JP2002328486A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2002328486A
JP2002328486A JP2001131659A JP2001131659A JP2002328486A JP 2002328486 A JP2002328486 A JP 2002328486A JP 2001131659 A JP2001131659 A JP 2001131659A JP 2001131659 A JP2001131659 A JP 2001131659A JP 2002328486 A JP2002328486 A JP 2002328486A
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JP2001131659A
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English (en)
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Kunio Shigeta
邦男 重田
Yotaro Sato
洋太郎 佐藤
Satoru Haneda
哲 羽根田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写材表面の凹凸に起因する画像の乱れを無
くし、転写材の色味を隠蔽し、転写時のトナー散りやむ
らが無く、均一な光沢を有し、且つ紫外線やこすれによ
る劣化を防止し、印刷ライクの画像を形成することが出
来る画像形成方法の提供。 【解決手段】 転写材上に、白色トナーからなる白色ト
ナー像と、カラートナーからなるカラートナー像とをこ
の順に形成する画像形成方法において、該白色トナーの
形状が扁平であることを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状が扁平な白色
トナー及び透明トナーを用いて画像を形成する画像形成
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】転写材表面の凹凸に起因するカラートナ
ー像の乱れを防止し、且つ転写材の色味を隠蔽する目的
で、白色トナー像をカラートナー像の下に形成する画像
形成方法が知られているが、通常の重合法或いは粉砕法
で作製した形状が球形或いは不定形の白色トナーを用い
ると、白色トナーの付着量が多くなり、画像が盛り上が
って印刷ライクの画像を得ることが出来なかった。
【0003】又、紫外線やオゾン、こすれ等からカラー
トナー像の劣化を防止したり、画像への光沢付与、或い
は画像の場所による光沢差を無くする目的で、透明トナ
ー像をカラートナー像の上に形成する画像形成方法が知
られているが、通常の粉砕法或いは重合法で作製した形
状が球形或いは不定形の透明トナーを用いると、透明ト
ナーの付着量が多いため透明性が劣り、且つ均一な光沢
が得られず印刷ライクの画像を得ることが出来なかっ
た。
【0004】又、転写時に、カラートナーの散りやむら
が発生するのを防止したり、転写率を良くしたりする目
的で、像形成体又は中間転写体の上に透明トナー像を、
その上にカラートナー像を形成し、その後中間転写体或
いは転写材へ転写する画像形成方法が知られているが、
通常の重合法或いは粉砕法で作製した形状が球形或いは
不定形の透明トナーを用いると、転写時、透明トナー層
が厚いためトナーの散りやむらを発生することなく良好
な転写率で転写することが出来なかった。
【0005】又、カラートナー像の乱れ、或いは転写材
の色味の隠蔽の目的で設けた白色トナー像とカラートナ
ー像の混色を防止する目的で、白色トナー像とカラート
ナー像の間に透明トナー像を形成する画像形成方法が知
られているが、通常の重合法或いは粉砕法で作製した形
状が球形或いは不定形の白色及び透明トナーを用いる
と、白色トナー像及び透明トナー像のトナー付着量が多
くなり画像が盛り上がって印刷ライクの画像を得ること
が出来なかった。
【0006】現在まで、印刷ライクな画像を得るため
に、トナーの粒径を細かくしてトナーの付着量を少なく
し、表面の凹凸を無くし、均一な光沢を得る試みがなさ
れて来たが、小粒径化にともないカバーリングパワーが
低下し、充分な効果が得られず、且つ現像、転写、像形
成体のクリーニング等の画像形成プロセスも難しくなり
電子写真による画像形成方法で印刷ライクの画質は、現
在まで得られていない。又、トナー粒径を2〜3μmに
小粒径化したトナー粒子を用いると、トナー粒子を吸い
込んだ場合、塵肺等の疾病を患うおそれがあり、安全衛
生上も好ましくない。
【0007】塵肺等の心配の無い大きさの粒径で、形状
が球形或いは不定形の白色或いは透明トナーを用い、転
写材表面の凹凸に起因する画像の乱れ、色味の隠蔽、カ
ラートナー像の劣化、カラートナーの散りやむら、混色
による色濁りを防止して印刷ライクの画質を形成するこ
とは出来ていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を鑑
み提案されたものであり、形状が扁平な白色或いは透明
トナーを用いて、転写材表面の凹凸に起因する画像の乱
れを無くし、且つ転写材の色味を隠蔽し、転写時のカラ
ートナーの散りやむらが無く、転写率も良好で、均一な
光沢を有し、且つ紫外線やこすれによる劣化を防止し、
白色トナー像とその上に設けられたカラートナー像との
混色による色濁りを防止し、印刷ライクの画像を形成す
ることが出来る画像形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は下記構成
を採ることにより達成される。
【0010】1.転写材上に、白色トナーからなる白色
トナー像と、カラートナーからなるカラートナー像とを
この順に形成する画像形成方法において、該白色トナー
の形状が扁平であることを特徴とする画像形成方法。
【0011】2.前記白色トナーが、投影面積が最大と
なる方向からみたときの平均円相当径(r)が3〜15
μm、平均厚み(d)が2〜5μm、平均円相当径
(r)と平均厚み(d)の比で示される平均扁平度(r
/d)が2〜5の扁平トナーであることを特徴とする前
記1項に記載の画像形成方法。
【0012】3.転写材上に、カラートナーからなるカ
ラートナー像と、透明トナーからなる透明トナー像とを
形成する画像形成方法において、該透明トナーの形状が
扁平であることを特徴とする画像形成方法。
【0013】4.転写材上に、カラートナーからなるカ
ラートナー像と、透明トナーからなる透明トナー像とを
この順に形成することを特徴とする前記3項に記載の画
像形成方法。
【0014】5.像形成体上又は中間転写体上に、透明
トナーからなる透明トナー像と、カラートナーからなる
カラートナー像をこの順に形成した後、該透明トナー像
と該カラートナー像とを一括して転写材上に転写するこ
とを特徴とする前記3項に記載の画像形成方法。
【0015】6.前記透明トナーが、投影面積が最大と
なる方向からみたときの平均円相当径(r)が3〜15
μm、平均厚み(d)が2〜5μm、平均円相当径
(r)と平均厚み(d)の比で示される平均扁平度(r
/d)が2〜5の扁平トナーであることを特徴とする前
記3〜5項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0016】7.転写材上に、白色トナーからなる白色
トナー像と、透明トナーからなる透明トナー像とをこの
順に形成することを特徴とする画像形成方法。
【0017】8.前記白色トナー及び前記透明トナー
が、いずれも、投影面積が最大となる方向からみたとき
の平均円相当径(r)が3〜15μm、平均厚み(d)
が2〜5μm、平均円相当径(r)と平均厚み(d)の
比で示される平均扁平度(r/d)が2〜5の扁平トナ
ーであることを特徴とする前記7項に記載の画像形成方
法。
【0018】本発明者らは、鋭意研究した結果、第1の
発明として、形状が扁平な白色トナーを用い白色トナー
像を転写材の上に形成しその上にカラートナー像を形成
すると、転写材表面の凹凸が白色トナー像により平滑化
され転写材表面の凹凸に起因する画像の乱れが無くな
り、且つ転写材の色味も隠蔽され、又、第2の発明とし
て、形状が扁平な透明トナーを用い透明トナー像をカラ
ートナー像の上に形成すると、紫外線やオゾン、こすれ
等からカラー画像の劣化を防止することが出来、又、第
3の発明として、像形成体或いは中間転写体の上に透明
トナー像を形成し、その上にカラートナー像を形成し、
その後中間転写体或いは転写材へ転写するとカラートナ
ーの散りやむらの発生が無く、転写率も良好となり、さ
らに上記目的で設けた扁平白色トナー像とカラートナー
像の間に扁平透明トナー像を設けると、白色トナー像と
カラートナー像の混色による色濁りが防止出来、均一な
光沢を有する印刷ライクの画像が得られることを見出し
た。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。図1は、
本発明の扁平トナーの一例を示す模式図である。
【0020】図1において、r′は扁平トナーの円相当
径、d′は厚みを示す。本発明の扁平白色トナー及び扁
平透明トナー(以下、単に扁平トナーとも云う)の、平
均円相当径(r)は3〜15μmが好ましく、4〜9μ
mがより好ましい。又、平均厚み(d)は2〜5μmが
好ましく、2.5〜4μmがより好ましい。又、平均扁
平度(r/d)は2〜5が好ましく、2〜4がより好ま
しい。
【0021】扁平トナーの平均円相当径(r)が3μm
未満であると塵肺等の疾病を患うおそれがあり、安全衛
生上好ましくなく、15μmを越えると現像性が低下
し、忠実な現像が出来なくなり好ましくない。
【0022】扁平トナーの平均厚み(d)が2μm未満
であると扁平トナーが現像時に現像器中で破砕されて超
微粉が発生し、超微粉が現像剤ライフを短くする原因と
なり好ましくなく、5μmを越えると現像時にトナーが
層状に現像されにくく、トナーの付着量が多くなり画像
が盛り上がって好ましくない。
【0023】平均扁平度が2未満であると、トナーの扁
平面が像形成体に向けて付着しにくくなり、トナーが層
状に現像されず、トナーの付着量が増え、トナー像が盛
り上がり好ましくなく、5を越えると扁平トナーが薄く
なりすぎ、現像器内で破砕され、超微粉が発生しやすく
なり、超微粉によりカブリが発生しやすく好ましくな
い。
【0024】トナーの円相当径とは、投影面積が最大と
なる方向からみたときの円相当径であり、厚みとは最大
投影面積面に直交する方向の厚みである。平均円相当径
(r)及び平均厚み(d)は、扁平トナーを平滑面に分
散付着させ、500個の扁平トナーについて、カラーレ
ーザ顕微鏡「VK−8500」(キーエンス社製)によ
り500倍に拡大して円相当径(r′)と最大厚み
(d′)を測定し、それらの算術平均値を求めることに
より算出することができる。
【0025】また投影面積が最大となる方向からみたと
きのトナーの形状(以下扁平面の形状という)は、下式
で示される形状係数の平均値(平均円形度)が0.95
〜1.00であることが好ましく、0.98〜1.00
がさらに好ましい。
【0026】形状係数=(円相当径から求めた円の周囲
長)/(粒子投影像の周囲長) さらに形状係数の分布がシャープであることが好まし
く、円形度の標準偏差は0.10以下、下式で算出され
る形状係数のCV値は10%未満が好ましい。
【0027】CV値=(円形度の標準偏差)/(平均円
形度)×100 又、通常の球形或いは不定形トナーを使用した時には、
カラートナー像に該当する白色又は透明トナー像を得る
のに1プリント当たり20〜40mgのトナー付着量を
必要としたものが、本発明の扁平トナーを使用すると、
像形成体、中間転写体或いは転写材へ、扁平トナーの扁
平部が付着するため1プリント当たり5〜10mgのト
ナー付着量で済み、顕著に少なくても本発明の目的を達
成することが出来る。
【0028】実際、このような扁平白色トナーを使用
し、本発明の画像形成方法により転写材上に扁平白色ト
ナー像を形成し、その上にカラートナー像を形成する
と、転写材表面の凹凸が平滑化され、且つ転写材の色味
が隠蔽され、画像に凹凸が無く、転写材の色味に左右さ
れない印刷ライクの画像を得ることが出来る。
【0029】又、扁平透明トナーを使用し、本発明の画
像形成方法により扁平透明トナー像をカラートナー像の
上に形成すると、紫外線及びオゾン等からカラートナー
像の劣化が防止出来、表面こすれに対する耐久性に優れ
た均一な光沢を有する印刷ライクの画像を得ることが出
来る。
【0030】又、像形成体或いは中間転写体上に扁平透
明トナー像を形成し、その上にカラートナー像を形成し
た後、中間転写体或いは転写材へ転写すると、扁平透明
トナー像は一部転写されず転写残として像形成体或いは
中間転写体上に残るが、カラートナー像は100%転写
されるのでカラートナー像の乱れが起こらずトナー散り
やむらの無い高品質の画像を得ることが出来る。一方、
透明トナー像は100%転写されなくても画像には影響
をおよぼさない。
【0031】又、扁平白色トナーと扁平透明トナーを使
用し、本発明の画像形成方法により扁平白色トナー像を
転写材の上に形成し、その上に扁平透明トナー像を形成
し、さらにその上にカラートナー像を形成すると、扁平
白色トナー像とカラートナー像の混色による色濁りが扁
平透明トナー像により防止出来、印刷ライクの画像を得
ることが出来る。
【0032】扁平トナーを上記の形状とすることによ
り、扁平トナーを用いて現像を行い像形成体(感光体)
上に像形成を行うと、像形成体上の扁平トナーは扁平部
を像形成体上に向けて、より層状に付着するようにな
る。又、扁平トナーは像形成体上から中間転写体又は転
写材へ転写時、或いは中間転写体上から転写材へ転写時
も、扁平トナーの扁平部を中間転写体上或いは転写材上
に向けて層状に付着している。
【0033】特に転写材(紙)は繊維から構成され、更
に表面は凹凸を有していることから、表面部及び内部は
電気的に不均一であり、湿度による電気特性変化も大き
いので像形成体から転写材(紙)、或いは中間転写体か
ら転写材(紙)への転写時は扁平白色及び扁平透明トナ
ーであっても付着状態は乱れやすい傾向にある。一方、
像形成体や中間転写体の表面は、転写材(紙)に比べ凹
凸が少なく、扁平トナーの表面帯電状態は、略均一に帯
電されている。この為、像形成体或いは中間転写体と扁
平トナー端部とよりも扁平トナーの扁平な部分とのクー
ロン力が高くなるため、扁平面を付着させることになる
と考えられる。この様にして像形成体上、中間転写体上
に扁平トナーはその扁平部を寝かせて横方向に並び、扁
平面どうしで重なりやすく層状になり、移動によっても
安定したトナー像が保たれると考えられる。
【0034】特に本発明の画像形成方法においては、扁
平トナーとカラートナー像を重ね合わせることから、表
面が平滑で電気的特性が均一な像形成体や中間転写体上
で扁平トナー像とカラートナー像を、扁平トナーの扁平
面どうしで層状に重ね合わせることが良好な画像を得る
重要な構成要素となる。この様にして扁平トナー像とカ
ラートナー像の重ね合わせを像形成体や中間転写体上で
多く行い、表面の凹凸や電気的特性の変化の大きい転写
材(紙)への転写回数を減らすことがより好ましい構成
となる。
【0035】扁平程度が不充分なトナーでは、扁平面ど
うしで層状に重ね合わさらずランダムな付着状態となる
ので、画像の盛り上がり、表面の不均一な光沢が観察さ
れた。
【0036】又、扁平トナーを用いても、転写材(紙)
に毎回転写するタンデム方式においては、転写工程でト
ナー像が乱れることによる、トナー像の散りやむら、表
面の不均一な光沢が、球形或いは不定形トナーほどでは
ないが観察された。
【0037】扁平程度が不十分なトナーとは、扁平化処
理で本発明で規定した扁平トナー形状からはずれた形状
のもの、重合法或いは粉砕法で製造したトナー等が該当
