JP3610548B2 - 電子写真画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電部材を電子写真感光体(以下感光体とも言う)に接触させて、外部より電圧を印加して帯電を行う帯電工程の後、潜像画像を形成し、該潜像画像を現像剤を用いて顕像化し、該顕像を転写材に転写した後、定着、クリーニングを行う画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在市場で代表的に用いられている電子写真プロセスは少なくとも像保持層としての光導電層上に帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング及び定着工程を有する。
【0003】
上記帯電工程の部材として従来代表的に用いられている帯電部材はコロナ放電器が最もよく知られている。しかし、コロナ放電器は高電圧を印加しなければならないため、イオン化された酸素、オゾン、水分、酸化窒素化合物等の発生量が多い等の問題点を有している。
【0004】
そこで、最近ではコロナ放電器を利用しない接触帯電方式を利用することが検討されている。具体的には帯電部材である導電性ローラーに電圧を印加してローラーを被帯電体である感光体に接触させて感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。このような接触帯電方式を用いればコロナ放電器を用いた非接触帯電方式と比較して低電圧化がはかれ、オゾン発生量も減少する。
【0005】
しかしながら、上記接触帯電法式を用いた場合、被帯電体である感光体と十分な接触を保つことができないと、帯電不良を生ずるという問題を有する。
【0006】
特開平3−59572号公報において、この問題を解決するために、使用するトナーの形状を球形とすることで、帯電部材と感光体表面への現像剤による傷,削れ,固着が防止され、その結果、帯電部材と感光体との接触を十分に保つことが可能となることが提案されている。しかしながら真球状のトナーはクリーニング不良が発生しやすいこと、更にはトナーの流動性付与剤等の外添剤がトナー表面に埋没しやすく、その結果として転写性が劣化し、画質の劣化を発生しやすいことが知られており、該真球状トナーを用いた現像剤では接触帯電部材や感光体表面へのトナー固着も十分には防止できていないことが判った。その後トナー形状を、真球状よりもトナー表面に凹凸を有したものに異形化しようとする提案がなされている。
【0007】
特開平7−36207号公報ではトナーの異形化のレベルを形状係数で規定した画像形成方法がこれらの問題を解決するものとして提案されているが、この中で開示されたトナーの異形化手段は従来の懸濁重合トナー表面に樹脂粒子を付着させて異形化する方法、或いは、懸濁重合トナーを溶媒浸漬して膨潤させ、その後減圧、乾燥させ異形化する方法が開示されている。
【0008】
しかし、上記懸濁重合トナー表面の樹脂粒子付着による異形化では表面に付着した樹脂粒子が現像器中の現像剤撹拌時にトナー表面から離散したり、表面の樹脂粒子に帯電電荷が集中し帯電量分布をブロードにし、仕上がり画像中のトナー飛散を多くし、文字の解像性を劣化させる。又、懸濁重合トナーを溶媒浸漬して膨潤させ表面を異形化したトナーは製造ロットの違いによるトナー特性が不安定となりやすく、仕上がり画質が安定しない等の問題がある。
【0009】
また、感光体の表面は樹脂によって被膜化されているため特に樹脂の性能が重要であり、耐久性の優れた樹脂が要望されていたが、最近になりこれらを満足する樹脂としてビスフェノールZ(ビスフェノールAの中心炭素原子をシクロヘキシル環で修飾したポリカーボネート)を骨格とするポリカーボネート樹脂(以下、ビスフェノールZポリカーボネートという)が表面層のバインダーとして一般的に使用される様になってきた。その結果、現像工程やクリーニング工程での有機感光体の表面摩耗が少なくなり、感光体表面にトナーが付着しやすい。
【0010】
則ち、このような感光体を使用した接触帯電方式では感光体表面の微小なトナー付着を除去することができず、又これら微小トナーの一部が帯電部材に転写固着すること等の原因により、画像形成後の仕上がり画像は、全面に黒筋状の画像欠陥或いは白ポチが多数、あらわれるという現象が起こりやすい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上述の如き従来技術の問題点を解決した画像形成方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0012】
即ち、本発明の目的は、接触帯電方式に於ける高画質の画像形成方法及び画像形成装置を提供することにある。又、帯電部材、感光体へのトナー固着や汚れを防止した高耐久性の画像形成方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の構成により達成される。
【0014】
1.帯電部材を電子写真感光体に接触させて、外部より電圧を印加して帯電を行う帯電工程の後、潜像画像を形成し、該潜像画像を現像剤を用いて顕像化し、該顕像を転写材に転写した後、定着、クリーニングを行う画像形成方法において、前記電子写真感光体は直径が70mm以下のドラムの有機光導電体であり、前記現像剤に樹脂粒子を水系媒体中にて融着させて得られた形状係数の算術平均値が1.3〜2.2且つ形状係数1.5〜2.0の範囲にあるトナー粒子が80個数%以上のトナーを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
【0015】
2.上記現像剤に樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中において融着させたトナーを用いることを特徴とする上記1記載の電子写真画像形成方法。
【0016】
3.上記帯電部材が帯電ローラーであることを特徴とする上記1又は2記載の電子写真画像形成方法。
【0017】
4.帯電部材を電子写真感光体に接触させて、外部より電圧を印加して帯電を行う帯電工程の後、潜像画像を形成し、該潜像画像を現像剤を用いて顕像化し、該顕像を転写材に転写した後、定着、クリーニングを行う画像形成装置において、前記電子写真感光体は直径が70mm以下のドラムの有機光導電体であり、前記現像剤に樹脂粒子を水系媒体中にて融着させて得られた形状係数の算術平均値が1.3〜2.2且つ形状係数1.5〜2.0の範囲にあるトナー粒子が80個数%以上のトナーを用いることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0018】
5.上記現像剤に樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中において融着させたトナーを用いることを特徴とする上記4記載の電子写真画像形成装置。
【0019】
6.上記4又は5に記載の画像形成装置に於いて、電子写真感光体、帯電部材、現像部材、クリーニング部材が少なくとも一体にユニット化されており、該ユニットは画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0020】
本発明者らは上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、上記接触帯電方式を用いた場合必要とされる帯電部材と感光体との十分な接触を保つため、これら帯電部材と感光体表面への現像剤による傷、トナー固着や汚れを防止した高耐久の電子写真画像形成方法及び画像形成装置を提供すべく鋭意検討した結果、現像剤中に用いるトナーとして樹脂粒子を水系媒体中にて融着させ、表面が異型化されたトナーを用いることにより達成されることを見いだした。
【0021】
則ち、本発明者らはトナー自体の形状の均一性及びトナー表面の異型化に注目し、本発明を完成するに至ったものである。
【0022】
