各色トナー像を重ね合わせてカラートナー像を
形成し、該カラートナー像を転写材P上に転写、定着し
てカラー画像を形成したのに対して、図9のカラー画像
形成装置では、無端ベルト状の搬送部材14aにより搬
送される転写材P上に直接各色トナー像を重ね合わせて
カラートナー像を形成し、該カラートナー像を定着して
カラー画像を形成している点が相違している。なお、図
9の無端ベルト状の搬送部材14aは転写材を無理なく
搬送できる部材であれば、特に限定はないが、通常0.
5〜2mm厚のゴム又はプラスチック製無端ベルト状部
材が用いられる。また、図9の150は転写材を無端ベ
ルト状の搬送部材14aに付着させるための電極であ
る。
【0174】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0175】実施例1 《トナー製造》 (扁平黒トナー)n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90
kgと純水10.0Lを入れ撹拌溶解した。この溶液
に、リーガル330R(キャボット株式会社製カーボン
ブラック)1.20kgを徐々に加え、1時間よく撹拌
した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用い
て、20時間連続分散した。これを「着色剤分散液1」
とした。又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.055kgとイオン交換水4.0Lからなる溶液を
「アニオン界面活性剤溶液A」とした。
【0176】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0L
からなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とした。
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0L
に溶解した溶液を「開始剤溶液C」とした。
【0177】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100Lのグラスライニング(GL)反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均1次粒子径=120nm/固
形分濃度=29.9%)3.41kg、「アニオン界面
活性剤溶液A」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液B」
全量を入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換水4
4.0Lを加えた。
【0178】次いで、加熱を開始し、液温度が75℃に
なったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下した。そ
の後、液温度を75±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kg、アクリル酸n−ブチル2.88kg、メタ
クリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン5
48gの予め混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液
温度を80±1℃に上げて、6時間加熱撹拌して重合を
完了した。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を
停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテック
ス1−A」とした。
【0179】尚、「ラテックス1−A」中の樹脂粒子の
ガラス転移点は57℃、軟化点は121℃、重量平均分
子量は1.27万、重量平均粒径は120nmであっ
た。
【0180】又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解した
溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とした。又、ノニ
ルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物
0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶液
を「ノニオン界面活性剤溶液E」とした。
【0181】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始
剤溶液F」とした。
【0182】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100LのGL反応釜に、WAXエ
マルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエ
マルジョン:数平均1次粒子径=120nm、固形分濃
度=29.9%)3.41kg、「アニオン界面活性剤
溶液D」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液E」全量を
入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換水44.0
Lを投入した。加熱を開始し、液温度が70℃になった
ところで、「開始剤溶液F」を添加した。次いで、スチ
レン11.0kg、アクリル酸n−ブチル4.00k
g、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカ
プタン9.02gの予め混合した溶液を滴下した。滴下
終了後、液温度を72℃±2℃に制御して6時間加熱撹
拌を行った後、液温度を80℃±2℃に上げて12時間
加熱撹拌し、重合を完了した。次いで、液温度を40℃
以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過
し、これを「ラテックス1−B」とした。
【0183】尚、「ラテックス1−B」中の樹脂粒子の
ガラス転移点は58℃、軟化点は132℃、重量平均分
子量は24.5万、重量平均粒径は110nmであっ
た。
【0184】塩析剤として塩化ナトリウム5.36kg
をイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナト
リウム溶液G」とした。
【0185】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100LのS
US反応釜に、上記で作製した「ラテックス1−A」を
20.0kgと「ラテックス1−B」を5.2kgと
「着色剤分散液1」を0.4kgとイオン交換水20.
0kgとを入れ撹拌した。
【0186】10分間放置した後に昇温を開始し、液温
度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて加熱撹拌
して塩析/融着させながら粒径成長させ、融着粒子の平
均粒径が3μmになった段階で「塩化ナトリウム溶液
G」を添加して粒径成長を停止した。この液を「融着粒
子分散液1」とした。
【0187】また同様にして融着粒子の平均粒径が6.