する。
【0038】以下、具体的に扁平トナーの製造法につい
て説明する。本発明に係る扁平トナーは、例えば、従来
公知のトナー製造法と同様の方法により扁平トナーの母
体粒子としての樹脂粒子を調製した後、該樹脂粒子に熱
と機械的な剪断力とを付与して扁平処理を施すことによ
り形成することができる。
【0039】トナー母体粒子としては、乳化重合法や懸
濁重合法等により調製した樹脂微粒子を水系媒体中で融
着させて得られる樹脂粒子や懸濁重合法により調製した
樹脂粒子等が好ましく用いられる。これらの樹脂粒子は
水系媒体などの溶液中で表面が形成されるため表面が均
一であり、これらをトナー母体粒子とする扁平トナーも
また表面が均一であるという利点を有している。また懸
濁重合法で調製された樹脂粒子は球形であるため、これ
をトナー母体粒子として扁平処理して得られる扁平トナ
ーは表面形状が滑らかとなる。樹脂微粒子を融着させて
得られる樹脂粒子は、懸濁重合で得られる樹脂粒子に比
べて粒度分布がシャープであり、後処理なしで球形への
形状制御が可能であることから、より好ましく用いら
れ、これをトナー母体粒子とすることにより表面形状が
滑らかでかつ形状や粒径の揃った扁平トナーを得ること
ができる。
【0040】以下、本発明に係る扁平トナーの材料およ
び製造方法の例について記述する。 《材料》 〈単量体〉重合性単量体としては、ラジカル重合性単量
体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤が添加さ
れる。またこの他に、酸性基を有するラジカル重合性単
量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少
なくとも1種類含有してもよい。 (1)ラジカル重合性単量体 ラジカル重合性単量体成分としては特に限定されるもの
ではなく、従来公知のラジカル重合性単量体を用いるこ
とができる。また要求される特性を満たすように、1種
または2種以上のものを組み合わせて用いることができ
る。
【0041】具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単
量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量
体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単
量体等を用いることができる。芳香族系ビニル単量体と
しては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、
p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t
ert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、
p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、
p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン
等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアク
リル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノ
エチル等が挙げられる。ビニルエステル系単量体として
は、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾ
エ酸ビニル等が挙げられる。ビニルエーテル系単量体と
しては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチル
エーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニル
エーテル等が挙げられる。モノオレフィン系単量体とし
ては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、
1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン
等が挙げられる。ジオレフィン系単量体としては、例え
ば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げら
れる。ハロゲン化オレフィン系単量体としては、例え
ば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げ
られる。 (2)架橋剤 トナーの特性を改良するために添加される架橋剤として
は、ラジカル重合性架橋剤が用いられる。ラジカル重合
性架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニ
ルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコー
ルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル
酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げ
られる。
【0042】ラジカル重合性架橋剤は、その特性にもよ
るが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質
量%の範囲で使用することが好ましい。 (3)酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基
性基を有するラジカル重合性単量体 酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を
有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボ
キシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級
アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニ
ウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
【0043】酸性基を有するラジカル重合性単量体とし
ては、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸
基含有単量体等を用いることができる。カルボン酸基含
有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、
マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチ
ルエステル等が挙げられ、またスルホン酸基含有単量体
としては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホ
コハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられ
る。これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属
塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造
であってもよい。
【0044】塩基性基を有するラジカル重合性単量体と
しては、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級
アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を
用いることができる。具体的には、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、およびこれら4種の化合物の
4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアク
リレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロ
ピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−
ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミ
ド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N
−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリル
アミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN
−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリ
ジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウ
ムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロ
リド等を挙げることができる。
【0045】酸性基を有するラジカル重合性単量体また
は塩基性基を有するラジカル重合性単量体は、ラジカル
単量体全体の0.1〜15質量%の範囲で使用すること
が好ましい。
【0046】〈連鎖移動剤〉分子量を調整することを目
的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いること
が可能である。連鎖移動剤としては特に限定されるもの
ではなく、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメ
ルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメル
カプタン、およびスチレンダイマー等が使用される。
【0047】〈重合開始剤、分散安定剤、界面活性剤〉
いわゆる乳化重合法で樹脂微粒子を調製した後に、その
樹脂微粒子を塩析、融着させてトナー母体粒子としての
樹脂粒子を形成する場合には、水溶性のラジカル重合開
始剤が用いられる。水溶性のラジカル重合開始剤として
は、例えば、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス−4−
シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げ
られる。これらのラジカル性重合開始剤は、必要に応じ
て還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤とすること
が可能である。レドックス系開始剤を用いることにより
重合活性が上昇し、重合温度の低下が図れ、更に重合時
間の短縮が期待できる。
【0048】重合開始剤の添加量は、最終的なトナーと
なる樹脂の分子量により決定されるが、一般的にはラジ
カル重合性単量体に対して0.1〜10質量%、好まし
くは0.2〜5質量%である。また重合温度は、重合開
始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選
択しても良いが、例えば50℃から90℃の範囲が用い
られる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水
素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる
ことで、室温またはそれ以上の温度で重合することも可
能である。
【0049】乳化重合の際に使用することのできる界面
活性剤としては特に限定されるものでは無いが、前述の
ラジカル性重合性単量体を水系媒体中に油滴分散する必
要があることから、イオン性界面活性剤を好適なものの
例として挙げることができる。イオン性界面活性剤とし
ては、例えば、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホ
ン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−
4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−
スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−
アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチ
ル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−
ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エ
ステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸
ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫
酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウ
ム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カ
プリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げ
られる。またこの他に、ノニオン性界面活性剤も使用す
ることができる。具体的には、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサ
イドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチ
レングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフ
ェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエ
チレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピ
レンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙
げることができる。
【0050】なお、これらの界面活性剤は主に乳化重合
時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目
的で使用してもかまわない。
【0051】扁平処理を施すトナー母体粒子としての樹
脂粒子をいわゆる懸濁重合法により製造する場合や懸濁
重合法で調製した樹脂微粒子を塩析、融着させてトナー
母体粒子としての樹脂粒子を形成する場合には、油溶性
のラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。油溶性
のラジカル重合開始剤としては、具体的には、過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペルオキサ
イド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジクミルペル
オキサイド、クメンヒドロペルオキサイド、アセチルペ
ルオキサイド、プロピオニルペルオキサイド等の過酸化
物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2,4−バレロニトリル)、2,2′−ア
ゾビス−2−メチルバレロニトリル、2,2′−アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾビス系重
合開始剤などを挙げることができる。重合開始剤の添加
量は、最終的なトナーとなる樹脂の分子量により決定さ
れるが、一般的にはラジカル重合性単量体に対して0.