本発明に使用されるトナーは樹脂粒子を水系媒体中に於いて融着させたトナーである。本発明に使用されるトナーは、着色剤を含有した樹脂粒子を水系媒体中で融着させて製造してもよいが、着色剤を内包した樹脂粒子を調製する際の重合安定能の問題及びトナー生産に於ける安定化の観点から、樹脂粒子と着色剤粒子とを水系媒体中において融着させたトナーがより好ましい。該トナーはトナー製造時から不定形の形状を有しており、従来の懸濁重合トナーの表面処理による不定形化とは異なり、現像器中の摩擦や衝撃で微粉を発生することが無い。また、いわゆる粉砕法で調製されたトナーでは破断面が角張った構造になっており、その部分が現像器などの機械的なストレスを受け、微粉を発生する問題がある。しかし、これらと比較して融着によって形状を不定形化している本発明のトナーでは、角張った部位も無く、均一に不定形化されているため、トナーの機械的ストレスによる破砕が発生することが無く、感光体に対するこれら微粉の付着が無いため、接触式帯電部材を汚染することが無い。
【0023】
さらに、水系媒体中で融着するため、粒子間の形状や表面性に差がでることも少なく、結果として帯電量分布もシャープであり、トナー飛散の少ない解像性の優れた仕上がり画像をえることができる。又、本発明に用いられるトナーはトナーの粒度分布がシャープで、且つトナー異形化により帯電部材、感光体表面へのトナー付着が小さく、高画質と高耐久を確保しながら接触帯電による電子写真画像形成を達成出来る。
【0024】
水系媒体中で融着させる方法として、例えば特開昭63−186253号公報、同63−282749号公報、特開平7−146583号公報等に記載されている方法や、樹脂粒子を塩析/融着させて形成する方法等をあげることができる。
【0025】
以下本発明を詳しく説明する。
【0026】
本発明のトナーの製造に用いる樹脂粒子は重量平均粒径50〜2000nmが好ましく、これらの樹脂粒子は乳化重合、懸濁重合、シード重合等のいずれの造粒重合法によっても良いが、本発明に最も好ましく用いられるのは乳化重合法である。
【0027】
以下、樹脂粒子乳化重合の材料及び製造方法の例について記述する。
【0028】
《材料》
〔単量体〕
重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、以下の酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1種類含有することが好ましい。
【0029】
(1)ラジカル重合性単量体
ラジカル重合性単量体成分としては、特に限定されるものではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0030】
具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
【0031】
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0032】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0033】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
【0034】
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0035】
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0036】
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0037】
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
【0038】
(2)架橋剤
架橋剤としては、トナーの特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を添加しても良い。ラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0039】
(3)酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体
酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
【0040】
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、カルボン酸基含有単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
【0041】
スルホン酸基含有単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。
【0042】
これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
【0043】
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、アミン系の化合物があげられ、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、および上記4種の化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
【0044】
本発明に用いられるラジカル重合性単量体としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体が単量体全体の0.1〜15重量%使用することが好ましく、ラジカル重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0045】
〔連鎖移動剤〕
分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。
【0046】
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、およびスチレンダイマー等が使用される。
【0047】
〔重合開始剤〕
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
【0048】
更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いる事で、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
【0049】
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で室温またはそれ以上の温度で重合する事も可能である。
【0050】
〔界面活性剤〕
前述のラジカル重合性単量体を使用して乳化重合を行うためには、界面活性剤を使用して乳化重合を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
【0051】
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
【0052】
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等をあげることができる。
【0053】
本発明において、これらは、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもかまわない。
【0054】
〔着色剤〕
着色剤としては無機顔料、有機顔料を挙げることができる。
【0055】
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。どのような顔料でも使用することができるが、具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0056】
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0057】
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2から20重量部であり、好ましくは3から15重量部が選択される。