5μm、8.5μmになるまで粒径成長させた液を作製
し、これらを「融着粒子分散液2」および「融着粒子分
散液3」とした。
【0188】次いで、温度センサー、冷却管を付けた5
Lの反応容器に、上記の「融着粒子分散液1」〜「融着
粒子分散液3」5.0kgを入れ、液温度92±2℃に
て、融着粒子の形状変化を観察しながら、形状係数の平
均値が0.98以上になるまで加熱撹拌を行い、融着粒
子の球形化処理を行った。これらを「球形粒子分散液
1」(平均粒径3μm)、「球形粒子分散液2」(平均
粒径6.5μm)および「球形粒子分散液3」(平均粒
径8.5μm)とした。
【0189】次いで、「球形粒子分散液1」〜「球形粒
子分散液3」を1kgと平均粒径0.6mmのガラスビ
ーズ1kgとをそれぞれサンドグラインダー(媒体型分
散機;内径200mm、撹拌ディスク径180mm)に
入れて、85±2℃、500rpmにて0.5〜5時間
連続撹拌し、扁平化処理を行った。所定時間の処理を行
った後、40℃以下に冷却し、撹拌停止後、目開き20
0メッシュの篩を通してガラスビーズを取り除いた後、
ヌッチェを用いてウェットケーキ状の扁平黒粒子を濾取
した。イオン交換水による洗浄と濾過を3回行った後、
ウェットケーキ状の扁平黒粒子をフラッシュジェットド
ライヤーを用いて吸気温度50℃にて予備乾燥し、さら
に流動層乾燥機を用いて55℃の温度で乾燥して「扁平
黒粒子」を製造した。
【0190】得られた「扁平黒粒子」に、疎水性シリカ
微粒子をヘンシェルミキサーにて外添混合して「扁平黒
トナー1〜12」を製造した。
【0191】(扁平イエロートナー)扁平黒トナー製造
において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.
I.ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他
は同様にして「扁平イエロートナー1〜12」を製造し
た。
【0192】(扁平マゼンタトナー)扁平黒トナー製造
において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.
I.ピグメントレッド122を1.2kg使用した他は
同様にして「扁平マゼンタトナー1〜12」を製造し
た。
【0193】(扁平シアントナー)扁平黒トナー製造に
おいて、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.
ピグメントブルー15:3を0.6kg使用した他は同
様にして「扁平シアントナー1〜12」を製造した。
【0194】(トナーの形状等)扁平黒トナー1〜12
の形状、粒径(d、t、d/t)、外添剤処理量を表1
に示した。
【0195】表中のトナー粒子の投影面積が最大となる
方向からみたときの円相当径dおよび厚さtは、平滑面
にトナー粒子を均一に分散付着させ、トナー粒子500
個について上面よりレーザ顕微鏡で500倍に拡大して
円相当径および最大高さを測定し、その算術平均値を求
めた。
【0196】尚、表1に示す黒トナーの測定値とイエロ
ー、マゼンタ、シアントナーの各色トナーの測定値は同
じ値であった。
【0197】
【表1】
【0198】表中の外添剤量は、トナーに添加される添
加量(質量%)であり、トナーの単位面積当たりの外添
剤量が同じになるようにした。
【0199】また、表中のトナー濃度は、後述する現像
剤を製造するときのキャリアに対するトナーの添加量
(質量%)であり、単位表面積当たりのトナーの被覆率
が同じようになるようにした。
【0200】(現像剤の調製)各色扁平トナー1〜12
のトナー各々と、シリコーン樹脂で被覆した65μmフ
ェライトキャリアを、表1に示すように、キャリアの単
位表面積当たりのトナー被覆率が一定になるようなトナ
ー濃度で混合して、評価用の「黒、イエロー、マゼン
タ、シアンの現像剤1〜12」を調製した。
【0201】(内部露光型感光体ドラム10の製造)図
7のカラー画像形成装置に組み込まれる内部露光型の感
光体ドラム10であり、図6(b)の層構成の有機感光
体であるが、導電性支持体5はポリメチルメタクリレー
ト製の円筒状透明基体上に0.5μm厚のインジウム錫
合金からなる透明導電層(ITO)を設けたものであ
り、該透明導電層上に下記下引き層6、CGL7、(下
層)CTL8、(上層)CTL8′を設けて形成され
る。
【0202】 《下引き層6》 チタンキレート化合物(TC−750:松本製薬製) 30g シランカップリング剤(KBM−503:信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml 上記の塗布液を用いて上記透明導電層上に0.5μm厚
の下引き層6を形成した。
【0203】 《CGL7》 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最大ピー ク角度が2θで27.3) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、CGL
塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層6の上に
浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmのCGL7を