1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%である。
【0052】懸濁重合法においては、分散安定剤が水系
媒体中に分散して使用される。分散安定剤としては、最
終的に濾過、洗浄段階で容易に除去できるものが好まし
く、特に無機系の難水溶性分散安定剤が好ましく使用さ
れる。具体的には、炭酸カルシウム、燐酸三カルシウ
ム、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、
酸化珪素、水酸化鉄などを挙げるげることができ、特に
好ましい分散安定剤は燐酸三カルシウムである。なお、
この難水溶性無機分散安定剤に加えて分散助剤に少量の
界面活性剤を使用してもよい。この場合、ノニオン系、
アニオン系、カチオン系、両性系のいずれも使用するこ
とができるが、より好ましくはアニオン系界面活性剤で
ある。
【0053】分散安定剤は、分散される油相成分に対し
て1〜10質量%程度使用することが好ましい。この範
囲よりも少ない場合には、分散安定性が低下して粒子の
凝集が発生し、この範囲よりも多い場合には、分散が促
進されるために小粒径成分が過多に発生してしまう。ま
た界面活性剤は、無機分散安定剤に対して0.05〜1
質量%程度添加することが好ましい。この範囲よりも少
ない場合には分散安定性向上の効果を発揮することがで
きず、この範囲を越えて使用する場合にはラジカル重合
性単量体の乳化が発生し、いわゆるラテックス粒子が系
内に発生し、粒子径分布が広がる問題があるとともに、
界面活性剤の除去がしにくくなり、水分の吸着を引き起
こす問題がある。
【0054】〈着色剤〉白色トナーを製造する際の白色
の着色剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン等の
無機白色顔料を使用することができる。
【0055】これらの無機白色顔料は所望に応じて単独
または複数を選択併用することが可能である。また顔料
の添加量は重合体に対して2から20質量部であり、好
ましくは3から15質量部が選択される。
【0056】着色剤は表面改質して使用することもでき
る。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用す
ることができ、具体的にはシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好
ましく用いることができる。
【0057】なお、透明トナーを製造する場合は着色剤
は用いない。 〈その他の内添剤〉トナー中には、着色剤以外に、離型
剤や荷電制御剤等の構成成分を加えてもよい。離型剤と
しては種々の公知のものを使用することができ、例え
ば、低分子量のポリプロピレン、ポリエチレン等のオレ
フィン系ワックスや、これらの変性物、カルナバワック
スやライスワックス等の天然ワックス、脂肪酸ビスアミ
ドなどのアミド系ワックスなどを挙げることができる。
荷電制御剤も同様に種々の公知のものを使用することが
でき、例えば、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高
級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アン
モニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩
あるいはその金属錯体等を挙げることができる。これら
離型剤や荷電制御剤の粒子は、分散した状態で数平均一
次粒子径が10〜500nm程度とすることが好まし
い。
【0058】また透明トナーにおいては、画像の退色を
より防止するため、公知の紫外線吸収剤を添加して用い
ることができる。
【0059】紫外線吸収剤としては、例えば、ベンツト
リアゾール系を挙げることができる。具体例としては、
特開平1−250944号公報に記載の一般式3−3で
示される化合物、特開昭64−66646号公報に記載
のUV−1L〜UV−27Lおよび特開昭63−187
240号公報に記載の一般式1で示される化合物が挙げ
られる。具体的化合物としては、下記の如きものを挙げ
ることができる。
【0060】
【化1】
【0061】〈外添剤〉本発明に使用される扁平トナー
には、流動性の改良やクリーニング性の向上などの目的
で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。
これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種
々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することが
できる。
【0062】無機微粒子としては、従来公知のものを使
用することができる。具体的には、シリカ、酸化チタ
ン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。
これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具
体的には、シリカ微粒子として、例えば、日本アエロジ
ル社製の市販品R−805、R−976、R−974、
R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製の
HVK−2150、H−200、キャボット社製の市販
品TS−720、TS−530、TS−610、H−
5、MS−5等が挙げられる。酸化チタン微粒子として
は、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、
T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT
−100B、MT−500BS、MT−600、MT−
600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−
300SI、TA−500、TAF−130、TAF−
510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT
−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げら
れる。アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジ
ル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製
の市販品TTO−55等が挙げられる。これら無機微粒
子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等に
よって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処
理の程度としては特に限定されるものではないが、メタ
ノールウェッタビリティで表される疎水化度が40〜9
5のものが好ましい。メタノールウェッタビリティとは
メタノールに対する濡れ性を評価するものであり、内容
量200mlのビーカー中に蒸留水50mlと測定対象
の無機微粒子0.2gとを入れてゆっくりと撹拌しなが
ら、先端が液中に浸漬されているビュレットを用いて、
メタノールを無機微粒子の全体が濡れるまで滴下し、こ
のときに無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノ
ールの量をa(ml)として下式により疎水化度を算出
する。
【0063】疎水化度=(a/(a+50))×100 有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜200
0nm程度の球形の有機微粒子を使用することができ
る。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなど
の単独重合体やこれらの共重合体を使用することができ
る。
【0064】滑剤としては、例えば、ステアリン酸の亜
鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の
塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウ
ム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カ
ルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の
塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級
脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0065】これら外添剤の添加量は、トナーに対して
0.01〜5質量%程度が好ましい。
【0066】《製造工程》本発明に使用される扁平トナ
ーの製造工程は、トナー母体粒子としての樹脂粒子を製
造する工程と、該樹脂粒子を扁平処理する工程と、該扁
平処理された粒子に外添剤を添加する工程からなる。
【0067】〈樹脂粒子の製造工程〉トナー母体粒子と
しての樹脂粒子の製造は、乳化重合や懸濁重合等の重合
法により調製した樹脂微粒子を水系媒体中で融着させる
方法や懸濁重合により樹脂粒子を製造する方法が好まし
く用いられる。
【0068】乳化重合、懸濁重合等の重合法により調製
した樹脂微粒子を水系媒体中で融着させてトナー母体と
なる樹脂粒子を製造する場合の製造工程は、乳化重合、
懸濁重合等の重合法により樹脂微粒子を調製する重合工
程、得られた樹脂微粒子分散液を用いて水系媒体中で樹
脂微粒子を融着させる工程、得られた粒子を水系媒体中
より濾過し界面活性剤などを除去する洗浄工程からな
る。
【0069】ここで水系媒体とは主成分として水からな
るもので、水の含有量が50質量%以上であるものを示
す。水以外のものとしては、水に溶解する有機溶媒を挙
げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチル
ケトン、テトラヒドロフランなどをあげることができる
が、好ましくは樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールの
ようなアルコール系有機溶媒が好ましい。
【0070】トナー母体粒子としての樹脂粒子にはトナ
ー構成成分として着色剤や離型剤、荷電制御剤等が必要
に応じて含有されるが、これらのトナー構成成分は樹脂
微粒子を調製する重合工程において樹脂微粒子中に含有
させる方法、あるいはこれらのトナー構成成分を含有し
ない樹脂微粒子を調製した後、該樹脂微粒子の分散液に
着色剤や離型剤、荷電制御剤等を分散または溶解した液
を添加して水系媒体中で融着させることにより樹脂粒子
中に含有させる方法の何れでもよいが、離型剤は重合工
程において含有させることが好ましく、着色剤は樹脂微
粒子を融着させる工程で含有させることが好ましい。
【0071】樹脂微粒子を調製する重合工程は、例え
ば、重合性単量体中に離型剤等を溶解した溶液を臨界ミ
セル濃度以下の界面活性剤を溶解させた水系媒体中に機
械的エネルギーによって油滴分散させ、この分散液に水
溶性重合開始剤を加え、ラジカル重合させる方法を挙げ
ることができる。この場合、モノマー中に油溶性の重合
開始剤を加えて使用してもよい。この油滴分散を行うた
めの分散機としては特に限定されるものでは無いが、例
えばクレアミックス、超音波分散機、機械式ホモジナイ
ザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等を挙
げることができる。
【0072】融着の方法としては、重合工程によって生
成された樹脂微粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析
しながら融着する方法が好ましく用いられる。
【0073】この塩析/融着を行う工程は、樹脂微粒子
及び着色剤粒子とが存在している水中にアルカリ金属塩
やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度
以上の凝集剤として添加し、ついで樹脂微粒子のガラス
転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に
融着を行う工程である。この工程では、水に無限溶解す
る有機溶媒を添加し、樹脂微粒子のガラス転移温度を実
質的に下げることで融着を効果的に行う手法を使用して
もよい。
【0074】ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及び
アルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウ
ム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類
金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナ
トリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げ