【0058】
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点で、トナー中に20〜60重量%添加することが好ましい。
【0059】
有機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。どのような顔料でも使用することができるが、具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0060】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0061】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0062】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0063】
これらの有機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2から20重量部であり、好ましくは3から15重量部が選択される。
【0064】
着色剤は表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0065】
本発明で得られたトナーには、流動性の改良やクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0066】
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル(株)製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト(株)製のHVK−2150、H−200、キャボット(株)製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0067】
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品T−805、T−604、テイカ(株)製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン(株)製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産(株)製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0068】
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品RFY−C、C−604、石原産業(株)製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0069】
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
【0070】
滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0071】
これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5重量%程度が好ましい。
【0072】
《製造工程》
本発明の重合トナーの製造工程は、乳化重合を行い樹脂粒子を調製する乳化重合工程、前記樹脂粒子分散液を用いて水系媒体中で樹脂粒子を融着させる工程、得られた粒子を水系媒体中より濾過し界面活性剤などを除去する洗浄工程、得られた粒子を乾燥させる工程、さらに乾燥させて得られた粒子に外添剤などを添加する外添剤添加工程などから構成される。ここで樹脂粒子としては着色された粒子であってもよい。また、非着色粒子を樹脂粒子として使用することもできる。この場合には、樹脂粒子の分散液に着色剤粒子分散液などを添加した後に水系媒体中で融着させることで着色粒子とすることができる。
【0073】
特に、融着の方法としては、重合工程によって生成された樹脂粒子を用いて塩析し、融着する方法が好ましい。また、非着色の樹脂粒子を使用した場合には、樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中で塩析し、融着させることができる。
【0074】
また、着色剤に限らず、トナーの構成要素である、離型剤や荷電制御剤も本工程で添加することができる。
【0075】
なお、ここで水系媒体とは主成分として水からなるもので、水の含有量が50重量%以上であるものを示す。水以外のものとしては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどをあげることができるが、好ましくは樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が好ましい。
【0076】
着色剤自体は表面改質して使用してもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散し、その中に表面改質剤を添加した後昇温し反応を行う。反応終了後、ろ過し同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返し乾燥させ表面改質剤で処理された顔料を得る。
【0077】
着色剤粒子は着色剤を水系媒体中に分散して調製される方法がある。この分散は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。
【0078】
顔料分散時の分散機は特に限定されないが、好ましくは、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が揚げられる。
【0079】
ここで使用される界面活性剤は、前述の界面活性剤を使用することができる。
【0080】
塩析/融着を行う工程は、樹脂粒子及び着色剤粒子とが存在している水中にアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、ついで樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。この工程では、水に無限溶解する有機溶媒を添加し、樹脂粒子のガラス転移温度を実質的に下げることで融着を効果的に行う手法を使用してもよい。
【0081】
ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0082】
さらに、前記水に無限溶解する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン等があげられるが、炭素数が3以下のメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのアルコールが好ましく、特に、2−プロパノールが好ましい。
【0083】
本発明の融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。また、塩析剤を添加する温度としては少なくとも樹脂粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度が樹脂粒子のガラス転移温度以上であると樹脂粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5℃〜55℃、好ましくは10℃〜45℃である。
【0084】
また、本発明では、塩析剤を樹脂粒子のガラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱する方法を使用することが好ましい。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。さらに、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確では無いが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御が不可能になる問題があり、5℃/分以下が好ましい。