形成した。
【0204】 《CTL8》 CTM〔N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチリル) フェニル}−p−トルイジン〕 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g ジクロロメタン 2000ml を混合溶解し、CTL8用の塗布液を調製した。この塗
布液を前記CGL7の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜
厚15μmのCTL8を形成した。
【0205】 《CTL8′》 CTM〔N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチリル) フェニル}−p−トルイジン〕 100g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g ジクロロメタン 2000ml シリカ微粒子 25g を混合溶解し、CTL8′用の塗布液を調製した。この
塗布液を前記CTL8の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥
膜厚5μmのCTL8′を形成し、内部露光型感光体ド
ラム10を得た。
【0206】上記CTL8′用のシリカ微粒子の体積平
均粒径を種々に変化させて、前記触針式粗さ測定器によ
り測定された表面粗さRa(μm)がそれぞれ0.06
μm、0.10μm、0.30μm、0.70μmであ
る4種の内部露光型感光体ドラム10a、10b、10
c、10dを得た。
【0207】(画像評価テスト)図7のカラー画像形成
装置において、黒現像剤1、イエロー現像剤1、マゼン
タ現像剤1、シアン現像剤1のように、各色の同一番号
の現像剤を組み合わせて用いた現像剤1〜12の各組
と、上記4種類の内部露光型感光体ドラム10a、10
b、10c、10dの何れかの感光体ドラムとを用い
て、A4版のフルカラー画像データ(印字率25%)を
用いてそれぞれ100枚ずつの画像評価テスト1〜12
を行い、得られた画像により、中抜け画像、散り、地汚
れの発生の度合い、クリーニング不良(縦すじ)の発生
の度合いを下記評価基準により評価し、その結果を表2
に示した。
【0208】なお、図7の1次転写ローラ14cの押圧
力は500g/cm2であり、コピー速度は10枚/分
であった。
【0209】(評価基準)中抜け画像、散り、地汚れ、
クリーニング不良(縦すじ)の発生の度合いを下記の評
価基準により目視により評価した。
【0210】 ◎:極めて少なく、優れている ○:少なく、実用上問題なし △:やや多く、実用上問題あり ×:極めて多く、不良
【0211】
【表2】
【0212】表2より本発明のトナーを用いた現像剤を
本発明の表面粗さを有する感光体に組み合わせて用いた
本発明の画像評価テストは中抜け画像の発生、散り、地
汚れ、クリーニング不良(縦すじ)等の発生がなく優れ
ているが、比較用のトナー又は比較用の感光体の何れか
を用いた比較の画像評価テストは中抜け画像の発生、散
り、地汚れ、クリーニング不良(縦すじ)の発生の度合
いのうちの何れかが悪く実用性に乏しい結果となった。
【0213】実施例2 (トナー及び現像剤の製造)実施例1と同様にして1〜
12の12種類ずつの扁平な黒トナー、イエロートナ
ー、マゼンタトナー、シアントナーを調製し、実施例1
と同様にして各色12種類ずつのカラー現像剤を調製し
た。
【0214】(外部露光型感光体ドラム10の製造)図
8のタンデム型カラー画像形成装置に組み込まれる外部
露光型感光体ドラム10は、図6(b)の層構成の有機
感光体であり、導電性支持体5はアルミニウム製の円筒
状基体であり、該基体上に下記下引き層6、CGL7、
(下層)CTL8、(上層)CTL8′を設けて形成さ
れる。
【0215】 《下引き層6》 チタンキレート化合物(TC−750:松本製薬製) 30g シランカップリング剤(KBM−503:信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml 上記の塗布液を用いて円筒状基体上に0.5μm厚の下
引き層6を形成した。
【0216】 《CGL7》 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最大ピー ク角度が2θで27.3) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、CGL
塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層6の上に
浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmのCGL7を
形成した。
【0217】 《CTL8》 CTM〔N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチリル) フェニル}−p−トルイジン〕 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g ジクロロメタン 2000ml を混合溶解し、CTL8用の塗布液を調製した。この塗