られる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素
塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。また前記
水に無限溶解する有機溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、エチレングリコール、グリセリン、アセトン等があ
げられるが、炭素数が3以下のメタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノールのアルコール
が好ましく、特に、2−プロパノールが好ましい。
【0075】また白色トナーを製造する場合には、着色
剤粒子は、界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)
以上にした水系媒体中に着色剤を分散して調製される。
着色剤分散時の分散機は特に限定されないが、好ましく
は、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴ
ーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンド
グラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファイン
ミル等の媒体型分散機が挙げられる。また着色剤は表面
改質して使用してもよく、この場合は、着色剤を分散し
た分散液中に表面改質剤を添加した後昇温して反応を行
い、反応終了後に濾過、洗浄、乾燥を行って表面改質剤
で処理された顔料を得ることができる。
【0076】融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添
加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好
ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の
放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布
が不安定になったり、融着させた樹脂粒子の表面性が変
動したりする問題が発生する。また塩析剤を添加する温
度は、樹脂微粒子のガラス転移温度以下であることが好
ましい。塩析剤を添加する温度が樹脂微粒子のガラス転
移温度以上であると、樹脂微粒子の塩析/融着は速やか
に進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大
粒径の粒子が発生したりする場合がある。この添加温度
の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよい
が、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃で
ある。
【0077】塩析剤を樹脂微粒子のガラス転移温度以下
で加えた後は、できるだけ速やかに昇温し、樹脂微粒子
のガラス転移温度以上に加熱する方法を使用することが
好ましい。このときの昇温速度としては1℃/分以上が
好ましく、昇温までの時間としては30分未満が好まし
く、10分未満が特に好ましい。昇温速度の上限として
は特に明確では無いが、急激な塩析/融着の進行による
粗大粒子の発生を抑制する観点から、15℃/分以下が
好ましい。特に好ましい形態として、塩析/融着をガラ
ス転移温度以上になった時点でも継続して進行させるこ
とにより、粒子の成長とともに融着を効果的に進行させ
ることができる。
【0078】融着によって得られる樹脂粒子の粒径は、
体積平均粒径で2〜9μmが好ましい。樹脂粒子の体積
平均粒径は、「コールターカウンター TA2」、「コ
ルターマルチサイザー SLAD1100」(島津製作
所製レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定する
ことができ、「コールターカウンター TA−2」及び
「コールターマルチサイザー SLAD1100」を用
いる場合にはアパーチャー径=100μmのアパーチャ
ーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径分布を
用いて測定されたものを示す。
【0079】樹脂粒子中に含まれる微粉量は、2.0μ
m以下の微粉量が個数分布で全体の20個数%以下であ
ることが好ましく、1.0μm以下の微粉量が10個数
%以下であることがさらに好ましい。この微粉量は大塚
電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用い
て測定することができる。この範囲に粒径分布を調整す
るためには、塩析/融着段階での温度制御を狭くするこ
とがよく、具体的には昇温までの時間を前述の30分未
満、好ましくは10分未満とし、昇温速度を1〜15℃
/分とすることである。
【0080】また融着によって得られた樹脂粒子の形状
は、下式で示される形状係数の平均値(平均円形度)が
0.95〜1.00であることが好ましい。
【0081】形状係数=(円相当径から求めた円の周囲
長)/(粒子投影像の周囲長) さらに形状係数の分布がシャープであることが好まし
く、円形度の標準偏差は0.10以下、下式で算出され
る形状係数のCV値は10%未満が好ましい。
【0082】CV値=(円形度の標準偏差)/(平均円
形度)×100 なお上記形状係数は、500個の樹脂粒子について、走
査型電子顕微鏡又はレーザ顕微鏡により500倍に拡大
した樹脂粒子の写真を撮影し、画像解析装置「SCAN
NING IMAGE ANALYSER」(日本電子
社製)を使用して写真画像の解析を行って円形度を測定
し、その算術平均値を求めることにより算出することが
できる。また簡便な測定方法としては、「FPIA−1
000」(東亜医用電子株式会社製)により測定するこ
とができる。
【0083】所望の粒径および形状の粒子が得られた段
階で樹脂粒子分散液を冷却し、得られた粒子を水系媒体
中より濾過、水洗し、ウェットケーキ状の樹脂粒子を得
る。
【0084】トナー母体となる樹脂粒子を懸濁重合で製
造する場合の製造工程は、ラジカル重合性単量体中に重
合開始剤と着色剤や離型剤、荷電制御剤等のトナーを構
成するに必要な成分を含有分散させる工程、着色剤等を
分散した前記分散液を水中に分散しトナー程度の所望の
粒径を有する液滴に分散する工程、重合工程、分散安定
剤を除去し濾過、洗浄する工程からなる。
【0085】着色剤等を分散する際に使用される分散機
は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械
的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナ
イザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマ
ンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が
挙げられる。なお、重合開始剤を添加する必要があるた
め、分散時の熱の影響を受けないように、冷却して分散
することが好ましい。
【0086】水系媒体中に上記分散液を分散する際に使
用される分散装置としては、TKホモミキサー、TKホ
モジェッター、回転二重円筒、超音波分散機などを挙げ
ることができる。この場合、水系媒体中に形成される液
滴が所望の粒径になるように調整する必要があるため、
顕微鏡などで分散液滴の粒径を観察し、所定になった時
点で分散を停止する方法で所望の分散径を有する液滴を
形成することが好ましい。トナー母体粒子としての樹脂
粒子の粒径は、体積平均粒径で2〜9μmが好ましい。
この体積平均粒径は、「コールターカウンター TA−
2」、「コールターマルチサイザー、SLAD110
0」(島津製作所社製レーザー回折式粒径測定装置)等
を用いて測定することができる。「コールターカウンタ
ー TA−2」及び「コールターマルチサイザー SL
AD1100」ではアパーチャー径=100μmのアパ
ーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径
分布を用いて測定されたものを示す。
【0087】重合工程では重合開始剤の分解温度以上で
重合する。重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成
温度以上であればどの温度を選択しても良いが、重合開
始剤の半減期が2時間から10時間程度になる温度範囲
とすることが好ましい。温度範囲としては、重合開始剤
により異なるが、例えば50℃から90℃の範囲が好ま
しく使用される。
【0088】重合終了後、冷却し、分散安定剤を除去す
るために、酸を加えることが好ましい。酸としては、塩
酸、硫酸等を使用することができる。その後、濾過、水
洗し、ウェットケーキ状の樹脂粒子を得る。
【0089】得られた樹脂粒子の形状は、通常、前述の
式による形状係数の平均値(平均円形度)は0.95〜
1.00となる。
【0090】〈扁平処理工程〉樹脂粒子の扁平処理は、
樹脂粒子を分散した液に熱と機械的な剪断力を加えるこ
とにより行うことができる。具体的には、上記で得られ
たウェットケーキ状の樹脂粒子を水系媒体中に再分散
し、この分散液に、粒径100μmから2000μm程
度のポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−
アクリロニトリル共重合体等からなる合成樹脂微粒子、
ガラスビーズ、ジルコニアビーズ等を媒体として加えた
後、分散液を樹脂粒子のガラス転移点以上の温度で加熱
しながら撹拌する方法が好ましく用いられる。この際、
樹脂粒子の分散液中にメチルセルロース等の増粘剤を加
えて樹脂粒子分散液の粘度を上げてもよく、また必要に
応じて消泡剤を添加することも可能である。
【0091】樹脂粒子分散液を加熱撹拌する装置として
は、従来公知の分散機を用いることができ、具体的に
は、サンドグラインダー、ゲッツマンミル、ダイヤモン
ドファインミル等の媒体型分散機を挙げることができ
る。
【0092】分散液の温度は、樹脂粒子のガラス転移点
以上であることが必要であり、また上限としては、前記
樹脂粒子の製造工程において樹脂微粒子を塩析/融着す
る際の処理温度以下あるいは樹脂粒子中に含有される離
型剤の融点以下であることが好ましく、扁平処理温度と
しては、例えば、樹脂粒子のガラス転移点以上、ガラス
転移点+20℃以下の範囲が好ましく用いられる。扁平
処理温度が低すぎると、樹脂粒子の扁平処理が十分に行
われず、扁平処理温度が高すぎると、樹脂粒子が凝集し
たり、樹脂粒子中に含有される離型剤が樹脂粒子中から
溶出したりする。樹脂粒子の扁平処理時間は、樹脂粒子
分散液の温度、使用する媒体の粒径や比重、撹拌速度や
撹拌槽の形状等にも依るが、通常10分から10時間程
度である。
【0093】以上の加熱撹拌処理により分散液中の樹脂
粒子に扁平処理が施されるが、扁平処理された樹脂粒子
の表面を滑らかにするために、篩等を用いて樹脂粒子分
散液から媒体を分離した後、引き続き分散液を加熱撹拌
してもよい。この場合の加熱温度は上記扁平処理温度と
同じ範囲であることが好ましい。
【0094】扁平処理終了後、樹脂粒子分散液を冷却
し、扁平処理された樹脂粒子を濾過、洗浄した後、乾燥
し、扁平トナーを得る。
【0095】なお本発明の扁平トナーの形状は、扁平処
理前のトナー母体粒子としての樹脂粒子の粒径および形
状と、その後の扁平処理工程における扁平化の度合によ
ってほぼ一義的に決定され、扁平化の度合は扁平処理時
間を変化させることによって容易に制御することができ
る。
【0096】図2は、扁平処理時間と扁平トナーの形状
との関係の一例を示す図である。図2において、
(a)、(b)、(c)はそれぞれトナー母体粒子とし
て3.0μm、6.5μm、8.5μmの球形粒子を用
いて扁平処理したときの扁平処理時間に対する円相当径
と厚みの変化を示した図である。例えばトナー母体粒子
として粒径3μmの球形粒子を用いた場合は、図2
(a)に示すように、扁平処理時間とともに平均円相当
径(r)と平均厚み(d)が(3.4μm、2.3μ
m)、(3.8μm、1.9μm)、(4.3μm、
1.4μm)、(4.8μm、1.2μm)、(5.1
μm、1.0μm)、(5.5μm、0.9μm)、・
・・と変化し、トナー母体粒子として粒径6.5μmの
球形粒子を用いた場合は、図2(b)に示すように、扁
平処理時間とともに平均円相当径(r)と平均厚み
(d)が(7.4μm、5.0μm)、(8.2μm、
4.1μm)、(9.4μm、3.1μm)、(10.
3μm、2.6μm)、(11.1μm、2.2μ
m)、(11.8μm、2.0μm)、・・・と変化
し、トナー母体粒子として8.5μmの球形粒子を用い
た場合は、図2(c)に示すように、扁平処理時間とと
もに平均円相当径(r)と平均厚み(d)が(9.7μ
m、6.5μm)、(10.7μm、5.4μm)、
(12.3μm、4.1μm)、(13.5μm、3.