【0085】
ここで、本発明の樹脂粒子を融着されて得られたトナーの粒径は、体積平均粒径で3〜9μmが好ましい。このトナーの体積平均粒径は、コールターカウンターTAII、コルターマルチサイザー、SLAD1100(島津製作所製レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定することができる。コールターカウンターTAII及びコールターマルチサイザーではアパーチャー径=100μmのアパーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径分布を用いて測定されたものを示す。
【0086】
また、融着によって得られたトナーの形状は、下記式で示される形状係数が 1.3〜2.2の範囲内にあり、且つ形状係数が1.5〜2.0の範囲にあるトナー粒子が80個数%以上であることが好ましい。
【0087】
形状係数=((最大径/2) 2 ×π)/投影面積
この形状係数は、走査型電子顕微鏡により500倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYSER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行う。この際、500個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定するものである。
【0088】
形状係数の算術平均値が1.3未満の場合は、形状が球形化してくるため、感光体に対する付着性が高くなり、クリーニング不良を発生しやすくなるとともに、接触式帯電部材に対する汚染を引き起こしやすくなる問題がある。
【0089】
一方、形状係数が2.1を越える場合には、不定形化が高くなり、機械的なストレスを受けた場合にトナーの破砕が発生し、微粉の発生が起こりやすくなり、接触式帯電部材の汚染を引き起こしやすくなる問題がある。
【0090】
さらに形状係数が1.5〜2.0の範囲にあるトナー粒子を80個数%以上とすることで、形状の分布を均一にすることができるため、より球形化されたトナーやより不定形化されたトナーの存在量を少なくすることができることから、前述の問題点を長期に渡って抑制することができる。
【0091】
〔トナー化工程〕
トナー化工程は上記で得られたトナー粒子をそのまま使用してもよいが、例えば流動性、帯電性、クリーニング性の改良を行うことを目的として、前述の外添剤を添加してもよい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
【0092】
また、本発明のトナーはそれ単独で使用し、磁性あるいは非磁性一成分トナーとして使用してもよく、キャリア等の磁性粒子と混合して二成分現像剤として使用してもよい。
【0093】
なお、トナーは、着色剤以外にトナー用材料として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には、定着性改良剤、荷電制御剤等が挙げられる。これらの成分は樹脂粒子を乳化重合する段階でその分散液を添加する方法、前述の塩析/融着段階で樹脂粒子と着色剤粒子と同時に添加し、トナー中に包含する方法、樹脂粒子自体に添加する方法等種々の方法で添加することができる。好ましい方法としては、前述の樹脂粒子を乳化重合する段階で荷電制御剤粒子及び/又は定着性改良剤粒子を分散液の状態で添加する方法及び前述の塩析/融着工程で樹脂粒子及び着色剤粒子と同時に荷電制御剤粒子及び/又は定着性改良剤粒子を分散液の状態で添加し、塩析/融着させる方法が挙げられる。
【0094】
定着性改良剤としては、種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックスや、これらの変性物、カルナバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂肪酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどをあげることができる。
【0095】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0096】
なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0097】
《現像剤》
本発明に用いられる現像剤は、一成分現像剤でも二成分現像剤でもよいが、好ましくは二成分現像剤としてである。一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法もあるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に含有させるのが普通である。
【0098】
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることもできる。この場合は、磁性粒子としては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものがよい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0099】
キャリアは、更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0100】
《画像形成方法》
次に、本発明の画像形成装置について説明する。
【0101】
本発明の画像形成装置に適用可能な接触帯電工程について具体的に説明する。
【0102】
図1は本発明の接触帯電電子写真画像形成装置の一例を示す断面構成図である。4は被帯電体である感光体ドラムであり、アルミニウム製のドラム基体の外周面に感光体層である有機光導電体(OPC)を形成してなるもので矢印方向に所定の速度で回転する。
【0103】
図1において、図示しない原稿読み取り装置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源1から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2により、図1の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静電潜像を作る。感光体ドラム4は、あらかじめ帯電ローラー5により一様帯電され、像露光のタイミングにあわせて時計方向に回転を開始している。
【0104】
感光体ドラム面上の静電潜像は、現像器6により現像され、形成された現像像はタイミングを合わせて搬送されてきた転写体8に転写器7の作用により転写される。さらに感光体ドラム4と転写体8は分離器(分離極)9により分離されるが、現像像は転写体8に転写担持されて、定着器10へと導かれ定着される。
【0105】
感光体面に残留した未転写のトナー等は、クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて清掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除き、次の画像形成のため再び帯電ローラー5により、一様帯電される。
【0106】
14はこの帯電ローラー5に電圧を印加する電源部で、所定の電圧を帯電ローラー5の軸体(芯金)51に供給する。印加電圧は直流電圧に交流電圧を重畳したものが好まい。
【0107】
尚、転写体は代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0108】
又、クリーニングブレード13は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウレタンゴムが最も良く用いられる。これは感光体に圧接して用いられるため熱を伝え易く、本発明においては解除機構を設け、画像形成動作を行っていない時には感光体から離しておくのが望ましい。
【0109】
次に、図2では各種帯電ローラーの断面図について詳細に説明する。
【0110】