布液を前記CGL7の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜
厚15μmのCTL8を形成した。
【0218】 《CTL8′》 CTM〔N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチリル) フェニル}−p−トルイジン〕 100g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g ジクロロメタン 2000ml 体積平均粒径0.1μmのシリカ微粒子 25g を混合溶解し、CTL8′用の塗布液を調製した。この
塗布液を前記CTL8の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥
膜厚5μmのCTL8′を形成し、外部露光型感光体ド
ラム10を得た。
【0219】前記触針式粗さ測定器により測定された表
面粗さRa(μm)は、0.2μmであった。
【0220】(中間転写体141b、142b、143bの製
造)前記した遠心重合法により、重合用円筒の内面の表
面粗さを0.07μm、0.40μm、0.80μmに
変化して、カーボンブラックの添加により体積抵抗1×
1010Ωcmに調製された3種類のポリアミドイミド製
中間転写体141b、142b、143bを製造した。得られ
た中間転写体141b、142b、143bの触針式表面粗さ
測定器により測定された表面粗さRa′(μm)は0.
07μm、0.40μm、0.80μmであった。
【0221】(画像評価テスト)図8のカラー画像形成
装置において、黒現像剤1、イエロー現像剤1、マゼン
タ現像剤1、シアン現像剤1のように、各色の同一番号
の現像剤を組み合わせて用いた現像剤1〜12の各組を
用い、上記外部露光型感光体ドラム10を用いると共
に、上記3種類の中間転写体141b、142b、143b
何れかを組み合わせてA4版のフルカラー原稿(印字率
25%)を用いてそれぞれ100枚ずつの画像評価テス
ト13〜24を行い、得られた画像により、中抜け画
像、散り、地汚れ、クリーニング不良(縦筋不良)の発
生の度合いを下記評価基準により評価し、その結果を表
3に示した。
【0222】なお、図8の1次転写ローラ14cの押圧
力は9.8×102(Pa)(100(g/cm2))で
あり、コピー速度は10枚/分であった。また、2次転
写ローラ14gの押圧力は5×9.8×103(Pa)
(500(g/cm2))であった。
【0223】
【表3】
【0224】表3より本発明のトナーを用いた現像剤を
本発明の表面粗さを有する中間転写体に組み合わせて用
いた本発明の画像評価テストは何れも中抜け画像、散
り、地汚れ、クリーニング不良(縦すじ)等の発生がな
く優れているが、比較の画像評価テストは、中抜け画
像、散り、地汚れ、クリーニング不良(縦すじ)等のう
ちの何れかが悪く実用性に乏しい結果となった。
【0225】
【発明の効果】実施例により実証されたように、本発明
の画像形成方法によれば、扁平なトナーを用い、押圧転
写方式で画像形成を行った場合でも中抜け画像、散り、
地汚れ、クリーニング不良(縦すじ)等の発生がなく、
鮮明な画像が得られ、環境汚染が少なく、かつ定着性が
優れていて、高速での画像形成が可能である等優れた効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】扁平トナーの平面図及び側面図である。
【図2】扁平処理時間と扁平トナーの形状との関係の一
例を示す図。
【図3】感光体表面ヘのトナーの付着状態を示す図であ
る。
【図4】中抜け画像欠陥を説明する図である。
【図5】感光体の表面粗さRa(及び中間転写体の表面
粗さRa′)の測定原理を説明する図である。
【図6】本発明の感光体として好ましい有機感光体の層
構成を示す断面構成図である。
【図7】カラー画像形成装置の一例を示す断面構成図で
ある。
【図8】カラー画像形成装置の他の例を示す断面構成図
である。
【図9】カラー画像形成装置のさらに他の例を示す断面
構成図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c 感光体 2a、2b、2c 表面 3、4 トナー 6 下引き層 7 電荷発生層 8 電荷輸送層 8′ 第二電荷輸送層 9 保護層 T 有機、無機微粒子 10 感光体ドラム 11 帯電器 12 露光光学系 13 現像器 14a 搬送部材 14b 中間転写体 14c 1次転写ローラ 14g 2次転写ローラ 16 タイミングローラ 17 定着装置 19 クリーニング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA15 EA10 2H030 AB02 AD01 BB42 BB46 BB71 2H068 AA09 AA21 2H200 FA01 FA08 GA50 JA08 JC03 JC07 JC17 MC06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像形成体上に静電潜像を形成し、該静電
    潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形