4μm)、(14.5μm、2.9μm)、(15.4
μm、2.6μm)、・・・と変化する。
【0097】〈外添剤処理工程〉上記で得られた扁平ト
ナー粒子はそのまま使用してもよいが、例えば流動性、
帯電性、クリーニング性の改良を行うことを目的とし
て、前述の外添剤を添加してもよい。外添剤の添加方法
としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサ
ー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の
混合装置を使用することができる。
【0098】《現像剤》本発明に係る扁平トナーは、そ
のまま非磁性または磁性の一成分現像剤として用いるこ
とができるが、キャリアと混合して二成分現像剤として
用いることが好ましい。
【0099】キャリアとして用いる粒子は、鉄、フェラ
イト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニ
ウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子
を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましく用
いられる。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては
15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのも
のがよい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的に
は湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置
「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMP
ATEC)社製)により測定することができる。キャリ
アは、上記磁性粒子をそのまま用いることもできるが、
樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性
粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好まし
い。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無
いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ス
チレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル
系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。
又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂として
は、特に限定されず公知のものを使用することができ、
例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができ
る。
【0100】次に、本発明で用いることが出来る画像形
成装置について説明する。先ず、第1の発明について説
明する。
【0101】第1の発明の目的は、転写材表面の凹凸に
起因する画像の乱れを無くし、且つ転写材の色味を隠蔽
し印刷ライクの画像を得ることにある。
【0102】第1の発明の好ましい画像形成装置の構成
の一例を説明する。本実施形態は、下記図3及び図4の
画像形成装置の断面構成図に示すように、複数の像形成
体上で帯電、像露光、現像を行うことによりトナー像を
形成する画像形成装置であって、特にタンデム方式によ
り白(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)及び黒(K)各色についてのトナー像を重ねてカ
ラー画像形成を行うカラー画像形成装置で、小型形状で
あることを特徴としている。
【0103】図3、図4は、第1の発明の一実施形態を
示す画像形成装置の断面構成図である。
【0104】図3に示すカラー画像形成装置は、中間転
写体を用いたタンデム方式のカラー画像形成装置であ
る。中間転写体である転写ベルト14aの周縁部には、
黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー
(Y)及び白(W)から成る5組のプロセスユニット1
00K、100C、100M、100Y、100W(以
下、プロセスユニット100と略す)が設けられてい
て、各プロセスユニット100ではトナーを用いての
K、C、M、Y、Wのトナー像が形成され、各トナー像
は中間転写体である転写ベルト14aの上に転写されて
重ね合わされ、重ね合わされたトナー像は転写材上に一
括転写され、定着されて機外に排出される構成となって
いる。
【0105】5組のプロセスユニット100は何れも共
通した構造となっているので、その1組について説明す
る。像形成体である感光体ドラム10は、例えばガラス
や透光性アクリル樹脂等の透光性部材によって形成され
る円筒状の基体の外周に、透光性の導電層及び有機感光
層(OPC)の光導電体層を形成したものである。
【0106】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により、或いは転写ベルト14aに従動し、透
光性の導電層を接地された状態で矢印で示す反時計方向
に回転される。
【0107】11は帯電手段としてのスコロトロン帯電
器で、感光体ドラム10の移動方向に対して直交する方
向に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、
トナーと同極性のコロナ放電によって、感光体ドラム1
0に対し一様な電位を与える。
【0108】露光光学系12は、像露光の発光素子とし
てのLED(発光ダイオード)を感光体ドラム10の軸
と平行に複数個アレイ状に並べた線状の露光素子(不図
示)と等倍結像素子としてのセルフォックレンズ(不図
示)とがホルダに取り付けられた露光用ユニットとして
構成される。円柱状の保持部材に、露光光学系12が取
付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容される。
露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、EL
(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放電)
等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のものが用
いられる。
【0109】像露光手段である露光光学系12の感光体
ドラム10上での露光位置は、スコロトロン帯電器11
の下流側にあって、トナーを内蔵した現像器13に対し
て感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態で感
光体ドラム10の内部に配置される。
【0110】現像器13はトナーと磁性キャリアとの2
成分現像剤を内蔵し、ソフト現像或いは非接触現像によ
って反転現像を行う現像器である。
【0111】画像形成にあたっては、K、C、M、Y、
Wの画像データは露光光学系12によって像露光が行わ
れ、現像器13によってトナーによる現像が行われて、
感光体ドラム10上にトナー像が形成される。このトナ
ー像は転写位置において後に説明する中間転写体として
の転写ベルト14a上に転写がなされる。転写を終えて
ドラム上に残留した転写残トナーは、クリーニングブレ
ードを備えたクリーニング装置19によって清掃が行わ
れる。
【0112】5色のプロセスユニット100が並列して
対向する中間転写体としての転写ベルト14aは、体積
抵抗率108〜1015Ω・cm、表面抵抗率108〜10
15Ω/□の無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、
熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共
重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエ
ンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚
み0.1〜0.5mmの半導電性フィルム基体の外側
に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚み5
〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成の
シームレスベルトである。
【0113】転写ベルト14aの基体としては、この他
に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分
散した厚み0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを
使用することも出来る。
【0114】転写ベルト14aは、駆動ローラ14d、
従動ローラ14e、テンションローラ14k及びバック
アップローラ14jに外接して張架され、画像形成時に
は、不図示の駆動モータよりの駆動をうけて駆動ローラ
14dが回転され、各色毎の転写位置では1次転写器1
4cにより感光体ドラム10に転写ベルト14aが押圧
され、転写ベルト14aが図の矢印で示す方向に回転さ
れる。
【0115】各色毎の転写手段である転写ローラからな
る1次転写器14cは、転写ベルト14aを挟んで各色
毎の感光体ドラム10に対向して設けられ、転写ベルト
14aと各色毎の感光体ドラム10との間に各色毎の転
写域を形成する。各色毎の1次転写器14cにはトナー
と反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流
電圧を印加し、転写域に転写電界を形成することによ
り、各色毎の感光体ドラム10上のカラートナー像を転
写ベルト14a上に転写する。
【0116】画像記録のスタートにより、不図示の感光
体駆動モータの始動により黒(K)のプロセスユニット
100Kの感光体ドラム10が図の矢印で示す方向へ回
転され、同時にKのスコロトロン帯電器11の帯電作用
によりKの感光体ドラム10に電位の付与が開始され
る。
【0117】Kの感光体ドラム10は電位を付与された
あと、Kのトナー用の露光光学系12によるKの画像に
対応する静電潜像が形成され、Kのトナー用の現像器1
3によって黒トナーによる黒トナー像が形成される。
【0118】上記の画像形成プロセスによって像形成体
であるKの感光体ドラム10上に形成された黒トナーか
らなる黒トナー像が、Kの転写域において、第1の転写
手段であるKの1次転写器14cによって、転写ベルト
14a上に転写される。
【0119】次いで転写ベルト14aは、シアントナー
像と同期が取られ、シアン(C)のプロセスユニット1
00CによりCの感光体ドラム10上に形成されたシア
ントナーからなるシアントナー像が、Cの転写域におい
て、第1の転写手段であるCの1次転写器14cによっ
て、前記の黒トナーからなる黒トナー像の上にシアント
ナーからなるシアントナー像が重ね合わせて形成され
る。
【0120】同様のプロセスにより、K、Cの重ね合わ
せトナー像と同期が取られ、マゼンタ(M)のプロセス
ユニット100MによりMの感光体ドラム10上に形成
された、第3の色信号によるMの画像データに対応する
マゼンタトナーからなるマゼンタトナー像が、Mの転写
域において、第1の転写手段であるMの1次転写器14
cによって、前記の黒、シアントナー像の上にマゼンタ
トナーからなるマゼンタトナー像が重ね合わせて形成さ
れ、更にK、C、Mの重ね合わせトナー像と同期が取ら
れ、イエロー(Y)のプロセスユニット100Yにより
Yの感光体ドラム10上に形成された、第4の色信号に
よるYの画像データに対応するイエロートナーからなる
イエロートナー像が、Yの転写域において、第1の転写
手段であるYの1次転写器14cによって、前記の黒、
シアン、マゼンタのトナー像の上にイエロートナーから
なるイエロートナー像が重ね合わせて形成され、転写ベ
ルト14a上に黒、シアン、マゼンタ及びイエローの重
ね合わせトナー像が形成される。
【0121】本発明における画像形成装置においては、
さらにプロセスユニット100Wが追加されている。こ
のプロセスユニットの感光体ドラム10は、電位を付与
された後、白色トナー用の露光光学系12によって全て
の画像データに対応する電気信号による画像書込が開始
され、感光体ドラム10の表面に原稿画像の全ての画像
に対応する白色トナー用の静電潜像が形成される。
【0122】前記の白色トナー用の静電潜像は、扁平白
色トナー用の現像器13により非接触状態で反転現像が
なされ、プロセスユニット100Wの感光体ドラム10
の回転に応じ扁平白色トナーによる扁平白色トナー像が
形成される。
【0123】第1の発明においては、これを第1の転写
手段であるWの1次転写器14cによって、前記の黒、
シアン、マゼンタ、イエローのトナー像の上に扁平白色
トナー像が重ね合わせて形成され、転写ベルト14a上
に黒、シアン、マゼンタ、イエロー及び扁平白色の重ね
合わせトナー像が形成される。
【0124】転写後の各色毎の感光体ドラム10の周面
上に残った転写残トナーは、各色毎の像形成体のクリー
ニング手段であるクリーニング装置19によりクリーニ
ングされる。
【0125】転写ベルト14a上の重ね合わせトナー像
と同期して転写材収納手段である給紙カセット15か
ら、転写材給送手段としてのタイミングローラ16を経