図2(A)は単層タイプの帯電ローラー5Aの断面図である。図において、帯電ローラー5Aは、ステンレス鋼棒から成る軸体(芯金)51と、その外周にポリウレタンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエン共重合体エラストマー、オレフィン系エラストマー等の樹脂を、セルサイズ10〜300μm程度の発泡タイプ若しくは連泡タイプで形成し、更に上記樹脂に導電性付与剤としてカーボンブラック等の無機物及び/又は有機導電剤を混在させた電荷供給可能な導電性弾性層部52とから構成されている。
【0111】
図2(B)は、被覆タイプの帯電ローラー5Bを示す断面図である。
【0112】
この帯電ローラー5Bは、上記単層タイプの帯電ローラーの導電性弾性層部52の外周面上に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド66(ナイロン66)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、パーフルオロアクリレート系樹脂(PFA)、ポリエステル系樹脂等から成る表面被覆層部53を、5〜100μmの膜厚で設けたものである。上記表面被覆層部53を設けることにより、帯電ローラー5Bの表面のクリーニングが容易確実になり、メンテナンス性が向上する。該帯電ローラー5Bの電気抵抗は107〜108Ω・cmである。
【0113】
図2(C)は、被覆タイプの他の実施態様の帯電ローラー5Cを示す断面図である。この帯電ローラー5Cは、上記軸体51の外周面上に設けた導電性弾性層部52の更に外層に中抵抗層部54を設け、その外周面上に前記表面被覆層部53を形成したものである。上記中抵抗層部54は、電気抵抗を最適制御できる材料を選択することができる。これによって弾性部52は所要の弾性を備え、中抵抗層部54は所要の導電性付与性を備えた機能分離型に構成することが可能である。中抵抗層部は、例えば環境変動の小さいヒドリンゴム層で形成しても良い。
【0114】
上記各帯電ローラー5Cの電気抵抗としては、103Ω・cmないし1011Ω・cmのものが好ましい。又、上記各帯電ローラー5Cのゴム硬度は、ゴム硬度計による計測で60°以下(JIS−K6301 アスカーCスケール硬度)が好ましい。
【0115】
本発明は、電子写真法による画像形成装置、特にコンピュータ等からのデジタル画像データで変調した変調ビームにより感光体上に静電潜像を形成する装置に使用することもできる。
【0116】
近年、感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を現像して可視画像を得る電子写真等の分野において、画質の改善、変換、編集等が容易で高品質の画像形成が可能なデジタル方式を採用した画像形成方法の研究開発が盛んになされている。
【0117】
この画像形成方法及び装置に採用されるコンピュータまたは複写原稿からのデジタル画像信号により光変調する走査光学系として、▲1▼レーザ光学系に音響光学変調器を介在させ、当該音響光学変調器により光変調する装置、▲2▼半導体レーザを用い、レーザ強度を直接変調する装置があり、これらの走査光学系から一様に帯電した感光体上にスポット露光してドット状の画像を形成する。
【0118】
前述の走査光学系から照射されるビームは、裾が左右に広がった正規分布状に近似した丸状や楕円状の輝度分布となり、例えばレーザビームの場合、通常、感光体上で主走査方向あるいは副走査方向の一方あるいは両者が20〜100μmという極めて狭い丸状あるいは楕円状である。
【0119】
又、上記画像形成装置は、感光体ドラムと、帯電器、現像器、クリーニング器あるいは転写器等の少なくとも一つを含むプロセスカートリッジを搭載する形態にすることもできる。
【0120】
本発明の画像形成装置に着脱自在のプロセスカートリッジの断面図の一例を図3に示した。このプロセスカートリッジ15は、画像形成装置の側面、即ち転写体の搬送される方向と直角方向からガイドレール等により装置内に装填される。
【0121】
図3から明らかなごとく、本例ではプロセスカートリッジ15内に、感光体ドラム4を中心に帯電ローラー5、現像器6、クリーニング器11、PCL12が収納され一つのユニットとしてプロセスカートリッジを形成している。このようなプロセスカートリッジの形態をとることにより、本発明の効果をよりよく発揮させることができるので、好ましい実施態様といえる。
【0122】
前述した図1〜図3の例では帯電部材として帯電ローラーを使ったが、ブレード状のもの、ブラシ状のもの等他の形状についても本発明に好適に用いることができる。しかし、特に好ましいのは帯電の均一性が得られやすい帯電ローラーが良い。
【0123】
また、帯電部材と電子写真感光体との間に加えられる力学的或いは電気的圧力は、本発明の主旨に係る要素であり、帯電部材の感光体への当接圧は5〜500g/cmに、帯電部材に印加される直流電圧は絶対値200〜900Vに、交流電圧を印加する場合はピーク−ピーク電圧500〜5,000V、周波数50〜3,000Hzに、各々調整されることが望ましい。たとえば、印加される電圧は感光体に対する帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有しているものが好ましい。
本発明の画像形成方法では感光体の直径が小さいほど帯電の均一性が良好である。これは感光体の曲率が大きいほど帯電器と感光体当接部に圧力の集中が生じ、帯電能が高まると考えられる。感光体直径は70mm以下であり、更に50mm以下が好ましい。
【0124】
本発明は電子写真感光体の表面が有機化合物である画像形成装置に対し特に有効である。有機化合物で表面層を形成している場合、トナー中に含まれる結着樹脂との接着性が高くなり、感光体からのトナーの転写性が低下しやすい。その結果、トナー成分の感光体に対する付着性が高くなるため、感光体へトナー構成成分のフィルミングなどが発生しやすくなり、更に、電子写真感光体に接触している帯電部材への付着が起こることで汚染が増幅され、画像欠陥を発生しやすくなる。このため、本発明のトナーを使用することでその問題を抑制することができ、より好適なものとなる。
【0125】
本発明に用いる潜像担体の表面物質としては、シリコーン樹脂、塩化ビニリデン、エチレン−塩ビ、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−メチルメタクリレート、スチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されることはなく、他のモノマーからの重合体、或いは共重合、ブレンド等も使用する事ができる。特に好ましい材料としては、ポリカーボネートであり、さらに好ましい樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネートを挙げることができる。
【0126】
本発明に用いられる感光体の支持体の材質としては、特に限定されない。現在広く用いられているアルミニウム及びその合金等を用いることが出来る。
【0127】
この上に通常は、中間層(下引き層ともいう)を設けるのが普通である。これには代表的なものとしてシランカップリング剤や有機キレート化合物等よりなるセラミック系のもの、ポリアミド系樹脂等からなる樹脂系のものがある。
【0128】
下引き層の上には感光層が設けられる。感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とを持つ、いわゆる機能分離型の積層構造を有するものである。
【0129】
電荷発生層(CGL)は、電荷発生物質(CGM)を必要に応じてバインダー樹脂中に分散させて形成されることが多い。CGMとしては、特に限定は無いがアゾ顔料、アントラキノン等の多環キノン顔料、キノンイミン顔料、アゾメチン顔料、シアニン顔料、ベンゾキノン顔料、ペリレン顔料、金属又は無金属フタロシアニン顔料等を用いることが出来る。また、これらは必要に応じて二種以上混合して用いてもよい。
【0130】