    成し、該トナー像を転写材又は中間転写体上に転写する
    画像形成方法において、トナーとして、投影面積が最大
    となる方向からみたときの円相当径d(μm)が 5≦d≦15 であり、厚みt(μm)が 1≦t≦4 であり、円相当径dと厚みtの比で示される扁平度d/
    tが 2≦d/t≦5 である扁平トナーを用い、像形成体として、中心線平均
    粗さRa(μm)で示される表面粗さが 0.01×d/t≦Ra≦0.5 である像形成体を用い、該像形成体上のトナー像を、転
    写材又は中間転写体の背面を押圧しながら該転写材又は
    中間転写体に転写することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 像形成体の中心線平均粗さRa(μm)
    を 0.02×d/t≦Ra≦0.3 とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 像形成体上にトナー像を形成する際、扁
    平トナーの扁平面が横たわるような状態で該扁平トナー
    を像形成体上に付着させることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 像形成体上のトナー像を転写材上に転写
    する際、該転写材の背面にローラ部材又はベルト部材を
    9.8×102〜9.8×104(Pa)の当接圧で当接
    させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記
    載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 像形成体上のトナー像を中間転写体に転
    写する際、該中間転写体の背面にローラ部材又はブレー
    ド部材を5×9.8×10〜5×9.8×103(P
    a)の当接圧で当接させることを特徴とする請求項1〜
    3の何れか一項に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 像形成体上に静電潜像を形成し、該静電
    潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形
    成し、該トナー像を中間転写体上に転写した後、該中間
    転写体上のトナー像を転写材上に再転写する画像形成方
    法において、トナーとして、投影面積が最大となる方向
    からみたときの円相当径d(μm)が 5≦d≦15 であり、厚みt(μm)が 1≦t≦4 であり、円相当径dと厚みtの比で示される扁平度d/
    tが 2≦d/t≦5 である扁平トナーを用い、中間転写体として、中心線平
    均粗さRa′(μm)で示される表面粗さが 0.01×d/t≦Ra′≦0.5 である中間転写体を用い、該中間転写体上のトナー像を
    転写材の背面を押圧しながら該転写材に再転写すること
    を特徴とする画像形成方法。
  7. 【請求項7】 中間転写体の中心線平均粗さRa′(μ
    m)を 0.02×d/t≦Ra′≦0.3 とすることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】 像形成体上にトナー像を形成する際、扁
    平トナーの扁平面が横たわるような状態で該扁平トナー
    を付着させるとともに、像形成体上のトナー像を中間転
    写体上に転写する際、扁平トナーの扁平面が横たわるよ
    うな状態で該扁平トナーを付着させることを特徴とする
    請求項6又は7に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 中間転写体上のトナー像を転写材上に再
    転写する際、該転写材の背面にローラ部材又はベルト部
    材を9.8×102〜9.8×104(Pa)の当接圧で
    当接させることを特徴とする請求項6〜8の何れか一項
    に記載の画像形成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004252387A (ja) * 2002-12-24 2004-09-09 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナー、製造方法及び画像形成方法
JP2004318043A (ja) * 2002-11-19 2004-11-11 Ricoh Co Ltd 乾式トナー、画像形成方法、及び画像形成装置
JP2013190552A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Fuji Xerox Co Ltd 静電潜像現像用トナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2016156879A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 富士ゼロックス株式会社 転写装置及び画像形成装置

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