て転写材(紙)Pが第2の転写手段である2次転写器1
4gの転写域へと搬送され、トナーと反対極性の直流電
圧が印加される2次転写器14gにより、転写ベルト1
4a上の重ね合わせトナー像が転写材(紙)P上に一括
して転写される。
【0126】重ね合わせトナー像が転写された転写材
(紙)Pは、鋸歯状電極板から成る分離手段である除電
電極16bにより除電され、定着装置17へと搬送さ
れ、定着ローラ17aと圧着ローラ17bとの間で熱と
圧力とを加えられることにより転写材(紙)P上のトナ
ー像が定着された後、装置外部のトレイへ排出される。
【0127】転写後の転写ベルト14aの周面上に残っ
た転写残トナーは、転写ベルト14aを挟んで従動ロー
ラ14eに対向して設けられる転写ベルトのクリーニン
グ手段であるクリーニング装置19aによりクリーニン
グされる。
【0128】本実施形態では、転写材上に扁平白色トナ
ーからなる扁平白色トナー像が層状に形成され、その上
にY、M、C、Kのトナー像が形成されるため、最下層
に形成される扁平白色トナー像によって、転写材表面の
凹凸に起因する画像の乱れを無くし、転写材の色味を隠
蔽し、印刷ライクの画像を得ることが出来る、小型で色
重ねが容易になされる画像形成装置を得ることが出来
る。
【0129】図4は、同様の効果を奏する他の実施例を
示す画像形成装置の断面構成図である。
【0130】カラートナー及び扁平白色トナーを用いて
W、Y、M、C、K、の各色トナー像を形成するプロセ
スユニット100を並列配置する点においてはプロセス
ユニット100の配置順を除いて図3におけると全く同
じであるが、本実施の形態においては中間転写体を介す
ることなく転写材上にトナー像を重ね合わすようにして
いる。
【0131】図3との相違点について説明すれば、画像
形成に当たってはプロセスユニット100上でのトナー
像形成と同期して、給紙カセット15から排出された転
写材(紙)Pはタイミングローラ16を経て搬送ベルト
14へと搬送される。
【0132】これに伴い扁平白色トナー用のプロセスユ
ニット100Wにより形成された扁平白色トナー像が、
先ず転写材(紙)Pに転写される。
【0133】引き続き転写材(紙)Pは、回転する搬送
ベルト14に密着して搬送され、その上にプロセスユニ
ット100Y、100M、100C、100K上に形成
されたY、M、C、Kの各トナー像が重ねて転写され、
転写材上に重ね合わせトナー像が形成される。
【0134】重ね合わせトナー像を担持した転写材
(紙)Pは分離電極14nによって除電され、搬送ベル
ト14から分離して定着装置17へと搬送され、転写材
(紙)P上の重ね合わせトナー像は定着された後、装置
外部のトレイへ排出する。
【0135】本実施形態においても、転写材上に扁平白
色トナー像を形成し、その上にY、M、C、Kの各トナ
ー像が形成されるため転写材表面の凹凸に起因する画像
の乱れを無くし、転写材の色味を隠蔽し、印刷ライクの
画像を得ることが出来る。
【0136】図5は、第1の発明における画像処理シス
テムの一例を示すブロック図である。
【0137】CCD等の固体撮像素子を用いた画像読み
取り手段(F1)によって原稿像の読み取りが行われ
る。CCDからの出力増幅したアナログ画像信号は8〜
10ビットのデジタル信号にA/D変換され、シェーテ
ィング補正とこれに引き続いての色空間変換、対数変
換、黒生成、色補正等の画像処理(F2)が行われる。
【0138】画像処理(F2)で得られたY、M、C、
Kの各画像データは、データの濃度分布や隣接するドッ
ト間での濃度差をチェックすることによって、原稿像が
写真や絵等の中間調画像であるか、文字や線画等の文字
画像であるかの画像判別が行われる。
【0139】画像処理(F2)で得られた画像データ
は、画像が中間調画像であるか、文字画像であるかの判
別結果或いは指示された出力形態(F3)に基づいて扁
平白色トナー用の画像データ(F5′)、Y、M、C、
Kの各トナー用の画像データ(F5)の作成がなされ
る。
【0140】分解したトナー用画像データは各々のトナ
ーに対してのγ補正(F6)を行い、MTF補正(F
7)、PWM変調(F8)を行う。
【0141】PWM変調を終えたトナー用画像データは
前記露光光学系12によって感光体ドラム10上への像
露光(F9)を行う。
【0142】尚、画像判別に応じてこれらの補正値は遂
次変更されることが好ましい。即ち、中間調ではγ補正
を出た形とし、MTF補正を弱めに、PWM記録単位は
大きくする。一方、文字画像ではγ補正を高めに設定
し、MTF補正を強くし、PWM記録単位を小さくする
等の変更を行うことが好ましい。
【0143】扁平白色トナー像用の画像データWは、黒
成分画像信号KとY、M、C画像信号より、カラートナ
ーの付着量TK+TY+TM+TCが、 TK+TY+TM+TC>0の時 扁平白色トナーの付着量TWは、 TW=Z1 とし、これに応じた扁平白色トナーの画像データを形成
する(Z1は予め定められた定数である)。これにより
画像領域には、図7に示す如く、常に一定量の扁平白色
トナーが付着され、表面凹凸や転写材の色味の影響を防
止する。
【0144】図6は、第1の発明における扁平白色トナ
ーとカラートナーが転写材上に転写された状態の一例を
示す模式図である。
【0145】図6において、aは扁平白色トナーとカラ
ートナーが転写材上に転写された状態の一例を示す模式
図で、bは凹凸の有る転写材表面に扁平白色トナーの扁
平部が付着している状態の一例を示す拡大模式図であ
る。図中、Yはイエロートナー、Cはシアントナー、M
はマゼンタトナー、Wは扁平白色トナー、Pは転写材を
示す。
【0146】図7は、第1の発明におけるトナー付着量
とカラートナー像の濃度の関係の一例を示すグラフであ
る。
【0147】扁平白色トナーの付着条件、カラートナー
の付着量に対する閾値は上式では0以上としたが、画像
の種類や転写材の色味に応じて適するように制御するこ
とが好ましい。
【0148】又、扁平白色トナーの付着量も下地の転写
材に応じて変更するように制御することが好ましい。
【0149】扁平白色トナーの付着領域に関しては、画
像領域と同じでも良いが、画像領域より1.2倍ドット
分広げて扁平白色トナー像を形成することが好ましい。
また、先の画像判別により、階調画像領域のみに扁平白
色トナー像を形成し、文字部領域等の無階調領域には扁
平白色トナー像を形成しないようにしてもよい。
【0150】扁平白色トナー像の転写材上への付着量
は、特に限定はないが、転写材の表面を均一に覆うため
に、扁平トナーのトナー層で、0.3〜2.0層とする
ことが好ましく、0.7〜1.2層とすることがより好
ましい。
【0151】第2の本発明について説明する。第2の発
明の目的は、転写時に発生するトナー散りやむらを無く
し、紫外線、オゾン等による画像の退色及びこすれ等に
よる劣化を有効に防止し、均一な光沢を有する印刷ライ
クの画像を得ることにある。
【0152】図8及び図9は、第2の発明における一実
施形態の画像形成装置の断面構成図である。
【0153】本実施形態は、図8及び図9の断面構成図
に示すように、複数の像形成体上で帯電、像露光、現像
を行うことにより各トナー像を重ね合わせて画像形成す
る画像形成装置であって、特にタンデム方式によりY、
M、C、Kの各色トナー像と扁平透明トナー像とを重ね
て画像形成を行うカラー画像形成装置で、小型形状であ
ることを特徴としている。
【0154】図8に示すカラー画像形成装置は、中間転
写体を用いたタンデム方式のカラー画像形成装置であっ
て、中間転写体である転写ベルト14aの周縁部には、
扁平透明トナー(T)用のプロセスユニット100Tに
続いて黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエ
ロー(Y)から成る4組のプロセスユニット100K、
100C、100M、100Yが設けられていて、各プ
ロセスユニット100では扁平透明トナー(T)、及び
K、C、M、Yの各トナーを用いてのK、C、M、Yの
各トナー像が形成され、扁平透明トナー像、黒トナー
像、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナ
ー像は転写ベルト14aの上に重ね合わされ、重ね合わ
されたトナー像は転写材である転写材(紙)上に一括転
写され、定着されて機外に排出される構成となってい
る。
【0155】5組のプロセスユニット100は、何れも
共通した構造となっているので、その1組について説明
する。像形成体である感光体ドラム10は、例えばガラ
スや透光性アクリル樹脂等の透光性部材によって形成さ
れる円筒状の基体の外周に、透光性の導電層及び有機感
光層(OPC)の光導電体層を形成したものである。
【0156】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により、或いは転写ベルト14aに従動し、透
光性の導電層を接地された状態で矢印で示す反時計方向
に回転される。
【0157】11は共に帯電手段としてのスコロトロン
帯電器で、感光体ドラム10の移動方向に対して直交す
る方向に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けら
れ、トナーと同極性のコロナ放電によって、感光体ドラ
ム10に対し一様な電位を与える。
【0158】露光光学系12は、像露光の発光素子とし
てのLED(発光ダイオード)を感光体ドラム10の軸
と平行に複数個アレイ状に並べた線状の露光素子(不図
示)と等倍結像素子としてのセルフォックレンズ(不図
示)とがホルダに取り付けられた露光用ユニットとして
構成される。円柱状の保持部材に、露光光学系12が取
付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容される。
露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、EL
(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放電)
等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のものが用
いられる。
【0159】像露光手段である露光光学系12の感光体
ドラム10上での露光位置は、スコロトロン帯電器11
の下流側にあって、トナーを内蔵した現像器13に対し
て感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態で感
光体ドラム10の内部に配置される。
【0160】現像器13はトナーと磁性キャリアとの2
成分現像剤を内蔵し、接触又は非接触によって反転現像
を行う現像器である。
【0161】画像記録のスタートにより不図示の感光体
駆動モータの始動により扁平透明トナー像用のプロセス
ユニット100Tの感光体ドラム10が図の矢印で示す
方向へ回転され、同時にTのスコロトロン帯電器11の
帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始さ
れる。
【0162】Tの扁平透明トナー用の露光光学系12に
よってY、M、C、K全ての画像データに対応するTの
画像データに対応した電気信号による画像書込が開始さ
れ、感光体ドラム10の表面に原稿画像の全ての画像に
対応する扁平透明トナー用の静電潜像が形成される。
【0163】前記の扁平透明トナー用の潜像は、扁平透
明トナー用の現像器13により接触又は非接触の状態で
反転現像がなされ、プロセスユニット100Tの感光体
ドラム10の回転に応じ扁平透明トナーによる透明トナ
ー像が形成される。
【0164】上記の画像形成プロセスによって像形成体
であるプロセスユニット100Tの感光体ドラム10上
に形成された扁平透明トナーからなる透明トナー像が、
Tの転写域において、第1の転写手段であるTの1次転
写器14cによって、転写ベルト14a上に転写され
る。
【0165】次にKの感光体ドラム10は電位を付与さ
れたあと、Kの露光光学系12によって第1の色信号す
なわちKの画像データに対応する電気信号による画像書
込が開始され、Kの感光体ドラム10の表面に原稿画像
のKの画像に対応する静電潜像が形成される。
【0166】前記の潜像はKの現像器13により接触又
は非接触の状態で反転現像がなされKの感光体ドラム1
0の回転に応じ黒トナー像が形成される。
【0167】上記の画像形成プロセスによって像形成体
であるKの感光体ドラム10上に形成された黒トナー像
が、Kの転写域において、第1の転写手段であるKの1
次転写器14cによって、転写ベルト14a上に転写さ
れる。
【0168】次いで転写ベルト14aは、黒トナー像と
同期が取られ、シアン(C)のプロセスユニット100
CによりCの感光体ドラム10上に形成されたシアント
ナーからなるシアントナー像が、Cの転写域において、
第1の転写手段であるCの1次転写器14cによって、
前記の黒ナー像の上にシアントナー像が重ね合わせて形
成される。
【0169】同様のプロセスにより、黒、シアンの重ね
合わせトナー像と同期が取られ、マゼンタ(M)のプロ
セスユニット100MによりMの感光体ドラム10上に
形成された、第3の色信号によるMの画像データに対応
するマゼンタトナー像が、Mの転写域において、第1の
転写手段であるMの1次転写器14cによって、前記の
黒、シアンのトナー像の上にマゼンタトナー像が重ね合
わせて形成される。
【0170】更に黒、シアン、マゼンタの重ね合わせト
ナー像と同期が取られ、イエロー(Y)のプロセスユニ
ット100YによりYの感光体ドラム10上に形成され
た、第4の色信号によるYの画像データに対応するイエ
ロートナー像が、Yの転写域において、第1の転写手段