電荷発生層に使用可能なバインダー樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれら樹脂の繰り返し単位のうち二つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、また高分子有機半導体、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0131】
電荷輸送層(CTL)は、電荷輸送物質(CTM)を単独で、或いはバインダー樹脂とともに構成される。CTMとしては、例えばカルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。またこれらは単独でも、二種以上の混合で用いてもよい。
【0132】
また、電荷輸送層に使用可能なバインダー樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられる。これらに限定されるわけではないが、特に好ましい樹脂としてはポリカーボネート樹脂であり、さらに好ましい樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂を挙げることができる。
【0133】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。なお、本実施例において「部」とは「重量部」を表す。
【0134】
実施例1
実施例用トナー1及び実施例用現像剤1の製造
内容積20lの樹脂容器に、アデカホープLS−90(旭電化社製・n−ドデシル硫酸ナトリウム)を0.90kgと純水10.0lを入れ撹拌溶解する。この液に、撹拌下、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、添加後1時間よく撹拌する。ついで、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。
【0135】
分散後、大塚電子社製・電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均径は122nmであった。また、静置乾燥による重量法で測定した上記分散液の固形分濃度は16.6w/w%であった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
【0136】
10lステンレスポットに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学社製)0.55kgを入れ、イオン交換水4.0lを加え、室温下撹拌溶解する。これを、アニオン界面活性剤溶液Aとする。
【0137】
10lステンレスポットに、ニューコール565C(日本乳化剤社製)0.14kgを入れ、イオン交換水4.0lを加え、室温下撹拌溶解する。これを、ノニオン界面活性剤溶液Bとする。
【0138】
20lホーローポットに、過硫酸カリウム(関東化学社製)223.8gを入れ、イオン交換水12.0lを加え、室温下撹拌溶解する。これを、開始剤溶液Cと呼ぶ。
【0139】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100lのGL(グラスライニング)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kgとアニオン界面活性剤溶液Aとノニオン界面活性剤溶液Bとを入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0lを加える。
【0140】
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、開始剤溶液Cを添加する。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを投入する。
【0141】
さらに、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を行った。
【0142】
液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、これをラテックス▲1▼−Aとした。
【0143】
なお、ラテックス▲1▼−A中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は120nmであった。
【0144】
新たな10lステンレスポットに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学社製)0.55kgを入れ、イオン交換純水4.0lを加え、室温下撹拌溶解する。これを、アニオン界面活性剤溶液Dと呼ぶ。
【0145】
10lステンレスポットに、ニューコール565C(日本乳化剤社製)0.14kgを入れ、イオン交換純水4.0lを加え、室温下撹拌溶解する。これを、ノニオン界面活性剤溶液Eと呼ぶ。
【0146】
20lホーローポットに、過硫酸カリウム(関東化学社製)200.7gを入れ、イオン交換水12.0lを加え、室温下撹拌溶解する。これを、開始剤溶液Fと呼ぶ。
【0147】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100lのGL反応釜(撹拌翼はファウドラー翼)に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度 29.9%)3.41kgとアニオン界面活性剤溶液Dとノニオン界面活性剤溶液Eとを入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0lを投入する。
【0148】
加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、開始剤溶液Fを添加する。この時、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を投入する。
【0149】
その後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。
【0150】
液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、この濾液をラテックス▲1▼−Bとした。
【0151】
なお、ラテックス▲1▼−B中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
【0152】
35lステンレスポットに塩析剤としての塩化ナトリウム(和光純薬社製)5.36kgとイオン交換水20.0lを入れ、撹拌溶解する。これを、塩化ナトリウム溶液Gとする。
【0153】
2lガラスビーカーにFC−170C(住友スリーエム社製、ノニオン界面活性剤)1.00gを入れ、イオン交換水1.00lを加えて撹拌溶解する。これを、ノニオン界面活性剤溶液Hとする。
【0154】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100lのSUS反応釜(撹拌翼はアンカー翼)に、上記で作製したラテックス▲1▼−A=20.0kgとラテックス▲1▼−B=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ撹拌する。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加する。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温する。液温度85℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、40℃以下に冷却し撹拌を停止する。目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液▲1▼とする。
【0155】
ついで、ヌッチェを用いて、会合液▲1▼よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
【0156】
上記で洗浄を完了したウエットケーキ状の非球形状粒子を、ヌッチェより取り出し、全紙バット5枚に、細かく砕きながら広げた。クラフト紙で覆いをかけた後、40℃の送風乾燥機で100時間乾燥した。
【0157】
乾燥を完了したブロック状の非球形状粒子を、ヘンシェル粉砕器で解砕した。
【0158】
以上のようにして得られた非球形状粒子を「非球形状粒子1」とする。なお、「非球形状粒子1」の構成成分である樹脂粒子の分子量は重量平均分子量=5.5万、軟化点=125℃、ガラス転移温度=57℃、体積平均粒径=6.53μmであり、形状係数は1.92で形状係数が1.5〜2.0の範囲のものは97個数%であった。
【0159】
上記非球形状粒子に疎水性シリカ(一次数平均粒子径=12nm)を1重量%添加して実施例用トナー1を得た。
【0160】
また、これらトナーとスチレンアクリル樹脂を被覆した体積平均粒径が45μmのフェライトキャリアを混合してトナー濃度が6%の現像剤をそれぞれ調製し、印字評価に使用した。この現像剤をトナーに対応して「実施例用現像剤1」とする。
【0161】
評価(接触現像方式)
コニカ製デジタル複写機7033のコロナ帯電器をローラー帯電器に変更し、更に、コピー速度をA4、10枚/分に改造して実写評価を実施した。条件は下記に示す条件である。感光体としては積層型有機感光体を使用した。
【0162】
(帯電ローラー)
図2、5Bの構造を有す。
【0163】
芯金 ;8mmφのステンレス鋼
導電性弾性層部;16mmφの導電性ゴム層(EPDM樹脂)
表面層 ;厚み20μmのナイロン系樹脂層
硬度 ;57.5(ASKER−C)
抵抗値 ;3.0×107Ω(20℃、50%測定)
帯電条件
感光体当接圧;50g/cm,
帯電部材に印加される直流電圧;−600V,交流電圧;2,000Vp−p,周波数;150Hz
(感光体)
感光体としてはコニカ製デジタル複写機7033用OPCを使用。
【0164】
(直径=60mmのドラム、アルミニウム支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層の順の層構成)
感光体の構成を下記に示す。
【0165】
下引;チタンキレート化合物TC−750(松本製薬製)/シランカップリング剤KBM503(信越化学製)=2/1.3のプロパノ−ル溶液を塗布。乾燥膜厚は1.0μm。
【0166】
CGL;チタニルフタロシアニン/シリコン編成ブチラール(KR5254信越化学製)=1/1の比で乾燥膜厚は0.3μm。
【0167】
CTL;α−フェニルスチルベンタイプCTM/ポリカーボネートZ=2/3の比で乾燥膜厚は28μm。
【0168】
現像条件
DCバイアス ;−500V
Dsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm
現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式
現像剤層厚 ;700μm
現像スリーブ径;40mmφ
また、定着方法としては、熱ロール定着を使用し、感光体に残留する未転写トナーはブレードクリーニング方式でクリーニングする方法を採用した。
【0169】
使用する転写紙としては連量が55kgの用紙を使用し、縦方向に画像を形成した。また、画像形成条件としては常温常湿環境(25℃/55%RH)にてべた黒、中間調、白画像のあるオリジナル画像を10000枚コピーし、評価した。10000枚目のコピー画像は黒濃度、中間調、白画像部ともクリアーに再現されており、又、感光体表面のトナー固着も見られなかった。
【0170】
実施例2
実施例用トナー2及び実施例用現像剤2の製造
実施例用トナー1製造例の「非球形状粒子1」の製造において、ラテックス▲1▼−Aの製造に於けるドデシルメルカプタンを400gとし、ラテックス▲1▼−Bに於けるドデシルメルカプタンを使用しない他は同様にして、「非球形状粒子2」を得た。なお、それぞれのラテックスをラテックス▲2▼−A、▲2▼−Bとする。
【0171】
なお、ラテックス▲2▼−A中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.57万、重量平均粒径は115nmであった。
【0172】
なお、ラテックス▲2▼−B中の樹脂粒子のガラス転移温度は59℃、軟化点は136℃、分子量分布は、重量平均分子量=31.5万、重量平均粒径は115nmであった。
【0173】
「非球形状粒子2」の構成成分である樹脂粒子の分子量は重量平均分子量=7.5万、軟化点=131℃、ガラス転移温度=57℃、体積平均粒径=7.24μmであり、形状係数は1.87で形状係数が1.5〜2.0の範囲のものは94個数%であった。
【0174】
上記非球形状粒子に疎水性シリカ(一次数平均粒子径=12nm)を1重量%添加して実施例用トナー2を得た。
【0175】
上記トナー2を実施例1と同じフェライトキャリアを混合してトナー濃度が6%の現像剤を調製し、印字評価に使用した。この現像剤をトナーに対応して「実施例用現像剤2」とする。
【0176】
評価条件は実施例1と同一で評価を実施した。
【0177】
実施例2に於いても、10000枚目のコピー画像は黒濃度、中間調、白画像部ともクリアーに再現されており、又、感光体表面のトナー固着も見られなかった。
【0178】
実施例3
実施例用トナー3及び実施例用現像剤3の製造
実施例用トナー1製造例の「非球形状粒子1」製造において、ラテックス▲1▼−Bの重合性単量体をスチレン=13.25kg、アクリル酸ブチル=3.21kg、アクリル酸=0.75kgへ変更した他は同様にして樹脂粒子を得た。このものをラテックス▲3▼−Bとする。なお、ラテックス▲3▼−B中の樹脂粒子のガラス転移温度は55℃、軟化点は135℃、分子量分布は、重量平均分子量=23.1万、重量平均粒径は105nmであった。
【0179】
ついで、実施例1に準じてラテックス▲1▼−Aとラテックス▲3▼−Bとを使用し、着色粒子を得た。なお、ここで得られた非球形状粒子を「非球形状粒子3」とする。
【0180】
「非球形状粒子3」の構成成分である樹脂粒子の分子量は重量平均分子量=6.1万、軟化点=125℃、ガラス転移温度=57℃、体積平均粒径=7.24μmであり、形状係数は1.79で形状係数が1.5〜2.0の範囲のものは90個数%であった。
【0181】
上記非球形状粒子に疎水性シリカ(一次数平均粒子径=20nm)を1重量%添加して実施例用トナー3を得た。
【0182】
上記トナー3を実施例1と同じフェライトキャリアを混合してトナー濃度が6%の現像剤を調製し、印字評価に使用した。この現像剤をトナーに対応して「実施例用現像剤3」とする。
【0183】
評価条件は実施例1と同一で評価を実施した。
【0184】
実施例3に於いても、10000枚目のコピー画像は黒濃度、中間調、白画像部ともクリアーに再現されており、又、感光体表面のトナー固着も見られなかった。
【0185】
比較例1
比較例用トナー1及び比較例用現像剤1の製造