であるYの1次転写器14cによって、前記の黒、シア
ン、マゼンタのトナー像の上にイエロートナー像が重ね
合わせて形成され、転写ベルト14a上に透明、黒、シ
アン、マゼンタ及びイエローの重ね合わせトナー像が形
成される。
【0171】転写後の各色毎の感光体ドラム10の周面
上に残った転写残トナーは、各色毎の像形成体のクリー
ニング手段であるクリーニング装置19によりクリーニ
ングされる。
【0172】転写ベルト14a上の重ね合わせトナー像
形成と同期して転写材収納手段である給紙カセット15
から、転写材給送手段としてのタイミングローラ16を
経て転写材(紙)Pが第2の転写手段である2次転写器
14gの転写域へと搬送され、トナーと反対極性の直流
電圧が印加される2次転写器14gにより、転写ベルト
14a上の重ね合わせトナー像が転写材(紙)P上に一
括して転写される。
【0173】重ね合わせトナー像が転写された転写材
(紙)Pは、鋸歯状電極板から成る分離手段である除電
電極16bにより除電され、定着装置17へと搬送さ
れ、定着ローラ17aと圧着ローラ17bとの間で熱と
圧力とを加えられることにより転写材(紙)P上のトナ
ー像が定着された後、装置外部のトレイへ排出される。
【0174】転写後の転写ベルト14aの周面上に残っ
た転写残トナーは、転写ベルト14aを挟んで従動ロー
ラ14eに対向して設けられる転写ベルトのクリーニン
グ手段であるクリーニング装置19aによりクリーニン
グされる。
【0175】即ち、本実施形態においては、中間転写体
である転写ベルト14aの上に扁平透明トナーTによる
透明トナー像が形成され、その上に前記黒、シアン、マ
ゼンタ、イエローのトナー像が重ね合わせて形成され、
これらのトナー像は転写材(紙)P上に一括して転写さ
れる。最終的には転写材(紙)P上には、透明、黒、シ
アン、マゼンタ及びイエローの重ね合わせトナー像が形
成される。
【0176】中間転写体上の最下層に透明トナー像を形
成し、その上にカラートナー像を形成して、これらを一
括して転写材上に転写する構成となるため、上層のカラ
ートナー像は100%転写され、トナー像の乱れが起こ
らず、カラートナーの散りやむらの無い画像を得ること
が出来る。
【0177】又、転写材上ではカラートナー像の上に扁
平透明トナー像が形成される構成となるため、最上層の
扁平透明トナー像によって、紫外線やオゾンによるカラ
ートナー像の劣化が無く、表面こすれに対する耐久性に
も優れ、均一な光沢を有する印刷ライクの画像を得るこ
とが出来る。
【0178】図9は、同様の効果を奏する他の実施例を
示す画像形成装置の断面構成図である。
【0179】カラートナー及び扁平透明トナーを用いて
イエロー、マゼンタ、シアン、黒、透明のトナー像を形
成する点においては図8と同様であるが、プロセスユニ
ット100を並列配置する順序が、図8と逆となり、
又、本実施の形態においては中間転写体を介することな
く転写材上に直接トナー像を重ね合わすようにしてい
る。
【0180】画像形成に当たってはプロセスユニット1
00上でのトナー像形成と同期して、給紙カセット15
から排出された転写材(紙)Pはタイミングローラ16
を経て搬送ベルト14へと搬送される。
【0181】転写材(紙)P上にプロセスユニット10
0Y上に形成されたYのトナーからなるカラートナー像
が転写され、その上にプロセスユニット100M、C、
K、Tで形成されたトナー像が順次重ねて転写され、重
ね合わせトナー像が形成される。
【0182】重ね合わせトナー像を担持した転写材
(紙)Pは、分離電極14nによって除電され、搬送ベ
ルト14から分離して定着装置17へと搬送され、転写
材(紙)P上の重ね合わせトナー像は定着された後、装
置外部のトレイへ排出される。
【0183】図10は、第2の発明におけるトナー像断
面構成の一例を示す模式図である。図10のaは、扁平
透明トナー像が最上層に形成された像断面構成図であ
る。
【0184】図8及び9に示す画像形成装置では、図1
0のaに示す如く、仕上がり画像において、その画像領
域の上面を扁平透明トナー像で覆うことが出来、紫外
線、オゾン等による画像の退色及びこすれ等による画像
の劣化を有効に改善することが出来る。さらに扁平透明
トナー中に紫外線吸収剤を含有させると、さらに退色を
防止することが出来好ましい。
【0185】又、図10のbは、像形成体又は中間転写
体上に扁平透明、シアン、マゼンタのトナー像を形成し
た像断面と、これらを転写材(紙)P上に一括転写した
時、像形成体又は中間転写体上に残った転写残扁平透明
トナー像、と転写材(紙)P上に転写された転写トナー
像の断面を示す。図10のbに示す如く、転写時、扁平
透明トナー像部で分離が起こり、扁平透明トナー像の一
部が転写残として像形成体又は中間転写体上に残るもの
の、シアン、マゼンタのトナー像の全てと扁平透明トナ
ー像の大部分とが転写材(紙)Pへ転写されるのでカラ
ートナーの散りやむらを無くすることが出来る。
【0186】続いて第3の発明について説明する。第3
の発明の目的は、扁平白色トナー像とその上に設けられ
たカラートナー像との色濁りを防止することにある。
【0187】図11、図12は、第3の発明における一
実施形態の画像形成装置の断面構成図である。
【0188】本実施形態では、図11及び図12の断面
構成図に示すように、図3及び図4の画像形成装置にお
けるプロセスユニット100Wの代わりに、感光体ドラ
ム10の周りに、扁平白色トナーのスコロトロン帯電器
11(W)、露光光学系12(W)及び現像器13
(W)と、扁平透明トナーのスコロトロン帯電器11
(T)、露光光学系12(T)及び現像器13(T)と
を設けられたプロセスユニットが用いられ(このプロセ
スユニットを100TW、又は、100WTと記す)、
感光体ドラム10の1回転以内に感光体ドラム10上に
扁平透明トナー像と扁平白色トナー像(又は、扁平白色
トナー像と扁平透明トナー像)とが重ね合わせて形成さ
れ、転写ベルト14a(又は、転写材(紙)P)上に一
括転写されるようになっている。かくして、図11及び
図12に示すカラー画像形成装置では、転写材上に扁平
白色トナー像、扁平透明トナー像、イエロートナー像、
マゼンタ像、シアントナー像、黒トナー像とがこの順に
重ね合わせて形成されることになる。
【0189】図13は、第3の発明におけるトナー像断
面構成の一例を示す模式図である。図13において、転
写材の上に扁平白色トナー像が形成され、その上に扁平
透明トナー像が形成され、さらにその上にイエロー或い
はマゼンタ、シアントナー像が形成された状態を示す模
式図である。
【0190】上記のようにして、扁平白色トナー像の上
に扁平透明トナー像を形成すると、扁平白色トナー像と
カラートナー像との間に扁平透明トナー像が入るため、
扁平白色トナー像とカラートナー像とが直接接すること
が無く、転写時や定着時に扁平白色トナーとカラートナ
ーとが混合するのを防止することが出来、結果として色
濁りを有効に防止することが出来る。
【0191】扁平白色トナー、扁平透明トナーの、転写
材上への付着量は、転写材を均一に覆うためと色濁りを
防止するため、扁平白色、扁平透明トナー共にトナー層
として0.3〜2.0層とすることが好ましく、0.7
〜1.2層とするのがより好ましい。
【0192】
【実施例】以下に、実施例を挙げて具体的に説明する
が、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではな
い。
【0193】《トナー製造》 (トナー製造例1:扁平白色トナー)n−ドデシル硫酸
ナトリウム0.90kgと純水10.0Lを入れ撹拌溶
解した。この溶液に、着色剤として酸化チタン1.20
kgを徐々に加え、1時間よく撹拌した後に、サンドグ
ラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分
散した。これを「着色剤分散液1」とした。又、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオ
ン交換水4.0Lからなる溶液を「アニオン界面活性剤
溶液A」とした。
【0194】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0L
からなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とした。
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0L
に溶解した溶液を「開始剤溶液C」とした。
【0195】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100Lのグラスライニング(GL)反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均1次粒子径120nm、固形
分濃度29.9質量%)3.41kg、「アニオン界面
活性剤溶液A」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液B」
全量を入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換水4
4.0Lを加えた。
【0196】次いで、加熱を開始し、液温度が75℃に
なったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下した。そ
の後、液温度を75±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kg、アクリル酸n−ブチル2.88kg、メタ
クリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン5
48gの予め混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液
温度を80±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を行い重合
を完了した。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌
を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテッ
クス1−A」とした。
【0197】尚、「ラテックス1−A」中の樹脂粒子の
ガラス転移点は57℃、軟化点は121℃、質量平均分
子量は1.27万、質量平均粒径は120nmであっ
た。
【0198】又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解した
溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とした。又、ノニ
ルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物
0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶液
を「ノニオン界面活性剤溶液E」とした。
【0199】過硫酸カリウム(関東化学株式会社製)2
00.7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を
「開始剤溶液F」とした。
【0200】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100LのGL反応釜に、ワックス
エマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレン
エマルジョン:数平均1次粒子径120nm、固形分濃
度29.9質量%)3.41kg、「アニオン界面活性
剤溶液D」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液E」全量
を入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換水44.
0Lを投入した。加熱を開始し、液温度が70℃になっ
たところで、「開始剤溶液F」を添加した。次いで、ス
チレン11.0kg、アクリル酸n−ブチル4.00k
g、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカ
プタン9.02gの予め混合した溶液を滴下した。滴下
終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱
撹拌を行った。次いで、液温度を80℃±2℃に上げ
て、12時間加熱撹拌を行い重合を完了した。次いで、
液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィ
ルターで濾過し、これを「ラテックス1−B」とした。
【0201】尚、「ラテックス1−B」中の樹脂粒子の
ガラス転移点は58℃、軟化点は132℃、質量平均分
子量は24.5万、平均粒径は110nmであった。
【0202】塩析剤として塩化ナトリウム5.36kg
をイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナト
リウム溶液G」とした。
【0203】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00Lに溶解した溶液を「ノニオン界
面活性剤溶液H」とした。
【0204】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100LのS
US反応釜に、上記で作製した「ラテックス1−A」を
20.0kgと「ラテックス1−B」を5.2kgと
「着色剤分散液1」を0.4kgとイオン交換水20.