非球形状粒子製造を懸濁重合トナー製造後メカノケミカル手法により着色粒子を表面に融着させ表面を凹凸にしたトナーを特開平7−36207号の重合トナー製造例4に従って製造した。すなわち、スチレン=165g、n−ブチルアクリレート=35g、フタロシアニンブルー=10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物=2g、スチレン−メタクリル酸共重合体=8g、パラフィンワックス(mp=70℃)=20gを60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した。これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)=10gを加えて溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。ついで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TKホモミキサーにて12000rpmで撹拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて10000rpmで20分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、80℃にて10時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、ついで濾過、洗浄、乾燥を行って体積平均粒径が7.9μmの着色粒子を得た。ついでこの着色粒子に数平均一次粒子径が1.0μmのPMMA粒子を2.0重量%添加し、奈良機械製作所製ハイブリダイザーを使用し、周速80m/secの条件で3分間メカノミル処理を実施し、着色粒子表面に凹凸を形成した。このものに、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1重量%添加して比較用トナーを得た。これを「比較例用トナー1」とする。このものの形状係数は1.19であり、形状係数が1.5〜2.0の範囲のものは10個数%であった。
【0186】
上記比較例用トナー1に実施例1と同じフェライトキャリアを混合してトナー濃度が6%の現像剤を調製し、印字評価に使用した。この現像剤をトナーに対応して「比較例用現像剤1」とする。
【0187】
比較例2
比較例用トナー2及び比較例用現像剤2の製造
スチレンアクリル樹脂=100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3000)=4部とを溶融、混練、粉砕して体積平均粒径が6.9μmの着色粒子を得た。ついでこの着色粒子に疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1重量%添加して比較用トナーを得た。これを「比較例用トナー2」とする。このものの形状係数は2.13であり、形状係数が1.5〜2.0の範囲のものは26個数%であった。
【0188】
上記比較例用トナー2に実施例1と同じフェライトキャリアを混合してトナー濃度が6%の現像剤を調製し、印字評価に使用した。この現像剤をトナーに対応して「比較例用現像剤2」とする。
【0189】
評価条件は実施例1と同一にして評価を実施した。
【0190】
「比較例用現像剤1」及び「比較例用現像剤2」に於いては、初期コピーの画像は良好であったが、10000枚目のコピー画像では中間調、白画像部に黒筋状の画像汚れが発生し、白画像部には薄いカブリも発生していた。又、感光体表面観察でも微細なトナー状の固着が見られた。
【0191】
実施例4
実施例用トナー4及び実施例用現像剤4の製造
酸性極性基含有重合樹脂の調製
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100lのGL
反応釜(撹拌翼はファウドラー翼)に、下記の成分を添加した。
【0192】
スチレンモノマー 60部
アクリル酸ブチル 40部
アクリル酸 8部
水 100部
ノニオン乳化剤(エマルゲン950) 1部
アニオン乳化剤(ネオゲンR) 1.5部
過硫酸カリウム 0.5部
上記水溶液混合物を撹拌下70℃で8時間重合させて固形分50%の酸性極性基含有樹脂エマルジョン(ラテックス▲4▼)を得た。
【0193】
トナー調製
ラテックス▲4▼ 120部
カーボンブラック(リーガル330R) 5部
クロム染料(ボントロン−E81) 1部
水 200部
以上の混合物をスラッシャーで分散撹拌しながら約30℃、2時間保持した。その後、更に撹拌しながら70℃に加温して3時間保持した。冷却して得られた液状分散物をブフナー濾過、水洗し、50℃真空乾燥10時間行い「非球形粒子4」を得た。「非球形粒子4」の体積平均粒径は10.5μm、形状係数は1.96、形状係数が1.5〜2.0の範囲のものは85個数%であった。
【0194】
上記非球形状粒子に疎水性シリカ(一次数平均粒子径=20nm)を1重量%添加して実施例用トナー4を得た。
【0195】
上記トナー4を実施例1と同じフェライトキャリアを混合してトナー濃度が6%の現像剤を調製し、印字評価に使用した。この現像剤をトナーに対応して「実施例用現像剤4」とする。
【0196】
評価条件は実施例1と同一で評価を実施した。
【0197】
実施例4に於いても、10000枚目のコピー画像は黒濃度、中間調、白画像部ともクリアーに再現されており、又、感光体表面のトナー固着も見られなかった。
【0198】
【発明の効果】
樹脂粒子を水系媒体中に於いて融着させたトナーは粒度分布が狭く、小粒径トナーを含まないこと、及び本質的な非球形形状を有する特徴により、接触帯電方式の画像形成に於いて、帯電ローラーや電子写真感光体の表面へのトナー固着が少なく、該トナーを現像剤に用いた接触帯電方式の画像形成に顕著な効果を奏することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接触帯電電子写真画像形成装置の一例を示す断面構成図。
【図2】各種帯電ローラーの断面図。
【図3】本発明の画像形成装置に着脱自在のプロセスカートリッジの断面図。
【符号の説明】
1 半導体レーザ光源
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ
4 感光体ドラム
5 帯電ローラー
5A 単層タイプの帯電ローラー
5B 被覆タイプの帯電ローラー
5C 被覆タイプの他の実施態様の帯電ローラー
51 軸体(芯金)
52 導電性弾性層部
53 表面被覆層部
54 中抵抗層部
6 現像器
7 転写器
8 転写体
9 分離極
10 定着器
11 クリーニング器
12 帯電前露光(PCL)
13 クリーニングブレード
14 電源部
15 プロセスカートリッジ
Claims (6)
- 帯電部材を電子写真感光体に接触させて、外部より電圧を印加して帯電を行う帯電工程の後、潜像画像を形成し、該潜像画像を現像剤を用いて顕像化し、該顕像を転写材に転写した後、定着、クリーニングを行う画像形成方法において、前記電子写真感光体は直径が70mm以下のドラムの有機光導電体であり、前記現像剤に樹脂粒子を水系媒体中にて融着させて得られた形状係数の算術平均値が1.3〜2.2且つ形状係数1.5〜2.0の範囲にあるトナー粒子が80個数%以上のトナーを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
- 上記現像剤に樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中において融着させたトナーを用いることを特徴とする請求項1記載の電子写真画像形成方法。
- 上記帯電部材が帯電ローラーであることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真画像形成方法。
- 帯電部材を電子写真感光体に接触させて、外部より電圧を印加して帯電を行う帯電工程の後、潜像画像を形成し、該潜像画像を現像剤を用いて顕像化し、該顕像を転写材に転写した後、定着、クリーニングを行う画像形成装置において、前記電子写真感光体は直径が70mm以下のドラムの有機光導電体であり、前記現像剤に樹脂粒子を水系媒体中にて融着させて得られた形状係数の算術平均値が1.3〜2.2且つ形状係数1.5〜2.0の範囲にあるトナー粒子が80個数%以上のトナーを用いることを特徴とする電子写真画像形成装置。
- 上記現像剤に樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中において融着させたトナーを用いることを特徴とする請求項4記載の電子写真画像形成装置。
- 請求項4又は5に記載の画像形成装置に於いて、電子写真感光体、帯電部材、現像部材、クリーニング部材が少なくとも一体にユニット化されており、該ユニットは画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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