0kgとを入れ撹拌した。次いで、40℃に加温し、塩
化ナトリウム溶液G、イソプロパノール(関東化学株式
会社製)6.00kg、「ノニオン界面活性剤溶液H」
をこの順に添加した。その後、10分間放置した後に、
昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温し、85
±2℃にて0.5〜3時間加熱撹拌して塩析/融着させ
ながら粒径成長させた。次に純水2.1Lを添加して粒
径成長を停止した。この液を「融着粒子分散液1」とし
た。
【0205】次いで、温度センサー、冷却管を付けた5
Lの反応容器に、上記の「融着粒子分散液1」5.0k
gを入れ、液温度92±2℃にて、融着粒子の形状変化
を観察しながら、形状係数の卑近値が0.98以上にな
るまで加熱撹拌を行い、融着粒子の球形化処理を行っ
た。これらを「球形粒子分散液1」とした。
【0206】次いで、「球形粒子分散液1」を1kgと
平均粒径0.6mmのガラスビーズ1kgとをそれぞれ
サンドグラインダー(媒体型分散機;内径200mm、
撹拌ディスク径180mm)に入れて、85±2℃、5
00rpmにて0.5〜5時間連続撹拌し、扁平化処理
を行った。所定時間の処理を行った後、40℃以下に冷
却し、撹拌停止後、目開き200メッシュの篩を通して
ガラスビーズを取り除いた後、ヌッチェを用いて「ウェ
ットケーキ状の扁平白色粒子1」を濾取した。イオン交
換水による洗浄と濾過を3回行った後、「ウェットケー
キ状の扁平白色粒子1」をフラッシュジェットドライヤ
ーを用いて吸気温度50℃にて予備乾燥し、さらに流動
層乾燥機を用いて55℃の温度で乾燥して「扁平白色粒
子1」を製造した。
【0207】得られた「扁平白色粒子1」に、疎水化シ
リカ微粒子を1質量%相当添加し、ヘンシェルミキサー
にて混合して「扁平白色トナー」を製造した。
【0208】(トナー製造例2:扁平透明トナー)トナ
ー製造例1において、着色剤を除いた他は同様にして
「扁平透明トナー」を製造した。
【0209】(トナー製造例3:紫外線吸収剤入り扁平
透明トナー)トナー製造例1において、着色剤を除き、
紫外線吸収剤(UV−1)3質量部を加えた他は同様に
して「紫外線吸収剤入り扁平透明トナー」を製造した。
【0210】(トナー製造例4:球形白色トナー)トナ
ー製造例1において、扁平化処理を行わなかった他は同
様にして「球形白色トナー」を製造した。
【0211】(トナー製造例5:球形透明トナー)トナ
ー製造例2において、扁平化処理を行わなかった他は同
様にして「球形透明トナー」を製造した。
【0212】(トナー製造例6:紫外線吸収剤入り球形
透明トナー)トナー製造例3において、扁平化処理を行
わなかった他は同様にして「紫外線吸収剤入り球形透明
トナー」を製造した。
【0213】(トナー製造例7:不定形白色トナー)ス
チレン−nブチルアクリレート共重合体樹脂100kg
と酸化チタン10kgとポリプロピレン4kgとからな
るトナー原材料を、ヘンシェルミキサーにより予備混合
し、二軸押出機にて溶融混練し、ハンマーミルにて粗粉
砕し、ジェット式粉砕機にて粉砕して、粉砕白色粒子を
得た。この粉砕白色粒子を風力分級機にて目的の粒径分
布となるまで繰り返し分級し「白色粒子7」を製造し
た。
【0214】得られた「白色粒子7」に、疎水性シリカ
微粒子1質量%をヘンシェルミキサーにて混合し、粉砕
法による「不定形白色トナー」を製造した。尚、このト
ナーは重合法で得られたものとは形状が異なり、表面に
凹凸を有するものであった。
【0215】(トナー製造例8:不定形透明トナー)ト
ナー製造例7において、着色剤を除いた他は同様にして
「不定形透明トナー」を製造した。
【0216】(トナー製造例9:紫外線吸収剤入り不定
形透明トナー)トナー製造例7において、着色剤を除
き、紫外線吸収剤(UV−1)3質量部を加えた他は同
様にして「紫外線吸収剤入り不定形透明トナー」を製造
した。
【0217】(トナー製造例10:球形黒トナー)トナ
ー製造例1の着色剤をリーガル330R(キャボット株
式会社製カーボンブラック)1.20kgに変え、扁平
処理を行わなかった他はトナー製造例1と同様にして
「球形黒トナー」を製造した。
【0218】(トナー製造例11:球形イエロートナ
ー)トナー製造例10の着色剤をC.I.ピグメントイ
エロー17、1.05kgに変え、扁平処理を行わなか
った他はトナー製造例10と同様にして「球形イエロー
トナー」を製造した。
【0219】(トナー製造例12:球形マゼンタトナ
ー)トナー製造例10の着色剤をC.I.ピグメントレ
ッド122、1.2kgに変え、扁平処理を行わなかっ
た他はトナー製造例10と同様にして「球形マゼンタト
ナー」を製造した。
【0220】(トナー製造例13:球形シアントナー)
トナー製造例10の着色剤をC.I.ピグメントブルー
15:3、0.6kgに変え、扁平処理を行わなかった
他はトナー製造例10と同様にして「球形シアントナ
ー」を製造した。
【0221】表1に、トナーの種類、平均円相当径、平
均厚さ及び平均扁平度を示す。
【0222】
【表1】
【0223】《評価》 〈現像剤の調製〉「トナー製造例1〜13」のトナー各
々と、シリコーン樹脂で被覆した65μmのフェライト
キャリアをトナー/キャリア=50g/950gの割合
で混合して、評価用の「現像剤1〜13」を調製した。
【0224】〈画像作成〉評価機は図3、図8及び図1
1に記載の画像形成装置を使用した。現像剤は「現像剤
1〜13」を用い、黄味をおびた転写材(紙)上に画像
を形成し「評価画像1〜9」を得た。
【0225】〈画像評価〉上記評価機で作成した画像の
乱れ、転写材(紙)の色味の隠蔽、トナーの散りとむ
ら、均一光沢及び色濁りは目視で評価を行なった。画像
の退色は、画像を紫外線ランプに50時間曝露した後、
画像の退色の程度を目視で評価を行った。結果を表2に
示す。表中、◎は非常に良好、○は良好、△はやや不
良、×は不良を示す。
【0226】
【表2】
【0227】本発明の形状が扁平な白色トナー、透明ト
ナーを用い、本発明の画像形成方法で形成した画像は、
画像の乱れが無く、転写材(紙)の色味が隠蔽され、ト
ナー散りやむらが無く、均一な光沢が有り、且つ色濁り
も無い良好な画像が得られ、紫外線ランプに曝露しても
画像の退色が少なく、印刷ライクの画像が得られ良好で
あった。
【0228】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明の形状が
扁平な白色、透明トナーを用いた画像形成方法は、転写
材表面の凹凸に起因する画像の乱れを無くし、且つ転写
材の色味を隠蔽し、転写時のトナー散りやむらが無く、
均一な光沢を有し、且つ紫外線やこすれによる劣化を防
止し、白色トナー像とその上に設けられたカラートナー
像との色濁りを防止し、印刷ライクの画像を形成するこ
とが出来る優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扁平トナーの一例を示す模式図であ
る。
【図2】扁平処理時間と扁平トナーの形状との関係の一
例を示す図である。
【図3】第1の発明における一実施形態を示す画像形成
装置の断面構成図である。
【図4】第1の発明における他の実施形態を示す画像形
成装置の断面構成図である。
【図5】第1の発明における画像処理システムの一例を
示すブロック図である。
【図6】第1の発明における扁平白色トナーとカラート
ナーが転写材上に転写された状態の一例を示す模式図で
ある。
【図7】第1の発明におけるトナー付着量とカラートナ
ー像の濃度の関係の一例を示すグラフである。
【図8】第2の発明における一実施形態を示す画像形成
装置の断面構成図である。
【図9】第2の発明における他の実施形態を示す画像形
成装置の断面構成図である。
【図10】第2の発明におけるトナー像断面構成の一例
を示す模式図である。
【図11】第3の発明における一実施形態を示す画像形
成装置の断面構成図である。
【図12】第3の発明における他の実施形態を示す画像
形成装置の断面構成図である。
【図13】第3の発明におけるトナー像断面構成の一例
を示す模式図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光光学系 13 現像器 14 搬送ベルト 14a 転写ベルト 14c 1次転写器 14g 2次転写器 15 給紙カセット 16 タイミングローラ 17 定着装置 100Y(M、C、K、W、T、WT、TW) プロセ
スユニット P 転写材(紙)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/01 117 G03G 9/08 361 15/08 507 15/08 507L Fターム(参考) 2H005 AA15 AA21 AA29 EA05 EA10 2H027 EA00 EB04 EC20 EE07 2H030 AA00 AD01 AD17 BB42 BB44 DD00 2H077 BA10 DB14 EA24 GA13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写材上に、白色トナーからなる白色ト
    ナー像と、カラートナーからなるカラートナー像とをこ
    の順に形成する画像形成方法において、該白色トナーの
    形状が扁平であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記白色トナーが、投影面積が最大とな
    る方向からみたときの平均円相当径(r)が3〜15μ
    m、平均厚み(d)が2〜5μm、平均円相当径(r)
    と平均厚み(d)の比で示される平均扁平度(r/d)
    が2〜5の扁平トナーであることを特徴とする請求項1
    に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 転写材上に、カラートナーからなるカラ
    ートナー像と、透明トナーからなる透明トナー像とを形
    成する画像形成方法において、該透明トナーの形状が扁
    平であることを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 転写材上に、カラートナーからなるカラ
    ートナー像と、透明トナーからなる透明トナー像とをこ
    の順に形成することを特徴とする請求項3に記載の画像
    形成方法。
  5. 【請求項5】 像形成体上又は中間転写体上に、透明ト
    ナーからなる透明トナー像と、カラートナーからなるカ
    ラートナー像をこの順に形成した後、該透明トナー像と
    該カラートナー像とを一括して転写材上に転写すること
    を特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記透明トナーが、投影面積が最大とな
    る方向からみたときの平均円相当径(r)が3〜15μ
    m、平均厚み(d)が2〜5μm、平均円相当径(r)
    と平均厚み(d)の比で示される平均扁平度(r/d)
    が2〜5の扁平トナーであることを特徴とする請求項3
    〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 転写材上に、白色トナーからなる白色ト
    ナー像と、透明トナーからなる透明トナー像とをこの順
    に形成することを特徴とする画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記白色トナー及び前記透明トナーが、
    いずれも、投影面積が最大となる方向からみたときの平
    均円相当径(r)が3〜15μm、平均厚み(d)が2
    〜5μm、平均円相当径(r)と平均厚み(d)の比で
    示される平均扁平度(r/d)が2〜5の扁平トナーで
    あることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
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